(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】移動式保管システム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20240708BHJP
【FI】
B65G1/04 555Z
(21)【出願番号】P 2021519566
(86)(22)【出願日】2019-09-23
(86)【国際出願番号】 EP2019075454
(87)【国際公開番号】W WO2020074242
(87)【国際公開日】2020-04-16
【審査請求日】2022-07-07
(32)【優先日】2018-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】317005527
【氏名又は名称】アウトストア・テクノロジー・エーエス
【氏名又は名称原語表記】AUTOSTORE TECHNOLOGY AS
【住所又は居所原語表記】Stokkastrandvegen 85,N-5578 Nedre Vats,Norway
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100172041
【氏名又は名称】小畑 統照
(72)【発明者】
【氏名】アウストロヘイム,トロンド
(72)【発明者】
【氏名】ベルデ,チェーティル
(72)【発明者】
【氏名】メトレ,シュノーベ・ソルベルグ
(72)【発明者】
【氏名】ストゥハウグ,ラグナル
【審査官】板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第03115319(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2001/0038009(US,A1)
【文献】国際公開第2017/220627(WO,A1)
【文献】特開2014-218323(JP,A)
【文献】特表平10-511764(JP,A)
【文献】特開昭61-049003(JP,A)
【文献】特表2015-535517(JP,A)
【文献】米国特許第04875814(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00-1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動式保管システムであって、前記移動式保管システムは、
- 第1のコンテナフレーム(600’)を含む第1の移動式コンテナ(600)と、
- 前記第1の移動式コンテナ(600)の内側に配置されている第1の自動倉庫システム(500)と
を含み、
前記第1の自動倉庫システム(500)は、
- 垂直方向のスタック(107)で互いに重ねて保管ビン(106)を保管するための複数の保管カラム(505)を画定する垂直方向部材(502)を有する第1の保管グリッド構造体(504)であって、前記垂直方向部材(502)は、それらの上側端部において、第1のレールシステム(508)によって相互接続されており、前記第1のレールシステム(508)は、その上の少なくとも1つのビンハンドリング車両(201、301)をガイドするように配置されている、第1の保管グリッド構造体(504)を含み、
前記ビンハンドリング車両(201、301)は、前記保管カラム(505)から保管ビン(106)を上昇させ、前記保管カラム(505)の中へ保管ビン(106)を低下させ、また、前記保管カラム(505)の上方において前記保管ビン(106)を輸送するように構成されており、
前記第1のコンテナフレーム(600’)には開口部が生成されており、前記開口部は、前記レールシステムの上を移動するビンを運搬している前記ビンハンドリング車両(201、301)の少なくとも断面のサイズになって
おり、
前記移動式保管システムは、前記第1のレールシステム(508)を第2の保管グリッド構造体(504’)の第2のレールシステム(508’)に接続するための中間エレメント(450)であって、前記ビンハンドリング車両(201、301)が前記第1のレールシステム(508)と第2のレールシステム(508’)とを移動できるように構成される中間エレメント(450)をさらに含む、
移動式保管システム。
【請求項2】
前記第1のコンテナフレーム(600’)は、
- ベースパネル(601)と、
- トップパネル(602)と、
- 前記ベースパネル(601)のそれぞれの角部から延在し、前記ベースパネル(601)および前記トップパネル(602)を接続する4つの垂直方向に延在するプロファイル(606)と
を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1のコンテナフレーム(600’)は、2つのロングエンドサイドパネル(603)および2つのショートエンドサイドパネル(604)をさらに含み、前記サイドパネル(603、604)のうちの少なくとも1つの少なくとも一部は、除去可能になっている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1のコンテナフレーム(600’)は、2つのロングエンドサイドパネル(603)および2つのショートエンドサイドパネル(604)をさらに含み、1つのロングエンドサイドパネル(603)の少なくとも一部は、除去可能になっている、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1のコンテナフレーム(600’)は、2つのロングエンドサイドパネル(603)および2つのショートエンドサイドパネル(604)をさらに含み、前記ロングエンドサイドパネル(603)のうちの少なくとも1つは、除去可能になっている、請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1の自動倉庫システム(500)は、前記ビンハンドリング車両(201、301)による保管ビン(106)のドロップオフおよび/またはピックアップのために特化された少なくとも1つのカラム(512)と、アクセスステーション(509)とをさらに含み、前記アクセスステーション(509)では、前記保管ビン(106)が、前記第1の保管グリッド構造体(504)の外側からアクセスされ得り、または、保管ビン(106)のドロップオフおよび/またはピックアップのために特化された前記第1の保管グリッド構造体(504)の前記少なくとも1つのカラム(512)から移送されるかもしくはその中へ移送され得る、請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1の自動倉庫システム(500)は、前記ビンハンドリング車両(201、301)を充電するための充電ステーション(550)をさらに含み、前記充電ステーション(550)は、前記レールシステム(508)に配置されているか、または、前記レールシステム(508)の上に配置されている、請求項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1の自動倉庫システム(500)は、前記保管ビン(106)の中に保管されているアイテムに関するデータ、および、前記保管ビン(106)の位置に関するデータを記憶し、受信し、および/または転送するためのコントローラーをさらに含む、請求項1から7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1の移動式コンテナ(600)は、前記第1の移動式コンテナ(600)の外側下側表面に固定されている高さ調節可能な足部(960)を含み、それによって、前記第1の移動式コンテナ(600)の高さ調節および/またはレベリングを可能にする、請求項1から8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記システムは、前記第1の移動式コンテナ(600)に除去可能に接続するように構成されている第2の移動式コンテナ(700)をさらに含み、第2の自動倉庫システム(500’)が、前記第2の移動式コンテナ(700)の中に配置されており、前記第2の自動倉庫システム(500’)は、
- 垂直方向のスタック(107)で互いに重ねて保管ビン(106)を保管するための複数の保管カラム(505’)を画定する垂直方向部材(502’)を有する第2の保管グリッド構造体(504’)であって、前記垂直方向部材(502’)は、それらの上側端部において、第2のレールシステム(508’)によって相互接続されており、前記第2のレールシステム(508’)は、その上の少なくとも1つのビンハンドリング車両(201、301)をガイドするように配置されている、第2の保管グリッド構造体(504’)を含み、
前記ビンハンドリング車両(201、301)は、前記保管カラム(505’)から保管ビン(106)を上昇させ、前記保管カラム(505’)の中へ保管ビン(106)を低下させ、また、前記保管カラム(505’)の上方において前記保管ビン(106)を輸送するように構成されている、請求項1から9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記第2の移動式コンテナ(700)は、第2のコンテナフレーム(700’)を含み、前記第2のコンテナフレーム(700’)は、
- ベースパネル(701)と、
- トップパネル(702)と、
- 前記ベースパネル(701)のそれぞれの角部から延在し、前記ベースパネル(701)および前記トップパネル(702)を接続する4つの垂直方向に延在するプロファイル(706)と
を含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記第2のコンテナフレーム(700’)は、2つのロングエンドサイドパネル(703)および2つのショートエンドサイドパネル(704)をさらに含み、前記サイドパネル(703、704)のうちの1つの少なくとも一部は、除去可能になっている、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記第2のコンテナフレーム(700’)は、2つのロングエンドサイドパネル(703)および2つのショートエンドサイドパネル(704)をさらに含み、前記ロングエンドサイドパネル(703)のうちの1つの少なくとも一部は、除去可能になっている、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記第2のコンテナフレーム(700’)は、2つのロングエンドサイドパネル(703)および2つのショートエンドサイドパネル(704)をさらに含み、前記ロングエンドサイドパネル(703)のうちの少なくとも1つは、除去可能になっている、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記第2の移動式コンテナ(700)は、前記保管ビンの中に保管されているアイテムに関するデータ、および、前記第2の移動式コンテナ(700)の前記保管ビンの位置に関するデータを記憶し、受信し、および/または転送するためのコントローラーを含む、請求項11から14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
移動式保管システムであって、前記移動式保管システムは、
- 第1のコンテナフレーム(600’)を含む第1の移動式コンテナ(600)と、
- 前記第1の移動式コンテナ(600)の内側に配置されている第1の自動倉庫システム(500)と
を含み、
前記第1の自動倉庫システム(500)は、
- 垂直方向のスタック(107)で互いに重ねて保管ビン(106)を保管するための複数の保管カラム(505)を画定する垂直方向部材(502)を有する第1の保管グリッド構造体(504)であって、前記垂直方向部材(502)は、それらの上側端部において、第1のレールシステム(508)によって相互接続されており、前記第1のレールシステム(508)は、その上の少なくとも1つのビンハンドリング車両(201、301)をガイドするように配置されている、第1の保管グリッド構造体(504)を含み、
前記ビンハンドリング車両(201、301)は、前記保管カラム(505)から保管ビン(106)を上昇させ、前記保管カラム(505)の中へ保管ビン(106)を低下させ、また、前記保管カラム(505)の上方において前記保管ビン(106)を輸送するように構成されており、
前記第1のコンテナフレーム(600’)には開口部が生成されており、前記開口部は、前記レールシステムの上を移動するビンを運搬している前記ビンハンドリング車両(201、301)の少なくとも断面のサイズになっており、
前記システムは、前記第1の移動式コンテナ(600)に除去可能に接続するように構成されている第2の移動式コンテナ(700)をさらに含み、第2の自動倉庫システム(500’)が、前記第2の移動式コンテナ(700)の中に配置されており、前記第2の自動倉庫システム(500’)は、
- 垂直方向のスタック(107)で互いに重ねて保管ビン(106)を保管するための複数の保管カラム(505’)を画定する垂直方向部材(502’)を有する第2の保管グリッド構造体(504’)であって、前記垂直方向部材(502’)は、それらの上側端部において、第2のレールシステム(508’)によって相互接続されており、前記第2のレールシステム(508’)は、その上の少なくとも1つのビンハンドリング車両(201、301)をガイドするように配置されている、第2の保管グリッド構造体(504’)を含み、
前記ビンハンドリング車両(201、301)は、前記保管カラム(505’)から保管ビン(106)を上昇させ、前記保管カラム(505’)の中へ保管ビン(106)を低下させ、また、前記保管カラム(505’)の上方において前記保管ビン(106)を輸送するように構成されており、
前記第1の保管グリッド構造体(504)および前記第2の保管グリッド構造体(504’)のうちの少なくとも1つは、水平方向の変位を可能にするように構成されている水平方向に変位可能なベースプレート(950)の上に配置されている
、システム。
【請求項17】
前記第2の移動式コンテナ(700)は、前記第2の移動式コンテナ(700)の外側下側表面に固定されている高さ調節可能な足部(960)を含み、それによって、前記第2の移動式コンテナ(700)の高さ調節および/またはレベリングを可能にする、請求項11から16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
前記第1のコンテナフレーム(600’)および前記第2のコンテナフレーム(700’)は、連結デバイス(400)によって接続されており、前記連結デバイス(400)は、前記第1のコンテナフレーム(600’)および前記第2のコンテナフレーム(700’)が整合させられることを可能にする、請求項11から17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
前記第1の移動式コンテナ(600)のベースパネル(601)、トップパネル(602)、および垂直方向に延在するプロファイル(606)のうちの少なくとも1つの垂直方向の延在は、少なくとも1つの孔部(401)を含み、前記少なくとも1つの孔部(401)は、前記第2の移動式コンテナ(700)のベースパネル(701)、トップパネル(702)、および垂直方向に延在するプロファイル(706)のうちの少なくとも1つの垂直方向の延在の中の配置されている少なくとも1つの対応する孔部(401)に面しており、前記少なくとも1つの孔部(401)は、前記第1の移動式コンテナ(600)と前記第2の移動式コンテナ(700)との間の接続ピン(400)を挿入するためのものであり、垂直方向の位置および水平方向の位置のうちの少なくとも1つにおいて、2つの前記コンテナを整合させるようになっている、請求項11から18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
前記接続ピン(400)は、伸縮式になっており、前記接続ピン(400)が、引っ込められた状態において、前記第1の移動式コンテナフレーム(600
’)の中の前記孔部(401)または前記第2の移動式コンテナフレーム(700
’)の中の前記孔部(401)のいずれかを占有するようになっている、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
移動式保管システムであって、前記移動式保管システムは、
- 第1のコンテナフレーム(600’)を含む第1の移動式コンテナ(600)と、
- 前記第1の移動式コンテナ(600)の内側に配置されている第1の自動倉庫システム(500)と
を含み、
前記第1の自動倉庫システム(500)は、
- 垂直方向のスタック(107)で互いに重ねて保管ビン(106)を保管するための複数の保管カラム(505)を画定する垂直方向部材(502)を有する第1の保管グリッド構造体(504)であって、前記垂直方向部材(502)は、それらの上側端部において、第1のレールシステム(508)によって相互接続されており、前記第1のレールシステム(508)は、その上の少なくとも1つのビンハンドリング車両(201、301)をガイドするように配置されている、第1の保管グリッド構造体(504)を含み、
