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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】容器を処理するための装置および方法
(51)【国際特許分類】
   B67C 7/00 20060101AFI20240708BHJP
   B65G 47/84 20060101ALI20240708BHJP
【FI】
B67C7/00
B65G47/84 B
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020570098
(86)(22)【出願日】2019-09-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-26
(86)【国際出願番号】 EP2019076423
(87)【国際公開番号】W WO2020126139
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2022-08-01
(31)【優先権主張番号】102018132608.4
(32)【優先日】2018-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】508120916
【氏名又は名称】クロネス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クリューガー、ヨッヘン
(72)【発明者】
【氏名】イノバウア、ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】カマール、マーティン
(72)【発明者】
【氏名】ヴォス、クロース
(72)【発明者】
【氏名】ハントシュー、エドゥアルド
(72)【発明者】
【氏名】オメール、ロバート
(72)【発明者】
【氏名】レイス、トビアス
【審査官】西塚 祐斗
(56)【参考文献】
【文献】特開昭60-034391(JP,A)
【文献】特開2018-135179(JP,A)
【文献】特開平05-294392(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02689933(EP,A2)
【文献】独国特許出願公開第04114889(DE,A1)
【文献】欧州特許出願公開第00860385(EP,A1)
【文献】仏国特許出願公開第03064614(FR,A1)
【文献】特開昭59-209595(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67C 7/00
B65G 47/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器(10)を処理するための装置(1)であって、前記装置(1)は、
前記容器(10)を搬送するための少なくとも一つの搬送デバイス(2)と、
所定数の容器(10)を搬送領域(Xa)内の前記搬送デバイス(2)から搬送し、これらの容器(10)を前記搬送デバイス(2)または排出領域(Ya)内のさらなる搬送デバイス(20)に排出するためのハンドリングデバイス(4a)と、
所定数の容器(10)をさらなる搬送領域(Xb)内の前記搬送デバイス(2)から搬送し、これらの容器(10)を排出領域(Yb)内の前記搬送デバイス(2)またはさらなる搬送デバイス(20)に排出するための少なくとも一つのさらなるハンドリングデバイス(4b)と、を有し、
前記ハンドリングデバイス(4a、4b)は、それぞれ、排出された容器(10)が搬送路(Pa、Pb)に沿って移動することのできる、可動キャリア(6a、6b)を有し、
少なくとも一つの処理ステーション(8a、8b)が、前記ハンドリングデバイス(4a、4b)のそれぞれに割り当てられ、
前記容器(10)が前記搬送デバイス(2)から拾い上げられて前記ハンドリングデバイス(4a、4b)へ搬送する間、および/または、前記容器(10)が前記ハンドリングデバイス(4a、4b)から排出されて前記搬送デバイス(2)へ搬送する間に、前記ハンドリングデバイス(4a、4b)の搬送速度を、前記搬送デバイス(2)、および/または、前記さらなる搬送デバイス(20)の搬送速度と同期させることができ、かつ、前記容器が前記搬送デバイス(2)から拾い上げられて前記ハンドリングデバイス(4a、4b)へ搬送された後に、前記ハンドリングデバイス(4a、4b)の前記搬送速度を低減させ得るように、前記ハンドリングデバイス(4a、4b)の搬送速度を制御でき、
前記処理ステーション(8a,8b)は、それぞれ、固定配置されるとともに、前記容器の前記搬送路(Pa、Pb)に対して、前記搬送領域(Xa、Xb)の下流、および/または、前記排出領域(Ya、Yb)の上流に配置され、前記搬送領域(Xa、Xb)の前記容器は、まず前記ハンドリングデバイスに搬送され、下流の処理ステーションに送られ、前記排出領域(Ya、Yb)での処理後、前記ハンドリングデバイスから排出され、処理プロセスの終了後、前記ハンドリングデバイス(4a、4b)は、はじめに搬送デバイスの前記排出領域(Ya、Yb)と同期して動かされるように設定され、さらに前記排出領域が元の前記搬送デバイス(2)の排出領域(Ya)または前記さらなる搬送デバイス(20)の排出領域(Ya)のいずれかであり、さらに、排出ポイントにおいて容器は前記搬送デバイスに排出され、処理された容器が前記搬送デバイスを介して前記装置(1)を出ることを特徴とする、装置(1)。
【請求項2】
ハンドリングデバイス(4)の排出領域(Y)が、ハンドリングデバイス(4)の前記搬送領域(X)と、空間的に一致することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記搬送デバイス(2)が、容器(10)を搬送するための複数の搬送ユニット(22)を備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記搬送デバイス(2)、および/または、さらなる搬送デバイス(20)は、直線搬送デバイスであることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記ハンドリングデバイス(4a、4b)は、前記搬送デバイス(2)上に横方向に配置されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記装置は、所望の機械出力を達成するには必要としないであろう、少なくとも一つの追加的なハンドリングデバイス(4)、および/または、処理ステーション(8)を有することを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記装置(1)は、少なくとも部分的に直線状の搬送デバイスで容器(10)を搬送するための第二搬送デバイス(200)を有し、
前記搬送デバイス(2)は、前記処理ステーション(8)への容器(10)の供給が中断されるように少なくとも一時的にスイッチを切ることができ、
前記第二搬送デバイス(200)は、前記搬送デバイス(2)がスイッチを切られたときでも、入口スターホイール(30)から出口スターホイール(32)へ前記容器(10)を搬送するのに適していることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記装置(1)は、容器(10)を搬送するための第二搬送デバイス(200)を備え、第二搬送デバイス(200)は、同時に、前記容器(10)を回転させるための回転手段であり、前記第二搬送デバイス(200)の曲がり部分に沿って前記容器(10)をガイドすることによって前記容器(10)を回転させることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記ハンドリングデバイス(4)、および/または、前記処理ステーション(8)は、少なくとも一時的にスイッチを切ることができ、前記容器(10)は、前記ハンドリングデバイス(4)によって引き継がれることなく、前記搬送デバイス(2)に沿って搬送できることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記ハンドリングデバイス(4)は、それぞれが容器(10)を受け取るのに適している、少なくとも二つのハンドリングユニット(40)を備え、前記ハンドリングユニット(40)は共通のキャリア上に配置され、このキャリアと一緒に交換可能であることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
搬送デバイス(2)が容器(10)を搬送する、容器(10)の処理方法であって、ハンドリングデバイスが搬送領域(Xa)内の搬送デバイス(2)から所定数の容器(10)を引き継ぎ、搬送路(Pa)上を移動し、排出領域(Ya)内の搬送デバイス(2)またはさらなる搬送デバイス(20)に排出し、
さらなる搬送領域(Xb)にある少なくとも一つのさらなるハンドリングデバイス(4b)が搬送デバイス(2)から所定数の容器(10)を引き継ぎ、搬送路(Pb)上を移動し、さらなる排出領域(Yb)で前記搬送デバイス(2)またはさらなる搬送デバイス(20)に排出し、
前記ハンドリングデバイス(4a、4b)は、前記容器(10)を前記搬送路(Pa、Pb)上でハンドリングデバイス(4a、4b)に割り当てられた、少なくとも一つの処理ステーション(8a,8b)に搬送し、
前記容器(10)の搬送、および/または、排出の間の前記ハンドリングデバイス(4a、4b)の搬送速度が、前記搬送デバイス(2)、および/または、前記さらなる搬送デバイス(20)の搬送速度と同期し、前記容器の搬送後にハンドリングデバイス(4a、4b)の搬送速度を低減するように制御され、
前記処理ステーション(8a,8b)は、それぞれ、固定配置されるとともに、前記容器の前記搬送路(Pa、Pb)に対して搬送領域(Xa、Xb)の下流、及び/又は、排出領域(Ya、Yb)の上流に配置されており、前記搬送領域(Xa、Xb)の容器が、最初に前記ハンドリングデバイスに搬送され、下流の処理ステーションに送られ、排出領域(Ya、Yb)での処理後、前記ハンドリングデバイスから排出され、処理プロセスの終了後、前記ハンドリングデバイス(4a、4b)は、はじめに搬送デバイスの前記排出領域(Ya、Yb)と同期して動かされるように設定され、さらに前記排出領域が元の前記搬送デバイス(2)の排出領域(Ya)または前記さらなる搬送デバイス(20)の排出領域(Ya)のいずれかであり、さらに、排出ポイントにおいて容器は前記搬送デバイスに排出され、処理された容器が前記搬送デバイスを介して装置(1)を出ることを特徴とする、処理方法。
【請求項12】
前記容器(10)は、前記搬送デバイス(2)、および/または、さらなる搬送デバイス(20)上で、一定の速度で移動することを特徴とする、請求項11に記載の処理方法。
【請求項13】
前記ハンドリングデバイス(4a、4b)の速度が停止状態まで低下され、
それらが停止されたときに、前記処理ステーション(8a、8b)は前記容器(10)を処理することを特徴とする、請求項11または12に記載の処理方法。
【請求項14】
前記搬送デバイス(2)が複数の搬送ユニット(22A、22B)を備え、前記搬送ユニット(22)のそれぞれが容器(10)を搬送し、
全ての搬送ユニット(22)が容器(10)を搬送するわけではないことを特徴とする、請求項11~13に記載の処理方法。
【請求項15】
前記搬送デバイス(2)が複数の搬送ユニット(22A、22B)を備え、前記搬送ユニット(22A、22B)のそれぞれが容器(10)を搬送し、
前記容器(10)が前記ハンドリングデバイス(4)に搬送される前に前記容器(10)を搬送する前記搬送ユニット(22A)は、前記容器(10)が前記ハンドリングデバイス(4)から排出された後に前記容器(10)を搬送する前記搬送ユニット(22B)とは別の搬送ユニットであることを特徴とする、請求項11~14のいずれか一項に記載の処理方法。
【請求項16】
前記容器(10)は、この処理ステーション(8a、8b)に割り当てられた前記ハンドリングデバイス(4a、4b)によって、処理プロセスの完了直後に、前記排出領域(Ya、Yb)に搬送されることを特徴とする、請求項11~15のいずれか一項に記載の処理方法。
【請求項17】
前記ハンドリングデバイス(4a、4b)は、搬送移動に加えて、前記容器(10)の持ち上げ移動を実行することを特徴とする、請求項11~16のいずれか一項に記載の処理方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、容器を処理するための装置および方法に関する。従来技術では、このような容器用処理機が主に回転機械として構成されている。この設計は、いくつかの利点を有する。例えば、回転機械では高い機械出力が可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
しかしながら、回転機械にもいくつかの欠点がある。一方では、それらは大きな移動質量を有する。もう一方の欠点は、処理ステーションが回転機械の回転部分に位置することである。したがって、処理ステーション自体および処理媒体(例えば、充填機内の充填媒体、印刷機内のインク等)の両方は、大きな遠心力にさらされる。また、電源や媒体の供給には、複雑な回転トランスミッションが必要である。さらに、回転機械は比較的柔軟ではない。システムの拡張は、困難を伴ってのみ可能となる。また、単一の処理ステーションのみが保守される場合にも、システム全体を停止しなければならない。
【0003】
したがって、本発明の目的は、これらの欠点を有さない装置および方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
これらの目的は、本発明によれば、独立請求項の主題によって達成される。有利な実施形態および改良は、従属請求項の主題である。
【0005】
