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特許7516462CO2排出量算出サーバ、CO2排出量算出システム、CO2排出量算出方法、及び、プログラム
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  • 特許-CO2排出量算出サーバ、CO2排出量算出システム、CO2排出量算出方法、及び、プログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】CO2排出量算出サーバ、CO2排出量算出システム、CO2排出量算出方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/00 20230101AFI20240708BHJP
【FI】
G06Q10/00
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022090124
(22)【出願日】2022-06-02
(65)【公開番号】P2023177445
(43)【公開日】2023-12-14
【審査請求日】2023-02-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000005913
【氏名又は名称】三井物産株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100196612
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 慎也
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 明彦
【審査官】深津 始
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-049787(JP,A)
【文献】特開2022-167067(JP,A)
【文献】特開2023-117312(JP,A)
【文献】特開2023-160526(JP,A)
【文献】国際公開第2022/264283(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 -G06Q 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
CO2排出量算出サーバであって、
予め定められた原単位項目と原単位項目の単位量あたりのCO2排出量とを関連付けて記憶する単位情報記憶部と、
ユーザ識別情報とCO2排出量算出用情報とを関連付けて記憶するユーザ情報記憶部であって、CO2排出量算出用情報は、製品情報と、原単位項目と、原単位項目の活動量とを含む、ユーザ情報記憶部と、
ユーザごとに、製品ごとに、CO2排出量を算出する制御部と、を備え、
前記制御部は、
一の原単位項目及び該原単位項目の活動量の入力を受け付けた場合、入力を受け付けた原単位項目の活動量及び該原単位項目の単位量あたりのCO2排出量に基づいて、該原単位項目のCO2排出量を算出し、
算出された原単位項目のCO2排出量に基づいて、対象製品のCO2排出量を算出し、
供給先のユーザに対象製品のCO2排出量を報告するための報告入力を受け付け、
第1のユーザから供給先の第2のユーザに対する第1の製品の報告入力を受け付けた場合、該第2のユーザから原単位項目の入力を受け付ける際に、該第1の製品を該第2のユーザが原単位項目の1つとして利用するための入力を受け付けることができ、該第2のユーザから該第1の製品を原単位項目の1つとして入力を受け付けた場合、前記単位情報記憶部に予め記憶された原単位項目の単位量あたりのCO2排出量に替えて、該第1のユーザの入力に基づいて算出された該第1の製品のCO2排出量を利用して、該原単位項目のCO2排出量を算出することができる、
CO2排出量算出サーバ。
【請求項2】
CO2排出量算出用情報は、製品情報に関連付けられたプロセスと、プロセスに関連付けられた原単位項目とを含み、
前記制御部は、
1以上の原単位項目又はプロセスを非公開とする設定を含む、対象製品のCO2排出量を報告するための報告入力を受け付けることができ、
前記第1のユーザにより前記第2のユーザに対する1以上の原単位項目又はプロセスを非公開とする設定を含む第1の製品の報告入力を受け付けた場合、非公開に設定された原単位項目又はプロセス及びこれに関連付けられた情報を閲覧できない画面であって非公開に設定された原単位項目又はプロセス以外の原単位項目又はプロセス及びこれに関連付けられた情報を閲覧できる画面を前記第2のユーザに対して表示することができる、
請求項1に記載のCO2排出量算出サーバ。
【請求項3】
CO2排出量算出用情報は、製品情報に関連付けられた複数のプロセスと、プロセスに関連付けられた製品の製造に必要な要素項目とを含み、原単位項目は要素項目に関連付けられており、
前記制御部は、
前記第1のユーザにより前記第2のユーザに対する1以上の原単位項目を非公開とする設定を含む第1の製品の報告入力を受け付けた場合、前記第2のユーザにより原単位項目の入力を受け付ける際に、非公開に設定された原単位項目に関連付けられた要素項目及びこれに関連付けられた情報を閲覧できない画面であって該要素項目以外の要素項目これに関連付けられた情報を閲覧できる画面を前記第2のユーザに対して表示することができる、
請求項2に記載のCO2排出量算出サーバ。
【請求項4】
前記制御部は、
プロセスごとのCO2排出量及び原単位項目ごとのCO2排出量を提示する画面であって供給元ユーザから提供された原単位項目を他とは異なる態様で提示する画面を表示することができる、
請求項3に記載のCO2排出量算出サーバ。
【請求項5】
前記制御部は、
更に第3のユーザにより前記第2のユーザに対する前記第1の製品と同一又は類似の第3の製品の報告入力を受け付けた場合、前記第2のユーザにより原単位項目の入力を受け付ける際に、該第1の製品又は該第3の製品を原単位項目の1つとして入力を受け付けることができる、
請求項1から3のいずれか1項に記載のCO2排出量算出サーバ。
【請求項6】
前記制御部は、
更に第3のユーザにより前記第2のユーザに対する前記第1の製品と同一又は類似の第3の製品の報告入力を受け付けた場合、前記第2のユーザにより原単位項目の入力を受け付ける際に、該第1の製品又は該第3の製品を原単位項目の1つとして入力を受け付けることができる、
請求項4に記載のCO2排出量算出サーバ。
【請求項7】
CO2排出量算出用情報は、製品情報に関連付けられた歩留まり率を含み、
前記制御部は、歩留まり率に更に基づいて対象製品のCO2排出量を算出する、
請求項1又は6に記載のCO2排出量算出サーバ。
【請求項8】
前記制御部は、
原単位項目のうちの供給元のユーザから提供されたCO2排出量を用いた原単位項目の比率に基づく指標を提示することができる、
請求項1又は6に記載のCO2排出量算出サーバ。
【請求項9】
前記制御部は、
ユーザ入力に対する所定のチェックリストの入力を受け付け、該入力に基づく指標を生成し、対象製品の情報に関連付ける、
請求項1又は6に記載のCO2排出量算出サーバ。
【請求項10】
前記第2のユーザが完成品メーカーである場合、前記制御部は、前記第2のユーザの製品である最終製品ごとに、CO2排出量を算出する、請求項1又は6に記載のCO2排出量算出サーバ。
【請求項11】
請求項1又は6に記載のCO2排出量算出サーバと、該CO2排出量算出サーバとネットワークを介して接続された複数のユーザ端末とを備えるCO2排出量算出システムであって、
前記制御部は、ユーザ端末を介して各ユーザからCO2排出量算出用情報の入力及び報告入力を受け付けることができる、
CO2排出量算出システム。
【請求項12】
1以上のコンピュータで実行されるCO2排出量算出方法であって、
ユーザから、一の製品のCO2排出量算出用情報の入力を受け付けるステップであって、CO2排出量算出用情報は、予め定められた原単位項目と、原単位項目の活動量とを含む、ステップと、
入力を受け付けた原単位項目の活動量と、原単位項目と原単位項目の単位量あたりのCO2排出量とを関連付けて記憶するデータベースから取得した単位量あたりのCO2排出量とに基づいて、入力を受け付けた原単位項目のCO2排出量を算出するステップと、
算出された原単位項目のCO2排出量に基づいて、一の製品のCO2排出量を算出するステップと、
ユーザから、供給先のユーザに製品のCO2排出量を報告するための報告入力を受け付けるステップと、
を含み、
前記入力を受け付けるステップは、前記報告入力を受け付けるステップにおいて第1のユーザから供給先の第2のユーザに対する第1の製品の報告入力を受け付けていた場合、該第2のユーザから、該第1の製品を原単位項目の1つとして入力を受け付けることを含み、
