IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社日立国際電気の特許一覧

<>
  • 特許-射撃訓練システム 図1
  • 特許-射撃訓練システム 図2
  • 特許-射撃訓練システム 図3
  • 特許-射撃訓練システム 図4
  • 特許-射撃訓練システム 図5
  • 特許-射撃訓練システム 図6
  • 特許-射撃訓練システム 図7
  • 特許-射撃訓練システム 図8
  • 特許-射撃訓練システム 図9
  • 特許-射撃訓練システム 図10
  • 特許-射撃訓練システム 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】射撃訓練システム
(51)【国際特許分類】
   F41J 11/00 20090101AFI20240708BHJP
   G09B 9/00 20060101ALI20240708BHJP
   G09B 19/24 20060101ALI20240708BHJP
【FI】
F41J11/00
G09B9/00 Z
G09B19/24 Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021134444
(22)【出願日】2021-08-19
(65)【公開番号】P2023028619
(43)【公開日】2023-03-03
【審査請求日】2023-09-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000001122
【氏名又は名称】株式会社日立国際電気
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 邦子
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 和幸
(72)【発明者】
【氏名】藤原 孝則
(72)【発明者】
【氏名】吉田 輝久
【審査官】長谷井 雅昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-294394(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0154401(US,A1)
【文献】特開2012-075885(JP,A)
【文献】特開2005-024142(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108335557(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0031986(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F41J 11/00
G09B 9/00
G09B 19/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
標的および表示器をそれぞれ含む複数のレーンと、
複数の制御装置クライアントと、
制御装置サーバと、
を備え、
前記複数のレーンの全体を一つの射場とする第一の場合と前記複数のレーンを分割して複数の射場とする第二の場合で訓練が可能であり、
前記第一の場合においては、前記複数の制御装置クライアントの一つが訓練の条件選択、開始および終了を行うよう構成され、
前記第二の場合においては、射場ごとに異なる一つの前記制御装置クライアントが訓練の条件選択、開始および終了を行うよう構成され、
且つ、前記第二の場合における前記複数の制御装置クライアントのそれぞれは、前記制御装置サーバが有するデータベースに自身の種別を設定することにより自身が制御する射場の制御権をそれぞれ取得するよう構成され、
各々の制御権を取得している前記複数の制御装置クライアントの画面に、訓練状態が表示される射撃訓練システム。
【請求項2】
請求項1の射撃訓練システムにおいて、
前記データベースは、設定された前記種別である現在の制御権および訓練状態に基づいて更新通知を行い、
前記更新通知に基づいて前記制御装置サーバは制御権を変更すると共に、前記制御装置クライアントは状態表示の変更を前記画面に反映する射撃訓練システム。
【請求項3】
請求項2の射撃訓練システムにおいて、
前記訓練状態は、前記射場が第一の場合または第二の場合に設定する射場設定状態、前記射場設定状態において射場設定が行われた後の訓練準備中を含み、
