(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】3D表面上の高精度印刷のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
B41J 2/01 20060101AFI20240708BHJP
【FI】
B41J2/01 109
B41J2/01 203
B41J2/01 303
B41J2/01 307
B41J2/01 451
(21)【出願番号】P 2021549464
(86)(22)【出願日】2020-02-20
(86)【国際出願番号】 NL2020050098
(87)【国際公開番号】W WO2020171702
(87)【国際公開日】2020-08-27
【審査請求日】2023-02-06
(32)【優先日】2019-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521370994
【氏名又は名称】サイレック・アイピー・ビー.ブイ.
【氏名又は名称原語表記】XYREC IP B.V.
【住所又は居所原語表記】Beechavenue 137,1119 RB Schiphol-Rijk The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ルイス、クリストファー・エル.
(72)【発明者】
【氏名】ロビンソン、マシュー・エム.
(72)【発明者】
【氏名】エバンス、ポール・ティー.
(72)【発明者】
【氏名】ボーインク、ペーテル
(72)【発明者】
【氏名】ブロックシュミット、ブランソン・ピー.
【審査官】牧島 元
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-202781(JP,A)
【文献】特開2013-014046(JP,A)
【文献】特開2003-159817(JP,A)
【文献】特開2016-221958(JP,A)
【文献】特開2018-192405(JP,A)
【文献】米国特許第09527275(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0257984(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02641661(EP,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02799150(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01 - 2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体の3次元の湾曲した表面上に画像を印刷するための方法であって、前記方法は、
基部、前記基部によって支持され、前記基部に対して移動可能なアーム、及び印刷
用材料のソースに結合された複数のノズルを有するプリントヘッドを備える印刷ロボットを使用し、前記アームは、前記プリントヘッドを搭載し、前記プリントヘッドは、制御信号に基づいて印刷
用材料を噴射するように適合され、前記3次元の湾曲した表面に沿った前記プリントヘッドの相対的な移動を引き起こすために、少なくとも6つの移動自由度で前記基部に対して移動可能であり、前記印刷ロボットは、前記アームの端部に配置され、前記3次元の湾曲した表面の画像を捕捉するように適合されたカメラと、前記基部に対する前記プリントヘッドの位置及び向きを決定するための複数のセンサを備える内部位置決定システムと、前記プリントヘッドに対して固定され、前記プリントヘッド上に慣性データを提供するように適合された慣性測定ユニット(IMU)とを更に備え、
前記方法は、
エンコーダパターン捕捉運転中に、前記カメラが前記3次元の湾曲した表面上の初期エンコーダパターンを追跡するような形で前記3次元の湾曲した表面の第1の帯状部分を横切って前記プリントヘッドを移動させるように前記印刷ロボットを制御し、前記プリントヘッドの移動中に、前記IMUによって測定された慣性データを、移動中に前記カメラによって捕捉された前記初期エンコーダパターンの一部分から導出された前記初期エンコーダパターンに対する前記カメラの関連する位置及び向きデータと共にメモリ中に記憶するステップと、
印刷運転中に、前記カメラが前記3次元の湾曲した表面上の前記初期エンコーダパターンを追跡するような形で前記第1の帯状部分を横切って前記プリントヘッドを移動させるように前記印刷ロボットを制御し、前記プリントヘッドの移動を制御し、前記初期エンコーダパターンに対する前記一部分の前記位置及び/又は向きがエンコーダパターン捕捉運転中に前記メモリ中に記憶された前記慣性データ及び前記カメラの関連する位置データに基づいて調整されるような形で前記3次元の湾曲した表面上に印刷
用材料を噴射して前記3次元の湾曲した表面上に前記画像の一部分を印刷するように前記ノズルを制御するステップと
を備える、方法。
【請求項2】
エンコーダパターン捕捉運転中に、前記プリントヘッドは、印刷運転中よりも低い速度で、好ましくは2倍以上遅く前記第1の帯状部分を横切って移動させられる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記画像は、メモリ中に記憶され、前記初期エンコーダパターンに対する前記印刷された部分の前記位置及び/又は向きの前記調整は、前記ノズルの噴射タイミングを調整することと、前記メモリ中の前記画像を動的にオフセットすることと、前記初期エンコーダパターンに対する前記プリントヘッドの前記位置及び/又は向きを調整することとのうちの1つ以上を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
エンコーダパターン捕捉運転より前に、前記3次元の湾曲した表面の前記第1の帯状部分を横切って前記初期エンコーダパターンを、前記第1の帯状部分上に前記初期エンコーダパターンを印刷しながら、前記3次元の湾曲した表面の第1の帯状部分を横切って前記プリントヘッドを移動させるように前記印刷ロボットを制御すること、又は前記印刷ロボットから離間された投光器を使用して前記3次元の湾曲した表面の前記第1の帯状部分上に前記初期エンコーダパターンを投影すること、又は前記3次元の湾曲した表面の前記第1の帯状部分上に、前記初期エンコーダパターンを備えるマーカーストリップを取り付けること、のいずれかの方法により提供するステップを更に備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
コントローラは、エンコーダパターン捕捉運転中及び/又は印刷運転中に前記プリントヘッドを位置付けて、運転中に前記IMUによって感知された前記慣性データに基づいて前記プリントヘッドの高周波数振動を補償するように前記印刷ロボットを制御するように適合される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記印刷ロボットには、前記プリントヘッドに対して固定され、前記プリントヘッドから前記3次元の湾曲した表面までの距離を測定するように適合された1つ以上の距離センサが更に設けられ、コントローラは、印刷
用材料が前記ノズルから噴射されるときに前記プリントヘッドを前記3次元の湾曲した表面まで0.2~1.2cmの距離、好ましくは0.3~1cmの距離に維持するように前記印刷ロボットを制御するように更に適合される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
