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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】制御装置、制御方法、及び荷役システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/90 20060101AFI20240708BHJP
【FI】
B65G47/90 A
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020124273
(22)【出願日】2020-07-21
(65)【公開番号】P2022020965
(43)【公開日】2022-02-02
【審査請求日】2023-05-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】瀧口 武
【審査官】板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-104126(JP,A)
【文献】特開2019-038047(JP,A)
【文献】特開2000-159346(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0180479(US,A1)
【文献】特開2020-069640(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/90-47/96
B65G 57/00-57/32
B25J 1/00-21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の荷役処理を行う荷役装置を制御するプロセッサを具備する制御装置であって、
前記プロセッサは、
前記物品に予め付与され且つ前記物品の種類を示す識別情報を取得し、
前記識別情報と前記物品の荷役処理に関する物品情報とが対応付けられたデータベースから前記識別情報に基づいて前記物品情報を取得し、
取得した前記物品情報に基づき、前記荷役装置により前記物品の荷役処理を実行さ
前記物品情報は、前記荷役装置による前記物品の荷役処理において、前記物品に付着した防滑剤の有無を示す情報を含む、制御装置。
【請求項2】
同じ種類の複数の前記物品に対して、同一の前記識別情報が付与されている請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記物品情報は、荷役処理において前記荷役装置が前記物品を把持する際の把持方法の情報を含む請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記物品情報は、荷役処理において前記荷役装置が前記物品を把持し、移動させる際の動作速度の情報を含む請求項1乃至3のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記物品情報は、前記荷役装置による前記物品の荷役処理が可能であるか否かを示す情報を含む請求項1乃至4のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記物品情報は、前記荷役装置による前記物品の荷役処理において、前記物品に付着した防滑剤を剥がす防滑剤剥がし処理を行うか否かを示す情報を含む請求項1乃至のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
取得した前記識別情報が前記データベースに登録されていない場合、前記荷役処理の結果に基づいて前記物品情報を生成し、前記データベースに登録する請求項1乃至のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
取得した前記識別情報に対応付けられた前記データベースの前記物品情報を、前記荷役処理の結果に基づいて更新する請求項1乃至のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項9】
物品の荷役処理を行う荷役装置を制御するプロセッサを具備する制御装置における制御方法であって、
前記プロセッサは、
前記物品に予め付与され且つ前記物品の種類を示す識別情報を取得し、
前記識別情報と前記物品の荷役処理に関する物品情報とが対応付けられたデータベースから前記識別情報に基づいて前記物品情報を取得し、
取得した物品情報に基づき、前記荷役装置により前記物品の荷役処理を実行さ
前記物品情報は、前記荷役装置による前記物品の荷役処理において、前記物品に付着した防滑剤の有無を示す情報を含む、制御方法。
【請求項10】
物品の荷役処理を行う荷役装置と、前記荷役装置を制御するプロセッサを備える制御装置と、を具備する荷役システムであって、
前記荷役装置は、
前記物品を把持する把持部と、
前記物品を把持した前記把持部を移動させるアーム部と、
を具備し、
前記プロセッサは、
前記物品に予め付与され且つ前記物品の種類を示す識別情報を物品から取得し、
前記識別情報と前記物品の荷役処理に関する物品情報とが対応付けられたデータベースから前記識別情報に基づいて前記物品情報を取得し、
取得した物品情報に基づき、前記荷役装置により前記物品の荷役処理を実行さ
前記物品情報は、前記荷役装置による前記物品の荷役処理において、前記物品に付着した防滑剤の有無を示す情報を含む、荷役システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、制御装置、制御方法、及び荷役システムに関する。