本発明の容器をハンドリングするための装置は、容器を搬送するための少なくとも一つの搬送デバイスを有する。本発明の装置は、所定数の容器を搬送領域内の搬送デバイスから搬送し、これらの容器を排出領域の搬送デバイスまたはさらなる搬送デバイスに排出するためのハンドリングデバイスを有する。また、本発明の装置は、所定数の容器を別の搬送領域において搬送デバイスから搬送し、これらの容器を別の搬送領域において搬送デバイスまたは別の搬送デバイスに搬送するための、少なくとも一つの別のハンドリングデバイスを有する。ハンドリングデバイスはそれぞれ可動キャリアを有し、このキャリアを用いて、取り外された容器を搬送路に沿って移動させることができる。少なくとも一つの処理ステーションが、それぞれの処理デバイスに割り当てられる。
【0006】
本発明によれば、容器の搬送および/または排出中のハンドリングデバイスの搬送速度を、搬送デバイスおよび/またはさらなる搬送デバイスの搬送速度と同期させることができるように、ハンドリングデバイスの搬送速度を制御できる。本発明によれば、容器搬送後のハンドリングデバイスの搬送速度を低下させることができる。
【0007】
「搬送速度」という用語は、容器が搬送路に沿って移動する速度を指す。
【0008】
有利な実施形態では、搬送速度をゼロに低下させることができる。好ましくは、容器が停止するまで、処理ステーションの領域で容器の速度を低下させることができる。
【0009】
有利には、可動キャリアは回転キャリアである。しかしながら、それは、例えば、旋回キャリアであってもよい。有利には、すべてのハンドリングデバイスが同じ回転方向を有する。好ましくは、ハンドリングデバイスが容器を保持するための、少なくとも一つのハンドリングユニットを有する。ハンドリングデバイスは、特に好ましくは、いくつかのハンドリングユニットを有し、その各々は、容器を保持するのに適している。ハンドリングユニットは、好ましくは容器を保持するための保持デバイスまたは同様のデバイスであり得る。保持デバイスは、容器を把持するネックハンドリングクランプのようなグリッパであることが好ましい。
【0010】
しかしながら、ハンドリングデバイスの他の設計も考えられる。例えば、回転式(リフト式)機構の代わりに、ハンドリングデバイスは、ガントリーシステム、三脚ロボットまたはロボットアームを有して、容器の拾い上げと移送のために連続的に走行する搬送システムと同期させ、次いで、容器を処理ステーションに取り出すこともできる。
【0011】
有利な実施形態では、容器が搬送デバイスによって送込み領域に沿って搬送される。ハンドリングデバイスへの搬送領域は、好ましくはこの送込み領域に沿って配置される。それぞれの処理デバイスは、それ自体の搬送領域を割り当てられると有利である。好ましくは、搬送領域の数がハンドリングデバイスの数と同一である。装置が複数のハンドリングデバイスを有すると有利である。好ましくは、いくつかの搬送領域が搬送デバイスの送込み領域に沿って配置される。
【0012】
好ましい実施形態では、一つまたは複数の容器はこのようにしてハンドリングデバイスに搬送され、他の容器は搬送デバイスによってさらに搬送される。さらに搬送された容器を別のハンドリングデバイスに搬送すると有利である。
【0013】
搬送領域は、正確に規定された空間領域であると有利である。これは、特に、特定のハンドリングデバイスに搬送される各々の容器が、この搬送領域内で搬送されることを意味する。搬送領域は、10cm未満、好ましくは5cm未満、とりわけ好ましくは1cm未満であると有利である。
【0014】
有利な実施形態では、それぞれのハンドリングデバイスが、その搬送領域の送込みから一つまたは複数の容器を取り外す。ハンドリングデバイスは、好ましくは容器を回転移動で取り外す。いくつかの容器がハンドリングデバイスに搬送される場合、これらの容器は、好ましくは搬送領域において、すなわち、実質的に同じ搬送ポイントにおいて、次々に搬送される。あるいは、容器が取り外しデバイス、例えばロボットによって送込みから取り外され、処理ステーションに搬送される。この実施形態では、容器は同じ搬送ポイントで搬送されない。
【0015】
排出領域は、正確に規定された空間領域であると有利である。これは、特に、特別なハンドリングデバイスによって分配された各々の容器がこの排出領域内に分配されることを意味する。排出領域は10cm未満、好ましくは5cm未満、特に好ましくは1cm未満であると有利である。
【0016】
有利な実施形態では、それぞれのハンドリングデバイスがその排出領域において、一つ以上の容器を出口に排出する。ハンドリングデバイスは、好ましくは回転移動を伴って容器を排出する。ハンドリングデバイスがいくつかの容器を排出する場合、これらの容器は、排出領域において、すなわち実質的に同じ排出ポイントにおいて、次々に排出されることが好ましい。あるいは、容器が排出デバイス、例えばロボットによって処理ステーションから取り外され、出口に搬送される。この設計では、容器は同じ搬送ポイントで搬送されない。
【0017】
好ましくは、いくつかの処理ステーションがそれぞれのハンドリングデバイスに割り当てられる。それぞれのハンドリングデバイスは、少なくとも、搬送ポイントで1回のサイクルでハンドリングデバイスに搬送される所定数の容器に対応する数の処理ステーションを有すると有利である。好ましくは、ハンドリングデバイスは、まさにこの個数の処理ステーションを有する。例えば、4つの容器が1回のサイクルでハンドリングデバイスに搬送される場合、このハンドリングデバイスは、好ましくは少なくとも4つの処理ステーションも有する。
【0018】
好ましい実施形態では、処理ステーションは固定配置される。
【0019】
一つの処理ステーションは、有利には少なくとも一つの容器を処理するのに適している。処理ステーションは、例えば、充填および/または閉塞処理、延伸ブロー成形処理、加飾処理、またはコーティング処理のためのステーションであってもよい。延伸ブロー成形処理のための処理ステーションにおける固定配置の利点は、その多くの媒体供給を有する重量物のブロー成形ステーションが、もはや回転ブローホイール上に座らせる必要がなく、単に機械の中に静止して載置できることである。これは、かなりのコスト上の利点をもたらす。加飾処理のための処理ステーションは、例えば、ラベル貼り、および/または、プリントのためのステーションであってもよい。コーティング処理のための処理ステーションは、容器の内側、および/または、外側をコーティングするためのステーションであり得る。特に、プラズマコーティングのためのステーションとすることができる。各処理ステーションは真空チャンバを有すると有利である。好ましくは、デバイスはまた、少なくとも一つの真空ポンプを有する。
【0020】
好ましい実施形態では、処理ステーションが、容器の搬送路に対して搬送領域の下流、および/または、排出領域の上流に配置される。この配置は、処理ステーションの各々について好ましい。この手段は、搬送領域内の容器が最初にハンドリングデバイスに搬送され、下流の処理ステーションに供給され、排出領域内で処理された後、ハンドリングデバイスから排出されることである。
【0021】
有利な実施形態では、ハンドリングデバイスの搬送領域および排出領域が互いに空間的に分離される。好ましくは、排出領域が、搬送領域から出発してハンドリングデバイスが180°回動した後に配置される。
【0022】
時計回りの回転方向については、ハンドリングデバイスの例示的なサイクルは以下のように見える。ハンドリングデバイスは、搬送デバイスと同期して「12時」に回転し、一つ以上の容器を取り除く。後続の容器との衝突領域を離れた後、ハンドリングデバイスは「3時」の位置で停止するまで回転を遅らせる。次に、ハンドリングが行われる。次に、ハンドリングデバイスは「6時」の位置でコンベアの排出領域と同期して、容器または容器を排出できるように加速する。これで、ハンドリングデバイスの回転は、容器なしで「12時」の位置まで継続される。ここで新しいサイクルを開始できる。
【0023】
この実施形態では、ハンドリングデバイスが好ましくは搬送の長円形に沿って、すなわち、容器が長円形の搬送路に沿って移動する搬送デバイス上に配置できる。このとき、ハンドリングデバイスは、例えば、好ましくは搬送長円の内側、すなわち、曲率中心に対向するコンベアの側面に配置され得る。
【0024】
この場合では、搬送長円の第一直線領域において容器をハンドリングデバイスに搬送することが有利である。次いで、容器は、ハンドリングデバイスによって、搬送の長円形の内側に位置する処理ステーションに搬送される。処理後、容器は、ハンドリングデバイスによってさらに搬送され、第一容器に対向する搬送長円の第二直線領域において、容器は搬送デバイスに戻される。この実施形態では、容器が同じ搬送デバイスによって搬送され、処理後に容器に戻されるので、一つのコンベアのみが必要とされる。
【0025】
代替的に、二つの搬送デバイスを使用することができる。この場合では、例えば、ハンドリングデバイスは、二つの異なった搬送長円の、二つの直線領域の間に配置することができる。この場合では、ハンドリングデバイスが一つの搬送デバイスから容器を引き継ぎ、搬送デバイス間の処理ステーションに容器を搬送し、処理後、容器を第二搬送デバイスに搬送できる。そのような実施形態では、容器が搬送されるか、または容器が搬送される二つの搬送デバイスの直線領域は、有利には、互いに並列に配置される。
【0026】
代替の好ましい実施形態では、ハンドリングデバイスの搬送領域および排出領域が互いに空間的に分離されていないが、ハンドリングデバイスの排出領域はハンドリングデバイスの搬送領域と空間的に同一である。したがって、ハンドリングデバイスは、同じ領域内の容器を拾い上げる、または排出するのに有利である。ハンドリングデバイスは、特に好ましくは容器を交互に拾い上げ、排出するのに適している。
【0027】
上述の実施形態では、ハンドリングデバイスは搬送デバイスと二つの接触ポイント(搬送または排出領域)を有するが、この実施形態では、一つの接触ポイントのみが必要とされる。はじめに説明した実施形態では、一方のポイントを調整することが他方のポイントの調整につながるので、より機械的な調整作業が必要となる。代替的に説明される実施形態では、ただ一つの接触ポイントが存在し、これにより、機械の装着および調整が、はるかに容易になる。
【0028】
別々の送込みおよび排出スターホイールの代わりに、この実施形態は有利には一つのスターホイールのみ、または、例えば搬送チェーンなどの、別の好適な搬送デバイスを必要とし、それを介して、容器を搬送デバイスに供給し、そこから排出することができる。
【0029】
好ましい実施形態では、搬送デバイスが、プラスチックのプリフォームを、それらの縦軸に対して所定の、特に均一な向きで搬送するように設計される。有利には、搬送デバイスがそれぞれ一つの容器を搬送するための複数の搬送ユニットを有する。有利には、搬送ユニットは、搬送される容器を保持する保持デバイスまたは同様のものである。好ましくは、ネックハンドリングクランプのようなグリッパが、容器を把持するために使用される。
【0030】
有利な実施形態では、搬送デバイス、および/または、さらなる搬送デバイスは、直線搬送デバイスである。直線搬送デバイスという用語は、搬送が少なくとも部分的に直線であることを意味する。搬送は、曲がった経路上の部分においても行われることを排除するものではない。搬送デバイスは、例えば、搬送長円として設計できる。純粋に直線搬送も考えられる。代替的に、搬送デバイスを搬送カルーセルとして構成することも考えられる。スターカラムの形態の搬送デバイスも考えられる。
【0031】
例えば、直線搬送デバイス、特にコンベアベルト、搬送チェーン、またはリニアモータの手段による個々の搬送を使用できる。したがって、搬送デバイスは、チェーンまたはベルトを基礎としたシステムにできる。あるいは、長い固定子リニアモータシステムの使用も考えられる。
【0032】
好ましい実施形態では、ハンドリングデバイスが搬送デバイスの側面に配置される。処理すべき物体を適当な方法で搬送デバイスから取り外されるように、または処理後に物体を搬送デバイスに排出できるように、ハンドリングデバイスを搬送デバイスに対して配置することが好ましい。
【0033】
少なくとも部分において曲がっている搬送路の場合では、ハンドリングデバイスは、好ましくは曲がりの中心から離れて旋回される搬送デバイスの側面上に配置される。搬送カルーセルの場合では、ハンドリングデバイスが、好ましくは衛星のように、搬送カルーセルの外側に配置される。また、搬送長円の場合にも、搬送長円で囲まれた領域の外側である「外側」に、搬送デバイスを配置すると好ましい。
【0034】
処理ステーションはまた、有利には、搬送デバイスの曲率中心から離れた側に配置される。このようにして、ハンドリングデバイスおよび処理ステーションは、搬送カルーセル/搬送長円の内側ではなく、外部に配置されるので、これらへのより良好なアクセス性を確保することが有利である。
【0035】
ハンドリングデバイスのこの配置は、ハンドリングデバイスの排出領域がハンドリングデバイスの搬送領域と空間的に同一である好ましい実施形態にとって、特に好ましい。
【0036】
有利な実施形態では、一つのハンドリングデバイスの回転軸が、別のハンドリングデバイスにおける回転軸の旋回円内に配置されるように、ハンドリングデバイスの回転軸が配置される。
【0037】
ハンドリングデバイスは、実質的に等距離に配置されることが有利である。「実質的に」という用語は、一方では個々のハンドリングデバイス間の間隔が30%以上、好ましくは20%以上、特に好ましくは10%以上に相違しないことを意味する。
【0038】
しかし、一方で、「実質的に」という用語は、個々のハンドリングデバイス間の距離がこれから著しく逸脱することを排除すべきでないことも意味する。したがって、例えば、「実質的に等距離」という用語は、一方または他方の直線領域におけるハンドリングデバイス間の距離が同じであるが、曲がった領域における搬送デバイス間の距離が他の距離である、あるいは、この搬送領域にハンドリングデバイスが全く配置されていないことも、搬送長円形を有する配置に含まれるべきである。したがって、設計例は、ハンドリングデバイスa~eが搬送長円形の直線領域に配置される「実質的に等距離」という用語にも当てはまり、ハンドリングデバイスeの後に、ハンドリングデバイスなしの搬送長円形の曲がった搬送領域が続き、ハンドリングデバイスf~jがさらなる直線領域に配置される。
