(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】シールドを有する組織埋め込みカセット
(51)【国際特許分類】
G01N 1/36 20060101AFI20240708BHJP
【FI】
G01N1/36
(21)【出願番号】P 2021560703
(86)(22)【出願日】2020-04-09
(86)【国際出願番号】 CA2020050471
(87)【国際公開番号】W WO2020206545
(87)【国際公開日】2020-10-15
【審査請求日】2023-02-20
(32)【優先日】2019-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521446808
【氏名又は名称】アンバルスミアン グルゲン
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100168871
【氏名又は名称】岩上 健
(72)【発明者】
【氏名】アンバルスミアン グルゲン
【審査官】佐々木 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-020202(JP,A)
【文献】特表2013-528783(JP,A)
【文献】登録実用新案第3129201(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2013/0196371(US,A1)
【文献】特開2009-168737(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N1/00-1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側キャビティを定める箱と、
前記箱に作動的に接続されて前記内側キャビティへのアクセスを開閉する蓋と、
前記蓋から突出し前記箱の面に対して適用される
、保持フィンガ、保持フレーム、又は、透明板本体を有するシールド
のいずれかと、
前記保持フィンガ、前記保持フレーム、又は、前記シールド
のいずれかが前記箱の前記面に対して保持されるための相補形コネクタと、
を含み、
前記保持フィンガ、前記保持フレーム、又は、前記シールドと前記蓋との間の角度が、前記箱の上部と前記保持フレーム、又は、前記シールドが適用される前記箱の前記面との間の角度よりも小さい、
組織埋め込みカセット。
【請求項2】
前記
保持フィンガ又は前記保持フレーム、及び前記蓋は、モノブロックである、請求項
1に記載の組織埋め込みカセット。
【請求項3】
前記
保持フィンガ、前記保持フレーム、又は、前記シールド
、及び前記蓋は、異なる材料で作られるか又は同じ材料で作られる、請求項
1に記載の組織埋め込みカセット。
【請求項4】
前記保持フィンガ、前記保持フレーム、又は、前記シールドが適用される前記箱の前記面は、傾斜面である、請求項
1に記載の組織埋め込みカセット。
【請求項5】
前記相補形コネクタは、少なくとも前記蓋と前記箱の間に位置付けられる、請求項
1から
4のいずれか1項に記載の組織埋め込みカセット。
【請求項6】
前記相補形コネクタは、前記蓋と前記箱の間にピボット継手を含む、請求項
5に記載の組織埋め込みカセット。
【請求項7】
前記相補形コネクタは、少なくとも
前記保持フィンガ、前記保持フレーム、又は、前記シールドと前記箱の間に位置付けられる、請求項
1から
6のいずれか1項に記載の組織埋め込みカセット。
【請求項8】
前記相補形コネクタは、一体丁番、スナップ式接続、ラッチ、ヒンジ、クリップ、留め金、インターロック、スライド、取っ手、及び/又は溝から選択される、請求項1に記載の組織埋め込みカセット。
【請求項9】
前記保持フィンガ、前記保持フレーム、又は、前記シールドによって保護されるラベル又はタグを更に含む、請求項1から
8のいずれか1項に記載の組織埋め込みカセット。
【請求項10】
前記タグは、無線通信のための電子チップを含む、請求項
9に記載の組織埋め込みカセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願への相互参照〕
本出願は、引用によって本明細書に組み込まれている2019年4月12日出願の米国特許出願第62/833,198号の優先権を主張するものである。
【0002】
本出願は、病理学、細胞学、組織学に使用されるタイプの組織処理及び埋め込みカセットに関する。
【背景技術】
【0003】
