(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】冷却塔のスプラッシュバーハンガー及び関連の装置
(51)【国際特許分類】
F28F 25/08 20060101AFI20240708BHJP
【FI】
F28F25/08 C
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022168572
(22)【出願日】2022-10-20
(62)【分割の表示】P 2021578057の分割
【原出願日】2019-07-18
【審査請求日】2022-11-14
(32)【優先日】2019-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520417263
【氏名又は名称】ブレントウッド・インダストリーズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BRENTWOOD INDUSTRIES, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【氏名又は名称】稲葉 和久
(74)【代理人】
【識別番号】100224616
【氏名又は名称】吉村 志聡
(72)【発明者】
【氏名】キューリック,フランク エム,ザ サード
(72)【発明者】
【氏名】ボウマン,クリストファー
【審査官】礒部 賢
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04020130(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0211818(US,A1)
【文献】米国特許第04557878(US,A)
【文献】米国特許第04576764(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0176308(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28F 25/08
B01J 19/30 - 19/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気及び水がそれを通って流れる冷却塔の一部において、スプラッシュバーを支持するための冷却塔のスプラッシュバーハンガーであって、
複数のスロットを規定する複数のワイヤにより構成されたグリッドを備え、
前記複数のワイヤは、複数の概ね水平のワイヤと複数の概ね垂直のワイヤとを含み、前記複数の概ね水平のワイヤは、
互いに隣接する第1の概ね水平のワイヤ
と第2の概ね水平のワイヤ
とを含み、第1のスロットが、前記第1の概ね水平のワイヤと前記第2の概ね水平のワイヤとの間に規定され、
前記グリッドは、前記第1の概ね水平のワイヤ及び前記第2の概ね水平のワイヤに概ね平行に延びる上部支持体を含み、
前記上部支持体は、
複数の前記ワイヤとは別個に構成され、前記第2の概ね水平のワイヤから上部支持高さを離間して配置され、前記上部支持高さは、前記グリッドによって支持されるスプラッシュバーのスプラッシュバー高さと実質的に同じであるように構成され、前記第1の概ね水平のワイヤは、前記第2の概ね水平のワイヤからスロット高さを離間して配置され、前記スロット高さは、前記上部支持高さよりも大きい、
スプラッシュバーハンガー。
【請求項2】
前記上部支持体は、前記複数の概ね垂直のワイヤのうちの少なくとも2つに固定されている、
請求項1に記載のスプラッシュバーハンガー。
【請求項3】
前記上部支持体は、前記第2の概ね水平のワイヤに対して少なくとも概ね垂直に移動可能である、
請求項1に記載のスプラッシュバーハンガー。
【請求項4】
前記上部支持高さは、約1.5から3インチである、
請求項1に記載のスプラッシュバーハンガー。
【請求項5】
前記スロット高さは、約4から16インチである、
請求項1に記載のスプラッシュバーハンガー。
【請求項6】
前記第1のスロットは、前記複数の概ね垂直のワイヤのうちの第1の垂直ワイヤと第2の垂直ワイヤとによって更に規定され、前記第1の垂直ワイヤと前記第2の垂直ワイヤとは、スロット幅を規定し、前記スロット幅は約4から16インチである、
請求項1に記載のスプラッシュバーハンガー。
【請求項7】
前記複数の概ね水平のワイヤと前記複数の概ね垂直のワイヤとは、概ね円形の断面を有し、前記上部支持体は、概ね円筒形状の部材により構成されている、
請求項1に記載のスプラッシュバーハンガー。
【請求項8】
前記グリッドはクリップを備え、
前記クリップは、取り付けられた構成において、スプラッシュバーを前記グリッドに固定するように構成されている、
請求項1に記載のスプラッシュバーハンガー。
【請求項9】
前記上部支持体は、前記複数の概ね垂直のワイヤのうちの少なくとも2つに溶接されている、
請求項1に記載のスプラッシュバーハンガー。
【請求項10】
前記上部支持体と、前記複数の概ね垂直のワイヤと、前記複数の概ね水平のワイヤとは、同じ材料で構成されている、
請求項1に記載のスプラッシュバーハンガー。
【請求項11】
前記材料は、金属材料と高分子材料とのいずれかで構成されている、
請求項10に記載のスプラッシュバーハンガー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
冷却塔は、オープンループの直接接触型蒸発性熱交換器であって、様々な排熱応用に空気であるヒートシンクを提供するために使用される。高温のプロセス水又は高温の冷却媒体は、冷却塔の上部にあるノズルを介して冷却塔に送られる。ノズルからの水又は冷却媒体が分配され、重力により、冷却塔内のノズルの下の充填媒体にわたって階層的に落ちる。媒体は通常、「充填物(fill)」と呼ばれ、高温のプロセス水又は他の熱伝達媒体に晒される表面積及びはね面(splash surfaces)、並びに充填物を通って流れる空気を介して水から熱を除去するための物質移動の構造を提供する。空気の配送は、通常、自然通風又は強制換気によって行われ、通常、スプラッシュバーの長さに沿って流れ、組み立てられたスプラッシュバーは、冷却塔に取り付けられる充填物を構成する。冷却媒体(通常は水)に対する冷却塔を通って流れる空気の流れ方向に応じて、冷却塔は、コンカレント(concurrent)(空気と水とが同じく下向きの方向に流れる)であってもよく、これは空気と水との乱れ相互作用が少ないため稀であり、又は対向カレント(counter-current)(水は下向きに流れ、空気は上向きに流れる)であってもよく、又はクロスフロー(cross-flow)(水は下向きに流れ、空気は一般的に水平方向に媒体を通って流れる)であってもよい。クロスフローカレント(cross-flow current)は、スプラッシュバーハンガーに取り付けられたスプラッシュバーを含む冷却塔において一般的であり、取り付けられたスプラッシュバーは充填物を構成する。
【背景技術】
【0002】
冷却塔で使用される冷却塔充填物は、冷却塔の用途によるものであって、様々な要素によって大きく異なる。例えば、はね充填物(splash fill)は、水源が、汚染された汚れた水、固形不純物を含む水、又は使用中に汚れが予想される冷却液を含むような場合に使用することができる。冷却塔充填物は、多くのバリュエーションがあり、表面に落下する水の衝撃によって、高い表面積対体積の比を有する比較的小さな水滴を提供するはね充填物を含む。また、充填物の表面積は充填物の物質移動容量にも寄与する。スプラッシュバーは、はね充填物のバリュエーションであり、適切に動作するために、冷却塔の所定の位置にスプラッシュバーを配置するためのサポートシステムが必要である。スプラッシュバーは、通常、冷却塔内の構造支持部材に跨る縦の棒(bars)又は梁(beams)であり、一般的には、冷却塔の支持部材の間の間隔は、約2フィートから5フィート(2-5´)である。スプラッシュバー自体の長さと形状は様々であるが、一般的な冷却塔への設置を容易にするためには、長さが約18フィート(18´)、幅が約2-6インチ(2-6″)のバーを含むことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
スプラッシュバーは、一般に、スプラッシュバーを支持するグリッドによって垂直方向と水平方向との両方にオフセットされ、これによって、充填物の上方の配水システムからの水滴が、冷却塔の頂部付近から垂直にスプラッシュバーに落下する。落下した水滴は、配水システムの下のスプラッシュバーに衝突するが、冷却塔の支持構造によって横方向に分離されているスプラッシュバーの間に、又は取り付けるときにずれたスプラッシュバーの間に落下することもある。高温の冷却媒体又は高温の水は、上位のスプラッシュバーに落下し、また、液滴がより高いスプラッシュバーからスプラッシュバーの配列を通って下降するときに、より低いスプラッシュバーにも落下する。大きな水滴は通常、スプラッシュバーの1つに当たると小さな水滴に分解される。多くの水滴がスプラッシュバーに当たると、冷却塔の各スプラッシュバーに薄い水膜が形成され、当該薄い水膜の表面エリアは、スプラッシュバーアレイを流れる空気に晒され、それによって蒸発性冷却が発生する。水膜は、スプラッシュバーの下側に大きな液滴を形成する原因でもある。これらの液滴は、液滴がスプラッシュバーの表面に保持できないほどの十分なサイズに達すると、表面から離れる。冷却塔内でこれらの熱交換機能及びメカニズムが発生するためには、スプラッシュバーを冷却塔内に正確に配置及び組み立てをして、冷却媒体が下部の溜まり容器(basin)に直接落下しないようにすることが好ましい。従来技術のスプラッシュバーハンガーは、設置中にスプラッシュバーの誤配置及び誤整列が発生しやすく、特に比較的長いスプラッシュバーが冷却塔内に設置される場合は、取り付けが困難である。これは、設置用のスロット又は窓が狭く、特に設置者には見えない冷却塔の遠位端では、設置者が目視することが困難のためである。
【0004】
図1PA-3PAを参照すると、典型的な従来技術のスプラッシュバー支持グリッド1は、ハンガーグリッド1と呼ばれ、垂直の懸架部材2と水平梁3を有する垂直ワイヤのメッシュを含む。これらは通常固定間隔で配置され、水平方向に4インチ(4″)、垂直方向に4-12インチ(4-12″)の寸法で長方形のスロットを形成し、その中で、スプラッシュバー5が水平梁3で支持される。したがって、水平梁3は、通常、互いに対して垂直方向に約4から12インチ(4-12″)の間隔で配置され、垂直の支持部材2は、通常、互いに対して水平方向に約4インチ(4″)の間隔で配置される。水平梁3は4インチ(4″)の垂直の間隔(
図1PA)を持ち、上部の水平梁3は冷却塔の上部(機械式ドラフトタワーの場合はファンの付近)に設置されてもよく、過度の局所的な空気速度を制限し、冷却塔全体に均一な圧力降下を発生させるのに役立つ。8インチ(8″)の垂直間隔を有する水平梁3(
図2PA)が取り付けられてもよく、上部の水平梁3は、配水システムの付近に、その下に配置される。メッシュによって形成されるハンガーグリッド1は、一般に、幅が2から4フィート(2-4´)であり、高さが4、6、8、10、又は12フィート(4-12´)である。ハンガーグリッド1は、様々な設計及び寸法の冷却塔内で空気と水とが相互作用する充填物セクションを支持するようにサイズ設計することができる。垂直支持部材2の4インチ(4″)幅の間隔は、技術者がスプラッシュバーを設置するときにナビゲートするのが特に難しい。これは、スプラッシュバーは通常4インチ(4″)を超える幅を有して、冷却媒体がいずれのスプラッシュバーにも当たることなく、直接に流れて垂直に充填物をスルーするような垂直なギャップを防ぐためである。従来技術のスプラッシュバーは、通常、垂直の支持部材2を受け入れるノッチを有し、それによって、スプラッシュバーは、取り付けられた構成において水平梁3上に平らに載置される。
