(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】喫煙物品用のカカオ包装材料
(51)【国際特許分類】
A24D 1/02 20060101AFI20240708BHJP
【FI】
A24D1/02
(21)【出願番号】P 2021546666
(86)(22)【出願日】2020-02-11
(86)【国際出願番号】 US2020017720
(87)【国際公開番号】W WO2020167807
(87)【国際公開日】2020-08-20
【審査請求日】2023-01-19
(32)【優先日】2019-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521190440
【氏名又は名称】エスダブリュエム ホルコ ルクセンブルク
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】弁理士法人大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルソー、セドリック
(72)【発明者】
【氏名】アコウ、ジェローム
(72)【発明者】
【氏名】ゴ、アルテュール
(72)【発明者】
【氏名】ゴンベール、ローラン
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第101886355(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0360103(US,A1)
【文献】特表2006-517391(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24D 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
喫煙物品用の包装材料であって、
ウェブ構築繊維と組み合わせたウェブを含み、
前記ウェブ構築繊維は、脱リグニンセルロース繊維を含み、
前記ウェブは、20~80gsmの坪量を有し、10~100コレスタの透過性を有し、
前記ウェブは、抽出されたカカオハスク繊維を含
み、
前記抽出されたカカオハスク繊維に含まれる水溶性成分の少なくとも一部が除去されていることを特徴とする包装材料。
【請求項2】
前記ウェブは、前記抽出されたカカオハスク繊維及び前記ウェブ構築繊維と組み合わされた充填材料をさらに含み、
前記充填材料は、炭酸カルシウム粒子、二酸化チタン粒子、カオリン粒子、タルク粒子、硫酸バリウム粒子、酸化マグネシウム粒子、ベントナイト粒子、ゼオライト粒子、ケイ酸塩粒子、またはそれらの組み合わせを含むことを特徴とする請求項1に記載の包装材料。
【請求項3】
前記ウェブはカレンダー加工されていることを特徴とする請求項1または2に記載の包装材料。
【請求項4】
前記ウェブに適用されるエアロゾル送達組成物をさらに含み、前記エアロゾル送達組成物はエアロゾル送達剤を含有することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の包装材料。
【請求項5】
前記エアロゾル送達剤はカンナビノイドを含み、
前記カンナビノイドは、テトラヒドロカンナビノール、カンナビジオール、または、テトラヒドロカンナビノールとカンナビジオールとの組み合わせを含むことを特徴とする請求項4に記載の包装材料。
【請求項6】
前記エアロゾル送達組成物は、0.1重量%超、1重量%超、5重量%超、10重量%超、15重量%超、20重量%超、25重量%超、または30重量%超、かつ、40重量%未満の量で前記ウェブに含まれることを特徴とする請求項4に記載の包装材料。
【請求項7】
前記ウェブは、10重量%未満の量の水溶性カカオハスク成分を含むことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の包装材料。
【請求項8】
前記ウェブは、10重量%超、15重量%超、20重量%超、25重量%超、または最大30重量%の量の水溶性カカオハスク成分を含むことを特徴とする請求項1~
6のいずれか1項に記載の包装材料。
【請求項9】
前記ウェブ構築繊維は、亜麻繊維、ヘンプ繊維、アバカ繊維、木材のパルプ繊維、竹繊維、ココナッツ繊維、ラミー繊維、ジュート繊維、またはそれらの組み合わせを含み、
前記木材のパルプ繊維は、針葉樹繊維、広葉樹繊維、または、針葉樹繊維と広葉樹繊維との組み合わせを含むことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の包装材料。
【請求項10】
前記ウェブ構築繊維は、20重量%超、30重量%超、または40重量%超、かつ、80重量%未満の量で前記ウェブに含まれることを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の包装材料。
【請求項11】
前記ウェブは燃焼制御剤で処理されており、
前記燃焼制御剤は、クエン酸塩、コハク酸塩またはカルボン酸の塩を含むことを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の包装材料。
【請求項12】
前記ウェブは保湿剤で処理されており、
前記保湿剤は、グリセロール、プロピレングリコール、またはそれらの組み合わせを含むことを特徴とする請求項1~11のいずれか1項に記載の包装材料。
【請求項13】
前記ウェブはガムで処理されており、
前記ガムは、グアーガム、アルギン酸塩、カルボキシメチルセルロース、またはそれらの組み合わせを含むことを特徴とする請求項1~12のいずれか1項に記載の包装材料。
【請求項14】
前記包装材料は、当該包装材料の第1の方向に沿って間隔を隔てて配置された複数の個別の低延焼性領域を含み、前記低延焼性領域は、23℃で0.5cm/s未満の拡散率を有し、
前記低延焼性領域は、前記低延焼性領域を前記ウェブに適用することによって形成されていることを特徴とする請求項1~13のいずれか1項に記載の包装材料。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか1項に記載の包装材料で包装された喫煙可能なロッドを含むことを特徴とする喫煙物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2019年6月5日に出願された米国仮特許出願第62/857,595号及び2019年2月11日に出願された米国仮特許出願第62/803,815号に基づく優先権を主張するものである。上記出願の開示内容は、参照により本明細書中に援用される。
【背景技術】
【0002】
シガレット(紙巻きタバコ)やリトルシガーなどの喫煙物品は、従来、シガレットペーパーや均質化されたタバコから作られた包装材料で充填材料のカラムを包装することにより製造される。喫煙物品の一端部は、通常、喫煙物品を喫煙するためのフィルタまたはチップを含む。
【0003】
喫煙物品用の包装材料が喫煙物品の喫煙特性に大きな影響を与えることは、業界において長い間認識されてきた。この点に関して、喫煙物品の全般的な喫煙体験を改善する包装材料を製造するために、喫煙物品の包装材料を変更または修正することを試みてきた。喫煙物品の包装材料は、一般的に、木材または亜麻繊維などのパルプ繊維と、充填材料粒子とを組み合わせて製造される。しかしながら、そのような包装材料は、ユーザによって不快であると見なされる「紙のような」味がすることが多かった。
【0004】
さらに、パルプ繊維は広葉樹及び針葉樹の脱リグニン繊維で主に構成されており、伐採木への依存度が高いことに起因して、主にパルプ繊維で形成された包装材料の持続可能性が懸念されている。具体的には、従来の紙を1トン製造するためには、2-3トンの木材が必要である。さらに、1950年以降、世界の紙の消費量は大幅に増加している。この消費の増加は地球の森林に影響を及ぼし、地球の森林の80%は人間の活動の結果として姿を消すであろう。
【0005】
その一方で、均質化されたタバコ材料の包装は、一般的に、50%超の量が加工されたタバコ副産物から作られているため満足のいく灰の外観や燃焼性を実現することができず、また、大量のタバコ副産物を含有している。従来のタバコの葉に含有される1つの成分または化学物質はニコチンである。しかしながら、ニコチンは、送達濃度によっては、ユーザに中毒作用をもたらす可能性がある。この中毒作用が原因で、様々な規則制定機関やタバコ産業は、ニコチン濃度を減少させた喫煙物品の製造を試みてきた。
【0006】
上記に鑑み、現在、心地良い、またはニュートラルな味を有する喫煙物品の包装材料が必要とされている。同様に、心地良い、またはニュートラルな味を有することに加えて、適切な燃焼特性を有する喫煙物品の包装材料を提供する必要がある。喫煙特性が改善され、ニコチンを含まない喫煙物品の包装材料を提供することも有益であろう。さらに、喫煙特性が改善され、1以上の添加剤の担体としても機能する喫煙物品を提供することは有益であろう。さらに、持続可能な供給源から少なくとも部分的に形成された包装材料を提供することも利点となるであろう。さらに、視覚的面が差別化された喫煙物品を製造することは有益であろう。最後に、それ自体はタバコ及び/またはニコチンを含まないが、エアロゾル送達剤の担体として機能し得る包装材料を形成することもまた利点であろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本議論は例示的な実施形態の単なる説明であり、本開示のより広い態様を限定することを意図するものではないことが、当業者によって理解されるべきである。
【0008】
一般に、本開示は、ウェブを含む喫煙物品用の包装材料(ウェブとも呼ばれる、あるいは、本明細書ではウェブから形成される)に関する。ウェブは、ウェブ構築繊維と組み合わされた抽出されたカカオハスク繊維を含み、ウェブ構築繊維は、脱リグニンセルロース繊維を含む。ウェブの坪量は約20gsm~約80gsmであり、通気性は約10コレスタ~約100コレスタである。
【0009】
一実施形態では、抽出されたカカオハスク繊維は、包装材料の表面上に均一な斑点を有する外観を生成する方法で、ウェブ構築繊維と組み合わされる。
【0010】
それに加えてまたはその代わりに、ウェブは、抽出されたカカオハスク繊維及びウェブ構築繊維と組み合わされた充填材料を含む。充填材料を含む実施形態では、充填材料は、包装材料の約0重量%~約40重量%、好ましくは約5重量%~約20重量%、さらにより好ましくは10重量%から約20重量%の量で、ウェブに含まれる。さらなる実施形態では、充填材料は、炭酸カルシウム粒子、二酸化チタン粒子、カオリン粒子、タルク粒子、硫酸バリウム粒子、ベントナイト粒子、ゼオライト粒子、ケイ酸塩粒子、またはそれらの組み合わせを含む。さらに、一実施形態では、包装材料に含まれる充填材料は、約0.1ミクロン~約10ミクロンの平均粒子サイズを有する。
【0011】
さらに別の実施形態では、ウェブは、約30コレスタ~約80コレスタ、例えば約40コレスタ~約60コレスタの透過性を有する。それに加えてまたはその代わりに、ウェブは、約30gsm~約50gsmの坪量を有する。一実施形態では、ウェブは、ASTM試験D828-97に従って試験したときに、ウェブが約1000cN/15mm超、例えば約1250cN/15mm超、例えば約1500cN/15mm超、かつ、4000cN/15mm未満の引張強度を有するのに十分な量のウェブ構築繊維を含む。