組織埋め込みカセットとしても公知の組織処理カセットは、病理学、細胞学、及び組織学実験室、及び顕微鏡検査のための組織サンプル固定及び処理のための他の実験室で定期的に使用されている。例えば、それらは、世界中の多くの販売業者から市販されているSimport M385、M480、M481、M482、M485、M490、M492、M507、M508、M512、M517、又はM521などとして入手可能である場合がある。典型的な手順では、切除された組織は、固定で開始される処理のための組織埋め込みカセットに入れられる。固定は、組織を保存するのに使用され、かつ通常は組織劣化を避けるために組織除去後に直ちに又は迅速に実施される。固定された状態で、組織は、例えば脱水及び清浄化により、それを薄い顕微鏡切片に切断することができる形態に変換する処理を必要とする。処理された状態で、組織は、切片のその後の切断のためにパラフィン蝋のような基体に埋め込むことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実施形態では、組織の脱水は、70%を超えるアルコール勾配を使用して達成することができる。組織が脱水された状態で、それは、埋め込みに使用されるパラフィンとも混合可能である化合物を用いて脱水剤を除去することによって清浄化することができる。一般的な清浄化剤は、キシレン、トルエン、リモネンのような溶媒、又は様々な溶媒に対する代用品を含むその他である。その結果、インク、支持体、コーティング、ワニス、積層体、及び/又は接着剤を含む様々なラベル構成要素に対する溶媒の影響に起因して、組織埋め込みカセットを識別及び/又はラベル付けすることに困難が存在する。組織埋め込みは、大量の試料を用いて実行される場合があり、かつ多数のカセットを使用する場合があるので、カセットを識別することは、懸念対象である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様では、内側キャビティを定める箱と、透明板本体を有し、箱の面に対して適用するためのシールドと、シールドが箱の面に対して保持されるための相補形コネクタとを含む組織埋め込みカセットを提供する。
【0006】
更に、第1の態様により、例えば、内側キャビティへのアクセスを開閉する蓋を箱に作動的に接続することができる。
【0007】
更に、第1の態様により、例えば、シールドは、蓋に接続される。
【0008】
更に、第1の態様により、例えば、シールド及び蓋は、モノブロックである。
【0009】
更に、第1の態様により、例えば、シールド及び蓋は、異なる材料で作られるか又は同じ材料で作られる。
【0010】
更に、第1の態様により、例えば、シールドは、蓋に枢動可能に接続される。
【0011】
更に、第1の態様により、例えば、シールドは、蓋に剛的に接続される。
【0012】
更に、第1の態様により、例えば、シールドと蓋の間の角度は、箱の上部とシールドが適用される箱の面との間の角度よりも鋭角である。
【0013】
更に、第1の態様により、例えば、シールドが適用される箱の面は、傾斜面である。
【0014】
更に、第1の態様により、例えば、相補形コネクタは、少なくとも蓋と箱の間に位置付けられる。
【0015】
更に、第1の態様により、例えば、相補形コネクタは、蓋と箱の間にピボット継手を含む。
【0016】
更に、第1の態様により、例えば、相補形コネクタは、少なくともシールドと箱の間に位置付けられる。
【0017】
更に、第1の態様により、例えば、相補形コネクタは、一体丁番、スナップ式接続、ラッチ、ヒンジ、クリップ、留め金、インターロック、スライド、取っ手、及び/又は溝から選択される。
【0018】
更に、第1の態様により、例えば、シールドは、ラベル又はタグを受け入れるように構成されたポケットを定める。
【0019】
更に、第1の態様により、例えば、ラベル又はタグは、シールドによって保護される場合がある。
【0020】
更に、第1の態様により、例えば、タグは、無線通信のための電子チップを含む。
【0021】
第2の態様により、内側キャビティを定める箱と、箱に作動的に接続され、内側キャビティへのアクセスを開閉する蓋と、蓋から突出し、かつ箱の面に対して適用されるための保持フィンガと、保持フィンガが箱の面に対して保持されるための相補形コネクタとを含む組織埋め込みカセットを提供する。
【0022】
更に、第2の態様により、例えば、蓋及び保持フィンガは、モノブロックである。
【0023】
更に、第2の態様により、例えば、蓋及び保持フィンガは、異なる材料で作られるか又は同じ材料で作られる。
【0024】
更に、第2の態様により、例えば、保持フィンガと蓋の間の角度は、箱の上部とシールドが適用される箱の面との間の角度よりも鋭角である。
【0025】
更に、第2の態様により、例えば、フィンガが適用される箱の面は、傾斜面である。
【0026】
更に、第2の態様により、例えば、相補形コネクタは、少なくとも蓋と箱の間に位置付けられる。
【0027】
更に、第2の態様により、例えば、相補形コネクタは、蓋と箱の間にピボット継手を含む。
【0028】
更に、第2の態様により、例えば、相補形コネクタは、少なくとも保持フィンガと箱の間に位置付けられる。
【0029】
更に、第2の態様により、例えば、相補形コネクタは、一体丁番、スナップ式接続、ラッチ、ヒンジ、クリップ、留め金、インターロック、スライド、取っ手クリップ、及び/又は溝から選択される。
【0030】
更に、第2の態様により、例えば、ラベル又はタグは、保持フィンガによって保護することができる。
【0031】
更に、第2の態様により、例えば、タグは、無線通信のための電子チップを含む。
【0032】
更に、第2の態様により、例えば、箱及び蓋は、モノブロックであり、相補形コネクタは、箱と蓋の間に一体丁番を含む。
【0033】
本発明の開示の第3の態様により、内側キャビティを定める箱と、箱に作動的に接続されて内側キャビティへのアクセスを開閉する蓋と、蓋から突出し、かつ箱の面に対して適用されるための保持フレームと、保持フレームが箱の面に対して保持されるための相補形コネクタとを含む組織埋め込みカセットを提供する。