前記原単位項目のCO2排出量を算出するステップは、前記入力を受け付けるステップにおいて前記第2のユーザから前記第1の製品を原単位項目の1つとして入力を受け付けた場合、前記データベースに予め記憶された原単位項目の単位量あたりのCO2排出量に替えて、該第1のユーザの入力に基づいて算出された該第1の製品のCO2排出量を利用して該原単位項目のCO2排出量を算出することを含む、
方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法の各ステップを1以上のコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CO2排出量算出サーバ、CO2排出量算出システム、CO2排出量算出方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
カーボンニュートラルに向け、各企業は脱炭素化に向けた取り組みを開始しており、自社の活動による排出(Scope1)、電力調達に伴う排出(Scope2)、サプライチェーンを俯瞰したその他間接排出(Scope3)のCO2排出量算出のニーズが高まっている。製品の原材料調達から、生産、流通、使用、廃棄に至るまでのライフサイクルにおける投入資源、環境負荷及びそれらによる地球や生態系への潜在的な環境影響を定量的に評価する手法であるライフサイクルアセスメント(LCA)概念に基づく製品単位でのカーボンフットプリント(CFP)算出についても製造業を中心に関心が高まっている。
【0003】
例えば特許文献1は、環境負荷要因に応じて、環境負荷要因から環境負荷(CO2発生量)を求める適切な環境負荷情報を用いて、環境負荷を精度良く算出することができる算出方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-141800号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような状況において、製品単位でのサプライチェーンを構築する各工程素材購入、上流輸送、生産、下流輸送、使用、リサイクル、廃棄などの各工程において、CO2排出量をより正確に算出することが可能なシステムが求められている。またこのようなシステムにおいては、各ユーザ(会社)によりCO2排出量を算出するための情報の入力が必要となるため、各ユーザによる入力がより簡便であることが求められる。
【0006】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、ユーザにとって入力が簡便で、より正確なCO2排出量を算出することが可能なCO2排出量算出サーバ等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
〔1〕本発明の一実施形態のCO2排出量算出サーバは、
予め定められた原単位項目と原単位項目の単位量あたりのCO2排出量とを関連付けて記憶する単位情報記憶部と、
ユーザ識別情報とCO2排出量算出用情報とを関連付けて記憶するユーザ情報記憶部であって、CO2排出量算出用情報は、製品情報と、原単位項目と、原単位項目の活動量とを含む、ユーザ情報記憶部と、
ユーザごとに、製品ごとに、CO2排出量を算出する制御部と、を備え、
前記制御部は、
一の原単位項目及び該原単位項目の活動量の入力を受け付けた場合、入力を受け付けた原単位項目の活動量及び該原単位項目の単位量あたりのCO2排出量に基づいて、該原単位項目のCO2排出量を算出し、
算出された原単位項目のCO2排出量に基づいて、対象製品のCO2排出量を算出し、
供給先のユーザに対象製品のCO2排出量を報告するための報告入力を受け付け、
第1のユーザにより供給先の第2のユーザに対する第1の製品の報告入力を受け付けた場合、該第2のユーザにより原単位項目の入力を受け付ける際に、該第1の製品を原単位項目の1つとして入力を受け付けることができ、前記第1のユーザの入力に基づいて算出されたCO2排出量に基づいて該原単位項目のCO2排出量を算出することができる、
CO2排出量算出サーバである。
【0008】
〔2〕本発明の一実施形態では、
CO2排出量算出用情報は、製品情報に関連付けられたプロセスと、プロセスに関連付けられた原単位項目とを含み、
前記制御部は、
1以上の原単位項目又はプロセスを非公開とする設定を含む、対象製品のCO2排出量を報告するための報告入力を受け付けることができ、
前記第1のユーザにより前記第2のユーザに対する1以上の原単位項目又はプロセスを非公開とする設定を含む第1の製品の報告入力を受け付けた場合、非公開に設定された原単位項目又はプロセス及びこれに関連付けられた情報を閲覧できない画面であって非公開に設定された原単位項目又はプロセス以外の原単位項目又はプロセス及びこれに関連付けられた情報を閲覧できる画面を前記第2のユーザに対して表示することができる、
〔1〕に記載のCO2排出量算出サーバである。
【0009】
〔3〕本発明の一実施形態では、
CO2排出量算出用情報は、製品情報に関連付けられた複数のプロセスと、プロセスに関連付けられた製品の製造に必要な要素項目とを含み、原単位項目は要素項目に関連付けられており、
前記制御部は、
前記第1のユーザにより前記第2のユーザに対する1以上の原単位項目を非公開とする設定を含む第1の製品の報告入力を受け付けた場合、前記第2のユーザにより原単位項目の入力を受け付ける際に、非公開に設定された原単位項目に関連付けられた要素項目及びこれに関連付けられた情報を閲覧できない画面であって該要素項目以外の要素項目これに関連付けられた情報を閲覧できる画面を前記第2のユーザに対して表示することができる、
〔2〕に記載のCO2排出量算出サーバである。
【0010】
〔4〕本発明の一実施形態では、
前記制御部は、
プロセスごとのCO2排出量及び原単位項目ごとのCO2排出量を提示する画面であって供給元ユーザから提供された原単位項目を他とは異なる態様で提示する画面を表示することができる、
〔3〕に記載のCO2排出量算出サーバである。
【0011】
〔5〕本発明の一実施形態では、
前記制御部は、
更に第3のユーザにより前記第2のユーザに対する前記第1の製品と同一又は類似の第3の製品の報告入力を受け付けた場合、前記第2のユーザにより原単位項目の入力を受け付ける際に、該第1の製品又は該第3の製品を原単位項目の1つとして入力を受け付けることができる、
〔1〕から〔4〕のいずれか1つに記載のCO2排出量算出サーバである。
【0012】
〔6〕本発明の一実施形態では、
CO2排出量算出用情報は、製品情報に関連付けられた歩留まり率を含み、
前記制御部は、歩留まり率に更に基づいて対象製品のCO2排出量を算出する、
〔1〕から〔5〕のいずれか1つに記載のCO2排出量算出サーバである。
【0013】
〔7〕本発明の一実施形態では、
前記制御部は、
原単位項目のうちの供給元のユーザから提供されたCO2排出量を用いた原単位項目の比率に基づく指標を提示することができる、
〔1〕から〔6〕のいずれか1つに記載のCO2排出量算出サーバである。
【0014】
〔8〕本発明の一実施形態では、
前記制御部は、
ユーザ入力に対する所定のチェックリストの入力を受け付け、該入力に基づく指標を生成し、対象製品の情報に関連付ける、
〔1〕から〔7〕のいずれか1つに記載のCO2排出量算出サーバである。
【0015】
〔9〕本発明の一実施形態では、
前記制御部は、最終製品ごとに、CO2排出量を算出する、〔1〕から〔8〕のいずれか1つに記載のCO2排出量算出システムである。
【0016】
〔10〕本発明の一実施形態のCO2排出量算出システムは、
〔1〕から〔9〕のいずれか1つに記載のCO2排出量算出サーバと、該CO2排出量算出サーバとネットワークを介して接続された複数のユーザ端末とを備えるCO2排出量算出システムであって、
前記制御部は、ユーザ端末を介して各ユーザからCO2排出量算出用情報の入力及び報告入力を受け付けることができる、
CO2排出量算出システムである。
【0017】
〔11〕本発明の一実施形態のCO2排出量算出方法は、
1以上のコンピュータで実行されるCO2排出量算出方法であって、
ユーザから、一の製品のCO2排出量算出用情報の入力を受け付けるステップであって、CO2排出量算出用情報は、予め定められた原単位項目と、原単位項目の活動量とを含む、ステップと、
入力を受け付けた原単位項目の活動量と、原単位項目と原単位項目の単位量あたりのCO2排出量とを関連付けて記憶するデータベースから取得した単位量あたりのCO2排出量とに基づいて、入力を受け付けた原単位項目のCO2排出量を算出するステップと、
算出された原単位項目のCO2排出量に基づいて、一の製品のCO2排出量を算出するステップと、
