IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニーの特許一覧

<>
  • 特許-パターン化された転写物品 図1
  • 特許-パターン化された転写物品 図2
  • 特許-パターン化された転写物品 図3
  • 特許-パターン化された転写物品 図4
  • 特許-パターン化された転写物品 図5
  • 特許-パターン化された転写物品 図6
  • 特許-パターン化された転写物品 図7
  • 特許-パターン化された転写物品 図8
  • 特許-パターン化された転写物品 図9
  • 特許-パターン化された転写物品 図10
  • 特許-パターン化された転写物品 図11
  • 特許-パターン化された転写物品 図12
  • 特許-パターン化された転写物品 図13
  • 特許-パターン化された転写物品 図14
  • 特許-パターン化された転写物品 図15
  • 特許-パターン化された転写物品 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】パターン化された転写物品
(51)【国際特許分類】
   B32B 7/06 20190101AFI20240708BHJP
   B32B 3/26 20060101ALI20240708BHJP
   B32B 3/30 20060101ALI20240708BHJP
【FI】
B32B7/06
B32B3/26 Z
B32B3/30
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021570719
(86)(22)【出願日】2020-05-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-01
(86)【国際出願番号】 IB2020054988
(87)【国際公開番号】W WO2020240419
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】62/855,651
(32)【優先日】2019-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100130339
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100110803
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 太朗
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【弁理士】
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】ゴトリック,ケビン ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】ジョネス,スコット ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】タイ,フイウェン
(72)【発明者】
【氏名】フランケル,ジョアン エム.
(72)【発明者】
【氏名】オウィングス,ロバート アール.
(72)【発明者】
【氏名】ヴェラマカンニ,ヴァスカール ブイ.
(72)【発明者】
【氏名】ブルス,ジェアンヌ エム.
(72)【発明者】
【氏名】ロウェ,ディヴィッド ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ソウサ,マシュー イー.
(72)【発明者】
【氏名】ギヴォット,ブラッドリー エル.
【審査官】斎藤 克也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/178802(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/088702(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/125212(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/003847(WO,A1)
【文献】特表2016-537793(JP,A)
【文献】国際公開第00/041893(WO,A1)
【文献】特開2019-064100(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00 - 43/00
B44C 1/16 - 1/175
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
転写物品であって、
金属層又はドープされた半導体層を含む剥離層と、
前記剥離層を覆う第1のアクリレート層であって、前記第1のアクリレート層が、2~50グラム/インチの剥離値で前記剥離層から剥離可能である、第1のアクリレート層と、
前記第1のアクリレート層を覆う機能層であって、前記機能層は、その間に亀裂が散在する複数のツールマークを含む少なくとも1つの微小破砕無機層を含み、前記微小破砕無機層が3ナノメートル~200ナノメートルの厚さである、機能層と、
を含
前記転写物品が3マイクロメートル未満の厚さを有する、
転写物品。
【請求項2】
パターン化された物品の製造方法であって、
金属層又はドープされた半導体層から選択された剥離層から、転写物品を除去することであって、前記転写物品が、
前記剥離層を覆う第1のアクリレート層であって、前記剥離層と前記第1のアクリレート層との間の剥離値が、2~50グラム/インチである、第1のアクリレート層と、
前記第1のアクリレート層を覆う機能層であって、前記機能層が、少なくとも1つの無機層を含む、機能層と、を含む、除去することと、
前記第1のアクリレート層を、200ミクロン未満の周期を有する構造体を含むツールと接触させて、前記機能層の少なくとも1つの無機層に、その間に亀裂が散在するように複数のツールマークを形成して、パターン化された物品に微小破砕無機層を提供することと、
を含む、方法。
【請求項3】
物品であって、
第1の主面及び第2の主面を有する第1の機能層であって、前記第1の機能層が、
前記第1の主面を形成する第1のアクリレート層と、
前記第1のアクリレート層上の第2の機能層であって、前記第2の機能層は、その間に亀裂が散在する複数のツールマークを含む少なくとも1つの微小破砕金属層を有する金属層のスタックを含み、前記微小破砕金属層は、5ナノメートル~100ナノメートルの厚さである、第2の機能層と、
前記第2の主面を形成する第2のアクリレート層と、を含む、第1の機能層と、
前記第1のアクリレート層上の第1の接着剤層と、
前記第2のアクリレート層上の第2の接着剤層であって、前記第2の接着剤層が、光学的に透明である、第2の接着剤層と、
前記第1の接着剤層上の第1のポリマーフィルム層であって、前記第1のポリマーフィルム層が、前記第1の接着剤層に接触する第1の主面と、第2の主面とを有する、第1のポリマーフィルム層と、
前記第2の接着剤層上の第2のポリマーフィルム層と、
を含む、物品。
【請求項4】
パターン化された抗菌性物品であって、
第1のアクリレート層と、前記第1のアクリレート層上の金属層のスタック及び金属酸化物層と、を含む機能層であって、前記金属層のスタックは、その間に亀裂が散在する複数のツールマークを含む少なくとも1つの微小破砕された銀又は酸化銀の層を含み、前記微小破砕された銀又は酸化銀の層は、5ナノメートル~100ナノメートルの厚さである、機能層と、
前記機能層上の基材であって、前記基材が、ポリマーフィルムを含む、基材と、
を含む、抗菌性物品。
【請求項5】
誘電体物品であって、
パターン化された構造であって、
第1のアクリレート層と、前記第1のアクリレート層上の金属層のスタック及び金属酸化物層と、を含む機能層であって、前記金属層のスタックは、クレバス間に散在する複数の金属フレークを含む少なくとも1つの微小亀裂金属層を含み、前記金属フレークの少なくとも一部分は、前記微小亀裂金属層の平面外に存在し、前記クレバスは、1ミクロン~50ミクロンの平均幅を有する、機能層と、
前記パターン化された構造上の少なくとも1つの裏材であって、前記誘電体物品が、9GHz~10GHzでQWEDスプリットポスト誘電体共振器空洞内で測定されるとき、0.12のtanδ最大値を有する、裏材と、
を含む、パターン化された構造、を含む、誘電体物品。
【請求項6】
物品であって、
ポリマーフィルム基材と、
前記ポリマーフィルム基材を覆う光学的に透明な接着剤の層と、
前記光学的に透明な接着剤の前記層を覆うパターン化された構造であって、前記パターン化された構造は、
第1のアクリレート層と、前記第1のアクリレート層上の金属層のスタック及び金属酸化物層と、を含む機能層であって、前記金属層のスタックは、その間に亀裂が散在する複数のツールマークを含む少なくとも1つの微小破砕金属層を含み、前記微小破砕金属層は、5ナノメートル~100ナノメートルの厚さである、機能層と、
前記パターン化された構造上の裏材と、
を含む、パターン化された構造と、
を含む、物品。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
スパッタリングは、大きな領域にわたって1桁のナノメートル厚さ制御を有する無機薄膜を堆積させることができ、ロールツーロール製造に好適であり得る高精度真空蒸着プロセスである。真空蒸着基材は、スパッタリングプロセスで利用される高温、紫外線(UV)放射、及びイオンに曝露されたときに歪み及び劣化を実質的に含まないままであるように、十分な温度及び化学的安定性を有するべきである。適切な真空蒸着基材材料も真空安定性を有するべきであり、真空チャンバー内で低圧に曝露されたときに、揮発性化合物を実質的に放出すべきでない。
【0002】
スパッタリングを使用して、例えば、金属層及び金属酸化物層などの無機薄膜層のスタックを基材上に堆積させることができる。異なる屈折率を有する薄膜無機層の材料、厚さ、及び配列順序は、物品の審美的外観及び透過特性を微調整するように選択することができる。例えば、複数の金属層及び金属酸化物層のスタックを有する物品は、異なる視野角で見たときに異なる色を有するように見える場合がある。
【発明の概要】
【0003】
基材上にスパッタ蒸着された薄膜無機層のスタックを含む物品は、非常に望ましい審美的外観を有することができる。しかしながら、物品が表面に、特に、複合曲率を有する表面に適用される場合、金属層は、延伸される、又は歪む可能性があり、物品の所望の審美的特性又は光管理特性を不必要に変化させる可視的な亀裂様の欠陥を形成することがある。金属層、金属層が適用される基材、又はその両方が、より延伸性が高い材料で作製されている場合、物品が面に適用されるときに、金属層は特定の領域で薄くなり、物品の外観又は光管理性能に望ましくない変化を引き起こす可能性がある。
【0004】
一般に、本開示は、少なくとも1つの超薄膜無機層を含む、その上に機能層を有する、寸法安定性であるが可撓性のアクリレート基材を含む転写物品を目的とする。いくつかの実施例では、転写物品の機能層内の無機層は、スパッタリングプロセスによって形成され、約3nm~約200nmの厚さを有する。安定したアクリレート基材及び少なくとも1つの薄い無機層を含有する転写物品を、その後、ツール及び微小破砕によって接触させる。無機層の微小破砕された表面は、ヒトの目が約0.5メートル~1メートルの通常の視野距離で解像するのが困難である高密度の亀裂がその間に散在する複数のツールマークを含む。一実施例では、微小破砕無機層は、1mm当たり約0.3~約2000個のツールマークを含むことができ、1mm当たり約0.3~約10000個の亀裂を含むことができる。
【0005】
いくつかの実施形態では、拡散反射性である微小破砕無機層を含む転写物品が、少なくとも1つの寸法で延伸され、表面に適用されるとき、微小破砕無機層中の亀裂は、適用プロセス中に延伸及び歪みに対応し、表面に適合するように、必要に応じて変動する量で膨張する。表面に適用されると、転写物品は、通常の視野距離で人間の観察者に曇った外観を提供するほど十分に小さいクレバスによって分離されたフレークの配列を有する微小亀裂物品を形成する。微小亀裂物品は、その主面に対して選択された視野角で一貫した色及び良好な全体的な審美的外観を備えた調整可能な反射性能を提供する実質的に均一な表面を有する。したがって、無機層を微小破砕すると、物品が1つ以上の方向に延伸され、複合表面に適用又は接着結合されてラミネート物品を形成するときに、無機材料のスタックを含む物品の審美的外観をより効果的に制御することが可能になる。無機層を微小破砕すると、無機層が所望の周波数範囲内の電磁信号に対して透過性になり、これにより、通信デバイスにおいて有用な物品を作製することができる。
【0006】
一実施形態では、その上に機能層を有するアクリレート基材を含む転写物品は、少なくとも1つの超薄膜無機層を含み、約50MPa~約1000MPaの弾性率範囲を有する低弾性率基材に転写される。低弾性率基材上にある間、無機薄膜層のスタック内の少なくとも1つの無機層は、ツールに対してパターン破砕され、その中に、その間に亀裂が散在するツールマークの好適な配列を有する微小破砕無機層を提供する。無機薄層を低弾性率基材に転写することにより、パターン化プロセスを完了するために必要とされる圧力が低減され、ツールマーク及びその間に散在する亀裂が、通常の視野距離でヒトの目に対して解像不能であるように、ツールマークの解像度を増大させる。
【0007】
一態様では、本開示は、転写物品であって、
第1のアクリレート層であって、第1のアクリレート層が、2~50グラム/インチの剥離値で金属層又はドープされた半導体層を含む剥離層から剥離可能である、第1のアクリレート層と、
第1のアクリレート層を覆う機能層であって、機能層は、その間に亀裂が散在する複数のツールマークを有する少なくとも1つの微小破砕無機層を含み、微小破砕無機層が約3ナノメートル~約200ナノメートルの厚さであり、転写物品が3マイクロメートル未満の厚さを有する、機能層と、を含む、転写物品に関する。
【0008】
別の態様では、本開示は、パターン化された物品の製造方法であって、
金属層又はドープされた半導体層から選択された剥離層から、転写物品を除去することであって、転写物品が、
剥離層を覆う第1のアクリレート層であって、剥離層と第1のアクリレート層との間の剥離値が、2~50グラム/インチである、第1のアクリレート層と、
第1のアクリレート層を覆う機能層であって、機能層が、少なくとも1つの無機層を含む、機能層と、を含む、除去することと、
第1のアクリレート層を、約200ミクロン未満の周期を有する構造体を含むツールと接触させて、機能層の少なくとも1つの無機層に、その間に亀裂が散在するように複数のツールマークを形成して、パターン化された物品に微小破砕無機層を提供することと、を含む、方法に関する。
【0009】
一態様では、本開示は、物品であって、
第1の主面及び第2の主面を有する機能層であって、機能層が、
第1の主面を形成する第1のアクリレート層と、
第1のアクリレート層上の機能層であって、機能層は、その間に亀裂が散在する複数のツールマークを有する少なくとも1つの微小破砕金属層を有する金属層のスタックを含み、微小破砕金属層は、約5ナノメートル~約100ナノメートルの厚さである、機能層と、
第2の主面を形成する第2のアクリレート層と、を含む、機能層と、
第1のアクリレート層上の第1の接着剤層と、
第2のアクリレート層上の第2の接着剤層であって、第2の接着剤層が、光学的に透明である、第2の接着剤層と、
第1の接着剤層上の第1のポリマーフィルム層であって、第1のポリマーフィルム層が、第1の接着剤層に接触する第1の主面と、第2の主面とを有する、第1のポリマーフィルム層と、
第2の接着剤層上の第2のポリマーフィルム層と、を含む、物品に関する。
【0010】
一態様では、本開示は、パターン化された抗菌性物品であって、
第1のアクリレート層と、第1のアクリレート層上の金属層のスタック及び金属酸化物層と、を含む機能層であって、金属層のスタックは、その間に亀裂が散在する複数のツールマークを有する少なくとも1つの微小破砕銀又は酸化銀層を含み、微小破砕金属層は、約5ナノメートル~約100ナノメートルの厚さである、機能層と、
機能層上の基材であって、基材が、ポリマーフィルムを含む、基材と、
を含む、物品に関する。
【0011】
一態様では、本開示は、誘電体物品であって、
パターン化された構造であって、
第1のアクリレート層と、第1のアクリレート層上の金属層のスタック及び金属酸化物層と、を含む機能層であって、金属層のスタックは、クレバス間に散在する複数の金属フレークを有する少なくとも1つの微小亀裂金属層を含み、金属フレークの少なくとも一部分は、微小亀裂金属層の平面外に存在し、クレバスは、約1ミクロン~約50ミクロンの平均幅を有する、機能層と、
パターン化された構造上の少なくとも1つの裏材であって、誘電体物品が、9GHz~10GHzでQWEDスプリットポスト誘電体共振器空洞内で測定されるとき、0.12のtanδ最大値を有する、裏材と、
を含む、パターン化された構造、を含む、誘電体物品に関する。
【0012】
一態様では、本開示は、物品であって、
ポリマーフィルム基材と、
ポリマーフィルム基材を覆う光学的に透明な接着剤の層と、
光学的に透明な接着剤の層を覆うパターン化された構造であって、パターン化された構造は、
第1のアクリレート層と、第1のアクリレート層上の金属層のスタック及び金属酸化物層と、を含む機能層であって、金属層のスタックは、その間に亀裂が散在する複数のツールマークを有する、少なくとも1つの微小破砕金属層を含み、微小破砕金属層は、約5ナノメートル~約100ナノメートルの厚さである、機能層と、
パターン化された構造上の裏材と、
を含む、パターン化された構造と、
を含む、物品に関する。
【0013】
本発明の1つ以上の実施形態の詳細を、添付図面及び以下の説明に示す。本発明の他の特徴、目的、及び利点は、明細書及び図面、並びに特許請求の範囲から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本開示による転写物品の一実施形態の概略断面図である。
【0015】
図2】接着剤層上の図1の転写物品の概略断面図である。
【0016】
図3】本開示の物品をパターン化するのに好適なロールツーロールパターン化プロセスの概略図である。
【0017】
図4】本開示の物品の無機層のパターン化された表面の一実施形態を示す、斜視概略俯瞰図である。
【0018】
図5】本開示の物品の無機層のパターン化された表面の一実施形態を示す、斜視概略俯瞰図である。
【0019】
図6】その上に追加の巨視的パターンが適用された、図4のパターン化された物品を示す斜視概略俯瞰図である。
【0020】
図7図4のパターン化された物品を含むラミネートの一実施形態を示す斜視概略俯瞰図である。
【0021】
図8】実施例13で利用されたエンボスパターンの写真である。
【0022】
図9】実施例13の物品のエンボス加工された領域及びエンボス加工されていない領域の写真である。
【0023】
図10】実施例14の物品の抗菌性能のプロットである。
【0024】
図11】実施例15の物品の写真及び9GHz測定値である。
【0025】
図12】実施例15で利用されたエンボス加工ツールの写真である。
【0026】
図13】実施例15における物品のエンボス加工された表面の写真である。
【0027】
図14】実施例15の物品の写真及び9GHz測定値である。
【0028】
図15】実施例15の物品の写真である。
【0029】
図16】実施例16の物品の写真である。
【0030】