前記ビンハンドリング車両(201、301)は、前記保管カラム(505)から保管ビン(106)を上昇させ、前記保管カラム(505)の中へ保管ビン(106)を低下させ、また、前記保管カラム(505)の上方において前記保管ビン(106)を輸送するように構成されており、
前記第1のコンテナフレーム(600’)には開口部が生成されており、前記開口部は、前記レールシステムの上を移動するビンを運搬している前記ビンハンドリング車両(201、301)の少なくとも断面のサイズになっており、
前記システムは、前記第1の移動式コンテナ(600)に除去可能に接続するように構成されている第2の移動式コンテナ(700)をさらに含み、第2の自動倉庫システム(500’)が、前記第2の移動式コンテナ(700)の中に配置されており、前記第2の自動倉庫システム(500’)は、
- 垂直方向のスタック(107)で互いに重ねて保管ビン(106)を保管するための複数の保管カラム(505’)を画定する垂直方向部材(502’)を有する第2の保管グリッド構造体(504’)であって、前記垂直方向部材(502’)は、それらの上側端部において、第2のレールシステム(508’)によって相互接続されており、前記第2のレールシステム(508’)は、その上の少なくとも1つのビンハンドリング車両(201、301)をガイドするように配置されている、第2の保管グリッド構造体(504’)を含み、
前記ビンハンドリング車両(201、301)は、前記保管カラム(505’)から保管ビン(106)を上昇させ、前記保管カラム(505’)の中へ保管ビン(106)を低下させ、また、前記保管カラム(505’)の上方において前記保管ビン(106)を輸送するように構成されており、
前記第2の移動式コンテナ(700)は、前記第1の移動式コンテナ(600)の上に配置されており、前記第2の移動式コンテナ(700)のベースパネル(701)は、前記第1の移動式コンテナ(600)のトップパネル(602)の中の開口部に対応する開口部を有しており、前記開口部(910)は、保管ビン(106)が前記第2の移動式コンテナ(700)と前記第1の移動式コンテナ(600)との間で移動することを可能にする
、システム。
【請求項22】
前記システムは、互いに隣接して整合させられた複数の第2の移動式コンテナ(700)を含む、請求項11から
21のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項23】
1つの第2の移動式コンテナ(700)が、別の第2の移動式コンテナ(700)の上に配置されている、請求項
22に記載のシステム。
【請求項24】
移動式保管システムであって、前記移動式保管システムは、
- 第1のコンテナフレーム(600’)を含む第1の移動式コンテナ(600)と、
- 前記第1の移動式コンテナ(600)の内側に配置されている第1の自動倉庫システム(500)と
を含み、
前記第1の自動倉庫システム(500)は、
- 垂直方向のスタック(107)で互いに重ねて保管ビン(106)を保管するための複数の保管カラム(505)を画定する垂直方向部材(502)を有する第1の保管グリッド構造体(504)であって、前記垂直方向部材(502)は、それらの上側端部において、第1のレールシステム(508)によって相互接続されており、前記第1のレールシステム(508)は、その上の少なくとも1つのビンハンドリング車両(201、301)をガイドするように配置されている、第1の保管グリッド構造体(504)を含み、
前記ビンハンドリング車両(201、301)は、前記保管カラム(505)から保管ビン(106)を上昇させ、前記保管カラム(505)の中へ保管ビン(106)を低下させ、また、前記保管カラム(505)の上方において前記保管ビン(106)を輸送するように構成されており、
前記第1のコンテナフレーム(600’)には開口部が生成されており、前記開口部は、前記レールシステムの上を移動するビンを運搬している前記ビンハンドリング車両(201、301)の少なくとも断面のサイズになっており、
前記システムは、前記第1の移動式コンテナ(600)に除去可能に接続するように構成されている第2の移動式コンテナ(700)をさらに含み、第2の自動倉庫システム(500’)が、前記第2の移動式コンテナ(700)の中に配置されており、前記第2の自動倉庫システム(500’)は、
- 垂直方向のスタック(107)で互いに重ねて保管ビン(106)を保管するための複数の保管カラム(505’)を画定する垂直方向部材(502’)を有する第2の保管グリッド構造体(504’)であって、前記垂直方向部材(502’)は、それらの上側端部において、第2のレールシステム(508’)によって相互接続されており、前記第2のレールシステム(508’)は、その上の少なくとも1つのビンハンドリング車両(201、301)をガイドするように配置されている、第2の保管グリッド構造体(504’)を含み、
前記ビンハンドリング車両(201、301)は、前記保管カラム(505’)から保管ビン(106)を上昇させ、前記保管カラム(505’)の中へ保管ビン(106)を低下させ、また、前記保管カラム(505’)の上方において前記保管ビン(106)を輸送するように構成されており、
前記システムは、互いに隣接して整合させられた複数の第2の移動式コンテナ(700)を含み、
1つの第2の移動式コンテナ(700)が、別の第2の移動式コンテナ(700)の上に配置されており、
少なくとも2つの前記第2の移動式コンテナ(700)は、対応する開口部(910)を有しており、保管ビン(106)が2つの前記第2の移動式コンテナ(700)の間を移動することを可能にする
、システム。
【請求項25】
前記システムは、機器を保管するための機器コンテナ(800)をさらに含む、請求項1から
24のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項26】
移動式保管システムを提供する方法であって、前記方法は、
- 第1のコンテナフレーム(600’)を含む第1の移動式コンテナであって、前記第1のコンテナフレーム(600’)は、
- ベースパネル(601)と、
- トップパネル(602)と、
- 前記ベースパネル(601)のそれぞれの角部から延在し、前記ベースパネル(601)および前記トップパネル(602)を接続する4つの垂直方向に延在するプロファイル(606)と、
を含む、第1の移動式コンテナ(600)を提供するステップと、
- 前記第1の移動式コンテナ(600)の内側に第1の自動倉庫システム(500)を配置するステップと、
- 前記第1の自動倉庫システム(500)を内側に備えた前記第1の移動式コンテナ(600)を、使用のための場所へ輸送するステップと
を含み、
前記第1の自動倉庫システム(500)は、
- 垂直方向のスタック(107)で互いに重ねて保管ビン(106)を保管するための複数の保管カラム(505)を画定する垂直方向部材(502)を有する第1の保管グリッド構造体(504)であって、前記垂直方向部材(502)は、それらの上側端部において、第1のレールシステム(508)によって相互接続されており、前記第1のレールシステム(508)は、その上の少なくとも1つのビンハンドリング車両(201、301)をガイドするように配置されている、第1の保管グリッド構造体(504)を含み、
前記ビンハンドリング車両(201、301)は、前記保管カラム(505)から保管ビン(106)を上昇させ、前記保管カラム(505)の中へ保管ビン(106)を低下させ、また、前記保管カラム(505)の上方において前記保管ビン(106)を輸送するように構成されており、
前記方法は、
- 第2のコンテナフレーム(700’)を含む第2の移動式コンテナ(700)であって、前記第2のコンテナフレーム(700’)は、
- ベースパネル(701)と、
- トップパネル(702)と、
- 前記ベースパネル(701)のそれぞれの角部から延在し、前記ベースパネル(701)および前記トップパネル(702)を接続する4つの垂直方向に延在するプロファイル(706)と、
を含む、第2の移動式コンテナ(700)を提供するステップと、
- 前記第2の移動式コンテナ(700)の内側に第2の自動倉庫システム(500’)を配置するステップと、
- 前記第2の自動倉庫システム(500’)を内側に備えた前記第2の移動式コンテナ(700)を、前記使用のための場所へ輸送するステップと、
- 前記第1の移動式コンテナ(600)および第2の移動式コンテナ(700)を一緒に接続するステップと、
を含み、
前記第2の自動倉庫システム(500’)は、
- 垂直方向のスタック(107)で互いに重ねて保管ビン(106)を保管するための複数の保管カラム(505’)を画定する垂直方向部材(502’)を有する第2の保管グリッド構造体(504’)であって、前記垂直方向部材(502’)は、それらの上側端部において、第2のレールシステム(508’)によって相互接続されており、前記第2のレールシステム(508’)は、その上の少なくとも1つのビンハンドリング車両(201、301)をガイドするように配置されている、第2の保管グリッド構造体(504’)を含み、
前記ビンハンドリング車両(201、301)は、前記保管カラム(505’)から保管ビン(106)を上昇させ、前記保管カラム(505’)の中へ保管ビン(106)を低下させ、また、前記保管カラム(505’)の上方において前記保管ビン(106)を輸送するように構成されており、
前記方法は、
a) 前記第1のコンテナフレーム(600’)のサイドパネル(603、604)のうちの1つの少なくとも一部を除去し、それによって、前記レールシステムの上を移動する、ビンを運搬しているビンハンドリング車両の少なくとも断面のサイズになっている開口部を生成させるステップと、
b) 前記第2のコンテナフレーム(700’)のサイドパネル(703、704)のうちの1つの少なくとも一部を除去し、それによって、前記レールシステムの上を移動する、ビンを運搬しているビンハンドリング車両の少なくとも断面のサイズになっている開口部を生成させるステップと、
c) 前記第2のコンテナフレーム(700’)の前記開口部に対応して前記第1のコンテナフレーム(600’)の前記開口部を配置するステップと、
d) 前記第1のレールシステム(508)と前記第2のレールシステム(508’)とを、それらの間に中間エレメント(450)を配置することによって接続するステップと
を含む、方法。
【請求項27】
前記方法のステップc)は、前記第1のコンテナフレーム(600’)および前記第2のコンテナフレーム(700’)が整合させられることを可能にする連結デバイス(400)によって、前記第1のコンテナフレーム(600’)を前記第2のコンテナフレーム(700’)と接続するステップをさらに含む、請求項
26に記載の方法。
【請求項28】
前記方法は、高さ調節可能な足部(960)を使用して、他の移動式コンテナの高さに対して、前記第1の移動式コンテナ(600)または第2の移動式コンテナ(700)の高さおよび/または水平方向のレベルを調節するステップをさらに含む、請求項
26または
27に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保管ビンの保管および回収のための自動倉庫システム(automated storage and retrieval system)を有する少なくとも1つの移動式コンテナを含む移動式保管システムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターモーダルコンテナまたは出荷コンテナなどのような、移動式コンテナは、たとえば、列車、船、飛行機、およびトラックによって輸送され得る商品の保管のためのコンテナであり、さらに、それは、これらの異なる輸送の手段にわたって使用され得る。
【0003】
インターモーダルコンテナは、世界中で効率的におよび安全に商品を保管および輸送するために世界的に使用されている。それらは、たとえば、貨物コンテナ、ISOコンテナおよび出荷コンテナなどのような、異なる名前で呼ばれることが多い。
【0004】
インターモーダルコンテナは、多くの異なる標準化されたサイズで存在し、スチールまたはアルミニウムから作製されていることが多い。インターモーダルコンテナの寸法は、長さが2.4mから17.1m、幅が2.2mから2.5m、および、高さが2.2mから2.9mの範囲で、変化することが可能である。
【0005】
表1は、ほとんどの共通の標準化されたタイプのインターモーダルコンテナのうちのいくつかの寸法および正味荷重の例を示している。
【0006】
【0007】
インターモーダルコンテナは、貨物および商品をより大きいユニット化されたロードにまとめることが可能であり、それは、容易に取り扱われ、移動させられ、およびスタックされ得り、また、それは、船またはヤードの中にきっちりと詰め込むこととなる。インターモーダルコンテナは、複数の建設特徴を共有しており、インターモーダル出荷のストレスに耐え、それらのハンドリングを促進させ、スタッキングを可能にする。さらに、それらは、個々の固有のISO6346報告マークを通して識別可能であり得る。
【0008】
グリッド保管システムを含む自動倉庫システムが、当技術分野で知られている。
図1は、フレームワーク構造体100を備えた典型的な先行技術の自動倉庫システム1を開示しており、
図2および
図3は、そのようなシステム1の上で動作するのに適切な2つの異なる先行技術のビンハンドリング車両201、301を開示している。
【0009】
フレームワーク構造体100は、複数の直立部材/垂直方向部材102および複数の水平方向部材103を含み、複数の水平方向部材103は、垂直方向部材102によって支持され得り、および/または、フレームワーク構造体100のベースに配置され得る(図示せず)。水平方向部材103がフレームワーク構造体100のベースに配置されているときには、それらは、垂直方向部材102を支持するグリッドパターンで配置され得る。部材102、103は、典型的に、金属から、たとえば、押し出し加工されたアルミニウムプロファイルから作製され得る。
【0010】
フレームワーク構造体100は、保管グリッド構造体104を画定しており、保管グリッド構造体104は、列で配置されている保管カラム105を含む。これらの保管カラム105の中には、保管ビン106(保管コンテナとしても知られる)が、重ねてスタックされ、スタック107を形成している。保管グリッド構造体104は、保管ビン106のスタック107の水平方向の移動を防ぎ、ビン106の垂直方向の移動をガイドするが、通常は、スタックされているときの保管ビン106をその他の方法で支持しない。
【0011】
自動倉庫システム1は、レールシステム108を含み、レールシステム108は、保管グリッド構造体104の上部を横切ってグリッドパターンで配置されており、複数のビンハンドリング車両201、301が、レールシステム108の上で動作させられ、保管カラム105から保管ビン106を上昇させ、保管カラム105の中へ保管ビン106を低下させ、また、保管カラム105の上方において保管ビン106を輸送する。レールシステム108は、第1のセットの平行なレール110および第2のセットの平行なレール111を含み、第1のセットの平行なレール110は、フレーム構造体100の上部を横切って第1の方向Xへのビンハンドリング車両201、301の移動をガイドするように配置されており、第2のセットの平行なレール111は、第1のセットのレール110に対して垂直に配置されており、第1の方向Xに対して垂直である第2の方向Yへのビンハンドリング車両201、301の移動をガイドする。このように、レールシステム108は、グリッドカラム112を画定しており、グリッドカラム112の上方において、ビンハンドリング車両201、301は、保管カラム105の上方において横方向に移動することが可能であり、すなわち、水平方向のX-Y平面に対して平行になっている平面の中を移動することが可能である。
【0012】
それぞれの先行技術のビンハンドリング車両201、301は、車両本体部201a、301aと、第1および第2のセットのホイール201b、301b、201c、301cを含み、第1および第2のセットのホイール201b、301b、201c、301cは、それぞれ、X方向およびY方向へのビンハンドリング車両201、301の横方向の移動を可能にする。
図2および
図3において、それぞれのセットの中の2つのホイールを、完全に見ることができる。第1のセットのホイール201b、301bは、第1のセットのレール110の2つの隣接するレールと係合するように配置されており、第2のセットのホイール201c、301cは、第2のセットのレール111の2つの隣接するレールと係合するように配置されている。それぞれのセットのホイール201b、301b、201c、301cは、リフトおよび低下させられ得り、第1のセットのホイール201b、301bおよび/または第2のセットのホイール201c、301cが、どの時点においても、それぞれのセットのレール110、111と係合され得るようになっている。