【0034】
更に、第3の態様により、例えば、蓋及び保持フレームは、モノブロックである。
【0035】
更に、第3の態様により、例えば、蓋及び保持フレームは、異なる材料で作られるか又は同じ材料で作られる。
【0036】
更に、第3の態様により、例えば、保持フレームと蓋の間の角度は、箱の上部とシールドが適用される箱の面との間の角度よりも鋭角である。
【0037】
更に、第3の態様により、例えば、保持フレームが適用される箱の面は、傾斜面である。
【0038】
更に、第3の態様により、例えば、相補形コネクタは、少なくとも蓋と箱の間に位置付けられる。
【0039】
更に、第3の態様により、例えば、相補形コネクタは、蓋と箱の間にピボット継手を含む。
【0040】
更に、第3の態様により、例えば、相補形コネクタは、少なくとも保持フレームと箱の間に位置付けられる。
【0041】
更に、第3の態様により、例えば、相補形コネクタは、一体丁番、スナップ式接続、ラッチ、ヒンジ、クリップ、留め金、インターロック、スライド、取っ手クリップ、及び/又は溝から選択される。
【0042】
更に、第3の態様により、例えば、ラベル又はタグは、シールドによって保護することができる。
【0043】
更に、第3の態様により、例えば、タグは、無線通信のための電子チップを含む。
【0044】
更に、第3の態様により、例えば、箱及び蓋は、モノブロックであり、相補形コネクタは、箱と蓋の間に一体丁番を含む。
【0045】
第4の態様により、内側キャビティを定める箱を有するタイプの組織埋め込みカセットのためのアセンブリを提供し、アセンブリは、箱に作動的に接続されるようになって箱の内側キャビティへのアクセスを開閉する蓋と、透明板本体を有して箱の面に対して適用されるように構成されたシールドと、シールドが箱の面に対して保持されるための蓋及び/又はシールド上の相補形コネクタとを含む。
【0046】
更に、第3の態様により、例えば、シールドは、蓋に剛的に接続される。
【0047】
更に、第3の態様により、例えば、シールドは、蓋に枢動可能に接続される。
【0048】
更に、第3の態様により、例えば、シールドと蓋の間の角度は、箱の上部とシールドが適用される箱の面との間の角度よりも鋭角である。
【0049】
更に、第3の態様により、例えば、相補形コネクタは、蓋を箱に接続するためのピボット継手を含む。
【0050】
更に、第3の態様により、例えば、相補形コネクタは、一体丁番、スナップ式接続、ラッチ、ヒンジ、クリップ、留め金、インターロック、スライド、取っ手、及び/又は溝から選択される。
【0051】
更に、第3の態様により、例えば、シールドは、ラベル又はタグを受け入れるように構成されたポケットを定める。
【0052】
第4の態様により、内側キャビティを定める箱を有するタイプの組織埋め込みカセットのためのアセンブリを提供し、アセンブリは、箱に作動的に接続されるようになって箱の内側キャビティへのアクセスを開閉する蓋と、蓋から突出し、かつ箱の面に対して適用されるように構成された保持フィンガと、保持フィンガが箱の面に対して保持されるための蓋及び/又は保持フィンガ上の相補形コネクタとを含む。
【0053】
更に、第4の態様により、例えば、保持フィンガ及び蓋は、モノブロックである。
【0054】
更に、第4の態様により、例えば、保持フィンガと蓋の間の角度は、箱の上部と保持フィンガが適用される箱の面との間の角度よりも鋭角である。
【0055】
更に、第4の態様により、例えば、相補形コネクタは、蓋を箱に接続するためのピボット継手を含む。
【0056】
更に、第4の態様により、例えば、相補形コネクタは、一体丁番、スナップ式接続、ラッチ、ヒンジ、クリップ、留め金、インターロック、スライド、取っ手、及び/又は溝から選択される。
【0057】
第5の態様により、内側キャビティを定める箱を有するタイプの組織埋め込みカセットのためのアセンブリを提供し、アセンブリは、箱に作動的に接続されるようになって箱の内側キャビティへのアクセスを開閉する蓋と、蓋から突出し、かつ箱の面に対して適用されるように構成された保持フレームと、保持フレームが箱の面に対して保持されるための蓋及び/又は保持フィンガ上の相補形コネクタとを含む。
【0058】
更に、第5の態様により、例えば、保持フレーム及び蓋は、モノブロックである。
【0059】
更に、第5の態様により、例えば、保持フレームと蓋の間の角度は、箱の上部と保持フレームが適用される箱の面との間の角度よりも鋭角である。
【0060】
更に、第5の態様により、例えば、相補形コネクタは、蓋を箱に接続するためのピボット継手を含む。
【0061】
更に、第5の態様により、例えば、相補形コネクタには、一体丁番、スナップ式接続、ラッチ、ヒンジ、クリップ、留め金、インターロック、スライド、取っ手、及び/又は溝を含む。
【0062】
第6の態様により、ラベル又はタグを組織埋め込みカセットの面上に接着する段階と、透明シールドをラベル又はタグの上に位置決めする段階と、透明シールドを組織埋め込みカセットに接続する段階とを含むカセット上のラベルを遮蔽する方法を提供する。
【0063】
