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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】通信方法及び通信装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/24 20090101AFI20240708BHJP
   H04W 36/26 20090101ALI20240708BHJP
   H04W 92/24 20090101ALI20240708BHJP
【FI】
H04W28/24
H04W36/26
H04W92/24
【請求項の数】 16
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022047594
(22)【出願日】2022-03-23
(62)【分割の表示】P 2020565351の分割
【原出願日】2019-05-21
(65)【公開番号】P2022109906
(43)【公開日】2022-07-28
【審査請求日】2022-05-20
(31)【優先権主張番号】201810491245.7
(32)【優先日】2018-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】スン,ハイヤン
(72)【発明者】
【氏名】ション,チュンシャン
【審査官】桑江 晃
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/127190(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0317894(US,A1)
【文献】Samsung,Corrections on namings of SMF Service Operations[online],3GPP TSG SA WG2 #127 S2-183760,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/WG2_Arch/TSGS2_127_Sanya/Docs/S2-183760.zip>,2018年03月20日,1-31頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信方法であって、
セッション管理機能ネットワーク要素によって、アクセス及びモビリティ管理機能ネットワーク要素から、第1のアクセスネットワークデバイスから第2のアクセスネットワークデバイスへのハンドオーバーに成功しているサービス品質(QoS)フローの識別子を受信するステップと、
前記QoSフローのQoS要件を満足することが不可能であるということを示す前記第1のアクセスネットワークデバイスからの前記QoSフローの通知制御状態に応答して、前記セッション管理機能ネットワーク要素によって、前記QoSフローの前記QoS要件を満足することが可能であるということをポリシー制御機能ネットワーク要素に通知するステップと、を含む、
方法。
【請求項2】
当該方法は、
前記セッション管理機能ネットワーク要素によって、前記QoSフローがハンドオーバーされる前に前記第1のアクセスネットワークデバイスから受信した前記QoSフローの前記通知制御状態に基づいて、前記QoSフローの前記QoS要件を満足することが可能であるということを決定するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記セッション管理機能ネットワーク要素によって、前記第1のアクセスネットワークデバイスからの前記QoSフローの前記通知制御状態を受信するステップをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のアクセスネットワークデバイスから前記第2のアクセスネットワークデバイスへのハンドオーバーに成功している前記QoSフローの前記識別子を受信するステップの後に、当該方法は、
前記セッション管理機能ネットワーク要素によって、前記QoSフローの前記QoS要件を満足することが可能であるということを決定するステップをさらに含む、請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記セッション管理機能ネットワーク要素によって、前記ポリシー制御機能ネットワーク要素からのポリシー決定を受信するステップであって、前記ポリシー決定は、前記QoSフローの前記QoS要件を満足することが可能であるという前記通知に基づく、ステップをさらに含む、請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記ポリシー制御機能ネットワーク要素によって、前記セッション管理機能ネットワーク要素から、前記QoSフローの前記QoS要件を満足することが可能であるという前記通知を受信するステップと、
前記ポリシー制御機能ネットワーク要素によって、前記通知に基づいて、ポリシー決定を行うステップと、をさらに含む、請求項1乃至5のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記アクセス及びモビリティ管理機能ネットワーク要素によって、前記セッション管理機能ネットワーク要素に、前記第1のアクセスネットワークデバイスから前記第2のアクセスネットワークデバイスへのハンドオーバーに成功している前記QoSフローの前記識別子を送信するステップをさらに含む、請求項1乃至6のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のアクセスネットワークデバイスによって、前記セッション管理機能ネットワーク要素に、前記QoSフローの前記通知制御状態を送信するステップをさらに含む、請求項1乃至7のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
請求項1乃至5のうちのいずれか1項に記載の方法を実行するように構成される通信装置。
【請求項10】
コンピュータプログラムであって、当該コンピュータプログラムがコンピュータによって実行されるときに、前記コンピュータが、請求項1乃至5のうちのいずれか1項に記載の方法を実行することを可能とする、コンピュータプログラム。
【請求項11】
コンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、当該コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、コンピュータプログラムを格納し、前記コンピュータプログラムがコンピュータによって実行されるときに、前記コンピュータが、請求項1乃至5のうちのいずれか1項に記載の方法を実行することを可能とする、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項12】
チップシステムであって、当該チップシステムは、
命令を格納するように構成されるメモリと、
前記メモリから前記命令を呼び出し、そして、前記命令を実行する、ように構成され、それによって、当該チップシステムが設置される通信デバイスは、請求項1乃至5のうちのいずれか1項に記載の方法を実行する、プロセッサと、を含む、
チップシステム。
【請求項13】
通信システムであって、
請求項1乃至5のうちのいずれか1項に記載の方法を実行するように構成されるセッション管理機能ネットワーク要素と、
前記セッション管理機能ネットワーク要素から、QoSフローのQoS要件を満足することが可能であるという通知を受信するように構成されるポリシー制御機能ネットワーク要素と、を含む、
通信システム。
【請求項14】
前記セッション管理機能ネットワーク要素に、第1のアクセスネットワークデバイスから第2のアクセスネットワークデバイスへのハンドオーバーに成功している前記QoSフローの識別子を送信するように構成されるアクセス及びモビリティ管理機能ネットワーク要素をさらに含む、請求項13に記載の通信システム。
【請求項15】
前記セッション管理機能ネットワーク要素に、前記QoSフローの通知制御状態を送信するように構成されるアクセスネットワークデバイスをさらに含む、請求項13又は14に記載の通信システム。
【請求項16】
前記ポリシー制御機能ネットワーク要素は、さらに、
前記通知に基づいてポリシー決定を行い、そして、前記セッション管理機能ネットワーク要素に前記ポリシー決定を送信する、ように構成される、請求項13乃至15のうちのいずれか1項に記載の通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願への相互参照]
この出願は、2018年5月21日付で中国専利局に出願された"通信方法及び通信装置"と題する中国特許出願番号第201810491245.7号に基づく優先権を主張し、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[技術分野]
この出願は、通信技術の分野に関し、特に、通信方法及び通信装置に関する。
【背景技術】
【0003】
次世代通信システムにおいては、端末デバイスは、アクセスネットワークデバイスを使用することによって、コアネットワークデバイスと少なくとも1つのパケットデータユニット(packet data unit, PDU)セッションを確立してもよい。各々のPDUセッションについて、少なくとも1つのサービス品質(quality of service, QoS)フロー(flow)を確立してもよく、QoSフローのために、各々のQoSフローに対応するデータ無線ベアラ(data radio bearer, DRB)を使用することによってデータパケットを伝送するためのサービス品質要求を構成する。QoSフローに対応するDRBを使用することによってデータパケットを伝送するときに、サービスフローのサービス品質要求を満たすことが不可能である場合に、アクセスネットワークデバイスは、QoSフローに対応する通知制御状態をコアネットワークデバイスに通知してもよく、その通知制御状態は、QoSフローのサービス品質要求を満たすことが不可能であるということを示すのに使用され、それによって、コアネットワークデバイスは、QoSフローに対して再びポリシー決定を行う。ポリシーの決定は、例えば、QoSフローの削除又は修正となる。
【0004】
複数の通信シナリオのうちのいくつかにおいて、例えば、端末デバイスが、複数のアクセスネットワークデバイスの間でハンドオーバーされるときに、その端末デバイスによって確立されているPDUセッションは、複数のアクセスネットワークデバイスの間でハンドオーバーされてもよい。それに対応して、そのPDUセッションに対応するQoSフローは、また、複数のアクセスネットワークデバイスの間でハンドオーバーされてもよい。しかしながら、ハンドオーバーの前にソースアクセスネットワークデバイスが確立するDRBは、ハンドオーバーの後にターゲットアクセスネットワークデバイスが確立するDRBとは異なっている場合があるため、ハンドオーバーの前及び後のQoSフローに対応する複数の異なるDRBを使用することによって、データパケットが伝送されるときに、そのQoSフローの通知制御状態は、同様に、異なっている場合がある。コアネットワークデバイスは、複数のアクセスネットワークデバイスの間のQoSフローのハンドオーバーを認識することが不可能であるため、コアネットワークデバイスが記録しているQoSフローの通知制御状態は、依然として、ハンドオーバーの前にソースアクセスネットワークデバイスが通知している通知制御状態のままである可能性が極めて高い。結果として、ハンドオーバーの後にターゲットアクセスネットワークデバイスが記録しているQoSフローの通知制御状態は、コアネットワークデバイスが記録しているQoSフローの通知制御状態とは同期していない場合があり、コアネットワークデバイスは、そのQoSフローに対して誤ったポリシー決定を行う傾向がある。
【発明の概要】
【0005】
この出願は、通信方法及び通信装置を提供して、アクセスネットワークの側でQoSフローがハンドオーバーされた後に、アクセスネットワークの側及びコアネットワークの側で記録されているQoSフローの通知制御状態の間に存在する場合がある同期ずれを回避する。
【0006】
第1の態様によれば、通信方法が提供される。その方法においては、少なくとも1つのQoSフローが第1のアクセスネットワークデバイスから第2のアクセスネットワークデバイスへとハンドオーバーされるプロセスにおいて、前記第1のアクセスネットワークデバイスは、前記第2のアクセスネットワークデバイスに第1の情報を送信し、前記第1の情報は、前記第1のアクセスネットワークデバイスが、前記少なくとも1つのQoSフローのサービス品質要件を満足することが不可能であるということをコアネットワークデバイスに通知しているということを示すのに使用される。前記第1のアクセスネットワークデバイスが送信する前記第1の情報を受信した後に、前記第2のアクセスネットワークデバイスは、前記コアネットワークデバイスに第2の情報を送信してもよく、前記第2の情報は、前記少なくとも1つのQoSフローのうちの第1のQoSフローのサービス品質要件を満足することが可能であり、且つ、前記第1のQoSフローが、前記第1のアクセスネットワークデバイスから前記第2のアクセスネットワークデバイスへとハンドオーバーされているQoSフローであるということを前記コアネットワークデバイスに通知するのに使用される。
【0007】
さらに、第2のアクセスネットワークデバイスが送信するとともに、第1のQoSフローのサービス品質要件を満足することが可能であるということを示す情報を受信した後に、コアネットワークデバイスの中のセッション管理機能(session management function, SMF)ネットワーク要素は、第1のQoSフローのサービス品質要件を満足することが可能であるということをポリシー制御機能(policy control function, PCF)ネットワーク要素に通知してもよい。
【0008】
上記の方法において、QoSフローがハンドオーバーされるプロセスにおいて、第1のアクセスネットワークデバイスは、コアネットワークデバイスに通知されているとともに、少なくとも1つのQoSフローのサービス品質要件を満足することが不可能である状態に関する情報を、第2のアクセスネットワークデバイスに通知してもよい。少なくとも1つのQoSフローのうちの第1のQoSフローの第2のアクセスネットワークデバイスへのハンドオーバーに成功した後に、その第2のアクセスネットワークデバイスは、デフォルトで、ハンドオーバーに成功している第1のQoSフローのサービス品質要件を満足することが可能であるということを考慮してもよく、そして、その次に、ハンドオーバーに成功しているQoSフローのサービス品質要件を満足することが可能であるということをコアネットワークデバイスに通知してもよい。このように、ハンドオーバーの後にアクセスネットワークの側に記録されるQoSフローの通知制御状態と、コアネットワークの側が認識するQoSフローの通知制御状態を同期させて、コアネットワークの側が誤ったポリシー決定を行うことを防止することが可能である。
