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特許7516315自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブース
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブース
(51)【国際特許分類】
   E04H 1/12 20060101AFI20240708BHJP
【FI】
E04H1/12 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021089440
(22)【出願日】2021-05-27
(62)【分割の表示】P 2020102346の分割
【原出願日】2020-06-12
(65)【公開番号】P2021195865
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2023-03-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000102692
【氏名又は名称】NTN株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087941
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 修司
(74)【代理人】
【識別番号】100112829
【弁理士】
【氏名又は名称】堤 健郎
(74)【代理人】
【識別番号】100155963
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100150566
【弁理士】
【氏名又は名称】谷口 洋樹
(74)【代理人】
【識別番号】100154771
【弁理士】
【氏名又は名称】中田 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100142608
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 由佳
(74)【代理人】
【識別番号】100213470
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 真二
(72)【発明者】
【氏名】奥野 智久
(72)【発明者】
【氏名】赤川 充
(72)【発明者】
【氏名】勝又 龍介
【審査官】須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】特許第3041711(JP,B2)
【文献】特開2011-041765(JP,A)
【文献】中国実用新案第208380156(CN,U)
【文献】特開2016-049009(JP,A)
【文献】特開2006-239027(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0253614(US,A1)
【文献】特開平05-231686(JP,A)
【文献】特開2001-276826(JP,A)
【文献】特許第3799532(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 1/12
E04H 3/08
A61G 10/00-10/02
A61G 12/00
F24F 7/06
C02F 1/467
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底壁、周壁、および天壁を有し輸送可能な外郭ボックスと、
内部を差圧にする排気または吸気装置を有し前記外郭ボックス内に設けられた差圧ブースと、
自然エネルギー発電装置として、風力発電装置、太陽光発電装置、および水力発電装置の少なくとも一つと、前記自然エネルギー発電装置で発電した電力を蓄電するバッテリと、前記バッテリに蓄電された電力を交流商用電源と同じ100Vまたは200Vの単相交流電力または三相交流電力に変換するインバータを有する電源コントローラとを有し、前記外郭ボックスに装備されて前記差圧ブースの前記排気または吸気装置に給電可能な電源装置とを備え
前記差圧ブースが、前記外郭ボックスに対して独立した周囲仕切り体および天井仕切り体を有する自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブース。
【請求項2】
請求項1に記載の自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブースにおいて、前記外郭ボックスが貨物輸送用の規格化されたコンテナである自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブース。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブースにおいて、前記電源装置が、前記風力発電装置および前記水力発電装置のいずれか片方または両方と、前記太陽光発電装置とを有する自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブース。
【請求項4】