【0013】
また、それぞれの先行技術のビンハンドリング車両201、301は、保管ビン106の垂直方向の輸送のためのリフティングデバイス(図示せず)を含み、たとえば、リフティングデバイスは、保管カラム105から保管ビン106を上昇させ、また、保管カラム105の中へ保管ビン106を低下させる。リフティングデバイスは、1つまたは複数の把持/係合デバイス303を含み、1つまたは複数の把持/係合デバイス303は、保管ビン106に係合するように適合されている。把持/係合デバイス303は、車両201、301から低下させられ得り、車両201、301に対する把持/係合デバイス303の位置が、第3の方向Zに調節され得るようになっており、第3の方向Zは、第1の方向Xおよび第2の方向Yに直交している。リフティングデバイスに関するさらなる詳細は、たとえば、WO2017/211634A1に説明されており、その文献の内容は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0014】
従来から、また、本出願の目的のために、Z=1は、保管グリッド構造体104の最上部層を識別しており、すなわち、レールシステム108の直ぐ下方の層を識別しており、Z=2は、レールシステム108の下方の第2の層を識別しており、Z=3は、レールシステム108の下方の第3の層を識別しているなどとなっている。
図1に開示されている例示的な先行技術の保管グリッド構造体では、Z=8は、保管グリッド構造体104の最下部の底部層を識別している。同様に、X=1…nおよびY=1…nは、水平方向の平面の中でのそれぞれのグリッドカラム112の位置を識別している。結果的に、例として、ならびに、
図1に示されているデカルト座標系X、Y、Zを使用して、
図1の中の106’として識別される保管ビンは、グリッド場所またはセルX=10、Y=2、Z=3を占有すると言われ得る。ビンハンドリング車両201、301は、層Z=0の中を進行すると言われ得り、それぞれのグリッドカラム112は、そのX座標およびY座標によって識別され得る。
【0015】
それぞれの先行技術のビンハンドリング車両201、301は、レールシステム108を横切って保管ビン106を輸送するときに保管ビン106を受け入れて収納するための保管コンパートメントまたはスペースを含む。保管スペースは、
図2に示されているように、ならびに、たとえば、WO2015/193278A1およびWO2018/033426A1に説明されているように、車両本体部201aの中に中央に配置されているキャビティーを含むことが可能であり、その文献の内容は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0016】
図3は、片持ち梁構造を有するビンハンドリング車両301の代替的な構成を示している。そのような車両は、たとえば、NO317366に詳細に説明されており、その文献の内容は、また、参照により本明細書に組み込まれている。
【0017】
図2に示されている中央キャビティービンハンドリング車両201は、X方向およびY方向への寸法を有するエリアをカバーする設置面積を有することが可能であり、それは、グリッドカラム112の横方向の延在に概して等しく、すなわち、たとえば、WO2015/193278A1に説明されているように、X方向およびY方向へのグリッドカラム112の延在に概して等しく、その文献の内容は、参照により本明細書に組み込まれている。本明細書で使用されている「横方向の」という用語は、「水平方向の」を意味することが可能である。
【0018】
代替的に、中央キャビティービンハンドリング車両201は、たとえば、WO2014/090684A1に開示されているように、グリッドカラム112によって画定される横方向のエリアよりも大きい設置面積を有することが可能である。
【0019】
レールシステム108は、
図4に示されているように、シングルレールシステムであることが可能である。代替的に、レールシステム108は、
図5に示されているように、ダブルレールシステムであることが可能であり、したがって、グリッドカラム112によって画定される横方向のエリアに概して対応する設置面積を有するビンハンドリング車両201がグリッドカラムの列に沿って進行することを可能にする(別のビンハンドリング車両201がその列の近隣のグリッドカラムの上方に位置決めされている場合にも)。シングルレールシステムおよびダブルレールシステムの両方、または、シングルレールシステム108の中のシングルレール構成体およびダブルレール構成体を含む組み合わせは、複数の長方形および均一なグリッド場所またはグリッドセル122を含む、水平方向の平面Pの中のグリッドパターンを形成しており、ここで、それぞれのグリッドセル122は、グリッド開口部115を含み、グリッド開口部115は、第1のセットのレール110の1対のレール110a、110b、および、第2のセットのレール111の1対のレール111a、111bによって境界を定められている。
図5では、グリッドセル122は、破線のボックスによって示されている。
【0020】
結果的に、レール110aおよび110bは、X方向に走るグリッドセルの平行な列を画定するレールの対を形成しており、レール111aおよび111bは、Y方向に走るグリッドセルの平行な列を画定するレールの対を形成している。
【0021】
図6に示されているように、それぞれのグリッドセル122は、典型的に30cmから150cmの間隔の中にある幅W
c、および、典型的に50cmから200cmの間隔の中にある長さL
cを有している。それぞれのグリッド開口部115は、幅W
oを有しており、幅W
oは、典型的に、グリッドセル122の幅W
cよりも2cmから10cm小さくなっている。それぞれのグリッド開口部115は、長さL
oを有しており、長さL
oは、典型的に、グリッドセル122の長さL
cよりも2cmから10cm小さくなっている。
【0022】
X方向およびY方向において、近隣のグリッドセルは、互いに接触して配置されており、近隣のグリッドセルの間にスペースが存在しないようになっている。
【0023】
保管グリッド構造体104の中において、グリッドカラム112の大部分は、保管カラム105であり、すなわち、保管ビン106がスタック107で保管されているグリッドカラム105である。しかし、保管グリッド構造体104は、通常、少なくとも1つのグリッドカラム112を有しており、その少なくとも1つのグリッドカラム112は、保管ビン106を保管するために使用されるのではなく、その少なくとも1つのグリッドカラム112は、ビンハンドリング車両201、301が保管ビン106をドロップオフおよび/またはピックアップすることができる場所を含み、保管ビン106がアクセスステーション(図示せず)へ輸送され得るようになっており、アクセスステーションにおいて、保管ビン106は、保管グリッド構造体104の外側からアクセスされ得り、または、保管グリッド構造体104から外へもしくは保管グリッド構造体104の中へ移送され得る。当技術分野において、そのような場所は、通常、「ポート」と称されており、ポートが位置付けされているグリッドカラム112は、「ポートカラム」119、120と称され得る。アクセスステーションへの輸送は、任意の方向(それは、水平方向になっており、傾けられており、および/または垂直方向になっている)になっていることが可能である。たとえば、保管ビン106は、保管グリッド構造体104の中のランダムのまたは専用のグリッドカラム112の中に設置され得り、次いで、任意のビンハンドリング車両によってピックアップされ、アクセスステーションへのさらなる輸送のために、ポート119、120へ輸送され得る。「傾けられる」という用語は、水平方向と垂直方向との間のどこかで一般的な輸送配向を有する保管ビン106の輸送を意味するということが留意される。
【0024】
図1の中の保管グリッド構造体104は、2つのポートカラム119および120を含む。第1のポートカラム119は、たとえば、専用のドロップオフポートカラムであることが可能であり、そこでは、ビンハンドリング車両201、301は、アクセスステーションまたは移送ステーションへ輸送されるように、保管ビン106をドロップオフすることが可能であり、また、第2のポートカラム120は、専用のピックアップポートカラムであることが可能であり、そこでは、ビンハンドリング車両201、301は、アクセスステーションまたは移送ステーションから保管グリッド構造体104へ輸送されてきた保管ビン106をピックアップすることが可能である。
【0025】
アクセスステーションは、典型的に、ピッキングステーションまたはストッキングステーションであることが可能であり、そこでは、製品アイテムが、保管ビン106から除去されるか、または、保管ビン106の中へ位置決めされる。ピッキングステーションまたはストッキングステーションにおいて、保管ビン106は、通常、決して自動倉庫システム1から除去されるのではなく、アクセスされると保管グリッド構造体104の中へ戻される。また、ポート119、120は、グリッド104から外へまたはグリッド104の中へ保管ビンを移送するために使用され得り、たとえば、別の保管設備へ(たとえば、別のグリッドへ、もしくは、別の自動倉庫システムへ)、輸送車両(たとえば、列車もしくはローリー)へ、または、生産設備へ、保管ビン106を移送するために使用され得る。
【0026】
コンベヤーを含むコンベヤーシステムは、通常は、ポート119、120とアクセスステーションとの間で保管ビンを輸送するために用いられ得る。
ポート119、120およびアクセスステーションが異なるレベルに位置付けされている場合には、コンベヤーシステムは、ポート119、120とアクセスステーションとの間で垂直方向に保管ビン106を輸送するための垂直方向のコンポーネントを備えたリフトデバイスを含むことが可能である。
【0027】
コンベヤーシステムは、たとえば、WO2014/075937A1に説明されているように、異なるグリッド同士の間で保管ビン106を移送するように配置され得り、その文献の内容は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0028】
図1の中に開示されているグリッド104の中に保管されている保管ビン106がアクセスされるべきときには、ビンハンドリング車両201、301のうちの1つが、保管グリッド構造体104の中のその位置からターゲット保管ビン106を回収するように、および、それをドロップオフポート119へ輸送するように指示される。この動作は、ターゲット保管ビン106がその中に位置決めされている保管カラム105の上方のグリッド場所へビンハンドリング車両201、301を移動させること、ビンハンドリング車両201、301のリフティングデバイス(図示せず)を使用して、保管カラム105から保管ビン106を回収すること、および、ドロップオフポート119へ保管ビン106を輸送することを伴う。ターゲット保管ビン106がスタック107の中の深くに位置付けされている場合には、すなわち、1つまたは複数の他の保管ビン106がターゲット保管ビン106の上方に位置決めされた状態になっている場合には、動作は、また、保管カラム105からターゲット保管ビン106をリフトする前に、上方に位置決めされている保管ビンを一時的に移動させることを伴う。このステップ(それは、当技術分野において「ディギング」と称される場合がある)は、ターゲット保管ビン106をドロップオフポート119へ輸送するためにその後に使用される同じビンハンドリング車両201、301によって実施され得るか、または、1つもしくは複数の他の協働するビンハンドリング車両201、301によって実施され得る。代替的にまたは加えて、自動倉庫システム1は、保管カラム105から保管ビン106を一時的に除去するタスクに具体的に特化されたビンハンドリング車両201、301を有することが可能である。ターゲット保管ビン106が保管カラム105から除去されると、一時的に除去された保管ビン106は、元の保管カラム105の中へ再位置決めされ得る。しかし、除去された保管ビン106は、代替的に、他の保管カラム105へ再位置付けされ得る。
【0029】
保管ビン106が保管グリッド構造体104の中に保管されるべきときには、ビンハンドリング車両201、301のうちの1つが、ピックアップポート120から保管ビン106をピックアップするように、および、それが保管されることとなる保管カラム105の上方のグリッド場所へそれを輸送するように指示される。保管カラムスタック107の中のターゲット位置にまたはその上方に位置決めされている任意の保管ビンが除去された後に、ビンハンドリング車両201、301は、所望の位置に保管ビン106を位置決めする。次いで、除去された保管ビン106は、保管カラム105の中へ低下させられて戻されるか、または、他の保管カラム105に再位置付けされ得る。
【0030】
自動倉庫システム1は、自動倉庫システム1を監視および制御するための(たとえば、保管グリッド構造体104の中のそれぞれの保管ビン106の場所を監視および制御するための、それぞれの保管ビン106の内容物を監視するための、ならびに、ビンハンドリング車両201、301の移動を監視および制御するための)制御システムを含み、所望の保管ビン106が、ビンハンドリング車両201、301が互いに衝突することなく、所望の時間において所望の場所へ配送され得るようになっている。制御システムは、典型的に、コンピューター化されており、典型的に、保管ビン106を追跡するためのデータベースを含む。
【0031】
自動倉庫システム1は、ビンハンドリング車両と、ビンハンドリング車両を充電するための充電ステーションと、ワイヤレス通信システムとを含むことが可能である。また、そのような特徴は、WO2015/104263A1から知られており、その文献は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0032】
別の保管グリッド構造体104の下に設置されている保管グリッド構造体104から垂直方向にビンを輸送するためのビンリフトデバイスが、WO2014/075937A1から知られており、その文献は、参照により本明細書に組み込まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0033】
本発明の目的は、必要とされる場所に自動倉庫システムを設置するための移動式保管システムを提供することである。
【0034】
少なくとも本発明の好適な実施形態は、必要とされる場所に(たとえば、建設現場、一時的な保管エリア、野戦病院、軍事キャンプ、一時的な販売店などに)自動倉庫システムを設置するための移動式保管システムを提供する。
【0035】
少なくとも本発明の好適な実施形態は、動作のために据え付けることが容易な移動式保管システムを提供する。
【0036】
少なくとも本発明の好適な実施形態は、コンテナが容易に交換され得るフレキシブルな移動式保管システムを提供する。
【0037】
少なくとも本発明の好適な実施形態は、コンテナが上記システムに容易に追加され得るかまたは上記システムから容易に除去され得るフレキシブルな移動式保管システムを提供する。
【0038】
少なくとも本発明の好適な実施形態は、隣接する移動式コンテナの中のグリッド構造体同士の間の正確なアライメントを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0039】
本発明は、独立請求項の中に記載されて特徴付けられており、一方では、従属請求項は、本発明の好適なまたは随意的な特徴を説明している。
【0040】
移動式保管システムは、複数の移動式コンテナを含むことが可能であり、それぞれのコンテナは、保管ビンを保管するための自動倉庫システムを有している(ビンは、アイテムを含有することが可能である)。移動式コンテナのうちの1つは、いわゆるマスターコンテナであることが可能であり、マスターコンテナは、保管カラムと、アクセスステーションから保管ビンを受け入れるための、および、アクセスステーションへ保管ビンを配送するための専用のカラムとを有している。残りの移動式コンテナは、いわゆる供給コンテナであることが可能であり、供給コンテナは、アクセスステーションから保管ビンを受け入れるための、および、アクセスステーションへ保管ビンを配送するための専用のカラムを備えていない自動倉庫システムを含む。システムの中において、マスターコンテナは、少なくとも1つの供給コンテナに接続され得り、ビンハンドリング車両が、マスターコンテナの保管グリッド構造体から供給コンテナの保管グリッド構造体へ移動することができるようになっている。さらに、マスターコンテナおよび/または供給コンテナは、複数の供給コンテナに接続され得り、それは、再び、複数の供給コンテナに接続され得り、以下同様である。したがって、移動式保管システムのサイズは、必要にしたがってカスタマイズされ得る。さらに、移動式保管システムは、フレキシブルシステムを提供することが可能であり、フレキシブルシステムでは、サイドバイサイドの移動式コンテナ配置の任意の端部に配置されている移動式コンテナが、別の移動式コンテナによって交換され得る。