ユーザから、供給先のユーザに製品のCO2排出量を報告するための報告入力を受け付けるステップと、
を含み、
前記入力を受け付けるステップは、前記報告入力を受け付けるステップにおいて第1のユーザにより供給先の第2のユーザに対する第1の製品の報告入力を受け付けていた場合、該第2のユーザから、該第1の製品を原単位項目の1つとして入力を受け付けることを含み、
前記原単位項目のCO2排出量を算出するステップは、前記入力を受け付けるステップにおいて前記第2のユーザから前記第1の製品を原単位項目の1つとして入力を受け付けた場合、前記第1のユーザの入力に基づいて算出されたCO2排出量に基づいて該原単位項目のCO2排出量を算出することを含む、
方法である。
【0018】
〔12〕本発明の一実施形態のプログラムは、〔11〕の方法の各ステップを1以上のコンピュータに実行させる、プログラムである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ユーザにとって入力が簡便で、より正確なCO2排出量を算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態のCO2排出量算出システムの全体構成図である。
図2】本発明の一実施形態のCO2排出量算出サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】本発明の一実施形態のユーザ端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4】本発明の一実施形態のCO2排出量算出システムの機能ブロック図である。
図5】入力用画面の一例を示す図である。
図6】入力用画面の一例を示す図である。
図7】確認用画面の一例を示す図である。
図8】確認用画面の一例を示す図である。
図9】公開設定用画面の一例を示す図である。
図10】シミュレーション画面の一例を示す図である。
図11】本発明の一実施形態の対象製品のCO2排出量の算出についての制御部の処理のフローチャートを示す図である。
図12】歩留まり率を含む入力用画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態のCO2排出量算出システム1について説明する。CO2排出量算出システム1は、製品単位のLCAを対象にした、CO2排出量を可視化するためのCO2排出量算出サービスを提供することができる。CO2排出量算出サービスは、各企業のLCAを支援するためのサービスである。本明細書においては、説明の便宜上、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態のCO2排出量算出システム1の全体構成図である。図1に示すように、CO2排出量算出システム1は、CO2排出量算出サーバ10と、複数のユーザ端末20と、を備え、CO2排出量算出サーバ10とユーザ端末20とは、インターネットなどのネットワーク2に接続され、互いに通信可能である。本実施形態のCO2排出量算出システム1は、既知のクライアントサーバ型のシステムを想定して説明するが、これに限定されるものではない。
【0023】
CO2排出量算出サーバ10は、1又は複数のサーバ装置を含んで構成されるサーバである。CO2排出量算出サーバ10は、仮想マシン又はクラウドシステムにより実現されてもよいし、1つの装置により実現されてもよい。CO2排出量算出サーバ10は、ユーザ端末20からのアクセスを受け付けて、ネットワーク2を介して、ユーザに応じたCO2排出量算出サービスを提供する。本実施形態では、説明の便宜上、CO2排出量算出サーバ10は、1つの装置により実現されるものとして説明する。
【0024】
図2は本発明の一実施形態のCO2排出量算出サーバ10のハードウェア構成を示すブロック図である。CO2排出量算出サーバ10は、プロセッサ11、表示装置12、入力装置13、記憶装置14、及び通信装置15を備える。これらの各構成装置はバス26によって接続される。なお、バス26と各構成装置との間には必要に応じてインタフェースが介在しているものとする。CO2排出量算出サーバ10は、一般的なサーバやPC等と同様の構成を含むことができる。
【0025】
プロセッサ11は、CO2排出量算出サーバ10全体の動作を制御する。例えばプロセッサ11は、CPUである。プロセッサ11は、記憶装置14に格納されているプログラムやデータを読み込んで実行することにより、様々な処理を実行する。プロセッサ11は、複数のプロセッサから構成されてもよい。
【0026】
表示装置12は、アプリケーション画面などをCO2排出量算出サーバ10のユーザに表示するディスプレイである。入力装置13は、CO2排出量算出サーバ10に対するユーザからの入力を受け付けるユーザインタフェースであり、例えばキーボードやマウスである。
【0027】
記憶装置14は、主記憶装置及び補助記憶装置を含む。主記憶装置は、例えば情報の高速な読み書きが可能な揮発性メモリであり、プロセッサ11が情報を処理する際の記憶領域及び作業領域として用いられる。補助記憶装置は、様々なプログラムや、各プログラムの実行に際してプロセッサ11が使用するデータを格納する。補助記憶装置は、不揮発性ストレージ又は不揮発性メモリであり、例えばeMMC、UFS、SSDのようなフラッシュメモリであり、着脱可能なものであってもよい。本実施形態では、記憶装置14は、サーバ用アプリケーションSAを記憶する。サーバ用アプリケーションSAは、サーバ用アプリケーションSAを実行するためのプログラム及び該プログラム実行時に参照する各種データを含む。
【0028】
通信装置15は、ネットワーク2を介してユーザ端末20又は他のコンピュータとの間でデータの授受を行うことが可能なモジュール、デバイス、又は装置である。通信装置15は、無線通信用のデバイスやモジュールなどとすることもできるし、有線通信用のデバイスやモジュールなどとすることもできる。
【0029】
図3は本発明の一実施形態のユーザ端末20のハードウェア構成を示すブロック図である。ユーザ端末20は、プロセッサ21、表示装置22、入力装置23、記憶装置24、及び通信装置25を備える。これらの各構成装置はバス26によって接続される。なお、バス26と各構成装置との間には必要に応じてインタフェースが介在しているものとする。CO2排出量算出システム1が含む複数のユーザ端末20の各々は、パソコン、スマートフォンなどの異なる種類の端末であってもよい。
【0030】
プロセッサ21は、ユーザ端末20全体の動作を制御する。例えばプロセッサ21は、CPUである。なお、プロセッサ21としては、MPU等の電子回路が用いられてもよい。プロセッサ21は、記憶装置24に格納されているプログラムやデータを読み込んで実行することにより、様々な処理を実行する。1つの例では、プロセッサ21は、複数のプロセッサから構成される。
【0031】
表示装置22は、アプリケーション画面などをユーザ端末20のユーザに表示するディスプレイである。入力装置23は、ユーザ端末20に対するユーザからの入力を受け付けるユーザインタフェースであり、例えばキーボードやマウスである。
【0032】
記憶装置24は、主記憶装置及び補助記憶装置を含む。主記憶装置は、例えば情報の高速な読み書きが可能な揮発性メモリであり、プロセッサ21が情報を処理する際の記憶領域及び作業領域として用いられる。補助記憶装置は、様々なプログラムや、各プログラムの実行に際してプロセッサ21が使用するデータを格納する。補助記憶装置は、不揮発性ストレージ又は不揮発性メモリであり、例えばeMMC、UFS、SSDのようなフラッシュメモリであり、着脱可能なものであってもよい。本実施形態では、記憶装置24は、端末用アプリケーションTAを記憶する。端末用アプリケーションTAは、端末用アプリケーションTAを実行するためのプログラム及び該プログラム実行時に参照する各種データを含む。
【0033】
通信装置25は、ネットワーク2を介してCO2排出量算出サーバ10又は他のコンピュータとの間でデータの授受を行うことが可能なモジュール、デバイス、又は装置である。通信装置25は、無線通信用のデバイスやモジュールなどとすることもできるし、有線通信用のデバイスやモジュールなどとすることもできる。
【0034】