【0039】
さらなる好ましい実施形態では、装置が所望の機械出力を達成するために不要である、少なくとも一つの追加のハンドリングデバイス、および/または、処理ステーションを有する。
【0040】
有利には、装置は、通常の動作では使用されない追加のハンドリングデバイス、および/または、処理ステーションを有する。すなわち、可能な実施形態では、機械出力を達成するのに必要なステーションに加えて、一つまたは複数のスペアステーションまたは予備ステーションが設けられる。好ましくは、このスペアステーションまたは予備ステーションが、ハンドリングデバイスおよび少なくとも一つの処理ステーションを含む。
【0041】
この予備ステーションは、通常の動作中に作動されないことが有利である。好ましくは、予備ステーションが故障/欠陥の場合、またはステーションのメンテナンスが必要である場合にのみ起動され、一方、それぞれのステーションは停止される。この利点は、製造ステーションの数が同じままであるので、製造作業を100%出力に維持することができることである。さらに、静止状態にあるステーションは、残りのステーションが生産を続けている間、維持することができ、これは、完全な機械静止状態(例えば、カルーセル機械では不可欠である)と比較して、機械性能のかなりの増大を意味する。
【0042】
すべてのステーションにわたって均一な摩耗を維持するために、予備ステーションを動的に移動させることもできると好ましい。例えば、ステーションaは1時間休止し、ステーションbは次の1時間休止する。したがって、すべてのステーションは、より長い期間にわたって、ほぼ同じ実行時間を有する。
【0043】
代替の実施形態では、装置はまた、所望の機械出力を達成するために実際に必要とされる以上の、一つ以上のステーションを備える。これは、この実施形態であっても、装置がある程度大きすぎることを意味する。例えば、各ステーションが毎時2000容器(bph)を取り扱うことができ、所望の機械出力が40,000bphである実施形態では、装置は20個のステーションの代わりに21個のステーションを装備できる。通常の動作では、21ステーション全てが約1905bphの低減された出力で動作する。一つのステーションが故障した場合、残りの20ステーションの出力は2000bphに増加される。したがって、装置のパフォーマンスは、依然として40000bphであることが可能である。
【0044】
容器は特に、飲料容器、プラスチック容器、プリフォーム、ガラス、缶などであってもよい。
【0045】
有利な実施形態では、装置は、少なくとも部分的に直線搬送デバイスで容器を搬送するための第二搬送デバイスを有する。有利には、第一搬送デバイスは少なくとも一時的に遮断されることができ、その結果、処理ステーションへの容器の供給が中断される。第二搬送デバイスは、第一搬送デバイスのスイッチが切られていても、容器を送込みスターホイールから送出しスターホイールへ搬送するのに好適である。
【0046】
これは、例えば、容器が処理ステーションでコーティングされないために、容器が処理ステーションによって処理されない場合であっても、生産を継続することを可能にする。したがって、容器がコーティングされる処理ステーションを停止し、依然として容器を搬送し続けられる。これにより、例えば、コーティングの生産作業中に通常移動する部品のメンテナンスを特に容易に行うことができる。例えば、コーティングのための一つ以上の処理ステーションが割り当てられている回転キャリアが、回転し続けないことを確実にすることができる。そこで、バイパスを用いて容器をコーティングするためのデバイスを通過させることが、提案されている。
【0047】
有利な実施形態では、第一搬送デバイスと第二搬送デバイスとの間に、容器を第一搬送デバイスから第二搬送デバイスに、および/または第二搬送デバイスから第一搬送デバイスに搬送することができる搬送ポイントがある。特に好ましい実施形態では、容器が搬送ポイントで第二搬送デバイスから第一搬送デバイスに搬送することができ、実質的に同じ搬送ポイントで第一搬送デバイスから第二搬送デバイスに搬送することができる。「実質的に」という語は、搬送が互いにわずかにずれて行われる実施形態も含まれることを理解されたい。
【0048】
第一搬送デバイスと第二搬送デバイスは、有利には、容器が最初に第二搬送デバイスによって距離をおいて搬送され、次に搬送ポイントで第一搬送デバイスに搬送され、第一搬送デバイスによって搬送され、最後に再び搬送ポイントで第二搬送デバイスに搬送され、さらにそれによって搬送されることができるように、互いに関連して配置されている。
【0049】
有利には、搬送ポイントが少なくとも一時的に非アクティブ化することができ、その結果、容器は搬送ポイントが非アクティブ化されたときに第一搬送デバイスに搬送されず、第二搬送デバイス上に留まり、第二搬送デバイスによってさらに搬送することができる。
【0050】
さらなる有利な実施形態では、第二搬送デバイスは容器を回転させるための回転デバイスでもある。容器は、有利には搬送デバイスの曲がり領域に沿って容器をガイドすることによって、回転デバイスによって回転される。
【0051】
容器を回転させることは、容器が直立位置から反転位置へ、および/または、反転位置から直立位置へ回転されることを意味する。直立位置は容器の底が下向きであり、および/または、容器開口が上向きである位置であり、容器の方向は、重力に関して理解される。反転位置とは、底が上を向く容器の位置、および/または、容器開口が下を向く容器の位置である。反転位置は、特に、直立位置から180°回転した位置である。
【0052】
好ましい実施形態では、第二搬送デバイスが円周方向であるように設計される。第二搬送デバイスは、好ましくは容器を直線搬送路に沿って移動させることができる直線領域を有する。有利には、搬送デバイスはまた、少なくとも一つ、好ましくは二つの曲がり領域を有する。直線領域および曲がり領域は、地球のほぼ中心を通って延びる、互いに対する平面、すなわち、水平面に実質的に垂直な平面に配置されると有利である。したがって、曲がり領域が(重力に対して)下方または上方に通じると有利である。
【0053】
好ましくは、第二搬送デバイスが少なくとも一つの曲がり領域、特に好ましくは二つの曲がり領域と同様に、容器が直線領域に沿って移動できるように設計される。容器は、曲がり領域に沿って移動させることによって、第2搬送デバイスをオンにすることができると有利である。
【0054】
しかしながら、他の形態の回転操作も考えられる。例えば、搬送デバイスは、回転可能なクランプを有することもできる。また、回転操作は、直線搬送路上での搬送中に有利に実施できる。
【0055】
有利な実施形態では、第一および/または第二搬送デバイスが連続的に動作する搬送デバイス、すなわち容器を連続的に搬送する搬送デバイスである。有利な実施形態では、容器は一定速度で搬送される。しかしながら、有利な実施形態では、連続搬送は、容器が可変速度で搬送されることを意味する、と理解することもできる。特に、個々の容器を加速または減速させることもできる。
【0056】
有利な実施形態では、第2搬送デバイスが、長い固定子リニアモータを有する。第二搬送デバイスは、有利には個々の容器を搬送できる。第二搬送デバイスは、有利には個々の容器の速度を変化させるのに適している。第二搬送デバイスは、個々の容器間の距離(いわゆる間隔)を変えるのに、特に好適である。
【0057】
代替の実施形態では、第二搬送デバイスが、チェーンまたはベルトを基礎としたシステムである。この実施形態では、容器が有利には複数の搬送ユニットによって個別に搬送される。この実施形態では、容器が好ましくは個々の容器間の距離を変化させることなく、第二搬送デバイスによって一定の速度で搬送される。
【0058】
特に好ましくは、容器がひっくり返されるように、最初に曲がり領域に沿って第二搬送デバイスによって容器がガイドされ得る。第二搬送デバイスは、好ましくは容器が最初に直立位置で拾い上げられ、次に曲がり領域によって反転位置に回転されるように設計される。好ましくは、搬送ポイントが直線断面の領域内に位置する。搬送ポイントは、有利には容器が開口を下向きにして反転位置で搬送される領域に配置される。第二搬送デバイスは、好ましくは搬送ポイントの後、容器が曲がり領域に沿って再び搬送され、直立位置に戻されるように設計される。
【0059】
有利な実施形態では、装置が少なくとも一つ、好ましくは二つの分配型の遅延スターホイールを有する。有利には一つの分配型の遅延スターホイールが第一搬送デバイスの上流に配置され、さらなる分配型の遅延スターホイールが下流に配置される。容器間の距離は、分配型の遅延スターホイールによって、好ましくは毎秒にn番目のみの、搬送デバイス上の搬送ユニットが占有されるような方法で変更できることが有利である。
【0060】
有利な実施形態では、分配型の遅延がロングステータリニアモータ(LLM)によって達成することができる。これは、有利には少なくとも部分的に直線的な搬送デバイスとして設計できる。LLMはまた、有利には、曲がり領域を含むことができる。
【0061】
好ましくは、LLMが搬送スターホイールとして設計することもできる。この実施形態では、容器は、特に好ましくはこのLLM搬送スターホイール外で回転される。これにより、例えば、第一LLM搬送スターホイールを通過した後の、最初の搬送デバイスで初めて容器を回転させることができるであろう。このために、第一搬送デバイスは、例えば回転ユニットを有するトングを有することができる。このとき、第二の回転は、第二LLMコンベアスターホイールに容器が搬送される前に、第一搬送デバイス上で行うことも好ましい。
【0062】
しかしながら、分配型遅延はLLM搬送スターホイール上で行われることも考えられるのであろうが、回転は回転チェーンとして設計された第二搬送デバイス上で行われる。ここで、容器は第一のLLM搬送スターホイールから回転チェーンに搬送され、最初に、曲がった搬送路を上方または下方に通過し、それによって容器が旋回される。次に、それらは、搬送ポイントにおいて、回転チェーンから第一搬送デバイスに搬送されることができる。第一搬送デバイスを通過した後、容器は再び第二搬送デバイスに搬送され、曲がった搬送路を通過し、そこで再び回転されてから、第二LLMコンベアスターホイールに搬送される。
【0063】
代替的に、回転は、送込みおよび送出しスターホイール上で実行することもできる。ここで、一方では、分配型遅延スターホイールをオンにすることができる。しかしながら、分配型遅延スターホイールを、容器を回すことができる、追加の送込みまたは排出スターホイールと組み合わせることもできる。
【0064】
しかしながら、全ての実施形態では、容器の回転処理が、処理ステーションへの搬送の前後の両方で行われることを確実にすると好ましい。したがって、容器は処理ステーションに搬送される前に、常に回転されると好ましい。容器は、好ましくは反転位置で取り扱われるように、直立位置から反転位置に回転される。容器が処理ステーションを出た後、容器を再び回転させると有利である。容器は、第一回転操作の前に元の位置、特に好ましくは直立位置に戻るように回転させることが好ましい。
【0065】
好ましい実施形態では、ハンドリングデバイスおよび/または処理ステーションが少なくとも一時的にスイッチを切ることができ、容器は好ましくは処理ステーションに搬送されることなく、搬送デバイスに沿って搬送できる。有利には、処理ステーションのスイッチを切ることができる。例えば、真空ポンプ、コーティングランス用の駆動装置、およびコーティングガス用のポンプは、コーティングデバイスで遮断することができる。好ましくは、全てのバルブを閉じたままにすることもできる。
【0066】
有利には、容器がハンドリングデバイスによって引き継がれることなく、搬送デバイスに沿って搬送できる。
【0067】
搬送デバイスとハンドリングデバイスとの間の搬送位置は、好ましくはハンドリングデバイスが作動せず、容器がハンドリングデバイスを通過して移動できるように、非作動状態にされる。このために、搬送デバイスとハンドリングデバイスとの間の搬送位置を越えて移動し、搬送機構を非活性化することができる特殊な移動体を設けることができる。装置もまた、活性化移動体を有してもよい。活性化および非活性化移動体は、同じ移動体であっても、異なる移動体であってもよい。移動体が必要とされないときは、移動体または複数の移動体を載置面に載置しておくことが有利である。
【0068】
この実施形態では、搬送デバイスは、好ましくはLLM伸張器として設計される。しかしながら、搬送デバイスがチェーンであることも有利である。搬送ユニットの間隔を変えることができないチェーンであれば、電子ギアを介して搬送ユニットや充填剤などのさらなるデバイスを移動させ得る。
【0069】
この実施形態の肯定的な副作用は、このような装置がブロー機などの上流の機械と、充填機やラベル貼り機などの下流の機械との間の出力の差を補償するための、バッファとしても働くことができることである。
【0070】
容器をハンドリングデバイス、および/または、処理ステーションに押し込む、機械的な力の制御が提供される場合、容器はまた、この規定された搬送路をとることができ、単に処理ステーションで処理されず、例えば、コーティングされず、その後、再び排出される。
【0071】
さらなる有利な実施形態では、ハンドリングデバイスが少なくとも二つのハンドリングユニットを有し、その各々は容器を受け入れるのに適しており、ハンドリングユニットは一般的なキャリア上に配置され、このキャリアと一緒に交換できる。共通のキャリアが回転キャリアであると有利である。
【0072】
さらなる有利な実施形態では、処置ステーションは、ロックレバーとともに、容器の独立した受け入れユニットを有し、アダプタを介して容器固有の処理ユニットに接続することができる。処理ユニットが配置されたアダプタは、受け入れユニット内に軸方向に挿入できることが有利である。好ましくはアダプタのガイド送り移動がロックレバーによって行うことができ、アダプタと受けユニットは、これによって互いに固定することができ、媒体導体および/または電子接点のシールはガイド送り移動中に生成される。