印刷運転は、後続する印刷運転中に前記画像の隣接する帯状部分を印刷する際に使用されるように、前記3次元の湾曲した表面上に更なるエンコーダパターンを印刷することを備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
エンコーダパターン捕捉運転中に、前記印刷ロボットのエンコーダによって提供された位置及び向きデータは、前記IMUによって測定された前記慣性データ並びに前記初期エンコーダパターンから導出された前記位置及び向きデータと共に記憶され、印刷運転中の調整は、前記エンコーダによって提供された前記記憶された位置及び向きデータに更に基づく、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
物体の3次元の湾曲した表面上に画像を印刷するためのシステムであって、前記システムは、
基部、前記基部によって支持され、前記基部に対して移動可能なアーム、及び印刷
用材料のソースに結合された複数のノズルを有するプリントヘッドを備える印刷ロボットを備え、前記アームは、前記プリントヘッドを搭載し、前記プリントヘッドは、制御信号に基づいて印刷
用材料を噴射するように適合され、前記3次元の湾曲した表面に沿った前記プリントヘッドの相対的な移動を引き起こすために、少なくとも6つの移動自由度で前記基部に対して移動可能であり、前記印刷ロボットは、前記アームの端部に配置され、前記3次元の湾曲した表面の画像を捕捉するように適合されたカメラと、前記基部に対する前記プリントヘッドの位置及び向きを決定するための複数のセンサを備える内部位置決定システムと、前記プリントヘッドに対して固定され、前記プリントヘッド上に慣性データを提供するように適合された慣性測定ユニット(IMU)とを更に備え、
前記システムは、
エンコーダパターン捕捉運転中に、前記カメラが前記3次元の湾曲した表面上の初期エンコーダパターンを追跡するような形で前記3次元の湾曲した表面の第1の帯状部分を横切って前記プリントヘッドを移動させるように前記印刷ロボットを制御し、前記プリントヘッドの移動中に、前記IMUによって測定された慣性データを、移動中に前記カメラによって捕捉された前記初期エンコーダパターンの一部分から導出された前記初期エンコーダパターンに対する前記カメラの関連する位置及び向きデータと共にメモリ中に記憶することと、
印刷運転中に、前記カメラが前記3次元の湾曲した表面上の前記初期エンコーダパターンを追跡するような形で前記第1の帯状部分を横切って前記プリントヘッドを移動させるように前記印刷ロボットを制御し、前記プリントヘッドの移動を制御し、前記初期エンコーダパターンに対する前記一部分の前記位置及び/又は向きがエンコーダパターン捕捉運転中に前記メモリ中に記憶された前記慣性データ及び前記カメラの関連する位置データに基づいて調整されるような形で前記3次元の湾曲した表面上に印刷
用材料を噴射して前記3次元の湾曲した表面上に前記画像の一部分を印刷するように前記ノズルを制御することと
を行うように適合されたコントローラを更に備える、システム。
【請求項10】
前記第1の帯状部分は、実質的に直線的に延在し、前記コントローラは、前記プリントヘッドが前記基部に対して非直線的に移動されるような形で、及び/又は前記第1の帯状部分を横切る前記プリントヘッドの移動中に前記プリントヘッドが可変速度で前記3次元の湾曲した表面に対して移動されるような形で前記第1の帯状部分を横切る前記プリントヘッドの移動中に前記3次元の湾曲した表面に対して前記印刷ロボットを制御するように適合されている、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記印刷ロボットは、少なくとも10mの高さの垂直マストを備え、前記垂直マストは、前記基部上に支持され、垂直軸を中心として前記基部に対して回転可能であり、前記アームは、前記アームが前記垂直軸に沿って前記垂直マストに対して移動することができ、水平軸を中心として前記垂直マストに対して回転可能であるような形で前記垂直マストによって移動可能に支持され、前記アームは、少なくとも5mの長さを有する、請求項9又は10に記載のシステム。
【請求項12】
前記プリントヘッドの前記ノズルは、前記3次元の湾曲した表面上に印刷されるべき前記画像のエリアよりも小さいエリアにわたる、請求項9から11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記印刷ロボットには、前記プリントヘッドに対して固定され、前記プリントヘッドから前記3次元の湾曲した表面までの距離を測定するように適合された1つ以上の距離センサが設けられ、前記コントローラは、印刷
用材料が前記ノズルから噴射されるときに前記プリントヘッドを前記3次元の湾曲した表面まで0.2~1.2cmの距離、好ましくは0.3~1cmの距離に維持するように前記印刷ロボットを制御するように更に適合されている、請求項9から11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記コントローラは、エンコーダパターン捕捉運転中及び/又は印刷運転中に前記プリントヘッドを位置付けて、運転中に前記IMUによって感知された前記慣性データに基づいて前記プリントヘッドの高周波数振動を補償するように前記印刷ロボットを制御するように適合されている、請求項9から11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記印刷ロボットは、前記印刷ロボットの構成要素の位置及び/又は向きデータを感知するためのエンコーダを更に備え、前記コントローラは、エンコーダパターン捕捉運転中に、前記エンコーダによって感知された前記位置及び/又は向きデータを、前記IMUによって測定された前記慣性データ並びに前記初期エンコーダパターンから導出された前記位置及び向きデータと共に前記メモリ中に記憶するように更に適合され、前記コントローラは、印刷運転中に、前記画像の前記一部分を更に印刷するように適合されている、請求項9から11のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、位置付けデバイスの端部上に据え付けられた1つ以上のプリントヘッドを使用して、3D(3次元)表面、特に湾曲した3D表面上に高精度印刷するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]参照によって本明細書に組み込まれる米国特許出願第15/044,764号は、液体塗布システムについて説明し、液体塗布システムは、表面上に顔料を含む液体を堆積させるための第1の液体噴射器と、表面上に液体を堆積させるための第2の液体噴射器と、少なくとも1つの画像取得デバイスとを含む少なくとも1つのプリントヘッドと、少なくとも1つのプリントヘッドに動作可能に結合された複数の作動可能な素子と、第1の液体噴射器、第2の液体噴射器、複数の作動可能な素子、及び少なくとも1つの画像取得デバイスに通信可能に結合されたプリントヘッドコントローラとを備え、プリントヘッドコントローラは、第1の液体噴射器を表面の第1の部分上のエンコーダパターンと位置合わせすることと、位置合わせは、少なくとも1つの画像取得デバイスから受信された画像データに少なくとも部分的に基づき、第1の液体噴射器に、表面の第1の部分上のエンコーダパターンの少なくとも一部分を横切ってグラフィック帯状部分として顔料を含む液体を選択的に堆積させることと、第2の液体噴射器に、表面の第2の部分上のエンコーダパターンとして液体を選択的に堆積させることとを行うように適合される。