図4は本発明の一実施形態のCO2排出量算出システム1の機能ブロック図である。CO2排出量算出システム1は、制御部31を備える。制御部31のユーザ端末20とCO2排出量算出サーバ10間の情報処理や通信の機能は、既知のクライアントサーバ型のクライアント及びサーバと同様の処理をユーザ端末20及びCO2排出量算出サーバ10が実行することにより実現することができる。制御部31の機能は、例えば、ユーザ端末20のプロセッサ11がプログラムを実行することにより、CO2排出量算出サーバ10のプロセッサ21がプログラムを実行することにより、又はプロセッサ11がプログラムを実行し、かつプロセッサ21がプログラムを実行することにより(更に必要に応じてユーザ端末20とCO2排出量算出サーバ10間でデータを送受信することにより)、実現される。このように、制御部31の機能はプログラム読み込みにより実現されるため、制御部31に含まれる1つの機能部(例えばソフトウェアモジュール)の一部又は全部を他の機能部が有していてもよいし、制御部31は、他の機能部を有していてもよい。ただし、制御部31の一部又は全部を実現するための電子回路等を構成することによりハードウェアによってもこれらの機能は実現してもよい。
【0035】
CO2排出量算出システム1は、単位情報記憶部32及びユーザ情報記憶部33を備える。単位情報記憶部32は、原単位名(原単位項目)に関連する情報を記憶する機能を備え、記憶装置14により実現される。ユーザ情報記憶部33は、ユーザに関連する情報を記憶する機能を備え、記憶装置14により実現される。本実施形態では、説明の便宜上、制御部31がSQLなどのデータベースソフトウェアの機能を備えるものとして説明し、単位情報記憶部32及びユーザ情報記憶部33を記憶装置14における所定の情報を記憶する機能として説明するが、これに限定されない。例えば、単位情報記憶部32及びユーザ情報記憶部33の各々は、記憶装置14が各種データベース用のデータ(例えばテーブル)やプログラムを記憶し、プログラムが実行されることにより実現されるデータベースであってもよい。
【0036】
単位情報記憶部32は、原単位項目(原単位名)と、原単位項目の単位量あたりのCO2排出量とを関連付けて記憶する。原単位項目及び原単位項目の単位量あたりのCO2排出量は、所定の機関などにより予め定められたものである。例えば、単位情報記憶部32は、IDEAのデータベースに基づいて作成されたものであり、約4000種類(4000行)の原単位項目を含む。1つの例では、単位情報記憶部32は、1つの原単位項目として「アルミニウム一次地金(単位kg)」を記憶し、これに関連付けて「10.23(単位kg-Co2eq)」を記憶する。これは、アルミニウム一次地金1kgの生成が10.23kgのCO2排出量に相当することを意味している。例えば単位情報記憶部32は、原単位項目として、「メラミン樹脂(単位kg)」、「ナイロン6(単位kg)」、「トラック輸送サービス,4トン車,積載率50%(単位km)」、「コンテナ船輸送サービス,<4000TEU(単位km)」、「航空輸送サービス,国際旅客(単位km)」、「塩化ビニル樹脂(単位g)」、「工場電力電力,日本平均,2017年度(単位kWh)」を記憶する。単位情報記憶部32が記憶するCO2排出量は、原単位項目の単位量あたり(例えば1kgあたり、1kmあたり、1gあたり、1kWhあたり)のCO2排出量(排出されるCO2相当量)である。
【0037】
ユーザ情報記憶部33は、ユーザIDと、排出量情報とを関連付けて記憶する。ユーザIDは、ユーザを識別可能なユーザ識別情報の1つの例示である。ユーザ情報記憶部33は、ユーザにより予め入力されたユーザ名をユーザIDに関連付けて記憶する。本実施形態では、ユーザは、会社である。ユーザ名は、会社の名前であるが、会社を特定可能な名前であってもよい。ユーザは、完成品メーカー(最終製品メーカー)、完成品メーカーに部品又は素材を供給する1次サプライヤー、1次サプライヤーに部品又は素材を供給する2次サプライヤーを含む。ユーザは、2次サプライヤー以降の3次サプライヤーなどを含むこともできる。なお、サプライチェーンにおいて、完成品メーカーがユーザの中で最も下流に位置するユーザである。1次サプライヤーと完成品メーカーのユーザ間の処理は、他の処理と不整合がない限り、2次サプライヤーと1次サプライヤーのユーザ間の処理や3次サプライヤーと2次サプライヤーのユーザ間の処理などにも適用することができる。同様に、2次サプライヤーと1次サプライヤーのユーザ間の処理なども、他の処理と不整合がない限り、1次サプライヤーと完成品メーカーのユーザ間の処理などにも適用することができる。
【0038】
排出量情報は、算出用情報と、算出情報とを含む。算出用情報は、CO2排出量を算出するための情報であり、製品情報と、製品情報に関連付けられたプロセスと、プロセスに関連付けられた製品の製造に必要な要素項目と、要素項目に関連付けられた原単位項目と、原単位項目に関連付けられた活動量とを含む。CO2排出量算出システム1は、ユーザ端末20を介して、テキストによる入力(テキスト入力)や選択による入力(選択入力)などにより算出用情報の入力を受け付ける。算出情報は、CO2排出量算出システム1が算出用情報を用いて算出したCO2排出量に関する情報であり、要素項目ごとのCO2排出量と、プロセスごとのCO2排出量と、製品ごとのCO2排出量とを含む。製品情報は、製品を示すものであり、例えば製品の名称や製品のIDなどである。
【0039】
プロセスは、予め設定された複数のプロセスのうちの1又は複数のプロセスである。1つの例では、予め設定された複数のプロセスは、ISOに準拠して定められたプロセスであり、[A]製造段階のプロセス、[B]使用段階のプロセス、[C]廃棄・リサイクル段階のプロセス、[D]間接影響のプロセス、及び[Z]その他のプロセスを含む。例えば製造段階のプロセスは、[A1]原材料の調達に係るプロセス、[A2]原材料の工場までの輸送に係るプロセス、及び[A3]製品の製造に係るプロセスを含む。
【0040】
要素項目は、原単位項目に1対1で対応する項目であり、原単位項目の概要を示すものである。本実施形態では、要素項目は、ユーザが原単位項目を入力する際の見出しの項目として入力又は参照するための項目である。したがって、本実施形態では、原単位項目に関連付けられたデータは要素項目に関連付けられたものであり、要素項目に関連付けられたデータは原単位項目に関連付けられたものであり、また原単位項目ごとのデータ処理(設定など)は、要素項目ごとのデータ処理と同じであり、要素項目ごとのデータ処理は、原単位項目ごとのデータ処理と同じである。例えば、原料材料調達段階のプロセスにおいて、ユーザは、ユーザ端末20を介して、要素項目として「ネジ」、「アルミ」、「樹脂」を入力し、各項目に対応付けるべき原単位項目として「ナイロン6」、「アルミニウム一次地金」、「メラミン樹脂」を入力する。例えば、輸送段階のプロセスにおいて、ユーザは、ユーザ端末20を介して、要素項目として「樹脂」、「アルミ輸送」、「ネジ」を入力し、各項目に対応付けるべき原単位項目として「コンテナ船輸送サービス,<4000TEU」、「トラック輸送サービス,4トン車,積載率50%」、「航空輸送サービス,国際旅客」を入力する。例えば、製造段階のプロセスにおいて、ユーザは、ユーザ端末20を介して、要素項目として「工場電力」、「ビニール輸送資材」を入力し、各項目に対応付けるべき原単位項目として「工場電力電力,日本平均,2017年度」、「塩化ビニル樹脂」を入力する。
【0041】
活動量は、ユーザである会社が原単位項目の材料や電力などを使用した量である。例えば原単位項目「アルミニウム一次地金(単位kg)」を2kg使用した場合、活動量は2(kg)である。例えば原単位項目「工場電力電力,日本平均,2017年度(単位kWh)」を100kWh使用した場合、活動量は100(kWh)である。
【0042】
本実施形態では、単位情報記憶部32は、特定のユーザのみが使用可能な原単位項目と、その原単位項目の単位量あたりのCO2排出量とを、ユーザIDに関連付けて記憶(登録)することができる。
【0043】
1つの例では、ユーザ端末20は、ユーザ端末20上で端末用アプリケーションTAが起動されると、サーバ用アプリケーションSAが実行されているCO2排出量算出サーバ10と通信する。CO2排出量算出サーバ10は、CO2排出量サービスを提供するために必要なデータをユーザ端末20と送受信する。1つの例では、CO2排出量算出サーバ10は、ユーザ端末20からユーザID及びパスワードを受け取ってユーザを認証し、認証したユーザのユーザIDに関連付けて記憶したデータを用いてユーザ端末20に対してCO2排出量算出サービスを提供する。制御部31は、一度ユーザIDを認証すると、例えばログアウト操作を受け付けるまでは当該ユーザIDに関連付けてデータを記憶するため、以下の説明においては、ユーザIDに関連付けて記憶することを単に記憶すると記載する場合がある。
【0044】
1つの例では、ユーザ端末20は、入出力用のシンクライアント端末として構成されてもよい。この場合、CO2排出量算出サーバ10は、ユーザ端末20における入出力機能を除いた制御部31の機能を備える。1つの例では、ユーザ端末20は、予めダウンロード可能なデータをCO2排出量算出サーバ10から受信して端末用アプリケーションTAに関連するデータとして記憶するように構成されてもよい。この場合、ユーザ端末20は、CO2排出量算出サーバ10に実装される必要のある機能を除いた制御部31の機能を備える。
