(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】包装材料の製造方法
(51)【国際特許分類】
B65D 65/12 20060101AFI20240708BHJP
B31B 50/25 20170101ALI20240708BHJP
B65D 5/40 20060101ALI20240708BHJP
【FI】
B65D65/12
B31B50/25
B65D5/40
(21)【出願番号】P 2021502615
(86)(22)【出願日】2019-07-09
(86)【国際出願番号】 EP2019068379
(87)【国際公開番号】W WO2020016053
(87)【国際公開日】2020-01-23
【審査請求日】2022-06-29
(32)【優先日】2018-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】391053799
【氏名又は名称】テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ
【住所又は居所原語表記】70 Avenue General Guisan,CH-1009 Pully,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100151105
【氏名又は名称】井戸川 義信
(72)【発明者】
【氏名】ルカ・ロンチェッティ
(72)【発明者】
【氏名】アンドレア・ギアンピエリ
(72)【発明者】
【氏名】マルチェッロ・バルビエリ
(72)【発明者】
【氏名】ダヴィデ・モルチャーノ
【審査官】宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-518936(JP,A)
【文献】米国特許第05848749(US,A)
【文献】独国特許出願公開第102016003827(DE,A1)
【文献】特開2017-114560(JP,A)
【文献】国際公開第2007/057379(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 65/12
B31B 50/25
B65D 5/00 -5/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コア材料層(140)及びそれに積層された少なくとも1つのポリマー層(142、145、147)を含む包装材料(100)であって、
前記コア材料層(140)は、形成される包装容器(10)の底端コーナー(PC1、PC2、PC3、PC4)に前記包装材料(100)を折り曲げるのを補助するように構成された少なくとも1つの領域(C1~C4)を備え、
前記包装材料(100)は、前記包装容器(10)の底端(BP)を形成するように設計された折り目線の第1のセット(132)と、前記包装容器(10)の主要本体(MB)を形成するように設計された折り目線の第2のセット(134)とを含み、
前記少なくとも1つの領域(C1、C2、C3、C4)は、それぞれが三角形の断面を有する複数の折り目線(BC、LCB)の交差点(IX)を含み、一方、それぞれが三角形の断面を有し且つ前記交差点(IX)を通る仮想延長部を有する折り目線の第1のセット(132)の複数の折り目線(LCC、DC、BC’)は、それらが前記交差点(IX)から距離(D)をとって終了するように終端され、
前記少なくとも1つの領域(C1、C2、C3、C4)の前記終端された折り目線(LCC、DC、BC’)が、1つの横方向折り目線(BC’)と、1つの長手方向折り目線(LCC)と、1つの斜めの折り目線(DC)とを含む、包装材料(100)。
【請求項2】
コア材料層(140)及びそれに積層された少なくとも1つのポリマー層(142、145、147)を含む包装材料(100)であって、
前記コア材料層(140)は、形成される包装容器(10)の底端コーナー(PC1、PC2、PC3、PC4)に前記包装材料(100)を折り曲げるのを補助するように構成された少なくとも1つの領域(C1~C4)を備え、
前記包装材料(100)は、前記包装容器(10)の底端(BP)を形成するように設計された折り目線の第1のセット(132)と、前記包装容器(10)の主要本体(MB)を形成するように設計された折り目線の第2のセット(134)とを含み、
前記少なくとも1つの領域(C1、C2、C3、C4)は、それぞれが三角形の断面を有する複数の折り目線(BC、LCB)の交差点(IX)を含み、一方、それぞれが三角形の断面を有し且つ前記交差点(IX)を通る仮想延長部を有する折り目線の第1のセット(132)の複数の折り目線(LCC、DC、BC’)は、それらが前記交差点(IX)から距離(D)をとって終了するように終端され、
前記交差する折り目線(BC、LCB)が互いに垂直に配置される、包装材料。
【請求項3】
前記折り目線の第1のセット(132)の終端された折り目線(LCC)の仮想延長部が、前記折り目線の第2のセット(134)の1つの交差する折り目線(LCB)と実質的に一致する、請求項1又は2に記載の包装材料。
【請求項4】
前記交差する折り目線(BC、LCB)が互いに垂直に配置される、請求項1に記載の包装材料。
【請求項5】
前記距離(D)が1~10mmである、請求項1~4のいずれか一項に記載の包装材料。
【請求項6】
包装容器(10)の2つの後部底部コーナー(PC1、PC4)を形成するように構成された2つの領域(C1、C4)を含み、各領域(C1、C4)が、それぞれが三角形の断面を有する複数の折り目線(BC、LCB)の交差点(IX)を含み、一方、それぞれが三角形の断面を有し且つ前記交差点(IX)を通る仮想延長部を有する、前記折り目線の第1のセット(132)の複数の折り目線(LCC、DC、BC’)は、それらが前記交差点(IX)から距離(D)をとって終了するように終端される、請求項1~5のいずれか一項に記載の包装材料。
【請求項7】
前記領域(C1、C4)が、長手方向のシール領域(LSA)の反対側に配置された底部コーナー(PC1、PC4)を形成するように構成される、請求項6に記載の包装材料。
【請求項8】
