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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】流体を検出するための個人衛生デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/42 20060101AFI20240708BHJP
   A61F 13/20 20060101ALI20240708BHJP
【FI】
A61F13/42 F
A61F13/20 100Z
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2021509795
(86)(22)【出願日】2019-08-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-16
(86)【国際出願番号】 IB2019057016
(87)【国際公開番号】W WO2020039351
(87)【国際公開日】2020-02-27
【審査請求日】2022-06-28
(31)【優先権主張番号】16/106,463
(32)【優先日】2018-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522236350
【氏名又は名称】ジョンソン アンド ジョンソン コンシューマー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ニーリー・ウィリアム・チェスター
(72)【発明者】
【氏名】ピュー・ランドール・ビー
(72)【発明者】
【氏名】トナー・アダム
【審査官】横山 綾子
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-511487(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0305530(US,A1)
【文献】国際公開第2010/123425(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/15-13/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人衛生デバイスであって、
使用者の身体内に挿入して月経液を吸収するのに好適な形態のドーム状挿入端部を有する吸収性コアを含む、本体と、
前記本体内に配設されたセンサであって、前記センサが少なくとも一対の線状導電性リード線を含み、前記少なくとも一対の線状導電性リード線は、互いに離隔され、かつ、前記導電性リード線のうちの1つ又は2つ以上に電流が印加されると互いの間に電界を発生させるように構成されており、前記センサが、前記吸収性コアと、前記導電性リード線のそれぞれの少なくとも一部分との間に配設された絶縁体を更に備える、センサと、
前記センサと通信するように構成されたコントローラであって、前記センサが、第1の静電容量値、及び前記第1の静電容量値と異なる第2の静電容量値を検出し、前記第1の静電容量値及び前記第2の静電容量値のうちの1つ又は2つ以上を示す信号を前記コントローラに送信するように構成されており、前記第1の静電容量値及び前記第2の静電容量値が、前記導電性リード線のうちの1つ又は2つ以上に電流が印加されたときの前記導電性リード線間の前記電界内の流体の存在に依存する、コントローラと、を備え、
前記一対の線状導電性リード線が第1の方向に延在し、かつ前記第1の方向とは異なる第2の方向に延在するように前記ドーム状挿入端部において湾曲させられるような、前記本体内で概ねU字形の形状に構成され、前記第2の方向が前記第1の方向と反対である、個人衛生デバイス。
【請求項2】
前記導電性リード線が、互いに実質的に平行である、請求項1に記載の個人衛生デバイス。
【請求項3】
前記導電性リード線のそれぞれが、前記本体の長手方向軸線に沿って配設されている、請求項1に記載の個人衛生デバイス。
【請求項4】
前記導電性リード線のうちの1つ又は2つ以上が、導電性ワイヤ、導電性糸、又は導電性ヤーンのうちの1つ又は2つ以上を含む、請求項1に記載の個人衛生デバイス。
【請求項5】
前記導電性リード線のうちの1つ又は2つ以上が、非導電性コア及び導電性コーティングを有する導電性糸を含む、請求項1に記載の個人衛生デバイス。
【請求項6】
前記線状導電性リード線の断面が、概ね楕円形である、請求項1に記載の個人衛生デバイス。
【請求項7】
前記線状導電性リード線の断面が、概ね環状である、請求項1に記載の個人衛生デバイス。
【請求項8】
前記一対の線状導電性リード線の間に配設されたセパレータを更に備え、その中で前記セパレータが流体透過性材料を含む、請求項1に記載の個人衛生デバイス。
【請求項9】
前記流体透過性材料がヒドロゲルを含む、請求項8に記載の個人衛生デバイス。
【請求項10】
前記センサに電流を供給するように構成された電源を更に備える、請求項1に記載の個人衛生デバイス。
【請求項11】
前記個人衛生デバイスがタンポンである、請求項1に記載の個人衛生デバイス。
【請求項12】
前記絶縁体の表面が親水性、疎水性、全親和性、オムニフォビック、親油性、又は疎油性のうちの1つ又は2つ以上となるように、前記絶縁体が処理される、請求項1に記載の個人衛生デバイス。
【請求項13】
個人衛生デバイスであって、
使用者の身体内に挿入して月経液を吸収するのに好適な形態のドーム状挿入端部を有する吸収性コアを含む、軸方向長さを有する個人衛生製品と、
前記吸収性コア内に配設された静電容量センサアセンブリであって、前記静電容量センサアセンブリが、誘電体間隙によって互いに離隔された少なくとも一対の線状導電性リード線を備え、前記線状導電性リード線が、前記線状導電性リード線のうちの1つ又は2つ以上に電流が印加されると、互いの間に電界を発生させるように構成されており、前記静電容量センサアセンブリが、前記吸収性コアと前記導電性リード線のそれぞれの少なくとも一部分との間に配設された絶縁体を更に備える、静電容量センサアセンブリと、
ユーザデバイスと無線通信することができる通信回路を備えるコントローラと、
前記静電容量センサアセンブリから延在する信号伝送コンジットであって、前記静電容量センサアセンブリを前記コントローラと相互接続して、前記静電容量センサアセンブリを介して測定された情報を前記ユーザデバイスに送信するのを容易にする、信号伝送コンジットと、を備え、
前記静電容量センサアセンブリが、前記個人衛生製品の軸方向長さの実質的に全体にわたって第1の方向に延在し、かつ前記ドーム状挿入端部において概ねU字形の形状に湾曲させられて第2の方向に延在し、前記第2の方向が前記第1の方向と反対である、個人衛生デバイス。
【請求項14】
前記通信回路が、前記ユーザデバイスと低電力ブルートゥース(登録商標)無線通信することができる、請求項13に記載の個人衛生デバイス。
【請求項15】
前記通信回路が、前記ユーザデバイスと近距離無線通信することができる、請求項13に記載の個人衛生デバイス。
【請求項16】
前記ユーザデバイスが、使用者とインターフェースで接続することができるハンドヘルドパーソナル電子デバイスを含む、請求項13に記載の個人衛生デバイス。
【請求項17】
前記ユーザデバイスが、前記静電容量センサアセンブリから受信したデータに基づいて使用者に対して信号を発する又は警告を発することができる受信機及びソフトウェアアプリケーションを含む、請求項13に記載の個人衛生デバイス。
【請求項18】
前記ユーザデバイスが、インターネットベースの消費者サービスを介して追加の個人衛生製品を直接注文及び購入することができるソフトウェアアプリケーションを含む、請求項13に記載の個人衛生デバイス。
【請求項19】