【0005】
スプラッシュバー5は、通常、いくつかの方法のうちの1つによって支持される。第1の方法は、従来技術の、耐食性処理された水平梁3と垂直の懸架部材2とを有するハンガーグリッド1を利用することができ、交差点おいてスポット溶接される。処理バージョンの1つは、溶融亜鉛めっき鋼線を覆う浸漬プラスチックコーティングを使用するが、空気流によるタワー内のスプラッシュバー5の振動及び動きにより、グリッド1とスプラッシュバー5との間の接触点でコーティングの局所的な摩耗を引き起こし、それによってワイヤ2、3が腐食に晒され、最終的に故障に繋がる可能性がある。ワイヤ2、3を含むほとんどのグリッド1は、鋼が露出している溶融亜鉛めっきワイヤ2、3から溶接される。そして、これらの溶接パネル又はグリッド1は、塩化ポリビニル(「PVC」)樹脂でコーティングされ、これは、ワイヤ2、3の腐食を防ぐための唯一の特徴となる。化学処理と組み合わせた露出したワイヤ2、3は、亜鉛コーティングを侵食する化学処理との組み合わせにより、材料の局所劣化と同様に、関連する故障メカニズムを引き起こす。ステンレス鋼のワイヤ又はグリッド1を使用してもよい。従来技術のワイヤに比べ、耐食性が向上したハンガーを設計、開発、及び展開することが望ましいであろう。
【0006】
プラスチック射出成形グリッド1は、同様の間隔配置を提供するために使用され、通常、スプラッシュバー5をグリッド1に取り付け又は固定するために利用される統合した接続機能(図示せず)を有する。統合した接続機能は、垂直の懸架部材2又は水平梁3のいずれかに成形される。プラスチックグリッド1は、一般的には、単一のユニットとして成形され、幅が2から4フィート(2-4´)、高さが4から8フィート(4-8´)であってもよい。より長い長さは、タイワイヤ(tie wire)又はホッグリング(hog rings)で複数のプラスチックパネルを結ぶことによって実現される。下位による荷重は、冷却塔構造の上位の接続に向かって、グリッド1において上向きに加算されるため、プラスチックグリッド1は、スプラッシュグリッドハンガーの上部付近の高応力エリアで破損する傾向がある。荷重が増加すると、グリッド1の垂直の懸架部材2における応力も増加する。設計断面における応力が材料の最大強度を超えるため、グリッド1の上部付近で局所的に材料の特性を超える可能性がある。現在のプラスチック製品は、垂直の懸架部材2に成形されたビアホールに取り付けられる。これにより、断面積が減少したこれらの場所に応力が集中し、製品の強度が更に低下する可能性がある。特に冷却塔支持構造に接続されているハンガーの上部付近において、ハンガーが与えられる構造的荷重に耐えることができるように、スプラッシュバーハンガーを設計、開発、及び展開することが望ましいであろう。
【0007】
典型的なスプラッシュバー5は、支持グリッド1の垂直の懸架部材2の横方向の間隔よりも幅が僅かに大きい場合がある。これは、階層的落下する水(cascading water)のバイパス又はスプラッシュバー5に当たることなくスプラッシュバー5をスルーして流れる水を排除するためである。これによって、スプラッシュバー5を、ハンガーグリッド1に挿入するために端部で回転させなければならず、また、事前に成形された接続特徴を回避するために、挿入するために回転させることもある。スプラッシュバー5の一方又は両方の縁部に打ち抜かれたノッチにより、ハンガーグリッド1の垂直の懸架部材2を取り囲みながら、スプラッシュバー5をハンガーグリッド1の水平梁3上に平らに載置することができる。スプラッシュバー5を回転させる必要があり、また、設置中に比較的小さくて狭いグリッドホール、特に、4インチ(4″)幅のスロットを通過するように促す必要があるため、水平梁3へのスプラッシュバー5の取り付けと保持は、技術者にとって困難である。更に、スプラッシュバー5の遠位端は設置者から離れており、設置者は目視できず、取り付け中に容易に操作できないため、設置又は組み立ては困難である。設置中にハンガーグリッド1の狭いスロット内でスプラッシュバー5を回転させるプロセスは、取り付けを複雑にし、設置に必要な時間を増加させる。更に、スプラッシュバー5の不適切な設置又は配置、典型的には、スプラッシュバー5の遠位端が遠位グリッド1に不適切に配置されたことにより、充填物セクション内に垂直方向の空隙(voids)が形成され、これによって、水がスプラッシュバー5をバイパスし、重力下でスプラッシュバー5の下の溜まり容器に直接落下することとなる。冷却媒体がバイパスしてスプラッシュバー5をスルーして、直接に下部の溜まり容器に落下することは望ましくない。なぜなら、水分配システムから直接にスプラッシュバー5をバイパスした冷却媒体は、入口とほぼ同じ温度を有し、そして、冷却媒体が下部の溜まり容器に落下したときに、溜まり容器内冷却媒体の温度を上昇させ、効率を低下させるためである。つまり、スプラッシュバー5の設置エラー又はその他の理由により冷却塔内にギャップの発生は望ましくない。ハンガーグリッド1に取り付けられたスプラッシュバー5のグリッドに規定された水平方向のギャップは、設置されたバー5の上部からスプラッシュバー5のグリッドの下部まで連続して落下し、溜まり容器に入る水をもたらす可能性がある。垂直の懸架部材2を収容し、且つ、グリッドにおけるスプラッシュバー5のギャップを減らすために、スプラッシュバー5の側面にスロットを規定した場合、当該スロットはバー5の設置を妨げる。技術者による設置中のスプラッシュバー5の回転又は向きの不適切又は不十分であることが原因で、垂直の懸架部材2のワイヤが、開口部に挿入されるときにスプラッシュバー5のスロットに引っ掛かる可能性がある。設置精度を向上させ、技術者による設置を容易にするスプラッシュバーハンガーを設計、開発、及び展開することが望ましいであろう。
【0008】
スプラッシュバー5は、典型的には、約4インチ(4″)の水平幅を有し、一般に、冷却塔内に4かける8(4×8)(
図1PA)の間隔又は配置で設置される。スプラッシュバー5は、冷却塔の構成に応じて、冷却塔内に8かける8(8×8)(
図2PA)又は12かける8(12×8)(
図3PA)の配置又はその他の配置で設置することもできる。従来技術のグリッド1及びスプラッシュバー5は、4インチ(4″)の幅を有するが、より狭いスプラッシュバーの場合は2インチ(2″)の幅を有するように構成されている。4かける4(4×4)間隔の場合、スプラッシュバー5は、通常、ハンガーグリッド1の水平方向及び垂直方向において、1つおきの開口部に配置され、このとき、垂直の懸架部材2及び水平梁3は、4インチ(4″)の間隔で配置される。4かける8(4×8)間隔の場合、バー5は、通常、水平方向において1つおきの開口部に配置されるが、同じ4かける4(4×4)間隔のワイヤの場合、通常、垂直方向においては3つおきの開口部に配置される。4かける8(4×8)間隔のワイヤの場合、バー5は、通常、所望のオフセット配置を達成するために1つおきの開口部に配置される。これらのスプラッシュバーの配置は、水平方向のオフセット間隔を設定する。しかしながら、ハンガーグリッド1の垂直の懸架部材2は、スプラッシュバー5と干渉する可能性があり、また、スロットがスプラッシュバー5の縁部に切り込まれ、隣接するスプラッシュバー5の水平方向の重なりが生じるか、又は垂直懸架部材2で隣接するスプラッシュバー5の間にギャップが規定され、冷却媒体がバー5をバイパスすることと、「開口部」全体にわたる再分配及び飛び散り(splashing)の不足とを可能にする。
図1PA-3PAに示すように、ハンガーグリッド1は、垂直の懸架部材2と水平梁3とが離間して構成され、4かける4(4×4)(
図1PA)グリッド、4かける8(4×8)(
図2PA)グリッド、又は4かける12(4×12)(
図3PA)グリッドを規定する。これらは、スプラッシュバー5の異なる間隔及び位置決めを容易にすることができる。スプラッシュバー5は、
図1PA-3PAに示されるように、4×8配置、8×8配置、又は12×8配置内の4かける4(4×4)ハンガーグリッド1に配置することができる。バー5のスロットは、バー5の取り付けを妨害する(パンチング(punching)と呼ばれる)可能性がある。このとき、スプラッシュバー5がグリッド1の開口部に挿入されるとき、適切な組み立て位置に配置される前に、ワイヤ2、3は、スプラッシュバー5のスロットの1つに引っ掛かってしまう。
【0009】
ワイヤサポートグリッドを使用する場合、スプラッシュバーは通常、外部クリップ、又は一般に「ホッグリング(hog rings)」と呼ばれる大きなステープル、又はポリマークリップ/ベンチサポート(clips/bench supports)によってハンガーグリッド1のスロット内に保持される。ポリマー充填物サポートグリッドは、グリッドと一体成形されたクリップを利用する。この取り付け方法は、スプラッシュバーを所定の位置に維持するのに役立つ。また、全てのグリッド位置でスプラッシュバーをサポート又はグリッド1に取り付けるために人員が必要となることで、コストに影響を与える可能性がある。通常、グリッド1は、スプラッシュバーの長さまで続けて設置される。グリッド1及びスプラッシュバーへのアクセスは、通常、側方の、充填材(fill material)の挿入側の対向側にあるグリッド1からでは困難である。スプラッシュバーは通常、一方の端から挿入され、設置者は、スプラッシュバー及びグリッド1にアクセスできるスプラッシュバーの端部でクリップ又はホチキスを止める。これにより、充填物の反対側にあるスプラッシュバーの固定されていない端部が、反対側のグリッド1のスロット内で自由に移動できるようになる。これによって、物質移動に必要な横方向及び縦方向の空気流れの力、又は冷却塔の動作中に発生する振動の力、又は階層的に落ちる冷却媒体によって発生する力、又はスプラッシュバーの取り付けられていない若しくは固定されていない端部を動かすことができる任意の力によって、スプラッシュバーが動く可能性がある。このようなスプラッシュバーの動きは望ましくない。誤整列と誤配置により、充填材内にバイパスウィンドウ又は経路が形成され、溜まり容器内の冷却媒体の温度が上昇する可能性があるためである。スプラッシュバーの両側にアクセスできる場合は、増加した人員を使用して、グリッド1の両端でスプラッシュバー5をクリップ留めすることができる。スプラッシュバーは、ハンガーグリッドスロットに挿入され、どちらの端部においてもクリップ又は固定されないこともできる。
【0010】
ハンガーグリッド1を冷却塔構造に固定するために通常2つの方法が採用される。第1の方法では、ワイヤメッシュサポートグリッド1を使用し、先ずネジ又は釘を用いて別のブラケットを既存の冷却塔サポート構造に固定する。次に、ワイヤハンガーグリッド1は、一般に上部の水平梁3によってブラケットから吊り下げられる。次に、垂直に接続された複数のパネルの荷重がグリッド1と上部の水平梁3のスポット溶接に加えられる。これによって、過負荷状態、例えば、充填材に氷が形成された場合では、溶接の故障が発生する可能性がある。汚れが、冬又は比較的寒い周囲条件下で、充填材と、ハンガーグリッド1と、スプラッシュバーとに蓄積するため、これらの故障は、寒い気候で悪化する可能性がある。射出成形されたプラスチックハンガー又はグリッド1は、一般に、上部の水平梁3又は垂直の懸架部材2の上部付近において、釘又はネジ穴を有する。複数の垂直に接続されたパネルの累積荷重と同じ原理がプラスチックパネル又はグリッド1にも適用される。これによって、予期しない過負荷状態で荷重がプラスチック製の垂直の懸架部材2の最大強度を超える可能性がある。