第7の態様により、ラベル又はタグを組織埋め込みカセットの面上に接着する段階と、フレームの開口部がラベル又はタグの中心を露出するようにフレームをラベル又はタグの上に位置決めする段階と、フレームを組織埋め込みカセットに接続する段階とを含むカセット上にラベルを固定する方法を提供する。
【0064】
ここで添付図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【
図1A】蓋と一体であって透明板本体を有するシールドを有する本発明の開示の実施形態による組織埋め込みカセットを示す図である。
【
図1B】1対の保持フィンガを有する本発明の開示の実施形態によるシールドを有する組織埋め込みカセットを示す図である。
【
図1C】保持フレームを有する本発明の開示の実施形態によるシールドを有する組織埋め込みカセットを示す図である。
【
図2A】蓋にヒンジ連結されて透明板本体を有するシールドを有する本発明の開示の別の実施形態による組織埋め込みカセットを示す図である。
【
図2B】1対の保持フィンガを有する本発明の開示の別の実施形態によるシールドを有する組織埋め込みカセットを示す図である。
【
図2C】保持フレームを有する本発明の開示の別の実施形態によるシールドを有する組織埋め込みカセットを示す図である。
【
図3A】ポケットを有するシールドを有する本発明の開示の別の実施形態による組織埋め込みカセットを示す図である。
【
図3B】シールドにポケットに加えてレセプタクルを有する
図3Aに示すタイプのシールドを有する組織埋め込みカセットを示す図である。
【
図4A】組織埋め込みカセットの箱に取り付け可能な透明板シールドを有する本発明の開示の別の実施形態によるシールドを有する組織埋め込みカセットを示す図である。
【
図4B】組織埋め込みカセットの箱に取り付け可能な保持フレームを有する本発明の開示の別の実施形態によるシールドを有する組織埋め込みカセットを示す図である。
【
図5】箱の側壁の窪みにあるシールドを有する本発明の開示の別の実施形態による組織埋め込みカセットを示す図である。
【
図6】箱に取り付けられたシールドを有する本発明の開示の別の実施形態による組織埋め込みカセットを示す図である。
【
図7】箱に取り付けられたシールドを有する本発明の開示の別の実施形態による組織埋め込みカセットを示す図である。
【
図8】箱に取り付けられたシールドを有する本発明の開示の別の実施形態による組織埋め込みカセットを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0066】
図面及びより具体的には
図1Aを参照すると、概略的な埋め込みカセットが1で全体的に示されている。取りわけ、組織埋め込みカセット1は、組織処理カセット、組織処理及び埋め込みカセット、スロット付きカセット、生検カセット、マイクロ生検カセット、メッシュカセット、組織カセットとしても公知である場合がある。簡単化するために、組織埋め込みカセットという表現を組織埋め込みカセット1に対して本明細書で以下に使用する。組織埋め込みカセット1は、処理されることになる組織を受け入れるのに使用される。脱水した組織サンプルは、固定/処理された後に、それは、パラフィン蝋、paraplastのような埋め込み剤で浸潤される必要がある。埋め込み剤は、製剤中の可塑剤に応じて異なる硬度で利用可能である。その後に、組織サンプルは、適切なサイズの埋め込みモールドに入れられ、溶融パラフィンのような溶融埋め込み剤が、その上に流し込まれる。次に、カセット1の底部は、埋め込み剤及び組織サンプルで充填されたモールドの上部にわたって置かれ、より多くの溶融埋め込み剤がカセット1の上に流し込まれる。その結果、埋め込み剤は、カセット1を充填してモールドと結合される。その後に、カセット1と結合した組織埋め込みモールドは、自然固化し、カセットと結合した埋め込み組織は、固化後にモールドから除去される。埋め込みが完了した後に、組織を有する埋め込み剤のブロックは、埋め込み組織の薄いスライスを切片化するためにマイクロトームと呼ばれる機械に入れることができる。薄いスライスは、例えば、脱パラフィン化と呼ばれる処理では、及び顕微鏡検査のためのサンプルの染色のような更に別の処理に対して、埋め込み剤を除去する更に別の処理を行うことができる。
【0067】
組織埋め込みカセット1は、上述の段階の少なくとも一部に使用されるように構成することができる。一例では、組織埋め込みカセット1は、28.5mmx41mm×6.7mm(1.12’’x1.61’’×0.26’’)という寸法であるが、他の寸法が可能である。組織埋め込みカセット1は、一般的に、箱10及び蓋20を有すると説明することができる。箱10は、カセット、レセプタクル、ケージなどとして公知である場合がある。箱10は、その後の埋め込みのために組織サンプルを受け入れて収容する内側キャビティAを定める。カバー、上部などとしても公知の蓋20は、内側キャビティAへのアクセスを開閉することができる。蓋20が箱10の上にロックされる、接続される、スナップ装着されるなどの時に、サンプルは、内側キャビティAに捕捉されて保持される。後述するように、蓋20は、箱10からロック解除、ピボット回転、及び/又は分離することができる。実施形態では、箱10及び蓋20は、別売りである場合がある。同じく、蓋20なしで箱10を使用することが可能である。
【0068】