請求項3に記載の自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブースにおいて、前記電源装置が、前記外郭ボックスの輸送時にこの外郭ボックス内に収納して輸送可能である自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブース。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブースにおいて、前記電源装置が交流商用電源と接続されて、前記交流商用電源の電力と前記自然エネルギー発電装置の発電電力とを供給可能であり、電力負荷に対して、前記自然エネルギー発電装置の発電電力を前記交流商用電源に対して優先して供給する自然エネルギー発電電力優先使用手段を有する自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブース。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブースにおいて、前記差圧ブースが、フレームと幕とで構成される自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブース。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブースにおいて、前記外郭ボックス内に前記差圧ブースの排気または吸気装置とは別の、電力で稼働する医療用機器を備える自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブース。
【請求項8】
請求項7に記載の自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブースにおいて、前記外郭ボックス内に、前記医療用機器の一つとして除菌電解水供給機を備える自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブース。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブースにおいて、前記差圧ブース内に廃棄物容器を備える自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、貨物輸送用コンテナ等の外郭ボックスに、風力発電装置、太陽光発電装置、水力発電装置等の自然エネルギー発電装置と差圧ブースとを備えた自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、災害時の仮設住宅、工事現場やイベント会場の一時的な建物として利用される簡易建造物として、貨物輸送用コンテナ等の箱体であるハウス本体に、風力発電装置および太陽光発電装置等の自然エネルギー発電装置を備えることが提案されている(例えば、特許文献1)。
前記簡易建造物は、コンテナ等の箱体であるハウス本体を有するため、トラック等による輸送が可能であり、かつ自然エネルギー発電装置を備えることから、商用電源のない場所で使用できる等の優れた利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-190156号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前記簡易建造物は、感染病等に対する隔離や治療等の医療用としての使用を考えた場合、単に隔離することは可能であっても、ウイルスや細菌等の病原体が外部に漏れる恐れがあり、周辺人物や周辺地域に対しての感染予防の機能が不十分である。
【0005】
この発明の目的は、上記課題を解消することであり、簡単かつ迅速に輸送および設置が行え、内部で診察や、検査、感染者の隔離、または検体の保管等が行えて、周辺へのウイルス、細菌等の漏れや、医療従事者等への感染が防止でき、また電源設備の不十分な場所においても電気機器が使用できる自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブースを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブースは、
底壁、周壁、および天壁を有し輸送可能な外郭ボックスと、
内部を差圧にする排気または吸気装置を有し前記外郭ボックス内に設けられた差圧ブースと、
自然エネルギー発電装置として、風力発電装置、太陽光発電装置、および水力発電装置の少なくとも一つと、前記自然エネルギー発電装置で発電した電力を蓄電するバッテリと、前記バッテリに蓄電された電力を交流商用電源と同じ100Vまたは200Vの単相交流電力または三相交流電力に変換するインバータを有する電源コントローラとを有し、前記外郭ボックスに装備されて前記差圧ブースの前記排気または吸気装置に給電可能な電源装置とを備える。前記差圧は、陰圧または陽圧である。
【0007】
この構成によると、輸送可能な外郭ボックスを備えるため、トラック等による輸送が可能で現場への設置が簡単かつ迅速に行える。差圧ブースを備えるため、内部で診察や、検査、感染者の隔離、検体の保管等が行えて、周辺へのウイルス、細菌等の漏れや、医療従事者等への感染が防止でき、感染防止効果に優れる。また、風力発電装置、太陽光発電装置、および水力発電装置の少なくとも一つを有し前記外郭ボックスに装備されて前記差圧ブースの前記排気または吸気装置に給電可能な電源装置を備えるため、交流商用電源等の電源設備がない場所において、差圧ブースの排気または吸気装置や他の医療用機器や照明等への給電が行える。自然エネルギー発電装置で発電するため、ガソリンやガスを用いる発電装置を用いる場合に比べて、排気ガスや騒音の影響が緩和される。