【0009】
ある1つの可能な実装において、第1の情報は、少なくとも1つのQoSフローの識別子を含んでもよい。代替的に、前記第1の情報は、前記少なくとも1つのQoSフローの識別子及び前記少なくとも1つのQoSフローの通知制御状態を含んでもよい。前記通知制御状態は、第1の状態であり、前記第1の状態は、前記少なくとも1つのQoSフローの前記サービス品質要件を満足することが不可能であるということを示すのに使用される。上記の方式によって、第1のアクセスネットワークデバイスは、第2のアクセスネットワークデバイスに第1の情報を送信し、それによって、第2のアクセスネットワークデバイスは、コアネットワークの側に記録される少なくとも1つのQoSフローの状態を知ることが可能である。その後に、第2のアクセスネットワークデバイスは、ハンドオーバーの後のQoSフローの最新の通知制御状態をコアネットワークの側に通知して、コアネットワークの側及び第2のアクセスネットワークデバイスに記録される通知制御状態を互いに同期させることが可能であるということを保証することが可能である。
【0010】
ある1つの可能な実装において、前記第1のアクセスネットワークデバイスは、前記第2のアクセスネットワークデバイスに接続されるインターフェイスを通じて、前記第2のアクセスネットワークデバイスに前記第1の情報を送信してもよい。
【0011】
第1のアクセスネットワークデバイスと第2のアクセスネットワークデバイスとの間に接続されるインターフェイスが存在しないときに、コアネットワークの側を使用することによって第1の情報を転送してもよい。ある1つの実装において、前記第1のアクセスネットワークデバイスは、アクセス及びモビリティ管理機能(access and mobility management function, AMF)ネットワーク要素を使用することによって、前記第2のアクセスネットワークデバイスに前記第1の情報を送信してもよい。AMFネットワーク要素は、第1の情報を透過的に転送することが可能である。
【0012】
ある1つの可能な実装において、前記コアネットワークデバイスに前記第2の情報を送信した後であって、前記第1のQoSフローの前記サービス品質要件を満足することが不可能であるということを検出する場合に、前記第2のアクセスネットワークデバイスは、前記コアネットワークデバイスに第3の情報を直ちに送信してもよく、前記第3の情報は、前記第1のQoSフローの前記サービス品質要件を満足することが不可能であるということを前記コアネットワークデバイスに通知するのに使用される。第2のアクセスネットワークデバイスが、再び、QoSフローの通知制御状態を報告する前に、ある時間期間だけ待機する必要がある従来技術と比較して、この出願によって提供される上記の実装は、コアネットワークデバイスが、適時的な方式で、QoSフローの最新の通知制御状態を認識することを可能とすることができる。
【0013】
ある1つの可能な実装において、第2のアクセスネットワークデバイスが送信するとともに、第1のQoSフローのサービス品質要件を満足することが可能であるということを示す情報を受信し、そして、第1のアクセスネットワークデバイスが送信する少なくとも1つのQoSフローの受信した通知制御状態が第1の状態であるということを決定した後に、SMFネットワーク要素は、第1のQoSフローのサービス品質要件を満足することが可能であるということをPCFネットワーク要素に通知してもよい。第1の状態は、少なくとも1つのQoSフローのサービス品質要件を満足することが不可能であるということを示すのに使用される。上記の方式によって、SMFネットワーク要素は、ハンドオーバーの後にコアネットワークの側及びアクセスネットワークの側に記録される通知制御状態が互いに一致しないQoSフローの最新の通知制御状態をPCFネットワーク要素に選択的に通知してもよく、記録されている通知制御状態が一致しているQoSフローを通知しなくてもよい。
【0014】
第2の態様によれば、通信方法が提供される。その方法においては、少なくとも1つのQoSフローが、第1のアクセスネットワークデバイスから前記第2のアクセスネットワークデバイスへとハンドオーバーされているときに、前記第2のアクセスネットワークデバイスは、コアネットワークデバイスに第4の情報を送信してもよく、前記第4の情報は、前記少なくとも1つのQoSフローのサービス品質要件を満足することが可能であるということを前記コアネットワークデバイスに通知するのに使用される。さらに、前記第2のアクセスネットワークデバイスが送信するとともに、前記少なくとも1つのQoSフローのサービス品質要件を満足することが可能であるということを示す情報を受信した後に、SMFネットワーク要素は、PCFネットワーク要素に第5の情報を送信してもよく、前記第5の情報は、前記少なくとも1つのQoSフローの通知制御状態を満足することが可能であるということを前記PCFネットワーク要素に通知するのに使用される。選択的に、前記少なくとも1つのQoSフローは、前記第1のアクセスネットワークデバイスから前記第2のアクセスネットワークデバイスへとハンドオーバーされているとともに、通知制御を必要とするすべてのQoSフローに属している。
【0015】
上記の方法においては、ハンドオーバーの前の第1のアクセスネットワークデバイスの関与は、必要とされず、第2のアクセスネットワークデバイスは、コアネットワークデバイスに、ハンドオーバーに成功しているQoSフローのすべての通知制御状態を直接的に通知し、それによって、コアネットワークデバイスは、適時的な方式で、それらのハンドオーバーされているQoSフローの通知制御状態を認識することが可能であり、ハンドオーバーの後にアクセスネットワークの側に記録されるQoSフローの通知制御状態と、コアネットワークの側が認識するQoSフローの通知制御状態を同期させて、コアネットワークの側が誤ったポリシー決定を行うことを防止することが可能である。
【0016】
ある1つの可能な実装において、前記PCFネットワーク要素に前記第4の情報を送信した後であって、前記第2のアクセスネットワークデバイスが、前記少なくとも1つのQoSフローの前記サービス品質要件を満足することが不可能であるということを検出する場合に、前記第2のアクセスネットワークデバイスは、前記少なくとも1つのQoSフローの前記サービス品質要件を満足することが不可能であるということを前記コアネットワークデバイスに直ちに通知してもよい。第2のアクセスネットワークデバイスが、再び、QoSフローの通知制御状態を報告する前に、ある時間期間だけ待機する必要がある従来技術と比較して、この出願によって提供される上記の実装は、コアネットワークデバイスが、適時的な方式で、QoSフローの最新の通知制御状態を認識することを可能とすることができる。
【0017】
ある1つの可能な実装において、第2のアクセスネットワークデバイスが送信する第4の情報を受信し、そして、第1のアクセスネットワークデバイスが送信する少なくとも1つのQoSフローの受信した通知制御状態が第1の状態であるということを決定した後に、SMFネットワーク要素は、PCFネットワーク要素に第5の情報を送信してもよい。第1の状態は、少なくとも1つのQoSフローのサービス品質要件を満足することが不可能であるということを示すのに使用される。上記の方式によって、SMFネットワーク要素は、ハンドオーバーの後にコアネットワークの側及びアクセスネットワークの側に記録される通知制御状態が互いに一致しないQoSフローの最新の通知制御状態をPCFネットワーク要素に選択的に通知してもよく、記録されている通知制御状態が一致しているQoSフローを通知しなくてもよい。
【0018】
第3の態様によれば、通信方法が提供される。その方法においては、SMFネットワーク要素は、第1のアクセスネットワークデバイスが送信する少なくとも1つのQoSフローの受信した通知制御状態を決定し、前記少なくとも1つのQoSフローのうちの第2のQoSフローが、前記第1のアクセスネットワークデバイスから第2のアクセスネットワークデバイスへとハンドオーバーされているときに、前記SMFネットワーク要素は、前記第2のサービス品質フローのうちで通知制御状態が第1の状態である第3のQoSフローを決定する。さらに、前記SMFネットワーク要素は、前記第3のQoSフローの前記通知制御状態を第2の状態に更新し、そして、PCFネットワーク要素に第6の情報を送信し、前記第6の情報は、前記第3のQoSフローの前記通知制御状態が前記第2の状態であるということを前記PCFネットワーク要素に通知するのに使用される。前記第1の状態は、前記少なくとも1つのQoSフローのサービス品質要件を満足することが不可能であるということを示すのに使用され、前記第2の状態は、前記少なくとも1つのQoSフローの前記サービス品質要件を満足することが可能であるということを示すのに使用される。
【0019】
上記の方法において、ソースアクセスネットワークデバイスにおけるQoSフローのサービス品質要件を満足することは不可能であるため、通常は、そのQoSフローは、ハンドオーバーされ、そして、そのQoSフローは、サービス品質要件を満足することが可能であるターゲットアクセスネットワークデバイスにハンドオーバーされる必要がある。このことに基づいて、ハンドオーバーに成功しているQoSフローを決定した後に、SMFネットワーク要素は、デフォルトで、以前に記録されているQoSフローのサービス品質要件を満足することは不可能であるが、現在は満足することが可能であるということを考慮し、その次に、PCFネットワーク要素に通知してもよく、それによって、PCFネットワーク要素は、適時的な方式で、ハンドオーバーに成功しているQoSフローの状態を認識し、そして、誤った決定を行うことを回避することが可能である。
【0020】
ある1つの可能な実装において、第2のQoSフローのうちで通知制御状態が第1の状態である第3のQoSフローを決定する前に、SMFネットワーク要素は、さらに、AMFネットワーク要素が送信する第7の情報を受信してもよく、第7の情報は、第1のアクセスネットワークデバイスから第2のアクセスネットワークデバイスへとハンドオーバーされている第2のQoSフローの識別子を含み、それによって、SMFネットワーク要素は、ハンドオーバーに成功しているQoSフローを知ることが可能である。
【0021】
第5の態様によれば、通信方法が提供される。その方法においては、SMFネットワーク要素は、少なくとも1つのQoSフローが、第1のアクセスネットワークデバイスから第2のアクセスネットワークデバイスへとハンドオーバーされているということを決定してもよく、その次に、前記SMFネットワーク要素は、PCFネットワーク要素に第8の情報を送信し、前記第8の情報は、前記少なくとも1つのQoSフローが、前記第1のアクセスネットワークデバイスから前記第2のアクセスネットワークデバイスへとハンドオーバーされているということを示すのに使用される。前記SMFネットワーク要素が送信する前記第8の情報を受信した後に、前記PCFネットワーク要素は、前記少なくとも1つのQoSフローのうちで通知制御状態が第1の状態であるQoSフローを決定し、そして、前記決定したQoSフローの前記通知制御状態を第2の状態に更新してもよい。前記第1の状態は、前記決定したQoSフローのサービス品質要件を満足することが不可能であるということを示すのに使用され、前記第2の状態は、前記決定したQoSフローの前記サービス品質要件を満足することが可能であるということを示すのに使用される。
【0022】
ある1つの実装において、PCFネットワーク要素のためにハンドオーバー指示トリガ(handover indication trigger)を構成してもよい。SMFネットワーク要素が送信するとともに、少なくとも1つのQoSフローのハンドオーバーが成功しているということを示す第3の情報を受信した後に、そのQoSフローの通知制御状態を更新する操作を実行するようにPCFネットワーク要素をトリガしてもよい。
【0023】
上記の方法において、SMFネットワーク要素は、少なくとも1つのQoSフローのハンドオーバーに成功しているということをPCFネットワーク要素に通知してもよく、それによって、PCFネットワーク要素は、適時的な方式で、QoSフローのハンドオーバーを認識することが可能であり、そして、その次に、適時的な方式で、ハンドオーバーに成功しているQoSフローの通知制御状態を更新して、その通知制御状態が、ハンドオーバーの後にアクセスネットワークの側で記録されているQoSフローの通知制御状態と同期しているということを可能な限り保証し、誤った決定を行うことを回避する。
【0024】
第5の態様によれば、この出願は、第1のタイプの通信装置を提供する。その通信装置は、第1の態様における第1のアクセスネットワークデバイスを実装する機能を有する。例えば、その通信装置は、第1のアクセスネットワークデバイスによって第1の態様におけるステップを実行するための対応するモジュール、ユニット、又は手段(means)を含む。それらの機能、モジュール、ユニット、又は、手段(means)は、ソフトウェアによって実装されてもよく、或いは、ハードウェアによって実装されてもよく、或いは、対応するソフトウェアを実行するハードウェアによって実装されてもよい。
【0025】
ある1つの可能な設計において、通信装置は、処理モジュール及びトランシーバーモジュールを含んでもよい。処理モジュール及びトランシーバーモジュールは、第1の態様又は第1の態様の複数の可能な実装のうちのいずれかによって提供される方法における第1のアクセスネットワークデバイスの対応する機能を実行してもよい。
【0026】
他の可能な設計においては、通信装置は、プロセッサを含んでもよく、そして、トランシーバーをさらに含んでもよい。トランシーバーは、信号を受信し及び送信するように構成され、プロセッサは、プログラム命令を実行して、第1の態様又は第1の態様の複数の可能な実装のうちのいずれか1つにおいて第1のアクセスネットワークデバイスが実行する方法を完全に実行する。
【0027】
