(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】熱交換器
(51)【国際特許分類】
F28F 1/32 20060101AFI20240708BHJP
F25B 39/00 20060101ALI20240708BHJP
F28D 1/053 20060101ALI20240708BHJP
F28F 1/02 20060101ALI20240708BHJP
【FI】
F28F1/32 F
F28F1/32 G
F28F1/32 V
F28F1/32 X
F25B39/00 D
F28D1/053 A
F28F1/02 A
(21)【出願番号】P 2021162282
(22)【出願日】2021-09-30
【審査請求日】2022-10-05
【審判番号】
【審判請求日】2023-07-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 健
(72)【発明者】
【氏名】安東 透
(72)【発明者】
【氏名】廣川 智己
(72)【発明者】
【氏名】奥野 文
(72)【発明者】
【氏名】内田 賢吾
【合議体】
【審判長】間中 耕治
【審判官】水野 治彦
【審判官】村山 美保
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-221713(JP,A)
【文献】国際公開第2018/078800(WO,A1)
【文献】特開2015-42932(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28F1/32
F28D1/053
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒と空気との間で熱交換を行わせる熱交換器(24)であって、
断面の長手方向と交差する第1方向に沿って並び、内部を冷媒が流れる、複数の扁平管(243)と、
複数の前記扁平管に対し、前記扁平管の断面の長手方向の第1端側から差し込まれ、複数の前記扁平管に接触している、風上側に位置する、複数の第1の伝熱フィン(241)と、
複数の前記扁平管に対し、前記扁平管の断面の長手方向の第2端側から差し込まれ、複数の前記扁平管に接触している、風下側に位置する、複数の第2の伝熱フィン(242)と、
を備え、
前記第1の伝熱フィンは、
隣り合う前記扁平管の間に差し込まれる、複数の第1差込部(241a)と、
前記扁平管の断面の長手方向の前記第1端の外側において、複数の前記第1差込部を接続する、前記第1方向に延びる、第1連通部(241b)と、
を有し、
前記第2の伝熱フィンは、
隣り合う前記扁平管の間に差し込まれる、複数の第2差込部(242a)と、
前記扁平管の断面の長手方向の前記第2端の外側において、複数の前記第2差込部を接続する、前記第1方向に延びる、第2連通部(242b)と、
を有
し、
前記第1の伝熱フィンと、前記第2の伝熱フィンとの間の、風流れ方向の距離(L3)は、1mm以上であり、かつ前記扁平管の断面の長手方向の長さ(L4)の20%以下である、
熱交換器(24)。
【請求項2】
前記第1連通部の風流れ方向の幅(L12)は、前記第2連通部の風流れ方向の幅(L22)よりも広い、
請求項1に記載の熱交換器(24)。
【請求項3】
複数の前記第1の伝熱フィンのフィンピッチ(L11)は、複数の前記第2の伝熱フィンのフィンピッチ(L21)よりも広い、
請求項1又は2に記載の熱交換器(24)。
【請求項4】
前記第1の伝熱フィンと、前記第2の伝熱フィンとの間の、風流れ方向の距離(L3)は、複数の前記第1の伝熱フィンのフィンピッチ(L11)以上であり、かつ複数の前記第2の伝熱フィンのフィンピッチ(L21)以上である、
請求項1から3のいずれか1つに記載の熱交換器(24)。
【請求項5】
前記第1の伝熱フィンと、前記第2の伝熱フィンとは、フィンの形状が異なる、
請求項1から
4のいずれか1つに記載の熱交換器(24)。
【請求項6】
前記第1の伝熱フィンと、前記第2の伝熱フィンとは、切り込みの状態が異なる、
請求項1から
5のいずれか1つに記載の熱交換器(24)。
【請求項7】
前記第2の伝熱フィンの風上側の前縁に、切り込みが形成される、
請求項1から
6のいずれか1つに記載の熱交換器(24)。
【請求項8】
前記第1の伝熱フィンと、前記第2の伝熱フィンとは、クラッド材から成形される、
請求項1から
7のいずれか1つに記載の熱交換器(24)。
【請求項9】
前記第1の伝熱フィンと、前記第2の伝熱フィンとは、千鳥配列される、
請求項1から
8のいずれか1つに記載の熱交換器(24)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開2019-15410号公報)に示されているように、扁平管の断面の長手方向の一方の端側から、伝熱フィンが差し込まれる、熱交換器が知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
