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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】バスバッファ回路
(51)【国際特許分類】
   H03K 19/0175 20060101AFI20240708BHJP
   H03K 19/0185 20060101ALI20240708BHJP
【FI】
H03K19/0175 230
H03K19/0185 220
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021154882
(22)【出願日】2021-09-22
(65)【公開番号】P2023046141
(43)【公開日】2023-04-03
【審査請求日】2023-09-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】水田 勝
【審査官】柳下 勝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-117999(JP,A)
【文献】特開2002-298582(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03K 19/0175
H03K 19/0185
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電源で動作し、入力信号を非反転入力信号及び反転入力信号を出力する入力バッファ回路と、
第2の電源で動作し、入力された前記非反転入力信号及び前記反転入力信号の電圧を変換して、電圧変換非反転出力信号及び電圧変換反転出力信号として出力する電圧変換回路と、
アウトプットイネーブル信号がディスエーブル状態である場合に前記電圧変換非反転出力信号及び前記電圧変換反転出力信号を同電位レベルに維持する出力維持部と、
前記電圧変換非反転出力信号及び前記電圧変換反転出力信号が同電位レベルであるか否かを判断する判断部と、
前記電圧変換非反転出力信号または前記電圧変換反転出力信号を出力端子から出力するスリーステート出力バッファ回路と、
前記判断部の結果に基づいて、前記電圧変換非反転出力信号及び前記電圧変換反転出力信号が同電位レベルである場合に、前記スリーステート出力バッファ回路を出力ディスエーブル状態とする出力制御部と、
を備えたバスバッファ回路。
【請求項2】
前記同電位レベルは、“H”レベルあるいは“L”レベルのいずれかである、
請求項1に記載のバスバッファ回路。
【請求項3】
前記出力維持部は、前記電圧変換非反転出力信号及び前記電圧変換反転出力信号における前記同電位レベルを“H”レベルとし、
前記判断部は、NAND回路として構成されている、
請求項1または請求項2に記載のバスバッファ回路。
【請求項4】
前記出力維持部は、前記電圧変換非反転出力信号及び前記電圧変換反転出力信号における前記同電位レベルを“H”レベルとし、
前記判断部は、EXOR回路として構成されている、
請求項1または請求項2に記載のバスバッファ回路。
【請求項5】
前記出力維持部は、前記電圧変換非反転出力信号及び前記電圧変換反転出力信号における前記同電位レベルを“L”レベルとし、
前記判断部は、OR回路として構成されている、
請求項1または請求項2に記載のバスバッファ回路。
【請求項6】
前記出力維持部は、前記電圧変換非反転出力信号及び前記電圧変換反転出力信号における前記同電位レベルを“L”レベルとし、
前記判断部は、EXOR回路として構成されている、
請求項1または請求項2に記載のバスバッファ回路。
【請求項7】
前記出力制御部は、一方の入力端子に前記判断部の出力信号が入力され、他方の入力端子に前記アウトプットイネーブル信号が入力されるAND回路として構成されている、
請求項3乃至請求項6のいずれか一項に記載のバスバッファ回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、バスバッファ回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、データバスに接続する回路としてバスバッファ回路がある。
このバスバッファ回路は、バスに複数のノードを接続した場合に、非動作状態のノードがバスに影響を与えないように、出力をハイインピーダンス状態に設定することが可能となっている。
【0003】
さらにこのようなバスバッファ回路として、電圧変換機能を有するバスバッファ回路が知られている。
