(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】画素回路及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1368 20060101AFI20240708BHJP
【FI】
G02F1/1368
(21)【出願番号】P 2021569193
(86)(22)【出願日】2021-11-15
(86)【国際出願番号】 CN2021130691
(87)【国際公開番号】W WO2023070758
(87)【国際公開日】2023-05-04
【審査請求日】2021-12-27
(31)【優先権主張番号】202111241320.2
(32)【優先日】2021-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515203228
【氏名又は名称】ティーシーエル チャイナスター オプトエレクトロニクス テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TCL China Star Optoelectronics Technology Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.9-2,Tangming Rd,Guangming New District,Shenzhen,Guangdong,China 518132
(74)【代理人】
【識別番号】100204386
【氏名又は名称】松村 啓
(72)【発明者】
【氏名】▲韋▼ 宏▲権▼
(72)【発明者】
【氏名】白 一晨
(72)【発明者】
【氏名】叶 岩▲渓▼
【審査官】山本 貴一
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第112068368(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0375534(US,A1)
【文献】特開平04-280226(JP,A)
【文献】特開2010-039444(JP,A)
【文献】特開2007-298943(JP,A)
【文献】特開2009-199029(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1368
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素回路であって、
薄膜トランジスタと、第1走査線と、第2走査線と、データ線と、を含み、
前記第1走査線は、第1方向に沿って設置され、前記第1走査線は前記薄膜トランジスタに電気的に接続され、
前記第2走査線は、第2方向に沿って設置され、前記第2走査線は前記第1走査線に電気的に接続され、前記第2方向は前記第1方向と垂直であり、
前記データ線は、前記第2方向に沿って設置され、前記データ線は前記薄膜トランジスタに電気的に接続され
、
補助走査線をさらに含み、
前記補助走査線は、第2方向に沿って設置され、前記補助走査線の両端は前記第2走査線に電気的に接続され、
前記補助走査線と前記第1走査線とは第1配線層に設置され、前記補助走査線と前記第1走査線とは前記第1配線層において互いに絶縁される、画素回路。
【請求項2】
前記補助走査線と前記第2走査線とは異なる層に設置される、請求項
1に記載の画素回路。
【請求項3】
前記データ線と前記第2走査線とは第2配線層に設置され、前記データ線と前記第2走査線とは前記第2配線層において互いに絶縁される、請求項
1に記載の画素回路。
【請求項4】
前記補助走査線の厚さ範囲は、2500オングストローム~8000オングストロームにある、請求項
1に記載の画素回路。
【請求項5】
前記補助走査線の厚さは、7000オングストロームである、請求項
4に記載の画素回路。
【請求項6】
画素電極をさらに含み、
前記画素電極は、前記データ線と前記第2走査線及び前記補助走査線との間に設置され、前記画素電極は前記薄膜トランジスタに電気的に接続される、請求項
1に記載の画素回路。
【請求項7】
走査入力端子と、データ入力端子と、をさらに含み、
前記走査入力端子は、前記第2走査線の、前記第1走査線から離れる一端に電気的に接続され、且つ前記第1走査線、前記第2走査線、及び前記補助走査線によって前記薄膜トランジスタに走査信号を入力し、
前記データ入力端子は、前記データ線の、前記薄膜トランジスタから離れる一端に電気的に接続され、且つ前記データ線によって前記薄膜トランジスタにデータ信号を入力する、請求項
1に記載の画素回路。
【請求項8】
前記走査入力端子及び前記データ入力端子は、前記第2方向の正方向又は負方向に設置される、請求項
7に記載の画素回路。
【請求項9】
画素回路の製造方法であって、
第1方向に沿って第1走査線及びゲートを形成するステップであって、前記ゲートは前記第1走査線に電気的に接続される、ステップと、
前記ゲート上にゲート絶縁層を形成するステップと、
前記ゲート絶縁層上に活性層を形成するステップと、
前記活性層上にソース及びドレインを形成するステップであって、前記ソース及び前記ドレインは前記活性層に電気的に接続される、ステップと、
第2方向に沿って第2走査線を形成するステップであって、前記第2方向は前記第1方向と垂直であり、前記第2走査線は前記第1走査線に電気的に接続される、ステップと、
第2方向に沿ってデータ線を形成するステップであって、前記データ線は前記ソースに電気的に接続される、ステップと、を含