通信装置は、1つ又は複数のメモリをさらに含んでもよい。メモリは、プロセッサに結合されるように構成され、そのメモリは、コンピュータプログラム命令及び/又はデータを格納し、そのコンピュータプログラム命令及び/又はデータは、第1の態様における第1のアクセスネットワークデバイスの機能を実装するのに必要とされる。プロセッサは、メモリの中に格納されているコンピュータプログラム命令を実行して、第1の態様又は第1の態様の複数の可能な実装のうちのいずれか1つにおいて第1のアクセスネットワークデバイスが実行する方法を完全に実行してもよい。
【0028】
第6の態様によれば、この出願は、第2のタイプの通信装置を提供する。その通信装置は、第1の態様又は第2の態様における第2のアクセスネットワークデバイスを実装する機能を有する。例えば、その通信装置は、第2のアクセスネットワークデバイスによって第1の態様又は第2の態様におけるステップを実行するための対応するモジュール、ユニット、又は、手段(means)を含む。それらの機能、モジュール、ユニット、又は、手段(means)は、ソフトウェアによって実装されてもよく、或いは、ハードウェアによって実装されてもよく、或いは、対応するソフトウェアを実行するハードウェアによって実装されてもよい。
【0029】
ある1つの可能な設計において、通信装置は、処理モジュール及びトランシーバーモジュールを含んでもよい。処理モジュール及びトランシーバーモジュールは、第1の態様又は第1の態様の複数の可能な実装のうちのいずれか1つによって提供される方法における第2のアクセスネットワークデバイスの対応する機能を実行してもよく、或いは、処理モジュール及びトランシーバーモジュールは、第2の態様又は第2の態様のある1つの可能な実装のうちのいずれかによって提供される方法における第2のアクセスネットワークデバイスの対応する機能を実行してもよい。
【0030】
他の可能な設計においては、通信装置は、プロセッサを含んでもよく、そして、トランシーバーをさらに含んでもよい。トランシーバーは、信号を受信し及び送信するように構成され、プロセッサは、プログラム命令を実行して、第1の態様又は第1の態様の複数の可能な実装のうちのいずれか1つにおいて第2のアクセスネットワークデバイスが実行する方法を完全に実行するか、或いは、第2の態様又は第2の態様の複数の可能な実装のうちのいずれか1つにおいて第2のアクセスネットワークデバイスが実行する方法を完全に実行する。
【0031】
通信装置は、1つ又は複数のメモリをさらに含んでもよい。メモリは、プロセッサに結合されるように構成され、そのメモリは、コンピュータプログラム命令及び/又はデータを格納し、そのコンピュータプログラム命令及び/又はデータは、第1の態様又は第2の態様における第2のアクセスネットワークデバイスの機能を実装するのに必要とされる。プロセッサは、メモリの中に格納されているコンピュータプログラム命令を実行して、第1の態様又は第1の態様の複数の可能な実装のうちのいずれか1つにおいて第1のアクセスネットワークデバイスが実行する方法を完全に実行するか、或いは、第2の態様又は第2の態様の複数の可能な実装のうちのいずれか1つにおいて第2のアクセスネットワークデバイスが実行する方法を完全に実行してもよい。
【0032】
第7の態様によれば、この出願は、第3のタイプの通信装置を提供する。その通信装置は、第1の態様乃至第4の態様のうちのいずれか1つにおけるSMFネットワーク要素を実装する機能を有する。例えば、その通信装置は、SMFネットワーク要素によって第1の態様乃至第4の態様のうちのいずれか1つにおけるステップを実行するための対応するモジュール、ユニット、又は、手段(means)を含む。それらの機能、モジュール、ユニット、又は、手段(means)は、ソフトウェアによって実装されてもよく、或いは、ハードウェアによって実装されてもよく、或いは、対応するソフトウェアを実行するハードウェアによって実装されてもよい。
【0033】
ある1つの可能な設計において、通信装置は、処理モジュール及びトランシーバーモジュールを含んでもよい。処理モジュール及びトランシーバーモジュールは、第1の態様乃至第4の態様のうちのいずれか1つ又はそれらの態様の複数の可能な実装のうちのいずれか1つによって提供される方法におけるSMFネットワーク要素の対応する機能を実行してもよい。
【0034】
他の可能な設計においては、通信装置は、プロセッサを含んでもよく、そして、トランシーバーをさらに含んでもよい。トランシーバーは、信号を受信し及び送信するように構成され、プロセッサは、プログラム命令を実行して、第1の態様乃至第4の態様のうちのいずれか1つ又はそれらの態様の複数の可能な実装のうちのいずれか1つにおいてSMFネットワーク要素が実行する方法を完全に実行する。
【0035】
通信装置は、1つ又は複数のメモリをさらに含んでもよい。メモリは、プロセッサに結合されるように構成され、そのメモリは、コンピュータプログラム命令及び/又はデータを格納し、そのコンピュータプログラム命令及び/又はデータは、第1の態様乃至第4の態様のうちのいずれか1つにおけるSMFネットワーク要素の機能を実装するのに必要とされる。プロセッサは、メモリの中に格納されているコンピュータプログラム命令を実行して、第1の態様乃至第4の態様のうちのいずれか1つ又はそれらの態様の複数の可能な実装のうちのいずれか1つにおいてSMFネットワーク要素が実行する方法を完全に実行してもよい。
【0036】
第8の態様によれば、この出願は、第4のタイプの通信装置を提供する。その通信装置は、第4の態様におけるPCFネットワーク要素を実装する機能を有する。例えば、その通信装置は、PCFネットワーク要素によって第4の態様におけるステップを実行するための対応するモジュール、ユニット、又は、手段(means)を含む。それらの機能、モジュール、ユニット、又は、手段(means)は、ソフトウェアによって実装されてもよく、或いは、ハードウェアによって実装されてもよく、或いは、対応するソフトウェアを実行するハードウェアによって実装されてもよい。
【0037】
ある1つの可能な設計において、通信装置は、処理モジュール及びトランシーバーモジュールを含んでもよい。処理モジュール及びトランシーバーモジュールは、第4の態様又は第4の態様の複数の可能な実装のうちのいずれか1つによって提供される方法におけるPCFネットワーク要素の対応する機能を実行してもよい。
【0038】
他の可能な設計においては、通信装置は、プロセッサを含んでもよく、そして、トランシーバーをさらに含んでもよい。トランシーバーは、信号を受信し及び送信するように構成され、プロセッサは、プログラム命令を実行して、第4の態様又は第4の態様の複数の可能な実装のうちのいずれか1つにおいてPCFネットワーク要素が実行する方法を完全に実行する。
【0039】
通信装置は、1つ又は複数のメモリをさらに含んでもよい。メモリは、プロセッサに結合されるように構成され、そのメモリは、コンピュータプログラム命令及び/又はデータを格納し、そのコンピュータプログラム命令及び/又はデータは、第4の態様におけるPCFネットワーク要素の機能を実装するのに必要とされる。プロセッサは、メモリの中に格納されているコンピュータプログラム命令を実行して、第4の態様又は第4の態様の複数の可能な実装のうちのいずれか1つにおいてPCFネットワーク要素が実行する方法を完全に実行してもよい。
【0040】
第9の態様によれば、この出願は、通信システムを提供する。その通信システムは、第5の態様における第1のタイプの通信装置、第6の態様における第2のタイプの通信装置、第7の態様における第3のタイプの通信装置、及び第8の態様における第4のタイプの通信装置を含む。
【0041】
第10の態様によれば、この出願は、チップを提供する。そのチップは、メモリに接続されてもよく、そのメモリの中に格納されているソフトウェアプログラムを読み出し、そして、実行する、ように構成されて、上記の複数の態様における方法を実装する。
【0042】
第11の態様によれば、この出願は、コンピュータ記憶媒体を提供する。そのコンピュータ記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能な命令を格納し、コンピュータが、そのコンピュータ読み取り可能な命令を読み出しそして実行するときに、そのコンピュータが、上記の複数の態様における方法を実行することを可能とする。
【0043】
第12の態様によれば、この出願は、さらに、ソフトウェアプログラムを含むコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品がコンピュータによって実行されるときに、そのコンピュータが、上記の複数の態様における方法を実行することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】この出願にしたがった5G通信システムのネットワークアーキテクチャ図である。
図2】この出願にしたがったQoSフローに基づくQoSモデルを示している。
図3】この出願にしたがってQoSフローを確立する概略的なフローチャートである。
図4】この出願の実施形態1にしたがった通信方法の概略的なフローチャートである。
図5】この出願の実施形態1にしたがったシナリオ1における第1のRANデバイスと第2のRANデバイスとの間の対話の手順の概略的な図である。
図6】この出願の実施形態1にしたがったシナリオ2における第1のRANデバイスと第2のRANデバイスとの間の対話の手順の概略的な図である。
図7】この出願の実施形態2にしたがった通信方法の概略的なフローチャートである。
図8】この出願の実施形態2にしたがって、第2のRANデバイスが、少なくとも1つのQoSフローの通知制御状態をコアネットワークデバイスに通知する概略的なフローチャートである。
図9】この出願の実施形態3にしたがった通信方法の概略的なフローチャートである。
図10】この出願の実施形態4にしたがった通信方法の概略的なフローチャートである。
図11】この出願の実施形態にしたがった通信装置の概略的な構成図である。
図12】この出願の実施形態にしたがった通信装置の概略的な構成図である。
図13】この出願の実施形態にしたがった通信装置の概略的な構成図である。
図14】この出願の実施形態にしたがった通信装置の概略的な構成図である。
図15】この出願の実施形態にしたがった通信装置の概略的な構成図である。
図16】この出願の実施形態にしたがった通信装置の概略的な構成図である。
図17】この出願の実施形態にしたがった通信装置の概略的な構成図である。
図18】この出願の実施形態にしたがった通信装置の概略的な構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
この出願の複数の目的、複数の技術的解決方法、及び、複数の利点をより明確にするために、以下の記載は、複数の添付の図面を参照してこの出願をさらに詳細に説明する。
【0046】
最初に、この出願によって提供される複数の技術的解決方法が適用可能である通信システムを説明する。
【0047】
この出願によって提供される複数の技術的解決方法は、例えば、ロングタームエボリューション(long term evolution, LTE)システム、第5世代(5th generation, 5G)通信システム、及び、他の同様の通信システム等のさまざまな通信システムに適用可能である。例示的に、図1は、5G通信システムのネットワークアーキテクチャ図である。
【0048】
端末デバイスは、ハンドヘルドデバイス、車載型デバイス、ウェアラブルデバイス、又は、無線通信機能を有するコンピューティングデバイス、又は無線モデムに接続される他の処理デバイス、及び、さまざまな形態のユーザ機器(user equipment, UE)、モバイル局(mobile station, MS)、及び端末機器(terminal equipment)等を含んでもよい。
【0049】
(無線)アクセスネットワーク(radio access network, (R)AN)デバイスは、無線物理層機能、無線リソース管理、無線アクセス制御、及び、モビリティ管理等の機能を実装するように構成されてもよい。RANデバイスは、例えば、アクセスノード(access point, AP)、次世代NodeB(next generation Node B, gNB)、次世代進化型NodeB(ng-eNB, gNB)、送信受信点(transmission receive point, TRP)、送信点(transmission point, TP)、又は、5Gシステムの中の他のアクセスノード等の基地局を含んでもよい。以下の説明において、(R)ANデバイスは、説明を容易にするために、集合的に、RANデバイスと称されるということを理解するべきである。
【0050】
ユーザプレーン機能(user plane function, UPF)ネットワーク要素は、ユーザプレーンの機能ネットワーク要素として、外部データネットワークに接続されてもよい。ユーザプレーン機能ネットワーク要素の主要な機能は、データパケットのルーティング及び送信、パケット検出、サービス使用量報告、QoS処理、合法的な傍受、アップリンクパケット検出、及び、ダウンリンクデータパケット記憶装置等のユーザプレーンに関連する機能を含む。
【0051】
AMFネットワーク要素の主要な機能は、接続管理、モビリティ管理、登録管理、アクセス認証及び認可、到達可能性管理、及びセキュリティコンテキスト管理等のアクセス及びモビリティに関連する機能を含む。
【0052】
SMFネットワーク要素の主要な機能は、(例えば、UPFとRANとの間でのトンネルの保守管理を含むセッション確立、修正、及び解放等の)セッション管理、UPFの選択及び制御、サービス及びセッションの継続性(service and session continuity, SSC)モード選択、及びローミング等のセッションに関連する機能を含む。
【0053】
PCFネットワーク要素の主要な機能は、統一ポリシーの定式化、ポリシー制御の提供、及びポリシー決定に関連するサブスクリプション情報の取得等のポリシーに関連する機能を含む。
【0054】
アプリケーション機能(application function, AF)ネットワーク要素は、サードパーティのアプリケーション制御プラットフォームであってもよく、又は、オペレータが配置するデバイスであってもよい。アプリケーション機能ネットワーク要素の主要な機能は、アプリケーションに関連する情報の提供及び複数のアプリケーションサーバへのサービス提供を含む。
【0055】
データネットワーク(data network, DN)の主要な機能は、オペレータサービス、インターネットアクセス、又はサードパーティサービス等の特定のデータサービスを提供することである。
【0056】