図中の同様の符号は、同様の要素を示している。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1を参照すると、転写物品10は、剥離層14と重なる任意選択の剥離層基材12を含む。第1のアクリレート層16は、剥離表面17に沿って剥離層14に接触する。機能層18は、第1のアクリレート層16に接触する第1の主面19を含む。様々な実施形態では、機能層18は、審美特性、反射特性、又は透過特性、環境特性、抗菌特性などを含むがこれらに限定されない、いくつかの機能特性を有する転写物品10を提供するように選択された1つ以上の層のスタックを含むことができる。機能層18は、機能層18内の任意の点に配置され得る少なくとも1つの無機層20を含み、いくつかの実施形態では、その間に少なくとも1つの無機層20が散在する1つ以上の有機層を含んでもよい。図1の実施形態では、機能層18は、第1のアクリレート層16と同じであっても異なっていてもよい第2のアクリレート層24を含む。図1の実施形態では、任意選択の接着剤層22は、第2のアクリレート層24(存在する場合)を覆う。いくつかの実施例では、任意選択の接着剤層22を使用して、転写物品10を対象の表面に、又は別の物品(図1には示されていない)に付着することができる。
【0032】
様々な実施形態では、第1のアクリレート層16及び機能層18の組み合わせは、約3マイクロメートル未満、又は2マイクロメートル未満、又は1マイクロメートル未満、又は0.5マイクロメートル未満、又は0.25マイクロメートル未満、又は0.1マイクロメートル未満の厚さを有する。
【0033】
任意の剥離層基材12は、剥離層14を支持することができる任意選択の材料を含むことができ、好適な例としては、ポリマー材料及び金属が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、剥離層基材12は熱収縮可能であり得、所定の温度で収縮することができる。好適な剥離層基材12は、任意の好適な手段によって熱収縮可能であるように処理される任意の有機ポリマー層から選択することができる。一実施形態では、剥離層基材12は、そのガラス転移温度Tgを超える温度で配向し、次いで冷却することによって熱収縮可能にすることができる半結晶性ポリマー又は非晶質ポリマーである。有用な半結晶性ポリマーフィルムの例としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、及びシンジオタクチックポリスチレン(sPS)などのポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、及びポリエチレン-2,6-ナフタレートなどのポリエステル;ポリビニリデンジフルオリド、及びエチレン:テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)などのフルオロポリマー;ナイロン6及びナイロン66などのポリアミド;ポリフェニレンオキシド及びポリフェニレンスルフィドが挙げられるが、これらに限定されない。非晶質ポリマーフィルムの例としては、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリイミド(PI)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルホン(PES)、アタクチックポリスチレン(aPS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ノルボルネン系環状オレフィンポリマー(COP)、及び環状オレフィンコポリマー(COC)が挙げられる。いくつかのポリマー材料は、半結晶性形態及び非晶質形態の両方で利用可能である。上記に列挙したものなどの半結晶性ポリマーは、ピーク結晶化温度まで加熱及び冷却することによって熱収縮可能にすることもできる。
【0034】
いくつかの実施形態では、厚さおよそ0.002インチ(0.05mm)の二軸又は一軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)は、二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)フィルムと同様に、剥離層基材12にとって好都合の選択であると考えられる。二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)は、ExxonMobil Chemical Company(Houston,TX)、Continental Polymers(Swindon,UK)、Kaisers International Corporation(Taipei City,Taiwan)、及びPT Indopoly Swakarsa Industry(ISI)(Jakarta,Indonesia)を含む、複数の商業供給元から市販されている。
【0035】
剥離層14は、金属層又はドープされた半導体層を含むことができる。図1に示す実施形態では、第1のアクリレート層16は、剥離層14及び機能層18と直接接触している。図1に示す実施形態では、任意選択の剥離層基材12は、剥離層14と直接接触しているが、他の実施形態では、剥離層基材12と剥離層14との間に追加の層が存在し得る(図1には示されていない)。
【0036】
いくつかの実施形態では、剥離層14と第1のアクリレート層16との間の剥離表面17に沿った剥離値は、50g/インチ、40g/インチ、30g/インチ、20g/インチ、15g/インチ、10g/インチ、9g/インチ、8g/インチ、7g/インチ、6g/インチ、5g/インチ、4g/インチ、又は3g/インチ未満である。いくつかの実施形態では、剥離層14と第1のアクリレート層16との間の剥離値は、1g/インチ、2g/インチ、3g/インチ又は4g/インチを超える。いくつかの実施形態では、剥離層14と第1のアクリレート層16との間の剥離値は、1~50g/インチ、1~40g/インチ、1~30g/インチ、1~20g/インチ、1~15g/インチ、1~10g/インチ、1~8g/インチ、2~50g/インチ、2~40g/インチ、2~30g/インチ、2~20g/インチ、2~15g/インチ、2~10g/インチ、又は2~8g/インチである。
【0037】
転写物品10を使用して第1のアクリレート層16及びその上に機能層18を転写し、それによって、剥離層14及び/又は剥離層基材12を再使用することができる。一実施例では、転写物品10は、機能層18が第1のアクリレート層16と対象の表面との間に位置する状態で、対象の表面に適用することができる。転写物品10が対象の表面に適用された後、剥離層14及び基材12が存在する場合、剥離層14及び基材12を転写物品10から除去することができる。次いで、第1のアクリレート層16及び機能層18は、対象の表面上に残される。いくつかの実施形態では、任意選択の接着剤層22は、機能層18が対象の表面により効果的に付着するのを助けることができる。
【0038】
いくつかの実施形態では、剥離層14は、個々の元素金属、混合物として2種以上の金属、金属間化合物又は合金、半金属又はメタロイド、金属酸化物、金属及び混合金属酸化物、金属及び混合金属フッ化物、金属及び混合金属窒化物、金属及び混合金属炭化物、金属及び混合金属炭窒化物、金属及び混合金属酸窒化物、金属及び混合金属ホウ化物、金属及び混合金属オキシホウ化物、金属及び混合金属ケイ化物、ダイヤモンド様炭素、ダイヤモンド様ガラス、グラフェン、並びにこれらの組み合わせから選択される、金属層を含み得る。いくつかの実施形態では、限定することを意図するものではないが、剥離層14は、好都合には、Al、Zr、Cu、NiCr、NiFe、Ti、又はNbから形成されてもよく、約3nm~約3000nmの厚さを有してもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、剥離層14は、ドープされた半導体層を含むことができる。いくつかの実施形態では、限定することを意図するものではないが、ドープされた半導体層は、好都合には、約3nm~約3000nmの間の厚さを有するSi、BドープSi、AlドープSi、PドープSiから形成され得る。剥離層14のための特に好適なドープされた半導体層は、AlドープSiであり、Al組成百分率は約10%である。
【0040】
様々な例示的実施形態では、剥離層14は、蒸着、反応蒸着、スパッタリング、反応スパッタリング、化学蒸着、プラズマ強化化学蒸着、及び原子層堆積により調製することができる。
【0041】
転写物品10内の第1のアクリレート層16及び第2のアクリレート層24は、同じ材料で作製されても異なる材料から作製されてもよい。いくつかの実施形態では、第1のアクリレート層16又は第2のアクリレート層24は、アクリレート又はアクリルアミドを含むことができる。アクリレート層がモノマーのフラッシュ蒸着、蒸着、その後の架橋により形成される場合、揮発性のアクリレート及びメタクリレート(本明細書において「(メタ)アクリレート」と称される)モノマー、又はアクリルアミド若しくはメタクリルアミド(本明細書において「(メタ)アクリルアミドと称される)モノマーが有用であり、揮発性アクリレートモノマーが好ましい。様々な実施形態では、好適な(メタ)アクリレートモノマー又は(メタ)アクリルアミドモノマーは、蒸発器内で蒸発され、蒸着コーターにおいて液体又は固体のコーティングに凝縮され、スピンコーティングなどとして堆積されるのに十分な蒸気圧を有する。
【0042】
好適なモノマーの例としては、ヘキサンジオールジアクリレート、エトキシエチルアクリレート、シアノエチル(モノ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、オクタデシルアクリレート、イソデシルアクリレート、ラウリルアクリレート、ベータ-カルボキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ジニトリルアクリレート、ペンタフルオロフェニルアクリレート、ニトロフェニルアクリレート、2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2,2,2-トリフルオロメチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングルコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロポキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ビスフェノールAエポキシジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロピル化トリメチロールプロパントリアクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)-イソシアヌレートトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、フェニルチオエチルアクリレート、ナフチルオキシエチルアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、MIRAMER M210(Miwon Specialty Chemical Co.,Ltd.(Korea)から入手可能)、KAYARAD R-604(Nippon Kayaku Co.,Ltd.(Tokyo,Japan)から入手可能)、(RadCure Corp.(Fairfield,N.J.)から入手可能な)商品番号RDX80094のエポキシアクリレート、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、ビニルエーテル、ビニルナフタレン、アクリロニトリル、及びこれらの混合物などのポリマー層に様々な他の硬化性材料が含まれてもよい。
【0043】
トリシクロデカンジメタノールジアクリレートは、機能層中の成分層のうちのいずれかのアクリレート材料として使用することができ、いくつかの実施形態では、例えば、凝縮有機コーティング、続いてUV、電子ビーム、又はプラズマ開始フリーラジカル重合によって適用され得る。アクリレート層16、24の厚さは、約10nm~10000nmの厚さが好都合であると考えられ、約10nm~5000nmの厚さが特に好適であると考えられる。いくつかの実施形態では、アクリレート層16、24の厚さは、約10nm~3000nmであり得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、機能層18は、対象の電磁波長にわたって反射特性、反射防止特性、部分吸収特性、偏光特性、リターディング特性、回折特性、散乱特性、又は透過特性を有することができる審美的光学層である。機能層は、少なくとも1つ又は複数の無機層20を含み、これらの無機層は、様々な実施形態では、対象の電磁波長にわたって所定の光学効果を提供するように選択された同じ又は異なる厚さ及び屈折率を有し得る金属層及び金属酸化物層を含む。
【0045】
様々な実施形態では、機能層18は、約5ミクロン未満、又は約2ミクロン未満、又は約1ミクロン未満、又は約0.5ミクロン未満の厚さを有する。
【0046】
様々な実施形態では、限定することを意図するものではないが、機能層18内の無機層20は、個々の元素金属、混合物として2種以上の金属、金属間化合物又は合金、半金属又はメタロイド、金属酸化物、金属及び混合金属酸化物、金属及び混合金属フッ化物、金属及び混合金属窒化物、金属及び混合金属炭化物、金属及び混合金属炭窒化物、金属及び混合金属酸窒化物、金属及び混合金属ホウ化物、金属及び混合金属オキシホウ化物、金属及び混合金属ケイ化物、ダイヤモンド様炭素、ダイヤモンド様ガラス、グラフェン、並びにこれらの組み合わせから選択される、金属を含み得る。いくつかの実施形態では、限定することを意図するものではないが、無機層20は、Ag、Al、Ge、Au、Si、Ni、Cr、Co、Fe、Nb、並びにこれらの混合物、合金、及び酸化物から選択される。いくつかの実施形態では、機能層18の無機層20は、その間に金属層が散在する、例えば、SiAlOx、NbOx、並びにこれらの混合物及び組み合わせなどの金属酸化物の層を含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、無機層又は複数の無機層20は、スパッタリング、蒸着、又はフラッシュ蒸着によって適用され、約3~約200nm、又は約3~約100nm、又は約3nm~約50nm、又は約3nm~約20nm、又は約3nm~約15nm、又は約3nm~約10nm、又は約3nm~約5nmの厚さである。
【0048】
いくつかの実施形態では、機能層18は、複数の金属層のスタックを含み、スタック内の金属層のうちの少なくともいくつかは、金属酸化物層、ポリマー層、又はこれらの混合物及び組み合わせによって分離される。様々な実施形態では、スタック内の各金属層は、実質的に同じ厚さを有することができ、又はスタック内の金属層は、異なる厚さを有することができる。いくつかの実施形態では、限定することを意図するものではないが、複数の無機層中の各無機層は、約5nm~約100nmの厚さを有する。様々な実施形態では、無機層のスタックは、約2~約100個の層、又は約2~10個の層、又は約2~5個の層を含み得る。
【0049】
1つの例示的実施形態では、機能層18は、同じであっても異なっていてもよい金属層又は金属酸化物層を含む複数の無機層を含み、アクリレート層によって分離され、同じ又は異なる厚さを有してもよい。いくつかの実施形態では、機能層18内のアクリレート層は、転写物品における第1のアクリレート層16及び第2のアクリレート層24と同じであっても異なっていてもよく、第1のアクリレート層16及び第2のアクリレート層24と同じ又は異なる厚さを有してもよい。
【0050】
いくつかの実施形態では、機能層18は、図1に概略的に示されるように、その主面19、21に沿って、又は無機層20の露出表面上、又はその両方に、1つ以上の任意選択のバリア層25、27を含むことができる。1つ以上のバリア層25、27は、個々の元素金属、混合物として2種以上の金属、金属間化合物又は合金、半金属又はメタロイド、金属酸化物、金属及び混合金属酸化物、金属及び混合金属フッ化物、金属及び混合金属窒化物、金属及び混合金属炭化物、金属及び混合金属炭窒化物、金属及び混合金属酸窒化物、金属及び混合金属ホウ化物、金属及び混合金属オキシホウ化物、金属及び混合金属ケイ化物、ダイヤモンド様炭素、ダイヤモンド様ガラス、グラフェン、並びにこれらの組み合わせを含み得る。
【0051】
いくつかの実施形態では、バリア層25、27は、金属酸化物、金属窒化物、金属酸窒化物、並びに酸化物、窒化物、及び酸窒化物の金属合金から選択され得る。いくつかの実施形態では、バリア層15、27は、シリカなどの酸化ケイ素、アルミナなどの酸化アルミニウム、チタニアなどの酸化チタン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化ニオビウム、及びこれらの組み合わせから選択される、金属酸化物が挙げられ得る。いくつかの実施形態では、バリア層25、27の金属酸化物は、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、ケイ素酸化アルミニウム、窒化アルミニウムケイ素、及び酸窒化アルミニウムケイ素、CuO、TiO、ITO、ZnO、酸化亜鉛アルミニウム、ZrO、及びイットリア安定化ジルコニアが挙げられる。好ましい窒化物としては、Si及びTiNが挙げられる。
【0052】
いくつかの例示的実施形態において、バリア層25、27は、典型的には、反応蒸着、反応スパッタリング、化学蒸着、プラズマ強化化学蒸着、及び原子層堆積により調製することができる。好ましい方法としては、反応スパッタリング及びプラズマ強化化学蒸着及び原子層堆積などの真空調製が挙げられる。
【0053】
バリア層25、27は、薄層として好都合に適用することができる。例えば、バリア層材料、例えばケイ素酸化アルミニウムは、良好なバリア特性、並びにアクリレート層に対する良好な界面接着性を提供することができる。かかる層は、スパッタリングにより好都合に適用され、厚さ約3~100nmが好都合であると考えられ、およそ厚さ27nmが特に好適であると考えられる。いくつかの実施形態では、バリア層は、0.2、0.1、0.05、0.01、0.005、又は0.001g/mm/日未満の水蒸気透過率を有してもよく、したがって、無機層20に良好な環境抵抗を提供する。
【0054】
転写物品10上の任意選択の接着剤層22は、50MPa~約1000MPa、又は約100MPa~約500MPaの低弾性率を有する粘弾性接着剤又はエラストマ性接着剤を含むことができる。好適な粘弾性接着剤又はエラストマ性接着剤としては、米国特許出願公開第2016/0016338号(Radcliffeら)に記載のもの、例えば、感圧性接着剤(PSA)、ゴム系接着剤(例えば、ゴム、ウレタン)、及びシリコーン系接着剤が挙げられる。粘弾性接着剤又はエラストマ性接着剤としては、室温では非粘着性であるが、温度上昇時に一時的に粘着性となり、基材に結合できる熱活性化接着剤も挙げられる。熱活性化接着剤は、活性化温度で活性化し、この温度を上回ると、PSAと同様の粘弾性特性を有する。粘弾性接着剤又はエラストマ性接着剤は、実質的に透過性(transparent)で光学的に透明(clear)でもよい。
【0055】
粘弾性接着剤又はエラストマ性接着剤22のいずれかが、粘弾性の光学的に透明な接着剤でもよい。エラストマ性材料は、約20パーセント超、又は約50パーセント超、又は約100パーセント超の破断伸びを有してもよい。