【0045】
制御部31は、ユーザIDと算出用情報と算出情報とを関連付けて記憶する。本実施形態では、ユーザ端末20がユーザから算出用情報の入力を受け付け、CO2排出量算出サーバ10が、入力を受け付けた算出用情報に基づいて算出情報を算出し、ユーザIDと入力を受け付けた算出用情報と算出された算出情報とを関連付けてユーザ情報記憶部33に記憶する。
【0046】
制御部31は、ユーザ端末20を介して、ユーザごとに、製品を示す製品情報を受け付け、製品(製品情報)ごとに、プロセスの入力を受け付け、プロセスごとに、要素項目、原単位項目、及び活動量の入力を受け付ける。本実施形態では、制御部31は、単位量あたりの製品(製品情報)ごとに、算出用情報の入力を受け付け、算出情報を算出する。本実施形態では、この算出対象の製品を対象製品と呼ぶ場合がある。例えば、製品の個数が特定できるものについては、制御部31は、1つの製品ごとに、算出用情報の入力を受け付け、算出情報を算出する。また例えば、素材のように製品の個数が特定できないものについては、単位重量(例えば1kg)あたりの製品が算出対象の製品(対象製品)となる。制御部31は、算出用情報を入力させる際に、製品の単位量の単位(個、kgなど)を選択入力させることができる。
【0047】
1つの例では、制御部31は、プロセスの入力を受け付ける場合、予め設定された複数のプロセスから複数のプロセスを選択入力させ、プロセスごとに、プロセスに関連する1又は複数の要素項目、該要素項目に対応する原単位項目、及び該原単位項目の活動量を入力させる。1つの例では、制御部31は、原単位項目の入力を受け付ける場合、テキスト入力を受け付け、単位情報記憶部32が記憶する原単位項目のうちの入力を受け付けているテキストを含む原単位項目を候補表示し、ユーザに選択入力させる。
【0048】
制御部31は、一の要素項目、該要素項目に対応する原単位項目、及び該原単位項目の活動量の入力を受け付けた場合、入力を受け付けた原単位項目の活動量及び該原単位項目の単位量あたりのCO2排出量に基づいて、該原単位項目のCO2排出量を算出する。1つの例では、制御部31は、入力を受け付けた原単位項目に単位情報記憶部32において関連付けられている単位量あたりのCO2排出量と入力を受け付けた活動量の積を、当該要素項目(又は原単位項目)のCO2排出量として算出する。制御部31は、各要素項目のCO2排出量を算出(決定)すると、プロセスごとのCO2排出量を算出(決定)し、当該プロセスを含む対象製品のCO2排出量を算出(決定)する。1つの例では、制御部31は、ユーザ端末20を介して、算出用情報の入力完了又は登録を受け付けると、入力を受け付けた原単位項目に対応する要素項目(又は原単位項目)のCO2排出量を算出し、プロセスごとのCO2排出量を算出し、対象製品のCO2排出量を算出する。1つの例では、制御部31は、原単位項目ごとに、原単位項目に単位情報記憶部32において関連付けられている単位量あたりのCO2排出量と入力を受け付けた活動量の積により、CO2排出量を算出し、プロセスごとに、プロセスに含まれる原単位項目のCO2排出量を合計することによりCO2排出量を算出し、各プロセスのCO2排出量を合計することにより対象製品のCO2排出量を算出する。
【0049】
本実施形態では、制御部31は、ユーザ端末20の表示装置22に、1つの製品の算出用情報の入力を受け付けるための入力用画面40を表示する。図5は、入力用画面40の一例を示す図である。入力用画面40は、製品情報を表示するための製品領域41と、プロセスを表示するためのプロセス領域42と、要素項目、原単位項目、及び活動量を表示するための項目領域44とを含む。入力用画面40は、新たなプロセスを追加するためのプロセス追加ボタン43、新たな原単位項目を追加するための項目追加ボタン45、入力完了(登録)を受け付けるための完了ボタン46、及び製品一覧画面(図示せず)に移動するための製品一覧画面遷移ボタン47を含む。
【0050】
製品領域41は、製品名などの製品情報をユーザに入力させる入力フィールド、及び当該製品の単位(例えば個、kgなど)をユーザに選択させる選択式入力フォームを含む。ユーザは、ユーザ端末20を介して、製品領域41内の入力フィールドに製品名を入力し、選択式入力フォームで単位を選択(入力)する。
【0051】
1つの例では、制御部31は、ユーザ端末20を介して、プロセス追加ボタン43に対する入力を受け付けた場合、予め設定された複数のプロセスのうちの1つをユーザに選択させるポップアップウィンドウ(図示せず)を表示し、いずれかのプロセスへの入力を受け付けると、当該プロセスの追加を決定し、当該プロセスを示すオブジェクトをプロセス領域42に表示する。
【0052】
1つの例では、項目領域44は、要素項目、原単位項目、及び活動量の各々をユーザに入力させる入力フィールドを含む。制御部31は、原単位項目の入力を受け付ける場合、単位情報記憶部32が記憶する原単位項目のうちの入力フィールド内に入力されたテキストを含む原単位項目を候補表示し、ユーザに選択入力させることができる。
【0053】
図6は、ユーザによって算出用情報が入力された入力用画面40の一例を示す図である。図6に示す入力用画面40には、スクロールバーが設けられ、ユーザ操作に応じて、表示されていない領域(プロセス領域42や項目領域44)を表示する。
【0054】
1つの例では、制御部31は、完了ボタン46への入力を受け付けると、要素項目ごとにCO2排出量を計算し、プロセスごとにCO2排出量を計算し、製品のCO2排出量を計算する。このように、完了ボタン46は、CO2排出量を計算するための計算ボタンとしての機能も含むことができる。1つの例では、制御部31は、完了ボタン46への入力を受け付けると、ユーザ情報記憶部33に、ユーザにより入力された製品情報をユーザIDに関連付けて記憶し、ユーザにより入力されたプロセスを製品情報に関連付けて記憶し、ユーザにより入力された要素項目、原単位項目、及び活動量の各々をプロセスに関連付けて関連付けて記憶する。このとき、制御部31は、算出した項目ごとのCO2排出量、プロセスごとのCO2排出量、及び対象製品のCO2排出量(合計CO2排出量)を記憶する。
【0055】
入力用画面40は、ユーザにより入力された内容を一時的に記憶するための一時記憶ボタンを含むことができる。制御部31は、一時記憶ボタンへの入力を受け付けると、ユーザ情報記憶部33に、入力用画面40において入力された算出用情報を記憶する。この場合、制御部31は、ユーザ情報記憶部33に、当該算出用情報に基づいて算出した算出情報を、仮の算出情報として記憶するように構成されてもよい。
【0056】
1つの例では、制御部31は、ユーザを認証すると、認証されたユーザのユーザ端末20の表示装置22に製品一覧画面を表示する。
【0057】
1つの例では、制御部31は、登録された(入力完了を受け付けた)製品情報に対応するオブジェクトを配置した製品一覧画面を表示し、当該オブジェクトへのユーザ入力に応じて、入力完了を受け付けた状態の入力用画面40を表示する。ユーザは、この入力用画面40を介して、選択した製品情報についての算出用情報の変更や入力を行うことができる。1つの例では、制御部31は、製品一覧画面において、新製品を追加するためのオブジェクトを配置し、当該オブジェクトへのユーザ入力に応じて、新たな入力用画面40を表示する。1つの例では、制御部31は、完了ボタン46への入力を受け付けると、入力を受け付けた製品情報に関する排出量情報(入力を受け付けた算出用情報と算出された算出情報を含む排出量情報)を確認するための確認用画面を表示する。
【0058】
本実施形態では、制御部31は、ユーザ端末20の表示装置22に、対象製品の排出量情報を確認するための確認用画面60を表示する。図7は、確認用画面60の一例を示す図である。確認用画面60は、製品情報を表示するための製品領域61と、公開設定用画面70に移動するための公開設定用画面遷移ボタン62と、対象製品の入力用画面40に移動するための入力用画面遷移ボタン63と、シミュレーション画面に移動するためのシミュレーション画面遷移ボタン64と、製品一覧画面(図示せず)に移動するための製品一覧画面遷移ボタン65とを含む。確認用画面60は、プロセスごとの排出量の内訳をグラフで表示する内訳表示領域66と、排出量情報を表示する結果表示領域67とを含む。例えば内訳表示領域66で表示されるグラフは、ドーナツグラフや円グラフであり、内訳表示領域66は、排出量順で各プロセスの排出量を示すための「排出量順」タブ及び予め設定されたプロセスの順番で各プロセスの排出量を示すための「プロセス順」タブを含む。タブはボタンやスイッチなどでもよい。
