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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】医療機器を滅菌する装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/24 20060101AFI20240708BHJP
   A61L 2/28 20060101ALI20240708BHJP
   A61B 1/12 20060101ALI20240708BHJP
【FI】
A61L2/24
A61L2/28
A61B1/12 510
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022048087
(22)【出願日】2022-03-24
(62)【分割の表示】P 2017038014の分割
【原出願日】2017-03-01
(65)【公開番号】P2022107538
(43)【公開日】2022-07-21
【審査請求日】2022-03-24
(31)【優先権主張番号】62/302,257
(32)【優先日】2016-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/316,722
(32)【優先日】2016-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/376,517
(32)【優先日】2016-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/441,707
(32)【優先日】2017-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520395938
【氏名又は名称】エイエスピー・グローバル・マニュファクチャリング・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100101890
【弁理士】
【氏名又は名称】押野 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100098268
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 豊
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・ジェイ・トンプソン
(72)【発明者】
【氏名】ジェイコブ・エス・チャイルズ
(72)【発明者】
【氏名】チュンフイ・シエ
(72)【発明者】
【氏名】マルコ・エイ・マンギアテラ
(72)【発明者】
【氏名】ダライアス・ディー・エグバル
(72)【発明者】
【氏名】マーガレット・ディー・シェイファー
(72)【発明者】
【氏名】ジェレミー・エム・ヤーウッド
【審査官】岡田 三恵
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-516026(JP,A)
【文献】特開2008-200126(JP,A)
【文献】特表2003-506156(JP,A)
【文献】特表2016-533251(JP,A)
【文献】特表2006-521818(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 2/24
A61L 2/28
A61B 1/12
C12M 1/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療機器を処理するためのシステムであって、
(a)プロセッサ、ディスプレイ、識別タグリーダ、および滅菌室を含む滅菌庫であって、前記滅菌室内に含まれる医療機器及び生物学的インジケータに対して滅菌サイクルを実行するように動作可能である、滅菌庫と、
(b)ウェル、光源、およびセンサを備える生物学的インジケータアナライザであって、前記生物学的インジケータが前記ウェルに配置されると、前記光源および前記センサを用いて前記生物学的インジケータに対してインジケータ分析を行うように動作可能である、生物学的インジケータアナライザと、
(c)前記滅菌庫により実施された滅菌処理に関する情報を供給又は受信するように構成されたサーバと
(d)ネットワークインタフェースを含む通信ハブであって、前記滅菌庫、前記生物学的インジケータアナライザ、および前記サーバの間で情報をやりとりするように構成されている、通信ハブと、を備え、
前記プロセッサが、
(i)ユーザが前記識別タグリーダで前記生物学的インジケータをスキャンするように、前記ディスプレイを介してプロンプトを表示し、
(ii)前記識別タグリーダから生物学的インジケータデータセットを受信し、
(iii)前記生物学的インジケータデータセットに基づいて、前記ディスプレイを介して、適合する滅菌サイクルのセットを表示し、
(iv)ユーザから滅菌サイクルの選択を受信し、前記滅菌サイクルの選択は、前記適合する滅菌サイクルのセットから選択される、
ように構成される、システム。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記滅菌庫が前記生物学的インジケータデータセットを受信していないとき、前記ディスプレイを介してソフトインジケータ要件を表示するようにさらに構成される、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記滅菌庫が前記生物学的インジケータデータセットを受信していないとき、前記ディスプレイを介してハードインジケータ要件を表示し、前記滅菌サイクルの実行を、
(i)前記生物学的インジケータデータセットを受信する、又は、
(ii)バイパスコードを受信する、
まで防止するようにさらに構成されている、請求項1記載のシステム。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記生物学的インジケータデータセットに基づいて、前記生物学的インジケータが終了しているかどうかを決定するようにさらに構成される、請求項1記載のシステム。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記生物学的インジケータデータセットに基づいて、前記生物学的インジケータが取り消されたかどうかを決定するようにさらに構成される、請求項1記載のシステム。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記生物学的インジケータデータセットに基づいて、前記生物学的インジケータが前記滅菌庫と適合性があるかどうかを決定するようにさらに構成される、請求項1記載のシステム。
【請求項7】
前記プロセッサは、選択された滅菌サイクルに基づいて負荷配置画像を表示するように構成され、前記負荷配置画像は、
(i)1つ以上の医療機器の位置、および
(ii)前記生物学的インジケータの位置、
を備える、請求項1記載のシステム。
【請求項8】
前記生物学的インジケータアナライザが、
(i)前記光源から前記ウェル内に配置された前記生物学的インジケータに向けて光を放射し、
(ii)前記センサを用いて、前記ウェルに配置された前記生物学的インジケータからの蛍光を検出する、
ように構成されている、請求項1記載のシステム。
【請求項9】
医療機器を処理するためのシステムであって、
(a)プロセッサ、ディスプレイ、識別タグリーダ、および滅菌室を含む滅菌庫であって、前記滅菌室内に含まれる医療機器及び生物学的インジケータに対して滅菌サイクルを実行するように動作可能である、滅菌庫と、
(b)生物学的インジケータアナライザであって、前記生物学的インジケータに対してインジケータ分析を行い、それによって前記滅菌庫によって行われる滅菌サイクルの有効性を決定するように動作可能である、生物学的インジケータアナライザと、
(c)前記滅菌庫により実施された滅菌処理に関する情報を供給又は受信するように構成されたサーバと
(d)ネットワークインタフェースを含む通信ハブであって、前記通信ハブは、前記滅菌庫、前記生物学的インジケータアナライザ、および前記サーバからの情報を処理するように構成される、通信ハブと、を備え、
前記滅菌庫が、
(i)ユーザが前記識別タグリーダで前記生物学的インジケータをスキャンするように、前記ディスプレイを介してプロンプトを表示し、
(ii)前記識別タグリーダから生物学的インジケータデータセットを受信し、
(iii)前記生物学的インジケータデータセットに基づいて、前記ディスプレイを介して、適合する滅菌サイクルのセットを表示し、
(iv)ユーザから滅菌サイクルの選択を受信し、前記滅菌サイクルの選択は、前記適合する滅菌サイクルのセットから選択される、
ように構成される、システム。
【請求項10】
前記通信ハブが、前記滅菌サイクルの完了後に前記生物学的インジケータにおける汚染の存在を決定するために前記生物学的インジケータアナライザによって生成された分析データを処理するように構成されている、請求項9記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権)
本出願は、参照により、開示が本明細書で援用される、2016年3月2日付けで出願された「System and Method for Sterilizing Medical Devices(医療機器を滅菌するためのシステムと方法)」と題する米国仮特許出願第62/302,257号の優先権を主張する。
【0002】
更に、本出願は、参照により、開示が本明細書で援用される、2016年4月1日付けで出願された「System and Method for Sterilizing Medical Devices(医療機器を滅菌するためのシステムと方法)」と題する米国仮特許出願第62/316,722号の優先権も主張する。
【0003】
更に、本出願は、参照により、開示が本明細書で援用される、2016年8月18日付けで出願された「Apparatus and Method to Link Medical Device Sterilization Equipment(医療機器滅菌装置を連結する装置と方法)」と題する米国仮特許出願第62/376,517号の優先権を主張する。
【背景技術】
【0004】
一部の手術器具、内視鏡等の再利用型医療機器は、汚染された機器が患者で使用されることで、患者の感染につながり得る尤度を最小限に抑えるよう、再利用前に滅菌されることがある。ガスプラズマ及びエチレンオキシド(EtO)の有無にかかわらず、蒸気、過酸化水素、及び気相殺菌等の種々の滅菌法を、使用可能である。こうした方法はそれぞれ、滅菌される医療機器への滅菌流体(例えば、ガス)の拡散率にある程度依存し得る。
【0005】
滅菌前、医療機器は、滅菌剤とも称される滅菌流体を伝達可能とするが、とりわけ、滅菌後及び医療従事者が容器を開けるまで、汚染微生物の侵入を防止する半透性のバリアの付いた容器又は袋内に、医療機器を包装する場合がある。滅菌サイクルを生き残った一部の微生物が、増殖して、医療機器を再汚染する恐れがあるので、滅菌サイクルを効果的なものとするには、容器内の汚染微生物を死滅させなければならない。
【0006】
包装処理が滅菌後の医療機器の汚染を抑止する一助となり得るが、包装処理によって、滅菌剤が格納された医療機器に達することを阻害する場合があるので、滅菌サイクルの成功がより困難となる恐れがある。滅菌サイクルが効果的となり得る尤度が、拡散に制約のある空間によって落ちる場合があることにより、こうした拡散が制約された空間のある医療機器の場合、このことが、とりわけ問題となり得る。例えば、一部の内視鏡は、滅菌サイクルを成功させるのに十分な時間にわたって、滅菌剤が十分な濃度で拡散する必要のある1本の長い狭域ルーメンを備える。
【0007】