【0008】
前記外郭ボックスは、貨物輸送用の規格化されたコンテナであってもよい。
貨物輸送用の規格化されたコンテナであると、自動車、鉄道、船舶、航空機などの様々な輸送手段を用いて輸送することができる。また、貨物輸送用のコンテナは、堅牢性に優れるため、輸送中の振動や衝撃による収納品の損傷を防止することができる。貨物輸送用のコンテナは堅牢であることによって、外部からの防犯性にも優れる。
【0009】
前記電源装置として、前記風力発電装置および前記水力発電装置のいずれか片方または両方と、前記太陽光発電装置とを有していても良い。
太陽光発電装置は、発電効率や設置の簡易性等の種々の利点を有するが、発電が日照時に限られ、バッテリに蓄電するとしても、太陽光発電装置だけではバッテリ容量や太陽光パネルの設置面積の制限の点から、夜間の電気機器の使用が限られる。風力発電装置や水力発電装置は、太陽光発電装置に比べて高価になるが、夜間でも風や水の流れがあれば発電できる。このため、風力発電装置および水力発電装置のいずれか片方または両方と太陽光発電装置とを併用することで、相互に補えた効率的の電源装置となる。
【0010】
前記電源装置は、前記外郭ボックスの輸送時にこの外郭ボックス内に収納しても、外郭ボックスに外付けした状態で輸送してもよい。
風力発電装置や水力発電装置は凹凸が複雑で立体的な外形であるが、外郭ボックス内に収納して輸送可能とすることで、輸送時の損傷防止や、輸送や保管の便利性に優れる。
【0011】
前記電源装置が前記交流商用電源と接続されて、前記交流商用電源の電力と前記自然エネルギー発電装置の発電電力とを供給可能であり、電力負荷に対して、前記自然エネルギー発電装置の発電電力を前記交流商用電源に対して優先して供給する自然エネルギー発電電力優先使用手段を有していてもよい。
自然エネルギー発電装置の発電電力だけでは、外郭ボックスに装備された医療用等の種々の電気機器を稼働させるには不十分な場合がある。例えば、消費電力の大きい機器を備える場合は、自然エネルギー発電装置の発電電力だけで賄うことは難しい場合がある。このため、交流商用電源がある場所では、交流商用電源を利用することが望ましい。交流商用電源がある場所においても、医療用ブースを多数設置する場合、全ての医療用ブースに充分に給電することが難しい場合がある。そのような場合に、医療用ブースに自然エネルギー発電装置を備えておくことで、限られた交流商用電源の環境下で、満足する給電を行うことができる。また自然エネルギー発電電力優先使用手段を備えることで、自然エネルギー発電を優先的に使用することで、省エネが図れるほか、二酸化炭素の排出削減など環境負荷低減効果がある。
【0012】
前記差圧ブースは、前記外郭ボックスに対して独立した周囲仕切り体および天井仕切り体を有する構成であってもよい。
差圧ブースが外郭ボックスに対して独立した周囲仕切り体および天井仕切り体を有する構成であると、外郭ボックスにあまり加工を施すことなく、市販等の既存の差圧ブースを外郭ボックス内に収め、電気配線をするだけで、外郭ボックス内に差圧ブースを構成でき、差圧ブースの設置が簡単かつ迅速に行える。
【0013】
前記外郭ボックスと独立した差圧ブースが、フレームと幕とで構成されていてもよい。フレームとカーテン等の幕とで構成された差圧ブースは、軽量で運搬や外郭ボックスへの設置がより一層行い易い。そのため、感染急速拡大時等の、多数の医療用ブースの設置が要求される状況下において、自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブースの設置がより迅速に行える。
【0014】
前記差圧ブースは、前記外郭ボックスの内部空間を仕切る仕切り材で構成されていてもよい。
外郭ボックスの内部空間を仕切って差圧ブースとする場合、外郭ボックスの内部空間に無駄が生じにくく、外郭ボックスの内部空間をより有効に利用できる。
【0015】
前記外郭ボックス内に前記差圧ブースの排気または吸気装置とは別の、電力で稼働する医療用機器を備えていてもよい。
医療用機器は電力を必要とする機器が多いが、自然エネルギー発電装置を備えることで、省エネで種々の医療用機器が利用できる。
【0016】
前記外郭ボックス内に、前記医療用機器の一つとして除菌電解水供給機を備えていてもよい。
除菌電解水は除菌効果に優れるため、差圧ブースの使用と相まって、優れた感染防止が行える。
【0017】
陰圧状態にした前記差圧ブース内に廃棄物容器を備えていてもよい。
汚染物を入れる廃棄物容器は、ウイルス等の病原体が漏れる恐れがある。しかし、陰圧状態にした差圧ブース内に廃棄物容器を配置することで、廃棄物容器から陰圧状態にした前記差圧ブースの外部へのウイルス等の漏れを防止することができる。
【発明の効果】
【0018】