【0011】
従来技術のハンガーグリッド1に関する重要な課題は、従来技術のスプラッシュバー5をグリッド1に取り付ける困難性にある。従来技術のスプラッシュバー5は、設置するのに非常に時間かかり、取り付けの問題が深刻である。メッシュバー充填物は、その優れた熱性能及び簡単な取り付け特性により、業界で支配的となっている。設置人件費が高い理由はいくつかがある。1つ目は、従来技術のハンガーグリッド1のグリッドスロットにより、設置中にバー5が垂直ワイヤ部材2に引っ掛かることである。スプラッシュバー5の幅は、多くの場合、スロットの幅よりも大きいため、水平梁3及び垂直のワイヤ部材2によって規定されたグリッドスロットは、特にスプラッシュバー5の幅に比べて、比較的小さくて狭い。例えば、角度の付いた18フィート(18´)の長さのスプラッシュバー5を4かける4(4×4)のグリッドスロットに挿入する場合、スプラッシュバー5の幅が4インチ(4″)を超えて、設置者にとって困難である。また、スプラッシュバー5を設置位置に押し込むときに、スプラッシュバー5の側方の縁部に形成されたスロット又はノッチは、垂直のワイヤ部材2にしばしば引っ掛かってしまう。設置人件費が高い第2の理由は、ワイヤグリッドハンガー1は、通常、設置されるスプラッシュバー5の幅と基本的に同じかそれよりも小さい4インチ幅に設計されていることである。4×8、8×8、及び12×8インチの構成で配置された水平梁3と垂直のワイヤ部材2とは、グリッドスロットの垂直の高さにおける違いのみを許す。バー5は18フィート(18´)までの長さを有することができるため、設置者は、ねじ込むように又は押し込むようにしてバー5をワイヤハンガーグリッド1の適切なグリッドスロットに通す必要がある。先行技術の可撓性スプラッシュバー5を、ワイヤハンガーグリッド1の適切なグリッドスロットを通す場合、スプラッシュバー5が片方の端部から支えられたとき、例えば、設置者がスプラッシュバー5の一端をつかみ、バー5を複数のハンガーグリッド1の複数のスロットを通して冷却塔に押し込むときに、スプラッシュバー5は、中央軸又は縦軸を中心に回転する傾向がある。スプラッシュバー5をねじ込む又は打ち抜くことが必要なワイヤグリッド1の数は、スプラッシュバー5のスパン及び冷却塔のサイズによって決められる。
【0012】
従来技術のハンガーグリッド及びそれらのアセンブリに関連する前述した制限は、本発明の様々な態様及び好ましい実施形態によって対処される。本発明は、冷却塔のスプラッシュバーを支持するためのワイヤハンガーグリッドと、ハンガーグリッドの特に好ましい実施形態での使用に適合したスプラッシュバーと、支持されるスプラッシュバーとハンガーグリッドとのアセンブリと、ハンガーグリッドを組み立てる方法と、冷却塔においてハンガーグリッド及びスプラッシュバーを含む蒸発性冷却充填物アセンブリを組み立てる方法とを含む。好ましいハンガーグリッドは、バー5をグリッド1に設置するとき、及びバー5をグリッド1のスロットに適切に配置するときの困難及び必要となる高価な設置コストにおいて、従来技術のハンガーグリッド1の制限を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
簡単に言えば、好ましい発明は、空気及び水がそれを通って流れる冷却塔の一部において、スプラッシュバーを支持するための冷却塔のスプラッシュバーハンガーに関する。スプラッシュバーハンガーは、複数のスロットを規定するワイヤによるグリッドを含む。複数のスロットは、第1の底部、第1の頂部、及び一対の第1の側部を有する第1のスロットを含む。当該第1のスロットは、垂直軸が第1の底部と第1の頂部とによって規定され、水平軸が一対の第1の側部によって規定された閉じた四辺形の形状を有する。グリッドは、グリッド面で冷却塔に取り付けるように構成されている。第1の底部は、組み立てられた構成でスプラッシュバーの第1のスプラッシュバーの第1の下部を支持するように構成されている。
【0014】
別の態様では、好ましい発明は、空気及び水がそれを通って流れる冷却塔の一部において、スプラッシュバーを支持するための冷却塔のスプラッシュバーハンガーに関する。スプラッシュバーハンガーは、第1の複数のスロットを規定する第1の複数のワイヤにより構成された第1のグリッドを含む。第1の複数のスロットは、第1の底部を有する第1のスロットを含む。第1のスロットは、第1の垂直軸を規定する一対の第1の垂直コーナーと、第1の水平軸を規定する一対の第1の水平コーナーとを有する四辺形の形状を有する。第1のグリッドは、第1の平面を規定し、第2のグリッドは、第2の複数のスロットを規定する第2の複数のワイヤにより構成される。第2の複数のスロットは、第3の底部を有する第3のスロットを含む。第3のスロットは、第3の垂直軸を規定する一対の第3の垂直コーナーと、第3の水平軸を規定する一対の第3の水平コーナーとを有する四辺形の形状を有する。第2のグリッドは第2の平面を規定する。第1の平面は、第2の平面に対して実質的に平行である。第1のスロットと第3のスロットとは、第1の平面及び第2の平面に概ね垂直に延びている第1のスプラッシュバーの軸に沿って実質的に整列している。第1のグリッドと第2のグリッドとは、組み立てられた構成において、それぞれが第1のスロットと第3のスロットとの第1の底部と第3の底部とにおける第1のスプラッシュバーの端部を支持するように構成されている。
【0015】
更なる態様では、好ましい発明は、冷却塔に取り付けて冷却媒体を冷却するための冷却塔のスプラッシュバーハンガーアセンブリに関する。スプラッシュバーハンガーアセンブリは、グリッドと、第1のスプラッシュバーと、第2のスプラッシュバーとを含む。グリッドは、複数のスロットを規定する複数のワイヤにより構成される。複数のワイヤは、複数の垂直ワイヤと複数の水平ワイヤとを含む。複数の垂直ワイヤは、第1の垂直ワイヤと第2の垂直ワイヤとを含む。複数のスロットは、第1の垂直ワイヤと第2の垂直ワイヤとの間の第1のスロット幅を規定する第1のスロットを含む。第1のスプラッシュバーは、第1のバー幅を規定する。第1のスプラッシュバーは、取り付けられた構成において第1のスロット内に配置され、複数の水平ワイヤのうちの1つによって支持されるように構成される。第2のスプラッシュバーは第2のバー幅を規定する。第2のスプラッシュバーは、取り付けられた構成において複数の水平ワイヤのうちの1つによって支持される。第1のスロット幅は、第1のバー幅及び第2のバー幅よりも大きい。第1のスロット幅と第1のバー幅とは、サイズ比を規定する。サイズ比は約2対1、又は2対1よりも大きい。
【0016】
別の態様では、好ましい発明は、空気及び水がそれを通って流れる冷却塔の一部において、スプラッシュバーを支持するための冷却塔のスプラッシュバーハンガーに関する。スプラッシュバーハンガーは、複数のスロットを規定するワイヤを有するグリッドにより構成される。複数のワイヤは、複数の垂直ワイヤと複数の水平ワイヤとを含む。複数の水平ワイヤは、第1の水平ワイヤと第2の水平ワイヤとを含み、第1の水平ワイヤは第1の直径を有し、第2の水平ワイヤは第2の直径を有する。第1の直径は第2の直径よりも大きく、複数の垂直ワイヤが複数の水平ワイヤに溶接されてグリッドを規定する。
【0017】
更なる態様では、好ましい発明は、空気及び水がそれを通って流れる冷却塔の一部において、スプラッシュバーを支持するための冷却塔のスプラッシュバーハンガーに関する。スプラッシュバーハンガーは、複数のスロットを規定するワイヤを有するグリッドにより構成される。ワイヤは、複数の概ね水平のワイヤと複数の概ね垂直のワイヤとを含み、複数の概ね水平のワイヤは、第1の概ね水平のワイヤと第2の概ね水平のワイヤとを含む。第1のスロットは、第1の概ね水平のワイヤと第2の概ね水平のワイヤとの間に規定され、グリッドは、第1の概ね水平のワイヤ及び第2の概ね水平のワイヤに概ね平行に延びる上部支持体を含む。上部支持体は、上部支持高さで第2の概ね水平のワイヤから離間されている。第1の概ね水平のワイヤは、スロット高さで第2の概ね水平のワイヤから離間されている。スロット高さは、上部支持高さよりも大きい。
【0018】
前述した概要、並びに以下の本発明の詳細な説明は、添付の図面を参照して読めば、よりよく理解されるであろう。本発明を説明する目的で、現在好ましい実施形態が図面に示されている。しかしながら、本発明は、示された具体的な配置及び手法に限定されないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1PA】4かける8(4×8)の配置で組み立てられたスプラッシュバーを有する従来技術のハンガーグリッドの正面図である。
【
図2PA】8かける8(8×8)の配置で組み立てられたスプラッシュバーを有する従来技術のハンガーグリッドの正面図である。
【
図3PA】12かける8(12×8)の配置で組み立てられたスプラッシュバーを有する従来技術のハンガーグリッドの正面図である。
【
図1】複数のスプラッシュバーがスプラッシュバーハンガーによって支持されている、本発明の第1の好ましい実施形態によるスプラッシュバー及びスプラッシュバーハンガーアセンブリの上面斜視図である。
【
図1A】複数のスプラッシュバーの端部がスプラッシュバーハンガーの好ましい第1のグリッドに取り付けられている、
図1の冷却塔のスプラッシュバーハンガーの第1のグリッドの一部の拡大側面斜視図である。
【
図2】
図1Aのスプラッシュバーハンガーの第1のグリッドの一部及びスプラッシュバーの端部の更に拡大した側面斜視図である。
【
図3】
図1のスプラッシュバーハンガーの第1のグリッドの一部及びスプラッシュバーの端部の拡大上面斜視図である。
【
図4】
図1の冷却塔のスプラッシュバーハンガーの第1のグリッドの一部及びスプラッシュバーの一部の正面図である。
【
図5】スプラッシュバーが取り付けられた
図1の冷却塔スプラッシュガードハンガーの第1のグリッドの一部の拡大側面図である。
【
図5A】スプラッシュバーが取り付けられた
図1のスプラッシュバーハンガーの第1のグリッドの第1のスロットの側面図である。
【
図6】本発明の第2の好ましい実施形態によるスプラッシュバーハンガーの一部の側面図であり、様々なスプラッシュバーがスプラッシュバーハンガーに取り付けられている。
【
図6A】
図6の線6A-6Aに沿って取られた、
図6のスプラッシュバーハンガーの第1のワイヤの断面図である。
【
図6B】
図6の線6B-6Bに沿って取られた、
図6のスプラッシュバーハンガーの第2のワイヤの断面図である。
【
図6C】
図6の線6C-6Cに沿って取られた、
図6のスプラッシュバーハンガーの垂直ワイヤの断面図である。
【
図7】複数の概ね三角形の形状の断面のスプラッシュバーが取り付けられている、
図6のスプラッシュバーハンガーの代替的構成によるスプラッシュバーハンガーの一部の側面図である。
【
図7A】複数の概ね台形の形状の断面、好ましくは、等脚台形の形状の断面のスプラッシュバーが取り付けられている、
図7のスプラッシュバーハンガーの代替的構成によるスプラッシュバーハンガーの一部の側面図である。
【
図7B】複数の概ね楕円形の形状の断面のスプラッシュバーが取り付けられている、
図7のスプラッシュバーハンガーの代替的構成によるスプラッシュバーハンガーの一部の側面図である。
【