【0073】
この迅速な交換およびロック機構は、プラスチックボトル用の内側のコーティングラインに特に有利である。そのような場合では、処理ユニットが有利には明確に接続され、したがって独立したユニットを形成し、容器固有でガスランス電極およびイグニッション電極からなる。ここで、容器固有の処理ユニットを、片手でのクイックチェンジ・ロック機構によって固定することが有利である。クイックチェンジ・ロック機構は処理チャンバと周囲との間にシールを形成し、それを再度取り除く。一つまたは複数の媒体入口または出口と周囲との間のシールもまた、生成または取り除かれる。また、処理ユニット用電源の作成、解除も可能である。
【0074】
このような変更は手動で、半自動的に、または自動的に行うことができる。
【0075】
処理ユニットは、有利には容器とは独立したアダプタと軸方向に組み立てられる。回転は、好ましくはポジティブロックによって制限され、プラグ接点の正確な位置決めを可能にする。軸方向は、処理ユニットの長手方向を意味する。
【0076】
明確に規定された接続のために、また、起こり得る角度誤差または傾斜した着座を回避するために、処理ユニットとアダプタとの間の接続は、好ましくは例えば、ユニオンナットの形態のねじ蓋を備えている。ユニオンナットには、工具フリーの接合および緩みのためのローレットと同様に、スパナフラットを有利に設ける。
【0077】
アダプタ上に少なくとも一つの媒体チャネルを有すると有利である。少なくとも一つの媒体チャネルおよびチャンバが、シールを有すると有利である。好ましくは、シールがラジアルシール設計で、アダプタ上のOリングの形態で一体化される。チャンバおよび媒体供給のためのシールは、交換可能な部品として設計されたアダプタに取り付けられると有利である。これにより、シールの交換が容易になる。有利には、これにより、直感的な操作が達成され、工具なしでの変更が可能である。この設計はまた、好ましくは、接点を混ぜ合わせることによって不正確な接続を防止する。
【0078】
有利な実施形態では、シール箇所の数を減らすために、いくつかの媒体チャネルを単一のチャネルに併合できる。シール・レベルはシールのための接合力、したがってロックレバーのための力-角度カーブをより均一にするために、並列シフトで配置することができる。
【0079】
有利には、受信ユニットは実質的に直方体である。有利には、受信ユニットが処理チャンバに面する一方の側(以下、「上部」と呼ぶ)に開口を有し、処理ユニットがこの開口を通ってガイドされ得ることが有利であり、受信ユニットは反対側(「底部」と呼ぶ)にも開口を有するか、または開いていると有利である。下側の開口は有利にはアダプタが挿入されるのに十分な大きさであり、アダプタの下側は、受信ユニットで封止することができる。
【0080】
好ましくはロックレバーは受信ユニット(「側壁」)の上側と下側との間にある、受信ユニットの壁上に配置される。好ましくは、ロックレバーは回転可能に取り付けられる。ロックレバーは、有利には二つの係止位置を有する。これらの位置の一つは組み立てられた際に、ロックレバーが処理ユニットと共に、受信ユニットの下側よりも下にほぼ延長される位置である。好ましくは、これは受信ユニットとアダプタとが互いに接続される、「閉」位置である。第2係止位置が、好ましくは受信ユニットとアダプタとを互いに分離することができる、「開」位置である。有利には、「開」位置では、ロックレバーは、「閉」位置に対して実質的に垂直な位置にある。
【0081】
好ましくは、ロックレバーが係合することができるバネ式要素を、ロックレバーが有する。ロック力が調節可能であると有利である。また、ロックレバーにエンドストップまたはエンドストップ機能付きガイド輪郭を設けることもできる。
【0082】
処理ユニットとアダプタが接続された後に、特に上述したように、アダプタと受信ユニットとをクイックチェンジ・ロック機構に接続すると有利である。
【0083】
これにはロックレバーが「開」位置にあると有利である。アダプタを受け入れユニット内に軸方向に挿入すると好ましい。初期回転可能性は、十分な接合距離の後、適切な整形によって遮断されると好ましい。
【0084】
好ましくは、アダプタが少なくとも一つ、好ましくは二つのガイドピンを有する。ロックレバーは、ガイド溝を有すると好ましい。アダプタと受けユニットの軸方向送り中にロックレバーのガイド溝に挿入されるようにガイドピンを配置すると有利である。
【0085】
アダプタは、有利にはラッチ機構によって所定の領域に固定される。この領域は、好ましくは、定義された力を加えることによって克服され、固定から解放され得る。ラッチ力は有利には調整可能である。事前の固定(ラッチング機能)により、部屋内の位置は、影響(重力)を受けなくなる。有利には、ここでは例えば、2本のグリッパフィンガを有する6軸ロボットアームによる、片手操作および/またはロボット支援の変更によって可能である。
【0086】
ここで、ロックレバーを開位置から閉位置に移すことができると好ましい。これにより、アダプタが好ましくはレセプタクルに固定され、および/または半径方向シールがレセプタクルに有利に侵入し、および/または電気接点が差し込まれた状態で、ガイド送り動作が行われる。固定される間、シールと電気接点が自動的に成立すると有利である。固定が解除されると、シールと電気接点が自動的に解除されると有利である。このように、いくつかの機能はロックレバーを操作することによって、したがって片手操作におけるクイックチェンジ・ロック機構、すなわち、固定、封止および接触によって、同時に実施されることが有利である。
【0087】
カム機構は、好ましくは閉位置にあるセルフロックであるように設計することができる。
【0088】
解除処理は、好ましくは逆順に同様に実施される。
【0089】
この実施形態の利点は、アダプタとレセプタクルとの間の結合および解除処理を片手で行うことができる(片手作業)ことである。これは、好ましくないアクセス可能性、限られた設置スペース、または部屋内のランダムな設置方向の場合に、特に有利である。さらなる利点は、シールが容易にアクセス可能であり、交換が容易であり、標準的な構成要素からなることである。
【0090】
適切な成形により、アダプタは、好ましくは、不正確に挿入することはない(回転の可能性を有する軸方向ガイドによる事前調整、ここで、回転は、その後、アダプタのレセプタクルへのさらなる軸方向挿入によって阻止される)。
【0091】
有利な実施形態では、容器が支持要素の手段によって、容器の搬送路Pに垂直に移動される。好ましくは、移動は垂直下方または垂直上方とすることができる。「下」および「上」という用語は、好ましくは重力の方向で理解されるべきである。有利には、この方向は搬送される容器の長手方向に対応する。これはまた、好ましくは、容器が(重力に対して)下向きの開口で搬送されることを含む。このような配向では(重力に対して)下方への移動は、したがって、容器の開口の方向への移動、すなわち、容器の幾何学的形状に対して、通常、「上」と呼ばれる方向への移動を意味する。
【0092】
好ましい実施形態では、ロック要素が支持要素上に配置される。このロック要素は処理ステーションの気密封止に有利である。特に、閉鎖要素は、好ましくは処理ステーションの真空チャンバの気密封止に適している。
【0093】
好ましい実施形態では、それは、真空を発生させるための少なくとも一つの真空デバイスと、容器をプラズマでコーティングするための少なくとも一つの処理ステーションと、を備えた容器をプラズマでコーティングするための装置であって、処理ステーションは、真空デバイスと流体的に接続されており、処理ステーションは、搬送路P上で容器を搬送するためのコンベアデバイスと、少なくとも一つの容器を受け入れるための少なくとも一つの支持要素とともに、容器に挿入することができる少なくとも一つの処理デバイスを備えている。
【0094】
好ましくは、支持要素が容器の搬送路Pに対してゼロとは異なる方向に移動可能であり、容器を処理ステーションに導入するのに適しており、ロック要素は支持要素上に配置され、ロック要素は、処理ステーションを実質的に気密に閉鎖するのに適している。
【0095】
「実質的に気密な」という言葉は、わずかなガス交換しか起こらないことを意味する。ガス交換は、好ましくは、処理ステーションを排気するときに無視できるほど低くなければならない。
【0096】
「導入可能」または「導入される」という用語は常に、それぞれの要素の相対的な移動として理解されるべきである。これは、両方の要素(例えば、処理デバイスおよび容器)が互いに向かって移動することを含むが、要素の一方が静止し、他方のみが移動することも含む。一方の要素のみの移動に関して、特に両方の変形例が含まれ、すなわち、他方の要素は静止している間、第一要素(例えば、処理デバイス)の移動と第二要素(例えば、容器)の移動の両方が含まれる。
【0097】
支持要素は少なくとも一つの容器を保持するのに適しており、この目的で設計されたデバイス(以下、レセプタクルとも呼ばれる)、例えばクランプまたは他の容器保持デバイスを含む。典型的には、これらの容器保持デバイスまたはクランプが、それらが処理ステーションにおける容器処理のために使用され得るように、すなわち、それらが容器処理を妨げないように配置される。特に、クランプは受動的であることができ、すなわち、クランプはいかなる外部の影響もなく、それぞれの状態、すなわち、開いた状態または閉じた状態のままであることができ、その結果、開いた状態と閉じた状態との間の切替えは、切替えのためにのみ必要である。特に、そのような受動的なクランプは、それ自体で容器を保持することができる。他の実施形態では、能動的に制御されたクランプを使用することもでき、このクランプは能動的に閉鎖され、いかなる影響もなく開放されなければならず、またはその逆も同様であり、すなわち、能動的に開放され、いかなる影響もなく閉鎖されなければならない。ホルダは異なるサイズの容器に使用することができるように、高さ調節可能であってもよい。
【0098】
好ましい実施形態では、コンベアデバイスが容器を循環搬送路に沿って移動させるのに適している。コンベアデバイスは、容器を、少なくとも部分において曲がっている搬送路に沿って移動させると有利である。コンベアデバイスは、回転キャリアを有すると好ましい。コンベアデバイスは、一定間隔でピッチ円に沿って配置された容器用のホルダを有する回転カルーセルを互いに有すると有利である。コンベアデバイスは回転機械であると好ましい。
【0099】
好ましくは、コンベアデバイスは、記載されたハンドリングデバイスとすることができる。したがって、容器をコーティングするための本明細書に記載の装置は、少なくとも二つのハンドリングデバイスで容器を処理するための上述の装置と共に使用されることが特に好ましい。
【0100】
有利には、二つ以上の処理ステーションを、コンベアデバイスまたはハンドリングデバイスに割り当てることができる。
【0101】
好ましい実施形態では、処理ステーションが容器の搬送路Pの下または上に配置される。また、処理ステーションは、搬送路の真下または真上に配置されず、搬送路に対して横方向にずれて配置され得る。したがって、例えば、搬送路が少なくとも部分的に円形である場合、処理ステーションを半径方向外向きに、またはさらには内向きにずらすことができる。例えば、搬送路の下の処理ステーションは、半径方向外側にずらすことができる。
【0102】
好ましくは、支持要素が容器の搬送路Pに垂直な方向に移動可能である。容器を処理ステーションに導入するための支持要素の好ましい移動は、下向きまたは上向きである。処理ステーションは特に好ましくは容器の搬送路の下方に配置され、容器を処理ステーションに導入するための支持要素の移動は、好ましくは下方である。支持要素は、有利には容器の開口を下向きにして容器を搬送するように設計されている。容器を処理ステーションに導入するための、支持要素の好ましい移動は、容器の長手方向である。この移動は重力に対しては下方であるが、容器の幾何学的形状に対して上方、すなわち、容器の開口部の方向であると特に好ましい。
【0103】
また、下方または上方への移動、ならびに搬送路に対して横方向の移動が存在することも可能である。これは、例えば、処理ステーションが搬送路の下に配置され、半径方向外側にずれている場合に必要である。この目的のために、装置は、リフト-回転デバイスを備える。このリフト-回転デバイスは、有利にはコンベアデバイスから容器を取り外すのに適している。リフト-回転デバイスは、好ましくはコンベアデバイスから容器を取り外し、処理ステーションの上または下にそれを旋回させる。容器は、有利には、リフト-回転デバイスによって処理ステーション内に、降下される、または持ち上げられる。リフト-回転デバイスは、この移動順序を逆向きに有利に実行することもできる。したがって、リフト-回転デバイスは処理ステーションから容器を持ち上げたり、処理ステーションから降下させたりして、コンベアデバイスに旋回させるのに有利である。持ち上げ移動は、有利には、リニアモータを用いて行うことができる。
【0104】
有利な実施形態では、ロック要素が支持要素上にしっかりと配置される。ロック要素が容器の長手方向に支持要素上に動かないように配置されると有利である。支持要素上のロック要素の固定配置は、支持要素の移動がロック要素の同一の移動につながることを確実にすると有利である。特に、これは、支持要素が上下に移動されるとき、ロック要素が同じ間隔にわたって上下に動かされることを確かにする。このようにして、支持要素を処理ステーションの方向に移動させることによって、同じく移動されるロック要素が、密閉して処理ステーションに適用されることが可能である。
【0105】
好ましい実施形態では、装置は少なくとも一つのシール要素を有する。このシール要素は、有利には処理ステーションとロック要素との間に配置される。好ましくは、各々の処理ステーションまたはロック要素が、少なくとも一つのシール要素を有する。シール要素はランダムなプロファイルを有することができ、かつ、それらのシール面上に弾性材料を有することができると有利である。弾性材料は、特に、ゴム、シリコーン等であってもよい。