【0059】
図7に示す確認用画面60は、原料材料調達プロセスのCO2排出量が27.5kg-CO2eqであり、工場への輸送プロセスのCO2排出量が0.182kg-CO2eqであり、生産プロセスのCO2排出量が61.4kg-CO2eqであることを示す。例えば、図7に示す確認用画面60は、原料材料調達プロセスの要素項目「アルミ」、原単位項目「アルミニウム一次地金」のCO2排出量が20.5kg-CO2eqであり、全体の23.01%を占めることを示している。また例えば、図7に示す確認用画面60は、生産プロセスの要素項目「工場電力」、原単位項目「電力、日本平均、2017年度」のCO2排出量が59.6kg-CO2eqであり、全体の66.94%を占めることを示している。このようにプロセスごとのCO2排出量を確認することができるように構成することにより、各企業のCO2排出量削減やLCAを支援することができる。
【0060】
ユーザが完成品メーカー以外である場合、制御部31は、ユーザ操作に応じて、報告先のユーザに対象製品の排出量情報の少なくとも一部を報告(提供)するための報告入力を受け付ける。制御部31は、ユーザ操作に応じて算出用情報の入力完了又は登録を受け付けて、対象製品のCO2排出量を算出後に、報告入力を受け付けることができる。制御部31は、単位情報記憶部32に、報告先のユーザIDに関連付けて、報告入力を受け付けた対象製品を原単位項目として記憶し、該原単位項目の単位量あたりのCO2排出量として対象製品のCO2排出量を記憶する。
【0061】
制御部31は、第1のユーザUAにより供給先の第2のユーザUBに対する第1の製品PAの報告入力を受け付けた場合、第2のユーザUBにより原単位項目の入力を受け付ける際に、第1の製品PAを原単位項目の1つとして入力を受け付けることができる。1つの例では、第1のユーザUAは1次サプライヤーであり、第2のユーザUBは完成品メーカーであり、1つの例では、第1のユーザUAは2次サプライヤーであり、第2のユーザUBは1次サプライヤーである。1つの例では、制御部31は、第2のユーザUBが原単位項目の入力する際に、ユーザ操作に応じて、第1の製品PAの選択を候補表示し、候補表示された第1の製品PAに対する入力を受け付けることにより、第1の製品PAを原単位項目として受け付ける。制御部31は、第1の製品PAを原単位項目の1つとして入力を受け付けた場合、第1のユーザUAの入力に基づいて(すなわち、第1のユーザUAにより入力された算出用情報により算出された第1の製品PAのCO2排出量に基づいて)、該原単位項目のCO2排出量を算出する。1つの例では、制御部31は、入力を受け付けた原単位項目(第1の製品PA)の活動量と、原単位項目の単位量あたりのCO2排出量としての第1のユーザUAの算出用情報の入力により算出された第1の製品PAのCO2排出量との積により、該原単位項目のCO2排出量を算出する。なお、原単位項目「第1の製品PA」は、第1の製品PAに対応する原単位項目と表現することができる。
【0062】
制御部31は、報告入力を受け付ける際に、報告先のユーザごとに、対象製品の排出量情報の公開状態の設定に関する入力を受け付ける。この場合、制御部31は、公開状態の設定を含む報告入力を受け付けると表現することができる。
【0063】
1つの例では、制御部31は、対象製品のCO2排出量のみを公開する設定、プロセス単位で公開する設定、要素項目単位(原単位項目単位)で公開する設定、又は各要素項目単位(原単位項目単位)での公開/非公開を選択して公開する設定のいずれかの設定入力を受け付ける。1つの例では、制御部31は、報告先のユーザが報告入力を受け付けた対象製品を原単位項目として利用できるように、かつ公開状態設定に応じた排出量情報を参照できるように、報告先のユーザのユーザIDに関連付けて、対象製品及び公開状態設定に応じた排出量情報を記憶する。制御部31は、例えば各原単位項目単位での公開/非公開の選択をすべて公開とする設定入力を受け付けることにより、対象製品の排出量情報をすべて公開する設定を受け付けることができる。
【0064】
制御部31は、供給元ユーザから提供された原単位項目、すなわち供給元ユーザから報告入力を受け付けた対象製品に対応する原単位項目、を他とは異なる態様で提示する確認用画面60を供給先ユーザのユーザ端末20の表示装置22に表示することができる。制御部31は、供給元ユーザから報告入力を受け付けた対象製品に対応する原単位項目の排出量情報を閲覧するためのユーザ入力を受け付けると、公開状態の設定に応じた該原単位項目の排出量情報を表示することができる。例えば供給元ユーザから報告入力を受け付けた対象製品について排出量情報をすべて公開する設定入力を受け付けていた場合、制御部31は、当該対象製品に対応する原単位項目の排出量情報を閲覧するためのユーザ入力を受け付けると、供給元ユーザに対して表示する確認用画面60と同様の画面を表示することができる。
【0065】
図8は、供給元ユーザから報告入力を受け付けた対象製品に対応する原単位項目を他とは異なる態様で表示する確認用画面60の一例である。図8に示す原単位項目68の「UA社/アルミ/報告用」は、第1のユーザUAにより第2のユーザUBに対して報告入力を受け付けた製品が第2のユーザUBにより原単位項目として入力されたものであり、他の原単位項目とは異なる態様で表示される。制御部31は、供給元ユーザから報告入力を受け付けた対象製品に対応する原単位項目へのユーザ入力を受け付けると、公開状態の設定に応じた該原単位項目の排出量情報を表示することができる。
【0066】
制御部31は、第1のユーザUAにより供給先の第2のユーザUBに対する1以上の原単位項目を非公開とする設定を含む第1の製品PAの報告入力を受け付けた場合、第1の製品PAに関する情報として、非公開に設定された原単位項目以外の原単位項目及びこれに関連付けられた情報(例えば単位量あたりのCO2排出量や活動量)を閲覧できる画面を第2のユーザに対して表示することができる。当該画面では、第2のユーザは、非公開に設定された原単位項目及びこれに関連付けられた情報を閲覧することができない。例えば制御部31は、供給元ユーザから報告入力を受け付けた対象製品に対応する原単位項目へのユーザ入力を供給先ユーザから受け付けると、供給元ユーザに対して表示する確認用画面60と同様の画面であって非公開に設定された原単位項目及びこれに関連付けられた情報が閲覧不可能である画面を表示することができる。例えば、制御部31は、図7に示す「ボンネット」に関して第1のユーザUAにより第2のユーザUBに対する報告入力であって要素項目「樹脂」(原単位項目「メラニン樹脂」)を非公開とする設定を含む「ボンネット」の報告入力を受け付けた場合、第2のユーザUBから「ボンネット」に対応する原単位項目の排出量情報を閲覧するためのユーザ入力を受け付けると、第2のユーザUBに対して、図7の確認用画面60において、非公開に設定された要素項目「樹脂」、原単位項目「メラニン樹脂」、活動量「1.00tkm」のみ閲覧できない画面を表示することができる。
【0067】
制御部31は、第1のユーザUAにより供給先の第2のユーザUBに対する1以上のプロセスを非公開とする設定を含む第1の製品PAの報告入力を受け付けた場合、第1の製品PAに関する情報として、非公開に設定されたプロセス以外のプロセス及び当該プロセスのCO2排出量を閲覧できる画面を第2のユーザに対して表示することができる。当該画面では、第2のユーザは、非公開に設定されたプロセス及び当該プロセスのCO2排出量並びに全プロセスの原単位項目及びこれに関連付けられた情報を閲覧することができない。例えば、制御部31は、図7に示す「ボンネット」に関して第1のユーザUAにより第2のユーザUBに対する報告入力であってプロセス「A3:生産」を非公開とする設定を含む「ボンネット」の報告入力を受け付けた場合、第2のユーザUBから「ボンネット」に対応する原単位項目の排出量情報を閲覧するためのユーザ入力を受け付けると、第2のユーザUBに対して、図7の確認用画面60において、プロセス「A3:生産」、要素項目「工場電力」、「ビニール輸送資材」、原単位項目「工場電力電力,日本平均,2017年度」、「塩化ビニル樹脂」、活動量「1.00×102kwh」、「5.00×10-1」、CO2排出量「5.96×101」、「1.77」、「66.94%」、「1.99%」のみ閲覧できない画面を表示することができる。
【0068】
制御部31は、第1のユーザUAにより供給先の第2のユーザUBに対する原単位以外を非公開とする設定を含む第1の製品PAの報告入力を受け付けた場合、第1の製品PAに関する情報として、対象製品のCO2排出量を閲覧できる画面を第2のユーザに対して表示することができる。当該画面では、第2のユーザは、対象製品のCO2排出量以外の情報を閲覧することができない。
