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特許7516258タッチパネル、タッチモジュール及びタッチパネルのクラックの検出方法
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  • 特許-タッチパネル、タッチモジュール及びタッチパネルのクラックの検出方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】タッチパネル、タッチモジュール及びタッチパネルのクラックの検出方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20240708BHJP
【FI】
G06F3/041 662
G06F3/041 450
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020560904
(86)(22)【出願日】2019-12-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-28
(86)【国際出願番号】 CN2019127169
(87)【国際公開番号】W WO2020143430
(87)【国際公開日】2020-07-16
【審査請求日】2022-11-09
(31)【優先権主張番号】201910016302.0
(32)【優先日】2019-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】511121702
【氏名又は名称】成都京東方光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHENGDU BOE OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1188,Hezuo Rd.,(West Zone),Hi-tech Development Zone,Chengdu,Sichuan,611731,P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】▲ゴン▼ ▲慶▼
(72)【発明者】
【氏名】牛 文▲驍▼
【審査官】赤坂 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0342185(US,A1)
【文献】特開2016-103283(JP,A)
【文献】特開2019-117315(JP,A)
【文献】特開2006-038988(JP,A)
【文献】特開2018-092158(JP,A)
【文献】特開2016-208020(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041-3/047
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチ領域と、前記タッチ領域を囲む周辺領域とを含むタッチパネルであって、前記タッチ領域の少なくとも一側の周辺領域には、回路基板をボンディングするためのボンディング領域が含まれ、
前記ボンディング領域には、少なくとも1つのテストピン群が設置され、
前記少なくとも1つのテストピン群のそれぞれは、短絡線によって短絡される2つのテストピンを含み、
前記短絡線は、前記ボンディング領域の外側まで延び
前記タッチパネルは、前記ボンディング領域が位置するスロット領域を有し、
前記スロット領域におけるボンディング領域以外の位置は、異形状のスロット領域であり、
前記短絡線は、前記異形状のスロット領域を通過して前記スロット領域以外の周辺領域に延びる
タッチパネル。
【請求項2】
前記タッチパネルは、複数のタッチトレースを含み、
前記ボンディング領域には、複数のタッチピンが設置され、
前記複数のタッチトレースのそれぞれは、タッチ電極に接続される第1端部と、前記複数のタッチピンのうちの一つのタッチピンに接続される第2端部とを含み、
前記テストピンは、前記複数のタッチピンが形成される領域の外側に設置される
ことを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項3】
前記短絡線は、前記タッチ領域から離れたタッチトレースの一側に設置される
ことを特徴とする請求項に記載のタッチパネル。
【請求項4】
前記短絡線は、前記タッチ領域を囲む
請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項5】
前記少なくとも1つのテストピン群は、
前記ボンディング領域の第1側に設置されるとともに、第1短絡線によって短絡される2つの第1テストピンを含む第1テストピン群と、
前記ボンディング領域における前記第1側に対向する第2側に設置されるとともに、第2短絡線によって短絡される2つの第2テストピンを含む第2テストピン群と、を含む
