(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】作業機
(51)【国際特許分類】
E02F 9/00 20060101AFI20240708BHJP
【FI】
E02F9/00 D
E02F9/00 Q
(21)【出願番号】P 2020197206
(22)【出願日】2020-11-27
【審査請求日】2022-12-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】安田岡本弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】吉田 健一郎
(72)【発明者】
【氏名】吉田 哲也
【審査官】湯本 照基
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2009/017076(WO,A1)
【文献】特許第5704034(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体と、
前記機体内に設けられ、且つ液体を貯留するタンクと、
前記タンクに
対して着脱可能
で且つ前記タンクに取り付けられて前記タンクの開口部を閉塞する蓋体と、
配管系統と電気配線系統とのうちの少なくともいずれかに設けられた複数の機器が取り付けられた取付部材と、を備え、
前記取付部材と前記蓋体とが
分離不能な一体
物になって
おり、
前記複数の機器は、前記取付部材における前記タンクの上壁及び前記蓋体から上方に離間した位置に固定されている作業機。
【請求項2】
前記蓋体は、当該蓋体の周端部分に沿って所定の間隔で形成された4つ以上の貫通孔を有していて、当該各貫通孔にそれぞれ挿通された締結部材により前記タンクに固定されている請求項1に記載の作業機。
【請求項3】
前記機体に支持された作業装置を備え、
前記タンクは、前記作業装置を作動させるための作動油を貯留する作動油タンク、又は燃料を貯留する燃料タンクである請求項1又は2に記載の作業機。
【請求項4】
前記複数の機器には、
複数の前記配管系統
及び前記電気配線系統
のそれぞれに設けられた機器が含まれている請求項1~3のいずれか1項に記載の作業機。
【請求項5】
電流を流す電路と、
流体を流通させる流路と、を備え、
前記複数の機器には、前記電路に設けられた第1機器と、
前記第1機器とは異なる機器であって前記流路に設けられた第2機器と、が含まれ、
前記第1機器と前記第2機器とは、前記取付部材に取り付けられている請求項1~4のいずれか1項に記載の作業機。
【請求項6】
前記機体に搭載されたエンジンから成る原動機と、
燃料を貯留する燃料タンクと、を備え、
前記流路には、
前記燃料タンクから前記原動機に燃料を供給する燃料流路が含まれ、
前記第2機器には、前記燃料流路に設けられた燃料機器が含まれ、
前記第1機器には、前記電路を通った電流が流れる電気機器が含まれ、
前記燃料機器と前記電気機器とが前記取付部材に取り付けられている請求項5に記載の作業機。
【請求項7】
前記燃料機器に含まれる燃料ポンプ及び燃料フィルタのうち少なくとも一方が、前記取付部材に取り付けられている請求項6に記載の作業機。
【請求項8】
前記電気機器には、前記電路を流れる電流を遮断するアイソレータと、及び前記電路に過電流が流れるのを防止するヒューズを内蔵したヒューズボックスと、が含まれ、そのうち少なくとも一方が前記取付部材に取り付けられている請求項6又は7に記載の作業機。
【請求項9】
前記流路には、冷却液が流れ
る冷却液流路が含まれ、
前記冷却液流路に設けられた冷却機器には、前記冷却液を貯留するリザーブタンクが含まれ、
前記取付部材は、前記リザーブタンクを少なくとも一方向に拘束している請求項5~8のいずれか1項に記載の作業機。
【請求項10】
前記複数の機器には、電流が流れる電路に設けられた電気機器、燃料が流れる燃料流路に設けられた燃料機器、作動油が流れる作動油流路に設けられた油圧機器、及び冷却液が流れる冷却液流路に設けられた冷却機器のうち
の2種類以上の機器が含まれ
、
前記取付部材は、前記2種類以上の機器をそれぞれ支持して少なくとも一方向に拘束する複数の支持部を有している請求項1~9のいずれか1項に記載の作業機。
【請求項11】
前記取付部材は、前記複数の機器を
それぞれ支持して少なくとも一方向に拘束する複数の支持部を有し、
前記
複数の支持部には、
流体を流通させる流路に設けられた前記機器と接続されたホース用のホース支持部が含まれている請求項1~10のいずれか1項に記載の作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばバックホー等の作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示された作業機が知られている。特許文献1に開示された作業機では、燃料を流す配管と接続された燃料プリフィルタ、燃料ポンプ、及び燃料メインフィルタといった複数の燃料機器が取付部材(ブラケット)に取り付けられている。取付部材は、作動油タンクの側面にボルトで固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のような技術では、取付部材をタンクに取り付けるためのボス等を、予めタンクの側面に溶接等により固定しておく必要がある。このため、作業機の製造作業の工数が増えるという問題、作動油タンクに歪みが生じないように溶接工程を管理しなければならないという問題、及び部品点数が増えるという問題がある。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、複数の機器をタンクに容易且つ適切に取り付けることができる作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る作業機は、機体と、前記機体内に設けられ、且つ液体を貯留するタンクと、前記タンクに対して着脱可能で且つ前記タンクに取り付けられて前記タンクの開口部を閉塞する蓋体と、配管系統と電気配線系統とのうちの少なくともいずれかに設けられた複数の機器が取り付けられた取付部材と、を備え、前記取付部材と前記蓋体とが分離不能な一体物になっており、前記複数の機器は、前記取付部材における前記タンクの上壁及び前記蓋体から上方に離間した位置に固定されている。
【発明の効果】
【0006】
上記の構成によれば、蓋体をタンクに取り付けることで、蓋体と一体になった取付部材に取り付けられた複数の機器を、タンクに取り付けることができる。このため、取付部材をタンクに取り付けるためのボス等を予めタンクに固定しておく必要がなく、複数の機器を容易且つ適切にタンクに取り付けることができる作業機を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図3】操縦台の内部構造の上部を後方から見た斜視図である。
【
図5】操縦台の内部構造の上部を前方から見た斜視図である。
【
図6】支持フレームの上部を後方から見た斜視図である。
【
図7B】ロック機構のアンロック状態の断面図である。
【
図8A】変形例のロック機構のロック状態の断面図である。
【
図8B】変形例のロック機構のアンロック状態の断面図である。
【
図9】機体の内部構造と電路と流路の模式図である。
【
図10】作動油タンクの近傍を前方から見た斜視図である。
【
図13A】取付部材の近傍を前方から見た図である。
【
図13B】他の例の取付部材の近傍を前方から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。
まず、本実施形態に係る作業機1の全体構成を説明する。
図17は、作業機1の全体構成を示す概略側面図である。
図18は、作業機1の概略正面図である。
図19は、作業機1の上部の概略側面図である。
図20は、作業機1の上部の概略平面図である。本実施形態では、作業機1として旋回作業機であるバックホーが例示されている。
【0009】
図17に示すように、作業機1は、機体(旋回台)2と、走行装置3と、作業装置4などを備えている。機体2上には、運転者(オペレータ)D(
図19、
図20参照)が着座する運転席6が搭載されている。
本実施形態においては、作業機1の運転席6に着座した運転者Dの前側(
図17、
図19の矢印A1方向)を前方、運転者Dの後側(
図17、
図19の矢印A2方向)を後方、運転者Dの左側(
図18、
図20の矢印B1方向)を左方、運転者Dの右側(
図18、
図20の矢印B2方向)を右方として説明する。
【0010】
また、前後方向K1に直交する方向である水平方向を機体幅方向(機体2の左右の幅方向)K2(
図18、
図20参照)として説明する。さらに、機体2の中心から右部、或いは、左部へ向かう方向を機体外方として説明する。言い換えれば、機体外方とは、機体幅方向K2であって、機体2の中心から左又は右の側方へ離れる方向のことである。機体外方とは反対の方向を機体内方として説明する。言い換えれば、機体内方とは、機体幅方向K2であって、機体2の左又は右から中心に近づく方向である。
【0011】
図17及び
図18に示すように、走行装置3は、機体2を走行可能に支持する装置である。この走行装置3は、走行フレーム3Aと、走行フレーム3Aの左側に設けられた第1走行装置3Lと、走行フレーム3Aの右側に設けられた第2走行装置3R(
図18)とを有する。第1走行装置3L及び第2走行装置3Rは、クローラ式の走行装置である。第1走行装置3Lは、第1走行モータ(走行モータ)M1によって駆動される。第2走行装置3Rは、第2走行モータ(走行モータ)M2によって駆動される。第1走行モータM1及び第2走行モータM2は、油圧モータ(油圧アクチュエータ)によって構成されている。
【0012】
図17に示すように、走行装置3の前部には、ドーザ装置7が装着されている。ドーザ装置7は、ドーザシリンダC1(油圧アクチュエータ)を伸縮することにより昇降(ブレードを上げ下げ)させることができる。
機体2は、走行フレーム3A上に旋回ベアリング8を介して縦軸(上下の方向に延伸する軸心)回りに旋回可能に支持されている。機体2は、油圧モータ(油圧アクチュエータ)である旋回モータM3によって旋回方向に駆動される。機体2は、縦軸回りに旋回する基板(以下、旋回基板という)9と、ウエイト10とを有している。旋回基板9は、鋼板等から形成されており、旋回ベアリング8に連結されている。ウエイト10は、機体2の後部に設けられている。
【0013】
機体2の後部には、原動機Egが搭載されている。原動機Egは、ディーゼルエンジンである。なお、原動機Egは、ガソリンエンジン、LPGエンジン又は電動モータなどであってもよいし、エンジン及び電動モータを有するハイブリッド型の原動機などであってもよい。
原動機Egは、ボンネット5によって覆われている。このボンネット5上に運転席6が設けられている。
【0014】
図20に示すように、運転席6の機体幅方向K2の中心とボンネット5の機体幅方向K2の中心とは略一致している。また、ボンネット5の機体幅方向K2の両側(左側及び右側)は、運転席6から機体外方にはみ出している。
機体2の前部には、支持ブラケット13が設けられている。支持ブラケット13は、機体幅方向K2の中央のやや右寄りに設置されている。
【0015】
図17に示すように、支持ブラケット13には、スイングブラケット14が、縦軸回りに揺動可能に取り付けられている。スイングブラケット14には、作業装置4が取り付けられている。即ち、作業装置4は機体2の前部に支持されている。
なお、
図18にも作業装置4を示しているが、便宜上、
図18と
図17とでは作業装置4の各部の高さ方向の位置を異ならせている。
【0016】
図17に示すように、作業装置4は、ブーム15と、アーム16と、バケット(作業具)17とを有している。ブーム15の基部は、スイングブラケット14に横軸(機体幅方向K2に延伸する軸心)回りに回動可能に枢着されている。これによって、ブーム15が上下に揺動可能とされている。アーム16は、ブーム15の先端側に横軸回りに回動可能に枢着されている。これによって、アーム16が前後或いは上下に揺動可能とされている。
【0017】
バケット17は、アーム16の先端側にスクイ動作及びダンプ動作可能に設けられている。作業機1は、バケット17に代えて或いは加えて、油圧アクチュエータにより駆動可能な他の作業具(油圧アタッチメント)を装着することが可能である。他の作業具としては、油圧ブレーカ、油圧圧砕機、アングルブルーム、アースオーガ、パレットフォーク、スイーパー、モア、スノウブロア等が例示できる。
【0018】
スイングブラケット14は、機体2内に備えられたスイングシリンダC2の伸縮によって揺動可能とされている。ブーム15は、ブームシリンダC3の伸縮によって揺動可能とされている。アーム16は、アームシリンダC4の伸縮によって揺動可能とされている。バケット17は、バケットシリンダ(作業具シリンダ)C5の伸縮によってスクイ動作及びダンプ動作可能とされている。
【0019】
ドーザシリンダC1、スイングシリンダC2、ブームシリンダC3、アームシリンダC4、バケットシリンダC5は、油圧シリンダ(油圧アクチュエータ)によって構成されている。また、ブームシリンダC3、アームシリンダC4、バケットシリンダC5は、作業装置4を駆動する作業用の油圧アクチュエータである。
作業機1は、当該作業機1を操縦する操縦装置21を備えている。操縦装置21は操縦台23を有している。操縦台23は、機体2上における、作業装置4の後方で且つ、運転席6及びボンネット5の前方に設けられている。