【0003】
[0003]初期エンコーダパターンを有する帯状部分が十分な精度で表面上に印刷されると、既知のシステムは、振動に対抗し、後続する帯状部分と初期エンコーダパターンとの位置合わせを維持するための機構を提供する。しかしながら、第1のエンコーダパターンを印刷するとき、プリントヘッドは、構造的振動を受け、それは、印刷される画像に伝播する可能性がある、第1のエンコーダパターンの歪みをもたらし得る。画像が著しい歪みなしに正確に印刷されるためには、そのような構造的振動は、少なくとも部分的に考慮されるべきである。
【0004】
[0004]本発明の目的は、画像が印刷されるべき表面に適用されるエンコーダパターンが湾曲した表面上での高精度印刷に使用されることを可能にするシステム及び方法を提供することである。
【発明の概要】
【0005】
[0005]この目的のために、第1の態様によると、本発明は、航空機などの物体の3次元の湾曲した表面上に画像を印刷するための方法を提供し、本方法は、基部、基部によって支持され、基部に対して移動可能なアーム、印刷媒体のソースに結合された複数のノズルを有するプリントヘッドを備える印刷ロボットを使用し、アームは、プリントヘッドを搭載し、プリントヘッドは、制御信号に基づいて印刷媒体を噴射するように適合され、3次元の湾曲した表面に沿ったプリントヘッドの相対的な移動を引き起こすために、少なくとも6つの移動自由度で基部に対して移動可能であり、印刷ロボットは、アームの端部に配置され、3次元の湾曲した表面の画像を捕捉するように適合されたカメラと、基部に対するプリントヘッドの位置及び向きを決定するための複数のセンサを備える内部位置決定システムと、プリントヘッドに対して固定され、プリントヘッド上に慣性データを提供するように適合された慣性測定ユニット(IMU)とを更に備え、本方法は、エンコーダパターン捕捉運転中に、カメラが3次元の湾曲した表面上の初期エンコーダパターンを追跡するような形で3次元の湾曲した表面の第1の帯状部分を横切ってプリントヘッドを移動させるように印刷ロボットを制御し、プリントヘッドの移動中に、IMUによって測定された慣性データを、移動中にカメラによって捕捉された初期エンコーダパターンの一部分から導出された初期エンコーダパターンに対するカメラの関連する位置及び向きデータと共にメモリ中に記憶するステップと、印刷運転中に、カメラが3次元の湾曲した表面上の初期エンコーダパターンを追跡するような形で第1の帯状部分を横切ってプリントヘッドを移動させるように印刷ロボットを制御し、プリントヘッドの移動を制御し、初期エンコーダパターンに対する一部分の位置及び/又は向きがエンコーダパターン捕捉運転中にメモリ中に記憶された慣性データ及びカメラの関連する位置データに基づいて調整されるような形で3次元の湾曲した表面上に印刷媒体を噴射して3次元の湾曲した表面上に画像の一部分を印刷するようにノズルを制御するステップとを備える。
【0006】
[0006]一般に、初期エンコーダパターンを構成する異なる部分は幾分歪んでおり、例えば、初期エンコーダパターンの主軸は、画像が印刷されるべき表面上の直線に沿って完全に位置合わせされている訳ではないであろう。非直線的に幾分歪んでいることに加えて、初期エンコーダは、例えば、初期エンコーダパターンの印刷中に表面に対するプリントヘッドの速度が変化することに起因して伸長又は圧縮され得る。
【0007】
[0007]従来技術のシステムでは、表面上の初期エンコーダパターンが歪んでいるとき、エンコーダパターンを追跡しながら表面上にその後印刷される画像は、同様に歪んでいるであろう。例えば、初期エンコーダパターンが表面上の直線に沿って延在すべきであるが、曲線に沿って僅かに歪んで適用される場合、印刷された画像の上縁は、曲線に対して実質的に平行となり、歪みは、印刷された画像を通して伝播する可能性がある。表面上へのパターンの適用中に初期エンコーダパターンが伸張によって歪んだ場合、画像の上縁は、同様に伸張されるであろう。
【0008】
[0008]エンコーダパターン捕捉運転中に慣性データを測定し、エンコーダパターンに対するカメラの関連する位置及び向きデータと共に記憶することによって、表面上のエンコーダパターンの歪みの尺度を決定することができる。本発明は、1回以上の印刷運転中に初期エンコーダパターンのそのような歪みを実質的に補償することを可能にし、そのため、画像は、高精度で表面上に印刷され得る。例えば、表面上のエンコーダパターンが曲線に沿って延在するように歪んでいるとき、本方法に従って印刷された画像の上縁は、曲線に対して平行ではなく、実質的に直線上に依然として存在し得る。同様に、エンコーダパターンが表面上へのパターンの適用中に伸張、例えば不均一な伸張によって歪んだ場合、本発明は、対応して歪むことなく実質的に画像が印刷されることを可能にする。このことから、エンコーダパターン捕捉運転中に測定、記憶されたデータに基づいて、画像又はその一部分が印刷運転中に表面上にどのように印刷されるかを調整することによって、プリントヘッドの位置付けの精度の改善が達成され得る。
【0009】
[0009]適切なエンコーダパターンの例は、絶対エンコーダパターン及び周期的エンコーダパターン、任意の既知の疑似ランダムパターン、グレイコーディングバイナリパターン、及び同様のものを含む。いくつかの実施形態では、エンコーダパターンは、表面上に印刷される画像の帯状部分から物理的に変位又はオフセットされ得るか、又はエンコーダパターンは、帯状部分の一部分として(例えば印刷されるべき画像の縁に沿って)若しくは帯状部分の少なくとも一部分上に(例えば、紫外線下で可視である光学的に透明な顔料を含む流体として)適用され得る。
【0010】
[0010]エンコーダパターンの各捕捉された画像から、ことによると内部位置決定システムからの位置及び向きデータで増補されて、エンコーダパターン中のどの相対的なロケーションにおいて画像が捕捉されたかを決定することができる。カメラの位置はプリントヘッドに対して固定されているので、少なくとも湾曲した表面に沿って、エンコーダパターンに対するプリントヘッドの位置及び向きを決定することも可能である。
【0011】
[0011]好ましくは、エンコーダパターン捕捉運転中に、プリントヘッドは、印刷運転中よりも低い速度で第1の帯状部分を横切って移動される。比較的低速でのエンコーダパターン捕捉運転中にデータを測定することによって、測定に対するロボットの構造的振動の影響が低減され得る。画像の帯状部分が印刷される各運転は、エンコーダパターン捕捉運転よりも速く、例えば少なくとも2倍速く実行されるであろう。
【0012】
[0012]実施形態では、画像は、メモリ中に記憶され、初期エンコーダパターンに対する印刷された部分の位置及び/又は向きの調整は、ノズルの噴射タイミングを調整することと、メモリ中の画像を動的にオフセットすることと、アームに対するプリントヘッドの位置及び/又は向きを調整することとのうちの1つ以上を備える。エンコーダパターン捕捉運転中に記憶される慣性データ並びに位置及び向きデータは、印刷されるべき画像と共に同じメモリ中に記憶され得る。
【0013】
[0013]実施形態では、方法は、エンコーダパターン捕捉運転より前に、3次元の湾曲した表面の第1の帯状部分を横切って初期エンコーダパターンを提供するステップを更に備える。これは、例えば外部基準システムを使用して表面上の初期位置を決定することと、その後、初期位置におけるエンコーダパターンの端部を表面上のエンコーダパターンに提供することとを備え得る。
