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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】扇風機
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/00 20060101AFI20240708BHJP
   F04D 25/08 20060101ALI20240708BHJP
   F04D 29/64 20060101ALI20240708BHJP
   F04D 29/52 20060101ALI20240708BHJP
【FI】
F04D29/00 C
F04D25/08 307B
F04D29/64 C
F04D29/52 C
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022030688
(22)【出願日】2022-03-01
(65)【公開番号】P2023127113
(43)【公開日】2023-09-13
【審査請求日】2023-09-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000115773
【氏名又は名称】リズム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002022
【氏名又は名称】弁理士法人コスモ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長竹 健樹
(72)【発明者】
【氏名】野中 裕文
【審査官】所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-133734(JP,A)
【文献】特開2015-015164(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 29/00
F04D 25/08
F04D 29/64
F04D 29/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯用の扇風機であって、
本体部と、
インペラを有する送風ヘッドと、
前記本体部に押下可能に設けられた押下部材と、を備え、
前記押下部材は、可撓性を有するとともに前記本体部を前記押下方向と交差する方向に押圧する押圧部と、押下操作を受け付けて前記押下方向に移動する受付部と、を有し
前記本体部は、前記受付部をその内側に囲むとともに前記押下方向に立ち上がる壁部を有し、
前記押圧部は、前記受付部から前記壁部の外側まで延びて前記壁部をその外側から押圧し、
前記受付部は、前記押下方向と直交する方向に突出するとともに前記本体部に係合される係合片を有する、
ことを特徴とする扇風機。
【請求項2】
前記押圧部は、前記本体部を前記押下方向と直交する方向に押圧する、ことを特徴とする請求項1に記載の扇風機。
【請求項3】
前記押圧部は、前記受付部から延びるアーム、及び前記アームから突出して前記壁部を押圧する突起を有する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の扇風機。
【請求項4】
前記アームに複数の前記突起が設けられている、ことを特徴とする請求項に記載の扇風機。
【請求項5】
前記受付部から複数の前記アームが延びている、ことを特徴とする請求項3又は4に記載の扇風機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、扇風機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、携帯用の扇風機が知られている。例えば、特許文献1には、本体と、軸体を介して本体に対して回転可能に支持された羽根ユニットとを備える携帯用の扇風機が開示されている。この扇風機では、本体の側面に、扇風機をオンオフするためのプッシュ方式のスイッチが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3224868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、携帯用とされる小型の扇風機では、扇風機がオン状態のときに、羽根の回転に伴う振動により本体に設けられたスイッチ等の部材ががたつき、異音が発生することがある。