箱10は、実施形態では、比較的薄型の角柱又は直方体とすることができるが、他の形状が可能である。箱10は、単一のモノブロック本体で製造することができる。例えば、箱10は、ポリマー又は金属で作られる。例えば、箱10は、アセタールポリマー、ポリエステル、ポリプロピレン、又は熱可塑性材料又は熱硬化性材料のような高密度ポリマーで成形される。材料は、箱10が組織学的溶媒に対して抵抗性であるように選択される。実施形態では、箱10は、透明とすることができる。
【0069】
箱10は、ベースパネル11を有することができる。例えば、ベースパネル11は、ほぼ平坦とすることができる。ベースパネル11は、孔としても公知のスロット11Aのマトリックスを有することができる。スロット11Aは、可能性に従って形状は矩形とすることができるが、様々な他の形状が同様に可能である。スロット11Aは、有効な流体交換及び適正な排水のための貫流を可能にする。実施形態では、ベースパネル11は、スロットを持たず又はより少数のスロットを有する。側壁12は、ベースパネル11のあらゆる側部から上方に突出することができ、一方、端壁13は、ベースパネル11のあらゆる端部から上方に突出することができる。表現「側部」及び「端部」が使用されるが、「上に」及び「下に」を除いて、必ずしも箱10に対するあらゆる向きとすることができるというわけではない。側壁12及び端壁13は、内側キャビティAを同時に定める。内部セパレータ、セパレータ、セパレータ壁は、同時に複数の組織を処理する箱10の内側とすることができる。側壁12及び端壁13は、例えば、ベースパネル11との矩形関係にあることができる。側壁12及び端壁13には、スロット又は排水開口部を設けることができるが、これは必要ではない。実施形態により、端壁13の一方又は両方は、傾斜面14を有するが、そのような面14は、必ずしも存在するというわけではない。傾斜面14は、ほぼ平坦とすることができるが、箱10の底面に対して鋭角であり、最大90°まで、潜在的にそれ以上までのあらゆる角度とすることができる。傾斜面14は、その上で情報又はラベルを受け入れることができる。その向きは、ユーザがトップダウンの視点でより簡単に傾斜面14を見ることができる時に組織埋め込みカセット1の識別を容易にすることができる。
【0070】
箱10は、蓋20をそこにロックするよう構成することができる。例えば、コネクタ15は、端壁13(図示のように)及び/又は側壁12の上端面上に提供することができる。コネクタ15は概略的に示されているが、少しの可能性を挙げれば、溝、舌状部、戻り止め、クリップ、孔、締め付け孔のいずれかとすることができる。実施形態では、コネクタ15は、ピボット部分であり、それによって蓋20の相補形ピボット部分を枢動可能に接続することができる。別の可能性として、他の例のうちの
図2A~
図2Cのように、ピボット接続部は、例えば、箱10及び蓋20を共成形することができるので一体丁番によるものである。一体丁番は、相補形コネクタの複数のソリューションの1つである。本明細書に説明する様々な実施形態では、相補形コネクタは、スナップ式接続、ラッチ、ヒンジ、クリップ、留め金、インターロック、スライド、取っ手クリップ、及び/又は溝とすることができる。そのような構成では、蓋20は、ピボット式に開くことができる。
【0071】
蓋20は、箱10の形状に対応するように実施形態では矩形とすることができるが、他の形状が可能である。蓋20は、例えば、ポリマー又は金属のモノブロックで製造することができる。実施形態では、蓋20は、組織学的溶媒に対して抵抗性であるように高密度ポリマー(例えば、ポリエステル、ポリプロピレン、二軸延伸ポリプロピレン、アセタール、複合材料、共押出材料のような)での成形のような箱10と同じ材料で作られる(例えば、同様に透明である)。これに代えて、蓋20は、蓋20が本明細書に説明するシールド30と一体である場合のように異なる材料で製造することができる。実施形態では、箱10及び蓋20は、一体化ヒンジ(例えば、一体丁番)又は同様のコネクタを用いて共成形される。蓋20は、上部パネル21を有することができる。上部パネル21は、例えば、ほぼ平坦とすることができる。上部パネル21は、スロット21Aのマトリックスを有する場合もあれば、持たない場合もある。スロット21Aは、可能性に従って形状は矩形とすることができるが、広範な他の形状が同様に可能である。スロット11Aに類似した方法で、スロット21Aは、良好な流体交換及び適正な排水のための貫流を可能にする。
【0072】
相補形コネクタ25は、上部パネル21の終端に提供することができる。コネクタ25は概略的に示されているが、少しの可能性を挙げれば、溝、舌状部、戻り止め、クリップ、孔、締め付け孔のいずれかとすることができる。コネクタ25は、箱10上のコネクタ15を補完するように選択される。実施形態では、コネクタ25のうちの1つは、箱10のピボット部分15を補完するピボット部分(例えば、1組のピボット15及びフック25、又はその逆)である。タブ26は、箱10から蓋20を分離することを容易にするために蓋20から突出することができる。把持に使用される側縁上のリブのような他のオプションが存在することができる。
【0073】
組織埋め込みカセット1は、
図1A~