請求項に記載のタッチパネル。
【請求項6】
前記第1短絡線は、前記異形状のスロット領域まで延びるとともに、前記異形状のスロット領域における縁線に沿って延び、
前記第1短絡線は、前記ボンディング領域の第1側で前記タッチパネルの前記周辺領域まで延びる
請求項に記載のタッチパネル。
【請求項7】
前記第2短絡線は、前記異形状のスロット領域まで延びるとともに、前記異形状のスロット領域における縁線に沿って延び、
前記第2短絡線は、前記ボンディング領域における前記第1側に対向する第2側で前記タッチパネルの前記周辺領域まで延びる
請求項に記載のタッチパネル。
【請求項8】
前記第1短絡線及び前記第2短絡線は、前記周辺領域の全体に延びる
請求項に記載のタッチパネル。
【請求項9】
前記第1短絡線及び前記第2短絡線は、前記周辺領域のコーナーで隣接するが、接触しない
請求項に記載のタッチパネル。
【請求項10】
前記周辺領域において、前記第1短絡線及び前記第2短絡線の延長長さが異なる
請求項に記載のタッチパネル。
【請求項11】
前記短絡線は、前記テストピン群の1つのテストピンから、前記ボンディング領域の外側に延びて前記テストピン群の他の1つのテストピンに接続される経路を有する
ことを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項12】
前記短絡線は、互いに平行になる2つのトレースを含み、
前記2つのトレースは、それぞれ2つのテストピンに接続される
ことを特徴とする請求項11に記載のタッチパネル。
【請求項13】
請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のタッチパネルと、タッチ集積回路を設置し、前記タッチパネルにボンディングされる回路基板とを含むタッチモジュールであって、
前記回路基板のボンディング領域には、少なくとも1つのテストピン群が設置され、
前記テストピン群のそれぞれは、2つのテストピンを含み、
前記回路基板を前記タッチパネルにボンディングする場合、前記タッチパネルの2つの検出ピンのそれぞれが前記回路基板の2つの検出ピンに正対する
タッチモジュール。
【請求項14】
請求項13に記載のタッチモジュールを検出するためのタッチセンサのクラックの検出方法であって、
電気信号収集ユニットを利用して、前記回路基板における2つのテストピンの間の電気信号を収集するステップと、
前記電気信号により、前記タッチセンサにクラックが発生したか否かを判断するステップと、を含む
タッチセンサのクラックの検出方法。
【請求項15】
前記電気信号収集ユニットを利用して、延長長さが異なる短絡線を有する複数のテストピン群の間の電気信号を収集するステップと、
前記電気信号により、前記タッチパネルにクラックが発生したか否か及びクラックの発生位置を判断するステップと、をさらに含む
請求項14に記載のタッチセンサのクラックの検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年01月08日に出願した中国特許出願第201910016302.0号に基いて優先権を主張し、当該中国特許出願に開示された内容の全てを本願の一部として援用する。
【0002】
本発明は、表示技術分野に関し、特に、タッチセンサ、タッチモジュール及びタッチセンサのクラックの検出方法に関する。
【背景技術】
【0003】
タッチモジュールは、一般的に、タッチセンサと、タッチ集積回路が設置された回路基板とを含む。タッチセンサは、通常、ボンディング(bonding)技術によりタッチ集積回路が設置された回路基板に接続される。
【0004】
なお、上記の背景技術の部分に記載されている情報は、本発明の背景に対する理解を深めるためのものに過ぎないので、当業者に知られている従来技術を構成しない情報を含むことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許出願公開第2011/0012845号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、タッチセンサ、タッチモジュール及びタッチセンサのクラックの検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、タッチ領域と、前記タッチ領域を囲む周辺領域とを含むタッチパネルを提供する。前記タッチ領域の少なくとも一側の周辺領域には、回路基板をボンディングするためのボンディング領域が含まれる。ここで、前記ボンディング領域には、前記タッチパネルのクラックを検出するための少なくとも1つのテストピン群が設置され、前記少なくとも1つのテストピン群のそれぞれは、短絡線によって短絡される2つのテストピンを含み、前記短絡線は、前記ボンディング領域の外側まで延びる。
【0008】