医療機器の滅菌は、カリフォルニア州アーバインのAdvanced Sterilization ProductsによるSTERRAD(登録商標)システムなどの自動滅菌システムによって実施可能である。自動滅菌システムの例が、参照により、開示が本明細書で援用される2005年9月6日付け発行の「Power System for Sterilization Systems Employing Low Frequency Plasma(低周波数プラズマを使用する滅菌システム用の電力システム)」と題される米国特許第6,939,519号;参照により、開示が本明細書で援用される2005年2月8日付け発行の「Sterilization with Temperature-Controlled Diffusion Path(温度制御された拡散経路による滅菌)」という名称の米国特許第6,852,279号;参照により、開示が本明細書で援用される2005年2月8日付け発行の「Sterilization System Employing a Switching Module Adapter to Pulsate the Low Frequency Power Applied to a Plasma(プラズマに印加された低周波数電力を振動させるための切り替えモジュール・アダプターを使用する滅菌システム)」と題される米国特許第6,852,277号;及び、参照により、開示が本明細書で援用される2002年9月10日付け発行の「Power System for Sterilization Systems Employing Low Frequency Plasma(低周波数プラズマを使用する滅菌システム用の電力システム)」と題される米国特許第6,447,719号で述べられている。効果的な滅菌を可能とする環境を保つために、医療機器を滅菌システム内で丁寧に配置、制御する必要がある。種々の医療機器にはそれぞれ、異なる構成と滅菌プロセスが要求されることがある。つまり、滅菌システムの利用は、依然として誤りを起こしやすく、しかも、操作者の訓練や知識、あるいは、関連文書に依存することが大きくなり得る。
【0008】
その上、滅菌システムにおける同じ滅菌室を再利用することは、滅菌システムが正しく運用されていない場合は特に、相互汚染を招く恐れがある。操作者の誤解によって、除染されたものと勘違いされた医療装置が業務に戻される恐れがある。滅菌サイクルが効果的であることを確認することは、医療従事者が汚染された医療機器を患者で使用するのを防止する上で一助となる。汚染微生物があるか否かについて、滅菌後の医療機器自体を確認しない場合がある。それは、このような行為によって、別の汚染微生物を医療機器にもたらして、医療機器を再度汚染する恐れがでるからである。したがって、滅菌インジケータを使って、間接的なチェックを実施することがある。滅菌インジケータは、この滅菌インジケータが医療機器と同じ滅菌サイクルを受けるよう、滅菌サイクルを受ける医療機器と共に、又はその付近に配置可能な装置のことである。例えば、所定量の微生物を含有する生物学的インジケータを、滅菌室内で医療機器と共に配置し、滅菌サイクルを受けさせることが可能である。サイクル完了後、サイクルを生き残った微生物が存在するか否かを判定するために、生物学的インジケータ内の微生物を培養可能である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記を鑑みて、操作者の誤解の可能性を減らすことで、滅菌サイクル成功の尤度を高め、これにより、患者感染のリスクを軽減する滅菌システムを提供することが望ましくなり得る。これまでに、医療機器滅菌用の様々な装置及び方法が作られ、使用されてきたが、本発明者より以前に、本明細書に記載される技術を作ったり、又は、これを用いた者は誰もいないと思われる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明は、添付の図面と併せて採用した幾つか例に関する以下の説明から良好に理解できるものと考えられ、添付の図面では、同様の参照番号が、同じ要素を特定しており、
図1】例示的な滅菌システムの概略図を示す。
図2図1のシステムの滅菌庫が医療機器を滅菌するのに実行可能な例示的な組の工程の高レベルの流れ図を示す。
図3図1のシステム滅菌庫が滅菌サイクル及び関連構成を決定するのに実行可能な例示的な組の工程の流れ図を示す。
図4図1のシステム滅菌庫が滅菌サイクル用の医療機器を調製するのに実行可能な例示的な組の工程の流れ図を示す。
図5図1のシステム滅菌庫が滅菌サイクルを完了し、その結果を報告するのに実行可能な例示的な組の工程の流れ図を示す。
図6】滅菌サイクルを選択するために、図1のシステム滅菌庫を介して表示可能な例示的なユーザインターフェースのスクリーンショットを示す。
図7】「標準」滅菌サイクルを構成する際の情報をユーザへと供給するために、図1のシステムの滅菌庫を介して表示可能な例示的なユーザインターフェースのスクリーンショットを示す。
図8】「二重」滅菌サイクルを構成する際の情報をユーザへと供給するために、図1のシステムの滅菌庫を介して表示可能な例示的なユーザインターフェースのスクリーンショットを示す。
図9】「柔軟」滅菌サイクルを構成する際の情報をユーザへと供給するために、図1のシステムの滅菌庫を介して表示可能な例示的なユーザインターフェースのスクリーンショットを示す。
図10】「高速」滅菌サイクルを構成する際の情報をユーザへと供給するために、図1のシステムの滅菌庫を介して表示可能な例示的なユーザインターフェースのスクリーンショットを示す。
図11】指定された滅菌サイクルについて使用される生物学的インジケータを選択する際の柔軟要件をユーザへと提示するために、図1のシステムの滅菌庫を介して表示可能な例示的なユーザインターフェースのスクリーンショットを示す。
図12】「高速」滅菌サイクル用の医療機器の配置、構成を介してユーザを誘導するために、図1のシステムの滅菌庫を介して表示可能な例示的なユーザインターフェースのスクリーンショットを示す。
図13】「柔軟」滅菌サイクル用の医療機器の配置、構成を介してユーザを誘導するために、図1のシステムの滅菌庫を介して表示可能な例示的なユーザインターフェースのスクリーンショットを示す。
図14】「二重」滅菌サイクル用の医療機器の配置、構成を介してユーザを誘導するために、図1のシステムの滅菌庫を介して表示可能な例示的なユーザインターフェースのスクリーンショットを示す。
図15】「標準」滅菌サイクル用の医療機器の配置、構成を介してユーザを誘導するために、図1のシステムの滅菌庫を介して表示可能な例示的なユーザインターフェースのスクリーンショットを示す。
図16】完了した滅菌サイクルに関する結果をユーザへと供給するために、図1のシステムの滅菌庫を介して表示可能な例示的なユーザインターフェースのスクリーンショットを示す。
図17図1のシステムの通信ハブを介して図1のシステムのインジケータアナライザから通信された際の陽性の生物学的インジケータ結果に関連するサイクルを特定するために、図1のシステムの滅菌庫を介して表示可能な例示的なユーザインターフェースのスクリーンショットを示す。
図18図1のシステムと共に使用可能な例示的な滅菌庫の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本技術の特定の実施例に関する以下の説明は、本技術の範囲を限定するために使用されるべきではない。本技術の他の例、特徴、態様、実施例、及び利点は、実例として、本技術を実施するために企図される最良の形態の1つである以下の説明から、当業者には明らかとなろう。理解されるように、本明細書で説明される本技術は、全て本技術から逸脱することなく、他の種々の明白な態様が可能である。したがって、図面及び説明を、限定的ではなく、元来例示的なものとみなすものとする。
【0012】
更に、本明細書において述べられる教示、表現、実施例、例などの任意の1つ以上を、本明細書で述べる他の教示、表現、実施例、例などの任意の1つ以上と組み合わせることができる点も理解されたい。それ故、以下で述べる教示、表現、実施例、例などは、互いから切り離して捉えないものとする。本明細書の教示に照らして、本明細書の教示を組み合わせ得る種々の適切な方法が、当業者には明らかとなろう。かかる改良形態及び変形形態は、特許請求の範囲内に含まれるものとする。
【0013】
I.例示的な滅菌システムと装置
図1は、医療機器を滅菌する方法を実行するのに構成可能な相互接続された装置からなる例示的システム(10)の概略図を示す。この例のシステム(10)は、滅菌庫(100)、生物学的インジケータアナライザ(102)、通信ハブ(104)、及びサーバー(106)を含む。以下でより詳しく説明するように、滅菌庫(100)は、汚染した医療機器を入れられる封止可能な滅菌室を備えられる。ユーザは、物理的なボタン、キーボード、タッチパッド、又はマウス、他のコントロール、及び/又はタッチスクリーンディスプレイインターフェースなどの1組のユーザ入力を介して、滅菌庫(100)と相互作用可能である。滅菌庫(100)のディスプレイは、情報、構成オプション、滅菌サイクルと調製の状態と持続時間、及び他の類似情報を、ユーザに供給可能である。
【0014】
滅菌庫(100)は、院内記録サーバー又は院内ローカルエリアネットワークサーバーなどのサーバー(106)と通信する。サーバー(106)は、滅菌処理の持続時間や結果;ある特定の滅菌処理が生物学的汚染の新たな兆候をもたらしたか否か;滅菌処理を始動、取消し、若しくは完了したユーザ又は技師の個人情報;滅菌処理中に使用された消費材又は物資;診断情報;及び/又は、他の情報など、滅菌庫(100)により実施された滅菌処理に関する情報を、滅菌庫(100)から受信可能である。更に、サーバー(106)は、ソフトウェア更新、構成更新、ユーザ認証情報、生物学的インジケータ使用プロトコル、並びに他の情報などの情報を、滅菌庫(100)に供給できる。滅菌庫(100)とサーバー(106)との間の通信は、Ethernet、Wi-Fi、Bluetooth、USB、赤外線、NFC、及び/又は他の技術等の任意の適切な有線、及び/又は無線通信技術を介して、実現可能である。
【0015】
本例のシステム(10)では、更に、滅菌庫(100)は、通信ハブ(104)とも通信し、この通信ハブは、それ自体が1つ以上の生物学的インジケータアナライザ(102)と通信する。以下でより詳細に説明するように、生物学的インジケータアナライザ(102)は、生物学的インジケータが、滅菌処理後に汚染が存在することを示す陽性;又は、滅菌処理後に汚染が存在しないことを示す陰性の試験結果を示したかを判定するのに使用可能なデータを収集するため、生物学的インジケータを受信し、この生物学的インジケータに関する1つ以上の特性を測定する卓上型又は壁据え付け型の装置を、含められる。
【0016】
幾つかの形態では、生物学的インジケータアナライザ(102)は、データを測定し、通信ハブ(104)に送る。この通信ハブは、データを処理して、汚染があるか否かを判定する。他の形態では、生物学的インジケータアナライザ(102)自体が、データを測定、解析して、汚染があるか否かを判定し、更に、通信ハブ(104)を使用して、このような情報を受信、収集し、更に、滅菌庫(100)、及び/又は、以下でより詳細に説明する他の装置に送信できる。更に別の形態では、生物学的インジケータアナライザ(102)と通信ハブ(104)は、単一装置の異なる構成部品であるか、又は、滅菌庫(100)の構成部品で良い。このような変形形態は、特定の実施環境やユーザ要件に応じて望ましくなり得る。これにより、滅菌庫(100)、通信ハブ(104)、及び生物学的インジケータアナライザ(102)を組み込んだ単一装置が、準移動式装置として望ましくなる場合がある一方、滅菌庫(100)と生物学的インジケータアナライザ(102)との間の1対多関係をサポートする実装は、多くのユーザがいる大規模な病院内での恒久的な取り付けで有利となり得る。
【0017】
以下でより詳細に説明するように、これまでに示唆したとおり、通信ハブ(104)は、生物学的インジケータアナライザ(102)からの情報を処理して、滅菌庫(100)まで中継するよう、構成される。生物学的インジケータアナライザ(102)と滅菌庫(100)はそれぞれ、Ethernet、Wi-Fi、Bluetooth、USB、赤外線、NFC、及び/又は他の技術等の任意の適切な有線及び/又は無線通信技術を介して、通信ハブ(104)と通信可能である。更に、通信ハブ(104)は、限定されないが、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、モバイルコンピュータ装置、スマートフォン等を含め、種々の他の構成要素と有線又は無線を介して通信可能であることを、理解するものとする。更に、通信ハブ(104)は、有線又は無線を介して、サーバー(106)と通信できる。通信ハブ(104)がサーバー(106)と通信する形態では、通信ハブ(104)は、滅菌庫(100)とサーバー(106)との間でデータ等を中継可能である。これにより、通信ハブ(104)は、滅菌庫(100)とサーバー(106)との間の中継手段として働く。それ故、幾つかの形態では、滅菌庫(100)は、サーバー(106)と直接通信する代わりに、通信ハブ(104)を介して、サーバー(106)と通信できることを理解するものとする。単に例示の目的で、通信ハブ(104)は、参照により、開示が本明細書で援用される2016年8月18日付けで出願された「Apparatus and Method to Link Medical Device Sterilization Equipment(医療機器滅菌装置を連結する装置と方法)」と題する米国仮特許出願第62/376,517号の教示の少なくとも幾つかに従って構成、動作可能である。本明細書の教示を鑑みて、通信ハブ(104)を形成するのに使用できる種々の適切な構成要素及び構成が、当業者に明らかとなるであろう。