室外が低温時に暖房運転を行った場合、特許文献1の熱交換器では、風上側又は風下側に、伝熱フィンの連通部がないため、うまく結露水が排水できず、着霜しやすい、という課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1観点の熱交換器は、冷媒と空気との間で熱交換を行わせる。熱交換器は、複数の扁平管と、複数の第1の伝熱フィンと、複数の第2の伝熱フィンと、を備える。複数の扁平管は、断面の長手方向と交差する第1方向に沿って並び、内部を冷媒が流れる。複数の第1の伝熱フィンは、複数の扁平管に対し、扁平管の断面の長手方向の第1端側から差し込まれる。複数の第1の伝熱フィンは、複数の扁平管に接触している。複数の第1の伝熱フィンは、風上側に位置する。複数の第2の伝熱フィンは、複数の扁平管に対し、扁平管の断面の長手方向の第2端側から差し込まれる。複数の第2の伝熱フィンは、複数の扁平管に接触している。複数の第2の伝熱フィンは、風下側に位置する。第1の伝熱フィンは、複数の第1差込部と、第1連通部と、を有する。複数の第1差込部は、隣り合う扁平管の間に差し込まれる。第1連通部は、扁平管の断面の長手方向の第1端の外側において、複数の第1差込部を接続する。第1連通部は、第1方向に延びる。第2の伝熱フィンは、複数の第2差込部と、第2連通部と、を有する。複数の第2差込部は、隣り合う扁平管の間に差し込まれる。第2連通部は、扁平管の断面の長手方向の第2端の外側において、複数の第2差込部を接続する。第2連通部は、第1方向に延びる。
【0005】
第1観点の熱交換器では、第1の伝熱フィンは、第1連通部を有する。第1連通部は、扁平管の断面の長手方向の第1端の外側において、複数の第1差込部を接続する。第1連通部は、第1方向に延びる。第2の伝熱フィンは、第2連通部を有する。第2連通部は、扁平管の断面の長手方向の第2端の外側において、複数の第2差込部を接続する。第2連通部は、第1方向に延びる。その結果、熱交換器は、扁平管の両側に、伝熱フィンの連通部を有することにより、排水性を向上させ、着霜を遅延させることができる。
【0006】
第2観点の熱交換器は、第1観点の熱交換器であって、第1連通部の風流れ方向の幅は、第2連通部の風流れ方向の幅よりも広い。
【0007】
第2観点の熱交換器は、第1の伝熱フィンの風上側端部を、扁平管から遠ざけることにより、第1の伝熱フィンの風上側端部の着霜を、遅延させることができる。
【0008】
第3観点の熱交換器は、第1観点又は第2観点のいずれかの熱交換器であって、複数の第1の伝熱フィンのフィンピッチは、複数の第2の伝熱フィンのフィンピッチよりも広い。
【0009】
第3観点の熱交換器は、このような構成により、複数の第1の伝熱フィンが、着霜により閉塞することを防止し、着霜を遅延させることができる。
【0010】
第4観点の熱交換器は、第1観点から第3観点のいずれかの熱交換器であって、第1の伝熱フィンと、第2の伝熱フィンとの間の、風流れ方向の距離は、1mm以上である。
【0011】
第4観点の熱交換器は、このような構成により、第2の伝熱フィンの風上側端部が、着霜により閉塞することを防止し、着霜を遅延させることができる。
【0012】
第5観点の熱交換器は、第1観点から第3観点のいずれかの熱交換器であって、第1の伝熱フィンと、第2の伝熱フィンとの間の、風流れ方向の距離は、複数の第1の伝熱フィンのフィンピッチ以上であり、かつ複数の第2の伝熱フィンのフィンピッチ以上である。
【0013】
第5観点の熱交換器は、このような構成により、第2の伝熱フィンの風上側端部が、着霜により閉塞することを防止し、着霜を遅延させることができる。
【0014】
第6観点の熱交換器は、第1観点から第5観点のいずれかの熱交換器であって、第1の伝熱フィンと、第2の伝熱フィンとの間の、風流れ方向の距離は、扁平管の断面の長手方向の長さの20%以下である。
【0015】
第7観点の熱交換器は、第1観点から第6観点のいずれかの熱交換器であって、第1の伝熱フィンと、第2の伝熱フィンとは、フィンの形状が異なる。
【0016】
第7観点の熱交換器は、このような構成により、例えば、第1の伝熱フィンを、着霜遅延の効果を有する形状とし、第2の伝熱フィンを、伝熱促進の効果を有する形状とする等、第1の伝熱フィンと第2の伝熱フィンの効果を、分けることができる。
【0017】
第8観点の熱交換器は、第1観点から第7観点のいずれかの熱交換器であって、第1の伝熱フィンと、第2の伝熱フィンとは、切り込みの状態が異なる。
【0018】
第9観点の熱交換器は、第1観点から第8観点のいずれかの熱交換器であって、第2の伝熱フィンの風上側の前縁に、切り込みが形成される。
【0019】
第9観点の熱交換器は、このような構成により、第2の伝熱フィンの伝熱を、促進することができる。
【0020】
