(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】消毒用品
(51)【国際特許分類】
A61K 31/045 20060101AFI20240708BHJP
A61P 31/02 20060101ALI20240708BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20240708BHJP
A61K 9/12 20060101ALI20240708BHJP
A61K 47/10 20170101ALI20240708BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20240708BHJP
A61K 8/86 20060101ALI20240708BHJP
A61Q 17/00 20060101ALI20240708BHJP
C11D 17/04 20060101ALI20240708BHJP
C11D 1/72 20060101ALI20240708BHJP
C11D 3/48 20060101ALI20240708BHJP
【FI】
A61K31/045
A61P31/02
A61P17/00 101
A61K9/12
A61K47/10
A61K8/34
A61K8/86
A61Q17/00
C11D17/04
C11D1/72
C11D3/48
(21)【出願番号】P 2021143475
(22)【出願日】2021-09-02
【審査請求日】2022-12-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】弁理士法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】白石 晶子
(72)【発明者】
【氏名】舛井 喬
【審査官】三上 晶子
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-009201(JP,A)
【文献】特開2016-014082(JP,A)
【文献】国際公開第2009/075142(WO,A1)
【文献】特表2009-545523(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104585168(CN,A)
【文献】特開2021-187846(JP,A)
【文献】特開2022-027325(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00- 33/44
A61K 9/00- 9/72
A61K 47/00- 47/69
A61P 1/00- 43/00
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00- 99/00
C11D 1/00- 19/00
A01N 1/00- 65/48
A01P 1/00- 23/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォーマー容器と、
フォーマー容器に収容され、
次の成分(A1)及び(B):
(A1)一般式(1)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテル
R-O-(CH
2CH
2O)
n-H (1)
(式中、Rは炭素数8~18の炭化水素基を示し、
Rが炭素数8~12のものが成分(A1)の全体に対して60質量%以上であるか、Rが炭素数13~18のもので構成される場合、Rが炭素数13~18のものの中で直鎖かつ不飽和のものが60質量%以上である。nは2~50の数を示す)
(B)炭素数1~3のアルコール 25~45質量%
を含有
し、
成分(B)に対する成分(A1)の質量割合(A1)/(B)が、0.0001~0.0086である組成物と、
を含む消毒用品。
【請求項2】
組成物が、成分(A1)を0.005~2質量%含有する、請求項1記載の消毒用品。
【請求項3】
成分(A1)において、一般式(1)中、Rが直鎖の炭化水素基である、請求項1又は
2記載の消毒用品。
【請求項4】
成分(A1)において、一般式(1)中、Rが炭素数8~12の炭化水素基である、請求項
1~3のいずれか1項記載の消毒用品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消毒用品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、消毒用品に含まれる消毒用組成物のうち、洗い流さないタイプとして、液状、ジェル状の消毒剤が広く用いられている。
しかし、ジェル状の消毒剤は、主に増粘剤によりジェル状とされているため、使用後にべたつきが残るなど、使用感が悪い場合があった。また、液状の消毒剤は、適量を手にとりにくく、垂れ落ちるなど、使用性に問題があった。
このため、泡状に吐出される、洗い流さないタイプの消毒剤が検討されている。
例えば、特許文献1には、カチオン性殺菌剤と、特定のノニオン性界面活性剤、アミノ酸又はその塩、低級アルコールを含有し、泡状に吐出される、洗い流さないタイプの殺菌清浄剤組成物が、手に取ったときは泡保形性があり手から垂れにくく、手に広げた後は、適度な時間で消泡し、泡残りがなくかつ乾きやすいことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ノニオン性界面活性剤の多くは、低級アルコールを25~45質量%程度含有する系において、5℃以下の低温で析出してしまうため、組成物の低温安定性において課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、低級アルコールとともに、特定のポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を含有する組成物の低温安定性が良好であることを見出した。
【0006】
本発明は、フォーマー容器と、
フォーマー容器に収容され、
次の成分(A1)及び(B):
(A1)一般式(1)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテル
R-O-(CH2CH2O)n-H (1)
(式中、Rは炭素数8~18の炭化水素基を示し、nは2~50の数を示す)
(B)炭素数1~3のアルコール 25~45質量%
を含有する組成物と、
を含む消毒用品に関する。
【0007】
また、本発明は、フォーマー容器と、
フォーマー容器に収容され、
次の成分(A2)及び(B):
(A2)HLB10~18のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
(B)炭素数1~3のアルコール 25~45質量%
を含有し、
12-ヒドロキシステアリン酸の重合体を実質的に含有しない組成物と、