この発明の自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブースは、底壁、周壁、および天壁を有し輸送可能な外郭ボックスと、内部を陰圧または陽圧にする排気または吸気装置を有し前記外郭ボックス内に設けられた差圧ブースと、自然エネルギー発電装置として、風力発電装置、太陽光発電装置、および水力発電装置の少なくとも一つを有し前記外郭ボックスに装備されて前記差圧ブースの前記排気または吸気装置に給電可能な電源装置とを備えるため、簡単かつ迅速に輸送および設置が行え、内部で診察や、検査、感染者の隔離、または検体の保管等が行えて、周辺へのウイルス、細菌等の漏れや、医療従事者等への感染が防止でき、また電源設備の不十分な場所においても電気機器が使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1A】この発明の第1の実施形態に係る自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブースの破断平面図である。
図1B図1Aの自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブースの変形例の破断平面図である。
図2】同自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブースの外観斜視図である。
図3】同自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブースの内部を省略した垂直断面図である。
図4】同自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブースの輸送および設置を行う方法の一例の説明図である。
図5】同自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブースにおける差圧ブースの一例の斜視図である。
図6】同自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブースにおける差圧ブースの他の例の斜視図である。
図7】同自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブースにおける差圧ブースのさらに他の例の斜視図である。
図8】同自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブースにおける排気または吸気装置の一例の斜視図である。
図9】同自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブースに設置される医療用機器の一つである除菌電解水供給機の一例の斜視図である。
図10】同自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブースに設置される医療用機器の一つである可動式手洗いユニットの一例の斜視図である。
図11】この発明の他の実施形態に係る自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブースのレイアウト図である。
図12】この発明のさらに他の実施形態に係る自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブースのレイアウト図である。
図13】この発明のさらに他の実施形態に係る自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブースのレイアウト図である。
図14】同自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブースの垂直断面図である。
図15】この発明のさらに他の実施形態に係る自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブースのレイアウト図である。
図16】同自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブースの垂直断面図である。
図17】この発明のさらに他の実施形態に係る自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブースのレイアウト図である。
図18】同自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブースの垂直断面図である。
図19】この発明のさらに他の実施形態に係る自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブースのレイアウト図である。
図20】同自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブースの垂直断面図である。
図21】この発明のさらに他の実施形態に係る自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブースの水平断面図である。
図22】この発明のさらに他の実施形態に係る自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブースの水平断面図である。
図23】(A)はこの発明のさらに他の実施形態に係る自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブースの扉開き状態の水平断面図、(B)は同正面図である。