【0014】
[0014]好ましい実施形態では、初期エンコーダパターンを提供するステップは、第1の帯状部分上に初期エンコーダパターンを印刷しながら、3次元の湾曲した表面の第1の帯状部分を横切ってプリントヘッドを移動させるように印刷ロボットを制御することを備える。このことから、人員は、エンコーダパターンが表面に適用されている間、表面及び/又はロボットまでの距離を維持し得る。このようにして、人員の安全性が改善される。加えて、印刷ロボットが表面上に初期エンコーダパターンを印刷すると、印刷ロボットのカメラも、初期エンコーダパターンを追跡することが可能となるであろう。
【0015】
[0015]代替的な実施形態では、初期エンコーダパターンを提供するステップは、印刷ロボットから離間された投光器を使用して、表面の前記第1の帯状部分上に初期エンコーダパターンを投影すること、又は表面の第1の帯状部分上に、初期エンコーダパターンを備えるマーカーストリップを取り付けることのうちのいずれかを備える。投光器が使用される場合、投光器は、好ましくは、上面図で見たときに、基部とパターンが投影される表面との間に配置される。マーカーストリップが使用される場合、マーカーストリップは、画像が表面上に印刷された後にストリップを容易に取り外すことができるように、好ましくは、例えば接着剤によって表面に取り外し可能に取り付けられる。
【0016】
[0016]実施形態では、コントローラは、エンコーダパターン捕捉運転中及び/又は印刷運転中にプリントヘッドを位置付けて、運転中にIMUによって感知された慣性データに基づいてプリントヘッドの高周波数振動を補償するように印刷ロボットを制御するように適合される。
【0017】
[0017]実施形態では、画像は、200DPI(ドットパーインチ)以上の解像度で3次元の湾曲した表面上に印刷されるべき写真又はロゴである。画像を印刷するときに表面上のエンコーダパターンを追跡することは、そのような高い解像度において特に有利である。
【0018】
[0018]実施形態では、プリントヘッドは、インクジェットプリントヘッドである。
【0019】
[0019]実施形態では、印刷ロボットは、プリントヘッドに対して固定され、プリントヘッドから3次元の湾曲した表面までの距離を測定するように適合された1つ以上の距離センサを更に設けられ、コントローラは、印刷媒体がノズルから噴射されるときにプリントヘッドを3次元の湾曲した表面まで0.2~1.2cmの距離に維持するように印刷ロボットを制御するように更に適合される。
【0020】
[0020]実施形態では、印刷運転は、後続する印刷運転中に画像の隣接する帯状部分を印刷する際に使用されるように、3次元の湾曲した表面上に更なるエンコーダパターンを印刷することを備える。表面上に印刷される更なるエンコーダパターンは、好ましくは、エンコーダパターン捕捉運転中に記憶されたデータに基づいて調整された初期エンコーダパターンに実質的に対応する。このことから、初期エンコーダパターンが歪んだ場合、更なるエンコーダパターンは、実質的により歪みの少ない形で表面上に印刷され得る。後続する印刷運転中、画像の隣接する帯状部分は、このことから、初期エンコーダパターン及び/又は更なるエンコーダパターンの歪みを調整することなく、更なるエンコーダパターンを追跡することによって印刷され得る。更なる印刷運転は、このことから、米国特許出願第15/044,764号に記載されている形で実行することができる。
【0021】
[0021]実施形態では、エンコーダパターン捕捉運転中に、印刷ロボットのエンコーダによって提供された位置及び向きデータは、IMUによって測定された慣性データ並びにエンコーダパターンから導出された位置及び向きデータと共に記憶され、印刷運転中に、調整は、エンコーダによって提供された記憶された位置及び向きデータに更に基づく。例えば、印刷ロボットの基部とマストとの間、マストとアームとの間、及びアームとリストとの間の相対的な移動に関するデータを提供するエンコーダが設けられ得る。3つの異なるソースからの位置及び/又は向きデータ、即ちカメラによって捕捉されたエンコーダパターンの一部分から導出されたデータ、IMU(複数可)によって測定されたデータ、及びエンコーダからのデータを記憶することによって、表面上のエンコーダパターンの歪みの正確な推定値を計算することができる。印刷運転中、印刷ロボットは、そのような歪みを少なくとも部分的に調整するように制御することができる。
【0022】
[0022]第2の態様によると、本発明は、航空機などの物体の3次元の湾曲した表面上に画像を印刷するためのシステムを提供し、システムは、基部、基部によって支持され、基部に対して移動可能なアーム、印刷媒体のソースに結合された複数のノズルを有するプリントヘッドを備える印刷ロボットを備え、アームは、プリントヘッドを搭載し、プリントヘッドは、制御信号に基づいて印刷媒体を噴射するように適合され、3次元の湾曲した表面に沿ったプリントヘッドの相対的な移動を引き起こすために、少なくとも6つの移動自由度で基部に対して移動可能であり、印刷ロボットは、アームの端部に配置され、3次元の湾曲した表面の画像を捕捉するように適合されたカメラと、基部に対するプリントヘッドの位置及び向きを決定するための複数のセンサを備える内部位置決定システムと、プリントヘッドに対して固定され、プリントヘッド上に慣性データを提供するように適合された慣性測定ユニット(IMU)とを更に備え、システムは、エンコーダパターン捕捉運転中に、カメラが3次元の湾曲した表面上の初期エンコーダパターンを追跡するような形で3次元の湾曲した表面の第1の帯状部分を横切ってプリントヘッドを移動させるように印刷ロボットを制御し、プリントヘッドの移動中に、IMUによって測定された慣性データを、移動中にカメラによって捕捉された初期エンコーダパターンの一部分から導出された初期エンコーダパターンに対するカメラの関連する位置及び向きデータと共にメモリ中に記憶することと、印刷運転中に、カメラが3次元の湾曲した表面上の初期エンコーダパターンを追跡するような形で第1の帯状部分を横切ってプリントヘッドを移動させるように印刷ロボットを制御し、プリントヘッドの移動を制御し、初期エンコーダパターンに対する一部分の位置及び/又は向きがエンコーダパターン捕捉運転中にメモリ中に記憶された慣性データ及びカメラの関連する位置データに基づいて調整されるような形で3次元の湾曲した表面上に印刷媒体を噴射して3次元の湾曲した表面上に画像の一部分を印刷するようにノズルを制御することとを行うように適合されたコントローラを更に備える。システムは、このことから、最初に、グラフィック画像のどの一部も印刷されないエンコーダパターン捕捉運転を実行し、その後、初期エンコーダパターンに沿って経路を再横断し、表面上のエンコーダパターンの歪みを補償しながら画像の1つ以上の部分を印刷するように適合される。
【0023】
[0023]実施形態では、第1の帯状部分は、実質的に直線に延在し、コントローラは、プリントヘッドが基部に対して非直線的に移動されるような形で、及び/又は第1の帯状部分を横切るプリントヘッドの移動中にプリントヘッドが可変速度で3次元の湾曲した表面に対して移動されるような形で第1の帯状部分を横切るプリントヘッドの移動中に3次元の湾曲した表面に対して印刷ロボットを制御するように適合される。
【0024】