この電圧変換機能を有するバスバッファ回路は、正転入力、反転入力、正転出力及び反転出力をもつ電圧変換回路と、スリーステート出力バッファ回路を備えている。
【0004】
そして、動作時消費電流の低減のために、内部の回路状態を固定するに際しては、正転出力および反転出力の電位の反転関係を維持するようにしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2003-229758号公報
【文献】特開2009-117917号公報
【文献】特開2017-069942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、状態固定された以降のバスバッファ回路は、バス信号による状態変化が行われないため電流の消費がない。
【0007】
しかしながら、状態固定された内部信号は、実際のバス入力信号とは異なる状態になる場合があり、出力制御信号による出力状態遷移時に、実際のバス信号とは異なる電位が一時的に出力されてしまう虞があった。特に、低電圧時の回路動作速度の低下が大きい場合には、このような状態が顕著に現れていた。
【0008】
内部信号の状態固定を行う場合に、電圧変換回路の正転出力および反転出力を同じ電位にすることも可能であるが、内部固定状態の電圧レベルと、バス入力の電圧レベルとに差異が生じる場合には、同様に一時的な誤出力が発生してしまう虞があった。
【0009】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、バスバッファ回路において状態固定して、消費電力の低減を図る場合に出力状態遷移時に、実際のバス信号とは異なる電位が一時的に出力されてしまうのを防止することが可能なバスバッファ回路を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施形態のバスバッファ回路は、第1の電源で動作し、入力信号を非反転入力信号及び反転入力信号を出力する入力バッファ回路と、第2の電源で動作し、入力された非反転入力信号及び反転入力信号の電圧を変換して、電圧変換非反転出力信号及び電圧変換反転出力信号として出力する電圧変換回路と、アウトプットイネーブル信号がディスエーブル状態である場合に電圧変換非反転出力信号及び電圧変換反転出力信号を同電位レベルに維持する出力維持部と、電圧変換非反転出力信号及び電圧変換反転出力信号が同電位レベルであるか否かを判断する判断部と、電圧変換非反転出力信号または電圧変換反転出力信号を出力端子から出力するスリーステート出力バッファ回路と、判断部の結果に基づいて、電圧変換非反転出力信号及び電圧変換反転出力信号が同電位レベルである場合に、スリーステート出力バッファ回路を出力ディスエーブル状態とする出力制御部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、第1実施形態のバスバッファ回路の概要構成ブロック図である。
図2図2は、電圧変換回路の回路構成例の説明図である。
図3図3は、第1実施形態及のタイミングチャートである。
図4図4は、第2実施形態のバスバッファ回路の概要構成ブロック図である。
図5図5は、第3実施形態のバスバッファ回路の概要構成ブロック図である。
図6図6は、第3実施形態のタイミングチャートである。
図7図7は、第4実施形態のバスバッファ回路の概要構成ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に実施形態について図面を参照して説明する。
[1]第1実施形態
図1は、第1実施形態のバスバッファ回路の概要構成ブロック図である。
実施形態のバスバッファ回路10は、第1電源で動作し、入力信号INが入力されて非反転入力信号IN及び反転入力信号/INを出力する入力バッファ回路11と、非反転入力信号IN及び反転入力信号/INが入力され、第2電源で動作して入力信号INの電圧変換を行って、出力信号OUTとして出力する出力バッファ回路12と、を備えている。
【0013】
入力バッファ回路11は、入力端子に入力信号INが入力され、入力信号INを反転して出力端子から反転入力信号/INを出力する第1インバータ21と、入力端子に反転入力信号/INが入力され、反転入力信号/INを反転して出力端子から非反転入力信号INを出力する第2インバータ22と、を備えている。
【0014】