【0012】
一実施形態では、本開示によるウェブはカレンダー加工されている。
【0013】
別の実施形態では、包装材料は、ウェブに適用されるエアロゾル送達組成物を含み、エアロゾル送達組成物はエアロゾル送達剤を含有する。一実施形態では、エアロゾル送達剤は薬物または香料を含む。さらに別の実施形態では、エアロゾル送達組成物はオイルまたは固体を含む。さらに、一実施形態では、エアロゾル送達剤は、ニコチン、カンナビノイド、テトラヒドロカンナビノール、またはカンナビジオールを含む。さらに別の実施形態では、エアロゾル送達剤は、糖、甘草抽出物、蜂蜜、コーヒー抽出物、カエデシロップ、茶、植物抽出物、草木の抽出物、タバコ抽出物、または果実抽出物を含む。それに加えてまたはその代わりに、エアロゾル送達組成物は、約0.1重量%超、例えば約重量1%超、例えば約5重量%超、例えば約10重量%超、例えば約15重量%超、例えば約20重量%超、例えば約25重量%超、例えば約30重量%超、例えば約35重量%超、かつ、約40重量%未満の量でウェブに含まれる。
【0014】
さらに別の実施形態では、ウェブは、約10重量%未満、例えば約8重量%未満の量の水溶性カカオハスク成分を含む。あるいは、ウェブは、約10重量%超、例えば約15重量%超、例えば約20重量%超、例えば約25重量%超、または最大約30重量%の量の水溶性カカオハスク成分を含む。
【0015】
それに加えてまたはその代わりに、一実施形態では、ウェブ構築繊維は針葉樹繊維を含む。さらなる実施形態では、ウェブ構築繊維は、亜麻繊維、ヘンプ繊維、アバカ繊維、木材のパルプ繊維、竹繊維、ココナッツ繊維、ラミー繊維、ジュート繊維、またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、ウェブ構築繊維は、約20重量%超、例えば約30重量%超、例えば約40重量%超、かつ、約80重量%未満の量でウェブに含まれる。
【0016】
さらなる実施形態では、包装材料はタバコを含まない。
【0017】
さらに別の実施形態では、ウェブは燃焼制御剤で処理されている。さらなる実施形態では、燃焼制御剤は、クエン酸塩またはコハク酸塩などのカルボン酸の塩を含み、燃焼制御剤は、約0.1重量%~約5重量%、例えば約1重量%~約3重量%の量でウェブに含まれる。
【0018】
さらに、一実施形態では、ウェブは保湿剤で処理されている。追加の実施形態では、保湿剤は、グリセロール、プロピレングリコール、またはそれらの組み合わせを含む。
【0019】
それに加えてまたはその代わりに、一実施形態では、ウェブはガムで処理される。一実施形態では、ガムは、グアーガム、アルギン酸塩、セルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、アラビアガム、またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、ガムは、約0.1重量%~約5重量%の量でウェブに含まれる。
【0020】
さらなる実施形態では、包装材料は、包装材料の第1の方向に沿って間隔を隔てて配置された複数の個別の低延焼性領域を含み、低延焼性領域は、23℃で0.5cm/s未満の拡散率を有する。一実施形態では、複数の低延焼性領域は、低延焼性領域をウェブに適用することによって形成されている。
【0021】
一般に、本開示はまた、概して、喫煙物品に組み込まれた本開示による包装材料に関する。喫煙物品がASTM試験E2187-09に従って試験したときに、喫煙物品の少なくとも75%が自己消火する。
【0022】
一般に、本開示はまた、本開示の包装材料によって包装された喫煙可能なロッドを含む喫煙物品に関する。
【0023】
本開示の他の特徴及び態様は、以下でより詳細に論じられ説明される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本開示の完全かつ実現可能な開示は、添付図面を参照して、本明細書の残りの部分により詳細に説明される。
【0025】
【
図1】本開示によって作製された包装材料の一実施形態の平面図である。
【
図2】本開示の包装材料を組み込んだ喫煙物品の一実施形態の斜視図である。
【
図4A】本開示によって作製された手巻きの包装材料のスタックの斜視図である。
【
図4B】
図4Aのスタックに含まれる包装材料の1つの平面図である。
【0026】
本明細書及び図面における参照符号の繰り返しの使用は、本発明の同一または類似の特徴または要素を表すことを意図している。
【発明を実施するための形態】
【0027】
定義
【0028】
本明細書で使用するとき、「再構成植物材料」または「再構成カカオ材料」は、カカオシェルなどの植物原料を溶媒で抽出して、水溶性抽出物などの可溶性の抽出物と、繊維材料を含む不溶性の部分または残渣(不溶性の繊維材料)とを抽出するプロセスによって形成される材料を指す。抽出された不溶性の繊維材料は、その後、任意の適切なプロセスによってシートに形成される。可溶性の抽出物は、廃棄されるか、または、上記の形成されたシートに再適用され得る。可溶性の抽出物は、繊維材料に再適用する前に、該抽出物を濃縮するための、または、任意選択で様々な成分を除去または添加するための様々なプロセスに供してもよい。本開示では、再構成植物材料は、抽出されたカカオハスク繊維を、セルロース繊維などのウェブ構築繊維と組み合わせることによって形成される。カカオハスク繊維から得られた可溶性の抽出物は、任意選択でシートに再適用される。したがって、包装材料、ウェブ、及び/またはシートはすべて、再構成植物材料で形成されてもよく、説明全体を通してそのように言及され得ることを理解されたい。
【0029】
本明細書で使用するとき、「エアロゾル生成材料」とは、喫煙物品内で燃焼される可燃性材料と、加熱されるが燃焼されずに吸入可能なエアロゾルを生成するエアロゾル生成材料との両方を含むことを意味する。可燃性の喫煙物品としては、フィルタまたはチップの有無にかかわらず、機械製または手作りのシガレット、シガリロ、シガーなどが挙げられる。シガレットでは、エアロゾル生成材料は、喫煙可能なロッドを形成するために包装材料によって包装されるが、包装材料自体に含まれていてもよい。エアロゾルを生成するためのエアロゾル生成装置としては、例えば、電気的加熱、または可燃性燃料要素または熱源からの熱の伝達によってエアロゾル生成材料を燃焼させることなく加熱し、それにより、該材料から揮発性化合物を放出させることによってエアロゾルを生成する装置が挙げられる。エアロゾル生成材料から放出された揮発性化合物は、冷却されると凝縮してエアロゾルとなり、喫煙者に吸入される。
【0030】
本明細書で使用するとき、「抽出されたカカオハスク繊維」とは、カカオハスクに含まれている水溶性成分の90%超を除去するために、カカオハスクを水溶液と接触させる抽出プロセスを経たカカオハスク繊維を指す。この抽出プロセスは、脱リグニンプロセスや漂白処理とは異なるプロセスである。
【0031】
本明細書で使用するとき、「脱リグニン化された」セルロース繊維とは、化学的手段、機械的手段、または化学的手段と機械的手段との組み合わせによってセルロース繊維を植物材料から分離するパルプ化や脱リグニンプロセスを経た繊維を指す。
【0032】
本明細書で使用するとき、「大麻(cannabis)」とは、例えばカンナビスサティバやカンナビスインディカなどの、任意の種類の大麻植物を指す。より具体的には、本開示では、大麻植物の葉、茎、種子、花、または他の任意の部分を、大麻と称する。それにもかかわらず、本明細書で言及される大麻は、平均レベルもしくは高レベルのTHC及び/またはCBDを含有するマリファナ、低レベルもしくは非常に低レベルのTHCを含有するヘンプ、0.3%未満のTHCを含有する工業用ヘンプ、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0033】
本明細書で使用するとき、「精製する」という用語は、植物材料が繊維状のシートまたは基材を形成するのに適するように、植物材料の繊維を改質する機械的処理を該材料に施したことを意味するために使用される。精製は、円錐リファイナー、ディスクリファイナ、またはビーターを使用して行うことができる。この機械的プロセスは、植物材料を研削または叩解し、植物材料を除細動させる。精製は、脱リグニンプロセスやパルプ化とは異なるプロセスである。
【0034】
叩解度(濾水度)(°SR)は、一般に、精製された繊維から希薄懸濁液が排出される速度を測定する。叩解度は、排水性に関するショッパー・リーグラー法によって測定した。本明細書で使用するとき、叩解度は、NORM EN ISO 5267-1に準拠する濾水試験方法に従って測定される。
【0035】
本明細書で使用するとき、基材もしくは再構成植物材料またはエアロゾル生成材料に含まれる「水溶性抽出物の量」は、5グラムのサンプルを沸騰蒸留水中に10分間入れ、水溶性成分を含む抽出物を得ることによって決定される。溶媒に可溶な抽出物の乾物重量は、元のサンプルの乾物重量と抽出後のサンプルの乾物重量との差から計算される。次に、乾燥重量の差を使用して、サンプル中の水溶性抽出物の割合を測定する。
【0036】
詳細な説明
【0037】
本開示が例示的な実施形態の説明にすぎず、本開示のより広範な態様を限定することを意図するものではないことは、当業者には理解できるであろう。
【0038】
本開示は、一般に、カカオハスク及びウェブ構築繊維を含むウェブから形成される喫煙物品の包装材料に関する。このようにして、本開示による包装材料用のウェブは、カカオ焙煎プロセスの一部として、通常は廃棄物となる持続可能な材料から少なくとも部分的に形成される。さらに、抽出されたカカオハスクから形成されたウェブは、心地良いニュートラルな味を有し、パルプ繊維を含み得るウェブ構築繊維と組み合わせた場合でも、その吸収特性に起因して優れた担体として機能することが予想外に見出された。さらに、カカオハスクから少なくとも部分的に形成された包装材料は、心地良いニュートラルな味及び良好な担体特性に加えて、予想外に良好な燃焼特性を有することが見出された。
【0039】
さらに、カカオは喫煙時にニュートラルな味を有し、かつニコチンを含まないので、この包装材料を使用して、ニコチンを含まない喫煙物品を製造することができる。加えて、包装材料は、エアロゾル送達機能を有する他の材料及び/または局所添加剤(併せてエアロゾル送達剤と呼ばれ、以下でより詳細に説明される)と組み合わせるのに非常に適している。例えば、その良好な担体特性に起因して、包装材料はエアロゾル送達剤と組み合わされてもよく、または包装材料にエアロゾル送達剤を適用してもよい。タバコ材料と組み合わせる場合、本開示の包装材料は、そのニュートラルな特性に起因して、エアロゾル送達剤の味を全く損なうことがなく、実際に、刺激物の量を希釈及び減少させることによって、喫煙またはエアロゾル体験を向上させることができる。さらに、エアロゾル送達剤は、計量された量で、包装材料の形成後に適用され、包装材料を形成するために使用される材料の単なる固有の特性ではないので、活性量を含むエアロゾル送達剤の量は、注意深く制御され、計量される。
【0040】