【0106】
好ましい実施形態では、減圧デバイスが処理ステーションにおいて100mbar未満、好ましくは10mbar未満、特に好ましくは1mbar未満の負圧を生成するのに適している。0.1~1mbarの圧力領域は、減圧デバイスによって設定されると特に好ましい。
【0107】
好ましい実施形態では、処理デバイスは、処理ステーション内に動かないように配置される。処理ユニットが有利に静止している間、容器内への処理デバイスの挿入移動中に、容器のみが移動すると有利である。
【0108】
有利には、処理デバイスは、細長い棒状要素、特にランスである。好ましくは、処理デバイスは開口を有する。好ましくは、流動性媒体がこれらの開口によって容器に導入され得る。好ましくは、この流動性媒体は、プラズマ処理に適したガスである。この気体は、有利には特にPECVD(=プラズマ化学気相成長法)の場合、シリコン含有前駆体と酸素との混合物であってもよい。しかしながら、他のガス、例えば、いわゆるDLC層の堆積のためのアセチレンも考えられる。プラズマ滅菌のためには、例えば、アルゴンと水蒸気を容器に導入することができる。
【0109】
このガスは、ボトル内に均質に分配される。
【0110】
処理ユニットは、有利にはプラズマ生成のための電極として使用される。プラズマを点火するためのエネルギーは、その後、この処理デバイスを介して高周波の形態で系内に結合し得る。
【0111】
処理ステーションは、好ましくは第二電極を有する。この電極は、有利には、容器の外側に配置することができるが、有利には、容器の内側にも配置することもできる。この第二電極は、第一電極に接地してまたはフローティング可能に接続することができる。
【0112】
別の好ましい実施形態では、プラズマ発生のための電極として働く処理ユニットを省略することができる。有利には、このような実施形態が、電磁場を生成するためのデバイスを有する。有利には、デバイスは、導入された気体中のプラズマを点火するのに適した電磁場を生成するのに適している。この生成された電磁場は、例えば、高周波の場であってもよいが、例えば、マイクロ波であってもよい。このデバイスは、容器の外部に配置されていると有利である。したがって、電磁場は、好ましくは容器の外側から容器内に照射される。
【0113】
有利な実施形態では、処理ステーションは、特にプラズマ処理が終了した後に、処理ステーションを換気できるバルブを有する。
【0114】
さらに、本発明は搬送デバイスが容器を搬送し、搬送領域内のハンドリングデバイスが搬送デバイスから所定数の容器を引き継ぎ、それらを搬送路上で移動させ、排出領域内でそれらを搬送デバイスまたはさらなる搬送デバイスに移送し、さらなる搬送領域内の少なくとも一つのさらなるハンドリングデバイスが搬送デバイスから所定数の容器を引き継ぎ、それらを搬送路上で移動させ、さらなる排出領域内でそれらを搬送デバイスまたはさらなる搬送デバイスに移送し、ハンドリングデバイスが、それぞれ、搬送路上の容器を、ハンドリングデバイスに割り当てられた少なくとも一つの処理ステーションに搬送する、容器を処理するための一方法を対象とする。
【0115】
容器の搬送中および/または排出中のハンドリングデバイスの搬送速度が、搬送デバイスおよび/またはさらなる搬送デバイスの搬送速度と同期し、容器の搬送後にハンドリングデバイスの搬送速度が低下させることができるように、ハンドリングデバイスの搬送速度が制御される。
【0116】
特に、上述した装置は上述した方法を実行するのに適し、かつ、意図されており、すなわち、上述した装置に対して実行される全ての特徴は、本明細書に記載した方法に対しても開示されており、その逆も同様である。
【0117】
好ましい方法は、例えば、以下のとおりである。ハンドリングデバイスは、最初は休止位置にある。それによってハンドリングされる容器が搬送デバイス上に接近すると、すぐにハンドリングデバイスの移動が始まる。有利には、これは回転移動である。ハンドリングデバイスは、搬送デバイスから一定数の容器を取り、処理ステーションで回転を停止する。容器は、各容器が処理ステーションに割り当てられるまで正確に移動されると有利である。「割り当てられ」という用語は、容器が処理ステーションのすぐ近く、例えば、そのすぐ上、下、または隣に位置することを意味する。ハンドリングデバイスが容器を処理ステーションに入れる、および/または、処理ステーションが容器をハンドリングデバイスから取り出すと有利である。
【0118】
処理が完了すると、処理ステーションから容器を取り外すための移動を行うことができる。しかしながら、このような移動は必ずしも必要ではない。充填バルブでは、例えば、容器を排出開口の下に保持しなければならない場合には、このような移動は必要ない。次いで、回転移動は処理された容器を搬送デバイスに排出し、新しい未処理容器を搬送デバイスから拾い上げ始める。サイクルは再び開始する。
【0119】
この装置が適切に機能するためには、ハンドリングデバイスのサイクルシーケンスを適切に決定することが非常に重要である。さもなければ、ハンドリングデバイスが、完成した容器を出口に移したいと思うことが起こり得るが、すでに以前に排出された別の容器によって適当な空間が占有されているので、これは不可能である。これは時間の損失をもたらし、これにより機械出力の低減をもたらす。
【0120】
これを回避するために、ハンドリングデバイスを切替えるのに適したパターンを選択しなければならない。適したパターンに対する有利な要求は、全ての容器が送込み領域の端部で、すなわち、遅くとも最後のハンドリングデバイスで、搬送デバイスから取り外されなければならないことである。
【0121】
個々のハンドリングデバイスの切替えシーケンスは、使用中にできるだけ均等に分配されるように選択されることが好ましい。理想的には、サイクル間に常に同じ時間の間隔があるべきである。
【0122】
好ましい一方法では、搬送デバイスおよび/またはさらなる搬送デバイス上を、容器が一定の速度で移動される。容器の連続的な流れがデバイスに出入りし、処理のみが計時され/静止していると有利である。これは、容器の計時された処理が可能であるが、同時に、(連続的に稼働する)生産ラインへ問題なく統合できるという利点を有する。
【0123】
容器を、好ましくは一定速度で走行する送込みからハンドリングデバイスに移し、または、好ましくは一定速度で走行する出口に排出すると有利である。
【0124】
しかしながら、搬送デバイスの速度は、例えば、容器の流れのギャップを補償するために、または、容器を特定の分割パターンにするために、変化することも考えられる。好ましくは、分割パターンが装置の前方、送込みスターホイール、または搬送デバイスのいずれかに形成されることができる。
【0125】
しかしながら、好ましくは、第一搬送領域、すなわち、最も上流に位置する搬送領域、から運搬速度が一定であり、これは、ハンドリングデバイスが容器の取り外しを開始する場所であるためである。しかしながら、この領域で速度を変化させることも考えられる。特に、時間を節約するために加速フェーズを挿入することができる。これらの加速フェーズは、搬送領域内の容器がいかなる加速も受けないように、搬送領域間に有利に配置される。好ましくは、搬送領域の各々における容器の速度は同一である。
【0126】
有利な方法では、ハンドリングデバイスの速度が静止状態にまで低下する。ハンドリングステーションは、有利には静止中に容器を処理する。ハンドリングデバイスの移動、特に旋回は、好ましくは一つまたは複数の容器が、搬送デバイス(送込み)の容器の流れから取り外され、後続の容器との衝突領域から持ち出されたときに停止される。「衝突領域」という用語は、搬送デバイスによってさらに搬送される後続の容器が、少なくともハンドリングデバイス内の容器と接し得る領域を指す。
【0127】
特殊な場合には、ハンドリングデバイスの(回転)移動を完全に停止するまで遅らせず、その代わりに処理ステーションを低速で通過させることも、役立つことがある。
【0128】
処理プロセスが終了すると、ハンドリングデバイスは再び動かされ、搬送デバイスの出口領域と同期される。これは、元の出口部分であってもよいし、別の搬送デバイスであってもよい。排出ポイントにおいて、容器は次に、搬送デバイスに排出される。処理された容器は、搬送デバイスを介して装置を出る。
【0129】
有利な方法では、搬送デバイスのすべての搬送ユニットが、容器を搬送するわけではない。好ましくは、n番目毎の搬送ユニットのみが搬送デバイスに装填される。これは、特に好ましくは一つおきの搬送ユニットである。したがって、それぞれの装填された搬送ユニットの間には、一つ(または場合によってはいくつか)の空の搬送ユニットがある。搬送ユニットは、特にネックハンドリングクランプとすることができる。
【0130】
n番目の搬送ユニットが装填されるたびにライン速度が上がるため、一方では搬送が早くなり、他方では容器の搬送・排出が1つのポイントでのみ可能になる。
【0131】
これは、例えば、搬送デバイスにおいて一つおきのクランプのみが装填される場合、ウェブ速度は、同じ機械出力に対して2倍にされる。よって、ハンドリングデバイスは、容器をより速く拾い上げて排出できる。回転数が上がるため、1回転するのに要する時間が短くなる。このようにして、より高い機械出力が可能である。
【0132】
このプロセスは、好ましくはハンドリングデバイスの移送領域がハンドリングデバイスの搬送領域と空間的に同一である設計において実行される。
【0133】
有利には、容器がハンドリングデバイスに搬送される前に容器を搬送する搬送ユニットは、容器がハンドリングデバイスから排出された後に容器を搬送する搬送ユニットとは異なった搬送ユニットである。
【0134】
ハンドリングデバイスと搬送デバイスとの間の搬送または排出ポイントでは、これにより、容器は容器搬送中に常に交互に拾い上げられ、排出される。したがって、それぞれのハンドリングデバイスは、その処理された容器を排出し、新しい容器を拾い上げるために、1回だけ回転すればよい。
【0135】
代わりに、処理された容器を排出する間に、それぞれのハンドリングデバイスが回転し、次いで、新たな容器を拾い上げるために、さらなる回転を行うために、より長い搬送時間を受け入れることも考えられる。しかし、これはハンドリング時間に比べて搬送時間が長くなるので、ハンドリングデバイスの能率を低下させることになる。
【0136】
全てのn番目の搬送ユニットのみの装填と、搬送ポイントでの容器のハンドリングデバイスへの同時の搬送および排出のため、ハンドリングデバイスは、好ましくはハンドリングステーションなどのより多くのハンドリングユニットを有していなければならない。ハンドリングデバイスは、処理ステーションのn倍、好ましくは2倍のハンドリングユニットを有すると有利である。
【0137】
好ましくは、容器がそれぞれのサイクルの間、ハンドリングデバイスの他のハンドリングユニットによって交互に引き継がれる。ハンドリングデバイスのハンドリングユニットが連続的にナンバリングされた場合、例えば、偶数番目のハンドリングユニットには第一サイクルで容器が装填され、奇数番目のハンドリングユニットには第二サイクルで装填され、偶数番目のハンドリングユニットには第三サイクルで装填される。
【0138】
しかしながら、処理ステーションは装置内に静止して配置されているので、好ましくは、ハンドリングデバイスは、いくつかの、好ましくは二つの、休止位置をとることができる。休止位置は、サイクルと交互に接近されると好ましい。ハンドリングデバイスの回転移動は容器が処理ステーションのすぐ近くにあるように、それぞれのサイクル中に停止すると有利である。一つおきの搬送ユニットおよび一つおきのハンドリングユニットが占有される具体的な用途では、ハンドリングデバイスが容器を処理ステーションに配置できるようにするために、サイクル毎に交互に接近する二つの位置を有する。
【0139】
ここで、一方のハンドリングデバイスは、他方のハンドリングデバイスよりも小さい一方のハンドリングユニットを有することが好ましい。これは、搬送デバイスの出口において、交互に満-空の装填を伴う容器の流れが連続的に生成されると有利である。ハンドリングデバイスは、それぞれのサイクルの間、処理されていない容器の前後で、交互に処理された容器を搬送デバイスに挿入すると有利である。この変化を有利に補償するために、低減されたハンドリングユニットを有するハンドリングデバイスが必要とされる。
【0140】
有利な方法では、容器が処理プロセスの完了直後に、この処理ステーションに割り当てられたハンドリングデバイスによって排出領域に搬送される。好ましくは、ハンドリングデバイスと搬送デバイスの回路は、各ハンドリングデバイスが処理プロセスの完了後、直ちに処理済み容器を搬送デバイスに搬送し、新たな容器を拾い上げることができるように、相互に連携しているので、不要な待ち時間が発生することがない。
【0141】
容器は処理の完了後、遅滞なく搬送デバイスに戻され、その結果、容器の流れは装置の出口で装置を離れると有利である。有利には、容器の流れは送込みがすでにギャップを有している場合にのみ、装置の出口にギャップを有する。送込みがすでにギャップを有していても、容器の流れにおけるこれらのギャップは、ある程度まで補償されることが考えられる。このためには、例えば、搬送デバイスとして、長い固定子のリニアモータの使用が考えられる。
【0142】
「不良容器」の排除を組み込むこともできる。容器が排除されるときには、容器が好ましくはハンドリングデバイスによって引き継がれずに、送込み領域の端部に搬送される。次に、このポイントで容器を排除することができる。
【0143】
好ましい方法では、容器は、容器が装置を出るのと同じ順序で装置に供給される。
【0144】
好ましくは、個々の容器間、および/または、いくつかの容器からなるバッチ間の距離を変えることができる。低出力でバッチ間の距離を増加させると有利である。
【0145】
有利な方法では、ハンドリングデバイスは、搬送移動に加えて容器の持ち上げ移動を実行できる。好ましくは、ハンドリングデバイスは、回転および持ち上げ移動を行うことができるスター/カルーセルを含む。両方の移動は、クロック方式で行われる。
【0146】
