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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 12/06 20060101AFI20240708BHJP
   G11C 5/04 20060101ALI20240708BHJP
   G11C 16/34 20060101ALI20240708BHJP
【FI】
G06F12/06 525A
G11C5/04 210
G11C16/34 140
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020186895
(22)【出願日】2020-11-10
(65)【公開番号】P2022076515
(43)【公開日】2022-05-20
【審査請求日】2023-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】弁理士法人きさらぎ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今本 哲広
【審査官】後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-527897(JP,A)
【文献】特開2001-084777(JP,A)
【文献】特開2006-127623(JP,A)
【文献】特開2010-287303(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 12/06
G11C 5/04
G11C 16/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1メモリダイを備え、
前記第1メモリダイは、
複数の第1メモリブロックを備える第1メモリプレーンと、
複数の第2メモリブロックを備える第2メモリプレーンと、
前記第1メモリプレーン及び前記第2メモリプレーンに対する読出動作、書込シーケンス及び消去シーケンスに使用可能な第1シーケンサと、
前記第1メモリプレーン及び前記第2メモリプレーンに対する書込シーケンスに使用可能であり、前記第1シーケンサが前記第1メモリプレーンに対する書き込みシーケンスに使用されている場合は前記第2メモリプレーンに対する書き込みシーケンスに使用可能であり、前記第1シーケンサが前記第2メモリプレーンに対する書き込みシーケンスに使用されている場合は前記第1メモリプレーンに対する書き込みシーケンスに使用可能である第2シーケンサと
を備える半導体記憶装置。
【請求項2】
第1メモリダイを備え、
前記第1メモリダイは、
複数の第1メモリブロックを備える第1メモリプレーンと、
複数の第2メモリブロックを備える第2メモリプレーンと
を備え、
前記複数の第1メモリブロックのうちの一つに対して書込シーケンスを指示する第1のコマンドセットが入力された後、前記第1のコマンドセットに対応する書込シーケンスが終了する前に、
前記複数の第1メモリブロックのうちの一つに対して書込シーケンスを指示する第2のコマンドセットが入力された場合、前記第2のコマンドセットに対応する書込シーケンスが実行されず、
前記複数の第2メモリブロックのうちの一つに対して書込シーケンスを指示する第3のコマンドセットが入力された場合、前記第3のコマンドセットに対応する書込シーケンスが実行され
前記第3のコマンドセットが入力された後、前記第1のコマンドセットに対応する書込シーケンスが終了する前に第1のコマンドが入力された場合、前記第1のコマンドセット及び前記第3のコマンドセットの少なくとも一方に対応する書込シーケンスが中断され、
前記第1のコマンドが入力された後に第2のコマンドが入力された場合、中断された前記書込シーケンスが再開される
半導体記憶装置。
【請求項3】
第1メモリダイを備え、
前記第1メモリダイは、
複数の第1メモリブロックを備える第1メモリプレーンと、
複数の第2メモリブロックを備える第2メモリプレーンと
を備え、
前記複数の第1メモリブロックのうちの一つに対して書込シーケンスを指示する第1のコマンドセットが入力された後、前記第1のコマンドセットに対応する書込シーケンスが終了する前に、
前記複数の第1メモリブロックのうちの一つに対して書込シーケンスを指示する第2のコマンドセットが入力された場合、前記第1のコマンドセットの入力が終了してから第1の時間の経過後に前記第2のコマンドセットに対応する書込シーケンスが終了し、
前記複数の第2メモリブロックのうちの一つに対して書込シーケンスを指示する第3のコマンドセットが入力された場合、前記第1のコマンドセットの入力が終了してから第2の時間の経過後に前記第3のコマンドセットに対応する書込シーケンスが終了し、
前記第2の時間は、前記第1の時間よりも短く、
前記第3のコマンドセットが入力された後、前記第1のコマンドセットに対応する書込シーケンスが終了する前に第1のコマンドが入力された場合、前記第1のコマンドセット及び前記第3のコマンドセットの少なくとも一方に対応する書込シーケンスが中断され、
前記第1のコマンドが入力された後に第2のコマンドが入力された場合、中断された前記書込シーケンスが再開される
半導体記憶装置。
【請求項4】
前記複数の第1メモリブロックに接続された複数の第1配線と、
前記複数の第2メモリブロックに接続された複数の第2配線と
を備え、
前記複数の第1メモリブロックのうちの一つに対する書込シーケンスを第1書込シーケンスとし、
前記複数の第2メモリブロックのうちの一つに対する書込シーケンスを第2書込シーケンスとすると、
前記第1書込シーケンスが開始されてから、前記第2書込シーケンスが開始されるまでの間に、前記複数の第1配線のうちの一つに、1回又は複数回、プログラム電圧が供給され、
前記第2書込シーケンスが開始されてから、前記第1書込シーケンスが終了するまでの間に、前記複数の第1配線のうちの一つ、及び、前記複数の第2配線のうちの一つに、1回又は複数回、前記プログラム電圧が供給される
請求項2又は3記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記第2書込シーケンスが開始されてから、前記第1書込シーケンスが終了するまでの間に、前記複数の第1配線のうちの一つ、及び、前記複数の第2配線のうちの一つに、前記プログラム電圧が一定の時間間隔で供給され、前記複数の第1配線のうちの一つに前記プログラム電圧が供給されるタイミングと、前記複数の第2配線のうちの一つに前記プログラム電圧が供給されるタイミングと、が一致する
請求項4記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
前記第2書込シーケンスが開始されてから、前記第1書込シーケンスが終了するまでの間に、
前記複数の第1配線のうちの一つへの前記プログラム電圧の供給が開始されるタイミングと、前記複数の第2配線のうちの一つへの前記プログラム電圧の供給が開始されるタイミングと、が一致し、
前記複数の第1配線のうちの一つへの前記プログラム電圧の供給が終了するタイミングと、前記複数の第2配線のうちの一つへの前記プログラム電圧の供給が終了するタイミングと、が一致する
請求項4又は5記載の半導体記憶装置。
【請求項7】
前記第1のコマンドが入力された後、前記第2のコマンドが入力される前に、前記第1メモリプレーン及び前記第2メモリプレーンの一方に含まれる前記複数の第1メモリブロック又は前記複数の第2メモリブロックのうちの一つに対して読出動作を指示する第4のコマンドセットが入力された場合、前記第4のコマンドセットに対応する前記複数の第1配線及び前記複数の第2配線のうちの一つに対して、1回又は複数回、読出電圧が供給され、
前記読出動作の実行中、前記第1メモリプレーン及び前記第2メモリプレーンの他方に対応する前記複数の第1配線又は前記複数の第2配線に対して、前記プログラム電圧が供給されない
請求項4~6のいずれか1項記載の半導体記憶装置。
【請求項8】
前記第3のコマンドセットが入力された後、前記第1のコマンドセットに対応する書込シーケンスが終了する前に前記第1のコマンドが入力された場合、
前記第1のコマンドセット及び前記第3のコマンドセットの一方に対応する書込シーケンスが中断され、
前記第1のコマンドセット及び前記第3のコマンドセットの他方に対応する前記複数の第1配線及び前記複数の第2配線のうちの一つに対して、1回又は複数回、ベリファイ電圧が供給され、
前記第4のコマンドセットに対応する前記複数の第1配線及び前記複数の第2配線のうちの前記一つに対して読出電圧が供給されるタイミングと、前記第1のコマンドセット及び前記第3のコマンドセットの他方に対応する前記複数の第1配線及び前記複数の第2配線のうちの前記一つに対してベリファイ電圧が供給されるタイミングと、が一致する
請求項7記載の半導体記憶装置。
【請求項9】
前記第1メモリプレーン及び前記第2メモリプレーンに対する読出動作、書込シーケンス及び消去シーケンスに使用可能な第1シーケンサと、
前記第1メモリプレーン及び前記第2メモリプレーンに対する書込シーケンスに使用可能であり、前記第1シーケンサが前記第1メモリプレーンに対する書き込みシーケンスに使用されている場合は前記第2メモリプレーンに対する書き込みシーケンスに使用可能であり、前記第1シーケンサが前記第2メモリプレーンに対する書き込みシーケンスに使用されている場合は前記第1メモリプレーンに対する書き込みシーケンスに使用可能である第2シーケンサと
を更に備える請求項2~8のいずれか1項記載の半導体記憶装置。
【請求項10】
前記第2シーケンサの回路面積は、前記第1シーケンサの回路面積よりも小さい
請求項1又は9記載の半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のメモリプレーンを備える半導体記憶装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-157260号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
高速に動作する半導体記憶装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一の実施形態に係る半導体記憶装置は、第1メモリダイを備える。第1メモリダイは、複数の第1メモリブロックを備える第1メモリプレーンと、複数の第2メモリブロックを備える第2メモリプレーンと、書込シーケンスに使用可能な第1シーケンサと、書込シーケンスに使用可能な第2シーケンサと、を備える。
【0006】
一の実施形態に係る半導体記憶装置は、第1メモリダイを備える。第1メモリダイは、複数の第1メモリブロックを備える第1メモリプレーンと、複数の第2メモリブロックを備える第2メモリプレーンと、を備える。複数の第1メモリブロックのうちの一つに対して書込シーケンスを指示する第1のコマンドセットが入力された後、第1のコマンドセットに対応する書込シーケンスが終了する前に、複数の第1メモリブロックのうちの一つに対して書込シーケンスを指示する第2のコマンドセットが入力された場合、第2のコマンドセットに対応する書込シーケンスが実行されず、複数の第2メモリブロックのうちの一つに対して書込シーケンスを指示する第3のコマンドセットが入力された場合、第3のコマンドセットに対応する書込シーケンスが実行される。
【0007】
一の実施形態に係る半導体記憶装置は、第1メモリダイを備える。第1メモリダイは、複数の第1メモリブロックを備える第1メモリプレーンと、複数の第2メモリブロックを備える第2メモリプレーンと、を備える。複数の第1メモリブロックのうちの一つに対して書込シーケンスを指示する第1のコマンドセットが入力された後、第1のコマンドセットに対応する書込シーケンスが終了する前に、複数の第1メモリブロックのうちの一つに対して書込シーケンスを指示する第2のコマンドセットが入力された場合、第1のコマンドセットの入力が終了してから第1の時間の経過後に第2のコマンドセットに対応する書込シーケンスが終了し、複数の第2メモリブロックのうちの一つに対して書込シーケンスを指示する第3のコマンドセットが入力された場合、第1のコマンドセットの入力が終了してから第2の時間の経過後に第3のコマンドセットに対応する書込シーケンスが終了する。第2の時間は、第1の時間よりも短い。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係るメモリシステム10の構成を示す模式的なブロック図である。
図2】同メモリシステム10の構成例を示す模式的な側面図である。
図3】同構成例を示す模式的な平面図である。
図4】メモリダイMDの構成を示す模式的なブロック図である。
図5】メモリダイMDの一部の構成を示す模式的な回路図である。
図6】メモリダイMDの一部の構成を示す模式的な回路図である。
図7】メモリダイMDの一部の構成を示す模式的な回路図である。
図8】メモリダイMDの模式的な平面図である。
図9図8の一部を拡大して示す模式的な平面図である。
図10】メモリダイMDの一部の構成を示す模式的な斜視図である。
図11図10のAで示した部分の模式的な拡大図である。
図12】3ビットのデータが記録されるメモリセルMCのしきい値電圧について説明するための模式的な図である。
図13】書込シーケンスについて説明するための波形図である。
図14】書込シーケンスについて説明するためのフローチャートである。
図15】書込シーケンスに含まれるプログラム動作について説明するための模式的な断面図である。
図16】書込シーケンスに含まれるベリファイ動作について説明するための模式的な断面図である。
図17】書込シーケンスについて説明するための波形図である。
図18】書込シーケンスについて説明するための波形図である。
図19】書込シーケンスについて説明するための波形図である。
図20】第2実施形態に係る書込シーケンスについて説明するための波形図である。
図21】第2実施形態に係る書込シーケンスについて説明するための波形図である。
図22】第3実施形態に係る書込シーケンスについて説明するための波形図である。
図23】第4実施形態に係る書込シーケンスについて説明するための波形図である。
図24】第5実施形態に係る書込シーケンスについて説明するための波形図である。
図25】第6実施形態に係る書込シーケンスについて説明するための波形図である。
図26】第7実施形態に係る半導体記憶装置のメモリダイMD2の模式的な平面図である。
図27】第8実施形態に係る半導体記憶装置のメモリダイMD3の模式的な平面図である。
図28】第9実施形態に係る半導体記憶装置のメモリダイMD4の模式的な平面図である。
図29】その他の実施形態に係る半導体記憶装置について説明するための模式的な平面図である。
図30】その他の実施形態に係る半導体記憶装置について説明するための模式的な斜視図である。
図31】その他の実施形態に係る半導体記憶装置について説明するための模式的な斜視図である。
図32】その他の実施形態に係る半導体記憶装置について説明するための模式的な斜視図である。