上記特許文献1の扇風機では、扇風機がオン状態のときに、羽根ユニットの回転に伴う本体の振動によりプッシュ方式のスイッチが本体との間でがたつき、異音が発生する虞があった。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑み、部材のがたつきによる異音の発生を防止ないし抑制することができる扇風機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、携帯用の扇風機であって、本体部と、インペラを有する送風ヘッドと、前記本体部に押下可能に設けられた押下部材と、を備え、可撓性を有するとともに前記押下部材は、前記本体部を前記押下方向と略直交する方向に押圧する押圧部を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、部材のがたつきによる異音の発生を防止ないし抑制することができる扇風機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係る扇風機の斜視図である。
図2】第1実施形態に係る扇風機を前側から見た分解斜視図である。
図3】第1実施形態に係る扇風機の回路基板とスイッチを前側から見た分解斜視図である。
図4】第1実施形態に係る扇風機の前側ケースとスイッチを後側から見た分解斜視図である。
図5】第1実施形態に係る扇風機の前側ケースとスイッチを後側から見た背面図である。
図6】第2実施形態に係る扇風機の前側ケースとスイッチを後側から見た背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
図1~5を参照して本発明の第1実施形態について説明する。図1に示すように、本実施形態に係る扇風機1は、携帯用の小型の扇風機1であり、本体部10と、本体部10の上側に設けられた送風ヘッド20と、本体部10の下側に設けられたカラビナ部30とを備えている。扇風機1は、本体部10を把持してスイッチ(押下部材)12を押下することにより、送風ヘッド20から送風させることができる。スイッチ12周りの構成については、後で詳しく説明する。また、扇風機1は、カラビナ部30に被係留物を係留させることができる。以下では、本体部10のスイッチ12が設けられた側(送風流路の下流側)を扇風機1の前側、その反対側を後側とし、本体部10を前側から見たときの右側及び左側を扇風機1の右側及び左側として説明する。
【0010】
本体部10は、縦長の略直方体状をなしており、後側、即ち送風流路の上流側に設けられる後側ケース(第1ケース)40と、前側(第1方向側)、即ち送風流路の下流側に設けられる前側ケース(第2ケース)50とを有している。後側ケース40の前側に前側ケース50が係合されて組付けられることにより、両者の間に空間が設けられる。図2及び図3に示すように、後側ケース40と前側ケース50の間に設けられる空間には、回路基板14(スイッチ12を含む)、電池16、及び隔離板18等が収容される。隔離板18は、回路基板14と電池16の間に配置され、両者の間を絶縁しつつ隔離する。なお、隔離板18は、組付け時において電池16を一時的に固定するための両面テープとしてもよい。
【0011】
後側ケース40の開口側の上端部には、前方側に壁状に突出する突出壁部41が設けられている。突出壁部41の左右両側には、左右方向に離間した形で一対の係合爪(係合部)42が設けられている。また、後側ケース40の開口側の縁部には、前方側に突出する複数の嵌合凸部43が設けられている。一方、前側ケース50の開口側の上端部における左右両側には、左右方向に離間した形で一対の被係合爪(被係合部)52が設けられている。また、前側ケース50の開口側の縁部には、前方側に凹んでなる複数の嵌合凹部53が設けられている(図4及び図5参照)。本体部10は、係合爪42と被係合爪52を係合させ、嵌合凸部43を嵌合凹部53に嵌合させることにより組付けることができる。
【0012】
後側ケース40の開口側の下部には、カラビナ部30の一部が収容されるように切り欠かれた後側収容部44が設けられている。一方、前側ケース50の開口側の下部には、カラビナ部30の一部が収容されるように切り欠かれ、カラビナ部30が取り付けられる前側収容部54が設けられている。また、前側ケース50の前面上部寄りの位置には、スイッチ12が前方側に露出する形で収容される略円形状のスイッチ開口部56が設けられている。
【0013】