このような持ち上げ移動は、例えば、容器のコーティング機または殺菌デバイスに有利である。容器のコーティング機において、空の(プラスチック)容器は、好ましくは、ガス透過性を低減させるために、内側にコーティングされる。
【0147】
有利には、容器は、コーティングプロセスが行われる処理ステーションの真空チャンバ内への持ち上げ移動によって浸漬される。
【0148】
容器内のコーティングの場合には、容器が容器の流れ(入口)から取り外され、次の容器との衝突領域から持ち出されたときに、ハンドリングデバイスの回転が停止されると好ましい。次に、持ち上げ移動(処理ステーションがハンドリングデバイスの下方に位置するか上方に位置するかに応じて、任意選択で持ち上げ移動または降下移動)が実行されて、コーティングされる容器が処理チャンバ内に供給される。ここで、コーティングプロセスが実施される。次いで、コーティングされた容器は、再びチャンバから持ち上げられるか、または降下される。昇降移動は回転移動に追従せず、それにわずかに重ね合わされることも考えられる。
【0149】
容器内のコーティングの場合には、ハンドリングデバイスが好ましくは未処理の容器を搬送デバイスから取り外し、それらを、実際のコーティング処理が行われる一つまたは複数の真空チャンバ内に配置するが、これは、これが特定の周囲条件下、例えば真空内で行われなければならないからである。容器が挿入された後、真空チャンバを排気すると有利である。プロセスステップの例示的なシーケンスは、以下のように見える。
【0150】
0.5秒:容器をチャンバ内に載置する(降下させるなど)
2秒:チャンバの排気
5秒:コーティングプロセス
1秒:通気
1.5秒:チャンバから容器を取り外し、コーティングされた容器を排出し、新しい容器でステーションに装填する。
【0151】
この例におけるサイクルの持続時間は約10秒である。真空ポンプが必要なのは、時間の20%(10秒のうちの2秒)でしかないことが、分かりやすくなっている。残りの時間は非アクティブである。
【0152】
これは、有利にはいくつかのハンドリングデバイスが、一つのバキュームポンプを共有することによって回避できる。しかしながら、これは、ハンドリングデバイスの対応する好ましいサイクルシーケンスを必要とする。例えば、デバイスaをハンドリングする場合、時間0sでサイクルを開始し、デバイスaをハンドリングする真空ポンプを時間1sで共有するデバイスbをハンドリングすると悪いことになる。これは、時刻1sにおいて、ハンドリングデバイスaがまだ完全に排気されていないためである。これで真空ポンプがハンドリングデバイスbに1秒で接続された場合、デバイスaをハンドリングする真空度が再び悪化する。つまり、圧力が上昇する。このようにした場合、確実な排気を行うことができない。
【0153】
この理由のために、ハンドリングデバイスの切替えシーケンスは、有利にはステーションは真空圧を同時に/重ね合わせる必要がないように、しかし適当な期間で、そのように離れて選択される。したがって、切替えシーケンスおよび切替え時間は、真空ポンプができるだけ均等に使用されるように選択されると、好ましい。
【0154】
一つまたは複数のバキュームポンプは、機械出力(1時間当たりの容器処理量)、容器のピッチ(搬送デバイス上の容器間の間隔)、機械におけるハンドリングデバイスの数、および様々なサイクルの数に応じて、ハンドリングデバイスの適切な幾何学的状態および切替えシーケンスを選択することによって、できるだけ均等に利用できる。
【0155】
好ましくは、これは、搬送デバイスの手段によって搬送路Pに沿って搬送される容器をコーティングするための一方法であり、搬送路Pに対して非ゼロ方向に支持要素によって処理ステーションに導入され、処理デバイスが容器に導入され、処理ステーションは次のステップで退避され、容器はプラズマでコーティングされる。
【0156】
好ましくは、支持要素上に配置されたロック要素が処理ステーションに向かって移動され、ロック要素は本質的に気密性を有する処理ステーションを封止する。
【0157】
この方法は、上述の方法とは独立して使用することもできることに留意されたい。したがって、出願人は、この手法についても同様に保護を請求する権利を留保する。
【0158】
特に、上述の容器をコーティングするための装置は、上述の方法を実行するのに適し、かつ、意図されており、すなわち、上述の容器を処理するための装置のために設計されたすべての特徴は、本明細書に記載の方法のためにも明らかにされ、逆もまた同様である。
【0159】
支持要素の移動のために、ロック要素を処理ステーションに向かって動かすと有利である。
【0160】
容器は、有利には特に内側がプラズマでコーティングされている。この目的のために、気体が処理ユニットを介して容器の内部に入れられる。プラズマ処理に適した気体は、好ましくはボトルに入れられ、ボトル内でできるだけ均質に分配される。容器の内部に導入されたガスは、プラズマが生成されるように点火されると好ましい。この目的のために、例えば、電極を容器内に挿入することができる。次いで、プラズマを点火するためのエネルギーを、この電極を介して高周波の形態でシステム内に結合することができる。
【0161】
容器がプラズマ処理を受けている間、生成された廃ガスは、永久に排気される。処理ステーションは、プラズマプロセスが完了した後にバルブを介して換気されると有利である。
【0162】
好ましい一方法では、コーティング処理の終わりに容器が支持要素を用いて処理ステーションから取り外される。好ましくは、支持要素の助けを借りて処理するために容器が処理ステーション内に降下され、処理後に処理ステーションから持ち上げられる。
【0163】
有利な方法では、排気のために二つの真空ポンプが使用される。第一ポンプは、真空チャンバを第一圧力レベルまで排気する。第二真空ポンプは、好ましくは第一圧力レベルを下回る第二圧力レベルまで真空チャンバを真空排気する。有利には、第二圧力レベルが実際のコーティング処理が行われる圧力レベルに対応する。このようにして、必要とされる排気時間は、有利には二つのポンプの間で次々に分割される。図示の例では、各ポンプが好ましくは約1秒だけ排気する。
【図面の簡単な説明】
【0164】
さらなる利点および実施形態が、添付の図面に示されている。
図1】本発明による装置の実施形態の概略図を示す。
図2】搬送領域の拡大図を示す。
図3】本発明による装置の代替実施形態の概略図を示す。
図4】本発明による方法の実施中の本発明による装置の実施形態の概略図を示す。
図5】予備ステーションを有する本発明による装置の実施形態の概略図を示す。
図6】搬送領域と排出領域とが空間的に同一である本発明による装置の代替的な実施形態の概略図を示す。
図7】リニア搬送デバイスを有する本発明による装置の実施形態の概略図を示す。
図8】搬送カルーセルを有する本発明による装置の一実施形態の概略図を示す。
図9】星形カラムを有する本発明による装置の実施形態の概略図を示す。
図10a】全ての第二搬送ユニットが占有される本発明による装置の実施形態の概略図を示す。
図10b】第二サイクルの間に全ての第二搬送ユニットが占有される本発明の概略図を示す。
図11】送込みスターホイールから搬送デバイスへの搬送領域の拡大図を示す。
図12】別個の送込みおよび送出しスターホイールを有する、本発明による装置の実施形態の概略図を示す。
図13a】例示的なサイズ仕様を有する本発明による装置の実施形態の図を示す。
図13b図13aに示される例の好ましい切替えシーケンスを有する表を示す。
図14a】例示的なサイズ仕様を有する本発明による装置の実施形態のさらなる図を示す。
図14b図14aに示される例のための好ましい切替えシーケンスを有する表を示す。
図15a】例示的なサイズ仕様を有する本発明による装置の実施形態のさらなる図を示す。
図15b図15aに示される例のための好ましい切替えシーケンスを有する表を示す。
図16】容器をコーティングするための処理チャンバの図を示す。
図17】バイパスを有するシステムの概略図を示す。
図18】バイパスを有する本発明による装置の概略図を示す。
図19】バイパスを有する本発明による装置のさらなる概略図を示す。
図20】下流に配置されたさらなる処理デバイスを有する、本発明による装置の概略図を示す。
図21】回転デバイスでもある第二搬送デバイスの図を示す。
図22】閉位置でのクイックチェンジ・ロック機構を示す。
図23】開位置でのクイックチェンジ・ロック機構を示す。
【発明を実施するための形態】
【0165】
同一であるか、または同一の効果を有する本発明の要素には、同一の参照符号が使用される。さらに、明確にするために、それぞれの図の説明に必要な個々の図中の参照番号のみが使用される。図面に示された実施形態は、本発明による装置および方法をどのように設計することができるかの例にすぎず、本発明または本発明の思考の最終的な限定を表すものではない。
【0166】
図1は、本発明による装置1の一実施形態の概略図を示す。そこには、容器10(図示せず)を搬送できる搬送デバイス2が示されている。容器は、送込みスターホイール30から搬送デバイス2に搬送される。装置1はいくつかのハンドリングデバイス4を有する。ハンドリングデバイスは、より良好な区別のために、追加の参照符号a~dでマークされている。したがって、参照符号4aは送込みスターホイールに最も近い、すなわち、最も上流に位置するハンドリングデバイスを指す。4bは後続のハンドリングデバイスを識別し、4cは第三ハンドリングデバイスを識別し、4dは第四および最後のハンドリングデバイスを識別する。このように、文字を付加した参照符号4は実際のハンドリングデバイスを示しているが、参照符号4は、一般に、実際のハンドリングデバイスを区別せずにハンドリングデバイスを示している。同じことが他の参照符号にも当てはまり、そのうちのいくつかは文字を追加して使用され、そのうちのいくつかは文字を追加して使用されない。
【0167】
各ハンドリングデバイスは、回転可能なキャリア6を有する。分かり易くするために、ハンドリングデバイス4aのキャリアのみに参照符号6aがマークされている。各ハンドリングデバイス4はまた、いくつかの、この例では4つのハンドリングユニット40を有し、その各々は、一つの容器10を保持するのに適している。分かり易くするために、ハンドリングデバイス4aのハンドリングユニット40aのみには参照符号がマークされている。
【0168】
図1では、各ハンドリングデバイスの固定された処理ステーション8のすぐ近く(例えば、上方)にハンドリングユニット40がそれぞれ配置される位置に、ハンドリングデバイス4が在る。例えば、ハンドリングデバイス4aは、ハンドリングユニット40aの直下に配置される4つの処理ステーション8aを有し、別々には示されていない。
【0169】
また、各ハンドリングデバイス4は、搬送領域Xと排出領域Yとを有している。搬送領域Xでは、容器10を搬送ユニット2からハンドリングデバイス4に搬送できる。搬送領域Yでは、容器10をハンドリングデバイス4から搬送ユニット2に搬送できる。
【0170】
本発明の方法によれば、4つの容器10が、搬送領域Xaにおいてハンドリングデバイス4aに搬送されることが好ましい。これらの容器に続く10個の容器は、好ましくは連続的な速度で、搬送デバイス2によってさらに搬送される。容器は、搬送領域Xb、XcおよびXdにおけるハンドリングデバイス4b、4cおよび4dにも転送される。ここで、必須ではないが、容器を昇順にハンドリングデバイスに搬送することができる。例えば、容器を、最初にハンドリングデバイス4bに、次に4dに、次に4cに、最後に4aに搬送することも考えられる。また、容器をいくつかのハンドリングデバイス4に同時に搬送することもできる。しかしながら、サイクルシーケンスは有利には常時同じであり、すなわち、容器がハンドリングデバイスに搬送されるシーケンスは、好ましくは同じである。全ての容器が処理されることを確実にするために、サイクルシーケンスは、容器が遅くとも最後の処理デバイス(ここでは4d)に搬送されるよう選択されなければならない。これによれば、搬送デバイス2は、好ましくは図1の右側の曲がり領域に容器を含まないようにするべきである。
【0171】
容器10は、ハンドリングデバイス4に搬送された後、時計回りに回転するキャリア6によって処理ステーション8に搬送され、そこで処理される。処理後、容器10は、ハンドリングデバイス4によって排出ポイントYまでさらに搬送され、そこで搬送デバイス2に搬送される。処理ステーション8a-dにおける処理が同じ時間を要すると有利である。したがって、より早い時間でハンドリングデバイス4に搬送された容器10も、より遅い時間で搬送された容器よりも早い時間で排出される。
【0172】
図2は送込みスターホイール30および搬送領域Xa、Xbを拡大した部分を示しており、また、搬送デバイス2の一部分も見ることができる。容器10は、送込みスターホイール30から搬送デバイス2に搬送される。容器10は、それぞれ4つの容器10のグループ(バッチ)にまとめられている。この例示的な実施形態では、4つの容器の後の容器の流れに隙間がある。図の下端では、ハンドリングデバイス4aおよび4bが部分的に見える。ハンドリングデバイス4aおよび4bでは、搬送領域XaおよびXbも見ることができる。第1容器バッチは、図2の搬送領域Xa上をまっすぐに移動する。これらの容器は、ハンドリングデバイス4aによって引き継がれるのではなく、搬送デバイス2によってさらに搬送される。代わりに、これらの容器は、後のポイントで、以下のハンドリングデバイスの一つに搬送される(図示せず)。図2の下部領域では、ハンドリングユニット40aが処理ステーション8aの位置にも見られる。
【0173】