【0056】
粘弾性接着剤層又はエラストマ性接着剤層22は、実質的に100パーセント固形の接着剤として直接適用されてもよく、又は溶剤型接着剤をコーティングし、溶剤を気化させることによって形成してもよい。粘弾性接着剤又はエラストマ性接着剤は、溶融し、溶融状態で適用された後に、冷却されて粘弾性又はエラストマ性接着剤層を形成する熱溶融型接着剤でもよい。好適な粘弾性接着剤又はエラストマ性接着剤としては、いずれも3M Company(Saint Paul,MN)から入手可能な、エラストマ性のポリウレタン又はシリコーン接着剤、及び粘弾性の光学的に透明な接着剤CEF22、817x及び818xが挙げられる。他の有用な粘弾性接着剤又はエラストマ性接着剤としては、スチレンブロックコポリマー、(メタ)アクリルブロックコポリマー、ポリビニルエーテル、ポリオレフィン及びポリ(メタ)アクリレート系のPSAが挙げられる。いくつかの実施形態では、接着剤層22は、UV硬化接着剤を含むことができる。
【0057】
再び図1を参照すると、第1のアクリレート層16は、剥離表面17に沿って剥離層14から除去され得る。図2の実施形態にて得られた転写物品100は、第1のアクリレート層116と、少なくとも1つの無機層120を有する機能層118と、第2のアクリレート層124とを含み、接着剤層122は、パターン化可能な構造150を形成する(図2)。いくつかの実施形態では、剥離層14からの除去後に空気に面する第1のアクリレート層116の表面121は、少なくとも1つの無機層120の形状を変化させるために、ツールと接触することができる。いくつかの実施形態では、機能層118内の無機層120に選択される材料及び厚さに応じて、機能層118を支持するために第1のアクリレート層116を必要としない場合があり、機能層118は、少なくとも1つの無機層120の形状を変化させるためにツールと接触してもよい。第1のアクリレート層116の下にある比較的軟質の低弾性率接着剤層122、又は機能層118は、少なくとも1つの無機層120をパターン化するプロセス中のより低い圧力を可能にする。
【0058】
別の実施形態では、転写の後、第1のアクリレート層116を中間基材上に適用してから、パターン化工程を行う。例えば、図2に示すように、第1のアクリレート層は、第1のアクリレート層116が低弾性率層130と接触してパターン化可能な構造150を作製するように、低弾性率層130に適用されてもよい。低弾性率層130は、約50MPa~約1000MPa、又は約100MPa~約500MPaの弾性率を有する任意の材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、低弾性率層130は、接着剤層であり、いくつかの実施形態では、感圧接着剤、結合接着剤などであってもよい。様々な実施形態では、低弾性率層130は、アクリル接着剤又はアクリル感圧接着剤である。
【0059】
様々な実施形態では、図2の物品150は、任意選択で、接着剤層122及び低弾性率層130(図2には示されていない)の一方又は両方の上にポリマーフィルム層を任意に含んでもよい。
【0060】
図2のパターン化可能な構造150は、低弾性率層130を有するか有さないかにかからわらず、ツールと接触して、表面の平面の残りの部分から、実質的に平坦な表面から、凸状の、凹状の、又はそれらの組み合わせである領域を含む成形表面へと、機能層118内の少なくとも1つの無機層120の形状を変化させることができる。パターン化可能な構造150は、例えば、回転式エンボス加工、単一ニップエンボス加工、スポットエンボス加工、全体的なエンボス加工、彫刻、マイクロエンボス加工などを含む多種多様な技術を使用して、ツールと接触することができる。いくつかの実施形態では、限定することを意図するものではないが、パターン化可能な構造150は、ロールツーロールプロセスにおいて、パターン化されたニップローラーと接触する、連続ニップローラーを通過する、又は平行ニップローラー間を通過する。例えば、図3に概略的に示されるように、パターン化可能な構造150は、ローラー160とローラー170との間を通過する。ローラー160上の表面164から外向きに延びる凸部162は、第1のアクリレート116又は機能層118に当たり、機能層118の少なくとも1つの無機層120内に凹状パターン要素を形成する。図3の実施例における凸部162は、無機層120内に雌型(凹状)パターン要素を形成するが、ローラー160はまた、無機層120又はそれらの組み合わせに雄型(凸状)パターン要素を形成する凹部を含むことができる。様々な実施形態では、ローラー160、170は、鋼などの剛性材料、又はゴム若しくはポリマー材料などの柔軟な材料であってもよい。
【0061】
無機層120内に凹状又は凸状のツールマークを形成するために使用されるツール内の凸部/凹部の形状は、広く変動し得る。好適な形状としては、これらに限定されるものではないが、半球、角錐、円錐、直線状又は回路状の隆起部、正方形及び矩形のブロックなどが挙げられ、本明細書でツールマークと称される無機層120内に多種多様なパターン要素を形成するために使用されてもよい。ツールは、例えば、刻印マーク、縞マーク、切断マーク、並びにこれらの混合及び組み合わせを含む、無機層120に多種多様なツールマークを形成するように好適に構成することができる。凸部/凹部162は、ツール160の表面164上に規則的又は不規則なアレイで配置されてもよく、同様に、凸部/凹部162によって形成されたツールマークは、無機層120全体に、又は無機層120の特定の領域内に配置されてもよく、無機層のいくつかの領域は、実質的に平坦であり、ツールマークを含まなくてもよい。
【0062】
ここで図4を参照すると、転写物品200の一実施形態は、パターン化された無機層220をその上に有する機能層218の下にある第1のアクリレート層216を含む(明確にするために機能層218内の他の層は省略されている)。主面299を含む、無機層220は、約1nm~約250nm、又は約3nm~約200nm、又は約5nm~約100nm、又は約10nm~約50nmの厚さtを有する。パターン化された無機層220は、ツールによって処理されて、その表面229内に、刻印された凹状(雌型)ツールマーク280の規則的なアレイを形成している。ツールマークは、半球形の断面形状を有し、約500ミクロン未満、又は約250ミクロン未満、又は約150ミクロン未満、又は約100ミクロン未満の平均中心間間隔dを有する。様々な実施形態では、ツールマーク280は、表面229上に、1mm当たり約0.3~約2000個、又は1mm当たり約1~約1000個、又は1mm当たり約10~約500個、又は1mm当たり約50~約100個で存在する。様々な例示的実施形態では、ツールマーク280は、表面229の下方に、約5ミクロン~約100ミクロン、又は約1ミクロン~約10ミクロン、又は約1ミクロン~約5ミクロンの深さrを有する。
【0063】
例えば、刻印マーク280を形成するツールの衝撃力、互いに対するツールマークの近接度、ツールマークの深さ、例えば、無機層220の厚さ、第1のアクリレート層216の厚さなどの転写物品200の特性、などのような少なくとも1つの因子により、無機層220の表面229を破砕させ、微小破砕又は亀裂282の配列を形成する。亀裂282の少なくとも一部分、及び場合によっては実質的に全てが、ツールマーク280から発出し、ツールマーク280の間を伝播し、それによって、ツールマーク280の間に亀裂282が散在するアレイ290を形成する。加えて、刻印されたツールマーク280としてのツールの衝撃もまた、ツールマーク280のうちの少なくともいくつかの内部に亀裂284を形成する。亀裂284はまた、ツールマーク280から外向きに伝搬し、新しい亀裂を形成すること、又は他の亀裂と接合してアレイ290を形成することができる。様々な実施形態では、亀裂282、284は、無機層220の表面229上に、1mm当たり約0.3~約10000個、又は1mm当たり約1~約5000個、又は1mm当たり約10~約1000個、又は1mm当たり約50~約500個で存在する。図4に示すように、亀裂282、284のうちの少なくともいくつか、ほとんどの場合には亀裂282、284の大部分は、無機層220の厚さを通って、第1の主面229Aからその第2の主面229Bまで完全に延び、他の亀裂282は、第1の主面229A上の領域を占有し、無機層220の厚さを通って第2の主面229Bに向かって途中までしか延びない。
【0064】
図5における別の例示的実施形態を参照すると、転写物品300の別の実施形態は、パターン化された無機層320をその上に有する機能層318の下にある第1のアクリレート層316を含む(明確にするために機能層318内の他の層は省略されている)。主面329を含む、無機層320は、約1nm~約250nm、又は約3nm~約200nm、又は約5nm~約100nm、又は約10nm~約50nmの厚さtを有する。無機層320は、ツールによって処理されて、その表面329内に、刻印された凹状(雌型)の直線状の縞ツールマーク380の規則的なアレイを形成している。縞ツールマーク380は、矩形断面形状を有し、約15mm未満、又は約10mm未満、又は約5mm未満、又は約2mm未満、又は約1mm未満、又は約500ミクロン未満、又は約100ミクロン未満、又は約50ミクロン未満の平均中心間間隔dを有する。様々な実施形態では、ツールマーク380は、表面329上に、1mm当たり約50~約100個で存在する。様々な例示的実施形態では、ツールマーク380は、表面329の下方に、約0.5ミクロン~約100ミクロン、又は約1ミクロン~約10ミクロン、又は約1ミクロン~約5ミクロンの深さを有する。様々な実施形態では、ツールマーク380は、約50ミクロン~約200ミクロン、又は約20ミクロン~50ミクロンの幅wを有する。
【0065】
例えば、刻印マーク380を形成するツールの衝撃力、互いに対するツールマークの近接度、ツールマークの深さ、例えば、無機層320の厚さ、第1のアクリレート層316の厚さ、無機層320の厚さなどの転写物品300の特性、などのような因子により、無機層320の表面329を破砕させ、微小破砕又は亀裂382の配列を形成する。亀裂382の少なくとも一部分、及び場合によっては実質的に全てが、ツールマーク380から発出し、ツールマーク380の間を伝播し、それによって、ツールマーク380の間に亀裂382が散在するアレイ390を形成する。加えて、刻印されたツールマーク380としてのツールの衝撃もまた、ツールマーク380のうちの少なくともいくつかの境界の内部に亀裂384を形成する。亀裂384はまた、ツールマーク380から外向きに伝搬し、新しい亀裂を形成すること、又は他の亀裂と接合してアレイ390を形成することができる。様々な実施形態では、亀裂382は、無機層320の表面329上に、1mm当たり約0.3~約10000個、又は1mm当たり約1~約5000個、又は1mm当たり約10~約1000個、又は1mm当たり約50~約500個で存在する。図5に示すように、亀裂382のうちの少なくともいくつか、ほとんどの場合には亀裂382の大部分は、無機層320の厚さを通って、第1の主面329Aからその第2の主面329Bまで完全に延び、他の亀裂382は、第1の主面329A上の領域を占有し、無機層320の厚さを通って第2の主面329Bに向かって途中までしか延びない。
【0066】
ここで図6を参照すると、転写物品400の別の実施形態は、パターン化された無機層420をその上に有する機能層418の下にある第1のアクリレート層416を含む(明確にするために機能層418内の他の層は省略されている)。無機層420は、ツールによって処理されて、刻印された凹状(雌型)ツールマーク480の規則的なアレイを形成する主面429を含む。ツールマーク480は、半球形の断面形状を有し、約500ミクロン未満、又は約250ミクロン未満、又は約150ミクロン未満、又は約100ミクロン未満の平均中心間間隔を有する。様々な実施形態では、ツールマーク480は、表面429上に、1mm当たり約0.3~約2000個、又は1mm当たり約1~約1000個、又は1mm当たり約10~約500個、又は1mm当たり約50~約100個で存在する。様々な例示的実施形態では、ツールマーク480は、表面429の下方に、約0.5ミクロン~約10ミクロン、又は約1ミクロン~約10ミクロン、又は約1ミクロン~約5ミクロンの深さを有する。
【0067】
刻印マーク480を形成するツールの打撃は、無機層420の表面429を破砕させ、微小破砕又は亀裂482の配列を形成する。亀裂482の少なくとも一部分、及び場合によっては実質的に全てが、ツールマーク480から発出し、ツールマーク480の間を伝播し、それによって、ツールマーク480の間に亀裂482が散在するアレイ490を形成する。加えて、刻印されたツールマーク480としてのツールの衝撃もまた、ツールマーク480のうちの少なくともいくつかの内部に亀裂484を形成する。亀裂484はまた、ツールマーク480から外向きに伝搬し、新しい亀裂を形成すること、又は他の亀裂と接合してアレイ490を形成することができる。様々な実施形態では、亀裂482は、無機層420の表面429上に、1mm当たり約0.3~約10000個、又は1mm当たり約1~約5000個、又は1mm当たり約10~約1000個、又は1mm当たり約50~約500個で存在する。図6に示すように、亀裂482のうちの少なくともいくつか、ほとんどの場合には亀裂482の大部分は、無機層420の厚さを通って、第1の主面429Aからその第2の主面429Bまで完全に延び、他の亀裂482は、第1の主面429A上の領域を占有し、無機層420の厚さを通って第2の主面429Bに向かって途中までしか延びない。
【0068】
図6の実施形態では、パターン化された無機層420は、同じ又は異なるツールによって第2の時間打たれ、ツールの第1の打撃から生じる第1のアレイ490上に重ね合わされた刻印されたツールマーク486の第2のアレイ492を形成する。一般に、重ね合わされたツールマークの第2のアレイ492は、約2000ミクロン未満、又は約1000ミクロン未満、又は約750ミクロン未満の周期を有し、半球、角錐、円錐、直線状又は回路状の隆起部、正方形及び矩形のブロックなどを含むが、これらに限定されない多種多様な断面形状を有し得る。ツールマークの第2のアレイ492は、多種多様な用途を有してもよく、いくつかの実施形態では、表面429の視覚的特性又は電気的特性を変更することができる無機層420の表面429上にマクロパターンを課すように使用することができる。例えば、ツールマークの第2のアレイ492は、ロゴ若しくはパターンなどの審美的デザインとして観察者が見ることができ、表面429の全部又は一部につや消し仕上げを施すことができ、選択された領域又は選択された視野角で無機層420の表面反射率を変動させることができ、選択された領域又は選択された視野角で無機層420によって引き起こされる表面散乱を変えることができ、又は無機層420の磁気的特性若しくは電気的特性を変更するために使用することができる。
【0069】
ここで図7を参照すると、ラミネート構造610を形成するために対象の表面600に付着される転写物品510の一部分が示されている。転写物品510は、表面600上に接着剤層530と、第1のアクリレート層516と、少なくとも1つの無機層520を含む機能層518とを含む。転写物品510はまた、明確にするために図7から省略される、第2のアクリレート層、接着剤層など(例えば、図1を参照)のような他の層を含んでもよい。無機層は、その間にクレバス583が散在する刻印されたツールマーク580のアレイを有するパターン化された表面539を含む。転写物品510が表面600に適用される前に少なくとも一次元で延伸される場合、特に、転写物品が、縁部又は複合曲率を有する表面600(図7には示されていない)に適用される場合、ツールマーク580間の亀裂は、拡大及び拡張してクレバス583を形成し、微小亀裂無機層594を作製する。様々な実施形態では、クレバス583は、適用プロセス中の延伸の程度に応じて、約1ミクロン~約50ミクロン、又は約10ミクロン~約40ミクロン、又は約1ミクロン~約10ミクロンの平均幅を有する。
【0070】
クレバス583は、ランダムに成形されたフレーク585によって分離される。様々な実施形態では、フレーク585は、約500ミクロン未満、又は約200ミクロン未満、又は約100ミクロン未満のキャリパ直径又はフェレット直径を有する。本出願では、フェレット直径という用語は、明確に画定された配向で2つの接線の距離から粒子の輪郭に対する直径の群の共有基準を指す。例えば、フェレット直径は、任意の角度における粒子の2つの平行な接線間の距離として定義される。
【0071】
フレーク585は、クレバス583の間を移動し、フレーク585の少なくとも一部分は、その縁部587を露出させる無機層520によって占有される平面620から押し出される。いくつかの実施形態では、クレバス583は、無機層520の全厚を通って、第1の主面539Aからその第2の主表面539Bまで延びる。いくつかの実施形態では、無機材料のフレーク585の露出した縁部587は、微小亀裂無機層594に有用な審美的効果又は機能的効果を提供することができる。
【0072】
一実施例では、微小亀裂無機層594が金属層又は金属酸化物層を含む場合、露出した縁部587は、無機層520の一部分を露出させて、抗細菌、抗菌、又は抗バイオフィルムの効果のうちの少なくとも1つを強化するラミネート物品610を提供することができる。層520が、24時間接触後に黄色ブドウ球菌(S.aureus)及びミュータンスレンサ球菌(S.mutans)に対して少なくとも1logの微生物減少、少なくとも2logの減少、少なくとも3logの減少、少なくとも4logの減少を呈する限り、多種多様な金属酸化物MOxをこのような用途に使用することができる。log減少値は、ISO試験法 ISO 22196:2011「Measurement of antibacterial activity on plastics and other non-porous surfaces」に従って、試験材料に適応するようにその試験方法の適切な改良を行って、測定される。
【0073】
無機層520にとって好適な抗菌性金属及び金属酸化物としては、銀、酸化銀、酸化銅、酸化金、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化クロム、並びにこれらの混合物、合金、及び組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、限定することを意図するものではないが、無機層520の金属酸化物は、AgCuZnOx、AgドープZnOx、AgドープZnO、AgドープTiO、AlドープZnO、及びTiOxから選択される。
【0074】
無機層520は、任意の抗菌有効量の金属、金属酸化物MOx、又はこれらの混合物及び組み合わせを含むことができる。様々な実施形態では、限定することを意図するものではないが、金属酸化物層520は、100cm当たり100mg未満、40mg未満、20mg未満、又は5mg未満のMOxを含むことができる。
【0075】
別の実施形態では、フレーク585間のクレバス583は、5Gの通信デバイスにおいて有用であり得る、選択された周波数範囲にわたって電磁信号に対して透過性である好適な誘電特性を有する無機層520を提供することができる。例えば、IPC標準TM-650 2.5.5.13に記載されているように、9.5GHzのスプリットポスト誘電体共振器の空洞内で測定したときに、微小破砕無機層520が0.12のtanδを有する場合、層520は、それらの非微小破砕状態と比較して、モバイルデバイス間で伝送される通信信号に対してより透過性であり得る。いくつかの実施形態では、微小破砕無機層520は、約33の実数誘電率及び約4の複素誘電率を有し得る。