【0041】
本発明の実施形態による自動倉庫システムのフレームワーク構造体は、
図1~
図6に関連して上記に説明されている先行技術のフレームワーク構造体にしたがって構築され得り、すなわち、そのようなフレームワーク構造体は、複数の垂直方向部材および複数の水平方向部材を含むことが可能である。先行技術と同様に、自動倉庫システムは、レールシステムを含むことが可能であり、レールシステムは、X方向への第1のセットの平行なレール、および、Y方向への第2のセットの平行なレールを含み、それらは、フレームワーク構造体によって画定されている保管カラム/2つのセットのレールによって画定されているグリッドカラムの上部を横切って配置されている。
【0042】
本発明の第1の実施形態は、内側に配置されている第1の自動倉庫システムを有する第1の移動式コンテナを含む移動式保管システムに関する。第1の自動倉庫システムは、複数のカラム(たとえば、垂直方向のスタックで互いに重ねて保管ビンを保管するための保管カラムなど)を画定する垂直方向部材を有する第1の保管グリッド構造体を含む。垂直方向部材は、それらの上側端部において、第1のレールシステムによって相互接続されており、第1のレールシステムは、その上の少なくとも1つのビンハンドリング車両をガイドするように配置されている。ビンハンドリング車両は、保管カラムから保管ビンを上昇させ、保管カラムの中へ保管ビンを低下させ、また、保管カラムの上方において保管ビンを輸送するように構成されている。
【0043】
第1の移動式コンテナは、第1のコンテナフレームをさらに含むことが可能であり、第1のコンテナフレームは、ベースパネルと、トップパネルと、ベースパネルおよびトップパネルを接続する、ベースパネルのそれぞれの角部から延在する4つの垂直方向に延在するプロファイルとを有している。
【0044】
第1の移動式コンテナは、2つのロングエンドサイドパネルおよび2つのショートエンドサイドパネルを含むことが可能である。少なくとも1つのサイドパネルの少なくとも一部は、除去可能になっていることが可能である。
【0045】
サイドパネルは、垂直方向に延在するプロファイルに固定され得る(たとえば、除去可能に固定されている)(すなわち、それぞれのサイドパネルは、2つの垂直方向に延在するプロファイルに接続され得る)。また、サイドパネルは、トップパネルおよび底部パネルに固定され得る(たとえば、除去可能に固定されている)。
【0046】
第1の移動式コンテナがスタンドアロンのユニットである(すなわち、任意の他の移動式コンテナに接続されていない)実施形態では、少なくとも1つのサイドパネルの除去可能なパーツは、第1の移動式コンテナの中への人間アクセスのための出入口または同様の開口部を形成することが可能である。
【0047】
2つ以上の自動倉庫システムを一緒に接続する目的のために、第1の移動式コンテナが別の移動式コンテナと接続されることとなる実施形態では、少なくとも1つのサイドパネルの除去可能なパーツは、第1の移動式コンテナの中の第1の自動倉庫システムと第2の移動式コンテナの中の第2の自動倉庫システムとの間の接続を可能にするためのアクセス開口部を形成することが可能である。
【0048】
とりわけ、サイドパネルの少なくとも一部が除去されるときには、それは、開口部を生成させることが可能であり、開口部は、少なくとも、レールシステムの上を移動するビンを運搬するビンハンドリング車両の最大断面のサイズであるべきである(開口部を通って移動するときに、ビンハンドリング車両の移動の軸線に対して垂直の垂直方向平面において見られるとき(上記垂直方向平面は、開口部がその中に形成されているサイドパネルの平面に対して平行になっている))。
【0049】
そのうえ、開口部は、当然のことながら、それにしたがって位置付けされるべきであり、すなわち、ビンハンドリング車両が1つの移動式コンテナのレールシステムから別の移動式コンテナのレールシステムの上に移動することができるように位置決めされるべきである。すなわち、開口部は、少なくともレールシステムの水平方向の平面の真下から上向きに、少なくともレールの上のビンを運搬するビンハンドリング車両の高さまで延在する、垂直方向の延在を有することが可能である。開口部は、そのような開口部の垂直方向に下方におよび/または垂直方向に上方に延在することが可能である。
【0050】
当然のことながら、開口部は、レールシステムの上を移動するビンを運搬するビンハンドリング車両の最大断面のサイズよりも大きくなっていることが可能である。たとえば、開口部は、少なくともレールシステムの上を移動するビンを運搬するビンハンドリング車両の高さである高さを有することが可能であるが、幅は、2つのコンテナが接続されることとなるサイドの実質的に全体を横切って延在することが可能である。開口部は、パネルの除去によって生成され得り、そのケースでは、開口部は、当然のことながら、実質的に、除去されたパネルのサイズになっている。
【0051】
第1の移動式コンテナは、少なくとも2つの開口部を含むことが可能である。第1の開口部は、第1の移動式コンテナの中への人間アクセスを可能にし(たとえば、出入口)、第2の開口部は、第1の移動式コンテナの中の第1の自動倉庫システムと第2の移動式コンテナの中の第2の自動倉庫システムとの間の接続を可能にする(および、とりわけ、ビンを運搬するビンハンドリング車両が第1の移動式コンテナの中の第1の自動倉庫システムのレールから第2の移動式コンテナの中の第2の自動倉庫システムのレールの上に移動することを可能にする)。第1の移動式コンテナは、その4つのサイドパネルのうちの1つの、2つの、3つの、または4つの上に、開口部を含むことが可能である。
【0052】
ロングエンドサイドに沿ってサイドバイサイドの配置で2つの移動式コンテナを接続するときには、ロングエンドサイドパネルの少なくとも一部が、開口部を作製するために除去可能である。別の例示的な実施形態では、ロングエンドサイドパネル全体が除去され得る。これは、2つの移動式コンテナが接続された後に、2つの移動式コンテナのレールシステムの接続を可能にするのに有利である可能性がある。レールシステムは、ビンハンドリング車両が一方の倉庫システム(storage and retrieval system)から他方の倉庫システムへ移動することを可能にするために接続され得る。
【0053】
それらのショートエンドサイドに沿ってサイドバイサイドの配置で2つの移動式コンテナを接続するときには、(2つの移動式コンテナが接続されているショートエンドサイドにおける)それぞれのショートエンドサイドパネルの少なくとも一部は、開口部を作製するために除去可能である。
【0054】
別の例示的な実施形態では、(2つの移動式コンテナが接続されているショートエンドサイドにおける)ショートエンドサイドパネル全体が除去され得る。
【0055】
さらに別の例示的な実施形態において、ショートエンドサイドパネルおよびロングエンドサイドパネルの両方は、開口部を生成させるために除去可能になっている少なくとも一部を含み、開口部は、少なくとも、レールシステムの上を移動するビンを運搬するビンハンドリング車両の最大断面のサイズになっているべきである。そのうえ、開口部は、当然のことながら、それにしたがって位置付けされるべきであり、すなわち、ビンハンドリング車両が1つの移動式コンテナのレールシステムから別の移動式コンテナのレールシステムの上に移動することができるように位置決めされるべきである。
【0056】
第1の保管グリッド構造体の外側から保管ビンにアクセスすることを可能にするために、第1の倉庫システムの中のカラムのうちの少なくとも1つは、ビンハンドリング車両による保管ビンのドロップオフおよび/またはピックアップのために特化され得る。さらに、少なくとも1つのアクセスステーションが、少なくとも1つの特化されたカラムに隣接して配置され得り、ここで、オペレーターは、保管ビンからアイテムを引き出すためにアクセスを有することが可能であり、および/または、保管ビンの中へアイテムを供給するためにアクセスを有することが可能である。アクセスステーションにおいて、保管ビンは、第1の保管グリッド構造体の外側からアクセスされ得り、または、保管ビンのドロップオフおよび/またはピックアップのために特化された第1の保管グリッド構造体の少なくとも1つのカラムから移送されるかもしくはその中へ移送され得る。
特化されたカラムは、第1の保管グリッド構造体の一体部であることが可能である。
【0057】
オペレーターによってアクセスされ得る保管ビンを有する第1の移動式コンテナは、より多くのコンテナがそれに接続されている場合には、マスターコンテナであると考えられ得る。
【0058】
第1の移動式コンテナの第1の自動倉庫システムは、ビンハンドリング車両を充電するための少なくとも1つの充電ステーションをさらに含むことが可能であり、上記充電ステーションは、レールシステムに配置されているか、または、レールシステムの上に配置されている。充電ステーションの数は、システムの中で動作する車両の数にしたがって調節され得る。
【0059】
さらに、第1の自動倉庫システムは、保管ビンの中に保管されているアイテムに関するデータ、および、保管ビンの位置に関するデータを記憶し、受信し、および/または転送するためのコントローラーをさらに有することが可能である。このように、それぞれの保管されたアイテムおよび/またはビンがどこにあるか、ならびに、それぞれのアイテムのどれくらい多くがシステムの中に保管されているかということに関して、システムが監視され得る。
【0060】
本発明の別の実施形態では、第1の移動式コンテナは、第1の移動式コンテナの外側下側表面に固定されている高さ調節可能な足部を有することが可能であり、それによって、第1の移動式コンテナの高さ調節および/またはレベリングを可能にする。詳細な説明において詳細に説明されることとなるように、2つ以上の自動倉庫システムを一緒に接続する目的のために、2つの移動式コンテナを一緒に接続するときに、レベリングは特に重要である。その理由は、それぞれの移動式コンテナから一緒に接続されることとなるレールシステム同士は、高い精密度および精度で一緒に接続されるべきであるからである。
【0061】
移動式保管システムは、第1の移動式コンテナに除去可能に接続するように構成されている第2の移動式コンテナをさらに含むことが可能である。第2の自動倉庫システムは、第2の移動式コンテナの中に配置されている。第2の自動倉庫システムは、垂直方向のスタックで互いに重ねて保管ビンを保管するための複数の保管カラムを画定する垂直方向部材を有する第2の保管グリッド構造体を含む。垂直方向部材は、それらの上側端部において、第2のレールシステムによって相互接続されており、第2のレールシステムは、その上の少なくとも1つのビンハンドリング車両をガイドするように配置されている。ビンハンドリング車両は、保管カラムから保管ビンを上昇させ、保管カラムの中へ保管ビンを低下させ、また、保管カラムの上方において保管ビンを輸送するように構成されている。
【0062】
第2の移動式コンテナは、第2のコンテナフレームをさらに含むことが可能であり、第2のコンテナフレームは、ベースパネルと、トップパネルと、ベースパネルのそれぞれの角部から延在し、ベースパネルおよびトップパネルを接続する4つの垂直方向に延在するプロファイルとを有している。
【0063】
第1および第2の移動式コンテナの両方のベースパネル、トップパネル、および垂直方向に延在するプロファイルのうちの少なくとも1つは、孔部がその中に提供される立方体状の形状を有することが可能であり、孔部は、2つの移動式コンテナを一緒に接続するときに接続エレメントを受け入れるためのものである。
【0064】
第2のコンテナフレームは、2つのロングエンドサイドパネルおよび2つのショートエンドサイドパネルをさらに含むことが可能であり、サイドパネルのうちの1つの少なくとも一部は、除去可能になっている(第2のコンテナの中への開口部を形成している)。
【0065】
サイドパネルは、垂直方向に延在するプロファイルに固定され得る(たとえば、除去可能に固定されている)(すなわち、それぞれのサイドパネルは、2つの垂直方向に延在するプロファイルに接続され得る)。また、サイドパネルは、トップパネルおよび底部パネルに固定され得る(たとえば、除去可能に固定されている)。
【0066】
一般的に、第2のコンテナは、「供給コンテナ」と称され得る。供給コンテナが、アクセスステーションから保管ビンを受け入れるための、および、アクセスステーションへ保管ビンを配送するための専用のカラムを含まないという点において、供給コンテナは、マスターコンテナと区別され、これに対し、アクセスステーションから保管ビンを受け入れるための、および、アクセスステーションへ保管ビンを配送するためのそのような専用のカラムは、マスターコンテナの中に存在している。
【0067】
アクセスステーションから保管ビンを受け入れるための、および、アクセスステーションへ保管ビンを配送するための専用のカラムを、供給コンテナは有していないので、供給コンテナへの人間アクセスは必要とされない。したがって、いくつかの実施形態では、第2のコンテナは、別の移動式コンテナに接続するためだけの開口部を含むことが可能である。開口部は、マスターコンテナまたは別の供給コンテナへの接続のためのものであることが可能である。
【0068】
したがって、2つ以上の自動倉庫システムを一緒に接続する目的のために、移動式コンテナが第1の(マスター)移動式コンテナ(または、別の第2の(供給)移動式コンテナ)と接続されるときには、少なくとも1つのサイドパネルの少なくとも一部は、(上述のように)除去可能になっていることが可能である。サイドパネルの少なくとも一部が除去されるときには、それは、開口部を生成させることが可能であり、開口部は、少なくとも、レールシステムの上を移動するビンを運搬するビンハンドリング車両の最大断面のサイズであるべきである(開口部を通って移動するときに、ビンハンドリング車両の移動の軸線に対して垂直の垂直方向平面において見られるとき、上記垂直方向平面は、開口部がその中に形成されているパネルの平面に対して平行になっている)。
【0069】
そのうえ、開口部は、当然のことながら、それにしたがって位置付けされるべきであり、すなわち、ビンハンドリング車両が第1の移動式コンテナのレールシステムから第2の移動式コンテナのレールシステムの上に移動することができるように位置決めされるべきである。すなわち、開口部は、少なくともレールシステムの水平方向の平面の真下から上向きに、少なくともレールの上のビンを運搬するビンハンドリング車両の高さまで延在する、垂直方向の延在を有することが可能である。開口部は、そのような開口部の垂直方向に下方におよび/または垂直方向に上方に延在することが可能である。
【0070】
当然のことながら、開口部は、レールシステムの上を移動するビンを運搬するビンハンドリング車両の最大断面のサイズよりも大きくなっていることが可能である。たとえば、開口部は、少なくともレールシステムの上を移動するビンを運搬するビンハンドリング車両の高さである高さを有することが可能であるが、幅は、2つのコンテナが接続されることとなるサイドの実質的に全体を横切って延在することが可能である。開口部は、パネルの除去によって生成され得り、そのケースでは、開口部は、当然のことながら、実質的に、除去されたパネルのサイズになっている。
【0071】
ロングエンドサイドに沿ってサイドバイサイドの配置で2つの移動式コンテナを接続する場合には、ロングエンドサイドパネルの少なくとも一部は、開口部を作製するために除去可能であり得る。別の例示的な実施形態では、ロングエンドサイドパネル全体が除去可能である。他の実施形態では、ショートエンドサイドパネルの少なくとも一部は、開口部を作製するために除去可能であり得る。別の例示的な実施形態では、ショートエンドサイドパネル全体が除去可能である。
【0072】
第2の移動式コンテナの1つの、2つの、3つの、またはすべての4つのサイドパネルは、開口部を含むことが可能であり、開口部は、ビンハンドリング車両が第2の移動式コンテナのレールシステムから別の接続されたコンテナのレールシステムの上に移動することを可能にするサイズおよび位置を有するということが理解されるべきである。サイドのうちのどれくらい多くが開口部を含むかということは、第2の移動式コンテナがどれくらい多くの他の移動式コンテナに接続されているかということに依存することとなる。
【0073】
さらに、第2の移動式コンテナは、保管ビンの中に保管されているアイテムに関するデータ、および、第2の移動式コンテナの保管ビンの位置に関するデータを記憶し、受信し、および/または転送するためのコントローラーを含むことが可能である。
第2の移動式コンテナのコントローラーは、別のコントローラー、たとえば、第1の(マスター)移動式コンテナのマスターコントローラーと通信していることが可能である。
【0074】
第1の移動式コンテナの中のグリッド構造体と、接続されている第2の移動式コンテナのグリッド構造体との高精密度のアライメントを促進させるために、第1の移動式コンテナの第1の保管グリッド構造体、および/または、第2の移動式コンテナの第2の保管グリッド構造体は、(それぞれの移動式コンテナの中の)水平方向に変位可能なベースプレートの上にように配置され得り、ベースプレートは、その上に設置されている保管グリッド構造体の変位につながるプレート自身の水平方向の変位を可能にするように構成されている。