上述したように、本開示の包装材料は、一般に、抽出されたカカオハスクをウェブ構築繊維と組み合わせることによって形成される。本開示で使用されるカカオ材料は、カカオの木とも呼ばれるテオブロマカカオから得られる。カカオの木は、熱帯原産の常緑樹である。カカオの木には、カカオポッドと呼ばれる果物が実る。カカオポッドは、一般的に黄色からオレンジ色を有し、熟すと1ポンド以上の重さになる。カカオポッドは、チョコレート、ジュース、ゼリーなどを製造するために使用される10~80個のカカオ豆を含む。カカオポッドからカカオ豆を取り出した後、そのカカオ豆を日光及び/または紫外線に曝して、乾燥硬化させる。個々の豆は殻または殻で覆われている。個々の豆は、ハスクまたはシェルで覆われている。ハスクまたはシェルは、カカオ豆を食品製造に使用する前に、カカオ豆から除去される。本開示の包装材料は、カカオのハスクまたはシェルから形成されるが、カカオポッドの他の成分を使用してもよい。
【0041】
従来は、カカオシェルから得られる繊維によって製造されるウェブは、包装材料を形成するため、あるいは、包装材料を形成する機械で使用するためには不十分な強度及び坪量を有していたので、カカオシェルから得られる繊維は、ウェブ材料の製造にはあまり適していないと考えられていた。しかしながら、本開示は、本開示に従ってウェブを選択的に形成することにより、カカオハスクを使用して包装材料を形成し得ることを見出した。
【0042】
一実施形態では、カカオハスクは、任意選択で切断または粉砕され、その後、水溶性成分を除去するための抽出プロセスに供される。次いで、抽出されたカカオハスクをウェブ構築繊維と組み合わせて、再構成シートなどの基材に形成する。基材は、任意選択で、カカオハスクから得られた抽出物で処理してもよい。あるいは、カカオハスクから得られた抽出物は、非水溶性繊維や他の材料と再び組み合わせないで、廃棄してもよい。再構成材料は、その後、乾燥させられ、ウェブ及び/または包装材料に形成される。ウェブ及び/または包装材料は、任意選択で、他の様々な成分と組み合わせてもよい。例えば、包装材料は、様々なエアロゾル送達剤で処理してもよく、及び/または、最初の精製プロセスの間またはその後に、タバコ材料または他のハーブ充填材料などの他の様々なエアロゾル送達化合物と組み合わせることにより、包装材料自体が、カカオ繊維と少なくとも1つの追加のエアロゾル送達化合物との組み合わせから形成されてもよい。あるいは、包装材料は、エアロゾル送達剤及び化合物を包装または包含するために単に使用されてもよく、または、一実施形態では、エアロゾル送達化合物で処理され、かつエアロゾル送達化合物を包装してもよい。
【0043】
本開示の包装材料を形成するときは、まず、カカオのシェルまたはハスクを収集し、任意選択でサイズを小さくする。例えば、一実施形態では、カカオ成分に対してグラインド操作、ミリング操作またはビート操作を施して、カカオ成分のサイズ小さくしたり、カカオハスクを個々の繊維に小さくしたりすることができる。例えば、一実施形態では、カカオシェルを含むカカオ材料をハンマーミルに供給して、カカオ材料をスクリーンに対して叩いて、繊維状の材料を製造することができる。
【0044】
例えば、
図1及び2を参照すると、一実施形態では、ウェブ(包装材料100)は、カカオハスク102の断片または繊維を含むことがわかる。したがって、カカオハスクは、粉砕または精製することにより個々の繊維になるが、一実施形態では、カカオハスクは、細かく砕かれるか、または精製されて断片になる。
【0045】
それでもなお、カカオシェルは、次いで、水溶性成分を除去するための穏やかな抽出プロセスに供される。具体的には、溶媒で抽出されたカカオハスク中に天然に含まれる糖、タンパク質、コロイド(ペクチン、デンプン)は、乾燥シリンダーへの結合、排水の困難性、またはタンク内での発酵の問題などの、いくつかの問題を引き起こす可能性がある。一実施形態では、抽出プロセスは、カカオシェルを水中に配置するステップと、水溶性ポーションが水中に抽出されることを可能にするステップとを単に含む。代替実施形態では、アルコール(例えば、エタノール)などの水混和性を有する様々な溶媒を水と組み合わせて、水性溶媒を形成する。水性溶媒の含水率は、いくつかの例では、溶媒の50重量%超、とりわけ、90重量%超であり得る。脱イオン水、蒸留水、または水道水を使用してもよい。懸濁液中の溶媒の量は大きく変動し得るが、一般的には、懸濁液の約50重量%~約99重量%の量、いくつかの実施形態では約60重量%~約95重量%の量、いくつかの実施形態では約75重量%~約90重量%の量で添加され得る。しかしながら、溶媒の量は、溶媒の性質、抽出を行う温度によって様々であり得る。一実施形態では、溶媒を加熱してもよい。当然ながら、様々な溶液が使用されてもよいが、抽出溶液はまた、カカオ繊維を無傷のままにしながら可溶性化合物を除去するために効果的であるように選択されるべきである。一実施形態では、例えば、抽出溶液は、水を含み得る高温の水溶液である。
【0046】
溶媒中のカカオハスクは、可溶化速度を増加させるために、撹拌、振盪、または他の混合方法を用いて任意選択でかき混ぜられる。一般的に、このプロセスは、約30分~約6時間実施される。プロセス温度は、約10℃~約100℃の範囲、例えば約40℃~約80℃の範囲であり得る。
【0047】
カカオ材料を浸漬させ、必要に応じて攪拌した後、プレス機を使用して、カカオハスクの不溶性部分をカカオハスクの可溶性部分から機械的に分離するか、カカオハスクの可溶性部分を含む溶媒から分離する。可溶性部分を不溶性部分から分離した後、可溶性部分は廃棄するか、または濃縮などの処理が施される。可溶性画分は、真空蒸発器などの既知の種類の濃縮器を使用して濃縮することができる。本開示の一実施形態では、可溶性画分は、高濃度であり得る。一実施形態では、例えば、カカオ可溶性画分は、約20%~約40%、例えば約25%~約35%の最終ブリックスを有するように蒸発させる。
【0048】
抽出プロセスは、包装材料の処理を容易にするために可溶性化合物を除去するが、抽出プロセスは、他の望ましくない化合物を除去するために使用することもできる。例えば、抽出プロセスによって、農薬及び他の化合物がカカオの可溶性部分から除去され、その後、可溶性部分の任意選択の濃縮の前に、可溶性部分からさらに除去される。このプロセスは農薬に関して説明されているが、抽出プロセスは、ウェブ構築繊維で使用される他の植物から、タバコ、ニコチン、カフェイン、及び最終産物に含まれていないことが望ましいその他の化合物などの、望ましくない化合物を除去するために使用されることを理解する必要がある。
【0049】
上記のようにして得られた濃縮されたカカオ可溶性画分は、廃棄してもよく、別のプロセスで使用してもよく、または、以下でより詳細に説明するように、後で本開示の包装材料上にコーティングしてもよい。
【0050】
上記のようにして得られた不溶性カカオ画分は、一般的に、未精製の状態にある。カカオ材料は、粒子、断片、及び繊維を含み得る。一実施形態では、抽出された不溶性カカオ画分は、精製プロセスに供される。例えば、抽出されたカカオハスク材料は、円錐リファイナーやディスクリファイナなどの任意の適切なリファイニングデバイスに供給することができる。使用することができる他の精製装置としては、バレービーターなどのビーターが挙げられる。精製は、カカオ材料が湿っている状態で、または、カカオ材料を水と混合した後に行うことができる。例えば、一実施形態では、カカオハスク材料は、そのコンシステンシーが約10%未満、例えば約5%未満、例えば約3%未満の状態で精製される。
【0051】
精製プロセスの前または精製プロセス中に、抽出されたカカオハスク材料は、ウェブ構築繊維、及び任意選択で1つのミネラル充填材料と組み合わされる。脱リグニンセルロース繊維などのウェブ構築繊維、及び充填材料を、水中または水溶液中のカカオハスク材料と組み合わせて、懸濁液(スラリー)を形成することができる。特に、本開示は、カカオハスク、ウェブ構築繊維、及び少なくとも1つの充填材料の組み合わせが、包装材料用シートなどのシートを形成するために十分な強度を有する、カカオを含むウェブの形成を可能にすることを予想外に見出した。従来は、カカオウェブは、包装材料またはシートを形成するために必要な引張強度及び/または他の特性を欠いていたので、包装材料を形成するのに効果的ではなかった。したがって、驚くべきことに、本開示は、カカオハスク、ウェブ構築繊維、及び充填材料がスラリー中で組み合わされ、引張強度を含む良好な強度特性、及び適切な透過性を有する包装材料を形成するのに十分な時間にわたって処理されることにより、形成されたウェブを使用して包装材料を形成し得ることを見出した。
【0052】
ウェブ構築繊維は、抽出されたカカオハスク材料と組み合わされ、精製プロセスに供される。あるいは、抽出されたカカオハスク材料は、精製プロセスを施した後に、ウェブ構築繊維と組み合わされてもよい。さらに別の態様では、抽出されたカカオハスク材料は、精製プロセスを施した後にウェブ構築繊維と組み合わされ、その後、さらなる精製プロセスに供される。
【0053】
抽出されたカカオハスク材料及び/またはウェブ構築繊維を精製する量は、その後に形成されるウェブの様々な特性に影響を与える。例えば、カカオハスク材料及び/またはウェブ構築繊維の精製量を増加させると、包装材料の切断を容易にすることができる。さらに、精製量を増加させると、粒子を捕捉しやすくなり、これにより、包装材料の取り扱い時の粒子の損失を防止することができる。
【0054】
一態様では、カカオハスク材料とウェブ構築繊維とを組み合わせて、約60°SR超、例えば約65°SR超、例えば約70°SR超、例えば約75°SRの精製レベルまたは精製度を有し得る。精製レベルは、一般的に、約100°SR未満、例えば、約90°SR未満、例えば約80°SR未満であり得る。
【0055】
上記のスラリーを形成及び精製した後、スラリーを使用して、連続した再構成シートまたはウェブを形成する。例えば、一実施形態では、スラリーは、成形ワイヤ、重力ドレイン、吸引ドレイン、フェルトプレス、及び乾燥機(ヤンキー乾燥機やドラム乾燥機など)を含み得る製紙プロセスに供される。例えば、一実施形態では、繊維スラリーは、フォードリニア・テーブル上で連続シートに形成される。
【0056】
一実施形態では、繊維スラリーは、多孔質成形面上に置かれ、シートに成形される。余分な水は、重力ドレイン及び/または吸引ドレインによって除去される。加えて、水の除去を容易にするために、様々なプレスを用いることができるが、形成されたシートを乾燥させた後、さらなる処理を施すことができる。
【0057】
任意選択で、形成された包装材料は、不溶性部分から分離された濃縮されたカカオ可溶性部分などのカカオ可溶性部分で処理してもよい。カカオ可溶性部分は、スプレー、サイズプレスの使用、コーティングなどの様々な塗布方法を用いてウェブに適用することができる。再構成材料に適用される水溶性カカオ抽出物の量は、様々な要因及び予想される最終用途に依存する。一般に、水溶性カカオ抽出物は、下層材料のニュートラルな味に悪影響を及ぼすことのない量で、包装材料に適用される。例えば、一実施形態では、水溶性カカオ抽出物は、再構成された材料が最大約10重量%の量、例えば約8重量%未満の量、例えば約6重量%未満の量、例えば約4重量%未満の量、例えば約2重量%未満の量、または例えば約1重量%未満の量、かつ、一般的に約0.5重量%超の量で含まれるように、再構成材料に適用される。しかしながら、本発明の別の実施形態では、水溶性カカオ抽出物は、約10重量%超の量、例えば約15重量%超の量、例えば約20重量%超の量、例えば約25重量%超の量、例えば最大約30重量%の量で含まれるように、再構成材料に再適用されることにより、最終的な喫煙物品にカカオの香りを提供する。