【0020】
操縦台23と、運転席6及びボンネット5との間には、通路22が設けられている。通路22は、操縦台23とボンネット5との間の床部24上に所定の間隔で形成されている。また、通路22は、機体2の左右に開放されていて、機体幅方向K2に通り抜け(ウォークスルー)可能である。このため、運転者Dは、作業機1の左右いずれかの側方から、通路22を経由して、作業機1に対して乗車及び降車が可能であり、運転席6に対して着席及び離席が可能である。
【0021】
操縦台23はカバー26を有している。カバー26は、作業装置4側(前方A1側)に設けられ第1カバー26Fと、運転席6側(後方A2側)に設けられた第2カバー26Bとを有している。
図1は、操縦台23の上部を後方(
図17~
図20で運転席6側)から見た斜視図である。
図2は、操縦台23の内部構造の背面図(
図17~
図20で運転席6側から見た図)である。
図1では、第1カバー26Fと第2カバー26Bを両方とも示しているが、
図2では、第2カバー26Bを取り外した状態を示している。
【0022】
図1及び
図17などに示すように、第1カバー26Fと第2カバー26Bは、前後方向K1に組み合わされて、操縦台23の筐体を構成している。カバー26は、
図2などに示すような操縦台23の内部構造を覆っている。
図2に示すように、操縦台23の内部構造には、操縦台23の骨格となる支持フレーム25が含まれている。第1カバー26Fと第2カバー26Bとは、ボルトやナットなどの締結部材(図示省略)により、支持フレーム25に固定されている。
【0023】
図1に示すように、操縦台23の第2カバー26Bの後面26aには、複数の窓26c、26dが設けられている。各窓26c、26dは所定の大きさの貫通孔である。各窓26c、26dには、ヒンジ構造で開閉可能になっている蓋26g、26hが設けられている。
図1では、蓋26gを開けて、窓26cを開放した状態と、蓋26hを閉めて、窓26dを閉塞した状態を示している。
図1に示すように、窓26cを開放することにより、後述するロック機構114の一部又は全部を露出させることができる。
【0024】
また、第2カバー26Bの後面26aには、各種警告ランプなどの電装品18sが設けられている。
図17及び
図18に示すように、操縦台23には、保護部材(ロプス)19が取り付けられている。保護部材19は、運転席6に着座した運転者Dを保護するものである。保護部材19は、取付部位19A、縦部位19L、19R、横部位19B、19C、及び連結部位19D、19Eを有している。
図19及び
図20では、便宜上、保護部材19の図示を省略している。
【0025】
図18に示すように、取付部位19Aは、第1カバー26Fの前方A1と左右側方にわたって配置されている。取付部位19Aの左側部19gと第1カバー26Fの左側壁26Lとの間には、支持板20Lが介在している。取付部位19Aの右側部19hと第1カバー26Fの右側壁26Rとの間には、支持板20Rが介在している。各支持板20L、20Rは機体2上に立設されている。
【0026】
取付部位19Aの左側部19gは、締結部材200により支持板20Lと支持フレーム25の第1縦材27(
図2)とに固定されている。取付部位19Aの右側部19hは、締結部材200により支持板20Rと支持フレーム25の第2縦材28(
図2参照)とに固定されている。各締結部材200は、第1カバー26Fの両側壁26L、26Rを貫通している。第1カバー26Fの両側壁26L、26Rは、取付部位19Aの両側部19g、19hや支持板20L、20Rに対して固定されていてもよいし、固定されていなくてもよい。
【0027】
図17及び
図18に示すように、取付部位19Aの両側部19g、19hから上方に向かって、縦部位19L、19Rがそれぞれ延びている。各縦部位19L、19Rの上端から後方A2に向かって、横部位19B、19Cがそれぞれ延びている。横部位19B、19Cの後端同士は、機体幅方向K2に延伸する連結部位19Dにより連結されている。縦部位19L、19R同士は、機体幅方向K2に延伸する連結部位19Eにより連結されている。
【0028】
取付部位19Aは第1カバー26Fの前方A1に配置されているが、第2カバー26Bの後方A2には配置されていない。このため、
図17及び
図18に示すように保護部材19を取り付けた状態で、第2カバー26Bは取り外しが可能であるが、第1カバー26Aは取り外しが不可能である。
次に、操縦装置21の構成と構造について説明する。
【0029】
図3は、操縦台23の内部構造の上部を後方(運転席6側)から見た斜視図である。
図4は、操縦台23の内部構造の上部の正面図である。
図5は、操縦台23の内部構造の上部を機体2の前方(作業装置4側)から見た斜視図である。
図6は、支持フレーム25の上部を後方から見た斜視図である。
図2~
図6に示すように、操縦台23の支持フレーム25は、左部を構成する第1縦材27と、右部を構成する第2縦材28と、これら両縦材27、28を連結する連結体29とを有している。第1縦材27及び第2縦材28とは板状に形成されている。第1縦材27と第2縦材28とは、その各板面を機体幅方向K2に向けて、機体2上に立設されている。また、第1縦材27と第2縦材28とは、機体幅方向K2に所定の間隔をあけて対向している。
【0030】
連結体29は、第1縦材27と第2縦材28との上部間に設けられている。連結体29は、第1連結材30と第2連結材31と第3連結材32とを有している。
第1連結材30は、第1縦材27の上部に連結されている。第2連結材31は、第2縦材28の上部に連結されている。第1連結材30と第2連結材31とは、機体幅方向K2に間隔をあけて設けられている。第3連結材32は、第1連結材30と第2連結材31とを連結している。
【0031】
図6などに示すように、第1連結材30は、第1縦材27に対して第2縦材28側に配置されて、第1縦材27に連結されている。第1連結材30は、第1壁30aと第2壁30bとを有している。第1壁30aは、第1縦材27に沿って固定されている。第1壁30aの下方には、第1軸受筒69Lが配置されている。第1軸受筒69Lは、第1縦材27に貫通状に設けられていて、機体幅方向K2に延伸する軸心を有している。
【0032】
第2壁30bは、第1壁30aの前端部から機体内方に延伸している。第2壁30bには、第1支持筒68Lが貫通状に設けられている。第1支持筒68Lは、前後方向K1に延伸する軸心を有している。
第2連結材31は、第2縦材28に対して第1縦材27側に配置されて、第2縦材28に連結されている。第2連結材31は、第1壁31aと第2壁31bとを有している。第1壁31aは、第2縦材28に沿って固定されている。
図4及び
図5に示すように、第1壁31aの下方には、第2軸受筒69Rが配置されている。第2軸受筒69Rは、第2縦材28に貫通状に設けられていて、機体幅方向K2に延伸する軸心を有している。
【0033】
第2壁31bは、第1壁31aの前端部から機体内方に延伸している。第2壁31bには、第2支持筒68Rが貫通状に設けられている。第2支持筒68Rは、前後方向K1に延伸する軸心を有している。
図6に示すように、第3連結材32は、第1連結材30及び第2連結材31より後方(運転席6側)に、第1壁部32aと第2壁部32bと下基部32cとを有している。第1壁部32aは、第1連結材30の第2壁30bにおける右端部後面から後方に向かって突出状に固定されている。第2壁部32bは、第2連結材31の第2壁31bにおける左端部後面から後方に向かって突出状に固定されている。第1壁部32aと第2壁部32bは、第1連結材30及び第2連結材31より下方に突出している。下基部32cは、その第1壁部32aの下端部と第2壁部32bの下端部とを連結している。下基部32cは板状になっていて、その各板面が上又は下を向いている。
【0034】
また、
図4に示すように、第3連結材32は、第1連結材30及び第2連結材31より前方(作業装置4側)に、第3壁部32dと第4壁部32eと前基部32fとを有している。第3壁部32dは、第1連結材30の第2壁30bの前面から前方に向かって突出状に固定されている。第4壁部32eは、第2連結材31の第2壁31bの前面から前方に向かって突出状に固定されている。前基部32fは、第3壁部32dの前端部と第4壁部32eの前端部とを連結している。前基部32fは板状になっていて、その各板面が前又は後を向いている。なお、
図5では、便宜上、第3壁部32dと第4壁部32eと前基部32fの図示を省略している。
【0035】
第3連結材32の第1壁部32aと第2壁部32bと下基部32cとに対して、第3壁部32dと第4壁部32eと前基部32fとは別体になっている。然るに、第3連結材32及び支持フレーム25の剛性を向上させるため、第3連結材32の各壁部32a、32b、32d、32e、32fと各基部32c、32fとを一体にしてもよい。
支持フレーム25の上部には、操作支軸34が設けられている。操作支軸34は、機体幅方向K2に延伸する軸心を有している。操作支軸34は、その軸心回りに回転可能に支持フレーム25に支持されている。また、操作支軸34は、第3連結材32の下基部32cより上方に位置している。
【0036】
操作支軸34の両端部には、基部プレート53L、53Rがそれぞれ連結されている。
図17に示すように、左側にある基部プレート53Lは、保護部材19の取付部位19Aに連結された縦部位19Lの根元部19tより、第2カバー26B側に配置されている。同様に、右側にある基部プレート53Rは、縦部位19Rの根元部19tより、第2カバー26B側に配置されている(図示省略)。このため、操作支軸34も、縦部位19L、19Rの根元部19tより、第2カバー26B側に配置されている。
【0037】
図4に示すように、操作支軸34は、第1軸34Aと第2軸34Bとを有している。第1軸34Aは、第1軸受筒69Lを挿通し、且つ第1、2連結材30、31の第1壁30a、31aと第3連結材32の第1壁部32aと第2壁部32bとを貫通している。第1軸34Aは、第1軸受筒69Lの軸心回りに回転可能に、第1軸受筒69Lと第3連結材32の第1壁部32aと第2壁部32bとに支持されている。
【0038】
第2軸34Bは、第1軸34Aの右方に同芯状に配置されている。第2軸34Bは、第2軸受筒69Rを挿通している。第2軸34Bは、第2軸受筒69Rの軸心回りに回転可能に、第2軸受筒69Rに支持されている。
第1軸34Aと第2軸34Bとは、機体幅方向K2に間隔をあけて配置されている。
図6などに示すように、第1軸34Aと第2軸34Bとの間には、接続部材11が設けられている。第1軸34Aと第2軸34Bとは、接続部材11によって一体回転可能に接続されている。
【0039】
上記のように、第1軸34Aと第2軸34Bとから成る操作支軸34は、第1縦材27、第2縦材28、第1連結材30、第2連結材31、及び第3連結材32の第1壁部32aにより支持されている。
なお、操作支軸34は1本のシャフトによって構成されていてもよい。
接続部材11は、第1軸34Aに接続された第1側壁11Aと、第2軸34Bに接続された第2側壁11Bと、これら第1側壁11Aと第2側壁11Bとを連結する連結壁11Cと、第2側壁11Bから上方側に延出する延出部11Dとを有している。第1側壁11Aと第2側壁11Bとは、機体幅方向K2に所定の間隔をあけて配置されている。連結壁11Cは、第1側壁11Aと第2側壁11Bの後端部同士を連結している。
【0040】
第1側壁11Aには、接続筒64が設けられている。第1軸34Aの右端部は、接続筒64に挿入されて、当該接続筒64に固定されている。これにより、第1軸34Aと第1側壁11Aとが一体回転可能になっている。
第2側壁11Bには、第2軸34Bが溶接等によって固定されている。延出部11Dには、当板11Eと第1バネ掛け部70とが設けられている。第1バネ掛け部70はピンから成り、延出部11Dから第1軸34A側へ突出している。
【0041】
図4及び
図5に示すように、第2連結材31の第2壁31bの下方には、第2バネ掛け部72が設けられている。第2バネ掛け部72は屈曲ピンから成り、保持プレート100に固定されている。保持プレート100は、第2縦材28の機体内方側の板面に固定されていて、第2縦材28より前方に突出している。第2バネ掛け部72は、保持プレート100から第1軸34A側へ突出して、前方へ向かって屈曲している。
【0042】
図6などに示すように、第1軸34A上の左部(第1連結材30の第1壁30aと第3連結材32の第1壁部32aとの間)には、筒体39Lが嵌められている。筒体39Lは、ピン等によって第1軸34Aに固定されていて、第1軸34Aと一体回転可能である。第1軸34A上の右部(第3連結材32の第2壁部32bと接続部材11との間)には、筒状のスペーサ39Rが嵌められている。スペーサ39Rは、ピン等によって第1軸34Aに固定されている。
【0043】
図2に示すように、操縦台23には、コントロールバルブ35が設けられている。このコントロールバルブ35は、作業機1に備わる油圧アクチュエータを制御する複数の制御弁V1~V10の集合体であり、第1縦材27と第2縦材28との下部間に設けられている。
各制御弁V1~V10は、直動スプール形の方向切替弁である。各制御弁V1~V10のスプールは、バルブボディ内に収容された付勢バネの付勢力によって中立位置に保持され、付勢バネの付勢力に抗して中立位置から上下に操作される。複数の制御弁は、第1制御弁V1~第10制御弁V10である。第1制御弁V1~第10制御弁V10は、手動でスプールが切り替えられる機械操作式の方向切替弁である。