【0075】
さらに、第2の移動式コンテナは、外側下側表面に固定されている高さ調節可能な足部を含むことが可能であり、それによって、第2の移動式コンテナの高さ調節および/またはレベリングを可能にする。
【0076】
2つの移動式コンテナを一緒に接続するときには、接続されているときに他の移動式コンテナに面しているそれぞれの移動式コンテナのフレームの一部は、連結デバイスによって接続され得る。1つの実施形態では、接続されているときに互いに面している第1のコンテナフレームの一部および第2のコンテナフレームの一部は、第1のコンテナフレームおよび第2のコンテナフレームが整合させられることを可能にする連結デバイスを含む。
【0077】
1つの例示的な実施形態では、第1の移動式コンテナのベースパネル、トップパネル、および/または、垂直方向に延在するプロファイルのうちの1つの少なくとも1つは、少なくとも1つの孔部を含むことが可能であり、少なくとも1つの孔部は、第2の移動式コンテナのベースパネル、トップパネル、および/または、垂直方向に延在するプロファイルのうちの1つのうちの少なくとも1つの垂直方向の延在の中の配置されている少なくとも1つの対応する孔部に面しており、少なくとも1つの孔部は、第1の移動式コンテナと第2の移動式コンテナとの間の接続ピンを挿入するためのものであり、垂直方向の位置および水平方向の位置のうちの少なくとも1つにおいて、2つのコンテナを整合させるようになっている。
【0078】
好適な実施形態では、第1の移動式コンテナは、少なくとも2つの孔部を含み、少なくとも2つの孔部は、ベースパネルの垂直方向の延在の中に配置されており、第2の移動式コンテナのベースパネルの垂直方向の延在の上に配置されている少なくとも2つの対応する孔部に面している。
【0079】
より好適な実施形態において、第1の移動式コンテナは、少なくとも4つの孔部を含み、少なくとも4つの孔部は、ベースパネルの垂直方向の延在の中に配置されており、第2の移動式コンテナのベースパネルの垂直方向の延在の上に配置されている少なくとも4つの対応する孔部に面している。
【0080】
好適な実施形態では、孔部は、垂直方向の延在および/または、垂直方向に延在するプロファイルのうちの1つに沿って、均一に分配されている。孔部の中に位置付けされているピンによって移動式コンテナ同士を接続する代わりに、ボール-アンド-ソケットタイプの連結デバイスも使用され得り、または、接続された移動式コンテナ同士の間のタイトフィットアライメントを保証する他の公知の連結デバイスも使用され得る。
【0081】
孔部は、漏斗形状を有することが可能であり、ピンは、少なくとも漏斗形状の孔部の最小直径にマッチするように構成され、タイトフィットを生成させることが可能である。「漏斗形状」の孔部の例は、滑らかにテーパーの付いた孔部であり、孔部への進入口における最大断面から、フレームの内側の(すなわち、ベースパネル、トップパネル、または垂直方向に延在するプロファイルの内側の)孔部の他方の端部における最小断面へ細くなっている。孔部は、その長さに沿って円形断面を有することが可能である。したがって、「漏斗形状」の孔部は、円錐形状の(または、切頭円錐形状の)孔部であることが可能である。代替的に、「漏斗形状」の孔部は、広く円筒形状の外側部分(孔部への進入口の最も近く)と切頭円錐形状の内側部分(孔部への進入口から最も遠く)とを含むことが可能である。次いで、孔部の断面は、内側部分に沿って細くなる前に、最初に外側部分に関して一定になっている。
【0082】
接続ピンは、伸縮式になっていることが可能であり、接続ピンが、引っ込められた状態において、第1の移動式コンテナフレームの中の孔部または第2の移動式コンテナフレームの中の孔部のいずれかを占有するようになっている。
【0083】
第1の移動式コンテナの第1のレールシステムを第2の移動式コンテナの第2のレールシステムに接続するために、中間エレメントが使用され得り、保管ビン車両が第1のレールシステムと第2のレールシステムとの間で移動することを可能にする。
【0084】
移動式保管システムのさらなる実施形態において、移動式コンテナは、別の移動式コンテナの上に配置され得る。例示的な実施形態では、第2の移動式コンテナ(供給コンテナ)が、第1の移動式コンテナ(マスターコンテナ)の上に配置され得る。この構成では、第2の移動式コンテナのベースパネルは、第1の移動式コンテナのトップパネルの中の開口部に対応する開口部を有することとなる。開口部は、保管ビンが第1の移動式コンテナと第2の移動式コンテナとの間で移動することを可能にするように作製されている。
【0085】
移動式保管システムは、垂直方向にスタックされている複数の移動式コンテナを含むことが可能であるということが理解されるべきである。
【0086】
2つの垂直方向にスタックされた移動式コンテナは、インターロッキングデバイス(たとえば、US5346084Aに示されているものなど)によって係合され得る。しかし、任意の種類のインターロッキングデバイスが、コンテナを垂直方向に整合させられた状態に維持する目的のために使用され得る。
【0087】
別の実施形態では、移動式コンテナシステムは、たとえば、サイドバイサイドの配置で互いに隣接して整合させられた複数の第2の移動式コンテナ(供給コンテナ)を含む。
【0088】
さらなる実施形態において、1つの第2の移動式コンテナ(供給コンテナ)は、別の第2の移動式コンテナ(供給コンテナ)の上に配置され得る。2つの第2の移動式コンテナは、保管ビンが2つの第2の移動式コンテナの間を移動することを可能にする対応する開口部を有することが可能である。
【0089】
さらに、移動式コンテナシステムは、サイドバイサイドに配置された移動式コンテナの第1の列の中に配置されている複数の移動式コンテナを含むことが可能であり、ここで、サイドバイサイドに配置された移動式コンテナの第2の列は、第1の列の上に配置されている。システムは、複数のそのような垂直方向にスタックされた列の移動式コンテナを含むことが可能である。
【0090】
さらなる実施形態において、移動式コンテナシステムは、機器(たとえば、空調システム、発電機、消火システムなど)を保管するための少なくとも1つの機器コンテナを含むことが可能である。機器コンテナは、第1のまたは第2の移動式コンテナに接続され得り、すなわち、マスターコンテナまたは供給コンテナに接続され得る。
【0091】
上述のように、2つの移動式コンテナは、接続されて整合させられ、2つの移動式コンテナの中に配置されている2つの自動倉庫システムの2つのレールシステムの正確なアライメントを提供することが可能である。提供される場合には、高さ調節可能な足部は、同じ水平方向のレベルに移動式コンテナを整合させることが可能であり、それによって、垂直方向のZ方向に自動倉庫システムを整合させることが可能である。提供される場合には、ベースプレートは、水平方向のY方向および/または水平方向のX方向への2つの倉庫システムのアライメントを調節することが可能であり、中間エレメントは、X方向において、2つの倉庫システムのレール同士を接続することが可能である。
【0092】
さらに、連結デバイスは、好ましくは、接続された移動式コンテナ同士の間のタイトフィットアライメントを提供する。
【0093】
また、本発明は、移動式保管システムを提供する方法であって、方法は、
- 第1の移動式コンテナを提供するステップと、
- 第1の移動式コンテナの内側に第1の自動倉庫システムを配置するステップと、
- 第1の自動倉庫システムを内側に備えた第1の移動式コンテナを、使用のための場所へ輸送するステップと、
を含む、方法に関する。
【0094】
方法は、
- 第2の移動式コンテナを提供するステップと、
- 第2の移動式コンテナの内側に第2の自動倉庫システムを配置するステップと、
- 第2の自動倉庫システムを内側に備えた第2の移動式コンテナを、使用のための場所へ輸送するステップと、
- 第1の移動式コンテナおよび第2の移動式コンテナを一緒に接続するステップと、
をさらに含むことが可能である。
【0095】
ある実施形態では、第1の移動式コンテナは、第1のコンテナフレームを含み、第1のコンテナフレームは、ベースパネルと、トップパネルと、ベースパネルのそれぞれの角部から延在し、ベースパネルおよびトップパネルを接続する4つの垂直方向に延在するプロファイルと、2つのロングエンドサイドパネルおよび2つのショートエンドサイドパネルとを有しており、サイドパネルのうちの1つの少なくとも一部は、除去可能になっており、第2の移動式コンテナは、第2のコンテナフレームを含み、第2のコンテナフレームは、ベースパネルと、トップパネルと、ベースパネルのそれぞれの角部から延在し、ベースパネルおよびトップパネルを接続する4つの垂直方向に延在するプロファイルと、2つのロングエンドサイドパネルおよび2つのショートエンドサイドパネルとを有しており、サイドパネルのうちの1つの少なくとも一部は、除去可能になっており、方法は、
a) 第1のコンテナフレームのサイドパネルのうちの1つの少なくとも一部を除去し、それによって、レールシステムの上を移動する、ビンを運搬しているビンハンドリング車両の少なくとも断面のサイズになっている開口部を生成させるステップと、
b) 第2のコンテナフレームのサイドパネルのうちの1つの少なくとも一部を除去し、それによって、レールシステムの上を移動する、ビンを運搬しているビンハンドリング車両の少なくとも断面のサイズになっている開口部を生成させるステップと、
c) 第2のコンテナフレームの開口部に対応して第1のコンテナフレームの開口部を配置するステップと、
d) 第1のレールシステムと第2のレールシステムとを、それらの間に中間エレメントを配置することによって接続するステップと
を含む。
【0096】
さらに、ステップc)は、第1のコンテナフレームおよび第2のコンテナフレームが整合させられることを可能にする連結デバイスによって、第1のコンテナフレームを第2のコンテナフレームと接続するステップをさらに含むことが可能である。
【0097】
方法は、高さ調節可能な足部を使用して、他の移動式コンテナの高さに対して、第1の移動式コンテナまたは第2の移動式コンテナの高さおよび/または水平方向のレベルを調節するステップをさらに含むことが可能である。
【0098】
移動式コンテナシステムの1つの実施形態では、移動式コンテナは、20’、40’、および/または45’インターモーダルコンテナのサイズおよび形状を有している。
【0099】
以下の図面は、本発明の理解を促進させるために添付されている。図面は、本発明の実施形態を示しており、ここで、本発明の実施形態は、単なる例として説明されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【
図1】先行技術の自動倉庫システムの斜視図である。
【
図2】保管ビンをその中に含有するための中央に配置されているキャビティーを有する先行技術のビンハンドリング車両の斜視図である。
【
図3】保管ビンをその下に含有するための片持ち梁を有する先行技術のビンハンドリング車両の斜視図である。
【
図4】先行技術のシングルレールグリッドの上面図である。
【
図5】先行技術のダブルレールグリッドの上面図である。
【
図6】
図1による自動倉庫システムのレールシステムの上面図である。
【
図7】アクセスステーションを有する自動倉庫システムを含む第1の移動式コンテナの斜視図である。
【
図9】サイドバイサイドの配置で第2の移動式コンテナを備えた、開いている第1の移動式コンテナを示す移動式保管システムの正面図である。
【
図10】
図9の移動式保管システムのオープントップの図である。
【
図11(a)】2つの第2の移動式コンテナのオープントップの図である。
【
図11(c)】2つの第2の移動式コンテナのオープントップの図である。
【
図13】2つの移動式コンテナの間の接続の側面図である。
【
図14】
図14(a)は、ベースプレートを含む第2の移動式コンテナの側面図である。
図14(b)は、調節デバイスの詳細図である。
【
図15】
図15(a)は、高さ調節足部の上に立っている2つの接続された第2の移動式コンテナの側面図である。
図15(b)は、高さ調節足部の詳細図である。
【
図16】
図16(a)は、移動式保管システムの斜視図である。
図16(b)は、ピンの詳細図である。
【
図17】互いに重ねて配置されている2つの第2の移動式コンテナの斜視図である。
【
図19】
図19(a)は、異なる動作状況における保管ビンハンドリング構成体およびビンコンベヤーの詳細図である。
図19(b)は、異なる動作状況における保管ビンハンドリング構成体およびビンコンベヤーの詳細図である。
図19(c)は、異なる動作状況における保管ビンハンドリング構成体およびビンコンベヤーの詳細図である。
図19(d)は、異なる動作状況における保管ビンハンドリング構成体およびビンコンベヤーの詳細図である。
図19(e)は、異なる動作状況における保管ビンハンドリング構成体およびビンコンベヤーの詳細図である。
【
図20】機器コンテナを含む移動式保管システムの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0101】
以下において、本発明の実施形態が、添付の図面を参照して、より詳細に議論されることとなる。しかし、図面は、図面に示されている主題に本発明を限定することを意図しているということが理解されるべきである。
本発明による自動倉庫システムのフレームワークは、
図1~
図6に関連して上記に説明されている先行技術のフレームワークにしたがって構築され得り、すなわち、それは、複数の直立部材/垂直方向部材、および、好ましくは、複数の水平方向部材を含むことが可能であり、さらに、フレームワークは、保管カラム/グリッドカラムの上部を横切って配置されている、X方向およびY方向への平行なレールのレールシステムを含むことが可能である。
【0102】
図1に示されている先行技術のグリッドは、8つのセルの高さを有している。しかし、グリッドは、原理的には、移動式コンテナの内側にフィットする任意の高さのものであることが可能であるということが理解される。同様に、
図1に示されている先行技術のグリッドは、X方向に11個のセルを有しており、Y方向に13個のセルを有している。しかし、グリッドは、原理的には、移動式コンテナの内側にフィットする任意のサイズのものであることが可能であるということが理解される。さらに、移動式コンテナは、任意の適切なサイズのものであることが可能である。
【0103】
ここで、移動式保管システム、および、自動倉庫システムをその中に有する移動式コンテナが、より詳細に議論されることとなる。
【0104】
自動倉庫システムを有する移動式コンテナは、飛行機、トラック、列車などによって、任意の所望の場所へ輸送され得る。輸送の間に、コンテナフレームは、ベースパネルと、トップパネルと、4つの垂直方向に延在するプロファイルと、4つのサイドパネルとを含み、4つのサイドパネルは、それらの垂直方向の縁部において、垂直方向に延在するプロファイルに取り付けられており、第1のサイドパネルは、好ましくは、移動式コンテナの内側の自動倉庫システムにアクセスするためのドアを含む。移動式コンテナがその所望の場所に設置されているとき、それは、動作のための準備ができていることが可能である。しかし、相互接続された移動式コンテナ同士の間でビンハンドリング車両が移動するようにするために、移動式コンテナが1つまたは複数の移動式コンテナと相互接続されるべきである場合には、移動式コンテナの側壁部のうちの1つの少なくとも一部は、除去される必要がある。
【0105】
図7は、第1の自動倉庫システム500を有する第1の移動式コンテナ600の移動式保管システムの例示的な実施形態を図示している。
【0106】
第1の移動式コンテナ600は、ベースパネル/フロア601およびトップパネル/ルーフ602を有している。トップパネル602は、ベースパネル601の真上に配置されており、それらは、4つの垂直方向に延在するプロファイル606(たとえば、直立ポールなど)によって分離されており、4つの垂直方向に延在するプロファイル606は、ベースパネル601の角部からトップパネルの対応する角部へ延在している。4つのサイドパネル603、604は、それらの垂直方向の縁部において、隣接する垂直方向に延在するプロファイル606に取り付けられ、コンテナフレーム600’の壁部を形成することが可能である。
図7において、第1のショートエンドサイドパネル604は、その垂直方向の縁部において、2つの隣接する垂直方向に延在するプロファイル606に取り付けられている。2つの他の垂直方向に延在するプロファイル606の間にはドア605があり、ドア605は、閉じられているときに、第2のショートエンドサイドパネル604として作用する。
図7において、第1のロングエンドサイドパネルは、物理的に除去されており、一方では、第2のロングエンドサイドパネルは、説明の目的のために見ることができない。
【0107】