み、
第2方向に沿って補助走査線を形成するステップであって、前記補助走査線の両端は前記第2走査線に電気的に接続される、ステップをさらに含み、
前記補助走査線と前記第1走査線とは第1配線層により形成され、前記補助走査線と前記第1走査線とは前記第1配線層において互いに絶縁される、画素回路の製造方法。
【請求項10】
前記補助走査線と前記第2走査線とは異なる層に形成される、請求項
9に記載の画素回路の製造方法。
【請求項11】
前記データ線と前記第2走査線とは第2配線層により形成され、前記データ線と前記第2走査線とは前記第2配線層において互いに絶縁される、請求項
9に記載の画素回路の製造方法。
【請求項12】
前記補助走査線の厚さ範囲は、2500オングストローム~8000オングストロームにある、請求項
9に記載の画素回路の製造方法。
【請求項13】
前記補助走査線の厚さは、7000オングストロームである、請求項
12に記載の画素回路の製造方法。
【請求項14】
前記データ線と前記第2走査線及び前記補助走査線との間に画素電極を形成するステップであって、前記画素電極は前記ドレインに電気的に接続される、ステップをさらに含む、請求項
9に記載の画素回路の製造方法。
【請求項15】
前記第2走査線の、前記第1走査線から離れる一端に走査入力端子を形成するステップであって、前記走査入力端子は前記第1走査線、前記第2走査線、及び前記補助走査線によって
前記ゲートに走査信号を入力する、ステップと、
前記データ線の、前記
ゲートから離れる一端にデータ入力端子を形成するステップであって、前記データ入力端子は前記データ線によって前記
ソースにデータ信号を入力する、ステップと、をさらに含む、請求項
9に記載の画素回路の製造方法。
【請求項16】
前記走査入力端子及び前記データ入力端子は前記第2方向の正方向又は負方向に形成される、請求項
15に記載の画素回路の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示技術分野に関し、特に画素回路及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示(liquid crystal display、LCD)パネルは省エネルギー、軽量薄型、及び絶妙な画面等の利点を有するため、表示技術分野で広く応用されている。通常、液晶表示パネルの構造は上基板、下基板、及び上記上基板と上記下基板との間に配置された液晶層(liquid crystal layer)を含む。上記上基板上にカラー光学フィルターが設置され、上記下基板上に薄膜トランジスタ(thin-film transistor、TFT)アレイ層が設置される。上記上基板及び上記下基板はそれぞれに製造される方式を取り、そして位置合わせをして組み合わせ、シーラントを使用して上記上基板及び上記下基板の周辺に上記液晶層を密閉し、最後に上記液晶表示パネルに必要な液晶セル(liquid crystal cell)を形成する。
【0003】
しかしながら、上記液晶表示パネルの額縁の幅は、液晶セルの封止技術、上記液晶表示パネルの画素回路の配線設計、又は上記液晶表示パネルの製造プロセスのニーズの影響を受けることになる。一旦上記液晶表示パネルの上記額縁の上記幅が大きくなれば、上記液晶表示パネルが実際に表示できる面積は小さくなる。
【0004】
近年、上記表示技術分野の継続的な発展に伴って、上記液晶表示パネルに対する人々の要求はますます厳しくなっている。上記液晶表示パネルの画面占有率、すなわち上記液晶表示パネルのスクリーンの表示面積が上記液晶表示パネルを占める割合は、より一層高くならなければならない。たとえば狭額縁テレビ及びフルスクリーン携帯電話などは、画面占有率を高め、表示面積を増大させるために、上記液晶表示パネルの上記額縁をなるべく小さくして狭くし、上記液晶表示パネルがより簡潔で、より精巧で、より美しい造型を取得するようにしなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
既存の上記液晶表示パネルの画素回路は、垂直に交差するデータ線及び走査線によって駆動を提供する。上記データ線の一側辺には、チップオンフィルム封止(chip-on-film、COF)のボンディングの空間を予め残す必要がある。上記走査線の一側辺において、ゲート駆動回路アレイ(gate-on-array、GOA)によってチップオンフィルム封止に必要なボンディング空間を除去できるが、上記ゲート駆動回路アレイの回路が複雑であるため、上記走査線の上記側辺に依然として一定の空間を保留する必要がある。上記走査線の上記側辺及び上記走査線の上記側辺において、いずれも更に空間を減らすことができないため、上記液晶表示パネルの上記額縁は依然として一定の幅を有することになり、上記液晶表示パネルの画面占有率を向上させることができなくなる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は液晶表示パネルの画素回路及びその製造方法を提供し、前記液晶表示パネルの画素回路に対応する走査線の一側辺の額縁幅を減らすことができ、更に前記液晶表示パネルの画面占有率を向上させる。
【0007】
本発明の前記画素回路は薄膜トランジスタ、第1走査線、第2走査線、及びデータ線を含む。前記第1走査線は第1方向に沿って設置される。前記第1走査線は前記薄膜トランジスタに電気的に接続される。前記第2走査線は第2方向に沿って設置される。前記第2走査線は前記第1走査線に電気的に接続される。前記第2方向は前記第1方向と垂直である。前記データ線は前記第2方向に沿って設置される。前記データ線は前記薄膜トランジスタに電気的に接続される。