【0069】
本実施形態では、制御部31は、ユーザ端末20の表示装置22に、報告する製品の排出量情報の公開状態を設定するための公開設定用画面70を表示する。図9は、公開設定用画面70の一例を示す図である。公開設定用画面70は、製品の排出量情報を報告する会社を選択するための会社選択領域71と、会社ごとの公開状態を設定するための設定用領域73とを含む。
【0070】
会社選択領域71は、会社名をユーザに入力させる入力フィールド72を含む。制御部31は、ユーザ情報記憶部33に記憶されているユーザ名のうちの入力フィールド72に入力されたテキストを含むユーザ名(会社名)を表示する。
【0071】
設定用領域73は、複数の種類の設定領域を含み、各設定領域は、各設定領域に対応する選択ボタン74及び解除ボタン75を含む。制御部31は、会社選択領域71内の会社が選択されている状態で選択ボタン74の選択を受け付けると、選択されている会社を、対応する設定領域内に表示する。制御部31は、設定領域内の会社が選択された状態で解除ボタン75の選択を受け付けると、選択されている会社を、対応する設定領域内から削除する。
【0072】
設定領域は、対象製品のCO2排出量(合計CO2排出量)のみを公開する設定のための領域、プロセス単位で公開する設定のための領域、要素項目単位で公開する設定のための領域、及び各要素項目単位での公開/非公開を選択して公開する設定のための領域を含む。
【0073】
公開設定用画面70は、入力用画面40は、公開状態の設定完了(登録)を受け付けるための保存ボタン76、及び確認用画面に移動するための確認用画面遷移ボタン77を含む。制御部31は、保存ボタン76への入力を受け付けると、ユーザ情報記憶部33に、入力を受け付けたユーザIDに関連付けて公開状態設定を記憶する。制御部31は、報告先のユーザが公開状態設定に応じた製品を原単位項目として利用できるように、かつ公開状態設定に応じた排出量情報を参照できるように、報告先のユーザのユーザIDに関連付けて公開状態設定に応じた製品の製品情報及び排出量情報を記憶する。例えば、制御部31は、報告先のユーザIDに関連付けて、原単位項目に公開状態が設定された製品、及び原単位項目の単位量あたりのCO2排出量に製品のCO2排出量を、単位情報記憶部32に記憶する。
【0074】
図10は、シミュレーション画面80の一例である。1つの例では、制御部31は、確認用画面60において、シミュレーション画面遷移ボタン64に対してユーザ入力を受け付けると、シミュレーション画面80を表示する。シミュレーション画面80においては、確認用画面60において表示された対象製品の排出量情報に対して、1又は複数の原単位項目を変更したときの排出量情報の変化を確認することができる。例えば排出量情報の変化は、対象製品のCO2排出量のみではなく、原単位項目のCO2排出量算出の変化やプロセスのCO2排出量算出の変化も含む。例えば、図10に示すシミュレーション画面80においては、基準となる確認用画面60において表示された対象製品の排出量情報に対して、電力に関する原単位項目を再エネを使用したものに変更した場合と輸送手段を変更した場合の対象製品の排出量情報を確認することができる。
【0075】
制御部31は、(a)第1のユーザ(1次サプライヤー)UAにより供給先の第2のユーザ(完成品メーカー)UBに対する第1の製品PAの報告入力を受け付け、(b)第3のユーザ(1次サプライヤー)UCにより供給先の第2のユーザUBに対する第3の製品PCの報告入力を受け付け、(c)第1の製品PAと第3の製品PCが実質的に同一であるか又は同一の用途として用いることが可能(類似のもの)である場合、シミュレーション画面80において第2のユーザUBにより原単位項目の入力を受け付ける際に、第1の製品PA又は第3の製品PCを原単位項目の1つとして入力を受け付けることができる。なお、実績として当該原単位項目とその活動量がある場合、ユーザは、算出用情報の入力において、これらの情報を入力する。
【0076】
図11は、本発明の一実施形態の1つの製品(対象製品)のCO2排出量の算出についての制御部31の処理のフローチャートを示す図である。
【0077】
ステップS1で、制御部31は、対象製品の算出用情報の入力を受け付ける。このとき、ユーザは、ユーザ端末20を介して、CO2排出量算出システム1に、対象製品の製造において必要なプロセス、原単位項目、及び活動量を入力する。
【0078】
ステップS2で、制御部31は、入力を受け付けた算出用情報と、単位情報記憶部32に記憶される各原単位項目の単位量あたりのCO2排出量とに基づいて、算出情報を決定(算出)する。
【0079】
制御部31は、報告入力を受け付けた場合(ステップS3)、ステップS4で、報告入力を受け付けた対象製品とそのCO2排出量を、原単位項目とその単位量あたりのCO2排出量として、報告先のユーザのユーザIDに関連付けて単位情報記憶部32に記憶し、処理を終了する。制御部31が報告入力を受け付けない場合(ステップS3)、本フローチャートは終了する。
【0080】
次に、本発明の実施形態のCO2排出量算出システム1の主な作用効果について説明する。本実施形態では、制御部31は、第1のユーザUAにより供給先の第2のユーザUBに対する第1の製品PAの報告入力を受け付けた場合、第2のユーザUBにより原単位項目の入力を受け付ける際に、第1の製品PAを原単位項目の1つとして入力を受け付けることができ、当該入力を受け付けた場合、第1のユーザUAの算出用情報の入力により算出された第1の製品PAのCO2排出量に基づいて該原単位項目のCO2排出量を算出する。サプライチェーンは自社だけではなく他社まで関連するものであり、自社の活動によるCO2排出量算出においても、他社情報を考慮する必要がある。従来、担当者はCO2排出量を算出する際に、参照すべき資料や確認すべき内容が多く困難であった。特に部品会社などのデータを利用したい場合には、原単位項目などを推定して入力するか又は直接データをもらう必要があった。本実施形態のような構成とすることにより、CO2排出量算出システム1を利用するユーザにとって入力がより簡便なものとしつつ、サプライチェーンの上流の他社のCO2排出量を参照することからCO2排出量をより正確に算出することができる。例えばユーザは、確認用画面60において、原単位項目間のCO2排出量の比較やプロセス間のCO2排出量の比較を行うことができる。
【0081】
また本実施形態では、制御部31は、1以上の原単位項目又はプロセスを非公開とする設定を含む、対象製品のCO2排出量を報告するための報告入力を受け付けることができる。この場合、制御部31は、対象製品のCO2排出量(合計CO2排出量)を非公開とする設定入力を受け付けない。このような構成とすることにより、報告するユーザが非公開にしたい部分を原単位項目ごとやプロセスごとに選択可能な構成としつつも、報告先のユーザは対象製品のCO2排出量を利用可能であるため、多くのユーザの要望を満たすことが可能となる。
【0082】
また本実施形態では、制御部31は、シミュレーション画面80において第2のユーザUBにより原単位項目の入力を受け付ける際に、第1のユーザUAから報告入力を受け付けた第1の製品PA又は第3のユーザUCから報告入力を受け付けた第3の製品PCを原単位項目の1つとして入力を受け付けることができる。このように、第2のユーザUBは、サプライチェーンの上流の会社の算出用情報や排出量情報を活用可能とすることで、CO2排出量ベースで原単位項目を選択すること、すなわち部品や素材を選択することが可能となる。これにより、各企業のCO2排出量削減やLCAを支援することが可能となる。なお、制御部31は、シミュレーション画面80においてユーザにより原単位項目の入力を受け付ける際に、予め定められた原単位項目の入力も受け付けられることは理解される。
【0083】
また本実施形態では、制御部31は、完成品メーカーの製品である最終製品ごとに、CO2排出量を算出することができる。これにより、サプライチェーン全体での排出量の管理や把握が可能となり、各企業のLCAを支援することが可能となる。
【0084】
また本実施形態では、制御部31は、特定のユーザのみが使用可能な原単位項目と、その原単位項目の単位量あたりのCO2排出量とを、ユーザIDに関連付けて、単位情報記憶部32に記憶することができる。例えばユーザは、予め定められていないユーザの会社に特有の加工について、原単位項目として単位情報記憶部32に記憶しておくことができる。このようにユーザの嗜好に合わせた原単位項目を予め登録できるように構成することにより、よりユーザにとって入力が簡便なものとすることができる。
【0085】