前記訓練状態が前記訓練準備中の場合、一つの射場の前記制御権を取得することができる射撃訓練システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は射撃訓練システムに関する。
【背景技術】
【0002】
射撃訓練システムは、射場に納入され、その訓練の準備から訓練の実施、訓練の評価を行えるシステムである。そして、射撃訓練システムは一つの射場に一つ納入されることが多い。その訓練は、訓練者全員で一つの訓練を行う全体訓練、または指定された訓練を各自のタイミングで開始する個別訓練である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-27661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、射撃訓練は、常に一つの訓練のみの実施で、同時に別の訓練を実施することはできない。
【0005】
本開示の課題は、一つの射場に納入される一つの訓練システムにおいて並行して複数の訓練が実施可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
すなわち、射撃訓練システムは、標的および表示器をそれぞれ含む複数のレーンと、複数の制御装置クライアントと、制御装置サーバと、を備える。前記複数のレーンの全体を一つの射場とする第一の場合と前記複数のレーンを分割して複数の射場とする第二の場合で訓練が可能である。前記第一の場合においては、前記複数の制御装置クライアントの一つが訓練の条件選択、開始および終了を行うよう構成される。前記第二の場合においては、射場ごとに異なる一つの前記制御装置クライアントが訓練の条件選択、開始および終了を行うよう構成される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、一つの射場に納入される一つの訓練システムにおいて並行して複数の訓練が実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は実施形態における射撃訓練システムの構成例を示すブロック図ある。
図2図2は射場分割の概念を説明する図であり、射場分割がない場合の図である。
図3図3は射場分割の概念を説明する図であり、射場分割がある場合の図である。
図4図4は射場制御権のユーザインタフェースのイメージを示す図である。
図5図5は制御権変更のシーケンス図である。
図6図6は制御権強制変更のシーケンス図である。
図7図7は射撃訓練システムの状態遷移図である。
図8図8は射撃訓練システムの訓練時の状態遷移図である。
図9図9はデータ編集のユーザインタフェースのイメージを示す図である。
図10図10は射場に割り振る標的装置の設定のユーザインタフェースのイメージを示す図である。
図11図11は第一の携帯型制御装置が第一の射場の制御権を持ち、第二の携帯型制御装置が第二の射場の制御権を持つ場合を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について、図面を用いて説明する。ただし、以下の説明において、同一構成要素には同一符号を付し繰り返しの説明を省略することがある。
【0010】
まず、実施形態における射撃訓練システムの構成について図1を用いて説明する。図1は実施形態における射撃訓練システムの構成例を示すブロック図ある。射撃訓練システム100は制御部110と射座部120と標的部130とを備える。
【0011】
制御部110は制御装置サーバ111と制御装置クライアント112と二つの携帯型制御装置113a,113bとを備える。制御装置サーバ111はシステム全体のデータ管理と標的を制御する装置である。制御装置サーバ111はデータベース114を有する。制御装置クライアント112は据え置き型の制御装置であり、訓練の条件選択、開始、終了および各種データ作成等を行う装置である。第一の携帯型制御装置(携帯型制御装置1)113aおよび第二の携帯型制御装置(携帯型制御装置2)113bは持ち運び可能な制御装置クライアントである。
【0012】
射座部120は第一の表示器(表示器1)121_1、第二の表示器(表示器2)121_2、第三の表示器(表示器3)121_3、・・・、第Nの表示器(表示器N)121_Nを備える。ここで、Nは自然数であり、例えば、50である。以下、表示器121_1~121_Nなど、複数ある構成部分のいずれかを特定せずに示す場合には、単に表示器121などと略記することがある。表示器121は射手の訓練状況を表示する装置である。なお、射座部120は発射時の衝撃、音、光などを検出するセンサにより射手の弾丸発射を検出する装置である発射検知装置を表示器に対応する数備えてもよい。。