上記の内容は、主に、この出願の中で言及されてもよいネットワーク要素又はデバイスを説明している。図1に示されているネットワークアーキテクチャは、説明のためのある1つの例として使用されているにすぎず、この出願が適用可能である通信システムのネットワークアーキテクチャに対しては限定を構成しないということを理解するべきである。この出願が適用可能である通信システムは、この出願の中で1つずつ列挙されてはいない他のネットワーク要素又はデバイスをさらに含んでもよい。加えて、この出願が適用可能である通信システムの中の複数のネットワーク要素又は複数のデバイスの間の接続形態は、図1に示されている基準点ベースの形態であってもよく、又は、サービス指向のインターフェイスベースの形態であってもよい。加えて、この出願が適用可能である通信システムは、さらに、非ローミングシナリオ及びローミングシナリオに分類されてもよい。ローミングシナリオは、さらに、ローカルブレイクアウト(local breakout)シナリオ及びホームルーティング(home routed)シナリオに分類されてもよい。これらの通信シナリオにおける通信システムの複数のネットワークアーキテクチャは、異なってもよいが、それらの複数のネットワークアーキテクチャのすべては、この出願の複数の実施形態に適用可能であってもよい。
【0057】
現時点で、5G通信システムにおいては、エンドツーエンドのサービス品質を保証するために、QoSフローに基づくQoSモデルが提案されている。図2を参照すると、端末デバイスは、RANデバイスを使用することによって、コアネットワークの側でUPFを有する少なくとも1つのPDUセッション(PDU session)を確立してもよい。各々のPDUセッションについて、端末デバイス、RANデバイス、及びUPFネットワーク要素の間で少なくとも1つのQoSフローを確立する。図3は、QoSフローを確立するための概略的なフローチャートである。複数のネットワーク要素又は複数のデバイスの間の対話の手順は、以下のステップを含む。
【0058】
ステップ301: SMFネットワーク要素は、ローカルポリシー又はPCFネットワーク要素が送信するポリシー及び課金制御(policy and charging control, PCC)規則にしたがって、QoSフローを確立するように、端末デバイス、RANデバイス、及びUPFネットワーク要素に指示する。具体的な確立プロセスは、以下の3つの段階に分けられる。すなわち、ステップ301A: SMFネットワーク要素は、UPFネットワーク要素にサービスデータフロー(service data flow, SDF)情報を送信し、サービスデータフロー情報は、QoS制御情報を含む。ステップ301B: SMFネットワーク要素は、AMFネットワーク要素を使用することによって、(R)ANデバイスにQoSフローのQoSプロファイル(QoS profile)を送信する。ステップ301C: SMFネットワーク要素は、AMFネットワーク要素及び/又は(R)ANデバイスを使用することによって、端末デバイスにQoS規則を送信し、QoS規則は、QoS制御情報を含む。QoSプロファイルの中に含まれるコンテンツ及びQoS制御情報の中に含まれるコンテンツは、基本的に同じであり、双方は、ローカルポリシー又はPCC規則にしたがってSMFによって生成されるということに留意すべきである。
【0059】
ステップ302: 端末デバイス、RANデバイス、及びUPFネットワーク要素の間のQoSフローを確立する。(R)ANデバイスは、QoSプロファイルに基づいて、無線インターフェイスのためのDRBを確立し、そして、そのQoSフローとそのDBRとの間のバインディング関係を格納してもよい。端末デバイス、RANデバイス、及びUPFネットワーク要素の間のダウンリンク方向のデータパケットの伝送の際に、ダウンリンクデータパケットを受信するときに、UPFネットワーク要素は、SMFネットワーク要素が送信するSDF情報に基づいて、QoS制御を実行し、そして、ダウンリンクデータパケットのパケットヘッダに、QoSフローを識別するのに使用されるサービス品質識別子(QoS flow identifier, QFI)を追加する。ダウンリンクデータパケットを受信するときに、RANデバイスは、パケットヘッダの中のQFIを構文解析することによって、使用することが可能であるQoSフローを決定し、そして、そのQoSフローとそのDRBとの間の格納されているバインディング関係に基づいて、対応するDRBによって、そのダウンリンクデータパケットを伝送する。アップリンク方向においては、端末デバイスがアップリンクデータパケットを送信する必要があるときに、端末デバイスは、QoS規則にしたがってQoSフローを決定し、そのアップリンクデータパケットのパケットヘッダにQFIを追加し、そして、その次に、そのQoSフローとそのDBRとの間のバインディング関係に基づいて、対応するDRBによって、そのアップリンクデータパケットを伝送する。アップリンクデータパケットを受信するときに、RANデバイスは、パケットヘッダの中のQFIに基づいて、UPFネットワーク要素に転送されるアップリンクデータパケットのパケットヘッダにQFIを追加する。RANデバイスが送信するアップリンクデータパケットを受信するときに、UPFネットワーク要素は、アップリンクデータパケットが、正しいQoSフローを使用することによって伝送されているか否かを検証する。
【0060】
SMFが生成するQoSプロファイルは、異なっているため、確立されているQoSフローは、2つのタイプを含んでもよい。
【0061】
タイプ1は、保証されているビットレート(guaranteed bit rate, GBR)QoSフローである。この場合に、QoSプロファイルは、QoS属性情報を識別するのに使用される5G QoS識別子(5G QoS identifier, 5QI)、割り当て及び保持優先順位(allocation and retention priority, ARP)、保証されているフロービットレート(guaranteed flow bit rate, GFBR)、及び最大ビットレート(maximum bit rate, MBR)を含んでもよい。選択的に、QoSプロファイルは、通知制御(notification control)情報をさらに含んでもよい。QoSプロファイルが通知制御情報を含むときに、GBR QoSフローは、通知制御を必要とするGBR QoSフローである。QoSプロファイルが通知制御情報を含んでいないときは、GBR QoSフローは、通知制御を必要としないGBR QoSフローである。
【0062】
GBR QoSフローに対応するDRBにおけるデータパケットの伝送の際に、RANデバイスが、GBR QoSフローのサービス品質要件を満足することが不可能であるということを検出し、そして、GBR QoSフローが通知制御を必要とするように構成される場合に、RANデバイスは、AMFネットワーク要素を使用することによって、GBR QoSフローのサービス品質要件を満足することが不可能であるということをSMFネットワーク要素に通知してもよく、それによって、SMFネットワーク要素は、ローカルポリシーにしたがって、GBR QoSフローを修正するか又は削除し、或いは、SMFネットワーク要素は、GBR QoSフローを修正するか又は削除するように、PCFネットワーク要素に指示する。ある1つの例において、データパケットを伝送するためのビットレートが、GFBRが指定する予想されるビットレートに達していないときに、GBR QoSフローのサービス品質要件を満足することが不可能であると考えられてもよい。他の例においては、データパケットの伝送の際の伝送遅延(又は、パケット損失率等)が、5QIに含まれる伝送遅延(又は、パケット損失率等)を満たしていないときに、GBR QoSフローのサービス品質要件を満足することが不可能であると考えられてもよい。
【0063】
タイプ2は、保証されていないビットレート(non-guaranteed bit rate, non-GBR)QoSフローである。この場合には、QoSプロファイルは、5QI及びARP等を含んでもよい。
【0064】
通知制御を必要とするQoSフローの場合には、複数のRANデバイスの間でのハンドオーバーが生起するときに、RAN側に記録される通知制御状態は、コアネットワークの側に記録される通知制御状態と同期していない場合があり、コアネットワークの側は、QoSフローに対して誤ったポリシー決定を行う傾向がある。
【0065】
例えば、端末デバイスが複数のRANデバイスの間でハンドオーバーされるシナリオにおいて、端末デバイスによって確立されているPDUセッションは、複数のRANデバイスの間でハンドオーバーされてもよい。それに対応して、PDUセッションに対応するQoSフローは、また、複数のRANデバイスの間でハンドオーバーされてもよい。ハンドオーバーの前にソースRANデバイスが確立するDRBは、ハンドオーバーの後にターゲットRANデバイスが確立するDRBとは異なっていてもよい。したがって、ハンドオーバーの前に、データパケットが、QoSフローに対応するソースRANデバイスが確立するDRBを使用することによって伝送されるときは、サービス品質要件を満足することが不可能である。一方で、ハンドオーバーの後に、データパケットが、QoSフローに対応するターゲットRANデバイスが確立するDRBを使用することによって伝送されるときは、サービス品質要件を満足することが可能である可能性が極めて高い。
【0066】
この場合には、SMFネットワーク要素及びPCFネットワーク要素は、複数のRANデバイスの間でのQoSフローのハンドオーバーを認識することが不可能であるため、SMFネットワーク要素及びPCFネットワーク要素が記録するQoSフローの通知制御状態は、依然として、ハンドオーバーの前にソースRANデバイスが通知しているとともに、サービス品質要件を満足することが不可能である状態のままである可能性が極めて高い。したがって、ソースRANデバイスが通知しているとともに、サービス品質要件を満足することが不可能であるQoSフローに対して再びポリシー決定を行うときに、SMFネットワーク要素又はPCFネットワーク要素は、誤ったポリシー決定を行う場合がある。例えば、ハンドオーバー後のターゲットRANデバイスにおけるQoSフローのサービス品質要件を満足することが可能であるが、QoSフローは削除されるか、又は、QoSフローのサービス品質要件は減少させられる。
【0067】
上記の問題を解決するために、この出願の複数の実施形態は、通信方法及び通信装置を提供する。QoSフローが複数のRANデバイスの間でハンドオーバーされるシナリオにおいては、ハンドオーバーの後のQoSフローの通知制御状態は、適時的な方式で、コアネットワークの側にフィードバックされ、それによって、ハンドオーバーに後にコアネットワークの側及びRANデバイスにおいて維持されているQoSフローの通知制御状態を可能な限り同期された状態に保つことが可能である。
【0068】
この出願の複数の実施形態においては、QoSフローが複数のRANデバイスの間でハンドオーバーされるシナリオは、端末デバイスが複数のRANデバイスの間でハンドオーバーされるシナリオには限定されず、QoSフローが複数のRANデバイスの間でハンドオーバーされる他の可能なシナリオが存在してもよいということを理解するべきである。例えば、端末デバイスが、無線リソース制御(radio resource control, RRC)非アクティブ(inactive)モードからRRC接続(connected)モードに戻るときに、また、複数のRANデバイスの間でのQoSフローのハンドオーバーが生起する場合がある。他の例では、端末デバイスが、マスターRANデバイス及びセカンダリRANデバイスとの間でPDUセッションを確立するデュアルコネクティビティ(dual connection)シナリオにおいて、QoSフローは、また、マスターRANデバイスからセカンダリRANデバイスへとハンドオーバーされてもよく、又は、セカンダリRANデバイスからマスターRANデバイスへとハンドオーバーされてもよい。これらのシナリオは、また、この出願の複数の実施態様に適用可能である。
【0069】
以下の記載は、複数の特定の実施形態を参照して、この出願によって提供される通信方法を詳細に説明する。以下の"第1の"及び"第2の"等の語は、説明を判別するのに使用されるにすぎず、相対的な重要性を示すものとして又は示唆するものとして、或いは、順序を示すものとして又は示唆するものとして理解されるべきではないということを理解するべきである。例えば、以下の説明における区別を容易にするために、ハンドオーバーの前のQoSフローに対応するソースRANは、第1のRANデバイスと称され、ハンドオーバーの後のQoSフローに対応するターゲットRANデバイスは、第2のRANデバイスと称される。
【0070】
[実施形態1]
図4は、この出願の実施形態1にしたがった通信方法の概略的なフローチャートである。その方法は、以下のステップを含む。
【0071】
ステップ401: 少なくとも1つのQoSフローが第1のRANデバイスから第2のRANデバイスへとハンドオーバーされるプロセスにおいて、第1のRANデバイスは、第2のRANデバイスに第1の情報を送信し、第1の情報は、第1のRANデバイスが、少なくとも1つのQoSフローのサービス品質要件を満足することが不可能であるということをコアネットワークデバイスに通知しているということを示すのに使用される。
【0072】
この出願の実施形態1において、第1のRANデバイスが、少なくとも1つのQoSフローのサービス品質要件を満足することが不可能であるということをコアネットワークデバイスに通知しているということは、第1のRANデバイスがコアネットワークデバイスに最後に通知している少なくとも1つのQoSフローの通知制御状態が、サービス品質要件を満足することが不可能である状態であることと理解することが可能である。以下の説明を簡単にするために、通知制御状態は、第1の状態及び第2の状態を含む。第1の状態は、QoSフローのサービス品質要件を満足することが不可能であるということを示すのに使用され、第2の状態は、QoSフローの前記サービス品質要件を満足することが可能であるということを示すのに使用される。少なくとも1つのQoSフローは、通知制御を必要とするQoSフローである。この出願においては、通知制御を必要とするQoSフローは、GBR QoSフローには限定されず、又は、サービス品質要件を満足することが不可能であるときにコアネットワークデバイスに通知する必要がある他のQoSフローであってもよいということを理解するべきである。
【0073】