図33】その他の実施形態に係る半導体記憶装置について説明するための模式的な斜視図である。
図34】その他の実施形態に係る半導体記憶装置について説明するための模式的な回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、実施形態に係る半導体記憶装置を、図面を参照して詳細に説明する。尚、以下の実施形態はあくまでも一例であり、本発明を限定する意図で示されるものではない。また、以下の図面は模式的なものであり、説明の都合上、一部の構成等が省略される場合がある。また、複数の実施形態について共通する部分には同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
【0010】
また、本明細書において「半導体記憶装置」と言った場合には、メモリダイを意味する事もあるし、メモリチップ、メモリカード、SSD(Solid State Drive)等の、コントローラダイを含むメモリシステムを意味する事もある。更に、スマートホン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等の、ホストコンピュータを含む構成を意味する事もある。
【0011】
また、本明細書において「制御回路」と言った場合には、メモリダイに設けられたシーケンサ等の周辺回路を意味する事もあるし、メモリダイに接続されたコントローラダイ又はコントローラチップ等を意味する事もあるし、これらの双方を含む構成を意味する事もある。
【0012】
また、本明細書において、第1の構成が第2の構成に「電気的に接続されている」と言った場合、第1の構成は第2の構成に直接接続されていても良いし、第1の構成が第2の構成に配線、半導体部材又はトランジスタ等を介して接続されていても良い。例えば、3つのトランジスタを直列に接続した場合には、2つ目のトランジスタがOFF状態であったとしても、1つ目のトランジスタは3つ目のトランジスタに「電気的に接続」されている。
【0013】
また、本明細書において、第1の構成が第2の構成及び第3の構成の「間に接続されている」と言った場合、第1の構成、第2の構成及び第3の構成が直列に接続され、且つ、第2の構成が第1の構成を介して第3の構成に接続されていることを意味する場合がある。
【0014】
また、本明細書において、回路等が2つの配線等を「導通させる」と言った場合には、例えば、この回路等がトランジスタ等を含んでおり、このトランジスタ等が2つの配線の間の電流経路に設けられており、このトランジスタ等がON状態となることを意味する事がある。
【0015】
また、本明細書においては、基板の上面に対して平行な所定の方向をX方向、基板の上面に対して平行で、X方向と垂直な方向をY方向、基板の上面に対して垂直な方向をZ方向と呼ぶ。
【0016】
また、本明細書においては、所定の面に沿った方向を第1方向、この所定の面に沿って第1方向と交差する方向を第2方向、この所定の面と交差する方向を第3方向と呼ぶことがある。これら第1方向、第2方向及び第3方向は、X方向、Y方向及びZ方向のいずれかと対応していても良いし、対応していなくても良い。
【0017】
また、本明細書において、「上」や「下」等の表現は、基板を基準とする。例えば、上記Z方向に沿って基板から離れる向きを上と、Z方向に沿って基板に近付く向きを下と呼ぶ。また、ある構成について下面や下端と言う場合には、この構成の基板側の面や端部を意味する事とし、上面や上端と言う場合には、この構成の基板と反対側の面や端部を意味する事とする。また、X方向又はY方向と交差する面を側面等と呼ぶ。
【0018】
[第1実施形態]
[メモリシステム10]
図1は、第1実施形態に係るメモリシステム10の構成を示す模式的なブロック図である。
【0019】
メモリシステム10は、ホストコンピュータ20から送信された信号に応じて、ユーザデータの読出し、書込み、消去等を行う。メモリシステム10は、例えば、メモリチップ、メモリカード、SSD又はその他のユーザデータを記憶可能なシステムである。メモリシステム10は、ユーザデータを記憶する複数のメモリダイMDと、これら複数のメモリダイMD及びホストコンピュータ20に接続されるコントローラダイCDと、を備える。コントローラダイCDは、例えば、プロセッサ、RAM等を備え、論理アドレスと物理アドレスの変換、ビット誤り検出/訂正、ガベージコレクション(コンパクション)、ウェアレベリング等の処理を行う。
【0020】
図2は、本実施形態に係るメモリシステム10の構成例を示す模式的な側面図である。図3は、同構成例を示す模式的な平面図である。説明の都合上、図2及び図3では一部の構成を省略する。
【0021】
図2に示す様に、本実施形態に係るメモリシステム10は、実装基板MSBと、実装基板MSBに積層された複数のメモリダイMDと、メモリダイMDに積層されたコントローラダイCDと、を備える。実装基板MSBの上面のうち、Y方向の端部の領域にはパッド電極Pが設けられ、その他の一部の領域は接着剤等を介してメモリダイMDの下面に接着されている。メモリダイMDの上面のうち、Y方向の端部の領域にはパッド電極Pが設けられ、その他の領域は接着剤等を介して他のメモリダイMD又はコントローラダイCDの下面に接着されている。コントローラダイCDの上面のうち、Y方向の端部の領域にはパッド電極Pが設けられている。
【0022】
図3に示す様に、実装基板MSB、複数のメモリダイMD、及び、コントローラダイCDは、それぞれ、X方向に並ぶ複数のパッド電極Pを備えている。実装基板MSB、複数のメモリダイMD、及び、コントローラダイCDに設けられた複数のパッド電極Pは、それぞれ、ボンディングワイヤBを介してお互いに接続されている。
【0023】
尚、図2及び図3に示した構成は例示に過ぎず、具体的な構成は適宜調整可能である。例えば、図2及び図3に示す例では、複数のメモリダイMD上にコントローラダイCDが積層され、これらの構成がボンディングワイヤBによって接続されている。この様な構成では、複数のメモリダイMD及びコントローラダイCDが一つのパッケージ内に含まれる。しかしながら、コントローラダイCDは、メモリダイMDとは別のパッケージに含まれていても良い。また、複数のメモリダイMD及びコントローラダイCDは、ボンディングワイヤBではなく、貫通電極等を介してお互いに接続されていても良い。
【0024】
[メモリダイMDの回路構成]
図4は、第1実施形態に係るメモリダイMDの構成を示す模式的なブロック図である。図5図7は、メモリダイMDの一部の構成を示す模式的な回路図である。
【0025】
尚、図4には、複数の制御端子等を図示している。これら複数の制御端子は、ハイアクティブ信号(正論理信号)に対応する制御端子として表される場合と、ローアクティブ信号(負論理信号)に対応する制御端子として表される場合と、ハイアクティブ信号及びローアクティブ信号の双方に対応する制御端子として表される場合と、がある。図4において、ローアクティブ信号に対応する制御端子の符号は、オーバーライン(上線)を含んでいる。本明細書において、ローアクティブ信号に対応する制御端子の符号は、スラッシュ(“/”)を含んでいる。尚、図4の記載は例示であり、具体的な態様は適宜調整可能である。例えば、一部又は全部のハイアクティブ信号をローアクティブ信号としたり、一部又は全部のローアクティブ信号をハイアクティブ信号としたりすることも可能である。
【0026】
[回路構成]
図4に示す様に、メモリダイMDは、メモリモジュールMMと、周辺回路PCと、を備える。
【0027】
[メモリモジュールMMの回路構成]
メモリモジュールMMは、プレーングループPG0,PG1を備える。プレーングループPG0は、メモリプレーンMP0~メモリプレーンMP7を備える。プレーングループPG1は、メモリプレーンMP8~メモリプレーンMP15を備える。メモリプレーンMP0~メモリプレーンMP15は、それぞれ、メモリセルアレイMCAと、ロウデコーダRDと、センスアンプモジュールSAMと、キャッシュメモリCMと、を備える。
【0028】
メモリセルアレイMCAは、図5に示す様に、複数のメモリブロックBLKを備える。これら複数のメモリブロックBLKは、それぞれ、複数のストリングユニットSUを備える。これら複数のストリングユニットSUは、それぞれ、複数のメモリストリングMSを備える。これら複数のメモリストリングMSの一端は、それぞれ、ビット線BLを介してセンスアンプモジュールSAMに接続される。また、これら複数のメモリストリングMSの他端は、それぞれ、共通のソース線SLを介して、図示しないソース線ドライバに接続される。
【0029】
メモリストリングMSは、ビット線BL及びソース線SLの間に直列に接続されたドレイン側選択トランジスタSTD、複数のメモリセルMC(メモリトランジスタ)、ソース側選択トランジスタSTS、及び、ソース側選択トランジスタSTSbを備える。以下、ドレイン側選択トランジスタSTD、ソース側選択トランジスタSTS、及び、ソース側選択トランジスタSTSbを、単に選択トランジスタ(STD、STS、STSb)と呼ぶ事がある。
【0030】
メモリセルMCは、チャネル領域として機能する半導体層、電荷蓄積膜を含むゲート絶縁膜、及び、ゲート電極を備える電界効果型のトランジスタである。メモリセルMCのしきい値電圧は、電荷蓄積膜中の電荷量に応じて変化する。メモリセルMCは、1ビット又は複数ビットのデータを記憶する。尚、1のメモリストリングMSに対応する複数のメモリセルMCには、それぞれ、ワード線WLが接続される。これらワード線WLは、それぞれ、1のメモリブロックBLK中の全てのメモリストリングMSに含まれるメモリセルMCのゲート電極として機能する。
【0031】
選択トランジスタ(STD、STS、STSb)は、チャネル領域として機能する半導体層、ゲート絶縁膜及びゲート電極を備える電界効果型のトランジスタである。選択トランジスタ(STD、STS、STSb)のゲート電極には、それぞれ、選択ゲート線(SGD、SGS、SGSb)が接続される。ドレイン側選択ゲート線SGDは、ストリングユニットSUに対応して設けられ、1のストリングユニットSU中の全てのメモリストリングMSに含まれるドレイン側選択トランジスタSTDのゲート電極として機能する。ソース側選択ゲート線SGSは、メモリブロックBLK中の全てのメモリストリングMSに含まれるソース側選択トランジスタSTSのゲート電極として機能する。ソース側選択ゲート線SGSbは、メモリブロックBLK中の全てのメモリストリングMSに含まれるソース側選択トランジスタSTSbのゲート電極として機能する。
【0032】
ロウデコーダRDは、例えば図6に示す様に、複数のブロックデコードユニットblkdを備える。これら複数のブロックデコードユニットblkdは、メモリセルアレイMCA中の複数のメモリブロックBLKに対応して設けられている。ブロックデコードユニットblkdは、複数のトランジスタTBLKを備える。これら複数のトランジスタTBLKは、メモリブロックBLK中の複数のワード線WL及び選択ゲート線(SGD、SGS、SGSb)に対応して設けられている。トランジスタTBLKは、例えば、電界効果型のNMOSトランジスタである。
【0033】
トランジスタTBLKのドレイン電極は、ワード線WL又は選択ゲート線(SGD、SGS、SGSb)に接続されている。トランジスタTBLKのソース電極は、配線CG(図6の例では、配線CG0A,CG1A)に接続されている。トランジスタTBLKのゲート電極は、信号供給線BLKSELに接続されている。信号供給線BLKSELは、全てのブロックデコードユニットblkdに対応して複数設けられている。また、信号供給線BLKSELは、ブロックデコードユニットblkd中の全てのトランジスタTBLKに接続されている。
【0034】
配線CG0Aは、メモリプレーンMP0,MP4(図4)に含まれる全てのメモリブロックBLKに電気的に接続されている。配線CG1Aは、メモリプレーンMP8,MP12に含まれる全てのメモリブロックBLKに電気的に接続されている。配線CG1B(図4)は、メモリプレーンMP9,MP13に含まれる全てのメモリブロックBLKに電気的に接続されている。配線CG0Bは、メモリプレーンMP1,MP5に含まれる全てのメモリブロックBLKに電気的に接続されている。配線CG0Cは、メモリプレーンMP2,MP6に含まれる全てのメモリブロックBLKに電気的に接続されている。配線CG1Cは、メモリプレーンMP10,MP14に含まれる全てのメモリブロックBLKに電気的に接続されている。配線CG1Dは、メモリプレーンMP11,MP15に含まれる全てのメモリブロックBLKに電気的に接続されている。配線CG0Dは、メモリプレーンMP3,MP7に含まれる全てのメモリブロックBLKに電気的に接続されている。
【0035】
センスアンプモジュールSAM(図4)は、例えば、複数のビット線BL(図5)に対応する複数のセンスアンプユニットを備える。センスアンプユニットは、それぞれ、ビット線BLに接続されたセンスアンプを備える。センスアンプは、ビット線BLに接続されたセンス回路と、ビット線BLに接続された電圧転送回路と、センス回路及び電圧転送回路に接続されたラッチ回路と、を備える。センス回路は、ビット線BLの電圧又は電流に応じてON状態となるセンストランジスタと、センストランジスタのON/OFF状態に応じて充電又は放電される配線と、を備える。ラッチ回路は、この配線の電圧に応じて“1”又は“0”のデータをラッチする。電圧転送回路は、このラッチ回路にラッチされたデータに応じてビット線BLを2つの電圧供給線のいずれかと導通させる。センスアンプモジュールSAMは、それぞれ、シーケンサモジュールSQCMに接続されている。
【0036】
キャッシュメモリCM(図4)は、センスアンプモジュールSAM内のラッチ回路に接続された複数のラッチ回路を備える。これら複数のラッチ回路に含まれるデータは、順次センスアンプモジュールSAM又は入出力制御回路I/Oに転送される。
【0037】
また、キャッシュメモリCMには、図示しないデコード回路及びスイッチ回路が接続されている。デコード回路は、アドレスレジスタADR(図4)に保持されたカラムアドレスをデコードする。スイッチ回路は、デコード回路の出力信号に応じて、カラムアドレスに対応するラッチ回路をバスDB(図4)と導通させる。
【0038】
[周辺回路PCの回路構成]
周辺回路PCは、ドライバモジュールDRVM0,DRVM1と、電圧出力回路VO0,VO1と、シーケンサモジュールSQCMと、を備える。また、周辺回路PCは、レジスタモジュールRMと、アドレス比較回路ADCと、を備える。また、周辺回路PCは、入出力制御回路I/Oと、論理回路CTRと、を備える。
【0039】
[ドライバモジュールDRVM0,DRVM1の回路構成]
ドライバモジュールDRVM0は、例えば図7に示す様に、ワード線デコーダWLDと、ドライバ回路DRVと、図示しないアドレスデコーダと、を備える。
【0040】