【背景技術】
【0002】
台車などに積載された物品(ワーク)を台車から別の場所(例えばコンベアなど)に移動させる荷役装置を有する荷役システムが実用化されている。荷役システムは、荷役装置、カメラ、データベース(登録情報)を記憶したサーバなどを備える。荷役システムでは、処理の対象となる物品に、予め物品固有の識別情報が付与されている。また、データベース上で、物品固有の識別情報に対して荷役装置により物品を処理する際に用いられるパラメータが登録されている。荷役装置は、カメラにより物品から読み取った識別情報に対応付けられたパラメータをサーバのデータベースから取得し、パラメータに基づいて、物品を把持し、移動させる処理(以下、荷役処理と称する)を行う。
【0003】
上記のような方法では、物品毎のパラメータを予めデータベースに登録し、且つ識別情報を物品に付与する必要がある。この為、データベースの作成に手間を要するという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-182557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、容易に物品の特徴に応じた制御を行うことができる制御装置、制御方法、及び荷役システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係る制御装置は、物品の荷役処理を行う荷役装置を制御するプロセッサを具備する制御装置である。前記プロセッサは、前記物品に予め付与され且つ前記物品の種類を示す識別情報を取得し、前記識別情報と前記物品の荷役処理に関する物品情報とが対応付けられたデータベースから前記識別情報に基づいて前記物品情報を取得し、取得した前記物品情報に基づき、前記荷役装置により前記物品の荷役処理を実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、一実施形態に係る荷役システムの概略的な構成例について説明する為の説明図である。
図2図2は、一実施形態に係る荷役システムの構成例について説明する為の説明図である。
図3図3は、一実施形態に係る荷役システムにおけるデータベースの構成例について説明する為の説明図である。
図4図4は、一実施形態に係る荷役システムにおける動作の例について説明する為の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、一実施形態に係る荷役システム1の概略的な構成例について説明する為の説明図である。図2は、荷役システム1の構成例について説明するためのブロック図である。
【0009】
荷役システム1は、台車11に積載された処理対象である物品(ワーク)12を所定の場所(例えばコンベアなど)に移動させる装置である。
【0010】
台車11は、物品12が積載される構成である。台車11は、例えば、AGV(Automatic Guided Vehicle:無人搬送車)として構成される。この場合、台車11は、物品12が積載される荷台と、荷台を移動させる移動機構とを備える。台車11の移動機構は、図示されないモータにより車輪を駆動させることにより、荷台を走行させることができる。なお、台車11は、物品12が積載される構成の一例であり、パレット、かご車など、物品12を積載することができるものであれば如何なるものであってもよい。
【0011】
物品12は、荷役システム1における処理対象である。物品12は、例えば複数の商品が収容された箱などである。また、物品12は、1つの商品単体であってもよい。物品12の中には、箱の側面(上面及び底面とは異なる面、または台車11に積載された場合に鉛直方向とほぼ平行な面)に穴が空いたものがある。また、物品12の中には、トラックでの輸送時等に積載された物品12が荷崩れを起こすのを防止するため、糊剤等の防滑処理剤(以下単に防滑剤と称する)が塗布されたものがある。物品12には、予め物品12の種類を示す識別情報であるコード13が付与されている。
【0012】
コード13は、物品12の固有の識別情報ではなく、少なくとも物品12の種類を識別することができる情報であればよい。即ち、同じ種類の物品12には、同じコード13が付与されている。コード13は、例えばJAN(Japan Article Number)コード、またはITF(Interleaved Two of Five)コードなどにより構成される。コード13は、例えば、物品12の箱の表面に印刷されている。また、コード13が印刷されたシールなどが物品12の箱に貼り付けられていてもよい。
【0013】
荷役システム1は、カメラ21、サーバ22、距離センサ23、及び荷役装置24を備える。また、荷役システム1は、台車11が荷役装置24近傍の所定の位置に到着したことを検出するセンサなどをさらに備えていてもよい。カメラ21、サーバ22、及び荷役装置24は、ネットワーク25を介して互いに通信可能に構成されている。
【0014】
カメラ21は、レンズと、レンズにより結像された光を画像に変換する撮像素子とが組み合わされた撮像装置である。カメラ21は、取得した画像を荷役装置24に送信する。
【0015】
カメラ21のレンズは、荷役装置24近傍に到着した台車11を撮像することができるように設けられている。カメラ21は、例えば、荷役装置24近傍に到着した台車11を鉛直方向における上方から撮像するように設けられている。また、カメラ21は、荷役装置24近傍に到着した台車11を水平方向から撮像する構成であってもよい。また、荷役システム1は、荷役装置24近傍に到着した台車11を鉛直方向における上方から撮像するカメラと、台車11を水平方向から撮像するカメラとを備える構成であってもよい。