出力バッファ回路12は、非反転入力端子A、反転入力端子/A、非反転出力端子Y及び反転出力端子/Yを備え、非反転入力端子Aに入力された非反転入力信号IN及び反転入力端子/Aに入力された反転入力信号/INの電圧変換を行って非反転出力端子Yから電圧変換非反転出力信号VOUTを出力し、反転出力端子/Yから電圧変換反転出力信号/VOUTを出力する電圧変換回路31と、アウトプットイネーブル信号OEが出力ディセーブル状態である場合に電圧変換回路31の出力を同レベル(図1の例では、“H”レベル)に維持する出力維持部として機能する出力維持回路32と、電圧変換回路31の非反転出力及び反転出力が同電位レベルであるか否かを判断する判断部として機能するNAND回路33と、NAND回路33の出力に基づいて、電圧変換回路31の非反転出力及び反転出力が同電位レベルである場合に、制御信号OE’をディスエーブル状態として、スリーステート出力バッファ回路35を出力ディスエーブル状態とする出力制御部として機能するAND回路34と、入力端子が非反転出力端子Yに接続され、制御信号OE’がイネーブル状態である場合に電圧変換非反転信号VOUTを出力信号OUTとして出力するスリーステート出力バッファ回路35と、動作スイッチ(NチャネルMOSトランジスタ)36と、を備えて構成されている。
【0015】
ここで、電圧変換回路の構成について説明する。
図2は、電圧変換回路の回路構成例の説明図である。
電圧変換回路31は、ゲート端子が非反転入力端子Aに接続され、ドレイン端子が反転出力端子に接続され、ソース端子が第2電源の低電位側電源(図2の例では、接地)に接続されるNチャネルMOSトランジスタ41と、ゲート端子が反転入力端子/Aに接続され、ドレイン端子が非反転出力端子に接続され、ソース端子が第2電源の低電位側電源(図2の例では、接地)に接続されるNチャネルMOSトランジスタ42と、ゲート端子が非反転出力端子Yに接続され、ソース端子が第2電源の高電位側電源に接続され、ドレイン端子が反転出力端子/Yに接続されたPチャネルMOSトランジスタ43と、ゲート端子が反転出力端子/Yに接続され、ソース端子が第2電源の高電位側電源に接続され、ドレイン端子が非反転出力端子Yに接続されたPチャネルMOSトランジスタ44と、を備えている。
【0016】
上記構成において、入力信号INが“H”レベルの場合には、NチャネルMOSトランジスタ41は、オン状態(閉状態)となる。一方、NチャネルMOSトランジスタ42は、オフ状態(開状態)となる。
これらの結果、PチャネルMOSトランジスタ44のゲート端子は、“L”レベルとなり、PチャネルMOSトランジスタ44は、オン状態(閉状態)となる。
【0017】
この結果、非反転出力端子は“H”レベルに遷移する。
これに伴い、PチャネルMOSトランジスタ43のゲート端子は、“H”レベルとなり、PチャネルMOSトランジスタ43は、オフ状態(開状態)となる。
【0018】
したがって、NチャネルMOSトランジスタ41=オン状態、NチャネルMOSトランジスタ42=オフ状態、PチャネルMOSトランジスタ43=オフ状態、PチャネルMOSトランジスタ44=オン状態となるので、非反転出力端子Y=“H”レベル、反転出力端子/Yは“L”レベルとなり、非反転入力信号IN及び反転入力信号/INの論理のまま、電圧変換された“H”レベルの電圧変換非反転出力信号VOUTが非反転出力端子Yから出力され、電圧変換された“L”レベルの電圧変換反転出力信号/VOUTが反転出力端子/Yから出力される。
【0019】
また、入力信号INが“L”レベルの場合には、NチャネルMOSトランジスタ41は、オフ状態(開状態)となる。一方、NチャネルMOSトランジスタ42は、オン状態(閉状態)となる。
これらの結果、PチャネルMOSトランジスタ44のゲート端子は、“H”レベルとなり、PチャネルMOSトランジスタ44は、オフ状態(開状態)となる。
【0020】
この結果、非反転出力端子は“L”レベルに遷移する。
これに伴い、PチャネルMOSトランジスタ43のゲート端子は、“L”レベルとなり、PチャネルMOSトランジスタ43は、オン状態(閉状態)となる。
【0021】
したがって、NチャネルMOSトランジスタ41=オフ状態、NチャネルMOSトランジスタ42=オン状態、PチャネルMOSトランジスタ43=オン状態、PチャネルMOSトランジスタ44=オフ状態となるので、非反転出力端子Y=“L”レベル、反転出力端子/Yは“H”レベルとなり、非反転入力信号IN及び反転入力信号/INの論理のまま、電圧変換された“L”レベルの電圧変換非反転出力信号VOUTが非反転出力端子Yから出力され、電圧変換された“H”レベルの電圧変換反転出力信号/VOUTが反転出力端子/Yから出力される。
【0022】
次に出力維持回路32の構成例について説明する。