を含む消毒用品に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の消毒用品は、組成物の低温安定性が良好である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の消毒用品は、医薬品、指定医薬部外品、医薬部外品、化粧品、雑品等のいずれであってもよく、本発明の組成物は、皮膚の消毒、殺菌、除菌等に用いられる。ここで「菌」は、ウイルス等の病原体を含んでよい。本発明の組成物は、殺菌作用を有する低級アルコールを含有する溶液であり、使用時に泡状に吐出され、泡の状態で皮膚に適用される。「皮膚」とはヒトの肌の皮膚をいい、例えば、手指の皮膚である。組成物は、洗い流さない(リーブオン)タイプであり、例えば、泡の状態で手に吐出された後、手を擦り合わせる等により手指の全体に向けて伸ばされる。
【0010】
本発明で用いる成分(A1)は、前記一般式(1)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテルである。
式中、Rは炭素数8~18の炭化水素基であり、直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和のいずれでも良い。使用時に泡のはじける音が確認され、消毒実効感を得ることができる観点から、直鎖アルキル基が好ましい。また、低温安定性の観点から、炭素数8~12が好ましく、炭素数10~12がより好ましい。起泡性(吐出直後の泡外観)の観点から、炭素数13~18が好ましく、炭素数16~18がより好ましい。
また、式中、nはエチレンオキサイドの平均付加モル数であり、2~50の数を示し、泡保持性の観点から、2~47が好ましく、2~30がさらに好ましい。
【0011】
成分(A1)として、具体的には、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(6)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(8)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(21)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(47)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(13)セチルステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(6)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(13)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(6)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(9)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(13)オレイルエーテル等が挙げられる。
成分(A1)としては、例えば、エマルゲン103、108、109P、121、150、409PV、420(以上、花王社製)を用いることができる。
【0012】
成分(A1)としては、低温安定性の観点から、一般式(1)におけるRが炭素数8~12のものが成分(A1)の全体に対して60質量%以上であることが好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましく、成分(A1)の全体に対して、Rが炭素数8~12のものが60~79質量%であり、かつRが炭素数13以上のものが21質量%以上の場合は、nが20以上であることが好ましい。
また、成分(A1)が、一般式(1)において、Rが炭素数13~18のもので構成される(Rのうち炭素数13~18のものが85質量%以上を占める。以下同じ)場合、起泡性又は低温安定性の観点から、Rが炭素数13~18のものの中で直鎖かつ不飽和のものが大半(60質量%以上、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは100質量%。以下同じ)であるか、又はRが炭素数13~18のものの中で分岐鎖のものが大半であるのが好ましく、直鎖かつ飽和の所定のもの(例えばモノステアリン酸ポリエチレングリコール)は好ましくない。また、上記の場合、起泡性の観点から、成分(A1)が、Rが炭素数16以上のもの、nが10以上であるもの、のうち少なくとも1つであるのが好ましい。一方、成分(A1)が、Rが炭素数13~18のもので構成される場合、手を擦り合わせたときの泡残り、べたつきのなさ、使用時に泡のはじける音が確認され、消毒実効感を得ることができる観点からは、Rが炭素数13~18のものの中で直鎖のものが大半であるのが好ましく、分岐鎖の所定のもの(例えばポリオキシエチレンイソセチルエーテル、ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル)は好ましくない。
【0013】
また、成分(A1)は、起泡性及び低温安定性の観点から、HLBが10~18であるのが好ましく、12~18がより好ましい。
本発明において、HLBは、グリフィン(Griffin)の式により求められる。2種以上の非イオン界面活性剤から構成される混合界面活性剤のHLB(混合HLB)は、各非イオン界面活性剤のHLB値をその質量比率に基づいて相加算平均することにより求められる。
【0014】
成分(A1)は、1種又は2種以上を組合わせて用いることができ、含有量は、起泡性の観点から、組成物中に0.001質量%以上であるのが好ましく、0.005質量%以上がより好ましく、0.05質量%以上がさらに好ましく、0.1質量%以上がさらに好ましく、0.5質量%以上がさらに好ましく、汚れ(油)の分散性の観点から、0.005質量%以上であるのが好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上がさらに好ましく、0.15質量%以上がさらに好ましく、0.3質量%以上がさらに好ましい。また、手を擦り合わせたときの泡残り、べたつきのなさの観点から、1.5質量%以下が好ましく、0.3質量%以下がより好ましく、0.2質量%以下がさらに好ましく、0.15質量%以下がさらに好ましく、0.1質量%以下がさらに好ましく、消毒実効感の観点から、0.75質量%以下が好ましく、0.6質量%以下がより好ましく、汚れの分散性の観点から、2質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.3質量%以下がさらに好ましい。
また、成分(A1)の含有量は、組成物中に0.005~2質量%であるのが好ましく、0.01~1質量%がより好ましく、0.1~0.6質量%がさらに好ましい。
【0015】
本発明で用いる成分(B)は、炭素数1~3のアルコールであり、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。これらのうち、使用時のにおいの観点から、エチルアルコールが好ましい。