【0016】
サーバ22は、プロセッサ、メモリ、ストレージ、及び通信インタフェースなどを備える装置である。サーバ22のストレージには、識別情報(ID)と、物品の物理的特徴に関する情報(物品情報)とが対応付けられたデータベースを記憶する。
【0017】
図3は、サーバ22に記憶されたデータベースの例について説明する為の説明図である。図3の例では物品12の種類毎に設定された「ID」に、物品情報として「サイズ」、「重量」、「把持方法」、「動作速度」、「防滑剤有無」、及び「処理可否」などが対応付けられている。即ち、物品情報は、物品に予め付与され、且つ物品の荷役処理に関する情報である。また、データベースには、さらに他の情報が含まれていてもよい。
【0018】
「サイズ」は、物品12の外形寸法を示す情報である。「サイズ」は、例えば、物品12の箱の幅、奥行き、及び高さなどの情報を示す。また、「サイズ」は、物品12の寸法を、例えば「大」、「中」、「小」などのように正規化して示すものであってもよい。
【0019】
「重量」は、物品12の重量を示す情報である。「重量」は、例えば、物品12の箱の重さに基づき生成される情報である。また、「重量」は、物品12の重量を、例えば「重」、「中」、「軽」などのように正規化して示すものであってもよい。
【0020】
「把持方法」は、荷役処理の処理方法を示す情報であり、物品12を荷役装置24によって把持する際の方法を示す情報である。通常は物品12を二面把持(例えば上面と側面とを把持)することが望ましい。しかし、上記したように、物品12の中には、箱の側面に穴が空いているものが存在する。このように物品12の箱の側面に穴が空いている場合、側面で把持することができない可能性がある為、上面把持が行われる。例えば、「把持方法」は、例えば「二面把持」か「上面把持」かを示す情報として構成される。なお、「把持方法」は、荷役装置24の構成に応じた方法を示す情報であればよく、「二面把持」か「上面把持」かに限定されない。「把持方法」は、さらに「側面把持」を示すこともできる。
【0021】
「動作速度」は、荷役処理の処理方法を示す情報であり、物品12を荷役装置24によって把持し、移動させる際の速度を示す情報である。「動作速度」は、例えば、物品12を移動させるアームの移動速度を示すパラメータとして構成される。また、「動作速度」は、例えば「高速」、「中速」、「低速」などのように速度が正規化されたものであってもよい。
【0022】
「防滑剤有無」は、荷役処理の処理方法を示す情報であり、物品12の箱に防滑剤が塗布されているか否かを示す情報である。
【0023】
「処理可否」は、物品12を荷役装置24による荷役処理が可能か否かを示す情報である。即ち、「処理可否」は、例えば、荷役装置24によって物品12を把持し移動させることが可能であるか否かを示す情報である。
【0024】
距離センサ23は、対象物までの距離を計測するセンサである。距離センサ23は、対象物との距離を示す距離情報を取得する。距離センサ23は、例えば、荷役装置24近傍に到着した台車11を鉛直方向における上方から撮像するように設けられている。距離センサ23は、距離情報を、ネットワーク25を介して荷役装置24に供給する。なお、荷役装置24がカメラ21により取得した画像に基づいて処理可能な構成である場合、距離センサ23は省略されてもよい。また、距離センサ23によりコード13を読み取り可能であれば、カメラ21は省略されてもよい。
【0025】
次に、荷役装置24の構成について説明する。
荷役装置24は、台車11に積載された物品12を把持し、把持した物品12を持ち上げ、物品12を荷降し先に供給する荷役処理を実行する装置である。荷役装置24は、通信インタフェース31、デパレタイザ32、及び制御装置33を備える。
【0026】
通信インタフェース31は、他の機器との通信を中継するインタフェースである。通信インタフェース31は、ネットワーク25を介したカメラ21及びサーバ22と荷役装置24との通信を中継する。また、通信インタフェース31は、さらに上位のシステムなどとネットワークを介した通信を中継する構成であってもよい。さらに、通信インタフェース31は、制御装置33とデパレタイザ32との通信を中継する構成であってもよい。
【0027】
デパレタイザ32は、荷役装置の一形態である。デパレタイザ32は、把持部41、アーム部42、センサ43、及び搬送部44を備える。また、デパレタイザ32は、把持部41、アーム部42、センサ43、及び搬送部44の動作を制御するコントローラをさらに備えていてもよい。
【0028】
把持部41は、物品12を把持する機構である。把持部41は、例えば、物品12に吸着する吸着パッド(吸着機構)を備える。吸着パッドは、物品12の表面に接し、且つコントローラの制御によりパッド内が負圧になることにより、物品12の表面に吸着し、物品12を把持する。また、把持部41は、コントローラの制御により吸着パッド内の負圧を解除し、物品12の把持を解除する。例えば、図1に示されるように、把持部41は、物品12の上面に吸着する第1吸着機構45、及び物品12の側面に吸着する第2吸着機構46を備える。
【0029】
アーム部42は、把持部41を移動させる機構である。アーム部42は、把持部41をX方向、Y方向、及びZ方向にそれぞれ移動させる移動機構を備える。移動機構は、コントローラの制御に基づいて、把持部41をX方向に移動させる為のアクチュエータ、把持部41をY方向に移動させる為のアクチュエータ、及び把持部41をZ方向に移動させる為のアクチュエータをそれぞれ動作させる。これにより、移動機構は、把持部41をX方向、Y方向、及びZ方向に移動させ、把持部41の吸着パッドを物品12に接触させることができる。