図8に示すように、ラベル及び/又はそのインクを保護することができる様々なシールド30と共に使用される。組織埋め込みカセット1は、以下に説明するように、それとのシールド30の接続のために
図1A~
図8において異なる構成を有することができる。しかし、組織埋め込みカセット1の多くの構成要素は、様々な実施形態では同じままとすることができ、それによって類似の参照番号は、類似の要素を指すことになる。
【0074】
図1Aを参照すると、シールド30は、透明板本体31を有するように示されている。透明板本体31は、ポリエステル、ナイロン、アセタール、熱可塑性材料、熱硬化性材料、ポリマー、複合ポリマー、ガラス、又は組織処理手順中に使用される溶媒に対して抵抗性のポリマー及び/又は非ポリマー材料のあらゆる組合せのような無色又は薄い色の材料で作られる。従って、透明板本体31は、組織学又は細胞診断学処置などに使用される溶媒への露出に抵抗するように製造される。
図1Aの実施形態では、透明板本体31は、組織埋め込みカセット1の傾斜面14と同じ寸法を有するようにサイズ決定される。実施形態では、透明板本体31の寸法は、傾斜面14の寸法よりも小さい場合があるが、情報が刻まれることになる傾斜面14の一部を覆うのに十分に大きいとすることができる。別の実施形態では、透明板本体31の寸法は、傾斜面14の寸法よりも大きいとすることができる。シールド30は、蓋20がそれぞれ箱10及び蓋20のコネクタ組15及び25の相補接続部を通じて箱10に固定される時に透明板本体31が傾斜面14に対して適用されるように、蓋20に一体接続することができる。実施形態では、蓋20とシールド30の間の鋭角は、箱10の平面の上部と傾斜面14との角度よりも僅かに小さい(すなわち、より鋭い)とすることができ、弾性変形が、蓋20及びシールド30のアセンブリが箱10に固定される時に発生するようになっている。弾性変形により、シールド30は、傾斜面14に圧力を印加することができ、この圧力は、傾斜面14とシールド30の間の液体の浸透の危険性を防止及び/又は低減する。圧力はまた、ラベル40を面14に押圧する機械的な力を表すことができ、その結果、ラベルは、ラベルの接着剤が溶媒への露出を通して何らかの接着機能を失った場合に定められた位置に保たれる。シールド30は、接着剤の不良又は印刷情報消去の可能性の場合に組織処理中にラベル40を捕捉して保持する。実施形態では、ラベル40は、RFID(無線周波数識別)タグを含み、又は品目40は、接着剤を通してカセット1に接着されたRFIDタグであり、保護シールド30は、接着剤不良の場合にラベル40を捕捉して保持する。RFIDは、1つの能動追跡技術であり、他のものは、NFC(近距離通信)タグ又はあらゆる無線通信可能タグ、又はラベル40の一部とすることができる又はラベル40の代わりに使用することができるデバイス又は電子構成要素を含むこともできる。タブは、アセンブリからの箱10への蓋20/シールド30の取り外しを容易にするためにシールド30から突出することができる。
【0075】
その結果、ユーザは、ラベル40上の情報を読み取るために透明板本体31を透かして見ることができる。ラベル40は、接着層を支持する支持体を有するラベルのようなあらゆるタイプのラベルとすることができる。実施形態として、ラベル40は、接着層を有し、接着剤を通してカセット1に取り付けることができる。更に別の実施形態では、ラベル40は、接着剤を備えず、
図3のポケット31Bの内側へのその挿入によってカセット1に保持される。別の実施形態では、ラベル又はタグ40は、インクリボンを使用する熱転写式プリンタ及び/又はバーコードプリンタを使用して印刷される。更に別の実施形態では、ラベル/タグ40は、インクジェットプリンタを使用して印刷される。別の実施形態では、ラベル40は、あらゆるプリントデバイスからインクを使用して印刷され、又は永久マーカのような筆記具を使用して刻まれる。別の実施形態では、ラベル/タグ40は、インクが材料又は材料層に組み込まれ、感熱記録ヘッドから生成された熱に露出される結果として放出される直熱プリンタを使用して印刷される。別の実施形態では、ラベル/タグ40上のインクは、少なくとも5分間のキシレンのような溶媒への浸漬に対して抵抗性である。別の実施形態では、ラベル/タグ40上のインクは、インクが完全濃縮キシレンを用いて湿潤である間に9ニュートンの圧力下で5行程のクロックメーター試験に対して抵抗性である。実施形態では、ラベル40はなく、情報は、透明板本体31に直接に埋め込まれる。情報は、例えば、組織専用とすることができるが、組織に関連して記録することができるコードを有することもできる。ラベル40はまた、電子構成要素又はチップを含むことができ、ラベル40の例は、先に詳述したように無線周波数(RF)又は近距離無線通信(NFC)タグである。
【0076】