前記ユーザデバイスが、体液分泌の履歴データに基づいて、注文数量を推定することができるソフトウェアアプリケーションを含む、請求項13に記載の個人衛生デバイス。
【請求項20】
前記ユーザデバイスが、体液分泌の時間及び速度を予測することができるソフトウェアアプリケーションを含む、請求項13に記載の個人衛生デバイス。
【請求項21】
前記信号伝送コンジットがケーブルを含む、請求項13に記載の個人衛生デバイス。
【請求項22】
前記信号伝送コンジットが、可撓性基板上に堆積した導電性インクを含む、請求項13に記載の個人衛生デバイス。
【請求項23】
前記絶縁体の表面が親水性、疎水性、全親和性、オムニフォビック、親油性、又は疎油性のうちの1つ又は2つ以上となるように、前記絶縁体が処理される、請求項13に記載の個人衛生デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、流体の存在を検出するように構成された個人衛生デバイスに関し、特に、静電容量センサを備える個人衛生デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
今日市場には、多くの種類の個人衛生デバイス(例えば、製品)が存在する。そのような個人衛生デバイスの例としては、タンポン、ベッドパッド、使い捨ておむつ、及び使い捨て生理用ナプキンが挙げられる。特に、女性用衛生製品は、女性の月経周期中に使用され得る。女性は、各周期にわたって様々な月経流を経験する場合があり、日によっては、月経流は他の日よりも多くなる。この流れの変動により、衛生製品を使用又は交換すべきときを正確に予測し、判断することが困難である場合がある。このことにより、多くの場合、個人衛生製品が過飽和になり、アクシデントが生じる可能性又は製品の吸収領域を越えた流出が生じる可能性がある。更に、過飽和した衛生製品の継続した使用は、中毒性ショック症候群及び他の感染などの負の健康上の副作用を引き起こす場合がある。
【0003】
多くの女性は、個人衛生製品の不在下での予期せぬ月経の開始又は上で考察した種類の不測の出来事を回避する予測可能性のために、月経周期を手動で追跡又は監視する。月経を手動で監視するのに利用可能な200を超えるスマートデバイスアプリケーションが存在する。使用者は、スマートデバイス、例えばスマートフォン又は他のハンドヘルドデバイス上のアプリケーションにデータを入力し、このアプリケーションが、例えば、月経開始日、流量パターン、及び月経の長さを予測するデータを生成する。これらのスマートデバイスアプリケーションの多くは、月経が開始及び終了すると予期される場合に警告を発する。しかしながら、全ての利用可能なデバイスは、使用者の主観的及び手動入力に基づくデータに依存しており、大半の女性用衛生製品使用者が有する一次的ニーズ、すなわち、予測可能性及び信頼性を確実に満たさない可能性がある。これらのアプリケーションのいずれも、使用者が個人衛生製品を着用又は使用している間、その個人衛生製品の能動的吸収能力を能動的に監視することができない。
【0004】
個人衛生製品の使用における予測可能性及び信頼性の必要性に加えて、個人衛生製品は、身体に近接して又は身体の内部のいずれかに位置しており、その結果、手動入力アプリケーションが捕捉できない方法で、分泌のパターン及び生体計測についてのデータを収集することができる。このデータは、社会的困惑を回避するのに有益であり、かつ使用者の健康全般にも有益であり、例えば、医師に正確なデータを提供するか、又は体液分泌の通常のパターンに乱れがある場合に使用者に警告するのに有益である。
【0005】
例えば、月経の問題及び分泌のパターンは、女性が医者にかかる最も一般的な理由のうちの1つである。一般的に、医者の最初の応答は、女性に生理の日、生理の長さ、流量などの記録として「月経日記」をつけることである。通常より長期若しくは短期で続く、又は全く起こらないなどの通常の毎月の周期から逸脱する月経は、潜在的な健康問題を示し得る。例えば、異常に長い月経出血は、子宮又は子宮頸部内のポリープ、子宮筋腫、癌、又は感染症などの異常を示している可能性がある。いくつかの状態、すなわち、月経困難症(生理痛)、希発月経(oligomennorhoea)(生理不順)、無月経(月経の欠如)、月経過多(重い月経)を、月経流データから明らかにすることができる。
【0006】
個人衛生製品の場所では、体温又はpHなどの内部及び外部生体データを集めることができる可能性がある。月経は、例えば、生体情報を伴う分泌物も含む。毎月の月経には、子宮から子宮内膜が剥がれ、新たな内膜がそれに取って代わるプロセスを伴う。月経液は、子宮内膜組織、膣分泌液、及び頸管粘液を意味する子宮血液を含む。月経液はまた、エストロゲン及びプロゲステロンなどのホルモン、並びに加水分解酵素及びリソソームなどの妊娠に関連した酵素からの情報も含む。
【0007】
在宅医療状況において、例えば、個人は、毎日複数回から毎週複数回の範囲で在宅医療スタッフによる定期検査を受ける。個人が更なる健康問題を有しており、その問題が検査中に現れない場合、単発的な訪問は、警告を捕捉し得ないか、又は正確に警告を与えられない可能性がある。個人衛生製品から微かに現れ得る有益な生体計測は、医療専門家が電子的に利用可能である場合、患者の健康のより正確な全体論的理解を提供するであろう広範なデータを正確に伝達するであろう。更に、センサシステムを有する個人衛生製品は、医療専門家又は家族のいずれかによる遠隔監視を容易にすることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
スマートハンドヘルド電子デバイスとインターフェースで接続することができるセンサシステムを組み込んだ個人衛生製品の適切な組み合わせは、個人衛生製品の消費者の最終的なニーズを満たすであろう。センサシステムは、生体適合性である必要があり、かつ、無線通信することができるアレイを備えている必要がある。結果的に、製品の吸収性能力及び個々の使用者の体液分泌についてのデータを集め、処理し、かつ使用者のスマートハンドヘルド電子デバイスに通信することができる個人衛生製品を提供する必要性が存在する。個々の使用者が、一度スマートハンドヘルド電子デバイスに通信されたデータとインターフェースすることができるという必要性も存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による個人衛生デバイスは、流体を吸収するように構成された吸収性材料を有する本体と、本体内に配設されたセンサと、センサと通信するように構成されたコントローラとを有してもよい。センサは、導体と、導体の少なくとも一部分に隣接して配設された絶縁体であってもよく、又は導体及び絶縁体を含んでもよい。センサは、静電容量センサであってもよく、又は静電容量センサを含んでもよく、及び/又は互いに離隔された一対の絶縁導体を含んでもよい。センサは、第1の電気値、及び/又は第1の電気値とは異なる第2の電気値を検出するように構成され得る。このような電気値は、電界強度、誘電率、及び/若しくは静電容量、又は他の電気値であってもよく、又はそれらを含んでもよい。センサは、検出された電気値を示す信号をコントローラに送信するように構成され得る。
【0010】