図24】同自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブースの自然エネルギー発電装置格納状態を示す水平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
この発明の第1の実施形態を図1Aないし図10と共に説明する。この自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブース(以下、「医療用可搬ブース」と略称する場合がある)は、外郭ボックス1と、陰圧状態となる差圧ブース2と、電源装置3とを備える。
外郭ボックス1は、輸送可能で底壁1a、周壁1b、および天壁1cを有するボックス状の構造物であればよいが、この実施形態では貨物輸送用の規格化されたコンテナが用いられている。前記規格は、貨物輸送用に定められた標準規格であればよく、例えばコンテナを輸送する国内の標準規格のコンテナであることが望ましい。ここでは、標準規格であれは、例えば、国内の行政機関や、国際標準化機構(ISO)等の国際機関で定められた規格であってもよいが、日本国内における鉄道貨物輸送用コンテナ等の事実上の標準規格と言えるJRコンテナであってもよい。外郭ボックス1に用いるコンテナのサイズは、例えば、10フィートコンテナ、12フィートコンテナまたは20フィートコンテナ等とされる。
外郭ボックス1は、種々の開口の形式のものが使用可能であるが、図1の例では、長手方向に沿う側面に出入り口4を有し、出入り口4に扉5が設けられている。
【0021】
外郭ボックス1を輸送用コンテナで構成したことによって、自動車、鉄道、船舶、航空機など様々な輸送手段で移動させることが可能になる。また、輸送用コンテナは堅牢性に優れるので、輸送中の振動や衝撃による損傷を防止することができる。さらに、輸送用コンテナは、堅牢であることによって、外部からの侵入に対する防犯性にも優れる。したがって、自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブースの運用コストを低減することも可能となる。
また、外郭ボックス1を自動車で輸送する場合の自動車は、図4に示すように、例えばユニック車UV(クレーン付きトラック)である。ユニック車UVが設置場所まで外郭ボックス1を輸送した後、ユニック車UVのクレーンによって外郭ボックス1を車両から積み下ろす。もっとも、外郭ボックス1を各種輸送手段から積み降ろす作業は、フォークリフトやガントリクレーン、ジャッキ付きのコンテナ昇降装置等によって行ってもよい。
【0022】
図1A図1Bにおいて、電源装置3は、自然エネルギー発電装置として、風力発電装置6、太陽光発電装置7(図2参照)、および水力発電装置8(図23参照)の少なくとも一つを有し、外郭ボックス1に装備されて差圧ブース2の排気または吸気装置9に給電可能である。
図1(A)の例では、排気または吸気装置9として排気装置を用いており、差圧ブース2は、内部を陰圧にする。患者Aは差圧ブース2内に、医療従事者Bは外殻ボックス1の内部における差圧ブース2の外部に居るようにする。
図1(B)の例では、排気または吸気装置9として吸気装置を用いており、差圧ブース2は、内部を陽圧にする。この例では、医療従事者Bが差圧ブース2内に、患者Aは外殻ボックス1の内部における差圧ブース2の外部に居るようにする。
電源装置3は、第1の実施形態では、自然エネルギー発電装置として、風力発電装置6と太陽光発電装置7とを備え、この他に電源コントローラ10と、バッテリ11とを備えている。
【0023】
風力発電装置6は、図2図3に示すように、風車12と、風車12によって駆動されて発電する発電機13とを備えている。風車12は垂直軸式として構成されている。具体的には、風車12は、複数(この例では2枚)の翼14と、これら翼14を支持する翼支持体15とを有する。各翼14は、上下方向に延び、翼支持体15は、図示しない軸受を介して支柱16の上端に垂直軸心回りに回転自在に支持されている。2枚の翼14は、支柱16の軸心を中心として180度位相の異なる位置に取付けられている。この例では、支柱16は、外郭ボックス1の一つの周壁1bの上部中央に着脱可能に固定されている。
風力発電装置6は、この自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブースの輸送時に、外郭ボックス1内に収納可能とされる。
【0024】
風力発電装置6の発電機13は、支柱16の上部に取りつけられた発電機ケーシング13aの内部に設けられている。発電機ケーシング13aに前記軸受の固定輪が取付けられ、翼支持体15に前記軸受の回転輪が連結されている。風車12の回転に伴って、前記回転軸と共に発電機ケーシング13aの内部において発電機13の回転子が回転することにより、発電機13が発電する。発電機13としては、例えば同期発電機または誘導発電機を用いることができる。
【0025】
垂直軸式の風車12は、比較的小型であっても風を受けて発電可能であるため、自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブースに設ける風力発電装置6の風車として適している。もっとも、風車12は水平軸式風車であってもよい。