[0024]実施形態では、印刷ロボットは、少なくとも10mの高さの垂直マストを備え、垂直マストは、基部上に支持され、垂直軸を中心として基部に対して回転可能であり、アームは、アームが垂直軸に沿って垂直マストに対して移動することができ、水平軸を中心として垂直マストに対して回転可能であるような形で垂直マストによって移動可能に支持され、アームは、少なくとも5mの長さを有する。
【0025】
[0025]実施形態では、プリントヘッドのノズルは、3次元の湾曲した表面上に印刷されるべき画像のエリアよりも小さいエリアにわたる。
【0026】
[0026]実施形態では、印刷ロボットは、プリントヘッドに対して固定され、プリントヘッドから3次元の湾曲した表面までの距離を測定するように適合された1つ以上の距離センサを設けられ、コントローラは、印刷媒体がノズルから噴射されるときにプリントヘッドを3次元の湾曲した表面まで0.2~1.2cmの距離、好ましくは0.3~1cmの距離に維持するように印刷ロボットを制御するように更に適合される。
【0027】
[0027]実施形態では、コントローラは、エンコーダパターン捕捉運転中及び/又は印刷運転中にプリントヘッドを位置付けて、運転中にIMUによって感知された慣性データに基づいてプリントヘッドの高周波数振動を補償するように印刷ロボットを制御するように適合される。
【0028】
[0028]実施形態では、印刷ロボットは、印刷ロボットの構成要素の位置及び/又は向きデータを感知するためのエンコーダを更に備え、コントローラは、エンコーダパターン捕捉運転中に、エンコーダによって感知された位置及び/又は向きデータを、IMUによって測定された慣性データ並びにエンコーダパターンから導出された位置及び向きデータと共にメモリ中に記憶するように更に適合され、コントローラは、印刷運転中に、エンコーダからの記憶された位置及び/又は向きデータに更に基づいて画像の一部分を印刷するように適合される。例えば、印刷ロボットの基部とマストとの間、マストとアームとの間、及びアームとリストとの間の相対的な移動に関するデータを提供するエンコーダが設けられ得る。
【0029】
[0029]本発明を、添付の図面を参照して、以下により詳細に議論する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1A】本発明によるシステム及びその詳細を概略的に示す。
【
図1B】本発明によるシステム及びその詳細を概略的に示す。
【
図1C】本発明によるシステム及びその詳細を概略的に示す。
【
図2A】湾曲した表面上に理想的に提供された初期エンコーダパターンを示す。
【
図2B】表面上に歪んで適用された同じエンコーダパターンを誇張された形で示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
[0030]
図1Aは、航空機10の1つ以上の湾曲した3D表面11、12上に画像3を印刷するための本発明による印刷システム1の斜視図を概略的に示す。システム1は、モバイル印刷ロボット100と、ロボットの移動を制御すると共にプリントヘッド150からのインクの噴射を制御してグラフィック画像を印刷するための概略的に図示するコントローラ20とを備える。印刷ロボット100は、航空機10の周りの床2を横切るロボットの移動を駆動するための作動車輪111を有する基部110を備える。車輪111は、柔軟なサスペンションシステムを介して基部に接続されて、動作のための円滑な駆動及び安定した駐車を可能にする。
【0032】
[0031]
図1Bは、床を横切ってロボットを駆動することができるように、その車輪111が床2に接触する駆動モードの印刷ロボット100の詳細を示す。基部には、ロボットが駆動モードにあるときに床2から離間される支持体が更に設けられる。
図1Cは、ロボットの基部が支持体113上で床2上に支持され、車輪111が床2から離間されている駐車モードの印刷ロボットを示す。ロボットが駐車モードにあるとき、その基部は、床に対して静止しており、ロボットは、床2又は表面11に対する基部のモーメントによって実質的に妨げられることなく、表面11上に画像を印刷するために使用することができる。
【0033】
[0032]
図1Aでは、湾曲した表面11、12は、航空機10の外面であるが、印刷システム1は、ヘリコプター、船舶、トラック、自動車、水中航走体、宇宙機などの乗物若しくは構造物、又は全ての表面に到達するための大きいエリア及び/若しくは複雑な位置付けを伴う任意の乗物又は構造物の3D表面上に画像を印刷するために使用することができることが理解されるべきである。
【0034】
[0033]
図1Aに戻って参照すると、ロボットは、マストが基部110から実質的に垂直に延在するZ軸を中心として基部に対して回転することができるような形で基部110上に支持された実質的に垂直に延在するマスト120を備える。マスト120は、次に、アーム130を支持し、アーム130は、Z軸に沿って、及びアームの長手方向Xに沿ってマスト120に対して並進することができる。アームはまた、アームの長手方向Xに対して垂直に延在する実質的に水平な軸Yを中心としてマスト120に対して回転することができる。
【0035】
[0034]アーム130の端部において、プリントヘッド150が取り付けられるリスト部140が設けられる。プリントヘッドには、表面上にインクを噴射するための複数のノズルが設けられ、
図2Aに概略的に示すカメラが更に設けられる。
【0036】
[0035]マスト120には、Z軸を中心とした基部110に対するマストの回転位置を測定するエンコーダ121が設けられる。アーム130には、次に、Y軸を中心としたマスト120に対するアーム130の回転位置を測定するエンコーダ131が設けられ、水平軸Yに対するアーム130の並進位置を測定するエンコーダ132と、Z軸に沿ったマストに対するアーム130の並進位置を測定するエンコーダ133とが更に設けられる。リスト140は、リストがアームに取り付けられるアーム130の端部に対するプリントヘッドの回転及び並進位置を決定するための1つ以上のエンコーダ141が設けられる。エンコーダ121、131、132、133、及び141は全て、基部110に対するプリントヘッド150の位置及び向きを決定するための内部位置決定システムの一部である。内部位置決定システムは、プリントヘッド150に固定されたIMU158を更に備える。
【0037】
[0036]システム1を使用して、写真又はロゴなどのグラフィカル画像3を、以下のように航空機10の外面11の一部分上に印刷することができる。最初に、画像が印刷されるべき表面に近いが依然として離間してプリントヘッド150を配置することができる位置に基部が来るまで、床2を横切って基部を移動させるように車輪111が制御される。次に、可撓性支持体は、基部が床2に対して支持体113上に実質的に静止状態で支持され、ロボットが駐車モードになるまで、車輪111を床から持ち上げるように制御される。これは、印刷中に、例えばマスト及び/又はアームが基部に対して移動されるときに、基部が床を横切って転がることを実質的に防止する。
【0038】
[0037]ロボットが駐車モードになると、Z軸を中心とした基部に対するマスト120の回転を制御し、マストに対するアーム130の並進及び回転を制御することによって、表面11に対するプリントヘッドの大まかな位置付けが実行され得る。表面11に対するプリントヘッド150のよりきめの細かい位置付けは、プリントヘッド150がそれを介してアーム130の端部において支持されるリスト140の作動によって実行され得る。リスト140は、アームの端部に対して6つの移動度をプリントヘッドに提供する。