いくつかの態様では、導体は、複数の導体(例えば、一対の導体)、例えば、それぞれが互いに実質的に平行である少なくとも一対の線状導体であってもよく、又はそれらを含んでもよい。本発明による流体の存在を検出するための静電容量センサは、複数の導体と、複数の導体内の各導体に隣接して位置決めされた絶縁材料とを備えてもよい。絶縁材料の少なくとも一部分は、複数の導体のうちの少なくとも2つの間に配設される。複数の導体は、流体がセンサ内に存在しないときに第1の静電容量値を、及び流体がセンサ内に存在するときに第2の静電容量値を有するように構成され得る。センサは、電気的特性の絶対測定値、及び/又は第1の静電容量から第2の静電容量への変化などの相対測定値を検出するように構成されてもよい。このような測定値は分析されてもよく、個人衛生デバイスの使用者に通信されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本願は、添付の図面を併せ読むことでより深く理解される。発明主題を説明する目的で、発明主題の例示的な態様を図面に示す。しかしながら、本願に開示する発明主題は、開示する特定の方法、デバイス、及びシステムに限定されるものではない。更に、図面は必ずしも縮尺どおりではない。図面は、以下のとおりである。
図1】本開示の態様による個人衛生デバイスの側面断面図である。
図2図1に示される態様の上面断面図である。
図3】本開示の別の態様による個人衛生デバイスの側面断面図である。
図4図3に示される態様の上面断面図である。
図5】本開示の更に別の態様による個人衛生デバイスの上面断面図である。
図6】本開示の更に別の態様による個人衛生デバイスの上面断面図である。
図7】本開示の態様によるコントローラに物理的に接続された個人衛生デバイスの側面斜視図である。
図8】本開示の別の態様によるコントローラに無線で接続された個人衛生デバイスの側面斜視図である。
図9】本開示の態様によるセンサの正面平面図である。
図10図9に示したセンサの上面平面図である。
図11】本開示の別の態様によるセンサの正面平面図である。
図12図11に示したセンサの上面平面図である。
図13】本開示の別の態様による個人衛生デバイスの上面断面図である。
図14】本開示の更に別の態様による個人衛生デバイスの上面断面図である。
図15】本開示の更に別の態様による個人衛生デバイスの側面断面図である。
図16】本開示の更に別の態様による個人衛生デバイスの側面断面図である。
図17】本開示の更に別の態様による個人衛生デバイスの側面断面図である。
図18】本開示の更に別の態様による個人衛生デバイスの等角図である。
図19】本開示の更に別の態様による個人衛生デバイスの上面断面図である。
図20図19の個人衛生デバイスの側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の態様は、図面を参照して詳細に説明されるが、特記しない限り、同様の参照番号は同様の要素を指す。以下の説明では、特定の専門用語は、単に便宜上使用されているに過ぎず、限定するものではない。
【0013】
スマートハンドヘルド電子デバイスとインターフェースで接続することができるセンサシステムを備えたデバイス(例えば、衛生製品)が、本出願に開示される。以下の項において、様々な態様の詳細な説明が記載される。様々な態様の記載は、例示的な態様であり、当業者には、様々な修正及び変更が明白であり得る。したがって、例示的な態様は、本出願の範囲を制限するものではない。センサシステムは、生物の身体内で又は身体に隣接して使用するために設計される。
【0014】
デバイスは、信号を正確に検出するように最適化されてもよい。デバイスのセンサは、流体への暴露時の静電容量の変化を最大化するように最適化されてもよい。この最適化は、センサの1つ又は2つ以上の導体の断面を変更し、それにより、この1つ又は2つ以上の導体間の電界がより少ない絶縁体(固定)と遭遇し、より多い流体(可変)と遭遇することによって行われてもよい。例えば、断面は楕円形に形成されてもよい。静電容量の変化を完全に最大化するために、1つ又は2つ以上の導体は、平坦なリボンケーブルなどのように非常に薄い及び/又は鋭利な絶縁材によって取り囲まれていてもよい。快適性が懸念されることにより、この形状は所望されない。最適化された断面は、静電容量、快適性、コスト、及び/又は同様のものの間のバランスに基づいてもよい。最適化された断面は、絶縁リボンケーブルを製造する際に楕円形押出ダイを使用することによって実現されてもよい。処理、例えばヘッド及びローリング(head and rolling)が、円形断面を有する古典的なリボンケーブルに適用されてもよい。
【0015】
デバイスは、センサの1つ又は2つ以上の導体間にセパレータを使用することによって最適化されてもよい。セパレータの一部分は、ヒドロゲル又は同様の流体透過性材料で実現されてもよい。セパレータは、1つ又は2つ以上の導体間に制御された分離を提供するように構成されてもよい。セパレータは、短絡を防止するように構成されてもよい。セパレータは、ベースライン静電容量(例えば、乾燥静電容量)を確立するように構成されてもよい。絶縁体(例えば、流体に対して不透過性であってもよい)は、導体間で少なくとも部分的に除去されてもよい(例えば、導体を露出させる)。除去される絶縁体の部分は、ヒドロゲルなどの透過性材料で置き換えられてもよい。いくつかのシナリオでは、絶縁体は、間隙で形成されてもよく、又は透過性材料を含む部分で形成されてもよい。残りの絶縁体の少なくとも一部分は、電気的開放を提供することができる。絶縁体及びヒドロゲルはどちらも、導体を機械的に分離するように作用することができる。センサが流体に曝露されると、流体は、導体の間に直接浸透することができる。この構成では、流体に曝露された際の静電容量の変化が大きくなり得る(例えば、結果として改善された精度が得られる)。センサは、共押出プロセスを用いて形成されてもよい。
【0016】
デバイスは、絶縁体及び/又はセパレータに表面処理を適用することによって更に最適化されてもよい。表面処理は、流体の取り込みを増加させることができる(例えば、結果として使用者のためのより迅速かつより正確な感知がもたらされる)。表面処理はまた、デバイスを備えるタンポンに適用されてもよい。タンポン内の繊維充填材は、特に強い圧縮下で、センサ絶縁体の外側の空間を充填し、流体を導体の近くに運ぶように作用し得る。繊維及び/又はセンサ絶縁体の表面処理は、センサ速度及び精度を改善することができる。この処理は、特定の絶縁体が、表面エネルギーと相いれない場合がある、コスト、耐摩耗性、誘電率などのために最適化される場合に、特に重要であり得る。
【0017】
特定の態様では、本開示のセンサシステムは、静電容量センサであってもよく、又は静電容量センサを備えてもよい。例示的な静電容量センサは、互いに離隔された少なくとも一対の線状導電性リード線を含んでもよく、この導電性リード線は、導電性リード線にわたって電位が印加されたときに相互間に電界を生成するように構成され得る。導電性リード線は、導電性ワイヤ、導電性糸、又は導電性ヤーンのうちの1つ又は2つ以上を含んでもよい。導電性ヤーンは、導電性材料で処理(例えば、被覆)されたヤーンを含んでもよい。導電性糸は、処理(例えば、導電性材料で被覆)された糸を含んでもよい。
【0018】
静電容量センサは、絶縁体を含んでもよい。絶縁体は、親水性、疎水性、全親和性、オムニフォビック、親油性又は疎油性のうちの1つ又は2つ以上であってよい。例えば、絶縁体の表面が、親水性、疎水性、全親和性、オムニフォビック、親油性又は疎油性の1つ又は2つ以上となるように絶縁体を処理してもよい。絶縁体は、吸収性材料と、導電性リード線の各々の少なくとも一部分との間に配設され得る。一例として、電気絶縁性材料は、線状導電性リード線の各々の少なくとも一部分の周りに配設され得る。同様に、電気絶縁性材料は、線状導電性リード線の各々の間に配設され得る。絶縁性材料はまた、線状導電性リード線を吸収性材料から絶縁することもできる。したがって、1本又は2本以上の線状導電性リード線に電流が印加されると、線状導電性リード線間に電界が生成される。線状導電性リード線と電流は、生成された電界の少なくとも一部分が吸収性材料を通過するように構成される。生成された電界内で、吸収性材料の一部分の流体レベル(例えば、飽和度)が変化すると、その電界内の誘電体又は他の材料の電気的特性(例えば、静電容量)が変化し得る。このような変化は、測定することができ、センサシステムが組み込まれている個人衛生デバイスの流体レベルを示すことができる。一例として、センサシステムは、第1の静電容量値と、この第1の静電容量値とは異なる第2の静電容量値とを検出するように構成することができる。