出力維持回路32は、図1に示すように、ゲート端子が共通接続され、ゲート端子にアウトプットイネーブル信号OEが入力される一対のPチャネルMOSトランジスタ51、52を備えている。
【0023】
さらにPチャネルMOSトランジスタ51のソース端子は、第2電源の高電位側電源に接続され、ドレイン端子は電圧変換回路31の反転出力端子/Yに接続されている。
【0024】
一方、PチャネルMOSトランジスタ52のソース端子は、第2電源の高電位側電源に接続され、ドレイン端子は電圧変換回路31の非反転出力端子Yに接続されている。
【0025】
上記構成の結果、アウトプットイネーブル信号OEがディスエーブル状態、すなわち、アウトプットイネーブル信号OE=“L”レベルの場合に、PチャネルMOSトランジスタ51、52はオン状態(閉状態)となり、電圧変換回路31の非反転出力端子Y及び反転出力端子/Yは同レベル(この場合には、“H”レベル)とされる。
【0026】
次に第1実施形態の動作を説明する。
図3は、第1実施形態及のタイミングチャートである。
時刻t0において、アウトプットイネーブル信号OEはイネーブル状態、すなわち、アウトプットイネーブル信号OE=“H”レベルであり、入力信号INが“L”レベルであるものとする。
【0027】
入力信号IN=“L”レベルであるので、時刻t0からアウトプットイネーブル信号OEがディスエーブル状態、すなわち、アウトプットイネーブル信号OE=“L”レベルとなる時刻t1迄の期間においては、電圧変換回路の非反転入力端子A=“L”レベル、反転入力端子/A=“H”レベル、非反転出力端子Y=“L”レベル、反転出力端子/Y=“H”レベルとなっている。
【0028】
この結果、NAND回路33の入力は、一方が“H”レベル、他方が“L”レベルであるので、NAND回路33の出力信号である判断信号a=“H”レベルとなる。
さらにAND回路34の一方の入力は、判断信号a=“H”レベルであり、他方の入力はアウトプットイネーブル信号OE=“H”レベルであるので、AND回路34の出力信号であるスリーステート出力バッファ回路35の制御信号OE’は、“H”レベルのイネーブル状態である。
【0029】
したがって、スリーステート出力バッファ回路35は、入力された非反転出力端子Yの出力をそのまま出力し、“L”レベルを出力することとなる。
【0030】
その後、時刻t1において、アウトプットイネーブル信号OEがディスエーブル状態、すなわち、アウトプットイネーブル信号OE=“L”レベルに遷移すると、出力維持回路32のPチャネルMOSトランジスタ51、52はオン状態(閉状態)となり、電圧変換回路31の非反転出力端子Y及び反転出力端子/Yは同レベル(この場合には、“H”レベル)となる。
【0031】
この結果、NAND回路33の入力は、双方が“H”レベルとなるので、NAND回路33の出力信号である判断信号a=“L”レベルとなる。
さらにAND回路34の一方の入力は、判断信号a=“L”レベルであり、他方の入力はアウトプットイネーブル信号OE=“L”レベルであるので、AND回路34の出力信号であるスリーステート出力バッファ回路35の制御信号OE’は、“L”レベルのディスエーブル状態となる。
【0032】
さらに時刻t2において、再びアウトプットイネーブル信号OEがイネーブル状態、すなわち、アウトプットイネーブル信号OE=“H”レベルとなり、非反転入力端子A及び反転入力端子/Aに新たなデータが取り込まれる。
【0033】
しかしながら、非反転入力端子Aに入力された信号が非反転出力端子Yに伝搬される時刻t3までの期間、すなわち、非反転入力端子Aの信号レベルの遷移が非反転出力端子Yの信号レベルの遷移として現れるまでの期間において、非反転出力は、非反転出力端子Y及び反転出力端子/Yは同レベル(図1の例では、“H”レベル)が維持される。
【0034】
この結果、NAND回路33の入力は、双方が“H”レベルとなるので、NAND回路33の出力信号である判断信号a=“L”レベルとなり、AND回路34の出力信号であるスリーステート出力バッファ回路35の制御信号OE’は、“L”レベルのディスエーブル状態で維持され、出力端子OUTは、ハイインピーダンス状態が維持される。
そして、非反転入力端子Aに入力された信号が非反転出力端子Yに伝搬される時刻t3において、非反転出力端子Yは“L”レベルとなる。
【0035】
この結果、NAND回路33の入力は、一方が“L”レベル、他方が“H”レベルとなるので、NAND回路の出力信号である判断信号a=“H”レベルとなり、AND回路34の出力信号であるスリーステート出力バッファ回路35の制御信号OE’は、“H”レベルのイネーブル状態となり、出力端子OUTから“L”レベルの信号が出力される。