【0013】
標的部130は第一の標的(標的1)131_1、第二の標的(標的2)131_2、第三の標的(標的3)131_3、・・・、第Nの標的(標的N)131_Nを備える。標的131は射撃の目標となる装置である。様々な動きに対応するように複数の種類の標的があったりする。標的131は台座上に標的板が所定の姿勢で固定されたものや、台座上で標的板の姿勢が可動(起きれ/倒れ、昇降、回転)するものがある。また、標的131が固定設置されたものや、移動台車に載せられて移動(例えば、左右移動)されるものであってもよい。標的板の姿勢や標的131の移動は、無線または有線の通信により遠隔的に制御される。標的板の姿勢や標的131の移動は、オペレータが手動操作により制御してもよく、所定のプログラムにより自動的に制御してもよく、センサ等の検出結果に応じて制御してもよく、着弾の結果に応じて制御してもよい。標的部130は、標的131の前方に設置し、弾丸が通過した位置を検出する装置である着弾位置検出装置を標的131に対応する数備えてもよい。
【0014】
表示器121および標的131は、有線又は無線により、制御装置サーバ111、制御装置クライアント112および携帯型制御装置113a,113bと無線または有線により通信可能に接続されている。携帯型制御装置113a,113bは射座エリアに配置される人員に携帯され得る。
【0015】
続いて、射場分割の概念について図2および図3を用いて説明する。図2はレーンごとに射撃の訓練を行う場合において射場分割しない場合の概念図である。図3はレーンごとに射撃の訓練を行う場合において射場分割する場合の概念図である。
【0016】
(1)射場分割なしの場合
図2に示すように、射場101は第一のレーン(レーン1)101_1から第七のレーン(レーン7)101_7で構成される。レーン101_1~101_7はそれぞれ標的131_1~131_7および表示器121_1~121_7を備える。
【0017】
標的部130および射座部120の構成品全て(標的131_1~131_7および表示器121_1~121_7)は制御装置クライアント112または携帯型制御装置113a,113bの何れか一台の制御装置により制御される。
【0018】
(2)射場分割あり(二分割)の場合
図3に示すように、第一の射場(射場1)101aは第一のレーン(レーン1)101_1から第四のレーン(レーン4)101_4で構成される。第二の射場(射場2)101bは第五のレーン(レーン5)101_5から第七のレーン(レーン7)101_7で構成される。
【0019】
標的部130および射座部120の構成品のレーンは二分割され、射場101a,101bのそれぞれは制御装置クライアント112または携帯型制御装置113a,113bの何れか一台の制御装置により制御される。一つの射場には一つの制御権を有する制御装置クライアント112または携帯型制御装置113a,113bに制御権を持たせて割当てる。訓練は制御権を持った制御装置が実施する。制御装置サーバ111は、分割した二つの射場101a,101bに配置されている標的131_1~131_7等の構成品を並列に制御する。
【0020】
射撃訓練システム100は、射場内の構成品全てを一つの射場として射撃訓練する第一のモードの他に、射場内に設置される標的131_1~131_7、表示器121_1~121_7などを分割して(射場を分割して)射撃訓練する第二のモードを備える。射場を分割する場合は、実施する訓練の内容は射場ごとに選択される。
【0021】
射場分割の方法について以下説明する。ここでは、射場を二分割する場合を説明する。
【0022】
まず、ユーザは射場分割に対応する標的を選択して決定する。標的は自由に選択して決定し得る。例えば、図3に示すように、第一の射場101aにおいて標的131_1~131_4を選択し、第二の射場101bにおいて標的131_5~131_7を選択してもよい。また、第一の射場101aにおいて標的131_1,131_3,131_5,131_7を選択し、第二の射場101bにおいて標的131_2,131_4,131_6を選択してもよい。
【0023】
次に、ユーザは分割した射場毎に制御する制御装置を決定する。ただし、制御装置は制御権を有することが必要である。納入地毎に台数が異なるが、制御権を有することが可能な制御装置は制御装置クライアント112および携帯型制御装置113a,113bである。