【0018】
II.例示的な滅菌プロセスとインターフェース
A.滅菌プロセスの概要
図2は、システム(10)が医療機器を滅菌するのに実行可能な例示的な組の工程の高レベル流れ図を示す。以下でより詳しく説明するとおり、ユーザは、滅菌庫(100)のキーボード又はタッチスクリーンなどのユーザインターフェースを介して、又は、滅菌庫(100)と通信する入力装置を介して、システムと相互作用可能である。最初に、滅菌庫(100)は、ディスプレイを介して、1つ以上の滅菌サイクルを表示してから、滅菌サイクル選択をユーザから受信できる(ブロック200)。滅菌庫(100)は、1つ以上の滅菌サイクルを実行するよう構成可能であり、種々の滅菌サイクルは、様々な型式と量の医療機器に適合する。
【0019】
更に、滅菌庫(100)は、選択された滅菌サイクルについて、生物学的インジケータを使用すべきか否かを示す命令を表示して、生物学的インジケータ識別情報を受信可能である(ブロック202)。滅菌サイクルが開始する前に、生物学的インジケータを滅菌庫(100)の滅菌室内に配置可能であり、滅菌サイクル中、滅菌室に入れたままとしても良い。かくして、ユーザは、生物学的インジケータを滅菌室に入れる前に、特定の生物学的インジケータを識別可能である(ブロック202)。生物学的インジケータは、特定の滅菌サイクルに反応する微生物を含められる。滅菌サイクルの完了次第、滅菌サイクルの有効性の測度を供給するために、微生物について、生物学的インジケータを試験できる。生物学的インジケータは、全ての滅菌サイクルについて必ずしも必要とされるわけではなく、病院の規則又は現地の規制に基づいて、求められる場合がある。使用時、生物学的インジケータは、生物学的インジケータの種類若しくは識別子のキーボード入力等の手入力によって特定可能であるか、又は、光学識別子の光学スキャン若しくはRFIDや他の一意な識別子の無線スキャンによってなど、自動で特定可能である。
【0020】
滅菌サイクルの選択(ブロック200)及び生物学的インジケータの識別(ブロック202)によって、滅菌庫(100)内の医療機器の構成や配置に関する1つ以上の要件が定義され得る。滅菌庫(100)の滅菌室の扉を開けることが可能であり、生物学的インジケータの配置、医療機器の配置、滅菌庫(100)の滅菌室の扉の閉鎖、及び/又は調製中の他の変更を含め、滅菌サイクルの調製(ブロック204)を通じて、ユーザを誘導するための命令を、表示可能である。
【0021】
実際の滅菌サイクルを開始する前に(ブロック208)、更に、滅菌庫(100)は、滅菌庫(100)の滅菌室内に装填された医療機器の負荷調整も実施できる(ブロック206)。このような負荷調整(ブロック206)は、滅菌室が封止されていることを検証すること、滅菌室の中身を検証すること、水分量、内容量、含有物重量、内部温度、あるいは、他の特性などの滅菌室における内容に関する物理特性を確認すること、及び/又は熱処理、化学処理、プラズマ処理、若しくは水分を低減し、温度を上昇させ、且つ/又は滅菌サイクル用に滅菌室内の医療機器を調製するための他の種類の処理を含み得る1つ以上の調整工程を実行することを、含められる。
【0022】
負荷調整(ブロック206)が完了したら、選択した滅菌サイクル自身を実施できる(ブロック208)。滅菌サイクル(ブロック208)は、滅菌室内の医療機器(複数可)を加圧滅菌ガス、更なる熱処理、化学処理、プラズマ処理、真空処理、及び/又は他の種類の滅菌処理に晒すことを、含められる。滅菌サイクル(ブロック208)が完了したら、滅菌庫のディスプレイを介して、完了した滅菌結果をユーザに表示し;サーバー(106)に送信し;ローカル上で印刷し;且つ/又は、望ましいように、他の装置を介して表示、送信、及び/又は格納可能である。
【0023】
更に、滅菌庫(100)は、滅菌サイクルの結果を供給することもできる(ブロック210)。この結果の供給(ブロック210)には、以下で述べる生物学的インジケータアナライザ(102)を介した生物学的インジケータの分析からの結果を含み得る。これらの結果は、滅菌サイクル(ブロック208)の完了時に生物学的インジケータ中に存在する汚染の陽性又は陰性表示を含められる。生物学的インジケータによって、滅菌サイクル(ブロック208)の完了後、汚染が存在することが示唆された場合、過去に実施した他のサイクルが汚染の原因となり得るか否か、且つ/又は続いて滅菌した医療機器を再滅菌する必要があり得るか否かを判定するために、滅菌サイクル履歴の陽性試験分析をユーザに通知する等の追加の措置を取ることがある。
【0024】
B.例示的な滅菌サイクル選択と生物学的インジケータ識別
図3は、滅菌サイクル選択を受信し(ブロック200)、生物学的インジケータ識別情報を受信するために(ブロック202)、滅菌庫(100)が実施可能な例示的な組の工程を示す。つまり、図3で示す方法は、図2の滅菌サイクル選択工程(ブロック200)及び生物学的インジケータ識別工程(ブロック202)の一部として実施可能な幾つかの部分工程を示すものとして、見なせる。
【0025】
最初に、ユーザが滅菌庫(100)と相互作用する際、ログイン後又は滅菌庫(100)の利用の認証後、滅菌庫(100)は、図6で示される等のグラフィカルユーザインターフェースを介して、滅菌サイクル選択を表示可能である(ブロック300)。図6で見られるように、滅菌サイクル選択ボタン(600)は、「標準」、「二重」、「柔軟」、及び「高速」などの滅菌サイクル種別を示すタッチスクリーン要素であり、更に、滅菌サイクル選択ごとの滅菌サイクル持続時間、滅菌サイクルに関連する生物学的インジケータの種類、及び他の情報等の追加情報、並びにサイクルの選択、あるいは生物学的インジケータ(601)のスキャニングの何れか用の命令を、表示できる。また、図6の滅菌サイクル選択スクリーンは、滅菌サイクル選択ごとの滅菌サイクル情報ボタン(602)も含み、この滅菌サイクル情報ボタンは、ユーザが滅菌サイクルを選択する際の一助となり得る追加情報を表示するために、ユーザによって選択可能である。本例の「標準」、「二重」、「柔軟」、及び「高速」滅菌サイクルが例示目的にすぎないことを、理解するものとする。あるいは、滅菌庫(100)は、選択される滅菌サイクルの適切な他の個数及び種類を提供可能である。
【0026】
図6では、各滅菌サイクルが、生物学的インジケータ・アポロA型、あるいは、生物学的インジケータ・アポロB型等の特定種類の生物学的インジケータに関連することを示すが、種々の実施例は、様々な構成の生物学的インジケータの種類に対応可能である。幾つかの実施例では、各滅菌サイクルは、異なる種類の生物学的インジケータを含められ、このため、特定用途ごとに、4つ以上の異なる種類の生物学的インジケータが存在し得る。だが、他の実施例では、任意の滅菌サイクルについて使用されるよう、単一の生物学的インジケータを適合可能であり、この結果、1種類のみの生物学的インジケータが、必要とされる。種々の滅菌サイクルで求められる生物学的インジケータの数と種類は、所望のコスト、保存期間、販売市場、又は他の要因に応じて変動し得る。図6図18で示される実施例がA型とB型インジケータを要求するが、図示される技術とインターフェースは、必要に応じて、1種類だけの生物学的インジケータ又は複数のような多くの生物学的インジケータに対応できるよう、変更できる。
【0027】
図7図11は、滅菌サイクル情報ボタン(602)との相互作用後に表示可能な滅菌サイクル情報スクリーンの例を示す。図7は、「標準」滅菌サイクルに関する例示的なサイクル情報スクリーンを示し、このサイクル情報スクリーンには、滅菌サイクルに関する記述(608);滅菌サイクル持続時間推定(614);この特定の滅菌サイクルに適した医療機器リスト(610)、並びに特定の滅菌サイクルと一致する種類、色、及びバーコード又は識別子の位置を特定する生物学的インジケータ視覚支援(612)が、含まれる。この特定例において、滅菌サイクルに関する記述(608)は、「標準」滅菌サイクルが、約47分のサイクル時間を有し、且つ、単一チャンネルステンレス鋼ルーメン及び一般的な医療機器を含む機器を対象とすることを示す。医療機器リスト(610)には、関節鏡と腹腔鏡機器集合、眼科用機器、膀胱鏡機器、剛性と準剛性尿管鏡、カメラと光コード、充電式バッテリー、ドップラーコードと除細動器パドル、整形外科用ドリルと鋸、並びに超音波プローブ/トランスデューサーの例が、含まれる。生物学的インジケータ視覚支援(612)は、「標準」滅菌サイクルの生物学的インジケータが、ティールキャップの「A型」生物学的インジケータであることを示すが、他の種類、色、及び構成も表示できることを理解するものとする。
【0028】
図8図10は、「二重」滅菌サイクル(616)、「柔軟」滅菌サイクル(618)、並びに、「高速」滅菌サイクル(620)に関する類似の情報を示す。特に、図8において、滅菌サイクルに関する記述(616)は、「二重」滅菌サイクルが、約60分のサイクル時間を有し、且つ、単一チャンネル柔軟内視鏡、ルーメンのない柔軟内視鏡、カメラ、及び備品光コードを含む機器を対象とすることを示す。「二重」滅菌サイクルに関する医療機器リストには、気管支鏡、子宮鏡、膀胱鏡、柔軟型尿管鏡、胆道鏡、胸腔鏡、挿管ファイバースコープ、光コード、及びカメラの例が含まれる。「二重」滅菌サイクル用の生物学的インジケータ視覚支援は、「二重」滅菌サイクルの生物学的インジケータが、ティールキャップの「A型」生物学的インジケータであることを示すが、他の種類、色、及び構成も表示できることを理解するものとする。
【0029】
図9において、滅菌サイクルに関する記述(618)は、「柔軟」滅菌サイクルが、約42分のサイクル時間を有し、且つ、単一チャンネル柔軟内視鏡及びルーメンのない柔軟内視鏡を含む機器を対象とすることを示す。「柔軟」滅菌サイクルに関する医療機器リストには、気管支鏡、子宮鏡、膀胱鏡、柔軟型尿管鏡、胆道鏡、胸腔鏡、及び挿管ファイバースコープの例が含まれる。「柔軟」滅菌サイクル用の生物学的インジケータ視覚支援は、「柔軟」滅菌サイクルの生物学的インジケータが、ティールキャップの「A型」生物学的インジケータであることを示すが、他の種類、色、及び構成も表示できることを理解するものとする。
【0030】
図10において、滅菌サイクルに関する記述(620)は、「高速」滅菌サイクルが、約24分のサイクル時間を有し、且つ、表面滅菌、並びに一体化したステンレス鋼やチタン表面の滅菌を必要とする一般的な医療機器を対象とすることを示す。「高速」滅菌サイクルに関する医療機器リストには、ダ・ヴィンチ内視鏡、ルーメンのない剛性又は準剛性内視鏡、ルーメンのない一般的な手術装置、充電式バッテリー、ルーメンのない眼科用器具、及び超音波プローブ/トランスデューサーの例が、含まれる。「高速」滅菌サイクル用の生物学的インジケータ視覚支援は、「柔軟」滅菌サイクルの生物学的インジケータが、ダークグレイの「B型」生物学的インジケータであることを示すが、他の種類、色、及び構成も表示できることを理解するものとする。
【0031】
図8図10で示される等の滅菌サイクル情報スクリーンは、滅菌サイクルにより滅菌可能な医療機器の絵や画像と、滅菌サイクル中に使用した滅菌法と、滅菌サイクル中に滅菌室内で到達した最大熱、又は圧力と、ある期間中に実施した滅菌サイクルの回数と、最後の滅菌サイクルを実施した時間、及び/又はユーザが有用であると判断し得る他の全ての情報等の追加情報を、表示できる。
【0032】
図3図6を纏めて参照すると、図6の滅菌サイクル選択スクリーンは更に、滅菌サイクルを手動で選択すること(ブロック304)、且つ/又は生物学的インジケータを選択、スキャンすることを(ブロック302)、ユーザに指示可能である。ユーザが生物学的インジケータをスキャンすることを選ぶと(例えば、生物学的インジケータのバーコード、QRコード、光学識別情報、RFID、若しくは他の無線識別情報をスキャンする際の光学又は無線スキャナーを使用する)(ブロック302)、選択された、且つ、スキャンされた生物学的インジケータと一致することから、選択され得る滅菌サイクルのフィルタリング済み選択を表示する代わりに(ブロック306)、この表示を更新可能である(ブロック302)。
【0033】