本発明の一例示的な実施例において、前記タッチパネルは、前記ボンディング領域が位置するスロット領域を有し、前記スロット領域におけるボンディング領域以外の位置は、異形状のスロット領域であり、前記短絡線は、前記異形状のスロット領域を通過して前記スロット領域の外側の周辺領域に延びる。
【0009】
本発明の一例示的な実施例において、前記短絡線は、前記タッチ領域を囲む。
【0010】
本発明の一例示的な実施例において、前記テストピン群は、第1テストピン群及び第2テストピン群を含む。前記第1テストピン群は、前記ボンディング領域の第1側に設置されるとともに、第1短絡線によって短絡される2つの第1テストピンを含む。前記第2テストピン群は、前記ボンディング領域における前記第1側に対向する第2側に設置されるとともに、第2短絡線によって短絡される2つの第2テストピンを含む。
【0011】
本発明の一例示的な実施例において、前記第1短絡線は、前記異形状のスロット領域まで延び、前記異形状のスロット領域における縁線に沿って延び、また、前記第1短絡線は、前記ボンディング領域の第1側の方向に沿って前記タッチパネルの前記周辺領域まで延びる。
【0012】
本発明の一例示的な実施例において、前記第2短絡線は、前記異形状のスロット領域まで延び、前記異形状のスロット領域における縁線に沿って延び、また、前記第2短絡線は、前記ボンディング領域における前記第1側に対向する第2側の方向に沿って前記タッチパネルの前記周辺領域まで延びる。
【0013】
本発明の一例示的な実施例において、前記第1短絡線及び前記第2短絡線は、前記周辺領域の全体まで延びる。
【0014】
本発明の一例示的な実施例において、前記第1短絡線及び前記第2短絡線は、前記周辺領域のコーナーで隣接するが、接触しない。
【0015】
本発明の一例示的な実施例において、前記周辺領域において、前記第1短絡線及び前記第2短絡線の延長長さが異なる。
【0016】
本発明の一例示的な実施例において、前記基板は、偏光シートである。
【0017】
本発明の一態様によれば、上記のタッチパネルと、タッチ集積回路が設置された回路基板とを含むタッチモジュールを提供する。前記回路基板は、前記タッチパネルの上にボンディングされ、前記回路基板のボンディング領域には、少なくとも1つのテストピン群が設置され、前記テストピン群は、2つのテストピンを含み、前記回路基板を前記タッチパネルにボンディングする場合、前記タッチパネルの2つの検出ピンは、それぞれ前記回路基板の2つの検出ピンに正対する。
【0018】
本発明の一態様によれば、上記のタッチモジュールを検出するためのタッチセンサのクラックの検出方法を提供する。前記検出方法は、
【0019】
電気信号収集ユニットを利用して、前記回路基板における2つのテストピンの間の電気信号を収集するステップと、
【0020】
前記電気信号により、前記タッチセンサにクラックが発生したか否かを判断するステップと、を含む。
【0021】
本発明の一態様によれば、前記検出方法は、前記電気信号収集ユニットを利用して、延長長さが異なる短絡線を有する複数のテストピン群の間の電気信号を収集するステップと、前記電気信号により、前記タッチパネルにクラックが発生したか否か及びクラックの発生位置を判断するステップと、をさらに含む。
【0022】
なお、前記一般的な記載及び後述の詳細な記載は、単なる例示的で解釈的な記載であり、本発明を限定しない。
【0023】
以下の図面は、明細書に組み入れて本明細書の一部分を構成し、本発明に該当する実施例を例示するとともに、明細書とともに本発明の原理を解釈するように構成される。なお、以下の記載における図面は、ただ本発明の一部の実施例に過ぎない。当業者は、創造的な労働を付与しない前提で、これらの図面によって他の図面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】関連技術におけるタッチモジュールの構造を示す模式図である。
図2】本発明に係るタッチセンサの一例示的な実施例の構造を示す模式図である。
図3】本発明に係るタッチセンサの他の例示的な実施例の構造を示す模式図である。
図4図3におけるA-A線に沿った断面図である。
図5】本発明に係るタッチセンサの他の例示的な実施例の構造を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照しながら、例示的な実施例をより全面的に説明する。ただし、例示的な実施例は、多種の形態で実施することができるが、ここに記述する実施例に限定されるものではない。逆に、これらの実施例を提供することによって本発明を全面で完全にし、そして、例示的な実施例の思想を全面的に当業者に伝達する。図面において、同一の符号は、同一又は類似する部分を表しているので、それらの詳細な説明を省略する。
【0026】