第10観点の熱交換器は、第1観点から第9観点のいずれかの熱交換器であって、第1の伝熱フィンと、第2の伝熱フィンとは、クラッド材から成形される。
【0021】
第10観点の熱交換器は、このような構成により、第1の伝熱フィン、及び第2の伝熱フィンの親水性を確保し、排水性を向上させることができる。
【0022】
第11観点の熱交換器は、第1観点から第10観点のいずれかの熱交換器であって、第1の伝熱フィンと、第2の伝熱フィンとは、千鳥配列される。
【0023】
第11観点の熱交換器は、このような構成により、第2の伝熱フィンの風上側の縁部の伝熱を、促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【発明を実施するための形態】
【0025】
(1)全体構成
空気調和装置1は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを利用して、対象空間の空気調和を行う装置である。
図1は、空気調和装置1の冷媒回路40を示す図である。
図1に示すように、空気調和装置1は、主として、室内ユニット10と、室外ユニット20と、を有する。室内ユニット10と、室外ユニット20とが、液冷媒連絡配管41及びガス冷媒連絡配管42によって接続されることにより、冷媒回路40が構成される。また、室内ユニット10と、室外ユニット20とは、通信線80によって、通信可能に接続されている。
【0026】
(2)詳細構成
(2-1)室内ユニット
室内ユニット10は、空気調和装置1が設置される建物の室内等、空気調和の対象空間に設置される。室内ユニット10は、例えば、壁掛け型のユニットや、天井埋込型のユニット等である。
図1に示すように、室内ユニット10は、主として、室内熱交換器11と、室内ファン12と、室内制御部19と、を有する。また、室内ユニット10は、室内温度センサ等の各種センサ(図示省略)を有する。また、室内ユニット10は、室内熱交換器11の液側端と液冷媒連絡配管41とを接続する、液冷媒配管44aと、室内熱交換器11のガス側端とガス冷媒連絡配管42とを接続する、ガス冷媒配管44bとを有する。
【0027】
(2-1-1)室内熱交換器
室内熱交換器11は、室内熱交換器11を流れる冷媒と、対象空間の空気との間で熱交換を行わせる。室内熱交換器11は、例えば、複数の伝熱フィンと、複数の伝熱管と、を有するフィン・アンド・チューブ型の熱交換器である。
【0028】
図1に示すように、室内熱交換器11の一端は、液冷媒配管44aを介して液冷媒連絡配管41と接続される。室内熱交換器11の他端は、ガス冷媒配管44bを介してガス冷媒連絡配管42と接続される。冷房運転時には、室内熱交換器11に液冷媒配管44aから冷媒が流入し、室内熱交換器11は冷媒の蒸発器として機能する。暖房運転時には、室内熱交換器11にガス冷媒配管44bから冷媒が流入し、室内熱交換器11は冷媒の凝縮器として機能する。
【0029】
(2-1-2)室内ファン
室内ファン12は、室内熱交換器11に、対象空間の空気を供給するファンである。室内ファン12は、例えば、クロスフローファンである。
図1に示すように、室内ファン12は、室内ファンモータ12mによって駆動される。室内ファンモータ12mの回転数は、インバータによって制御可能である。
【0030】
(2-1-3)室内制御部
室内制御部19は、室内ユニット10を構成する各部の動作を制御する。
【0031】
室内制御部19は、室内ファンモータ12mを含む、室内ユニット10が有する各種機器と、制御信号や情報のやりとりを行うことが可能となるように、電気的に接続されている。また、室内制御部19は、室内ユニット10に設けられている各種センサと通信可能に接続されている。
【0032】
室内制御部19は、制御演算装置及び記憶装置を有する。制御演算装置は、CPUやGPU等のプロセッサである。記憶装置は、RAM、ROM及びフラッシュメモリ等の記憶媒体である。制御演算装置は、記憶装置に記憶されているプログラムを読み出し、プログラムに従って所定の演算処理を行うことで、室内ユニット10を構成する各部の動作を制御する。また、制御演算装置は、プログラムに従って、演算結果を記憶装置に書き込んだり、記憶装置に記憶されている情報を読み出したりすることができる。
【0033】
室内制御部19は、操作用リモコン(図示省略)から送信される各種信号を、受信可能に構成されている。各種信号には、例えば、運転の開始及び停止を指示する信号や、各種設定に関する信号が含まれる。各種設定に関する信号には、例えば、設定温度や設定湿度に関する信号が含まれる。
【0034】
室内制御部19は、通信線80を介して、室外ユニット20の室外制御部29との間で各種信号等のやりとりを行う。室内制御部19及び室外制御部29は、協働してコントローラ60として機能する。コントローラ60の機能については後述する。
【0035】
(2-2)室外ユニット