【0008】
一実施例では、前記画素回路はさらに補助走査線を含む。前記補助走査線は第2方向に沿って設置される。前記補助走査線の両端は前記第2走査線に電気的に接続される。
【0009】
一実施例では、前記補助走査線と前記第2走査線とは異なる層に設置される。
【0010】
一実施例では、前記補助走査線と前記第1走査線とは第1配線層に設置される。前記補助走査線と前記第1走査線とは前記第1配線層において互いに絶縁される。
【0011】
一実施例では、前記データ線と前記第2走査線とは第2配線層に設置される。前記データ線と前記第2走査線とは前記第2配線層において互いに絶縁される。
【0012】
一実施例では、前記補助走査線の厚さ範囲は2500オングストローム~8000オングストロームにある。
【0013】
一実施例では、前記補助走査線の厚さは7000オングストロームである。
【0014】
一実施例では、前記画素回路はさらに画素電極を含む。前記画素電極は前記データ線と前記第2走査線及び前記補助走査線との間に設置される。前記画素電極は前記薄膜トランジスタに電気的に接続される。
【0015】
一実施例では、前記画素回路はさらに走査入力端子及びデータ入力端子を含む。前記走査入力端子は、前記第2走査線の、前記第1走査線から離れる一端に電気的に接続され、且つ前記第1走査線、前記第2走査線、及び前記補助走査線によって前記薄膜トランジスタに走査信号を入力する。前記データ入力端子は、前記データ線の、前記薄膜トランジスタから離れる一端に電気的に接続され、且つ前記データ線によって前記薄膜トランジスタにデータ信号を入力する。
【0016】
一実施例では、前記走査入力端子及び前記データ入力端子は前記第2方向の正方向又は負方向に設置される。
【0017】
本発明の前記画素回路の製造方法は、
第1方向に沿って第1走査線及びゲートを形成するステップであって、前記ゲートは前記第1走査線に電気的に接続される、ステップと、
前記ゲート上にゲート絶縁層を形成するステップと、
前記ゲート絶縁層上に活性層を形成するステップと、
前記活性層上にソース及びドレインを形成するステップであって、前記ソース及び前記ドレインは前記活性層に電気的に接続される、ステップと、
第2方向に沿って第2走査線を形成するステップであって、前記第2方向は前記第1方向と垂直であり、前記第2走査線は前記第1走査線に電気的に接続される、ステップと、
第2方向に沿ってデータ線を形成するステップであって、前記データ線は前記ソースに電気的に接続される、ステップと、を含むことを特徴とする。
【0018】
一実施例では、前記画素回路の製造方法はさらに、
第2方向に沿って補助走査線を形成するステップであって、前記補助走査線の両端は前記第2走査線に電気的に接続される、ステップを含む。
【0019】
一実施例では、前記補助走査線と前記第2走査線とは異なる層に形成される。
【0020】
一実施例では、前記補助走査線と前記第1走査線とは第1配線層により形成される。前記補助走査線と前記第1走査線とは前記第1配線層において互いに絶縁される。
【0021】
一実施例では、前記データ線と前記第2走査線とは第2配線層により形成される。前記データ線と前記第2走査線とは前記第2配線層において互いに絶縁される。
【0022】
一実施例では、前記補助走査線の厚さ範囲は2500オングストローム~8000オングストロームにある。
【0023】
一実施例では、前記補助走査線の厚さは7000オングストロームである。
【0024】
一実施例では、前記画素回路の製造方法はさらに、
前記データ線と前記第2走査線及び前記補助走査線との間に画素電極を形成するステップであって、前記画素電極は前記ドレインに電気的に接続される、ステップを含む。
【0025】
一実施例では、前記画素回路の製造方法はさらに、
前記第2走査線の、前記第1走査線から離れる一端に走査入力端子を形成するステップであって、前記走査入力端子は前記第1走査線、前記第2走査線、及び前記補助走査線によって薄膜トランジスタに走査信号を入力する、ステップと、
前記データ線の、前記薄膜トランジスタから離れる一端にデータ入力端子を形成するステップであって、前記データ入力端子は前記データ線によって前記薄膜トランジスタにデータ信号を入力する、ステップと、を含む。
【0026】
一実施例では、前記走査入力端子及び前記データ入力端子は前記第2方向の正方向又は負方向に形成される。
【発明の効果】
【0027】
[有益な効果]
従来技術では、液晶表示パネルを駆動する、垂直に交差して入力されるデータ線及び走査線により、上記液晶表示パネルの2つの隣接する辺は比較的広い額縁を有することになる。本発明の上記画素回路及びその製造方法は、上記第1方向に沿って設置される上記第1走査線及び上記第2方向に沿って設置される上記第2走査線の設計によって、上記薄膜トランジスタの走査信号入力端子及びデータ信号入力端子を上記液晶表示パネルの同一側に設置する。従って、本発明の液晶表示パネルを応用することによって、上記液晶表示パネルのレイアウト空間を効果的に節約でき、且つ従来技術に示された液晶表示パネルの上記額縁の空間を減らし、本発明の上記画素回路を応用する上記液晶表示パネルの画面占有率が従来技術の上記液晶表示パネルの画面占有率に比べて向上させる。且つ、本発明の上記画素回路及びその製造方法は、更に上記第2走査線と並列接続される上記補助走査線を設置し、上記第1走査線及び上記第2走査線の抵抗を低減させ、同時に上記第1走査線及び上記第2走査線と他の配線又は上記画素電極との間の寄生容量を下げ、更に上記液晶表示パネルの期待される性能を維持する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図2】本発明の上記画素回路を応用する液晶表示パネルの