本明細書において、例えば「上」や「下」などの相対的な用語は、図面に示された一つの構成と他の構成との間の相対的な関係を説明するために使用されるが、これらの用語は、単に便宜上のものであり、例えば、図面に示す例示の方向によるものである。図面に示す装置を反転させてその上下が逆になる場合、前記「上」に位置する構成が「下」に位置する構成になることを理解できる。例えば「高」や「低」や「頂」や「底」や「左」や「右」などの他の相対的な用語も同様の意味を持つ。ある一つの構造が他の構造の「上」に位置する場合、ある一つの構造が他の構造の上に一体的に形成されたり、ある一つの構造が他の構造の上に「直接的」に配置されたり、別の構造により他の構造に「間接的」に配置されたりすることを意味する可能性がある。
【0027】
「1つ」、「一」、及び「前記」という用語は、1つ又は複数の要素/構成要素/などが存在していることを示すために使用されるものである。「含む」及び「備える」という用語は、開放式に含まれることを意味し、且つ、列挙された要素/構成要素以外の要素/構成要素/などをさらに含むことを意味する。
【0028】
図1に示すように、関連技術において、タッチセンサ1と、回路基板2とを含むタッチモジュールの構造を示す模式図である。タッチセンサ1には、テストピン11、12を含むテストピン群が設置される。ここで、テストピン11とテストピン12が短絡される。回路基板2には、テストピン21、22を含むテストピン群が設置される。タッチセンサ1が回路基板2にボンディングされる場合、テストピン11がテストピン21に正対し、テストピン12がテストピン22に正対する。テストピン21とテストピン22との間の電気信号を検出することにより、タッチセンサ1と回路基板2との間のボンディング状態を判断することができる。例えば、テストピン21とテストピン22との間の抵抗が小さいことが検出されると、ボンディング状態が良好であることを示し、テストピン21とテストピン22との間の抵抗が大きいことが検出されると、ボンディング状態が不良であることを示す。しかし、回路基板2をタッチセンサ1にボンディングする過程において、タッチセンサのボンディング領域3(点線枠)の周囲にクラックが発生しやすいので、タッチセンサの正常な機能に影響を与えてしまう。例えば、タッチセンサ1は、ボンディング領域3の周囲において、表示領域4のタッチ電極とタッチセンサの通常のピン13とを接続するための縁線14を有し、縁線14がボンディング領域3の周囲におけるクラックによって破断しやすくなる。
【0029】
これに基づいて、例示的な本実施例は、タッチ領域と、前記タッチ領域を囲む周辺領域とを含むタッチセンサを提供する。前記タッチ領域の少なくとも一側の周辺領域には、回路基板をボンディングするためのボンディング領域が含まれる。ここで、前記ボンディング領域には、前記タッチパネルのクラックを検出するための少なくとも1つのテストピン群が設置され、前記少なくとも1つのテストピン群のそれぞれは、短絡線によって短絡される2つのテストピンを含む。前記短絡線は、前記ボンディング領域の外側まで延びる。図2に示すように、本発明の一例示的な実施例に係るタッチセンサの構造を示す模式図である。前記タッチセンサ5には、タッチ領域(TA)と、回路基板6をボンディングするためのボンディング領域51(点線枠)が設置されている。ボンディング領域51は、タッチ領域TAを囲む周辺領域(PA)に位置することができる。前記ボンディング領域51には、前記タッチセンサ5と前記回路基板6との間のボンディング状態を検出するための第1テストピン群が設置されている。前記第1テストピン群は、第1短絡線713によって短絡される2つの第1テストピン711、712を含む。前記第1短絡線713は、前記ボンディング領域51の外側まで延びる。それに応じて、回路基板6には、2つのテストピン611、612が設置されている。回路基板6をタッチセンサ5にボンディングする場合、テストピン611が第1テストピン711に正対し、テストピン612が第1テストピン712に正対する。
【0030】
例示的な本実施例は、タッチセンサを提供する。前記タッチセンサにおいて、2つのテストピンを短絡するための短絡線は、ボンディング領域の外側まで延びている。ボンディング領域の周囲に位置する第1短絡線にクラックが発生した場合、短絡線が破断されるので、回路基板における2つのテストピンの間の抵抗が無限大になる。本発明に提供されるタッチセンサは、回路基板における2つのテストピンの間の電気信号をテストすることにより、タッチセンサにクラックが発生したか否かを判断することができる一方で、回路基板における2つのテストピンの間の抵抗をテストすることにより、タッチセンサと回路基板との間のボンディング状態を判断することができる。
【0031】