室外ユニット20は、例えば、空気調和装置1が設置される建物の庭やベランダ等の室外に設置される。
図1に示すように、室外ユニット20は、主として、圧縮機21と、流路切換弁22と、アキュムレータ23と、室外熱交換器24と、室外膨張弁25と、室外ファン26と、室外制御部29と、を有する。また、室外ユニット20は、室外温度センサ等の各種センサ(図示省略)を有する。
【0036】
図1に示すように、室外ユニット20は、吸入管43aと、吐出管43bと、第1ガス冷媒管43cと、液冷媒管43dと、第2ガス冷媒管43eと、を有する。吸入管43aは、流路切換弁22と圧縮機21の吸入端とを接続する。吸入管43aには、アキュムレータ23が設けられる。吐出管43bは、圧縮機21の吐出端と流路切換弁22とを接続する。第1ガス冷媒管43cは、流路切換弁22と室外熱交換器24のガス側端とを接続する。液冷媒管43dは、室外熱交換器24の液側端と液冷媒連絡配管41とを接続する。液冷媒管43dには、室外膨張弁25が設けられている。また、液冷媒管43dの液冷媒連絡配管41との接続部には、液閉鎖弁27が設けられている。第2ガス冷媒管43eは、流路切換弁22とガス冷媒連絡配管42とを接続する。第2ガス冷媒管43eのガス冷媒連絡配管42との接続部には、ガス閉鎖弁28が設けられている。液閉鎖弁27及びガス閉鎖弁28は、手動で開閉される弁である。
【0037】
(2-2-1)圧縮機
圧縮機21は、低圧の冷媒を吸入し、圧縮機構(図示せず)によって冷媒を圧縮して、圧縮した冷媒を吐出する。圧縮機21は、例えば、ロータリ式やスクロール式等の容積圧縮機である。圧縮機21の圧縮機構は、圧縮機モータ21mによって駆動される。圧縮機モータ21mの回転数は、インバータにより制御可能である。
【0038】
(2-2-2)流路切換弁
流路切換弁22は、冷媒の流路を、第1状態と第2状態との間で切り換える機構である。流路切換弁22は、第1状態のとき、
図1の流路切換弁22内の実線で示されるように、吸入管43aを第2ガス冷媒管43eと連通させ、吐出管43bを第1ガス冷媒管43cと連通させる。流路切換弁22は、第2状態のとき、
図1の流路切換弁22内の破線で示されるように、吸入管43aを第1ガス冷媒管43cと連通させ、吐出管43bを第2ガス冷媒管43eと連通させる。
【0039】
流路切換弁22は、冷房運転時には、冷媒の流路を第1状態とする。このとき、圧縮機21から吐出される冷媒は、冷媒回路40内を、室外熱交換器24、室外膨張弁25、室内熱交換器11の順に流れ、圧縮機21へと戻る。第1状態では、室外熱交換器24は凝縮器として機能し、室内熱交換器11は蒸発器として機能する。
【0040】
流路切換弁22は、暖房運転時には、冷媒の流路を第2状態とする。このとき、圧縮機21から吐出される冷媒は、冷媒回路40内を、室内熱交換器11、室外膨張弁25、室外熱交換器24の順に流れ、圧縮機21へと戻る。第2状態では、室外熱交換器24は蒸発器として機能し、室内熱交換器11は凝縮器として機能する。
【0041】
(2-2-3)アキュムレータ
アキュムレータ23は、流入する冷媒を、ガス冷媒と液冷媒とに分離する気液分離機能を有する。アキュムレータ23に流入する冷媒は、ガス冷媒と液冷媒とに分離され、上部空間に集まるガス冷媒が、圧縮機21へと流出する。
【0042】
(2-2-4)室外熱交換器
室外熱交換器24は、室外熱交換器24の内部を流れる冷媒と、室外の空気との間で熱交換を行わせる。室外熱交換器24の構造についての詳細は、後述する。
【0043】
室外熱交換器24の一端は、液冷媒管43dを介して液冷媒連絡配管41と接続される。室外熱交換器24の他端は、第1ガス冷媒管43cを介して流路切換弁22と接続される。冷房運転時には、室外熱交換器24に第1ガス冷媒管43cから冷媒が流入し、室外熱交換器24は冷媒の凝縮器として機能する。暖房運転時には、室外熱交換器24に液冷媒管43dから冷媒が流入し、室外熱交換器24は冷媒の蒸発器として機能する。
【0044】
(2-2-5)室外膨張弁
室外膨張弁25は、冷媒回路40を流れる冷媒の圧力や流量を調節するための機構である。室外膨張弁25は、例えば、電子膨張弁である。
【0045】
(2-2-6)室外ファン
室外ファン26は、室外熱交換器24に空気を供給するファンである。室外ファン26は、例えば、プロペラファンである。室外ファン26は、室外ファンモータ26mによって駆動される。室外ファンモータ26mの回転数は、インバータにより制御可能である。
【0046】
(2-2-7)室外制御部
室外制御部29は、室外ユニット20を構成する各部の動作を制御する。
【0047】
室外制御部29は、圧縮機モータ21m、流路切換弁22、室外膨張弁25、室外ファンモータ26mを含む、室外ユニット20が有する各種機器と、制御信号や情報のやりとりを行うことが可能となるように、電気的に接続されている。また、室内制御部19は、室外ユニット20に設けられている各種センサと通信可能に接続されている。