【0030】
センサ43は、荷役装置24における種々の動作に必要な情報を検出するセンサである。センサ43は、1つであっても複数であってもよい。センサ43は、例えば、荷役装置24に近傍の所定位置に台車11が到着したことを検出するセンサである。また、センサ43は、例えば、把持部41に対して加えられる応力、把持部41の吸着パッドが物品12に接触した際の応力、及び把持部41により持ち上げた物品12によって把持部41に加わる応力などを検出する力覚センサとして構成される。
【0031】
搬送部44は、荷役装置24における処理対象の荷降し先である。搬送部44は、荷降し台47、副搬送路48、及び主搬送路49を備える。
【0032】
荷降し台47は、把持部41によって持ち上げられた物品12が降ろされる台である。
【0033】
副搬送路48は、物品12を搬送する構成である。副搬送路48は、例えば、回転することにより物品12を搬送する複数のローラにより構成される。副搬送路48には、荷降し台47に降ろされ、把持部41及びアーム部42によって押し出された物品12が供給される。副搬送路48は、供給された物品12を主搬送路49に排出する。なお、搬送部44は、荷降し台47に降ろされた物品12を副搬送路48に押し出す構成を備えていてもよい。
【0034】
主搬送路49は、物品12を上流側から下流側に搬送する構成である。主搬送路49は、例えば、回転することにより物品12を搬送する複数のローラにより構成される。主搬送路49には、副搬送路48によって物品12が供給される。なお、主搬送路49には、複数の荷役装置24からの物品12が供給される構成であってもよい。
【0035】
制御装置33は、荷役装置24の動作を制御する。即ち、制御装置33は、荷役処理における処理方法をデパレタイザ32に指示する。例えば、制御装置33は、把持部41を移動させる位置、把持方法、動作速度、及び他の種々の動作をデパレタイザ32に指示する為の動作計画を生成する。制御装置33は、距離センサ23から取得した距離情報などに基づいて動作計画を生成する。制御装置33は、動作計画を荷役装置24に送信することにより、荷役装置24に台車11からの物品12の荷降ろしを実行させる。なお、制御装置33は、デパレタイザ32と通信可能に構成されていれば、荷役装置24の外部に設けられていてもよい。例えば、制御装置33は、ネットワーク25を介して荷役装置24と通信するように構成されていてもよい。
【0036】
制御装置33は、プロセッサ51、メモリ52、ディスプレイ53、及び操作部54などを備える。
【0037】
プロセッサ51は、演算処理を実行する演算素子である。プロセッサ51は、例えばCPUとして構成される。プロセッサ51は、メモリ52に記憶されているプログラムに基づいて種々の処理を行う。
【0038】
メモリ52は、プログラム及びデータを記憶する記憶装置である。メモリ52は、例えば、読み出し専用の不揮発性メモリであるROM、データを一時的に記憶するRAM、及びデータを記憶するストレージのいずれか、または複数を備える。
【0039】
ディスプレイ53は、プロセッサ51または図示されないグラフィックコントローラから供給される表示用のデータ(画面データ)に基づいて画面を表示する。
【0040】
操作部54は、操作に応じて操作信号を生成し、操作信号をプロセッサ51に供給する構成である。操作部54は、例えば、ディスプレイ53に表示された画面上において、オペレータがタッチした位置を示す操作信号を生成するタッチセンサとして構成される。また、操作部54は、マウス、トラックボール、キーボード、トラックパッドなど如何なるものであってもよい。
【0041】
次に、荷役システム1の動作について説明する。
図4は、荷役システム1の動作について説明する為のフローチャートである。
【0042】
まず、物品12が積載された台車11が荷役装置24の近傍の所定位置に到着した場合、カメラ21は、台車11に積載された物品12の画像を取得する。カメラ21は、物品12の画像を荷役装置24に送信する。
【0043】
荷役装置24の制御装置33のプロセッサ51は、距離センサ23から供給された距離情報を取得する(ステップS11)。プロセッサ51は、距離情報に基づいて、台車11に積載された物品12を認識する。さらに、プロセッサ51は、距離情報に基づいて、次に処理する(把持する)物品12を決定してもよい。
【0044】
プロセッサ51は、カメラ21から供給された物品12の画像から、物品12に付与されたコード13を読み取る(ステップS12)。例えば、プロセッサ51は、次に処理する物品12のコード13を読み取る。プロセッサ51は、コード13を復号し、物品12に対応付けられた識別情報(ID)を取得する。
【0045】
プロセッサ51は、コード13の読み取りが成功したか否か判断する(ステップS13)。
【0046】
プロセッサ51は、コード13の読み取りが失敗したと判断した場合(ステップS13、NO)、距離センサ23から取得した距離情報に基づいて動作計画を生成し、デパレタイザ32に物品12の把持及び搬送部への物品12の供給を行わせる荷役処理(通常処理)を行う(ステップS14)。
【0047】