【0058】
これまで、包装材料の形成は、最初にカカオハスクを抽出して精製し、次いでカカオの不溶性部分をウェブ構築繊維の精製されたパルプと混合すると説明したが、カカオ及びウェブ構築繊維が抽出されるように、1以上の種類のウェブ構築繊維を抽出段階中にカカオハスクと混合し、次いで、精製プロセス中のスラリーの形成中に、ミネラル充填材料を任意選択で添加してもよいことが理解されるべきである。当然ながら、上記のように、カカオを別々に抽出し、次いで、パルプ化プロセス及び精製プロセス中にウェブ構築繊維、及び任意選択でミネラル充填材料と混合してもよい。
【0059】
ウェブまたはシートを形成するために使用される方法であるにもかかわらず、一実施形態では、ウェブ構築繊維は、例えば、パルプを生成するために溶媒中で抽出された植物の繊維であり得る。ウェブ構築繊維は任意の種類の植物から得られるが、一実施形態では、ウェブ構築繊維は脱リグニン化セルロース繊維である。例えば、ウェブ構築繊維は、針葉樹繊維や広葉樹繊維などの木材パルプ繊維を含み得る。使用することができる他のセルロース繊維としては、亜麻繊維、麻繊維、アバカ繊維、竹繊維、ココナッツ繊維、綿繊維、カポック繊維、ラミー繊維、ジュート繊維、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。特定の一実施形態では、再構成植物材料は、針葉樹繊維を単独で含むか、または、広葉樹繊維やアバカ繊維などの他の繊維と組み合わせて含む。
【0060】
ウェブ構築繊維を形成するために選択される繊維とは関係なく、カカオ材料は、ウェブまたは包装材料に、約1~約99重量%、例えば約5~約95重量%、例えば約20~約80重量%、例えば約30~約70重量%、例えば約40~約60重量%、またはそれらの間の任意の範囲の量で含まれる。
【0061】
さらに、ウェブ構築繊維は、ウェブまたは包装材料に、約1%~約99重量%、例えば約5~約95重量%、例えば約10~約80重量%、例えば約20~約70重量%、例えば約40~約60重量%、またはそれらの間の任意の範囲の量で含まれる。
【0062】
一態様では、カカオ材料と組み合わされたウェブ構築繊維の量は、包装材料に完全性を付与することができる量であり得る。しかしながら、ウェブ構築繊維の量が多いと、材料を切断するときの困難さが増大する。また、ウェブ構築繊維の量が増加すると、喫煙物品に組み込まれたときに「紙」のような味がすることもある。したがって、一態様では、ウェブ構築繊維は、包装材料またはウェブに、一般的に約18重量%超の量、例えば約20重量%超の量、例えば約22重量%超の量で含まれ得る。また、ウェブ構築繊維は、包装材料に、約30重量%未満の量、例えば約28重量%未満の量、約26重量%未満の量で含まれ得る。
【0063】
一実施形態では、再構成植物材料に組み込まれたウェブ構築繊維は、長い繊維と短い繊維との組み合わせを含む。長い繊維は、一般的に、約2mm超の長さを有する。一方、短い繊維は、一般的に、約1.5mm未満の長さを有する。長い繊維は、強度及び完全性を改善するために使用することができる。一方、短い繊維は、繊維基材中のカカオ繊維及び他の成分をより良好に保持することができる。一実施形態では、例えば、短い繊維は、再構成植物材料に、約5重量%超の量、例えば約10重量%超の量、かつ、一般的に約20重量%未満の量で含まれ得る。一方、長い繊維は、再構成ウェブ材料に、約10重量%超の量、約20重量%超の量、かつ、一般的に約50重量%未満の量、例えば約40重量%未満の量で含まれ得る。一実施形態では、短い繊維は広葉樹繊維を含み、長い繊維は針葉樹繊維を含む。例えば、長い繊維と短い繊維との重量比は、例えば、約6:1~約1:0.75であり得る。例えば、長い繊維(例えば針葉樹繊維)と短い繊維(例えば広葉樹繊維)との重量比は、約4:1~約1:1であり得る。上述したように、ウェブに含まれるウェブ構築繊維の総量は、一態様では、上記重量比と併せて、約18~約30重量%、例えば約20~約28重量%であり得る。
【0064】
選択される繊維とは関係なく、一実施形態では、充填材料は、再構成植物材料の形成を容易にするため、及び/または、再構成植物材料の外観または強度に影響を与えるためなどの任意の所望の目的のために、再構成ウェブ材料に組み込まれた粒子を含み得る。充填材料は、カオリン粘土、酸化マグネシウム、二酸化チタン、炭酸カルシウム、タルク、硫酸バリウム、ベントナイト、ゼオライト、ケイ酸塩、雲母、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。さらに、本開示による包装材料は、自然な色及び外観を有するので、白色の充填材料を選択する必要はない。したがって、当該技術分野で知られているように、追加の充填材料を使用してもよい。この充填材料の追加は、包装材料の機械的特性のうちのいくつか、特に包装材料への印刷または書き込みを可能にする特性を変更し得る。この充填材料はまた、包装材料に特定の官能特性を与え得る。本発明による包装材料中の充填材料は、包装材料に、0~40重量%、好ましくは5~20重量%、さらに好ましくは10~20重量%の量で含まれる。
【0065】
さらに、一実施形態では、充填材料の平均粒子サイズが約10μm以下、例えば約7.5μm以下、例えば約5μm以下、かつ、約0.1μm以上であるように充填材料の粒子サイズを注意深く制御する。当然ながら、代替実施形態では、粒子サイズは、充填材料から得られるべき所望の特性に基づいてさらに変化し得る。
【0066】
本発明の一実施形態では、再適用された抽出物を含まない再構成カカオ材料は、より良好に制御された引張強度及び透過性を有する連続的なウェブを形成するために、ウェブ構築繊維及び/またはミネラル充填材料によって再びパルプ化され得る。
【0067】
特に、本発明者らは、本開示に従って包装材料を形成することにより、良好な強度、滑らかさ、坪量、及び透過性を有するカカオを使用してウェブまたはシートを形成できることを見出した。したがって、本開示による包装材料は、製紙プロセスに耐えることができ、また、良好な官能特性及び燃焼特性を有し得る。さらに、以下でより詳細に説明するように、包装材料は、他の味またはエアロゾルの送達剤のための担体としてうまく機能することも見出された。
【0068】
例えば、本開示に従って作製された包装材料は、優れた機械的特性を有し、非常に望ましく、審美的な外観を有する。一般的に、包装材料は、約20gsm超、例えば約30gsm超、例えば約40gsm超、例えば約50gsm超、例えば約60gsm超、例えば約70gsm超、例えば約80gsm超、例えば約85gsm超の坪量を有する。一般的に、包装材料は、約100gsm未満、例えば約90gsm未満、例えば約80gsm未満、例えば約70gsm未満、例えば約60gsm未満、例えば約50gsm未満の、または、それらの間の任意の範囲の坪量を有する。上記の坪量の範囲内で、包装材料は非常に強く、約1,500cN/15mm超、例えば約1,000cN/15mm超、かつ、一般的に約4000cN/15mm未満の引張強度を示すことができる。引張強度は、ASTM試験D828-97を使用して測定することができる。
【0069】
本開示による包装材料はまた、良好な主流煙制御などの良好な喫煙特性を促進する透過性を有し得る。例えば、本開示による包装材料は、約10~約100コレスタ、例えば約20~約90コレスタ、例えば約30~約80コレスタ、例えば約35~約60コレスタ、または、それらの間の任意の範囲のコレスタ単位で測定された透過性を有し得る。
【0070】
本開示による包装材料は、自然にまたは本質的に所望の透過性を有するが、一実施形態では、包装材料の形成後にも孔を開けることも望ましい。穿孔は、当該技術分野で知られているように実施し、穿孔の数及び寸法は、所望の用途のために、必要に応じて選択し得る。
【0071】
上記の物理的特性に加えて、本開示に従って作製された包装材料は、1以上のカカオ繊維または粒子による天然の斑点を有する、特徴的な天然の外観を示すことができる。例えば、再び
図1及び2を参照すると、本開示に従って形成される包装材料は、包装材料100の表面上に見えるカカオハスク102の1以上の断片またはストランドを有する。
【0072】
さらに、本開示による包装材料は、天然の外観を有することに加えて、心地良いテクスチャーも有し得る。包装材料には、その天然の外観を強調する比較的粗い表面を設けることができ、あるいは、より滑らかな感触をもたらすためにさらにカレンダー加工することができる。
【0073】
本開示の包装材料はまた、より良い味の特性を有する喫煙物品を製造する。例えば、本開示の包装材料は、従来のシガレットペーパーよりも紙のような味が少ない。代わりに、ウェブ構築繊維が包装材料に最大約70重量%以上の量で含まれる場合であっても、穏やかで、中性で、心地良い味が観察された。本開示による包装材料は、多少の重量のウェブ構築繊維を有し得るが、包装材料の重量の大部分がウェブ構築繊維で形成された場合でさえ、心地良いニュートラルな味が維持されたことは驚くべきことであった。
【0074】
さらに、包装材料は、従来のタバコ包装材料に対して外観が改善された凝集性の灰を生成する。特に、本開示による包装材料は、従来のタバコ包装材料と比較して、灰の外観及び可燃性が改善されている。
【0075】
上記のように、包装材料は天然に良好な味及び燃焼特性を有し得るが、驚くべきことに、包装材料は、エアロゾル生成充填材料や、香料、有効成分、油、及び抽出物を含み得る局所添加剤どの他のエアロゾル送達剤のための優れた担体であることが見出された。例えば、上記のように、局所添加剤の一例はカカオハスクの可溶性部分であり、カカオハスクの可溶性部分は、任意選択で濃縮され、ウェブの形成後に包装材料に再適用されて、さらなる味及び煙特性を付与し得る。一方、エアロゾル生成充填材料は、香料または成分を追加するために、再構成ウェブに組み込まれる植物またはハーブに由来する成分であり得る。したがって、本明細書で使用される場合、エアロゾル送達剤は、エアロゾル生成充填材料及び/または局所添加剤の両方を指すために使用され得る。
【0076】
特に、再構成植物材料が上記のように繊維状の基材またはウェブに形成されると、再構成植物材料は、任意の適切な喫煙物品で使用するための包装材料として使用することができる。本開示の包装材料は、非常に中性かつ心地良い味を有するエアロゾルまたは煙を生成する。再構成植物材料によって生成されたエアロゾルは、不快な成分を有していない。事実、抽出されたカカオハスクが含まれていることにより、いくつかの実施形態では、焙煎されたカカオの匂い及び/または味が生成され得る。特に有利なことに、本開示の包装材料はニコチンを含まず、したがって、ニコチンを含まない喫煙物品またはニコチンを含まないエアロゾル生成製品を製造するために使用することができ、あるいは、上記製品におけるニコチン送達を制御するために使用することができる。
【0077】