【0048】
室外制御部29は、制御演算装置及び記憶装置を有する。制御演算装置は、CPUやGPU等のプロセッサである。記憶装置は、RAM、ROM及びフラッシュメモリ等の記憶媒体である。制御演算装置は、記憶装置に記憶されているプログラムを読み出し、プログラムに従って所定の演算処理を行うことで、室外ユニット20を構成する各部の動作を制御する。また、制御演算装置は、プログラムに従って、演算結果を記憶装置に書き込んだり、記憶装置に記憶されている情報を読み出したりすることができる。
【0049】
室外制御部29は、通信線80を介して、室内ユニット10の室内制御部19との間で各種信号等のやりとりを行う。室内制御部19及び室外制御部29は、協働してコントローラ60として機能する。コントローラ60の機能については後述する。
【0050】
(2-3)コントローラ
コントローラ60は、室内制御部19と、室外制御部29とが、通信線80を介して通信可能に接続されることによって構成される。コントローラ60は、室内制御部19及び室外制御部29のそれぞれの制御演算装置が、それぞれの記憶装置に記憶されたプログラムを実行することにより、空気調和装置1全体の動作を制御する。
【0051】
図2は、空気調和装置1の制御ブロック図である。
図2に示すように、コントローラ60は、室内ファンモータ12m、圧縮機モータ21m、流路切換弁22、及び室外膨張弁25、室外ファンモータ26m、を含む、室内ユニット10及び室外ユニット20の各種機器と、制御信号や情報のやりとりを行うことが可能となるように、電気的に接続されている。また、コントローラ60は、室内ユニット10及び室外ユニット20に設けられている各種センサと通信可能に接続されている。
【0052】
コントローラ60は、各種センサの計測信号や、室内制御部19が操作用リモコンから受信する指令等に基づいて、空気調和装置1の運転の開始及び停止や、空気調和装置1の各種機器の動作を制御する。また、コントローラ60は、今の運転状態等の情報や、各種報知を、操作用リモコンに送信することができる。
【0053】
コントローラ60は、主として、冷房運転と、暖房運転とを行う。
【0054】
(2-3-1)冷房運転
冷房運転は、対象空間の温度を、設定温度まで冷ます運転である。
【0055】
コントローラ60は、例えば、操作用リモコンから、冷房運転開始及び設定温度の指示を受ける。コントローラ60は、流路切換弁22を、第1状態に切り換える。冷房運転時の流路切換弁22は、圧縮機21から吐出される高温高圧のガス冷媒を室外熱交換器24に流す。室外熱交換器24では、冷媒と、室外ファン26により供給される室外の空気との間で熱交換が行われる。室外熱交換器24で冷やされた冷媒は、室外膨張弁25で減圧されて室内熱交換器11に流れ込む。室内熱交換器11では、冷媒と、室内ファン12により供給される対象空間の空気と、の間で熱交換が行われる。室内熱交換器11での熱交換により温められた冷媒は、流路切換弁22及びアキュムレータ23を経由して、圧縮機21に吸入される。室内熱交換器11で冷やされた対象空間の空気が、室内ユニット10から対象空間に吹き出されることで、対象空間の冷房が行われる。
【0056】
(2-3-2)暖房運転
暖房運転は、対象空間の温度を、設定温度まで温める運転である。
【0057】
コントローラ60は、例えば、操作用リモコンから、暖房運転開始及び設定温度の指示を受ける。コントローラ60は、流路切換弁22を、第2状態に切り換える。暖房運転時の流路切換弁22は、圧縮機21から吐出される高温高圧のガス冷媒を、室内熱交換器11に流す。室内熱交換器11では、冷媒と、室内ファン12により供給される対象空間の空気と、の間で熱交換が行われる。室内熱交換器11で冷やされた冷媒は、室外膨張弁25で減圧されて室外熱交換器24に流れ込む。室外熱交換器24では、冷媒と、室外ファン26により供給される対象空間の空気と、の間で熱交換が行われる。室外熱交換器24での熱交換により温められた冷媒は、流路切換弁22及びアキュムレータ23を経由して、圧縮機21に吸入される。室内熱交換器11で温められた対象空間の空気が、室内ユニット10から対象空間に吹き出されることで、対象空間の暖房が行われる。
【0058】
(3)室外熱交換器の構造
図3は、室外熱交換器24の外観斜視図である。
図4は、室外熱交換器24の拡大斜視断面図である。
図5は、室外熱交換器24の拡大断面図である。
図6は、室外熱交換器24の概略上面図である。
【0059】
図3に示すように、室外熱交換器24の外面は、直方体である室外ユニット20の、左側面、後面、右側面、及び前面の右側部分、と向き合う。室外熱交換器24の内面に囲われる空間には、上述の圧縮機21、アキュムレータ23、及び室外ファン26等が配置される。室外ファン26が前方向に向けて風を吹き出すことにより、室外熱交換器24の外面側から内面側に向かって室外の空気が流れる。
【0060】