幾つかの実施例において、滅菌サイクル選択を含むインターフェースは、スキャンされた、又は選択された生物学的インジケータ(ブロック302)に基づいて、フィルタリング可能である(ブロック306)。例えば、あるインターフェーススクリーンは、「B型」生物学的インジケータに関連する滅菌サイクルが、グレー表示され、未選択で表示されたことを示すことができる。「A型」生物学的インジケータが選択又はスキャンされたこと(ブロック304)に応答して、この特定スクリーンを表示可能であり、これにより、このスクリーンのみが、「A型」生物学的インジケータと特別に関連付けられたフィルタリング後の滅菌サイクルを選択できる。別の例として、あるスクリーンが、グレー表示され、未選択で表示された「A型」生物学的インジケータに関連する滅菌サイクルを含む場合がある。「B型」生物学的インジケータが選択、又はスキャンされたこと(ブロック304)に応答して、この特定スクリーンを表示可能であり、これにより、このスクリーンのみが、「B型」生物学的インジケータと特別に関連付けられたフィルタリング後の滅菌サイクルを選択できる。だが、1種類のみの生物学的インジケータに対応するか、又はこれを要求する実施例では、生物学的インジケータの選択後、対応する滅菌サイクル種別によるフィルタリングプロセスは、必要とされないはずである。
【0034】
図3図6に合わせて戻ると、ユーザは、滅菌サイクルを選択する前に、生物学的インジケータを必ずしもスキャンしない場合がある(ブロック302)。その代わり、ユーザは、表示された滅菌サイクル選択ボタン(600)のいずれかから、手動で選択することができる(ブロック304)。滅菌サイクルの手動による選択後(ブロック304)、ユーザが、更に、プロセスの早い段階で生物学的インジケータをスキャン又は選択した場合(ブロック308)、選択された滅菌サイクルについて、生物学的インジケータを検証可能である(ブロック324)。検証には(ブロック324)、システム(10)との互換性、広く言えば、選択した滅菌サイクルとの互換性の検証、生物学的インジケータが終了していないことの検証、及び/又は他の検証を含められる。
【0035】
幾つかの実施には、検証(ブロック324)に基づいて、生物学的インジケータに関連する警告又は誤りがあることを、ユーザへ示すのに使用可能なスクリーンが含まれる。例えば、生物学的インジケータと滅菌庫(100)、生物学的インジケータアナライザ(102)、及び/又はシステム(10)の他の装置との適合性が確認、若しくは検証されていない場合、生物学的インジケータアナライザが、第三者の製造者からのものであれば、警告メッセージを、表示可能である。警告メッセージには、ユーザが生物学的インジケータを確認済みの生物学的インジケータに差し替えることを可能とするために、生物学的インジケータの使用を取り消すボタン(ブロック326)、又は警告を迂回して、滅菌サイクルとインジケータ選択を続けて実施するボタン(ブロック328)を、含められる。
【0036】
「A型」生物学的インジケータが選択され、「高速」滅菌サイクルが選択された時等、特定された生物学的インジケータが、選択された滅菌サイクルと適合しない場合、幾つかの警告メッセージを表示できる。警告メッセージは、ユーザが、生物学的インジケータ及び滅菌サイクル選択を全て取り消すか、又は適合しない生物学的インジケータを指定された滅菌サイクルと適合する新たな生物学的インジケータに差し替える(ブロック326)ことを可能とするボタンによって、実現可能である。同様に、選択された「B型」生物学的インジケータが、指定された「標準」、「柔軟」、又は「二重」滅菌サイクルについて使用するのに適していないことを、ユーザに示すために、別の警告を表示することもできる。この場合も、警告メッセージは、ユーザが、生物学的インジケータ及び滅菌サイクル選択を全て取り消すか、又は適合しない生物学的インジケータを指定された滅菌サイクルと適合する新たな生物学的インジケータに差し替える(ブロック326)ことを可能とするボタンによって、実現可能である。だが、単一種類の生物学的インジケータのみに対応、又はこれが要求される実施例では、指定されたサイクルと選択された生物学的インジケータとの間の不一致を示すための異なる警告メッセージは、要求されないはずである。
【0037】
ユーザが、特定不能又は滅菌庫(100)、生物学的インジケータアナライザ(102)、及び/又は他の装置と完全に適合しない生物学的インジケータを選択、あるいは、スキャンした場合、幾つかの警告メッセージを、表示可能である。こうした警告メッセージは、現在指定された生物学的インジケータが適合しないことが明らかであり、これを適合する生物学的インジケータに差し替えてから、継続しなければならないことを、ユーザに示す。これらのメッセージは、ユーザが、生物学的インジケータ及び滅菌サイクル選択を全て取り消すか、又は現生物学的インジケータを指定された滅菌サイクルと適合する新たな生物学的インジケータに差し替える(ブロック326)ことを可能とするボタンと共に、表示可能である。
【0038】
ユーザが、終了又は中断するか、若しくは取り消された生物学的インジケータを選択又はスキャンする際、幾つかの警告メッセージを、表示できる。これらのメッセージは、ユーザが、生物学的インジケータ及び滅菌サイクル選択を全て取り消すか、又は終了/中断/取り消された生物学的インジケータを新規生物学的インジケータで差し替える(ブロック326)ことを可能とするボタンを伴い得る。だが、単一種類の生物学的インジケータのみに対応、又はこれが要求される実施例では、単一生物学的インジケータ種類のみを要求するよう、警告メッセージを統合できる。
【0039】
上記警告とエラーメッセージのいずれかの後で、ユーザが継続又は警告の迂回を選択した場合、滅菌庫(10)は、警告が出されたにも関わらず、生物学的インジケータを検証済みとして計数し(ブロック324)、滅菌サイクルの選択と生物学的インジケータの特定は、完了することになる(ブロック328)。警告又は誤りの後、ユーザが、以前選択した生物学的インジケータを別の生物学的インジケータに差し替えることを選択した場合(ブロック326)、この新たに選択された生物学的インジケータを検証できる(ブロック324)。この新たに選択された生物学的インジケータに基づいて、警告や誤りが存在しなければ、滅菌サイクルの選択及び生物学的インジケータの特定が、完了する(ブロック328)。
【0040】
手動による滅菌サイクルの選択(ブロック304)前に、スキャンされた生物学的インジケータ(ブロック308)が無ければ、生物学的インジケータを使用する上でのハード要件(ブロック310)又はソフト要件(ブロック314)があるか否かを、滅菌庫(100)によって判定する。ハード要件(ブロック310)又はソフト要件(ブロック314)があるか否かの判定は、システム(10)が使用される特定の病院、システム(10)が使用される特定の地理的領域、ユーザの保険会社の要件、及び/又は種々の他の要因に応じて変動し得る様々な構成可能因子によって決まる。
【0041】
例えば、幾つかの形態では、規則、法律、又は他の規制を守るため、ある状況で生物学的インジケータを使用することを要求するハード要件(ブロック310)が、存在し得る。このようなハード要件を構成される現滅菌サイクルに適用する場合(ブロック310)、ユーザが、生物学的インジケータをまだスキャン又は選択していないので(308)、ハードインジケータ要件を表示できる(ブロック312)。幾つかの実施において、ハード要件を指定された滅菌サイクルに適用した際(ブロック310)、スクリーンが表示されることがある。例えば、ハード要件に関する記述は、適用する(ブロック310)特定のハード要件の状況をユーザに示すことが可能であり、更に、生物学的インジケータガイドは、継続で要求される生物学的インジケータのグラフィカル表記を示すことができる。このスクリーンには、ユーザが選択プロセスを完全に取り消すことを可能とするボタンを伴うことがある。だが、このようなスクリーンには、適切な生物学的インジケータが無い場合、ユーザが要件を迂回したり、又は継続可能とするボタンが備えられていない。
【0042】
別の例として、スクリーンにより、システムが、プロセスを継続するよう、「B型」生物学的インジケータの要求を示すことができる。ハード要件スクリーンは、滅菌庫(100)用の技術支援要員等の支援を提供可能とする個人に関する連絡先や情報、生物学的インジケータ、滅菌庫(100)が配置される病院、及び/又はユーザがハード要件を突然受信する際(ブロック310)、支援を提供可能とする他の個人等の追加情報を表示可能である。だが、単一生物学的インジケータ種類のみに対応又はこれを要求する実施例では、単一生物学的インジケータの要件を表示する上で、単一インターフェースを必要とするのみで良い。
【0043】
幾つかのハード要件は、「24時間ごとに一度」要件であるが、他の要件も存在し得る。例えば、幾つかの形態では、サイクルごと、1サイクル置き、X-1サイクル置き、1日ごとにある回数、時間周期ごとにある回数、及び/又は構成され得る他のシナリオにつき、生物学的インジケータを使用する際のハード要件が存在し得る。
【0044】
ハード要件が、適切な生物学的インジケータを選択しないと許可されないものとして見えるよう意図的に設計されているが、幾つかの形態のシステム(10)では、更に、緊急又は他の十分な必要性に備えるハード要件であっても、ユーザが迂回可能とする(ブロック320)1組のハード要件迂回スクリーンを表示するよう、構成可能である。このようなスクリーンは、支援要員や病院管理者から供給され、ハード要件を迂回可能とするパスコードを受容するよう、構成される場合もある。このようなスクリーンは、パスコードが受け入れられたことをユーザに示すスクリーンの後に続くことが可能であり、更に、3回のようなある回数の滅菌サイクル用の滅菌サイクル構成中又はある時間に亘って、ハード要件を無効化することが可能である。
【0045】
図3に戻り、ハード迂回に成功した場合(ブロック320)、滅菌サイクル選択と生物学的インジケータ特定は、完了する(ブロック328)。ハード要件を迂回すると、新たな警告が生じるか、又は通知が病院管理者、若しくは他の責任者へと送られ、更に、イベントを後で検証できるよう、ハード要件(ブロック320)に関する特別な状況を示す追加情報をサーバー(106)へと送信できる。コード迂回は、ハード要件迂回(ブロック320)の一例であるが、他の実施例が、存在する。例えば、ハード要件迂回(ブロック320)は、更に、光学バーコード、RFIDタグ、若しくは病院内の小規模な個人群によって保持可能な他のインジケータをスキャンすることで、又は単一迂回若しくは限定された回数の迂回を可能とするダミーインジケータをスキャンすることで、実現可能である。
【0046】
ハード要件が存在しない場合(ブロック310)、滅菌庫(100)は、ソフト要件があるか否かを判定する(ブロック314)。ソフト要件は、滅菌サイクルごと、断続的な滅菌サイクル、断続的な時間周期、又は他のシナリオなどのハード要件と類似の状況において、条件付きで適用可能である。ソフト要件が存在する場合(ブロック314)、図11で示される等のスクリーンを介して、ソフト生物学的インジケータ要件を表示可能である(ブロック316)。図11は、ソフト要件に関する記述(626)、生物学的インジケータ視覚ガイド(622)、及びソフト迂回(624)ボタンを示す。ソフト要件に関する記述(626)は、最後の生物学的インジケータが処理されてから、24時間以上経っており、新たな生物学的インジケータをスキャンして、継続する必要があることを示す。ユーザは、生物学的インジケータを選択したいと思わなければ、サイクルを中断するか、又はソフト迂回(624)ボタンを選択できる。ソフト迂回が選択されると(ブロック318)、滅菌サイクル選択とインジケータ特定は、完了する(ブロック328)。更に、ハード要件(ブロック310)、及びソフト要件(ブロック314)が無い場合、ユーザは、生物学的インジケータや迂回の必要性が無くても継続可能であり、滅菌サイクル選択と生物学的インジケータ特定は、完了する(ブロック328)。
【0047】
滅菌サイクルの手動による選択前に、生物学的インジケータがどれもスキャンされず(ブロック304)、ハード又はソフト要件が存在し(ブロック310、ブロック314)、更に、迂回されない場合(ブロック318、ブロック320)、ユーザは、滅菌庫(100)が進行する前に、生物学的インジケータをスキャンする必要がある(ブロック308)。生物学的インジケータがスキャンされると(ブロック308)、以前に述べたように、生物学的インジケータ検証(ブロック324)を進めることになる。ソフト又はハード迂回を使用する場合(ブロック318、ブロック320)、生物学的インジケータを使用する要件をユーザに通知するための追加の警告を、表示可能である。
【0048】
C.例示的な医療機器配置と負荷調整プロセス
図4は、ユーザに滅菌庫(100)の滅菌室内の医療機器の配置を指導して、滅菌サイクル用の医療機器を調製するために、滅菌庫(100)が実施可能な例示的な組の工程を示す。図4で示す方法は、図2の滅菌サイクル調製工程(ブロック204)及び負荷調整工程(ブロック206)の一部として実施可能な幾つかの部分工程を示すものとして見なせることを、理解するものとする。