【0044】
第1制御弁V1は、第1走行モータM1及び第2走行モータM2(
図2)の斜板の傾転角を変更する斜板角シリンダ(図示省略)を制御する変速用制御弁である。第2制御弁V2は、旋回モータM3(
図1)を制御する旋回用制御弁である。第3制御弁V3は、アームシリンダC4(
図1)を制御するアーム用制御弁である。第4制御弁V4は、第1走行モータM1(
図1)を制御する第1走行用制御弁(走行用制御弁)である。第5制御弁V5は、ドーザシリンダC1(
図1)を制御するドーザ用制御弁である。第6制御弁V6は、油圧アタッチメントを制御する予備用制御弁である。第7制御弁V7は、第2走行モータM2(
図2)を制御する第2走行用制御弁(走行用制御弁)である。第8制御弁V8は、スイングシリンダC2(
図1)を制御するスイング用制御弁である。第9制御弁V9は、バケットシリンダC5(
図1)を制御するバケット用制御弁である。第10制御弁V10は、ブームシリンダC3(
図1)を制御するブーム用制御弁である。また、第3制御弁V3、第9制御弁V9及び第10制御弁V10は、作業装置4(
図1)を駆動する油圧アクチュエータを制御する作業用制御弁である。
【0045】
操縦台23には操作軸33が設けられている。操作軸33は、連結体29及び操作支軸34の下方で且つコントロールバルブ35の上方に設けられている。操作軸33は、機体幅方向K2に延伸する軸心を有し、第1縦材27と第2縦材28とにわたって設けられている。また、操作軸33は、第1縦材27及び第2縦材28に、軸心回りに回転可能に支持されている。操作軸33の右部は、第2縦材28から機体外方に突出している。
【0046】
図2及び
図3に示すように、操作軸33上には、第1回動筒38A~第5回動筒38Eが嵌められている。第3回動筒38Cは、操作軸33と一体回転し、その他の回動筒38A、38B、38D、38Eは、操作軸33に対して相対回転する。
図3に示すように、第1回動筒38Aの後部には、第1中継片91Aが後方に突出状に設けられている。第2回動筒38Bの後部には、第2中継片91Bが後方に突出状に設けられている。第4回動筒38Dの後部には、第3中継片91Cが後方に突出状に設けられている。第5回動筒38Eの後部には、第4中継片91Dが後方に突出状に設けられている。
【0047】
図5に示すように、第1回動筒38Aの前部には、第1アーム39Aが前方に突出状に設けられている。第2回動筒38Bの前部には、第2アーム39Bが前方に突出状に設けられている。第4回動筒38Dの前部には、第3アーム39Cが前方に突出状に設けられている。第5回動筒38Eの前部には、第4アーム39Dが前方に突出状に設けられている。
【0048】
第1回動筒38Aは、アーム39A及びリンク40Aを介して第2制御弁V2のスプールS2に連動連結されている。第2回動筒38Bは、アーム39B及びリンク40Bを介して第3制御弁V3のスプールS3に連動連結されている。第3回動筒38Cは、アーム39C及びリンク40Cを介して第5制御弁V5のスプールS5に連動連結されている。第4回動筒38Dは、アーム39D及びリンク40Dを介して第9制御弁V9のスプールS9に連動連結されている。第5回動筒38Eは、アーム39E及びリンク40Eを介して第10制御弁V109のスプールS10に連動連結されている。
【0049】
操縦台23には、作業機1に備わる作業装置4と走行装置3とその他装置をそれぞれ操作する複数のレバーやペダルなどが設けられている。
操縦台23の右方B2には、ドーザ装置7(
図1)を操作するドーザレバー66が設けられている。ドーザレバー66の基部は、操作軸33の右部に固定されている。ドーザレバー66を前後に揺動操作することにより、操作軸33及び第3回動筒38Cが回転し、アーム39C及びリンク40Cを介して第5制御弁V5のスプールS5が押し引きされる。これによって、ドーザシリンダC1が制御されてドーザ装置7が駆動する。
【0050】
操縦台23の左方B1には、原動機Egの回転数を操作するアクセルレバー67が設けられている。
図2に示すように、第1縦材27の下部には、第1ペダル支持部74と第2ペダル支持部75とが設けられている。第1ペダル支持部74は、第1制御弁V1を操作するための変速ペダル(図示省略)を支持する。第2ペダル支持部75は、第6制御弁V6を操作するためSPペダル(図示省略)を支持する。第2縦材28の下部には第3ペダル支持部76が設けられている。第3ペダル支持部76は、第8制御弁V8を操作するためのスイングペダル(図示省略)を支持する。
【0051】
操縦台23の上方には、操作部材41と操縦部材71とが設けられている。
操作部材41は、走行装置3(走行用制御弁)を操作する走行レバーを構成している。操作部材41は、操縦台23の上部で且つ機体幅方向K2の中央部に配置されている。操作部材41は、左の第1走行レバー41Lと、右の第2走行レバー41Rとを含んでいる。第1走行レバー41Lと第2走行レバー41Rとは、機体幅方向K2で並べて配置されている。第1走行レバー41Lで第1走行装置3Lが操作され、第2走行レバー41Rで第2走行装置3Rが操作される。また、第1走行レバー41Lは、後述の第1操縦レバー71Lの機体内方に位置する。第2走行レバー41Rは、後述の第2操縦レバー71Rの機体内方に位置する。
【0052】
第1走行レバー41Lは、先端部(上部)にグリップ42Lを有するレバー本体43Lと、レバー本体43Lの下部に設けられた筒状の第1基部44Lとを有している。
図5及び
図6などに示すように、第1基部44Lは、第1連結材30と第2連結材31との間に配置されている。操作支軸34の第1軸34Aは、第1基部44Lに挿通されている。即ち、第1基部44Lは、第1軸34Aの周囲に配置されている。そして、第1基部44Lは、第1軸34Aの軸心回りに第1軸34Aに対して相対回転可能に支持されている。これにより、第1走行レバー41Lは、操作支軸34の軸心回りに回転可能に当該操作支軸34に支持されていて、前後方向K1に揺動操作可能になっている。
【0053】
第1基部44Lには、板材から成る第1アーム部45Xが前方に突出状に設けられている。第1アーム部45Xは第1走行レバー41Lと一体回転する。第1アーム部45Xには、連結ロッド48Lの一端部(上部)が球継ぎ手49Lを介して連結されている。連結ロッド48Lの他端部(下部)は、第4制御弁V4のスプールS4に連結されている。第1走行レバー41Lを前後に揺動操作すると、第1アーム部45Xが上下に揺動して、連結ロッド48Lを介して第4制御弁V4のスプールS4が押し引きされる。これによって、第1走行モータM1が制御されて第1走行装置3Lが駆動する。
【0054】
図2に示すように、第2走行レバー41Rは、先端部(上部)にグリップ42Rを有するレバー本体43Rと、レバー本体43Rの基部(下部)に設けられた筒状の第2基部44Rとを有している。
図5及び
図6などに示すように、第2基部44Rは、第1連結材30と第2連結材31との間に配置されている。操作支軸34の第1軸34Aは、第2基部44Rに挿通されている。即ち、第2基部44Rは、第1軸34Aの周囲に配置されている。そして、第2基部44Rは、第1軸34Aの軸心回りに第1軸34Aに対して相対回転可能に支持されている。これにより、第2走行レバー41Rが、操作支軸34の軸心回りに回転可能に当該操作支軸34に支持されて、前後に揺動操作可能になっている。
【0055】
第2基部44Rには、板材からなる第1アーム部45Xが前方に突出状に設けられている。第2アーム部45Yは、第1アーム部45Xと操作支軸34の軸心方向に平行な方向で並べて配置されている。また、第2アーム部45Yは第2走行レバー41Rと一体回転する。第2アーム部45Yには、連結ロッド48Rの一端側(上部)が球継ぎ手49Rを介して連結されている。連結ロッド48Rの他端側(下部)は、第7制御弁V7のスプールS7に連結されている。第2走行レバー41Rを前後に揺動操作すると、第2アーム部45Yが上下に揺動して、連結ロッド48Rを介して第7制御弁V7のスプールS7が押し引きされる。これによって、第2走行モータM2が制御されて第2走行装置3Rが駆動する。
【0056】
図2に示す操縦部材71は、作業装置4及び機体2を操作するレバーである。操縦部材71は、機体幅方向K2の一側部に設けられた(左の)第1操縦レバー71Lと、機体幅方向K2の他側部に設けられた(右の)第2操縦レバー71Rとを含んでいる。第1操縦レバー71L及び第2操縦レバー71Rは、操縦台23の上部で且つ操作部材41の機体外方に配置されている。また、第1操縦レバー71Lは、第1走行レバー41Lの機体外方側(左側)に配置されている。第2操縦レバー71Rは、第2走行レバー41Rの機体外方側(右側)に配置されている。第1操縦レバー71Lで、例えば、アーム16及び機体2が操作される。第2操縦レバー71Rで、例えば、ブーム15及びバケット17が操作される。
【0057】
第1操縦レバー71Lは、先端部(上部)にグリップ78Lを有している。第1操縦レバー71Lの基部(下部)は、第1支持体77Lを介して支持フレーム25に任意の揺動方向に揺動可能に支持されている。第2操縦レバー71Rは、先端部(上部)にグリップ78Rを有している。第2操縦レバー71Rの基部(下部)は、第2支持体77Rを介して支持フレーム25に任意の揺動方向に揺動可能に支持されている。第1操縦レバー71L及び第2操縦レバー71Rの揺動方向は、前後方向K1及び機体幅方向K2並びに前後方向K1と機体幅方向K2との間の斜め方向である。操縦部材71を揺動させるための構造は、公知技術と同様であるので説明を省略する。
【0058】
図2、
図3、及び
図5において、第1操縦レバー71Lを機体幅方向K2に揺動操作することで、第1連動部材89A、第1中継片91A、第1回動筒38A、第1アーム39A、及びリンク40Aなどを介して、第2制御弁V2のスプールS2が押し引きされる。これによって、旋回モータM3が制御されて機体2が駆動(旋回)する。また、第1操縦レバー71Lを前後方向K1に揺動操作することで、第2連動部材89B、第2中継片91B、第2回動筒38B、第2アーム39B、及びリンク40Bなどを介して、第3制御弁V3のスプールS3が押し引きされる。これによって、アームシリンダC4が制御されてアーム16が駆動(揺動)する。
【0059】
第2操縦レバー71Rを機体幅方向K2に揺動操作することで、第3連動部材89C、第3中継片91C、第4回動筒38D、第4アーム39D、及びリンク40Dなどを介して、第9制御弁V9のスプールS9が押し引きされる。これによって、バケットシリンダC5が制御されてバケット17が駆動(揺動)する。また、第2操縦レバー71Rを前後方向K1に揺動操作することで、第4連動部材89D、第4中継片91D、第5回動筒38E、第5アーム39E、及びリンク40Eなどを介して、第10制御弁V10のスプールS10が押し引きされる。これによって、ブームシリンダC3が制御されてブーム15が駆動(揺動)する。
【0060】
図2、
図3、及び
図6などに示すように、操作部材41と操縦部材71の間には、電装品140L、140Rが設けられている。
図5では、電装品140L、140Rの図示を省略している。
電装品140L、140Rは、操縦台23の内部にあるため、カバー26により覆われている。電装品140L、140Rは、操作部材41の操作に応じて作動する。具体的には、左側にある第1電装品140Lは、第1走行レバー41Lの操作位置(揺動位置)を検出するセンサである。右側にある第2電装品140Rは、第2走行レバー41Rの操作位置(揺動位置)を検出するセンサである。
【0061】
電装品140L、140Rは、操作支軸34より上方で且つ操作部材41の基部44L、44Rの近傍に配置されている。電装品140L、140Rに電力を供給する電気配線(図示省略)と、電装品140L、140Rが出力する電気信号を作業機1に備わる電子制御装置(図示省略)に送信する電気配線(図示省略)も、操作支軸34より上方で且つ、操作部材41の基部44L、44Rの近傍に配置されている。
【0062】
図1及び
図2などに示すように、操縦台23の左右側方には、ロックレバー50が設けられている。このロックレバー50は、操作部材41及び操縦部材71のロック(動かないように機械的に拘束すること)する操作とアンロック(動くように機械的な拘束を解除すること)操作とを行う部材である。
ロックレバー50は、操縦台23の左側に位置する第1レバー50Lと、操縦台23の右側に位置する第2レバー50Rとを含んでいる。第1レバー50Lは、第1操縦レバー71Lの機体外方に配置されている。第2レバー50Rは、第2操縦レバー71Rの機体外方に配置されている。
【0063】
図2に示すように、第1レバー50Lは、先端部(上部)にグリップ51Lを有するレバー本体52Lと、レバー本体52Lの基部(下部)に固定された第1基部プレート53Lとを有する。第2レバー50Rは、先端部(上部)にグリップ51Rを有するレバー本体52Rと、レバー本体52Rの基部(下部)に固定された第2基部プレート53Rとを有する。
【0064】
図6に示すように、第1基部プレート53Lの一端部には、第1レバー50Lのレバー本体52Lが固定されていて、他端部には、操作支軸34の第1軸34Aの左端部が固定されている。第2基部プレート53Rの一端部には、第2レバー50Rのレバー本体52Rが固定されていて、他端部には、操作支軸34の第2軸34Bの右端部が固定されている。これにより、第1レバー50L及び第2レバー50R(ロックレバー50)は、操作支軸34と一体回転可能になり、