図4に示すように、室外熱交換器24は、複数の扁平管243と、複数の第1の伝熱フィン241と、複数の第2の伝熱フィン242と、を有する。
【0061】
(3-1)扁平管
図3,4に示すように、複数の扁平管243は、断面Sの前後方向(長手方向)と交差する上下方向(第1方向)に沿って並び、内部を冷媒が流れる。複数の扁平管243はそれぞれ、伝熱面となる平面部243aと、冷媒が流れる複数の(
図4では9個の)内部流路243bと、を有する。扁平管243は、平面部243aを上下に向けた状態で、間隔を空けて積み重なるように、複数段並べられる。
【0062】
扁平管243は、アルミニウム、又はアルミニウム合金から成形されている。
【0063】
(3-2)伝熱フィン
図4に示すように、複数の第1の伝熱フィン241は、複数の扁平管243に対し、扁平管243の断面Sの前後方向(長手方向)の後側(第1端側)から差し込まれる。複数の第1の伝熱フィン241は、複数の扁平管243の平面部243aに接触している。複数の第1の伝熱フィン241は、風上側に位置する。
【0064】
図5に示すように、第1の伝熱フィン241は、複数の第1差込部241aと、第1連通部241bと、を有する。複数の第1差込部241aは、隣り合う扁平管243の間に差し込まれる。第1連通部241bは、扁平管243の断面Sの前後方向(長手方向)の後端(第1端)の外側において、複数の第1差込部241aを接続する。第1連通部241bは、上下方向(第1方向)に延びる。
【0065】
第1差込部241aには、リブ241cと、フィンタブ241dと、が形成されている。リブ241cは、左方向に、コの字状の山型に隆起させることにより形成される。フィンタブ241dは、左方向に切り起こすことにより形成される。フィンタブ241dは、隣り合う第1の伝熱フィン241の間隔(フィンピッチL11)を保持する。
【0066】
第1連通部241bには、リブ241eと、フィンタブ241fと、が形成されている。リブ241eは、左方向に、コの字状の山型に隆起させることにより形成される。フィンタブ241fは、左方向に切り起こすことにより形成される。フィンタブ241fは、隣り合う第1の伝熱フィン241同士の(フィンピッチL11)を保持する。
【0067】
図4に示すように、複数の第2の伝熱フィン242は、複数の扁平管243に対し、扁平管243の断面Sの前後方向(長手方向)の前側(第2端側)から差し込まれる。複数の第2の伝熱フィン242は、複数の扁平管243の平面部243aに接触している。複数の第2の伝熱フィン242は、風下側に位置する。
【0068】
図5に示すように、第2の伝熱フィン242は、複数の第2差込部242aと、第2連通部242bと、を有する。複数の第2差込部242aは、隣り合う扁平管243の間に差し込まれる。第2連通部242bは、扁平管243の断面Sの前後方向(長手方向)の前端(第2端)の外側において、複数の第2差込部242aを接続する。第2連通部242bは、上下方向(第1方向)に延びる。
【0069】
第2差込部242aには、リブ242cと、フィンタブ242dと、が形成されている。リブ242cは、左方向に、コの字状の山型に隆起させることにより形成される。フィンタブ242dは、左方向に切り起こすことにより形成される。フィンタブ242dは、隣り合う第2の伝熱フィン242の間隔(フィンピッチL21)を保持する。
【0070】
第2連通部242bには、リブ242eと、フィンタブ242fと、が形成されている。リブ242eは、左方向に、コの字状の山型に隆起させることにより形成される。フィンタブ242fは、左方向に切り起こすことにより形成される。フィンタブ242fは、隣り合う第2の伝熱フィン242の間隔(フィンピッチL21)を保持する。
【0071】
図6に示すように、第1の伝熱フィン241と、第2の伝熱フィン242とは、前後方向の位置が、概ね揃っている。複数の第1の伝熱フィン241のフィンピッチL11と、複数の第2の伝熱フィン242のフィンピッチL21とは、等しい。第1連通部241bの風流れ方向の幅L12と、第2連通部242bの風流れ方向の幅L22とは、等しい。複数の第1の伝熱フィン241と、第2の伝熱フィン242との間の、風流れ方向の距離L3は、1mm以上であり、かつ、扁平管243の断面Sの前後方向(長手方向)の長さL4の20%以下である。長さL4は、例えば、10mm~22mmである。
【0072】
本実施形態では、第1の伝熱フィン241と、第2の伝熱フィン242とは、クラッド材から成形される。
【0073】
(3-3)ヘッダ
図3に示すように、ヘッダ244は、冷房運転時には、圧縮機21側から第1ガス冷媒管43cを通って、室外熱交換器24に(
図3の実線矢印の向きに)流入し、後述するヘッダ245によって複数の扁平管243の内部流路243bに分流された冷媒を、合流させ、液冷媒管43dに流入させる。また、ヘッダ244は、暖房運転時には、室外膨張弁25側から液冷媒管43dを通って、室外熱交換器24に(