【0019】
制御装置が、センサシステム(例えば、静電容量センサ)に組み込まれてもよく、またこれと通信するように構成されてもよい。静電容量センサの電気的特性の測定が行われると、制御装置に信号が送信され得る。信号は、第1の静電容量値及び第2の静電容量値のうちの1つ又は2つ以上を示すことができる。本明細書に記述されるように、第1の静電容量値及び第2の静電容量値は、1本又は2本以上の線状導電性リード線に電流が印加されたときに、線状導電性リード線間の電界内の流体の存在に依存し得る。制御装置は、受信した信号を分析するよう構成することができ、また関連付けられた流体レベル(例えば、飽和)を判定することができる。この判定は、絶対的な判定、又は相対的な判定であり得る。更に、制御装置は、関連付けられた流体レベルを、例えばユーザインターフェースを介して、デバイスの使用者に通信することができる。
【0020】
図1及び図2を参照すると、個人衛生デバイス100は、本体110(例えば、基材、ハウジングなど)を備え、センサ120、220は、本体110に隣接して配設される、本体110内に埋め込まれる、又は本体110に取り付けられる。個人衛生デバイス100は、身体に挿入するために構成されたタンポンであってもよく、又はタンポンを含んでもよい。個人衛生デバイス100はまた、ベッドパッド、おむつ、生理用ナプキン、下着ライナー、外科用包帯、又は液体を吸収するように構成された別の個人衛生物品を含んでもよい。
【0021】
本体110は、吸収性材料112から形成されてもよく、又は吸収性材料112を含んでもよい。吸収性材料112は、材料と接触する液体、例えば、体液、具体的には月経液を吸収するように構成され得る。本体110は、1つの吸収性材料112を含んでもよく、又は材料の組み合わせを含んでもよい。吸収性材料112は、異なる材料組成を含む内側コア及び外側コア(図示せず)を有してもよい。いくつかの態様では、吸収性材料112は、綿、レーヨン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、又は別の好適な吸収性材料を含んでもよい。いくつかの態様の個人衛生デバイスは、人体と直接接触するか、又は人体に挿入するように設計されてもよく、そのような態様の吸収性材料は、人体との接触時又は人体への挿入時の有害反応を回避するように、人体と生体適合性であるべきである。
【0022】
図1及び図2を更に参照すると、本体110は、近位端114及び遠位端116を有する。いくつかの態様では、本体110は、近位端114から遠位端116まで延在するほぼ円筒形であってもよい。当業者であれば、個人衛生デバイスの正確な寸法は、使用者の用途及び個々のニーズに応じて変動し得ることを理解するであろう。いくつかの非限定的な態様では、本体110は、長さが3インチ未満であってもよい。しかしながら、他の実現例及びサイズが使用されてもよい。いくつかの態様では、本体110内の吸収性材料112は、液体を吸収し、それに応じて膨張するように構成されてもよい。この場合も、当業者であれば、吸収能力は、使用者の用途及び個々のニーズ、例えば、使用者の月経周期の継続期間及び量に応じて、態様の間で変動し得ることを理解するであろう。いくつかの態様は、より少量の液体、例えば6グラム未満を吸収する。他の態様は、多量の液体、例えば最大6グラム、最大9グラム、最大12グラム、最大15グラム、又は最大18グラムの液体を吸収するように構成されてもよい。いくつかの態様は、18グラムを超える液体を吸収するように構成されてもよく、上記の量は、本開示を限定するものとして解釈されるべきではないことが理解されるであろう。
【0023】
個人衛生デバイス100は、センサ120などのセンサシステムを備えてもよい。センサ120、220は、本体110にしっかりと固定されてもよく、又は本体110に取り外し可能に取り付けられてもよい。いくつかの態様では、センサ120、220は、吸収性材料112内に埋め込まれてもよい。あるいは、センサ120、220は、本体110の外側表面111に、又はその近位に位置決めされてもよい。図1及び図2を参照すると、センサ120、220は、吸収性材料112内に完全に封入されている。いくつかの態様では、センサ120、220は、吸収性材料112内に部分的に封入されてもよい。センサ120、220は、実質的に本体110の長さにわたって延在してもよく、又は本体110よりも短くてもよい。
【0024】
センサ120、220は、近位端114から遠位端116まで延在する軸方向に沿って見たときに、本体110のほぼ中央に位置決めされてもよい。いくつかの態様では、センサ120、220は、図14の例示的な態様に示されるように、中心よりも本体110の外側表面111に近くてもよい。いくつかの態様では、個人衛生デバイス100は、複数のセンサ120(図2のセンサ220)を含んでもよい。図14によれば、センサ120(図2のセンサ220)のそれぞれは、本体110の中心の周りに径方向に位置決められてもよい。図17を参照すると、センサ120の少なくともいくつかが近位端114から異なる距離に配設されるように、複数のセンサ120(図2のセンサ220)は、本体110全体にわたって位置決めされてもよい。いくつかの態様では、個人衛生デバイス100は、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、又は8つのセンサ120(図2のセンサ220)を含んでもよい。センサの数は限定されず、個人衛生デバイス100は、様々な好適な数のセンサを含んでもよい。センサ120、220は、同じ寸法及びパラメータを有してもよく、又は異なっていてもよい。いくつかの態様では、複数のセンサ120、220は、異なる検知タイプのセンサを含んでもよい。例えば、いくつかの個人衛生デバイスは、水分を検出するセンサ、液体の稠度(例えば、液体の種類)、吸収された液体の量、デバイスのサイズの物理的変化(例えば、液体吸収後の吸収性材料112の膨張)、又は個人衛生デバイスの一態様に含まれることが有利であり得る別の感知パラメータを検出するセンサを含んでもよい。
【0025】
別の態様では、センサ120、220は、静電容量センサであってもよく、コンデンサを含んでもよい。センサは、絶縁材料124に接触する導体を含んでもよい。いくつかの態様では、センサ120、220は複数の導体を含む。図1及び図2を参照すると、センサ120、220は、第1の導体122a及び第2の導体122bを有してもよく、各導体は、長さを有し、他方の導体にほぼ平行に延在する。第1の導体122a及び第2の導体122bは、それらの間に電圧又は電位差を有するように構成されてもよい。したがって、センサ120、220は、第1の導体122a及び第2の導体122bがコンデンサとして動作するという点で、静電容量センサであってもよい。したがって、センサ120、220(第1の導体122a及び第2の導体122bを含む)は、検出された第1の導体122a及び第2の導体122bの環境に基づいて、静電容量、静電容量の変化、及び/又は電位差の変化を検出するように構成されてもよい。
【0026】