図8】好ましいスプラッシュバーハンガーで利用できるクリップの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下の説明において、便宜上、特定の用語を使用しているが、これに限定されるものではない。本明細書に具体的に記載されていない限り、「a」、「an」、及び「the」との用語は、1つの要素に限定されず、「少なくとも1つ」を意味すると解釈されるべきである。「右」、「左」、「下」、及び「上」との言葉は、参照される図面内の方向を示す。「内向き」又は「遠ざかる」、及び「外向き」又は「近接する」との言葉は、それぞれ、充填物パック及びその関連部分の幾何学的中心に向かう方向及び離れる方向を指す。用語には、上記の単語、その派生語、及び同意語が含まれる。
【0021】
本明細書において、「約」、「ほぼ」、「一般的に」、「実質的に」、及び同様の用語は、本発明の構成要素の寸法又は特性を説明するときに使用され、説明される寸法/特性が厳密な境界又はパラメータではなく、当業者によって理解されるように、機能的に同一又は類似であって、微小な差異を有するものを除外しないことを示すことも理解されるべきである。最低限に、数値パラメータを含むような参照は、当技術分野で受け入れられている数学的及び産業的原則(例えば、丸め、測定又は他の系統的誤差、製造公差など)を使用し、最下位桁を変化させないようなバリュエーションを含む。
【0022】
図1-5Aを参照すると、第1の好ましい実施形態の冷却塔のスプラッシュバーハンガーアセンブリは、一般に符号10で示され、スプラッシュバーハンガーグリッド14、14a、14bによって支持されているスプラッシュバー18を含む。スプラッシュバーハンガー14、14a、14bは、空気及び水が流れる、好ましくは、クロスフロー又は対向フロー(counter-flow)の構成で流れる冷却塔(図示せず)内でスプラッシュバー18を支持するように構成される。第1の好ましい実施形態のスプラッシュバーハンガー又はグリッド14、14a、14bは、更に複数のスロット又はウィンドウ16を規定するグリッド14を規定するように配置された一連のワイヤ12により構成される。本明細書に記載のワイヤ12は、第1の好ましい概ね円筒形状のワイヤ12により構成することができ、又は、グリッド14、14a、14bのワイヤ12の一般的な機能を実行し、グリッド14、14a、14bの通常の動作条件に耐えることができる比較的薄い構造部材若しくは他の構造部材により構成することができる。第1の好ましい実施形態では、グリッド14は、以下でより詳細に説明するように、冷却塔の対向の両側に取り付けられる、少なくとも第1のスプラッシュバーハンガー又はグリッド14a、及び第2のスプラッシュバーハンガー又はグリッド14bと、一般に、第1のグリッド14aと第1のグリッド14bとの中間又は間に配置される追加のグリッド(図示せず)と、によって構成され、スプラッシュバー18を支持する。中間グリッドは、明確にするために図面には示されていないが、スプラッシュバー18の長さに沿ってスプラッシュバー18を支持し、通常、中間グリッドは、互いに、且つ、第1のグリッド14a及び第2のグリッド14bとは、一定の間隔を置いて配置される。スロット16は、互いに隣接して配置された、四辺形、正方形、又は実質的に菱形の形状を有する。スロット16は、好ましくは、組み立てられた構成において、スプラッシュバー18の1つの端部18a又は1つのスプラッシュバー18の一部を受けて、支持する閉じた形状に構成され、複数のスロット16のそれぞれは、スプラッシュバー18の端部18aの1つ又はスプラッシュバー18の中間部分を支持することができる。複数のスロット16は、第1の底部30aと、第1の頂部30bと、一対の第1の側部30cとを有する第1のスロット30を含む。第1のスロット30は、4つの側面、及び4つの角又はピーク17を有する四辺形の形状を有し、底部30aと頂部30bとは垂直軸20を規定し、一対の側面30cは水平軸22を規定し、垂直軸20と水平軸22とは、好ましくは、それぞれが対向するピーク17を通って延びる。本明細書において、一般的に、スロット16は、参照番号16を用いて説明され、第1のスロット30は、参照番号30を用いて説明される。ただし、第1のスロット30は、第1のスプラッシュバーグリッド14a及び第2のスプラッシュバーグリッド14b、又は任意の中間グリッドのいずれかを含むスプラッシュバーグリッド14の任意の場所に配置することができ、グリッド14内のほぼ任意のスロット16で構成され得る。スロット16はそれぞれ、底部16aを含む。
【0023】
スプラッシュバーグリッド14は、第1の好ましい実施形態において、第1のグリッド14aに関連する第1のグリッド面24aと、第2のグリッド14bに関連する第2のグリッド面24bと、中間グリッド14に関連する追加のグリッド面(図示せず)とを含むグリッド面24において冷却塔に取り付けるように構成されている。第1のスロット30の第1の底部30aは、第1のスプラッシュバー19を支持するように構成される。第1のスプラッシュバー19の第1のスプラッシュバーの下部コーナー19bは、好ましくは、第1のスプラッシュバー19及び第1のスロット30の形状に基づいて第1のスプラッシュバー19が自己整列するように、第1の底部30a付近に配置される。スプラッシュバー18のそれぞれは、取り付けられた構成において、下部コーナー18bがスロット16の底部16a付近に配置されるように、ハンガー14a、14b、14に取り付けられる。スロット16は、自己整列方式でスプラッシュバー18を支持するように構成される。複数のスロット16はまた、第2の下部32aと、第2の頂部32bと、一対の第2の側面32cとを有する第2のスロット32を含む。一対の第1の側部30cのうちの1つは、一対の第2の側部32cのうちの1つに取り付けられ、このように、グリッド14において、第1のスロット30は、第2のスロット32に取り付けられて、隣接している。同様に、第2のスロット32は、グリッド14、14a、14bのほぼ任意の場所に配置することができ、任意のスロット16を含むことができる。
【0024】
第1のグリッド14a又は第2のグリッド14bのいずれか、又は中間グリッドのいずれかを、一般に符号14で示す。グリッド14を製造する一般的な方法は、マンドレル(mandrel)の幅の2倍に等しい周期で、ブレードの形に成形されたマンドレルの周りにワイヤ12を巻き付けることである。形成されたワイヤ12は、好ましくはマンドレルの厚さの周りに形成されるオフセットジグザグの形状で、グリッド14に構成される。個々のワイヤ12は、隣接するワイヤ12とねじ込まれ、ワイヤ12が一般に互いに平行及び垂直に配向されている場合、四辺形、回転した正方形、又は菱形のスロット16を有するたたみ可能なメッシュ又はグリッド14を形成する。ワイヤ12の間隔は、好ましくは、グリッド14のスロット16のそれぞれが、約4から12インチ(4-12″)の第1の間隔S1、及び約4から12インチ(4-12″)の第2の間隔S2を有するように構成される。そして、第1の好ましい実施形態のスロット16は、典型的には、4インチかける4インチ(4×4″)から、12インチかける12インチ(12×12″)のスロット16を有する。第1の好ましい実施形態の好ましい配置では、スプラッシュバー18が約4インチ(4″)のスプラッシュバー幅WBを有するとき、スロット16は、5.66インチかける5.66インチ(5.66×5.66″)の第1の間隔S1及び第2のS2を有する。冷却塔を通って落下する液滴が、第1の好ましいハンガーグリッド14に取り付けられた冷却塔内のスプラッシュバー18の2つの垂直高さごとに、スプラッシュバー18の少なくとも1つに当たるように、第1の間隔S1と第2のS2とは、好ましくは、スプラッシュバー18のバー幅WBに基づいてサイズ設計及び構成される。スプラッシュバー18が、冷却塔を通って落下する液滴の影響を受けるように、スロット16のスロット幅WSは、好ましくは、バー幅WBの約2倍、又は2倍より僅かに小さい幅である。スロット16のスロット高さHSは、好ましくは、スロット幅WBと実質的に同じであり、従って、スロット高さHSは、好ましくは、バー幅WBの約2倍、又は2倍より僅かに小さい幅である。第1のスロット30は、具体的には、第1の頂部30bのピーク17と一対の第1の側部30cの1つのピーク17との間の第1の間隔S1を規定し、第1の間隔S1と第2の間隔S2とは、好ましくは、第1の好ましい実施形態の各スロット16において同じである。好ましいワイヤ12は、ステンレス鋼、亜鉛メッキ鋼、塩化ポリビニル(「PVC」)被覆鋼、アルミニウム、アルミニウム被覆鋼、鋼、又は一般的なサイズをとることができる他の線材で構成される。ワイヤ12の形状は、一般に、グリッド14のサイズ及び形状を構成することに適合し、グリッド14を形成するために利用される通常の動作条件及び製造技術に耐えることができる。好ましいワイヤ12は、一般に円形の断面を有するが、それに限定されず、その形状がワイヤ12の好ましい機能を実現でき、ワイヤ12の通常の動作条件に耐えることができる限り、他の形状及び構成を有することができる。例えば、ワイヤ12は、正方形、T字形、Iビーム形、U字形、N字形、Z字形、楕円形、比較的フラットな形状、長方形又は長方形の断面、又は荷重若しくはその他の要因に応じたその他の構造形状を有することができる。ワイヤ12は、ポリマー材料から形成される場合、例えば、射出成形されたグリッド14に形成された長方形のワイヤ12は特に、一般に円形以外の形状を有することができる。
【0025】
好ましい発明は、グリッド14、14a、14bを利用して、冷却塔においてスプラッシュバー18を支持し、配置する。第1の好ましい実施形態では、第1の間隔S1が5.66インチであり、第2の間隔S2が5.66インチであり、それにより、スロット16のそれぞれの対向するピーク17から測定された8かける8インチ(8×8″)のスロット16を有するスロット16、又は、スロット幅WSが8インチ(8″)で、スロット高さHSが8インチ(8″)を有するスロット16が規定される。好ましくは、スロット16が菱形パターンであり、ワイヤ12が低グレードステンレス鋼で構成され、バー幅WBがこの好ましい構成において約4インチ(4″)である。第1のスロット30は、具体的には、好ましくは、第1の底部32aのピーク17と第1の頂部30bのピーク17との間のスロット高さHSを規定し、スロット16、30、32のそれぞれの寸法は、1つのグリッド14において実質的に同じである。第1のスロット30は、好ましくは、一対の第1の側部30cのピーク17の間の第1のスロット幅WSを規定する。スプラッシュバー18の端部18aは、好ましくは、スロット16に挿入されて載せられ、スロット16内に配置されたスプラッシュバー18の脚部の全幅に沿って、菱形状のスロット16の底部16aで支持される。好ましくは、スプラッシュバー18の中間部分もまた、構造的支持及び設計要件に基づいて、グリッド14によって支持される。底部16aがスプラッシュバー18の支持を提供することに限定されない。底部16aから離間したグリッド14の部分がスプラッシュバー18を支持するように、スプラッシュバー18は、本発明の好ましい実施形態に開示されたものとは異なるサイズ及び形状を有してもよい。例えば、スプラッシュバー18は、台形断面、楕円形断面、輪状(circle)断面、円形(round)断面、又は好ましくはスロット16に挿入されたときに自己整列又は自己センターとなる他の形状を有してもよい。好ましいスロット16及びスプラッシュバー18は、上記の好ましい寸法に限定されず、他の設計及び構成を有することができる。例えば、スプラッシュバー18は、バー幅WBが約2、4、6、及び8インチ(2″、4″、6″、又は8″)であるように構成され、スロット16は、第1の間隔S1と第2の間隔S2とが、2.8インチから12インチ(2.8-12″)であるように構成することができる。