図3の破線矢印の向きに)流入した冷媒を、複数の扁平管243の内部流路243bに分流させる。
【0074】
ヘッダ245は、冷房運転時には、圧縮機21側から第1ガス冷媒管43cを通って、室外熱交換器24に(
図3の実線矢印の向きに)流入した冷媒を、複数の扁平管243の内部流路243bに分流させる。また、ヘッダ245は、暖房運転時には、室外膨張弁25側から液冷媒管43dを通って、室外熱交換器24に(
図3の破線矢印の向きに)流入し、ヘッダ244によって複数の扁平管243の内部流路243bに分流された冷媒を、合流させ、第1ガス冷媒管43cに流入させる。
【0075】
(4)検証
本検証では、室外が低温時に暖房運転を行った時の、本実施形態における室外熱交換器24と、風下側から複数の伝熱フィン51が差し込まれた従来の室外熱交換器50と、の暖房能力を比較した。
図7は、従来の室外熱交換器50の拡大断面図である。
【0076】
図6に示すように、本検証では、第1の伝熱フィン241と、第2の伝熱フィン242との間の、風流れ方向の距離L3は、1.4mとし、第1の伝熱フィン241の風流れ方向の長さL13と、第2の伝熱フィン242の風流れ方向の長さL23とは、20mmとした。そのため、室外熱交換器24の風流れ方向の長さ(L3+L13+L23)は、41.4mmである。一方、
図7に示すように、室外熱交換器50の風流れ方向の長さL5は、30mmとした。その他の伝熱面積、サイズ、扁平管52,243の段数等は、概ね等しくした。
【0077】
図8は、検証結果を示すグラフである。グラフG1は、室外熱交換器24の暖房能力の時間変化を示している。グラフG2は、室外熱交換器50の暖房能力の時間変化を示している。室外熱交換器24と室外熱交換器50とは、暖房運転の開始から約800秒経過するまで、同様に暖房能力が増加している。その後、室外熱交換器24は、約1400秒経過した時に、暖房能力のピークを迎える。そして、室外熱交換器24の暖房能力は、着霜により徐々に減少していき、約3200秒経過した時に暖房能力がなくなる。一方、室外熱交換器50は、約1200秒経過した時に、(室外熱交換器24よりも低い)暖房能力のピークを迎える。そして、室外熱交換器24の暖房能力は、着霜により(室外熱交換器24よりも急激に)減少していき、約2800秒経過した時に暖房能力がなくなる。
【0078】
室外熱交換器50は、扁平管52の風上側が露出しており、かつ扁平管52の風上側に伝熱フィン51の連通部がないため、うまく結露水が排水できず、着霜しやすい。そのため、室外熱交換器50は、室外熱交換器24よりも暖房能力のピークが低く、かつ室外熱交換器24よりも暖房能力が急激に減少していくと考えられる。
【0079】
また、暖房能力が減少していくことを見越して、適当なタイミングでデフロスト運転が行われる場合、本実施形態の室外熱交換器24を有する空気調和装置1は、着霜が遅延するため、室外熱交換器50を有する従来の空気調和装置と比較して、デフロスト運転の頻度を少なくし、暖房運転が行われている時間を長くすることができる。
【0080】
(5)特徴
(5-1)
従来、扁平管の断面の長手方向の一方の端側から、伝熱フィンが差し込まれる、熱交換器が知られている。
【0081】
室外が低温時に暖房運転を行った場合、従来の熱交換器では、風上側又は風下側に、伝熱フィンの連通部がないため、うまく結露水が排水できず、着霜しやすい、という課題がある。
【0082】
本実施形態の室外熱交換器24は、冷媒と空気との間で熱交換を行わせる。室外熱交換器24は、複数の扁平管243と、複数の第1の伝熱フィン241と、複数の第2の伝熱フィン242と、を備える。複数の扁平管243は、断面Sの前後方向と交差する上下方向に沿って並び、内部を冷媒が流れる。複数の第1の伝熱フィン241は、複数の扁平管243に対し、扁平管243の断面Sの前後方向の後側から差し込まれる。複数の第1の伝熱フィン241は、複数の扁平管243に接触している。複数の第1の伝熱フィン241は、風上側に位置する。複数の第2の伝熱フィン242は、複数の扁平管243に対し、扁平管243の断面Sの前後方向の前側から差し込まれる。複数の第2の伝熱フィン242は、複数の扁平管243に接触している。複数の第2の伝熱フィン242は、風下側に位置する。第1の伝熱フィン241は、複数の第1差込部241aと、第1連通部241bと、を有する。複数の第1差込部241aは、隣り合う扁平管243の間に差し込まれる。第1連通部241bは、扁平管243の断面Sの前後方向の後端の外側において、複数の第1差込部241aを接続する。第1連通部241bは、上下方向に延びる。第2の伝熱フィン242は、複数の第2差込部242aと、第2連通部242bと、を有する。複数の第2差込部242aは、隣り合う扁平管243の間に差し込まれる。第2連通部242bは、扁平管243の断面Sの前後方向の前端の外側において、複数の第2差込部242aを接続する。第2連通部242bは、上下方向に延びる。