プロセッサ51は、コード13の読み取りが成功したと判断した場合(ステップS13、YES)、コード13から取得した識別情報に基づいて、サーバ22のデータベースを参照する(ステップS15)。プロセッサ51は、コード13から取得した識別情報に対応付けられた物品情報をサーバ22のデータベースから取得する。これにより、プロセッサ51は、コード13を取得した物品12の物品情報をサーバ22から取得する。
【0048】
プロセッサ51は、コード13から取得した識別情報に対応付けられた物品情報がサーバ22のデータベース内に存在するか否か判断する(ステップS16)。
【0049】
プロセッサ51は、コード13から取得した識別情報に対応付けられた物品情報がサーバ22のデータベース内に存在すると判断した場合(ステップS16、YES)、物品情報に基づいて処理対象であるか否か判断する(ステップS17)。プロセッサ51は、識別情報に対応付けられた物品情報の「処理可否」が「可」であるか「否」であるか判断する。プロセッサ51は、「処理可否」が「可」である場合、コード13を取得した物品12が処理対象であると判断し、「処理可否」が「否」である場合、コード13を取得した物品12が処理対象外であると判断する。
【0050】
プロセッサ51は、コード13を取得した物品12が処理対象であると判断した場合(ステップS17、YES)、物品情報に基づいて処理方法を決定する(ステップS18)。例えば、プロセッサ51は、コード13を取得した物品12の物品情報に基づいて、コード13を取得した物品12をデパレタイザ32により荷役処理する際の動作の各種のパラメータを決定する。
【0051】
具体的には、プロセッサ51は、物品情報の「把持方法」に基づいて、二面把持を行うか上面把持を行うかを決定する。例えば、物品12が、箱の側面に穴が空いている種類のものである場合、「把持方法」として「上面把持」がデータベース上に登録されている。この為、プロセッサ51は、物品情報の「把持方法」に基づいて、二面把持を行うか上面把持を行うかを決定する。即ち、プロセッサ51は、物品情報の「把持方法」に基づいて、デパレタイザ32の把持部41の第1吸着機構45と第2吸着機構46との両方を用いる(二面把持)か、第1吸着機構45のみを用いる(上面把持)か、を決定する。
【0052】
例えば、物品12が、箱の側面に穴が空いている種類のものである場合、「把持方法」として「上面把持」がデータベース上に登録されている。また、物品12が、箱の側面に穴が空いていない種類のものである場合、「把持方法」として「上面把持」よりも安定性の高い「二面把持」がデータベース上に登録されている。
【0053】
また、プロセッサ51は、物品情報の「動作速度」に基づいて、把持した物品12をアーム部42の移動機構により移動させる際の速度を決定する。
【0054】
例えば、物品12が軽量である場合、「動作速度」として「高速」がデータベース上に登録されている。また、例えば、物品12が重いものである場合、「動作速度」として「低速」がデータベース上に登録されている。また、例えば、「把持方法」で「上面把持」が登録されている場合、安定させて物品12を移動させるために、「動作速度」として「低速」がデータベース上に登録されている。
【0055】
また、プロセッサ51は、物品情報の「防滑剤有無」に基づいて、把持した物品12に付着した防滑剤を剥がす処理(防滑剤剥がし処理)を行うか否かを決定する。
【0056】
防滑剤剥がし処理は、把持した物品12の箱の底面を搬送部44の荷降し台47に擦らせつつ副搬送路48に物品12を搬出することにより、物品12の箱の底面に付着した防滑剤を剥がす処理である。具体的には、防滑剤剥がし処理は、デパレタイザ32のアーム部42により、把持部41により把持された物品12から搬送部44の荷降し台47に圧力を与えつつ副搬送路48に物品12を押し出すことにより行われる。なお、防滑剤剥がし処理は、搬送部44の荷降し台47に物品12を押し付けるのではなく、防滑剤を剥がす為の図示されない部材に物品12の箱の底面を押し付けてもよい。
【0057】
プロセッサ51は、上記の処理により、二面把持と上面把持とのどちらを行うか、把持した物品12を移動させる場合の移動速度、防滑剤剥がし処理を行うか否かなどを処理方法として決定する。
【0058】
プロセッサ51は、決定した処理方法と、距離センサ23から取得した距離情報とに基づき、物品12を処理するようにデパレタイザ32に動作計画を送信し、デパレタイザ32に荷役処理を実行させる(ステップS19)。例えば、プロセッサ51は、距離情報に基づいて、把持部41を移動させる位置を決定する。プロセッサ51は、把持部41を移動させる位置、二面把持と上面把持とのどちらを行うか、把持した物品12を移動させる場合の移動速度、防滑剤剥がし処理を行うか否かなどを示す動作計画を生成し、デパレタイザ32に送信する。
【0059】
デパレタイザ32は、動作計画を受信すると、動作計画で示された位置まで移動させる。また、デパレタイザ32は、動作計画で指示された把持方法によって、把持部41により物品12を把持する。さらに、デパレタイザ32は、動作計画で指示された移動速度で物品12を移動させる。さらに、デパレタイザ32は、動作計画で防滑剤剥がし処理を行うことが指示されている場合、物品12の箱の底面を搬送部44の荷降し台47に押し付けつつ、副搬送路48まで物品12を押し出す。また、デパレタイザ32は、動作計画で防滑剤剥がし処理を行うことが指示されていない場合、副搬送路48に物品12を供給する。
【0060】
プロセッサ51は、ステップS19の処理結果に基づいて、データベース内の物品情報に対してフィードバックを行う(ステップS20)。例えば、プロセッサ51は、ステップS19の実行の結果に基づいて、サーバ22のデータベースにおける物品情報を編集する。