【0024】
実際の操作をする場合には各射場の制御は、制御装置クライアント112または携帯型制御装置113a,113bが射場制御権をもち、自分の射場の訓練を管理、制御する。射場制御権は、取得できる制御装置が自ら制御権をとりにいく。
【0025】
射場制御権に関するユーザインタフェースについて図4を用いて説明する。図4は射場制御権に関するユーザインタフェースのイメージを示す図である。
【0026】
射場制御権は、ボタン201a,202a,203a,201b,202b,203bと状態表示204a,204bで構成される。射場ごとにトグルボタンとなっており、現在制御権を持つ制御装置が有効状態となる。ユーザがボタン201a,202a,203a,201b,202b,203bをクリックすることで制御権を取得し、変更できる。図4においては、ボタン201aがクリックされ、第一の射場(射場1)101aの制御装置クライアント112が有効状態になっている(制御権を有する)。
【0027】
状態表示204a,204bは、訓練準備中の場合「準備中」と表示され、訓練中の場合「訓練中」、自己診断中は「自己診断中」、射場設定中は「未設定」と表示される。図4においては、状態表示204aは「準備中」、状態表示204bは「未設定」が表示されている。
【0028】
制御権の取得及び変更の手順について図5および図6を用いて説明する。図5は制御権変更のシーケンスを示す図である。図6は制御権強制変更のシーケンスを示す図である。
【0029】
下記の(a)または(b)の手順により制御権の取得および変更を行う。
【0030】
(a)制御権の取得/変更
制御装置クライアント112または携帯型制御装置113a,113bは、射撃訓練システム100が訓練準備中の間、射場に対し任意に制御権を取得することができる。制御装置クライアント112または携帯型制御装置113a,113bは一方の射場の制御権のみ取得できる。すなわち、一つの制御装置は、同時に両方の射場の制御権は取得できない。起動時に射場制御権は解放されている。すなわち、起動時は、どの制御装置も制御権を未取得状態である。
【0031】
図5に示すように、ユーザは制御装置クライアント112または携帯型制御装置113a,113bのユーザインタフェースにより制御権変更を操作する(ステップS11)。
【0032】
制御装置クライアント112または携帯型制御装置113a,113bはデータベース114に制御権を取得する装置自身の種別を設定することで制御権の変更が行われる(ステップS12)。
【0033】
データベース114は、制御装置クライアント112または携帯型制御装置113a,113bおよび制御装置サーバ111に現在の制御権及び訓練状態を条件として指定した更新の発行(テーブル更新通知)を行う(ステップS13)。これにより、状態の競合が引き起こされない。
【0034】
制御装置サーバ111は制御権を変更する(ステップS14)。制御装置クライアント112または携帯型制御装置113a,113bは状態表示の変更をユーザインタフェースの画面に反映する(ステップS15)。
【0035】
(b)制御権の強制変更
射撃訓練システム100が訓練制御中の間、制御装置クライアント112または携帯型制御装置113a,113bは実行中の訓練を強制停止させることで、制御権を変更することができる。
【0036】
ユーザが訓練制御中に制御権変更操作を行う場合、ユーザ確認のダイアログを表示し、訓練を強制停止する承諾を得た上で制御権を強制変更する。
【0037】
図6に示すように、ユーザは制御装置クライアント112または携帯型制御装置113a,113bのユーザインタフェースにより制御権変更を操作する(ステップS21)。
【0038】
制御装置クライアント112または携帯型制御装置113a,113bのうち制御権強制変更を行う装置は、通常の訓練終了処理と同等の処理である、データベース114に訓練情報設定(終了時刻の設定)を実施する(ステップS22)。そして、制御権強制変更を行う装置は、データベース114に対する訓練状態変更(訓練停止要求)を行うシステム状態変更時に、制御権を同時に変更する(ステップS23)。
【0039】
これらのステップS22,S23の処理はトランザクションとして実行されることにより排他される。なお、制御権を既に取得している装置は別射場の制御権を取得できない。また、制御権を解放したい場合は、選択中の制御権のボタン201a,202a,203a,201b,202b,203bをユーザが再度クリックする。
【0040】