【0049】
滅菌サイクルが選択されて(ブロック200)、生物学的インジケータが特定されたら(ブロック202)、滅菌庫(100)は、選択された滅菌サイクル(ブロック200)に基づいて、滅菌庫(100)の滅菌室内の医療機器のユーザによる配置の視覚的ガイドとして機能する医療機器配置を表示可能である(ブロック400)。幾つかの実施には、医療機器配置を表示するのに使用可能な(ブロック400)スクリーンが含まれる。
【0050】
図12は、滅菌サイクルにより滅菌された医療滅菌装置、滅菌サイクルにより滅菌された材料、又は、滅菌サイクル中に使用されたプロセスに関する1つ以上の特性を特徴付けられるサイクル記述(650)を有するインターフェースを、示す。更に、このインターフェースは、滅菌されるべき医療機器を配置する場所(例えば、滅菌室内の棚に関連する)、及び指定された滅菌サイクルに適用可能であれば、生物学的インジケータを配置する場所に関する命令(653)をユーザに供給する1つ以上の配置命令(652)も、含められる。また、このインターフェースは、滅菌庫(100)の滅菌室と見た目が似た形状又は外観を有する医療機器の配置に関するグラフィカル表示(654)も、含められる。図13は、「柔軟」サイクル(656)用の視覚的配置ガイドを提供する類似のインターフェースを示しており、図14は、「二重」サイクル(658)用の類似のインターフェースを示し、更に、図15は、「標準」サイクル(660)用の類似のインターフェースを示している。
【0051】
図4に戻ると、医療機器配置が完了したら(ブロック402)、ユーザは、開始ボタン又は医療機器配置が完了したことを示す他のボタンを押下可能であり、滅菌庫(100)は、医療機器配置を検証できる(ブロック404)。配置検証は、特定の実施例に応じて、種々の方法で実施可能である。幾つかの形態では、配置検証は、視覚的配置ガイド(654)の最終表示と確認だけで良い。別の形態では、配置検証は、撮像装置、若しくは光センサ、重量センサ、2次元又は3次元カメラ画像取り込みと比較、若しくは存在の1つ以上の物理特性を認識することで、画定された空間内の対象物の物理的存在を検出可能とする類似の種類のセンサによって、実施可能である。
【0052】
更に、配置検証(ブロック404)は、製造時、使用時、若しくは滅菌時の何れかにおいて、無線RFID又はNFCスキャナー、並びに医療機器上のRFID又はNFCチップの配置によって、実施可能である。1つ以上の無線スキャナーは、滅菌庫(100)の壁内に配置可能であり、更に、検証時において(ブロック404)、滅菌室内の医療機器の位置を特定し、医療機器がスキャナーの構成された範囲内にあることを検証するよう、構成できる。無線スキャナーを備える形態は、医療機器の配置、並びに、医療機器の種類を特定するようにも構成可能であり、医療室内に配置された医療機器の種類につき、適切な滅菌サイクルが選択されたという追加の確認として、使用できる。
【0053】
医療機器配置を検証できない場合(ブロック404)、サイクル配置ガイドを、再度表示できる(ブロック400)。医療機器配置が検証された場合(ブロック404)、滅菌庫(100)は、負荷調整プロセスを始動可能である(ブロック406)。負荷調整プロセス(ブロック406)は、滅菌サイクル中の最適な滅菌のために、滅菌室及び滅菌室内の医療機器を調製する。調整には、滅菌室に関する1つ以上の特性を制御、最適化することが含められる。例えば、負荷調整中、滅菌庫(100)は、例えば、滅菌室の空気を循環、除湿させること、滅菌室内で真空を生成すること、滅菌室を加熱すること、及び/又は封止された室を除湿される他の方法によって、水分量を減らしつつ、滅菌室内の水分量を絶えず監視できる(ブロック408)。これは、滅菌庫(100)が、許容可能な水分量に達したことを決定するまで(ブロック410)、継続可能である。
【0054】
滅菌庫(100)は、例えば、加熱空気の伝達、滅菌室の内面を通る伝導、及び/又は他の技術の使用によって、滅菌室を加熱する間、滅菌室内の温度を継続して検知することが可能である(ブロック412)。これは、滅菌庫(100)が、許容可能な内部温度に達したことを決定するまで(ブロック414)、継続可能である。温度や湿度等の様々な調整操作を、平行して、又は順番に実施可能である。1つ以上の調整操作を実施する間、滅菌庫(100)は、滅菌サイクルの実施を開始できる待ち時間をユーザに示すインターフェースを表示できる。全ての負荷調整基準を満たすことができたら、負荷調整が完了し(ブロック416)、続いて、滅菌サイクルを実施できる(ブロック208)。それ故、負荷調整プロセス(ブロック206)が完了するまでは、滅菌サイクル(ブロック208)が実際に始動しないよう、滅菌庫(100)が構成されることを、理解するものとする。
【0055】
負荷調整(ブロック206)は、システムエラー、異常な高湿度、又は異常な低温が原因により、常に可能であるわけではない。幾つかの実施には、負荷調整中に湿度を低減できないか、又は他の一般的な障害が発生した場合に表示可能なインターフェースが、含まれる。調整を更に試行できるよう、このインターフェースは、追加のガイドをユーザに提供する。滅菌室の温度を許容可能範囲まで上げられなければ、別のインターフェースを表示可能であり、これに失敗した理由をユーザに指示できる。
【0056】
上述のとおり、滅菌庫(100)は、負荷調整(ブロック206)が完了した後、滅菌サイクルを自動で、且つ、迅速に実施することを開始できる(ブロック208)。滅菌サイクル(ブロック208)の実施中、サイクルの残り時間、完了済みの全サイクル、及び現サイクル段階を示すインターフェースを表示可能であり、滅菌サイクルを取り消し、滅菌サイクルに関する更なる情報を閲覧するためのボタンと併せて、滅菌サイクルのどの部分が現在実行されているかが示される(例えば、プラズマ、真空、注入、加熱、化学処理)。
【0057】
D.滅菌サイクル結果に関する例示的な報告
図5は、滅菌サイクルを実施し、サイクル完了時に、滅菌サイクルの結果を報告するために(ブロック208)、滅菌庫(100)が実施可能とする例示的な組の工程を示す。つまり、図5で示す方法は、図2の結果提供工程(ブロック210)の一部として実施可能な幾つかの部分工程を示すものとして、見なせる。滅菌サイクルが取り消されるか、若しくは障害が原因で、又はユーザの操作によって完了できなかった場合(ブロック500)、滅菌庫(100)を閉じたままとしても良く、更に、滅菌サイクル取り消しメッセージ、並びに、日付、時間、構成、経過時間、滅菌サイクルの操作者、滅菌サイクルが失敗した段階、及び滅菌サイクルに失敗した理由を特定するのに使用可能な他の情報等の滅菌サイクルに関連する様々な詳細を示すインターフェースも、表示できる(ブロック502)。滅菌サイクルに関連するこのような表示情報や他の情報は、更なる使用又は解析のために、サーバー(106)又はプリンター、若しくは双方に送ることができる(ブロック504)。
【0058】
滅菌サイクルが完了した場合(ブロック506)、滅菌庫(100)は、図16で示される等の滅菌サイクル完了(ブロック508)インターフェースを表示可能であり、この滅菌サイクル完了インターフェースには、滅菌サイクル識別子、滅菌サイクル種別、開始時間、持続時間、操作者、及び他の情報(666)などの情報が、含められる。滅菌サイクル中に、生物学的インジケータが存在しない場合(ブロック510)、滅菌サイクルに関連する表示情報や他の情報は、更なる使用又は解析のために、サーバー(106)又はプリンター、若しくは双方に送ることができる(ブロック504)。滅菌サイクル中に、生物学的インジケータが選択、使用された場合(ブロック510)、ユーザにより、生物学的インジケータを除去して、生物学的インジケータアナライザ(102)に入れて、滅菌処理の効率を決定可能である(ブロック512)。これについては、以下でより詳細に説明する。
【0059】
生物学的インジケータアナライザ(102)により提供されたデータから、汚染に関する生物学的インジケータ試験が陰性であることが示された場合(ブロック514)、滅菌サイクルの結果、並びに、インジケータ解析(ブロック512)の結果をサーバー(106)又はプリンター、若しくは双方に送る(ブロック504)。生物学的インジケータアナライザ(102)により提供されたデータから、汚染に関する生物学的インジケータ試験が陽性であることが示された場合(ブロック514)、滅菌庫(100)は、関連する医療機器の無菌状態を確保するために、過去に実施した滅菌サイクルを全て再起動する必要があり得るか否かを、ユーザが判定できるよう、中間滅菌サイクル前に実施する滅菌サイクルの滅菌サイクル履歴(ブロック516)を表示可能である。上記滅菌サイクル後、及び生物学的インジケータ解析(ブロック512)が完了する前に、次の滅菌サイクルが実施された場合、これらの後続滅菌サイクルも、再実行する必要があり得る。
【0060】
図17は、陽性の生物学的インジケータの結果(ブロック514)の場合、影響を受けた可能性のある滅菌サイクルの滅菌サイクル履歴をユーザに表示するインターフェースの一例を示す。図17の例示的なインターフェースは、生物学的インジケータの結果(668)と、一意な生物学的インジケータを選択又はスキャンされた滅菌サイクルへと関連付ける生物学的インジケータ識別子(670)と、生物学的インジケータが分析された時間(672)と、影響を受けた可能性のある過去に実施した滅菌サイクルの順次リストを表示し、生物学的インジケータを含む過去に実施した滅菌サイクルまで少なくとも遡る過去の滅菌サイクルウィンドウ(674)と、影響を受けた滅菌サイクルごとの滅菌サイクル完了時間(676)と、影響を受けた滅菌サイクルごとの滅菌サイクル種別(678)と、影響を受けた滅菌サイクルごとの生物学的インジケータの結果(680)とを、表示する。
【0061】
図17のインターフェースは、1組の影響を受けた滅菌サイクルを特定するために、ユーザにより使用可能であり、幾つかの場合において、(i)汚染の陽性表示をもたらした滅菌サイクルよりも前、且つ、(ii)汚染の陰性表示をもたらした直近の滅菌サイクルよりも後に、実施した各滅菌サイクルで良い。影響を受けた滅菌サイクルのこの組は、滅菌庫(100)の性能の変化の結果として十分な効果が無かった可能性のある各滅菌サイクル、又は現状、汚染の陽性表示の原因となった可能性もある他の障害、又は汚染の限定リストを提供する。影響を受けた滅菌サイクル中に滅菌されたと思われる医療機器は、安全な使用を確実なものとするために、再検証、且つ/又は再滅菌しても良い。
【0062】
III.例示的な滅菌庫
図18は、システム(10)の滅菌庫(100)に組み込み可能な例示的な組の構成要素を示す。とりわけ、図18は、上記、並びに、図2図5で示される種々の方法を実行するよう動作可能な例示的な滅菌庫(150)を示す。本例の滅菌庫(150)は、滅菌室(152)を含み、この滅菌庫は、滅菌用の1つ以上の医療機器を入れるよう構成される。図示されていないものの、滅菌庫(150)は、更に、蹴板(154)の駆動に応答して、滅菌室(152)を開閉する扉も備える。これにより、操作者は、滅菌室(152)をハンズフリー式に開閉可能である。更に、滅菌庫(100)は、上記のとおり、滅菌室(152)に格納される医療機器を滅菌するために、滅菌剤を滅菌室(152)に供給するよう動作可能な滅菌モジュール(156)も、含む。本例において、滅菌モジュール(156)は、ある量の滅菌剤を含有する交換式滅菌剤カートリッジ(158)を受容するよう、構成される。単に例示の目的で、各滅菌剤カートリッジ(158)は、5回の滅菌処理を実行するのに十分な滅菌剤を格納可能である。
【0063】
更に、本例の滅菌庫(150)は、タッチスクリーンディスプレイ(160)も備える。タッチスクリーンディスプレイ(160)は、上記、並びに、図6図18で示される種々のユーザインターフェースディスプレイスクリーンを表示するよう、動作可能である。当然のことであるが、タッチスクリーンディスプレイ(160)は、他の種々の画面も同様に表示できる。更に、タッチスクリーンディスプレイ(160)は、従来型タッチスクリーン技術に従って、ユーザがタッチスクリーンディスプレイ(160)と接触する形態として、ユーザ入力を受信するようにも、構成される。更に、又は代替として、滅菌庫(150)は、限定されないが、ボタン、キーパッド、キーボード、マウス、トラックボール等を含む、他の種々の種類のユーザ入力機能を備えられる。
【0064】