【0076】
別の実施例では、クレバス583及びフレーク585は、近赤外信号に対する透過性を提供するように選択することができ、これにより、表面上での高度に適合可能な近IRセンサカバー構造の形成を可能にすることができる。
【0077】
別の実施例では、クレバス583及びフレーク585は、近赤外信号に対する反射性及び可視光に対する透過性を提供するように選択することができる。例えば、このような構成は、高度に適合可能な可視光センサカバーを形成することができる。
【0078】
他の実施例では、フレーク585の縁部は、露出されると、無機層520にとって有用な色変化、反射性、透過性、又は他の審美的効果を提供することができ、これは、例えば、車両外部又は内部などの複雑な表面又は複合表面に適用され得る有用な装飾フィルムを提供することができる。例えば、いくつかの実施形態では、転写物品510は、400~750nmの可視波長では反射性であり、約830nmを超える波長では少なくとも部分的に透過性である。
【0079】
例えば、周囲条件に曝露されると、いくつかのフレーク585が経時的に酸化し、この検出可能な色変化を使用して、例えば製品の貯蔵寿命を評価することができる。色変化が望ましくない場合、フレーク585を含む金属層の一方又は両方の表面に、例えば金属酸化物の1つ以上の保護バリア層を重ねることができる。別の実施例では、金属層は、例えば、物品が複合曲率を有する表面にわたって2次元又は3次元で延伸されるときなど、選択された波長範囲にわたって光に曝露されたときに、フレーク585が変色効果をもたらすように構成され得る。
【0080】
本開示の装置は、以下の非限定的な実施例において更に記載される。
【実施例
【0081】
これらの実施例は例示を目的としたものであり、添付の特許請求の範囲を限定することを意図しない。本明細書の実施例及び他の箇所における全ての部、百分率、比などは、別途指示がない限り、重量に基づくものである。
【表1】
試験方法
抗菌性殺菌特性試験
【0082】
改正ISO22196:2011方法「Measurement of Antibacterial Activity on Plastic and Other Non-Porous Surfaces」を、実施例の物品の抗菌特性の評価に使用した。試験サンプルを平方試験片(1インチ(2.54cm)×1インチ(2.54cm)、n=2)に切断した。ミュータンスレンサ球菌(Streptococcus mutans)(ATCC27352)の接種材料をリン酸緩衝液及び人工唾液中で調製した。人工唾液の組成を以下のように調製した:ブタ胃タイプIII由来のムチン(2.2g/L、Sigma-Aldrich Company(St.Louis,MO)から入手)、NaCl(0.381g/L)、CaCl・2HO(0.213g/L)、KHPO(0.738g/L)、及びKCl(1.114g/L)。
【0083】
1×10コロニー形成単位/mL(cfu/mL)の標的濃度を有する細菌接種材料(159マイクロリットル)を、実施例1の物品のマイクロエンボス加工された表面上に広げ、37℃で24時間インキュベートした。比較例として、マイクロエンボス加工されていない表面を有する試験片を接種材料で処理した(比較例A)。インキュベーション後、試験片サンプルをDey\Engley中和ブロス中和ブロス(Becton Dickinson Company(Franklin Lakes,NJ)から入手)中で中和し、プレート計数培養法を使用して生細胞数にアクセスした。プレート計数培養法では、Butterfieldの緩衝液(3M companyから入手)中の中和ブロス(1mL)の10倍連続希釈を実施することによって、生細菌を計数した。各希釈物(100マイクロリットル)のアリコートを、トリプチックソイ寒天プレート(Hardy Diagnostics(Santa Maria,CA)から入手)上に塗沫した。プレートを、37℃で嫌気条件で48時間インキュベートした。インキュベーション後、コロニーを手動で計数した。
変色試験
【0084】
変色試験媒体は、ケチャップ(6.25g)、マスタード(6.25g)、及び水(87.5g)を含有する酸性溶液(pH3.7)であった。各サンプルストリップ[長さ3インチ(7.62mm)×幅1インチ(2.54cm)]を酸性溶液に1分間、5分間、10分間、又は60分間浸漬した。各浸漬期間後、試験ストリップを、変色試験媒体から除去し、脱イオン水で完全にすすぎ、色差について視覚的に検査した。
促進耐候試験
【0085】
標準的な実験室用の水を95℃に加熱し、物品を24時間水浸した。水浸後、周囲光下で目視検査により退色について物品を調べた。
微小破砕確認試験
【0086】
100倍対物レンズ(Keyence Corporation of America(Itasca,IL))を有するVHX-6000シリーズKeyenceデジタル顕微鏡を、可視光透過モードで使用して、フィルム物品中の破砕からの光漏れを観察した。破砕は、より低い可視光透過率の非破砕表面によって囲まれたより高い可視光透過領域として可視であった。
微小破砕破砕密度試験
【0087】
100倍対物レンズ(Keyence Corporation of America(Itasca,IL))を有するVHX-6000シリーズKeyenceデジタル顕微鏡を、可視光透過モードで使用して、フィルム物品中の破砕からの光漏れを観察した。破砕は、より低い可視光透過率の非破砕表面によって囲まれたより高い可視光透過領域として可視であった。Image J v1.52a(National Institute of Health(USA))の「粒子計数」機能を使用して顕微鏡画像を分析した。破砕密度は、所与の画像の破砕の総数を画像の平方面積で除算することによって計算した。
NIR/可視散乱比試験
【0088】
サンプルを超音波プロ分光光度計(Hunter Associates Laboratory(Reston,VA))を使用して特徴付けた。サンプルの可視透過率及び近赤外(NIR)透過率を、350nm~1050nmの5nm刻みで測定し、850nm及び940nmは、2つの主要な関心領域であった。全透過率及び拡散透過率を測定し、スペクトル透過率を2つの差として計算した。散乱比は、拡散透過率と全透過率との比として定義された。
5Gスペクトル透過率測定(60~90GHz透過スペクトルデータ試験装置)
【0089】
Thomas Keating Ltd.(Billingshurst,UK)によって設計及び構築された自由空間測定システムを使用した。自由空間システムを、N5290A 900Hz~110GHz PNA MM-Wave Keysight VNA(Vector Network Analyzer)及び分析ソフトウェアと組み合わせて、0度の入射での材料を通るパワーの透過率を含む、複素材料特性の決定のためのパワー測定ツールを提供した。使用したThomas Keating Systemは、60~90GHzの擬似光学システムであった。Keysight VNAハードウェアは「ゼロゲイン」回路であり、これにより、波形フィードホーン(ポートS1)の開口部にあるガウシアンビームウエストが楕円鏡によって再集束されて、サンプル位置にビームウエストを形成し、第2の鏡を介してS2ポートに渡され、そこで第2の波形フィードホーンがビームをVNA導波路に供給した。測定のために、60GHz~90GHzの周波数範囲から動作するN5290A PNA MM Wave Systemを使用した。透過率測定値は、複素SパラメータS12に関連付けられた正規化されたパワーとして、ベクトルネットワーク分析器で直接測定した。
9.5GHzスプリットポスト誘電体共振器タンデルタ(Tanδ)測定
【0090】
IPC標準TM-6502.5.5.13に従って、0.85mmエアギャップ空洞を有する9.5GHzスプリットポスト誘電体共振器(SPDR)を使用した。標準的なSPDR設定において、複素誘電率の虚数部と複素誘電率の実数部との比である9.5GHzのタンデルタ材料特性は、SPDR空気空洞に例示的な物品を挿入し、空洞共振中心周波数の変化を測定し、共振周波数帯域幅の変化を測定することで得られた。このSPDR測定技術を用いた最大測定可能9.5GHzタンデルタは、試験したサンプルの厚さ(<0.85mmの空洞幅)について0.12の値であった。調製例1、2、及び3は全て、転写前に、最大測定可能9.5GHzタンデルタ>0.12(検出限界の外側)を有した。転写後、調製例3における転写スタックの最大測定可能9.5GHzタンデルタは、>0.12(検出限界の外側)であった。
調製例1.Agコーティングされた転写スタック
【0091】
この実施例の転写フィルムは、プラズマ前処理ステーションと第1のスパッタリングシステムとの間に配置された第2の蒸発器及び硬化システムを加えて、かつ、米国特許第8658248号(Anderson及びRamos)に記載されている蒸発器を使用して、米国特許出願公開第20100316852号(Condoら)に記載されているコーターと同様のロールツーロール真空コーター上で作製された。コーターを、アルミニウム化された二軸延伸ポリプロピレンフィルム剥離層の不定長ロール(厚さ980マイクロインチ(0.0250mm)、幅14インチ(35.6cm))(Toray Plastics(America)(North Kingstown,RI)からTORAYFAN PMX2の商品名で入手)とねじ留めした。次いで、剥離層を、32fpm(9.8m/分)の一定のライン速度で前進させた。
【0092】
第1のアクリレート層、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(Sartomer USA(Exton,PA)からSARTOMER SR833Sの商品名で入手)を、超音波噴霧及びフラッシュ蒸着によって剥離層に適用して、12.5インチ(31.8cm)のコーティング幅を作製した。蒸発器への液体モノマーの流れは、0.67mL/分であった。窒素ガスの流速は、100毎分標準立方センチメートル(sccm)であり、蒸発器の温度を、500°F(260℃)に設定した。プロセスドラム温度は、14°F(-10℃)であった。その後、このモノマーコーティングを、7.0kV及び10.0mAで動作する電子ビーム硬化銃により直下流で硬化させて、180nm厚のアクリレート層を得た。
【0093】
第1のアクリレート層の上に、銀反射体層を、>99%銀カソード標的の直流(DC)スパッタリングによって堆積させた。システムを、30fpm(毎分9.1メートル)のライン速度で3kWで動作させた。同じパワー及びライン速度でその後に2回堆積させ、銀の90nm層を作製した。
【0094】
銀層の上に、酸化ケイ素アルミニウムの酸化物層を交流(AC)反応スパッタリングによって堆積させた。カソードは、Si(90%)/Al(10%)の標的を有し、Soleras Advanced Coatings US(Biddeford,ME)から入手した。スパッタリング中のカソードに関する電圧を、フィードバック制御ループにより制御し、制御ループは、電圧をモニターし、酸素流を制御した。パワー32kWでシステムを動作させて、銀反射体上に12nm厚の酸化ケイ素アルミニウム層を堆積させた。
調製例2.酸化物/Agコーティングされた転写スタック
【0095】
本調製例の転写フィルムは、銀層及び酸化物層の堆積の順序を逆にしたことを除いて、調製例1と同様に作製した。
調製例3.Al系金属-絶縁体-金属(MIM)転写スタック
【0096】
調製例1の第1の部分に記載の手順に従って、コーティングされた第1のアクリレート層を有する剥離層を調製した。第1のアクリレート層の上に、アルミニウム反射体層を堆積させた。アルゴンガスを採用し、かつ、2kWのパワーで動作する従来のDCスパッタリングプロセスを用いて、Alの厚さ60nmの層を堆積させた。カソードAl標的は、ACI Alloys(San Jose,CA)から入手した。
【0097】
反射性Al層の上に、第2のアクリレート層を適用した。第2のアクリレート層は、SARTOMER SR833S+3% CN 147(Sartomer USA(Exton,PA)から入手)の噴霧及び蒸着によってモノマー溶液から生成した。第2のアクリレート層を、噴霧器への混合物の流速が0.67mL/分、ガス流速が60sccm、蒸発器温度が260℃で適用した。Al層上に凝縮されると、コーティングされたアクリレートは、7kV及び10mAで動作する電子ビームで硬化されて、290nmの厚さの層を提供した。この第2のアクリレート層は、機能性金属-絶縁体-金属(MIM)転写スタックの絶縁層を提供した。
【0098】
第2のアクリレート層の上に、第1の反射層と同様の方法で第2のAl反射層を堆積させた。アルゴンガスを採用し、かつ2kWのパワーで動作する従来のDCスパッタリングプロセスを採用して、Alの厚さ8nmの層を堆積させた。
【0099】
この調製例の促進耐候性試験は、可視の退色を示した。
調製例4.耐候性Al系MIM転写スタック
【0100】
調製例1の第1の部分に記載の手順に従って、コーティングされた第1のアクリレート層を有する剥離層を調製した。第1のアクリレート層の上に、アルミニウム反射体層を堆積させた。アルゴンガスを採用し、かつ、2kWのパワーで動作する従来のDCスパッタリングプロセスを用いて、Alの厚さ60nmの層を堆積させた。カソードAl標的は、ACI Alloys(San Jose,CA)から入手した。
【0101】
反射性Al層の上に、第2のアクリレート層を適用した。第2のアクリレート層は、SARTOMER SR833S+3% CN 147(Sartomer USA(Exton,PA)から入手)の噴霧及び蒸着によってモノマー溶液から生成した。アクリレート層を、噴霧器への混合物の流速が0.67mL/分、ガス流速が60sccm、蒸発器温度が260℃で適用した。Al層上に凝縮されると、コーティングされたアクリレートは、7kV及び10mAで動作する電子ビームで硬化されて、290nmの厚さの層を提供した。この第2のアクリレート層は、機能性金属-絶縁体-金属(MIM)転写スタックの絶縁層を提供した。
【0102】
第2のアクリレート層の上に、第1の無機バリア層を適用した。バリア層の酸化物材料は、40kHzのAC電源を用いるAC反応スパッタ堆積プロセスによって適用された。カソードは、Si(90%)/Al(10%)の回転標的を有し、Soleras Advanced Coatings USから入手した。スパッタリング中のカソードに関する電圧を、フィードバック制御ループにより制御し、制御ループは、電圧をモニターし、酸素流を制御した。パワー16kWでシステムを動作させて、第2のアクリレート層上に12nm厚の酸化ケイ素アルミニウム層を堆積した。
【0103】
第1の無機バリア層の上に、第1の反射層と同様の方法で第2の反射層を堆積させた。アルゴンガスを採用し、かつ、2kWのパワーで動作する従来のDCスパッタリングプロセスを用いて、Alの厚さ8nmの層として第2の反射層を堆積させた。
【0104】
第2の反射層の上に、第1の無機バリア層と同様の方法で第2の無機バリア層を適用した。
【0105】
第3のアクリレート層を、第2の無機バリア層の上に堆積させた。この層は、SARTOMER SR833S+6%Dynasilan 1189(Evonik Industries(Essen,DE)から入手)の噴霧及び蒸着によってモノマー溶液から生成した。噴霧器へのこの混合物の流速は、0.67mL/分であった。ガス流速は60sccmであり、蒸発器の温度は260℃であった。第2の無機バリア層上に凝縮されると、コーティングされたアクリレートは、7kV及び10mAで動作する電子ビームで硬化されて、290nmの厚さの層を提供した。この調製例の促進耐候性試験は、MIM転写スタックに可視の退色を示さなかった。
調製例5.可視反射体NIR透過転写スタック
【0106】
この実施例に記載の転写フィルムは、プラズマ前処理ステーションと第1のスパッタリングシステムとの間に配置された第2の蒸発器及び硬化システムを加えて、かつ、米国特許第8658248号(Anderson及びRamos)に記載されている蒸発器を使用して、米国特許出願公開第20100316852号(Condoら)に記載されているコーターと同様のロールツーロール真空コーター上で作製された。コーターには、厚さ0.178mm、幅14インチ(35.6cm)のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの長さ1000フィートのロールの形の基材(DuPont Teijin Films(Chester,VA)からMELINEXST504の商品名で入手)が装備された。フィルムを、チタンカソードを用いて20Wで動作する窒素プラズマによって、3.0メートル/分のウェブ速度を使用して処理し、フィルムの裏側を0℃に冷却されたコーティングドラムと接触させたまま維持した。
【0107】
プラズマ処理されたPET基材表面に、SiAlの剥離層が前のプラズマ処理工程とインラインで堆積された。Arガスを採用し、かつ、16kWのパワーで動作する従来のACスパッタリングプロセスを使用して、基材上にSiAl合金の厚さ37nmの層を堆積させた。カソードは、Si(90%)/Al(10%)の標的を有し、Soleras Advanced Coatings USから入手した。
【0108】
SiAl剥離層の上に、トリシクロデカンジメタノールジアクリレートの第1のアクリレート層(Sartomer USA(Exton、PA)からSARTOMER SR833Sの商品名で入手)がインラインで堆積された。アクリレート層を超音波噴霧及びフラッシュ蒸着によって適用して、12.5インチ(31.8cm)のコーティング幅を作製した。第1のアクリレート層を、噴霧器への流速が0.4mL/分、ガス流速が60sccm、蒸発器温度が260℃で適用した。SiAl層上に凝縮されると、このモノマーコーティングは、7.0kV及び10.0mAで動作する電子ビーム硬化ガンで直ちに硬化されて、55nmの厚さの層が提供された。
【0109】
第1のアクリレート層の上に、ニオビウム酸化物(NbOx)の第1の無機酸化物層を別個のパスで適用した。2kWのパワーで動作する従来のDCスパッタリングプロセスを用いて、450sccmのアルゴン及び14sccmの酸素ガス流を使用して、1.95fpm(0.59メートル/分)のライン速度で、NbOxの厚さ約66nmの層を基材上に堆積させた。カソードは、亜酸化物NbOxの標的を有し、Soleras Advanced Coatings USから入手した。
【0110】
第1のニオビウム酸化物層の上に、酸化ケイ素アルミニウム(SiAlOx)の第2の無機酸化物層を適用した。カソードは、Si(90%)/Al(10%)の標的を有し、Soleras Advanced Coatings US(Biddeford,ME)から入手した。22kWのパワーでアルゴン及び酸素ガスを用いる従来のACスパッタリングプロセスを使用して、4.71fpm(1.43メートル/分)のライン速度でニオビウム酸化物層上にSiAlOx酸化物の厚さ91nmの層を堆積させた。
【0111】
第2の無機層の上に、NbOxの第3の無機酸化物層を、第1の無機ニオビウム酸化物層と同じ方法(450sccmのアルゴン及び14sccmの酸素ガス流を使用した1.95fpm(0.59メートル/分)のライン速度)で別個のパスで適用して、NbOxの約66nmの厚さの層を堆積させた。
比較例A.転写ベースのエンボス加工されていない物品.