ワード線デコーダWLDは、メモリストリングMS中の複数のメモリセルMCに対応して設けられた複数のワード線デコードユニットwldを備える。図示の例において、ワード線デコードユニットwldは、2つのトランジスタTWLを備える。トランジスタTWLは、例えば、電界効果型のNMOSトランジスタである。トランジスタTWLのドレイン電極は、配線CG(図7の例では配線CG0A)に接続されている。トランジスタTWLのソース電極は、配線CG又は配線CGに接続されている。トランジスタTWLのゲート電極は、信号供給線WLSEL又は信号供給線WLSELに接続されている。信号供給線WLSELは、全てのワード線デコードユニットwldに含まれる一方のトランジスタTWLに対応して複数設けられている。信号供給線WLSELは、全てのワード線デコードユニットwldに含まれる他方のトランジスタTWLに対応して複数設けられている。
【0041】
尚、ドライバモジュールDRVM0内のトランジスタTWLは、配線CG0A、配線CG0B、配線CG0C、又は、配線CG0D(図4)に接続されている。
【0042】
ドライバ回路DRVは、例えば図7に示す様に、配線CG及び配線CGに対応して設けられた2つのドライバユニットdrvを備える。ドライバユニットdrvは、複数のトランジスタTDRVを備える。トランジスタTDRVは、例えば、電界効果型のNMOSトランジスタである。トランジスタTDRVのドレイン電極は、配線CG又は配線CGに接続されている。トランジスタTDRVのソース電極は、電圧供給線LVG又は電圧供給線Lに接続されている。電圧供給線LVGは、電圧出力回路VO0の複数の出力端子のうちの一つに接続されている。電圧供給線Lは、接地電圧VSSが供給されるパッド電極Pに接続されている。トランジスタTDRVのゲート電極は、信号供給線VSELに接続されている。
【0043】
図示しないアドレスデコーダは、例えば、アドレスレジスタADR(図4)内のロウアドレスを参照し、上記信号供給線BLKSEL,WLSEL,WLSELの電圧を“H”状態又は“L”状態に制御する。
【0044】
ドライバモジュールDRVM1は、図示は省略するものの、ドライバモジュールDRVM0とほぼ同様に構成されている。ただし、ドライバモジュールDRVM1内のトランジスタTWLは、配線CG1A、配線CG1B、配線CG1C、又は、配線CG1D(図4)に接続されている。また、ドライバモジュールDRVM1内の電圧供給線LVGは、電圧出力回路VO1の複数の出力端子のうちの一つに接続されている。
【0045】
尚、図7の例では、各ワード線デコードユニットwldが、2つのトランジスタTWLを備える。しかしながら、この様な構成はあくまでも例示に過ぎず、具体的な構成は適宜調整可能である。例えば、ワード線WLの電圧を3通り以上に制御する場合には、各ワード線デコードユニットwldが、3つのトランジスタTWLを備えていても良い。尚、ワード線WLの電圧を3通り以上に制御する場合としては、例えば、選択ワード線WLの隣の非選択ワード線WLに、その他の選択ワード線WLよりも大きい電圧を供給する場合、等が挙げられる。
【0046】
[電圧出力回路VO0,VO1の回路構成]
電圧出力回路VO0は、ドライバモジュールDRVM0に接続されている。電圧出力回路VO0は、例えば図7に示す様に、それぞれ、複数の電圧生成ユニットvgを備える。電圧生成ユニットvgは、読出動作、書込シーケンス及び消去シーケンスにおいて、所定の大きさの電圧を生成し、電圧供給線LVGを介して出力する。電圧生成ユニットvgは、例えば、チャージポンプ回路等の昇圧回路であっても良いし、レギュレータ等の降圧回路であっても良い。これら降圧回路及び昇圧回路は、それぞれ、電源電圧VCC及び接地電圧VSS図4)が供給される電圧供給線Lに接続されている。これらの電圧供給線Lは、例えば、図2図3を参照して説明したパッド電極Pに接続されている。
【0047】
電圧出力回路VO1は、例えば図4に示す様に、ドライバモジュールDRVM1に接続されている。図示は省略するものの、電圧出力回路VO1は、電圧出力回路VO0とほぼ同様に構成されている。
【0048】
電圧出力回路VO0,VO1は、例えば、シーケンサモジュールSQCM(図4)からの制御信号に従い、読出動作、書込動作及び消去動作に際してビット線BL、ソース線SL、ワード線WL及び選択ゲート線(SGD、SGS、SGSb)に印加される複数通りの動作電圧を生成し、複数の電圧供給線LVGに同時に出力する。電圧供給線LVGから出力される動作電圧は、シーケンサモジュールSQCMからの制御信号に従って適宜調整される。
【0049】
[シーケンサモジュールSQCMの回路構成]
シーケンサモジュールSQCM(図4)は、例えば、シーケンサSQCaと、シーケンサSQCbと、マルチプレクサMUX0と、マルチプレクサMUX1と、を備える。
【0050】
シーケンサSQCaは、読出動作、書込シーケンス、及び、消去シーケンスに使用可能である。シーケンサSQCaは、コマンドレジスタCMRに保持されたコマンドデータに従い、プレーングループPG0,PG1の一方又は双方に対して読出動作、書込シーケンス、及び、消去シーケンスを実行する。即ち、これらの動作を実行するための内部制御信号を出力する。尚、シーケンサSQCa中、書込シーケンスに使用される部分の回路面積は、読出動作に使用される部分の回路面積よりも大きい。
【0051】
シーケンサSQCbは、書込シーケンスに使用可能である。シーケンサSQCbは、プレーングループPG0,PG1の一方に対してシーケンサSQCaによる書込シーケンスが実行されている場合に、コマンドレジスタCMRに保持されたコマンドデータに従い、プレーングループPG0,PG1の他方に対して書込シーケンスを実行する。即ち、書込シーケンスを実行するための内部制御信号を出力する。尚、シーケンサSQCbの回路面積は、シーケンサSQCa中の書込シーケンスに使用される部分の回路面積と同程度であり、シーケンサSQCa中の読出動作に使用される部分の回路面積よりも大きい。
【0052】
マルチプレクサMUX0は、入力端子がシーケンサSQCa,SQCbの出力端子に接続され、出力端子がドライバモジュールDRVM0、電圧出力回路VO0及びプレーングループPG0内のセンスアンプモジュールSAMに接続されている。マルチプレクサMUX0は、シーケンサSQCaからの制御信号、アドレスレジスタ内のアドレスデータ等に応じて、シーケンサSQCa又はシーケンサSQCbの出力信号を出力する。
【0053】
マルチプレクサMUX1は、入力端子がシーケンサSQCa,SQCbの出力端子に接続され、出力端子がドライバモジュールDRVM1、電圧出力回路VO1及びプレーングループPG1内のセンスアンプモジュールSAMに接続されている。マルチプレクサMUX1は、シーケンサSQCaからの制御信号、アドレスレジスタ内のアドレスデータ等に応じて、シーケンサSQCa又はシーケンサSQCbの出力信号を出力する。
【0054】
また、シーケンサモジュールSQCMは、適宜自身の状態を示すステータスデータをステータスレジスタSTRに出力する。
【0055】
また、シーケンサモジュールSQCMは、レディ/ビジー信号を生成し、端子RY//BYに出力する。端子RY//BYは、例えば、図2図3を参照して説明したパッド電極Pによって実現される。本実施形態に係るメモリダイMDは、端子RY//BYを介して、メモリダイMDの状態を示すレディ/ビジー信号を出力しても良いし、プレーングループPG0の状態を示すレディ/ビジー信号を出力しても良いし、プレーングループPG1の状態を示すレディ/ビジー信号を出力しても良い。
【0056】
[レジスタモジュールRMの回路構成]
レジスタモジュールRM(図4)は、例えば、アドレスデータをラッチするアドレスレジスタADR、コマンドデータをラッチするコマンドレジスタCMR、及び、ステータスデータをラッチするステータスレジスタSTRを備える。また、レジスタモジュールRMは、制御に際して使用されるその他のパラメータ、変数等をラッチする。レジスタモジュールRMは、例えば、複数のラッチ回路を備える。これら複数のラッチ回路は、例えば、一対のCMOSインバータを備えていても良い。
【0057】
[アドレス比較回路ADCの回路構成]
アドレス比較回路ADC(図4)は、例えば、レジスタモジュールRM内の一部のラッチ回路に接続された論理回路を備える。この論理回路は、例えば、書込シーケンスを実行する旨のコマンドセットが一定の時間内に2回入力された場合に、2つのコマンドセットに対応するメモリプレーンが同一のプレーングループに属しているかどうかを判別する信号を出力する。
【0058】
[入出力制御回路I/Oの回路構成]
入出力制御回路I/O(図4)は、データ入出力端子DQ0~DQ7と、トグル信号入出力端子DQS,/DQSと、データ入出力端子DQ0~DQ7に接続されたコンパレータ等の入力回路及びOCD(Off Chip Driver)回路等の出力回路と、を備える。また、入出力回路I/Oは、これら入力回路及び出力回路に接続されたシフトレジスタと、バッファ回路と、を備える。入力回路、出力回路、シフトレジスタ及びバッファ回路は、それぞれ、電源電圧VCCQ及び接地電圧VSSが供給される端子に接続されている。データ入出力端子DQ0~DQ7、トグル信号入出力端子DQS,/DQS及び電源電圧VCCQが供給される端子は、例えば、図2図3を参照して説明したパッド電極Pによって実現される。データ入出力端子DQ0~DQ7を介して入力されたデータは、論理回路CTRからの内部制御信号に応じて、バッファ回路から、キャッシュメモリCM、アドレスレジスタADR又はコマンドレジスタCMRに出力される。また、データ入出力端子DQ0~DQ7を介して出力されるデータは、論理回路CTRからの内部制御信号に応じて、キャッシュメモリCM又はステータスレジスタSTRからバッファ回路に入力される。
【0059】
[論理回路CTRの回路構成]
論理回路CTRは、外部制御端子/CEn,CLE,ALE,/WE,RE,/REを介してコントローラダイCDから外部制御信号を受信し、これに応じて入出力制御回路I/Oに内部制御信号を出力する。尚、外部制御端子/CEn,CLE,ALE,/WE,RE,/REは、例えば、図2図3を参照して説明したパッド電極Pによって実現される。
【0060】
[メモリダイMDの構造]
図8は、メモリダイMDの模式的な平面図である。図9は、図8の一部を拡大して示す模式的な平面図である。図10は、メモリダイMDの一部の構成を示す模式的な斜視図である。図11は、図10のAで示した部分の模式的な拡大図である。
【0061】
図8に示す様に、メモリダイMDは、半導体基板100を備える。図示の例において、半導体基板100にはY方向に並ぶ4個のメモリセルアレイ領域RMCAからなる列が、X方向に4つ設けられる。また、X方向の一方側(例えば、図8のX方向負側)から数えて1番目の列と2番目の列との間には、周辺回路領域RPC2が設けられている。同様に、X方向の一方側から数えて3番目の列と4番目の列との間には、周辺回路領域RPC2が設けられている。また、半導体基板100のY方向の端部には、周辺回路領域RPC1が設けられている。
【0062】
図示の例では、周辺回路領域RPC1に最も近い4つのメモリセルアレイ領域RMCA内の構成が、X方向の一方側から順に、メモリプレーンMP0~メモリプレーンMP3の一部として機能する。また、周辺回路領域RPC1に2番目に近い4つのメモリセルアレイ領域RMCA内の構成が、X方向の一方側から順に、メモリプレーンMP4~メモリプレーンMP7の一部として機能する。また、周辺回路領域RPC1に3番目に近い4つのメモリセルアレイ領域RMCA内の構成が、X方向の一方側から順に、メモリプレーンMP8~メモリプレーンMP11の一部として機能する。また、周辺回路領域RPC1に4番目に近い4つのメモリセルアレイ領域RMCA内の構成が、X方向の一方側から順に、メモリプレーンMP12~メモリプレーンMP15の一部として機能する。
【0063】
また、図示の例では、各メモリセルアレイ領域RMCAとY方向において隣り合う位置に、ロウデコーダ領域RRDが設けられている。また、各メモリセルアレイ領域RMCAとX方向において隣り合う位置に、センスアンプモジュール領域RSAMが設けられている。また、周辺回路領域RPC1には、入出力回路領域RIOが設けられている。また、周辺回路領域RPC2には、X方向に並びY方向に延伸する複数の配線が設けられている。これら複数の配線のうちの一部は、配線CGとして機能する。例えば、図8の例では、Y方向に並ぶ4つのメモリプレーンMP2,MP6,MP10,MP14に沿って、Y方向に延伸する複数の配線CG0Cと、複数の配線CG1Cと、が設けられている。図示の例では、複数の配線CG0CのX方向における位置が、複数の配線CG1CのX方向における位置よりも、メモリプレーンMP2,MP6,MP10,MP14に近い。
【0064】
メモリセルアレイ領域RMCAには、メモリセルアレイMCA(図4)が設けられている。ロウデコーダ領域RRDには、ロウデコーダRD(図4)が設けられている。センスアンプモジュール領域RSAMには、センスアンプモジュールSAM(図4)が設けられている。周辺回路領域RPC1,RPC2には、周辺回路PC(図4)が設けられている。入出力回路領域RIOには、入出力制御回路I/O(図4)及びパッド電極P(図2図3)が設けられている。
【0065】
半導体基板100は、例えば、ホウ素(B)等のP型の不純物を含むP型のシリコン(Si)からなる半導体基板である。半導体基板100の表面には、例えば、リン(P)等のN型の不純物を含むN型ウェル領域と、ホウ素(B)等のP型の不純物を含むP型ウェル領域と、N型ウェル領域及びP型ウェル領域が設けられていない半導体基板領域と、絶縁領域と、が設けられている。N型ウェル領域、P型ウェル領域及び半導体基板領域は、それぞれ、周辺回路PCを構成する複数のトランジスタ、及び、複数のキャパシタ等の一部として機能する。
【0066】
メモリセルアレイ領域RMCAには、図9に示す様に、X方向に並ぶ複数のメモリブロックBLKが設けられている。メモリブロックBLKは、例えば図10に示す様に、Z方向に並ぶ複数の導電層110と、Z方向に延伸する複数の半導体層120と、複数の導電層110及び複数の半導体層120の間にそれぞれ設けられた複数のゲート絶縁膜130と、を備える。また、X方向において隣り合う2つのメモリブロックBLKの間には、ブロック間構造STが設けられている。
【0067】
導電層110は、Y方向に延伸する略板状の導電層である。導電層110は、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。また、導電層110は、例えば、リン(P)又はホウ素(B)等の不純物を含む多結晶シリコン等を含んでいても良い。Z方向に並ぶ複数の導電層110の間には、酸化シリコン(SiO)等の絶縁層101が設けられている。
【0068】
導電層110の下方には、導電層111が設けられている。導電層111は、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。また、導電層111及び導電層110の間には、酸化シリコン(SiO)等の絶縁層101が設けられている。