図3は、本発明による別の装置の概略図を示す。図1および図2に示されるデバイスとは対照的に、この代替装置は、二つの搬送デバイス2または20を有する。搬送デバイス2または20は搬送長円形に形成されており、互いに並列に配置されている。ハンドリングデバイス4は、搬送デバイス2と20との間に配置されている。未処理容器(図示せず)は、搬送デバイス2上を左側から右側(反時計回り)に移動する。図1に示すように、容器(ここでも4つの容器からなるグループ)は、ハンドリングデバイス4に搬送される。あるハンドリングデバイス4a-cによって引き継がれない容器は、搬送デバイス2でこのハンドリングデバイスを通過して搬送される。全ての容器が処理されることを確実にするために、サイクルシーケンスは、容器が遅くとも最後の処理デバイス(ここでは4d)に搬送されるよう選択されなければならない。したがって、ハンドリングデバイス4dを通過して、右側の搬送デバイス2の曲がりを経由して、かつ、左側に戻って搬送される容器は、いかなるものであっても搬送されてはならない。(例外:このポイントで、「不良容器」に対する排除を組み込むことが考えられる。このケースでは、品質要求を満たさない容器が搬送デバイス2からいかなるハンドリングデバイスによっても引き継がれず、搬送デバイス2上でさらに搬送され、適当な位置(例えば、右側から左側に走る搬送系の上部)で搬送デバイス2から排除される。)
【0174】
なお、図3に示す例では搬送路P上でハンドリングデバイス4も時計回りに回転しているが、分かり易くするため、ハンドリングデバイス4a、搬送路Pa、搬送領域Xaおよび搬送領域Yaのみに参照符号を付している。各ハンドリングデバイス4もまた、可動キャリア6、いくつかのハンドリングユニット40および処理ステーション8を有する。また、図3において、全てのハンドリングデバイスは休止位置にあり、ハンドリングユニット40は(詳細には示されていない)処理ステーション8に位置している。分かり易くするため、ここでも全ての参照符号が描かれているわけではない。
【0175】
処理後、容器10は、排出ポイントYで別の搬送デバイス20に排出される。この搬送デバイスもまた、好ましくは反時計回りに移動する。したがって、搬送デバイス20の上部並列領域で排出される容器は、右側から左側に搬送される。
【0176】
図4は、本発明による方法を実施している間での本発明による装置の実施形態を示す。この装置は、図1において既に説明した装置に実質的に対応する。しかしながら、図1とは対照的に、全てのハンドリングデバイス4が処理ステーション8において休止位置にあるわけではないことが分かる。
【0177】
ハンドリングデバイス4a上では、ハンドリングユニット40aは処理ステーション8aのすぐ隣に位置している。ハンドリングデバイス4aに割り当てられた容器10(ハンドリングユニット40aによって搬送されるが、別々には図示されていない)は、図4に示す時点で処理ステーション8によって処理される。このとき、ハンドリングデバイス4aの速度を完全に遅くすることが有利である。
【0178】
一方、ハンドリングデバイス4bでは、第1ハンドリングユニット40bが排出ポイントYbに位置している。したがって、ハンドリングデバイス4bは、すでに処理された容器10を搬送デバイス2に搬送するだけである。ハンドリングデバイス4bの速度は、この時点で搬送デバイス2の速度と同期していると有利である。図4に示される時点において、第一ハンドリングユニット40bは、容器をフリー搬送ユニット22に移送する。ハンドリングデバイス4bおよび搬送デバイス2は、好ましくは次の処理された容器を第二ハンドリングユニット40b内の次のフリー搬送ユニット22に移送できるような速さで移動する。
【0179】
ハンドリングデバイス4dは、図4に示す時刻においてさらに時計回りに回転し続ける。この時点で、ハンドリングデバイス4dは処理済みの容器をすでに全て移送しているので、ハンドリングユニット40dは空であり、容器をガイドしない。ハンドリングデバイス4dの速度は、この時点で比較的自由に選択できる。例えば、速度を一定にし、ハンドリングデバイス4dと搬送デバイス2の速度をこの領域で同期させたままにすることができる。これは、必要とされる制御を単純化する。しかしながら、ハンドリングデバイス4dがこの領域で加速されることも考えられる。これは、例えば、時間を節約するために有用であり得る。例えば、所望のサイクルシーケンスを維持できるように、この領域で速度を低下させることも考えられる。
【0180】
一方、ハンドリングデバイス4cは、ハンドリングユニット40cが搬送領域Xc内に位置している。第一ハンドリングユニット40cはすでに搬送領域Xcを通過し、未処理の容器を拾い上げている。第二ハンドリングユニット40cは、搬送領域Xcの直前に配置され、未処理の容器を拾い上げようとしている。搬送デバイス2とハンドリングユニット4cの速度は、好ましくはこの時点で同期される。次の搬送ユニット22内の容器は、好ましくはそれぞれ次のハンドリングユニット40cに搬送される。
【0181】
図5は、予備ステーションを有する本発明による装置の実施形態を示す。この図は、図4における図面に実質的に対応している。図5において、ハンドリングデバイス4a~4dも図4と同様の位置にある。ただし、図5の装置1にも予備ステーションがある。この予備ステーションは、特にハンドリングユニット40eを有するハンドリングデバイス4eからなる。さらに、処理ステーション8eは、ハンドリングユニット40eの下の固定位置に配置されたハンドリングデバイス4eに割り当てられ、、図5には別々に示されていない。この実施形態では、ハンドリングデバイス4a~dの一つが、例えば、不良または保守が必要とされるために使用できない場合にのみ、容器がハンドリングデバイス4eに搬送される。
【0182】
図6は、搬送領域と排出領域とが空間的に同一である実施形態を示す。この場合、装置1は、出口スターホイール32の役目を同時に引き継ぐことのできる送込みスターホイール30を有する。この例では、スターホイールが時計回りに回転する。未処理容器10は、送込み34(スターホイールの上部領域)を経由して搬送デバイス2に供給される。送込みスターホイールおよび出口スターホイールならびに搬送デバイス2上では、毎秒の搬送ユニット22のみが占有される。空の搬送ユニット22は搬送領域内に小さな線で記号的にマークされ、一方、占有された搬送ユニットは円でマークされる。分かりやすいようマーキングが継続されない場合に、この占有パターンは継続する。
【0183】
容器10は、搬送デバイス2によって反時計回りに搬送される。搬送領域Xでは、容器をハンドリングデバイス4に搬送できる。この場合、ハンドリングデバイス4は、搬送デバイス2の外周に配置されている。ハンドリングデバイス4aによって拾い上げられない容器は、搬送デバイス2などによってさらに搬送される。ハンドリングデバイス4に搬送された容器は、ハンドリングデバイス4によって静止したハンドリングステーション8(図示せず)に搬送される。容器がハンドリングされた後、容器は、ハンドリングデバイス4によって排出領域Y(搬送領域Xに対応する)にさらに搬送される。排出領域Yでは、(処理された)容器10が再び搬送デバイス2に搬送される。処理された容器10(斜線パターン)は、搬送デバイス2を出て、出口スターホイール30/32(出口36)に搬送される。
【0184】
図7は別の配置を示す。ここで、搬送デバイス2は長円形ではなく直線状である。図の左側には入口34があり、右側には出口36がある。ここでも、毎秒の搬送ユニット22のみが容器10を備えている。ハンドリングデバイス4は、直線搬送デバイス2において横方向に配置されている。
【0185】
一例として、ハンドリングデバイス4aが回転可能なキャリア6aを有し、搬送領域Xaが排出領域Yaに対応していることを示す。ハンドリングデバイス4aは、いくつかのハンドリングユニット40a(放射状の線)を有する。毎秒のハンドリングユニット40aは容器10(大円)を備えている。他方のハンドリングユニット40aは、図7では空である。例としても示されているハンドリングデバイス4bは、いくつかのハンドリングユニット40bも有している。ここで、全てのハンドリングユニット40bは空で示されている。しかしながら、処理ステーション8b(小円でマークされている)を認識し得る(例えば、以下に配置される)。ここで、静止したステーションは、毎秒のハンドリングユニット40bの下方にしか位置していないことが分かる。ハンドリングデバイス4a内に配置されている容器10の位置は、処理ステーションの位置に対応する。これは、容器4を拾い上げた後、割り当てられた処理ステーションによって容器10が拾い上げられ得る程度に、ハンドリングデバイス4が正確に回転することを意味する。
【0186】
図8において、搬送デバイス2は、搬送カルーセルとして設計される。ハンドリングデバイス4は、搬送デバイス2の周囲に衛星のように配置されている。容器は、送込み34および送込みスターホイール30を経由して搬送デバイスに供給され、出口スターホイール32および出口36を経由して排出される。この例では、搬送デバイスが時計回りに回転する。
【0187】
図9は、他の実施形態を示す。ここでは、搬送デバイス2はスター形の円柱に形成されている。容器は、再び、送込みおよび排出スターホイール30/32を経由して搬送デバイス2に供給され得る。容器は、時計回りに回転する第一搬送スターホイールによって引き継がれ、さらに反時計回りに回転する第二搬送スターホイールなどに渡される。このようにして、容器は蛇行路を覆う。ハンドリングデバイス4は、搬送スターホイールの列に対して横方向に配置される。
【0188】
図10aおよび図10bは、二つの異なる時間における本発明による装置の同じ実施形態を示す。両図において、搬送デバイス2は、複数の搬送ユニット22を有することが分かる。区別のために、搬送ユニットは、円(22A)または十字(22B)で交互にマークされる。ハッチングされた円は容器10を示す。
【0189】
搬送デバイス2の周囲には、いくつかのハンドリングデバイス4が配置されている。一例として、ハンドリングデバイス4aは、キャリア6aと、いくつかのハンドリングユニット40a(放射線上の円)とを有することが示されている。これらのハンドリングユニット40aは、交互に、容器10によって占有(ハッチングされた円)され、非占有(未充填の円)される。容器10によって占められているハンドリングユニット40aの下には、処理ステーション8a(別々には示されていない)がある。
【0190】
また、ハンドリングデバイス4bは、毎秒ごとに容器10を備えた、いくつかのハンドリングユニット40bから構成されることも一例として示されている。搬送領域Xbと排出領域Ybは対応している。
【0191】
本発明による方法の間、ハンドリングデバイス4bは、例えば、この位置から時計回りに回転する。排出ポイントYbでは、まず第1ハンドリングユニット40bから処理済みの容器10を空の搬送ユニットに排出する。ハンドリングデバイス4bと搬送デバイス2の両方がさらに同期して移動した後、搬送デバイス2は、次の占有された搬送ユニット22から第2(空の)ハンドリングユニット40bへ未処理容器10を搬送する。搬送デバイス2とハンドリングデバイス4bは同期して回転を続ける。また、ハンドリングデバイス4bは、第3ハンドリングユニット40bから次の処理済み容器を搬送して、搬送ユニット22等を非占有状態とする。図からわかるように、搬送ユニット22A(円でマークされている)はしたがって、送込み34において容器で占有され、一方、搬送ユニット22B(十字でマークされている)は、出口36において容器で占有されている。したがって、処理済み容器は搬送ユニット22Bによって搬送され、一方、未処理の容器は、搬送ユニット22Aによって搬送されることを認識することができる。
【0192】
すべてのハンドリングユニット40bが処理済み容器を排出した後、または新しい未処理容器を拾い上げた後、ハンドリングデバイス4bは、容器が装填されたハンドリングユニット40bが処理ステーション8bの上方に配置される位置まで回転し続け、その結果、容器10をそれらの中で処理することができる。したがって、図10aと図10bとの対比が示すように、ハンドリングデバイス4は、二つの異なった休止位置をとる。図10(b)において、例えば、ハンドリングデバイス4bはさらに一つの位置だけ回転される。図10(a)において、最後のハンドリングデバイス40bは容器によって占有され、処理ステーション8bの真上の「9時の位置」にある。しかしながら、図10(b)では、最後のハンドリングユニット40bは非占有であり、最終的なハンドリングユニット40bは占有されている。容器も処理ステーション8bの真上に位置するように、ハンドリングデバイス4bはそれに応じてさらに回転されなければならない。
【0193】
さらに、特別な特徴を見ることができる:ハンドリングデバイスの一つ(ここではハンドリングデバイス4a)は、他のハンドリングデバイス4b-4fよりも少ない一つのハンドリングユニット40aを有する。これは、搬送デバイス2の出口でも、交互に満-空の装填を伴う連続的な容器の流れが生成されるようにするために必要である。それぞれのサイクルの間、処理済みの容器は、搬送デバイス2内で未処理の容器の前後に交互にハンドリングデバイスによって配置される。この変化を補償するためには、ハンドリングユニット40aの個数を減らした一つのハンドリングデバイス4aが必要である。
【0194】
図11は、送込みスターホイール30から搬送デバイス2への送込みまたは搬送デバイスからの出口を拡大して示す。搬送ポイントの両側には、毎秒の搬送ユニット22にのみ容器10を備えている。アンロードされた搬送ユニット22は、線でマークされている。未処理の容器10は塗りつぶされていない円で示されており、処理済みの容器は、ハッチングされた円で示されている。搬送ポイントで、処理済みの容器10がちょうど配置され、これは搬送デバイス2によって送込みおよび排出スターホイール30/32に搬送される。送込みおよび排出スターホイール30/32および搬送デバイス2が回転し続ける場合、搬送デバイス2の非占有搬送ユニット22および未処理容器(現在はいずれも搬送ポイントより上にある)が次に満たされる。したがって、送込みまたは排出スターホイール30/32は、未処理の容器を空の搬送ユニット22に搬送できる。回転が継続すると、次に、搬送デバイス2の処理済み容器10と、送込みおよび排出スターホイール30/32の空き搬送ユニット22とが出会う。これにより、搬送デバイス2は、処理済み容器を送込み排出スターホイール30/32に排出できる。
【0195】