前側ケース50の上端部のうち被係合爪52よりも前側の部分には、送風ヘッド20が組付けられるヘッド組付け部58が設けられている。換言すれば、本体部10における送風ヘッド20の組付け部分は、係合爪42と被係合爪52の係合部分の前方側に設けられている。ヘッド組付け部58の左右両側は、前方側に突出する前側軸支部58aとなっている。前側軸支部58aは、後述する送風ヘッド20の回動軸26b1の前側部分を回動可能に支持する。両前側軸支部58aは、その前端部が側面視において略円弧状をなしている。両前側軸支部58aの左右方向内側部分には、回動軸26b1の前側部分が回動可能に支持されるように半円形状に切り欠かれた前側切欠部58a1がそれぞれ設けられている(図4及び図5参照)。両前側軸支部58aの間は、送風ヘッド20の首部26が挿入される首部挿入部58bとなっている。
【0014】
ヘッド組付け部58には、その後方側から後側軸支部材59が組付けられる。後側軸支部材59の左右両側の前端部には、回動軸26b1の後側部分が回動可能に支持されるように半円形状に切り欠かれた後側切欠部59aがそれぞれ設けられている。両前側切欠部58a1に回動軸26b1の前側部分が支持された状態で後側軸支部材59がヘッド組付け部58に組付けられることにより、送風ヘッド20の回動軸26b1が前側ケース50に対して組付けられる。後側軸支部材59は、後側ケース40と前側ケース50の間に挟持されて本体部10内に収容される形でヘッド組付け部58に組付けられる。
【0015】
送風ヘッド20は、後側に設けられる後側カバー22と、前側に設けられる前側カバー24と、首部26と、後方インペラ(インペラ)27と、前方インペラ(インペラ)28とを有している。後側カバー22は、後方側がやや縮径されて有底とされた略短円筒状をなしている。後側カバー22には、後側グリル22a,22bが設けられている。前側カバー24は、略円環状をなしている。前側カバー24には、前側グリル24aが設けられている。首部26は、前側カバー24の下端に設けられている。後方インペラ27及び前方インペラ28は、後側カバー22と前側カバー24の間に収容される。
【0016】
後側カバー22の中央部には、後方インペラ27を回転させるための後方モータM1が収容される略円形状の後方モータ収容部22cが設けられている。後側グリル22a,22bは、後方モータ収容部22cから径方向外側に向かって放射状に延びる長尺棒状の枠体により構成されている。同様に、前側カバー24の中央部には、前方インペラ28を回転駆動させるための前方モータ(不図示)が収容される略円形状の前方モータ収容部24cが設けられている。前側グリル24aは、前方モータ収容部から径方向外側に向かって放射状に延びる長尺棒状の枠体により構成されている。後方モータM1及び前方モータには、配線ケーブル21を介して本体部10内の回路基板14から駆動電力が供給される。
【0017】
送風ヘッド20の首部26は、前方側から見て略T字状をなすように、前側カバー24の下端中央部から下方に延びている。首部26は、略T字状の横棒部分を構成する対向部26aと、略T字状の縦棒部分を構成する回動部26bとを有している。対向部26aは、その左右両側が扇風機1において前側ケース50の両前側軸支部58aと対向する。対向部26aにおける両前側軸支部58aと対向する部分には、後述するクッション材60が固定される略矩形状の固定面(不図示)がそれぞれ設けられている。
【0018】
首部26の回動部26bは、対向部26aの左右方向中央部から下方に向けて略角柱状をなして延びており、側面視において略円形状となっている。回動部26bは、ヘッド組付け部58の首部挿入部58bに挿入されて組付けられる。回動部26bの左右両側面からは、左右方向に沿って同一軸状に設けられた回動軸26b1がそれぞれ延びている。回動軸26b1が後側切欠部59aと前側切欠部58a1の間で挟持されることにより、回動軸26b1がその軸周りに回動可能に支持される。扇風機1では、送風ヘッド20を回動軸26b1の軸周りに回動させることにより、送風方向を変更することができる。
【0019】
なお、回動部26bの左側面から延びる一方の回動軸26b1には、その外周に回動軸26b1よりも一回り大きな外径寸法を有する軸受部材29が組付けられる。一方の回動軸26b1は、軸受部材29に軸受けされた状態で後側切欠部59aと前側切欠部58a1の間に挟持され、回動可能に支持される。このように一方の回動軸26b1が軸受部材29を介して支持されることにより、一方の回動軸26b1と両切欠部59a,58a1の間の摩擦力が低減され、回動部26bを円滑に回転できるようになっている。なお、後側切欠部59a及び両前側切欠部58a1は左右で異なっており、一方が回動軸26b1の外径寸法に、他方が軸受部材29の外形寸法に対応した大きさとされている。