【0061】
例えば、デパレタイザ32は、ステップS19の実行中におけるセンサ43(力覚センサ)の検出結果のログを記録する。プロセッサ51は、ステップS19の実行中におけるセンサ43の検出結果に基づいて、物品12の把持及び搬送部44への供給が正常に完了したか否か判断する。
【0062】
例えば、プロセッサ51は、ステップS19において、物品12の把持及び移動が正常に完了したか否かに基づいて、サーバ22のデータベースの物品情報の「動作速度」及び「把持方法」などを編集する。例えば、プロセッサ51は、ステップS19において、物品12の把持及び移動が失敗した場合、サーバ22のデータベースの物品情報の「動作速度」をより遅い速度に変更する。また、プロセッサ51は、ステップS19において、物品12の把持及び移動が失敗した場合、サーバ22のデータベースの物品情報の「把持方法」を変更してもよい。
【0063】
またさらに、プロセッサ51は、識別情報が同じ物品12の把持及び移動が成功したか否かの履歴を記録しておき、複数回の履歴に基づいて、「動作速度」及び「把持方法」などを変更する構成であってもよい。またさらに、プロセッサ51は、識別情報が同じ物品12の処理の失敗が多いと判断した場合に、サーバ22のデータベースの物品情報の「処理可否」を「否」に設定する構成であってもよい。
【0064】
プロセッサ51は、フィードバックを終えると、次の物品12が存在するか否か判断する(ステップS21)。即ち、プロセッサ51は、台車11上にまだ物品12が残っているか否か判断する。プロセッサ51は、次の物品12が存在すると判断した場合、ステップS11の処理に移行する。また、プロセッサ51は、次の物品12が存在しないと判断した場合、図4の処理を終了する。
【0065】
プロセッサ51は、ステップS16において、コード13から取得した識別情報に対応付けられた物品情報がサーバ22のデータベース内に存在しないと判断した場合(ステップS16、NO)、ステップS14と同様に荷役処理(通常処理)を行う(ステップS22)。即ち、プロセッサ51は、距離センサ23から取得した距離情報に基づいて動作計画を生成し、デパレタイザ32に物品12の把持及び搬送部への物品12の供給を行わせる。
【0066】
プロセッサ51は、コード13から取得した識別情報、距離センサ23から取得した距離情報、及びステップS22の処理結果などに基づいて、サーバ22のデータベースに新たに物品情報を登録し(ステップS23)、ステップS21の処理に移行する。即ち、プロセッサ51は、ステップS12で取得した物品12の識別情報と、距離センサ23から取得した距離情報及びステップS22の処理結果などに基づき生成された物品情報とを対応付けてサーバ22のデータベースに登録する。
【0067】
例えば、プロセッサ51は、距離センサ23から取得した距離情報に基づいて、物品12の「サイズ」を算出する。これにより、プロセッサ51は、物品情報の「サイズ」を決定する。
【0068】
また、プロセッサ51は、ステップS22の処理中におけるセンサ43の検出結果に基づいて、物品12の「重量」を算出する。これにより、プロセッサ51は、物品情報の「重量」を決定する。
【0069】
また、プロセッサ51は、ステップS22の処理が正常に完了したか否かに基づいて、物品情報の「把持方法」、「動作速度」、及び「処理可否」などを決定してもよい。
【0070】
例えば、プロセッサ51は、デフォルトで設定されている「把持方法」によってステップS22の通常処理を実行させた場合の処理結果に基づいて、物品情報の「把持方法」を決定してもよい。
【0071】
また、例えば、プロセッサ51は、デフォルトで設定されている「動作速度」によってステップS22の通常処理を実行させた場合の処理結果に基づいて、物品情報の「動作速度」を決定してもよい。
【0072】
また、例えば、プロセッサ51は、ステップS22の通常処理が失敗した場合に、デフォルトよりも安定性が高い設定でステップS22の処理を再試行してもよい。即ち、プロセッサ51は、「把持方法」及び「動作速度」などを変更して、ステップS22の通常処理を再試行する。プロセッサ51は、「把持方法」及び「動作速度」などを変更しても、ステップS22の通常処理を正常に完了できなかった場合、物品情報の「処理可否」を「否」に決定してもよい。
【0073】
また、プロセッサ51は、物品12を荷降し台47に擦らせるようにデパレタイザ32を制御し、センサ43の検出結果に基づいて、物品12に防滑剤が付着しているか否か判断してもよい。プロセッサ51は、防滑剤が付着しているか否かの判断結果に基づいて、物品情報の「防滑剤有無」を決定してもよい。
【0074】
また、プロセッサ51は、データベースに登録にされていない物品12(新規登録物品)を処理した場合に、逐次データベースに物品情報を登録するのではなく、所定の処理単位分をまとめてデータベースに登録する構成であってもよい。例えば、プロセッサ51は、データベースに登録にされていない物品12を処理した場合に、履歴をメモリ52に記憶する。プロセッサ51は、所定の処理単位が終了した場合、または操作に応じて、新規登録物品の処理結果をディスプレイ53に表示させてもよい。さらに、プロセッサ51は、操作部54による操作に基づいて、新規登録物品の物品情報の「サイズ」、「重量」、「把持方法」、「動作速度」、「防滑剤有無」、及び「処理可否」などを決定し、識別情報と対応付けてデータベースに登録してもよい。
【0075】