【0112】
PETGフィルムを高温プレート上で100℃に加熱し、調製例1の転写スタックの酸化物表面を高温PETG表面にラミネートした。TORAYFAN PMX2ライナーを破棄し、PETG表面上に空気に面する(第1のアクリレート層外)転写スタックを残した。「微小破砕確認試験験」は、「抗菌性殺菌特性試験」によって試験した物品の表面に微小破砕が存在しないことを確認した。銀含有転写スタック物品の抗菌性能を、試験方法「抗菌性殺菌特性試験」に従って測定した。測定された生細胞数は、1×10cfu/cmであった。
実施例1.転写ベースのマイクロエンボス加工された物品.
【0113】
PETGフィルムを高温プレート上で100℃に加熱し、調製例1の転写スタックの酸化物表面を高温PETG表面にラミネートした。TORAYFAN PMX2剥離ライナーを除去し、PETG表面上に空気に面する(第1のアクリレート層外)転写スタックを残した。第1のアクリル層は、1cmの間隔で銀含有転写スタックに破砕を誘発するために、直線状の鋭利な鋼製かみそり状縁部を用いてマイクロエンボス加工した。「微小破砕確認試験験」は、「抗菌性殺菌特性試験」によって試験した物品の表面に微小破砕が存在することを確認した。マイクロエンボス加工された銀含有転写スタック物品の抗菌性能を、試験方法「抗菌性殺菌特性試験」に従って測定した。測定された生細胞数は、1×101.8cfu/cmであった。
実施例2.転写ベースのマイクロエンボス加工された物品.
【0114】
PETGフィルムを高温プレート上で100℃に加熱し、調製例2の転写スタックの酸化物表面を高温PETG表面にラミネートした。TORAYFAN PMX2剥離ライナーを除去し、PETG表面上に空気に面する(第1のアクリレート層外)転写スタックを残した。第1のアクリル層は、1cmの間隔で銀含有転写スタックに破砕を誘発するために、直線状の鋭利な鋼製かみそり状縁部を用いてマイクロエンボス加工した。「変色試験」をマイクロエンボス加工された銀含有転写スタック物品表面に対して実施し、識別可能な退色は観察されなかった。
比較例B.転写ベースのエンボス加工されていない物品.
【0115】
8518フィルムの接着剤表面を、調製例3の転写スタックの第2の反射層表面にラミネートした。TORAYFAN PMX2剥離ライナーを除去し、8518フィルム表面上に空気に面する(第1のアクリレート層外)転写スタックを残した。次いで、SV480フィルムを、ハンドローラーを用いて空気に面する第1のアクリレート層にラミネートした。「5Gスペクトル透過率測定」は、26dBの透過損失を示した。「微小破砕確認試験」は、試験した表面に微小破砕が存在しないことを確認した。
【0116】
次いで、完全な構造を、手で、機械方向に30%の伸長まで一軸延伸した。延伸により、脆い転写スタック構造が、(ビルトインソフトウェア測定ツールを備えたデジタルKeyence VHX-6000顕微鏡を使用して測定して)500ミクロンのオーダーの寸法の個別のフレークに破断された。これらの大きな個別のフレークは、サンプル表面から10cmの視野距離で周囲光条件下で目視検査することによって識別可能であった。
実施例3.転写ベースのマイクロエンボス加工された物品.
【0117】
8518フィルムの接着剤表面を、調製例3の転写スタックの第2の反射層表面にラミネートした。TORAYFAN PMX2剥離ライナーを除去し、8518フィルム表面上に空気に面する(第1のアクリレート層外)転写スタックを残した。
【0118】
第1のアクリレート層を、スチールローラー付きマイクロエンボスツール1でマイクロエンボス加工し、68ショアAゴムラミネーターによって、90ポンド/線形ニップラミネーション力を用いて表面に裏材を付けた。マイクロエンボス加工ツールフィルムを破棄した。「微小破砕確認試験」は、試験した表面に微小破砕が存在することを確認した。「微小破砕破砕密度試験」は、72個の亀裂/mmを示した。平均クレバスの幅は15ミクロンであった。
【0119】
SV480フィルムを、空気に面する第1のアクリレート層にラミネートした。完全な構造を、手で、機械方向に30%の伸長まで一軸延伸した。延伸により、示された微小破砕から延伸方向に(ビルトインソフトウェア測定ツールを備えたデジタルKeyence VHX-6000顕微鏡を使用して測定して)約200ミクロン未満のフェレット直径を有する個別のフレークへの更なる破砕を開始することにより、脆い転写スタック構造が破断された。これらのより小さな個別のフレークは、サンプル表面から10cmの視野距離で周囲光条件下で目視検査することによって識別可能でなかった。
実施例4.転写ベースのマイクロエンボス加工された物品
【0120】
8518フィルムの接着剤表面を、調製例3の転写スタックの第2の反射層表面にラミネートした。TORAYFAN PMX2剥離ライナーを除去し、8518フィルム表面上に空気に面する(第1のアクリレート層外)転写スタックを残した。
【0121】
第1のアクリレート層を、スチールローラー付きマイクロエンボスツール2でマイクロエンボス加工し、68ショアAゴムラミネーターによって、90ポンド/線形ニップラミネーション力を用いて表面に裏材を付けた。マイクロエンボス加工ツールフィルムを破棄した。「微小破砕確認試験」は、試験した表面に微小破砕が存在することを確認した。
【0122】
SV480フィルムを、空気に面する第1のアクリレート層にラミネートした。完全な構造を、破砕線の方向に沿って、手で、30%の伸張まで一軸延伸した。延伸により、脆い転写スタック構造が、延伸方向に沿ったフェレット直径が(ビルトインソフトウェア測定ツールを備えたデジタルVHX-6000顕微鏡を使用して測定して)500ミクロン程度の寸法の個別のフレークに破断された。これらの大きな個別のフレークは、サンプル表面から10cmの視野距離で周囲光条件下で目視検査することによって識別可能であった。
【0123】
実施例5.転写ベースのマイクロエンボス加工された物品.8518フィルムの接着剤表面を、調製例3の転写スタックの第2の反射層表面にラミネートした。TORAYFAN PMX2剥離ライナーを除去し、8518フィルム表面上に空気に面する(第1のアクリレート層外)転写スタックを残した。
【0124】
第1のアクリレート層を、スチールローラー付きマイクロエンボスツール2でマイクロエンボス加工し、68ショアAゴムラミネーターによって、90ポンド/線形ニップラミネーション力を用いて表面に裏材を付けた。マイクロエンボス加工ツールフィルムを破棄した。「微小破砕確認試験」は、試験した表面に微小破砕が存在することを確認した。
【0125】
SV480フィルムを、空気に面する第1のアクリレート層にラミネートした。完全な構造を、破砕線に垂直に、手で、30%の伸張まで一軸延伸した。延伸により、脆い転写スタック構造が、(ビルトインソフトウェア測定ツールを備えたデジタルKeyence VHX-6000顕微鏡を使用して測定して)延伸方向に沿ったフェレット直径が200ミクロンのオーダーの寸法の個別のフレークに破断された。これらのより小さい横方向の個別のフレークは、サンプル表面から10cmの視野距離で周囲光条件下で目視検査することによって識別可能でなかった。
実施例6.転写ベースのマイクロエンボス加工された物品.
【0126】
8518フィルムの接着剤表面を、調製例3の転写スタックの第2の反射層表面にラミネートした。TORAYFAN PMX2剥離ライナーを除去し、8518フィルム表面上に空気に面する(第1のアクリレート層外)転写スタックを残した。9.5GHzスプリットポスト誘電体共振器のタンデルタ測定値は、検出限界(>0.12)の範囲外であると判断された。
【0127】
第1のアクリレート層を、スチールローラー付きマイクロエンボスツール3でマイクロエンボス加工し、68ショアAゴムラミネーターによって、90ポンド/線形ニップラミネーション力を用いて表面に裏材を付けた。マイクロエンボス加工ツールフィルムを破棄した。「微小破砕確認試験」は、試験した表面に微小破砕が存在することを確認した。
【0128】
9.5GHzスプリットポスト誘電体共振器のタンデルタ測定値は、0.115であると判断された。次いで、SV480フィルムを、空気に面する第1のアクリレート層にラミネートした。「5Gスペクトル透過率測定」は、9dBの透過損失を示した。
【0129】
次いで、完全な構造を、手で、30%の伸長まで延伸した。延伸により、脆い転写スタック構造が、(ビルトインソフトウェア測定ツールを備えたデジタルKeyence VHX-6000顕微鏡を使用して測定して)延伸方向に沿ったフェレット直径が200ミクロンのオーダーの寸法の個別のフレークに破断された。これらのより小さな個別のフレークは、サンプル表面から10cmの視野距離で周囲光条件下で目視検査することによって識別可能でなかった。キューブコーナーの交互配向の0.9cm幅のレーンは可視であり、サンプル表面から10cmの視野距離における周囲光条件下での目視検査によって識別可能であった。各0.9cmのレーン領域は、45度の入射角で周囲光条件下で見ると、視覚的に識別可能な表面散乱誘導輝度を有した。
実施例7.転写ベースのマイクロエンボス加工された物品.
【0130】
8518フィルムの接着剤表面を、調製例3の転写スタックの第2の反射層表面にラミネートした。TORAYFAN PMX2剥離ライナーを除去し、8518フィルム表面上に空気に面する(第1のアクリレート層外)転写スタックを残した。
【0131】
第1のアクリレート層を、スチールローラー付きマイクロエンボスツール3でマイクロエンボス加工し、68ショアAゴムラミネーターによって、90ポンド/線形ニップラミネーション力を用いて表面に裏材を付けた。マイクロエンボス加工ツールフィルムを破棄した。「微小破砕確認試験」は、試験した表面に微小破砕が存在することを確認した。「促進耐候性」試験は、表面が灰色に変わったため、薄い第2の反射性Al層が酸化したことを示す可視の退色を示した。
実施例8.転写ベースのマイクロエンボス加工された物品.
【0132】
8518フィルムの接着剤表面を、調製例4の転写スタックの第3のアクリレート層表面にラミネートした。TORAYFAN PMX2剥離ライナーを除去し、8518フィルム表面上に空気に面する(第1のアクリレート層外)転写スタックを残した。
【0133】
第1のアクリレート層を、スチールローラー付きマイクロエンボスツール3でマイクロエンボス加工し、68ショアAゴムラミネーターによって、90ポンド/線形ニップラミネーション力を用いて表面に裏材を付けた。マイクロエンボス加工ツールフィルムを破棄した。「微小破砕確認試験」は、試験した表面に微小破砕が存在することを確認した。「促進耐候性」試験は、表面が目に見えて着色されたままであるため、薄い第2の反射性Al層に酸化が皆無に等しいことを示す可視の退色が皆無に等しいことを示した。
実施例9.転写ベースのマイクロエンボス加工された物品.
【0134】
第1のライナーをOCAから除去し、接着剤表面を透明な2インチ×3インチ(5.08cm×7.62cm)のホウケイ酸ガラススライドにラミネートした。第2のライナーをOCAから除去し、OCAの接着剤表面を調製例5の転写スタックの第3の無機層表面にラミネートした。SiAlコーティングされたPET基材を破棄し、OCA表面上に空気に面する(第1のアクリレート層外)転写スタックを残した。
【0135】
第1のアクリレート層を、スチールローラー付きマイクロエンボスツール3でマイクロエンボス加工し、68ショアAゴムラミネーターによって、90ポンド/線形ニップラミネーション力を用いて表面に裏材を付けた。マイクロエンボス加工ツールフィルムを破棄した。「微小破砕確認試験」は、試験した表面に微小破砕が存在することを確認した。
【0136】
9.5GHzスプリットポスト誘電体共振器のタンデルタ測定値は、0.018であると判断された。
【0137】
「NIR/可視散乱比試験」は、測定セットアップをホウケイ酸ガラススライドに向けることによって完了した。測定値を表2に示す。
【表2】
実施例10.転写ベースのマイクロエンボス加工された物品.
【0138】
第1のライナーを第1のOCAから除去し、接着剤表面を透明な2インチ×3インチ(5.08cm×7.62cm)のホウケイ酸ガラススライドにラミネートした。第2のライナーをOCAから除去し、OCAフィルムの接着剤表面を調製例5の転写スタックの第3の無機層表面にラミネートした。SiAlコーティングされたPET基材を破棄し、OCA表面上に空気に面する(第1のアクリレート層外)転写スタックを残した。
【0139】
第1のアクリレート層を、スチールローラー付きマイクロエンボスツール3でマイクロエンボス加工し、68ショアAゴムラミネーターによって、90ポンド/線形ニップラミネーション力を用いて表面に裏材を付けた。マイクロエンボス加工ツールフィルムを破棄した。「微小破砕確認試験」は、試験した表面に微小破砕が存在することを確認した。
【0140】
第1のライナーを第2のOCAから除去し、第2のOCAの接着剤表面をマイクロエンボス加工されたた第1のアクリレート表面にラミネートした。第2のライナーを第2のOCAから除去し、OCAの接着剤表面を透明な2インチ×3インチ(5.08cm×7.62cm)のホウケイ酸ガラススライドにラミネートした。
【0141】
「NIR/可視散乱比試験」は、第1のガラススライドに向かって測定することによって完了した。表3に示される測定値。
【表3】
実施例11.転写ベースのマイクロエンボス加工された物品.
【0142】
8518フィルムの接着剤表面を、調製例3の転写スタックの第2の反射層表面にラミネートした。TORAYFAN PMX2剥離ライナーを除去し、8518フィルム表面上に空気に面する(第1のアクリレート層外)転写スタックを残した。
【0143】
第1のアクリレート層を、スチールローラー付きマイクロエンボスツール4でマイクロエンボス加工し、68ショアAゴムラミネーターによって、90ポンド/線形ニップラミネーション力を用いて表面に裏材を付けた。マイクロエンボス加工ツールフィルムを破棄した。「微小破砕確認試験」は、試験した表面に微小破砕が存在することを確認した。「微小破砕破砕密度試験」は、123個の亀裂/mmを示した。
【0144】
次いで、SV480フィルムを、空気に面する第1のアクリレート層にラミネートした。完全な構造を、手で、機械方向に30%の伸長まで一軸延伸した。延伸により、示された微小破砕から六角形パターン内の延伸方向に(ビルトインソフトウェア測定ツールを備えたデジタルKeyence VHX-6000顕微鏡を使用して測定して)約200ミクロン未満のフェレット直径を有する個別のフレークへの更なる破砕を開始することにより、脆い転写スタック構造が破断された。マイクロエンボスツール4の六角形の外側では、フェレット直径は、延伸方向において200ミクロン超であった。これらの個別のフレークは、サンプル表面から10cmの視野距離で周囲光条件下で目視検査することによって識別可能でなかった。
実施例12.マイクロエンボス加工された転写ベースの物品.