成分(B)は、1種又は2種以上を組合わせて用いることができ、含有量は、起泡性、手に伸ばしたときのべたつきのなさ、速乾性及び汚れ分散性の観点から、組成物中に25質量%以上であり、30質量%以上が好ましく、35質量%以上がより好ましく、45質量%以下であり、40質量%以下が好ましく、38質量%以下がより好ましい。また、成分(B)の含有量は、組成物中に25~45質量%であり、30~40質量%が好ましく、35~38質量%がより好ましい。
【0016】
本発明において、成分(B)に対する成分(A1)の質量割合(A1)/(B)は、起泡性、泡の保形性、手を擦り合わせたときの泡残り、べたつきのなさの観点から、0.0001以上であるのが好ましく、0.0002以上がより好ましく、0.002以上がさらに好ましく、0.005以上がさらに好ましく、0.08以下が好ましく、0.04以下がより好ましく、0.03以下がさらに好ましく、0.02以下がさらに好ましい。また、成分(B)に対する成分(A1)の質量割合(A1)/(B)は、0.0001~0.08であるのが好ましく、0.0002~0.04がより好ましく、0.002~0.03がさらに好ましく、0.005~0.02がさらに好ましい。
【0017】
起泡性の観点からは、成分(A1)が、一般式(1)において、Rが炭素数8~12のもので構成される(Rのうち炭素数8~12のものが95質量%以上を占める。以下同じ)場合、成分(B)が25~29質量%のとき、成分(A1)が0.005質量%以上であるのが好ましく、成分(B)が30~39質量%のとき、成分(A1)が、0.05質量%以上であるのが好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましく、成分(B)が40~45質量%のとき、成分(A1)が0.5質量%以上であるのが好ましく、成分(A1)が、一般式(1)において、Rが炭素数13~18のもので構成される場合、成分(B)が30~39質量%のとき、成分(A1)が、0.01質量%以上であるのが好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましく、Rが炭素数13~18のものの中で炭素数16以上のものが大半であるのがより好ましい。
【0018】
泡保持時間(泡の保形性、手を擦り合わせたときの泡残り、べたつきのなさ)の観点からは、成分(A1)が、一般式(1)において、Rが炭素数8~12のもので構成される場合、成分(B)が25~29質量%のとき、成分(A1)が0.005~0.1質量%であるのが好ましく、成分(B)が30~39質量%のとき、成分(A1)が、0.05~0.3質量%であるのが好ましく、0.1~0.2質量%がより好ましく、成分(B)が40~45質量%のとき、成分(A1)が0.15~1.5質量%であるのが好ましく、成分(A1)が、一般式(1)において、Rが炭素数13~18のもので構成される場合、成分(B)が25~29質量%のとき、成分(A1)が0.001~0.005質量%であるのが好ましく、0.001~0.003質量%がより好ましく、成分(B)が30~39質量%のとき、成分(A1)が0.01~0.15質量%であるのが好ましく、成分(B)が40~45質量%のとき、成分(A1)が0.1~1.5質量%であるのが好ましい。
【0019】
消毒実効感の観点からは、成分(A1)が、一般式(1)において、Rが炭素数8~12のもので構成される場合、成分(B)が25~29質量%のとき、成分(A1)が0.15質量%以下であるのが好ましく、成分(B)が30~39質量%のとき、成分(A1)が、0.75質量%以下であるのが好ましく、0.6質量%以下がより好ましく、nが8以上であるのが好ましく、成分(A1)が、一般式(1)において、Rが炭素数13~18のもので構成される場合、成分(B)が25~29質量%のとき、成分(A1)が、0.005質量%以下であるのが好ましく、0.003質量%以下がより好ましく、成分(B)が30~39質量%のとき、成分(A1)が、0.2質量%以下であるのが好ましく、0.15質量%以下がより好ましく、Rが炭素数13~18のものの中で直鎖のものが大半であるのが好ましい。
【0020】
汚れ分散性の観点からは、成分(A1)が、一般式(1)において、Rが炭素数8~12のもので構成される場合、成分(B)が25~29質量%のとき、成分(A1)が、0.005質量%以上であるのが好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、成分(B)が30~39質量%のとき、成分(A1)が、0.03質量%以上であるのが好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、成分(B)が40~45質量%のとき、成分(A1)が、0.25質量%以上であるのが好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、成分(A1)が、一般式(1)において、Rが炭素数13~18のもので構成される場合、成分(B)が25~29質量%のとき、成分(A1)が、0.003質量%以上であるのが好ましく、成分(B)が30~39質量%のとき、成分(A1)が0.01質量%以上であるのが好ましく、成分(B)が40~45質量%のとき、成分(A1)が0.5質量%以上であるのが好ましい。
【0021】
本発明で用いる成分(A2)は、HLB10~18の精製されたポリオキシエチレン硬化ヒマシ油である。
精製されたポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は、原料に由来する12-ヒドロキシステアリン酸の自己縮合物、具体的には、12-ヒドロキシステアリン酸の重合体(ポリヒドロキシステアリン酸)を実質的に含まない。このような重合体としては、12-ヒドロキシステアリン酸の2量体が挙げられる。本発明の組成物中には、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油に由来する12-ヒドロキシステアリン酸の重合体が、実質的に含まれない。
【0022】
任意のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油に上記重合体が実質的に含まれるか否かを確認するには、このポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を5質量%含む35質量%エタノール水溶液(30g)を5℃で1週間保存した後、遠心分離し(5℃,18000rpm,10min)、固体の沈殿物の有無を目視で観察すればよい。沈殿物が観察されれば、このポリオキシエチレン硬化ヒマシ油に上記重合体が含まれていると判断でき、沈殿物が観察されなければ、このポリオキシエチレン硬化ヒマシ油に上記重合体が(実質的に)含まれていないと判断できる。
組成物中に上記重合体が実質的に含まれるか否かを確認するには、この組成物をLC-MSで解析し、上記重合体の標準サンプルに該当するピークの有無を確認すればよい。該当するピークがあれば、この組成物に上記重合体が含まれていると判断でき、該当ピークが確認されなければ、この組成物に上記重合体が(実質的に)含まれていないと判断できる。