第1のRANデバイスが少なくとも1つのQoSフローのサービス品質要件を満足することが不可能であるというということをコアネットワークデバイスに通知しているということを、第1のRANデバイスが第2のRANデバイスに通知するときに、第1のRANデバイスは、第2のRANデバイスに送信される第1の情報に、第1のRANデバイスがコアネットワークデバイスに最後に通知している少なくとも1つのQoSフローの識別子を追加してもよく、QoSフローの識別子は、例えば、QFIである。代替的に、第1のRANデバイスは、第2のRANデバイスに送信される第1の情報に、少なくとも1つのQoSフローの識別子及び少なくとも1つのQoSフローの通知制御状態を追加してもよく、通知制御状態は、第1の状態である。
【0074】
ハンドオーバーが生起する前に、第1のRANデバイスは、確立されているQoSフローのサービス品質要件を満たしているか否かを検出してもよい。少なくとも1つのQoSフローを満足することが不可能であり、少なくとも1つのQoSフローが通知制御を必要とするQoSフローであるときに、第1のRANデバイスは、少なくとも1つのQoSフローの通知制御状態が第1の状態であるというということをコアネットワークデバイスに通知してもよい。その次に、少なくとも1つのQoSフローを満足することが可能であるときに、第1のRANデバイスは、さらに、少なくとも1つのQoSフローが第2の状態にあるということをコアネットワークデバイスに通知してもよい。このことに基づいて、第1のRANデバイスは、コアネットワークデバイスに通知されるQoSフローの通知制御状態をローカルに記録してもよい。例えば、第1のRANデバイスは、サービス品質通知制御(QoS notification control, QNC)の送信状態テーブルを記録してもよい。
【0075】
この出願のある1つの例において、QNCの送信状態テーブルにの中に、QoSフローの識別子、及び、QoSフローに対応しているとともに、コアネットワークデバイスに最後に通知されている通知制御状態を記録してもよい。QoSフローの識別子は、例えば、QFIであり、通知制御状態は、第1の状態及び第2の状態を含む。表1は、QNCの送信状態テーブルのある1つの例を示している。
【表1】
【0076】
表1に示されているように、第1のRANデバイスが記録するQoSフローは、#1乃至#nによって識別される。対応する通知制御状態が"1"であるときに、その値は、第1の状態を表す、すなわち、QoSフローのサービス品質要件を満足することが不可能である。対応する通知制御状態が"0"であるときに、その値は、第2の状態を表す、すなわち、QoSフローのサービス品質要件を満足することが可能である。コアネットワークデバイスにQoSフローの通知制御状態を通知するたびごとに、第1のRANデバイスは、それに対応して、QNCのローカルに記録されている送信状態テーブルを更新してもよい。例えば、QoSフロー#1の場合は、表1に現時点で記録されている通知制御状態は、"1"となる。第1のRANデバイスが、以降に、QoSフロー#1のサービス品質要件を満足することが可能であるということを検出する場合に、第1のRANデバイスは、QoSフロー#1のサービス品質要件を満足することが可能であるということをコアネットワークデバイスに通知してもよく、それに対応して、QoSフロー#1のローカルに記録されている通知制御状態を"0"に更新してもよい。
【0077】
第1のRANデバイスから第2のRANデバイスへと、少なくとも1つのQoSフローをハンドオーバーする必要があるということを検出するときに、第1のRANデバイスは、第2のRANデバイスに、QNCの記録されている最新の送信状態テーブルのコンテンツを通知するか、又は、代替的に、第2のRANデバイスに、QNCの記録されている最新の送信状態テーブルの中の通知制御状態が"1"であるQoSフローのコンテンツを通知してもよい。
【0078】
この出願の他の例では、コアネットワークデバイスに最後に通知された通知制御状態が第1の状態である少なくとも1つのQoSフローの識別子のみを、QNCの送信状態テーブルの中に記録してもよい。言い換えると、コアネットワークデバイスに最後に通知されたサービス品質要件を満足することが不可能である少なくとも1つのQoSフローの識別子を記録する。表2は、QNCの送信状態テーブルのある1つの例を示している。
【表2】
【0079】
表2に示されているように、第1のRANデバイスが記録する少なくとも1つのQoSフローは、#1乃至#nによって識別される。コアネットワークデバイスにQoSフローの通知制御状態を通知するたびごとに、第1のRANデバイスは、QNCの記録された送信状態テーブルを更新してもよい。例えば、QoSフロー#1の場合には、QoSフロー#1は、現時点では、表2に記録されており、表2は、QoSフロー#1のサービス品質要件を満足することが不可能であるということを示している。第1のRANデバイスが、その後、QoSフロー#1のサービス品質要件を満足することが可能であるということを検出する場合に、第1のRANデバイスは、QoSフロー#1のサービス品質要件を満足することが可能であるということをコアネットワークデバイスに通知してもよく、それに対応して、表2に記録されているQoSフロー#1を削除してもよい。同様に、第1のRANデバイスが、その後、表2に記録されているQoSフローとは異なる他のQoSフローのサービス品質要件を満足することが不可能であるということを検出し、そして、コアネットワークデバイスに他のQoSフローを通知する場合に、第1のRANデバイスは、また、表2に、他のQoSフローの識別子を追加してもよい。
【0080】
第1のRANデバイスから第2のRANデバイスへと、少なくとも1つのQoSフローをハンドオーバーする必要があるということを検出するときに、第1のRANデバイスは、第2のRANデバイスに、QNCの記録された最新の送信状態テーブルのコンテンツを通知してもよい。
【0081】
もちろん、上記の複数の例は、説明のために使用されるにすぎない。第1のRANデバイスが、この出願のこの実施形態にしたがって、第2のRANデバイスに第1の情報を送信する形態は、それらには限定されない。
【0082】
ステップ402: 第1のRANデバイスが送信する第1の情報を受信した後に、第2のRANデバイスは、コアネットワークデバイスに第2の情報を送信し、第2の情報は、少なくとも1つのQoSフローのうちの第1のQoSフローのサービス品質要件を満足することが可能であるということをコアネットワークデバイスに通知するのに使用され、第1のQoSフローは、通知制御を必要とするとともに、第1のRANデバイスから第2のRANデバイスへのハンドオーバーに成功しているすべてのQoSフローに属する。
【0083】
この出願のこの実施形態においては、少なくとも1つのQoSフローが第1のRANデバイスから第2のRANデバイスへとハンドオーバーされるプロセスにおいて、QoSフローのすべてがハンドオーバーに成功することができるわけではないということが起こりうる。第2のRANデバイスについては、依然としてサービス品質要件を満足することが不可能である複数のQoSフローのうちのいくつかを直接的に削除してもよい。したがって、第2のRANデバイスは、最初に、少なくとも1つのQoSフローから、第1のRANデバイスから第2のRANデバイスへのハンドオーバーに成功しているQoSフロー、すなわち、第1のQoSフローを決定してもよく、そして、その次に、デフォルトで、ハンドオーバーに成功している第1のQoSフローのサービス品質要件を満足することが可能であるということを考慮してもよい。
【0084】
以下の記載は、この出願の実施形態1における第1のRANデバイスと第2のRANデバイスとの間の対話の手順を説明するための2つの特定のシナリオを列記する。
【0085】
シナリオ1: 直接的に接続されるXnインターフェイスが、第1のRANデバイスと第2のRANデバイスとの間に存在する。この場合に、ハンドオーバー手順は、Xnインターフェイスに基づくハンドオーバーであってもよい。
【0086】
図5は、この出願の実施形態1によって提供されるシナリオ1における第1のRANデバイスと第2のRANデバイスとの間の対話の手順を示している。
【0087】
ステップ501: 第1のRANデバイスは、第2のRANデバイスにハンドオーバー要求(handover request)を直接的に送信し、そのハンドオーバー要求は、第1のRANデバイスがコアネットワークデバイスに最後に通知している少なくとも1つのQoSフローの識別子及び少なくとも1つのQoSフローの通知制御状態を搬送し、通知制御状態は、第1の状態であり、QoSフローのサービス品質要件を満足することが不可能であるということを示す。
【0088】
ステップ502: 第2のRANデバイスは、第1のRANデバイスにハンドオーバー要求確認(handover request acknowledge)応答を送信する。
【0089】
シナリオ2: 直接的に接続されるXnインターフェイスは、第1のRANデバイスと第2のRANデバイスとの間には存在しない。コアネットワークデバイスがハンドオーバー手順に参加する。例えば、ハンドオーバー手順は、N2インターフェイスに基づくハンドオーバーであってもよい。
【0090】
図6は、この出願の実施形態1によって提供されるシナリオ2における第1のRANデバイスと第2のRANデバイスとの間の対話の手順を示している。
【0091】
ステップ601: 第1のRANデバイスは、第1のRANデバイスにサービスを提供する第1のAMFネットワーク要素にハンドオーバー要求(handover required)メッセージを送信し、ハンドオーバー要求メッセージは、第1のRANデバイスがコアネットワークデバイスに最後に通知している少なくとも1つのQoSフローの識別子及び少なくとも1つのQoSフローの通知制御状態を搬送し、通知制御状態は、第1の状態であり、QoSフローのサービス品質要件を満足することが不可能であるということを示す。
【0092】
この出願のある1つの例において、ソースからターゲットへの透明コンテナ(source to target transparent container)の中に、少なくとも1つのQoSフローの識別子及び少なくとも1つのQoSフローの通知制御状態を含めてもよく、そのコンテナは、コアネットワークを使用することによって、第1のRANデバイスが第2のRANデバイスに送信するコンテンツを含む。AMFネットワーク要素は、転送を実行するにすぎず、そのコンテナの中のコンテンツを認識しない。
【0093】
ステップ602: 第1のAMFネットワーク要素は、第2のRANデバイスにサービスを提供する第2のAMFネットワーク要素を選択する。
【0094】
ステップ603: 第1のAMFネットワーク要素は、第2のAMFネットワーク要素にUEコンテキスト作成要求(namf_communication_createUEcontext request)を送信し、UEコンテキスト作成要求は、少なくとも1つのQoSフローの識別子及び少なくとも1つのQoSフローの通知制御状態を搬送する。
【0095】
ステップ604: 第2のAMFネットワーク要素及びSMFネットワーク要素は、PDUセッションのセッション管理コンテキスト更新手順を実行して、N4インターフェイスに基づいて、セッション確立手順を実行する。
【0096】
ステップ605: 第2のAMFネットワーク要素は、第2のRANデバイスにハンドオーバー要求(handover request)を送信し、ハンドオーバー要求は、第1のRANデバイスがコアネットワークデバイスに最後に通知している少なくとも1つのQoSフローの識別子及び少なくとも1つのQoSフローの通知制御状態を搬送する。
【0097】
ステップ606: 第2のRANデバイスは、第2のAMFネットワーク要素にハンドオーバー要求確認(handover request acknowledge)応答を送信する。
【0098】
ステップ607: 第2のAMFネットワーク要素及びSMFネットワーク要素は、PDUセッションのセッション管理コンテキスト更新手順を実行して、N4インターフェイスに基づいて、セッション修正手順を実行する。
【0099】
ステップ608: 第2のAMFネットワーク要素は、第1のAMFネットワーク要素に、UEコンテキスト作成応答(namf_communication_createUEcontext response)を送信する。
【0100】
シナリオ1及びシナリオ2において、第2のRANデバイスは、少なくとも1つのQoSフローのサービス品質要件を満足することが不可能であるということを、第1のRANデバイスがコアネットワークデバイスに通知しているということを決定した後に、第2のRANデバイスが、少なくとも1つのQoSフローのうちの第1のQoSフローが第1のRANデバイスから第2のRANデバイスへのハンドオーバーに成功しているということを検出するときに、コアネットワークデバイスが、適時的な方法で、ハンドオーバーに成功している第1のQoSフローの最新の通知制御状態を知ることを可能とし、この出願の本実施形態において、第2のRANデバイスは、ハンドオーバーに成功している第1のQoSフローのサービス品質要件を満足することが可能であることをコアネットワークデバイスに直接的に通知してもよい。
【0101】
上記の手順において、第1のRANデバイス又は第2のRANデバイスは、以下の2つの実装において、コアネットワークデバイスにQoSフローの通知制御状態を通知してもよい。
【0102】
ある1つの第1の実装において、第1のRANデバイス又は第2のRANデバイスは、AMFネットワーク要素を使用することによって、SMFネットワーク要素にQoSフローの通知制御状態を通知してもよい。QoSフローの通知制御状態を知るときに、SMFネットワーク要素は、ローカルポリシーにしたがってセッション管理ポリシー修正手順を実行して、QoSフローを修正し又は削除してもよい。
【0103】
第2の実装において、第1のRANデバイス又は第2のRANデバイスは、AMFネットワーク要素を使用することによって、SMFネットワーク要素にQoSフローの通知制御状態を通知してもよい。そのSMFネットワーク要素は、さらに、PCFネットワーク要素にQoSフローの通知制御状態を通知してもよく、それによって、SMFネットワーク要素及びPCFネットワーク要素は、ダイナミックPCC規則にしたがってセッション管理ポリシー修正手順を実行して、そのQoSフローを修正し又は削除する。
【0104】
第2の実装において、第2のRANデバイスが送信する少なくとも1つのQoSフローのうちの第1のQoSフローのサービス品質要件を満足することが可能であるということを示している情報、すなわち、第2の情報を受信した後に、SMFネットワーク要素は、第1のQoSフローのサービス品質要件を満足することが可能であるということをPCFネットワーク要素に通知してもよい。