上記の作用効果は、特に言及が無い限り、他の実施形態や変形例においても同様である。
【0086】
本発明の1又は複数の実施形態では、算出用情報は、要素項目を含まなくてもよい。この場合例えば、制御部31は、ユーザ端末20を介して、ユーザごとに、製品情報を受け付け、製品(製品情報)ごとに、プロセスの入力を受け付け、プロセスごとに、原単位項目及び活動量の入力を受け付ける。
【0087】
本発明の1又は複数の実施形態では、算出用情報は、プロセスを含まなくてもよい。この場合例えば、制御部31は、ユーザ端末20を介して、ユーザごとに、製品情報を受け付け、製品(製品情報)ごとに、要素項目、原単位項目及び活動量の入力を受け付ける。この場合において、更に、算出用情報は、要素項目を含まなくてもよい。
【0088】
本発明の1又は複数の実施形態では、単位情報記憶部32は、要素項目として入力されることが予想されるテキスト情報を、原単位項目に関連付けて記憶することができる。この場合、制御部31は、要素項目の入力フィールドに入力を受け付けると、原単位項目を自動的に選択又は複数の原単位項目を候補として提示することができる。本発明の1又は複数の実施形態では、算出用情報が要素項目を含まない場合、単位情報記憶部32は、原単位項目として入力されることが予想されるテキスト情報を、原単位項目に関連付けて記憶することができ、制御部31は、原単位項目の入力フィールドに入力を受け付けると、原単位項目を自動的に選択又は複数の原単位項目を候補として提示することができる。
【0089】
本発明の1又は複数の実施形態では、算出用情報は、製品情報に関連付けられた歩留まり率を含み、制御部31は、製品ごとに、歩留まり率に更に基づいて対象製品のCO2排出量を算出することができる。例えば、制御部31は、対象製品の歩留まり率として90%を受け付けると、各原単位項目のCO2排出量として算出した値を更に0.9で割った値を各原単位項目のCO2排出量として算出することができる。このような実施形態とすることにより、各企業に対して歩留まりを考慮したLCAを支援することが可能となる。
【0090】
図12は、歩留まり率を含む入力用画面90の一例を示す図である。入力用画面90は、歩留まり率入力フィールド91と、歩留まり率選択ボタン92とを含むことができる。この場合、制御部31は、歩留まり率選択ボタン92にて選択された原単位項目についてのみ歩留まり率入力フィールドに入力された歩留まり率を考慮して、原単位項目のCO2排出量を算出する。1つの例では、入力用画面90はバージョン情報入力フィールド93を含むことができる。例えばユーザは、入力用画面90において、算出年度に応じて異なるバージョン情報を入力して排出量情報を保存する操作をすることにより、同一の製品の排出量情報を、算出年度に応じて確認することが可能となる。
【0091】
本発明の1又は複数の実施形態では、制御部31は、輸送に関連する原単位項目の入力を受け付ける際に、記憶装置14に記憶された設定シナリオに沿って予め設定された質問に対する回答を選択入力させる画面又はポップアップウィンドウを表示することができる。この場合、制御部31は、選択入力を受け付けると、自動的に原単位項目の入力を受け付けることができる。1つの例では、制御部31は、原単位項目のプロセスの入力を受け付け、輸送手段や場所に関する質問に対する入力を受け付ける。例えば、制御部31は、原料材料調達プロセスの入力を受け付けると、輸送が海運のみであるか、輸送に海運が伴う国内輸送(生産サイト→港)であるか、輸送に海運が伴う国際間輸送であるか、又は輸送に海運が伴う国内輸送(港→納入先)であるかの入力を受け付けることにより、原単位項目と活動量を決定し、決定された原単位項目と活動量の入力を受け付けることができる。
【0092】
本発明の1又は複数の実施形態では、制御部31は、製品ごとに、原単位項目のうちの供給元のユーザから提供されたCO2排出量を用いた原単位項目の比率(排出量情報に含まれる原単位項目のうちの供給元のユーザから報告入力を受け付けた対象製品に対応する原単位項目の比率)に基づく指標を提示することができる。制御部31は、当該指標を報告先のユーザも確認できるように、対象製品の製品情報に関連付けて記憶することができる。このような指標を提示する構成とすることにより、対象製品のCO2排出量の信頼性を示すことができる。
【0093】
本発明の1又は複数の実施形態では、制御部31は、算出用情報の入力完了を受け付けた際に所定のチェックリストを提示し、算出用情報の入力に対する所定のチェックリストの入力を受け付け、該入力に基づく指標を生成し、対象製品の情報に関連付けることができる。制御部31は、当該指標を報告先のユーザも確認できるように、対象製品の製品情報に関連付けて記憶することができる。所定のチェックリストは、所定の機関などにより予め定められたものとすることができる。このような構成とすることにより、報告先のユーザは、対象製品のCO2排出量の信頼性を確認することができる。
【0094】
本発明の1又は複数の実施形態では、制御部31は、原単位項目が電力の項目について、対象製品の単位量あたり(例えば1kgあたり、1個あたり)の電力を算出することができる。このような構成とすることにより、対象製品の原単位項目として複数の工場電力を含む場合、複数の工場電力間の対象製品の単位量あたりの電力を比較することができるため、各企業のCO2排出量削減やLCAを支援することが可能となる。
【0095】
本発明の実施形態では、制御部31は、図5図10などと異なる態様の画面をユーザ端末20の表示装置22に表示することができる。例えば制御部31は、異なるレイアウトの画面を表示することもできるし、不要なオブジェクトを削除したり、必要なオブジェクトを追加したりすることもできる。また例えばボタンは、アイコンや仮想オブジェクトなどの任意のGUIとすることができる。
【0096】
本発明の実施形態では、本発明の実施形態と同様の機能を実現できれば、CO2排出量算出サーバ10の機能の一部をユーザ端末20が備えるように構成されてもよいし、ユーザ端末20の機能の一部をCO2排出量算出サーバ10が備えるように構成されてもよい。
【0097】
本発明の他の実施形態では、上記で説明した本発明の実施形態の機能やフローチャートに示す情報処理を実現するプログラムや該プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体とすることもできる。また他の実施形態では、上記で説明した本発明の実施形態の機能やフローチャートに示す情報処理を実現する方法とすることもできる。また他の実施形態では、上記で説明した本発明の実施形態の機能やフローチャートに示す情報処理を実現するプログラムをコンピュータに供給することができるサーバとすることもできる。
【0098】
以上に説明してきた各実施例は、本発明を説明するための例示であり、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、種々の形態で実施することができる。例えば、本発明の実施形態で説明するデータベースにおけるデータ構造やデータベース構造は一例であって、これらに限定されない。
【符号の説明】
【0099】
1:CO2排出量算出システム、2:ネットワーク、10:CO2排出量算出サーバ、11:プロセッサ、12:表示装置、13:入力装置、14:記憶装置、15:通信装置、16:バス、20:ユーザ端末、21:プロセッサ、22:表示装置、23:入力装置、24:記憶装置、25:通信装置、26:バス、31:制御部、32:単位情報記憶部、33:ユーザ情報記憶部、40:入力用画面、41:製品領域、42:プロセス領域、43:プロセス追加ボタン、44:項目領域、45:項目追加ボタン、46:完了ボタン、47:製品一覧画面遷移ボタン、60:確認用画面、61:製品領域、62:公開設定用画面遷移ボタン、63:入力用画面遷移ボタン、64:シミュレーション画面遷移ボタン、65:製品一覧画面遷移ボタン、66:内訳表示領域、67:結果表示領域、68:原単位項目、70:公開設定用画面、71:会社選択領域、72:入力フィールド、73:設定用領域、74:選択ボタン、75:解除ボタン、76:保存ボタン、77:確認用画面遷移ボタン、80:シミュレーション画面、90:入力用画面、91:歩留まり率入力フィールド、92:歩留まり率選択ボタン、93:バージョン情報入力フィールド
図1
図2
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図5
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図10
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図12