包装容器(10)の4つの底部コーナー(PC1、PC2、PC3、PC4)を形成するように構成された4つの領域(C1、C2、C3、C4)を含み、各領域(C1、C2、C3、C4)は、それぞれが三角形の断面を有する複数の折り目線(BC、LCB)の交差点(IX)を含み、一方、それぞれが三角形の断面を有し且つ前記交差点(IX)を通る仮想延長部を有する、折り目線の前記第1のセット(132)の複数の折り目線(LCC、DC、BC’)は、それらが前記交差点(IX)から距離(D)をとって終了するように終端される、請求項1~7のいずれか一項に記載の包装材料。
【請求項9】
前記三角形の折り目線(BC、LCB、LCC、DC、BC’)の断面が非対称である、請求項1~8のいずれか一項に記載の包装材料。
【請求項10】
包装材料(100)をシール及び成形することによって製造される包装容器(10)であって、前記包装容器(10)は、関連する領域(C1、C2、C3、C4)で包装容器材料(100)を折り曲げることによって形成される少なくとも1つの底部コーナー(PC1、PC2、PC3、PC4)を含み、
前記少なくとも1つの底部コーナー(PC1、PC2、PC3、PC4)は、それぞれが三角形の断面を有する複数の折り目線(BC、LCB)の交差点(IX)によって確定され、一方、それぞれが三角形の断面を有し且つ前記交差点(IX)を通る仮想延長部を有する複数の折り目線(LCC、DC、BC’)は、それらが前記交差点(IX)から距離(D)をとって終了するように終端され、
前記少なくとも1つの領域(C1、C2、C3、C4)の前記終端された折り目線(LCC、DC、BC’)が、1つの横方向折り目線(BC’)と、1つの長手方向折り目線(LCC)と、1つの斜めの折り目線(DC)とを含む、包装容器(10)。
【請求項11】
包装材料を製造するための方法であって、
形成される包装容器(10)の底端コーナー(PC1、PC2、PC3、PC4)に前記包装材料(100)を折り曲げるのを補助するように構成された少なくとも1つの領域(C1、C2、C3、C4)をコア材料層(140)に提供すること、及び、
前記包装容器(10)の底端(BP)を形成するように設計された折り目線の第1のセット(132)及び前記包装容器(10)の主要本体(MB)を形成するように設計された折り目線の第2のセット(134)を提供することを含み、その結果、前記少なくとも1つの領域(C1、C2、C3、C4)は、それぞれが三角形の断面を有する複数の折り目線(BC、LCB)の交差点(IX)を含み、一方、それぞれが三角形の断面を有し且つ前記交差点(IX)を通る仮想延長部を有する折り目線の前記第1のセット(132)の複数の折り目線(LCC、DC、BC’)は、それらが前記交差点(IX)から距離(D)をとって終了するように終端され、
前記少なくとも1つの領域(C1、C2、C3、C4)の前記終端された折り目線(LCC、DC、BC’)が、1つの横方向折り目線(BC’)と、1つの長手方向折り目線(LCC)と、1つの斜めの折り目線(DC)とを含む、方法。
【請求項12】
包装材料(100)のコア材料層(140)に折り目線(130)を提供するためのプレスツール(200)のプレート(220)であり、形成される包装容器(10)の底部コーナー(PC1、PC2、PC3、PC4)に前記包装材料(100)を折り曲げるのを補助する折り目線(BC、LCC、DC、LCB)を提供するように構成された少なくとも1つの領域(P1、P2、P3、P4)を含むプレート(220)であって、
前記少なくとも1つの領域(P1~P4)が、それぞれが三角形の断面を有する複数の隆起(PBC、PLCB)の交差点(PIX)を含み、一方、それぞれが三角形の断面を有し且つ前記交差点(PIX)を通る仮想延長部を有する折り目線
の第1のセット(132)の複数の隆起(PLCC、PDC、PBC’)は、それらが前記交差点(PIX)から距離(D)をとって終了するように終端され、
前記少なくとも1つの領域(P1~P4)の終端された隆起(PLCC、PDC、PBC‘)は、1つの横方向隆起(PBC’)と、1つの長手方向隆起(PLCC)と、1つの斜めの隆起(PDC)とを含む、プレート(220)。
【請求項13】
前記交差点(PIX)における前記隆起(PBC、PLCB)の全高は、前記交差点(PIX)から離れた単一の隆起(PBC、PLCB、PLCC、PDC、PBC’)の高さとほぼ同じである、請求項12に記載のプレート(220)。
【請求項14】
前記交差点における前記隆起(PBC、PLCB)の全高が1~2mmである、請求項13に記載のプレート。
【請求項15】
前記三角形の隆起(PBC、PLCB、PLCC;PDC、PBC’)の断面が非対称である、請求項12~14のいずれか一項に記載のプレート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は包装材料を製造するための方法、特に液体食品を貯蔵することができる個々の包装容器を形成するのに適した包装材料を製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液体食品を貯蔵するための包装容器が市場に存在しており、充填機はそのような食品包装容器を非常に高速で製造することを可能にする。1つの十分に確立された原理によれば、包装容器の連続シーケンスは、包装材料の流れるウェブの長手方向の端部を互いにシールすることによって、当該ウェブをチューブに形成することによって製造される。包装容器によって貯蔵される液体内容物でチューブが連続的に充填されるにつれて、横方向のシール形成がチューブ内の液体レベルの直ぐ下で実行される。1回のシール形成動作において、2つのシール、すなわち、先行包装容器の上端シール、及び直ぐ後に続く包装容器の底端シールが実際に同時に作られる。シール形成動作が完了すると、上端シールと底端シールとの間の領域でチューブを横方向に切断するためにナイフが作動され、これにより、先行する(且つ現在はシールされている)包装容器を上流のチューブから分離する。或いは、同様の包装容器を、積層包装材料の事前にカットされたブランク又はシートから作製することができ、事前にカットされたブランク又はシートは折り曲げられ、長手方向にシールされて管状カプセルにされ、次いで、第1の端部で折れ曲がりを形成され、段階的な充填工程において、充填され他端部でシールされる。
【0003】
包装材料には折り目線が提供される。これらの折り目線により、折り目線の正確な配置によって規定される特定の位置で包装材料を折ることが可能になる。通常、折り目線は包装材料のコア材料層に提供され、その後、コア材料層の内側及び外側の層を形成するために包装材料をさらに積層する。この目的のために、通常、プレスローラなどのプレスツールが使用され、プレスツールの作業面は、いくつかの突出した隆起を有する。これらの隆起がコア材料層に押し込まれると、折り目線が形成される。