【0145】
調製例1の酸化物表面を、1インチ当たり1000ポンドの2つの鋼ローラーの間で3フィート/分でマイクロエンボスツール3の微細構造体表面にラミネートした。マイクロエンボス加工ツールフィルムを破棄した。8518フィルムの接着剤表面をマイクロエンボス加工された酸化物表面にラミネートした。TORAYFAN PMX2剥離ライナーを除去し、8518フィルム表面上に空気に面する(第1のアクリレート層外)転写スタックを残した。「微小破砕確認試験」は、試験した表面に微小破砕が存在することを確認した。完全な構造を、手で、機械方向に30%の伸長まで一軸延伸した。延伸により、示された微小破砕から延伸方向に(ビルトインソフトウェア測定ツールを備えたデジタルKeyence VHX-6000顕微鏡を使用して測定して)約200ミクロン未満のフェレット直径を有する個別のフレークへの更なる破砕を開始することにより、脆い転写スタック構造が破断された。
実施例13
【0146】
本実施例は、以下の層状構造体を含む転写物品スタックの構築方法を記載する:金属基材上[180nmアクリレート/90nm銀/12nm酸化物](アルミナ化二軸延伸ポリプロピレンフィルム、商品名TorayFAN PMX2でToray Plastics(America),Inc.(North Kingstown,RI)から市販されている)。
【0147】
転写可能な薄膜は、米国特許第8,658,248号(Andersonら)及び同第7,018,713号(Padiyathら)に記載されているコーターと同様の真空コーター上で製造された。このコーターを、厚さ980マイクロインチ(0.0250mm)、幅14インチ(35.6cm)のTorayFAN PMX2の不定長ロールの形態の基材とねじ留めした。次いで、この基材を、32fpm(9.8m/分)の一定のライン速度で前進させた。
【0148】
Sartomer USA(Exton,PA)からの商品名SARTOMER SR833Sであるトリシクロデカンジメタノールジアクリレートに基づくアクリレート液を、超音波噴霧及びフラッシュ蒸着により適用して、幅12.5インチ(31.8cm)のコーティングを製造することによって、基材上に第1の有機層を形成した。その後、このモノマーコーティングを、7.0kV及び10.0mAで動作する電子ビーム硬化銃により直下流で硬化させた。蒸発器への液体モノマーの流れは、0.67mL/分であり、窒素ガスの流速は、100sccmであり、蒸発器の温度を、500°F(260℃)に設定した。プロセスドラム温度は、14°F(-10℃)であった。
【0149】
この第1の有機層の上に、銀反射体層を、>99%銀カソード標的のDCスパッタリングによって堆積させた。システムを、30fpm(毎分9.1メートル)のライン速度で3kWで動作させた。同じパワー及びライン速度でその後に2回堆積させ、銀の90nm層を作製した。
【0150】
この銀層の上に、酸化ケイ素アルミニウムの酸化物層をAC反応スパッタリングによって堆積させた。カソードは、Soleras Advanced Coatings US(Biddeford,(ME))から得られるSi(90%)/Al(10%)の標的を有した。スパッタリング中のカソードに関する電圧を、フィードバック制御ループにより制御し、制御ループは、電圧が高いままであり、標的の電圧をクラッシュさせないように、電圧をモニターし、酸素流を制御した。パワー16kWでシステムを動作させて、銀反射体上に12nm厚の酸化ケイ素アルミニウム層を堆積させた。
【0151】
TorayFAN PMX2フィルムのアルミニウム表面及び第1の有機層は、7.2g/インチ(0.283g/mm)の180剥離力で分離して、転写物品を形成した。
【0152】
転写物品を接着剤層に適用し、3M(St.Paul,MN)から入手可能なTRIZACT Foam PPSツールを使用してエンボス加工した。図8に示すように、透過モード下で顕微鏡下で見たとき、金属層は遮光され、クレバスにより、光を逃げ、色が白色に見えることが可能になる。
実施例14
【0153】
8518フィルムの接着剤表面を、調製例3の転写スタックの第2の反射層表面にラミネートした。TORAYFAN PMX2剥離ライナーを除去し、8518フィルム表面上に空気に面する(第1のアクリレート層外)転写スタックを残した。
【0154】
次に露出した第1のアクリレート層にSV480をラミネートすることにより、構造14-1を調製した。
【0155】
構造14-1は、複合曲率を有する車両外面に適用され、大きな亀裂は、引っ掻きとして出現した。
【0156】
SV480フィルムのラミネーション前に、実施例13のマイクロエンボスツール5を用いて関心領域の上に第1のアクリレート層をマイクロエンボス加工したことを除いて、構造14-1の全ての層を含む構造14-2を調製した。
【0157】
構造14-2を、複合曲率を有する車両外面に適用し、結果を図9に示す。図9では、左側領域はマイクロエンボス加工されており、マイクロエンボス加工されていない右側領域と等しい量で延伸されている。前述したように、マイクロエンボス加工が存在しない場合、大きな亀裂は、同じ量の歪みで視覚的に明らかである。マイクロエンボス加工は、薄い無機層を有する機能層を含有する物品の外観を改善することができる。
実施例15
【0158】
実施例13に記載した技術を使用して、転写物品を調製し、以下の層状構造を提供した:[180nmアクリレート/60nmAg/12nmSiAlOx]。
【0159】
以下の層を含む構造15-1を調製した:[180nmアクリレート/60nmAg/12nmSiAlOx/PETG]。構造15-1を調製するために、Pacurの0.75mm厚のPETGを225°F(107℃)まで加熱し、銀含有機能層スタックを、ベースアクリレートを外向きに向けて表面に転写した。
【0160】
S.mutans ATCC25175微生物学的試験を実施した後、構造15-1は、<0.5LogCFU/cmの細菌減少を示した。
【0161】
実施例13のマイクロエンボスツール5を使用してマイクロエンボス加工された機能層を備える構造15-1を含む構造15-2を調製した。S.mutans ATCC25175微生物学的試験を実施した後、構造15-2は、>3LogCFU/cmの細菌減少を示した。いかなる理論にも束縛されるものではないが、現在利用可能な証拠は、Alフレークの露出した縁部が、細菌を致死量のAlに曝露して、機能層に細菌殺傷特性を付与することができることを示した。
【0162】
銀フレークを含む光学活性表面が変色するのを防ぐためにAg層の下に酸化物層が含まれていたことを除いて、構造15-2の全ての層を含む構造15-3を調製した。構造15-3のサンプルを、6.25gのケチャップ、6.25gのマスタード、及び87.5gの水を含む溶液に、1分間、5分間、10分間、及び60分間曝露して、変色を評価したが、構造15-3の他のサンプルは、曝露していないままであった。曝露したサンプルと曝露していないサンプルとの間には、実質的に銀の変色が観察されない場合があり、これは、アクリレート/酸化物層が、早期変色から銀層を保護したことを示した。
実施例16
【0163】
実施例13に記載した技術を使用して、転写物品を調製し、以下の層状構造を提供した:[290nmアクリレート/60nmAg/290nmアクリレート/8nmSiAlOx/8nmGe/12nmSiAlOx/290nmアクリレート]。
【0164】
3Mから商品名CONTROLTACで入手可能な黒色接着剤の層に層状構造を適用した構造16-1を調製した。
【0165】
スプリットポスト誘電体共振器(SPDR)は、連結によって識別されるWebサイトで入手可能なIPC標準TM-650 2.5.5.13(https://www.ipc.org/4.0_Knowledge/4.1_Standards/test/2-5-5-13.pdf)に記載されているように、単一の周波数ポイントで誘電体の複素誘電率を測定するための正確な手法を提供する。9.5GHzの周波数は、将来5Gの移動通信展開が計画される、>5GHzレジームの位置に起因する、好都合な測定周波数である。
【0166】
SPDRでは、複素誘電率と実数誘電率との比、すなわち、誘電体に蓄えられたエネルギーの量で除した電磁エネルギー損失の量に比例する、tanδは、その誘電特性について測定されたときに、完全な物品(C1+C2+C3+C4)について決定することができる。非導電性材料の場合、電気誘電率tanδは、SPDR空洞へのサンプルの挿入により、空洞共振中心周波数の測定された変化及び共振周波数帯域幅の測定された変化から正確に計算される。高導電性金属フィルムに起因して、十分に導電性の金属フィルムがSPDR空洞に挿入された後に、空洞共振が完全に抑制され、消失する。
【0167】
エンボス加工されていない機能層のSPDR測定値は、金属フィルムの高い導電性に起因して、損失が大きすぎた。結果として、転写されたフルフィルム金属機能層は、>10dBの信号透過損失が懸念され得る電子デバイスエンクロージャに好適ではない場合がある。
【0168】
組み立てる前に、転写スタックを接着剤層に適用し、CONTROLTAC接着剤層に付着する前に、実施例13のマイクロエンボスツール5を使用してマイクロエンボス加工したことを除いて、構造16-1の全ての層を含む構造16-2を調製した。
【0169】
SPDR測定は、構成16-2についてtanδ=0.067、実数誘電率=14.29、複素誘電率=0.955を示し、これは、マイクロエンボス加工が金属フィルムを埋め込み導電フレークに変換して、9.5GHzで、測定可能なSPDR特性を有する人工誘電体を作製したことを示した。構造16-2の画像及びその対応するSPDR測定値を図11に示す。
【0170】
以下の層を含む、構造16-3を調製した:[300nmアクリレート/12nmSiAlOx/8nmGe/450nmアクリレート/12nmAl/12nmSiAlOx/黒色CONTROLTAC接着剤]。構造16-3を、図12に示される角錐形構造体を有する3M TRIZACT ST7199研磨材のツールでマクロエンボス加工した。
【0171】
9.5GHzのSPDR測定は、構造16-3がマクロエンボス加工後の損失が大きすぎたことを示し、これは、その中の金属フィルムが、9.5GHzでの人工誘電体形成を誘導するために十分に破砕されなかったことを示した。金属薄膜をフレークに変換して人工誘電体を形成するためには、十分な高解像度のマイクロエンボス加工が必要である。
【0172】
転写スタックを接着剤層に適用し、CONTROLTAC接着剤層に付着する前に、実施例13のマイクロエンボスツール5を使用してマイクロエンボス加工したことを除いて、構造体4-3の全ての層を含む構造16-4を調製した。次いで、構造16-4を、図12に示される角錐形構造体を有する3M TRIZACT ST7199でマクロエンボス加工した。得られた構造を図13に示す。
【0173】
これらの結果は、エンボス加工を複数の工程で実行し、重ね合わせることができることを示し、これは、関連する5Gの透過性能及び所望の審美的特性を有するマイクロエンボス加工された転写物品を提供することができる。
【0174】
転写スタックを接着剤層に適用し、オフセットしたキューブコーナーの幅約1cmのレーンを有するキューブコーナージオメトリが含まれる、3Mから入手可能なHIPプリズムダイヤモンドグレードのシートを使用して、転写スタックをマイクロエンボス加工したことを除いて、構造16-3の全ての層を含む構造16-5を調製した。得られた構造を図14に示し、これは、0.115のtanδ、34.48のε’、及び3.971のε’’を有する。いかなる理論にも束縛されるものではないが、現在利用可能な証拠は、巨視的には、微小破砕金属層のフレークは、別様にマイクロエンボス加工する散乱光の間に平面外に移動することを示し、興味深い視覚効果を生み出す。
実施例17
【0175】
実施例13に記載した技術を使用して、転写物品を調製し、次の層状構造を提供した:[180nmアクリレート/60nmAl/290nmアクリレート/9nmAl]。実施例13のマイクロエンボスツール5を使用して、転写物品をマイクロエンボス加工した。
【0176】
以下の層を含む、構造17-1を調製した:[0.75mmPETG/8146光学的に透明な接着剤/180nmアクリレート/60nmAl/290nmアクリレート/9nmAl/ブラックビニルCONTROLTAC接着剤]。
【0177】
Accuform熱成形を使用して厚いPETGを225°F(107℃)で加熱し、金属形状に500psiの背圧で5秒間成形して、曲線上の成形を試験した。図16に示すように、下部領域はマイクロエンボス加工されておらず、上部領域はマイクロエンボス加工されており、マイクロエンボス加工は、目に見える亀裂の形成を防ぐのに役立ち得る。
【0178】
以下の層を含む構造17-2を調製した:[55nmアクリレート/59nmNbOx/90.5nmSiAlOx/59nmNbOx]。実施例13のマイクロエンボスツール5を使用して、物品をマイクロエンボス加工した。
【0179】
高屈折率の酸化物(NbOx、550nmでのn約2.3)及び低屈折率のアクリレート又は酸化物を有する構造17-2などの構造は、可視光で反射性になり、近赤外線(NIR)で部分的に透過性になるように調整できる(例えば、これらのNIR波長ウィンドウで動作するカメラセンサ及び光源があるため、対象の波長は850nm、940nmである)。
【0180】
構造17-2は、可視/NIR散乱性能について光学的に試験され、NIRで動作する下にあるカメラセンサ及び光源を(人間の観察者から)効果的に隠すことがわかり、また、NIRセンサ/検出器の非表示/カモフラージュに役立つ適切な前方散乱係数を有した。
実施形態
実施形態A.転写物品であって、
第1のアクリレート層であって、第1のアクリレート層が、2~50グラム/インチの剥離値で金属層又はドープされた半導体層を含む剥離層から剥離可能である、第1のアクリレート層と、
第1のアクリレート層を覆う機能層であって、機能層は、その間に亀裂が散在する複数のツールマークを含む少なくとも1つの微小破砕無機層を含み、微小破砕無機層が約3ナノメートル~約200ナノメートルの厚さであり、転写物品が3マイクロメートル未満の厚さを有する、機能層と、
を含む、転写物品。
実施形態B.微小破砕無機層が、1mm当たり約0.3~約10000個の亀裂を含む、実施形態Aに記載の転写物品。
実施形態C.微小破砕無機層が、1mm当たり約0.3~約2000個のツールマークを含む、実施形態A又はBに記載の転写物品。
実施形態D.複数の亀裂が、微小破砕無機層の第1の主面から、微小破砕無機層の第2の第2の主面まで延びる、実施形態A~Cのいずれか1つに記載の転写物品。
実施形態E.微小破砕無機層内のツールマークが、刻印マーク、縞マーク、切断マーク、及びこれらの組み合わせから選択される、実施形態A~Dのいずれか1つに記載の転写物品。
実施形態F.微小破砕無機層が、約500ミクロン未満の平均間隔を有する刻印マークのアレイを含む、実施形態Eに記載の転写物品。
実施形態G.アレイ内の刻印マークが、約150ミクロン未満の平均間隔を有する、実施形態Eに記載の転写物品。
実施形態H.刻印マークが、約1ミクロン~約10ミクロンの深さを有する、実施形態Gに記載の転写物品。
実施形態I.刻印マークが、半球状、角錐形、又はこれらの組み合わせから選択される断面形状を有する、実施形態Eに記載の転写物品。
実施形態J.刻印マークが、その内部に亀裂を含む、実施形態E~Iのいずれか1つに記載の転写物品。
実施形態K.亀裂が、刻印マークから発出する、実施形態E~Jのいずれか1つに記載の転写物品。
実施形態L.ツールマークが、約15mm未満の平均間隔を有する細長い直線状の縞マークを含む、実施形態E~Kのいずれか1つに記載の転写物品。
実施形態M.微小破砕無機層が、亀裂によって分離されたツールマークの不規則なアレイを含む、実施形態A~Lのいずれか1つに記載の転写物品。
実施形態N.微小破砕無機層が、亀裂によって分離されたツールマークの規則的なアレイを含む、実施形態A~Mのいずれか1つに記載の転写物品。
実施形態O.第1のアクリレート層が、剥離層から2~30g/インチの剥離値で剥離可能である、実施形態A~Nのいずれか1つに記載の転写物品。
実施形態P.第1のアクリレート層が、剥離層から2~15g/インチの剥離値で剥離可能である、実施形態A~Oのいずれか1つに記載の転写物品。