【0026】
太陽光発電装置7は、日照を受けて光電変換する太陽光パネル7aと、太陽光パネル7aを外郭ボックス1に取り付けるパネル架台7bとを有する。この例では、太陽光パネル7aはパネル架台7bを介して外郭ボックス1の天壁1c上に取り付けられている。太陽光パネル7aは、日射方向や設置環境に応じて、外郭ボックス1の周壁1bに設置してもよく、あるいは外郭ボックス1の周囲に展開配置してもよい。なお、図示の例では、パネル架台7bは単純な板状に形成されているが、パネル架台7bは太陽の向きに合せて太陽光パネル7aを傾斜させることが可能な機構を備えていてもよい。
【0027】
図1A図1Bにおいて、電源装置3のバッテリ11は、風力発電装置6および太陽光発電装置7で発電された電力を蓄電する。電源コントローラ10は、風力発電装置6で発電された交流電力を直流電力に変換するコンバータ、太陽光パネル7aの発電電力をバッテリ11に蓄電するチャージャー、バッテリ11に蓄電された電力を交流商用電源と同じ100Vまたは200Vの単相交流電力や三相交流電力に変換するインバータ、および負荷となる機器を接続するコンセント(いずれも図示せず)を有している。電源コントローラ10は、この他に、交流商用電源に接続されて給電される接続手段を有していてもよい。その場合に、電力負荷に対して、自然エネルギー発電装置である風力発電装置6および太陽光発電装置7の発電電力を前記交流商用電源に対して優先して供給する自然エネルギー発電電力優先使用手段16を有していてもよい。
【0028】
自然エネルギー発電装置の発電電力だけでは、外郭ボックス1に装備された電気機器である種々の医療用機器17等を稼働させるには不十分な場合がある。例えば、消費電力の大きい機器を備える場合は、自然エネルギー発電装置の発電電力だけで賄うことは難しい。このため、交流商用電源がある場所では、交流商用電源を利用することが望ましい。交流商用電源がある場所においても、この医療用可搬ブースを多数設置する場合、全ての医療用可搬ブースに充分に給電することが難しい場合がある。そのような場合に、医療用可搬ブースに自然エネルギー発電装置を備えておくことで、限られた交流商用電源の環境下で、満足する給電を行うことができる。また自然エネルギー発電電力優先使用手段16を備えることで、自然エネルギー発電を優先的に使用でき、省エネが図れる。
【0029】
差圧ブース2は、内部を陰圧または陽圧の差圧にする排気または吸気装置9を有し、外郭ボックス1内に設けられる。排気または吸気装置9は、HEPAフイルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)などの微細な粒子の除去が可能で、高度な清浄空間が要求されるクリーンルーム等に用いられるフイルタを有する構成であることが望ましい。
排気または吸気装置9は、例えば図8に示すような床面設置タイプであっても、あるいは天井設置タイプ、または壁面設置タイプであってもよい。
【0030】
差圧ブース2を外郭ボックス1内に設ける構成として、基本的には図11に概念的に示すように、外郭ボックス1に対して独立した周囲仕切り体2aおよび天井仕切り体2b(図5図7)を有する形式と、図12に示すような外郭ボックス1の内部を密閉処理して外郭ボックス1の内部の全体、または外郭ボックス1の内部を間仕切り壁やパーテーションなどの仕切り材2cで分離した部屋を陰圧状態となる差圧ブース2とする形式とが採用できる。
なお、図11の例では、陰圧状態となる差圧ブース2を「簡易陰圧室2′」と記載し、その内部を「陰圧エリア2″」と記載している。同図の排気または吸気装置9は、HEPAフイルター9aを有していて、排気装置とされている。また、図12における排気または装置9はHEPAフイルターを有する排気または吸気装置であり、空気清浄機からなる。
【0031】
差圧ブース2が外郭ボックス1に対して独立した周囲仕切り体2aおよび天井仕切り体2bを有する構成であると、外郭ボックス1にあまり加工を施すことなく、市販等の既存の差圧ブースを外郭ボックス1内に収め、電気配線をするだけで、外郭ボックス1内に差圧ブース2を構成でき、差圧ブース2の設置が簡単かつ迅速に行える。
外郭ボックス1の内部空間の全体を差圧ブース2とする場合や、外郭ボックス1の内部空間を仕切って差圧ブース2とする場合は、外郭ボックス1の内部空間に無駄が生じにくく、外郭ボックス1の内部空間をより広く利用できる。
【0032】
図1Aに示す実施形態では、陰圧状態となる差圧ブース2は外郭ボックス1に対して独立した周囲仕切り体2aおよび天井仕切り体2bを有する形式とされている。
この場合に、図5図7に各種の例を示すように、差圧ブース2は、周囲がフレーム18と幕19とで構成されていてもよい。前記幕19は、例えば透明の樹脂シートや、樹脂製のカーテンとされる。
差圧ブース2が内部を陽圧にするブースである場合も、陰圧にする差圧ブース2と同様に構成できる。ただし、図5図7等の各例において、差圧ブース2内を陰圧にする場合は患者Aが差圧ブース2内に居て、医療従事者Bが差圧ブース2の外部に居るようにする。また、差圧ブース2内を陽圧にする場合は医療従事者Bが差圧ブース2内に居て、患者Aが差圧ブース2の外部に居るようにする。