第1の自動倉庫システム500は、ベースパネル601の上の第1の移動式コンテナ600のコンテナフレーム600’の内側に配置されている。第1の自動倉庫システム500は、複数の保管カラム505を画定する垂直方向部材502を有するグリッド構造体504を有している。垂直方向部材502は、それらの上側端部において、レールシステム508によって相互接続されており、レールシステム508は、第1の保管グリッド構造体504の上部を横切ってグリッドパターンで配置されている。このレールシステム508の上において、複数のビンハンドリング車両201、301が動作させられ、保管カラム505から保管ビン(図示せず)を上昇させ、保管カラム505の中へ保管ビンを低下させ、また、保管カラム505の上方において保管ビンを輸送する。レールシステム508は、第1のセットの平行なレールおよび第2のセットの平行なレールを含み、第1のセットの平行なレールは、レールシステム508を横切って第1の方向Xへのビンハンドリング車両201、301の移動をガイドするように配置されており、第2のセットの平行なレールは、第1のセットのレールに対して垂直に配置されており、第1の方向Xに対して垂直である第2の方向Yへのビンハンドリング車両201、301の移動をガイドする。このように、レールシステム508は、グリッドカラム/保管カラム505を画定しており、グリッドカラム/保管カラム505の上方において、ビンハンドリング車両201、301は、保管カラム505の上方において横方向に移動することが可能であり、すなわち、水平方向のX-Y平面に対して平行になっている平面の中を移動することが可能である。
【0108】
それぞれのビンハンドリング車両201、301は、車両本体部/シャーシーと、第1および第2のセットのホイールを含み、第1および第2のセットのホイールは、それぞれ、X方向およびY方向へのビンハンドリング車両201、301の横方向の移動を可能にする。
図2および
図3を参照すると、それぞれのセットの中の2つのホイールを、完全に見ることができる。第1のセットのホイール201b、301bは、第1のセットのレールの2つの隣接するレールと係合するように配置されており、第2のセットのホイール201c、301cは、第2のセットのレールの2つの隣接するレールと係合するように配置されている。それぞれのセットのホイール201b、301b、201c、301cは、リフトおよび低下させられ得り、第1のセットのホイール201b、301bおよび/または第2のセットのホイール201c、301cが、どの時点においても、それぞれのセットのレールと係合され得るようになっている。
【0109】
保管グリッド構造体504の外側から保管ビンへのアクセスを可能にするために、4つのカラム512が示されており、4つのカラム512は、ビンハンドリング車両201、301による保管ビンのドロップオフおよび/またはピックアップのために特化されている。4つのカラム512のうちの2つに関連して、2つの隣接するアクセスステーション509が示されており、2つの隣接するアクセスステーション509において、オペレーターは、保管ビンからアイテムを引き出すためのアクセスを有することが可能であり、および/または、保管ビンの中へアイテムを供給するためのアクセスを有することが可能である。保管ビンがオペレーターによってアクセスされ得る第1の保管グリッド構造体504を含むそのような第1の移動式コンテナ600は、マスターコンテナと称され得る。ドア605は、オペレーターがマスターコンテナ600の内側にアクセスすることを可能にする。
【0110】
マスターコンテナは、ビンハンドリング車両を充電するための1つまたは複数の充電ステーション550を含むことが可能である。充電ステーションは、好ましくは、レールシステム508に配置されているか、または、レールシステム508の上に配置されている。
図7において、充電ステーション550は、レールシステム508の周辺に配置されており、ビンハンドリング車両201、301が充電ステーション550にアクセスすることを可能にする。そのような充電ステーションは、WO2015/104263A2から知られている。
【0111】
マスターコンテナは、コントローラー/制御ユニット(図示せず)を含むことが可能であり、コントローラー/制御ユニットは、保管ビンの中に保管されているアイテムに関するデータを記憶し、受信し、および/または転送するためのものであり、また、それぞれの保管ビンの位置に関するデータを記憶し、受信し、および/または転送するためのものである。また、コントローラーは、たとえばワイヤレスリンクを介して、ビンハンドリング車両201、301と通信することが可能であり、必要とされるときに(典型的に、夜間に)、ビンハンドリング車両201、301が充電ステーション550において再充電され得るようになっている。
【0112】
マスターコンテナは、システムの中の他のコントローラーからデータを記憶し、受信し、および/または転送するためのマスターコントローラー/制御システムをさらに含むことが可能である。マスターコントローラーは、アクセスステーションにおいてオペレーターによって除去または追加されているアイテムに関するデータをさらに記憶し、受信し、および/または転送することが可能である。
【0113】
移動式保管システムは、上記に説明されているような1つだけのマスターコンテナから構成され得り、そこでは、コンテナフレームは、ベースパネルと、トップパネルと、4つの側壁部の縁部を形成する4つの垂直方向に延在するプロファイルとを含み、1つの側壁部は、オペレーターがマスターコンテナの内側の自動倉庫システムのアクセスステーションにアクセスするためのドアを含む。
【0114】
図7に示されている第1の移動式コンテナ600の第1のコンテナフレーム600’は、説明されているように、先行技術のインターモーダルコンテナであることが可能である。それは、説明されているように、20’コンテナ、40’コンテナ、または45’コンテナであることが可能である。相互接続された移動式コンテナの間をビンハンドリング車両が移動するために、第1の移動式コンテナ600が別の移動式コンテナと相互接続されることとなる場合には、第1の移動式コンテナ600の側壁部のうちの1つの少なくとも一部が除去される必要がある。
【0115】
図8は、第2の自動倉庫システム500’を有する第2の移動式コンテナ700を備えた移動式保管システムを図示している。
【0116】
第2の移動式コンテナ700は、ベースパネル/フロア701およびトップパネル/ルーフ702を有している。トップパネル702は、ベースパネル701の真上に配置されており、それらは、4つの垂直方向に延在するプロファイル706によって分離されており、4つの垂直方向に延在するプロファイル706は、ベースパネル701の角部からトップパネル702の対応する角部へ延在している。4つのサイドパネルは、それらの垂直方向の縁部において、隣接する垂直方向に延在するプロファイル706の間に取り付けられ得る。
図7において、2つの隣接する垂直方向に延在するプロファイル706は、ショートエンドサイドパネル704の縁部を形成しており、2つの他の垂直方向に延在するプロファイル706は、ドア705の縁部を形成しており、ドア705は、閉じられているときに、ショートエンドサイドパネル704として作用する。
図7において、ロングエンドサイドパネルは、それぞれのサイドにおいて1つずつ2つの他の移動式コンテナを備えた第2の移動式コンテナを取り付けるために物理的に除去されている。移動式コンテナは、第1の移動式コンテナまたは第2の移動式コンテナであることが可能である(
図9から
図12を参照)。
【0117】
第2の移動式コンテナ700の輸送の間に、2つのロングエンドサイドパネル(図示せず)は、第2の移動式コンテナの内側に配置されている自動倉庫システム500’を囲む第2のコンテナフレーム700’に取り付けられることとなる。第2の移動式コンテナ700が適切な場所に到着したときには、第2の移動式コンテナ700が、自動倉庫システムを含む少なくとも1つの他の移動式コンテナに接続されることとなる。接続の前または間に、ロングエンド側壁部のうちの少なくとも1つは、自動倉庫システムをそれぞれ含む2つの移動式コンテナの間をビンハンドリング車両201、301が移動することを可能にするために、少なくとも部分的に除去されることとなる。次いで、接続されている移動式コンテナは、そのロングエンド側壁部において、対応する開口部を有することとなる。
【0118】
図7は、第2の移動式コンテナ700の第2のコンテナフレーム700’の内側に配置されている第2の自動倉庫システム500’を示している。第2の自動倉庫システム500’は、レールシステム508’を有しており、レールシステム508’は、第2の保管グリッド構造体504’の上部を横切ってグリッドパターンで配置されている。第2の保管グリッド構造体504’は、複数の保管カラム505’を画定する複数の垂直方向部材502’を有しており、垂直方向部材502’は、それらの上側端部において、レールシステム508’によって相互接続されている。このレールシステム508’の上において、複数のビンハンドリング車両(図示せず)が動作させられ得り、保管カラム505’から保管ビン106を上昇させ、保管カラム505’の中へ保管ビン106を低下させ、また、保管カラム505’の上方において保管ビン106を輸送する。レールシステム508’は、第1のセットの平行なレールおよび第2のセットの平行なレールを含み、第1のセットの平行なレールは、第2の保管グリッド構造体504’の上部を横切って第1の方向Xへのビンハンドリング車両の移動をガイドするように配置されており、第2のセットの平行なレールは、第1のセットのレールに対して垂直に配置されており、第1の方向Xに対して垂直である第2の方向Yへのビンハンドリング車両の移動をガイドする。このように、レールシステム508’は、グリッドカラム/保管カラム505’を画定しており、グリッドカラム/保管カラム505’の上方において、ビンハンドリング車両は、保管カラム505’の上方において水平方向に移動することが可能であり、すなわち、水平方向のX-Y平面に対して平行になっている平面の中を移動することが可能である。
【0119】
それぞれのビンハンドリング車両は、車両本体部と、第1および第2のセットのホイールとを含み、第1および第2のセットのホイールは、それぞれ、X方向およびY方向へのビンハンドリング車両の横方向の移動を可能にする。
図2および
図3を参照すると、それぞれのセットの中の2つのホイールを、完全に見ることができる。第1のセットのホイール201b、301bは、第1のセットのレールの2つの隣接するレールと係合するように配置されており、第2のセットのホイール201c、301cは、第2のセットのレールの2つの隣接するレールと係合するように配置されている。それぞれのセットのホイール201b、301b;201c、301cは、リフトおよび低下させられ得り、第1のセットのホイール201b、301bおよび/または第2のセットのホイール201c、301cが、どの時点においても、それぞれのセットのレールと係合され得るようになっている。
【0120】
第2の移動式コンテナ700は、供給コンテナと称され得る。その理由は、それがマスターコンテナに保管ビンを供給することができ、保管ビンがそのアクセスポートに配送され得るからであり、それは、さらに詳細に
図9から
図12において説明されることとなる。
【0121】
第2の移動式コンテナ700は、ビンハンドリング車両201、301を充電するための1つまたは複数の充電ステーションを含むことが可能である。充電ステーションは、好ましくは、レールシステム508’に配置されているか、または、レールシステム508’の上に配置されている。
【0122】
第2の移動式コンテナ700は、コントローラーを含むことが可能であり、コントローラーは、第2の移動式コンテナ700の中の保管ビンの中に保管されているアイテムに関するデータを記憶し、受信し、および/または転送するためのものであり、また、それぞれの保管ビンの位置に関するデータを記憶し、受信し、および/または転送するためのものである。また、コントローラーは、たとえばワイヤレスリンクを介して、ビンハンドリング車両201、301と通信することが可能である。
【0123】
また、コントローラーは、第2の移動式コンテナ700の中の保管ビンの中に保管されているアイテムに関するデータ、および、それぞれの保管ビンの位置に関するデータを転送するために、(たとえば、ワイヤレスリンクを介して)第1の移動式コンテナ600のマスターコントローラーと通信することが可能である。
【0124】
図8に示されている第2の移動式コンテナ700の第2のコンテナフレーム700’は、上記に説明されているように、先行技術のインターモーダルコンテナであることが可能である。それは、説明されているように、20’コンテナ、40’コンテナ、または45’コンテナであることが可能である。相互接続された移動式コンテナの間をビンハンドリング車両が移動するために、第2の移動式コンテナ700が別の移動式コンテナと相互接続されることとなる場合には、第2の移動式コンテナ700の側壁部のうちの1つの少なくとも一部が除去される必要がある。
【0125】
先行技術において説明されているような20’コンテナは、最大で279個のビンを保管することが可能であり、ここでは、それぞれのビンは、449mmの幅、649mmの長さ、および220mmの高さを有している。
【0126】
先行技術において説明されているような20’コンテナは、最大で186ビンを保管することが可能であり、ここでは、それぞれのビンは、449mmの幅、649mmの長さ、および330mmの高さを有している。
【0127】
先行技術において説明されているような40’コンテナは、20’コンテナが保管することができる保管ビンの数の2倍を保管することが可能である。
【0128】
図9は、サイドバイサイドの配置で配置されている1つの第1の移動式コンテナ600および4つの第2の移動式コンテナ700を有する移動式保管システムを図示している。この図は、移動式コンテナ600、700が除去可能に接続されているときに、2つの接続された移動式コンテナ600、700の接続しているロングエンドサイドパネル603、703において開口部が存在しているということ、または、接続しているロングエンドサイドパネルが除去されているということを示している。この態様において、ロングエンドサイドパネル603、703のうちの1つの少なくとも一部は、コンテナフレーム600’、700の接続の前または間に除去されており、
図9では除去されているものとして示されている。移動式コンテナの切り離しの後または間に、サイドパネルの除去されたパーツが再び組み立てられ、開口部を閉じる。
【0129】
さらに、移動式コンテナのショートエンドサイドパネル604、704のうちの1つが、ドア605、705を有しており、それぞれのコンテナフレーム600’、700の内側スペースへのアクセスを可能にするということが示されている。システムの端部にあり、それに接続された別の移動式コンテナ600、700を含まないロングエンドサイドパネル603、703は、一般的に、開口部を含まない。
【0130】
図9は、移動式保管システムを図示しており、移動式保管システムは、1つのマスターコンテナ/第1の移動式コンテナ600を有しており、1つのマスターコンテナ/第1の移動式コンテナ600は、1つの供給コンテナ/第2の移動式コンテナ700に接続されており、1つの供給コンテナ/第2の移動式コンテナ700は、別の供給コンテナにさらに接続されており、それは、さらなる別の供給コンテナに接続されており、以下同様に続く。したがって、移動式保管システムは、必要とされる保管に応じてカスタマイズされ得る。
【0131】
図10は、
図9に示されている移動式保管システムのオープントップの図である。見ることができるように、接続されたロングエンドサイドパネルの中の開口部は、第1および第2の自動倉庫システム500、500’が相互接続されることを可能にし、ビンハンドリング車両201、301が第1のグリッド構造体504のレールシステム508と第2のグリッド構造体504’のレールシステム508’との間で移動することができるようになっている。
【0132】
第1のレールシステム508と第2のレールシステム508’との間にギャップが存在している場合には、中間エレメント450が、第1のおよび/または第2のレールシステム508、508’に接続され得り、ビンハンドリング車両201、301がその上において第1のレールシステム508と第2のレールシステム508’との間を移動することを可能にする。
【0133】
説明の目的のために、
図10において、中間エレメント450は、ギャップの上方にぶら下がっているように図示されており、中間エレメント450は、接続されているときに、ギャップをカバーすることとなる。
【0134】
図11は、中間エレメント450がどのように1つのレールシステム508’の第1のレール508’aを2つの隣接する第2の移動式コンテナ700の別のレールシステム508’の第2のレール508’bに接続することができるかということの例を図示している。互いに隣接して配置されている第1の移動式コンテナと第2の移動式コンテナとの間で2つのレールシステムを接続するとき、または、2つの隣接する第1の移動式コンテナの間で2つのレールシステムを接続するときに、同じことが適用可能であるということが理解されるべきである。