【0105】
加えて、第2のRANデバイスが、少なくとも1つのQoSフローのうちの第1のQoSフローのサービス品質要件を満足することが可能であるということをコアネットワークデバイスに通知した後に、ある1つの実装において、第2のRANデバイスが、その後、第1のQoSフローのサービス品質要件を満足することが不可能であるということを検出する場合は、第2のRANデバイスは、コアネットワークデバイスに第3の情報を直ちに送信してもよく、第3の情報は、第1のQoSフローのサービス品質要件を満足することが不可能であるということをコアネットワークデバイスに通知するのに使用される。あらかじめ設定されている時間的な長さの後にのみ、QoSフローの通知制御状態を再び通知することが可能である従来技術と比較して、この出願によって提案される上記の複数の実装は、遅延を減少させることが可能であり、それによって、コアネットワークデバイスは、適時的な方式で、コアネットワークの側のQoSフローの最新の通知制御状態を認識することが可能である。
【0106】
実施形態1によって提供される方式において、少なくとも1つのQoSフローが第1のRANデバイスから第2のRANデバイスへとハンドオーバーされるプロセスにおいては、また、同じ時点において、第1のRANデバイスから第2のRANデバイスへと、少なくとも1つのQoSフローの通知制御状態を転送してもよく、それによって、第2のRANデバイスは、第1のRANデバイスがコアネットワークデバイスに通知している少なくとも1つのQoSフローの通知制御状態を正確に知ることが可能である。このことは、コアネットワークデバイスが現時点で記録しているQoSフローの通知制御状態を知ることと同義である。この場合には、第2のRANデバイスは、コアネットワークデバイスに、ハンドオーバーされているQoSフローの通知制御状態を通知し、それによって、アクセスネットワークの側で記録されているとともにハンドオーバーされているQoSフローの通知制御状態と、コアネットワークの側で認識されるQoSフローの通知制御状態を同期させることが可能であり、コアネットワークデバイスは、誤ったポリシー決定を行うことを回避することが可能である。
【0107】
[実施形態2]
図7は、この出願の実施形態2にしたがった通信方法の概略的なフローチャートである。この方法には、以下のステップを含む。
【0108】
ステップ701: 少なくとも1つのQoSフローが、第1のRANデバイスから第2のRANデバイスへとハンドオーバーされているときに、第2のRANデバイスは、コアネットワークデバイスに第4の情報を送信し、第4の情報は、少なくとも1つのQoSフローのサービス品質要件を満足することが可能であるということをコアネットワークデバイスに通知するのに使用される。
【0109】
この出願の実施形態2においては、少なくとも1つのQoSフローは、通知制御を必要とするとともに、第1のRANデバイスから第2のRANデバイスへのハンドオーバーに成功しているQoSフローのすべてであると理解されてもよい。
【0110】
第2のRANデバイスは、AMFネットワーク要素に第4の情報を送信し、その次に、AMFネットワーク要素は、SMFネットワーク要素に第4の情報を転送して、少なくとも1つのQoSフローのサービス品質要件を満足することが可能であるということをSMFネットワーク要素に通知する。さらに、第2のRANデバイスが送信する第4の情報を受信した後に、SMFネットワーク要素は、さらに、PCFネットワーク要素に第5の情報を送信してもよく、第5の情報は、少なくとも1つのQoSフローのサービス品質要件を満足することが可能であるということをPCFネットワーク要素に通知するのに使用される。
【0111】
特定の実装の際に、第4の情報を受信した後に、SMFネットワーク要素は、少なくとも1つのQoSフローの記録されている通知制御状態を更新してもよい。通知制御状態は、第1の状態及び第2の状態を含む。第1の状態は、少なくとも1つのQoSフローのサービス品質要件を満足することが不可能であるということを示すのに使用され、第2の状態は、少なくとも1つのQoSフローのサービス品質要件を満足することが可能であるということを示すのに使用される。SMFネットワーク要素は、さらに、ある特定の状況に依存して、PCFネットワーク要素に少なくとも1つのQoSフローの更新された通知制御状態を通知するか否かを決定してもよい。
【0112】
この出願のある1つの例において、第2のRANデバイスが通知する少なくとも1つのQoSフローの通知制御状態が、第2の状態であるということを示している情報、すなわち、第4の情報を受信した後に、SMFネットワーク要素は、第1のRANデバイスから、少なくとも1つのQoSフローの通知制御状態が第1の状態であるということを示している情報を受信しているか否かを決定してもよい。決定の結果が受信していないということである場合に、その結果は、ハンドオーバーの前に、コアネットワークの側が、少なくとも1つのQoSフローのサービス品質要件を満足することが不可能であるという通知を受信していないということを示している。この場合には、SMFネットワーク要素は、少なくとも1つのQoSフローの通知制御状態が第2の状態であるということをPCFネットワーク要素に繰り返して通知する必要はない場合がある。決定の結果が受信しているということである場合には、その結果は、ハンドオーバーの前に、コアネットワークの側は、少なくとも1つのQoSフローのサービス品質要件を満足することが不可能であるということを示している通知を受信しているということを示していてもよい。ハンドオーバーの後にコアネットワークの側及び第2のRANデバイスが記録しているQoSフローの通知制御状態を互いに同期させることが可能であるということを保証するために、第1のRANデバイスが通知する少なくとも1つのQoSフローの最新の受信した通知制御状態が第1の状態であるということを決定した後に、SMFネットワーク要素は、PCFネットワーク要素に第5の情報を送信して、少なくとも1つのQoSフローの通知制御状態が第2の状態であるということをPCFネットワーク要素に通知してもよい。
【0113】
以下の記載は、ある特定のシナリオを参照して、図8に示されているように、第2のRANデバイスが、この出願の実施形態2にしたがって、コアネットワークデバイスに少なくとも1つのQoSフローの通知制御状態を通知するプロセスを説明する。
【0114】
第1のRANデバイスにサービスを提供する第1のUPFセッションと端末デバイスとの間に存在しているとともに第1のRANデバイスを使用することによって確立されるPDUセッションは、第2のRANデバイスにサービスを提供する第2のUPFネットワーク要素と端末デバイスとの間に存在するとともに第2のRANデバイスを使用することによって確立されるPDUセッションに切り替えられているということを仮定する。加えて、少なくとも1つのQoSフローは、また、端末デバイス、第1のRANデバイス、及び第1のUPFを含むエンドトゥエンドパスから、端末デバイス、第2のRANデバイス、及び第2のUPFを含むエンドトゥエンドパスにハンドオーバーされる。
【0115】
ステップ801: 第2のRANデバイスは、AMFネットワーク要素にN2メッセージを送信し、N2メッセージは、PDUセッションの識別子及びN2セッション管理(session management, SM)情報を含む。N2 SMメッセージは、少なくとも1つのQoSフローのQFI及び少なくとも1つのQoSフローの通知制御状態、すなわち、第2の状態を含む。
【0116】
選択的に、N2 SMメッセージは、サービス品質要件を満足することが不可能であり、且つ、通知制御を必要とする他のQoSフローのQFI及び他のQoSフローの通知制御状態をさらに含んでもよく、他のQoSフローの通知制御状態は、第1の状態である。
【0117】
ステップ802: AMFネットワーク要素は、SMFネットワーク要素に、PDUセッションのセッション管理コンテキスト更新要求(nsmf_PDUsession_updateSMcontext request)を送信し、その要求は、少なくとも1つのQoSフローのQFI及び少なくとも1つのQoSフローの通知制御状態を含んでもよく、少なくとも1つのQoSフローの通知制御状態は、第2の状態である。選択的に、その要求は、他のQoSフローのQFI及び他のQoSフローの通知制御状態をさらに含んでもよく、他のQoSフローの通知制御状態は、第1の状態である。
【0118】
ステップ803: 要求を受信した後に、SMFネットワーク要素は、ある特定の状況に依存して、第2のRANデバイスが報告するとともに通知制御状態が第2の状態であるQoSフローをPCFネットワーク要素に通知するか否かを決定する。このプロセスについては、実施形態1における説明を参照するべきである。第2のRANデバイスが報告するとともに通知制御状態が第1の状態であるQoSフローについては、SMFネットワーク要素は、既存の手順にしたがってセッション管理ポリシー修正手順を開始して、QoSフローを削除し又は修正してもよい。
【0119】
実施形態2において、第2のRANデバイスは、通知制御を必要とするとともに第1のRANデバイスからのハンドオーバーに成功している少なくとも1つのQoSフローの通知制御状態をコアネットワークデバイスに送信してもよく、それによって、コアネットワークデバイスは、適時的な方式で、ハンドオーバーされているQoSフローの通知制御状態を正確に認識して、コアネットワークデバイスが誤ったポリシー決定を行うことを防止することが可能である。
【0120】
[実施形態3]
図9は、この出願の実施形態3にしたがった通信方法の概略的なフローチャートである。その方法は、以下のステップを含む。
【0121】
ステップ901: SMFネットワーク要素は、第1のRANデバイスが送信する少なくとも1つのQoSフローの受信した通知制御状態を決定する。
【0122】
この出願の実施形態3においては、少なくとも1つのQoSフローは、ハンドオーバーの前の端末デバイスのPDUセッションにおいて通知制御を必要とする対応するQoSフローとして理解されてもよい。通知制御状態は、第1の状態及び第2の状態を含む。第1の状態は、QoSフローのサービス品質要件を満足することが不可能であるということを示すのに使用され、第2の状態は、QoSフローのサービス品質要件を満足することが可能であるということを示すのに使用される。
【0123】
ステップ902: 少なくとも1つのQoSフローのうちの第2のQoSフローが、第1のRANデバイスから第2のRANデバイスへとハンドオーバーされているときに、SMFネットワーク要素は、その第2のQoSフローのうちで通知制御状態が第1の状態である第3のQoSフローを決定し、第3のQoSフローの通知制御状態を第2の状態に更新する。
【0124】
ステップ903: SMFネットワーク要素は、PCFネットワーク要素に第6の情報を送信し、第6の情報は、第3のQoSフローの通知制御状態が第2の状態であるということをPCFネットワーク要素に通知するのに使用される。
【0125】
この出願のある1つの例において、SMFネットワーク要素は、AMFネットワーク要素が送信する第7の情報を受信してもよい。第7の情報は、第1のRANデバイスから第2のRANデバイスへのハンドオーバーに成功している第2のQoSフローの識別子を含んでもよく、第1のRANデバイスから第2のRANデバイスへのハンドオーバーに成功しているPDUセッションの識別子をさらに含んでもよく、それによって、SMFネットワーク要素は、ハンドオーバーに成功しているPDUセッション及び第2のQoSフローに関する情報を決定する。
【0126】
第1のRANデバイスと第2のRANデバイスとの間のPDUセッション及びQoSフローのハンドオーバーが、Xnインターフェイスに基づいている場合に、第1のRANデバイス又は第2のRANデバイスは、AMFネットワーク要素に、ハンドオーバーに成功しているPDUセッション及び第2のQoSフローを通知してもよく、その次に、AMFネットワーク要素は、SMFネットワーク要素に、ハンドオーバーに成功しているPDUセッション及び第2のQoSフローを通知する。第1のRANデバイスと第2のRANデバイスとの間のPDUセッション及びQoSフローのハンドオーバーが、N2インターフェイスに基づいている場合に、AMFネットワーク要素は、ハンドオーバーの際に、ハンドオーバーに成功しているPDUセッション及び第2のQoSフローを認識することが可能であり、そして、その次に、SMFネットワーク要素に、ハンドオーバーに成功しているPDUセッション及び第2のQoSフローを直接的に通知してもよい。
【0127】
少なくとも1つのQoSフローのうちでハンドオーバーに成功している第2のQoSフローについて、SMFネットワーク要素は、最初に、第1のRANデバイスから最後に受信している少なくとも1つのQoSフローの通知制御状態のうちの第2のQoSフローの通知制御状態が第1の状態であるか否かを決定してもよい。第2のQoSフローのうちで通知制御状態が第1の状態である第3のQoSフローについて、SMFネットワーク要素は、デフォルトで、第3のQoSフローのサービス品質要件を満足することが可能であると考え、そして、第3のQoSフローのサービス品質要件を満足することが可能であるということをPCFネットワーク要素に通知してもよい。第2のQoSフローのうちで通知制御状態が第2の状態である第4のQoSフローの場合には、コアネットワークの側が記録する第4のQoSフローのサービス品質要件を満足しているため、SMFネットワーク要素は、PCFネットワーク要素に、第4のQoSフローの通知制御状態を繰り返して通知する必要がない場合がある。
【0128】
少なくとも1つのQoSフローのうちで、第1のRANデバイスから第2のRANデバイスへのハンドオーバーに成功しているQoSフローが存在しない場合には、SMFネットワーク要素は、既存の手順にしたがって、PCFネットワーク要素に通知してもよく、それによって、PCFネットワーク要素は、QoSフローに対して再びポリシー決定を行う。
【0129】
具体的には、SMFネットワーク要素は、セッション管理ポリシー関連性修正(SM policy association modification)手順を開始するときに、PCFネットワーク要素に、関連するQoSフローの通知制御状態を通知してもよい。ポリシー制御要求トリガ(policy control request trigger)が、PCFネットワーク要素のために構成される。PCFネットワーク要素は、SMFネットワーク要素が送信する通知を識別してもよく、その通知は、第3のQoSフローのサービス品質要件を満足することが可能であるということを示している情報を含む。その次に、PCFネットワーク要素は、SMFネットワーク要素が送信する通知に基づいてポリシー決定を行い、そして、SMFネットワーク要素にポリシー決定の結果を送信してもよい。