図12は、入口スターホイール30と出口スターホイール32とが別々のスターとして設計された代替実施形態を示す。
【0196】
図13aは例示的な寸法データを有する好ましい実施形態を示し、これは、容器コーティング機に特に有利である。寸法936mm(搬送/排出ポイントX/Y間の距離)、373.68mm(最後の搬送/排出ポイントと搬送長円の曲率開始との距離)およびR400mm(搬送長円の曲率半径)、すなわち、搬送デバイス2に沿ったハンドリングステーションの距離、は特に重要である。この配置と搬送デバイスの経路速度0.8m/s(搬送デバイスに沿った搬送ユニットの分割:120mm)により、1.185秒のサイクル距離が得られる。10ステーションでは、これは10×1.185秒=11.85秒のサイクルタイムをもたらす。
【0197】
例示的なコーティングプロセスでは、減圧チャンバを排気するのに約2秒かかる。ただし、次のハンドリングデバイスは1.185秒後に切替わるため、2台の真空ポンプで排気する。したがって、各ポンプは約1秒排気するだけである。これは、サイクルタイムから利用可能な1.185秒未満であり、したがって、必要に応じた、排気プロセスの時間的なオーバーラップはない。
【0198】
10個のハンドリングデバイスの好ましい切替えシーケンスを図13bに示す。ここで、「S1」という略語はハンドリングデバイス4a、「S2」はハンドリングデバイス4bなどを指す。
【0199】
別の好ましいサイズが図14aに示されており、対応する切替えシーケンスが図14bに示されている。ここでの特別な特徴は、ダブルの真空の供給である。これは、幾何学的条件下では二つのハンドリングデバイスを同時に切替えることができないために必要である。この理由のために、ステーション10~18は、ステーション1~9に対して約0.6秒ずれてサイクルする。
【0200】
別の好ましいサイズが図15aに示されており、対応するスイッチングシーケンスが図15bに示されている。
【0201】
図16は、処理ステーション8を示す。容器10は処理ステーション8に挿入される。それはグリッパ406の助けを借りて支持要素402によって保持される。グリッパ406によって保持された容器10も垂直上方に移動して処理ステーション8から出るように、キャリア要素402は垂直上方に移動できる。
【0202】
処理ステーション8は、固定された基部804および固定された壁806を含む。ロック要素404は、支持要素402上に配置される。これは、支持要素402と共に移動可能である。支持要素402が上方に移動されると、ロック要素404は、処理ステーション8の壁806から持ち上げられる。しかしながら、もし、支持要素402が図示されるように最も低い位置にあるならば、ロック要素404は壁806とともに処理ステーション8を気密に封止する。
【0203】
処理ステーション8はまた処理ユニット800をも含んでおり、処理ユニット800が処理ステーション8に挿入されると、容器10が処理ユニット800上に押し出されるように有利に配置される。処理ユニット800は、容器10の内部にプラズマを有利に導入できるいくつかの開口802を有する。
【0204】
図17は、バイパスを有する本発明による装置1を備えたシステムの概略図を示す。したがって、この図は、例として、本発明による装置1をどのようにして完全なプラントに組み込むことができるかを示す。容器10は、まずプリフォーム(図示せず)として加熱デバイス60を通過し、次に成形デバイス62を通過し、例えばボトルに成形されることが分かる。搬送ユニット64により、容器は、成形ユニット62から容器をコーティングするための装置1の送込みEに搬送され得る。送込みEでは、容器は送込みスターホイール30によって引き継がれる。送込みスターホイール30は、分配型の遅延スターホイールであっても、通常の搬送スターホイールであってもよい。容器10は、送込みスターホイール30から第二搬送デバイス200に搬送される。
【0205】
バイパスモードでは、容器が搬送デバイス200上で出口スターホイール32までさらに搬送される。出口スターホイール32は、分配型の遅延スターホイールまたは通常の搬送スターホイールであり得る。出口スターホイール32から、容器は、出口Aでそれらを下流の充填機に搬送する、さらなる搬送デバイス66に搬送される。
【0206】
コーティングモードでは、容器が搬送ポイントUePで第二搬送デバイス200から第一搬送デバイス2に搬送される。第一搬送デバイスに沿って、6つのハンドリングデバイス4a、4b、4c、4d、4e、4fが図示されている。これらのハンドリングデバイスの各々は第一搬送デバイス2から容器を取り出し、容器がコーティングされる処理ステーションに容器を供給することができる。
【0207】
図18は、バイパスを有する本発明による装置1の概略図を示す。この図面では、容器が一つのデバイスから次に搬送され得る搬送ポイントが、それぞれドットでマークされている。最初の搬送ポイントは、送込みスターホイール30における送込みEである。第二搬送デバイス200も見ることができ、容器が、送込みスターホイール30から、さらなる搬送ポイントUe1で、第二搬送デバイス200に搬送される。Ue2は、容器が第2搬送デバイス200から出口スターホイール32に搬送される搬送ポイントをマークする。Aは出口を示す。第二搬送デバイスと第一搬送デバイスの間の搬送ポイントにはUePがマークされている。さらに考えられる搬送ポイントUe3は、第一搬送デバイス2と異なったハンドリングデバイス4a~4fとの間にある。
【0208】
図19は本発明による装置の表現を示しており、その中で、ハンドリングデバイス4a~4fがより明確に示されている。第一搬送デバイス2は、複数の搬送ユニット22を有することが分かる。区別のために、搬送ユニットは、円(22A)または十字(22B)で交互にマークされる。ハッチングされた円は容器10を示す。
【0209】
搬送デバイス2の周囲には、複数のハンドリングデバイス4が配置されている。なお、ハンドリングデバイス4aについては、搬送領域Xaと排出領域Yaとが対応する例を示している。ハンドリングデバイス4aが、キャリア6aといくつかのハンドリングユニット40a(放射線上の円)とを有していることが、例として示されている。これらのハンドリングユニット40aは、容器10(ハッチングされた円)または非占有(未充填の円)と交互に占有される。これは、説明を容易にするために、ハンドリングデバイス4cにも示されている。ここで、ハンドリングデバイス40cは、処理ステーション8c(別々には図示せず)が容器10によって占有されたハンドリングデバイス40cの下に位置するような位置にある。
【0210】
容器がコーティングされる方法の間、ハンドリングデバイス4aは、例えば、この位置から時計回りに回転する。排出ポイントYaでは、まず、第1ハンドリングユニット40aから空の搬送ユニットに処理容器10を排出する。ハンドリングデバイス4aと搬送デバイス2の両方が同期して移動した後、搬送デバイス2は、次の占有された搬送ユニット22から第二(空の)ハンドリングユニット40aへ、未処理容器10を搬送する。搬送デバイス2とハンドリングデバイス4aは同期して回転し続ける。ハンドリングデバイス4aは、第三ハンドリングユニット40aから次の非占有搬送ユニット22等に次の処理容器を搬送する。したがって、図から分かるように、搬送デバイス2の始めには搬送ユニット22A(円でマークされている)が容器で占有され、搬送デバイスの終わりには搬送ユニット22B(十字でマークされている)が容器で占有されている。したがって、処理済みの容器は搬送ユニット22Bによって搬送され、未処理の容器は搬送ユニット22Aによって搬送されることが分かる。
【0211】
全てのハンドリングユニット40aが処理済み容器を排出し、新しい未処理容器を拾い上げた後、ハンドリングデバイス4aは、容器が装填されたハンドリングユニット40aが処理ステーションの上方に配置される位置まで回転し続け、容器10を処理ステーション内で処理できる。ハンドリングデバイス40cは、例えば、対応する位置にある。
【0212】
また、図19には、第二搬送デバイス200および送込みスターホイール30および出口スターホイール32が示されている。搬送デバイス200は、例えばチェーンであってもよい。この場合では、送込みスターホイール30および出口スターホイール32は、分配型遅延スターホイールとなるであろう。搬送デバイス200が長い固定子のリニアモータを有する場合、送込みスターホイール30および出口スターホイール32は、通常の搬送スターホイールとして設計できる。
【0213】
図20は、搬送デバイス66および充填機68の形態における下流デバイスで容器をコーティングするための、すでに記述された装置を示す。これらのデバイス66および68がバイパスモードでどのように動作するかは、第二搬送デバイスの設計による。長い固定子のリニアモータを有する場合、搬送デバイス200内の容器は搬送ユニット22Aによってのみ搬送でき、デバイス66および68は、依然として、コーティングモードと同様に動作させることができる。この場合では、搬送ユニットの速度は、搬送ユニット22Bがコーティングモードにおいて搬送ポイントUe2に位置する瞬間に、搬送ユニット22Aが搬送ポイントUe2に位置するように、長い固定子のリニアモータの助けを借りて調整する必要があるだけである。
【0214】
一方、第二搬送デバイス200が搬送ユニット間の距離を変化させることができないチェーンである場合、搬送ユニット66および充填機68(点線領域内)は、電子ギアを介してオフセットされなければならない。
【0215】
図21は、回転デバイスでもある第二搬送デバイスの表現を示す。分配型遅延スターホイールとして設計された送込みスターホイール30が見て取れるが、これは容器10を直立位置で第二搬送デバイス200に搬送する。容器は、搬送デバイス200によって曲がり領域の上方に移動される。この移動によって、容器10は反転された位置で第2搬送デバイス200の上方領域に搬送されるように、自動的に回転する。搬送ポイントUePにおいて、容器10は、第二搬送デバイス200から第一搬送デバイス2に搬送される。容器10が第一搬送デバイス2を周回した後、容器10は搬送ポイントUePで第二搬送デバイス200に再び搬送される。容器は、この位置がコーティングに好ましいので、まだ反転された位置にある。容器は、搬送デバイス200の直線区間に沿って搬送された後、曲線区間を下方に運ばれ、それによって、容器10は自動的に直立位置に戻される。この直立位置では、容器10が分配型遅延スターホイールとして設計された出口スターホイール32に搬送される。
【0216】
図22はクイックチェンジ・ロック機構を閉位置で示し、図23はクイックチェンジ・ロック機構を開位置で示す。図23はまた、z軸の周りに90°回転された状態で示されている。
【0217】
受信ユニット1000は、上側に開口を有する。アダプタ2000に接続された処理ユニット1400は、この開口を下から上に通すことができる。処理ユニット1400は、ガスランス5000と点火電極4000とを含む。ユニオンナット6000は、処理ユニット1400とアダプタ2000との接続を、起こり得る角度誤差または傾斜した嵌合に対して固定する。
【0218】
媒体チャネル9000およびチャンバ8000のためのシールは、アダプタ2000上に組み込まれる。参照符号1010は、アダプタ2000上の電気的接点を識別する。
【0219】
アダプタ2000の側面には、対向する2本のガイドボルト7000が配置されている。これらは、ロックレバー3000のガイド溝と相互に作用し得る。
【0220】
ロックレバー3000は、受信ユニット1000に取り付けられる。ロックレバー3000は、取り付け部1100を介して回転可能に取り付けられている。ロックレバーは、ばね荷重要素1200によって係合する。ラッチ機構1300は、アダプタ2000を所定の領域に固定する。
【0221】
出願人は、出願書類に開示された全ての特徴が個々にまたは組み合わせて、先行技術と比較して新規であるという条件で、本質的に発明的であると主張する権利を留保する。さらに、個々の図は、それ自体が有利であり得る特徴も記載していることを指摘しておく。当業者は、図に記載される特定の特徴がこの図からさらなる特徴を採用しなくても有利であり得ることを直ちに認識する。さらに、当業者は、個々の図または異なる図に示されるいくつかの特徴の組み合わせからも利点が生じ得ることを認識する。
【符号の説明】
【0222】
1: 装置
2,20: 搬送デバイス
4(a,b,c,・・・):ハンドリングデバイス
6(a,b,c,・・・):可動キャリア
8(a,b,c,・・・):処理ステーション
10: 容器
22(A,B):搬送ユニット
30: 送込みスターホイール
32: 出口スターホイール
34: 送込み
36: 出口
40(a,b,c,・・・):ハンドリングユニット
60: 加熱デバイス
62: 成形デバイス
64: 搬送デバイス
66: 搬送デバイス
68: フィルタ
200: 第二搬送デバイス
402: 支持要素
404: ロック要素
406: グリッパ
800: 処理デバイス
802: 開口
804: 処理ステーションの基部
806: 処理ステーションの壁
1000: 受信ユニット
1010: 電気的接点
1100: 取り付け部
1200: ばね荷重要素
1300: ラッチ機構
1400: 処理ユニット
2000: アダプタ
3000: ロックレバー
4000: 点火電極
5000: ガスランス
6000: ユニオンナット
7000: ガイドピン
8000: チャンバのためのシール
9000: 媒体チャネルのためのシール
A: 出口
E: 送込み
P(a,b,c,・・・):搬送路
UeP: 搬送ポイント
Ue1,Ue2,Ue3:搬送ポイント
X(a,b,c,・・・):搬送領域
Y(a,b,c,・・・):排出領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10a
図10b
図11
図12
図13a
図13b
図14a
図14b
図15a
図15b
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23