データベース114は、制御装置サーバ111に現在の制御権および訓練状態を条件として指定した更新の発行(テーブル更新通知)を行う(ステップS24)。これにより、状態の競合が引き起こされない。
【0041】
制御装置サーバ111は制御権を変更し、データベース114にシステム状態設定(訓練準備中)を行う(ステップS25)。
【0042】
データベース114は、携帯型制御装置113a,113bおよび制御装置サーバ111に現在の制御権および訓練状態を条件として指定した更新の発行(テーブル更新通知)を行う(ステップS26)。制御装置クライアント112または携帯型制御装置113a,113bは状態表示の変更をユーザインタフェースの画面に反映する(ステップS27)。
【0043】
続いて、射撃訓練システムの状態遷移について図7を用いて説明する。図7は射撃訓練システム全体の状態遷移図である。
【0044】
射撃訓練システム100の電源が投入され、起動すると初期化状態になる。初期化状態において編集を開始するとデータ編集状態になる(ステップS1)。データ編集状態では各種訓練情報を設定、標的などの構成品の指定、評価などを行う。データ編集状態において編集を終了すると初期化状態に戻る(ステップS2)。初期化状態において訓練を選択すると訓練状態になる(ステップS3)。訓練状態では訓練を実施する。訓練状態において訓練以外を選択するすると初期化状態に戻る(ステップS4)。
【0045】
初期化状態において訓練を選択すると、それ以降は射場単位の動作によって、異なるモード(訓練内容)で動作する。なお、射場分割をしない場合は全部を第一の射場(射場1)101aとして動作させれる。
【0046】
続いて、図7に示す訓練状態の状態遷移について図8を用いて説明する。図8図7に示す訓練状態の状態遷移図である。
【0047】
初期状態は訓練の初期状態であり、初期化処理が行われる。図7に示す初期化状態において訓練を選択すると(ステップS3)、初期状態になる。初期状態において初期化処理が完了して射場設定中にすると、射場設定状態になる(ステップS31)。初期化処理が完了して訓練準備中にすると、訓練準備中状態になる(ステップS32)。初期化処理が完了して訓練中にすると、訓練開始待ち状態になる(ステップS33)。射場設定状態、訓練準備中状態および訓練開始待ち状態において、異常が発生すると、初期状態に戻る(ステップS34,S35,S36)。
【0048】
射場設定状態においては、射場の運用方法(射場分割なしまたは分割あり)が決定される。射場設定状態において射場設定が行われると、訓練準備中状態になる(ステップS37)。訓練準備中状態において射場が開放されると、射場設定状態に戻る(ステップS38)。
【0049】
訓練準備中状態は射場情報設定と訓練情報設定が決定されるまでの間の状態である。訓練準備中状態において訓練情報設定中を受信すると、訓練開始待ち状態になる(ステップS39)。訓練開始待ち状態において訓練が終了すると、訓練準備中状態に戻る(ステップS40)。
【0050】
訓練開始待ち状態は訓練情報の設定が要求され、制御装置サーバ111が訓練制御開始のための処理を行い、訓練が開始されるのを待っている状態である。訓練開始待ち状態において訓練開始通知信号を受信すると、訓練制御中状態になる(ステップS41)。
【0051】
訓練制御中状態は射撃訓練システム100が訓練制御のためのリアルタイム制御を行っている状態である。訓練制御中状態において異常が発生または訓練が終了すると、初期状態に戻る(ステップS42)。
【0052】
続いて、制御装置クライアント112または携帯型制御装置113a,113bでは、図7に示す各状態でどのような操作が行われているかを説明する。
【0053】
まず、訓練を実施する前に、図7に示す、データ編集を実施するデータ編集状態において、各種構成品を決定する。N式の構成品の情報を指定するが、その時に各標的131_1~131_Nが第一の射場(射場1)101aで動作するのか第二の射場(射場2)101bで動作するのかを決定する。
【0054】
構成品に決定に関するユーザインタフェースについて図9を用いて説明する。図9は構成品に決定に関するユーザインタフェースのイメージを示す図である。
【0055】
標的番号の入力部301では、標的131_1~131_Nの番号を指定する。番号の値は、例えば01~50で固定となっている。「射場1」のトグルボタン302aおよび「射場2」のトグルボタン302bをクリックする事で対応する射場が選択できる。ただし、他の制御権を持った制御装置で一つでも射場制御権を取得済みの場合はクリック不可となる。