【0026】
グリッド14及び個々のスロット16は、スロット16のそれぞれが、一般に垂直軸20に沿って整列した対向するピーク17を含み、別の2つの対向するピーク17が一般に水平軸22に沿って整列するように配向される。グリッド14及び個々のスロット16は、スロット16のそれぞれが、垂直軸20に沿って概ね整列した対向のピーク17と、水平軸22に沿って概ね整列した別の2つの対向のピーク17とを含むように配向されている。グリッド14及びスロット16は、このように、設置された構成において、一連の菱形状を規定し、ワイヤ12は、好ましくは、それぞれのスロット16のピーク17付近に直角を規定する。ワイヤ12は、それぞれのスロット16のピーク17付近に直角を規定することに限定されず、他の設計及び構成を有することができる。例えば、ワイヤ12は、底部16a、又は第1の底部30a及び第2の底部32a、並びに第1の上部30b及び第2の上部32b付近に鋭角を規定し、ワイヤ12は、第1の側部30c及び第2の側部32c付近に鈍角を規定することができる。このような構成は、組み立てられた構成において、より垂直に配向されたワイヤ12により、追加的な強度及び安定性を提供する。より垂直に配向されたワイヤ12を備えたこの好ましい構成を利用して、組み立てられた構成において、スプラッシュバー18がグリッド14に取り付けられたときに、スプラッシュバー18の間の落下距離の配置又は規定をすることができる。
【0027】
ワイヤ12によって規定されるスロット16の菱形は、好ましくは、スプラッシュバー18を自己中心化又は自己整列し、そして、4インチ(4″)のバー幅WBを有するスプラッシュバー18の場合、好ましくは、バー間隔SBを、5.66インチ(5.66″)に設定する。ここで、バー間隔SBは、好ましくは、隣接するスプラッシュバー18の幾何学的中心Cから幾何学的中心Cまで測定される。スプラッシュバー18は、好ましくは三角形形状の断面、好ましくは直角二等辺三角形形状の断面を有し、組み立てられた菱形のスロット16の底部16aに配置される90度(90°)の下部コーナー18bを有する。下部コーナー18bは、各スロット16の最下部のピーク17に隣接して配置される。バー間隔SBは、記載された寸法に限定されず、スプラッシュバー18のサイズ及び構成に応じて、他のサイズ及び構成、例えば、約2.8インチから12インチ(2.8-12″)であるように構成することができる。スプラッシュバー18は、好ましくは、約4インチ(4″)のバー幅WBを有するが、そのように制限されず、他のサイズ、例えば2から12インチ(2-12″)であってもよい。バー幅WBは、組み立てられて設置された構成において、スプラッシュバー18の水平方向の縁部の間で、水平軸22に概ね平行して測定される。従って、設置された構成において、バー18が、それらの下部コーナー18bが各スロット16の底部16a付近に配置されるように設置される場合、スロット幅WS及びスロット高さHSは、約4から16インチ(4-16″)であり、従来技術のスプラッシュバーハンガーの垂直の懸架部材によって形成された垂直の経路を有することなく、水平軸22に沿った冷却塔の水平部分の全幅は、スプラッシュバー18の1つによってカバーされる。従って、冷却塔を通って垂直に落下する水又は他の冷却媒体は、冷却塔の頂部から底部までに進行するときに、一般に、スプラッシュバー18の2つの垂直高さごとに少なくとも1つのスプラッシュバー18に当たるか又は通って落下する。具体的には、スプラッシュバー18は、組み立てられて設置された構成において、グリッド頂部15aとグリッドの底部15bとの間の水平方向の空間を完全にカバーするため、グリッド14の複数のスロット16は、冷却塔を通って落下する水がスプラッシュバー18の少なくとも1つに当たるか、又はスプラッシュバー18の少なくとも1つを通って落下するように、スプラッシュバー18を支持するように構成されている。好ましいスロット16に取り付けられ、好ましいグリッド14に配置されると、スプラッシュバー18は、重力下での冷却媒体の実質的に垂直な流れ又は落下に基づいて冷却塔の水平領域を完全にカバーし、そして、好ましくは、例えば、垂直の懸架部材の存在によって、バー18が冷却塔内で不適切に間隔をあけられたか、又は垂直の懸架部材とともに冷却塔内に設置された場合に、バー18の間に生じ得る水分布の潜在的な水平方向のギャップを排除することができる。スプラッシュバー18はまた、グリッド14のスロット16に挿入されたときに、好ましくは、自己整列することができ、スロット16及びスプラッシュバー18の形状、並びに冷却塔内のグリッド14、14a、14bの配置に基づく干渉又は整列機能を必要としない。
【0028】
好ましいスプラッシュバー18及びグリッド14のサイズ及び形状は、スプラッシュバー18の好ましい直角の下部コーナー18bを、スロット16の好ましい直角の底部16a内に位置させることによって、比較的にシンプルにグリッド14内にバー18の適切な配置及び間隔を実現でき、これによって、冷却塔内の水平方向の全幅をカバーすることができる。バー18は、約4インチ(4″)又は2から8インチ(2-8″)のバー幅WBを有し、スロット16は、約5.66インチ(約5.66″)又は2.8インチから12インチ(2.8-12″)の第1の間隔S1と第2の間隔S2とを有し、スロット16の菱形の最も広いポイントでのスロット幅WSは約8インチ(8″)又は4から16インチ(4-16″)である。これによって、好ましい配置及び構成は、水又は冷却媒体が、バー18に当たる又はバーを通って落下することなく、冷却塔をスルーして落下することを防止する。更に、特に、従来技術のスプラッシュバーを、スプラッシュバーを支持及び間隔を空けるために狭い間隔で配置された水平及び垂直のワイヤのみを有する開口部に設置することに比べ、グリッド14内にバー18を設置して、スプラッシュバーハンガーアセンブリ10を規定することは比較的簡単である。従来技術の構成では、垂直の懸架部材は、高温の水がスプラッシュバーをスルーする水平方向のギャップ又は垂直のバイパスを作り出す可能性があって、そして、バイパスした高温の水が、冷却塔の底部の溜まり容器において、望ましくない、より高温の出口流体の発生に繋がる。更に、バー18及びスロット16の自己中心化構成は、アセンブリ内のバー18の適切な位置決めを容易にする。
【0029】
グリッド14が実質的に正方形又は菱形のスロット16を有し、スロット16は、8インチ(8″)のスロット幅WS及び8インチ(8″)のスロット高さHSを有し、スプラッシュバー18が約4インチ(4″)のバー幅WBを有することによって、垂直軸20に沿ったスプラッシュバー18の垂直オフセットは、約66パーセント(66%)であり、8インチ(8″)のスロット高さHSの50パーセント(50%)ではないことにすることができる。これによって、スプラッシュバー18の「層」は、スプラッシュバー18が各スロット16に配置されたとき、スプラッシュバー18の間の垂直距離の3分の1(1/3)だけオフセットされる。これは限定的ではなく、スプラッシュバー18は、スロット16内に他の方法により配置することができる。好ましくは、垂直に落下する液滴が、冷却塔の頂部から底部まで落下するときに、スプラッシュバー18の少なくとも1つに当たるか又はスプラッシュバー18の少なくとも1つを通って移動する。
【0030】
比較的小さな直径のワイヤ12を備えた好ましいハンガーグリッド14の設計及び構成は、グリッド14を保存構成(図示せず)内に折りたたむか又はロールに巻くことによって、比較的簡単且つコンパクトにグリッド14を収容することができる。巻いたグリッド14は、その後、保存構成内で転がったり(rolled)、輸送のために「縛ったり(tied)」することができる。次に、巻いたグリッド14は、容易に配置することができ、設置のために、冷却塔内で取り付け構成又は組み立て構成(
図1-5)に展開される。例えば、巻いたグリッド14は、グリッド頂部15aが、水平支持構造26に配置され、水平支持構造26に固定することができる。次に、巻いたグリッド14を解放して、取り付け構成又は組み立て構成に展開することができる。水平支持構造26は、巻いたグリッド14のグリッド頂部15aに係合するためのブラケット又はフックを含むことができ、縛り(tie)は「切断」されてもよく、ワイヤハンガーグリッド14、又は第1のグリッド14a、及び第2のグリッド14bを、カーテンのように降ろすことができる。又は、巻いた第1のグリッド14a及び第2のグリッド14bも、上部の水平支持構造26に取り付けられ、カーテンのように操作位置に降ろされてもよい(
図1)。第1のグリッド14aと、第2のグリッド14bと、中間グリッド14とは、続いて、グリッド14、14a、14bを冷却塔に固定するように、それらの端部で垂直支持構造28に取り付けられてもよい。しかしながら、ハンガーグリッド14、14a、14bは、垂直支持構造28に固定されるには限定されることなく、垂直な固定なしで機能することができる。
【0031】
グリッド14を規定するためのワイヤ12の溶接が行われないため、ワイヤ12上の合金又はコーティングの劣化がなく、したがって、ワイヤ12の耐食性は、溶接プロセス中に損なわれない。従来技術のスプラッシュバーハンガーで発生する可能性があるような、肉眼では一切検査できない溶接の品質による品質漏れはない。更に、グリッド14、14a、14bは、設置が比較的簡単で効率的であり、スプラッシュバー18をスロット16内に配置することは、好ましい三角形形状の断面のスプラッシュバー18又は他の形状のスプラッシュバー18を、一般に、グリッド面24、24a、24bに垂直に、菱形のスロット16にスライドさせることによって実現でき、設置者又は技術者にとって本能的である。スプラッシュバー18は、三角形形状に限定されず、冷却塔内のスロット16を通って延びる円形、楕円形、台形、正方形、又は他の形状を有することができる。一旦設置されると、スプラッシュバー18は、第1のグリッド14aと第2のグリッド14bとの対向するスロット16及び中間グリッド14のスロット16内に配置される。好ましいスプラッシュバー18の形状は、複数のスプラッシュバー18の配置を可能とし、これによって、第1のグリッド14aと第2のグリッド14bとの間の冷却塔の全幅の水平方向の断面が、冷却塔内の垂直に落下する水又は他の冷却流体に当たるように、複数のスプラッシュバー18の1つによって占められる。
【0032】