図1のA-A線に沿って切断した部分断面図である。
【
図3】本発明の上記画素回路を応用する上記液晶表示パネルの部分回路図である。
【
図4】本発明の上記画素回路の各製造過程での構造図である。
【
図5】本発明の上記画素回路の各製造過程での構造図である。
【
図6】本発明の上記画素回路の各製造過程での構造図である。
【
図7】本発明の上記画素回路の各製造過程での構造図である。
【
図8】本発明の上記画素回路の各製造過程での構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の上記及び他の目的、特徴、及び利点を更に明らかで、分かりやすくするために、以下の文章では本発明の好ましい実施例を挙げ、且つ図面と併せて、以下のように詳細に説明する。
【0030】
本発明は液晶表示パネルの画素回路を提供する。
図1に参照されるように、
図1は本発明の画素回路の構造図である。本発明の上記画素回路は薄膜トランジスタ100、第1走査線210、第2走査線310、及びデータ線320を含む。
【0031】
本発明の
図1に示される上記画素回路は上記液晶表示パネルの1つの画素に対応する。従って、上記液晶表示パネルは本発明の上記画素回路を応用するときに、実際のニーズに応じて複数の上記画素と同じ数量の複数の上記画素回路を設置することができる。
【0032】
上記薄膜トランジスタ100は基本的にソース140、ドレイン150、及びゲート110を含む。上記ソース140は上記液晶表示パネルのデータ信号を受信するために用いられる。上記ゲート110は、上記液晶表示パネルの走査信号を受信し、且つ上記走査信号によって上記ソース140と上記ドレイン150との間の導通及び遮断を制御して、上記液晶表示パネルの上記画素の画像表示を達成するために用いられる。
【0033】
図1に示されるように、上記第1走査線210は第1方向Xに沿って設置され、且つ上記第1走査線210は上記薄膜トランジスタ100の上記ゲート110に電気的に接続される。上記第2走査線310は第2方向Yに沿って設置され、且つ上記第2走査線310は第3ビアホール530によって上記第1走査線210に電気的に接続される。上記データ線320は第2方向Yに沿って設置され、且つ上記データ線320は上記薄膜トランジスタ100に電気的に接続される。本実施例では、上記第2方向Yは上記第1方向Xと垂直である。
【0034】
図1に示されるように、上記画素回路はさらに画素電極400を含む。上記画素電極400は上記データ線320と上記第2走査線310及び上記補助走査線220との間に設置される。上記画素電極400は上記薄膜トランジスタ100の上記ドレイン150に電気的に接続される。上記液晶表示パネルの上記走査信号が上記第2走査線310及び上記第1走査線210によって上記薄膜トランジスタ100の上記ゲート110に入力されるときに、上記薄膜トランジスタ100はオンになり、上記液晶表示パネルの上記データ信号が上記データ線320、上記ソース140、及び上記ドレイン150を経由して上記画素電極400に入力するようにすることができる。
【0035】
本実施例では、上記データ線320及び上記第2走査線310は一定の間隔距離を有する。このように、画素の回路配線配置を効果的に行って、上記画素の開口率を維持することができる以外に、さらに上記データ線320及び上記第2走査線310に寄生容量が生じることを防止し、更に上記画素回路のあるべき作動性能を維持することができる。
【0036】
一実施例では、
図1に示されるように、上記画素回路はさらに補助走査線220を含む。上記補助走査線220は第2方向Yに沿って設置される。上記補助走査線220の両端はそれぞれ第1ビアホール510及び第2ビアホール520によって上記第2走査線310に電気的に接続される。
【0037】
上記液晶表示パネルの上記走査信号が伝達されるときに、上記第2走査線310及び上記第1走査線210によってはじめて、上記薄膜トランジスタ100の上記ゲート110に入力できる。従って、本発明の上記画素回路における上記走査信号の配線経路は従来技術の画素回路の走査信号の配線経路よりも大きい。比較的長い上記走査信号の上記配線経路が配線抵抗の向上を伴うことになるため、上記走査信号の遅延、又は上記薄膜トランジスタ100の充電不足をもたらすことになり、最終的に上記液晶表示パネルの表示効果を損なう。
【0038】
本発明の上記画素回路は上記の問題を考慮するため、上記第2走査線310と並列接続される上記補助走査線220を設置して、上記走査信号の上記配線経路の等価断面積を増加させ、更に上記配線抵抗を低減させる。上記第1ビアホール510と上記第2ビアホール520との間で、上記走査信号の上記配線経路の上記等価断面積を大幅に向上させるため、上記配線抵抗を下げ、上記走査信号が遅延することがなく、且つ上記薄膜トランジスタ100のあるべき充電能力を維持し、最終的に上記液晶表示パネルの表示効果を維持する。
【0039】
図2に参照されるように、
図2は本発明の上記画素回路を応用する上記液晶表示パネルの
図1のA-A線に沿って切断した部分断面図である。本発明は上記液晶表示パネルの部分断面図によって、上記画素回路における各素子の間の相対関係を例示的に説明する。
