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  • 特許-ワイヤハーネス 図1
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  • 特許-ワイヤハーネス 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】ワイヤハーネス
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/04 20060101AFI20240708BHJP
   H01B 7/00 20060101ALI20240708BHJP
【FI】
H02G3/04 081
H02G3/04 068
H01B7/00 301
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020166797
(22)【出願日】2020-10-01
(65)【公開番号】P2022059205
(43)【公開日】2022-04-13
【審査請求日】2023-09-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】川村 幸寛
【審査官】北嶋 賢二
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-029385(JP,A)
【文献】特開平10-248137(JP,A)
【文献】特開2016-219127(JP,A)
【文献】特開2006-231939(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/04
H01B 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線と、
前記電線を内側に通すチューブ状に形成され、周壁に、前記電線の長手方向に沿ったスリットが設けられた外装材と、
前記電線を相互間に挟んだ状態で、前記電線及び前記外装材の内面の間に介装された少なくとも一対のシート片と、
を備え
前記一対のシート片は、前記電線を挟んで覆う被覆部分、及び、互いに直に重なった状態で前記被覆部分から延出する余長部分、を有しており、
前記余長部分が、前記被覆部分の外周面と前記外装材の内面との間に、前記被覆部分の外周面に、周方向に沿って重ねられるとともに、前記被覆部分の外周面に対して接離可能な非拘束状態で収められていることを特徴とするワイヤハーネス。
【請求項2】
前記一対のシート片は、一枚のシートが前記電線を内側に包むように二つ折りに折り畳まれたときの、前記シートにおいて前記電線を相互間に挟む一対のシート部分であり、
前記余長部分が、前記被覆部分から1つだけ延出していることを特徴とする請求項1に記載のワイヤハーネス。
【請求項3】
前記一対のシート片は、前記電線を相互間に挟んで重ね合わされる二枚のシートであり、
前記余長部分が、前記被覆部分から羽根状に一対延出していることを特徴とする請求項1に記載のワイヤハーネス。
【請求項4】
一対の前記余長部分は、前記被覆部分の外周面に、周方向について互いに同じ向きに延出するように沿って重ねられることを特徴とする請求項に記載のワイヤハーネス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤハーネスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば車両に搭載されてボディに沿って配策されるワイヤハーネスには、電線がチューブ状の外装材の内側に通されてボディの縁部分におけるバリ等から保護されたものがある。そして、このようなワイヤハーネスにおいて、電線を中に収めるためのスリットが外装材の周壁に設けられ、電線が複数本、テープで螺旋巻きされて束ねられた状態でスリットから外装材の中に収められるものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。電線の束に巻き付けられたテープは、電線が、スリットから外装材の外に飛び出すことを抑制する役割等を担っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平10-248137号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、電線をテープで螺旋巻きする作業は工数が掛かるとともに、テープの使用量も多くなってコストが嵩みがちとなる。
【0005】
従って、本発明は、上記のような問題に着目し、工数やコストを抑えて外装材のスリットからの電線の飛出しを抑制することができるワイヤハーネスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、ワイヤハーネスは、電線と、前記電線を内側に通すチューブ状に形成され、周壁に、前記電線の長手方向に沿ったスリットが設けられた外装材と、前記電線を相互間に挟んだ状態で、前記電線及び前記外装材の内面の間に介装された少なくとも一対のシート片と、を備え、前記一対のシート片は、前記電線を挟んで覆う被覆部分、及び、互いに直に重なった状態で前記被覆部分から延出する余長部分、を有しており、前記余長部分が、前記被覆部分の外周面と前記外装材の内面との間に、前記被覆部分の外周面に、周方向に沿って重ねられるとともに、前記被覆部分の外周面に対して接離可能な非拘束状態で収められていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