なお、組成物中に、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油以外の成分に由来する上記重合体が含まれないことが明らかである場合は、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油についての上記確認方法と同じく、この組成物を低温保存後に遠心分離し、沈殿物の有無を目視で観察することで、この組成物中に上記重合体が含まれるか否かを確認してもよい。
【0023】
成分(A2)としては、例えば、NIKKOL HCO-40、50、60(医薬品用)(以上、日光ケミカルズ社製)を用いることができる。
【0024】
成分(A2)は、起泡性の観点から、HLB10~18であり、13~18が好ましい。
【0025】
成分(A2)は、1種又は2種以上を組合わせて用いることができ、含有量は、起泡性の観点から、組成物中に0.01質量%以上であるのが好ましく、0.05質量%以上であるのがより好ましく、0.1質量%以上がさらに好ましく、0.5質量%以上がさらに好ましく、1質量%以上がさらに好ましく、3質量%以上がさらに好ましく、泡の保形性の観点から、0.02質量%以上であるのが好ましく、0.1質量%以上であるのがより好ましく、3質量%以上がさらに好ましく、消毒実効感及び汚れ分散性の観点から、0.01質量%以上であるのが好ましく、0.1質量%以上であるのがより好ましく、0.15質量%以上がさらに好ましい。手をこすり合わせたときの泡残り、べたつきのなさの観点から、組成物中に5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、2質量%以下がさらに好ましく、0.3質量%以下がさらに好ましい。また、成分(A2)の含有量は、組成物中に0.01~5質量%であるのが好ましく、0.02~3質量%がより好ましく、0.1~2質量%がさらに好ましい。
【0026】
本発明において、成分(B)に対する成分(A2)の質量割合(A2)/(B)は、起泡性、泡の保形性、手を擦り合わせたときの泡残り、べたつきのなさの観点から、0.0004以上であるのが好ましく、0.002以上がより好ましく、0.005以上がさらに好ましく、0.2以下が好ましく、0.05以下がより好ましく、0.01以下がさらに好ましい。また、成分(B)に対する成分(A2)の質量割合(A2)/(B)は、0.0004~0.2であるのが好ましく、0.002~0.05がより好ましく、0.005~0.01がさらに好ましい。
【0027】
起泡性の観点からは、成分(B)が25~29質量%のとき、成分(A2)が、0.01質量%以上であるのが好ましく、0.02質量%以上がより好ましく、成分(B)が30~39質量%のとき、成分(A2)が、0.05質量%以上であるのが好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましく、成分(B)が40~45質量%のとき、成分(A2)が、0.1質量%以上であるのが好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、3質量%以上がさらに好ましい。
【0028】
泡保持時間(泡の保形性、手を擦り合わせたときの泡残り、べたつきのなさ)の観点からは、成分(B)が25~29質量%のとき、成分(A2)が0.02~0.1質量%であるのが好ましく、成分(B)が30~39質量%のとき、成分(A2)が0.1~2質量%であるのが好ましく、成分(B)が40~45質量%のとき、成分(A2)が2~5質量%であるのが好ましい。
【0029】
消毒実効感の観点からは、成分(B)が25~29質量%のとき、成分(A2)が0.01質量%以上であるのが好ましく、成分(B)が30~39質量%のとき、成分(A2)が0.1質量%以上であるのが好ましく、成分(B)が40~45質量%のとき、成分(A2)が0.15質量%以上であるのが好ましい。
汚れ分散性の観点からは、成分(B)が25~29質量%のとき、成分(A2)が、0.01質量%以上であるのが好ましく、0.02質量%以上がより好ましく、成分(B)が30~39質量%のとき、成分(A2)が0.1質量%以上であるのが好ましく、成分(B)が40~45質量%のとき、成分(A2)が0.15質量%以上であるのが好ましく、0.5質量%以上がより好ましい。
【0030】
本発明において、組成物は、さらに、(C)カチオン性殺菌剤を含有することができ、殺菌性能をより高めることができる。
カチオン性殺菌剤としては、通常の皮膚清浄剤等に用いられるもので、例えば、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン等の第四級アンモニウム化合物が挙げられる。これらのうち、手指消毒剤へ配合のしやすさの観点から、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムが好ましく、塩化ベンザルコニウムがより好ましい。
【0031】
成分(C)は、1種又は2種以上を組合わせて用いることができ、含有量は、殺菌性能、泡残りの観点から、組成物中に0.01質量%以上であるのが好ましく、0.03質量%以上がより好ましく、0.05質量%以上がさらに好ましく、1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.1質量%以下がさらに好ましい。また、成分(C)の含有量は、組成物中に0.01~1質量%であるのが好ましく、0.03~0.5質量%がより好ましく、0.05~0.1質量%がさらに好ましい。
【0032】
本発明において、水の含有量は、起泡性、泡保持時間の観点から、組成物中に55質量%以上であるのが好ましく、60質量%以上がより好ましく、62質量%以上がさらに好ましく、75質量%以下が好ましく、70質量%以下がより好ましく、65質量%以下がさらに好ましい。また、水の含有量は、組成物中に55~75質量%であるのが好ましく、60~70質量%がより好ましく、62~65質量%がさらに好ましい。
【0033】
本発明において、組成物には、前記以外に、通常の消毒用組成物に用いられる成分、例えば、上記以外の界面活性剤、多価アルコール、水溶性高分子、粉体、殺菌剤、抗炎症剤、保湿剤、pH調整剤、防腐剤、金属イオン封鎖剤、酸化防止剤、清涼剤、香料、ビタミン類、着色剤などを含有することができる。
【0034】
本発明で用いる組成物は、配合成分を混合することにより調製され、30℃で液体状のものである。起泡性の観点から、30℃における組成物の粘度が、30mPa・s以下であるのが好ましく、20mPa・s以下であるのがより好ましく、10mPa・s以下であるのがさらに好ましい。
本発明において、粘度は、温度条件30℃で、回転粘度計(東機産業社製、BM型式)を用い、No.1ローター回転数60rpmにより測定する。
【0035】
本発明において、組成物は、フォーマー容器に収容される。
フォーマー容器としては、組成物を空気と混合して泡として吐出できるものであればいずれのものでも用いることができるが、例えば、ポンプヘッドを押すことで吐出するポンプフォーマー容器や、胴体部分を押すことで吐出するスクイズフォーマー容器が挙げられ、具体的には、吉野工業所社製、大和製罐社製、Rieke社製のフォーマー容器等が挙げられる。また、例えば、特開平7-315463号公報、特開平8-230961号公報、特開2005-193972号公報等に記載されたフォーマー容器を使用することもできる。