一実施形態では、例えば、本開示の包装材料は、包装材料の製造中にタバコと組み合わせることができ、あるいは、タバコ材料を包装するために使用することにより、タバコ材料自体によって生成されるエアロゾルと比較して、ニコチンの量が制御されたエアロゾルまたは煙を生成するエアロゾル生成材料を形成することができる。例えば、本開示の包装材料は、ニコチンまたはタバコ香料の量が制御されたエアロゾルを生成するために十分な量の、任意の適切なタバコ材料と組み合わせることができ、あるいはそのようなタバコ材料を包装することができる。例えば、一実施形態では、包装材料は、特に天然のタバコ製品と比較して少量のニコチンを含み、ニコチンは、包装材料に約0.5重量%以下の量で含まれ得る。あるいは、ニコチンが約0.5重量%超の量で包装材料に含まれるように、ニコチンの含有量が低い上記の実施形態と比較して、ニコチンの含有量が「高い」包装材料を形成し得る。
【0078】
本開示の包装材料とブレンドされた、または本開示の包装材料によって包装されたタバコ材料は、例えば、カットリーフタバコ、再構成タバコ材料、またはそれらの組み合わせを含み得る。一実施形態では、本開示の材料は、ウェブ構築繊維に加えてタバコ材料で精製することができ、これにより、ニコチン送達が制御され、かつ、望ましい味及び匂いを有するエアロゾル生成材料が形成される。
【0079】
さらに別の実施形態では、本開示の包装材料は、タバコ材料と組み合わされるか、タバコ材料を包装する代わりに、あるいは、タバコ材料と組み合わされるか、タバコ材料を包装することに加えて、ニコチンを含むエアロゾル送達組成物で処理され得る。例えば、エアロゾル送達組成物は、制御された量のニコチンを材料に組み込むために、包装材料に局所的に適用することができる。包装材料にニコチンを適用することにより、多くの利点及び利益をもたらすことができる。例えば、包装材料にニコチンを適用することにより、包装材料がエアロゾルに変換されて吸入されるときに、正確な量のニコチンを送達することができる。さらに、ニコチンは、材料によって生成されるエアロゾルに含まれるニコチンの量が均一であり、排煙から排煙まで一貫するように、包装材料に適用することができる。その結果、一実施形態では、本開示の包装材料を使用して、少量のニコチンなどの制御された量のニコチンを送達しながら、ニュートラルで心地良い味のエアロゾル生成材料を製造することができる。
【0080】
例えば、一実施形態では、包装材料に適用されるエアロゾル送達組成物は、特に天然のタバコ製品と比較して、少量のニコチンを含むことができ、ニコチンは、約0.5重量%の量で包装材料に含まれ得る。あるいは、ニコチンが約0.5重量%超の量で包装材料に含まれるように、ニコチンの含有量が低い上記の実施形態と比較して、ニコチンの含有量が「高い」包装材料を形成し得る。それに加えてまたはその代わりに、ニコチンの全部または一部が抽出され得るタバコ材料を使用してタバコの味及び匂いを生成することができ、ニコチンをエアロゾル送達組成物の形態で包装材料に別々に適用することにより、ニコチンレベルをより良好に制御することができる。この実施形態では、タバコ材料は、エアロゾル生成材料に、約50重量%未満、例えば約40重量%未満、例えば約30重量%未満、例えば約20重量%未満、例えば約10重量%%未満、かつ、一般的に約2重量%超の量で含まれ得る。
【0081】
タバコ材料と組み合わせることに加えて、本開示の包装材料は、任意の適切なエアロゾル生成繊維と組み合わせることができ、あるいは、任意の適切なエアロゾル生成充填材料を包装することができることを理解されたい。例えば、本開示の再構成植物材料はまた、ハーブ植物、植物、及び樹木などの他の植物材料(喫煙可能な繊維を形成するために使用され得るハーブ、植物、及び樹木を含む)から作られたエアロゾル生成充填材料、または、ハーブの喫煙可能な物品(例えば、カカオの木、コーヒーの木、またはコーヒー豆、茶の木または茶葉、つる、生姜、ギンコ、カモミール、トマト、ツタ、マット、ルイボス、キュウリ、ミント、穀物(小麦、大麦、またはライ麦など))、広葉樹もしくは樹脂樹などの他の樹木、またはそれらの組み合わせ、と組み合わせることができる。
【0082】
ニコチンに加えて、本開示の包装材料は、他のエアロゾル送達剤を受け取るのに非常に適している。例えば、包装材料は吸収性が高く、最大40重量%の量で局所添加物を含むことができる。この点に関して、本開示の包装材料はまた、様々な異なるエアロゾル送達組成物の担体として作用するのに非常に適している。例えば、各エアロゾル送達組成物は、1以上のエアロゾル送達剤を含むことができる。
【0083】
本開示の包装材料に適用することができるエアロゾル送達組成物としては、溶液、懸濁液、オイルなどが挙げられる。例えば、溶液や懸濁液を包装材料に適用し、その後乾燥させて、繊維基材内に固形残留物を残すことができる。
【0084】
一実施形態では、エアロゾル送達組成物は、包装材料に適用するために、植物から植物物質を抽出することによって得ることができる。それに加えてまたはその代わりに、本開示は、包装材料に適用される改変植物物質を得るために、植物物質から少なくとも1つの化合物を単離するステップ、植物物質を濃縮するステップ、または植物物質から化合物を精製または除去するステップを含み得る。任意選択であるが、このようなプロセスは、包装材料に適用される植物物質の所望の最終特性に基づいて、乾燥抽出物、液体抽出物、液体、または単離物質のいずれの形態でも、元の生の植物物質を改変された植物物質に変換することができる。当然ながら、植物物質は、元の植物物質または改変された植物物質であってもよいが、一実施形態では、植物物質は、抽出後にさらなる処理を施すことなく、包装材料に適用される。さらに、エアロゾル送達組成物は、植物から抽出されるものとして記載されているが、合成または天然由来のエアロゾル送達組成物(つまり、抽出する必要がない)を使用してもよいことを理解されたい。
【0085】
エアロゾル送達組成物に含まれ得るエアロゾル送達剤の例には(ニコチンに加えて)、糖、甘草抽出物、メントール、蜂蜜、コーヒー抽出物、メープルシロップ、タバコ抽出物、草木の抽出物、植物抽出物、茶、果実抽出物、香料(クローブ、アニス、シナモン、ビャクダン、ゼラニウム、ローズオイル、バニラ、キャラメル、ココア、レモンオイル、カシア、スペアミント、フェンネル、ショウガなど)、香料やアロマ(ココア、バニラ、キャラメルなど)、薬用植物、野菜、スパイス、根、ベリー、バー、シーク、エッセンシャルオイルやその抽出物(アニスオイル、クローブオイル、カルボンなど)、人工的なフレーバーや香料(バニリンなど)、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。包装材料に適用される抽出物は、水溶性または油溶性であり得る。したがって、様々な担体液体を使用して、包装材料にエアロゾル送達剤を適用することができる。
【0086】
一実施形態では、本開示の包装材料は、大麻から得られる成分のための担体として使用することができる。例えば、大麻は、最近、米国の多くの州で、医療用及び娯楽用の両方で合法化された。さらに、大麻に含まれる様々な化学物質や化合物は、オピオイドなどの従来の鎮痛薬に代わる鎮痛剤としてますます一般的になってきている。例えば、大麻には、痛みの緩和に使用することができる様々なカンナビノイドが含まれている。大麻から生成されたエアロゾルを吸入することは、大麻に含まれている薬物を使用者に送達するための最も一般的で最も安価な方法である。しかしながら、残念なことに、乾燥させた大麻の芽や葉から生成されたエアロゾルを単に吸入するだけでは、植物に含まれている鎮痛薬が不均一な濃度で送達される可能性がある。例えば、カンナビノイドの送達は、エアロゾルを生成するために使用される特定の植物や特定の植物部分に応じて劇的に変化する。さらに、カンナビノイドの送達は、材料の充填密度、エアロゾルを生成するために使用される特定の種類のエアロゾル生成装置または喫煙物品などの他の要因に応じて劇的に変化する。加えて、大麻植物から生成されたエアロゾルには刺激物が含まれている場合があり、その場合には、比較的刺激の強いエアロゾルや煙を生成される。
【0087】
本開示の包装材料に組み込むことができるカンナビノイドとしては、カンナビジオール(CBD)及びテトラヒドロカンナビノール(THC)が挙げられる。大麻に含まれるTHCは、脳内の特定の受容体に作用して、多幸感やリラックス状態をもたらす。一方、CBDはまた、脳の痛覚受容体に作用するが、THCによって生じるような多幸感をもたらさない。本開示によれば、一実施形態では、THCを本開示の包装材料に適用すること、CBDを包装材料に適用すること、または、THC及びCBDの両方を包装材料に適用することができる。
【0088】
THC及びCBDに加えて、他の様々なカンナビノイドも、本開示に従って、エアロゾル送達組成物に組み込み、包装材料に適用することができる。例えば、大麻に含まれるカンナビノイドとしては、カンナビクロメン、カンナビノール、カンナビゲロール、テトラヒドロカンナビバリン、カンナビジバリン、カンナビジオール酸、他のカンナビジオール誘導体、及び他のテトラヒドロカンナビノール誘導体が挙げられる。上記のカンナビノイドは、単独でまたは任意の組み合わせで使用し、包装材料に適用することができる。
【0089】
上記のカンナビノイドは、様々な方法を用いて包装材料に適用することができる。例えば、一実施形態では、CBDなどのカンナビノイドは、溶液または水性懸濁液として包装材料に適用することができる水溶性の形態または粉末に配合することができる。あるいは、大麻油抽出物は、生の大麻植物から得ることができる。油抽出物は、THCを単独で、CBDを単独で、または、THCとCBDとの組み合わせを含み得る。油抽出物は、包装材料から生成されたエアロゾルが制御された量のカンナビノイドを含むように、包装材料に適用され得る。また、包装材料は、制御された量のカンナビノイドを含むことに加えて、包装材料から生成されたエアロゾル中のカンナビノイドの均一な送達を提供するように構成され得る。
【0090】
包装材料に添加することができる他の成分は、様々な香料、特にテルペンである。例えば、テルペンまたはテルペンのブレンドを使用することにより、望ましい香りを生成し、ユーザに製品の品質を示すことができる。また、1種以上のテルペンは、包装材料から生成されたエアロゾルを吸入するときの知覚反応を改善することができる。
【0091】
様々なテルペンを包装材料に適用することができる。そのようなテルペンとしては、これに限定しないが、ピネン、フムレン、b-カリオフィレン、イソプレゴール、グアイオール、ネリルアセテート、ネオメンチルアセテート、リモネン、メントン、ジヒドロジャスモン、テルピノレン、メントール、フェランドレン、テルピネン、ゲラニルアセテート、オシメン、ミルセン、1、4-シネオール、3-カレン、リナロール、メントフラン、ペリリアルコール、ピナン、ネオメンチルアセチル、α-ビサボロール、ボルネオール、カンフェン、カンファー、カリオフィレンオキシド、α-セドレン、β-オイデスモール、フェンコール、ゲラニオール、イソボロネオール、ネロール、サビネン、α-テルピネオール、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0092】