更に、本例の滅菌庫(150)は、プロセッサ(162)も含み、このプロセッサは、滅菌モジュール(156)とタッチスクリーンディスプレイ(160)と通信する。プロセッサ(162)は、ユーザ入力に従って、滅菌モジュール(156)を駆動する制御アルゴリズムを実行するよう、動作可能である。更に、プロセッサ(162)は、種々のスクリーンをタッチスクリーンディスプレイ(160)上で表示し、更に、タッチスクリーンディスプレイ(160)を介して(及び/又は、他のユーザ入力機能を介して)、ユーザから受信した命令を処理する命令を実行するようにも、動作可能である。以下で詳細に説明するように、図18で見られるとおり、プロセッサ(162)は、更に、滅菌庫(150)の種々の他の構成要素と通信し、これにより、こうした構成要素を駆動、且つ/又はこれらの構成要素からの入力、及び/又は他のデータを処理するよう、動作できる。本明細書の教示を鑑みて、プロセッサ(162)を形成するのに使用できる種々の適切な構成要素及び構成が、当業者に明らかとなるであろう。
【0065】
更に、本例の滅菌庫(150)は、通信モジュール(164)も備える。通信モジュール(164)は、滅菌庫(150)と通信ハブ(104)との間の双方向通信を可能とするよう、構成される。更に、又は代替として、通信モジュール(164)は、滅菌庫(150)とサーバー(106)との間の双方向通信を可能とするよう、構成できる。単なる例示として、通信モジュール(164)は、Ethernet、Wi-Fi、Bluetooth、USB、赤外線、NFC、及び/又は他の技術等を介した有線、及び/又は無線通信を提供するよう、構成可能である。本明細書の教示を鑑みて、通信モジュール(164)を形成するのに使用できる種々の適切な構成要素及び構成が、当業者に明らかとなるであろう。通信モジュール(164)との間で送信又は受信された通信は、プロセッサ(162)を介して、処理される。
【0066】
更に、本例の滅菌庫(150)は、リーダー(166)も含み、このリーダーは、本明細書で記載されるとおり、生物学的インジケータの識別タグを読み取るよう動作可能である。リーダー(166)は、図3を参照して以前に述べたインジケータスキャニング(ブロック302、ブロック308)の工程を実行するために使用できることを、理解するものとする。単なる例示として、リーダー(166)は、生物学的インジケータの光学識別タグ(例えば、バーコード、QRコード等)を読み取るよう動作可能な光学リーダーも、含められる。更に、又は代替として、リーダー(166)は、生物学的インジケータのRFID識別タグ(例えば、バーコード、QRコード等)を読み取るよう動作可能なRFIDリーダーも、含められる。本明細書の教示を鑑みて、リーダー(166)を形成するのに使用できる種々の適切な構成要素及び構成が、当業者に明らかとなるであろう。リーダー(166)を通じて受信されたデータは、プロセッサ(162)を介して処理される。
【0067】
更に、本例の滅菌庫(150)は、メモリー(168)も含み、このメモリーは、滅菌モジュール(156)、タッチスクリーンディスプレイ(160)、通信モジュール(164)、及びリーダー(166)等の構成要素を駆動するために、プロセッサ(162)により実行される制御ロジックと命令を格納するよう動作可能である。更に、メモリー(168)を使用して、滅菌サイクルの設定、負荷条件付けサイクルの性能、滅菌サイクルの性能、及び/又は様々な他の種類の情報に関連する結果を格納できる。本明細書の教示を鑑みて、メモリー(168)が取り得る種々の適切な形態、並びにメモリー(168)が使用できる様々な方法が、当業者に明らかとなるであろう。
【0068】
更に、本例の滅菌庫(150)は、滅菌サイクルの設定、負荷条件付けサイクルの性能、滅菌サイクルの性能、及び/又は様々な他の種類の情報に関連する結果などの情報を印刷するのに動作可能なプリンター(170)も、含む。単なる例示として、プリンター(170)は、熱プリンターを含められるが、ただし、当然のこととして、他の適切な種類のプリンターも使用可能である。本明細書の教示を鑑みて、プリンター(170)が取り得る種々の適切な形態、並びにプリンター(170)が使用できる様々な方法が、当業者に明らかとなるであろう。また、プリンター(170)が任意にすぎず、いくつかの形態では、省かれている場合もあることも理解するものとする。
【0069】
上記に加えて、滅菌庫(150)は、参照により、開示が本明細書で援用される米国特許第6,939,519号;参照により、開示が本明細書で援用される米国特許第6,852,279号;参照により、開示が本明細書で援用される米国特許第6,852,277号;及び/又は、参照により、開示が本明細書で援用される米国特許第6,447,719号の教示の少なくとも一部に従って、構成、動作可能である。
【0070】
IV.例示的な生物学的インジケータ構体
上述のとおり、滅菌プロセス(ブロック208)が成功したことを確保するために、生物学的インジケータは、滅菌プロセス中(ブロック208)、医療機器と共に滅菌庫(100、150)内に含められる。例示的な生物学的インジケータは、筐体、キャップ、アンプル、及び担体を含む。筐体は、透明材料(例えば、透明プラスチック、ガラス等)から製造され、筐体がアンプルを挿入式に受け入れるよう、中空とする。更に、アンプルは、透明材料(例えば、透明プラスチック、ガラス等)から製造され、流体を含有する。単なる例示として、流体には、培養によって、接触する全ての生菌の成長を促進可能とする液体成長媒体が含められる。また、蛍光が媒体に含まれる微生物の量に依存するフルオロフォアも、流体に含まれる。流体は、アンプル内で密封される。
【0071】
担体は、微生物、あるいは、活性酵素源を供給する。単なる例示として、担体は、細菌胞子、他の形態の細菌(例えば、栄養体)、及び/又は、活性酵素で含浸可能である。単に例示として、バチルス、ゲオバチルス、及びクロストリジウム種からの胞子を、使用できる。本明細書の教示に照らして、担体を構成可能とする種々の適切な方法が、当業者には明らかとなろう。
【0072】
アンプルは、生物学的インジケータの脆性構成要素として構成され、これにより、アンプルは、筐体内で破砕されて、流体を筐体内で放出することができる。アンプルを破砕し易くするために、キャップは、筐体に沿って下方に摺動して、アンプルを破砕構造へと押下するよう構成される。これは、生物学的インジケータをインジケータアナライザに挿入する(102)直前に、実施可能である。滅菌プロセス中、生物学的インジケータが滅菌庫(100)内にある間、アンプルは、未損傷のままである点を、理解するものとする。キャップが筐体に対して下方に押下されて、アンプルを破砕する前に、ガス(例えば、空気又は滅菌剤等)を筐体に通すための1つ以上の開口部を、キャップに備えることができる。かくして、こうした開口部により、担体上の微生物を、滅菌プロセス(ブロック208)で死滅させることができる。だが、キャップを筐体に対して下方に押下して、アンプルを破砕した後、放出された流体を筐体内に格納するため、こうした1つ以上の開口部を封止できる。流体がアンプルから放出した際、放出された流体は、最終的に担体へ達して、以下でより詳しく説明するように、生きた微生物が全て担体上に残った状態で、培養プロセスが開始する。
【0073】
更に、筐体は、識別タグも含められる。このような識別タグには、滅菌庫(100、150)、及び、インジケータアナライザ(102)のリーダー(166)によって読み取り可能な機械可読機構を含められる。つまり、識別タグは、図3を参照して以前に述べたインジケータスキャニング(ブロック302、ブロック308)の工程を実行するために使用できることを、理解するものとする。単なる例示として、識別タグは、光学コード(例えば、バーコード、QRコード等)、RFIDタグ、及び/又は他の全ての適切な種類の機械可読識別子を、含み得る。更に、識別タグには、文字、数字、色符号等の人間が読み取れる機構も含み得る。
【0074】
この他、又は上記の代わりとして、生物学的インジケータは、2016年3月1日付けで出願された「Self-Contained Biological Indicator(自己格納型生物学的インジケータ)」と題される米国特許第15/057,768号の教示の少なくとも幾つかに従って構成、動作可能であり、その開示を、参照により本明細書で援用する。本明細書の教示を鑑みて、生物学的インジケータが取り得る他の適切な形態が、当業者に明らかになることであろう。
【0075】
V.例示的な生物学的インジケータアナライザ
例示的な生物学的インジケータアナライザ(102)は、図5を参照して以前に述べた生物学的インジケータ分析(ブロック512)を実行するよう、動作可能である。この例の生物学的インジケータアナライザ(102)は、複数のウェルを含み、それぞれが、各生物学的インジケータを挿入式に受け入れるよう構成される。更に、生物学的インジケータアナライザ(102)は、命令や制御アルゴリズムの実行、情報の処理等を遂行するよう動作可能なプロセッサも、含む。
【0076】
各ウェルは、関連する光源及びセンサを備える。各光源は、対応するウェル内に挿入される生物学的インジケータの筐体を通して、光を投影するよう構成され、更に、各センサは、筐体内に格納された流体から蛍光発光する光を検出するよう動作可能である。上述のとおり、流体の蛍光は、流体媒体内に含まれる生体微生物の量で決まることになる。かくして、センサは、流体が光源からの光に応答して蛍光発光する度合に応じて、流体内の生体微生物を検出できる。
【0077】
更に、本例の生物学的インジケータアナライザ(102)は、タッチスクリーンディスプレイも備える。タッチスクリーンディスプレイは、生物学的インジケータアナライザ(102)の動作に関連する種々のユーザインターフェースディスプレイスクリーンを表示するよう、動作可能である。更に、本例の生物学的インジケータアナライザ(102)は、通信モジュールも備える。通信モジュールは、生物学的インジケータアナライザ(102)と通信ハブ(104)との間の双方向通信を可能とするよう、構成される。更に、又は代替として、通信モジュールは、生物学的インジケータアナライザ(102)とサーバー(106)との間の双方向通信を可能とするよう、構成できる。本明細書の教示を鑑みて、通信モジュールを形成するのに使用できる種々の適切な構成要素及び構成が、当業者に明らかとなるであろう。
【0078】
更に、本例の生物学的インジケータアナライザ(102)は、リーダーも含み、このリーダーは、本明細書で記載されるとおり、生物学的インジケータの識別タグを読み取るよう動作可能である。リーダーを使用して、生物学的インジケータを分析する前に(ブロック512)、生物学的インジケータを特定できることを理解するものとする。単なる例示として、リーダーは、生物学的インジケータの光学識別タグ(例えば、バーコード、QRコード等)を読み取るよう動作可能な光学リーダーも、含められる。更に、又は代替として、リーダーは、生物学的インジケータのRFID識別タグ(例えば、バーコード、QRコード等)を読み取るよう動作可能なRFIDリーダーも、含められる。本明細書の教示を鑑みて、リーダーを形成するのに使用できる種々の適切な構成要素及び構成が、当業者に明らかとなるであろう。
【0079】
更に単なる例示として、生物学的インジケータアナライザ(102)は、参照により、開示が本明細書で援用される2016年4月1日付けで出願された「System and Method for Sterilizing Medical Devices(医療機器を滅菌するためのシステムと方法)」と題する米国仮特許出願第62/316,722号の教示の少なくとも幾つかに従って構成、動作可能である。本明細書の教示を鑑みて、生物学的インジケータアナライザ(102)が取り得る他の適切な形態が、当業者に明らかになることであろう。
【0080】
VI.例示的な組み合わせ
以下の例は、本明細書の教示を組み合わせるか、又は適用できる様々な非包括的な方法に関する。以下の例は、本出願又は本出願以降の出願における如何なる時でも提示されうる全ての請求項の適用範囲を限定することを目的としたものではない点を理解するものとする。一切の放棄を意図するものではない。以下の例は単なる例示目的で与えられるものにすぎない。本明細書の様々な教示は、他の多くの方法で構成及び適用可能であると企図される。また、幾つかの変形形態は、以下の例において言及される何らかの機能を省略できることも、企図される。それ故、本発明者又は本発明者と利害関係のある継承者が、後日そのようなものとして別途明示しない限り、以下で言及される態様又は特徴のいずれもが、重要であるものとしてみなされないものとする。以下で言及される以外の新たな特徴を含む請求項が本出願において、又は本出願に関連する後の出願において提示される場合、これらの新たな特徴は、特許性に関連する如何なる理由で追加されたものと見なさないものとする。
【実施例
【0081】
(例1)