【0004】
したがって、折り目線はコア材料層の線形の変形であり、これにより、包装容器を折り目線の特定の位置で折ることができる。特に、事前に配置された折り目線に沿って包装材料を折ることによって形成される三次元直方体包装容器の場合、いくつかの領域は、形成の難易度の上昇に関連付けられる。積層の製造中だけでなく、充填機の速度の観点からも、より高い折り曲げ及びヒートシール速度を同じく必要とする機械速度が上昇するにつれて、形成の難易度も上がる。
【0005】
改良された折り目線、及びそのような折り目線の製造方法は、同じ出願人による国際公開第2015/193358号パンフレットに記載されている。それでも、折り曲げと形成の観点で難易度の上昇に関連付けられる1つの領域は、包装容器の底端部、特に底端部のコーナーである。コーナーの形成は、実際には、上記の従来技術の参考文献で扱われ、折り目線がコーナーで交差している場合に、コーナーの折り曲げの改善がどのように可能になるかを記載している。
【0006】
上記の開示は、正確に成形された底部のコーナーを提供する以前の試みに比べて洗練された改善を提供するが、所望の形状への包装容器の成形及び形成をさらに改善するための永続的な努力が存在する。
【0007】
したがって、改善された包装材料が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、先行技術の上記で特定された制限の1つ又は複数を少なくとも部分的に克服することである。特に、底部コーナーの明確な折り曲げ及び形成を可能にする包装材料を提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
これらの目的を解決するために、包装材料が提供される。包装材料は、コア材料層及びそれに積層された少なくとも1つのポリマー層を含み、コア材料層は、形成される包装容器の底端コーナーに包装材料を折り曲げるのを補助するように構成された少なくとも1つの領域を備えている。包装材料は、包装容器の底端を形成するように設計された折り目線の第1のセットと、包装容器の主要本体を形成するように設計された折り目線の第2のセットとを含む。少なくとも1つの領域は、それぞれが三角形の断面を有する複数の折り目線の交差点を含み、一方、それぞれが三角形の断面を有し且つ前記交差点を通る仮想延長部を有する折り目線の第1のセットの複数の折り目線は、それらが前記交差点から距離をとって終了するように終端される。
【0010】
それぞれの領域での折り目線の分布と折り目線の三角形の断面の組み合わせにより、非常に明確なコーナーの折り曲げが実現される。この理由は2つある。第1に、折り目線の三角形の断面は、折り曲げ中に狭く明確な単一の回転軸を保証し、これにより、実際の折り曲げは、隆起の頂点が包装材料に押し込まれて折り目線を形成する位置で正確に行われる。第2に、コーナーの折り曲げは通常、充填機の折り曲げガイドが所定の運動曲線に沿って動くことを可能にすることによって達成され、これらの運動曲線は、カム曲線の構成によって決定される。これは、折り曲げガイドの完全な直線運動はないが、代わりに、これらは包装容器の長手方向運動の間に湾曲した経路をたどることを意味する。包装容器フラップの折り曲げは折り曲げガイドの現在の位置によって案内されるため、折り曲げシーケンス中に正確なコーナー位置がずれる可能性がある。本発明者らは、充填機のこの構成を考慮して、交差点に到達するわずか前にいくつかの折り目線を終端する一方、他の折り目線を交差点で実際に交わらせることにより、折り曲げ中に最終的な折り曲げが達成されるまで正確なコーナー位置が浮くことを可能にすることを実現した。この最後のステップで、コーナー折り曲げの完全な整列が行われる。
【0011】
折り目線の第1のセットの打ち切られた終端された折り目線の仮想延長部は、折り目線の第2のセットの1つの交差する折り目線と一致し得るか、又は実質的に一致し得る。したがって、コーナー領域は包装容器の長方形の形状を定める。
【0012】
一実施形態では、折り目線の第1のセットの終端された長手方向の折り目線の仮想延長部は、折り目線の第2のセットの交差する長手方向の折り目線から、0.3~0.5mmオフセットされ得る。さらなる実施形態では、折り目線の第1のセットの終端された横方向の折り目線の仮想延長部は、折り目線の第1のセットの交差する横方向の折り目線から、0.3~0.5mmオフセットされ得る。少なくとも1つの領域の終端された折り目線は、1つの横方向の折り目線と、1つの長手方向の折り目線と、1つの斜めの折り目線とを含み得る。これにより、底部フラップの改善された折り曲げが可能になる。
【0013】
交差する折り目線は互いに垂直に配置することができ、これにより、結果として得られる包装容器の長方形の底端が可能になる。
【0014】
距離は、1~10mmの範囲、例えば、1.5~5mm、好ましくは1.5~3mmの範囲であり得る。これにより、包装容器のコーナー成形に関して非常に有益な結果をもたらすことが証明されている。
【0015】
包装材料は、包装容器の2つの後部底部コーナーを形成するように構成された2つの領域を含んでもよく、各領域は、それぞれが三角形の断面を有する複数の折り目線の交差点を含む。それぞれが三角形の断面を有し且つ前記交差点を通る仮想延長部を有する、折り目線の第1のセットの複数の折り目線は、それらが前記交差点から距離をとって終了するように終端される。2つの後部底部コーナーは、本明細書に記載の第1の態様に従って成形された領域を折り曲げることによって形成されるため、特にテトラ・ブリック(登録商標)アセプティックエッジタイプの包装容器の場合、底部全体の改善された成形を可能にする。
【0016】
これらの領域は、長手方向のシール領域の反対側に配置された後部底部コーナーを形成するように構成することができる。
【0017】
包装材料は、包装容器の4つの底部コーナーを形成するように構成された4つの領域を含んでもよく、各領域は、それぞれが三角形の断面を有する複数の折り目線の交差点を含む。それぞれが三角形の断面を有し且つ前記交差点を通る仮想延長部を有する、折り目線の第1のセットの複数の折り目線は、それらが前記交差点から距離をとって終了するように終端される。本明細書に記載の第1の態様に従って構成された領域の折り曲げによって4つのコーナーすべてが形成されるこのような構成は、テトラ・ブリック(登録商標)アセプティックタイプの包装容器にとって特に有利であることが証明されている。