なかでも、組成物を使用する環境における利便性観点から、ポンプヘッドを押すことで吐出するポンプフォーマー容器が好ましく、泡質をさらに良好にする観点から、吐出流路に多孔質膜フィルターを備えるポンプフォーマー容器がより好ましい。このような多孔質膜フィルターは、さらにキメの細かく良好な泡質を得る観点から、90~400メッシュのフィルターが好ましく、200~400メッシュのフィルターがより好ましく、200~305メッシュのフィルターがさらに好ましい。かかる多孔質フィルターは吐出流路に1~3枚配置されていることが好ましい。また、このようなフィルターのメッシュの材質として好ましいものとしては、ナイロンやポリエステルなどが挙げられる。
ポンプフォーマー容器における組成物と空気の混合比については、例えば、吐出される泡の密度(液体洗浄剤の質量/空気の体積)が、良好な泡量と泡質を得る観点から、0.03~0.14g/cm3であるのが好ましく、0.05~0.11g/cm3がより好ましい。
【0036】
本発明の消毒用品は、液体状の組成物がフォーマー容器に収容されたものであり、容器から泡で吐出され、洗い流さないで使用される。例えば、フォーマー容器から吐出させた泡を手に取り、そのまま手を擦り合わせて使用することができ、手指消毒剤として好適である。
【0037】
上述した実施形態に関し、本発明は、さらに以下の組成物、消毒用品等を開示する。
【0038】
<1>フォーマー容器に収容され、
次の成分(A1)及び(B):
(A1)一般式(1)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテル
R-O-(CH2CH2O)n-H (1)
(式中、Rは炭素数8~18の炭化水素基を示し、nは2~50の数を示す)
(B)炭素数1~3のアルコール 25~45質量%
を含有する組成物。
【0039】
<2>フォーマー容器と、
フォーマー容器に収容され、
次の成分(A1)及び(B):
(A1)一般式(1)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテル
R-O-(CH2CH2O)n-H (1)
(式中、Rは炭素数8~18の炭化水素基を示し、nは2~50の数を示す)
(B)炭素数1~3のアルコール 25~45質量%
を含有する組成物と、
を含む消毒用品。
【0040】
<3><1>又は<2>において、組成物が、成分(A1)を、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上、さらに好ましくは0.01質量%以上、さらに好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.15質量%以上、さらに好ましくは0.3質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上、含有する。
<4><1>~<3>のいずれかにおいて、組成物が、成分(A1)を、好ましくは2質量%以下、より好ましくは1.5質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは0.75質量%以下、さらに好ましくは0.6質量%以下、さらに好ましくは0.3質量%以下、さらに好ましくは0.2質量%以下、さらに好ましくは0.15質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%以下、含有する。
<5><1>~<4>のいずれかにおいて、組成物が、成分(A1)を、好ましくは0.005~2質量%、より好ましくは0.01~1質量%、さらに好ましくは0.1~0.6質量%、含有する。
【0041】
<6><1>~<5>のいずれかにおいて、成分(A1)において、一般式(1)中、好ましくは、Rが直鎖の炭化水素基である。
<7><1>~<6>のいずれかにおいて、成分(A1)において、一般式(1)中、Rが、好ましくは炭素数8~12の炭化水素基、より好ましくは炭素数10~12の炭化水素基である。
<8><1>~<6>のいずれかにおいて、成分(A1)において、一般式(1)中、Rが、好ましくは炭素数13~18の炭化水素基、より好ましくは炭素数16~18の炭化水素基である。
<9><1>~<8>のいずれかにおいて、成分(A1)において、一般式(1)中、nが、好ましくは2~47、より好ましくは2~30である。
【0042】
<10><1>~<9>のいずれかにおいて、成分(A1)中、一般式(1)のRの炭素数が8~12であるものが、好ましくは60質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である。
<11><1>~<9>のいずれかにおいて、成分(A1)中、一般式(1)のRの炭素数が8~12であるものが、好ましくは60~79質量%である。
<12><1>~<11>のいずれかにおいて、成分(A1)中、好ましくは、一般式(1)のRの炭素数が13~18であるものが、21質量%以上であり、成分(A1)の一般式(1)のnが20以上である。
<13><1>~<12>のいずれかにおいて、成分(A1)中、一般式(1)のRの炭素数が13~18であるものが85質量%以上であり、直鎖かつ不飽和のものが、好ましくは60質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である。
<14><1>~<12>のいずれかにおいて、成分(A1)中、一般式(1)のRの炭素数が13~18であるものが85質量%以上であり、分岐鎖のものが、好ましくは60質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である。
<15><14>において、好ましくは、成分(A1)が、モノステアリン酸ポリエチレングリコールを含まない。
【0043】
<16><13>~<15>のいずれかにおいて、成分(A1)中、一般式(1)のRの炭素数が16以上であるものが、好ましくは60質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である。
<17><13>~<16>のいずれかにおいて、好ましくは、成分(A1)の一般式(1)のnが10以上である。
<18><1>~<12>のいずれかにおいて、成分(A1)中、一般式(1)のRの炭素数が13~18であるものが85質量%以上であり、直鎖のものが、好ましくは60質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である。
<19><18>において、好ましくは、成分(A1)が、ポリオキシエチレンイソセチルエーテル及びポリオキシエチレンイソステアリルエーテルを含まない。
【0044】
<20><1>~<19>のいずれかにおいて、成分(A1)のHLBが、好ましくは10~18、より好ましくは12~18である。