図19に示すように上下に揺動操作可能になっている。
【0065】
ロックレバー50は、上下に揺動操作されることにより、
図19及び
図20に示す第1位置X1と第2位置X2とに位置変更可能である。
第1位置X1は、ロックレバー50を上げた位置(ロックレバー50が基部から先端部に向けて上方側に向かう状態)であって、運転者Dが通路22を介して乗り降りするのを妨げない位置(乗降することを許容する位置)である。また、言い換えれば、第1位置X1は、操縦台23の側方の位置であって、通路22を開放する位置である。
【0066】
第2位置X2は、ロックレバー50を下げた位置(ロックレバー50が基部から先端部に向けて後方側に向かう状態)であって、運転者Dが通路22を介して乗り降りするのを妨げる位置(乗降することを妨げる位置)である。また、言い換えれば、第2位置X2は、操縦台23から機体後方に向けて延びる位置であって、通路22を遮断する位置である。
【0067】
ロックレバー50が第1位置X1にあるときに、操作部材41及び操縦部材71がロックされ、操作部材41及び操縦部材71が操作不可能になる。ロックレバー50が第2位置X2にあるときに、操作部材41及び操縦部材71がアンロック(ロック解除)され、操作部材41及び操縦部材71が操作可能になる。
操作部材41及び操縦部材71がロックされているときには、第1レバー50L及び第2レバー50Rが運転者Dの通路22を経由した運転席6に対する乗り降りを妨げない。操作部材41及び操縦部材71がロックされていないときには、第1レバー50L及び第2レバー50Rが運転者Dの通路22を経由した運転席6に対する乗り降りを妨げる。このため、操作部材41及び操縦部材71をロックしているか又はアンロックしているかが明確になる。
【0068】
図4及び
図6などに示すように、第1縦材27の上部の機体内方には、ロックレバー50用の位置決め機構96が設けられている。位置決め機構96は、当接部材97と、第1ストッパ98と、第2ストッパ99とを有している。当接部材97は、筒体39Lからこれの径方向に突出状に設けられている。筒体39Lの内部には、操作支軸34の第1軸34Aが挿通されている。筒体39Lと第1軸34Aとは固定されている。このため、筒体39L及び当接部材97は、操作支軸34と一体回転する。
【0069】
第1ストッパ98はボルトである。第1連結材30の第2壁30bに貫通状に形成されたネジ穴(図示省略)に螺合されている。ネジ穴とは、内周に雌ネジが切られた穴である。第1ストッパ98には、第1ストッパ98の軸方向の位置を固定する第1ロックナット102(
図5)が螺合されている。ロックレバー50が第1位置X1にあるときに、当接部材97が第1ストッパ98に当接する。
【0070】
ロックレバー50を回転操作することにより、当接部材97が第1ストッパ98に当接すると、ロックレバー50の第2位置X2から第1位置X1へ向かう方向(後述する
図7Aのロック方向F1)の回転が規制される。これによって、ロックレバー50が第1位置X1に位置決めされる。
第2ストッパ99はボルトである。第2ストッパ99は、保持プレート101を貫通するネジ穴(図示省略)に螺合されている。保持プレート101は、第1縦材27の機体内方側の板面に、機体内方へ突出状に固定されている。第2ストッパ99には、第2ストッパ99の軸方向の位置を固定する第2ロックナット104が螺合されている。ロックレバー50が第2位置X2にあるときに、当接部材97が第2ストッパ99に当接する。
【0071】
ロックレバー50を回転操作することにより、当接部材97が第2ストッパ99に当接すると、ロックレバー50の第1位置X1から第2位置X2へ向かう方向(後述する
図7Bのアンロック方向F2)の回転が規制される。これによって、ロックレバー50が第2位置X2に位置決めされる。
第1ストッパ98を螺進又は螺退させると、当接部材97と第1ストッパ98との当接位置を変更することができる。これにより、ロックレバー50の第1位置X1における操作支軸34回りの位置(ロックレバー50の角度)を調整することができる。また、第2ストッパ99を螺進及び螺退させると、当接部材97と第2ストッパ99との当接位置を変更することができる。これにより、ロックレバー50の第2位置X2における操作支軸34回りの位置(ロックレバー50の角度)を調整することができる。
【0072】
ロックレバー50に加えられた操作力は、当接部材97が第1ストッパ98又は第2ストッパ99に当接した際に、当接面を介して平坦面で受けられる。これによって、ロックレバー50が操作支軸34に対して軸心回りに位置ずれすることはない。
第2縦材28の上部の機体内方には、ロックレバー50を第1位置X1及び第2位置X2に保持する付勢部材106が設けられている。付勢部材106は、引張りコイルスプリングである。付勢部材106の一端部は、接続部材11に設けられた第1バネ掛け部70(
図6)に引っ掛けられている。付勢部材106の他端部は、保持プレート100を介して第2縦材28に固定された第2バネ掛け部72(
図4、
図5)に引っ掛けられている。
【0073】
付勢部材106の付勢力は、ロックレバー50を第1位置X1に位置させたときと、第2位置X2に位置させたときとで、ロックレバー50に対する作用方向が切り替わるようになっている。
即ち、ロックレバー50が第1位置X1にあるときには、付勢部材106の軸心は、操作支軸34の軸心よりも上方(第1位置X1側)に位置する。このため、ロックレバー50が第1位置X1にあるときには、付勢部材106の付勢力は、ロックレバー50を上げる方向(グリップ51L、51Rの上昇方向、
図7Aのロック方向F1)に回転させるように作用する。この付勢力により、ロックレバー50が第1位置X1に保持される。
【0074】
また、ロックレバー50が第2位置X2にあるときには、付勢部材106の軸心は、操作支軸34の軸心よりも下方(第2位置X2側)に位置している。したがって、ロックレバー50が第2位置X2にあるときには、付勢部材106の付勢力は、ロックレバー50を倒す方向(グリップ51L、51Rの下降方向、
図7Bのアンロック方向F2)に回転させるように作用する。この付勢力により、ロックレバー50が第2位置X2に保持される。
【0075】
図6に示すように、接続部材11の当板11Eの前方には、第3ストッパ105が設けられている。第3ストッパ105はボルトである。第3ストッパ105は、第2連結材31の第2壁31bに貫通状に形成されたネジ穴(図示省略)に螺合されている。第3ストッパ105には、該第3ストッパ105の位置を固定する第3ロックナット108(
図5)が螺合されている。ロックレバー50が第1位置X1にあるときに、当板11Eが第3ストッパ105に当接する。これによっても、ロックレバー50の上がる方向への回転が規制される。
【0076】
前述したように、第1ストッパ98を螺進及び螺退させて、ロックレバー50の第1位置X1における操作支軸34回りの位置を調整する際には、第3ストッパ105も同様に螺進及び螺退させる。
図3などに示すように、操作支軸34の中央近傍には、操作部材41をロック又はアンロックするロック機構114が設けられている。また、ロック機構114の左右両側には、操縦部材71をロック又はアンロックするロック機構112、113が設けられている。操縦部材71用のロック機構112、113の構造及び作用は、公知技術と同様であるので説明を省略する。
【0077】
次に、ロック機構114について説明する。
図7Aは、ロック機構114のロック状態を示した断面図である。
図7Bは、ロック機構114のアンロック状態を示した断面図である。
ロック機構114は、操作部材41の動きを拘束するロック状態と、操作部材41の動きを許容するアンロック状態とに動作変更可能である。
図6~
図7Bに示すように、ロック機構114は、係合部45L、45R、ロック体126、ロック支軸128、及び駆動部131を有している。
【0078】
図6に示すように、第1係合部45Lは、第1走行レバー41Lの第1基部44Lから後方に向けて、第1基部44L及び操作支軸34の径方向外側に突出状に設けられている。第2係合部45Rは、第2走行レバー41Rの第2基部44Rから後方に向けて、第2基部44R及び操作支軸34の径方向外側に突出状に設けられている。このため、第1係合部45Lは第1走行レバー41Lと一体回転し、第2係合部45Rは第2走行レバー41Rと一体回転する。即ち、係合部45L、45Rは、操作部材41と一体回転する。
【0079】
第1係合部45Lの先端には、第1係合溝46Lが形成されている。第2係合部45Rの先端には、第2係合溝46Rが形成されている。第1係合溝46L及び第2係合溝46Rは、後方から前方に向けて操作支軸34の径方向内側に窪んでいる。言い換えると、第1係合溝46L及び第2係合溝46Rは、後方側に開放状の溝であって、第1係合部45L及び第2係合部45Rの先端から操作支軸34側へ窪んでいる。
図7A及び
図7Bに示すように、第1係合溝46L及び第2係合溝46Rの前部の上及び下には、後方に向かうに従って互いの間隔が拡開するテーパを形成する傾斜面47が設けられている。
【0080】
図6に示すように、第3連結材32の下基部32cには、取付板129が固定されている。取付板129は、下基部32cより後方へ突出している。取付板129の各板面は上又は下を向いている。取付板129の上面には、第1支持片129B及び第2支持片129Cが上方に突出状に固定されている。第1支持片129B及び第2支持片129Cは、機体幅方向K2に互いに間隔をあけて設けられている。
【0081】
ロック支軸128は、第1支持片129Bと第2支持片129Cとにわたって挿通されることで、取付板129を介して下基部32cに支持されている。また、ロック支軸128は、操作支軸34より下方に配置されている。さらに、ロック支軸128は、機体幅方向K2に延伸する軸心を有していて、操作支軸34と平行に配置されている。
ロック体126は、基部筒126Aとロックアーム126Bとロックピン126Cとを有している。基部筒126Aは、ロック体126の下端部(一端部)を構成している。基部筒126Aは、ロック支軸128の周囲にこれの軸心回りに回転可能に装着されている。即ち、ロック体126の一端部は、ロック支軸128に回転可能に支持されている。また、ロック体126は、電装品140L、140Rの下方に所定の間隔をあけて配置されている。
【0082】
ロックアーム126Bは、基部筒126Aにこれの径方向外方で且つ上方に突出状に設けられている。また、ロックアーム126Bは、上方に向かうに連れて、前方に曲がっている。ロックアーム126Bと基部筒126Aとは、第1係合部45Lと第2係合部45Rとの間に対応する位置に設けられている。基部筒126Aがロック支軸128の軸心回りに回転することにより、ロックアーム126Bは前後方向へ揺動する。
【0083】
ロックピン126Cは、ロックアーム126Bの下方に位置する一端部と上方に位置する他端部の間の中間部に設けられている。ロックピン126Cは、ロックアーム126Bの中間部を左右に貫通した状態で、ロックアーム126Bに固定されている。即ち、ロックピン126Cは、ロックアーム126Bの中間部から機体幅方向K2の両側に突出している。ロックアーム126Bからのロックピン126Cの左側突出長と右側突出長とは同等になっている。
【0084】
第1走行レバー41Lの第1基部44Lと第2走行レバー41Rの第2基部44Rの間には、筒体127が設けられている。筒体127は、操作支軸34の第1軸34Aの周囲に装着されて、第1軸34Aに固定されている。
駆動部131は、ロック体126の上端部(他端部)に駆動力を付与するものであり、連動部132と連結部材133とを有している。連動部132は、操作支軸34の周囲に装着された筒体127に、当該筒体127の径方向外側で且つ斜め上方に突出状に設けられている。つまり、連動部132は筒体127を介して操作支軸34に設けられている。筒体127と連動部132とは、操作支軸34と一体回転する。他の例として、連動部132は、操作支軸34自体に設けられていてもよい。
【0085】
連結部材133は、操作支軸34より上方に配置されていて、連動部132とロック体126とを連結している。詳しくは、連結部材133の前端部は、連動部132にピン135を介して回転可能に連結されている。連結部材133の後端部は、ロック体126の上端部にピン136を介して回転可能に連結されている。
図7Aに示すように、ロックレバー50が第1位置X1にあるときは、ロックピン126Cが第1係合溝46L及び第2係合溝46Rに係合(挿入)されている。これにより、第1係合部45L及び第2係合部45Rの上下方向の動きが拘束(阻止)されるため、第1走行レバー41L及び第2走行レバー41Rの動きも拘束され、これら操作部材41の揺動操作が不可能となる。
【0086】
即ち、
図7Aでは、ロック体126が、第1係合部45L及び第2係合部45Rに係合して、操作部材41の動きを拘束する係合位置P1にある。また、ロック機構114が、操作部材41の動きを拘束するロック状態にある。
なお、第3連結材32の下基部32cに対する取付板129の取付位置を調整することにより、第1係合溝46L及び第2係合溝46Rに対するロックピン126Cの位置を調整することができる。また、第1ストッパ98と当接部材97との当接位置を調整することにより、第1係合溝46L及び第2係合溝46Rに対するロックピン126Cの挿入深さを調整することができる。
【0087】
図7Aのロック状態から、ロックレバー50を後方(