【0018】
三角形の折り目線の断面は非対称であってもよい。このような非対称構成には、いくつかの利点がある。例えば、それは、折り目線を提供するために使用されるプレスプレートの隆起のインプリント部分の側壁の位置に対応する位置で、包装材料にせん断破壊開始の1つの重要なゾーンを作り出す。隆起の非対称のインプリント部分を有することにより、せん断破壊開始が顕著に発生する1つの特に明確な領域が存在し、これは折り曲げ時に非常に明確な破壊をもたらす。プレスツールを作動することにより、加えられた力は、プレスプレートに面する包装材料の表面に下向きの応力を引き起こす。対称的なインプリント部分を使用した場合、同様の効果が見られる。すなわち、1つの焦点を合わせて確定された破壊開始ゾーンが明らかになる。しかしながら、包装材料への対称的なインプリントはより厳密になり、この方法は、プレスの対称的な三角形の隆起によって材料を単純に切断することを避けるために、狭い操作ウィンドウ内で制御することが重要である。したがって、非対称の折り目隆起は、より明確な折り目を提供し、より強固な折り目付け作業を可能にする。
【0019】
第2の態様によれば、包装材料をシール及び成形することによって製造される包装容器が提供される。包装容器は、関連する領域で包装容器材料を折り曲げることによって形成される少なくとも1つの底部コーナーを含む。少なくとも1つの底部コーナーは、それぞれが三角形の断面を有する複数の折り目線の交差点によって確定され、一方、それぞれが三角形の断面を有し且つ前記交差点を通る仮想延長部を有する複数の折り目線は、それらが前記交差点から距離をとって終了するように終端される。
【0020】
第3の態様によれば、包装材料を製造するための方法が提供される。この方法は、形成される包装容器の底端コーナーに包装材料を折り曲げるのを補助するように構成された少なくとも1つの領域をコア材料層に提供すること、及び、包装容器の底端を形成するように設計された折り目線の第1のセット及び包装容器の主要本体を形成するように設計された折り目線の第2のセットを提供することを含み、その結果、前記少なくとも1つの領域は、それぞれが三角形の断面を有する複数の折り目線の交差点を含み、一方、それぞれが三角形の断面を有し且つ前記交差点を通る仮想延長部を有する折り目線の第1のセットの複数の折り目線は、それらが前記交差点から距離をとって終了するように終端される。
【0021】
第4の態様によれば、包装材料のコア材料層に折り目線を提供するためのプレスツールのプレートが提供される。プレートは、形成される包装容器の底部コーナーに包装材料を折り曲げるのを補助する折り目線を提供するように構成された少なくとも1つの領域を含む。少なくとも1つの領域は、それぞれが三角形の断面を有する複数の隆起の交差点を含み、一方、それぞれが三角形の断面を有し且つ前記交差点を通る仮想延長部を有する折り目線の第1のセットの複数の隆起は、それらが前記交差点から距離をとって終了するように終端される。
【0022】
交差点における隆起の全高は、前記交差点から離れた単一の隆起の高さとほぼ同じであり得る。したがって、結果として得られる折り目線の深さは、コーナー領域全体で一定になり、それによって折り曲げ動作は制御しやすくなる。
【0023】
交差点における隆起の全高は、1~2mm、好ましくは1~1.5mmであり得る。これは、望ましい寸法の折り目線を提供するために有益な高さであることが証明されている。
【0024】
三角形の隆起の断面は非対称であってもよい。
【0025】
本発明のさらに他の目的、特徴、態様及び利点は、以下の詳細な記載及び図面から明らかになるであろう。
【0026】
次に、本発明の実施形態を、添付の概略図を参照して、例として記載する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】包装材料のチューブから一連の連続した液体食品包装容器を提供するように構成されている充填機の部品の等角図である。
【
図2】包装材料から製造される包装容器の等角図である。
【
図3】包装容器を形成するために使用される従来技術による包装材料のウェブの上面図である。
【
図4a】包装容器を形成するために使用される、一実施形態による包装材料のウェブの上面図である。
【
図4b】
図4aに示される包装材料の一部の拡大図である。
【
図4c】包装容器を形成するために使用される、一実施形態による包装材料のウェブの上面図である。
【
図5】コア材料層に折り目線を提供するためのプレスツールの断面図である。
【
図6a】プレスツール、例えば
図5に示すプレスツールのプレートの断面図である。
【
図6b】
図6aに示されるプレートの上面図である。
【
図7】
図4a~4cに示されるように、折り目線を包装材料のウェブに押し込んでインプリントする折り目付けツールの拡大断面図である。
【
図8】一実施形態による包装材料の断面図であり、三角形のプロファイルを有する折り目線が提供されている。
【
図9】一実施形態による包装材料を製造するためのシステムである。
【
図10】一実施形態による包装材料の製造方法の概略図である。
【
図11】欠陥である従来技術のコーナー折り目構成からの包装容器コーナーを示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
コア材料層を有する包装材料は、大量の製品向けに、コスト効率が高く、環境に優しく、技術的に優れた包装容器を提供するために、多くの異なる用途で使用することができる。液体製品の包装において、例えば液体食品の包装において、カートンベースの包装材料が、寸法的に安定した包装容器を形成するためによく使用される。寸法的に安定した包装容器は、したがって、開封後も自立するように支持される。
【0029】
本明細書に記載の方法によって製造されるカートンベースの包装材料は、液体の包装に適しているように構成され、一実施形態によれば、その目的に適合した特定の特性を有する。したがって、包装材料は、包装材料から製造された包装容器に剛性及び寸法安定性を提供するための要件を満たすカートンのコア材料層を有する。したがって、通常使用されるカートンは繊維質の板紙である、すなわち、セルロース繊維のネットワーク構造の大部分を有し、適切な密度、剛性、及び湿気への可能性のある暴露に抵抗する能力を備えたファイバーボードである。