【0036】
以上の説明のように、本第1実施形態によれば、出力制御信号としてのアウトプットイネーブル信号OEによりハイインピーダンス出力状態を解除しようとしても、伝搬遅延により非反転出力端子Y及び非反転出力端子Yが同一レベルである期間においては、スリーステート出力バッファ35のハイインピーダンス状態を維持するので、誤出力を確実に防止することができる。
【0037】
[2]第2実施形態
図4は、第2実施形態のバスバッファ回路の概要構成ブロック図である。
本第2実施形態と第1実施形態とが異なる点は、上記第1実施形態においては、非反転出力及び反転出力が同電位レベルであるか否かを判断する判断部として機能するNAND回路33を設けていたが、本第2実施形態では、これに代えて非反転出力及び反転出力が同電位レベルであるか否かを判断する判断部として機能するEXOR回路61を有する出力バッファ回路12Aを設けた点である。
他の構成については第1実施形態と同様であるので、第1実施形態の説明を援用するとともに、出力バッファ回路12Aの動作について説明する。
【0038】
次に第2実施形態の動作を説明する。
第2実施形態のタイミングチャートは、第1実施形態のタイミングチャートと同様であるので、再び図3を参照して説明する。
時刻t0において、アウトプットイネーブル信号OEはイネーブル状態、すなわち、アウトプットイネーブル信号OE=“H”レベルであり、入力信号INが“L”レベルであるものとする。
【0039】
入力信号IN=“L”レベルであるので、時刻t0からアウトプットイネーブル信号OEがディスエーブル状態、すなわち、アウトプットイネーブル信号OE=“L”レベルとなる時刻t1迄の期間においては、電圧変換回路の非反転入力端子A=“L”レベル、反転入力端子/A=“H”レベル、非反転出力端子Y=“L”レベル、反転出力端子/Y=“H”レベルとなっている。
【0040】
この結果、EXOR回路61の入力は、一方が“H”レベル、他方が“L”レベルであるので、EXOR回路61の出力信号である判断信号a=“H”レベルとなる。
さらにAND回路34の一方の入力は、判断信号a=“H”レベルであり、他方の入力はアウトプットイネーブル信号OE=“H”レベルであるので、AND回路の出力信号であるスリーステート出力バッファ回路35の制御信号OE’は、“H”レベルのイネーブル状態である。
【0041】
したがって、スリーステート出力バッファ回路35は、入力された非反転出力端子Yの出力をそのまま出力し、“L”レベルを出力することとなる。
【0042】
その後、時刻t1において、アウトプットイネーブル信号OEがディスエーブル状態、すなわち、アウトプットイネーブル信号OE=“L”レベルに遷移すると、出力維持回路32のPチャネルMOSトランジスタ51、52はオン状態(閉状態)となり、電圧変換回路31の非反転出力端子Y及び反転出力端子/Yは同レベル(この場合には、“H”レベル)となる。
【0043】
この結果、EXOR回路61の入力は、双方が“H”レベルとなるので、EXOR回路61の出力信号である判断信号a=“L”レベルとなる。
さらにAND回路の一方の入力は、判断信号a=“L”レベルであり、他方の入力はアウトプットイネーブル信号OE=“L”レベルであるので、AND回路34の出力信号であるスリーステート出力バッファ回路35の制御信号OE’は、“L”レベルのディスエーブル状態となる。
【0044】
さらに時刻t2において、再びアウトプットイネーブル信号OEがイネーブル状態、すなわち、アウトプットイネーブル信号OE=“H”レベルとなり、非反転入力端子A及び反転入力端子/Aに新たなデータが取り込まれる。
【0045】
しかしながら、非反転入力端子Aに入力された信号が非反転出力端子Yに伝搬される時刻t3までの期間は、非反転出力端子Y及び反転出力端子/Yは同レベル(図4の例では、“H”レベル)が維持される。
【0046】
この結果、EXOR回路61の入力は、双方が“H”レベルとなるので、EXOR回路61の出力信号である判断信号a=“L”レベルとなり、AND回路34の出力信号であるスリーステート出力バッファ回路35の制御信号OE’は、“L”レベルのディスエーブル状態で維持され、出力端子OUTは、ハイインピーダンス状態が維持される。
そして、非反転入力端子Aに入力された信号が非反転出力端子Yに伝搬される時刻t3において、非反転出力端子Yは“L”レベルとなる。
【0047】