図17などで運転席6側)へ横倒し操作して、第2位置X2に位置させる。すると、駆動部131が、そのロックレバー50を位置変更させるための操作力を、駆動力としてロック体126の上端部に伝達して、ロック体126をロック支軸128の軸心回りに回動させる。具体的には、ロックレバー50に加わる操作力によって、操作支軸34と筒体127と連動部132とがアンロック方向F2へ回転する。そして、
図7Bに示すように、連動部132が連結部材133を後方へ移動させ、連結部材133がロックアーム126Bの上端部を後方に移動させる。このため、ロックアーム126Bがロック支軸128の軸心回りにアンロック方向F2に回転(揺動)する。そして、ロックピン126Cが後方に移動して、第1係合溝46L及び第2係合溝46Rから離脱する。
【0088】
これにより、第1係合部45L及び第2係合部45Rの上下方向の動きが許容(拘束解除)されるため、第1走行レバー41L及び第2走行レバー41Rの動きも許容され、これら操作部材41の揺動操作が可能となる。
即ち、
図7Bでは、ロック体126が、第1係合部45L及び第2係合部45Rから離脱して、操作部材41の動きを許容する離脱位置P2にある。また、ロック機構114が、操作部材41の動きを許容したアンロック状態にある。
【0089】
図7Bのアンロック状態から、ロックレバー50を上方へ起立操作して、第1位置X1に位置させる。すると、駆動部131が、そのロックレバー50を位置変更させるための操作力を、駆動力としてロック体126の上端部に伝達して、ロック体126をロック支軸128の軸心回りに回動させる。具体的には、ロックレバー50に加わる操作力によって、操作支軸34と筒体127と連動部132とがロック方向F1へ回転する。そして、
図7Aに示すように、連動部132が連結部材133を前方へ移動させ、連結部材133がロックアーム126Bの上端部を前方に移動させる。このため、ロックアーム126Bがロック支軸128の軸心回りにロック方向F1に回転(揺動)する。そして、ロックピン126Cが前方に移動して、第1係合溝46L及び第2係合溝46Rに係合する。
【0090】
これにより、第1係合部45L及び第2係合部45Rの上下方向の動きと、第1走行レバー41L及び第2走行レバー41Rの動きとが拘束され、操作部材41の揺動操作が不可能となる。
即ち、ロック体126が、
図7Bに示す離脱位置P2から、
図7Aに示すように第1係合部45L及び第2係合部45Rに係合して、操作部材41の動きを拘束する係合位置P1に位置変更(移動)する。また、ロック機構114が操作部材41をロックした状態に戻る。
【0091】
上述したように、ロック体126は、
図7Aに示す係合位置P1と
図7Bに示す離脱位置P2とに位置変更可能である。
図7Bに示すアンロック状態において、ロック機構114は、操作支軸34から第2カバー26B側、即ち運転席6側(後方)に寄っている。即ち、ロック機構114は、機体幅方向K2から見て、操作支軸34と同等の位置(前後方向K1の位置)から運転席6側(後方)に位置している。さらに言い換えれば、アンロック状態において、ロック機構114は、操作支軸34のうち最も前側(第1カバー26A側)に位置する部分(前端部)に対して第2カバー26B側、即ち運転席6側(後方)に位置している。本実施形態の場合、
図7Bに示すように、アンロック状態において、ロック機構114の一部(連動部132の前端部)は、前後方向K1において操作支軸34とオーバーラップしているが、操作支軸34の前端部に対して後方に位置している。
【0092】
図7Aに示すロック状態においては、ロック機構114の連動部132と連結部材133の前端部以外の他の部材及び他の部分は、操作支軸34から第2カバー26B側(運転席6側)に寄っている。即ち、連結部材133の中央部から後端部、ロック体126、ロック支軸128、及び係合部45L、45Rは、機体幅方向K2から見て、操作支軸34と同等の位置から運転席6側に位置している。さらに言い換えれば、ロック状態において、ロック機構114の連動部132と連結部材133の前端部以外の他の部材及び他の部分は、操作支軸34の前端部に対して第2カバー26B側、即ち運転席6側(後方)に位置している。
【0093】
図7A及び
図7Bに示すように、ロック体126、ロック支軸128、及び係合部45L、45Rは、常に操作支軸34に対して第2カバー26B側に配置されている。即ち、ロック支軸128、及び係合部45L、45Rは、機体幅方向K2から見て、常に操作支軸34よりも運転席6側(後方)に位置している。
また、ロック機構114の各部は、第1カバー26Fと第2カバー26Bの接合部26Xの近傍に配置されている。
【0094】
他の例として、ロック機構114の各部の形状を変更することにより、ロック状態とアンロック状態の両方において、ロック機構114の各部が操作支軸34から第2カバー26B側(運転席6側)に寄るようにしてもよい。また、ロック状態とアンロック状態の少なくとも一方の状態において、ロック機構114の各部が操作支軸34よりも運転席6側に寄るようにしてもよい。さらに、ロック機構114の全部又は大部分を、第1カバー26Fと第2カバー26Bの接合部26Xより第2カバー26B側に配置してもよい。
【0095】
ロック機構114は、通常、カバー26により覆われている。然るに、
図2に示すように、支持フレーム25や第1カバー26Fなどから第2カバー26Bを取り外すことで、ロック機構114は露出する。また、
図1に示すように、第2カバー26Bの後面26aに設けられた蓋26gを開けて、窓26cを開放することでも、ロック機構114は露出する。即ち、第2カバー26Bは、ロック機構114を運転席6側に露出可能に設けられている。
【0096】
上記の実施形態では、ロックレバー50の操作力を駆動部131の駆動力としているが、これに代えて、
図8A及び
図8Bに示すように駆動部131に設けたアクチュエータ139により駆動力を発生してもよい。
図8Aは、変形例のロック機構114のロック状態を示した断面図である。
図8Bは、変形例のロック機構114のアンロック状態を示した断面図である。
【0097】
図8A及び
図8Bに示すロック機構114の駆動部131は、駆動力を発生させるアクチュエータ139を有している。アクチュエータ139は、例えば油圧シリンダ等の油圧アクチュエータであってもよいし、又はソレノイド等の電動アクチュエータであってもよい。
操作支軸34の周囲には、筒体137が設けられている。筒体137は、操作支軸34に対して相対回転可能になっている。筒体137には、連動部132a、132bが設けられている。連動部132aは、筒体137の径方向外側で且つ斜め上方に突出している。連動部132aには、連結部材133の前端部がピン135を介して回転可能に連結されている。
【0098】
連動部132bは、筒体137の径方向外側で且つ斜め下方に突出している。連動部132bに形成された長孔132cには、リンク機構138に含まれるピン138aが係合されている。リンク機構138は、アクチュエータ139の操作子139aと連結されている。リンク機構138は、アクチュエータ139により発生された駆動力を連動部132bに伝達する。アクチュエータ139の本体部139bは、例えば第3連結材32の前基部32f(
図4)に固定されている。
【0099】
なお、アクチュエータ139を駆動するためのボタン、スイッチ、或いはレバー等の操作具を、操作台23等に設けてもよい。また、アクチュエータ139の動作を制御する制御部も、操作台23に設けてもよい。
図8Aに示す状態では、アクチュエータ139が、例えば内蔵するばね等の弾性部材(図示省略)により、操作子139aを機体2の後方A2に向かって突出させる駆動力を発生している。このため、そのアクチュエータ139の駆動力がリンク機構138、連動部132b、筒体137、連動部132a、連結部材133、及びロック体126に順に伝達されて、ロック体126がロック方向F1に回転した状態にある。また、ロックピン126Cが、係合溝46L、46Rに係合した状態にある。即ち、
図8Aでは、ロック体126が係合位置P1にあって、ロック機構114が操作部材41をロックした状態にある。
【0100】
そのロック状態から、アクチュエータ139が駆動して、操作子139aを機体2の前方A1へ移動させる(本体部139b内への引き込み状態)。すると、その駆動力が連動部132b、筒体137、連動部132a、連結部材133、及びロック体126に順に伝達されて、
図8Bに示すように、ロック体126がアンロック方向F2に回転する。そして、ロックピン126Cが係合溝46L、46Rから離脱する。即ち、
図8Bでは、ロック体126が離脱位置P1に移動して、ロック機構114が操作部材41をアンロックした状態になっている。
【0101】
上述した以外にも、例えばリンク機構138、連動部132a、132b、筒体137、及び連結部材133を省略して、アクチュエータ139の操作子139aをロック体126の上端部に直接又は間接的に連結してもよい。この場合、アクチュエータ139の駆動力が直接又は間接的にロック体126に加わって、ロック体126がロック方向F1又はアンロック方向F2に回転し、ロックピン126Cが係合溝46L、46Rに対して係合又は離脱することが可能となる。
【0102】
次に、機体2の内部構造について説明する。
図9は、機体2の内部構造と電路と流路を示した模式図である。
作業機1の機体2の内部には、スイングシリンダC2、旋回モータM3、原動機Eg、オルタネータOt、冷却装置Rg、オイルクーラOc、油圧ポンプQ1、Q2、バッテリBt、作動油タンクT1、燃料タンクT2、電路320、321、流路230、280、300、302、310、及び各種の機器201~209などが設けられている。これらは機体2内に設けられたフレームやその他の部材により固定されている。
【0103】
図9では、便宜上、コントロールバルブ35を機体2内に示しているが、
図2などに示したように、コントロールバルブ35は、機体2上に設置された操縦台23に設けられている。また、便宜上、電気機器類330も機体2内に示しているが、この電気機器類330には、操縦台23に設けられた電装品18s、140L、140R(
図1や
図2など)と、作業機1の他の箇所に設けられた照明などのような他の電気機器(図示省略)が含まれている。
【0104】
旋回モータM3は、機体2の中心付近に配置されている。スイングシリンダC2は、機体2の前右部に配置されている。原動機Egは、旋回モータM3の後方に配置されている。オルタネータOtは、原動機Egの上部に配置されている。原動機Egは、油圧ポンプQ1、Q2やオルタネータOtなどを駆動する駆動源である。
オルタネータOtは、原動機Egの駆動力で駆動されて発電する。オルタネータOtが発電した電気は、電路321を通ってバッテリBtに充電される。バッテリBtは蓄電池である。また、バッテリBtとオルタネータOtは電源である。電路321は電気ハーネスから成る。
【0105】
冷却装置Rgは、原動機Egの右方B2に配置されている。冷却装置Rgは、ラジエータと冷却ファンから成る。冷却装置Rgのラジエータから原動機Egの周囲にかけて、冷却液流路302が配設されている。冷却液流路302はホース又は鋼管などから成る。冷却装置Rgのラジエータは、冷却液を冷却液流路302に循環させることにより、原動機Egを冷却する。
【0106】
油圧ポンプQ1、Q2は、原動機Egの左方B1に配置されている。作動油タンクT1は、原動機Egの後方A2で且つ機体2の後部に配置されている。作動油タンクT1は、作業機1に備わる油圧モータM1~M3(第1走行モータM1、第2走行モータM2、旋回モータM3)や油圧シリンダC1~C5(ドーザシリンダC1、スイングシリンダC2、ブームシリンダC3、アームシリンダC4、バケットシリンダC5)といった油圧アクチュエータを動作させて、作業装置4や走行装置3を作動させるための作動油を貯留している。
図9では、便宜上、上部に走行モータM1、M2を示し、左側に油圧シリンダC1、C3、C4、C5を示しているが、これら油圧アクチュエータの設置位置は、
図17及び
図18に示した通りである。
【0107】
油圧ポンプQ1は、原動機Egの駆動力で駆動され、作動油流路230を通して作動油を作動油タンクT1から吸引して、油圧アクチュエータM1~M3、C1~C5に吐出する。この油圧ポンプQ1による作動油圧で、油圧アクチュエータM1~M3、C1~C5は駆動する。油圧ポンプQ2は、原動機Egの駆動力で駆動され、コントロールバルブ35を作動させるパイロット用の作動油圧や信号用の作動油圧を、作動油流路230を通して吐出する。作動油流路230はホース又は鋼管から成る。
【0108】
オイルクーラOcは、冷却装置Rgの右方B2に配置されている。オイルクーラOcは、油圧アクチュエータM1~M3、C1~C5やコントロールバルブ35から、作動油流路230を通って作動油タンクT1に戻る作動油を冷却する。
バッテリBtは、作動油タンクT1の上方に配置されている。バッテリBtは、作業機1に備わる電気機器類330や、原動機Egに設けられた点火装置(図示省略)や、後述する電気機器203、204、205などに電力を供給する。バッテリBtも電気機器に含まれる。バッテリBt、作動油タンクT1、及び原動機Egは、ボンネット5内に配置されている。ボンネット5の上方には、運転席6(
図17)が配置されている。
【0109】
燃料タンクT2は、機体2の左部の前寄りに配置されている。燃料タンクT2は、原動機Egを駆動するための燃料を貯留している。