一実施形態では、天然の大麻植物に見られるテルペンの比率を模倣するために、様々な種類のテルペンをブレンドすることができる。例えば、約2~約12種類のテルペンをブレンドして、包装材料に適用することができる。各テルペンは、包装材料に、約0.001重量%超の量で、かつ、一般的に約2重量%未満の量で適用され得る。例えば、各テルペンは、約0.01重量%~約1.5重量%の量で適用され得る。あるいは、例えば、各テルペンは、約0.1重量%~約1.1重量%の量で適用され得る。
【0093】
テルペンの例示的なブレンドとしては、α-ピネン、β-カリオフィレン、及びβ-ピネン;α-フムレン、α-ピネン、β-カリオフィレン、β-ピネン、及びグアイオール;β-カリオフィレン、β-ピネン、及びd-リモネン;β-カリオフィレン、β-ピネン、及びネロリドール;β-カリオフィレン、β-ピネン、d-リモネン、及びテルピノレン;α-ビサボロール、α-ピネン、β-カリオフィレン、β-ミルセン、β-ピネナ、及びd-リモネン;β-カリオフィレン、β-ピネナ、及びp-シメン;α-フムレン、β-カリオフィレン、β-ピネン、d-リモネン、リナロール、及びネロリドール;β-カリオフィレン、及びβ-ピネン;β-カリオフィレン、β-ミルセン、及びテルピノレン;α-ピネン、β-カリオフィレン、β-ピネン、及びd-リモネン;α-フムレン、α-ピネン、β-カリオフィレン、β-ミルセン、β-ピネナ、d-リモネン、及びグアイオール、が挙げられる。
【0094】
選択されるエアロゾル送達組成物及び薬剤とは無関係に、本開示による包装材料は、エアロゾル送達組成物及び薬剤の担体として使用することができる。包装材料は心地良いニュートラルな味及び匂いを有するので、包装材料は、エアロゾル送達組成物及び薬剤によって加えられる味及び匂いを示し得る。エアロゾル送達組成物及び薬剤は、包装材料に、少なくとも約1重量%超、例えば少なくとも約5重量%以上、例えば少なくとも約10重量%以上、例えば少なくとも約15重量%以上、例えば少なくとも約20重量%以上、例えば少なくとも約25重量%以上、例えば少なくとも約30重量%以上、例えば少なくとも約35重量%以上、例えば40重量%以下の量で含まれ得る。当然ながら、一実施形態では、カカオ抽出物の可溶性部分を包装材料に再適用することができる。可溶性部分は、エアロゾル送達剤に関して上記のように任意の量で適用され得るが、カカオハスクの可溶性部分は、包装材料に、約0.1重量%超、例えば少なくとも約1重量%以上、例えば少なくとも約5重量%以上、例えば少なくとも約10重量%以上、例えば少なくとも約15重量%以上、例えば少なくとも約20重量%以上、例えば少なくとも約25重量%以上、例えば少なくとも約30重量%以上、例えば少なくとも約35重量%以上、例えば40重量%以下の量で含まれ得る。本開示に従って作製された包装材料は、あらゆる様々な種類の喫煙物品及びエアロゾル生成材料に組み込むことができる。説明のみを目的として、そのような喫煙物品の1つを
図2及び3に示す。図示のように、喫煙物品10は、喫煙可能なカラム12を含む。喫煙物品10はまた、喫煙可能なカラム12の周りに巻き付けられたときに外周面16を画定する包装材料100を含む。喫煙物品10はまた、チップペーパーで巻かれるフィルタ26を含む。
【0095】
図2及び3に示す喫煙物品は、一般的に、シガレットを含む。しかしながら、他の実施形態では、本開示の包装材料を使用して、シガリロ及び小さな葉巻を製造することができる。図示されていないが、例えば、シガリロはプラスチック製のチップを含むことができる。
【0096】
本開示による包装材料100を利用することができる物品にもかかわらず、
図4Aは、包装材料100が、天然の、または少なくとも喫煙可能または食用の接着剤104によって、1以上の隣接する包装材料100に貼り付けられた個々の包装材料100の冊子体として構成されている、本開示の実施形態を示す。
図4Bに示すように、一実施形態では、接着剤104は、包装材料100の端部106などの、包装材料100の一部にのみ配置される。それに加えてまたはその代わりに、接着剤は、第2の面110の反対側である第1の面108にのみ配置される。そのような実施形態では、第1の包装材料100の第1の面108は、その上に配置された接着剤104を有し、隣接する包装材料100の隣接片の第2の面110と接触するように配置される。したがって、包装材料100の各片は、包装材料100のすぐ隣の隣接片または裏材112に接着するように、片面に接着剤を有する。しかしながら、別の実施形態では、接着剤104は、両方の面108、110、または、いずれかの面108、110の1以上の部分に配置されてもよいことが理解されるべきである。
【0097】
接着剤を適用する方法とは関係なく、接着剤は「再シール可能」であるように選択され、接着剤は、包装材料100の或る片を包装材料の隣接片から取り外すことをユーザが希望するまで、包装材料100の或る片を包装材料の隣接片に解放可能に接着するのに役立つ。そのような点で、接着剤104は、その接着特性を保持し、接着剤104が適用された包装材料100の一部に接着するのに役立ち、例えば、
図3を参照すると、接着剤104は、喫煙物品を形成するとき、包装材料100の第1の端部114、または第1の端部114に隣接する包装材料の領域を、第2の端部116、または第2の端部116に隣接する包装材料の領域に接着する。当然ながら、接着剤104を使用して、包装材料100の第2の片、または接着剤104が適用された包装材料100のいずれかの面の任意の部分に包装材料100を接着してもよい。例えば、接着剤104が利用される、あるいは望まれる実施形態は、手巻きの喫煙物品のためのものである。
【0098】
上記にかかわらず、シールまたは接着剤などの再シール可能な材料は、多くの様々なプロセスによって適用され得るが、一実施形態では、シール可能な材料または接着剤は、オフラインプロセスまたはオンラインサイジングプロセスによって適用される。いずれかの方法、または別の方法を使用して、接着剤104を少なくとも1つの部分(例えば、包装材料の少なくとも2つの部分、少なくとも3つの部分、またはそれ以上の部分)に適用してもよく、一実施形態では、包装材料の少なくとも片側の全部または大部分に接着剤104を適用してもよい。上記にかかわらず、オフラインガムを使用して接着剤104を適用する場合、接着剤104は、コーティング、スプレー、及び印刷を含む様々な技術によって塗布され得る。反対に、オンラインサイジングは、包装材料の製造中に、1以上の接着剤104をサイズプレスに追加するステップを含み得る。
【0099】
接着剤104が包装材料100に適用される方法であるにもかかわらず、一実施形態では、接着剤は、アルギネート、アラビアガム、グアーガム、ペクチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、セルロース誘導体(エチルセルロース、メチルセルロース及びカルボキシメチルセルロースなど)、デンプン、デンプン誘導体などを含み得る。
【0100】
1つの特定の実施形態では、接着剤は、アラビアガム、セルロース、及び/またはセルロース誘導体を含み得る。一実施形態では、セルロース誘導体には、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース(MC)、及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)が含まれる。当然ながら、当該技術分野で知られているように、他の接着剤材料が使用されてもよいことを理解されたい。
【0101】
使用される接着剤とは関係なく、接着剤は、包装材料またはウェブに、約0.1~約15重量%の量、例えば約2~約5重量%の量で含まれ得る。
【0102】
一実施形態では、本開示に従って製造された喫煙物品は、低延焼性を有する。例えば、喫煙物品の包装材料は、喫煙物品の軸方向に間隔を隔てて配置された複数の別個の低延焼領域を含む。例えば、一実施形態では、別個の低延焼領域は、輪状帯(circular band)の形態であり得る。輪状帯は、喫煙物品が静的燃焼状態に放置された場合に、酸素がコール(coal)を消火するのに十分な時間長さまたは期間にわたって、燃焼中のコールに酸素が限定されるような幅を有し得る。例えば、輪状帯は、約3mm超、例えば約4mm超、例えば約5mm超、かつ、一般的に約10mm未満、例えば約7mm未満、例えば、約8mm未満の幅を有し得る。
【0103】
低延焼性領域間の間隔は、様々な要因に応じて異なり得る。この間隔は、コールが低延焼性領域に燃焼する前に、シガレットが基材に点火するのに十分な時間長さにわたって燃焼するほど大きくすべきではない。また、この間隔は、燃焼中のコールの熱慣性、すなわち、コールが自己消火せずに低延焼性領域を燃焼するコールの能力にも影響する。一般的に、輪状帯の間隔は、約5mm超、例えば約10mm超、例えば約15mm超、かつ、一般的に約50mm未満、例えば約40mm未満、または例えば約30mm未満にするべきである。各喫煙物品は、約1つ~約3つの輪状帯を含み得る。
【0104】
一般的に、任意の適切な低延焼性組成物を、喫煙物品の包装材料に適用することができる。一実施形態では、例えば、低延焼性組成物は、膜形成材料を含む。例えば、本発明に従って使用することができる膜形成材料としては、アルギン酸塩、グアーガム、ペクチン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、セルロース誘導体(例えば、エチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース)、デンプン、デンプン誘導体などが挙げられる。
【0105】
特定の一実施形態では、膜形成材料は、アルギン酸塩を単独で、またはデンプンと組み合わせて含み得る。一般的に、アルギン酸塩は、褐藻類褐色海藻中にカルシウム、ナトリウム、カリウム及びマグネシウムの不溶性混合塩として存在する酸性の多糖またはガムの誘導体である。一般的に言えば、これらの誘導体は、様々な割合のD-マンヌロン酸及びL-グルロン酸からなる高分子量多糖類のカルシウム、ナトリウム、カリウム、及び/またはマグネシウム塩である。アルギン酸の塩または誘導体の例としては、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコール、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0106】
一実施形態では、分子量が比較的低いアルギン酸塩を使用してもよい。例えば、アルギン酸塩は、25°Cの3重量%の水溶液中に含まれる場合、約500cP未満の粘度を有する。より詳細には、アルギン酸塩は、上記の条件で、250cP未満、特に100cP未満の粘度を有し、一実施形態では、約20~60cPの粘度を有し得る。本明細書で使用するとき、粘度は、粘度に応じて適切なスピンドルを備えたBrookfield LVF粘度計によって測定したものである。上記の低粘度レベルでは、アルギン酸塩組成物は、固形分含有量が高いが、それでも、従来の技術を用いて組成物を紙製包装材料に適用するのに十分な低い溶液粘度で形成することができる。例えば、本発明に従って調製されるアルギン酸塩溶液の固形分含有量は、約6重量%超、特に約10重量%超、より具体的には、約10重量%~約20重量%の範囲であり得る。
【0107】