【0040】
本発明の上記画素回路は上記液晶表示パネルの基板600上に設置される。上記基板600上に上記画素回路の第1配線層200が設置される。上記第1配線層200は上記薄膜トランジスタ100の上記ゲート110、上記第1走査線210(図示せず)、及び上記補助走査線220を含む。上記ゲート110、上記第1走査線210、及び上記補助走査線220は銅(Cu)又は銅モリブデン(CuMo)合金により同一の製造プロセスで形成される。上記ゲート110、上記第1走査線210、及び上記補助走査線220の厚さ範囲は2500オングストローム(angstrom、Å)~8000オングストロームにあり、且つ好ましくは7000オングストロームである。
【0041】
注意する必要がある点として、上記第1配線層200において、上記補助走査線220と上記第1走査線210とは互いに絶縁される。すなわち上記補助走査線220と上記第1走査線210とは同一水平面上に相互に接続されない。
【0042】
図2に示されるように、上記第1配線層200上にゲート絶縁層120が被覆される。上記ゲート絶縁層120を設置する目的は、上記薄膜トランジスタ100の後続の積層における活性層130、上記ソース140、及び上記ドレイン150を遮断するためである以外に、同時に上記補助走査線220の領域を平坦化するという目的も果たす。
【0043】
図2において、上記ゲート絶縁層120の、上記補助走査線220の上方に対応する領域に上記第1ビアホール510が開口される。上記第1ビアホール510は上記補助走査線220とその上に設置される上記第2走査線310とを電気的に接続するために用いられる。上記ゲート絶縁層120の上記ゲート110に対応する領域に上記活性層130が設置される。上記活性層130の両側に上記ソース140及び上記ドレイン150が設置される。上記活性層130は酸化インジウムガリウム亜鉛(indium gallium zinc oxide、IGZO)又はアモルファスシリコン(a-Si)材料により作られる。
【0044】
上記ゲート絶縁層120上にさらに上記画素回路の第2配線層300が設置される。上記第2配線層300は上記データ線320及び上記第2走査線310を含む。上記ソース140は上記データ線320に電気的に接続される。上記データ線320及び上記第2走査線310は銅(Cu)又は銅モリブデン(CuMo)合金により同一の製造プロセスで形成される。上記データ線320及び上記第2走査線310の厚さ範囲は2500オングストローム(angstrom、Å)~8000オングストロームにあり、且つ好ましくは7000オングストロームである。
【0045】
注意する必要がある点として、上記第2配線層300において、上記データ線320と上記第2走査線310とは互いに絶縁される。すなわち上記データ線320と上記第2走査線310とは同一水平面上に相互に接続されない。
【0046】
図2に示されるように、上記第2配線層300上にパッシベーション層700が被覆される。上記パッシベーション層700を設置する目的は、上記薄膜トランジスタ100、上記データ線320、及び上記第2走査線310を遮断するためである以外に、同時に平坦化の目的も果たし、後続の積層の上記画素電極400のためにベースを形成する。
【0047】
上記パッシベーション層700の、上記薄膜トランジスタ100の上記ドレイン150に対応する領域に第4ビアホール540が開口される。上記第4ビアホール540は上記ドレイン150とその上に設置される上記画素電極400とを電気的に接続するために用いられる。
【0048】
図2に示される上記液晶表示パネルの部分断面図は、本発明の上記画素回路を応用する上記液晶表示パネルの部分構造を例示的に表すものに過ぎず、
図2は本発明の上記画素回路を制限するために用いられるものではない。また、上記液晶表示パネルの、表示画面を達成するために用いられる他の必須の要素は
図2に示されておらず、表示技術分野の技術者は、本分野の従来技術によって上記実施例の上記液晶表示パネルの上記の他の必須の要素が設けられることを理解できるはずである。
【0049】
図3に参照されるように、
図2は本発明の上記画素回路を応用する上記液晶表示パネルの部分回路図である。
図1の上記画素回路と併せて参照されるように、
図3に示される上記液晶表示パネルの部分回路図は4行及び4列の上記画素回路を含む。言い換えれば、
図3は16個の上記画素電極400が制御する16個の上記画素を有することを示す。
図1及び
図3において、上記第1方向Xは上記液晶表示パネルの水平方向であり、且つ上記第2方向Yは上記液晶表示パネルの垂直方向である。
【0050】
上記薄膜トランジスタ100に電気的に接続される上記第1走査線210が上記第1方向Xに沿って設置され、且つ上記第1走査線210が更に、上記第2方向Yに沿って設置される上記第2走査線310に電気的に接続されるため、上記液晶表示パネルの上記走査信号の走査入力端子Sは上記第2方向Yの正方向又は負方向に設置されてもよい。本実施例では、上記走査信号の上記走査入力端子Sは上記液晶表示パネルの上側に設置されてもよい。
【0051】
また、上記薄膜トランジスタ100に電気的に接続される上記画素回路の上記データ線320が上記第2方向Yに沿って設置されるため、上記液晶表示パネルの上記データ信号のデータ入力端子Dは上記第2方向Yの正方向又は負方向に設置されてもよい。本実施例では、上記データ信号の上記データ入力端子Dは上記液晶表示パネルの上記上側に設置されてもよい。すなわち、上記走査信号の上記走査入力端子Sと上記データ信号の上記データ入力端子Dとは同一の側辺に設置される。