この結果、EXOR回路61の入力は、一方が“L”レベル、他方が“H”レベルとなるので、EXOR回路61の出力信号である判断信号a=“H”レベルとなり、AND回路34の出力信号であるスリーステート出力バッファ回路35の制御信号OE’は、“H”レベルのイネーブル状態となり、出力端子OUTから“L”レベルの信号が出力される。
【0048】
以上の説明のように、本第2実施形態によっても、出力制御信号としてのアウトプットイネーブル信号OEによりハイインピーダンス出力状態をが解除しようとしても、伝搬遅延により非反転出力端子Y及び非反転出力端子Yが同一レベルである期間においては、スリーステート出力バッファのハイインピーダンス状態を維持するので、誤出力を確実に防止することができる。
【0049】
[3]第3実施形態
上記第1実施形態及び第2実施形態においては、アウトプットイネーブル信号OEがディスエーブル状態、すなわち、アウトプットイネーブル信号OE=“L”レベルに遷移すると、出力維持回路32のPチャネルMOS51、52がオン状態(閉状態)になることにより、電圧変換回路31の非反転出力端子Y及び反転出力端子/Yを双方とも“H”レベルに設定していたが、本第3実施形態は、電圧変換回路31の非反転出力端子Y及び反転出力端子/Yを双方とも“L”レベルに設定する実施形態である。
【0050】
図5は、第3実施形態のバスバッファ回路の概要構成ブロック図である。
この場合においては、入力バッファ回路11、電圧変換回路31、AND回路34及びスリーステート出力バッファ回路35の構成は、第1実施形態と同様であるので、その詳細な説明を援用するものとする。
【0051】
出力バッファ回路12Bは、電圧変換回路31と、アウトプットイネーブル信号OEが出力ディセーブル状態である場合に電圧変換回路31の出力を同レベル(図5の例では、“H”レベル)に維持する出力維持部として機能する出力維持回路32Aと、電圧変換回路31の非反転出力及び反転出力が同電位レベルであるか否かを判断する判断部として機能するOR回路65と、AND回路34と、スリーステート出力バッファ回路35と、を備えて構成されている。
【0052】
まず出力維持回路32Aの構成例について説明する。
出力維持回路32Aは、図5に示すように、ゲート端子が共通接続され、ゲート端子にアウトプットイネーブル信号OEの反転信号である反転アウトプットイネーブル信号/OEが入力される一対のNチャネルMOSトランジスタ71、72を備えている。
【0053】
さらにNチャネルMOSトランジスタ71のソース端子は、第2電源の低電位側電源(接地)に接続され、ドレイン端子は電圧変換回路31の反転出力端子/Yに接続されている。
【0054】
一方、NチャネルMOSトランジスタ72のソース端子は、第2電源の低電位側電源(接地)に接続され、ドレイン端子は電圧変換回路31の非反転出力端子Yに接続されている。
【0055】
上記構成の結果、アウトプットイネーブル信号OEがディスエーブル状態であるアウトプットイネーブル信号OE=“L”レベルの場合、すなわち、反転アウトプットイネーブル信号/OE=“H”レベルの場合に、NチャネルMOSトランジスタ71、72はオン状態(閉状態)となり、電圧変換回路31の非反転出力端子Y及び反転出力端子/Yは同レベル(この場合には、“L”レベル)とされる。
【0056】
次に第3実施形態の動作を説明する。
図6は、第3実施形態のタイミングチャートである。
時刻t0において、アウトプットイネーブル信号OEはイネーブル状態、すなわち、アウトプットイネーブル信号OE=“H”レベルであり、入力信号INが“H”レベルであるものとする。
【0057】
入力信号IN=“H”レベルであるので、時刻t0からアウトプットイネーブル信号OEがディスエーブル状態、すなわち、アウトプットイネーブル信号OE=“L”レベルとなる時刻t1迄の期間においては、電圧変換回路の非反転入力端子A=“H”レベル、反転入力端子/A=“L”レベル、非反転出力端子Y=“H”レベル、反転出力端子/Y=“L”レベルとなっている。
【0058】
この結果、OR回路65の入力は、一方が“H”レベル、他方が“L”レベルであるので、OR回路65の出力信号である判断信号a=“H”レベルとなる。
さらにAND回路34の一方の入力は、判断信号a=“H”レベルであり、他方の入力はアウトプットイネーブル信号OE=“H”レベルであるので、AND回路34の出力信号である出力バッファ回路のイネーブル信号OE’は、“H”レベルのイネーブル状態である。
【0059】
したがって、出力バッファ回路は、入力された非反転出力端子Yの出力をそのまま出力し、“H”レベルを出力することとなる。
【0060】