システムが、(a)滅菌庫であって、滅菌室を含み、上記滅菌室内に入れられた医療機器を滅菌するよう動作可能である滅菌庫と、(b)生物学的インジケータアナライザであって、生物学的インジケータ構体内の生体の存在を検出するよう動作可能な生物学的インジケータアナライザと、(c)通信ハブとを含み、上記滅菌庫は、上記通信ハブと通信し、更に、上記生物学的インジケータアナライザも、上記通信ハブと通信し、上記通信ハブは、上記生物学的インジケータアナライザから上記滅菌庫まで情報を送信するよう、動作可能である。
【0082】
(例2)
例1のシステムは、更に、サーバーも含み、上記サーバーは、上記通信ハブと通信する。
【0083】
(例3)
例2のシステムにおいて、上記通信ハブは、上記生物学的インジケータアナライザから上記サーバーまで情報を送信するよう、動作可能である。
【0084】
(例4)
例2~例3のいずれか一例以上のシステムにおいて、上記通信ハブは、上記滅菌庫から上記サーバーまで情報を送信するよう、動作可能である。
【0085】
(例5)
例2~例4のいずれか一例以上のシステムにおいて、上記通信ハブは、上記サーバーから上記滅菌庫まで情報を送信するよう、動作可能である。
【0086】
(例6)
例2~例4のいずれか一例以上のシステムにおいて、上記通信ハブは、上記サーバーから上記生物学的インジケータアナライザまで情報を送信するよう、動作可能である。
【0087】
(例7)
滅菌庫において、上記滅菌庫は、滅菌室を含み、上記滅菌庫は、上記滅菌室内に入れられた医療機器を滅菌するよう動作可能であり、更に、上記滅菌庫は、上記医療機器を滅菌する前に、上記医療機器を調整するようにも、動作可能である。
【0088】
(例8)
例7の滅菌庫において、上記滅菌庫は、上記医療機器上の水分を検出して、上記水分を上記医療機器から除去することで、上記医療機器を滅菌する前に上記医療機器を調整するよう、動作可能である。
【0089】
(例9)
滅菌庫が、(a)滅菌室であって、上記滅菌庫は、上記滅菌室に入れられた医療機器を滅菌するよう動作可能な滅菌室と、(b)リーダーであって、生物学的インジケータの識別タグを読み取るよう動作可能なリーダーと、を含む。
【0090】
(例10)
例9の滅菌庫において、上記リーダーは、上記生物学的インジケータ上での光学コードをスキャンするよう、動作可能である。
【0091】
(例11)
例9~例10のいずれか一例以上の滅菌庫は、更に、グラフィカルユーザインターフェースも含み、上記グラフィカルユーザインターフェースは、上記リーダーを動作させて、生物学的インジケータの識別タグを読み取ることを、ユーザに指示するよう、構成される。
【0092】
(例12)
例11の滅菌庫において、上記グラフィカルユーザインターフェースは更に、複数の利用可能な滅菌サイクルから滅菌サイクルを1つ選択することを、ユーザに指示するよう、構成される。
【0093】
(例13)
例12の滅菌庫において、上記滅菌庫は、上記ユーザにより選択されたある特定の滅菌サイクルに関連する特定の種類の生物学的インジケータを特定するよう構成され、上記グラフィカルユーザインターフェースは、更に、上記リーダーを動作させて、ユーザにより選択された上記特定の滅菌サイクルに関連する上記特定の種類の生物学的インジケータの識別タグを読み取ることを、上記ユーザに指示するようにも構成される。
【0094】
(例14)
医療機器を処理する方法において、上記方法は、(a)ユーザから、複数の利用可能な滅菌サイクルからある特定の滅菌サイクルを選択する入力を受信する工程と、(b)上記選択された滅菌サイクルに関連するある特定の種類の生物学的インジケータを特定する工程と、(c)上記医療機器及び上記特定された生物学的インジケータを滅菌庫の滅菌室に入れるよう、上記ユーザに指示する工程と、(d)上記滅菌室内の上記医療機器の負荷調整を実施する工程であって、上記医療機器から水分を除去する工程と、(e)上記負荷調整の操作の完了後、上記滅菌室内の上記医療機器に対して、上記選択された滅菌サイクルを実施する工程と、を含む。
【0095】
(例15)
例14の方法は、更に、上記医療機器及び上記特定された生物学的インジケータを上記滅菌室に入れることを上記ユーザに指示する前に、上記特定された生物学的インジケータの識別タグをスキャンすることを、上記ユーザに指示する工程も、含む。
【0096】
(例16)
例15の方法は、更に、生物学的インジケータの使用に関する設備ポリシーを評価する工程も含み、上記特定された生物学的インジケータの識別タグをスキャンすることを上記ユーザに指示する上記操作は、生物学的インジケータの上記ユーザに関する上記設備ポリシーの上記評価に基づいて、実施される。
【0097】
(例17)
例15~例16のいずれか一例以上の方法において、上記滅菌庫は、グラフィカルユーザインターフェースを含み、上記特定された生物学的インジケータの識別タグをスキャンすることを上記ユーザに指示する上記工程は、上記グラフィカルユーザインターフェースを介して、実施される。
【0098】
(例18)
例14~例17のいずれか一例以上の方法において、上記滅菌庫は、タッチスクリーンを備える。
【0099】
(例19)
例18の方法において、上記ユーザからの、上記特定の滅菌サイクルを選択する上記入力は、上記タッチスクリーンを介して受信される。
【0100】
(例20)
例18~例19のいずれか一例以上の方法において、上記医療機器及び上記特定された生物学的インジケータを滅菌庫の滅菌室に入れることを上記ユーザに指示する上記工程は、上記タッチスクリーンを通じて実施される。
【0101】
(例21)
例18~例20のいずれか一例以上の方法は、更に、上記タッチスクリーンを介して、上記利用可能な滅菌サイクルそれぞれに関する情報を上記ユーザに提示する工程も、含む。
【0102】
(例22)
例18~例21のいずれか一例以上の方法は、更に、上記医療機器上で上記選択された滅菌サイクルを実施した後、上記完了した滅菌サイクルに関する情報を上記ユーザに提示する工程も、含み、上記完了した滅菌サイクルに関する情報を上記ユーザに提示する上記工程は、上記タッチスクリーンを介して実施される。
【0103】
(例23)
医療機器を処理する方法において、上記方法は、(a)ユーザから、複数の利用可能な滅菌サイクルからある特定の滅菌サイクルを選択する入力を受信する工程と、(b)上記選択された滅菌サイクルに関連するある特定の種類の生物学的インジケータを特定する工程と、(c)滅菌庫のリーダーを使用して、上記特定された種類の生物学的インジケータの識別タグを読み取ることを、上記ユーザに指示する工程と、(d)生物学的インジケータの識別タグを読み取るための上記ユーザによる上記リーダーの利用に基づく情報を、上記リーダーから受信する工程と、(e)上記医療機器及び上記特定された生物学的インジケータを上記滅菌庫の滅菌室に入れることを上記ユーザに指示する工程と、(f)上記滅菌室内の上記医療機器上で上記選択された滅菌サイクルを実行する工程と、を含む。
【0104】
(例24)
例23の方法は、更に、上記滅菌室内の上記医療機器に対する負荷調整を実施する工程も、含み、負荷調整を実施する上記工程は、水分を上記医療機器から除去する工程を、含む。
【0105】
(例25)
例24の方法において、上記選択された滅菌サイクルは、上記負荷調整操作の完了後、実施される。
【0106】
(例26)
例23~例25のいずれか一例以上の方法は、更に、上記リーダーから受信された上記情報によって、上記ユーザが上記選択された滅菌サイクルに関連する上記特定の種類の生物学的インジケータを選択したことが示されたか否かを判定する工程も、含む。
【0107】
(例27)
例26の方法において、上記判定する操作は、上記ユーザが、上記選択された滅菌サイクルに関連する上記特定の種類の生物学的インジケータを選択していなかったことを示し、上記方法は、更に、上記ユーザが上記選択された滅菌サイクルに関連する上記特定の種類の生物学的インジケータを選択していなかったことを、上記ユーザに通知する工程も、含む。
【0108】
(例28)
医療機器を処理する方法において、上記方法は、(a)ユーザから、複数の利用可能な滅菌サイクルからある特定の滅菌サイクルを選択する入力を受信する工程と、(b)上記選択された滅菌サイクルに関連するある特定の種類の生物学的インジケータを特定する工程と、(c)上記医療機器及び上記特定された生物学的インジケータを上記滅菌庫の滅菌室に入れるよう、上記ユーザに指示する工程と、(d)上記滅菌室内の上記医療機器において上記選択された滅菌サイクルを実行する工程と、(e)上記選択された滅菌サイクルの実施後、上記特定された生物学的インジケータが何らかの生体を含むか否かを判定する工程と、を含む。
【0109】
(例29)
例28の方法において、上記特定された生物学的インジケータが何らかの生体を含むか否かを判定する上記工程は、上記特定された生物学的インジケータに関連する蛍光を評価する工程を、含む。
【0110】
(例30)
例28~例29のいずれか一例以上の方法において、上記特定された生物学的インジケータが何らかの生体を含むか否かを判定する上記操作は、上記特定された生物学的インジケータが生体を含むことを示し、上記方法は、更に、上記特定された生物学的インジケータが生体を含むことを、上記ユーザに通知する工程も、含む。
【0111】
(例31)
例30の方法において、上記特定された生物学的インジケータが生体を含むことを上記ユーザに通知する上記操作は、上記滅菌庫を介して実施される。
【0112】
(例32)
例28~例31のいずれか一例以上の方法において、上記特定された生物学的インジケータが何らかの生体を含むか否かを判定する上記操作は、生物学的インジケータアナライザを使用して実施され、上記生物学的インジケータアナライザは、上記滅菌庫から独立している。
【0113】
(例33)
医療機器を処理する方法において、上記方法は、(a)複数の利用可能な滅菌サイクルから滅菌サイクルを1つ選択する入力を、ユーザから受信する工程と、(b)上記選択された滅菌サイクルに関連する生物学的インジケータを特定する工程と、(c)上記医療機器及び上記生物学的インジケータを滅菌庫の滅菌室に入れるよう、タッチスクリーンディスプレイを介して上記ユーザに指示する工程と、(d)上記滅菌室内の上記医療機器の負荷調整を実施する工程と、(e)上記負荷調整の操作の完了後、上記滅菌室内の上記医療機器に対して、上記選択された滅菌サイクルを実施する工程と、を含む。
【0114】
(例34)
例33の方法は、更に、上記タッチスクリーンを介して、上記利用可能な滅菌サイクルそれぞれに関する情報を上記ユーザに提示する工程も、含む。
【0115】
(例35)
例33~例34のいずれか一例以上の方法は、更に、上記生物学的インジケータの識別タグを読み取るための上記ユーザによる上記滅菌庫のリーダーの使用に基づいて、上記リーダーから、インジケータデータセットを受信する工程も、含む。
【0116】
(例36)
例35の方法において、上記インジケータデータセットは、インジケータ種別を含み、更に、上記インジケータ種別に基づいて、上記複数の利用可能な滅菌サイクルを制限する工程も、含まれる。
【0117】
(例37)
例35~例36のいずれか一例以上の方法において、上記インジケータデータセットは、インジケータ終了日を含み、上記方法は、更に、上記インジケータ終了日により、上記生物学的インジケータが終了したことが示された際、新規生物学的インジケータを取得するよう、上記ユーザに指示する工程も含む。
【0118】
(例38)
例35~例37のいずれか一例以上の方法において、上記インジケータデータセットは、インジケータ取消し状態を含み、上記方法は、更に、上記インジケータ取消し状態により、上記生物学的インジケータがプロバイダーによって取り消されたことが示された際、新規生物学的インジケータを取得するよう、上記ユーザに指示する工程も含む。
【0119】
(例39)
例35~例38のいずれか一例以上の方法において、上記インジケータデータセットは、インジケータ源を含み、上記方法は、更に、上記インジケータ源が1組の承認されたインジケータ源内に無い場合、新規生物学的インジケータを取得するよう、上記ユーザに指示する工程も含む。
【0120】
(例40)
例33~例39のいずれか一例以上の方法は、更に、上記滅菌庫のリーダーを使用して、上記生物学的インジケータの識別タグを読み取ることを、上記タッチスクリーンディスプレイを介して上記ユーザに指示する工程も、含む。
【0121】
(例41)
例41の方法は、更に、(i)上記滅菌庫が、上記生物学的インジケータの上記識別タグを読み取らなかった場合、且つ、(ii)上記滅菌庫が、上記滅菌サイクルを開始すべきであるという表示を上記ユーザから受信した場合、ソフトインジケータ要件を上記タッチスクリーンディスプレイ上で表示する工程も、含む。
【0122】
(例42)