図1Bを参照すると、別の実施形態は、保持フィンガ30’の形態に示されている。保持フィンガ30’は、圧力をラベル40の両側に印加することができる。圧力は、ラベル40を面14に押圧する機械的な力を表し、その結果、ラベルは、ラベルの接着剤が溶媒への露出を通して何らかの接着機能を失った場合に定められた位置に保たれる。保持フィンガ30’は、ラベル40の側縁を覆うように離間させることができる。間隔は、ラベル40上に刻まれたデータがフィンガ30’間で視認可能とすることができるようになっている。保持フィンガ30’は、カバー20と同じか又は異なる材料で製造することができる。実施形態では、フィンガ30’は、カバー20を有するモノブロック、すなわち、カバー20と共に成形される。別の実施形態では、カセット1全体は、箱10、カバー20、及びフィンガ30’を含むモノブロックであり、かつ一緒に成形される。別の実施形態では、箱10、カバー20、及びフィンガ30’は、情報がフィンガ30’間に捕捉されたラベル上で視認可能であるので不透明物質で作られる。フィンガ30’は、フィンガ30’が適切な力を印加するように、特に弾性変形及びより鋭い角度の観点から、シールド30と類似の特性を有することができる。コネクタ35は、保持フィンガ30’が箱10にクリップ留めされるように、例えば、フィンガ30’の底部に又は側部上のような他の位置にあることができる。
【0077】
図1Cを参照すると、別の実施形態は、保持フレーム30’’、別名保持窓の形態に示されている。保持フィンガ30’と同様に、保持フレーム30’’は、ラベル40の両側に及びまた下端上にかつ潜在的に上端に圧力を印加することができる。圧力は、ラベル40を面14に押圧する機械的な力を表し、従って、ラベル40は、ラベルの接着剤が溶媒への露出を通して何らかの接着機能を失った場合に定められた位置に保たれる。保持フレーム30’’は、ラベル40の側縁及び/又は下端及び/又は上端を覆い、窓フレームをラベル40の周りに形成するように離間させることができる。間隔は、ラベル40上に刻まれたデータがフレーム30’’間に視認可能とすることができるようになっている。保持フレーム30’’は、カバー20と同じか又は異なる材料で製造することができる。実施形態では、フレーム30’’は、カバー20を有するモノブロック、すなわち、カバー20と共に成形される。別の実施形態では、カセット1全体は、箱10、カバー20、及びフレーム30’’を含むモノブロックであり、かつ一緒に成形(共成形)される。別の実施形態では、箱10、カバー20、及びフレーム30’’は、情報がフレーム30’’の端間に捕捉されたラベル40上で視認可能であるので不透明材料で作られる。フレーム30’’は、フレーム30’’が適切な力を印加するように、特に弾性変形及びより鋭い角度の観点から、シールド30と類似の特性を有することができる。コネクタ35は、フレーム30’’が箱10にクリップ留めされるように、例えば、フレーム30’’の底部に又は側部上のような他の位置にあることができる。
【0078】
図2Aを参照すると、シールド30は、蓋20に剛性に取り付けられるか、又はヒンジ33を通して蓋20に接続することができ、35のような他のコネクタが、シールド30を箱10に締着することを補助する。そのような実施形態では、箱10及び蓋20は、箱10の後端で相補形コネクタ15及び25(例えば、ピボット及びフック)によって互いにヒンジ連結される。透明板本体31の下端34には、箱10の相補形コネクタ15に接続するためのコネクタ35を提供することができる。コネクタ15及び35の補完組は、タブ及びスロット、舌状部及び溝などとすることができる。実施形態では、1組のコネクタ15及び35の協働により、シールド30は、ここでもまた、傾斜面14とシールド30の間の液体の浸透の危険性を防止及び/又は低減するために圧力を傾斜面14に印加し、液体の浸透の場合に、蓋20の圧力は、組織処理中にラベル40を定められた位置に物理的に固定する。
図2Aの実施形態は、
図2Bの場合と同様に保持フィンガ30’に及び/又は
図2Cの場合と同様に保持フレーム30’’に拡張することができる。
【0079】
図3Aを参照すると、類似した構成が
図2Aの場合と同様に示されている。しかし、透明板本体31は、ポケット31Bがその間に形成されるように別のパネル本体31Aに接続される。ポケット31Bは、ラベル40(支持ライナの有無に関わらず)が摺動して入るのに十分に狭いとすることができる。ポケット31Bの反転縁部は、ラベル40の取り外しに対する障害物を呈する場合がある。そのような実施形態では、シールド30は、コネクタ35を有することができ、又は蓋20のコネクタ25が存在する場合のようにカセットを確実にロックする他のタイプのコネクタ又は機構を有することができる。パネル本体31Aは、透明で場合もあれば、透明ではない場合もある。実施形態では、ストリップ、フラップ、又はシールは、ラベル40がポケット31Bから出るのを防止するためにポケット31Bの上部での障壁を構成することができる。更に、パネル本体31Aはまた、
図3Bに示すように、傾斜面14を有するレセプタクル31Cを構成することができる。実施形態では、レセプタクル31Cは、見られる必要がない電子チップのような別のタイプのラベル40又は識別手段を受け入れることができる。
【0080】
図4Aを参照すると、シールド30は、蓋20に一体接続されない(すなわち、分離することができる)。コネクタ35は、箱10の側壁12上で相補形コネクタ15と協働するスナップクリップ、スナップ装着、スナップロック、雄/雌タイプのロック、タブ、フィンガ、グライド又はスライド溝などとすることができる。相補形コネクタ15は、コネクタ35又はロッキング又はスナッピング機構を受け入れるように側壁12内に定められた側部スロット又は溝とすることができる。実施形態では、