また、プロセッサ51は、ステップS17で、コード13を取得した物品12が処理対象ではないと判断した場合(ステップS17、NO)、図示されない排出機構により、物品12の排出処理を行う。これにより、デパレタイザ32で処理ができない物品が排出される。さらに、プロセッサ51は、アラートを出力し(ステップS25)、ステップS21の処理に移行する。例えば、プロセッサ51は、デパレタイザ32で処理ができない物品が台車11に積載されていることをディスプレイ53から出力する。なお、排出機構が荷役装置24に設けられていない場合、プロセッサ51は、デパレタイザ32で処理ができない物品が台車11に積載されていることをディスプレイ53から出力し、デパレタイザ32による処理を停止させてもよい。
【0076】
上記したように、荷役装置24は、デパレタイザ32及び制御装置33を備える。デパレタイザ32は、物品12を把持する把持部41と、物品12を把持した把持部41を移動させるアーム部42と、を備え、物品12を把持し、移動させる荷役処理を行う。デパレタイザ32を制御する制御装置33は、プロセッサ51を備える。プロセッサ51は、物品12に予め付与され且つ物品12の種類を示す識別情報を取得する。プロセッサ51は、識別情報と物品情報とが対応付けられたサーバ22上のデータベースから識別情報に基づいて物品情報を取得する。プロセッサ51は、取得した物品情報に基づく処理方法で、デパレタイザ32により物品12の荷役処理を実行させる。
【0077】
このような構成によると、制御装置33は、データベースにおいて、物品12に予め付与された識別情報に予め対応付けられた物品情報に基づいて、荷役処理における処理方法を決定することができる。この為、物品12毎に識別情報を付与する必要がなくなる。また、物品12毎に予め荷役処理における処理方法を決定する必要がなくなる。この結果、制御装置33は、容易に物品12の特徴に応じた制御を行うことができる。
【0078】
また、同じ種類の複数の物品12に対して、同一の識別情報が付与されている。また、識別情報は、例えば、物品12の種類毎に設定されたJAN(Japan Article Number)コード、またはITF(Interleaved Two of Five)により構成されている。ITFは、重量などを示すバージョン(アドオンバージョン)が存在する。この為、識別情報がITFにより構成されている場合、プロセッサ51は、ITFに基づいて物品12の重量を判断することができる。
【0079】
また、物品情報は、荷役処理においてデパレタイザ32が把持部41により物品12を把持する際の把持方法の情報を含む。これにより、プロセッサ51は、物品12に適切な把持方法をデパレタイザ32に指示することができる。
【0080】
また、物品情報は、荷役処理において物品12を把持した把持部41をアーム部42により移動させる際の動作速度の情報を含む。これにより、プロセッサ51は、物品12に適切な動作速度をデパレタイザ32に指示することができる。
【0081】
また、物品情報は、デパレタイザ32により荷役処理が可能であるか否かを示す情報を含む。これにより、プロセッサ51は、荷役処理が不可能な物品を排除させることができる。
【0082】
また、物品情報は、デパレタイザ32による物品12の荷役処理において、物品12に付着した防滑剤を剥がす防滑剤剥がし処理を行うか否かを示す情報を含む。これにより、プロセッサ51は、物品12に防滑剤が付着している場合に、防滑剤剥がし処理を行うようにデパレタイザ32に指示することができる。
【0083】
また、プロセッサ51は、物品12から取得した識別情報がデータベースに登録されていない場合、荷役処理の結果に基づいて物品情報を生成し、データベースに登録する。これにより、プロセッサ51は、未登録の物品(新規登録物品)の物品情報を自動的に設定することができる。この結果、同種の物品12を処理する際に、データベース上の物品情報を利用することができるようになる。
【0084】
また、プロセッサ51は、荷役処理の結果に基づいて、データベースの物品情報を更新する。この結果、物品情報を物品12に適したものに再設定することができ、スループットの向上、エラー率の低下などが見込める。
【0085】
なお、上記した実施形態では、物品12の識別情報に対応付けられた物品情報は、「サイズ」、「重量」、「把持方法」、「動作速度」、「防滑剤有無」、及び「処理可否」であると説明したが、この構成に限定されない。さらに種々の情報が物品情報として識別情報に対応付けられていてもよい。
【0086】
また、上記した実施形態では、把持部41は、物品12に吸着する吸着パッド(吸着機構)を備えると説明したが、この構成に限定されない。把持部41は、2点以上の接点で物品12を挟むことにより物品12を把持する複数の指部を備えるグリッパとして構成されていてもよい。また、把持部41は、吸着パッドとグリッパとの両方を備える構成であってもよい。このような構成によると、制御装置33は、サーバ22のデータベースの「把持方法」に基づいて、吸着パッドとグリッパとのどちらを用いるかをデパレタイザ32に指示することができる。
【0087】
また、上記した実施形態では、アーム部42は、把持部41をX方向、Y方向、及びZ方向にそれぞれ移動させる移動機構を備えると説明したが、この構成に限定されない。アーム部42は、複数のアームと、複数のアームを連結する関節機構とを備える構成であってもよい。この場合、関節機構は、コントローラにより制御されるアクチュエータ(図示せず)により可動することにより、アームを駆動する。
【0088】