センサ120、220は、個人衛生デバイス100の吸収性材料112から導体の少なくとも一部分を絶縁するように構成された絶縁材料124を含んでもよい。当業者であれば、絶縁材料は、様々な導電特性を有する多くの異なる材料を含み得ることを理解するであろう。絶縁材料124は、プラスチック、ゴム、フルオロポリマー、天然に生じる材料、又は絶縁特性を有する別の好適な材料を含んでもよい。絶縁材料124は、熱可塑性ウレタン(thermoplastic urethane、TPU)を含んでもよく、又はこれから形成されてもよい。加えて、又は代替的に、好適な材料としては、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、熱可塑性ゴム、ネオプレン、スチレンブタジエンゴム、シリコーン、ガラス繊維、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンモノマー、ポリテトラフルオロエチレン、熱可塑性エラストマー、又は前述の組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0027】
絶縁材料124は、様々な厚さを有してもよい。いくつかの例示的な態様では、例えば、厚さは約1mm未満であってもよい。更なる態様では、厚さは0.3mm未満であってもよく、又は0.1mm~1mmの厚さであってもよい。
【0028】
いくつかの態様では、絶縁材料124はまた、その表面上にコーティング(図示せず)を含んでもよい。コーティングは、センサの弾力性、速度、及び/又は精度を改善する様々な材料を含んでもよい。好適なコーティングの非限定的な例としては、熱可塑性ポリウレタン(TPU)が挙げられる。濡れ性並びに他の物理的及び電気的特性を構成するために、他のコーティングが使用されてもよい。更なる例として、絶縁材料124は、絶縁材料124の総重量の最大100重量%の充填物を有するTPUから形成されてもよい。
【0029】
センサの様々な実施形態が本明細書に記載され、これらの実施形態のそれぞれは、特定の類似性を他の実施形態と共有し得ることが理解されるであろう。いくつかの態様では、導体全体が絶縁材料124内に封入される。図3図5を参照すると、いくつかの態様では、誘電体間隙123が、第1の導体122aと第2の導体122bとの間の空間によって画定される。図3図4の例示的な実施形態に示されるように、センサ220の誘電体間隙123は、その中に好適な誘電材料130(例えば、空気、ヒドロゲルなど)を配設していてもよい。誘電材料130は、第1の導体122aと第2の導体122bとの間に少なくとも部分的に配設されてもよく、絶縁特性を呈してもよい。
【0030】
図3図6を参照すると、いくつかの態様では、誘電体間隙123内の誘電材料130は、1つの材料又は複数の好適な材料を含んでもよい。いくつかの態様では、誘電材料130は絶縁材料124を含み得る。更なる態様では、誘電材料130は、完全に絶縁材料124から構成される。あるいは、誘電材料130は、異なる組成物を含んでもよく、絶縁材料124を完全に除外してもよい。
【0031】
図4を参照すると、センサ220は、第1の導体122aと第2の導体122bとの間に配設された誘電材料130を(例えば、図2に示す誘電体間隙123内に)有する。誘電材料130は、液体が通過できるように半透過性材料であってもよい。誘電材料130は、親水性特性を呈する多孔質材料を含んでもよい。いくつかの態様では、誘電材料130はヒドロゲルを含む。ヒドロゲルは、様々な誘電特性及び比誘電率を有する生体適合性材料から構成されてもよい。図4図5に示されるように、誘電材料は、異なる形状及び寸法を有するように形成されてもよい。図4の実施形態に示すように、センサ220は、(例えば、円形断面を有する)絶縁材料124の形状を概ね補完する誘電材料130を有してもよい。図5の実施形態に示されるように、センサ320は、絶縁材料124を部分的に取り囲む又は絶縁材料124に重なる誘電材料130を含んでもよい。
【0032】
静電容量センサのいくつかの態様では、誘電体間隙123の幅をほぼ一定に維持することが有利であり得る。したがって、誘電材料130は、センサ220の構造を支持し、かつ、通常使用中にセンサに作用する合理的に予期される圧縮力、引張力、及び剪断力に耐えるのに十分な剛性を有することが必要であり得る。
【0033】
センサ120、220は、本体110の近位端114から遠位端116まで延在する軸方向に見たとき、ほぼ円形の断面を有してもよい。いくつかの態様では、センサ120、220は、複数の導体に対応する複数の断面を含んでもよい。図2を参照すると、2つの導体(第1の導体122a及び第2の導体122b)を有するセンサは、互いにほぼ隣接する2つの円形断面を有してもよく、2つの断面のそれぞれは、それぞれ第1の導体及び第2の導体に対応する。いくつかの態様では、図6の例示的な実施形態に示されるように、センサ420は、非円形の楕円形断面を有してもよい。更なる態様では、センサは、実質的に矩形の断面を有してもよい。センサの断面は限定されず、本開示は、好適なセンサをもたらすであろう他の形状を包含することが理解されるであろう。
【0034】
ここで図9図12を参照すると、静電容量センサ120又は220は、電界140を生成することができる。電界140の特性及びセンサ120の静電容量は、多数のパラメータ、例えば導体122a及び122bの表面積、導体122aと導体122a122bとの間の距離、並びに誘電体間隙123内に配設された材料の影響を受ける。したがって、静電容量に影響を及ぼす1つ又は2つ以上の因子が変化すると、そのような変化は、検出されることができ、静電容量センサ120又は220の電界内の流体などの環境変化を示すことができる。
【0035】
いくつかの態様では、静電容量及びセンサ精度を向上させるために、導体122aと導体122bとの間を可能な限り短い距離に維持することが有利であり得る。センサはスケーラブルであるが、個人衛生製品は、その意図される用途のいずれに関しても不合理に大きい又は小さいような大きさであるべきではないことが理解されるであろう。いくつかの態様によれば、絶縁材料124は、導体122と吸収性材料112との間隔が最小限になるように、薄層であってもよい。更に、導体122aと導体122bとの間の開放(空気又は固定誘電体)表面積の量又は割合は(導体122aと導体122bとの間に流体を配設するのとは対照的に)、流体がシステムに入るときの誘電率変化の検出を容易にすることができる。例えば、空気の場合はk=1であるが、流体の場合はk≒約50である。
【0036】
平行平板コンデンサの静電容量は、次式を用いて計算することができる。
【0037】
【数1】
式中、Cは静電容量であり、kは導体間の材料の比誘電率であり、Aは導体の面積であり、dは導体間の距離であり、εは、真空における自由空間の誘電率に対応する定数(8.8542×10-12F/m)である。本明細書では、概念を説明するために平行平板モデルが提示されるが、当業者であれば、実際のシステムの静電容量が複雑なモデルでより正確に説明されることを理解するであろう。
【0038】
いくつかの態様では、導体の面積A及び導体122aと導体122bとの間の距離d(誘電体間隙123に対応する)は、実質的に一定に保たれてもよい。導体122aと導体122bとの間の誘電体間隙123内に配設された誘電体層130は、その比誘電率kが変化するように、可変組成を有するように構成されてもよい。いくつかの態様では、誘電材料130は、誘電材料が液体を含まないときの第1の比誘電率値と、誘電材料が液体を含むときの第2の比誘電率値とを有する。液体を有する誘電材料の物理的及び化学的組成は、液体を含まない誘電体材料の物理的及び化学的組成と異なってもよく、そのため、第1の比誘電率と第2の比誘電率とは、同様に異なってもよい。いくつかの態様によれば、液体を含む誘電材料は、液体を含まない同じ誘電材料よりも高い比誘電率kを有する。このような態様では、静電容量Cは、液体を含まない誘電体材料よりも、液体を有する誘電材料の方が大きくてもよい。
【0039】
動作中、液体が誘電体間隙123内に少なくとも部分的に配設されると、センサ120の静電容量が変化する。この変化は、センサ120と通信する回路(又はセンサ120)によって検出されて、外部デバイスに伝達されてもよい。