図4Aの蓋20は、箱10に接続することができ、単体として製造することができる。
図2Aの実施形態は、
図2Cの場合と同様に保持フレーム30’’に拡張させることができる。
【0081】
図5を参照すると、シールド30はまた、側壁12の一方又は両方又はそのいずれかに又は直線端壁13(すなわち、傾斜面14のない端壁)に対して適用することができる。シールド30はまた、透明板本体31を有する。実施形態では、透明板本体31は、側壁12又は直線端壁13の対応するサイズの窪んだスロット12Aに受け入れられる長形ストリップとして成形される。窪んだスロット12Aは、その後に、透明板本体31によって覆われるようにラベル40(電子タグを含む)又はインクを受け入れる。コネクタ35は、箱10の側壁12上の相補形コネクタ15と協働するスナップクリップ、タブ、フィンガなどとすることができる。相補形コネクタ15は、コネクタ35を受け入れるように側壁12内で定められた側部スロットとすることができる。実施形態では、
図5のフォーマットのシールド30は、
図1A~
図4の一部に示されている構成の代替として傾斜面14上に使用することができる。
【0082】
図6及び
図7を参照すると、
図5のシールドと類似のシールド30の実施形態が示されているが、透明板本体31は、上から下まで側壁12、直線端壁13、及び/又は傾斜面14を覆う。側壁12、直線端壁13、及び/又は傾斜面14は、窪んだスロット12A有り又はなしとすることができる。そのような実施形態では、シールド30のコネクタ35は、透明板本体31の両縁に、例えば、上及び下端に又は側縁上に位置付けることができ、相補形コネクタ15は、箱10上の適切な位置にある。
図8の実施形態は、2つのシールド30、すなわち、側壁12のシールド及び傾斜面14のシールドを組み合わせる。
図6~
図8に示す一部の実施形態では、透明シールド30は、壁12、背面壁13、又は傾斜面14と一体に接続することができ、又はあらゆるタイプのコネクタ又は機構を通して側壁12、背面壁13、又は傾斜面14に接続することができる別々の部分として提供することができる。
【0083】
その結果、一部の実施形態では、ユーザは、ラベルを
図1Aの傾斜面14のような受け入れ面上に適用することができる。一部の実施形態では、蓋20が箱10の上で閉められると、透明板本体31は、スナップ留めされてラベル40を下でロックする。その結果、透明板本体31からの圧力は、物理的圧力をラベル40に掛けることができ、ラベル40を処理中に定められた位置に保つことができる。
【0084】
透明板本体31が透明なので、箱10又は蓋20の保護された面上のラベル40上の情報(例えば、1D又は2Dバーコード)又はあらゆる他の情報は、手動で又はあらゆる自動化装置によって走査のために視認可能にすることができる。透明シールド30がラベル40を覆い、かつそれを組織埋め込みカセット1の内側での組織処理を通して定められた位置に保ち、情報が視認可能及び/又は判読可能とすることができる限り、多くの設計が可能である。
【0085】
シールド30は、組織埋め込みカセット1、箱10、蓋20、及び/又は箱ラベル40(電子チップを含む)の1又は2以上を有するキットとしてもたらすことができる。一部の実施形態では、箱10及び蓋20は、一体接続されるか又は相補形である。一部の実施形態では、蓋20及びシールド30は、一体接続され、例えば、ヒンジ結合される及び/又は相補形である。一部の実施形態では、箱10、蓋20、及びシールド30は、単一のモノブロックである。様々な構成要素は、キット内にある場合に、適合するコネクタ15、25、及び/又は35を有する。別の実施形態では、キットは、情報又はバーコードで予めラベル付けされたカセットを含むことができる。別の実施形態では、キットは、カセット、シールド30、及びラベル40を有する。シールド30、フィンガ30’、フレーム30’’を有するカセット1は、RFIDタグ又はラベルが使用される時を含む組織学的カセットを処理するために自動化又はロボットシステムに使用することができる。
【0086】
以上の説明は、例示のみを意味し、当業者は、開示した本発明の範囲から逸脱することなく説明した実施形態に変更を加えることができることを認識するであろう。内側キャビティA(別名、チャンバ)、孔サイズ及び形状の設計に応じて多くの種類のカセット1がある。一部の組織埋め込みカセット1は、箱10に取り付けられた覆い蓋20を有し、他のタイプでは、覆い蓋は、箱10(別名、ベース10)とは別々である。本発明の範囲に該当する更に他の修正は、本発明の開示の精査に照らして当業者には明らかであろうし、そのような修正は、添付の特許請求の範囲に該当するように意図している。
【0087】
実施形態では、カセット1は、ラベル又はタグを組織埋め込みカセットの面上に接着し、透明シールドをラベル又はタグの上に位置決めし、かつ透明シールドを組織埋め込みカセットに接続することにより、その上のラベルを遮蔽する方法を受ける場合がある。
【0088】
別の実施形態では、カセット1は、ラベル又はタグを組織埋め込みカセットの面上に接着し、フレームの開口部がラベル又はタグの中心を露出するようにフレームをラベル又はタグの上に位置決めし、かつフレームを組織埋め込みカセットに接続することにより、カセット上にラベルを固定する方法を受ける場合がある。