【0052】
図3に示されるように、上記走査信号の上記走査入力端子Sから各々の上記画素回路の上記薄膜トランジスタ100までの上記配線経路の距離は、従来技術の上記配線経路に比べて比較的長いが、本発明は上記第2走査線310と並列接続される上記補助走査線220を設置して、上記走査信号の上記配線経路の上記等価断面積を増加させ、更に上記配線抵抗を低減させる。
【0053】
図3の例から分かるように、本発明の上記画素回路の構造設計によれば、上記液晶表示パネルの上記走査信号の上記走査入力端子S及び上記データ信号の上記データ入力端子Dを上記液晶表示パネルの同一側に設置することができる。従って、上記液晶表示パネルの額縁の3つの側辺をいずれかの入力端子として駆動チップを設置する又はボンディング端子等とする必要がなく、更に上記液晶表示パネルのレイアウト空間を効果的に節約し、且つ額縁の空間を減らし、上記液晶表示パネルの画面占有率を向上させる。
【0054】
本発明はさらに液晶表示パネルの画素回路の製造方法を提供する。
図4~
図8に参照されるように、それらは本発明の上記画素回路の各製造過程での構造図である。
【0055】
本発明の
図4~
図8に示されるように製造される上記画素回路は上記液晶表示パネルの1つの画素に対応する。従って、上記液晶表示パネルは本発明の上記画素回路を応用するときに、実際のニーズに応じて複数の上記画素と同じ数量の複数の上記画素回路を設置することができる。本実施例では、
図4~
図8は2行及び2列の上記画素回路、すなわち4つの上記画素回路が各製造過程にアレイ状に配列される構造図を例示的に示す。
【0056】
以下、前述実施例の
図2と併せて参照して上記画素回路の製造方法を説明する。本発明は
図2に示される上記液晶表示パネルの部分断面図によって、上記画素回路における各製造過程での各素子間の相対関係を例示的に説明する。
【0057】
図2及び
図4に参照されるように、このステップでは、まず、示されている液晶表示パネルに必要な基板600上に第1配線層200を形成し、且つ露光、現像、及びエッチング等のパターン化の方法によって第1走査線210及びゲート110を形成する。このステップでは、上記第1走査線210及び上記ゲート110は第1方向Xに沿って形成され、且つ上記ゲート110は上記第1走査線210に電気的に接続される。一実施例では、このステップはさらに、上記第1配線層により第2方向Yに沿って補助走査線220を形成することを含んでもよい。本実施例では、上記第2方向Yは上記第1方向Xと垂直である。
【0058】
このステップでは、上記ゲート110、上記第1走査線210、及び上記補助走査線220は、銅(Cu)又は銅モリブデン(CuMo)合金の上記第1配線層200により形成される。上記ゲート110、上記第1走査線210、及び上記補助走査線220の厚さ範囲は2500オングストローム(angstrom、Å)~8000オングストロームにあり、且つ好ましくは7000オングストロームである。
【0059】
注意する必要がある点として、上記第1配線層200の上記パターン化過程で、上記補助走査線220と上記第1走査線210とは互いに絶縁される。すなわち上記補助走査線220と上記第1走査線210とは同一水平面上に相互に接続されない。
【0060】
図4に示される上記ゲート110、上記第1走査線210、及び上記補助走査線220を形成した後、上記画素回路の製造方法は上記第1配線層200上に
図2に示されるゲート絶縁層120を形成する。上記ゲート絶縁層120を設置する目的は、後続の積層における薄膜トランジスタ100の活性層130、上記ソース140、及び上記ドレイン150を遮断すること以外に、同時に上記補助走査線220の領域を平坦化するという目的も果たす。
【0061】
図2及び
図5に参照されるように、このステップでは、上記画素回路の製造方法は上記ゲート絶縁層120の上記補助走査線220の両端の上方に対応する領域にそれぞれ第1ビアホール510及び第2ビアホール520を開口し、上記ゲート絶縁層120の、上記第1走査線210と上記補助走査線220との軸線が互いに交わる上方に対応する領域に第3ビアホール530を開口する。
【0062】
図2及び
図6に参照されるように、このステップでは、上記画素回路の製造方法は上記ゲート絶縁層120の上記ゲート110の上方に対応する領域に上記活性層130を形成する。上記活性層130は酸化インジウムガリウム亜鉛(indium gallium zinc oxide、IGZO)又はアモルファスシリコン(a-Si)材料により作られる。
【0063】
図2及び
図7に参照されるように、このステップでは、上記画素回路の製造方法は上記活性層130の両側に上記ソース140及び上記ドレイン150を形成する。前述のステップを経た後には、上記画素回路には既に上記ゲート110、上記ゲート絶縁層120、上記活性層130、上記ソース140、及び上記ドレイン150が形成されている。上記ゲート110、上記ゲート絶縁層120、上記活性層130、上記ソース140、及び上記ドレイン150は、基本的な上記薄膜トランジスタ100を構成する。上記ソース140は上記液晶表示パネルのデータ信号を受信するために用いられる。上記ゲート110は、上記液晶表示パネルの走査信号を受信し、且つ上記走査信号によって上記ソース140と上記ドレイン150との間の導通及び遮断を制御して、上記液晶表示パネルの上記画素の画像表示を達成するために用いられる。