上記の固形分含有量では、本発明に従って使用されるアルギン酸塩組成物は、約250cP超、特に約500cP超、とりわけ約800cP超の溶液粘度を有し、一実施形態では、25°Cで約1、000cP超の粘度を有し得る。一般的に、アルギン酸塩膜形成組成物の溶液粘度は、膜形成組成物を包装材料に適用する方法に応じて調節することができる。例えば、膜形成組成物の溶液粘度は、該組成物を包装材料上にスプレーするか、または包装材料上に印刷するかに応じて調節される。
【0108】
他の実施形態では、用途に応じて、分子量が比較的高いアルギン酸塩を使用してもよいことも理解されたい。例えば、アルギン酸塩は、25°Cの3重量%水溶液中に含まれる場合、約500cPを超える粘度を有し得る。
【0109】
膜形成材料に加えて、包装材料に適用される低延焼性組成物は、他の様々な成分を含み得る。
【0110】
例えば、一実施形態では、低延焼性組成物は、充填材料を含み得る。充填材料の例としては、例えば、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウムなどが挙げられる。カルシウム化合物に加えて、酸化マグネシウムなどのマグネシウム化合物や、粘土粒子などの他の様々な粒子を使用してもよい。
【0111】
低延焼性組成物は、一実施形態では、水性であり得る。特に、低延焼性組成物は、水性分散液または水溶液を含み得る。または、紙製包装材料に適用される前の低延焼性組成物は、非水溶液または分散液を含み得る。この実施形態では、例えば、低延焼性組成物は、包装材料に適用するために、アルコールを含み得る。
【0112】
また、膜形成組成物とは異なり、低延焼性組成物は、セルローススラリー(分散液の一種)を含んでもよい。本明細書で使用するとき、製紙材料を含むスラリーは、膜形成組成物ではない。紙基材に適用されるセルローススラリーは、繊維状セルロース、1種類以上の充填材料、及び/またはセルロース粒子を含み得る。本明細書で使用するとき、セルロース繊維及びセルロース粒子は、カルボキシメチルセルロースなどの誘導体化セルロースと区別されるべきである。例えば、セルロース繊維及びセルロース粒子は、水溶性ではない。一実施形態では、包装材料に適用されるセルローススラリーは、微結晶セルロースを含み得る。
【0113】
形成された低延焼性組成物は、包装材料の別個の領域に適用される。低延焼性組成物を包装材料に適用する方法は様々である。例えば、低延焼性組成物は、包装材料上に、スプレーされるか、ブラシで塗布されるか、可動オリフィスで塗布されるか、または、印刷される。処理領域を形成するために、低延焼性組成物は、単一パスまたは複数パスの操作で適用され得る。例えば、低延焼性組成物は、低延焼性を有する包装材料上に低延焼性領域を形成するために、連続的なステップで包装材料に適用することができる。一般的に、複数パスのプロセスでは、約2~約8回のパスで低延焼性組成物を適用することによって、処理領域を形成することができる。
【0114】
包装材料に適用される低延焼性組成物の量は、様々であり得る。例えば、低延焼性組成物は、約15重量%未満、例えば約10重量%未満、または例えば約8重量%未満の量で包装材料に適用される。一般的に、低延焼性組成物は、低延焼性領域に含まれる低延焼性組成物の重量に基づいて1重量%超の量で適用される。
【0115】
本明細書で使用するとき、上記の重量パーセントは、化学成分で処理された面積に基づくものである。言い換えれば、低延焼性組成物についての上記の重量パーセントは、包装材料の全表面に適用される総量ではなく、処理領域内に適用される量である。
【0116】
本開示の方法により、比較的高い透過率を有し、かつ比較的低い拡散率を有する、低延焼性領域を形成することができる。例えば、低延焼性領域は、10 CORESTAより高い透過性を有するが、ASTM規格E2187-09試験に少なくとも75%の確率で合格する喫煙物品を製造することができる。
【0117】
一般的に、低延焼性領域は、比較的低い拡散率を有する。拡散率は、室温(23°C)で測定される。一般的に、低延焼性領域の23°Cでの拡散率は、約0.5cm/s未満、例えば0.4cm/s未満、または例えば0.3cm/s未満であり得る。一実施形態では、低延焼性領域は、所望の低延焼性を依然として有しながら、約0.05cm/s超、例えば約0.15cm/s超、例えば0.16cm/s超、または例えば0.17cm/s超の拡散率を有し得る。拡散率は、Sodim CO2拡散率テスターを用いて測定される。
【0118】
本開示による包装材料はそれ自体が良好な製造特性(例えば、引張強度)及び感覚特性を有するので、包装材料に添加剤は必要ないが、一般的に、本開示による包装材料は、1以上の添加剤を含み得る。添加剤は、包装材料を製造するために使用することにより、包装材料に新たな特性、例えば、引裂強度または折り畳み抵抗性などの化学的、光学的、感覚的または機械的特性を生じさせるか、あるいは付与することができる。一実施形態では、添加剤は、保湿剤、燃焼制御添加剤、ガム、湿潤強度剤、油バリア及び脂肪バリア剤、ブロッキング防止剤、乾燥強度剤、軟化剤、湿潤剤またはラティス(lattice)であり得る。
【0119】
一実施形態では、再構成ウェブ材料は、保湿剤をさらに含み得る。保湿剤は、様々な利益及び利点を提供するために、様々な理由で包装材料に組み込むことができる。例えば、一実施形態では、得られる繊維基材の加工性及び取り扱いを改善するために、保湿剤を包装材料に組み込むことができる。
【0120】
様々な保湿剤を本開示の包装材料に組み込むことができるが、保湿剤は、ポリオール、非ポリオール、またはそれらの組み合わせを含み得る。一般的には、ポリオール生成剤は、ソルビトール、グリセロール、プロピレングリコール、トリエチレングリコールまたはそれらの組み合わせであり得る。一般的には、非ポリオール生成剤は、乳酸、グリセリルジアセテート、グリセリルトリアセテート、トリエチルシトレートまたはイソプロピルミリステートまたはそれらの組み合わせであり得る。一実施形態では、保湿剤は、グリセロール、プロピレングリコール、またはグリセロールとプロピレングリコールとの組み合わせであり、グリセロールは、好ましいグリセロール、プロピレングリコール、またはそれらの組み合わせである。選択した保湿剤とは関係なく、保湿剤は、包装材料に0.1重量%~約5重量%、例えば約0.5重量%~約4.5重量%、例えば約1重量%~約4重量%、またはそれらの間の任意の範囲の量で含まれる。
【0121】
燃焼制御剤は、例えば、カルボン酸の塩を含み得る。例えば、燃焼制御剤は、カルボン酸のアルカリ金属塩、カルボン酸のアルカリ土類金属塩、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。使用可能な燃焼制御剤の例としては、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、酒石酸、炭酸、ギ酸、プロピオン酸、グリコール酸、フマル酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、硝酸、リン酸、またはそれらの任意の組み合わせの塩が挙げられる。使用可能な特定の燃焼制御剤としては、クエン酸カリウム、クエン酸ナトリウム、コハク酸カリウム、コハク酸ナトリウム、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。存在する場合、燃焼制御剤は、包装材料に、一般的に約0.1重量%超の量、例えば約0.5重量%超の量、または例えば約1重量%超の量、かつ、一般的に約5重量%未満の量、例えば約4重量%未満の量、例えば約3重量%未満の量、または例えば約2重量%未満の量で適用することができる。
【0122】
ガムは、アルギン酸塩、グアーガム、ペクチン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、セルロース誘導体(例えば、エチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース)、デンプン、デンプン誘導体などを含み得る。特定の一実施形態では、ガムは、アルギン酸塩を単独で、またはデンプンと組み合わせて含み得る。一般的に、アルギン酸塩は、褐藻類褐色海藻中にカルシウム、ナトリウム、カリウム及びマグネシウムの不溶性混合塩として存在する酸性の多糖またはガムの誘導体である。一般的に言えば、これらの誘導体は、様々な割合のD-マンヌロン酸及びL-グルロン酸からなる高分子量多糖類のカルシウム、ナトリウム、カリウム、及び/またはマグネシウム塩である。アルギン酸の塩または誘導体の例としては、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコール、及び/またはそれらの組み合わせが含まれる。接着剤に加えてガムを使用することができ、あるいは、一実施形態では、ガムは接着剤として機能し、上記のように包装材料の外部に適用される代わりにウェブの一部として提供される。
【0123】
湿潤強度剤は、包装材料が水などの液体と接触して配置された場合に、包装材料の劣化の可能性を低減し得る。一般的には、湿潤強度剤は、エピクロロヒドリン樹脂、ポリアミン-エピクロロヒドリン樹脂、ポリ(アミノアミド)-エピクロロヒドリン樹脂、尿素-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン-ホルムアルデヒド樹脂などのポリアミド、アルキルケテンダイマー、アルキルコハク酸無水物、ポリビニルアミン、酸化多糖類から選択され得る。一般的には、湿潤強度剤は、包装材料に0.1重量%~30重量%、好ましくは1重量%~15重量%、さらに好ましくは5重量%~10重量%の量で含まれる。
【0124】
ブロッキング防止剤は、材料の紙への接着を制限し得る。一般的には、ブロッキング防止剤は、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、アクリル酸エステル、シリコーン及びラテックスから選択され得る。
【0125】
乾燥強度剤は、包装材料が大きな機械的応力にさらされる場合に、包装材料の抵抗を増加させ得る。乾燥強度剤は、デンプン及び変性ガム、セルロースポリマー、合成ポリマー、例えばカルボキシメチルセルロース及びポリアクリルアミドから選択され得る。一般的には、乾燥強度剤は、包装材料に、乾燥重量の0.1重量%~15重量%、好ましくは1重量%~10重量%、さらに好ましくは1重量%~5重量%の量で含まれる。
【0126】
柔軟剤は、包装材料の柔らかさを改善し得る。一般的には、軟化剤は、脂肪酸、シロキサン化合物、シリコーン化合物、アミノシリコーン化合物、アロエベラの抽出物、スイートアーモンドの抽出物、カモミールの抽出物、第四級アンモニウム化合物である。一般的には、柔軟剤は、包装材料に、乾燥重量の0.1重量%~30重量%、好ましくは1重量%~15重量%、さらに好ましくは5重量%~10重量%の量で含まれる。
【0127】
完成したウェブまたは包装材料を乾燥させ、巻いてロールにする。例えば、一実施形態では、乾燥シートは、約15mm~約54mm、例えば約19mm~約28mmの幅を有するボビンに巻かれる。ウェブをボビンに巻く前に、ウェブをカレンダー加工することにより、材料の滑らかさ及び走行性を高めることができる。一実施形態では、例えば、マルチニップカレンダーデバイスを使用し得る。
【0128】
本開示に従って作製された包装材料は、優れた機械的特性を有し、かつ、非常に望ましい美的な外観を有する。美的外観は、染料(合成及び/または天然)及びフィリグリー技術を追加することによってさらに向上させることができる。