【0030】
他方、段ボール又はハニカム状若しくはセルラー状板紙を含むタイプの非繊維質のセルロースベースのカートンは、いわゆる構造的板紙であり、本発明の目的にはあまり適していない。そのような構造的板紙は、代わりに、通常は折り曲げられ、本発明とは異なるメカニズムによって折り曲げるための脆弱線を備えている。それらは、構造的中間層(例えば、波形、ハニカム状、セルラーフォーム状のもの)が紙層の薄いフランジの間にサンドイッチ状に積層されるIビーム原理に従って構築される。構造的中間層の不均一な性質により、外側フランジは、制限された領域又は地点でのみそのような構造的中間層に接合され、表面全体にわたって接合されない。
【0031】
特に、本発明の包装材料及び方法に適用可能な繊維質タイプのコア材料層又はカートン又は板紙は、したがって、均質な繊維層からの繊維質構造であり、これは、有利には、Iビーム又はサンドイッチ構造で構成されるが、それぞれの中間層とフランジは、互いに向き合う表面全体で互いに結び付けられている。繊維質バルクに使用できる典型的な繊維は、化学パルプ、CTMP、TMP、クラフトパルプなどからのセルロース繊維である。
【0032】
一実施形態によれば、本発明の目的に適した繊維質バルク層、板紙又はカートンは、300kg/m3超(700kg/m3超など)の密度、及び、メソッドISO2493-1及びSCAN-P29:95(0.5~2.0Nm7/kg3に相当)に準拠する6.0~24.0Nm6/kg3の曲げ剛性指数を有する。曲げ剛性指数は、機械方向及び横方向の幾何平均値として計算される。
【0033】
ここで
図1を参照すると、充填機1の部品が示されている。充填機1は以下の原理に従って連続的に且つ高速で動作する:包装材料100のウェブは前に進められて、包装材料100の長手方向縁部101、102が重なり接合部3で互いに結合されることによってチューブ2へと形成される。
【0034】
チューブ2は、充填パイプ4からの目的の液体食品で充填され、チューブ2内の充填された内容物のレベルより下で、互いに所定の距離で繰り返されるチューブ2の横方向シール5によって個々の包装容器10に分割される。
【0035】
包装容器10は、横方向シール5の切開によって分離され、材料内の準備された折り目線に沿って折り曲げることによって、望ましい幾何学的構成が与えられる。
【0036】
或いは、同様の包装容器を、積層包装材料の事前にカットされたブランク又はシートから作製することができ、事前にカットされたブランク又はシートは、折り曲げられて、長手方向にシールされて管状カプセルにされ、次いで、第1の端部で折り曲げを形成され、段階的な充填工程において、他端部で充填され、シールされる。
【0037】
図1の包装プロセスから得られた包装容器10が、
図2にさらに詳細に示されている。ここに示されるように、包装容器10は、長手方向(長手方向に重なり合うシール領域LSAによって)及び横方向(上部及び底部の横方向シール領域TSAによって)の両方で包装材料100をシールすることによって形成される。包装容器10は、上端TP及び底端BPによって閉じられた主要本体MBを有する。包装容器10はさらに、いくつかのコーナーPC1~PC4を備える。示されている例では、底端TPの長方形の形状により、4つのコーナーPC1~PC4が存在する。しかしながら、包装容器10は、包装容器10の寸法に応じて、別の数のコーナーを有する可能性があることは理解されよう。
【0038】
本明細書に記載の異なる実施形態をさらに理解するために、
図2に示されるような包装容器10を製造するように設計された包装材料100の従来技術の例が
図3に概略的に示されている。示される包装材料100は、例えば、
図1に示されるタイプの充填機1に供給されるように構成されている。
【0039】
包装材料100は、例えば、
図1の充填機1に効率的に適合するために巻かれる連続ウェブとして提供され得る。他の用途のために、包装材料100は、別個のブランクとして、又は、折り目線130に沿って折り曲げることによる個々の包装容器10への最終成形に適している他の任意の構成で提供されてもよい。
【0040】
包装材料100の幅は、1つの単一の包装容器10を形成するために必要とされる寸法に対応する。包装材料100のウェブは、直列に配置された以下の複数の領域を含む:第1の又は先行する包装容器10を形成するための第1の領域110、それに続く、第2の又は後続の包装容器10を形成するように意図された第2の領域120。第2の領域120の後には、容易に理解されるように、第3の領域、第4の領域等(図示せず)が続く。
【0041】
各領域110、120には、
図3中に実線として示されるそれぞれの折り目線130が設けられる。第1の領域110の折り目線130は、第1の包装容器10の形状を規定するように設計され、第2の領域120の折り目線130は、第2の隣接する包装容器10の形状を規定するように設計される。
【0042】
第1の領域110についてのみ示されているが、1つの領域110、120の折り目線130は、包装容器10の底端を形成するように設計された折り目線の第1のセット132を含み、折り目線の第2のセット134は、包装容器10の主要本体を形成するように設計され、折り目線の第3のセット136は包装容器10の閉じた上端を形成するように設計されている。
【0043】
図3の数本の折り目線のみが参照番号130を備えていることに留意されたい。実際、長手方向縁部101、102の境界の内側に示されるすべての実線は折り目線を表している。機械方向MDに垂直に延びる2本の破線140も存在する。これらは、切断線、すなわち、切断ナイフがシールされた包装容器10を上流のチューブから分離する場所を示すためのものである。
【0044】
この地点で、特定のタイプの包装容器10に折り曲げ方向を提供するために、折り目線130を様々な構成で提供し得ることに留意されたい。折り目線130は、いわゆる機械方向MD、すなわち包装材料100の長手方向(これは通常、直立した成形された包装容器の長手方向又は垂直方向でもある)に配置されるだけではない。他の方向、すなわち、機械方向MDに対して垂直などの非平行の方向に配置されている折り目線130もある。本明細書の概念内にある他のシステム及び用途に関して、包装材料の長手方向及び横方向の折り目線は反対方向にある、すなわち、機械方向は長手方向(すなわち、直立した包装容器で見た場合の垂直方向)ではなく横方向に対応する。これは、包装材料の個々のブランクから包装容器を製造する場合に特に一般的であり、その実施形態は同じく本出願の概念内にある。