【0064】
図2及び
図7に示されるように、このステップはさらに、上記ゲート絶縁層120上に第2配線層300を形成し、且つ露光、現像、及びエッチング等のパターン化の方法によって第2走査線310及びデータ線320を形成することを含む。このステップでは、上記第2走査線310は上記第2方向Yに沿って形成され、且つ上記第2走査線310は上記第3ビアホール530によって上記第1走査線210に電気的に接続され及び上記第1ビアホール510及び上記第2ビアホール520によって上記補助走査線220に電気的に接続される。また、このステップでは、上記データ線320は上記第2方向Yに沿って形成され、且つ上記データ線320は上記ソース140に電気的に接続される。
【0065】
上記液晶表示パネルの上記走査信号が伝達されるときに、上記第2走査線310及び上記第1走査線210によってはじめて、上記薄膜トランジスタ100の上記ゲート110に入力できる。従って、本発明の上記画素回路における上記走査信号の配線経路は従来技術の画素回路の走査信号の配線経路よりも大きい。比較的長い上記走査信号の上記配線経路が配線抵抗の向上を伴うことになるため、上記走査信号の遅延、又は上記薄膜トランジスタ100の充電不足をもたらすことになり、最終的に上記液晶表示パネルの表示効果を損なう。
【0066】
本発明の上記画素回路は上記の問題を考慮するため、上記第2走査線310と並列接続される上記補助走査線220を設置して、上記走査信号の上記配線経路の等価断面積を増加させ、更に上記配線抵抗を低減させる。上記第1ビアホール510と上記第2ビアホール520との間で、上記走査信号の上記配線経路の上記等価断面積を大幅に向上させるため、上記配線抵抗を下げ、上記走査信号が遅延することがなく、且つ上記薄膜トランジスタ100のあるべき充電能力を維持し、最終的に上記液晶表示パネルの表示効果を維持する。
【0067】
このステップでは、上記第2走査線310及び上記データ線320は、銅(Cu)又は銅モリブデン(CuMo)合金の上記第2配線層300により形成される。上記データ線320及び上記第2走査線310の厚さ範囲は2500オングストローム(angstrom、Å)~8000オングストロームにあり、且つ好ましくは7000オングストロームである。
【0068】
注意する必要がある点として、上記第2配線層300の上記パターン化過程で、上記データ線320と上記第2走査線310とは互いに絶縁される。すなわち上記データ線320と上記第2走査線310とは同一水平面上に相互に接続されない。
【0069】
図7に示される上記データ線320及び上記第2走査線310を形成した後、上記画素回路の製造方法は上記第2配線層300上に
図2に示されるパッシベーション層700を形成する。上記パッシベーション層700を設置する目的は、上記薄膜トランジスタ100、上記データ線320、及び上記第2走査線310を遮断すること以外に、同時に平坦化の目的も果たし、後続の積層の画素電極400のためにベースを形成する。
【0070】
図2及び
図8に参照されるように、このステップでは、上記画素回路の製造方法は上記パッシベーション層700の、上記薄膜トランジスタ100の上記ドレイン150に対応する領域に第4ビアホール540を開口する。このステップはさらに、上記パッシベーション層700上に上記画素電極400を形成することを含み、且つ上記画素電極400は上記第4ビアホール540によって上記ドレイン150に電気的に接続される。
図8に示されるように、平面図において、上記画素電極400は上記データ線320と上記第2走査線310及び上記補助走査線220との間に設置される。上記液晶表示パネルの上記走査信号が上記第2走査線310及び上記第1走査線210によって上記薄膜トランジスタ100の上記ゲート110に入力されるときに、上記薄膜トランジスタ100はオンになり、上記液晶表示パネルの上記データ信号が上記データ線320、上記ソース140、及び上記ドレイン150を経由して上記画素電極400に入力するようにすることができる。
【0071】
本実施例では、上記データ線320及び上記第2走査線310は一定の間隔距離を有する。このように、画素の回路配線配置を効果的に行って、上記画素の開口率を維持することができる以外に、さらに上記データ線320及び上記第2走査線310に寄生容量が生じることを防止し、更に上記画素回路のあるべき作動性能を維持することができる。
【0072】
図4~
図8に示される上記画素回路の各製造過程での構造図は本発明の上記画素回路の製造方法を表すものに過ぎず、本発明の上記画素回路を制限するために用いられるものではない。また、本発明の上記画素回路の製造方法を応用する上記液晶表示パネルの、表示画面を達成するために用いられる他の必須の要素は
図4~
図8に示されておらず、表示技術分野の技術者は、本分野の従来技術によって上記実施例の上記液晶表示パネルの上記の他の必須の要素が設けられることを理解できるはずである。
【0073】
図3に参照されるように、
図3は本発明の上記画素回路を応用する上記液晶表示パネルの部分回路図である。
図3に示される上記液晶表示パネルの部分回路図は4行及び4列の上記画素回路を含む。言い換えれば、
図3は
図4~
図8に示される上記画素回路の製造方法で製造された4つの上記画素回路を4組有することを示す。
図3において、上記第1方向Xは上記液晶表示パネルの水平方向であり、且つ上記第2方向Yは上記液晶表示パネルの垂直方向である。