【0020】
クッション材60は、略直方体状の緩衝部材であり、例えばシリコンゴムにより形成される。クッション材60の上面は、平坦面とされ、各対向部26aの固定面に両面テープ等により貼り付けされてそれぞれ固定される。クッション材60は、対向部26aと前側軸支部58aの間の隙間において上下方向に圧縮された状態で配置され、その弾性復帰力により対向部26aを押圧する(即ち、クッション材60の厚み寸法は、対向部26aの固定面と前側軸支部58aの間の隙間寸法よりも大きい)。このため、送風ヘッド20の回動に伴って、対向部26aに固定されたクッション材60の下面が前側軸支部58aと摺接する。
【0021】
ここで、扇風機1は、送風ヘッド20を回動軸26b1の軸周りに回動させることにより、送風流路が前後方向に沿った初期状態と、初期状態から送風ヘッド20を前方側に略100度傾倒させた傾倒状態との間で、送風ヘッド20の傾倒角度を調整可能となっている。即ち、初期状態では、回動部26bの後面が後側ケース40の突出壁部41の前端部と当接して回動部26bの後方側への回動が規制され、傾倒状態では、回動部26bの前面が前側ケース50の首部挿入部58bの下面に当接して回動部26bの前方側への回動が規制される。なお、送風ヘッド20の回動に伴って各クッション材60が本体部10の前側軸支部58aと摺接しながら前側軸支部58aを押圧することから、送風ヘッド20を任意の傾倒角度で保持させることができる。
【0022】
カラビナ部30は、係留部32と、本体部10に取り付けられる取付部34とを有している。カラビナ部30は、例えば繊維強化プラスチックにより形成される。係留部32は、前方側から見て略C字状をなすフレーム32aと、フレーム32aの一端に開閉可能に接続される略円柱状のゲート32bとを有している。フレーム32aの上側部分には、前側ケース50にビス止めされるビス止め部32a1が設けられている。ビス止め部32a1は、2つのビス孔が設けられており、その下端面が本体部10の下面の形状に沿った形状となっている。フレーム32aにおけるビス止め部32a1より下側の部分は、本体部10の下端部から本体部10の下側に露出する。
【0023】
取付部34は、フレーム32aの上部右側から上方へ略板状に延びている。取付部34には、前側ケース50にネジ止めするためのネジ孔が設けられている。カラビナ部30は、ゲート32bを閉じることにより円環状となり、フレーム32a内に形成される空間内に被係留物を係留させることができる。なお、フレーム32aの上側部分の一部及び取付部34の左側部分は、本体部10内に電池16が収容される際に電池16と干渉しないように、電池16の外周面に沿って曲面状に窪んだ形状となっている。
【0024】
次に、スイッチ12周りの構成について詳しく説明する。図3に示すように、スイッチ12と回路基板14の間には、回路基板14上に設けられた図示しないスイッチ機構を開閉するための可動片15が配置されている。スイッチ12を前方側から押下操作すると、スイッチ12の後面に設けられた突出部12a1(図4参照)が可動片15と当接して可動片15が後方側(スイッチ機構側)に移動し、スイッチ機構の開閉が行われる。これにより、スイッチ12のオンオフ動作が行われる。スイッチ12が押下操作されない状態では、スイッチ12は、可動片15(回路基板14)から離間している。
【0025】
図3及び図4に示すように、スイッチ12は、受付部12a、及び受付部12aから延びる押圧部13を有している。スイッチ12は、その全体が一体成形により設けられる。受付部12aは、略円板状をなしており、前方側からの押下操作を受け付けて後方(押下方向)側に移動する。受付部12aの後面には、後方側に+状に突出する突出部12a1が設けられている。また、受付部12aの側面の一部には、側方にわずかに突出する係合片12a2が設けられている。
【0026】