【0069】
導電層111は、ソース側選択ゲート線SGSb(図5)及びこれに接続された複数のソース側選択トランジスタSTSbのゲート電極として機能する。導電層111は、メモリブロックBLK毎に電気的に独立している。
【0070】
また、複数の導電層110のうち、最下層に位置する一又は複数の導電層110は、ソース側選択ゲート線SGS(図5)及びこれに接続された複数のソース側選択トランジスタSTSのゲート電極として機能する。
【0071】
また、これよりも上方に位置する複数の導電層110は、ワード線WL(図5)及びこれに接続された複数のメモリセルMC(図5)のゲート電極として機能する。これら複数の導電層110は、それぞれ、メモリブロックBLK毎に電気的に独立している。
【0072】
また、これよりも上方に位置する一又は複数の導電層110は、ドレイン側選択ゲート線SGD及びこれに接続された複数のドレイン側選択トランジスタSTD(図5)のゲート電極として機能する。X方向において隣り合う2つの導電層110の間には、酸化シリコン(SiO)等のストリングユニット間絶縁層SHEが設けられている。これら複数の導電層110は、それぞれ、ストリングユニットSU(図5)毎に電気的に独立している。
【0073】
尚、これら複数の導電層110のY方向の端部には、複数のコンタクトCCとの接続部が設けられている。これら複数のコンタクトCCはZ方向に延伸し、下端において導電層110と接続されている。コンタクトCCは、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。
【0074】
半導体層120は、X方向及びY方向に所定のパターンで並ぶ。半導体層120は、1つのメモリストリングMS(図5)に含まれる複数のメモリセルMC及び選択トランジスタ(STD、STS、STSb)のチャネル領域として機能する。半導体層120は、例えば、多結晶シリコン(Si)等の半導体層である。半導体層120は、例えば、略有底円筒状の形状を有し、中心部分には酸化シリコン等の絶縁層125が設けられている。また、半導体層120の外周面は、それぞれ導電層110によって囲われており、導電層110と対向している。
【0075】
半導体層120の上端部には、リン(P)等のN型の不純物を含む不純物領域121が設けられている。不純物領域121は、コンタクトCh及びコンタクトCbを介して、X方向に延伸するビット線BLに接続される。
【0076】
半導体層120の下端部は、単結晶シリコン(Si)等からなる半導体層122を介して、半導体基板100のP型ウェル領域に接続されている。半導体層122は、ソース側選択トランジスタSTSbのチャネル領域として機能する。半導体層122の外周面は、導電層111によって囲われており、導電層111と対向している。半導体層122と導電層111との間には、酸化シリコン等の絶縁層123が設けられている。
【0077】
ゲート絶縁膜130は、半導体層120の外周面を覆う略円筒状の形状を有する。
【0078】
ゲート絶縁膜130は、例えば図11に示す様に、半導体層120及び導電層110の間に積層されたトンネル絶縁膜131、電荷蓄積膜132及びブロック絶縁膜133を備える。トンネル絶縁膜131及びブロック絶縁膜133は、例えば、酸化シリコン(SiO)等の絶縁膜である。電荷蓄積膜132は、例えば、窒化シリコン(Si)等の電荷を蓄積可能な膜である。トンネル絶縁膜131、電荷蓄積膜132、及び、ブロック絶縁膜133は略円筒状の形状を有し、半導体層120の外周面に沿ってZ方向に延伸する。
【0079】
尚、図11には、ゲート絶縁膜130が窒化シリコン等の電荷蓄積膜132を備える例を示した。しかしながら、ゲート絶縁膜130は、例えば、N型又はP型の不純物を含む多結晶シリコン等のフローティングゲートを備えていても良い。
【0080】
ブロック間構造STは、例えば図10に示す様に、Z方向及びY方向に延伸する導電層140と、導電層140のX方向の側面に設けられた絶縁層141と、を備える。導電層140は、半導体基板100のP型ウェル領域に設けられたN型の不純物領域に接続されている。導電層140は、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。導電層140は、例えば、ソース線SL(図5)の一部として機能する。
【0081】
[メモリセルMCのしきい値電圧]
次に、図12を参照して、メモリセルMCのしきい値電圧について説明する。
【0082】
図12(a)は、3ビットのデータが記録されるメモリセルMCのしきい値電圧について説明するための模式的なヒストグラムである。横軸はワード線WLの電圧を示しており、縦軸はメモリセルMCの数を示している。図12(b)は、3ビットのデータが記録されるメモリセルMCのしきい値電圧及び記録されるデータの関係の一例を示す表である。図12(c)は、3ビットのデータが記録されるメモリセルMCのしきい値電圧及び記録されるデータの関係の他の例を示す表である。
【0083】
図12(a)の例では、メモリセルMCのしきい値電圧が、8通りのステートに制御されている。Erステートに制御されたメモリセルMCのしきい値電圧は、消去ベリファイ電圧VVFYErより小さい。また、例えば、Aステートに制御されたメモリセルMCのしきい値電圧は、ベリファイ電圧VVFYAより大きく、ベリファイ電圧VVFYBより小さい。また、例えば、Bステートに制御されたメモリセルMCのしきい値電圧は、ベリファイ電圧VVFYBより大きく、ベリファイ電圧VVFYCより小さい。以下同様に、Cステート~Fステートに制御されたメモリセルMCのしきい値電圧は、それぞれ、ベリファイ電圧VVFYC~ベリファイ電圧VVFYFより大きく、ベリファイ電圧VVFYD~ベリファイ電圧VVFYGより小さい。また、例えば、Gステートに制御されたメモリセルMCのしきい値電圧は、ベリファイ電圧VVFYGより大きく、読出パス電圧VREADより小さい。
【0084】
また、図12(a)の例では、Erステートに対応するしきい値分布とAステートに対応するしきい値分布との間に、読出電圧VCGARが設定されている。また、Aステートに対応するしきい値分布とBステートに対応するしきい値分布との間に、読出電圧VCGBRが設定されている。以下同様に、Bステートに対応するしきい値分布とCステートに対応するしきい値分布との間~Fステートに対応するしきい値分布とGステートに対応するしきい値分布との間に、それぞれ、読出電圧VCGBR~読出電圧VCGGRが設定されている。
【0085】
例えば、Erステートは、最も低いしきい値電圧(消去状態のメモリセルMCのしきい値電圧)に対応している。Erステートに対応するメモリセルMCには、例えば、データ“111”が割り当てられる。
【0086】
また、Aステートは、上記Erステートに対応するしきい値電圧よりも高いしきい値電圧に対応している。Aステートに対応するメモリセルMCには、例えば、データ“101”が割り当てられる。
【0087】
また、Bステートは、上記Aステートに対応するしきい値電圧よりも高いしきい値電圧に対応している。Bステートに対応するメモリセルMCには、例えば、データ“001”が割り当てられる。
【0088】
以下同様に、図中のCステート~Gステートは、Bステート~Fステートに対応するしきい値電圧よりも高いしきい値電圧に対応している。これらの分布に対応するメモリセルMCには、例えば、データ“011”,“010”,“110”,“100”,“000”が割り当てられる。
【0089】
尚、図12(b)に例示した様な割り当ての場合、下位ビットのデータは1つの読出電圧VCGDRによって判別可能であり、中位ビットのデータは3つの読出電圧VCGAR,VCGCR,VCGFRによって判別可能であり、上位ビットのデータは3つの読出電圧VCGBR,VCGER,VCGGRによって判別可能である。この様なデータの割り当てを、1-3-3コードと呼ぶ場合がある。
【0090】
尚、メモリセルMCに記録するデータのビット数、ステートの数、各ステートに対するデータの割り当て等は、適宜変更可能である。
【0091】
例えば、図12(c)に例示した様な割り当ての場合、下位ビットのデータは1つの読出電圧VCGDRによって判別可能であり、中位ビットのデータは2つの読出電圧VCGBR,VCGFRによって判別可能であり、上位ビットのデータは4つの読出電圧VCGAR,VCGCR,VCGER,VCGGRによって判別可能である。この様なデータの割り当てを、1-2-4コードと呼ぶ場合がある。
【0092】
[書込シーケンス]
次に、本実施形態に係る書込シーケンスについて説明する。図13は、書込シーケンスについて説明するための波形図である。
【0093】
図13には、書込シーケンスに際してメモリダイMDに入力されるコマンドセットの一部を例示している。このコマンドセットは、データ8Xhと、データPlane0と、データ10hと、を含む。
【0094】
タイミングt101~タイミングt102の間において、コントローラダイCDはメモリダイMDに、コマンドデータとしてデータ8Xhを入力する。データ8Xhは、書込シーケンスの開始時に入力されるコマンドである。
【0095】
コマンドデータの入力に際しては、データ入出力端子DQ0~DQ7(図4)の電圧をデータ8Xhの各ビットに応じて“H”又は“L”に設定し、外部制御端子CLEに“H”を入力し、外部制御端子ALEに“L”を入力した状態で、トグル信号入出力端子DQS,/DQSの入力信号を切り替える。
【0096】
タイミングt102~タイミングt103の間において、コントローラダイCDはメモリダイMDに、アドレスデータ及びユーザデータを入力する。図には、アドレスデータの一部として、データPlane0を例示している。データPlane0は、図4等を参照して説明したメモリプレーンMP0を指定するデータである。尚、以下の説明では、メモリプレーンMP1~メモリプレーンMP15を指定するデータを、データPlane1~データPlane15として示す場合がある。尚、アドレスデータは、メモリプレーンM0~MP15のいずれかを指定するデータの他に、メモリダイMDを指定するデータ、メモリブロックBLKを指定するデータ、ストリングユニットSUを指定するデータ、ワード線WLを指定するデータ等を含んでいても良い。
【0097】
アドレスデータの入力に際しては、データ入出力端子DQ0~DQ7(図4)の電圧を、アドレスデータの一部を構成する8ビットのデータの各ビットに応じて“H”又は“L”に設定し、外部制御端子CLEに“L”を入力し、外部制御端子ALEに“H”を入力した状態で、トグル信号入出力端子DQS,/DQSの入力信号を切り替える。これにより、上記8ビットのデータが、アドレスデータの一部としてメモリダイMDに入力される。以下同様に、データ入出力端子DQ0~DQ7(図4)の電圧を順次切り替えつつ同様の動作を実行することにより、アドレスデータがメモリダイMDに入力される。
【0098】
ユーザデータの入力に際しては、データ入出力端子DQ0~DQ7(図4)の電圧を、ユーザデータの一部を構成する8ビットのデータの各ビットに応じて“H”又は“L”に設定し、外部制御端子CLEに“L”を入力し、外部制御端子ALEに“L”を入力した状態で、トグル信号入出力端子DQS,/DQSの入力信号を切り替える。これにより、上記8ビットのデータが、ユーザデータの一部としてメモリダイMDに入力される。以下同様に、データ入出力端子DQ0~DQ7(図4)の電圧を順次切り替えつつ同様の動作を実行することにより、ユーザデータがメモリダイMDに入力される。
【0099】
タイミングt103~タイミングt104の間において、コントローラダイCDはメモリダイMDに、コマンドデータとしてデータ10hを入力する。データ10hは、書込シーケンスに関するコマンドセットの入力が終了したことを示すコマンドである。
【0100】
タイミングt104においては、メモリダイMDにおいて読出動作、書込シーケンス等が実行されていない。この様な場合、シーケンサSQCaへのアクセスが許可され、シーケンサSQCaによる書込シーケンスが開始される。また、メモリダイMDのレディ/ビジー信号(図13のR//B(Chip))、及び、プレーングループPG0のレディ/ビジー信号(図13のR//B(PG0))が“H”状態から“L”状態となる。
【0101】
タイミングt105において、メモリダイMDにおける書込シーケンスが終了する。また、メモリダイMDのレディ/ビジー信号(図13のR//B(Chip))、及び、プレーングループPG0のレディ/ビジー信号(図13のR//B(PG0))が“L”状態から“H”状態となる。
【0102】
その後、コントローラダイCDはメモリダイMDに、例えば、コマンドデータとしてステータスリードを実行する旨のコマンドデータを入力する。これに伴い、メモリダイMDは、ステータスレジスタSTR(図4)にラッチされたステータスデータを出力する。
【0103】
尚、以上の説明では、コマンドセットを簡略化して示している。書込シーケンスに際してメモリダイMDに実際に入力されるコマンドセットの具体的な構成は、適宜調整可能である。例えば、本実施形態では、図12を参照して説明した様に、メモリセルMCに3ビットのデータが記録される例を示している。この様な場合には、書込シーケンスに際して、メモリダイMDに、下位ビットのデータに対応するコマンドセットと、中位ビットのデータに対応するコマンドセットと、上位ビットのデータに対応するコマンドセットと、を入力しても良い。下位ビットのデータに対応するコマンドセットは、例えば、データKKhと、データ8Xhと、データPlane0と、データ11hと、を含んでいても良い。中位ビットのデータに対応するコマンドセットは、例えば、データLLhと、データ8Xhと、データPlane0と、データ11hと、を含んでいても良い。上位ビットのデータに対応するコマンドセットは、例えば、データMMhと、データ8Xhと、データPlane0と、データ10hと、を含んでいても良い。尚、データKKh,LLh,MMhは、それぞれ、コマンドセットが下位ビット、中位ビット、上位ビットに対応するものであることを示すコマンドである。また、データ11hは、書込シーケンスに関する1つ目のコマンドセットの入力が終了し、且つ、書込シーケンスを開始する前に次のコマンドセットを入力することを示すコマンドである。
【0104】
図14は、書込シーケンスについて説明するためのフローチャートである。図15は、書込シーケンスに含まれるプログラム動作について説明するための模式的な断面図である。図16は、書込シーケンスに含まれるベリファイ動作について説明するための模式的な断面図である。図17は、書込シーケンスについて説明するための波形図である。
【0105】