実施形態Q.機能層を覆う低弾性率層を更に含み、低弾性率層は、約50MPa~約1000MPaの弾性率を有する、実施形態A~Pのいずれか1つに記載の転写物品。
実施形態R.低弾性率層が接着剤層である、実施形態Qに記載の転写物品。
実施形態S.接着剤層がアクリル接着剤を含む、実施形態Rに記載の転写物品。
実施形態T.接着剤層が感圧接着剤を含む、実施形態R~Sのいずれか1つに記載の転写物品。
実施形態U.接着剤層が感圧接着剤を含む、実施形態R~Sのいずれか1つに記載の転写物品。
実施形態V.機能層の厚さが、1μm未満である、実施形態A~Uのいずれか1つに記載の転写物品。
実施形態W.機能層の厚さが、0.5μm未満である、実施形態A~Vのいずれか1つに記載の転写物品。
実施形態X.機能層が、絶縁層によって分離された複数の無機層を含み、複数の金属層及び金属酸化物層のうちの少なくとも1つの無機層が、微小破砕層である、実施形態A~Wのいずれか1つに記載の転写物品。
実施形態Y.複数の無機層中の無機層が、実質的に同じ厚さを有し、複数の無機層中の各無機層が、約5nm~約100nmの厚さを有する、実施形態Xに記載の転写物品。
実施形態Z.機能層が、
第1の無機層と、
第2の無機層と、
第1のアクリレート層と同じであっても異なっていてもよく、第1の無機層と第2の無機層との間にある第2のアクリレート層であって、第1の無機層及び第2の無機層のうちの少なくとも1つは、微小破砕層である、第2のアクリレート層と、
を含む、実施形態A~Yのいずれか1つに記載の転写物品。
実施形態AA.第1の無機層が第1のアクリレート層を覆い、かつ第2の無機層の厚さよりも大きい厚さを有し、第1の無機層及び第2の無機層のそれぞれが、100ナノメートル未満の厚さを有する、実施形態Zに記載の転写物品。
実施形態BB.機能層を覆う接着剤層を更に含む、実施形態Z~AAのいずれか1つに記載の転写物品。
実施形態CC.接着剤層が感圧接着剤を含む、実施形態BBに記載の転写物品。
実施形態DD.接着剤がアクリル接着剤である、実施形態BBに記載の転写物品。
実施形態EE.微小破砕無機層が、その上に重ね合わされたマクロパターンを更に含み、パターンが、約750ミクロン未満の周期を有するツールマークを含む、実施形態A~DDのいずれか1つに記載の転写物品。
実施形態FF.ツールマークが、刻印マークの規則的なアレイを含む、実施形態EEに記載の転写物品。
実施形態GG.刻印マークが、約500ミクロン未満の平均間隔を有する、実施形態FFに記載の転写物品。
実施形態HH.微小破砕無機層が、元素金属、2種以上の金属の混合物、金属間化合物又は合金、半金属又はメタロイド、金属酸化物、金属及び混合金属酸化物、金属及び混合金属フッ化物、金属及び混合金属窒化物、金属及び混合金属炭化物、金属及び混合金属炭窒化物、金属及び混合金属酸窒化物、金属及び混合金属ホウ化物、金属及び混合金属オキシホウ化物、金属及び混合金属ケイ化物、ダイヤモンド様炭素、ダイヤモンド様ガラス、グラフェン、並びにこれらの組み合わせから選択される、実施形態A~GGのいずれか1つに記載の転写物品。
実施形態II.微小破砕無機層が、Ag、Al、Ge、Au、Si、Ni、Cr、Co、Fe、並びにこれらの混合物及び合金から選択される金属である、実施形態HHに記載の転写物品。
実施形態JJ.機能層が対象の表面に隣接する状態で、実施形態A~IIのいずれか1つに記載の転写物品を対象の表面に適用することを含む方法。
実施形態KK.物品であって、
第1のアクリレート層と、
第1のアクリレート層を覆う機能層であって、機能層は、その間に亀裂が散在する複数のツールマークを含む少なくとも1つの微小破砕無機層を含み、微小破砕無機層が約5nm~約100nmの厚さである、機能層と、
機能層上の低弾性率層であって、低弾性率層が、約0.1MPa~約100MPaの弾性率を有する少なくとも1つの層を含む、低弾性率層と、を含む、物品。
実施形態LL.微小破砕無機層が、1mm当たり約0.3~約10000個の亀裂を含む、実施形態KKに記載の転写物品。
実施形態MM.微小破砕無機層が、1mm当たり約0.3~約2000個のツールマークを含む、実施形態KK又はLLに記載の転写物品。
実施形態NN.複数の亀裂が、微小破砕無機層の第1の主面から微小破砕無機層の第2の第2の主面まで延びる、実施形態KK~MMのいずれか1つに記載の物品。
実施形態OO.微小破砕無機層内のツールマークが、刻印マーク、縞マーク、切断マーク、及びこれらの組み合わせから選択される、実施形態KK~NNのいずれか1つに記載の物品。
実施形態PP.微小破砕無機層が、約500ミクロン未満の平均間隔を有する刻印マークのアレイを含む、実施形態OOに記載の物品。
実施形態QQ.アレイ内の刻印マークが、約150ミクロン未満の平均間隔を有する、実施形態OOに記載の物品。
実施形態RR.刻印マークが、約1ミクロン~約10ミクロンの深さを有する、実施形態OOに記載の物品。
実施形態SS.刻印マークが、半球状、角錐形、又はこれらの組み合わせから選択される断面形状を有する、実施形態OO~RRのいずれか1つに記載の物品。
実施形態TT.刻印マークが、その内部に亀裂を含む、実施形態OO~SSのいずれか1つに記載の物品。
実施形態UU.亀裂が、刻印マークから発出する、実施形態OO~TTのいずれか1つに記載の物品。
実施形態VV.ツールマークが、約15mm未満の平均間隔を有する細長い直線状の縞マークを含む、実施形態OO~UUのいずれか1つに記載の物品。
実施形態WW.微小破砕無機層が、亀裂によって分離されたツールマークの不規則なアレイを含む、実施形態KK~VVのいずれか1つに記載の物品。
実施形態XX.微小破砕無機層が、亀裂によって分離されたツールマークの規則的なアレイを含む、実施形態KK~WWのいずれか1つに記載の物品。
実施形態YY.第1のアクリレート層が、金属及び半導体酸化物から選択される剥離層から2~30g/インチの剥離値で剥離可能である、実施形態KK~XXのいずれか1つに記載の物品。
実施形態ZZ.第1のアクリレート層が、金属及び半導体酸化物から選択される剥離層から2~30g/インチの剥離値で剥離可能である、実施形態KK~YYのいずれか1つに記載の物品。
実施形態AAA.機能層に覆う接着剤層を更に含む、実施形態KK~ZZのいずれか1つに記載の物品。
実施形態BBB.機能層の厚さが、1μm未満である、実施形態KK~AAAのいずれか1つに記載の物品。
実施形態CCC.機能層の厚さが、0.5μm未満である、実施形態KK~AAAのいずれか1つに記載の物品。
実施形態DDD.微小破砕無機層が、亀裂によって分離されたツールマークの不規則なアレイを含む、実施形態KK~CCCのいずれか1つに記載の物品。
実施形態EEE.微小破砕無機層が、亀裂によって分離されたツールマークの規則的なアレイを含む、実施形態KK~DDDのいずれか1つに記載の物品。
実施形態FFF.ツールマークが、その内部に亀裂を含む、実施形態KK~EEEのいずれか1つに記載の物品。
実施形態GGG.機能層が、絶縁層によって分離された複数の無機層を含み、複数の金属層のうちの少なくとも1つの無機層が、微小破砕無機層である、実施形態KK~FFFのいずれか1つに記載の物品。
実施形態HHH.複数の無機層中の無機層が、実質的に同じ厚さを有し、複数の無機層中の各無機層が、約5nm~約100nmの厚さを有する、実施形態GGGに記載の物品。
実施形態III.機能層が、第1の金属層と、第2の金属層と、第1のアクリレート層と同じであっても異なっていてもよく、第1の金属層と第2の金属層との間にある第2のアクリレート層であって、第1の金属層及び第2の金属層のうちの少なくとも1つが微小破砕層である、第2のアクリレート層と、を含む、実施形態KK~HHHのいずれか1つに記載の物品。
実施形態JJJ.第1の金属層が第1のアクリレート層を覆い、かつ第2の金属層の厚さよりも大きい厚さを有し、第1の金属層及び第2の金属層のそれぞれが、100ナノメートル未満の厚さを有する、実施形態IIIに記載の物品。
実施形態KKK.微小破砕無機層が、その上に重ね合わされたパターンを更に含み、パターンが、約750ミクロン未満の周期を有するツールマークを含む、実施形態KK~JJJのいずれか1つに記載の物品。
実施形態LLL.微小破砕無機層が、元素金属、2種以上の金属の混合物、金属間化合物又は合金、半金属又はメタロイド、金属酸化物、金属及び混合金属酸化物、金属及び混合金属フッ化物、金属及び混合金属窒化物、金属及び混合金属炭化物、金属及び混合金属炭窒化物、金属及び混合金属酸窒化物、金属及び混合金属ホウ化物、金属及び混合金属オキシホウ化物、金属及び混合金属ケイ化物、ダイヤモンド様炭素、ダイヤモンド様ガラス、グラフェン、並びにこれらの組み合わせから選択される、実施形態KK~KKKのいずれか1つに記載の物品。
実施形態MMM.微小破砕無機層が、Ag、Al、Ge、Au、並びにこれらの混合物及び合金から選択される金属である、実施形態LLLに記載の転写物品。
実施形態NNN.機能層が、剥離層と対象の表面との間にある状態で、実施形態KK~MMMのいずれか一項に記載の転写物品を対象の表面に適用することを含む方法。
実施形態OOO.パターン化された物品の製造方法であって、
金属層又はドープされた半導体層から選択された剥離層から、転写物品を除去することであって、転写物品が、
剥離層を覆う第1のアクリレート層であって、剥離層と第1のアクリレート層との間の剥離値が、2~50グラム/インチである、第1のアクリレート層と、
第1のアクリレート層を覆う機能層であって、機能層が、少なくとも1つの無機層を含む、機能層と、を含む、除去することと、
第1のアクリレート層を、約200ミクロン未満の周期を有する構造体を含むツールと接触させて、機能層の少なくとも1つの無機層に、その間に亀裂が散在するように複数のツールマークを形成して、パターン化された物品に微小破砕無機層を提供することと、
を含む、方法。
実施形態PPP.転写物品の機能層を、約1000MPa未満の弾性率を有する低弾性率材料の層にラミネートして、パターン化可能な構造を形成することを更に含む、実施形態OOOに記載の方法。
実施形態QQQ.低弾性率材料の層が、接着剤を含む、実施形態PPPに記載の方法。
実施形態RRR.パターン化工程の後に、パターン化された物品の接着剤層を対象の基材に適用する工程を更に含む、実施形態QQQに記載の方法。
実施形態SSS.剥離層がポリマー基材を覆う、実施形態OOO~RRRのいずれか1つに記載の方法。
実施形態TTT.機能層の厚さが、5μm未満である、実施形態OOO~SSSのいずれか1つに記載の方法。
実施形態UUU.機能層の厚さが、1μm未満である、実施形態OOO~SSSのいずれか1つに記載の方法。
実施形態VVV.機能層の厚さが、0.5μm未満である、実施形態OOO~SSSのいずれか1つに記載の方法。
実施形態WWW.微小破砕無機層が、1mm当たり約0.3~約10000個の亀裂を含む、実施形態OOO~VVVのいずれか1つに記載の方法。
実施形態XXX.微小破砕無機層が、1mm当たり約0.3~約2000個のツールマークを含む、実施形態OOO~VVVのいずれか1つに記載の方法。
実施形態YYY.複数の亀裂が、微小破砕無機層の第1の主面から微小破砕無機層の第2の第2の主面まで延びる、実施形態OOO~XXXのいずれか1つに記載の方法。
実施形態ZZZ.微小破砕無機層内のツールマークが、刻印マーク、縞マーク、切断マーク、及びこれらの組み合わせから選択される、実施形態OOO~YYYのいずれか1つに記載の方法。
実施形態AAAA.微小破砕無機層が、約500ミクロン未満の平均間隔を有する刻印マークのアレイを含む、実施形態ZZZに記載の方法。
実施形態BBBB.アレイ内の刻印マークが、約150ミクロン未満の平均間隔を有する、実施形態AAAAに記載の方法。
実施形態CCCC.刻印マークが、約1ミクロン~約10ミクロンの深さを有する、実施形態ZZZ~BBBBのいずれか1つに記載の方法。
実施形態DDDD.刻印マークが、半球状、角錐形、又はこれらの組み合わせから選択される断面形状を有する、実施形態ZZZ~CCCCのいずれか1つに記載の方法。
実施形態EEEE.刻印マークが、その内部に亀裂を含む、実施形態ZZZ~DDDDのいずれか1つに記載の方法。
実施形態FFFF.亀裂が、刻印マークから発出する、実施形態ZZZ~EEEEのいずれか1つに記載の方法。
実施形態GGGG.ツールマークが、約15mm未満の平均間隔を有する細長い直線状の縞マークを含む、実施形態ZZZ~FFFFのいずれか1つに記載の方法。
実施形態HHHH.微小破砕無機層が、亀裂によって分離されたツールマークの不規則なアレイを含む、実施形態OOO~GGGGのいずれか1つに記載の方法。
実施形態IIII.微小破砕無機層が、亀裂によって分離されたツールマークの規則的なアレイを含む、実施形態OOO~GGGGのいずれか1つに記載の方法。
実施形態JJJJ.機能層が、絶縁層によって分離された複数の金属層を含み、複数の金属層のうちの少なくとも1つの金属が、ツールに対して破壊される、実施形態OOO~IIIIのいずれか1つに記載の方法。
実施形態KKKK.複数の金属層中の金属層が、実質的に同じ厚さを有し、複数の金属層中の各金属層が、約100nm未満の厚さを有する、実施形態JJJJに記載の方法。
実施形態LLLL.複数の金属層中の金属層が、実質的に異なる厚さを有し、複数の金属層中の各金属層が、約100nm未満の厚さを有する、実施形態JJJJに記載の方法。
実施形態MMMM.機能層が、第1の金属層と、第2の金属層と、第1の金属層と第2の金属層との間にある第2のアクリレート層であって、第1の金属層及び第2の金属層のうちの少なくとも1つがツールに対して破壊される、第2のアクリレート層と、を含む、実施形態OOO~LLLLのいずれか1つに記載の方法。
実施形態NNNN.第1の金属層が第1のアクリレート層を覆い、かつ第2の金属層の厚さよりも大きい厚さを有し、第1の金属層及び第2の金属層のそれぞれが、100ナノメートル未満の厚さを有する、実施形態MMMMに記載の方法。
実施形態OOOO.パターン化された物品を更に1回以上パターン化して、マルチパターン化された物品を形成することを更に含む、実施形態OOO~NNNNのいずれか1つに記載の方法。
実施形態PPPP.マルチパターン化された物品が、パターンがその上に重ね合わされた少なくとも1つの微小破砕金属層を更に含み、パターンは、約750ミクロン未満の周期を有する刻印されたツールマークを含む、実施形態OOOOに記載の方法。
実施形態QQQQ.ツールマークが、刻印マークの規則的なアレイを含む、実施形態PPPPに記載の方法。
実施形態RRRR.刻印マークが、約500ミクロン未満の平均間隔を有する、実施形態QQQQに記載の方法。
実施形態SSSS.刻印マークが、約1ミクロン~約10ミクロンの深さを有する、実施形態RRRRに記載の方法。
実施形態TTTT.刻印マークが、半球状、角錐形、又はこれらの混合及び組み合わせから選択される断面形状を有する、実施形態SSSSに記載の方法。
実施形態UUUU.機能層内の無機層が、個々の金属、混合物として2種以上の金属、金属間化合物又は合金、半金属又はメタロイド、金属酸化物、金属及び混合金属酸化物、金属及び混合金属フッ化物、金属及び混合金属窒化物、金属及び混合金属炭化物、金属及び混合金属炭窒化物、金属及び混合金属酸窒化物、金属及び混合金属ホウ化物、金属及び混合金属オキシホウ化物、金属及び混合金属ケイ化物、ダイヤモンド様炭素、ダイヤモンド様ガラス、グラフェン、並びにこれらの組み合わせから選択される、実施形態OOO~TTTTのいずれか1つに記載の方法。
実施形態VVVV.金属層が、Ag、Al、Se、Au、並びにこれらの混合物及び合金から選択される金属である、実施形態UUUに記載の方法。
実施形態WWWW.方法であって、
第1のアクリレート層と、
第1のアクリレート層を覆う機能層であって、機能層は、その間に亀裂が散在する複数のツールマークを含む少なくとも1つの微小破砕金属層を含み、微小破砕金属層が約5ナノメートル~約100ナノメートルの厚さであり、機能層が3マイクロメートル未満の厚さを有する、機能層と、を含む、パターン化された転写物品を選択することと、
パターン化された転写物品を基材に適用してラミネート構造を形成することであって、ラミネート構造は、クレバス間に散在する複数の金属フレークを含む微小亀裂金属層を含み、複数の金属フレークは、微小亀裂金属層の平面外に存在する少なくとも一部分を含み、クレバスは、約1ミクロン~約50ミクロンの平均幅を有する、形成することと、
を含む、方法。
実施形態XXXX.hパターン化された転写物品、適用する工程の前又は適用する工程中に少なくとも2次元で延伸される、実施形態WWWWに記載の方法。