作動油タンクT1と原動機Egとの間には、複数の機器201、202、203、204、205、208(第2燃料フィルタ(燃料機器)201、燃料ポンプ(燃料機器)202、アイソレータ(電気機器)203、ヒューズボックス(電気機器)204、タイマ(電気機器)205、第1燃料フィルタ(燃料機器)208)が配置されている。このうち、第2燃料フィルタ201、燃料ポンプ202、及び第1燃料フィルタ208は、燃料タンクT2から原動機Egへ燃料を供給する燃料流路280に設けられた燃料機器である。
【0110】
具体的には、燃料ポンプ202は、燃料タンクT2から燃料を燃料流路280を通して原動機Egへ送る。第1燃料フィルタ208及び第2燃料フィルタ201は、燃料流路280を流れる燃料に混入された異物を除去する。燃料流路280はホースから成る。
アイソレータ203、ヒューズボックス204、およびタイマ205は、バッテリBtからの電路320に設けられている。これらの電気機器203、204、205には、電路320を通して電流が流れる。電路320は、電線やハーネス等から成る。
【0111】
アイソレータ203は、メンテナンス時や非常時等にバッテリBtからの電流が他の電気機器類330などに流れるのを遮断する。ヒューズボックス204は、バッテリBtから他の電気機器類330などに過電流が流れるのを抑制する複数のヒューズを内蔵している。アイソレータ203はバッテリBtのマイナス端子-bt側、ヒューズボックス204はバッテリBtのプラス端子+bt側に配置されている。タイマ205は、燃料残量警告ランプ(図示省略)と水温警告ランプ(図示省略)のランプ切れをチェックするために用いられる。
【0112】
作動油タンクT1の右部上方には、リザーブタンク(冷却機器)206とホース207が配置されている。このうち、リザーブタンク206は、冷却装置Rg用の冷却液を貯留する。ホース207は、冷却液流路300の一部を構成する。冷却液流路300は、リザーブタンク206と冷却装置Rgとの間で冷却液を通す流路である。リザーブタンク206は冷却液流路300に設けられている。
【0113】
燃料タンクT2の後方A2で且つ油圧ポンプQ1、Q2の左方B1には、エアクリーナ209が配置されている。エアクリーナ209は、吸気用のエア流路310を通して、原動機Egの周囲の空気を清浄する。エアクリーナ209からの排気は、排気用のエア流路310を通って、機体2の右側部に設けられた通気口(図示省略)から外部へ排出される。
【0114】
上述した複数の機器201~209、Btは、電気を通す電路320に設けられた第1機器203、204、205(アイソレータ203、ヒューズボックス204、タイマ205、バッテリBt)と、油や燃料や冷却液や空気などの流体を通す流路230、280、300、310に設けられた第2機器201、202、206、207、208、209(第2燃料フィルタ201、燃料ポンプ202、リザーブタンク206、ホース207、第1燃料フィルタ208、エアクリーナ209)とに大別される。つまり、これら複数の機器201~209、Btには、異なる配管系統(流路230、280、300、310)又は配線系統(電路320)に設けられた機器が含まれている。
【0115】
また、電路320に設けられて当該電路を構成する電線やハーネスは、配線系統にある第1機器に含まれる。流路230、280、300、310に設けられて当該流路を構成するホースや鋼管等は、配管系統にある第2機器に含まれる。
図10は、作動油タンクT1の近傍を前方から見た斜視図である。
図11は、作動油タンクT1の近傍の平面図である。
図12は、作動油タンクT1の近傍の背面図である。
【0116】
図10に示すように、作動油タンクT1は、前後方向K1から見て、L字形に形成されている。作動油タンクT1は、タンク下部211とタンク上部212とを有している。機体幅方向K2と平行な、タンク下部211の横幅は、タンク上部212の横幅より広くなっている。タンク上部212は、タンク下部211の左部(
図10でB1方向側の端部)から上方に突出している。
【0117】
図11に示すように、機体2の前後方向K1と平行な、タンク下部211の前後幅とタンク上部212の前後幅とは同等になっている。タンク下部211の内部空間とタンク上部212の内部空間とは連続している(図示省略)。
図10に示すように、作動油タンクT1は、タンク下部211の左下部に傾斜側壁213を有している。傾斜側壁213は、タンク下部211の前壁211fや左側壁211Lよりタンク下部211の中心側に窪んだ位置にあって、機体2の左前方に面している。傾斜側壁213には、貫通孔から成る開口部214が形成されている。また、傾斜側壁213には、開口部214を閉塞する蓋体220が取り付けられている。
【0118】
蓋体220の中央部分には、筒状の接続部221が一体に設けられている。接続部221は蓋体220を貫通している。蓋体220から表出する接続部221の一端部には、ホース231の一端部が接続されている。接続部221の他端部は、タンク下部211の内部空間に突出している。この接続部221の他端部には、作動油に混入した異物を除去するフィルタ(図示省略)が取り付けられている。
【0119】
ホース231は、
図9に示した作動油流路230の一部を構成する。ホース231の他端部は、油圧ポンプQ1、Q2に接続されている。ホース231の内部空間と接続部221の内部空間とタンク下部211の内部空間とは連続している。タンク下部211の開口部214は、作動油タンクT1内から作動油を流出させる流出口である。
タンク下部211の上壁211uの右部には、台座215が上方に突出状にタンク下部211と一体で形成されている。台座215上には、取付部材240が取り付けられている。
【0120】
図13Aは、
図10などで取付部材240の近傍を前方から見た図である。
図14は、取付部材240を前方から見た斜視図である。
図15は、取付部材240の平面図である。
図16は、取付部材240の背面図である。
図14~
図16に示すように、取付部材240は蓋体244と一体になっている。また、取付部材240は、ベース部241と支持部250を有している。ベース部241は、蓋体244と支持部250との間に設けられている。蓋体244と支持部250は、ベース部241と一体に形成されている。蓋体244と支持部250とベース部241は、溶接等によって互いに固定され、分離不能な一体物として構成されている。つまり、取付部材240は、蓋体244と支持部250とベース部241の位置関係が固定された一体物として構成されている。
【0121】
ベース部241は、第1壁242と第2壁243とを有している。第1壁242は、前後方向K1と平行に延びている。第2壁243は、第1壁242の前端部から左方B1に延びている。
蓋体244は略円板状に形成されている。蓋体244の中央部分から、ベース部241の第1壁242及び第2壁243が上方に突出状に立設されている。
【0122】
蓋体244の周端部分には、所定の間隔で4つ以上の貫通孔246が形成されている。
図10に示すように、作動油タンクT1の台座215には、貫通孔から成る開口部216が形成されている。開口部216の周縁部分には、蓋体244の貫通孔246と同一の間隔で複数のネジ穴(図示省略)が形成されている。
台座215の上面215u(
図12、
図13A)に蓋体244を載置して、ボルトなどの締結部材217(一部符号省略)を蓋体244の各貫通孔246に挿通させて、開口部216の各ネジ穴に螺合する。これにより、蓋体244が上面215uに固定され、開口部216が蓋体244により閉塞され、取付部材240が作動油タンクT1の台座215に取り付けられる。
【0123】
また、締結部材217を開口部216の各ネジ穴や蓋体244の各貫通孔246から外すことで、台座215の上面215uから蓋体244を離脱させて、作動油タンクT1から取付部材240を取り外すことができる。即ち、蓋体244及び取付部材240は、作動油タンクT1に対して着脱可能である。
上記と同様の構造で、作動油タンクT1の右下部に形成された開口部214に、蓋体220が取り付けられている。また、蓋体220は、作動油タンクT1に対して着脱可能である。
【0124】
蓋体244が台座215に固定されて、取付部材240が作動油タンクT1に取り付けられた状態では、ベース部241は、蓋体244から台座215の上面215uと反対側に突出する。ベース部241の第1壁242とタンク上部212との間で且つタンク下部211の上方には、バッテリBtが配置されている。ベース部241の第2壁243は、バッテリBtより前方A1に位置している。
【0125】
図14及び
図16に示すように、取付部材240の蓋体244の中央部分には、筒状の接続部247が一体に形成されている。接続部247は蓋体244を貫通している。蓋体244から上方に突出する接続部247の一端部は、ベース部241の右方B2にあって、斜め右前方に向かって曲がっている。この接続部247の一端部には、
図12及び
図13Aに示すように、ホース232の一端部が接続されている。
【0126】
また、
図14及び
図16に示すように、蓋体244から下方に突出する接続部247の他端部は、
図10などに示す蓋体244の固定状態において、開口部216を通ってタンク下部211の内部空間に突出している。この接続部247の他端部には、作動油に混入した異物を除去するフィルタ(図示省略)が取り付けられている。
ホース232は、
図9に示した作動油流路230の一部を構成する。ホース232の他端部は、オイルクーラOc(
図9)に接続されている。ホース232の内部空間と接続部247の内部空間とタンク下部211の内部空間とは連続している。ホース232は、オイルクーラOcから作動油タンクT1へ作動油を戻す流路230の一部を構成している。である。タンク下部211の開口部216は、作動油を作動油タンクT1内へ戻す流入口である。また、開口部216は、作動油を作動油タンクT1内へ補給する補給口でもある。
【0127】
図14~
図16に示すように、取付部材240の支持部250には、複数の支持板248、249と支持部251~259(電気機器支持部251、253、255、燃料機器支持部252、254、タンク支持部256、ホース支持部257、第2バッテリ支持部259)が含まれている。
図14に示すように、第1支持板248は、ベース部241の第2壁243の上部前面に、当該第2壁243と一体で且つ平行に設けられている。第1支持板248は、第2壁243よりも左方B1、右方B2、及び上方に延出している。
【0128】
第1支持板248の前面の中央には、電気機器支持部(第1支持部)251が第1支持板248と一体に設けられている。即ち、電気機器支持部251は、ベース部241と一体になっている。電気機器支持部251は、第1支持板248から所定の間隔で離間する上半部分と、当該上半部分を前後方向K1に貫通する貫通孔262とを有している。
このような電気機器支持部251によって、
図10及び
図11などに示すように、ヒューズボックス204が第1支持板248の前側に支持されている。具体的には、例えばヒューズボックス204の背面に設けられた突起部を電気機器支持部251の貫通孔262に貫通させ、当該突起部の周面に形成されたねじ部にナットなどの締結部材(図示省略)を螺合する。これにより、ヒューズボックス204が電気機器支持部251の前面に固定されている。即ち、ヒューズボックス204は、電気機器支持部251で前後、左右、及び上下の直交3軸方向に拘束されている。
【0129】
また、電気機器支持部251は、バッテリBtのマイナス端子-bt側にこれと近接状態で配置されている。このため、ヒューズボックス204も当該マイナス端子-bt側にこれと近接状態で配置されている。
図14~
図16に示すように、第1支持板248の前面左部には、燃料機器支持部(第2支持部)252が第1支持板248と一体に形成されている。即ち、燃料機器支持部252は、ベース部241と一体になっている。また、燃料機器支持部252は、切込み263と貫通孔264、265を有している。切込み263は、支持部252の上端から下方へ向かって所定の長さで形成されている。貫通孔264、265は、切込み263の左右(機体幅方向K2)にそれぞれ形成されている。
【0130】
燃料機器支持部252は、第1支持板248に対して前方A1に所定の角度で傾いている。燃料機器支持部252の切込み263に対して左部は、後方A2に所定の角度で傾いている。このため、燃料機器支持部252の切込み263に対して左部と右部とは、前後方向K1に位置ずれしている。
このような燃料機器支持部252によって、
図10及び
図11などに示すように、第2燃料フィルタ201が第1支持板248の前側に支持されている。具体的には、例えば燃料機器支持部252の貫通孔264、265をそれぞれ貫通したボルトやナットなどの締結部材(図示省略)により、第2燃料フィルタ201は第2支持部252の前面に固定されている。即ち、第2燃料フィルタ201は、燃料機器支持部252で直交3軸方向に拘束されている。上述した燃料機器支持部252の傾斜や位置ずれは、第2燃料フィルタ201の各部を所定の角度で安定に支持するためにある。
【0131】
また、第2燃料フィルタ201とヒューズボックス204とは、取付部材240の前側に互いに接近した状態で、それぞれ燃料機器支持部252と電気機器支持部251により支持されている。
図14~
図16に示すように、第1支持板248の右方B2には、電気機器支持部(第1支持部)253が第1支持板248と一体に形成されている。即ち、電気機器支持部253は、ベース部241と一体になっている。