また、上記した実施形態では、プロセッサ51は、物品情報の「動作速度」に基づいて、デパレタイザ32の把持部41により把持した物品12をアーム部42により移動させる際の速度を決定すると説明したが、この構成に限定されない。プロセッサ51は、物品情報の「サイズ」及び「重量」に基づいて、物品12をアーム部42により移動させる際の速度を決定する構成であってもよい。またさらに、プロセッサ51は、物品情報の「サイズ」、「重量」、及び「把持方法」に基づいて、物品12をアーム部42により移動させる際の速度を決定する構成であってもよい。
【0089】
また、上記した実施形態では、プロセッサ51は、次に処理する物品12のコード13から識別情報を取得すると説明したが、この構成に限定されない。カメラ21が荷役装置24近傍に到着した台車11を水平方向から撮像することができる構成である場合、プロセッサ51は、画像内の複数のコード13を復号し、識別情報を取得する構成であってもよい。この場合、プロセッサ51は、取得した識別情報と、画像内のコード13の位置とに基づいて、どの種類の物品12が台車11上のどの位置に積載されているのかを認識することができる。このような構成によると、プロセッサ51は、複数の物品12に対して荷役処理を行う為の動作計画を生成することができる。即ち、プロセッサ51は、同じ種類の物品12を1つの処理単位とし、処理単位毎に荷役処理におけるパラメータ(把持方法、動作速度、防滑剤剥がし処理の有無など)をデパレタイザ32に指示することができる。
【0090】
なお、上述の各実施の形態で説明した機能は、ハードウエアを用いて構成するに留まらず、ソフトウエアを用いて各機能を記載したプログラムをコンピュータに読み込ませて実現することもできる。また、各機能は、適宜ソフトウエア、ハードウエアのいずれかを選択して構成するものであっても良い。
【0091】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
物品の荷役処理を行う荷役装置を制御するプロセッサを具備する制御装置であって、
前記プロセッサは、
前記物品に予め付与され且つ前記物品の種類を示す識別情報を取得し、
前記識別情報と前記物品の荷役処理に関する物品情報とが対応付けられたデータベースから前記識別情報に基づいて前記物品情報を取得し、
取得した前記物品情報に基づき、前記荷役装置により前記物品の荷役処理を実行させる、
制御装置。
[C2]
同じ種類の複数の前記物品に対して、同一の前記識別情報が付与されている[C1]に記載の制御装置。
[C3]
前記物品情報は、荷役処理において前記荷役装置が前記物品を把持する際の把持方法の情報を含む[C1]または[C2]に記載の制御装置。
[C4]
前記物品情報は、荷役処理において前記荷役装置が前記物品を把持し、移動させる際の動作速度の情報を含む[C1]乃至[C3]のいずれか1つに記載の制御装置。
[C5]
前記物品情報は、前記荷役装置による前記物品の荷役処理が可能であるか否かを示す情報を含む[C1]乃至[C4]のいずれか1つに記載の制御装置。
[C6]
前記物品情報は、前記荷役装置による前記物品の荷役処理において、前記物品に付着した防滑剤の有無を示す情報を含む[C1]乃至[C5]のいずれか1つに記載の制御装置。
[C7]
前記物品情報は、前記荷役装置による前記物品の荷役処理において、前記物品に付着した防滑剤を剥がす防滑剤剥がし処理を行うか否かを示す情報を含む[C1]乃至[C6]のいずれか1つに記載の制御装置。
[C8]
前記プロセッサは、
取得した前記識別情報が前記データベースに登録されていない場合、前記荷役処理の結果に基づいて前記物品情報を生成し、前記データベースに登録する[C1]乃至[C7]のいずれか1つに記載の制御装置。
[C9]
前記プロセッサは、
取得した前記識別情報に対応付けられた前記データベースの前記物品情報を、前記荷役処理の結果に基づいて更新する[C1]乃至[C7]のいずれか1つに記載の制御装置。
[C10]
物品の荷役処理を行う荷役装置を制御するプロセッサを具備する制御装置における制御方法であって、
前記プロセッサは、
前記物品に予め付与され且つ前記物品の種類を示す識別情報を取得し、
前記識別情報と前記物品の荷役処理に関する物品情報とが対応付けられたデータベースから前記識別情報に基づいて前記物品情報を取得し、
取得した物品情報に基づき、前記荷役装置により前記物品の荷役処理を実行させる、制御方法。
[C11]
物品の荷役処理を行う荷役装置と、前記荷役装置を制御するプロセッサを備える制御装置と、を具備する荷役システムであって、
前記荷役装置は、
前記物品を把持する把持部と、
前記物品を把持した前記把持部を移動させるアーム部と、
を具備し、
前記プロセッサは、
前記物品に予め付与され且つ前記物品の種類を示す識別情報を物品から取得し、
前記識別情報と前記物品の荷役処理に関する物品情報とが対応付けられたデータベースから前記識別情報に基づいて前記物品情報を取得し、
取得した物品情報に基づき、前記荷役装置により前記物品の荷役処理を実行させる、荷役システム。
【符号の説明】
【0092】
1…荷役システム、11…台車、12…物品、13…コード、21…カメラ、22…サーバ、23…距離センサ、24…荷役装置、25…ネットワーク、31…通信インタフェース、32…デパレタイザ、33…制御装置、41…把持部、42…アーム部、43…センサ、44…搬送部、45…第1吸着機構、46…第2吸着機構、47…荷降し台、48…副搬送路、49…主搬送路、51…プロセッサ、52…メモリ、53…ディスプレイ、54…操作部。
図1
図2
図3
図4