【0039】
[0038]そのようなきめの細かい位置付け中、ロボットは、画像3が印刷されるべき表面11の0.2~1.2cmの所定の距離内にプリントヘッドのノズルが移動されるようにプリントヘッドを移動させるように制御される。この目的のために、プリントヘッド150は、プリントヘッドからプリントヘッドの前の表面までの距離を測定するための1つ以上の距離センサを設けられる。ロボット100と共に使用するための適切なプリントヘッドであって、そのような距離センサを含む適切なプリントヘッドが、参照により組み込まれる米国特許出願第15/044,764号の
図2A及び2Bに示されている。
【0040】
[0039]プリントヘッドは、表面への損傷を防止するために表面から離間して保たれ、プリントヘッドのノズルを表面から比較的短い距離に配置することによって、インク液滴をプリントヘッドから200DPI以上の解像度で表面上に噴射することが可能である。
【0041】
[0040]
図2Aは、画像3が印刷されているときの表面11の3つの帯状部分220
n・・・220
n+2を概略的に例示する。プリントヘッド150は、第1のノズル152と、第2のノズル154と、カメラ156とを備え、それらの全ては、表面11に面するように配置される。プリントヘッドには、6つの移動度におけるプリントヘッドの速度及び/又は加速度を測定するように適合された慣性運動測定ユニット(IMU)158が更に設けられる。IMUは、ジャイロスコープ、加速度計、及び同様のものを備え得る。
【0042】
[0041]表面11に対するプリントヘッドの正確な位置付けを提供するために、エンコーダパターン210n+1が、画像の一部分が第1のノズル152によって印刷されている帯状部分200n+1上に提供されている。同時に、第2のノズル154は、帯状部分200n+2上に更なるエンコーダパターン210n+2を印刷し、そのため、カメラは、画像の一部分を帯状部分200n+2上に印刷するときに更なるエンコーダパターンを追跡することができる。更なるエンコーダパターンの精度、及び画像3が表面上に印刷される精度は、初期エンコーダパターンが表面上に提供された精度に依存する。
【0043】
[0042]表面上にそのような初期エンコーダパターンを提供するとき、既に提供されている以前のエンコーダパターンへの参照は利用可能でない。表面上の初期エンコーダパターンは、従って、
図2Bに例示するように、ある程度歪み得る。
図2Bは、表面11上に提供された初期エンコーダパターン210
0を示す。初期エンコーダパターンは、理想的には、
図2Aのエンコーダパターン210
n+1の場合のように、表面上の直線に対して平行に延在する主軸を有するべきであるが、実際には、初期エンコーダパターンは、表面上に幾分歪んで提供されることが多い。これは、
図2Bでは、曲線に沿ったその主軸を有する初期エンコーダパターンによって例示する。
【0044】
[0043]
図3は、表面上に提供された初期エンコーダパターンが歪んでいる場合であっても、画像が表面上に正確に印刷されることを可能にすることを目的とする本発明の方法に係るフローチャートを示す。本方法は、基部とプリントヘッドとを備える印刷ロボットを利用し、プリントヘッドは、少なくとも6つの移動自由度で基部に対して移動可能であり、カメラは、プリントヘッドに対して固定され、初期エンコーダパターンの一部分を捕捉するように位置付けられる。ロボットのプリントヘッドには、6つの自由度でプリントヘッドの加速度を測定することができる1つ以上の慣性測定ユニット(IMU)が更に設けられる。ロボットは、基部とマストとの間、マストとアームとの間、及びアームとリストとの間の相対的な移動をそれぞれ決定するためのセンサ、典型的にはエンコーダを備える。そのようなエンコーダは、基部とマストとの間、マストとアームとの間、及びアームとリストとの間の相対的な移動を駆動するための電気モータに取り付けられ得る。
【0045】
[0044]ステップ300では、例えば、初期エンコーダパターンが印刷されたテープ又は箔を表面上の所定のロケーションの近くの表面上に適用することによって、又はロボットから及びエンコーダパターンが投影される表面から離間された投光器を使用して表面上に初期エンコーダパターンを投影することによって、表面上に初期エンコーダパターンが提供される。両方の場合において、結果として生じる表面上の初期エンコーダパターンは、ある程度歪む可能性が高いであろう。
【0046】
[0045]ステップ310では、ロボットは、初期エンコーダパターンの近傍にプリントヘッドを大まかに位置付けるように制御される。これは、ロボットが駆動モードにある間に、ロボットが床を横切って駆動されるようにロボットを制御し、その後、ロボットを駐車モードにし、カメラがエンコーダパターンの一部分の画像を捕捉することができるまでプリントヘッドが表面上の所定のロケーションの近くに位置付けられるような形でマスト及びアームを制御することを必要とし得る。エンコーダパターンの一部分のそのような捕捉された画像から、エンコーダパターンに対するカメラの相対位置及び向きを決定することができる。一般に、エンコーダヘッドから表面までの距離は、初期エンコーダパターンの捕捉された画像からは決定されない。この距離は、プリントヘッド上に設けられた距離センサを使用して測定される。
【0047】
[0046]ステップ320では、ロボットは、カメラが初期エンコーダパターンの開始部分又は終了部分を捕捉することができるような形でプリントヘッドを位置付けるように制御される。典型的には、これは、カメラがエンコーダパターンを追跡している間に、カメラが開始部分又は終了部分上に配置されていることが明らかになるまで、プリントヘッドを移動させることを必要とする。追跡中、距離センサからの測定値は、プリントヘッドを表面から0.2~1.2cmの所定の範囲内に保つために使用される。
【0048】
[0047]ステップ330では、カメラがエンコーダパターンを追跡している間にプリントヘッドが初期エンコーダパターンの一端から移動されるエンコーダパターン捕捉運転が実行される。この移動中、プリントヘッド上の1つ以上のIMUによって測定された慣性データは、移動中にカメラによって捕捉された初期エンコーダパターンの一部分から導出された初期エンコーダパターンに対するカメラの関連する位置及び向きデータと共にメモリに記憶される。このステップは、好ましくは、より正確な慣性データをIMUから収集することができるように、比較的低速で実行される。
【0049】
[0048]ステップ340では、画像の一部分、例えばロゴ又は写真が、印刷運転中に表面上に印刷される。これは、初期エンコーダパターンに対する前記一部分の位置及び向きが記憶された位置及び向きデータに基づいて調整されるような形で表面上に画像の一部分を印刷しながら、2回目のために初期エンコーダパターンに沿ってプリントヘッド移動させるようにロボットを制御することによって行われる。調整は、例えば、ノズル噴射タイミングを調整すること、初期エンコーダパターンに対するプリントヘッドの位置及び/若しくは向きを調整すること、又は印刷されるべき画像がデジタルメモリ中に記憶されているときにメモリ中の画像を動的にオフセットすることを備え得る。
【0050】
[0049]
図4は、本発明の好ましい方法のフローチャートを示し、それにおいて、初期エンコーダパターンは、エンコーダパターン捕捉運転及び印刷運転が実行される同じロボットを使用して表面上に印刷される。ステップ400では、ロボット、例えば