例示的な本実施例において、前記第1テストピン群は、図2に示すように、ボンディング領域の第1側に設置されることができる。前記ボンディング領域51において、前記第1側に対向する第2側には、前記タッチセンサ5と前記回路基板6との間のボンディング状態を検出するための第2テストピン群がさらに設置されることができる。前記第2テストピン群は、第2短絡線723によって短絡される2つの第2テストピン721、722を含むことができる。前記第2短絡線723は、前記ボンディング領域51の外側まで延びる。それに応じて、回路基板6には、2つのテストピン621、622が設置されている。回路基板6をタッチセンサ5にボンディングする場合、テストピン621が第2テストピン721に正対し、テストピン622が第2テストピン722に正対する。2つのテストピン621、622の間の電気信号をテストすることにより、第2短絡線723の位置にクラックが発生したか否かを判断することができる。
【0032】
縁線52が延びているボンディング領域51の一側は、タッチセンサの縁線に破断故障が発生する頻度が高い領域である。例示的な本実施例において、第1短絡線713及び第2短絡線723は、ボンディング領域51において縁線52の延在方向に沿ってボンディング領域51の外側まで延びることができる。第1短絡線713及び第2短絡線723は、図2に示すように、ボンディング領域51から上向き方向に沿って延びる。このような設置により、タッチセンサにおける縁線52が延びるボンディング領域51の一側のクラック状態を重点的に検出することができる。
図2を参照すると、第1短絡線713及び第2短絡線723は、それぞれテストピン群の1つのテストピンから始まりボンディング領域51の外側に延びて、テストピン群の他の1つのテストピンに接続される経路を有する。さらに詳細には、本実施例によれば、第1短絡線713及び第2短絡線723は、それぞれ互いに平行する2つのトレース(trace)を有する。前記2つのトレースは、それぞれ2つのテストピンに接続される。
【0033】
なお、他の例示的な実施例において、ボンディング領域51には、他の数の検出ピン群が設置されることもできる。複数の検出ピン群により、タッチセンサの異なる位置のクラック状態を検出するとともに、タッチセンサのクラック位置を判断することができる。第1短絡線713及び第2短絡線723は、他の方向を沿って、他の方式によりボンディング領域から延びることもできるが、これらは、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0034】
タッチセンサを表示モジュールに集積する場合、基板に貼合される必要がある。上記の基板は、タッチセンサの集積方式によって、偏光シート、保護ガラスなどであってもよい。例示的な本実施例において、図3、4に示すように、図3は、本発明に係るタッチセンサの他の例示的な実施例の構造を示す模式図であり、図4は、図3におけるA―A線に沿った断面図である。前記タッチセンサ5は、基板8に貼合される。前記基板8には、スロット領域81が開設されている。前記ボンディング領域51は、前記スロット領域81に形成される。タッチセンサ5におけるスロット領域81に位置し且つボンディング領域51以外の位置には、フィルム層が何も貼り付けられていない。本実施例において、図4に示したように、スロット領域81からボンディング領域51を除去することにより異形状の領域を形成することができる。上記異形状の領域を異形状のスロット領域53と呼ぶ。フィルム層が貼り付けられていない当該領域を異形状のスロット領域53と定義する。前記異形状のスロット領域53は、タッチセンサにクラックが発生した頻度が高い領域である。例示的な本実施例において、前記第1短絡線713及び第2短絡線723は、前記異形状のスロット領域53を通過して前記タッチセンサ5と前記基板8との貼合領域まで延びることができる。このような設置により、タッチセンサのボンディング領域51の周囲にクラックが発生したか否かを検出することができ、異形状のスロット領域53にクラックが発生したか否かを検出することもできる。
【0035】
例示的な本実施例において、前記第1短絡線713は、前記スロット領域81における前記縁線52の延在方向に沿って前記異形状のスロット領域53まで延び、且つ、前記ボンディング領域51の第1側の方向に沿って前記タッチセンサ5と前記基板8との貼合領域まで延びることができる。前記第2短絡線723は、前記スロット領域における前記縁線の延在方向に沿って前記異形状のスロット領域まで延び、且つ、前記ボンディング領域の第2側の方向に沿って前記タッチセンサと前記基板との貼合領域まで延びることができる。
【0036】
例示的な本実施例において、タッチセンサ5は、一般的に、表示領域54と、表示領域を囲むエッジ領域55と、を含む。表示領域54には、タッチ電極が設置される。エッジ領域55には、縁線などの素子が設置されることができる。前記第1短絡線及び前記第2短絡線は、前記エッジ領域に沿って延びることにより、タッチセンサの表示領域の正常な機能に影響を与えないことができる。
【0037】