尚、以下の説明では、動作の対象となっているワード線WLを選択ワード線WLと呼び、それ以外のワード線WLを非選択ワード線WLと呼ぶ場合がある。また、以下の説明では、動作の対象となっているストリングユニットSUに含まれる複数のメモリセルMCのうち、選択ワード線WLに接続されたもの(以下、「選択メモリセルMC」と呼ぶ場合がある。)に対して書込シーケンスを実行する例について説明する。また、以下の説明では、この様な複数の選択メモリセルMCを含む構成を、選択ページPGと呼ぶ場合がある。
【0106】
ステップS101においては、例えば図14に示す様に、ループ回数nが1に設定される。ループ回数nは、書込ループの回数を示す変数である。この動作は、例えば、図17のタイミングt104に実行される。また、例えば、センスアンプモジュールSAM(図4)内のラッチ回路に、メモリセルMCに書き込まれるユーザデータがラッチされる。
【0107】
ステップS102においては、プログラム動作が実行される。プログラム動作は、選択ワード線WLにプログラム電圧を供給してメモリセルMCのしきい値電圧を増大させる動作である。この動作は、例えば、図17のタイミングt111からタイミングt116にかけて実行される。
【0108】
プログラム動作のタイミングt111においては、例えば、複数の選択メモリセルMCのうちしきい値電圧の調整を行うもの(以下、「書込メモリセルMC」と呼ぶ場合がある。)に接続されたビット線BLに電圧VSRCを供給し、複数の選択メモリセルMCのうちしきい値電圧の調整を行わないもの(以下、「禁止メモリセルMC」と呼ぶ場合がある。)に接続されたビット線BLに電圧VDDを供給する。電圧VSRCは、例えば、接地電圧VSSと同程度の大きさを有する。電圧VSRCは、例えば、接地電圧VSSより大きく、電圧VDDより小さい。
【0109】
プログラム動作のタイミングt112においては、選択ワード線WL及び非選択ワード線WLに書込パス電圧VPASSが供給される。また、ドレイン側選択ゲート線SGDに、電圧VSGDが供給される。書込パス電圧VPASSは、(図12)を参照して説明した読出パス電圧VREADと同程度の大きさを有していても良いし、読出パス電圧VREADより大きくても良い。電圧VSGDは、ビット線BLの電圧に応じてドレイン側選択トランジスタSTDがON状態又はOFF状態となる程度の大きさを有する。
【0110】
プログラム動作のタイミングt114においては、選択ワード線WLにプログラム電圧VPGMを供給する。プログラム電圧VPGMは、書込パス電圧VPASSよりも大きい。
【0111】
ここで、例えば図15に示す様に、ビット線BLに接続された半導体層120のチャネルには、電圧VSRCが供給されている。この様な半導体層120と選択ワード線WLとの間には、比較的大きい電界が発生する。これにより、半導体層120のチャネル中の電子がトンネル絶縁膜131(図11)を介して電荷蓄積膜132(図11)中にトンネルする。これにより、書込メモリセルMCのしきい値電圧は増大する。
【0112】
一方、ビット線BLに接続された半導体層120のチャネルは、電気的にフローティング状態となっており、このチャネルの電位は非選択ワード線WLとの容量結合によって書込パス電圧VPASS程度まで上昇している。この様な半導体層120と選択ワード線WLとの間には、上記したいずれの電界よりも小さい電界しか発生しない。従って、半導体層120のチャネル中の電子は電荷蓄積膜132(図11)中にトンネルしない。従って、禁止メモリセルMCのしきい値電圧は増大しない。
【0113】
プログラム動作のタイミングt115においては、選択ワード線WL及び非選択ワード線WLに書込パス電圧VPASSを供給する。
【0114】
プログラム動作のタイミングt116においては、選択ワード線WL、非選択ワード線WL及び選択ゲート線(SGD、SGS、SGSb)に接地電圧VSSを供給する。
【0115】
ステップS103(図14)では、ベリファイ動作を行う。ベリファイ動作は、選択ワード線WLにベリファイ電圧を供給して、メモリセルMCのしきい値電圧が目標値に達したか否かを確認する動作である。この動作は、例えば、図17のタイミングt121からタイミングt132にかけて実行される。
【0116】
ベリファイ動作のタイミングt121においては、例えば図16に示す様に、非選択ワード線WLに読出パス電圧VREADを供給して、全てのメモリセルMCをON状態とする。また、選択ゲート線(SGD、SGS、SGSb)に電圧VSGを供給して、選択トランジスタ(STD、STS、STSb)をON状態とする。電圧VSGは、ビット線BLの電圧に拘わらず、ドレイン側選択トランジスタSTDがON状態となる程度の大きさを有する。電圧VSGは、電圧VSGDよりも大きい。
【0117】
ベリファイ動作のタイミングt122においては、選択ワード線WLに、所定のベリファイ電圧VVFY図12(a)を参照して説明したベリファイ電圧VVFYA~VVFYGのいずれか)を供給する。これにより、例えば図16に示す様に、一部の選択メモリセルMCはON状態となり、残りの選択メモリセルMCはOFF状態となる。
【0118】
また、タイミングt122においては、例えば、ビット線BLの充電等を行う。この際、例えば、センスアンプモジュールSAM内のラッチ回路のデータに基づき、特定のステート(図17の例では、Aステート)に対応するメモリセルMCに接続されたビット線BL(図17の例では、ビット線BL)に電圧VDDを供給し、その他のビット線BLには電圧VSRCを供給する。
【0119】
ベリファイ動作のタイミングt123~タイミングt124においては、例えば図17に示す様に、センスアンプモジュールSAM(図4)によってセンス動作を実行する。例えば、ビット線BLの電流値に基づいてビット線BLに接続されたメモリセルMCのON状態/OFF状態を検出し、メモリセルMCの状態を示すデータとして取得する。この際、センスアンプモジュールSAM内のラッチ回路に、メモリセルMCのON状態/OFF状態を示すデータ等をラッチさせても良い。
【0120】
ベリファイ動作のタイミングt125~タイミングt127においては、他のステートのメモリセルMC(図17の例では、Bステート)について、タイミングt122~タイミングt124の処理と同様の処理を行う。尚、図17においては、Bステートに対応するメモリセルMCに接続されたビット線BLを、ビット線BLと記載している。
【0121】
ベリファイ動作のタイミングt128~タイミングt130においては、他のステートのメモリセルMC(図17の例では、Cステート)について、タイミングt122~タイミングt124の処理と同様の処理を行う。尚、図17においては、Cステートに対応するメモリセルMCに接続されたビット線BLを、ビット線BLと記載している。
【0122】
ベリファイ動作のタイミングt131においては、ビット線BLに電圧VSRCを供給する。
【0123】
ベリファイ動作のタイミングt132においては、選択ワード線WL、非選択ワード線WL及び選択ゲート線(SGD、SGS、SGSb)に接地電圧VSSを供給する。
【0124】
その後、センスアンプモジュールSAM内のラッチ回路にラッチされたデータを図示しないカウンタ回路に転送して、しきい値電圧が目標値に達したメモリセルMCの数、又は、しきい値電圧が目標値に達していないメモリセルMCの数を計数する。
【0125】
尚、図17の例では、ベリファイ動作において選択ワード線WLに3通りのベリファイ電圧VVFYA,VVFYB,VVFYCが供給される例を示した。しかしながら、ベリファイ動作において選択ワード線WLに供給されるベリファイ電圧VVFYの数は、2通り以下でも良いし、4通り以上でも良いし、ループ回数nに応じて変化しても良い。
【0126】
ステップS104(図14)では、ベリファイ動作の結果を判定する。例えば、しきい値電圧が目標値に達していないメモリセルMCの数が一定数以上であった場合等にはベリファイFAILと判定し、ステップS105に進む。一方、しきい値電圧が目標値に達していないメモリセルMCの数が一定数以下であった場合等にはベリファイPASSと判定し、ステップS107に進む。
【0127】
ステップS105では、ループ回数nが所定の回数Nに達したか否かを判定する。達していなかった場合にはステップS106に進む。達していた場合にはステップS108に進む。
【0128】
ステップS106では、ループ回数nに1を加算して、ステップS102に進む。また、ステップS106では、例えば、プログラム電圧VPGMに所定の電圧ΔVを加算する。従って、プログラム電圧VPGMは、ループ回数nの増大と共に増大する。
【0129】
ステップS107では、ステータスレジスタSTR(図4)に、書込シーケンスが正常に終了した旨のステータスデータを格納し、書込シーケンスを終了する。尚、ステータスデータは、ステータスリード動作によってコントローラダイCD(図1)に出力される。
【0130】
ステップS108では、ステータスレジスタSTR(図4)に、書込シーケンスが正常に終了しなかった旨のステータスデータを格納し、書込シーケンスを終了する。
【0131】
[複数の書込シーケンスを実行する動作]
次に、コントローラダイCDがメモリダイMDに一定の時間内に複数のコマンドセットを入力した場合の動作について説明する。
【0132】
例えば、上述の通り、プレーングループPG0(図4)は、メモリプレーンMP0~メモリプレーンMP7を備える。これらメモリプレーンMP0~メモリプレーンMP7の少なくとも一つに対する書込シーケンスが開始された場合、シーケンサSQCaによる書込シーケンスが開始され、プレーングループPG0及びシーケンサSQCaへのアクセスが禁止される。
【0133】
この状態で書込シーケンスを実行する旨のコマンドセットが入力され、このコマンドセットにメモリプレーンMP0~メモリプレーンMP7の少なくとも一つを指定するデータが含まれていた場合、このコマンドセットによって指定された書込シーケンスは実行されない。
【0134】
一方、この状態で書込シーケンスを実行する旨のコマンドセットが入力され、このコマンドセットにメモリプレーンMP8~メモリプレーンMP15の少なくとも一つを指定するデータが含まれていた場合、指定されたメモリプレーンに対して、シーケンサSQCbによる書込シーケンスが実行される。
【0135】
同様に、プレーングループPG1(図4)は、メモリプレーンMP8~メモリプレーンMP15を備える。これらメモリプレーンMP8~メモリプレーンMP15の少なくとも一つに対する書込シーケンスが開始された場合、シーケンサSQCaによる書込シーケンスが開始され、プレーングループPG1及びシーケンサSQCaへのアクセスが禁止される。
【0136】
この状態で書込シーケンスを実行する旨のコマンドセットが入力され、このコマンドセットにメモリプレーンMP8~メモリプレーンMP15の少なくとも一つを指定するデータが含まれていた場合、このコマンドセットによって指定された書込シーケンスは実行されない。
【0137】
一方、この状態で書込シーケンスを実行する旨のコマンドセットが入力され、このコマンドセットにメモリプレーンMP0~メモリプレーンMP7の少なくとも一つを指定するデータが含まれていた場合、指定されたメモリプレーンに対して、シーケンサSQCbによる書込シーケンスが実行される。
【0138】
図18は、この様な書込シーケンスについて説明するための波形図である。
【0139】
タイミングt141~タイミングt142の間において、コントローラダイCDはメモリダイMDに、コマンドデータとしてデータ8Xhを入力する。
【0140】
タイミングt142~タイミングt143の間において、コントローラダイCDはメモリダイMDに、アドレスデータ及びユーザデータを入力する。図には、アドレスデータの一部として、データPlane0を例示している。
【0141】
タイミングt143~タイミングt144の間において、コントローラダイCDはメモリダイMDに、コマンドデータとしてデータ10hを入力する。
【0142】
タイミングt144においては、メモリダイMDにおいて読出動作、書込シーケンス等が実行されていない。この様な場合、プレーングループPG0,PG1及びシーケンサSQCaへのアクセスが許可され、シーケンサSQCbへのアクセスが禁止されている。従って、シーケンサSQCaによる書込シーケンスが開始される。また、メモリダイMDのレディ/ビジー信号(図18のR//B(Chip))、及び、プレーングループPG0のレディ/ビジー信号(図18のR//B(PG0))が“H”状態から“L”状態となる。
【0143】
タイミングt145~タイミングt146の間において、コントローラダイCDはメモリダイMDに、コマンドデータとしてデータ8Xhを入力する。
【0144】
タイミングt146~タイミングt147の間において、コントローラダイCDはメモリダイMDに、アドレスデータ及びユーザデータを入力する。図には、アドレスデータの一部として、データPlane8を例示している。
【0145】
タイミングt147~タイミングt148の間において、コントローラダイCDはメモリダイMDに、コマンドデータとしてデータ10hを入力する。
【0146】
タイミングt148においては、プレーングループPG0に対して書込シーケンスが実行されている。この様な場合、プレーングループPG1及びシーケンサSQCbへのアクセスが許可され、プレーングループPG0及びシーケンサSQCaへのアクセスが禁止される。従って、シーケンサSQCbによる書込シーケンスが開始される。また、プレーングループPG1のレディ/ビジー信号(図18のR//B(PG1))が“H”状態から“L”状態となる。
【0147】
タイミングt149において、メモリプレーンMP0に対する書込シーケンスが終了する。また、プレーングループPG0のレディ/ビジー信号(図18のR//B(PG0))が“L”状態から“H”状態となる。
【0148】
タイミングt150において、メモリプレーンMP8に対する書込シーケンスが終了する。また、メモリダイMDのレディ/ビジー信号(図18のR//B(Chip))、及び、プレーングループPG1のレディ/ビジー信号(図18のR//B(PG1))が“L”状態から“H”状態となる。
【0149】
図19は、この様な書込シーケンスについて説明するための波形図である。図19には、メモリプレーンMP0内の選択ワード線WLに供給される電圧と、メモリプレーンMP8内の選択ワード線WLに供給される電圧と、を図示している。
【0150】
図19の例では、タイミングt144~タイミングt148の間において、メモリプレーンMP0に対する書込シーケンスが開始され、図14等を参照して説明したループ回数nが1から8まで増大している。また、図17のタイミングt111~タイミングt132に対応する動作が7回実行されている。
【0151】
また、タイミングt148~タイミングt149の間において、メモリプレーンMP0に対する書込シーケンスが進行して、ループ回数nが8から19まで増大し、書込シーケンスが終了している。また、図17のタイミングt111~タイミングt132に対応する動作が11回実行されている。また、メモリプレーンMP8に対する書込シーケンスが開始され、ループ回数nが1から12まで増大している。また、図17のタイミングt111~タイミングt132に対応する動作が11回実行されている。