第1の好ましい実施形態では、第1のグリッド14aは、冷却塔の第1の側に取り付けられ、第2のグリッド14bは、冷却塔の第2の側に取り付けられ、中間グリッド14は、その間に取り付けられる。スプラッシュバーハンガーアセンブリ10は、第1のグリッド14aと第2のグリッド14bとの両方を含むことに限定されない。なぜなら、冷却塔は、冷却塔の第1の側にある第1のグリッド14aと、冷却塔の反対側にある従来技術のグリッドとによって構成されてもよい。これは、スプラッシュバーハンガーアセンブリ10の動作及び機能に大きな影響を与えることはない。第1のグリッド14aは、好ましくは、第1の複数のワイヤ12によって構成され、第2のグリッド14bは、好ましくは、第2の複数のワイヤ12によって構成される。第2のグリッド14bは、第2の複数のスロット16を規定し、第2の複数のスロット16は、第3のスロット34を含む。第1のグリッド14aは、好ましくは、第1のグリッド面24aを規定し、第2のグリッド14bは、好ましくは、第2のグリッド面24bを規定し、第1のグリッド面24aと第2のグリッド面24bとは、組み立てられて設置された構成において実質的に平行である。第1のグリッド14aは、第1のスロット30と第2のスロット32とを含み、第2のグリッド14bは、第3のスロット34を含む。第1の好ましい実施形態では、グリッド間隔SGは、第1のグリッド14aと第2のグリッド14bとの間、第1のグリッド面24aと第2のグリッド面24bとの間に規定され、スプラッシュバー18は、好ましくは、グリッド間隔SGよりも大きいスプラッシュバー長LSを有する。これによって、設置された構成において、スプラッシュバー18の端部18aは、第1のグリッド14a及び第2のグリッド14b、並びに第1のグリッド面24a及び第2のグリッド面24bを超えて延びる。設置された構成において、スロット16、30、32、34は、それぞれが端部18a、19a付近でスプラッシュバー18、19を支持し、中間グリッド14は、スプラッシュバー18、19の中間部分を支持する。第1のスロット30は第1のグリッド14aに関連しているが、第1のグリッド14aと第2のグリッド14bとは実質的に同一又は類似の構成を有し、スプラッシュバー18を支持するための複数のスロット16は、対向する端部18a、19a、及びスプラッシュバー18、19の長さに沿った中間部でスプラッシュバー18を支持する。水と空気は、好ましくは、グリッド頂部15aとグリッド底部15bとの間の冷却塔を通って流れ、冷却塔内のスプラッシュバー18と接触する。水又は冷却媒体は、好ましくは、スプラッシュバー18及びグリッド14、14a、14bを通って、充填物の頂部からスプラッシュバー18の下方の溜まり容器に垂直に流れるか又は落下し、空気は、好ましくは、スプラッシュバー18と概ね平行に(クロスフロー)充填物を通って流れる。しかしながら、これに限定されず、空気は、スプラッシュバー18を通って上向きに流れるか(逆流)、概ねスプラッシュバー18に対して垂直に、又は他の態様で充填物を通って流れることで、冷却媒体と空気流との間の熱伝達を促進することができる。
【0033】
第2のグリッド14bは、好ましくは、第3のスロット34を含み、第3のスロット34は、第3のスロット34のコーナー又はピーク17付近の、第3の底部34aと、第3の頂部34bと、一対の第3の側部34cを有する。第1のスロット30は、第1の垂直軸20を規定する一対の第1の垂直角又は対向するピーク17を含む第1の底部30aと第1の頂部30bと、第1の水平軸22を規定する一対の第1の側部30c、又は一対の第1の水平角又はピーク17とを含む。第3のスロット34は、第3の底部34aと第3の頂部34bとを構成する一対の第3の垂直コーナー又はピーク17で第3の垂直軸20を規定し、一対の第3の側部34cを構成する一対の第3の水平コーナー又はピーク17で第3の水平軸22を規定する。第2のグリッド14bは、第2のグリッド面24bを規定する。第1の好ましい実施形態において、第1のグリッド面24aは、第2のグリッド面24bに対して、実質的に平行であり、グリッド間隔SGによって間隔が設けられているが、これには限定されず、スプラッシュバー18が、組み立てられて設置された構成において、スプラッシュバー18が冷却塔の水平領域にわたって延びるようにスロット16、30、32、34内に配置可能であり、好ましくは第1のグリッド面24aと第2第2のグリッド面24bとに対して概ね垂直である限り、他の方法で配置することができる。
【0034】
第3のスロット34は、組み立てられて設置された構成において、第1のスプラッシュバー19の第1のスプラッシュバーの軸19cに沿って第1のスロット30と整列する。一般に、第1のグリッド14aと第2のグリッド14bとは、好ましくは、スロット16のそれぞれが、それぞれのスプラッシュバー18の幾何学的中心Cを通って延びるスプラッシュバーの軸18cに沿って対向するスロット16と整列する。第1のスプラッシュバーの軸19cとスプラッシュバーの軸18cとは、好ましくは、第1及び第2のグリッド面24、24a、24bに対して概ね垂直に延びるが、このように限定されず、好ましくは、組み立てられて設置された構成で、グリッド頂部15aとグリッド底部15bとの間に水が流れるときに、設置されたスプラッシュバー18、19が冷却塔内の水平方向の空間をカバーするように、第1のスプラッシュバーの軸19cとスプラッシュバーの軸18cとは、グリッド面24、24a、24bに対してある角度で延びることができる。第1のグリッド14aと第2のグリッド14bとは、スプラッシュバー18、19の端部18a、19aを支持するように構成される。特に、組み立てられて設置された構成で、第1のスロット30と第3のスロット34とにおいて、第1の底部30aと第3の底部34aとで第1のスプラッシュバー19を支持するように構成される。好ましい第1のグリッド面24aと第2のグリッド面24bとは、グリッド間隔SGを規定し、当該グリッド間隔SGは、第1の好ましい実施形態では、約24から60インチ(24-60″)であり、スプラッシュバーの長さLSは、約48から216インチ(48-216″)である。これによって、設置された構成において、支持端18a、19aは、冷却塔の中心から離れ、第1の平面24a及び第2の平面24bを超えて延びる。スプラッシュバー18は、好ましくは、第1のグリッド14aと第2のグリッド14bとの間に、複数の間隔を置いて設置された中間グリッド14によって、スプラッシュバー18の長さに沿って周期的に支持される。
【0035】
図6を参照すると、第2の好ましい実施形態の冷却塔のスプラッシュバーハンガーアセンブリは、一般に符号10'で示され、組み立てられて設置された構成において、スプラッシュバー18、18'、18''、18'''を冷却塔(図示せず)内に配置するように構成される。第2の好ましいスプラッシュバーハンガーアセンブリ10'は、第1の好ましいスプラッシュバーハンガーアセンブリ10と比較した場合、同様の参照番号を使用して、同様の特徴を識別し、説明する。ただし、第2の好ましい実施形態と第1の好ましい実施形態とを区別するため、プライムシンボル(')を付けている。
【0036】
第2の好ましい実施形態のスプラッシュバーハンガーグリッド14'は、ワイヤ12'によって規定された複数のスロット16'を有し、複数のスロット16'のそれぞれは、一般に長方形であり、これに限定されないが、正方形であってもよく、菱形、又はスプラッシュバー18、18'、18''、18'''を支持するための他のサイズ及び形状を有してもよい。更に、複数のスロット16'の第2の好ましいスロット16'のそれぞれは、一般に垂直のワイヤ12a'と一般に水平のワイヤ12b'とを含む。ワイヤ12a'とワイヤ12b'とは、好ましくは、複数のスロット16'のそれぞれが、取り付けられた構成において、複数のスプラッシュバー18'、例えば、2から4(2-4)のスプラッシュバー18'を収容するように配置されている。スプラッシュバー18、18'、18''、18'''は、好ましくは、閉じた断面形状を有し、例えば、スプラッシュバー18は、直角二等辺三角形形状の断面を有し、スプラッシュバー18'は、台形形状の断面を有し、スプラッシュバー18''は、楕円形の断面を有し、スプラッシュバー18'''は、閉じた中央空洞を有する三角形形状又は他の形状の断面を有し、スプラッシュバー18、18'、18''、18'''の一般的なサイズ及び形状をとることができ、スプラッシュバー18、18'、18''、18'''の通常の動作条件に耐え、スプラッシュバー18、18'、18''、18'''の好ましい機能を実行する。また、第2の好ましい実施形態のスプラッシュバー18、18'、18''、18'''は、
図6に示される閉じた断面形状又は閉じた断面形状を有することに限定されず、他の方法で設計及び構成することができる。例えば、平板、バー、T字型断面バー、U字型断面バー、又は第2の好ましい実施形態のスロット16'に挿入するために他のサイズ及び形状を有するように構成することができる。スプラッシュバー18、18'、18''、18'''は、好ましくは、並べて構成された複数のスロット16'内に配置するようにサイズ設計及び構成され、少なくとも2つのスプラッシュバー18、18'、18''、18'''がそれぞれのスロット16'に配置される。好ましいワイヤ12 'は、一般に円形の断面を有することができるが、これに限定されず、形状がワイヤ12'の好ましい機能を実行でき、ワイヤ12'の通常の動作条件に耐えることができる限り、他の形状及び構造、例えば、荷重又はその他の要因に応じた正方形、T字形、Iビーム形、U字形、N字形、Z字形、楕円形、比較的平坦、長方形、又は長方形の断面、又は他の構造形状を有することができる。ワイヤ12'は、射出成形されたグリッド14'に形成された長方形のワイヤ12'などのポリマー材料から形成された場合、一般に円形以外の形状を特に有することができる。
【0037】
非限定的な例として、スロット16'のそれぞれは、8インチ(8″)のスロット高さHS'と、8インチ(8″)のスロット幅WS'とを有し、スプラッシュバー18'は、スロット16'にペアで配置するように構成することができ、又は3つのスプラッシュバー18'は、隣接するスプラッシュバー18'の間にギャップがないか、又は最小限のギャップで、並べてスロット16'に配置するように構成することができる。垂直のワイヤ12a'は、一般に、充填物内の水平方向の断面をカバーして、冷却媒体がスプラッシュバー18、18'、18''、18'''の1つに当たるか又はスプラッシュバー18、18'、18''、18'''を通って落下することなく冷却塔を通って落下することを防止する。別の非限定的な例として、2つのスプラッシュバー18、18'、18''、18'''が並べてそれぞれの8インチ(8″)のスロット16'に配置されている場合、スプラッシュバー18、18'、18''、18'''は、4インチ(4″)のバー幅WB、WB'、WB''、WB'''を有することができる。3つのスプラッシュバー18、18'、18''、18'''が並べてそれぞれの8インチ(8″)のスロット16'に配置されている場合、スプラッシュバー18、18'、18''、18'''は、2.66インチ(2.66″)のバー幅WB、WB'、WB''、WB'''を有することができる。又は、一般に、スプラッシュバー18、18'、18''、18'''の数(n)にバー幅WB、WB'、WB''、WB'''をかけた値がスロット幅WS'と等しくなるようにサイズ設計することができる。(n*(WB、WB'、WB''、又はWB''')=WS')。スロット高さHS'及びスロット幅WS'は、8インチ(8″)に限定されず、約4インチから32インチ(4-32″)、又はそれよりも大きい範囲であってもよい。更に、スロット高さHS'とスロット幅WS'とは、互いに等しいことに限定されず、且つ、スロット16'の各高さで、又は隣接するスロット16'において、必ずしも一定であるとは限らない。例えば、第1の水平ワイヤ13a'と第2の水平ワイヤ13b'との間に規定される第1のスロット高さHS'は、第2の水平ワイヤ13b'と第3の水平ワイヤ13c'との間に規定される第2のスロット高さHS'とは異なってもよい。同様に、スロット幅WS'は、第2の好ましい実施形態のハンガーグリッド14'の幅にわたって変化することができる。非限定的な例として、第1のスロット高さHS'は1フィート(1´)であってもよく、第2のスロット高さHS'は2フィート(2´)であってもよい。
【0038】
図1-6に示されるように、ハンガーグリッド14'は、スロット16'のそれぞれにおいて、特に、スロット16'に挿入される好ましいスプラッシュバー18、18'、18''、18'''のバー幅W
B、W
B'、W
B''、W
B'''に対して、より大きなスロット幅W