図1のロボット100は、表面上の実質的に所定のロケーションにプリントヘッドを位置付けるように制御され、プリントヘッドは、ノズルが表面から0.1~1.2cmの距離内にあるように配置される。プリントヘッドが表面上に配置される精度は、プリントヘッドの印刷解像度よりも著しく低くあり得る。例えば、プリントヘッドが少なくとも200DPIの解像度で印刷するように適合される場合、ステップ400中、印刷ロボットは、1/10インチの精度で表面に対してプリントヘッドを位置付けることしか可能ではない。これは、表面上に印刷されるべき画像全体の僅かなシフトを引き起こし得るが、この最初の位置付けの不正確さは、画像の反りをもたらさないであろう。所定のロケーションの近傍にプリントヘッドを位置付けることを容易にするために、レーザポインタを使用して所定のロケーションが照射され得る。
【0051】
[0050]ステップ410では、ロボットは、表面上に初期エンコーダパターンを印刷するように制御され、その間、ロボットは、典型的には、駐車モードにあるであろう。それにもかかわらず、プリントヘッドは、ロボットのサイズが大きいこと、及びマスト、アーム、およびリストを含むロボットの構成要素が互いに対して移動可能に接続されているという事実に起因して、表面に沿って移動するときに望ましくない振動を受けやすい。実際には、結果として生じる表面上の初期エンコーダパターンは、従って、プリントヘッドの印刷解像度よりも一般に低い精度で表面上に印刷されることになり、即ち幾分歪むであろう。
【0052】
[0051]ステップ420では、エンコーダパターン捕捉運転が実行され、その間に、カメラが初期エンコーダパターンをパターンの開始から終了まで追跡する間に、エンコーダヘッドが表面を横切って移動される。運転中、IMUによって測定されたデータは、移動中にカメラによって捕捉された初期エンコーダパターンの一部分から導出された初期エンコーダパターンに対するカメラの関連する位置及び向きデータと共に、オプションとして、ロボット上のエンコーダからのセンサデータとも共に、メモリ中に記憶される。そのようなエンコーダは、基部とマストとの間、マストとアームとの間、及びアームとリストとの間など、ロボットの構成要素間の相対位置に関するデータを提供する。慣性データに、及びオプションとしてエンコーダからのセンサデータにも基づいて、運転中のプリントヘッドの移動の推定値を計算することができる。初期エンコーダパターンが実質的に歪みなく表面上に印刷された場合、この推定された移動は、運転中にカメラによって捕捉されたエンコーダパターンの一部分から導出された位置及び向きデータと実質的に対応すべきである。推定された移動が位置及び向きデータから印刷解像度よりも大きく逸脱する場合、印刷中にそのような逸脱を補償することは、印刷精度を改善する可能性が高いであろう。
【0053】
[0052]ステップ430では、画像の一部分の印刷が印刷運転中に実行される。印刷運転中に、印刷ロボットは、カメラが2回目のために初期エンコーダパターンを追跡するようにプリントヘッドを移動させるように制御され、それと同時に、プリントヘッドの移動を制御し、初期エンコーダパターンに対する一部分の位置及び/又は向きがエンコーダパターン捕捉運転中にメモリ中に記憶された慣性データ及びカメラの関連する位置データに基づいて調整されるような形で3次元の湾曲した表面上に印刷媒体を噴射して3次元の湾曲した表面上に画像の一部分を印刷するようにノズルを制御する。
【0054】
[0053]オプションとして、印刷運転中に、更なるエンコーダパターンが、表面の隣接する帯状部分上に印刷され得る。更なるエンコーダパターンは、画像の次の帯状部分が印刷されるときに追跡することができる。
【0055】
[0054]要約すると、本発明は、3D表面上に画像を印刷するための方法及びシステムに関し、印刷ロボットは、最初にエンコーダパターン捕捉運転を実行するように制御される。この運転中に、ロボットのプリントヘッドは、3D表面上の僅かに歪み得るエンコーダパターンを追跡するように制御され、プリントヘッドに固定された慣性データ測定ユニットからの慣性データは、プリントヘッド上に据え付けられたカメラによって捕捉されたエンコーダパターンの一部分の捕捉された画像から導出された位置及び向きデータと共に記憶される。次に、印刷運転中に、プリントヘッドは、プリントヘッドによって印刷している間に、カメラが2回目のためにエンコーダパターンを追跡するように制御され、及び/又はプリントヘッドの位置は、エンコーダパターン捕捉運転中に記憶された慣性並びに位置及び向きデータに基づいて調整される。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] 航空機などの物体の3次元の湾曲した表面上に画像を印刷するための方法であって、前記方法は、
基部、前記基部によって支持され、前記基部に対して移動可能なアーム、及び印刷媒体のソースに結合された複数のノズルを有するプリントヘッドを備える印刷ロボットを使用し、前記アームは、前記プリントヘッドを搭載し、前記プリントヘッドは、制御信号に基づいて印刷媒体を噴射するように適合され、前記3次元の湾曲した表面に沿った前記プリントヘッドの相対的な移動を引き起こすために、少なくとも6つの移動自由度で前記基部に対して移動可能であり、前記印刷ロボットは、前記アームの端部に配置され、前記3次元の湾曲した表面の画像を捕捉するように適合されたカメラと、前記基部に対する前記プリントヘッドの位置及び向きを決定するための複数のセンサを備える内部位置決定システムと、前記プリントヘッドに対して固定され、前記プリントヘッド上に慣性データを提供するように適合された慣性測定ユニット(IMU)とを更に備え、
前記方法は、
エンコーダパターン捕捉運転中に、前記カメラが前記3次元の湾曲した表面上の初期エンコーダパターンを追跡するような形で前記3次元の湾曲した表面の第1の帯状部分を横切って前記プリントヘッドを移動させるように前記印刷ロボットを制御し、前記プリントヘッドの移動中に、前記IMUによって測定された慣性データを、移動中に前記カメラによって捕捉された前記初期エンコーダパターンの一部分から導出された前記初期エンコーダパターンに対する前記カメラの関連する位置及び向きデータと共にメモリ中に記憶するステップと、
印刷運転中に、前記カメラが前記3次元の湾曲した表面上の前記初期エンコーダパターンを追跡するような形で前記第1の帯状部分を横切って前記プリントヘッドを移動させるように前記印刷ロボットを制御し、前記プリントヘッドの移動を制御し、前記初期エンコーダパターンに対する前記一部分の前記位置及び/又は向きがエンコーダパターン捕捉運転中に前記メモリ中に記憶された前記慣性データ及び前記カメラの関連する位置データに基づいて調整されるような形で前記3次元の湾曲した表面上に印刷媒体を噴射して前記3次元の湾曲した表面上に前記画像の一部分を印刷するように前記ノズルを制御するステップと
を備える、方法。
[2] エンコーダパターン捕捉運転中に、前記プリントヘッドは、印刷運転中よりも低い速度で、好ましくは2倍以上遅く前記第1の帯状部分を横切って移動させられる、[1]に記載の方法。
[3] 前記画像は、メモリ中に記憶され、前記初期エンコーダパターンに対する前記印刷された部分の前記位置及び/又は向きの前記調整は、前記ノズルの噴射タイミングを調整することと、前記メモリ中の前記画像を動的にオフセットすることと、前記初期エンコーダパターンに対する前記プリントヘッドの前記位置及び/又は向きを調整することとのうちの1つ以上を備える、[1]に記載の方法。