図15に示すように、電気機器支持部253は、延出部266、267、268と受部269、270と螺合孔271、272とを有している。
【0132】
第1延出部266は、第1支持板248の右端部から前方A1に延出している。第2延出部267は、第1延出部266の先端から斜め右前方に延出している。第3延出部268は、第2延出部267の先端から右方B2に延出している。
第1受部269は、第1支持板248の右部後面から第1延出部266の右側面を経由して第2延出部267の左部後面にかけて設けられている。また、第1受部269は、第1支持板248と第1延出部266と第2延出部267とに対して垂直に突出している。第2受部270は、第3延出部268の右部後面から後方A2に垂直に突出している。
【0133】
螺合孔271は、第1受部269の右部に形成された貫通孔(符号省略)と、当該貫通孔に連続するように、第1受部269の下面右部に固定されたナットのネジ穴(符号省略)とから成る。螺合孔272は、第2受部270に形成された貫通孔(符号省略)と、当該貫通孔に連続するように、第2受部270の下面に固定されたナットのネジ穴(符号省略)とから成る。各螺合孔271、272の軸方向は、上下方向と平行になっている。
【0134】
このような電気機器支持部253によって、
図10及び
図11などに示すように、アイソレータ203が第1支持板248の右前側に支持されている。具体的には、例えば電気機器支持部253の第1受部269及び第2受部270の上面に、アイソレータ203の左右側部を載置する。そして、ボルトなどの締結部材(符号省略)をアイソレータ203の左右側部に形成された各貫通孔(図示省略)を貫通させてから、各螺合孔271、272に螺合する。これにより、アイソレータ203が、電気機器支持部253の第1受部269及び第2受部270の上面に固定されている。即ち、アイソレータ203は、電気機器支持部253で直交3軸方向に拘束されている。
【0135】
また、電気機器支持部253は、バッテリBtのマイナス端子-bt側に配置されている。このため、アイソレータ203も当該マイナス端子-bt側に配置されている。
図14~
図16に示すように、第2支持板249は、ベース部241の第1壁242の右側面に、当該第1壁242と一体で且つ第1壁242に対して垂直に設けられている。第2支持板249は、第2壁243や第1受部269に対して所定の間隔で離間していて、第1支持板248と同等に右方B2に延出している(
図15)。
【0136】
図14に示すように、第2支持板249の前面には、燃料機器支持部(第2支持部)254が第2支持板249と一体に形成されている。即ち、燃料機器支持部254は、ベース部241と一体になっている。また、燃料機器支持部254は、第2支持板249の前面と、第2支持板249に形成された貫通孔273、274とから成る。貫通孔273、274は、第2支持板249の右端部に上下方向に所定の間隔で形成されている。
【0137】
このような燃料機器支持部254によって、
図10及び
図13Aに示すように、燃料ポンプ202が第2支持板249の前側に支持されている。具体的には、例えば燃料機器支持部254の貫通孔273、274を貫通させたボルトやナットなどの締結部材(符号省略)により、燃料ポンプ202は第2支持板249の前面に固定されている。即ち、燃料ポンプ202は、燃料機器支持部254で直交3軸方向に拘束されている。
【0138】
図10に示すように、燃料ポンプ202には、ホース282の一端部とホース283の一端部とがそれぞれ接続されている。第2燃料フィルタ201には、ホース283の他端部とホース284の一端部とがそれぞれ接続されている。ホース284の他端部は、原動機Eg(
図9)に接続されている。第1燃料フィルタ208には、ホース282の他端部とホース281の一端部とがそれぞれ接続されている。ホース281の他端部は、燃料タンクT2(
図9)に接続されている。このようなホース281~284により、燃料流路280が構成されている。
【0139】
図10及び
図11に示すように、第1燃料フィルタ208は、作動油タンクT1のタンク上部212の前面に固定されたブラケット218により、タンク上部212の前側に支持されている。ブラケット218はタンク上部212と一体になっている。
他の例として、第1燃料フィルタ208を支持する燃料機器支持部を、取付部材240のベース部241又は蓋体244と一体に設けてもよい。
【0140】
図15及び
図16に示すように、第2支持板249の後面上部には、電気機器支持部(第1支持部)255が第2支持板249と一体に形成されている。即ち、電気機器支持部255は、ベース部241と一体になっている。また、電気機器支持部255は、第2支持板249の後面から後方A2へ突出していて、螺合孔275(
図16)を有している。螺合孔275の軸方向は、前後方向K1と平行になっている。
【0141】
このような電気機器支持部255によって、
図11及び
図12に示すように、タイマ205が第2支持板249の後側に支持されている。具体的には、例えばタイマ205に固定したボルトなどの締結部材(符号省略)を電気機器支持部255の螺合孔275に螺合する。これにより、タイマ205がタイマ支持部255に固定されている。即ち、タイマ205は、電気機器支持部255で直交3軸方向に拘束されている。
【0142】
図14~
図16に示すように、第2支持板249の右方B2には、タンク支持部(第2支持部)256が第2支持板249と一体に形成されている。即ち、タンク支持部256は、ベース部241と一体になっている。また、タンク支持部256は、屈曲梁276と押さえ板277とを有している。
図14及び
図16に示すように、屈曲梁276はS字形に屈曲されている。屈曲梁276の下端部は、第2支持板249の右端部の下寄りに固定されている。押さえ板277の前面は、屈曲梁276の上端部に固定されている。
【0143】
このようなタンク支持部256によって、
図10及び
図13Aに示すように、リザーブタンク206が前側から支持されている。詳しくは、リザーブタンク206の前面に形成された窪み状の係合部206aにタンク支持部256の押さえ板277が係合する。これにより、リザーブタンク206が押さえ板277により前側から押さえられて、アイソレータ203や取付部材240の他の部分などに接触しなくなっている。即ち、リザーブタンク206は、タンク支持部256で左斜め前方向(一方向)に拘束されている。なお、リザーブタンク206は、取付部材240とは別の部材により、機体2内に設けられたフレームに固定されている(図示省略)。
【0144】
リザーブタンク206の上部には、ホース301、207の一端部がそれぞれ接続されている。ホース301、207の他端部は、それぞれ冷却装置Rgのラジエータに接続されている。ホース301、207は、
図9に示した冷却液流路300を構成している。
図14~
図16に示すように、ベース部241の第1壁242の後端部には、ホース支持部(第2支持部)257が第1壁242と一体に形成されている。即ち、ホース支持部257は、ベース部241と一体になっている。
図15に示すように、ホース支持部257はL字形に形成されている。ホース支持部257は、第1壁242の右方B2に第2支持板249と平行に突出する右突出部分(符号省略)と、当該右突出部分に形成された貫通孔278(
図16)とを有している。貫通孔278の軸は、前後方向K1と平行になっている。
【0145】
このようなホース支持部257によって、
図11及び
図12に示すように、ホース207が支持されている。具体的には、例えばホース207に装着されたスリーブ状の係合部材227を貫通孔278に係合することにより、ホース207はホース支持部257に係止されている。係合部材227は、その一部を貫通孔278に挿入されることで、ホース支持部257に引っ掛けられてもよいし、又はホース支持部257に固定されてもよい。また、他の例として、紐状の係合部材を用いて、ホース207をホース支持部257に固定してもよい。即ち、ホース207は、ホース支持部257で前後、左右、又は上下のうち少なくとも1軸方向に拘束されている。
【0146】
図14~
図16に示すように、第2支持板249の右前方には、ホース支持部258が第2支持板249と一体に形成されている。即ち、ホース支持部258は、ベース部241と一体になっている。また、ホース支持部258は、屈曲梁290と係合片291と貫通孔292とを有している。
図14に示すように、屈曲梁290はS字形に屈曲している。屈曲梁290の左端部は、第2支持板249の前面上部に固定されている。屈曲梁290の右端部は左端部より下方に位置する。係合片291は、屈曲梁290の右端部に固定されて、前方に突出している。貫通孔292は、係合片291に形成されている。貫通孔292の軸は、上下方向と平行になっている。
【0147】
作業機1では、
図13Aに示すように、ホース支持部258は何も支持していない予備の支持部である。然るに、ホース支持部258は、上述したホース支持部257と同様に、作動油タンクT1の近傍にあるホースを支持することができる。
図13Bは、他の例の取付部材240の近傍を前方から見た図である。例えば、作動油タンクT1のタンク下部211の右部上方に作動油を流すホース210が引き回された場合、当該ホース210をホースガイド部258によって支持することができる。
【0148】
具体的には、例えばホース210に装着されたスリーブ状の係合部材228を、ホース支持部258の貫通孔292に係合することにより、ホース210はホース支持部258に係止される。また、ホース210は、当該ホース210の管軸方向が所定の方向を向くように、ホース支持部258によってガイドされている。他の例として、紐状の係合部材を用いて、ホース210をホース支持部258に固定してもよい。即ち、ホース207は、ホース支持部258で直交3軸方向に拘束される。
【0149】
ホース210は、作動油流路230に設けられ当該作動油流路230を構成する。また、ホース210は、配管系統にある第2機器及び油圧機器に含まれる。他の例として、ホース210以外の油圧機器を、ホース支持部258によって支持してもよい。また、例えば電路に設けられた電線やハーネスや電気機器、又はその他の流路に設けられた機器を、ホース支持部258によって支持してもよい。
【0150】
図10及び
図12に示すように、作動油タンクT1のタンク下部211の上方で且つタンク上部212の右方B2には、第1バッテリ支持部219がタンク上部212及びタンク下部211と一体に形成されている。第1バッテリ支持部219は、タンク下部211の上方に配置されたバッテリBtのプラス端子+bt側の端部(左端部)を下方から支持する。第1バッテリ支持部219とバッテリBtとの間には、絶縁部材225が設けられている。
【0151】
図15及び
図16に示すように、ベース部241の第1壁242の左方B1で且つ第2壁243の後方A2には、第2バッテリ支持部259が第1壁242及び第2壁243と一体に形成されている。即ち、第2バッテリ支持部259は、ベース部241と一体になっている。また、第2バッテリ支持部259は、第1壁242及び第2壁243の下部から垂直に突出し、且つ蓋体244と平行になっている。
【0152】
図12に示すように、第2バッテリ支持部259は、バッテリBtのマイナス端子-bt側の端部(右端部)を下方から支持する。第2バッテリ支持部259とバッテリBtとの間には、絶縁部材226が設けられている。また、ベース部241の各壁242、243とバッテリBtとの間には、絶縁部材224が設けられている。バッテリBtは、タンク下部211及びタンク上部212から離間していて、これらに対して絶縁されている。
【0153】
上述した取付部材240と複数の機器201~207(第2燃料フィルタ201、燃料ポンプ202、アイソレータ203、ヒューズボックス204、タイマ205、リザーブタンク206、ホース207)とバッテリBtとを設置する際は、例えば、まず取付部材240を作動油タンクT1に取り付ける。それから、複数の機器201~207とバッテリBtとを取付部材240の各支持部251~257、259で支持する。また、例えば、アイソレータ203、ヒューズボックス204、燃料ポンプ202、又は第2燃料フィルタ201を、取付部材240の各支持部253、251、254、252で支持(固定)してから、取付部材240を作動油タンクT1に取り付けてもよい。
【0154】
また、他の例として、
図9に示したエアクリーナ209とエア流路310を作動油タンクT1と原動機Egとの間に配置して、エアクリーナ209又はエア流路310を個別に支持する支持部を取付部材240に設けてもよい。
また、上述した電気機器203、204、205以外の電気機器(ハーネスや電線や電子部品なども含む)を支持する電気機器支持部や、上述した燃料機器201、202、208以外の燃料機器を支持する燃料機器支持部や、上述したリザーブタンク206以外の冷却機器を支持する冷却機器支持部や、その他の流路に設けられた機器(ホースなども含む)を支持する支持部を、取付部材240に設けてもよい。さらに、作動油流路230に設けられた油圧機器(作業装置4を作動させるための油圧機器であって、機体2内に配置されるもの)を支持する支持部を、取付部材240に設けてもよい。
【0155】
また、燃料タンクT2に着脱可能に取り付けられて燃料タンクT2の開口部を閉塞する蓋体と、一体になった取付部材を設けてもよい。そして、その取付部材に、電気機器、燃料機器、冷却機器、及び油圧機器などのうち、2種類以上の機器を取り付けてもよい。