例40~例42のいずれか一例以上の方法は、更に、(i)上記滅菌庫が、上記生物学的インジケータの上記識別タグを読み取らなかった場合、且つ、(ii)上記滅菌庫が、上記滅菌サイクルを開始すべきであるという表示を上記ユーザから受信した場合、ハードインジケータ要件を上記タッチスクリーンディスプレイ上で表示する工程も、含み、上記ハードインジケータ要件は、上記滅菌サイクルが実行されることを抑止する。
【0123】
(例43)
例42の方法は、更に、(i)上記滅菌庫が上記生物学的インジケータの上記識別タグを読み取る場合、又は、(ii)上記滅菌庫が迂回コードを上記ユーザから受信する場合、上記ハードインジケータ要件を除去する工程も、含む。
【0124】
(例44)
例33~例43のいずれか一例以上の方法は、更に、上記タッチスクリーンディスプレイを介して、負荷配置画像を表示する工程も、含み、上記負荷配置画像は、(i)1つ以上の手術器具の位置、及び、(ii)上記生物学的インジケータの位置を、含む。
【0125】
(例45)
例33~例44のいずれか一例以上の方法において、負荷調整を実行する上記操作は、(i)水分を上記医療機器から除去する工程、及び、(ii)上記滅菌室内の温度を上昇させる工程の1つ以上を含む。
【0126】
(例46)
例33~例45のいずれか一例以上の方法は、更に、(a)上記滅菌庫の配置センサから1組の配置データを受信する工程であって、上記1組の配置データは、上記医療機器及び上記生物学的インジケータの位置を示す工程と、(b)上記1組の配置データに基づいて、上記滅菌サイクルを実施するか否かを判定する工程も、含む。
【0127】
(例48)
医療機器を滅菌する滅菌庫は、プロセッサと、滅菌室と、タッチスクリーンディスプレイとを含み、上記プロセッサは、(a)1組の滅菌サイクルを表示する工程と、(b)滅菌サイクル選択を受信する工程と、(c)上記滅菌サイクル選択に基づいて、生物学的インジケータ種別を表示する工程であって、上記生物学的インジケータ種別は、上記滅菌サイクル選択に関連する生物学的インジケータを示す工程と、(d)1組の配置命令を表示する工程であって、上記1組の配置命令は、上記医療機器の位置及び生物学的インジケータの位置を含む工程と、(e)上記滅菌室内の上記医療機器の負荷調整を実施する工程と、(f)上記滅菌サイクル選択に基づいて、上記滅菌室内の上記医療機器に対して、滅菌サイクルを実施する工程とを実施させる命令を遂行するよう、構成される。
【0128】
(例49)
例48の滅菌庫は、更に、リーダーも含み、上記プロセッサは、更に、ユーザが上記リーダーを使用して、上記生物学的インジケータの識別タグを読み取る際、上記リーダーからインジケータデータセットを受信するようにも、構成される。
【0129】
(例50)
例49の滅菌庫において、上記インジケータデータセットは、インジケータ終了日を含み、上記プロセッサは、更に、上記インジケータ終了日により、上記生物学的インジケータが終了したことが示された際、上記生物学的インジケータが終了したことを示す情報を表示する命令を実行するようにも、構成される。
【0130】
(例51)
例49~例50のいずれか一例以上の滅菌庫において、上記インジケータデータセットは、インジケータ取消し状態を含み、上記プロセッサは、更に、上記インジケータ取消し状態により、上記生物学的インジケータがプロバイダーによって取り消されたことが示された際、上記生物学的インジケータに欠陥があることを示す情報を表示する命令を実行するようにも、構成される。
【0131】
(例52)
例49~例51のいずれか一例以上の滅菌庫において、上記インジケータデータセットは、インジケータ源を含み、上記プロセッサは、更に、上記インジケータ源が1組の承認されたインジケータ源内に無い場合、上記生物学的インジケータが不適合であることを示す情報を表示する命令を実行するようにも、構成される。
【0132】
(例53)
滅菌庫は、(a)滅菌室と、(b)タッチスクリーンディスプレイと、(c)生物学的インジケータリーダーと、(d)滅菌サイクルの選択プロセスを通してユーザを支援する工程と、検証された生物学的インジケータを選択する工程と、医療機器を上記滅菌室に入れる工程と、上記生物学的インジケータを上記滅菌室に入れる工程と、上記滅菌サイクルを始動する工程とを実行するための手段と、を含む。
【0133】
VII.その他
援用された内容が既存の定義、提示、若しくは本開示の中で記載される他の開示内容と抵触しない限り、本明細書で参照により援用されるものとして述べられた全ての特許、公開物、又は他の開示内容は全て若しくはその一部が、本明細書に組み込まれることが理解されるであろう。したがって、本明細書で明示的に記載された開示内容は、必要範囲まで、本明細書で参照により援用された全ての抵触内容よりも優先される。援用された内容と既存の開示内容との間で競合が発生しない限り、本明細書で参照により援用されるものと述べられたが、既存の定義、提示、又は本開示の中で記載される他の開示内容と抵触する全ての内容又はその一部が、組み込まれる。
【0134】
以上、本発明の様々な実施例について図示及び説明してきたが、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者による適切な改変により、本明細書に記載される方法及びシステムを、一層適合化することが可能である。そのような想定される改変の幾つかについて述べたが、別の改変も当業者には明らかであろう。例えば、上記で考察した例、実施例、構造、材料、寸法、比率、工程などは例示的であり、必須ではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲の観点から検討されるべきものであり、本明細書及び図面において図示、説明された構造や動作の細部に限定されないものとして理解するものとする。
【0135】
〔実施の態様〕
(1) 医療機器を処理する方法であって、前記方法は、
(a)複数の利用可能な滅菌サイクルから滅菌サイクルを1つ選択する入力を、ユーザから受信する工程と、
(b)前記選択された滅菌サイクルに関連する生物学的インジケータを特定する工程と、
(c)前記医療機器及び前記生物学的インジケータを滅菌庫の滅菌室に入れるよう、タッチスクリーンディスプレイを介して前記ユーザに指示する工程と、
(d)前記滅菌室内の前記医療機器の負荷調整を実施する工程と、
(e)前記負荷調整の操作の完了後、前記滅菌室内の前記医療機器に対して、前記選択された滅菌サイクルを実施する工程と、を含む、方法。
(2) 前記タッチスクリーンを介して、前記利用可能な滅菌サイクルそれぞれに関する情報を前記ユーザに提示する工程を更に含む、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記生物学的インジケータの識別タグを読み取るための前記ユーザによる前記滅菌庫のリーダーの使用に基づいて、前記リーダーから、インジケータデータセットを受信する工程を更に含む、実施態様1に記載の方法。
(4) 前記インジケータデータセットは、インジケータ種別を含み、前記インジケータ種別に基づいて、前記複数の利用可能な滅菌サイクルを制限する工程を更に含む、実施態様3に記載の方法。
(5) 前記インジケータデータセットは、インジケータ終了日を含み、前記方法は、前記インジケータ終了日により、前記生物学的インジケータが終了したことが示された際、新規生物学的インジケータを取得するよう、前記ユーザに指示する工程を更に含む、実施態様3に記載の方法。
【0136】
(6) 前記インジケータデータセットは、インジケータ取消し状態を含み、前記方法は、前記インジケータ取消し状態により、前記生物学的インジケータがプロバイダーによって取り消されたことが示された際、新規生物学的インジケータを取得するよう、前記ユーザに指示する工程を更に含む、実施態様3に記載の方法。
(7) 前記インジケータデータセットは、インジケータ源を含み、前記方法は、前記インジケータ源が1組の承認されたインジケータ源内に無い場合、新規生物学的インジケータを取得するよう、前記ユーザに指示する工程を更に含む、実施態様3に記載の方法。
(8) 前記滅菌庫のリーダーを使用して、前記生物学的インジケータの識別タグを読み取ることを、前記タッチスクリーンディスプレイを介して前記ユーザに指示する工程を更に含む、実施態様1に記載の方法。
(9) (i)前記滅菌庫が、前記生物学的インジケータの前記識別タグを読み取らなかった場合、且つ、
(ii)前記滅菌庫が、前記滅菌サイクルを開始すべきであるという表示を前記ユーザから受信した場合、ソフトインジケータ要件を前記タッチスクリーンディスプレイ上で表示する工程を更に含む、実施態様8に記載の方法。
(10) (i)前記滅菌庫が、前記生物学的インジケータの前記識別タグを読み取らなかった場合、且つ、
(ii)前記滅菌庫が、前記滅菌サイクルを開始すべきであるという表示を前記ユーザから受信した場合、ハードインジケータ要件を前記タッチスクリーンディスプレイ上で表示する工程を更に含み、
前記ハードインジケータ要件は、前記滅菌サイクルが実行されることを抑止する、実施態様8に記載の方法。
【0137】
(11) (i)前記滅菌庫が、前記生物学的インジケータの前記識別タグを読み取る場合、又は、
(ii)前記滅菌庫が迂回コードを前記ユーザから受信する場合、前記ハードインジケータ要件を除去する工程を更に含む、実施態様10に記載の方法。
(12) 前記タッチスクリーンディスプレイを介して、負荷配置画像を表示する工程を更に含み、前記負荷配置画像は、
(i)1つ以上の手術器具の位置、及び、
(ii)前記生物学的インジケータの位置、を含む、実施態様1に記載の方法。
(13) 負荷調整を実行する前記操作は、
(i)水分を前記医療機器から除去する工程、及び、
(ii)前記滅菌室内の温度を上昇させる工程、のうち1つ以上を含む、実施態様1に記載の方法。
(14) (a)前記滅菌庫の配置センサから1組の配置データを受信する工程であって、前記1組の配置データは、前記医療機器及び前記生物学的インジケータの位置を示す、工程と、
(b)前記1組の配置データに基づいて、前記滅菌サイクルを実施するか否かを判定する工程と、を更に含む、実施態様1に記載の方法。
(15) 医療機器を滅菌する滅菌庫であって、プロセッサと、滅菌室と、タッチスクリーンディスプレイとを含み、前記プロセッサは、
(a)1組の滅菌サイクルを表示する工程と、
(b)滅菌サイクル選択を受信する工程と、
(c)前記滅菌サイクル選択に基づいて、生物学的インジケータ種別を表示する工程であって、前記生物学的インジケータ種別は、前記滅菌サイクル選択に関連する生物学的インジケータを示す、工程と、
(d)1組の配置命令を表示する工程であって、前記1組の配置命令は、前記医療機器の位置及び生物学的インジケータの位置を含む、工程と、
(e)前記滅菌室内の前記医療機器の負荷調整プロセスを実施する工程と、
(f)前記滅菌サイクル選択に基づいて、前記滅菌室内の前記医療機器に対して、滅菌サイクルを実施する工程と、を実施させる命令を遂行するように構成されている、滅菌庫。
【0138】
(16) リーダーを更に含み、前記プロセッサは、ユーザが前記リーダーを使用して、前記生物学的インジケータの識別タグを読み取る際、前記リーダーからインジケータデータセットを受信するように更に構成されている、実施態様15に記載の滅菌庫。
(17) 前記インジケータデータセットは、インジケータ終了日を含み、前記プロセッサは、前記インジケータ終了日により、前記生物学的インジケータが終了したことが示された際、前記生物学的インジケータが終了したことを示す情報を表示する命令を実行するように更に構成されている、実施態様16に記載の滅菌庫。
(18) 前記インジケータデータセットは、インジケータ取消し状態を含み、前記プロセッサは、前記インジケータ取消し状態により、前記生物学的インジケータがプロバイダーによって取り消されたことが示された際、前記生物学的インジケータに欠陥があることを示す情報を表示する命令を実行するように更に構成されている、実施態様16に記載の滅菌庫。
(19) 前記インジケータデータセットは、インジケータ源を含み、前記プロセッサは、前記インジケータ源が1組の承認されたインジケータ源内に無い場合、前記生物学的インジケータが不適合であることを示す情報を表示する命令を実行するように更に構成されている、実施態様16に記載の滅菌庫。
(20) 滅菌庫であって、
(a)滅菌室と、
(b)タッチスクリーンディスプレイと、
(c)生物学的インジケータリーダーと、
(d)滅菌サイクルの選択プロセスを通してユーザを支援する工程と、検証された生物学的インジケータを選択する工程と、医療機器を前記滅菌室に入れる工程と、前記生物学的インジケータを前記滅菌室に入れる工程と、前記滅菌サイクルを始動する工程と、を実行するための手段と、を含む、滅菌庫。
図1
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