【0129】
本開示は、以下の実施例を参照することにより、より良く理解できるであろう。
【0130】
実施例
【0131】
以下の試験方法を、様々なパラメータを定義するために使用するだけでなく、以下の実施例の結果を得るためにも使用した。
【0132】
試験及び方法
【0133】
以下の実施例では、最終包装材料製品の10cm2サンプルを採取することによって乾燥坪量を得た。
【0134】
-スピードドライヤーを使用して、サンプルを93°Cの温度で10分間乾燥させた。
【0135】
-最終重量を0.1gの精度で測定し、m2あたりの乾燥坪量を決定した。
【0136】
-結果は、平方メートルあたりのグラム数(g/m2またはgsm)の単位で報告した。
【0137】
気孔率は、ISO 2665を使用して決定し、コレスタ空気透過性単位(CU)で報告した。
【0138】
機械方向の引張強度は、サンプルが試験前に調整されておらず、すべての結果が15ミリメートルあたりのcニュートン(cN/15mm)の単位で報告されることを除いて、ISO規格1924-2を使用して決定した。
【0139】
実施例1
【0140】
本発明によるカカオ包装材料を、以下の方法に従って製造した。
【0141】
約60%のココアハスクから作製された再構成カカオ繊維を以下の方法に従って調製した:カカオハスクをハンマーミルで粉砕して、約10mmの大きさの粒子にした。続いて、粉砕したハスク材料を針葉樹繊維と混合し、混合物を、ハスク繊維及び針葉樹繊維:水の比が1:10になるように、70℃の水で30分間パルプ化した。次に、この混合物をプレスして、可溶性部分(可溶性カカオハスク液)を不溶性部分(不溶性カカオハスク繊維)から分離した。次に、不溶性部分を、ディスクリファイナを使用して精製した。精製後、再構成カカオ繊維及び針葉樹繊維を含むスラリーを抄紙機で処理し、ストリップにして、最終製品の乾燥重量に基づいて約10%の再構成カカオ繊維の混合物で包装することにより70gsmの乾燥坪量を有するウェブまたはシートを生成した。再構成カカオ繊維で形成されたシートまたはウェブを、再構成カカオハスク繊維:針葉樹パルプの比が1:4になるように、約40℃の温度で、漂白された針葉樹パルプを含むパルプ化タンクでさらに再パルプ化した。次いで、充填材料として使用される炭酸カルシウムを、充填材料:混合パルプの比が1:4になるように、混合パルプに添加した。その後、混合パルプを、ダブルディスクリファイナで精製し、ファイバスクリーンでふるいにかけ、次いで、長網テーブル及びカンドライヤーを使用した製紙プロセスを使用して、連続シートに成形した。得られたカカオシートを、グリセリン保湿剤及びクエン酸カリウム燃焼制御剤を使用したダブルローラーコーティングプレスで、保湿剤及びクエン酸カリウムのそれぞれが乾燥包装材料に1.2重量%の量で含まれるサイズにした。
【0142】
最終的な包装材料製品には、カカオハスク繊維が乾燥ウェブの約10重量%の量で含まれ、乾燥坪量が43gsm、多孔度が25CU、引張強度が1,850cN/15mmであった。
【0143】
実施例2
【0144】
多孔性を高めるために再構成カカオ繊維を再パルプ化した後、より低い精製圧力を加えたことを除いて、実施例1で使用された方法と同一の方法を繰り返した。さらに、燃焼特性を改善するために、クエン酸カリウム燃焼抑制剤を、乾燥包装材料に2.4重量%の量で含まれるように増加させた。
【0145】
最終的な包装材料製品には、カカオハスク繊維が乾燥ウェブの約10重量%の量で含まれ、乾燥坪量が43gsm、多孔度が45CU、引張強度が1,680cN/15mmであった。
【0146】
実施例3
【0147】
本発明によるカカオ包装材料を、再構成カカオ繊維が、再構成カカオ繊維:針葉樹パルプの比が1:1になるように、約40°Cの温度で、漂白された針葉樹パルプを有するパルプ化タンクで再パルプ化したことを除いて、実施例1に記載された方法と同一の方法に従って製造した。炭酸カルシウム充填材料を、充填材料:混合パルプの比が1:4になるように、混合パルプに添加した。得られた再構成カカオのウェブを、グリセロール保湿剤及びクエン酸カリウム燃焼制御剤を用いたダブルローラーコーティングプレスによって、保湿剤及びクエン酸カリウムのそれぞれが、乾燥包装材料に1.2重量%の量で含まれるような大きさにした。
【0148】
最終包装材料製品には、カカオハスク繊維が乾燥ウェブの約30重量%の量で含まれ、乾燥坪量が43gsm、多孔度が36CU、引張強度が1,850cN/15mmであった。
【0149】
実施例4
【0150】
実施例3を繰り返したが、燃焼特性を改善するために、クエン酸カリウム燃焼制御剤を、包装材料に2.4重量%の量で含まれるように増加させた。
【0151】
最終的な包装材料製品には、カカオハスク繊維が乾燥ウェブの約30重量%の量で含まれ、乾燥坪量が43gsm、多孔度が38CU、引張強度が1,710cN/15mmであった。
【0152】
本開示に従って、包装材料の様々な実施形態を作製することができる。さらに、実施形態を一緒に組み合わせて、新しい実施形態を形成することができる。一実施形態では、ウェブを含む包装材料が提供される。ウェブは、抽出されたカカオハスク繊維とウェブ構築繊維との組み合わせを含む。ウェブ構築繊維は、脱リグニン化されたセルロース繊維を含む。ウェブは、約20gsm~約80gsmの坪量を有し、約10コレスタ~約100コレスタの透過性を有することができる。
【0153】
上述したいずれかの実施形態では、抽出されたカカオハスク繊維と組み合わされるウェブ構築繊維は、様々であり得る。一実施形態では、ウェブ構築繊維は、木材パルプ繊維、例えば、針葉樹繊維、広葉樹繊維、またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、ウェブ構築繊維は、針葉樹繊維と広葉樹繊維とを1:2~2:1の比で含む。一実施形態では、ウェブ構築繊維は亜麻繊維を含む。一実施形態では、ウェブ構築繊維はアバカ繊維である。一実施形態では、ウェブ構築繊維は竹繊維である。一実施形態では、ウェブ構築繊維はココナッツ繊維である。一実施形態では、ウェブ構築繊維はラミー繊維である。一実施形態では、ウェブ構築繊維はジュート繊維である。一実施形態では、ウェブ構築繊維はヘンプパルプ繊維である。木材パルプ繊維(例えば、針葉樹繊維、広葉樹繊維、またはそれらの組み合わせ)と組み合わせて用いてもよい。一実施形態では、ウェブ構築繊維は、包装材料に、約3重量%超の量で含まれる。一実施形態では、ウェブ構築繊維は、包装材料に、約5重量%超の量で含まれる。一実施形態では、ウェブ構築繊維は、包装材料に、約8重量%超の量で含まれる。一実施形態では、ウェブ構築繊維は、包装材料に、約12重量%超の量で含まれる。一実施形態では、ウェブ構築繊維は、包装材料に、約18重量%超の量で含まれる。一実施形態では、ウェブ構築繊維は、包装材料に、約50重量%未満の量、例えば約40重量%未満の量で含まれる。
【0154】
一実施形態では、抽出されたカカオハスク繊維は、包装材料の表面上に均一な斑点を有する外観を生成する方法で、ウェブ構築繊維と組み合わされ得る。代替実施形態では、包装材料は、単色の固形分を示し得る。
【0155】
一実施形態では、包装材料は、ウェブ構築繊維と組み合わされ、かつ充填材料と組み合わされた、抽出されたカカオハスク繊維を含むウェブを含み得る。充填材料は、約1重量%~約40重量%の量で含まれ得る。一実施形態では、充填材料は炭酸カルシウム粒子を含む。別の実施形態では、充填材料は酸化マグネシウム粒子を含む。別の実施形態では、充填材料は、炭酸カルシウム粒子と酸化マグネシウム粒子との組み合わせを含む。
【0156】
一実施形態では、包装材料は、包装材料に適用されるエアロゾル送達組成物を含み得る。エアロゾル送達組成物は、エアロゾル送達剤を含む。一実施形態では、エアロゾル送達剤は、薬物または香料を含む。本明細書に記載されたいずれかの実施形態では、エアロゾル送達組成物は、油、水溶液、水性分散液、または固形分であり得る。一実施形態では、エアロゾル送達物質は、ニコチンを含む。一実施形態では、エアロゾル送達物質は、カンナビノイドを含む。一実施形態では、エアロゾル送達物質は、テトラヒドロカンナビノールを含む。一実施形態では、エアロゾル送達物質は、カンナビジオールを含む。一実施形態では、エアロゾル送達物質は、テトラヒドロカンナビノールとカンナビジオールとの組み合わせを含む。ニコチンまたはカンナビノイドは、他のエアロゾル送達物質と組み合わせてもよい。一実施形態では、他のエアロゾル送達物質は、糖類を含む。一実施形態では、他のエアロゾル送達剤は甘草抽出物を含む。一実施形態では、他のエアロゾル送達物質は、蜂蜜を含む。一実施形態では、他のエアロゾル送達物質は、コーヒーを含む。一実施形態では、他のエアロゾル送達物質は、メープルシロップを含む。一実施形態では、他のエアロゾル送達物質は、植物抽出物、例えば、茶抽出物、または草木の抽出物を含む。一実施形態では、他のエアロゾル送達物質は、タバコ抽出物を含む。一実施形態では、他のエアロゾル送達物質は、タバコ抽出物のみを含む。一実施形態では、他のエアロゾル送達物質は、テルペンまたはテルペンのブレンドを含む。テルペンまたはテルペンのブレンドは、ニコチンまたはカンナビノイドを含む上記のエアロゾル送達物質のいずれかと共に使用することができる。
【0157】
1種類以上のエアロゾル送達物質を含むエアロゾル送達組成物は、包装材料に、約1重量%超の量で含まれ得る。一実施形態では、1種類以上のエアロゾル送達物質は、包装材料に、約3重量%超の量、例えば約5重量%超の量で含まれ得る。また、1種類以上のエアロゾル送達物質は、包装材料に、約50重量%未満の量、例えば約25重量%未満の量で含まれ得る。
【0158】
一実施形態では、ウェブは、抽出されたハスク繊維を、ウェブ構築繊維との組み合わせ、及び水溶性カカオハスク成分との組み合わせで含む。水溶性カカオハスク成分は、10重量%未満の量で含まれ得る。代替の実施形態では、水溶性カカオハスク成分は、約10重量%超、例えば約15重量%超、かつ、約50%未満、例えば約30%未満の量で含まれ得る。
【0159】
一実施形態では、抽出されたカカオハスク繊維及びウェブ構築繊維は、約60°SR超の量、例えば約75°SR超の量、かつ、約95°SR未満の量で精製され得る。
【0160】
一実施形態では、包装材料は、抽出されたカカオハスク繊維、ウェブ構築繊維、タバコ材料、及び任意選択で充填材料を含むウェブを含み得る。
【0161】
上述したいずれかの実施形態では、包装材料は、包装材料の第1の方向に沿って間隔を置いて配置された複数の個別の低延焼性領域を含み得る。低延焼性領域は、23°Cで、約0.5cm/s未満の拡散率を有し得る。
【0162】
本発明に対するこれら及び他の修正及び変形は、添付の特許請求の範囲に記載されている本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、当業者によって実施され得る。加えて、様々な実施形態の態様は、その全体またはその一部を相互に交換できることを理解されたい。さらに、当業者であれば、上記の詳細な説明及び実施例は説明のみを目的としており、添付の特許請求の範囲に記載されている本発明の範囲をいかなる意味でも限定することを意図していないことを理解できるであろう。