上記のワイヤハーネスによれば、電線を相互間に挟んだ一対のシート片が、電線及び外装材の内面の間に介装されている。電線が複数本束ねられて一対のシート片で挟まれている場合には、電線がばらけることがなく、外装材のスリットから電線が飛び出すことを抑制することができる。また、1本の電線が一対のシート片で挟まれている場合には、一対のシート片で挟むことで大径化することができ、その大径化によってスリットからの飛出しを抑制することができる。そして、電線へのシート片の取付けは、少なくとも一対のシート片で電線を挟むことによってなされるため、電線をテープで螺旋巻きすることに比べると工数を抑えることができる。また、このような構成では、シート片の使用量が電線の長さ分で済むことから、テープで螺旋巻きすることに比べるとコストについても抑えることができる。このように、上記のワイヤハーネスによれば、工数やコストを抑えて外装材のスリットからの電線の飛出しを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態のワイヤハーネスを示す模式的な外観図である。
図2図1に示されているワイヤハーネスの、図1中のV11-V11線に沿った断面を示す図である。
図3図1及び図2に示されているワイヤハーネスと比較するための比較例を示す模式図である。
図4】第2実施形態のワイヤハーネスを、図2と同様の断面で示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、ワイヤハーネスの一実施形態について説明する。まず、第1実施形態について説明する。
【0010】
図1は、第1実施形態のワイヤハーネスを示す模式的な外観図であり、図2は、図1に示されているワイヤハーネスの、図1中のV11-V11線に沿った断面を示す図である。
【0011】
本実施形態のワイヤハーネス1は、例えば車両の床下配線等に利用されるものであり、電線束11と、外装材12と、一枚のシート13と、を備えている。尚、図1では、外装材12の端部から電線束11やシート13が露出して延出しているように描かれている。しかしながら、これは、単に外装材12の内部構成が見えるように図示したものであり、実際のワイヤハーネス1の端部がこのように内部が露出した構成となっているわけではない。また、図2には、ワイヤハーネス1の断面図に加えて、外装材12に収められる前の電線束11及びシート13も図示されている。
【0012】
電線束11は、複数本の電線111が束ねられたものである。尚、ここにいう電線111は被覆電線であるが、芯線は撚り線であってもよく、金属棒状の単線であってもよい。
【0013】
外装材12は、電線束11を内側に通すチューブ状に形成されたコルゲートチューブである。この外装材12は、周壁121に、電線束11が内部に収められたときに、その電線束11における電線111の長手方向D11に沿って延在するスリット122が設けられている。
【0014】
一枚のシート13は、図2に示されているように、電線束11を内側に包むように二つ折りに折り畳まれる、軟質のポリ塩化ビニル等といった樹脂製で幅広で帯状のシート材である。このような折畳みにより、シート13は、電線束11の外周を周方向D12に全周に亘って覆うように電線束11を相互間に挟んだ一対のシート片131を、シート13における一対のシート部分として有することとなる。一枚のシート13は、一対のシート片131の相互間に電線束11を挟んだ状態で、電線束11及び外装材12の内面の間に介装される。また、本実施形態では、一対のシート片131は、電線束11を挟んで覆う被覆部分131a、及び、互いに直に重なった状態で被覆部分131aから延出する余長部分131b、を有している。シート13における電線束11の外周側となる一面は粘着面となっており、一対のシート片131は、被覆部分131aで電線束11の外周に粘着するとともに、余長部分131bでは互いに貼り付いた状態となる。そして、余長部分131bは、図2に示されているように、電線束11を覆う被覆部分131aの外周面と外装材12の内面との間に、被覆部分131aの外周面に、周方向D12に沿って重ねられて収められる。
【0015】
ワイヤハーネス1の製造時には、例えばリール状に巻かれた帯状のシート13がリールから引き出されて、電線束11の端部からスタートして長手方向D11に順次に電線束11を包むように延ばされていく。そして、必要量までシート13が引き出されて電線束11が包まれた段階でシート13がリールから切り離される。その後、余長部分131bを被覆部分131aの外周面に重ねつつ、シート13付きの電線束11が、スリット122から外装材12の内部に収められる。
【0016】
以上に説明したワイヤハーネス1によれば、電線111が複数本束ねられた電線束11の外周を周方向D12に全周に亘って覆うように電線束11を相互間に挟んだ状態で一対のシート片131が、電線束11及び外装材12の内面の間に介装されている。これら一対のシート片131を設けたことで、電線111が単線にばらけることがなく、外装材12のスリット122から電線111が飛び出すことを抑制することができる。
【0017】