<21><1>~<20>のいずれかにおいて、成分(A1)が、好ましくは、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(6)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(8)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(21)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(47)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(13)セチルステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(6)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(13)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(6)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(9)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(13)オレイルエーテルからなる群から選ばれる1種又は2種以上である。
<22><1>~<20>のいずれかにおいて、成分(A1)が、好ましくは、ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(6)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(8)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(21)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(47)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(9)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(13)オレイルエーテルからなる群から選ばれる1種又は2種以上である。
【0045】
<23><1>~<22>のいずれかにおいて、組成物が、成分(B)を、好ましくは30質量%以上、より好ましくは35質量%以上、含有する。
<24><1>~<23>のいずれかにおいて、組成物が、成分(B)を、好ましくは40質量%以下、より好ましくは38質量%以下、含有する。
<25><1>~<24>のいずれかにおいて、組成物が、成分(B)を、好ましくは30~40質量%、より好ましくは35~38質量%以下、含有する。
【0046】
<26><1>~<25>のいずれかにおいて、組成物において、成分(B)に対する成分(A1)の質量割合(A1)/(B)が、好ましくは0.0001以上、より好ましくは0.0002以上、さらに好ましくは0.002以上、さらに好ましくは0.005以上である。
<27><1>~<26>のいずれかにおいて、組成物において、成分(B)に対する成分(A1)の質量割合(A1)/(B)が、好ましくは0.08以下、より好ましくは0.04以下、さらに好ましくは0.03以下、さらに好ましくは0.02以下である。
<28><1>~<27>のいずれかにおいて、組成物において、成分(B)に対する成分(A1)の質量割合(A1)/(B)が、好ましくは0.0001~0.08、より好ましくは0.0002~0.04、さらに好ましくは0.002~0.03、さらに好ましくは0.005~0.02である。
【0047】
<29><1>~<28>のいずれかにおいて、成分(A1)中、一般式(1)のRの炭素数が8~12であるものが95質量%以上であり、組成物中、成分(B)が25~29質量%であり、成分(A1)が、好ましくは0.005質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上である。
<30><1>~<29>のいずれかにおいて、好ましくは、成分(A1)中、一般式(1)のRの炭素数が8~12であるものが95質量%以上であり、組成物中、成分(B)が25~29質量%であり、成分(A1)が、0.15質量%以下である。
<31><1>~<30>のいずれかにおいて、好ましくは、成分(A1)中、一般式(1)のRの炭素数が8~12であるものが95質量%以上であり、組成物中、成分(B)が25~29質量%であり、成分(A1)が、好ましくは0.005~0.15質量%、より好ましくは0.005~0.1質量%である。
<32><1>~<31>のいずれかにおいて、成分(A1)中、一般式(1)のRの炭素数が8~12であるものが95質量%以上であり、組成物中、成分(B)が30~39質量%であり、成分(A1)が、好ましくは0.03質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上、または1質量%以上である。
<33><1>~<32>のいずれかにおいて、成分(A1)中、一般式(1)のRの炭素数が8~12であるものが95質量%以上であり、組成物中、成分(B)が30~39質量%であり、成分(A1)が、好ましくは0.75質量%以下、より好ましくは0.6質量%以下である。
【0048】
<34><1>~<33>のいずれかにおいて、好ましくは、成分(A1)中、一般式(1)のRの炭素数が8~12であるものが95質量%以上であり、成分(A1)の一般式(1)のnが8以上である。
<35><1>~<34>のいずれかにおいて、成分(A1)中、一般式(1)のRの炭素数が8~12であるものが95質量%以上であり、組成物中、成分(B)が30~39質量%であり、成分(A1)が、好ましくは0.05~0.3質量%、より好ましくは0.1~0.2質量%である。
<36><1>~<35>のいずれかにおいて、成分(A1)中、一般式(1)のRの炭素数が8~12であるものが95質量%以上であり、組成物中、成分(B)が40~45質量%、成分(A1)が、好ましくは0.25質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上である。
<37><1>~<36>のいずれかにおいて、好ましくは、成分(A1)中、一般式(1)のRの炭素数が8~12であるものが95質量%以上であり、組成物中、成分(B)が40~45質量%、成分(A1)が0.15~1.5質量%である。
【0049】
<38><1>~<37>のいずれかにおいて、成分(A1)中、一般式(1)のRの炭素数が13~18であるものが85質量%以上であり、組成物中、成分(B)が25~29質量%であり、成分(A1)が、好ましくは0.005質量%以下、より好ましくは0.003質量%以下である。
<39><1>~<38>のいずれかにおいて、好ましくは成分(A1)中、一般式(1)のRの炭素数が13~18であるものが85質量%以上であり、組成物中、成分(B)が25~29質量%であり、成分(A1)が0.003質量%以上である。
<40><1>~<39>のいずれかにおいて、成分(A1)中、一般式(1)のRの炭素数が13~18であるものが85質量%以上であり、組成物中、成分(B)が25~29質量%であり、成分(A1)が、好ましくは0.001~0.005質量%、さらに好ましくは0.001~0.003質量%である。