フレーム18とカーテン等の幕19とで構成された差圧ブース2は、軽量で運搬や外郭ボックス1への設置がより一層行い易い。そのため、感染急速拡大時等の、多数の医療用ブースの設置が要求される状況下において、自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブースの設置がより迅速に行える。
【0033】
この自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブースにおいて、外郭ボックス1内に差圧ブース2の排気または吸気装置9とは別の、電力で稼働する医療用機器17を備えていてもよい。医療用機器17としては、AED、専用のアプリケーションを有するパーソナルコンピュータ、プリンタ、インターネット回線の接続機器等、必要に応じて任意の機器を設置すればよい。なお、図1では複数の医療用機器を代表して一つの医療用機器17のみを図示している。
また、医療用機器17として、衛生上で望ましい機器、例えば滅菌庫、保冷庫、感染性の廃棄物を入れる廃棄物容器21(図19)、除菌電解水給水器22(図9)、簡易手洗い(水ろ過機付き)23(図10)、等を設置してもよい。
さらに、夏場に備えてスポットクーラー(例えば、冷風付き除湿器等)(図示せず)などを設置してもよい。スポットクーラーの設置は、交流商用電源と接続できる環境であることが望ましい。
【0034】
前記廃棄物容器21(図19)は、陰圧状態となる差圧ブース2内に設置することが好ましい。汚染物を入れる廃棄物容器21は、そのままではウイルス等の病原体が漏れる恐れがある。しかし、陰圧状態となる差圧ブース2内に廃棄物容器21を備えることで、廃棄物容器21から陰圧状態となる差圧ブース2の外部へのウイルス等の漏れを防止することができる。
前記除菌電解水は除菌効果に優れるため、除菌電解水給水器22を設けると、差圧ブース2の使用と相まって、優れた感染防止効果が得られる。
【0035】
この自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブースにおいて、外郭ボックス1内に陽圧状態となる差圧ブース2を設置した場合、差圧ブース2内に医療従事者Bが入って作業することにより、排気または吸気装置9である吸気装置のHEPAフィルタでブース外の微細な粒子を除去することができるため、医療従事者Bへの感染防止を図ることができる。
【0036】
この構成の自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブースによると、輸送可能な外郭ボックス1を備えるため、トラック等による輸送が可能で現場への設置が簡単かつ迅速に行える。差圧ブース2を備えるため、内部で診察や、検査、感染者の隔離、検体の保管等が行えて、周辺へのウイルス、細菌等の漏れが防止でき、感染防止効果に優れる。また、風力発電装置6、太陽光発電装置7、および水力発電装置8の少なくとも一つを有し、前記外郭ボックス1に装備されて前記差圧ブース2の前記排気または吸気装置9に給電可能な電源装置3を備えるため、交流商用電源等の電源設備がない場所において、差圧ブース2の排気または吸気装置9や他の医療用機器17や照明等への給電が行える。自然エネルギー発電装置で発電するため、ガソリンやガスなどの燃料を用いる発電装置を用いる場合に比べて、排気ガスや騒音の影響が緩和される。
【0037】
具体的には、この自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブースは、除菌・洗浄機器等への電源供給が行えるため、感染の予防(除菌、防菌、ソーシャルディスタンスの確保)、検出(PCR検査、抗体検査、抗原検査、遺伝子検査)、検温などが行える。
また、差圧ブース2を備え、かつ電源供給が可能なため、治療、診察、薬物保管などが行える。
【0038】
また、この自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブースは、従来のエアーテントに比べると、設置場所が平坦な整地面に限られず、雪面や、砂利面、凹凸面にも設置できる利点があり、強風や、積雪にも強く、外気温や日射に対する断熱性にも優れる。
【0039】
図13図20は、自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブース内のレイアウト例を示す。これらの例は、いずれも、外郭ボックス1内に外郭ボックス1とは独立した陰圧状態となる差圧ブース2を設置した例である。
図13(破断平面図)、図14(破断側面図)はこの自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブースを待合室として利用する例である。この例では、外郭ボックス1の大部分の空間に渡って陰圧状態となる差圧ブース2が設けられている。
陰圧状態となる差圧ブース2内に椅子またはベッド25が置いてあり、治療を待つ患者が陰圧状態となる差圧ブース2内で待機することで、周囲への感染が防止できる。外郭ボックス1には、ドアの他に曇窓(明り取り)26が設けられていることが好ましい。
【0040】
図15(破断平面図)、図16(破断側面図)は、この自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブースを検査室または診察室として利用する例である。陰圧状態となる差圧ブース2内に、デスク28と患者用、および医療従事者用の椅子29、30が配置されている。