その後、時刻t1において、アウトプットイネーブル信号OEがディスエーブル状態、すなわち、アウトプットイネーブル信号OE=“L”レベルに遷移すると、反転アウトプットイネーブル信号/OE=“H”レベルに遷移することとなるので、出力維持回路32AのNチャネルMOSトランジスタ71、72はオン状態(閉状態)となり、電圧変換回路31の非反転出力端子Y及び反転出力端子/Yは同レベル(この場合には、“L”レベル)となる。
【0061】
この結果、OR回路65の入力は、双方が“L”レベルとなるので、OR回路65の出力信号である判断信号a=“L”レベルとなる。
さらにAND回路34の一方の入力は、判断信号a=“L”レベルであり、他方の入力はアウトプットイネーブル信号OE=“L”レベルであるので、AND回路34の出力信号である出力バッファ回路のイネーブル信号OE’は、“L”レベルのディスエーブル状態となる。
【0062】
さらに時刻t2において、再びアウトプットイネーブル信号OEがイネーブル状態、すなわち、アウトプットイネーブル信号OE=“H”レベルとなり、非反転入力端子A及び反転入力端子/Aに新たなデータが取り込まれる。
【0063】
しかしながら、非反転入力端子Aに入力された信号が非反転出力端子Yに伝搬される時刻t3までの期間は、非反転出力端子Y及び反転出力端子/Yは同レベル(図5の例では、“L”レベル)が維持される。
【0064】
この結果、OR回路65の入力は、双方が“L”レベルとなるので、OR回路65の出力信号である判断信号a=“L”レベルとなり、AND回路34の出力信号である出力バッファ回路のイネーブル信号OE’は、“L”レベルのディスエーブル状態で維持され、出力端子OUTは、ハイインピーダンス状態が維持される。
そして、非反転入力端子Aに入力された信号が非反転出力端子Yに伝搬される時刻t3において、非反転出力端子Yは“H”レベルとなる。
【0065】
この結果、OR回路65の入力は、一方が“L”レベル、他方が“H”レベルとなるので、OR回路65の出力信号である判断信号a=“H”レベルとなり、AND回路34の出力信号である出力バッファ回路のイネーブル信号OE’は、“H”レベルのイネーブル状態となり、出力端子OUTから“H”レベルの信号が出力される。
【0066】
以上の説明のように、本第3実施形態によれば、出力制御信号としてのアウトプットイネーブル信号OEによりハイインピーダンス出力状態をが解除しようとしても、伝搬遅延により非反転出力端子Y及び非反転出力端子Yが同一レベルである期間においては、スリーステート出力バッファのハイインピーダンス状態を維持するので、誤出力を確実に防止することができる。
【0067】
[4]第4実施形態
図7は、第4実施形態のバスバッファ回路の概要構成ブロック図である。
本第4実施形態と第3実施形態とが異なる点は、上記第3実施形態においては、非反転出力及び反転出力が同電位レベルであるか否かを判断する判断部として機能するOR回路65を設けていたが、本第4実施形態では、これに代えて非反転出力及び反転出力が同電位レベルであるか否かを判断する判断部として機能するEXOR回路75を有する出力バッファ回路12Cを設けた点である。
他の構成については第3実施形態と同様であるので、第3実施形態の説明を援用するとともに、出力バッファ回路12Cの動作について説明する。
【0068】
次に第4実施形態の動作を説明する。
第4実施形態のタイミングチャートは、第3実施形態のタイミングチャートと同様であるので、再び図6を参照して説明する。
時刻t0において、アウトプットイネーブル信号OEはイネーブル状態、すなわち、アウトプットイネーブル信号OE=“H”レベルであり、入力信号INが“H”レベルであるものとする。
【0069】
入力信号IN=“H”レベルであるので、時刻t0からアウトプットイネーブル信号OEがディスエーブル状態、すなわち、アウトプットイネーブル信号OE=“L”レベルとなる時刻t1迄の期間においては、電圧変換回路の非反転入力端子A=“H”レベル、反転入力端子/A=“L”レベル、非反転出力端子Y=“H”レベル、反転出力端子/Y=“L”レベルとなっている。
【0070】
この結果、EXOR回路75の入力は、一方が“H”レベル、他方が“L”レベルであるので、EXOR回路75の出力信号である判断信号a=“H”レベルとなる。
さらにAND回路34の一方の入力は、判断信号a=“H”レベルであり、他方の入力はアウトプットイネーブル信号OE=“H”レベルであるので、AND回路34の出力信号であるスリーステート出力バッファ回路35の制御信号OE’は、“H”レベルのイネーブル状態である。