S'を有するように構成される。第2の好ましいスロット16'のスロット幅W
S'は、好ましくは、約4から32インチ(4-32″)であるが、これに制限されず、他の方法でサイズ設計及び構成することができる。スプラッシュバー18、18'、18''、18'''は、好ましくは、冷却塔の水平領域の全スロット幅W
S、W
S'をカバーするように構成され、それによって、充填物を通って落下する液滴は、一般に、充填物を通過する間に、スプラッシュバー18、18'、18''、18'''の少なくとも1つに当たるか又は通って落下する。スロットに取り付ける従来技術のスプラッシュバー5は、水がある高さのスプラッシュバー5から隣接するより低い高さのスプラッシュバー5に階層的に落下するためにより多く設けられている。従来技術のスロットによる、バー5が垂直のワイヤ2を越えて延びて形成されたオーバーラップは、冷却塔内の水が直接にバイパスするか、又はバー5に当たることなく、連続的な流れを形成することを防止するための工夫である。例示的な配置における4インチのスロット幅W
S、W
S'、及び垂直のオフセット又はスロット高さH
S、H
S'は、一般に、従来の押し出し及び打ち出すようなスプラッシュバー5の役割を果たすことができる。スプラッシュバー18、18'、18''、18'''からの水滴は、従来技術のスプラッシュバー5に比べて、よりよく分散され、空気側の圧力降下もより分散されており、基本的にオフセットの必要性が除かれている。第2の好ましい実施形態のメッシュスプラッシュバー18、18'、18''、18'''は、それらのより垂直に配向された側壁構造により、オーバーラップを提供しない。水がスプラッシュバー18、18'、18''、18'''の最も低い部分に流れるため、バイパスはメッシュスプラッシュバー18、18'、18''、18'''の設計においては重要な問題ではない。好ましいスプラッシュバー18、18'、18''、18'''は、最も低い場所はスプラッシュバー18、18'、18''、18'''の側縁からオフセットされている。一般に、長方形形状の断面のスプラッシュバー18'''は、製造プロセスにより、スプラッシュバー1818'''の底部に上向きの弧形状を有し、頂部に下向きの弧形状を有して、概ね砂時計のプロファイルが形成されている。この長方形形状の断面の好ましいスプラッシュバー18'''の底部に形成された液滴は、連続した横方向の部材上で砂時計の形状の下隅の縁部に移動する傾向がある。
【0039】
好ましいメッシュスプラッシュバー18、18'、18''、18'''は、下方のバー18、18'、18''、18'''で目詰まりしないように、水又は他の冷却媒体がその部材を通過することを可能にし、それによって、バー18、18'、18''、18'''で形成され、そこから落下する液滴からの熱伝達効率を高める。より大きな又は一般的に広いスロット16'を有する第2の好ましいスプラッシュバーハンガー又はグリッド14'は、ハンガーグリッド14'へのスプラッシュバー18、18'、18''、18'''のより簡単な設置に対応する。第1の好ましい実施形態の菱形のスプラッシュバーハンガーグリッド14、14a、14bと、第2の好ましい実施形態の垂直/水平スプラッシュバーハンガーグリッド14'との両方は、より大きな開口部又はスロット16、16'を提供して、取り付けるための人件費を低減することができる。第1の好ましい実施形態の菱形のワイヤハンガーグリッド14は、直角二等辺三角形形状の断面のスプラッシュバー18がスロット16に挿入されるときに、自己中心化し、第2の好ましい実施形態のグリッド14'の垂直のワイヤ12a'によって拘束されないため、バー18は、幅を変えてオーバーラップすることができる。スプラッシュバー18、18'、18''、18'''は、断面が三角形、台形、楕円形、長方形、又はその他の形状であってもよく、実際の設計制約に基づいてサイズが変化してもよい。好ましくは、
図6に示すように、各々のスプラッシュバー18、18'、18''、18'''において、スプラッシュバー18、18'、18''、18'''の脚部の形状の少なくとも1つは、ほぼ水平に配置される。同様に、形状がワイヤハンガーグリッド14'のスロット16'内に取り付けられ、熱物質移動を提供するように機能する限り、垂直及び水平のワイヤ12a'、12b'を備えた第2の好ましい実施形態の垂直/水平のワイヤハンガーグリッド14'は、様々な形状のスプラッシュバー18、18'、18''、18'''を受け入れることができる。例えば、三角形及び台形のスプラッシュバー18、18'は、それらのほぼ平坦な側面又は脚部がグリッド14'の水平のクロスワイヤ12b'と接触して配置するように設置することができる。また、楕円形のスプラッシュバー18''は、水平ワイヤ12b'がバー18''に接触する水平ワイヤ12b'の平坦な形状に変形することができるため、第2の好ましいグリッド14'で使用することもできる。幅の広いスプラッシュバー18、18'、18''、18'''は、第2の好ましいハンガーグリッド14'と組み合わせて使用することができ、第2の好ましいハンガーグリッド14'は、設置時に横方向に近接して配置される複数のスプラッシュバー18、18'、18''、18'''を受け入れることができる。例えば、12インチ(12″)のスロット幅W
S'を有するようにワイヤグリッドスロット16'を構成すると、スプラッシュバー幅W
B、W
B'、W
B''、W
B'''が4インチ(4″)のスプラッシュバー18、18'、18''、18'''を3つ、又は、スプラッシュバー幅W
B、W
B'、W
B''、W
B'''が6インチ(6″)のスプラッシュバー18、18'、18''、18'''を2つ受け入れることができる。より広いスプラッシュバー18、18'、18''、18'''は、より大きな形状的効率を有するため、より長い距離に跨ることができる。
【0040】
図1-6、具体的には、
図6を参照すると、好ましいスプラッシュバー18、18'、18''、18'''は、水平及び垂直のワイヤ12a'、12b'を含む第2の好ましいハンガーグリッド14'に取り付けることができる。水平及び垂直のワイヤ12a'、12b'によって、スロット又はサポートウィンドウ16'が規定される。支持スロット16'は、好ましくは、特にスロット幅W
S'とスプラッシュバー幅W
B、W
B'、W
B''、W
B'''とのサイズ比において、従来技術のグリッド(
図1PA-3PA)よりも大きく、スロット幅W
S'が4から24インチ(4-24″)である。一般に特大の支持スロット16'は、水平ワイヤ12a'上、且つ隣接する垂直ワイヤ12b'の間に、好ましいスプラッシュバー18、18'、18''、18'''を並べて積み重ねるために構成される。
【0041】
動作中、第2の好ましいスプラッシュバーハンガーアセンブリ10'は、特に、スプラッシュバー18のスプラッシュバー幅W
B、W
B'、W
B''、W
B'''とスロット又はサポートウィンドウ16'のスロット幅W
S'との比較において、比較的大きな支持スロット16'を含む。たとえば、スプラッシュバー18、18'、18''、18'''は、2から6インチ(2-6")のスプラッシュバー幅W
B、W
B'、W
B''、W
B'''を有し、支持スロット16'は、約4から24インチ(4-24")のスロット幅W
S'を有することができ、ここで、スプラッシュバー幅W
B、W
B'、W
B''、W
B'''とスロット幅W
S'とのサイズ比は、約2又は3対1である。ただし、スプラッシュバー幅W
B、W
B'、W
B''、W
B'''とスロット幅W
S'とのサイズ比はこれに限定されることなく、2又は3対1より大きい場合、また反対に2対1よりも僅かに小さい場合もある。これによって、スプラッシュバー18、18'、18''、18'''を、摩擦又は力によって、取り付けられた構成の支持ウィンドウ16'内に適合される。例えば、
図6に示すように、好ましいスプラッシュバー18、18'、18''、18'''は、約4インチ(4")、又は僅かに大きいスプラッシュバー幅W
B、W
B'、W
B''、W
B'''を有してもよく、サポートスロット16'のスロット幅W
S'は12インチ(12")(上段)であって、サイズ比は約3対1となる。又は、スプラッシュバー18、18'、18''、18'''は、約2インチ(2")、又は僅かに大きいスプラッシュバー幅W
B、W
B'、W
B''、W
B'''を有してもよく、サポートスロット16'のスロット幅W
S'は4インチ(4")(下段)であって、サイズ比は約2対1となる。また、本開示に基づいて、当業者に明らかであるように、他の構成を組み込むことができる。従って、2つ又は3つのスプラッシュバー18、18'、18''、18'''は、その全幅がスロット幅W
S'とほぼ同じか又は僅かに大きいことで、並べて各支持スロット16'内に配置することができる。これによって、スプラッシュバー18、18'、18''、18'''を、摩擦又は力によって、取り付けられた構成のスロット16'に適合される。スロット16'へのスプラッシュバー18、18'、18''、18'''の好ましい摩擦又は力の嵌め合い(fiction or force fit)は、特に、冷却塔の運転中に、空気及び冷却媒体がスプラッシュバー18、18'、18''、18'''を通って流れるときに、取りつけられた構成のスロット16'内のスプラッシュバー18、18'、18''、18'''の保持を容易にする。代替の保持メカニズムなしに力の嵌め合い又は摩擦の嵌め合いは、スロット16'内のスプラッシュバー18、18'、18''、18'''の保持を容易にする。スロット16'内のスプラッシュバー18、18'、18''、18'''の力及び摩擦の嵌め合いもまた、冷却塔内のほぼ完全な水平の空間カバーレージを容易にする。これによって、冷却媒体が冷却塔の頂部から下方の溜まり容器に流れるときに、ほぼ全ての冷却媒体がスプラッシュバー18、18'、18''、18'''の少なくとも1つに当たる。支持スロット16'は、スプラッシュバー18、18'、18''、18'''のスプラッシュバー幅W
B、W
B'、W
B''、W
B'''に比べて比較的大きいため、複数のスプラッシュバー18、18'、18''、18'''を各スロット16'に配置することができ、より寛容で一般的に迅速な設置が可能となる。設置中又は組み立て中に、技術者又は設置者は、スプラッシュバー18、18'、18''、18'''をサポートスロット16'に容易に押し込むことができ、そして、組み立て中にスプラッシュバー18、18'、18''、18'''をスロット16'に力で嵌め込むか又は摩擦で嵌め込む。
【0042】
図6-6Cを参照すると、第2の好ましいスプラッシュバーハンガーアセンブリ10'のグリッド14'は、溶接又はスタンプされた(stamped)ワイヤ12'によって構成することができ、垂直ワイヤ12a'と水平ワイヤ12b'とは、それらの交差点で一緒に溶接又はスタンプされる。
図6A-6Cに示すように、ワイヤ12'は、実質的に円筒形状を有することができ、又は、ワイヤ12'の好ましい機能を実行し、ワイヤ12'の通常の動作条件に耐えることができる他の構造部材により構成することができる。第2の好ましい実施形態の水平ワイヤ12a'は、第1の水平ワイヤ13a'と、第2の水平ワイヤ13b'と、第3の水平ワイヤ13c'と、第4の水平ワイヤ13d'と、第5の水平ワイヤ13e'とを含む。スプラッシュバー18、18'、18''、18'''は、第1、第2、第3、第4、又は第5の水平ワイヤ13a'、13b'、13c'、13d'、13e'のいずれかに取り付けることができる。好ましくは、スプラッシュバー18、18'、18''、18'''は、スロット16'内の第2、第3、第4、及び第5の水平ワイヤ13b'、13c'、13d'、13e'上に、垂直ワイヤ12a'の間に取り付けられ、第1の水平ワイヤ13a'は、グリッド頂部15aに固定される。