【0130】
実施形態3においては、一般的に、第1のRANデバイスでは、QoSフローのサービス品質要件を満足することが不可能であり、QoSフローは、サービス品質要件を満足することが可能である第2のRANデバイスにハンドオーバーされる必要があるため、第1のRANデバイスと第2のRANデバイスとの間でそのQoSフローをハンドオーバーする。このことに基づいて、ハンドオーバーに成功しているQoSフローを決定した後に、SMFネットワーク要素は、デフォルトで、以前に記録されているQoSフローのサービス品質要件を満足することはできないが、現在のものは満足することが可能であると考え、PCFネットワーク要素に通知することが可能であり、それによって、PCFネットワーク要素は、適時的な方式で、ハンドオーバーに成功しているQoSフローの状態を認識し、そして、誤った決定を行うことを回避することが可能である。
【0131】
[実施形態4]
図10は、この出願の実施形態4にしたがった通信方法の概略的なフローチャートである。その方法は、以下のステップを含む。
【0132】
ステップ1001: SMFネットワーク要素は、少なくとも1つのQoSフローが第1のRANデバイスから第2のRANデバイスへとハンドオーバーされているということを決定する。
【0133】
この出願の実施形態4においては、少なくとも1つのQoSフローは、第1のRANデバイスから第2のRANデバイスへのハンドオーバーに成功しているQoSフローとして理解されてもよい。例えば、AMFネットワーク要素の通知により、SMFネットワーク要素は、少なくとも1つのQoSフローがハンドオーバーに成功しているということを決定してもよい。詳細については、実施形態3の関連する説明を参照するべきである。
【0134】
ステップ1002: SMFネットワーク要素は、PCFネットワーク要素に第8の情報を送信し、第8の情報は、少なくとも1つのQoSフローが第1のRANデバイスから第2のRANデバイスへとハンドオーバーされているということを示すのに使用される。
【0135】
実施形態3との相違点は、この出願の実施形態4においては、SMFネットワーク要素が、セッション管理ポリシー関連性修正(SM policy association modification)を開始する手順において、少なくとも1つのQoSフローがハンドオーバーに成功しているということをPCFネットワーク要素に通知してもよいということである。さらに、PCFネットワーク要素は、少なくとも1つのQoSフローの記録されている通知制御状態を更新する。通知制御状態は、第1の状態及び第2の状態を含む。第1の状態は、QoSフローのサービス品質要件を満足することが不可能であるということを示すのに使用され、第2の状態は、QoSフローのサービス品質要件を満足することが可能であるということを示すのに使用される。
【0136】
ステップ1003: 第8の情報を受信した後に、PCFネットワーク要素は、少なくとも1つのQoSフローのうちで通知制御状態が第1の状態であるQoSフローを決定し、そして、決定したQoSフローの通知制御状態を第2の状態に更新する。
【0137】
ある1つの実装において、PCFネットワーク要素のためにハンドオーバー指示トリガ(handover indication trigger)を構成してもよい。SMFネットワーク要素が送信するとともに、少なくとも1つのQoSフローのハンドオーバーが成功しているということを示す第8の情報を受信した後に、そのQoSフローの通知制御状態を更新する操作を実行するようにPCFネットワーク要素をトリガしてもよい。その次に、PCFネットワーク要素は、QoSフローの最新の且つ更新された通知制御状態に基づいてポリシー決定を行い、SMFネットワーク要素にポリシー決定結果を送信してもよい。
【0138】
実施形態4においては、少なくとも1つのQoSフローがハンドオーバーに成功しているということを決定した後に、SMFネットワーク要素は、少なくとも1つのQoSフローがハンドオーバーに成功しているということをPCFネットワーク要素に通知してもよく、そして、その次に、PCFネットワーク要素は、少なくとも1つのQoSフローの通知制御状態を更新し、それによって、PCFネットワーク要素は、適時的な方式で、ハンドオーバーに成功しているQoSフローの状態を認識することが可能であり、可能な限り、誤った決定を行うことを回避することが可能である。
【0139】
同じ技術的概念に基づいて、以下の記載は、複数の添付の図面を参照して、この出願の複数の実施形態によって提供される通信装置を説明する。
【0140】
この出願のある1つの実施形態は、通信装置を提供し、その通信装置は、上記の方法の実施形態1における第1のRANデバイスを実装する機能を有する。例えば、その通信装置は、第1のRANデバイスによって上記の方法の実施形態1における複数のステップを実行するための対応するモジュール、ユニット、又は手段(means)を含む。それらの機能、モジュール、ユニット、又は、手段(means)は、ソフトウェアによって実装されてもよく、或いは、ハードウェアによって実装されてもよく、或いは、対応するソフトウェアを実行するハードウェアによって実装されてもよい。
【0141】
図11は、この出願のある1つの実施形態にしたがった通信装置1100の概略的な構成図である。その装置1100は、プロセッサ1101及びトランシーバー1102を含む。プロセッサ1101は、第1のRANデバイスが上記の方法の実施形態1における機能を実行するのを支援するように構成される。トランシーバー1102は、第1のRANデバイスがメッセージを送信し及び受信する機能を実行するのを支援するように構成される。装置1100は、メモリ1103をさらに含んでもよい。プロセッサ1101、トランシーバー1102、及びメモリ1103は、互いに接続される。メモリ1103は、上記の方法の実施形態1において、第1のRANデバイスの機能を実装するのに必要となるコンピュータプログラム命令を格納するように構成されている。プロセッサ1101は、メモリ1103の中に格納されているコンピュータプログラム命令を実行するように構成され、信号を受信し及び送信するようにトランシーバー1102を制御し、上記の方法の実施形態1の中の前記方法の第1のRANデバイスによって対応する機能を実行するステップを完了する。
【0142】
具体的には、プロセッサ1101は、少なくとも1つのサービス品質フローが当該通信装置1100から第2のアクセスネットワークデバイスへとハンドオーバーされるプロセスにおいて、トランシーバー1102を使用することによって、第2のアクセスネットワークデバイスに第1の情報を送信するように構成され、第1の情報は、当該通信装置1100が、少なくとも1つのサービス品質フローのサービス品質要件を満足することが不可能であるということをコアネットワークデバイスに通知しているということを示すのに使用される。
【0143】
ある1つの可能な実装において、第1の情報は、少なくとも1つのサービス品質フローの識別子及び少なくとも1つのサービス品質フローの通知制御状態を含む。通知制御状態は、第1の状態であり、第1の状態は、少なくとも1つのサービス品質フローのサービス品質要件を満足することが不可能であるということを示すのに使用される。
【0144】
ある1つの可能な実装において、プロセッサ1101は、特に、トランシーバー1102を使用することによって、第2のアクセスネットワークデバイスに接続されるインターフェイスを通じて、第2のアクセスネットワークデバイスに第1の情報を送信するか、又は、トランシーバー1102及びAMFネットワーク要素を使用することによって、第2のアクセスネットワークデバイスに第1の情報を送信する、ように構成される。
【0145】
プロセッサ1101及びトランシーバー1102が実行する複数の特定のステップについては、上記の方法の実施形態1において第1のRANデバイスが実行する複数のステップにおける関連する説明を参照するべきである。
【0146】
代替的に、通信装置1100は、複数の論理ユニットを使用することによって実装されてもよい。図12は、この出願のある1つの実施形態にしたがった通信装置1200の概略的な構成図である。その装置1200は、処理モジュール1201及びトランシーバー1202を含む。処理モジュール1201は、上記の通信装置1100の中のプロセッサ1101に対応し、トランシーバーモジュール1202は、上記の通信装置1100の中のトランシーバー1102に対応する。処理モジュール1201及びトランシーバーモジュール1202は、それぞれ、上記の方法の実施形態1における第1のRANデバイスの対応する機能を実装するように構成されてもよい。ある特定の実装プロセスについては、上記の方法の実施形態1及び通信装置1100の関連する説明を参照するべきである。本明細書においては、詳細は説明されない。
【0147】
この出願のある1つの実施形態は、他の通信装置を提供し、その通信装置は、上記の方法の実施形態1又は2における第2のRANデバイスを実装する機能を有する。例えば、その通信装置は、第2のRANデバイスによって上記の方法の実施形態1又は2における複数のステップを実行するための対応するモジュール、ユニット、又は手段(means)を含む。それらの機能、モジュール、ユニット、又は、手段(means)は、ソフトウェアによって実装されてもよく、或いは、ハードウェアによって実装されてもよく、或いは、対応するソフトウェアを実行するハードウェアによって実装されてもよい。
【0148】
図13は、この出願のある1つの実施形態にしたがった通信装置1300の概略的な構成図である。その装置1300は、プロセッサ1301及びトランシーバー1302を含む。プロセッサ1301は、第2のRANデバイスが上記の方法の実施形態1又は2における機能を実行するのを支援するように構成される。トランシーバー1302は、第2のRANデバイスがメッセージを受信し及び送信する機能を実行するのを支援するように構成される。装置1300は、メモリ1303をさらに含んでもよい。プロセッサ1301、トランシーバー1302、及びメモリ1303は、互いに接続される。メモリ1303は、上記の方法の実施形態1又は2において、第2のRANデバイスの機能を実装するのに必要となるコンピュータプログラム命令を格納するように構成されている。プロセッサ1301は、メモリ1303の中に格納されているコンピュータプログラム命令を実行するように構成され、信号を受信し及び送信するようにトランシーバー1302を制御し、上記の方法の実施形態1又は2の中の第2のRANデバイスによって対応する機能を実行するステップを完了する。
【0149】
ある1つの可能な設計において、プロセッサ1301は、トランシーバー1302を使用することによって、第1のアクセスネットワークデバイスが送信する第1の情報を受信するように構成され、第1の情報は、第1のアクセスネットワークデバイスが、少なくとも1つのサービス品質フローのサービス品質要件を満足することが不可能であるということをコアネットワークデバイスに通知しているということを示すのに使用される。プロセッサ1301は、さらに、トランシーバー1302を使用することによって、コアネットワークデバイスに第2の情報を送信するように構成され、第2の情報は、少なくとも1つのサービス品質フローのうちの第1のサービス品質フローのサービス品質要件を満足することが可能であるということをコアネットワークデバイスに通知するのに使用され、第1のサービス品質フローは、第1のアクセスネットワークデバイスから当該通信装置1300へとハンドオーバーされているサービス品質フローである。
【0150】
プロセッサ1301は、さらに、第1のサービス品質フローのサービス品質要件を満足することが不可能であるということを検出するときに、トランシーバー1302を使用することによって、コアネットワークデバイスに第3の情報を送信するように構成され、第3の情報は、第1のサービス品質フローのサービス品質要件を満足することが不可能であるということをコアネットワークデバイスに通知するのに使用される。
【0151】
他の可能な設計において、少なくとも1つのサービス品質フローが、第1のアクセスネットワークデバイスから当該通信装置1300へとハンドオーバーされているときに、プロセッサ1301は、トランシーバー1302を使用することによって、コアネットワークデバイスに第4の情報を送信するように構成され、第4の情報は、少なくとも1つのサービス品質フローのサービス品質要件を満足することが可能であるということをコアネットワークデバイスに通知するのに使用される。選択的に、少なくとも1つのサービス品質フローは、第1のアクセスネットワークデバイスから当該通信装置1300へとハンドオーバーされているとともに、通知制御を必要とするすべてのサービス品質フローに属している。
【0152】
プロセッサ1301及びトランシーバー1302が実行する複数の特定のステップについては、方法の実施形態1又は2において第2のRANデバイスが実行するステップの関連する説明を参照するべきである。本明細書においては、詳細は説明されない。
【0153】
代替的に、通信装置1300は、複数の論理ユニットを使用することによって実装されてもよい。図14は、この出願のある1つの実施形態にしたがった通信装置1400の概略的な構成図である。その装置1400は、処理モジュール1401及びトランシーバー1402を含む。処理モジュール1401は、上記の通信装置1300の中のプロセッサ1301に対応し、トランシーバーモジュール1402は、上記の通信装置1300の中のトランシーバー1302に対応する。処理モジュール1401及びトランシーバーモジュール1402は、それぞれ、上記の方法の実施形態1又は方法の実施形態2における第2のRANデバイスの対応する機能を実装するように構成されてもよい。ある特定の実装プロセスについては、上記の方法の実施形態1又は方法の実施形態2及び通信装置1300の関連する説明を参照するべきである。本明細書においては、詳細は説明されない。
【0154】
この出願のある1つの実施形態は、他の通信装置を提供し、その通信装置は、上記の方法の実施形態1乃至方法の実施形態4のうちのいずれか1つにおけるSMFネットワーク要素を実装する機能を有する。例えば、その通信装置は、SMFネットワーク要素によって上記の方法の実施形態1乃至方法の実施形態4における複数のステップを実行するための対応するモジュール、ユニット、又は手段(means)を含む。それらの機能、モジュール、ユニット、又は、手段(means)は、ソフトウェアによって実装されてもよく、或いは、ハードウェアによって実装されてもよく、或いは、対応するソフトウェアを実行するハードウェアによって実装されてもよい。