【0040】
いくつかの態様では、パーソナル衛生デバイス100は、コントローラ150に接続されてもよい。コントローラ150は、センサ120からデータを受信することができる。場合によっては、コントローラ150は、計算を実行するか、又は別のデバイスに情報を更に中継することができる。コントローラ150は、専用のインターフェース機器、携帯電話、腕時計、電子ブレスレット、又はパーソナルコンピュータなどであるが、これらに限定されない、プリント回路基板又は計算装置であってもよい。コントローラ150は、センサ120に対応する情報を使用者に提供するように構成されてもよい。情報は、例えば、センサ内の液体の検出、検出された液体の量、液体の稠度、及び個人衛生デバイス内の液体の存在の持続時間を含んでもよい。図7図8を参照すると、コントローラ150は、物理的ワイヤ152を介して個人衛生デバイス100に接続されてもよい。あるいは、無線通信154を介して接続されてもよい。無線通信としては、限定するものではないが、Wi-Fi、ブルートゥース、ANT、無線周波数、赤外線、近距離無線通信、又は別の好適な無線インターフェースを挙げることができる。コントローラ150は、例えば本体110上又は本体110の吸収性材料112内に配設されるなど、個人衛生デバイス100に物理的に取り付けられてもよい。あるいは、コントローラ150は、本体110から分離されていてもよい。
【0041】
コントローラ150は、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、タブレット、サーバ、クラウドサービスなどのユーザデバイスと通信してもよい。いくつかの態様では、センサ120などのセンサシステムは、コントローラ150又はトランシーバを介してユーザデバイスと無線通信することができる。ユーザデバイスは、ソフトウェアアプリケーションを含んでもよく、このソフトウェアアプリケーションは、例えば、受信したユーザベースのデータを定量化して、定量化データの視覚表示を使用者のために生成するインターフェースを含んでもよい。視覚表示の生成は、例えば、使用者のためのチャート、画面、又は警告の生成を含むが、これらに限定されない。
【0042】
いくつかの態様では、ソフトウェアアプリケーションは、液体吸収能力及び実際の体液吸収に基づく、個人衛生製品による吸収のレベルの視覚表示を、使用者に提供することができ得る。いくつかの態様では、ソフトウェアアプリケーションは、吸収性及び予想される飽和点の時間枠を使用者に提供することができ得る。いくつかの態様では、ソフトウェアアプリケーションは、個人衛生製品の飽和が差し迫っているか、又は飽和に達した場合に、使用者に対して警告信号を生成してもよい。いくつかの態様では、ソフトウェアアプリケーションは、例えば、使用者の体液分泌の速度又は体液分泌の履歴データを含むが、これらに限定されない、定量化データの視覚表示を生成してもよい。
【0043】
いくつかの態様では、ソフトウェアアプリケーションは、複数の個人衛生製品の使用から経時的に生成されたデータを蓄積することができてもよい。いくつかの態様では、ソフトウェアアプリケーションは、履歴データに基づいて体液分泌のベースラインを示すために、図形、チャート、又は他のインターフェースを生成してもよい。いくつかの態様では、ソフトウェアアプリケーションは、予測分析を生成し、その情報を使用者に伝達することができてもよい。かかる情報により、使用者は、例えば、センサシステムを有する個人衛生製品が月経周期のために使用される場合、開始日及び終了日を予想することができる。かかる情報により、使用者は、より重い又はより軽い流量の日又は期間を含む一連の周期を理解することができる。
【0044】
いくつかの態様では、ソフトウェアアプリケーションは、使用者の消耗品使用速度に関する情報を生成し、例えば、限定するものではないが、1日当たり、1週間当たり、又は1周期当たりに必要な個人衛生製品の数を予測することができる。いくつかの態様では、ソフトウェアアプリケーションは、例えば、月経の開始日が特定された場合などを含むが、これに限定されない、個人衛生製品を購入するようにとのリマインダー又は警告を使用者に対して生成することができる。いくつかの態様では、ソフトウェアアプリケーションは、使用者の体液分泌の履歴データに基づいて、注文数量の推定を使用者に提供することができる。くつかの態様では、ソフトウェアアプリケーションのインターフェースは、使用者が直送を目的として追加の個人衛生製品を注文及び購入することができるインターネットベースの消費者サービスへの直リンクを提供することができる。いくつかの態様では、ソフトウェアアプリケーションは、使用者への直送を目的として、消耗品使用速度に基づいて直接自動発注することができてもよい。ソフトウェアアプリケーションは、追加の個人衛生製品の購入を容易にすることができる。ソフトウェアアプリケーションは、使用者をインターネットベースの消費者サービスに接続することができる。
【0045】
いくつかの態様では、個人衛生デバイス100は、電源160に接続するように構成されてもよい。電源160は、センサ120、コントローラ150、有線又は無線通信152又は154、あるいはデバイスに関連付けられた別の要素に電力を供給してもよい。電源160は、本体110に結合されてもよい。いくつかの態様では、電源160は電池であってもよい。
【0046】
センサ120は、「オン」状態及び「オフ」状態を有するように構成されてもよい。「オン」状態では、センサ120は、その導体122内に電荷を受け取り、コントローラ150と能動的に通信することができる。「オフ」状態では、導体122は充電されず、データはコントローラ150に通信されない。いくつかの態様では、センサ120は、輸送用カートン又は小売包装などの保護包装から取り外されるときに、「オフ」状態から「オン」状態に切り替わるように構成されてもよい。別の態様では、センサ120は、使用者によって「オフ」状態から「オン」状態に手動で切り替えられてもよい。使用者は、物理スイッチを介して、又はコントローラ150内のコマンドを介して、センサをオンにすることができる。更なる態様では、センサ120は、外部条件が満たされたときに、例えば、個人衛生デバイスがコントローラ150に物理的に近接しているときに、自動的に「オン」状態に切り替えられてもよい。
【0047】
センサ120は、「オン」と「オフ」の2値状態を有せずに構成されてもよい。例えば、センサ120は、状態の連続体を有してもよい。センサ120は、受動部品であってもよい。センサ120は、センサの周囲の流体の動きに基づいて、信号及び/又は状態の変化を生成してもよい。センサ120は、センサ120の周囲の流体に基づいて変動する静電容量を有するコンデンサを含んでもよい。センサ120の変化(例えば、静電容量の変化)は、コントローラ150によって測定され得る。いくつかのシナリオでは、センサ120は、信号又は信号の変動をコントローラ150に送信する前に測定及び/又は信号調整を実行するように構成されてもよい。例えば、センサ120は、閾値変化、ノイズ、及び/又は同様のものを下回る信号をフィルタにかけて除去するように構成されてもよい。
【0048】
図13図20は、本開示の追加の非限定的な代替態様を示す。図13は、複数のセンサ120を有する個人衛生デバイス500を示す。図13の態様に示されるように、センサ120は、導電体122a、122bが、例えば、導電表面積を最大化するために、第1の方向に延在した後、第2の反対の方向に折り返すように、本体110の中心近くに配設されてもよい。図13は、デバイス500の断面を示すが、導体122a、122bは、ページの内外に延在するように示されていることが理解される。いくつかの態様では、センサ120は、本体110の表面に近接して位置決められてもよい。図14の例示的な態様に示されるように、個人衛生デバイス600は、本体110の中心線の周りに径方向に位置決められたセンサ120a、120b、120c、及び120dを備えている。図13を参照して説明したように、センサ120a~dは、ページの内外に延在するようにループ状にされているが、連続したスレッド又はワイヤから形成された一対の導体122a、122bを含んでもよい。あるいは、導体120a~dは、それぞれがデバイス500の一部分を感知するように構成された別個の導体を含んでもよい。