【0045】
図3で見られるように、4つの領域C1~C4が提供される。これらの領域C1~C4は、形成される包装容器10の底部のコーナーPC1~PC4を形成するように意図されたそれぞれの位置に配置される。
図3で見られるように、各領域C1~C4は、折り目線の第1のセット132の少なくとも1つの折り目線130aと、折り目線の第2のセット134の長手方向の折り目線130bとの間の交差部分を形成する。
【0046】
背景技術の欄で述べたように、特に底部のコーナーの領域で、包装容器の寸法の精度をさらに改善したいという要望がある。本発明者らは、驚くべきことに、これは折り目線の配置を再設計することによって達成できることに気付いた。
【0047】
上記の問題を解決することに成功したことが証明された包装材料100の実施形態が
図4aに示されている。包装材料100は、領域C1~C4の詳細を除いて、
図3に示される包装材料100と同一である。これらの領域の1つC1は、
図4bに拡大されたセクションとして示されている。
【0048】
図4aに見られるように、各領域C1~C4は、折り目線の第1のセット132の複数の折り目線、すなわち、包装容器10の底部BPを形成するように意図された複数の折り目線の交差点IX(
図4bを参照)を備える。横方向の折り目線BCは、各領域C1~C4を横切って走り、機械方向MDに垂直な方向に延びる。横方向の折り目線BCは、折り目線の第1のセット132を折り目線の第2のセット134から分離していると見なすことができる。横方向の折り目線BCが折り目線の第1の部分132、折り目線の第2の部分134又はその両方に属すると見なされるかどうかは重要ではない。
【0049】
交差点IXは、横方向の折り目線BCが折り目線の第2のセット134の長手方向の折り目線LCBと交わる、したがってL字形を形成することによって形成される。折り目線の第2のセット134の長手方向の折り目線LCBは、交差点IXで終端する。
図4bに見られるように、横方向の折り目線BCも交差点IXで終端し、交差点IXを越えて継続し、その結果、横方向の折り目線BCは、実際には、複数のセグメントBC、BC’を含み、そのすべては横方向において整列され、各領域C1が、折り目線の第2のセット134のそれぞれの長手方向の折り目線LCBと交差する横方向の折り目線BCの1つのセグメントのみを有するように分散される。長手方向の折り目線LCBと交差しない折り目線BCのセグメントはこれ以降BC’と表記される。
【0050】
交差点IXを除いて、各領域C1~C4はまた、斜めの折り目線DC、及び折り目線の第1のセット132の長手方向の折り目線LCCを含む。これらの2つの折り目線DC、LCCは、横方向の折り目線BCの別のセグメントBC’と一緒に、交差点IX内に延びず、
図4bに示されるように、交差点IXに到達する前に終端する。
図4bでは、交差点IXと折り目線LCC、DC(並びに横方向セグメントBCの終端セグメントBC’)の端部との間の距離は、参照数字Dによって示されている。液体食品の典型的な包装容器について、距離Dは、1~10mmの範囲、例えば1.5~5mm、好ましくは1.5~3mmの範囲であり得る。
【0051】
本発明者らは驚くべきことに以下のことに気付いた。すなわち、折り目線BC、LCB、LCC、及びDCが、
図4bに示すように、交差点IXから距離Dで終了するように終端された折り目線LCC、DC、BC’と組み合わせて、三角形の、好ましくは非対称の断面を備えるときに、包装容器10のコーナーPC1~PC4の改善された形成が達成されることに気付いた。
【0052】
図4bには、折り目線BC、LCB、LCC、及びDCの非対称構成が示されている。各折り目線BC、LCB、LCC、及びDCは3本の線で示され、1本の実線は各側に関連する破線を有する。実線は、頂点225(
図6aを参照)が包装材料100に押し込まれた場所を示し、実線と、最も隣接する破線との間の横方向距離は、隆起222の急勾配の側222a(再び
図6aを参照)が包装材料100に押し込まれた場所を示す。実線と、隣接性で劣る破線との間の横方向距離は、結果として、隆起222の急勾配性で劣る側222b(
図6a)が包装材料に押し込まれた場所を示す。
【0053】
好ましくは、非対称折り目線BC、LCB、LCC、及びDCの向きは、以下に従う。LCB及びBCは、それぞれの急勾配の側が、斜めの折り目線DCが配置される交差点IXの側に面するように両方とも整列される。この斜めの折り目線DCは、次に、急勾配の側が長手方向に下向きに、すなわち長手方向の折り目線LCCに面するように向けられる。長手方向の折り目線LCCは、長手方向の折り目線LCBと同じ方向に向けられている、すなわち、折り目線LCCの急勾配の側は、斜めの折り目線DCに面している。
【0054】
示されている例では、包装容器10の結果として生じる底端BPは長方形であり、これは、4つのそれぞれの領域C1~C4によって形成される4つのコーナーPC1~PC4が存在することを意味する。各領域C1~C4は、複数の折り目線LCB、BCの交差点IXを含み、追加の折り目線LCC、DC、BC’は、それらが前記交差点IXから距離Dで終了するように終端される。これにより、すべての領域C1~C4は、交差点IXに到達する前に折り目線LCC、DC、BC’を中断するという点で同様の方法で構成される。
【0055】
しかしながら、いくつかの実施形態では、すべての領域C1~C4でこの構成を有する必要はないことに留意されたい。代わりに、コーナー領域C1~C4のうちの1つ又は複数のみを
図4bを参照して上に記載したように構成することができる。例えば、2つの後部コーナーPC1、PC4のみが、終端された折り目線BC’、DC、LCCとともに設計されたコーナー領域C1、C4の折り曲げによって形成される場合、コーナーの形状の大幅な改善を提案する試験が実行された。そのような実施形態では、2つの前部コーナーPC2、PC3は、先行技術の設計に従って構成され得る領域C2~C3の折り曲げによって形成され得る。本明細書の範囲では、領域C1~C4の少なくとも1つが
図4bを参照して記載されたものに従って構成されている場合、底部コーナーの折り曲げの利点が存在する。
【0056】
典型的な後部底部コーナーの欠陥のある包装容器を