【0152】
また、タイミングt149~タイミングt150の間において、メモリプレーンMP8に対する書込シーケンスが進行して、ループ回数nが12から19まで増大し、書込シーケンスが終了している。また、図17のタイミングt111~タイミングt132に対応する動作が8回実行されている。
【0153】
尚、図19の例では、図17のタイミングt111~タイミングt132に対応する動作が、一定の時間間隔T1で繰り返し実行されている。
【0154】
ただし、ループ回数nが1、2又は17~19である場合、選択ワード線WLには1つのベリファイ電圧VVFYA,VVFYGしか供給されない。この様な場合には、図17のタイミングt125~タイミングt132において、選択ワード線WLに接地電圧VSS等が供給されても良い。
【0155】
同様に、ループ回数nが3、4、15又は16である場合、選択ワード線WLには2つのベリファイ電圧VVFYA,VVFYB又は2つのベリファイ電圧VVFYF,VVFYGしか供給されていない。この様な場合には、図17のタイミングt128~タイミングt132において、選択ワード線WLに接地電圧VSS等が供給されても良い。
【0156】
また、図19の例では、タイミングt148~タイミングt149の間において、メモリプレーンMP0に対する書込シーケンスと、メモリプレーンMP8に対する書込シーケンスと、の間で、図17のタイミングt111~タイミングt132に対応する各処理が、同時に実行されている。例えば、本実施形態においては、シーケンサSQCa,SQCbが、同一のクロック信号に従って制御されても良い。この場合には、例えば、シーケンサSQCaによる制御の各タイミングと、シーケンサSQCbによる制御の各タイミングとが、クロック信号の周期の範囲内において一致していても良い。また、本実施形態においては、シーケンサSQCa,SQCbが、クロック信号以外の同一のタイミング信号によって制御されても良い。
【0157】
[第1実施形態に係る半導体記憶装置の効果]
本実施形態に係るメモリダイMDは、2つの書込シーケンスを並行して実行可能に構成されている。例えば、図4を参照して説明した様に、本実施形態に係るメモリダイMDは、プレーングループPG0,PG1と、書込シーケンスに使用可能な2つのシーケンサSQCa,SQCbと、を備える。
【0158】
この様な構成によれば、プレーングループPG0,PG1の一方に対する書込シーケンスの実行中に、この書込シーケンスの終了を待つことなく、プレーングループPG0,PG1の他方に対する書込シーケンスを開始することが出来る。従って、高速に動作する半導体記憶装置を提供可能である。
【0159】
また、コントローラダイCD(図1)は、ホストコンピュータ20からユーザデータを受信した後、このユーザデータをコマンドセットの一部としてメモリダイMDに入力するまでの間、このユーザデータを一時的に保持しておく必要がある。ここで、コントローラダイCDがユーザデータを保持する時間が長ければ長いほど、コントローラダイCDにおいて多量のデータを保持しておく必要が生じてしまい、コントローラダイCDに大量のメモリを搭載する必要が生じてしまう。本実施形態に係る半導体記憶装置によれば、この様な時間を短縮して、コントローラダイCDの低コスト化を実現することが可能である。
【0160】
また、図8を参照して説明した様に、本実施形態に係るメモリダイMDは、X方向に並びY方向に延伸する複数の配線CGを備える。この様な構成においては、配線CG間におけるクロストークに起因して、ワード線WLの電圧が変動してしまう場合がある。例えば、メモリプレーンMP2に対するプログラム動作と、メモリプレーンMP10に対するベリファイ動作と、が同時に実行された場合、配線CG0C(図4)にプログラム電圧VPGMを供給したタイミングで、配線CG1Cの電圧が大きく上昇してしまい、メモリプレーンMP10においてメモリセルMCのしきい値電圧を好適に検出出来なかったり、メモリプレーンMP10において意図しないメモリセルMCのしきい値電圧が上昇してしまったりする恐れがある。
【0161】
そこで、本実施形態に係るメモリダイMDにおいては、図19を参照して説明した様に、プレーングループPG0に対してプログラム電圧VPGMが供給されるタイミングと、プレーングループPG1に対してプログラム電圧VPGMが供給されるタイミングと、を一致させている。
【0162】
この様な方法によれば、上述の様なクロストークの影響を抑制可能である。従って、好適に制御可能な半導体記憶装置を提供可能である。
【0163】
[第2実施形態]
次に、図20及び図21を参照して、第2実施形態について説明する。図20及び図21は、第2実施形態に係る書込シーケンスについて説明するための波形図である。
【0164】
第2実施形態に係る半導体記憶装置は、第1実施形態に係る半導体記憶装置と同様に構成されている。
【0165】
図20及び図21には、書込シーケンスに際してメモリダイMDに入力されるコマンドセットの一部を例示している。このコマンドセットは、基本的には図13を参照して説明したコマンドセットと同様である。ただし、図20及び図21に例示したコマンドセットは、データ10hのかわりに、データ15hを含む。
【0166】
図20は、同一のプレーングループPG0に対する書込シーケンスを指示するコマンドセットが、一定の時間内に2回入力された場合の動作を例示している。
【0167】
タイミングt201~タイミングt202の間において、コントローラダイCDはメモリダイMDに、コマンドデータとしてデータ8Xhを入力する。
【0168】
タイミングt202~タイミングt203の間において、コントローラダイCDはメモリダイMDに、アドレスデータ及びユーザデータを入力する。図には、アドレスデータの一部として、データPlane0を例示している。
【0169】
タイミングt203~タイミングt204の間において、コントローラダイCDはメモリダイMDに、コマンドデータとしてデータ15hを入力する。データ15hは、書込シーケンスに関するコマンドセットの入力が終了したことを示すコマンドである。
【0170】
タイミングt204においては、メモリダイMDにおいて読出動作、書込シーケンス等が実行されていない。この様な場合、プレーングループPG0,PG1及びシーケンサSQCaへのアクセスが許可され、シーケンサSQCbへのアクセスが禁止されている。従って、シーケンサSQCaによる書込シーケンスが開始される。また、メモリダイMDのレディ/ビジー信号(図20のR//B(Chip))、及び、プレーングループPG0のレディ/ビジー信号(図20のR//B(PG0))が“H”状態から“L”状態となる。
【0171】
タイミングt204~タイミングt205の間においては、メモリプレーンMP0に対応するキャッシュメモリCM内のユーザデータがセンスアンプモジュールSAM内のラッチ回路に転送され、キャッシュメモリCMが使用可能な状態となる。これに伴い、タイミングt205において、メモリダイMDのレディ/ビジー信号(図20のR//B(Chip))が“L”状態から“H”状態となる。
【0172】
タイミングt206~タイミングt207の間において、コントローラダイCDはメモリダイMDに、コマンドデータとしてデータ8Xhを入力する。
【0173】
タイミングt207~タイミングt208の間において、コントローラダイCDはメモリダイMDに、アドレスデータ及びユーザデータを入力する。図には、アドレスデータの一部として、データPlane0を例示している。
【0174】
タイミングt208~タイミングt209の間において、コントローラダイCDはメモリダイMDに、コマンドデータとしてデータ15hを入力する。
【0175】
タイミングt209においては、プレーングループPG0に対して書込シーケンスが実行されている。この様な場合、プレーングループPG1及びシーケンサSQCbへのアクセスが許可され、プレーングループPG0及びシーケンサSQCaへのアクセスが禁止される。従って、タイミングt209において書込シーケンスを開始することは出来ない。この様な場合、タイミングt206~タイミングt209の間に入力されたコマンドセットに含まれるアドレスデータはアドレスレジスタADR(図4)に一時的にラッチされる。また、このコマンドセットに含まれるユーザデータはメモリプレーンMP0に対応するキャッシュメモリCMに一時的にラッチされる。
【0176】
タイミングt211においては、タイミングt201~タイミングt204の間に入力されたコマンドセットに対応する書込シーケンスが終了し、タイミングt206~タイミングt209の間に入力されたコマンドセットに対応する書込シーケンスが開始される。
【0177】
タイミングt212においては、タイミングt206~タイミングt209の間に入力されたコマンドセットに対応する書込シーケンスが終了する。また、プレーングループPG0のレディ/ビジー信号(図20のR//B(PG0))が“L”状態から“H”状態となる。
【0178】
図21は、プレーングループPG0に対する書込シーケンスを指示するコマンドセットと、プレーングループPG1に対する書込シーケンスを指示するコマンドセットとが、一定の時間内に入力された場合の動作を例示している。
【0179】
タイミングt221~タイミングt229における各処理は、図20のタイミングt201~タイミングt209における各処理と同様に実行される。ただし、タイミングt227~タイミングt228の間には、データPlane0のかわりに、データPlane8が入力される。
【0180】
タイミングt229においては、プレーングループPG0に対して書込シーケンスが実行されている。この様な場合、プレーングループPG1及びシーケンサSQCbへのアクセスが許可され、プレーングループPG0及びシーケンサSQCaへのアクセスが禁止される。従って、シーケンサSQCbによる書込シーケンスが開始される。また、メモリダイMDのレディ/ビジー信号(図21のR//B(Chip))、及び、プレーングループPG1のレディ/ビジー信号(図21のR//B(PG1))が“H”状態から“L”状態となる。
【0181】
タイミングt230においては、メモリダイMDのレディ/ビジー信号(図21のR//B(Chip))が“L”状態から“H”状態となる。
【0182】
タイミングt231において、メモリプレーンMP0に対する書込シーケンスが終了する。また、プレーングループPG0のレディ/ビジー信号(図21のR//B(PG0))が“L”状態から“H”状態となる。
【0183】
タイミングt232において、メモリプレーンMP8に対する書込シーケンスが終了する。また、プレーングループPG1のレディ/ビジー信号(図21のR//B(PG1))が“L”状態から“H”状態となる。
【0184】
尚、図20には、タイミングt204からタイミングt212までの時間を、時間T0として示している。また、図21には、タイミングt224からタイミングt232までの時間を、時間T0´として示している。図示の通り、時間T0´は、時間T0よりも短い。
【0185】
尚、第2実施形態に係る半導体記憶装置は、第1実施形態に係る動作を実行可能であっても良い。
【0186】
また、以上の説明では、コマンドセットを簡略化して示している。書込シーケンスに際してメモリダイMDに実際に入力されるコマンドセットの具体的な構成は、適宜調整可能である。例えば、書込シーケンスに際して、メモリダイMDに、上述した様な下位ビットのデータに対応するコマンドセットと、中位ビットのデータに対応するコマンドセットと、上位ビットのデータに対応するコマンドセットと、を入力しても良い。また、上述した上位ビットのデータに対応するコマンドセットを入力する際には、データ10hのかわりにデータ15hを入力しても良い。
【0187】
[第2実施形態に係る半導体記憶装置の効果]
第2実施形態に係る半導体記憶装置によれば、第1実施形態に係る半導体記憶装置と同様の効果を奏することが可能である。
【0188】
[第3実施形態]
次に、図22を参照して、第3実施形態について説明する。図22は、第3実施形態に係る書込シーケンスについて説明するための波形図である。図22には、メモリプレーンMP0,MP1内の選択ワード線WLに供給される電圧と、メモリプレーンMP8,MP9内の選択ワード線WLに供給される電圧と、を図示している。
【0189】
ここまでの説明では、1つの書込シーケンスが1つのメモリプレーンに対して実行される例について説明した。しかしながら、例えば、シーケンサSQCaによる書込シーケンスは、プレーングループPG0,PG1に属する複数のメモリプレーンMP0~MP15の一部または全部に対して同時に実行することが可能である。同様に、シーケンサSQCbによる書込シーケンスは、プレーングループPG0,PG1に属する複数のメモリプレーンMP0~MP15の一部又は全部に対して同時に実行することが可能である。以下、この点について説明する。
【0190】
第3実施形態に係る半導体記憶装置は、第1実施形態に係る半導体記憶装置と同様に構成されている。
【0191】
第3実施形態に係る書込シーケンスは、基本的には図19を参照して説明した様な書込シーケンスと同様に実行される。ただし、図19の例では、コントローラダイCDがメモリダイMDに2つのコマンドセットを入力していた。一方、図22の例では、コントローラダイCDがメモリダイMDに4つのコマンドセットを入力している。
【0192】
1つ目のコマンドセットは、データ8Xhと、データPlane0と、データ11hと、を含む。2つ目のコマンドセットは、データ8Xhと、データPlane1と、データ10hと、を含む。3つ目のコマンドセットは、データ8Xhと、データPlane8と、データ11hと、を含む。4つ目のコマンドセットは、データ8Xhと、データPlane9と、データ10hと、を含む。
【0193】
図22の例では、タイミングt144までに、コントローラダイCDがメモリダイMDに、1つ目のコマンドセットと2つ目のコマンドセットとを入力する。
【0194】
また、タイミングt144~タイミングt148の間において、メモリプレーンMP0及びメモリプレーンMP1に対する書込シーケンスが開始されている。また、コントローラダイCDがメモリダイMDに、3つ目のコマンドセットと4つ目のコマンドセットとを入力する。
【0195】
また、タイミングt148~タイミングt149の間において、メモリプレーンMP0及びメモリプレーンMP1に対する書込シーケンスが進行して、書込シーケンスが終了している。また、メモリプレーンMP8及びメモリプレーンMP9に対する書込シーケンスが開始されている。
【0196】
また、タイミングt149~タイミングt150の間において、メモリプレーンMP8及びメモリプレーンMP9に対する書込シーケンスが進行して、書込シーケンスが終了している。
【0197】
尚、第3実施形態に係る半導体記憶装置は、第1実施形態及び第2実施形態に係る動作を実行可能であっても良い。
【0198】