【0155】
図15は、この出願のある1つの実施形態にしたがった通信装置1500の概略的な構成図である。その装置1500は、プロセッサ1501及びトランシーバー1502を含む。プロセッサ1501は、SMFネットワーク要素が上記の方法の実施形態1乃至方法の実施形態4のうちのいずれか1つにおける機能を実行するのを支援するように構成される。トランシーバー1502は、SMFネットワーク要素がメッセージを受信し及び送信する機能を実行するのを支援するように構成される。装置1500は、メモリ1503をさらに含んでもよい。プロセッサ1501、トランシーバー1502、及びメモリ1503は、互いに接続される。メモリ1503は、上記の方法の実施形態1乃至方法の実施形態4のうちのいずれか1つにおいて、SMFネットワーク要素の機能を実装するのに必要となるコンピュータプログラム命令を格納するように構成されている。プロセッサ1501は、メモリ1503の中に格納されているコンピュータプログラム命令を実行するように構成され、信号を受信し及び送信するようにトランシーバー1502を制御し、方法の実施形態1乃至方法の実施形態4のうちのいずれか1つのSMFネットワーク要素によって対応する機能を実行するステップを完了する。
【0156】
第1の可能な設計において、プロセッサ1501は、トランシーバー1502を使用することによって、第2のアクセスネットワークデバイスが送信する少なくとも1つのサービス品質フローの通知制御状態を受信するように構成される。少なくとも1つのサービス品質フローは、第1のアクセスネットワークデバイスから前記第2のアクセスネットワークデバイスへとハンドオーバーされているサービス品質フローであり、前記通知制御状態は、第2の状態であり、第2の状態は、少なくとも1つのサービス品質フローのサービス品質要件を満足することが可能であるということを示すのに使用される。プロセッサ1501は、さらに、トランシーバーモジュールを使用することによって、ポリシー制御機能PCFネットワーク要素に第5の情報を送信するように構成され、第5の情報は、少なくとも1つのサービス品質フローのサービス品質要件を満足することが可能であるということをPCFネットワーク要素に通知するのに使用される。
【0157】
選択的に、プロセッサ1501は、さらに、トランシーバー1502を使用することによって、PCFネットワーク要素に第5の情報を送信する前に、第1のアクセスネットワークデバイスが送信する前記少なくとも1つのサービス品質フローの受信した通知制御状態が第1の状態であるということを決定するように構成され、第1の状態は、少なくとも1つのサービス品質フローのサービス品質要件を満足することが不可能であるということを示すのに使用される。
【0158】
第2の可能な設計においては、プロセッサ1501は、第1のアクセスネットワークデバイスが送信する少なくとも1つのサービス品質フローの受信した通知制御状態を決定するように構成されてもよい。さらに、プロセッサ1501は、さらに、少なくとも1つのサービス品質フローのうちの第2のサービス品質フローが、第1のアクセスネットワークデバイスから第2のアクセスネットワークデバイスへとハンドオーバーされているときに、第2のサービス品質フローのうちで通知制御状態が第1の状態である第3のサービス品質フローを決定するように構成される。さらに、プロセッサ1501は、第3のサービス品質フローの通知制御状態を第2の状態に更新し、そして、トランシーバー1502を使用することによって、ポリシー制御機能PCFネットワーク要素に第6の情報を送信する、ように構成され、第6の情報は、第3のサービス品質フローの前記通知制御状態が第2の状態であるということを前記PCFネットワーク要素に通知するのに使用される。
【0159】
第1の状態は、少なくとも1つのサービス品質フローのサービス品質要件を満足することが不可能であるということを示すのに使用され、第2の状態は、前記少なくとも1つのサービス品質フローのサービス品質要件を満足することが可能であるということを示すのに使用される。
【0160】
選択的に、プロセッサ1501は、さらに、トランシーバー1502を使用することによって、AMFネットワーク要素が送信する第7の情報を受信するように構成されてもよく、第7の情報は、第1のアクセスネットワークデバイスから第2のアクセスネットワークデバイスへとハンドオーバーされている第2のサービス品質フローの識別子を含む。
【0161】
第3の可能な設計において、プロセッサ1501は、少なくとも1つのQoSフローが、第1のアクセスネットワークデバイスから第2のアクセスネットワークデバイスへとハンドオーバーされているということを決定するように構成されてもよい。その次に、プロセッサ1501は、トランシーバー1502を使用することによって、PCFネットワーク要素に第8の情報を送信するようにさらに構成されてもよく、第8の情報は、少なくとも1つのQoSフローが、第1のアクセスネットワークデバイスから第2のアクセスネットワークデバイスへとハンドオーバーされているということを示すのに使用される。
【0162】
プロセッサ1501及びトランシーバー1502が実行する特定のステップについては、上記の方法の実施形態1乃至方法の実施形態4においてSMFネットワーク要素が実行するステップの関連する説明を参照するべきである。本明細書においては、詳細は説明されない。
【0163】
代替的に、通信装置1500は、複数の論理ユニットを使用することによって実装されてもよい。図16は、この出願のある1つの実施形態にしたがった通信装置1600の概略的な構成図である。その装置1600は、処理モジュール1601及びトランシーバー1602を含む。処理モジュール1601は、上記の通信装置1500の中のプロセッサ1501に対応し、トランシーバーモジュール1602は、上記の通信装置1500の中のトランシーバー1502に対応する。処理モジュール1601及びトランシーバーモジュール1602は、それぞれ、上記の方法の実施形態1乃至方法の実施形態4のうちのいずれか1つにおけるSMFネットワーク要素の対応する機能を実装するように構成されてもよい。ある特定の実装プロセスについては、上記の方法の実施形態1乃至方法の実施形態4及び通信装置1500の関連する説明を参照するべきである。本明細書においては、詳細は説明されない。
【0164】
この出願のある1つの実施形態は、他の通信装置を提供し、その通信装置は、上記の方法の実施形態4におけるPCFネットワーク要素を実装する機能を有する。例えば、その通信装置は、PCFネットワーク要素によって上記の方法の実施形態4における複数のステップを実行するための対応するモジュール、ユニット、又は手段(means)を含む。それらの機能、モジュール、ユニット、又は、手段(means)は、ソフトウェアによって実装されてもよく、或いは、ハードウェアによって実装されてもよく、或いは、対応するソフトウェアを実行するハードウェアによって実装されてもよい。
【0165】
図17は、この出願のある1つの実施形態にしたがった通信装置1700の概略的な構成図である。その装置1700は、プロセッサ1701及びトランシーバー1702を含む。プロセッサ1701は、PCFネットワーク要素が上記の方法の実施形態4における機能を実行するのを支援するように構成される。トランシーバー1702は、PCFネットワーク要素がメッセージを受信し及び送信する機能を実行するのを支援するように構成される。装置1700は、メモリ1703をさらに含んでもよい。プロセッサ1701、トランシーバー1702、及びメモリ1703は、互いに接続される。メモリ1703は、上記の方法の実施形態4において、PCFネットワーク要素の機能を実装するのに必要となるコンピュータプログラム命令を格納するように構成されている。プロセッサ1701は、メモリ1703の中に格納されているコンピュータプログラム命令を実行するように構成され、信号を受信し及び送信するようにトランシーバー1702を制御し、方法の実施形態4のPCFネットワーク要素によって対応する機能を実行するステップを完了する。
【0166】
具体的には、プロセッサ1701は、トランシーバー1702を使用することによって、SMFネットワーク要素が送信する第8の情報を受信するように構成されてもよく、第8の情報は、少なくとも1つのQoSフローが、第1のアクセスネットワークデバイスから第2のアクセスネットワークデバイスへとハンドオーバーされるということを示すのに使用される。その次に、プロセッサ1701は、少なくとも1つのQoSフローのうちで通知制御状態が第1の状態であるQoSフローを決定し、そして、決定されたQoSフローの通知制御状態を第2の状態に更新してもよい。第1の状態は、決定されたQoSフローのサービス品質要件を満足することが不可能であるということを示すのに使用され、第2の状態は、決定されたQoSフローのサービス品質要件を満足することが可能であるということを示すのに使用される。
【0167】
プロセッサ1701及びトランシーバー1702が実行する特定のステップについては、上記の方法の実施形態4においてPCFネットワーク要素が実行するステップの関連する説明を参照するべきである。本明細書においては、詳細は説明されない。
【0168】
代替的に、通信装置1700は、複数の論理ユニットを使用することによって実装されてもよい。図18は、この出願のある1つの実施形態にしたがった通信装置1800の概略的な構成図である。その装置1800は、処理モジュール1801及びトランシーバー1802を含む。処理モジュール1801は、上記の通信装置1700の中のプロセッサ1701に対応し、トランシーバーモジュール1802は、上記の通信装置1700の中のトランシーバー1702に対応する。処理モジュール1801及びトランシーバーモジュール1802は、それぞれ、上記の方法の実施形態4におけるPCFネットワーク要素の対応する機能を実装するように構成されてもよい。ある特定の実装プロセスについては、上記の方法の実施形態4及び通信装置1700の関連する説明を参照するべきである。本明細書においては、詳細は説明されない。
【0169】
この出願の複数の実施形態の複数の添付の図面においては、通信装置の単純化された設計のみが示されているということを理解することが可能である。実際の適用においては、上記の通信装置は、上記の構成には限定されない。例えば、第1のRANデバイス又は第2のRANデバイスについて、ある特定の構造は、アンテナアレイ、デュープレクサ、及びベースバンド処理部等をさらに含んでもよい。
【0170】
この出願の実施形態におけるプロセッサは、中央処理ユニット(Central Processing Unit, CPU)、汎用プロセッサ、ディジタル信号プロセッサ(digital signal processor, DSP)、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit, ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array, FPGA)、又は他のプログラム可能な論理デバイス、トランジスタ論理デバイス、ハードウェア構成要素、又はそれらの組み合わせであってもよいということに留意すべきである。プロセッサは、この出願によって開示されているコンテンツに関連して説明されるさまざまな例示的な論理ブロック、モジュール、及び回路を実装し又は実行することが可能である。代替的に、プロセッサは、例えば、1つ又は複数のマイクロプロセッサの組み合わせ、或いは、DSP及びマイクロプロセッサの組み合わせ等の計算機能を実装する複数のプロセッサの組み合わせであってもよい。メモリを一体化して、プロセッサとしてもよく、又は、プロセッサとは個別にメモリを配置してもよい。
【0171】
この出願の複数の実施形態によって提供される方法によれば、この出願のある1つの実施形態は、さらに、通信システムを提供し、その通信システムは、上記の第1のRANデバイス、第2のRANデバイス、SMFネットワーク要素、及びPCFネットワーク要素を含む。
【0172】
この出願のある1つの実施形態は、さらに、チップを提供し、そのチップは、メモリに接続されて、そのメモリの中に格納されているソフトウェアプログラムを読み出し及び実行するように構成されて、上記の複数の方法の実施形態にしたがった方法のうちのいずれかを実装する。
【0173】
この出願のある1つの実施形態は、さらに、コンピュータ記憶媒体を提供し、そのコンピュータ記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能な命令を格納し、そのコンピュータ読み取り可能な命令を読み出しそして実行するときに、コンピュータは、上記の複数の方法の実施形態にしたがった方法のいずれかを完了することが可能である。
【0174】
この出願のある1つの実施形態は、さらに、ソフトウェアプログラムを含むコンピュータプログラム製品を提供し、そのコンピュータプログラム製品がコンピュータによって実行されるときに、そのコンピュータが、上記の複数の方法の実施形態にしたがった方法のうちのいずれかを実行することを可能とする。
【0175】
当業者は、この出願の複数の実施形態が、方法、システム、又はコンピュータプログラム製品として提供されてもよいということを理解するはずである。したがって、この出願は、ハードウェアのみの実施形態、ソフトウェアのみの実施形態、又はソフトウェア及びハードウェアの組み合わせを伴う実施形態の形態を使用することが可能である。加えて、この出願は、コンピュータプログラム製品の形態を使用してもよく、そのコンピュータプログラム製品は、コンピュータ命令を含む(これらには限定されないが、ディスクメモリ及び光メモリ等を含む)1つ又は複数のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体によって実装される。
【0176】
上記の複数の実施形態は、この出願の目的、技術的方法、及び有益な効果を詳細に説明する。上記の説明は、この出願の特定の実装であるにすぎず、この出願の保護の範囲を限定することを意図してはいないということを理解するべきである。この出願の複数の技術的解決方法に基づいて行われるいずれかの修正及び変更は、この出願の保護の範囲に属するものとする。
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