図12に示す。コーナーは直方体の頂点として成形されず、へこみとこぶがあり、包装容器の外観を損なっている。底部コーナーがへこんで座屈しているため、立っている包装容器の安定性が損なわれる可能性がある。この欠陥は、本発明のコーナー折り目構成によって低減され、さらには完全に回避される。
【0057】
図4aでは、包装材料100は、例えばテトラ・ブリック(登録商標)包装容器として成形された長方形の形状の包装容器10を形成するために折り目線130を備えている。
図4cには、包装材料100の別の例が示され、折り目線の第3のセット136は、例えば、テトラ・ブリック(登録商標)アセプティック・エッジ包装容器に対応する傾斜した上部を提供するように構成される。また、そのような包装容器の場合、底部コーナー領域C1~C4は、
図4a~bの記載に従って構成することができる。しかしながら、テトラ・ブリック(登録商標)アセプティック・エッジ包装容器の場合、上の記載に従って後部底部コーナー領域C1、C4のみを提供し、前部コーナー領域C2、C3には従来の折り目線パターンを提供することが有利な場合がある。
【0058】
次に、
図5に目を向けると、折り目線130、BC、LCB、LCC、DCを、後で形成される包装材料100のコア材料層140に提供するためのシステム200の例が示されている。好ましくは、システム200は、プレスツールローラの形態の折り目線プレスツール210と、アンビルローラの形態のアンビル212とを備える。ローラ210、212の少なくとも1つは、コア材料層140がローラ210、212の間に形成されたニップ216に供給され、通過できるように駆動される。
図5に示されるように、コア材料層140は、この実施形態では好ましくはウェブとして提供することができ、したがって、システム200の連続動作を可能にする。
【0059】
プレスツール210は、プレスツールローラ210の外周の少なくとも一部を覆うプレート220を備えている。プレート220は、例えば、ローラ210の円筒形に適合させるために湾曲させることができる金属体であり得る、又はプレート220は、ローラ210の外殻を一緒に形成する複数の湾曲したセグメントによって形成することができる。
【0060】
プレート220は、法線方向、すなわちアンビルローラ212に向かって半径方向外向きに延びる少なくとも1つの突出した隆起222(例えば、
図6aを参照)を含む。
【0061】
アンビル212は、ゴム又はエラストマー特性を有するポリマーを含む材料組成物など、可逆的に変形可能な弾性材料の外層213を有するローラを形成する。好ましくは、弾性材料は、ローラ212の表面全体を覆い、折り目が付けられるコア材料層140と接触する。弾性材料は、例えば、厚さが約2~50mmで、硬度が70ショアA~80ショアD、例えば60ショアD又は95ショアAのゴム状の材料であってもよい。
【0062】
好ましくは、プレスツールローラ210の直径は、アンビルローラ212の直径と同じではない。
図5に示されるように、アンビルローラ212は、プレスツールローラ210よりも小さい直径を有するが、アンビルローラ212は、いくつかの実施形態では、プレスツールローラ210よりも大きな直径を有してもよい。ローラ210、212の異なる直径を提供することにより、プレスツールプレート220の隆起222は、動作中にアンビルローラ212の同じ位置に影響を及ぼさず、それにより、アンビルローラ212の向上した耐久性が保証される。したがって、最も好ましい実施形態では、ローラ210、212の一方の直径は、他方のローラ210、212の直径とは異なり、同様に他方のローラの円周のいずれの倍数とも異なることが理解される。
【0063】
図6aは、ベース部分223、インプリント部分224、及び頂点225を有する、隆起222の構成の実施形態を示す。プレート220は、少なくとも2つの離間した隆起222を含み、各隆起は、コア材料層140に折り目線130を提供するのに適した長手方向の構造を形成するように延びる。各隆起222の断面は三角形であり、それにより、ベース部分223は、隆起222の下部によって、すなわち、プレート220の平面に隣接して配置されている部分によって形成される。インプリント部分224、すなわち、折り目付け中にコア材料層140と接触している隆起222の部分は、ベース部分223から頂点225まで延びる。
【0064】
示されている隆起222は、急勾配の側222aと急勾配性で劣る側222bとを有する。それらの側222a、222bは頂点225で交わる。これは、
図6aにも示されているように、急勾配の側222aとプレート220の平面との間の角度α1が、急勾配性で劣る側222bとプレート220の同じ平面との間の角度α2よりも大きいことを意味する。その結果、材料の弾力性のために目立たなくなるが、結果として得られる折り目線の片側は、同じ折り目線の反対側よりも急な勾配になる。
【0065】
図6bには、プレート220の上面図が示されている。プレート220は、コア材料層140に折り目線130を提供するように構成された多数の隆起222を含む。しかしながら、隆起のいくつかPBC、PLCB、PLCC、PDCは、前述のように、包装容器10のコーナーPC1~PC4の形成を補助するように意図された領域C1~C4の折り目線BC、LCB、LCC、DCを提供するように構成されている。
【0066】
これらの隆起PBC、PLCB、PLCC、PDCは、三角形の、好ましくは非対称の断面を備え、それらはそれぞれの領域P1~P4に配置され、それにより、プレート220を使用する折り目付け操作が、特に
図4bを参照して前に記載したように、領域C1~C4を有する包装材料100をもたらすようにする。したがって、
図6bの隆起PBC、PLCB、PLCC、PDCの配置は、
図4aに示す折り目線の配置に対応する。
【0067】
隆起が三角形で対称である場合、急勾配の側222aの角度及び寸法は、急勾配性で劣る側222bの角度及び寸法と本質的に同一であろう。
【0068】
折り目付けシステム200の動作が、
図7にさらに詳細に示されている。ここでは、折り目線BC、LCB、LCC、DCのいずれかなどの折り目線の形成プロセスの断面図が概略的に示されている。
【0069】
三角形の折り目線BC、LCB、LCC、DCを包装材料層140に提供するこの方法は、コア材料層140において、インプリント部分224の急勾配性で劣る側222bの位置に対応する位置で、せん断破壊開始の1つの重要なゾーンを作り出す。
【0070】