【0056】
次に、訓練状態に入る。訓練状態に入ったら、前述のように射場制御権を取得する。そして自己診断の結果等を踏まえて、射場の割り振られた標的131_1~131_Nおよび表示器121_1~121_N等の構成品の使用/未使用を決定する。
【0057】
構成品の使用/未使用の決定に関するユーザインタフェースについて図10を用いて説明する。図10は構成品の使用/未使用の決定に関するユーザインタフェースのイメージを示す図である。
【0058】
構成品表示403a,403bにおいて、チェックボックスにチェックがついているのが使用する標的および表示器を示す。図10では、全てのチェックボックスにチェックがある状態を示している。「射場1」の「全て選択」のボタン401aは、「射場1」のチェックボックスを全てチェック有りとする。「射場1」の「全てクリア」のボタン402aは、「射場1」のチェックボックスを全てチェック無しとする。「射場2」の「全て選択」のボタン401bは、「射場2」のチェックボックスを全てチェック有りとする。「射場2」の「全てクリア」のボタン402bは、「射場2」のチェックボックスを全てチェック無しとする。ユーザはボタン401a,402a,401b,402bまたはチェックボックスをクリックすることにより構成品の使用/未使用を設定し、「設定反映」のボタン404をクリックすることにより設定を確定させる。
【0059】
ここまで指定したら、ユーザは、射場制御権を持った制御装置とその射場に割り振られた標的内においては、従来通りの訓練を実施しているのと同様の操作になる。
【0060】
その射場内において、射場制御権のある制御装置は、制御権を持つ射場の訓練情報を設定し、訓練開始、終了を行う。また、射場制御権のある制御装置は、訓練状況表示(着弾状況表示等)、標的制御、グループ制御などは今までの射撃訓練と同様な訓練が行える。また、射場制御権のある制御装置は、自動制御、手動制御、制御権を持つ射場の表示が行える。しかし、システムとしてみれば、他の射場を制御している制御装置があり、別の訓練を実施している。
【0061】
続いて、制御装置クライアント112の携帯型制御装置113a,113bと異なる機能について図11を用いて説明する。図11は第一の携帯型制御装置が第一の射場の制御権を持ち、第二の携帯型制御装置が第二の射場の制御権を持つ場合を示す概念図である。
【0062】
二つの携帯型制御装置113a,113bが射場制御権を持った場合、射場制御権を持たない制御装置クライアント112は全体(第一の射場(射場1)101aと第二の射場(射場2)101b)のモニタ(訓練状況表示)を行うことができる。携帯型制御装置113a,113bが射場制御権を持たない場合、訓練状況表示は行わない。
【0063】
続いて、制御装置サーバ111について説明する。制御装置クライアント112の先にはデータベース114を搭載した制御装置サーバ111がある。制御装置サーバ111は、第一の射場(射場1)101aと第二の射場(射場2)101bのそれぞれのクライアント(制御装置クライアント112または携帯型制御装置113a,113b)から来た情報に基づき、標的131を動かし、また標的131から来た情報をクライアントへ引き渡す。制御装置サーバ111の内部では、データベース114と共に各種データの処理を常に行う。また、制御装置サーバ111は射場制御権の管理を実施する。
【0064】
本実施形態では、一つの射撃訓練システムで、標的などの各種構成品を二つに分け、一つの射撃訓練システムで並行して二つの訓練を実施し得る。これにより、二分割された射場にて訓練を実施する際に、一方の訓練の終了を待つことなく、もう一方でも実施できるため、効率よく訓練が行える。
【0065】
以上、本開示者らによってなされた開示を実施形態に基づき具体的に説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々変更可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0066】
100・・・射撃訓練システム
111・・・制御装置サーバ
112・・・制御装置クライアント
113a・・・第一の携帯型制御装置(制御装置クライアント)
113b・・・第二の携帯型制御装置(制御装置クライアント)
114・・・データベース
121・・・表示器
131・・・標的
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11