【0049】
図15図17は、本体110内に様々なセンサ構成を有する態様を示す。いくつかの態様では、図15に示すように、個人衛生デバイス700は、センサ120が遠位端116よりも近位端114に近くなるように本体110内に位置決められるセンサ120を有してもよい。あるいは、センサ120が近位端114よりも遠位端116に近い、反対の態様もまた可能である。図16は、近位端114から遠位端116まで本体110の実質的に全長にわたって延在する1つのセンサ120を備える個人衛生デバイス800を示す。加えて、デバイス800のセンサ120は、遠位端116から近位端114に向かって「U字形」の形状に折り返して延在してもよい。
【0050】
図17を参照すると、個人衛生デバイス900は、個人衛生デバイス100内に配設された複数のセンサ120を含んでもよい。図17に示される各連続したセンサは、先行するセンサからおおよそ等しい距離だけ分離して示されているが、個々のセンサ間の距離は変動し得ることが理解されるであろう。
【0051】
図18は、個人衛生デバイスが生理用ナプキン1000である本開示の態様を示す。生理用ナプキン1000は、1つ又は2つ以上の層を含んでもよい。1つ又は2つ以上の層は、吸収性繊維などの吸収性材料を含んでもよい。センサ120は、1つ又は2つ以上の層内及び/又は層間に配設されてもよい。センサ120は、生理用ナプキン1000の一部分のみに位置していてもよい。他の実現形態では、センサ120は、生理用ナプキン100の長さ及び/又は幅に沿って延在してもよい。生理用ナプキンの1つ又は2つ以上の層は、本明細書で更に説明されるように表面処理されてもよい。
【0052】
いくつかの態様では、図19に示すように、個人衛生デバイス1100は、本体110内に配設されたセンサ120を有してもよい。センサ120は、非導電性コア及び導電性コーティングを含むワイヤ又は導電性糸などの、概ね平行な導体122a、122bを含んでもよい。導体122a、122bの構成は、デバイス1100の長さに沿って延在するコンデンサとして動作することができる。図20は、デバイス1100のセンサ120(例えば、導体122a、122b)が「U字形」の形状に折り返していることを示す個人衛生デバイス1100を示す。
【0053】
本明細書に記載される個人衛生デバイスの態様は、既存の製品に勝るいくつかの利点を提供する。いくつかの態様は、使用者が個人衛生製品を着用している又は使用している間に、その吸収能力の能動的モニタリングを提供する。デバイスは、月経パターン、並びに他のバイオメトリクスに関するデータを収集することができる。収集されたデータは、衛生デバイスを調節又は交換することによって吸収性材料の過飽和を回避し、予期せぬ流出を防止するようにとの指示を使用者に提供するために使用することができる。これは、感染症などの関連する健康問題のリスクを減少させるのに役立つのみならず、不快な社会的交流又は困惑を回避するのに役立ち得る。いくつかの態様は、可能性の高い健康シナリオを予測するために、並びに必要であれば医師にデータを提供するために使用することができる、複数の変数の収集を可能にする。連続的な監視はまた、たとえ使用者が新しい衛生デバイスを使用することを忘れた場合であっても、そうすることを使用者に想起させるのに有用であり得、収集されたデータは、通常の又は予期される周期パターンに及ぼす混乱がある場合に使用者に警告するために使用されてもよい。
【0054】
本明細書で使用される「複数」という用語は、1つよりも多いことを意味する。単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈が特に明記していない限り、複数形の言及を包含し、特定の数値への言及は、少なくともその特定の値を包含する。したがって、例えば、「材料(a material)」への言及は、少なくとも1つのこのような材料、及び当業者に公知のその等価物、及び類似のものへの言及である。
【0055】
移行句「備える/含む(comprising)」、「から本質的になる(consisting essentially of)」、及び「からなる(consisting)」は、特許専門用語において一般的に受け入れられている意味を含意することを意図している。すなわち、(i)「備える/含む(comprising)」は、「含む」、「含有する」、又は「特徴とする」と同義であり、包括的又は非制限的なものであり、その他の列挙されていない要素又は方法工程を除外するものではなく、(ii)「からなる(consisting of)」は、特許請求の範囲において特定されていないあらゆる要素、工程、又は成分を除外し、並びに(iii)「から本質的になる」は、特定される材料又は工程であり、かつ、特許請求される発明の「基本的かつ新しい特徴(複数可)に実質的に影響しないもの」に、特許請求の範囲の範囲を制限する。用語「備える/含む(comprising)」(又はその均等語)で記載される態様はまた、態様として、「からなる」及び「から本質的になる」という用語で独立して記載されるものを提供する。
【0056】
値が、先行詞「約」を用いて近似値として表現される場合、その特定の値は、別の態様を形成することが理解される。一般的に、用語「約」の使用は、開示する発明主題によって得ようとしている所望の特性に依存して変動し得る近似値を示し、その機能に基づいて、用語が使用される特定の文脈において解釈されるべきであり、当業者は、そのようなものとして解釈することができるであろう。場合によっては、特定の値に対して用いられる有効数字の数は、用語「約」の程度を決定する1つの非限定的な方法であり得る。他の場合、一連の値において用いられている漸次的変化を用いて、各値について用語「約」に利用可能な意図する範囲を決定することができる。存在する場合、全ての範囲は、包括的かつ組み合わせ可能である。すなわち、範囲で記述される値に関する言及は、その範囲内のあらゆる値を含む。
【0057】
リストが提示される場合、特に指定しない限り、そのリストの各個々の要素及びそのリストの全ての組み合わせは別個の態様であることを、理解されたい。例えば、「A、B、又はC」として提示される態様のリストは、態様「A」、「B」、「C」、「A又はB」、「A又はC」、「B又はC」、又は「A、B、又はC」を含むと解釈すべきである。
【0058】
2つの要素を互いに対して参照する際に本明細書において使用される「実質的に平行」という用語は、2つの要素が互いに厳密には平行ではないが、平行に近いこと、及び2つの要素が互いに正確に平行であることを包含する。2つの要素を互いに対して参照する際に本明細書において使用される「実質的に垂直」という用語は、2つの要素が互いに厳密には垂直ではないが、垂直に近いこと、及び2つの要素が互いに正確に垂直であることを包含する。
【0059】
本明細書全体を通して、単語は、関連技術の当業者によって理解されるように、それらの通常の意味を与えられるべきである。しかしながら、誤解を避けるために、特定の用語の意味は具体的に定義又は明確化されるであろう。
【0060】
本開示は、様々な図面の様々な態様に関連して説明されてきたが、当業者であれば、その広範な発明概念から逸脱することなく上記態様に変更を加えることができることを理解するであろう。したがって、本発明は、開示された特定の態様に限定されず、特許請求の範囲によって定められるとおりの本発明の技術的思想及び技術的範囲の範囲内の変更を包含するように意図されていると理解される。