【0135】
図11(a)は、2つの接続された第2の移動式コンテナ700を示しており、ここで、第2の移動式コンテナ700のうちの1つのレールシステム508’は、それに接続されている中間エレメント450を有しているが、ここでは、2つのレールシステム508’はまだ接続されていない。
【0136】
図11(b)は、
図11(a)の中の円で囲まれたエリアの詳細図を示しており、ここで、中間接続エレメント450は、枢動接続構成体460を介して、第1のレールシステム508’の第1のレール508’aに接続されている。枢動接続構成体460は、当業者に知られている適切な締結手段(たとえば、スクリュー、ボルト、ピンなどによって締結された枢動ブラケット461)を介して、第1のレール508’aおよび中間接続エレメント450に接続されている。
【0137】
切り離された状態において(切り離された状態では、中間接続エレメント450は、第2のレールシステム508’の第2のレール508’bから切り離されている)、枢動接続構成体460および中間接続エレメント450は、
図11(a)および
図11(b)に示されているように、レールシステム508’に対して上向き方向に枢動させられており、
図11(a)および
図11(b)では、2つの第2の移動式コンテナの2つのレールシステム508’は接続されていない。
【0138】
別の例(図示せず)では、枢動接続構成体460は、下向き位置に置かれるように枢動させられ得り、他のレールシステム508’との接続のために上向きに枢動させられるようになっている。
【0139】
図11(a)から
図11(d)に開示されているように、中間接続エレメント450は、それが接続されている1つのレールシステム508’の第1のレール508’aの一部を形成すると考えられ得る。
図11(a)から
図11(d)に開示されている解決策において、中間接続エレメント450は、第1および第2の端部451、452を含む。第2の端部452は、受け入れパーツとして見ることが可能であり、受け入れパーツは、他のレールシステム508’の第2のレール508’bに接続されることとなる。
【0140】
中間接続エレメント450の第2の端部452における受け入れパーツは、凹部(すなわち、メス型パーツ)を含むことが可能であり、凹部は、第2のレール508’b(すなわち、オス型パーツ)に相補的になっている。加えて、第1のレール508’aに接続可能な中間接続エレメント450の第1の端部451は、同様の凹部を備えて形成され、中間接続エレメント450と第1のレール508’aとの間の接続においていくらかのフレキシビリティーを提供することが可能である。
【0141】
中間接続エレメント450が1つのレールシステム508’の第1のレール508’aおよび他のレールシステム508’の第2のレール508’bを主に水平方向に接続するように配置されているときには、中間接続エレメント450と第1のレール508’aとの間の協働は、中間接続エレメント450の一部が第2のレール508’bの上側表面の上に置かれるようになっていることが可能である。表面は、好ましくは、実質的に水平方向になっており、中間接続エレメント450が、ビンハンドリング車両201、301のために、第1のレール508’aと第2のレール508’bとの間に実質的に同一平面上のドライブレールを提供するようになっている。
【0142】
図11(c)から
図11(e)は、
図11(a)および
図11(b)の中の中間エレメント450を示しているが、中間エレメント450は接続位置にあり、第1および第2のレール508’a、508’bが接続されるようになっている。
【0143】
図11(e)は、接続位置における
図11(c)および
図11(d)の中間エレメント450の上面図である。
【0144】
図11(d)および
図11(e)において、中間接続エレメント450の第1および第2の端部451、452における凹部、ならびに、第1および第2のレール508’a、508’bの相補的なパーツが、より詳細に示されている。示されているように、第2のレール508’bの接続パーツは、中間接続エレメント450の第2の端部452の凹部の中へおおよそ半分まで延在することが可能であり、接続されているときに、第2のレール508’bと第1のレール508’aとの間のいくらかの相対的な軸線方向の移動を可能にしている。
【0145】
図11に示されているように、中間接続エレメント450は、接続位置と非接続位置との間で枢動させられる。
【0146】
図11のレールシステムは、Y方向にシングルレールを含み、X方向にダブルレールを含むが、しかし、これは1つのオプションに過ぎない。その理由は、X方向およびY方向の両方に、シングルレールだけまたはダブルレールだけのいずれかが存在していることも可能であるからである。
【0147】
2つの自動倉庫システムを一緒に接続するときに、非常に高度の精度が必要とされるということが留意されるべきである。これは、主に、ビンハンドリング車両の低い程度のフレキシビリティーおよび関連のレールシステムの不規則性に対する低い許容性に起因する。移動式保管システムの動作の間の中断の可能性を回避するかまたは少なくとも低減させるために、接続されることとなるレールは、可能な限り精密に整合させられるべきである。
図11の中の第1および第2のレール508’a、508’bの接続を見るとき、第1および第2のレール508’a、508’bの両方は、ビンハンドリング車両が一方のレールシステム508’から他方のレールシステム508’へ移動することができるようにするために、同じZ座標およびX方向への同じ軸線を有するべきである。第1および第2のレール508’a、508’bが接続されているポイントにおける位置決めの差は、好ましくは、Y方向において1/10mmを超えないべきである。
【0148】
接続されているときに、中間エレメント450の軸線方向のフレキシビリティーは、X方向への第1のレール508’aと第2のレール508’bとの間のいくらかの相対的な移動を可能にする(たとえば、+/-40mm、+/-15mm、または、それより大きいかもしくはそれより小さい)。
【0149】
図12は、
図9および
図10に示されている移動式保管システムの上面図であり、ここでは、トップパネル602、702が示されている。
【0150】
図13は、接続されることとなる移動式コンテナ同士の間に配置されている4つの連結デバイス/接続デバイス400によって、どのように移動式コンテナがサイドバイサイドの配置で接続され得るかということを図示している。この例示的な態様は、第1の移動式コンテナ600と第2の移動式コンテナ700との間の接続を示しているが、2つの第1の移動式コンテナ600または2つの第2の移動式コンテナ700がサイドバイサイドの配置で一緒に接続されるとした場合にも同じになる。
【0151】
図11に示されているように2つの自動倉庫システムを一緒に接続するときの上述の高度の精度に起因して、
図13に図示されている2つの移動式コンテナの接続も、高度の精度を有するはずであり、それは、第1の移動式コンテナ600および第2の移動式コンテナ700が、等しいZ座標およびY座標を有するはずであり、X方向に平行に配置されるはずであるということを意味している。
【0152】
図9に関してすでに上記に述べられているように、第1および第2の移動式コンテナ600、700のロングエンドサイドパネルのうちの1つの少なくとも一部は、コンテナフレーム600’、700に除去可能に接続され得る。
図9に示されているように、ロングエンドサイドパネル全体が除去されていたが、しかし、システムが動作することができるようにするために、パネルの一部だけが、開口部を生成させるために除去されることを必要とし、ビンハンドリング車両が1つの移動式コンテナのレールシステムから別の移動式コンテナのレールシステムの上に移動することができるようになっている。したがって、この移動式保管システムにおいて、開口部は、システムが2つ以上のサイドバイサイドで配置された移動式コンテナを含むとき、少なくとも、レールシステムの上を移動するビンを運搬するビンハンドリング車両の最大断面のサイズであるべきである(開口部を通って移動するときに、ビンハンドリング車両の移動の軸線に対して垂直の垂直方向平面において見られるとき、上記垂直方向平面は、開口部がその中に形成されているパネルの平面に対して平行になっている)。そのうえ、開口部は、当然のことながら、それにしたがって位置付けされるべきであり、すなわち、ビンハンドリング車両が1つの移動式コンテナのレールシステムから別の移動式コンテナのレールシステムの上に移動することができるように位置決めされるべきである。
【0153】
図13に示されている例示的な実施形態では、移動式コンテナの接続している垂直方向の面に対応するロングエンドサイドパネルは除去されており、それによって、開口部を生成させており、開口部は、その上を移動するビンを運搬するビンハンドリング車両を有するレールシステムの垂直方向のサイズよりも大きくなっている。
【0154】
第1の移動式コンテナ600および第2の移動式コンテナ700のベースパネルは、立方体状の形状をそれぞれ有している。したがって、それぞれのベースパネルは、(ベースパネルの上側表面および下側表面を画定する)長さおよび幅と、ベースパネルの上側表面と下側表面との間に延在する深さ(すなわち、垂直方向の延在)とを有している。
【0155】
第1の移動式コンテナ600および第2の移動式コンテナ700のトップパネルは、立方体状の形状をそれぞれ有している。したがって、それぞれのトップパネルは(トップパネルの上側表面および下側表面を画定する)長さおよび幅と、トップパネルの上側表面と下側表面との間に延在する深さ(すなわち、垂直方向の延在)とを有している。
【0156】
第1の移動式コンテナ600および第2の移動式コンテナ700の垂直方向に延在するプロファイルは、立方体状の形状をそれぞれ有している。したがって、それぞれの垂直方向に延在するプロファイルは、(垂直方向に延在するプロファイルの上側表面および下側表面を画定する)長さおよび幅と、垂直方向に延在するプロファイルの上側表面と下側表面との間に延在する深さ(すなわち、垂直方向の延在)とを有している。
【0157】
さらに、第2の移動式コンテナ(第1の移動式コンテナ600は、第2の移動式コンテナに接続されることとなる)のベースパネル701の垂直方向の延在に面している、第1の移動式コンテナ600のベースパネル601の垂直方向の延在は、タイトフィット構成で連結デバイス400(接続ピンの形状を有している)を挿入するための少なくとも1つの孔部401を有している。同様に、対応する孔部が、第2の移動式コンテナのベースパネル701の垂直方向の延在の中に提供されている。
【0158】
図は、第1および第2の移動式コンテナが、ベースパネルの垂直方向の延在の中に配置されている連結デバイスを接続するための孔部を含むということを図示しているが、代替的にまたは追加的に、接続されているときに互いに面している第1および第2の移動式コンテナのトップパネルおよび/または垂直方向に延在するプロファイルの任意の垂直方向の延在の上に孔部を配置することによって、接続が行われ得るということが理解されるべきである。
【0159】
換言すれば、孔部は、接続の間に互いに面している移動式コンテナのフレームに沿って、任意の配置で分配され得り、連結デバイスを挿入して2つの移動式コンテナを接続した後に、タイトフィット構成を可能にする。
【0160】
孔部401は、漏斗形状を有しており、ピン400は、少なくとも漏斗形状の孔部401の最小直径にマッチするように構成されており、タイトフィットを生成させる。
【0161】
図13に図示されているピンは、その中間点よりもその端部においてより小さい断面を有しており、ピン400の断面が、ピン400の端部から中間点に向けて拡大するようになっており、中間点は、漏斗形状の開口部に対応している。
【0162】
中間点における断面の直径は、接続ピンの端部における断面の直径よりも、少なくとも1.05倍大きくなっていることが可能であり、好ましくは、少なくとも1.07倍大きくなっていることが可能であり、より好ましくは、少なくとも1.09倍大きくなっていることが可能である。
【0163】
中間点におけるピンの断面の直径は、たとえば、4cmから10cmであることが可能であり、端部の断面の直径は、2cmから7cmであることが可能であり、ピンの合計長さは、10cmから50cmであることが可能である。
【0164】
1つの例では、中間点におけるピンの断面の直径は、5.5cmであり、端部の断面の直径は、5cmであり、ピンの合計長さは、25cmである。
【0165】
孔部および孔部の中へ挿入されることとなる接続ピンの数は、接続されることとなる移動式コンテナのサイズに応じて変化する。
【0166】
2つの20’移動式コンテナが接続されている例示的な実施形態では、移動式コンテナは、2つの移動式コンテナのベースパネルの接続面に沿って分配された2つの孔部を含み、2つのピンが、接続の間に孔部の中へ挿入される。
【0167】
さらに、ピン400は、伸縮式であってもよく、次いで、ピンは、移動式コンテナがシステムから除去されることとなるときには、引っ込められた状態になることとなり、移動式コンテナがシステムに接続されるかまたは接続されているときには、拡大された状態になることとなる。ピンがその引っ込められた状態になっているときには、ピンが挿入された移動式コンテナのフレームの外側に、ピンが突出することとならない。
【0168】
図14(a)は、ベースプレート950の上に配置されている第2の倉庫構造体500’を有する第2の移動式コンテナ700を図示している。ベースプレート950は、第2の移動式コンテナ700のベースパネル701の上に配置されている。2つの自動倉庫システムを接続するときに必要とされる高度の精度に起因して、ベースプレート950は、水平方向に変位可能であり、それによって、その上に配置されている自動倉庫構造体の水平方向の変位を可能にする。ベースプレート950は、たとえば、ファイバーボードまたはハードボードなどから作製され得り、10mmから100mmの厚さ、たとえば、25mmまたは30mmの厚さになっていることが可能である。
【0169】
図14(b)は、
図14(a)の中の円で囲まれたエリアの詳細図を示している。
図14(b)は、1つまたは複数の調節デバイス951を使用することによって、どのようにベースプレート950がY方向に水平方向に変位させられ得るかということを図示している。調節デバイス951は、ブラケット952、953を使用して、ベースパネル700およびベースプレート950にリジッドに固定されている。
【0170】
調節デバイス951は、
図14(b)に示されているように、ベースパネル701の上側表面に接続されている中間ブラケット952と、2つのサイドブラケット953とを含むことが可能であり、2つのサイドブラケット953は、中間ブラケット952のそれぞれの側に配置されているベースプレート950に接続されている。バー954が、3つのブラケットのそれぞれの中の孔部を通過させられており、バーが、水平方向のY方向に変位可能になっており、Z方向およびX方向への移動を制限する。この配置によって、バー954は、固定具(たとえば、ナット)を緩めるおよび締め付けることによって変位させられ得り、固定具は、このケースでは、ネジ山付きのバー954に取り付けられており、中間ブラケット952の両側に、サイドブラケット953の片側に取り付けられている。また、バーに取り付けられているナット、中間ブラケット952、およびサイドブラケット953は、望ましい位置にバー954をリジッドに固定することが可能であり、それによって、ベースプレート950をベースパネル701にリジッドに固定する。バー954を変位させるときには、ベースプレート950は、変位させられることとなり、したがって、その上に設置されている自動倉庫構造体500’のY方向への微調節を可能にする。
【0171】
同様の調節デバイス951が、ベースプレート950の反対側に提供され得り、そのケースでは、2つの調節デバイス951が協調して調節され得る。
【0172】
代替的に、1つまたは複数の調節デバイス951は、隣接する側に提供され得り、X方向への水平方向の移動を可能にする。
【0173】
したがって、ベースプレート950は、1つまたは複数の調節デバイス951を提供され得り、X方向および/またはY方向への水平方向の移動を可能にする。
【0174】
図15(a)は、高さ調節可能な足部960の上に配置されている第1および第2の移動式コンテナを図示している。足部960は、第1および第2の移動式コンテナ600、700のベースパネル601、701の下側表面において、そのそれぞれの角部に設置されており、第1の移動式コンテナ600および第2の移動式コンテナ700のレベリングを可能にし、第1および第2の移動式コンテナ600、700のベースパネル601、701の間で実質的に同一平面上の下側表面を提供する。
【0175】