<41><1>~<40>のいずれかにおいて、成分(A1)中、一般式(1)のRの炭素数が13~18であるものが85質量%以上であり、組成物中、成分(B)が30~39質量%であり、成分(A1)が、好ましくは0.01質量%以上、または0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上である。
<42><1>~<41>のいずれかにおいて、成分(A1)中、一般式(1)のRの炭素数が13~18であるものが85質量%以上であり、組成物中、成分(B)が30~39質量%であり、成分(A1)が、好ましくは0.2質量%以下、より好ましくは0.15質量%以下である。
【0050】
<43><1>~<42>のいずれかにおいて、組成物中、成分(B)が30~39質量%であり、成分(A1)中、一般式(1)のRの炭素数が13~18であるものの中で直鎖のものが好ましくは60質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である。
<44><1>~<43>のいずれかにおいて、好ましくは、成分(A1)中、一般式(1)のRの炭素数が13~18であるものが85質量%以上であり、組成物中、成分(B)が30~39質量%であり、成分(A1)が0.01~0.15質量%である。
<45><1>~<44>のいずれかにおいて、成分(A1)中、一般式(1)のRの炭素数が13~18であるものが85質量%以上であり、一般式(1)のRの炭素数が13~18であるものの中で炭素数16以上のものが、好ましくは60質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である。
<46><1>~<45>のいずれかにおいて、好ましくは、成分(A1)中、一般式(1)のRの炭素数が13~18であるものが85質量%以上であり、組成物中、成分(B)が40~45質量%であり、成分(A1)が0.1~1.5質量%である。
<47><1>~<46>のいずれかにおいて、好ましくは、成分(A1)中、一般式(1)のRの炭素数が13~18であるものが85質量%以上であり、組成物中、成分(B)が40~45質量%であり、成分(A1)が0.5質量%以上である。
【0051】
<48>フォーマー容器に収容され、
次の成分(A2)及び(B):
(A2)HLB10~18のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
(B)炭素数1~3のアルコール 25~45質量%
を含有し、
12-ヒドロキシステアリン酸の重合体を実質的に含有しない組成物。
【0052】
<49>フォーマー容器に収容され、
次の成分(A2)及び(B):
(A2-1)12-ヒドロキシステアリン酸の重合体を実質的に含有しないHLB10~18のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
(B)炭素数1~3のアルコール 25~45質量%
を含有する組成物。
【0053】
<50>フォーマー容器と、
フォーマー容器に収容され、
次の成分(A2)及び(B):
(A2)HLB10~18のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
(B)炭素数1~3のアルコール 25~45質量%
を含有し、
12-ヒドロキシステアリン酸の重合体を実質的に含有しない組成物と、
を含む消毒用品。
【0054】
<51><48>~<50>のいずれかにおいて、成分(A1)のHLBが、好ましくは10~18、より好ましくは13~18である。
<52><48>~<51>のいずれかにおいて、組成物が、成分(A2)を、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.02質量%以上、さらに好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.15質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上、含有する。
<53><48>~<52>のいずれかにおいて、組成物が、成分(A2)を、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下、さらに好ましくは0.3質量%以下、含有する。
<54><48>~<53>のいずれかにおいて、組成物が、成分(A2)を、好ましくは0.01~5質量%、より好ましくは0.02~3質量%、さらに好ましくは0.1~2質量%、含有する。
【0055】
<55><48>~<54>のいずれかにおいて、組成物において、成分(B)に対する成分(A2)の質量割合(A2)/(B)が、好ましくは0.0004以上、より好ましくは0.002以上、さらに好ましくは0.005以上である。
<56><48>~<55>のいずれかにおいて、組成物において、成分(B)に対する成分(A2)の質量割合(A2)/(B)が、好ましくは0.2以下、より好ましくは0.05以下、さらに好ましくは0.01以下である。
<57><48>~<56>のいずれかにおいて、組成物において、成分(B)に対する成分(A2)の質量割合(A2)/(B)が、好ましくは0.0004~0.2、より好ましくは0.002~0.05、さらに好ましくは0.005~0.01である。
【0056】
<58><48>~<57>のいずれかにおいて、組成物中、成分(B)が25~29質量%であり、成分(A2)が、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.02質量%以上、さらに好ましくは0.02~0.1質量%である。
<59><48>~<58>のいずれかにおいて、組成物中、成分(B)が30~39質量%であり、成分(A2)が、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.1~2質量%である。
<60><48>~<59>のいずれかにおいて、好ましくは、組成物中、成分(B)が30~39質量%であり、成分(A2)が1質量%以上である。
<61><48>~<60>のいずれかにおいて、組成物中、成分(B)が40~45質量%であり、成分(A2)が、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.15質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上である。
<62><48>~<61>のいずれかにおいて、好ましくは、組成物中、成分(B)が40~45質量%であり、成分(A2)が2~5質量%である。
【0057】
<63><1>~<62>のいずれかにおいて、好ましくは、組成物が、さらに成分(C)カチオン性殺菌剤を含有する。
<64><63>において、成分(C)が、好ましくは、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン等の第四級アンモニウム化合物から選ばれる1種又は2種以上である。