また、以上の説明では、コマンドセットを簡略化して示している。書込シーケンスに際してメモリダイMDに実際に入力されるコマンドセットの具体的な構成は、適宜調整可能である。例えば、書込シーケンスに際して、メモリダイMDに、上述した様な下位ビットのデータに対応するコマンドセットと、中位ビットのデータに対応するコマンドセットと、上位ビットのデータに対応するコマンドセットと、を入力しても良い。ただし、メモリプレーンMP0の下位ビットのデータに対応するコマンドセットを入力した後、メモリプレーンMP1の下位ビットのデータに対応するコマンドセットを入力する際には、データ11hのかわりにデータ1Ahを入力しても良い。同様に、メモリプレーンMP0の中位ビットのデータに対応するコマンドセットを入力した後、メモリプレーンMP1の中位ビットのデータに対応するコマンドセットを入力する際には、データ11hのかわりにデータ1Ahを入力しても良い。尚、データ1Ahは、書込シーケンスに関する1つ目のコマンドセットの入力が終了し、且つ、書込シーケンスを開始する前に次のコマンドセットを入力することを示すコマンドである。
【0199】
[第3実施形態に係る半導体記憶装置の効果]
第3実施形態に係る半導体記憶装置によれば、第1実施形態及び第2実施形態に係る半導体記憶装置と同様の効果を奏することが可能である。また、第3実施形態に係る半導体記憶装置によれば、第1実施形態及び第2実施形態に係る半導体記憶装置と比較して、一度の書込シーケンスにおいて書込可能なデータ量が多い。従って、第1実施形態及び第2実施形態に係る半導体記憶装置と比較して、より高速に動作する半導体記憶装置を提供可能である。
【0200】
[第4実施形態]
次に、図23を参照して、第4実施形態について説明する。図23は、第4実施形態に係る書込シーケンスについて説明するための波形図である。図23には、メモリプレーンMP0内の選択ワード線WLに供給される電圧と、メモリプレーンMP8内の選択ワード線WLに供給される電圧と、を図示している。
【0201】
第4実施形態に係る半導体記憶装置は、第1実施形態に係る半導体記憶装置と同様に構成されている。
【0202】
第4実施形態に係る書込シーケンスは、基本的には図19を参照して説明した様な書込シーケンスと同様に実行される。ただし、図19の例では、書込シーケンスの実行中に、コントローラダイCDがメモリダイMDにコマンドセット等を入力していなかった。一方、図23の例では、書込シーケンスの実行中に、コントローラダイCDがメモリダイMDにコマンドセット等を入力している。
【0203】
図23の例では、タイミングt148~タイミングt301の間において、メモリプレーンMP0及びメモリプレーンMP8に対する書込シーケンスが進行している。
【0204】
また、タイミングt301において、コントローラダイCDがメモリダイMDに、コマンドデータとしてデータXXhを入力する。データXXhは、書込シーケンスを一時的に中断(サスペンド)させるコマンドである。
【0205】
また、タイミングt301~タイミングt302の間において、メモリプレーンMP0及びメモリプレーンMP8に対する書込シーケンスが一時的に中断(サスペンド)されている。また、コントローラダイCDがメモリダイMDに、コマンドセットを入力する。このコマンドセットは、データ00hと、データPlane8と、データ30hと、を含む。データ00hは、読出動作の開始時に入力されるコマンドである。データ30hは、読出動作に関するコマンドセットの入力が終了したことを示すコマンドである。
【0206】
また、タイミングt303~タイミングt304の間において、メモリプレーンMP8に対する読出動作が実行されている。尚、図23の例では、メモリプレーンMP8内の選択ワード線WL図12を参照して説明した読出電圧VCGAR,VCGCR,VCGFRが供給され、これによって中位ビットのデータが読み出されている。
【0207】
また、タイミングt304において、コントローラダイCDがメモリダイMDに、コマンドデータとしてデータYYhを入力する。データYYhは、書込シーケンスを再開(レジューム)させるコマンドである。
【0208】
また、タイミングt305において、メモリプレーンMP0及びメモリプレーンMP8に対する書込シーケンスが再開されている。
【0209】
尚、第4実施形態に係る半導体記憶装置は、第1実施形態~第3実施形態に係る動作を実行可能であっても良い。
【0210】
[第4実施形態に係る半導体記憶装置の効果]
第4実施形態に係る半導体記憶装置によれば、第1実施形態~第3実施形態に係る半導体記憶装置と同様の効果を奏することが可能である。また、第4実施形態においては、一のプレーングループPG1に対する読出動作の実行に際して、他のプレーングループPG0に対する書込シーケンスも中断する。従って、読出動作に対する書込シーケンスの影響を排除することが可能である。これにより、信頼性の高い半導体記憶装置を提供可能である。
【0211】
[第5実施形態]
次に、図24を参照して、第5実施形態について説明する。図24は、第5実施形態に係る書込シーケンスについて説明するための波形図である。図24には、メモリプレーンMP0内の選択ワード線WLに供給される電圧と、メモリプレーンMP8内の選択ワード線WLに供給される電圧と、を図示している。
【0212】
第5実施形態に係る半導体記憶装置は、第1実施形態に係る半導体記憶装置と同様に構成されている。
【0213】
第5実施形態に係る書込シーケンスは、基本的には図23を参照して説明した書込シーケンスと同様に実行される。ただし、図23の例では、データXXhの入力に伴い、読出動作の対象であるメモリプレーンMP8に対する書込シーケンスだけでなく、メモリプレーンMP0に対する書込シーケンスも中断されていた。一方、図24の例では、データXXhの入力に伴い、読出動作の対象であるメモリプレーンMP8に対する書込シーケンスのみが中断され、メモリプレーンMP0に対する書込シーケンスは中断されていない。
【0214】
尚、図24の例では、メモリプレーンMP8に対する読出動作において、選択ワード線WLに読出電圧VCGAR,VCGCR,VCGFRが供給されるタイミングが、それぞれ、メモリプレーンMP0に対するベリファイ動作において、選択ワード線WLにベリファイ電圧VVFYC,VVFYD,VVFYEが供給されるタイミング(図17のタイミングt122,t125,t128に対応するタイミング)と同時である。
【0215】
尚、第5実施形態に係る半導体記憶装置は、第1実施形態~第4実施形態に係る動作を実行可能であっても良い。
【0216】
また、第5実施形態に係る書込シーケンスを実行する場合、タイミングt301よりも前に、いずれのプレーングループに対する書込シーケンスを中断するか判別可能な情報が、メモリダイMDに入力されても良い。
【0217】
[第5実施形態に係る半導体記憶装置の効果]
第5実施形態に係る半導体記憶装置によれば、第1実施形態~第3実施形態に係る半導体記憶装置と同様の効果を奏することが可能である。また、第5実施形態においては、一のプレーングループPG1に対して読出動作が実行されるタイミングと、他のプレーングループPG0に対してプログラム動作が実行されるタイミングと、が異なっている。また、第5実施形態においては、一のプレーングループPG1に対する読出動作の実行に際して、他のプレーングループPG0に対する書込シーケンスを中断しない。従って、読出動作に対する書込シーケンスの影響を抑制しつつ、高速に動作する半導体記憶装置を提供可能である。
【0218】
[第6実施形態]
次に、図25を参照して、第6実施形態について説明する。図25は、第6実施形態に係る書込シーケンスについて説明するための波形図である。図25には、メモリプレーンMP0内の選択ワード線WLに供給される電圧と、メモリプレーンMP8内の選択ワード線WLに供給される電圧と、を図示している。
【0219】
第6実施形態に係る半導体記憶装置は、第1実施形態に係る半導体記憶装置と同様に構成されている。
【0220】
第6実施形態に係る書込シーケンスは、基本的には図19を参照して説明した様な書込シーケンスと同様に実行される。
【0221】
ただし、図19の例では、図17のタイミングt111~タイミングt132に対応する各処理が、常に一定の時間間隔T1で実行されていた。例えば、ループ回数nが1、2又は17~19である場合、選択ワード線WLには1つのベリファイ電圧しか供給されない。この様な場合には、例えば、図17のタイミングt125以降の処理を省略することも考えられる。しかしながら、図19の例では、タイミングt125以降の処理に相当する時間を待ち時間として、各処理が実行される時間間隔T1を一定の大きさに揃えていた。
【0222】
一方、本実施形態においては、図25に例示する様に、メモリプレーンMP0及びメモリプレーンMP8の一方のみに対して書込シーケンスが実行されているタイミングt144~タイミングt148の間、及び、タイミングt149~タイミングt401の間において、上述の様な待ち時間が省略されている。即ち、ベリファイ動作において供給されるベリファイ電圧が1つ又は2つである場合に、タイミングt125以降の処理、又は、タイミングt128以降の処理が省略されている。尚、ベリファイ動作において供給されるベリファイ電圧が2つである場合の上記時間間隔T3は、上記時間間隔T1よりも短い。また、ベリファイ動作において供給されるベリファイ電圧が1つである場合の上記時間間隔T2は、上記時間間隔T3よりも短い。
【0223】
また、本実施形態においては、図25に例示する様に、メモリプレーンMP0及びメモリプレーンMP8の双方に対して書込シーケンスが実行されているタイミングであっても、双方のベリファイ動作において供給されるベリファイ電圧の数が2以下である場合には、タイミングt128以降の処理が省略されている。また、双方のベリファイ動作において供給されるベリファイ電圧の数が1以下である場合には、タイミングt125以降の処理が省略されている。例えば、図25の例では、タイミングt401よりも後の期間において、メモリプレーンMP0に対する書込シーケンスのループ回数nが、1から5まで増大している。また、上記ループ回数nが1である間、メモリプレーンMP0に対応するベリファイ電圧の数は1つ、メモリプレーンMP8に対応するベリファイ電圧の数は2つであり、書込シーケンスにおける上記各処理は、上記時間間隔T3で実行されている。また、上記ループ回数nが2である間、メモリプレーンMP0に対応するベリファイ電圧の数は1つ、メモリプレーンMP8に対応するベリファイ電圧の数は1つであり、書込シーケンスにおける上記各処理は、上記時間間隔T2で実行されている。また、上記ループ回数nが3である間、メモリプレーンMP0に対応するベリファイ電圧の数は2つ、メモリプレーンMP8に対応するベリファイ電圧の数は1つであり、書込シーケンスにおける上記各処理は、上記時間間隔T3で実行されている。
【0224】
尚、第6実施形態に係る半導体記憶装置は、第1実施形態~第5実施形態に係る動作を実行可能であっても良い。
【0225】
[第6実施形態に係る半導体記憶装置の効果]
第6実施形態に係る半導体記憶装置によれば、第1実施形態~第5実施形態に係る半導体記憶装置と同様の効果を奏することが可能である。また、第6実施形態においては、第1実施形態~第5実施形態と比較して、一つのプレーンに対する書込シーケンスの所要時間を削減することが可能である。従って、第1実施形態~第5実施形態と比較して、より高速に動作する半導体記憶装置を提供可能である。
【0226】
[第7実施形態]
次に、図26を参照して、第7実施形態について説明する。図26は、第7実施形態に係る半導体記憶装置のメモリダイMD2の模式的な平面図である。
【0227】
ここまでの説明では、図4等を参照して説明した様に、メモリモジュールMMがプレーングループPG0,PG1を備えていた。また、プレーングループPG0がメモリプレーンMP0~メモリプレーンMP7を備え、プレーングループPG1がメモリプレーンMP8~メモリプレーンMP15を備えていた。しかしながら、この様な構成はあくまでも例示に過ぎず、具体的な構成は適宜調整可能である。以下、この点について説明する。
【0228】
図26に示す様に、メモリダイMD2は、基本的には図8等を参照して説明したメモリダイMDと同様に構成されている。ただし、メモリダイMDが2つのプレーングループPG0,PG1を備えていたのに対し、メモリダイMD2は4つのプレーングループPG0´~プレーングループPG3´を備えている。プレーングループPG0´は、メモリプレーンMP0~メモリプレーンMP3を含む。プレーングループPG1´は、メモリプレーンMP4~メモリプレーンMP7を含む。プレーングループPG2´は、メモリプレーンMP8~メモリプレーンMP11を含む。プレーングループPG3´は、メモリプレーンMP12~メモリプレーンMP15を含む。
【0229】
尚、メモリダイMD2は、メモリダイMDと同様に、書込用のシーケンサを2つ備えていても良いし、3つ又は4つ備えていても良い。また、プレーングループPG0´に対応する配線CGとプレーングループPG1´に対応する配線CGとは、同一であっても良いし、異なっていても良い。同様に、プレーングループPG2´に対応する配線CGとプレーングループPG3´に対応する配線CGとは、同一であっても良いし、異なっていても良い。
【0230】
また、第7実施形態に係る半導体記憶装置は、第1実施形態~第6実施形態に係る動作を実行可能であっても良い。
【0231】
[第7実施形態に係る半導体記憶装置の効果]
第7実施形態に係る半導体記憶装置によれば、第1実施形態~第6実施形態に係る半導体記憶装置と同様の効果を奏することが可能である。また、第7実施形態においては、第1実施形態~第6実施形態と比較して、アクセスするプレーングループ数を多く選択可能である。従って、第7実施形態に係る半導体記憶装置は、第1実施形態~第6実施形態に係る半導体記憶装置と比較して、より高速に動作する場合がある。
【0232】
[第8実施形態]
次に、図27を参照して、第8実施形態について説明する。図27は、第8実施形態に係る半導体記憶装置のメモリダイMD3の模式的な平面図である。
【0233】
ここまでの説明では、図8及び図26を参照して説明した様に、X方向に並ぶ複数のメモリプレーンが同一のプレーングループに属していた。しかしながら、この様な構成はあくまでも例示に過ぎず、具体的な構成は適宜調整可能である。以下、この点について説明する。
【0234】
図27に示す様に、メモリダイMD3は、基本的には図8及び図26を参照して説明したメモリダイMDと同様に構成されている。ただし、メモリダイMD,MD2においてX方向に並ぶ4つのメモリプレーンMP0~メモリプレーンMP3が同一のプレーングループPG0,PG0´に属していたのに対し、メモリダイMD3においては、Y方向に並ぶ4つのメモリプレーンが同一のプレーングループに属している。
【0235】