図15(b)は、
図15(a)に示されている例示的な高さ調節可能な足部960の詳細図を示している。足部960は、ブラケット961を含み、ブラケット961は、地面の上に立つ/置かれるための下側ベース967を含む。ブラケットは、ベース967の両側から垂直方向に延在する少なくとも2つの側壁部962を含み、少なくとも2つの側壁部962は、ブリッジ963によって相互接続されており、ブリッジ963は、その中央に孔部964を含む。バー965が、ブリッジ963の孔部964の内側に配置されており、垂直方向のZ方向に変位可能になっており、水平方向のX方向およびY方向への移動を制限する。バー965は、レスティングプレート966を有しており、レスティングプレート966は、ブリッジ963の上方に配置されており、移動式コンテナがその上に置かれることを可能にする。この配置によって、バー954は、固定具(たとえば、ナット)を緩めるおよび締め付けることによって変位させられ得り、固定具は、このケースでは、ネジ山付きのバー954に取り付けられており、ブラケット961のブリッジ963の両側に取り付けられている。示されているように、バーは、ブラケット961のベース967の中央に配置されている孔部を通過することが可能である。さらに、バー965は、たとえば溶接手段または取り付け手段によって、その上側端部において移動式コンテナに固定され得る。
【0176】
バー964を変位させるときに、足部960の上に配置されている移動式コンテナの一部が変位させられることとなり、したがって、移動式コンテナのZ方向への微調節を可能にする。
【0177】
複数の移動式コンテナをサイドバイサイドの配置で配置し、それぞれの移動式コンテナのベースプレートのすべての角部の下に高さ調節可能な足部を設置するときには、互いに接続する2つの移動式コンテナのベースパネルの外側表面が、接続の間におよび接続された後に互いに同一平面上になるように、移動式コンテナがすべて配置され得る。
【0178】
高さ調節可能な足部は、それぞれの移動式コンテナのベースプレートのすべての角部の下に設置されているものとして説明されてきたが、それらは、追加的に、それぞれの移動式コンテナのベースプレートの底部周囲部の周りの他の場所に提供され得る。
【0179】
図16(a)は、供給コンテナ700が他の供給コンテナ700の上に配置されている移動式保管システムの斜視図を図示している。
図16(a)に図示されているように、移動式保管システムは、サイドバイサイドの配置で配置されている第1の列の複数の移動式コンテナと、第1の列の上に位置付けされている第2の列で、サイドバイサイドの配置で配置されている複数の移動式コンテナとを含むことが可能である。
図16(b)は、
図13に示されているピン400の詳細図である。
【0180】
図17は、互いに重ねて配置されている2つの移動式コンテナを示している。上側移動式コンテナは、第2の移動式コンテナ700(供給コンテナ)であり、一方では、下側移動式コンテナは、第1の(マスター)移動式コンテナまたは第2の(供給)移動式コンテナであることが可能であるが、しかし、図は、互いに重ねて配置されている2つの第2の移動式コンテナを示している。
【0181】
図17は、1つの上側の第2の移動式コンテナ700Uが、別の下側の第2の移動式コンテナ700Lの真上に配置されており、上側の第2の移動式コンテナ700Uのベースパネル701Uの角部が、下側の第2の移動式コンテナ700Lのトップパネル702Lの対応する角部の真上に配置されるようになっていることを図示している。上側の第2の移動式コンテナ700Uと下側の第2の移動式コンテナ700Lとの間で保管ビン106が移動させられることを可能にするために、上側の第2の移動式コンテナ700Uのベースパネル701Uは、保管ビン開口部(910、
図18aを参照)を有しており、保管ビン106がそれを通過することを可能にし、下側の第2の移動式コンテナ700Lのトップパネル702Lは、次いで、同じ目的のために、対応する保管ビン開口部(910、
図18aを参照)を有することが可能である。上側の第2の移動式コンテナ700Uの中のレールシステムの上に配置されているビンハンドリング車両201、301は、ビンハンドリング車両201、301の中のリフティングデバイスを使用し、保管ビン106を上側の第2の移動式コンテナ700Uから保管ビン開口部を通過して下側の第2の移動式コンテナ700Lの中へ低下させることが可能である。
【0182】
保管ビンハンドリング構成体900は、下側の第2の移動式コンテナ700Lの中のレールシステム508’に接続して配置されている。上側の第2の移動式コンテナ700Uと下側の第2の移動式コンテナ700Lとの間で保管ビン106を移動させる例示的な動作が、
図18および
図19に詳細に説明されることとなる。
【0183】
図18(a)および
図18(b)は、
図17に示されているように下側の第2の移動式コンテナ700Lの上に配置されている上側の第2の移動式コンテナ700Uの一部を図示している。
【0184】
図18(a)は、片持ち梁ビンハンドリング車両301の上のリフティングシステムに取り付けられている保管ビン106をさらに図示している。リフティングシステムは、取り付け構造体302(
図19を参照)を有しており、取り付け構造体302は、調節可能なワイヤーまたはベルト(図示せず)によって、ビンハンドリング車両301に接続されている。取り付け構造体302は、保管ビン106に係合するように適合されている1セットの把持デバイス303と、それぞれの把持デバイス303を制御するための手段とを提供されている。リフティングシステムの把持デバイス303は、ビンハンドリング車両301に接続されており、保管ビン106の垂直方向の輸送、たとえば、保管カラムから保管ビン106を上昇させること、および、保管カラムの中へ保管ビン106を低下させることを保証する。
【0185】
把持デバイス303を有する取り付け構造体302は、ビンハンドリング車両301から低下させられ得り、ビンハンドリング車両301に対する把持デバイス303の位置が、第1の方向Xおよび第2の方向Yに直交する第3の方向Zに調節され得るようになっている。
【0186】
図18(b)は、ビンハンドリング車両301が取り付け構造体302およびそれに接続されている保管ビン106を保管ビン開口部910の中へ低下させたことを図示している。
【0187】
図18(c)は、下側の第2の移動式コンテナのレールシステム508’の上に配置されている保管ビンハンドリング構成体900を図示している。保管ビンハンドリング構成体900は、上側の第2の移動式コンテナから保管ビンを受け入れ、および/または、上側の第2の移動式コンテナへ保管ビンを配送する。保管ビンハンドリング構成体900は、垂直方向に延在するバリア901を含み、垂直方向に延在するバリア901は、保管ビン開口部910と下側移動式コンテナのレールシステム508’との間で垂直方向に保管ビンをガイドするためのものである。ビンハンドリング構成体900は、ビン移動構造体902(たとえば、ビンコンベヤー902など)をさらに含み、ビン移動構造体902は、ビンハンドリング構成体へ、および/または、ビンハンドリング構成体から下側の第2の移動式コンテナのレールシステム508’の上のビンリフティング位置903へ、ビンを移動させるためのものであり、ビンリフティング位置903において、保管ビンは、ビンハンドリング車両によってピックアップまたは配送され得る。したがって、ビンコンベヤー902は、ビンハンドリング構成体900と下側の第2の移動式コンテナのレールシステム508’の中のビンリフティング位置903との間で、保管ビンを水平方向に輸送する。保管ビンがビンリフティング位置903の中に配置されているときには、ビンハンドリング車両は、保管ビンをピックアップし、下側の第2の移動式コンテナ700Lの保管グリッド構造体の中のターゲット位置へ保管ビンを移動させることが可能である。また、ビンハンドリング車両は、ビンリフティング位置に保管ビンを配送することが可能であり、保管ビンが保管ビンハンドリング構成体900の内側の位置へ移動させられるようになっており、上側の第2の移動式コンテナ700Uの中に配置されているビンハンドリング車両に接続されている把持デバイスによって、保管ビンがピックアップされるようになっており、その後に、保管ビンを含むビンハンドリング車両を、上側の第2の移動式コンテナの保管グリッド構造体の中の保管ビンのためのターゲット位置へ移動させる。
【0188】
図18(c)に示されているビンコンベヤー902は、コンベヤーベルト904を有しており、コンベヤーベルト904は、それに取り付けられているビンレスティング構成体(bin resting arrangement)905を有している。ビンレスティング構成体905は、保管ビンが保管ビンハンドリング構成体900に隣接するその位置からビンリフティング位置903へ水平方向に移動させられることを可能にする任意の種類の構成体であることが可能である。
【0189】
図19(a)から
図19(e)は、例示的なプロセスを図示しており、そこでは、保管ビンハンドリング構成体900が、下側の第2の移動式コンテナ700Lのレールシステム508’の上に位置付けされており、保管ビンハンドリング構成体900は、上側移動式コンテナ700Uのレールシステム508’の上に位置付けされているビンハンドリング車両301から保管ビン106を受け入れ、また、
図19(a)から
図19(e)は、保管ビンハンドリング構成体900に隣接する位置からビンリフティング位置903へ、どのように保管ビン106が除去されるかということを図示しており、ビンリフティング位置903において、下側の第2の移動式コンテナ700Lのレールシステム508’の上に配置されている別のビンハンドリング車両301が、保管ビンをピックアップすることが可能である。
【0190】
図19(a)において、保管ビンハンドリング構成体900は、空になっており、保管ビンを受け入れる準備ができている。
【0191】
図19(b)は、上側の第2の移動式コンテナ700U(
図17を参照)の中に配置されているビンハンドリング車両から保管ビンが配送された後に、ビンハンドリング構成体900に隣接して位置する保管ビン106を図示している。ビンハンドリング車両の取り付け構造体302は、依然として保管ビン106に接続されている。
【0192】
図19(c)は、保管ビン106を把持デバイス303から解放した後の把持デバイス303を含む取り付け構造体302を図示している。保管ビン106は、保管ビンハンドリング構成体900に位置決めされたビンコンベヤー902のレスティング構成体905の上に設置されている。
【0193】
図19(d)は、ビンハンドリング構成体900に隣接する位置からビンリフティング位置903へコンベヤー902のコンベヤーベルト904によって搬送された後の、ビンリフティング位置903に配置されている保管ビンを図示している。
【0194】
図19(e)は、どのようにビンハンドリング車両301がビンリフティング位置903から保管ビン106をピックアップすることができるかということを図示している。
【0195】
図18および
図19は、片持ち梁ビンハンドリング車両を図示しているが、シングルセルビンハンドリング車両201も、当然のことながら、同じ目的のために使用され得る。
【0196】
図20は、サイドバイサイドの配置で接続されている第1の移動式コンテナ600(マスターコンテナ)および4つの第2の移動式コンテナ700(供給コンテナ)を有する移動式保管システムを図示しており、ここでは、システムは、機器(たとえば、空調システム、発電機、消火システムなど)を保管するための2つの機器コンテナ800を含む。機器コンテナ800は、第2の移動式コンテナ700との接続の反対側において、第1の移動式コンテナ600に接続されている。
【0197】
例示的な移動式保管システムの図面から見ることができるように、移動式保管システムは、フレキシブルシステムを提供し、フレキシブルシステムでは、サイドバイサイドの配置の任意の端部に配置されている移動式コンテナが、別の移動式コンテナによって交換され得る。たとえば、
図12に示されているようにサイドバイサイドの配置で配置されている1つのマスターコンテナおよび4つの供給コンテナを含むシステムを見ることによって、マスターコンテナおよび供給コンテナのグリッド構造体は、商品を含むすべて満杯の保管ビンであると考えられ得る。システムの動作時間が経過するにつれて、システムの中のビンから、ますます多くのアイテムが除去される。次いで、商品を含む保管ビンを交換すること、または、空の保管ビンが配置されるための自由空間を占有することのいずれかによって、すべての空の保管ビンがサイドバイサイドの配置の端部に配置されている供給コンテナの中に位置決めされるように、システムが動作する場合には、動作時間が経過するにつれて、すべての空の保管ビンを受け入れている供給コンテナが、空の保管ビンで一杯になることとなる。次いで、供給コンテナは除去され、商品を伴う保管ビンを有する別の供給コンテナによって交換され得る。
【符号の説明】
【0198】
1 倉庫システム(先行技術)
100 フレームワーク構造体
102 フレームワーク構造体の直立部材/垂直方向部材
103 フレームワーク構造体の水平方向部材
104 保管グリッド構造体
105 保管カラム
106 保管ビン
106’ 保管ビンの特定の位置
107 スタック
108 レールシステム/トラックシステム
110 第1の方向(X)への平行なレール
110a 近隣のレール110の第1のレール
110b 近隣のレール110の第2のレール
111 第2の方向(Y)への平行なレール
111a 近隣のレール111の第1のレール
111b 近隣のレール111の第2のレール
112 グリッドカラム
115 グリッド開口部
119 第1のポートカラム/第1のポート
120 第2のポートカラム/第2のポート
122 グリッドセル/保管セル
201 先行技術のシングルセルビンハンドリング車両
201a ビンハンドリング車両201の車両本体部
201b ドライブ手段/ホイール構成体、第1の方向(X)
201c ドライブ手段/ホイール構成体、第2の方向(Y)
301 先行技術の片持ち梁ビンハンドリング車両
301a ビンハンドリング車両301の車両本体部
301b 第1の方向(X)へのドライブ手段
301c 第2の方向(Y)へのドライブ手段
302 取り付け構造体
303 把持/係合デバイス
400 連結デバイス/接続ピン
401 孔部
450 中間エレメント/中間接続エレメント
451 中間エレメントの第1の端部
452 中間エレメントの第2の端部
460 枢動接続構成体
500 移動式コンテナの第1の倉庫システム
500’ 第2の移動式コンテナの第2の倉庫システム
502 第1の倉庫システムの垂直方向部材
502’ 第2の倉庫システムの垂直方向部材
504 第1の倉庫システムの第1の保管グリッド構造体
504’ 第2の倉庫システムの第2の保管グリッド構造体
505 第1の倉庫システムの保管カラム
505’ 第2の倉庫システムの保管カラム
508 第1の倉庫システムの第1のレールシステム
508’ 第2の倉庫システムの第2のレールシステム
508’a 第1のトラック
508’b 第2のトラック
509 アクセスステーション
512 カラム
550 充電ステーション
600 第1の移動式コンテナ/マスターコンテナ
600’ 第1の移動式コンテナの第1のコンテナフレーム
601 第1の移動式コンテナのベースパネル/フロア
602 第1の移動式コンテナのトップパネル/ルーフ
603 第1の移動式コンテナのショートエンドサイドパネル
604 第1の移動式コンテナのロングエンドサイドパネル
605 第1の移動式コンテナのドア
606 第1の移動式コンテナの垂直方向に延在するプロファイル
700 第2の移動式コンテナ/供給コンテナ
700’ 第2の移動式コンテナの第2のコンテナフレーム
700U 上側の第2の移動式コンテナ
700L 下側の第2の移動式コンテナ
701 第2の移動式コンテナのベースパネル/フロア
701U 上側の第2の移動式コンテナのベースパネル/フロア
702 第2の移動式コンテナのトップパネル/ルーフ
702L 下側の第2の移動式コンテナのトップパネル/ルーフ
703 第2の移動式コンテナのショートエンドサイドパネル
704 第2の移動式コンテナのロングエンドサイドパネル
705 第2の移動式コンテナのドア
706 第2の移動式コンテナの垂直方向に延在するプロファイル
800 機器コンテナ
900 保管ビンハンドリング構成体
901 バリア
902 コンベヤー
903 ビンリフティング位置
904 コンベヤーベルト/ベルト
905 ビンレスティング構成体
910 保管ビン開口部
950 ベースプレート
951 調節デバイス
952 中間ブラケット
953 サイドブラケット
954 調節デバイスのバー
960 高さ調節可能な足部/足部
961 ブラケット
962 ブラケット961の側壁部
963 ブリッジ
964 ブリッジ963の中の孔部
965 足部のバー
966 レスティングプレート
967 ブラケット961のベース
X 第1の方向
Y 第2の方向
Z 第3の方向