【0061】
別々の態様の文脈において上述されている本開示の特徴は、単一の態様において組み合わせて提供されてもよい。反対に、単一の態様の文脈において説明されている本開示の種々の特徴はまた、別個に又は任意の部分的組み合わせで提供されてもよい。最後に、態様は、一連の工程の一部として又はより全般的な構造の一部として記載され得るが、その各工程をそれ自体が独立する態様であると考えてもよく、他と組み合わせ可能である。
【0062】
本発明における値の範囲の記述は、本明細書において別途記載のない限り、その範囲内に含まれる各々の値を個別に参照するための省略様式としての機能を意図しているに過ぎず、各々の値は、本明細書に個別に列挙されるかのように、明細書内に組み込まれる。本明細書に記載される全ての方法は、本明細書において別途記載のない限り、又は文脈が明らかに矛盾しない限り、任意の好適な順序で実施することができる。
【0063】
〔実施の態様〕
(1) 個人衛生デバイスであって、
流体を吸収するように構成された吸収性材料を有する本体と、
前記本体内に配設されたセンサであって、前記センサが少なくとも一対の線状導電性リード線を含み、前記少なくとも一対の線状導電性リード線は、互いに離隔され、かつ、前記導電性リード線のうちの1つ又は2つ以上に電流が印加されると互いの間に電界を発生させるように構成されており、前記センサが、前記吸収性材料と、前記導電性リード線のそれぞれの少なくとも一部分との間に配設された絶縁体を更に備える、センサと、
前記センサと通信するように構成されたコントローラであって、前記センサが、第1の静電容量値、及び前記第1の静電容量値と異なる第2の静電容量値を検出し、前記第1の静電容量値及び前記第2の静電容量値のうちの1つ又は2つ以上を示す信号を前記コントローラに送信するように構成されており、前記第1の静電容量値及び前記第2の静電容量値が、前記導電性リード線のうちの1つ又は2つ以上に電流が印加されたときの前記導電性リード線間の前記電界内の流体の存在に依存する、コントローラと、を備える、個人衛生デバイス。
(2) 前記導電性リード線が、互いに実質的に平行である、実施態様1に記載の個人衛生デバイス。
(3) 前記導電性リード線のそれぞれが、前記本体の長手方向軸線に沿って配設されている、実施態様1に記載の個人衛生デバイス。
(4) 前記一対の線状導電性リード線が第1の方向に延在し、かつ前記第1の方向とは異なる第2の方向に延在するように湾曲させられるような、前記本体内で概ねU字形の形状に構成されている、実施態様1に記載の個人衛生デバイス。
(5) 前記第1の方向と前記第2の方向とが、前記本体に対してそれぞれ反対の方向である、実施態様4に記載の個人衛生デバイス。
【0064】
(6) 前記導電性リード線のうちの1つ又は2つ以上が、導電性ワイヤ、導電性糸、又は導電性ヤーンのうちの1つ又は2つ以上を含む、実施態様1に記載の個人衛生デバイス。
(7) 前記導電性リード線のうちの1つ又は2つ以上が、非導電性コア及び導電性コーティングを有する導電性糸を含む、実施態様1に記載の個人衛生デバイス。
(8) 断面が、概ね楕円形である、実施態様5に記載の個人衛生デバイス。
(9) 前記断面が、概ね環状である、実施態様6に記載の個人衛生デバイス。
(10) 前記一対の線状導電性リード線の間に配設されたセパレータを更に備え、その中で前記セパレータが流体透過性材料を含む、実施態様1に記載の個人衛生デバイス。
【0065】
(11) 前記流体透過性材料がヒドロゲルを含む、実施態様10に記載の個人衛生デバイス。
(12) 前記セパレータが、前記一対の前記線状導電性リード線のそれぞれから離隔されている、実施態様10に記載の個人衛生デバイス。
(13) 前記センサに電流を供給するように構成された電源を更に備える、実施態様1に記載の個人衛生デバイス。
(14) 前記個人衛生デバイスがタンポンである、実施態様1に記載の個人衛生デバイス。
(15) 前記個人衛生デバイスが生理用ナプキンである、実施態様1に記載の個人衛生デバイス。
【0066】
(16) 前記絶縁体の表面が親水性、疎水性、全親和性(omniphilic)、オムニフォビック(omnophobic)、親油性、又は疎油性のうちの1つ又は2つ以上となるように、前記絶縁体が処理される、実施態様1に記載の個人衛生デバイス。
(17) 個人衛生デバイスであって、
使用者の身体内に挿入して月経液を吸収するのに好適な形態の吸収性コアを含む、軸方向長さを有する個人衛生製品と、
前記吸収性コア内に配設された静電容量センサアセンブリであって、前記静電容量センサアセンブリが、誘電体間隙によって互いに離隔された少なくとも一対の線状導電性リード線を備え、前記線状導電性リード線が、前記線状導電性リード線のうちの1つ又は2つ以上に電流が印加されると、互いの間に電界を発生させるように構成されており、前記センサが、前記吸収性コアと前記導電性リード線のそれぞれの少なくとも一部分との間に配設された絶縁体を更に備える、静電容量センサアセンブリと、
ユーザデバイスと無線通信することができる通信回路を備えるコントローラと、
前記静電容量センサアセンブリから延在する信号伝送コンジットであって、前記静電容量センサアセンブリを前記コントローラと相互接続して、前記静電容量センサアセンブリを介して測定された情報を前記ユーザデバイスに送信するのを容易にする、信号伝送コンジットと、を備える、個人衛生デバイス。
(18) 前記静電容量センサアセンブリが、前記個人衛生製品の軸方向長さの実質的に全体にわたって第1の方向に延在し、かつ湾曲させられて、第2の方向に延在している、実施態様17に記載の個人衛生デバイス。
(19) 前記第2の方向が前記第1の方向と反対である、実施態様18に記載の個人衛生デバイス。
(20) 前記通信回路が、前記ユーザデバイスと低電力ブルートゥース無線通信することができる、実施態様17に記載の個人衛生デバイス。
【0067】
(21) 前記通信回路が、前記ユーザデバイスと近距離無線通信することができる、実施態様17に記載の個人衛生デバイス。
(22) スマートハンドヘルドデバイスが、使用者とインターフェースで接続することができるハンドヘルドパーソナル電子デバイスを含む、実施態様17に記載の個人衛生デバイス。
(23) 前記ユーザデバイスが、前記静電容量センサアセンブリから受信したデータに基づいて使用者に対して信号を発する又は警告を発することができる受信機及びソフトウェアアプリケーションを含む、実施態様17に記載の個人衛生デバイス。
(24) 前記ユーザデバイスが、インターネットベースの消費者サービスを介して追加の個人衛生製品を直接注文及び購入することができるソフトウェアアプリケーションを含む、実施態様17に記載の個人衛生デバイス。
(25) 前記ユーザデバイスが、体液分泌の履歴データに基づいて、注文数量を推定することができるソフトウェアアプリケーションを含む、実施態様17に記載の個人衛生デバイス。
【0068】
(26) 前記ユーザデバイスが、体液分泌の時間及び速度を予測することができるソフトウェアアプリケーションを含む、実施態様17に記載の個人衛生デバイス。
(27) 前記信号伝送コンジットがケーブルを含む、実施態様17に記載の個人衛生デバイス。
(28) 前記信号伝送コンジットが、可撓性基板上に堆積した導電性インクを含む、実施態様17に記載の個人衛生デバイス。
(29) 前記絶縁体の表面が親水性、疎水性、全親和性、オムニフォビック、親油性、又は疎油性のうちの1つ又は2つ以上となるように、前記絶縁体が処理される、実施態様17に記載の個人衛生デバイス。
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