一方、前側ケース50の開口内には、スイッチ開口部56の開口端に沿って、受付部12aの端縁が嵌め込まれる段差状の嵌め込み部50aが設けられている。受付部12aが嵌め込み部50aに嵌め込まれることにより、受付部12aの前面がスイッチ開口部56から前方側に露出する。嵌め込み部50aの一部には、受付部12aの係合片12a2が係合される係合凹部50a1が設けられている。係合片12a2が係合凹部50a1に係合されることにより、略円板状をなす受付部12aの回転が規制される。また、嵌め込み部50aの周りには、嵌め込み部50aに嵌め込まれた受付部12aをその内側に囲むとともに後方(押下方向)側に壁状に立ち上がるケース壁部50bが設けられている。ケース壁部50bは、受付部12aの外周に沿った形で後方側から見て略円形状に設けられている(図5参照)。
【0027】
図3~5に示すように、スイッチ12の押圧部13は、可撓性を有しており、アーム13a及び2つの突起13bを有している。アーム13aは、弾性片であり、受付部12aの側面の下側中央部からケース壁部50bの外側をケース壁部50bに沿って反時計回りに延びている。アーム13aは、略円弧状をなしてその円周角が略90度となるような位置まで延びており、受付部12aとの間にケース壁部50bを挟み込んでいる。
【0028】
アーム13aに設けられた2つの突起13bは、互いに離間した形でアーム13aの内面からケース壁部50b側に突出するように設けられている。一方の突起13bはアーム13aの先端部に設けられており、他方の突起13bはアーム13aの先端部と基端部の略中間部に設けられている。各突起13bは、その先端部がケース壁部50bと当接しており、アーム13aの弾性力によりケース壁部50bを押圧している。なお、ケース壁部50bのうちアーム13aと対向する部分は、各突起13bの先端部が当接するように、ケース壁部50bの他の部分よりも立ち上がり高さが高くされている。
【0029】
各突起13bは、ケース壁部50bを略円板状をなす受付部12aの径方向に押圧する。換言すれば、各突起13bは、ケース壁部50bをスイッチ12の押下方向(後方)と直交する方向に押圧する。このため、受付部12aは、嵌め込み部50aに嵌め込まれた状態で、押下方向に移動可能とされつつその径方向に保持される。即ち、スイッチ12は、後方に押下可能とされた状態で前側ケース50に保持される。
【0030】
以上説明したように本実施形態に係る扇風機1は、携帯用の扇風機1であって、本体部10と、後方インペラ27及び前方インペラ28を有する送風ヘッド20と、本体部10に押下可能に設けられたスイッチ12と、を備えている。そして、スイッチ12は、本体部10を押下方向と交差する方向に押圧する押圧部13を有する。
【0031】
本実施形態に係る扇風機1は、このような構成とされていることにより、スイッチ12が押下方向に押下可能とされた状態で本体部10に保持され、扇風機1がオン状態のときに後方インペラ27及び前方インペラ28の回転に伴って振動が発生した場合であっても、スイッチ12ががたつくことを防止ないし抑制することができる。このため、スイッチ12のがたつきによる異音の発生を防止ないし抑制することができる。
【0032】
また、扇風機1では、押圧部13は、本体部10を押下方向と直交する方向に押圧する。これにより、スイッチ12が押下方向に押下可能とされた状態で本体部10に効果的に保持される。このため、スイッチ12のがたつきによる異音の発生を効果的に防止ないし抑制することができる。
【0033】
また、扇風機1では、スイッチ12は、押下操作を受け付けて押下方向に移動する受付部12aを有し、本体部10の前側ケース50は、受付部12aをその内側に囲むとともに押下方向に立ち上がるケース壁部50bを有している。そして、押圧部13は、受付部12aからケース壁部50bの外側まで延びてケース壁部50bをその外側から押圧する。これにより、ケース壁部50bの内側に囲まれる受付部12aは押下方向に押下可能とされながら、ケース壁部50bの外側において押圧部13がケース壁部50bを押圧することにより受付部12aがケース壁部50bに保持される。このように、スイッチ12を押下方向に押下可能とした状態で本体部10に保持させるための具体的な構成を提供することができる。
【0034】
また、扇風機1では、押圧部13は、受付部12aから延びるアーム13a、及びアーム13aから突出してケース壁部50bを押圧する突起13bを有する。これにより、受付部12aから延びるアーム13aの弾性を利用して突起13bによりケース壁部50bを押圧することができるため、押圧部13によりケース壁部50bを効果的に押圧することができる。このため、押圧部13によるスイッチ12の本体部10への保持力を高めることができる。
【0035】