プレスツール210を作動することにより、加えられた力は、プレート220に面する包装材料層140の側から方向付けられた応力を引き起こす。
【0071】
折り目線BC、LCB、LCC、DCは、通常、折り目が付けられていない材料と比較して、インプリント又はエンボス加工されたコア材料層140の厚さを約5%~約25%、例えば約10~約25%減少させる。
【0072】
折り目付けされた包装材料100の例を
図8に示す。この例では、コア材料層140は、外層142及び内層144によって積層されている。外層142及び内層144は、多層構造として提供することができ、
図8に示すように、内層144は、内部積層層145、中間バリア層146、及び包装材料から作られた包装容器に含まれる充填された製品と接触する最も内側の層147によって形成される。包装材料は、好ましくは、材料の外側から、すなわち外層142が設けられた側で、折り目線によってインプリントされる。
【0073】
折り目付け作業を実行する前又は後に、任意の熱可塑性材料又はポリマーをコア層にコーティング又は積層することができる。したがって、包装材料の折り目付けに言及する場合、包装材料という用語は、コア層単独の折り目付け及びその後さらなる層を積層して積層包装材料にすること、並びにコア層を含む既に(部分的又は完全に)積層された構造の折り目付けを含む。この汎用性は、本明細書に記載されているすべての実施形態に有効である。
【0074】
外層142は、ヒートシール可能な熱可塑性ポリマーの最も外側の液密コーティングによって形成することができる。熱可塑性ポリマーは、例えば、ポリエチレン(PE)又はポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン、例えば低密度ポリエチレン(LDPE)、又はLDPEと線状低密度ポリエチレンとのブレンドであってもよい。
【0075】
包装材料100に、主にガス、特に酸素に対するバリア特性を提供するために、包装材料は、そのようなバリア特性を提供し、好ましくは低密度ポリエチレン(LDPE)の内部積層層145積層層によってコア材料層140層に結合される材料の少なくとも1つのさらなる層146をさらに有する。
【0076】
中間バリア層146の材料の例は、固有のバリア特性を有するポリマー、例えば、エチレンとビニルアルコールのコポリマー(EVOH)又はポリアミド(PA)を含む層又はフィルムであり得るか、或いは液体-フィルムコーテッド層若しくは真空堆積層若しくは蒸着層又は対応するバリア特性を有するコーティングでコーティングされた予備作製されたフィルムであり得る。この種のコーティングされた予備作製されたフィルムの一般的な例は、金属化層又はプラズマ強化蒸着によってコーティングされた層でコーティングされたポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)の、又はポリプロピレン(PP)の配向フィルムである。ガス、特に酸素に対する優れたバリア特性を有することに加えて、包装材料100を誘導シール形成(これは迅速、簡単且つ効果的なヒートシール技術である)によってヒートシールすることを可能にする有利な特性を有するアルミホイルが一般的に使用される。
【0077】
包装材料100を製造するためのシステム300の例を
図9に示す。システム300は、保管リール312から巻き戻されるコア材料140の供給部310と、対応する保管リール322から巻き戻される中間バリア層146の供給部320とを含む。2つのウェブ140、146は互いに一緒にされ、両方とも2つの隣接する回転可能なシリンダ332、334の間の積層ニップ350を通して案内され、同時に積層材料342の供給部340は、通常、内部積層層145を形成する低密度ポリエチレン(LDPE)を含み、中間バリア層146をコア材料層140に恒久的に結合するために、ウェブ140、146の間に適用される。
【0078】
この紙又は板紙ウェブは、通常は低密度ポリエチレン(LDPE)を含むポリエチレンなどのポリマーの液密コーティングを両側にその後(図示せず)提供され、外層142及び内側の最内層147を形成し、次いで、その後の輸送と取り扱いのために完成した包装リールに巻き取られる。
【0079】
コア材料層140に三角形の、好ましくは非対称の折り目線130を使用することにより、包装材料の堅牢性を低下させることなく、したがって敏感な領域で材料の損傷の危険を冒すことなく、いくつかの積層層の厚さを減らすことが可能である。折り目線の第1の側が第2の側よりも急勾配のインプリント壁を有するように、三角形の断面を有する非対称の折り目線の場合、コア材料層をポリマーのさらなる層に積層するステップにおいて、コア材料は、好ましくは、折り目線が最初にそれらの第2の側で積層ニップに入るように積層ローラニップに供給されることが証明されている。積層中に非対称の折り目線の使用を明確に決定された送り方向と組み合わせることで、欠陥のリスクを軽減し、それにより積層の速度と品質を向上させることができる。
【0080】
ここで、
図10に目を向けると、包装材料100を製造するための方法400が概略的に示されている。方法400は、包装材料100を形成される包装容器10の底端コーナーPC1~PC4に折り曲げるのを補助するように構成された少なくとも1つの領域C1~C4を有するコア材料層140又はプラスチックでコーティング若しくは積層された包装材料100を提供する第1のステップ402と、包装容器10の底端TPを形成するように設計された折り目線の第1のセット132、及び包装容器10の主要本体を形成するように設計された折り目線の第2のセット134を提供する第2のステップ404とを含む。ステップ402及び404は、前記少なくとも1つの領域C1~C4が、それぞれが三角形の、好ましくは非対称の断面を有する複数の折り目線BC、LCBの交差点IXを含む一方、それぞれが三角形の、好ましくは非対称の断面を有し、前記交差点IXを通る仮想延長部を有する折り目線の第1のセット134の複数の折り目線LCC、DC、BC’が、それらが前記交差点IXから距離Dで終了するように終端されるように実行される。
【0081】
コア材料層は、折り目付け作業の前又は後に、さらなる材料層に積層される。
【0082】
本発明の様々な実施形態を記載し示してきたが、本発明はそれに限定されず、以下の特許請求の範囲で定義される主題の範囲内で他の方法で具現化することもできることが上記の記載から明らかであろう。