【0071】
したがって、出力バッファ回路は、入力された非反転出力端子Yの出力をそのまま出力し、“H”レベルを出力することとなる。
【0072】
その後、時刻t1において、アウトプットイネーブル信号OEがディスエーブル状態、すなわち、アウトプットイネーブル信号OE=“L”レベルに遷移すると、反転アウトプットイネーブル信号OE=“H”レベルに遷移することとなるので、出力維持回路32のNチャネルMOSトランジスタ71、72はオン状態(閉状態)となり、電圧変換回路31の非反転出力端子Y及び反転出力端子/Yは同レベル(この場合には、“L”レベル)となる。
【0073】
この結果、EXOR回路75の入力は、双方が“L”レベルとなるので、EXOR回路75の出力信号である判断信号a=“L”レベルとなる。
さらにAND回路34の一方の入力は、判断信号a=“L”レベルであり、他方の入力はアウトプットイネーブル信号OE=“L”レベルであるので、AND回路34の出力信号であるスリーステート出力バッファ回路35の制御信号OE’は、“L”レベルのディスエーブル状態となる。
【0074】
さらに時刻t2において、再びアウトプットイネーブル信号OEがイネーブル状態、すなわち、アウトプットイネーブル信号OE=“H”レベルとなり、非反転入力端子A及び反転入力端子/Aに新たなデータが取り込まれる。
【0075】
しかしながら、非反転入力端子Aに入力された信号が非反転出力端子Yに伝搬される時刻t3までの期間は、非反転出力端子Y及び反転出力端子/Yは同レベル(図7の例では、“L”レベル)が維持される。
【0076】
この結果、EXOR回路75の入力は、双方が“L”レベルとなるので、EXOR回路75の出力信号である判断信号a=“L”レベルとなり、AND回路34の出力信号であるスリーステート出力バッファ回路35の制御信号OE’は、“L”レベルのディスエーブル状態で維持され、出力端子OUTは、ハイインピーダンス状態が維持される。
そして、非反転入力端子Aに入力された信号が非反転出力端子Yに伝搬される時刻t3において、非反転出力端子Yは“H”レベルとなる。
【0077】
この結果、EXOR回路75の入力は、一方が“L”レベル、他方が“H”レベルとなるので、EXOR回路75の出力信号である判断信号a=“H”レベルとなり、AND回路34の出力信号であるスリーステート出力バッファ回路35の制御信号OE’は、“H”レベルのイネーブル状態となり、出力端子OUTから“H”レベルの信号が出力される。
【0078】
以上の説明のように、本第4実施形態によれば、出力制御信号としてのアウトプットイネーブル信号OEによりハイインピーダンス出力状態をが解除しようとしても、伝搬遅延により非反転出力端子Y及び非反転出力端子Yが同一レベルである期間においては、スリーステート出力バッファのハイインピーダンス状態を維持するので、誤出力を確実に防止することができる。
【0079】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、以上の各実施形態においては、スリーステート出力バッファ回路35が非反転出力端子Yの出力信号である電圧変換非反転出力信号を出力端子OUTから出力する場合を例として説明したが、スリーステート出力バッファ回路35の入力端子に反転出力端子/Yを接続して、反転出力端子/Yの出力信号である電圧変換反転出力信号を出力端子OUTから出力する構成とすることも可能である。
【符号の説明】
【0080】
10 バスバッファ回路
11 入力バッファ回路
12、12A、12B、12C 出力バッファ回路
21 第1インバータ
22 第2インバータ
31 電圧変換回路
32、32A 出力維持回路(出力維持部)
33 NAND回路(判断部)
34 AND回路(出力制御部)
35 スリーステート出力バッファ回路
41、42 NチャネルMOSトランジスタ
43、44 PチャネルMOSトランジスタ
51、52 PチャネルMOSトランジスタ(出力制御部)
61 EXOR回路(判断部)
65 OR回路(判断部)
71、72 NチャネルMOSトランジスタ(出力制御部)
75 EXOR回路
A 非反転入力端子
IN 非反転入力信号
/IN 反転入力信号
OE アウトプットイネーブル信号
/OE 反転アウトプットイネーブル信号
OE’ 制御信号
OUT 出力端子
VOUT 電圧変換非反転信号
/VOUT 電圧変換非反転出力信号
Y 非反転出力端子
/Y 反転出力端子
a 判断信号
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7