即ち、メモリダイMD3は、4つのプレーングループPG0´´~プレーングループPG3´´を備えている。プレーングループPG0´´は、メモリプレーンMP0,MP4,MP8,MP12を含む。プレーングループPG1´´は、メモリプレーンMP1,MP5,MP9,MP13を含む。プレーングループPG2´´は、メモリプレーンMP2,MP6,MP10,MP14を含む。プレーングループPG3´´は、メモリプレーンMP3,MP7,MP11,MP15を含む。
【0236】
また、例えば図8等を参照して説明した様に、メモリダイMDの周辺回路領域RPC2には、Y方向に並ぶ4つのメモリプレーンMPに対応して、2組の配線CGが設けられていた。例えば、図8の例では、メモリプレーンMP2,MP6,MP10,MP14に対応して、複数の配線CG0Cからなる組、及び、複数の配線CG1Cからなる組が設けられていた。一方、図27に示す様に、メモリダイMD3の周辺回路領域RPC2には、Y方向に並ぶ4つのメモリプレーンMPに対応して、1組の配線CGが設けられている。例えば、図27の例では、メモリプレーンMP2,MP6,MP10,MP14に対応して、複数の配線CGからなる組が設けられている。
【0237】
尚、第8実施形態に係る半導体記憶装置は、第1実施形態~第6実施形態に係る動作を実行可能であっても良い。
【0238】
[第8実施形態に係る半導体記憶装置の効果]
第8実施形態に係る半導体記憶装置によれば、第1実施形態~第6実施形態に係る半導体記憶装置と同様の効果を奏することが可能である。
【0239】
また、第1実施形態~第7実施形態に係るメモリダイMD,MD2は、Y方向に並ぶ複数のプレーングループを備えていた。また、各プレーングループが、X方向に並ぶ複数のメモリプレーンを備えていた。この様な構成では、異なるプレーングループに属するメモリプレーン中のWL等に異なる電圧を供給するために、Y方向に並ぶプレーングループの数と同数の、配線CGの組を設ける必要があった。これにより、配線CGの数が増大して、回路面積の増大につながる可能性がある。また、近接して設けられた2組の配線CGの間で、クロストークが生じてしまう恐れがある。
【0240】
一方、第8実施形態に係るメモリダイMD3は、X方向に並ぶ複数のプレーングループを備えている。また、各プレーングループが、Y方向に並ぶ複数のメモリプレーンを備えている。特に、図27の例では、同じプレーングループに属する複数のメモリプレーンが、全てY方向に並んでいる。従って、配線CGの組を、各プレーングループに対応して一組ずつ設ければ良い。従って、第8実施形態に係る半導体記憶装置は、第1実施形態~第7実施形態に係る半導体記憶装置と比較して、回路面積を小さくすることが可能である。また、上述の様な配線CG間のクロストークの影響を大幅に抑制可能である。
【0241】
[第9実施形態]
次に、図28を参照して、第9実施形態について説明する。図28は、第9実施形態に係る半導体記憶装置のメモリダイMD4の模式的な平面図である。
【0242】
ここまでの説明では、図4等を参照して説明した様に、メモリダイMDが16個のメモリプレーンMP0~メモリプレーンMP15を備えていた。しかしながら、この様な構成はあくまでも例示に過ぎず、具体的な構成は適宜調整可能である。以下、この点について説明する。
【0243】
図28に示す様に、メモリダイMD4は、基本的には図8等を参照して説明したメモリダイMDと同様に構成されている。ただし、メモリダイMDが2つのプレーングループPG0,PG1を備えていたのに対し、メモリダイMD4は8つのプレーングループPG0´´~プレーングループPG7´´を備えている。プレーングループPG0´´は、メモリプレーンMP0~メモリプレーンMP3を含む。プレーングループPG1´´は、メモリプレーンMP4~メモリプレーンMP7を含む。プレーングループPG2´´は、メモリプレーンMP8~メモリプレーンMP11を含む。プレーングループPG3´´は、メモリプレーンMP12~メモリプレーンMP15を含む。プレーングループPG4´´は、メモリプレーンMP16~メモリプレーンMP19を含む。プレーングループPG5´´は、メモリプレーンMP20~メモリプレーンMP23を含む。プレーングループPG6´´は、メモリプレーンMP24~メモリプレーンMP27を含む。プレーングループPG7´´は、メモリプレーンMP28~メモリプレーンMP31を含む。
【0244】
尚、メモリダイMD4は、メモリダイMDと同様に、書込用のシーケンサを2つ備えていても良いし、3つ~8つ備えていても良い。また、プレーングループPG0´´に対応する配線CGとプレーングループPG2´´に対応する配線CGとは、同一であっても良いし、異なっていても良い。また、プレーングループPG1´´に対応する配線CGとプレーングループPG3´´に対応する配線CGとは、同一であっても良いし、異なっていても良い。また、プレーングループPG4´´に対応する配線CGとプレーングループPG6´´に対応する配線CGとは、同一であっても良いし、異なっていても良い。また、プレーングループPG5´´に対応する配線CGとプレーングループPG7´´に対応する配線CGとは、同一であっても良いし、異なっていても良い。
【0245】
また、第9実施形態に係る半導体記憶装置は、第1実施形態~第6実施形態に係る動作を実行可能であっても良い。
【0246】
[第9実施形態に係る半導体記憶装置の効果]
第9実施形態に係る半導体記憶装置によれば、第1実施形態~第6実施形態に係る半導体記憶装置と同様の効果を奏することが可能である。
【0247】
[その他の実施形態]
以上、第1実施形態~第9実施形態に係る半導体記憶装置について説明した。しかしながら、この様な構成は例示に過ぎず、具体的な構成、方法等は適宜調整可能である。
【0248】
例えば、第1実施形態~第9実施形態に係る半導体記憶装置においては、図10等を参照して説明した様に、ワード線WLがY方向に延伸し、ビット線BLがX方向に延伸していた。しかしながら、この様な構成はあくまでも例示に過ぎない。例えば、ワード線WLがX方向に延伸し、ビット線BLがY方向に延伸していても良い。
【0249】
また、第1実施形態~第9実施形態に係る半導体記憶装置においては、複数のメモリプレーンが複数のメモリグループにグループ分けされており、グループ単位でアクセスの可否が決定される様に構成されていた。しかしながら、この様な構成はあくまでも例示に過ぎない。例えば、半導体記憶装置は、プレーン単位でアクセスの可否が決定される様に構成されても良い。
【0250】
また、第1実施形態~第9実施形態に係る半導体記憶装置においては、半導体層120の下端が半導体基板100に接続されていた。また、半導体基板100の上面に、周辺回路PCに含まれる全てのトランジスタが形成されていた。しかしながら、この様な構成はあくまでも例示に過ぎない。以上において説明した様な書込シーケンス等の方法は、他の構造を有する半導体記憶装置に対しても適用可能である。以下、この様な半導体記憶装置の構造について例示する。
【0251】
例えば、図29及び図30に例示するメモリダイMD5は、図30に示す様に、半導体基板100と、半導体基板100の上方に設けられたトランジスタ層LTRと、トランジスタ層LTRの上方に設けられたメモリセルアレイ層LMCAと、を備える。
【0252】
トランジスタ層LTRは、複数のトランジスタTrを備える。これら複数のトランジスタTrは、半導体基板100の上面をチャネル領域とする電界効果型のトランジスタである。図示の構成においては、これら複数のトランジスタTrによって周辺回路PCが構成される。
【0253】
メモリセルアレイ層LMCAは、基本的には図10等を参照して説明した半導体基板100上の構成と同様に構成されている。ただし、メモリセルアレイ層LMCAは、複数の導電層110の下方に設けられた導電層112を備える。また、半導体層120の下端が、半導体基板100ではなく導電層112に接続されている。
【0254】
また、図29の例では、メモリダイMD5の周辺回路領域RPC2に、配線CG0C,CG1Cが設けられている。配線CG0Cは、プレーングループPG0に対応する領域に設けられている。配線CG1Cは、プレーングループPG1に対応する領域に設けられている。
【0255】
この様な構成においても、図27を参照して説明したメモリダイMD3と同様に、第1実施形態~第7実施形態に係る半導体記憶装置と比較して、回路面積を小さくすることが可能である。また、上述の様な配線CG間のクロストークの影響を大幅に抑制可能である。
【0256】
また、例えば、図31に例示するメモリダイMD6は、チップCMCAと、チップCTRと、を備えている。これらチップCMCA及びチップCTRは、銅(Cu)等を含む複数の貼合電極Pを備え、これら複数の貼合電極Pを介して電気的、物理的に接続されている。
【0257】
チップCMCAは、例えば図32に示す様に、図10を参照して説明した半導体基板100上の構成を含んでいても良いし、図30のメモリセルアレイ層LMCA中の構成を含んでいても良い。また、チップCMCAは、トランジスタTrを含んでいなくても良いし、含んでいても良い。チップCMCAがトランジスタTrを含まない場合、チップCMCAは、半導体基板100を含んでいても良いし、含んでいなくても良い。また、チップCMCAがトランジスタTrを含む場合、チップCMCAは、図33に示す様に、図30を参照して説明した様なトランジスタ層LTR及びメモリセルアレイ層LMCAを含んでいても良い。
【0258】
チップCTRは、半導体基板200と、複数のトランジスタTr´と、を備える。半導体基板200は、例えば、半導体基板100とほぼ同様に構成されていても良い。複数のトランジスタTr´は、半導体基板200の上面をチャネル領域とする電界効果型のトランジスタである。図32及び図33の例では、チップCMCA及びチップCTRに含まれる複数のトランジスタTr,Tr´によって周辺回路PCが構成される。
【0259】
この様な構成においても、図29を参照して説明した様な配線CGの配線パターンを比較的容易に採用し得る。この様な場合、図27を参照して説明したメモリダイMD3と同様に、第1実施形態~第7実施形態に係る半導体記憶装置と比較して、回路面積を小さくすることが可能である。また、上述の様な配線CG間のクロストークの影響を大幅に抑制可能である。
【0260】
また、以上の説明では、図19等を参照して説明した様に、2以上の書込シーケンスを並行して実行可能な半導体記憶装置を例示した。また、一方の書込シーケンスにおいて選択ワード線WLにプログラム電圧VPGMを供給するタイミングと、他方の書込シーケンスにおいて選択ワード線WLにプログラム電圧VPGMを供給するタイミングと、を一致させていた。しかしながら、この様な方法はあくまでも例示に過ぎず、具体的な方法は適宜調整可能である。例えば、上述の通り、図27を参照して説明したメモリダイMD3、及び、図29を参照して説明したメモリダイMD5においては、上述の様な配線CG間のクロストークの影響を大幅に抑制可能である。従って、この様な構成においては、一方の書込シーケンスにおいて選択ワード線WLにプログラム電圧VPGMを供給するタイミングと、他方の書込シーケンスにおいて選択ワード線WLにプログラム電圧VPGMを供給するタイミングと、を一致させなくても良い。
【0261】
また、第5実施形態に係る書込シーケンスを実行可能な半導体記憶装置のアドレス比較回路ADC(図4)は、例えば、複数のプレーングループに対応して、図34に例示する様なアドレス比較ユニットadcを複数備えていても良い。
【0262】
アドレス比較ユニットadcは、例えば、レジスタモジュールRM内の複数のラッチ回路に接続されている。図34には、この様なラッチ回路として、ラッチ回路DIL_0~DIL_7、ラッチ回路ACL_0~ACL_7、及び、ラッチ回路SPL_0~SPL_7を例示している。ラッチ回路DIL_0~DIL_7は、それぞれ、メモリプレーンMP0~MP7に書込シーケンスを実行する旨のコマンドセットが入力された場合に“H”をラッチし、それ以外の場合に“L”をラッチする。ラッチ回路ACL_0~ACL_7は、それぞれ、メモリプレーンMP0~MP7に対する書込シーケンスの実行中に“H”をラッチし、それ以外の場合に“L”をラッチする。ラッチ回路SPL_0~SPL_7は、それぞれ、メモリプレーンMP0~MP7に読出動作を実行する旨の情報が入力された場合に“H”をラッチし、それ以外の場合に“L”をラッチする。
【0263】
アドレス比較ユニットadcは、例えば、複数のOR回路51_0~51_7と、複数のAND回路52_0~52_7と、OR回路53と、を備える。複数のOR回路51_0~51_7は、それぞれ、2つの入力端子を備える。一方の入力端子は、それぞれ、ラッチ回路DIL_0~DIL_7に接続されている。他方の入力端子は、それぞれ、ラッチ回路ACL_0~ACL_7に接続されている。複数のAND回路52_0~52_7は、それぞれ、2つの入力端子を備える。一方の入力端子は、それぞれ、OR回路51_0~51_7の出力端子に接続されている。他方の入力端子は、それぞれ、ラッチ回路SPL_0~SPL_7に接続されている。OR回路53は、8つの入力端子を備える。これら8つの入力端子は、それぞれ、AND回路52_0~52_7の出力端子に接続されている。
【0264】
尚、図34には、プレーングループPG0に対応するアドレス比較ユニットadcを示した。プレーングループPG1に対応するアドレス比較ユニットは、図34に例示するアドレス比較ユニットadcと、ほぼ同様に構成されている。ただし、プレーングループPG1に対応するアドレス比較ユニットは、プレーングループPG0に対応する複数のラッチ回路のかわりに、プレーングループPG1に対応する複数のラッチ回路を備える。
【0265】
例えば、第5実施形態に係る書込シーケンスを実行する場合、書込シーケンスを実行する旨のコマンドセットの入力に伴って、ラッチ回路DIL_0~DIL_7又はこれに対応するラッチ回路のいずれかに“H”をラッチしても良い。また、書込シーケンスの実行開始に伴い、ラッチ回路ACL_0~ACL_7又はこれに対応するラッチ回路のいずれかに“L”をラッチしても良い。また、書込シーケンスの中断(サスペンド)に先立って、ラッチ回路SPL_0~SPL_7又はこれに対応するラッチ回路のいずれかに“H”をラッチしても良い。また、書込シーケンスを中断する場合には、例えば、プレーングループPG0に対応するアドレス比較ユニットadcの出力信号MTCH0が“H”である場合にはプレーングループPG0に対する書込シーケンスを中断し、“L”である場合には中断しなくても良い。同様に、プレーングループPG1に対応するアドレス比較ユニットの出力信号が“H”である場合にはプレーングループPG1に対する書込シーケンスを中断し、“L”である場合には中断しなくても良い。
【0266】
[その他]
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0267】
MC…メモリセル、MCA…メモリセルアレイ、BL…ビット線、WL…ワード線。
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