[4] エンコーダパターン捕捉運転より前に、前記3次元の湾曲した表面の前記第1の帯状部分を横切って前記初期エンコーダパターンを提供するステップを更に備える、[1]に記載の方法。
[5] 前記初期エンコーダパターンを提供するステップは、前記第1の帯状部分上に前記初期エンコーダパターンを印刷しながら、前記3次元の湾曲した表面の第1の帯状部分を横切って前記プリントヘッドを移動させるように前記印刷ロボットを制御することを備える、[4]に記載の方法。
[6] 前記初期エンコーダパターンを提供するステップは、前記印刷ロボットから離間された投光器を使用して前記3次元の湾曲した表面の前記第1の帯状部分上に前記初期エンコーダパターンを投影することを備える、[4]に記載の方法。
[7] 前記初期エンコーダパターンを提供するステップは、前記3次元の湾曲した表面の前記第1の帯状部分上に、前記初期エンコーダパターンを備えるマーカーストリップを取り付けることを備える、[4]に記載の方法。
[8] コントローラは、エンコーダパターン捕捉運転中及び/又は印刷運転中に前記プリントヘッドを位置付けて、運転中に前記IMUによって感知された前記慣性データに基づいて前記プリントヘッドの高周波数振動を補償するように前記印刷ロボットを制御するように適合される、[4]に記載の方法。
[9] 前記画像は、200DPI以上の解像度で前記3次元の湾曲した表面上に印刷されるべき写真又はロゴである、[1]に記載の方法。
[10] 前記印刷ロボットには、前記プリントヘッドに対して固定され、前記プリントヘッドから前記3次元の湾曲した表面までの距離を測定するように適合された1つ以上の距離センサが更に設けられ、コントローラは、印刷媒体が前記ノズルから噴射されるときに前記プリントヘッドを前記3次元の湾曲した表面まで0.2~1.2cmの距離、好ましくは0.3~1cmの距離に維持するように前記印刷ロボットを制御するように更に適合される、[1]に記載の方法。
[11] 印刷運転は、後続する印刷運転中に前記画像の隣接する帯状部分を印刷する際に使用されるように、前記3次元の湾曲した表面上に更なるエンコーダパターンを印刷することを備える、[1]に記載の方法。
[12] エンコーダパターン捕捉運転中に、前記印刷ロボットのエンコーダによって提供された位置及び向きデータは、前記IMUによって測定された前記慣性データ並びに前記初期エンコーダパターンから導出された前記位置及び向きデータと共に記憶され、印刷運転中の調整は、前記エンコーダによって提供された前記記憶された位置及び向きデータに更に基づく、[1]に記載の方法。
[13] 航空機などの物体の3次元の湾曲した表面上に画像を印刷するためのシステムであって、前記システムは、
基部、前記基部によって支持され、前記基部に対して移動可能なアーム、及び印刷媒体のソースに結合された複数のノズルを有するプリントヘッドを備える印刷ロボットを備え、前記アームは、前記プリントヘッドを搭載し、前記プリントヘッドは、制御信号に基づいて印刷媒体を噴射するように適合され、前記3次元の湾曲した表面に沿った前記プリントヘッドの相対的な移動を引き起こすために、少なくとも6つの移動自由度で前記基部に対して移動可能であり、前記印刷ロボットは、前記アームの端部に配置され、前記3次元の湾曲した表面の画像を捕捉するように適合されたカメラと、前記基部に対する前記プリントヘッドの位置及び向きを決定するための複数のセンサを備える内部位置決定システムと、前記プリントヘッドに対して固定され、前記プリントヘッド上に慣性データを提供するように適合された慣性測定ユニット(IMU)とを更に備え、
前記システムは、
エンコーダパターン捕捉運転中に、前記カメラが前記3次元の湾曲した表面上の初期エンコーダパターンを追跡するような形で前記3次元の湾曲した表面の第1の帯状部分を横切って前記プリントヘッドを移動させるように前記印刷ロボットを制御し、前記プリントヘッドの移動中に、前記IMUによって測定された慣性データを、移動中に前記カメラによって捕捉された前記初期エンコーダパターンの一部分から導出された前記初期エンコーダパターンに対する前記カメラの関連する位置及び向きデータと共にメモリ中に記憶することと、
印刷運転中に、前記カメラが前記3次元の湾曲した表面上の前記初期エンコーダパターンを追跡するような形で前記第1の帯状部分を横切って前記プリントヘッドを移動させるように前記印刷ロボットを制御し、前記プリントヘッドの移動を制御し、前記初期エンコーダパターンに対する前記一部分の前記位置及び/又は向きがエンコーダパターン捕捉運転中に前記メモリ中に記憶された前記慣性データ及び前記カメラの関連する位置データに基づいて調整されるような形で前記3次元の湾曲した表面上に印刷媒体を噴射して前記3次元の湾曲した表面上に前記画像の一部分を印刷するように前記ノズルを制御することと
を行うように適合されたコントローラを更に備える、システム。
[14] 前記第1の帯状部分は、実質的に直線的に延在し、前記コントローラは、前記プリントヘッドが前記基部に対して非直線的に移動されるような形で、及び/又は前記第1の帯状部分を横切る前記プリントヘッドの移動中に前記プリントヘッドが可変速度で前記3次元の湾曲した表面に対して移動されるような形で前記第1の帯状部分を横切る前記プリントヘッドの移動中に前記3次元の湾曲した表面に対して前記印刷ロボットを制御するように適合されている、[13]に記載のシステム。
[15] 前記印刷ロボットは、少なくとも10mの高さの垂直マストを備え、前記垂直マストは、前記基部上に支持され、垂直軸を中心として前記基部に対して回転可能であり、前記アームは、前記アームが前記垂直軸に沿って前記垂直マストに対して移動することができ、水平軸を中心として前記垂直マストに対して回転可能であるような形で前記垂直マストによって移動可能に支持され、前記アームは、少なくとも5mの長さを有する、[13]に記載のシステム。
[16] 前記プリントヘッドの前記ノズルは、前記3次元の湾曲した表面上に印刷されるべき前記画像のエリアよりも小さいエリアにわたる、[13]に記載のシステム。
[17] 前記印刷ロボットには、前記プリントヘッドに対して固定され、前記プリントヘッドから前記3次元の湾曲した表面までの距離を測定するように適合された1つ以上の距離センサが設けられ、前記コントローラは、印刷媒体が前記ノズルから噴射されるときに前記プリントヘッドを前記3次元の湾曲した表面まで0.2~1.2cmの距離、好ましくは0.3~1cmの距離に維持するように前記印刷ロボットを制御するように更に適合されている、[13]に記載のシステム。
[18] 前記コントローラは、エンコーダパターン捕捉運転中及び/又は印刷運転中に前記プリントヘッドを位置付けて、運転中に前記IMUによって感知された前記慣性データに基づいて前記プリントヘッドの高周波数振動を補償するように前記印刷ロボットを制御するように適合されている、[13]に記載のシステム。
[19] 前記印刷ロボットは、前記印刷ロボットの構成要素の位置及び/又は向きデータを感知するためのエンコーダを更に備え、前記コントローラは、エンコーダパターン捕捉運転中に、前記エンコーダによって感知された前記位置及び/又は向きデータを、前記IMUによって測定された前記慣性データ並びに前記初期エンコーダパターンから導出された前記位置及び向きデータと共に前記メモリ中に記憶するように更に適合され、前記コントローラは、印刷運転中に、前記エンコーダからの前記記憶された位置及び/又は向きデータに更に基づいて前記画像の前記一部分を印刷するように適合されている、[13]に記載のシステム。