例示的な本実施例において、図5に示すように、本発明に係るタッチセンサの他の例示的な実施例の構造を示す模式図である。前記第1短絡線713及び前記第2短絡線723は、前記エッジ領域55の全体まで延びることができる。すなわち、第1短絡線713及び第2短絡線723は、タッチ領域を完全に囲むようになる。タッチセンサの周囲の任意の位置にクラックが発生して第1短絡線又は第2短絡線が破断された場合にも、上記のような検出方法により、クラックが発生したか否かを判断することができる。
【0038】
例示的な本実施例は、上記のタッチセンサと、タッチ集積回路が設置される回路基板とを含むタッチモジュールをさらに提供する。前記回路基板は、前記タッチセンサにボンディングされる。前記回路基板のボンディング領域には、少なくとも1つのテストピン群が設置される。前記テストピン群は、2つのテストピンを含む。前記回路基板を前記タッチセンサにボンディングする場合、前記タッチセンサの2つの検出ピンは、それぞれ前記回路基板の2つの検出ピンに正対する。
【0039】
例示的な本実施例に提供されるタッチモジュールは、上記のタッチセンサと同様の技術的特徴及び動作原理を有し、上記の内容は、詳細に説明されたので、ここでその詳細な説明を省略する。
【0040】
例示的な本実施例は、上記のタッチモジュールを検出するためのタッチセンサのクラックの検出方法をさらに提供する。前記検出方法は、以下のステップを含む。
【0041】
ステップS1において、電気信号収集ユニットを利用して前記回路基板における2つのテストピンの間の電気信号を収集する。
【0042】
ステップS2において、前記電気信号により、前記タッチセンサにクラックが発生したか否かを判断する。
【0043】
ここで、電気信号収集ユニットは、抵抗検出装置であってもよい。抵抗検出装置が前記回路基板における2つのテストピンの間の抵抗が無限大になることを検出した場合、タッチセンサにクラックが発生したと判断することができる。
【0044】
本発明の一実施例において、上記検出方法は、タッチセンサのクラックの発生位置を検出することもできる。具体的に、上記検出方法は、前記電気信号収集ユニットを利用して、異なる延長長さの短絡線を有する複数のテストピン群の間の電気信号を収集するステップと、前記電気信号により、前記タッチパネルにクラックが発生したか否か及びクラックの発生位置を判断するステップと、をさらに含む。
【0045】
本発明は、タッチセンサ、タッチモジュール及びタッチセンサのクラックの検出方法を提供する。上記タッチセンサの2つのテストピンを短絡するための短絡線は、ボンディング領域の外側まで延びる。タッチセンサのボンディング領域の周囲にクラックが発生した場合、短絡線が破断されるので、回路基板における2つのテストピンの間の抵抗が無限大になる。本発明に提供されるタッチセンサは、回路基板における2つのテストピンの間の抵抗をテストすることにより、タッチセンサにクラックが発生したか否かを判断することができる一方で、回路基板における2つのテストピンの間の抵抗をテストすることにより、タッチセンサと回路基板との間のボンディング状態を判断することができる。
【0046】
当業者は、明細書に対する理解及び明細書に記載された発明に対する実施を介して、本発明の他の実施形態を容易に獲得することができる。本願は、本発明に対する任意の変形、用途、又は適応的な変化を含み、このような変形、用途又は適応的な変化は、本発明の一般的な原理に従い、本発明では開示していない本技術分野の公知知識、又は通常の技術手段を含む。明細書及び実施例は、単に例示的なものであって、本発明の本当の範囲と主旨は、以下の特許請求の範囲によって示される。
【0047】
なお、上述に説明した特徴、構成又は特性は、任意の適切な方式で一つ又は複数の実施形態に組み合わせることができ、可能であれば、各実施例で説明した特徴が交換可能である。以上の説明において、本発明の実施形態の十分な理解を与えるために、多数の具体的な詳細が提供される。しかしながら、当業者が理解すべきのは、特定の細部のうちの一つ又は複数がなくても本発明に係る技術案を実現でき、あるいは、他の方法、ユニット、材料などを採用することができる。他の場合には、本発明の各形態をあいまいすることを避けるように、周知の構成、材料又は操作を詳しく表示や説明しない。
【符号の説明】
【0048】
1 タッチセンサ
2 回路基板
3 ボンディング領域
4 表示領域
5 タッチセンサ
6 回路基板
8 基板
11 テストピン
12 テストピン
13 ピン
14 縁線
21 テストピン
22 テストピン
51 ボンディング領域
52 縁線
53 スロット領域
54 表示領域
55 エッジ領域
81 スロット領域
611 テストピン
612 テストピン
621 テストピン
622 テストピン
711 第1テストピン
712 第1テストピン
713 第1短絡線
721 第2テストピン
722 第2テストピン
723 第2短絡線
PA 周辺領域
TA タッチ領域
図1
図2
図3
図4
図5