【0083】
その結果、室外熱交換器24は、扁平管243の両側に、第1の伝熱フィン241の第1連通部241b、及び第2の伝熱フィン242の第2連通部242bを有することにより、排水性を向上させ、着霜を遅延させることができる。
【0084】
(5-2)
本実施形態の室外熱交換器24は、第1の伝熱フィン241と、第2の伝熱フィン242との間の、風流れ方向の距離L3は、1mm以上であり、かつ、扁平管243の断面Sの前後方向の長さL4の20%以下である。
【0085】
その結果、室外熱交換器24は、第2の伝熱フィン242の風上側端部が、着霜により閉塞することを防止し、着霜を遅延させることができる。
【0086】
(5-3)
本実施形態の室外熱交換器24では、第1の伝熱フィン241と、第2の伝熱フィン242とは、クラッド材から成形される。
【0087】
その結果、室外熱交換器24は、第1の伝熱フィン241、及び第2の伝熱フィン242の親水性を確保し、排水性を向上させることができる。
【0088】
(6)変形例
(6-1)変形例1A
本実施形態では、第1連通部241bの風流れ方向の幅L12と、第2連通部242bの風流れ方向の幅L22とは、等しかった。しかし、第1連通部241bの風流れ方向の幅L12は、第2連通部242bの風流れ方向の幅L22より、広くてもよい。
【0089】
その結果、室外熱交換器24は、第1の伝熱フィン241の風上側端部を、扁平管243から遠ざけることにより、第1の伝熱フィン241の風上側端部の着霜を、遅延させることができる。
【0090】
(6-2)変形例1B
本実施形態では、複数の第1の伝熱フィン241のフィンピッチL11と、複数の第2の伝熱フィン242のフィンピッチL21とは、等しかった。しかし、複数の第1の伝熱フィン241のフィンピッチL11は、複数の第2の伝熱フィン242のフィンピッチL21より、広くてもよい。
【0091】
その結果、室外熱交換器24は、複数の第1の伝熱フィン241が、着霜により閉塞することを防止し、着霜を遅延させることができる。
【0092】
(6-3)変形例1C
本実施形態では、第1の伝熱フィン241と、第2の伝熱フィン242との間の、風流れ方向の距離L3は、1mm以上であった。しかし、第1の伝熱フィン241と、第2の伝熱フィン242との間の、風流れ方向の距離L3は、複数の第1の伝熱フィン241のフィンピッチL11以上であり、かつ複数の第2の伝熱フィン242のフィンピッチL21以上であってもよい。
【0093】
その結果、室外熱交換器24は、第2の伝熱フィン242の風上側端部が、着霜により閉塞することを防止し、着霜を遅延させることができる。
【0094】
(6-4)変形例1D
第1の伝熱フィン241と、第2の伝熱フィン242とは、フィンの形状が異なってもよい。例えば、第1の伝熱フィン241には、ワッフルを形成し、第2の伝熱フィン242には、ルーバーやスリットを形成してもよい。
【0095】
その結果、室外熱交換器24は、例えば、第1の伝熱フィン241を、着霜遅延の効果を有する形状とし、第2の伝熱フィン242を、伝熱促進の効果を有する形状とする等、第1の伝熱フィン241と第2の伝熱フィン242との効果を、分けることができる。
【0096】
(6-5)変形例1E
第1の伝熱フィン241と、第2の伝熱フィン242とは、切り込みの状態が異なってもよい。切り込みの状態は、切り込みの有無を含む。
【0097】
(6-6)変形例1F
第2の伝熱フィン242の風上側の前縁には、ルーバーやスリット等の切り込みを形成してもよい。
【0098】
その結果、室外熱交換器24は、第2の伝熱フィン242の伝熱を、促進することができる。
【0099】
(6-7)変形例1G
本実施形態では、第1の伝熱フィン241と、第2の伝熱フィン242とは、前後方向の位置が、概ね揃っていた。しかし、第1の伝熱フィン241と、第2の伝熱フィン242とは、千鳥配列されてもよい。
【0100】
その結果、室外熱交換器24は、第2の伝熱フィン242の風上側の縁部の伝熱を、促進することができる。
【0101】
(6-8)
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0102】
24 室外熱交換器(熱交換器)
241 第1の伝熱フィン
241a 第1差込部
241b 第1連通部
242 第2の伝熱フィン
242a 第2差込部
242b 第2連通部
243 扁平管
L11 第1の伝熱フィンのフィンピッチ
L12 第1連通部の風流れ方向の幅
L21 第2の伝熱フィンのフィンピッチ
L22 第2連通部の風流れ方向の幅
L3 第1の伝熱フィンと第2の伝熱フィンとの間の風流れ方向の距離
L4 扁平管の断面の長手方向の長さ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0103】