本実施形態の作業機1は、以下の効果を奏する。
まず、ロック機構114に関連する構成と効果を以下に述べる。
【0156】
本実施形態に係る作業機1は、機体2と、機体2に設けられた運転席6と、運転席6の前方に設けられた操縦台23と、を備え、操縦台23は、機体2の幅方向に延伸する操作支軸34と、操作支軸34の軸心回りに操作支軸34に対して相対回転可能に支持された操作部材41と、操作部材41の動きを拘束するロック状態と操作部材41の動きを許容するアンロック状態とに切替可能なロック機構114と、を有し、ロック機構114は、操作部材41と一体回転する係合部45L、45Rと、係合部45L,45Rに係合する被係合部(ロックピン)126Cを有するロック体126と、ロック体126の一端部を回転可能に支持するロック支軸128と、ロック体126の他端部に駆動力を付与する駆動部131と、を含み、被係合部126Cは、ロック体126の一端部と他端部との間の中間部に形成され、ロック体126は、駆動部131により駆動力が付与されることでロック支軸128の軸心回りに回転して、被係合部126Cを係合部45L、45Rに係合させる係合位置P1と被係合部126Cを係合部45L、45Rから離脱させる離脱位置P2とに位置変更可能である。
【0157】
上記の構成によれば、片持ち支持されたロック体126の固定端である一端部と自由端である他端部との間にある中間部に被係合部126Cが設けられている。このため、ロック体126の自由端に被係合部126Cが設けられている従来の構成よりも、係合部45L、45Rに対する被係合部126Cの相対位置や相対角度のずれを抑制して、操作部材41の動きをロック又はアンロックするロック機構114の動作精度を向上させることができる。
【0158】
また、駆動部131は、操作支軸34に設けられ且つ操作支軸34と一体回転する連動部132と、連動部132とロック体126とを連結する連結部材133と、を有し、ロック体126は、他端部が連結部材133に当該連結部材133に対して相対回転可能に連結されている。この構成によれば、操作支軸34の回動駆動力を連動部132及び連結部材133によりロック体126に伝達して、ロック体126を係合位置P1と離脱位置P2とに移動させることができる。
【0159】
また、ロック支軸128は、操作支軸34に対して機体2の後方側に配置され、連動部132は、操作支軸34に対して機体2の前方側に配置され、ロック体126と連結部材133とは、操作支軸34の上方で連結されている。然るに、ロック支軸128は、操作支軸34に対して機体2の前方側又は後方側の一方に配置され、連動部132は、操作支軸34に対して機体2の前方側又は後方側の他方に配置され、ロック体126と連結部材133とは、操作支軸34の上方又は下方で連結されていてもよい。この構成によれば、操縦台23の内部の限られたスペースを有効に利用してロック機構114を配置することができる。
【0160】
また、係合部45L、45Rは、操作部材41の基部44L、44Rから操作支軸34の径方向外側へ突出し、且つ当該係合部45L、45Rの先端から操作支軸34側へ窪んだ係合溝46L、46Rを有し、連動部132は、操作支軸34の径方向外側で且つ上方に突出し、連結部材133は、操作支軸34より上方に配置され、ロック支軸128は、操作支軸34より下方で且つ操作支軸34と略平行に配置され、ロック体126は、ロック支軸128の軸心回りに前後方向へ揺動し、被係合部126Cは、ロック体126の中間部から機体2の幅方向に突出し、係合溝46L、46Rに対して係合又は離脱するロックピン126Cから構成してもよい。この構成によれば、ロック体126を回転させることで、ロックピン126Cが係合溝45L、45Rに係合する位置P1と係合溝46L、46Rから離脱する位置P2とにロック体126を容易に位置変更させることができる。
【0161】
また、操縦台23は、運転席6と当該操縦台23との間に設けられた通路を経由して運転者が乗降することを許容する第1位置X1と当該乗降を妨げる第2位置X2とに位置変更可能なロックレバー50を有し、駆動部131は、ロックレバー50を位置変更させるための操作力を駆動力としてロック体126の他端部に伝達して、ロック体126をロック支軸128の軸心回りに回転させてもよい。この構成によれば、ロックレバー50に加わる操作力により、ロック機構114をロック状態とアンロック状態とに容易に切り換えることができる。
【0162】
また、駆動部131は、駆動力を発生させるアクチュエータ139を有してもよい。この構成によれば、アクチュエータ139を駆動することで、ロック機構114をロック状態とアンロック状態とに容易に切り換えることができる。
さらに、作業機1は、機体2の前方に支持された作業装置4と、機体2を走行可能に支持する走行装置3と、操縦台23は、作業装置4と走行装置3とをそれぞれ操作する複数のレバーを有し、そのうち走行装置3を操作する走行レバーを操作部材41が構成してもよい。この構成によれば、ロック機構114により、走行レバー41をロック状態とアンロック状態とに容易且つ適切に切り替えることができる。
【0163】
次に、取付部材240に関連する構成と効果を以下に述べる。
本実施形態にかかる作業機1は、機体2と、機体2内に設けられ、且つ液体を貯留するタンク(作動油タンク)T1と、タンクT1に着脱可能に取り付けられてタンクT1の開口部216を閉塞する蓋体244と、複数の機器201~205、207、210が取り付けられた取付部材240と、を備え、取付部材240と蓋体244とが一体になっている。この構成によれば、蓋体244をタンクT1に取り付けることで、蓋体244と一体になった取付部材240に取り付けられた複数の機器201~205、207、210を、タンクT1に取り付けることができる。このため、従来のようにブラケット等の取付部材をタンクT1に取り付けるためのボス等を予めタンクT1に固定しておく必要がなく、複数の機器201~205、207、210を容易且つ適切にタンクT1に取り付けることができる。
【0164】
また、蓋体244は、当該蓋体244の周端部分に沿って所定の間隔で形成された4つ以上の貫通孔246を有していて、当該貫通孔246に挿通された締結部材217でタンクT1に固定されている。この構成によれば、蓋体244が4本以上の締結部材217でタンクT1に固定されているので、タンクT1に対する蓋体244の組み付け誤差を小さくすることができる。これにより、蓋体244と一体になった取付部材240に取り付けられる機器201~205、207、210の取り付け位置のばらつきを低減することができる。なお、貫通孔246及び締結部材217の数は、5つ以上であることがより好ましく、6つ以上であることがさらに好ましい。
【0165】
また、タンクT1は、作業装置4を作動させるための作動油を貯留する作動油タンクT1であるが、当該作動油タンクT1に代えて、燃料を貯留する燃料タンクT2に蓋体244及び取付部材240を取り付けてもよい。一般に、作動油タンクT1や燃料タンクT2は剛性の高い構成を有している。したがって、上記の構成によれば、取付部材240に取り付けらされる機器201~205、207、210の取り付け位置のばらつきをより低減することができる。
【0166】
また、複数の機器201~205、207、210には、異なる配管系統又は配線系統に設けられた機器が含まれている。一般に、異なる配管系統又は配線系統に設けられる機器はそれぞれ個別のブラケットで機体に搭載される。これに対して、上記の構成によれば、共通の取付部材240を用いて異なる配管系統又は配線系統に設けられた機器201~205、207、210を取り付けることができる。このため、これらの機器201~205、207、210同士の取り付け位置の位置精度を向上させることができる。また、各機器201~205、207、210を取り付ける際の作業性を向上させることができる。
【0167】
また、作業機1は、電流を流す電路320と、流体を流通させる流路230、280、300(作動油流路230、燃料流路280、冷却液流路300)と、を備え、複数の機器201~205、207、210には、電路320に設けられた第1機器203、204、205と、流路230、280、300に設けられた第2機器201、202、207、210と、が含まれ、当該第1機器と第2機器とは、取付部材240に取り付けられている。この構成によれば、電路320により設置位置が制限される第1機器203、204、205と、流路230、280、300により設置位置が制限される第2機器201、202、207、210とを、取付部材240により容易に位置決めして、それらをタンクT1に取り付ける作業性を向上させることができる。
【0168】
また、作業機1は、機体2に搭載されたエンジンから成る原動機Egを備え、流路には、原動機に燃料を供給する燃料流路280が含まれ、第2機器には、燃料流路280に設けられた燃料機器201、202が含まれ、第1機器には、電路320を通った電流が流れる電気機器203、204、205が含まれ、燃料機器201、202と電気機器203、204、205とが取付部材240に取り付けられている。この構成によれば、燃料機器201、202と電気機器203、204、205とを、取付部材240により容易に位置決めして、それらをタンクT1に取り付ける作業性を向上させることができる。取付部材240に
また、燃料機器に含まれる燃料ポンプ202及び燃料フィルタ201、208のうち、燃料ポンプ202及び第2燃料フィルタ201が取付部材240に取り付けられているが、それら燃料機器201、202、208のうち少なくとも一方が取付部材240に取り付けられてもよい。この構成によれば、燃料流路280により設置位置が制限される燃料機器の少なくとも一方を、取付部材240により容易に位置決めして、当該燃料機器をタンクT1に取り付ける作業性を向上させることができる。
【0169】
また、電気機器には、電路320を流れる電流を遮断するアイソレータ203と、電路320に過電流が流れるのを防止するヒューズを内蔵したヒューズボックス204と、が含まれていて、これらが取付部材240に取り付けられているが、そのうち少なくとも一方が取付部材240に取り付けられてもよい。この構成によれば、電路320により設置位置が制限されるヒューズボックス204又はヒューズボックス204を、取付部材240により容易に位置決めして、それらをタンクT1に取り付ける作業性を向上させることができる。また、電気機器に含まれるタイマ205も取付部材240により容易に位置決めして、それをタンクT1に取り付ける作業性を向上させることができる。
【0170】
また、流路には、冷却液が流れる冷却液流路300が含まれ、冷却液流路300に設けられた冷却機器には、冷却液を貯留するリザーブタンク206が含まれ、取付部材240は、リザーブタンク206を一方向に拘束しているが、取付部材240は、リザーブタンク206を二方向以上に拘束してもよい。この構成によれば、リザーブタンク206を周囲の機器203や取付部材240の他の部分などと干渉しないように容易に位置決めして、リザーブタンク206の取り付けの作業性を向上させることができる。
【0171】
また、複数の機器201~205、207、210には、電流が流れる電路320に設けられた電気機器203、204、205、燃料流路280に設けられた燃料機器201、202、作動油流路230に設けられた油圧機器210、及び冷却液を通す冷却液流路300に設けられた冷却機器207のうち、2種類以上の機器が含まれている。この構成によれば、電路、燃料流路280、作動油流路230、又は冷却液流路300により設置位置が制限される複数の機器201~205、207、210を、取付部材240により容易に位置決めして、それらをタンクT1に取り付ける作業性を向上させることができる。
【0172】
さらに、取付部材240は、複数の機器201~207、210、Btを支持して少なくとも一方向に拘束する複数の支持部251~259を有し、当該支持部251~259には、流路に設けられた機器(リザーブタンク206や作動油タンクT1や油圧機器等)に接続されたホース207、210用のホース支持部257が含まれている。この構成によれば、複数の機器201~207、210、Btを取付部材240により容易に位置決めすることができる。また、そのうちホース207、210を機体2内に適切に配策することができる。
【0173】
以上、本発明について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0174】
1 作業機
2 機体
4 作業装置
201 第2燃料フィルタ(燃料機器、第2機器)
202 燃料ポンプ(燃料機器、第2機器)
203 アイソレータ(電気機器、第1機器)
204 ヒューズボックス(電気機器、第1機器)
205 タイマ(電気機器、第1機器)
206 リザーブタンク(冷却機器、第2機器)
207 ホース(冷却機器、第2機器)
210 ホース(油圧機器、第2機器)
216 開口部
217 締結部材
230 作動油流路(流路)
240 取付部材
244 蓋体
246 貫通孔
251 電気機器支持部
252 燃料機器支持部
253 電気機器支持部
254 燃料機器支持部
255 電気機器支持部
256 タンク支持部
257 ホース支持部
258 ホース支持部
259 第2バッテリ支持部
280 燃料流路(流路)
300 冷却液流路(流路)
320 電路
Bt バッテリ(電気機器、第1機器)
Eg 原動機
T1 作動油タンク
T2 燃料タンク