【0074】
上記薄膜トランジスタ100に電気的に接続される上記第1走査線210が上記第1方向Xに沿って設置され、且つ上記第1走査線210が更に、上記第2方向Yに沿って設置される上記第2走査線310に電気的に接続されるため、上記液晶表示パネルの上記走査信号の走査入力端子Sは上記第2方向Yの正方向又は負方向に設置されてもよい。本実施例では、上記走査信号の上記走査入力端子Sは上記液晶表示パネルの上側に設置されてもよい。
【0075】
また、上記薄膜トランジスタ100に電気的に接続される上記画素回路の上記データ線320が上記第2方向Yに沿って設置されるため、上記液晶表示パネルの上記データ信号のデータ入力端子Dは上記第2方向Yの正方向又は負方向に設置されてもよい。本実施例では、上記データ信号の上記データ入力端子Dは上記液晶表示パネルの上記上側に設置されてもよい。すなわち、上記走査信号の上記走査入力端子Sと上記データ信号の上記データ入力端子Dとは同一の側辺に設置される。
【0076】
図3に示されるように、上記走査信号の上記走査入力端子Sから各々の上記画素回路の上記薄膜トランジスタ100までの上記配線経路の距離が従来技術の上記配線経路に比べて比較的長いが、本発明は上記第2走査線310と並列接続される上記補助走査線220を設置して、上記走査信号の上記配線経路の上記等価断面積を増加させ、更に上記配線抵抗を低減させる。
【0077】
図3の例から分かるように、本発明の上記画素回路の構造設計によれば、上記液晶表示パネルの上記走査信号の上記走査入力端子S及び上記データ信号の上記データ入力端子Dを上記液晶表示パネルの同一側に設置することができる。従って、上記液晶表示パネルの額縁の3つの側辺をいずれかの入力端子として駆動チップを設置する又はボンディング端子等とする必要がなく、更に上記液晶表示パネルのレイアウト空間を効果的に節約し、且つ額縁の空間を減らし、上記液晶表示パネルの画面占有率を向上させる。
【0078】
発明者は、創造力を要する労働を経て本発明の上記画素回路を完成させた。以下に、本発明の実験データを提供して説明を補助しつつ、本発明を応用する上記液晶表示パネルと従来技術の上記液晶表示パネルとを比較する。
【0079】
下記の表1に参照されるように、表1は従来技術の上記液晶表示パネルの4つの側辺の幅と、本発明の上記画素回路を応用する上記液晶表示パネルの4つの側辺の幅とを対比する。
【0080】
説明する必要がある点として、表1において、従来技術の上記液晶表示パネルの上額縁の位置、及び本発明の上記画素回路を応用する上記液晶表示パネルの上額縁の位置に、いずれも上記走査信号の上記入力端子及び上記データ信号の上記入力端子が設置される。
【0081】
【0082】
従来技術では、液晶表示パネルを駆動する、垂直に交差して入力されるデータ線及び走査線により、上記液晶表示パネルの2つの隣接する辺は比較的広い額縁を有することになる。本発明の上記画素回路及びその製造方法は、上記第1方向Xに沿って設置される上記第1走査線210及び上記第2方向Yに沿って設置される上記第2走査線310の設計によって、上記薄膜トランジスタ100の上記走査信号の上記走査入力端子S及び上記データ信号の上記データ入力端子Dを上記液晶表示パネルの同一側に設置する。従って、表1から分かるように、本発明の液晶表示パネルを応用することは、上記液晶表示パネルのレイアウト空間を効果的に節約でき、且つ従来技術に示された液晶表示パネルの上記額縁の空間を減らし、本発明の上記画素回路を応用する上記液晶表示パネルの画面占有率が従来技術の上記液晶表示パネルの画面占有率に比べて向上させる。
【0083】
下記の表2に参照されるように、表2は、従来技術の上記液晶表示パネルの上記走査線(第1走査線のフィールド名で表す)の抵抗及び容量と、本発明の上記補助走査線220が設置されていない上記画素回路を応用する上記液晶表示パネルの上記第1走査線210及び上記第2走査線310の抵抗及び容量と、本発明の上記補助走査線220が設置される上記画素回路を応用する上記第1走査線210及び上記第2走査線310の上記液晶表示パネルの抵抗及び容量とを対比する。
【0084】
【0085】
表2に示されるように、本発明の上記画素回路及びその製造方法は上記第2走査線310を設置した後には、従来技術に比べて抵抗が付加的に増加することになる。そのため、本発明は更に、上記第2走査線310と並列接続される上記補助走査線220を設置し、これは上記第1走査線210及び上記第2走査線310の抵抗を明らかに低減させる。
【0086】
従って、本発明の上記画素回路及びその製造方法は、本発明の上記画素回路を応用する上記液晶表示パネルの画面占有率を、従来技術の上記液晶表示パネルの画面占有率に比べて向上させることができる以外に、上記液晶表示パネルの期待される性能を維持することもできる。
【0087】
以上は本発明の好ましい実施形態に過ぎない。なお、当業者にとって、本発明の原理を逸脱しない前提下で、さらにいくつかの改良や修飾をすることができ、これらの改良や修飾も本発明の保護範囲と見なされるべきである。
【符号の説明】
【0088】
100 薄膜トランジスタ
110 ゲート
120 ゲート絶縁層
130 活性層
140 ソース
150 ドレイン
200 第1配線層
210 第1走査線
220 補助走査線
300 第2配線層
310 第2走査線
320 データ線
400 画素電極
510 第1ビアホール
520 第2ビアホール
530 第3ビアホール
540 第4ビアホール
600 基板
700 パッシベーション層