また、扇風機1では、アーム13aに2つの突起13bが設けられている。これにより、アームに1つの突起が設けられた構成に比して押圧部13によるケース壁部50bの押圧力を高めることができ、押圧部13によるスイッチ12の本体部10への保持力を高めることができる。
【0036】
さらに、本実施形態に係る扇風機1は、スイッチ12の一部が本体部10の一部を押圧することによりスイッチ12が本体部10に保持される構成であるため、スイッチの一部が本体部に対して融着等により固定された構成に比してスイッチ12周りの組付けや分解を容易に行うことができる。
【0037】
また、本実施形態に係る扇風機1は、スイッチ12が押下操作されない状態では、スイッチ12が回路基板14から離間している。このため、スイッチ12の押圧部13に回路基板14から発生する熱が伝わることを防止することができ、回路基板14の熱による押圧部13の熱変形を防止することができる。
【0038】
(第2実施形態)
次に、図6を参照して本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態に係る扇風機は、スイッチ112における押圧部112bの構成が第1実施形態と異なっている。その他の構成については第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。図6に示すように、第2実施形態に係る扇風機のスイッチ112では、受付部112aの側面の下側中央部から延びるアーム113a1,113a2が二方向に枝分かれして延びている。即ち、スイッチ112は2つのアーム113a1,113a2を有している。
【0039】
一方のアーム113a1は、第1実施形態に係るアーム13aと同様の構成とされ、ケース壁部50bの外側をケース壁部50bに沿って反時計回りに延びている。他方のアーム113a2は、ケース壁部50bの外側をケース壁部50bに沿って時計回りに延びている。他方のアーム113a2は、一方のアーム113a1と同様に、略円弧状をなしてその円周角が略90度となるような位置まで延びており、受付部112aとの間にケース壁部50bを挟み込んでいる。また、他方のアーム113a2は、一方のアーム113a1と同様に、ケース壁部50bを押圧する2つの突起113bを有している。なお、本実施形態では、スイッチ112に設けられた係合片112a2及び前側ケース150に設けられた係合凹部150a1が、他方のアーム113a2と干渉しないように、第1実施形態の構成に比して時計回りにわずかにずれた位置に設けられている。
【0040】
本実施形態に係る扇風機は、上記のように受付部112aから2つのアーム113a1,113a2が延びる構成とされていることにより、第1実施形態の構成に比して押圧部113によるケース壁部50bの押圧力を高めることができる。押圧部113によるスイッチ112の本体部10への保持力を一層高めることができる。
【0041】
なお、以上説明した実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0042】
1 扇風機 10 本体部
12 スイッチ 12a 受付部
12a1 突出部 12a2 係合片
13 押圧部 13a アーム
13b 突起 14 回路基板
15 可動片 16 電池
18 隔離板 20 送風ヘッド
21 配線ケーブル 22 後側カバー
22a 後側グリル 22b 後側グリル
22c 後方モータ収容部 24 前側カバー
24a 前側グリル 24c 前方モータ収容部
26 首部 26a 対向部
26b 回動部 26b1 回動軸
27 後方インペラ 28 前方インペラ
29 軸受部材 30 カラビナ部
32 係留部 32a フレーム
32a1 ビス止め部 32b ゲート
34 取付部 40 後側ケース
41 突出壁部 42 係合爪
43 嵌合凸部 44 後側収容部
50 前側ケース 50a 嵌め込み部
50a1 係合凹部 50b ケース壁部
52 被係合爪 53 嵌合凹部
54 前側収容部 56 スイッチ開口部
58 ヘッド組付け部 58a 前側軸支部
58a1 前側切欠部 58b 首部挿入部
59 後側支持部材 59a 後側切欠部
60 クッション材 112 スイッチ
112a 受付部 112a1 突出部
112a2 係合片 113 押圧部
113a1 アーム 113a2 アーム
113b 突起 150 前側ケース
150a1 係合凹部 150b ケース壁部
M1 後方モータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6