ここで、本実施形態のワイヤハーネス1について更に説明する前に、このワイヤハーネス1と同様に電線の飛出しが抑制された比較例について説明する。
【0018】
図3は、図1及び図2に示されているワイヤハーネスと比較するための比較例を示す模式図である。
【0019】
この図3に示されている比較例のワイヤハーネス5も、複数本の電線511が束ねられた電線束51がコルゲートチューブとしての外装材52の内部に収められたものとなっている。ただし、この比較例では、外装材52に設けられた不図示のスリットからの電線511の飛出し抑制のために、幅狭のテープ53が螺旋巻きされた状態で電線束51が外装材52の内部に収められている。この比較例のワイヤハーネス5でも、テープ53によってスリットからの電線511の飛出しが抑えられる。しかしながら、電線束51をテープ53で螺旋巻きする作業は工数が掛かるとともに、テープ53の使用量も多くなってコストが嵩みがちとなる。
【0020】
以上に説明した比較例に対し、上述の第1実施形態のワイヤハーネス1によれば、電線束11へのシート片131の取付けは、一対のシート片131で電線束11を挟むことによってなされる。このように一対のシート片131で電線束11を挟む作業は、上述の比較例のように電線束51をテープ53で螺旋巻きすることに比べると工数が抑えることができる。また、本実施形態の構成では、シート片131の使用量が電線束11の長さ分で済むことから、テープ53で螺旋巻きする比較例に比べるとコストについても抑えることができる。このように、上記のワイヤハーネス1によれば、工数やコストを抑えて外装材12のスリット122からの電線111の飛出しを抑制することができる。
【0021】
ここで、本実施形態では、一対のシート片131は、一枚のシート13が電線束11を内側に包むように二つ折りに折り畳まれたときの一対のシート部分となっている。この構成によれば、一枚のシート13の折り畳みによって電線束11を相互間に挟む一対のシート片131が構成されるので、シート13の必要量の切り出し作業等が簡略化され、この点において工数やコストを一層抑えることができる。
【0022】
また、本実施形態では、一対のシート片131が、電線束11の被覆部分131a、及び余長部分131b、を有している。余長部分131bは、被覆部分131aの外周面に重ねられた状態で外装材12に収められている。この構成によれば、一対のシート片131が余長部分131bを残して電線束11を挟むことから、このような余長部分131bを残さずに電線束11を挟むことに比べて、電線束11の外周を全周に亘って高い確度で覆うことができる。また、被覆部分131aの外周面と外装材12の内面との間に収められた余長部分131bが、外装材12のスリット122を内側から閉塞することも可能となるので、スリット122からの飛出し抑制効果を向上させることができる。尚、このような余長部分131bでのスリット122の閉塞による飛出し抑制効果は、本実施形態とは異なり、電線111が1本だけ一対のシート片131で挟まれて設けられたワイヤハーネスであっても良好に得ることができる。
【0023】
以上で第1実施形態についての説明を終了し、次に、第2実施形態について説明する。
【0024】
図4は、第2実施形態のワイヤハーネスを、図2と同様の断面で示す模式図である。尚、この図4では、図2に示されている構成要素と同等な構成要素には図2と同じ符号が付されており、以下では、それら同等な構成要素についての重複説明を割愛する。
【0025】
第2実施形態のワイヤハーネス2は、電線束11を相互間に挟む一対のシート片23が、上述した第1実施形態と異なっている。
【0026】
本実施形態では、これら一対のシート片23が、電線束11を相互間に挟んで重ね合わされる二枚のシートとなっている。また、一対のシート片23は、電線束11を挟んで覆う被覆部分231、及び、互いに直に重なった状態で被覆部分231から羽根状に延出する一対の余長部分232、を有している。一対の余長部分232は、被覆部分231の外周面と外装材12の内面との間に、被覆部分231の外周面に、周方向D12について互いに同じ向き(本実施形態では、図4中の反時計回り)に延出するように沿って重ねられて収められる。
【0027】
ワイヤハーネス2の製造時には、例えば帯状のシートが巻かれたリールが2つ用意される。そして、それら2つのリールから、電線束11の端部からスタートして順次に電線束11を挟みながら一対のシート片23が引き出されて延ばされていく。そして、必要量まで一対のシート片23が引き出されて電線束11が包まれた段階で各シート片23がリールから切り離される。その後、一対の余長部分232を被覆部分231の外周面に重ねつつ、シート片23付きの電線束11が、スリット122から外装材12の内部に収められる。
【0028】
以上に説明した第2実施形態のワイヤハーネス2によっても、上述の第1実施形態と同様に、外装材12の周壁121に設けられたスリット122からの電線111の飛出しを、工数やコストを抑えて抑制することができることは言うまでもない。
【0029】
また、本実施形態では、一対のシート片23が二枚のシートとなっている。この構成によれば、電線束11を二枚のシートで挟むだけで特に厳密な位置合わせ等を必要せずに電線束11を全周に亘って覆うことができるので、工数を一層抑えることができる。
【0030】