【0041】
図17(破断平面図)、図18(破断側面図)は、この自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブースを診察室として利用する例である。この例では、外郭ボックス1の一部の空間に陰圧状態となる差圧ブース2が設けられている。陰圧状態となる差圧ブース2内に、患者用の椅子31が配置され、外郭ボックス1内における差圧ブース2の外部に医者用のデスク32と椅子33が配置されている。この例も、ドアの他に曇窓(明り取り)が設けられている。
【0042】
図19(破断平面図)、図20(破断側面図)は、この自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブースを更衣室として利用する例である。この例では、外郭ボックス1の一部の空間に陰圧状態となる差圧ブース2が設けられている。陰圧状態となる差圧ブース2内に、廃棄物容器21が配置されている。陰圧状態となる差圧ブース2内で着替えた医療従事者等は、脱いだ防護服などの衣類や、マスク、フェイスシールド等を廃棄物容器21に入れることができる。ウイルス等で汚染した衣服等であっても、廃棄物容器21が陰圧状態となる差圧ブース2内であるため、外部にウイルス等が拡散することを防止できる。
【0043】
図21は、外郭ボックス1内に簡易折り畳み式の陰圧状態となる差圧ブース2を2台設置した例を示す。
各差圧ブース2に対して、スポットクーラー(冷風機能付き除湿器等)(図示せず)を設置してもよい。
なお、この発明とは異なるが、図21の例における差圧ブース2の代わりに、排気や吸気装置を持たない簡易折り畳みブースを配置し、単に患者の隔離に用いてもよい。
【0044】
図22は、外郭ボックス1に密閉処理を施し、外郭ボックス1内の全体を陰圧状態となる差圧ブース2とした例である。外郭ボックス1の内部における側部に、陰圧用の排気または吸気装置9を設置している。
このように外郭ボックス1内の全体を陰圧状態となる差圧ブース2とした場合、外郭ボックス1内の空間を最大限利用して広い陰圧室を得ることができる。
この構成の自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブースは、駐車場でのPCR検査や、仮設診療所、感染者の避難場所、待機室として利用でき、病院や自治体向けの設備として効果的に利用できる。
【0045】
図23図24は、自然エネルギー発電装置として、風力発電装置6および太陽光発電装置7の他に水力発電装置8を備える例を示す。風力発電装置6および水力発電装置8は、外郭ボックス1の輸送時は、図24に示すように、外郭ボックス1の扉5の裏面に支持され、設置時に扉5を開くと図23の状態となる。なお、風力発電装置6、太陽光発電装置7および水力発電装置8は、輸送時、外郭ボックス1の扉以外の壁面に支持してもよい。
風力発電装置6は、使用時は、例えば図1の実施形態と同様に、外郭ボックス1の上部に位置するように、着け直される。
水力発電装置8は、水車27とこの水車27の回転で駆動されて発電する発電機28とでなる。同図の水力発電装置8は、農業用水路、工業用水路、小河川などの水路に使用される構成の小水力発電装置である。
なお、この実施形態は、差圧ブース2等の記載を省略しているが、差圧ブース2が設けられる等、外郭ボックス1の内部構造は、電源装置10に水力発電装置8用の機器が追加される他は、第1の実施形態と同様であり、太陽光発電装置7についても第1の実施形態と同様である。
【0046】
この実施形態の自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブースは、前記水路が存在する場所に、水力発電装置8の水車27が水路の流水に浸かるように設置される。この実施形態の場合、水力での発電が追加されるため、夜間で無風時であっても、水路の流れがあるときは発電が行える。また、自然エネルギー発電装置として水力発電装置8が追加されるため、自然エネルギーによる発電電力がより多く得られる。
なお、自然エネルギー発電機能付き医療用可搬ブースの設置場所の条件などに応じ、自然エネルギー発電装置として水力発電装置8のみを設けてもよく、また水力発電装置8と太陽光発電装置7とを設け、風力発電装置6を省略してもよい。
【0047】
以上、実施形態に基づいてこの発明を実施するための形態を説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0048】
1:外郭ボックス
1a:底壁
1b:周壁
1c:天壁
2:差圧ブース
2a:周囲仕切り体
2b:天井仕切り体
2c:仕切り材
3:電源装置
6:風力発電装置
7:太陽光発電装置
7a:太陽光パネル
8:水力発電装置
9:排気または吸気装置
9a:HEPAフイルター
10:電源コントローラ
11:バッテリ
12:風車
13:発電機
14:翼
16:自然エネルギー発電電力優先使用手段
17:医療用機器
18:フレーム
19:幕
21:廃棄物容器
22:除菌電解水給水器
23:簡易手洗い
A:患者
B:医療従事者
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24