実施形態YYYY.パターン化された転写物品は、適用する工程の前又は適用する工程中に3次元で延伸される、実施形態WWWWに記載の方法。
実施形態ZZZZ.パターン化された転写物品が、接着剤層を更に含み、接着剤層は、ラミネート構造においてパターン化された転写物品と基材との間にある、実施形態WWWW~YYYYのいずれか1つに記載の方法。
実施形態A1.物品であって、
第1の主面及び第2の主面を有する機能層であって、機能層が、
第1の主面を形成する第1のアクリレート層と、
第1のアクリレート層上の機能層であって、機能層は、その間に亀裂が散在する複数のツールマークを含む少なくとも1つの微小破砕金属層を有する金属層のスタックを含み、微小破砕金属層は、約5ナノメートル~約100ナノメートルの厚さである、機能層と、
第1のアクリレート層上の第1の接着剤層であって、第1の接着剤層が、光学的に透明である、第1の接着剤層と、
第1の接着剤層上の第1のポリマーフィルム層と、
機能層の第2の主面上の第2のポリマーフィルム層と、
第2のポリマーフィルム層の主面上にあり、かつ機能層の反対側にある第2の接着剤層と、
を備える、物品。
実施形態A2.第2のポリマーフィルムと機能層の第2の主面との間に第3の接着剤層を更に備える、実施形態A1に記載の物品。
実施形態A3.第2の接着剤層が、結合接着剤を含む、実施形態A1に記載の物品。
実施形態A4.金属層のスタックが、絶縁層によって分離された複数の金属層を含み、スタック内の金属層のうちの少なくとも1つが、微小破砕金属層である、実施形態A1~A3のいずれか1つに記載の物品。
実施形態A5.複数の金属層中の金属層が、実質的に同じ厚さを有し、複数の金属層中の各金属層が、約100nm未満の厚さを有する、実施形態A4に記載の物品。
実施形態A6.複数の金属層中の金属層が、実質的に異なる厚さを有し、複数の金属層中の各金属層が、約100nm未満の厚さを有する、実施形態A1~A3のいずれか1つに記載の物品。
実施形態A7.機能層が、第1の金属層と、第2の金属層と、第1のアクリレート層と同じであっても異なっていてもよく、第1の金属層と第2の金属層との間にある第2のアクリレート層であって、第1の金属層及び第2の金属層のうちの少なくとも1つが微小破砕金属層である、第2のアクリレート層と、を含む、実施形態A1~A6のいずれか1つに記載の物品。
実施形態A8.第1の金属層が第1のアクリレート層を覆い、かつ第2の金属層の厚さよりも大きい厚さを有し、第1の金属層及び第2の金属層のそれぞれが、100ナノメートル未満の厚さを有する、実施形態A7に記載の物品。
実施形態A9.機能層内の金属層のうちの少なくとも1つが、バリア層の間にある、実施形態A1~A8のいずれか1つに記載の物品。
実施形態A10.バリア層が、0.1g/m/日未満の水蒸気透過率を有する、実施形態A9に記載の物品。
実施形態A11.バリア層が、0.005g/m/日未満の水蒸気透過率を有する、実施形態A9に記載の物品。
実施形態A12.バリア層が、個々の金属、混合物として2種以上の金属、金属間化合物又は合金、半金属又はメタロイド、金属酸化物、金属及び混合金属酸化物、金属及び混合金属フッ化物、金属及び混合金属窒化物、金属及び混合金属炭化物、金属及び混合金属炭窒化物、金属及び混合金属酸窒化物、金属及び混合金属ホウ化物、金属及び混合金属オキシホウ化物、金属及び混合金属ケイ化物、ダイヤモンド様炭素、ダイヤモンド様ガラス、グラフェン、並びにこれらの組み合わせから選択される、実施形態A9~A11のいずれか1つに記載の物品。
実施形態A13.第2の接着剤層を表面に適用して、ラミネート構造を形成することを含む、方法。
実施形態A14.表面が複合曲率を有する、実施形態A13に記載の方法。
実施形態A15.微小破砕金属層が、クレバス間に散在する複数の金属フレークを含む微小亀裂金属層を含むように、表面の複合曲率にわたってパターン化された抗菌性物品を延伸することを含み、金属フレークの少なくとも一部分は、微小亀裂金属層の平面外に存在し、クレバスは、約1ミクロン~約50ミクロンの平均幅を有する、実施形態A14に記載の方法。
実施形態B1.パターン化された抗菌性物品であって、
第1のアクリレート層と、第1のアクリレート層上の金属層のスタック及び金属酸化物層と、を含む機能層であって、金属層のスタックは、その間に亀裂が散在する複数のツールマークを含む少なくとも1つの微小破砕金属層を含み、微小破砕金属層は、約5ナノメートル~約100ナノメートルの厚さである、機能層と、
機能層上の基材であって、基材が、ポリマーフィルムを含む、基材と、
を含む、物品。
実施形態B2.金属酸化物層が、酸化銀を含む、実施形態B1に記載の物品。
実施形態B3.金属酸化物層が、SiAlOxを含む、実施形態B2に記載の物品。
実施形態B4.基材が、ポリエステルフィルムを含む、実施形態B1~B3のいずれか1つに記載の物品。
実施形態B5.ポリエステルフィルムが、PETgを含む、実施形態B4に記載の物品。
実施形態B6.金属層のスタックが、第1のアクリレート層上に銀層を含み、銀層上に酸化銀層を含む、実施形態B1~B5のいずれか1つに記載の物品。
実施形態B7.金属層のスタックが、第1のアクリレート層上に第1の酸化銀層を含み、第1の酸化銀層上に銀層の第1の主面を含み、銀層の第2の主面上に第2の酸化銀層を含む、実施形態B6に記載の物品。
実施形態B8.実施形態B1の基材を表面に適用して、ラミネート構造を形成することを含む、方法。
実施形態B9.表面が複合曲率を有する、実施形態B8に記載の方法。
実施形態B10.微小破砕金属層が、クレバス間に散在する複数の金属フレークを含む微小亀裂金属層を含むように、表面の複合曲率にわたってパターン化された抗菌性物品を延伸することを含み、金属フレークの少なくとも一部分は、微小亀裂金属層の平面外に存在し、クレバスは、約1ミクロン~約50ミクロンの平均幅を有する、実施形態B9に記載の方法。
実施形態B11.微小破砕金属層中の金属フレークが、1cm当たり3log CFU超の抗菌減少を提供する、実施形態B10に記載の方法。
実施形態B12.微小破砕金属層中の金属フレークのうちの少なくともいくつかが、露出した縁部を含む、実施形態B11に記載の方法。
実施形態B13.パターン化された抗菌性物品であって、
第1のアクリレート層と、第1のアクリレート層上の金属層のスタックと及び金属酸化物層と、を含む機能層であって、金属層のスタックは、クレバス間に散在する複数の金属フレークを含む少なくとも1つの微小亀裂金属層を含み、金属フレークの少なくとも一部分は、微小亀裂金属層の平面外に存在し、クレバスは、約1ミクロン~約50ミクロンの平均幅を有する、機能層と、
機能層上の基材であって、基材が、ポリマーフィルムを含む、基材と、
を含む、物品。
実施形態C1.誘電体物品であって、
パターン化された構造であって、
第1のアクリレート層と、第1のアクリレート層上の金属層のスタック及び金属酸化物層と、を含む機能層であって、金属層のスタックは、クレバス間に散在する複数の金属フレークを含む少なくとも1つの微小亀裂金属層を含み、金属フレークの少なくとも一部分は、微小亀裂金属層の平面外に存在し、クレバスは、約1ミクロン~約50ミクロンの平均幅を有する、機能層と、
パターン化された構造上の少なくとも1つの裏材であって、誘電体物品が、9GHz~10GHzでQWEDスプリットポスト誘電体共振器空洞内で測定されるとき、0.12のtanδ最大値を有する、裏材と、
を含む、パターン化された構造、を含む、誘電体物品。
実施形態C2.誘電体物品が、30の実数誘電率最大値を有する、実施形態C1に記載の誘電体物品。
実施形態C3.裏材が、光吸収材料を含む、実施形態C1又はC2に記載の誘電体物品。
実施形態C4.裏材が、黒色ポリマーフィルムである、実施形態C3に記載の誘電体物品。
実施形態C5.物品が、裏材の反対側の機能層の主面上に、形成された層を更に含む、実施形態C1~C4のいずれか1つに記載の誘電体物品。
実施形態C6.裏材が、その上にパターン化された構造を有する第1の主面と、接着剤の層を含む第2の主面と、を備える、実施形態C1~C5のいずれか1つに記載の誘電体物品。
実施形態C7.機能層が、アクリレート層のスタック、並びに金属層及び金属酸化物層のうちの1つを含み、金属層及び金属酸化物層が、Al、Ag、Ge、Ti、Ni、Cr、Si、並びにこれらの混合物及び組み合わせから選択される金属を含む、実施形態C1~C6のいずれか1つに記載の誘電体物品。
実施形態C8.金属層が、異なる厚さを有する、実施形態C7に記載の誘電体物品。
実施形態C9.スタックが、金属及び金属酸化物のうちの少なくとも1つの層と交互配置されているアクリレート層を含む、実施形態C7又はC8に記載の誘電体物品。
実施形態C10.金属酸化物層が、SiAlOxである、実施形態C9に記載の誘電体物品。
実施形態C11.金属層が、100ミクロン未満の厚さを有する、実施形態C7~C10のいずれか1つに記載の誘電体物品。
実施形態C12.スタックが、アクリレート/Ag/アクリレート/SiAlOx/Ge/SiAlOx/アクリレートを含む、実施形態C7~C11のいずれか1つに記載の誘電体物品。
実施形態C13.パターン化された物品が、微小破砕金属層の上に重ね合わされた第2のパターンを含む、実施形態C1~C12のいずれか1つに記載の誘電体物品。
実施形態C14.第2のパターンが、約750ミクロン未満の周期を有する構造体の巨視的パターンを含む、実施形態C13に記載の誘電体物品。
実施形態C15.第2のパターン内の構造体が、角錐形凹部を含む、実施形態C14に記載の誘電体物品。
実施形態C16.パターン化された転写物品を基材に適用して、ラミネート構造を形成することを含み、パターン化された転写物品は、第1のアクリレート層と、第1のアクリレート層上の金属層のスタック及び金属酸化物層と、を含む機能層を含み、金属層のスタックは、その間に亀裂が散在する複数のツールマークを含む少なくとも1つの微小破砕金属層を含み、微小破砕金属層は、約5ナノメートル~約100ナノメートルの厚さであり、ラミネート構造は、クレバス間に散在する複数の金属フレークを含む微小亀裂金属層を含み、複数の金属フレークは、微小亀裂金属層の平面外に存在する少なくとも一部分を含み、クレバスは、約1ミクロン~約50ミクロンの平均幅を有する、方法。
実施形態C17.パターン化された転写物品は、付着する工程の前又は付着する工程中に少なくとも2次元で延伸される、実施形態C16に記載の方法。
実施形態C18.パターン化された転写物品は、付着する工程の前又は付着する工程中に3次元で延伸される、実施形態C16に記載の方法。
実施形態C19.パターン化された転写物品が、パターン化された転写物品と基材との間に接着剤層を更に含む、実施形態C1~C18のいずれか1つに記載の方法。
実施形態C20.実施形態C16のパターン化された転写物品を、微小破砕金属層の亀裂がクレバスを形成するように、複合曲率を有する表面に適用することを含み、フレークのうちの少なくともいくつかがクレバスで分離し、微小亀裂金属層の平面の外側にフレークの少なくともいくつかの縁部を露出させる、方法。
実施形態D1.物品であって、
ポリマーフィルム基材と、
ポリマーフィルム基材を覆う光学的に透明な接着剤の層と、
光学的に透明な接着剤の層を覆うパターン化された構造であって、パターン化された構造は、
第1のアクリレート層と、第1のアクリレート層上の金属層のスタック及び金属酸化物層と、を含む機能層であって、金属層のスタックは、その間に亀裂が散在する複数のツールマークを含む少なくとも1つの微小破砕金属層を含み、微小破砕金属層は、約5ナノメートル~約100ナノメートルの厚さである、機能層と、
パターン化された構造上の裏材と、を含む、パターン化された構造と、
を含む、物品。
実施形態D2.裏材が、可視光吸収材料を含む、実施形態D1に記載の物品。
実施形態D3.裏材が、黒色ポリマーフィルムである、実施形態D2に記載の物品。
実施形態D4.裏材が、その上にパターン化された構造を有する第1の主面と、接着剤の層を含む第2の主面と、を備える、実施形態D1~D3のいずれか1つに記載の物品。
実施形態D5.接着剤が、光吸収性である、実施形態D4に記載の物品。
実施形態D6.接着剤が、黒色である、実施形態D5に記載の物品。
実施形態D7.機能層が、アクリレート層のスタック、並びに金属層及び金属酸化物層のうちの1つを含み、金属層及び金属酸化物層が、Al、Ag、Ge、Ti、並びにこれらの混合物及び組み合わせから選択される金属を含む、実施形態D1~D6のいずれか1つに記載の物品。
実施形態D8.金属層が、異なる厚さを有する、実施形態D7に記載の物品。
実施形態D9.スタックが、金属及び金属酸化物のうちの少なくとも1つの層と交互配置されているアクリレート層を含む、実施形態D7又はD8に記載の物品。
実施形態D10.金属酸化物が、SiAlOx、NbOx、並びにこれらの混合物及び組み合わせから選択される、実施形態D9に記載の物品。
実施形態D11.金属層が、100ミクロン未満の厚さを有する、実施形態D7~D10のいずれか一項に記載の物品。
実施形態D12.スタックが、交互配置されている1つアクリレート層及びAl層を含む、実施形態D7~D11のいずれか1つに記載の物品。
実施形態D13.アクリレート層及びAl層が、異なる厚さを有する、実施形態D12に記載の物品。
実施形態D14.ポリマー基材が、熱成形性ポリマーを含む、実施形態D1~D13のいずれか1つに記載の物品。
実施形態D15.ポリマー基材が、ポリエステルフィルム及びポリカーボネートフィルムから選択されるフィルムを含む、実施形態D1~D14のいずれか1つに記載の物品。
実施形態D16.ポリエステルフィルムが、PETgである、実施形態D15に記載の物品。
実施形態D17.スタックが、アクリレート層及び金属酸化物層を含む、実施形態D7~D16のいずれか1つに記載の物品。
実施形態D18.金属酸化物層が、550nmで少なくとも約2の屈折率を有する金属酸化物の少なくとも1つの層を含む、実施形態D17に記載の物品。
実施形態D19.金属酸化物層が、SiAlOx、NbOx、及びこれらの組み合わせから選択される、実施形態D18に記載の物品。
実施形態D20.パターン化された物品が、微小破砕金属層の上に重ね合わされた第2のパターンを含む、実施形態D1~D19のいずれか1つに記載の物品。
実施形態D21.第2のパターン内の構造体が、角錐形凹部を含む、実施形態D20に記載の物品。
実施形態D22.物品が、400~750nmの波長では反射性であり、約830nmを超える波長では少なくとも部分的に透過性である、実施形態D1~D21のいずれか1つに記載の物品。
実施形態D23.パターン化された転写物品を基材に適用して、ラミネート構造を形成することを含み、パターン化された転写物品は、第1のアクリレート層と、第1のアクリレート層上の金属層のスタック及び金属酸化物層とを含む、機能層を含み、金属層のスタックは、その間に亀裂が散在する複数のツールマークを含む少なくとも1つの微小破砕金属層を含み、微小破砕金属層は、約5ナノメートル~約100ナノメートルの厚さであり、ラミネート構造は、クレバス間に散在する複数の金属フレークを含む微小亀裂金属層を含み、複数の金属フレークは、微小亀裂金属層の平面外に存在する少なくとも一部分を含み、クレバスは、約1ミクロン~約50ミクロンの平均幅を有する、方法。
実施形態D24.パターン化された転写物品は、付着する工程の前又は付着する工程中に少なくとも2次元で延伸される、実施形態D23に記載の方法。
実施形態D25.パターン化された転写物品は、付着する工程の前又は付着する工程中に3次元で延伸される、実施形態D23に記載の方法。
実施形態D26.実施形態D23のパターン化された転写物品を、微小破砕金属層の亀裂が、クレバスを形成するように、複合曲率を有する表面に適用することを含み、フレークのうちの少なくともいくつかがクレバスで分離し、微小亀裂金属層の平面の外側にフレークの少なくともいくつかの縁部を露出させ、方法。
実施形態D27.金属酸化物層が、NbOx、SiAlOx、及びこれらの組み合わせから選択される金属を含む、実施形態D1~D26のいずれか1つに記載の物品を含むセンサ。
実施形態D28.個々の金属酸化物層が、110ミクロン未満の厚さを有する、実施形態D27に記載の物品。
【0181】
本発明の様々な実施形態を説明した。これらの実施形態及び他の実施形態は、以下の特許請求の範囲内にある。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16