また、本実施形態では、一対のシート片23が、電線束11の被覆部分231、及び羽根状に延出する一対の余長部分232、を有しており、一対の余長部分232が被覆部分231の外周面に重ねられて外装材12に収められている。この構成によれば、一対のシート片23が余長部分232を残して電線束11を挟むことから、このような余長部分232を残さずに電線束11を挟むことに比べて、電線束11の外周を全周に亘って高い確度で覆うことができる。また、被覆部分231の外周面と外装材12の内面との間に収められた余長部分232が、外装材12のスリット122を内側から閉塞することも可能となるので、スリット122からの飛出し抑制効果を向上させることができる。尚、このような一対の余長部分232でのスリット122の閉塞による飛出し抑制効果は、本実施形態とは異なり、電線111が1本だけ一対のシート片23で挟まれて設けられたワイヤハーネスであっても良好に得ることができる。
【0031】
また、本実施形態では、一対の余長部分232は、被覆部分231の外周面に、周方向D12について互いに同じ向きに延出するように沿って重ねられる。この構成によれば、一対の余長部分232が、被覆部分231の外周面に、周方向D12について略回転対称となるようにバランス良く重ねられる。余長部分232のこのような配置により、例えば電線束11が外装材12の内部で周方向D12に回転するように動いたとしても、スリット122に対する余長部分232による閉塞効果を良好に得ることができるので好適である。
【0032】
尚、以上に説明した第1及び第2実施形態はワイヤハーネスの代表的な形態を示したに過ぎず、ワイヤハーネスは、これに限定されるものではなく種々変形して実施することができる。
【0033】
例えば、上述の第1及び第2実施形態では、ワイヤハーネスの一例として、車両の床下配線等に利用されるワイヤハーネス1,2が例示されているが、ワイヤハーネスはこれに限るものではない。ワイヤハーネスは、例えば、車両の車室内の配線等に利用されるものや、あるいは、車両以外の設置場所における配線に利用されるものであってもよく、具体的な配線態様を問うものではない。
【0034】
また、上述の第1及び第2実施形態では、ワイヤハーネスの一例として、電線111が複数本束ねられた電線束11を有するワイヤハーネス1,2が例示されている。しかしながら、ワイヤハーネスはこれに限るものではなく、電線が1本だけシート片で挟まれて設けられたもの等であってもよい。
【0035】
また、上述の第1及び第2実施形態では、一対のシート片の一例として、軟質のポリ塩化ビニル等の樹脂製のシート片131,23が例示されているが、シート片はこれに限るものではない。一対のシート片は、電線を相互間に挟んだ状態で、電線及び外装材の内面の間に介装されるものであれば、その具体的な材質を問うものではない。
【0036】
また、上述の第1及び第2実施形態では、ワイヤハーネスの一例として、電線束11が一対のシート片131,23で挟まれたワイヤハーネス1,2が例示されている。しかしながら、ワイヤハーネスは、これに限るものではなく、複数対のシート片で電線を挟んだもの等であってもよい。複数対のシート片で電線を挟む例としては、例えば途中で分岐した形状を有する電線や電線束に対し、分岐の枝毎に一対用意された、合計で複数対のシート片で挟むこと等が挙げられる。
【0037】
また、上述の第1及び第2実施形態では、一対のシート片の一例として、一枚のシート13が二つ折りに折り畳まれて形成される一対のシート片131や、互いに重ね合わされた二枚のシートとしてのシート片23が例示されている。しかしながら、一対のシート片は、これらに限るものではなく、電線を相互間に挟んだ状態で、電線及び外装材の内面の間に介装されるシート状物であればその具体的な態様を問うものではない。ただし、折り畳まれた一枚のシート13における一対のシート片131や、互いに重ね合わされた二枚のシートとしてのシート片23を採用することで、工数やコストを一層抑えることができる点は上述した通りである。
【0038】
また、上述の第1及び第2実施形態では、一対のシート片の一例として、被覆部分131a,231と余長部分131b,232とを有する一対のシート片131,23が例示されている。しかしながら、一対のシート片は、これらに限るものではなく、余長部分を残さずに電線を挟むもの等であってもよい。ただし、一対のシート片131,23が余長部分131b,232を残して電線束11を覆うことで、スリット122からの飛出し抑制効果を向上させることができる点は上述した通りである。
【0039】
また、上述の第2実施形態では、一対の余長部分の一例として、被覆部分231の外周面に、周方向D12について互いに同じ向きに延出するように沿って重ねられる一対の余長部分232が例示されている。しかしながら、一対の余長部分は、これに限るものではなく、被覆部分の外周面に、周方向に互いに逆回りに延出するように沿って重ねられるもの等であってもよい。ただし、一対の余長部分232を互いに同じ向きに延出させることで、スリット122の閉塞効果を向上させることができる点は上述した通りである。
【符号の説明】
【0040】
1,2 ワイヤハーネス
11 電線束
12 外装材
13 シート
111 電線
121 周壁
122 スリット
131,23 シート片
131a,231 被覆部分
131b,232 余長部分
D11 長手方向
D12 周方向
図1
図2
図3
図4