【0043】
第2の好ましい実施形態では、第1の水平ワイヤ13a'は、第1のワイヤゲージ(wire gauge)又は第1の直径D1を有し、第2、第3、第4、及び第5の水平ワイヤ13b'、13c'、13d'、13e'は、第2のワイヤゲージ又は第2の直径D2を有する。第2の好ましい実施形態において、第1の直径D1は、第2の直径D2よりも大きいが、これに限定されない。更に、第2、第3、第4、及び第5の水平ワイヤ13b'、13c'、13d'、13e'は、全てが第2のワイヤゲージ又は第2の直径D2を有するには限定されず、異なるサイズ及び直径を有するか、又は互いに異なる形状を有するように構成することができる。第2の直径D2に比べてより大きな第1の直径D1は、第1の水平ワイヤ13a'と垂直ワイヤ12a'との交差点での溶接断面を増加させて、スプラッシュバーハンガーアセンブリ10'を支持するグリッド14'において最大の累積荷重がかかっている場所における接合部の強度を増加させる。垂直ワイヤ12a'は第3の直径D3を有し、好ましくは、第3の直径D3は、第1の直径D1よりも小さく、第2の直径D2と実質的に同じ又は僅かに小さい。スプラッシュバーハンガーアセンブリ10'の複数の層の増加する重量負荷によって、垂直ワイヤ12a'は、底部から頂部に向かって増加する荷重を担い、頂部において、第1の水平ワイヤ13a'と交差し、接続される。第1のワイヤ13a'と垂直ワイヤ12a'との交差点での増加した溶接サイズはまた、好ましくは、溶接接合部の断面係数を増加させ、それにより、接合部の強度及び剛性が向上する。第2の好ましい実施形態のスプラッシュバーグリッド14'は、第2の水平ワイヤ13b'の第2の直径D2と比較して、第1のワイヤ13a'がより大きな第1のゲージ(gauge)又は直径D1を有することに限定されない。ワイヤ13a'、13b'、13c'、13d'、13e'のそれぞれが、アセンブリ10'の底部から頂部に向かって増加するゲージを有し、アセンブリ10'の強度及び剛性を、アセンブリ10'の底部から頂部に向かって徐々に増加させ、より高い高さのワイヤ13a'、13b'、13c'、13d'、13e'と垂直ワイヤ12a'との溶接接合部は、増加する荷重に耐えることができる。更に、垂直ワイヤ12a'は、第3の直径D3が第1の直径D1より小さく、第2の直径D2と実質的に等しい又は第2の直径D2より僅かに小さいことに限定されない。垂直ワイヤ12a'は、同じ、より小さい、先細り、又はより大きな直径を有し、水平ワイヤ13a'、13b'、13c'、13d'、13e'とは異なる材料によって構成することができる。これは、第1、第2、及び第3の直径D1、D2、D3の必要なサイズに影響を与える可能性がある。ワイヤ13a'、13b'、13c'、13d'、13e'は、本明細書に記載の円形断面を有する一般の円筒形状を有することに限定されず、スプラッシュバーハンガーアセンブリ10'の機能を容易にし、ワイヤ13a'、13b'、13c'、13d'、13e'の通常の動作条件に耐えることができる限り、代替的な構成及び断面形状、例えば、正方形、長方形、八角形、楕円形、T字形、N字形、Z字形、Iビーム、又は他の形状を有することができる。
【0044】
図7-7Bを参照すると、代替の第2の好ましい実施形態では、ハンガーグリッド14'は、上部支持体又は保持部材50'を含む。上部支持体又は保持部材50'は、スロット16'のいずれかに組み込まれ、好ましくは、ハンガーグリッド14'の第1の側から第2の側まで、スロット16'の水平列を横切って延びる。上部支持体又は保持部材50'は、端部及び中間グリッド14'を含む、ハンガーグリッド14'のいずれかに組み込むことができる。また、上部支持体又は保持部材50'は、スロット16'の選択された1つのみに、又は水平列の全てのスロット16'に、又はグリッド14'の全てのスロット16'に含まれることができる。上部支持体50'は、それぞれ、第2、第3、第4及び第5の水平ワイヤ13a'、13b'、13c'、13d'、13e'のそれぞれに対して固定されるか又は移動可能であって、固定/保持機構として垂直支持を提供して、スプラッシュバー18、18'、18''、18'''をそれぞれのスロット16'に安定化するか又は固定する。上部支持体50'は、好ましくは、スロット16'に取り付けられたスプラッシュバー18、18'、18''、18'''の上部を支持し、また、スプラッシュバー18、18'、18''、18'''は、それぞれのスロット16'に関連する下部水平ワイヤ13a'、13b'、13c'、13d'、13e'によって支持されている。上部支持体50'は、好ましくは、第2、第3、第4、及び第5の水平ワイヤ13a'、13b'、13c'、13d'、13e'に概ね平行に延在し、第2、第3、第4、及び第5の水平ワイヤ13a'、13b'、13c'、13d'、13e'から、上部支持高さH
Tを離間している。上部支持高さH
Tは、取りつけられた構成において、スプラッシュバー高さH
Bと実質的に同じか、又はスプラッシュバー高さH
Bより僅かに低い。上部支持体50'は、取り付けられたスプラッシュバー18、18'、18''、18'''に垂直方向の支持を提供し、使用中にスプラッシュバー18、18'、18''、18'''の垂直方向の動き、振動、又はその他の動きを制限する。上部支持体50'は、異なるスプラッシュバー高さH
Bを有するスプラッシュバー18、18'、18''、18'''を収容するように、それぞれの第2、第3、第4、及び第5の水平ワイヤ13a'、13b'、13c'、13d'、13e'に対して垂直に移動可能であってもよい。上部支持体50'は、異なる上部支持高さH
Tで、フック又は他の取り付け機構に選択的に取り付けられてもよく、グリッド14'に取り付けずに配置されてもよく、所定のスプラッシュバー高さH
Bを有するスプラッシュバー18、18'、18''、18'''を収容するようにグリッド14'に固定されてもよい、スプラッシュバー18、18'、18''、18'''は、グリッド14'に取り付けられ、閉鎖位置に取り付けられる。すなわち、スプラッシュバー18、18'、18''、18'''は、上部支持体50'によって保持されるか、又は取り付けられた構成において、使用中に、スプラッシュバー18、18'、18''、18'''の垂直方向の動きを制限するように設計及び構成することができる。上部支持体50'は、好ましくは、一般に、上部支持体50'のそれぞれのスロット16'に関連する垂直ワイヤ12a'に溶接される、円筒形状の部材、バー、又はワイヤによって構成される。ただし、上部支持体50'は、これに限定されない、ここで説明したように、他の方法で設計及び構成することができる。上部支持体50'は、好ましくは、関連する垂直ワイヤ12a'、及び水平ワイヤ13a'、13b'、13c'、13d'、13e'と同じ又は類似の材料で構成されるが、これに限定されず、他の方法で設計及び構成することができる。
【0045】
実施において、代替の第2の好ましいグリッド14'が冷却塔内に配置され、スプラッシュバー18、18'、18''、18'''は、取り付けられた構成の第2、第3、第4、及び第5の水平ワイヤ13b'、13c'、13d'、13e'上に配置される。スプラッシュバー18、18'、18''、18'''は、第2、第3、第4、及び第5の水平ワイヤ13b'、13c'、13d'、13e'の間の空間に力で嵌め込むか又は移動される。上部支持体50'は、取り付けられた構成でスプラッシュバー18、18'、18''、18'''を固定する。好ましい構成及び方法において、上部支持体又は保持部材50'は、スプラッシュバーハンガーアセンブリ10'の側面で第1の端部グリッド14'に固定され、そこからスプラッシュバー18、18'、18''、18'''が冷却塔内に取り付けられる。スプラッシュバー18、18'、18''、18'''は、上部支持体又は保持部材50'の上方のスロット16'に挿入され、中間及び対向の端部グリッド14'における他のスロット16'を通過する。スプラッシュバー18、18'、18''、18'''を押して、第1のエンドグリッド14'のスロット16'を完全に通し、次いで、スプラッシュバー18、18'、18''、18'''は、それぞれの上部支持体又は保持部材50'と、それぞれの第2、第3、第4、及び第5の水平ワイヤ13b'、13c'、13d'、13e'との間の空間に押し込まれる。スプラッシュバー18、18'、18''、18'''は、強制的に空間内に嵌め込まれることにより、スプラッシュバー18、18'、18''、18'''に多少の変形が生じる場合がある。スプラッシュバー18、18'、18''、18'''は、スプラッシュバー高さH
Bが上部支持高さH
Tと実質的に同じであるスペースに挿入されてもよく、又は、スプラッシュバー18、18'、18''、18'''は、上部支持高さH
Tがスプラッシュバー高さH
Bよりも僅かに高いスペースに挿入されてもよい。それにしても、各構成は、好ましくは、一般に、少なくとも垂直方向において、スプラッシュバー18、18'、18''、18'''がそれぞれのスロット16'内に保持される。
図8を参照すると、スプラッシュバー18、18'、18''、18'''はまた、クリップ52又は他の固定機構によってグリッド14に固定されてもよく、クリップ52又は他の固定機構は、好ましくは、スプラッシュバー18、18'、18''、18'''と、ワイヤ12a'、12b'のそれぞれ又は上部支持体50'との間に締付力(clamping force)を加えることによって、スプラッシュバー18、18'、18''、18'''を、グリッド14'のワイヤ12a'、12b'のそれぞれ又は上部支持体50'に係合させる。クリップ52は、好ましくは、スプラッシュバー18、18'、18''、18'''の開口部(openings)又は孔(holes)を通って、ワイヤ12a'、12b'のそれぞれ又は上部支持体50'の周りに延びて、スプラッシュバー18、18'、18''、18'''をグリッド14'に固定する。
【0046】
図7-8を参照すると、上部支持体50'は、取り付けられた構成において、スプラッシュバー18、18'、18''、18'''の上方に位置し、スプラッシュバー18、18'、18''、18'''の頂部付近に保持(好ましくは締まりばめ)を提供して、取り付けられた構成のスプラッシュバーハンガーアセンブリ10'に、スプラッシュバー18、18'、18''、18'''を固定する。上部支持体50'を備えたグリッド14'は、好ましくは、スプラッシュバーハンガーアセンブリ10'の1つの端部に配置される。しかしながらこれに限定されず、スプラッシュバーハンガーアセンブリ10のいずれかのグリッド14'に利用することができる。スプラッシュバー18、18'、18''、18'''は、好ましくは、上部支持体50'の上方のスロット16'を通して挿入され、押し込まれて、スロット16'を完全に通して、次いで、上部支持体50'の下の位置内に引き戻される。必須ではないが、クリップ52を利用して、スプラッシュバーの上部を素早く係合させて、部材を所定の位置に確実な係止を実現することができる。
【0047】
当業者は、広範な発明概念から逸脱することなく、前述した実施形態に変更を加えることができることを理解されたい。従って、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されることなく、添付の特許請求の範囲によって定義される好ましい発明の精神及び範囲内の変更をカバーすることを意図している。