<65><63>又は<64>において、組成物中、成分(C)が、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.03質量%以上、さらに好ましくは0.05質量%以上である。
<66><63>~<65>のいずれかにおいて、組成物中、成分(C)が、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%以下である。
<67><63>~<66>のいずれかにおいて、組成物中、成分(C)が、好ましくは0.01~1質量%、より好ましくは0.03~0.5質量%、さらに好ましくは0.05~0.1質量%である。
【0058】
<68><1>~<67>のいずれかにおいて、好ましくは、組成物が、さらに水を含有する。
<69><68>において、組成物中、水が、好ましくは55質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは62質量%以上である。
<70><68>又は<69>において、組成物中、水が、好ましくは75質量%以下、より好ましくは70質量%以下、さらに好ましくは65質量%以下である。
<71><68>~<70>のいずれかにおいて、組成物中、水が、好ましくは55~75質量%、より好ましくは60~70質量%、さらに好ましくは62~65質量%である。
【0059】
<72><1>~<71>のいずれかにおいて、好ましくは、組成物は、30℃で液体状である。
<73><1>~<72>のいずれかにおいて、30℃における組成物の粘度が、好ましくは30mPa・s以下、より好ましくは20mPa・s以下、さらに好ましくは10mPa・s以下である。
<74><1>~<73>のいずれかにおいて、組成物が、人の皮膚の消毒用である。
<75><1>~<74>のいずれかにおいて、組成物が、手指の消毒用である。
<76><1>~<75>のいずれかにおいて、組成物が、洗い流さないで使用されるタイプである。
【0060】
<77><1>~<76>のいずれかにおいて、フォーマー容器が、好ましくは、ポンプヘッドを押すことで吐出するポンプフォーマー容器であり、より好ましくは吐出流路に多孔質膜フィルターを備えるポンプフォーマー容器である。
<78><1>~<77>のいずれかにおいて、フォーマー容器から組成物の泡を吐出させ、人の皮膚に適用する、皮膚の消毒方法。
<79><1>~<77>のいずれかにおいて、フォーマー容器から吐出させた組成物の泡を手に取り、手を擦り合わせて手指に伸ばす、手指の消毒方法。
<80><1>~<77>のいずれかにおいて、組成物をフォーマー容器に収容する、消毒用品の製造方法。
【0061】
<81>精製された成分(A2)HLB10~18のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を、(B)炭素数1~3のアルコールの25~45質量%水溶液と混合する、<48>~<77>のいずれかの組成物の製造方法。
<82>12-ヒドロキシステアリン酸の重合体を実質的に含有しない成分(A2)HLB10~18のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を、(B)炭素数1~3のアルコールの25~45質量%水溶液と混合する、<48>~<77>のいずれかの組成物の製造方法。
【実施例】
【0062】
実施例1~37,比較例1~3
表1~表6に示す組成の組成物を、各成分を混合し、溶解することにより製造した。得られた組成物を、フォーマー容器(吉野工業所社製ポンプフォーマー容器。ノズルX-1960、ネジキャップX-1961。吐出経路に200メッシュの多孔質膜フィルターが2枚設けられている)に充填して、消毒用品を得た。得られた消毒用品について、起泡性、泡保持時間、低温安定性、はじける音及び汚れ分散能(油)を評価した。結果を表1~表6に併せて示す。
なお、実施例23~37の組成物はいずれも、12-ヒドロキシステアリン酸の重合体を実質的に含有しないものである。
【0063】
(評価方法)
(1)起泡性:
フォーマー容器から各組成物1gを吐出させ、吐出直後の泡高さを測定した。結果は、3回測定した平均値に基づき、以下の基準で示した。
この評価において、8mm未満のものは泡の保形性が悪く手に取ったときに垂れやすい。好ましい起泡性は、この評価方法で8mm以上のものである。
◎:18mm以上。
〇:13mm以上18mm未満。
△:8mm以上13mm未満。
×:8mm未満、泡にならない。
【0064】
(2)泡保持時間:
キムタオル(商標)上に、フォーマー容器から各組成物1gの泡を吐出させ、完全に泡が消泡するまでの時間を測定した。結果は、3回測定した平均値の小数点以下を四捨五入して示した。
この結果において、3秒未満のものは泡の保形性が悪く手に取ったときに垂れやすい。また、15秒を超えるものは手に取った時に泡残りやべたつき感を感じやすい。泡の保形性、泡残り及びべたつき感の観点から、好ましい泡保持時間は、3秒以上15秒以内である。
【0065】
(3)低温安定性:
無色透明なガラス瓶(口内径31.9mm、胴径51.5mm、高さ95.5mm、摺切容量134mL)に各組成物(50mL)を入れ、5℃で1週間保存した後、ガラス瓶の底から光を照射し、外観の変化を目視にて観察した。結果は以下の基準で示した。
〇:外観の変化なし。
×:外観に変化あり(析出、もや)。
【0066】
(4)はじける音:
キムタオル上に、フォーマー容器から各組成物1gの泡を吐出させ、発泡音を超小型マイクロホン(小野測器社製、MB-2200M10)で3秒間測定し、音響解析ソフト(小野測器社製、Oscope2)で解析した。結果は、A特性音圧レベル(dB)について、背景音との差ΔAの値を以下の基準で評価した。
使用時に泡のはじける音が確認されれば、消毒実効感を得ることができる。
◎:12db以上。
〇:8~12db未満。
△:5~8db未満。
×:5db以下。
【0067】
(5)汚れ分散能(油):
色素で着色した綿実油5μLを疎水性プレートの上に置き、着色部分の上に、フォーマー容器から組成物1gを泡状で吐出させた。60秒後の油の広がり方を、汚れ3方向から直径を測定し、その平均値を求めた。結果は以下の基準で示した。
油の広がり方は、汚れを分散する能力に対応している。汚れ分散能を有することにより、殺菌効果が促進され、消毒作用がより高くなる。
◎:油の広がり方が15mm以上。
〇:油の広がり方が10mm以上15mm未満。
△:油の広がり方が7mm以上10mm未満。
×:油の広がり方が7mm以下。
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
処方例1~3
実施例1~37と同様にして、表7に示す組成の組成物を製造し、フォーマー容器(吉野工業所社製ポンプフォーマー容器。ノズルX-1960、ネジキャップX-1961。吐出経路に200メッシュの多孔質膜フィルターが2枚設けられている)に充填して、消毒用品を製造した。
得られた消毒用品はいずれも、起泡性、泡保持時間、低温安定性、はじける音及び汚れ分散能(油)に優れたものである。
【0075】