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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】送信装置および送信方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 27/26 20060101AFI20240708BHJP
【FI】
H04L27/26 311
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022171513
(22)【出願日】2022-10-26
(62)【分割の表示】P 2020086052の分割
【原出願日】2016-07-20
(65)【公開番号】P2022191498
(43)【公開日】2022-12-27
【審査請求日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】P 2015178812
(32)【優先日】2015-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】本塚 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】白方 亨宗
(72)【発明者】
【氏名】坂本 剛憲
(72)【発明者】
【氏名】入江 誠隆
【審査官】阿部 弘
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0322575(US,A1)
【文献】特表2010-526521(JP,A)
【文献】Kyungtae Jo (LG Electronics),Consideration on Evaluation Methodology for 11ay, IEEE 802.11-15/0863r0 ,IEEE, インターネット<URL:https://mentor.ieee.org/802.11/dcn/15/11-15-0863-00-00ay-consideration-on-evaluation-methodology-for-11ay.pptx>,2015年07月13日,pp. 1-7
【文献】Kazu Takahashi (Panasonic),60 GHz band Japanese Regulatory Update, IEEE 802.11-15/0594r0 ,IEEE, インターネット<URL:https://mentor.ieee.org/802.11/dcn/15/11-15-0594-00-00ay-60-ghz-band-japanese-regulatory-update.ppt>,2015年05月10日,pp. 1-9
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 27/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
IEEE 802.11
15
16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信装置であって、
第1のプリアンブル及び第1のヘッダ信号を有する第1のシングルキャリア信号と、第2のプリアンブル信号及び第2のヘッダ信号を有する第2のシングルキャリア信号とを生成するためのキャリア信号回路と、
第1のペイロード信号と第2のペイロード信号とに逆高速フーリエ変換(IFFT)処理を実行することによって1つ以上の直交周波数分割多重(OFDM)信号を生成するための1つ以上のOFDM信号生成器と、
前記1つ以上のOFDM信号のうちの第1のOFDM信号の周波数をシフトするための周波数変換器と、
前記第1のシングルキャリア信号を第1のチャネルに割り当てることと、前記第2のシングルキャリア信号を、前記第1のチャネルに隣接する第2のチャネルに割り当てることと、前記1つ以上のOFDM信号を、前記第1のチャネル及び前記第2のチャネルを有するボンディングチャネルに割り当てることとによって送信フレームを生成するためのフレーム生成回路と、
前記送信フレームを送信するための送信回路と、
を備える送信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の送信装置であって、
前記第1のチャネルと前記第2のチャネルとの間隔は、約2.16GHzであり、
前記1つ以上のOFDM信号生成器は、512又は1024のFFTサイズを使用して前記IFFT処理を実行するためのものであり、
前記ボンディングチャネルの中心周波数は、前記第1のチャネル又は前記第2のチャネルの中心周波数から約209のサブキャリアだけ離れた周波数である、送信装置。
【請求項3】
請求項1に記載の送信装置であって、前記ボンディングチャネルは、1024の連続したサブキャリアを備える、送信装置。
【請求項4】
請求項1に記載の送信装置であって、前記1つ以上のOFDM信号は、第2のOFDM信号をさらに含み、前記第1のOFDM信号は、前記ボンディングチャネルのうち前記第1のチャネルに対応する部分に割り当てられ、前記第2のOFDM信号は、前記ボンディングチャネルのうち前記第2のチャネルに対応する部分に割り当てられる、送信装置。
【請求項5】
請求項に記載の送信装置であって、前記第1のペイロード信号の第1の中心周波数は、前記ボンディングチャネルの中心よりも低い約209のサブキャリアであり、前記第2のペイロード信号の第2の中心周波数は、前記ボンディングチャネルの前記中心よりも高い約210のサブキャリアである、送信装置。
【請求項6】
請求項1に記載の送信装置であって、前記周波数変換器は、前記第1のOFDM信号の前記周波数を約0.47メガヘルツだけシフトするためのものである、送信装置。
【請求項7】
請求項1に記載の送信装置であって、前記第1のシングルキャリア信号及び前記第2のシングルキャリア信号のそれぞれは、ショートトレーニングフィールド及びチャネル推定フィールドを含む、送信装置。
【請求項8】
送信方法であって、
第1のプリアンブル及び第1のヘッダ信号を有する第1のシングルキャリア信号を生成することと、
第2のプリアンブル信号及び第2のヘッダ信号を有する第2のシングルキャリア信号を生成することと、
第1のペイロード信号と第2のペイロード信号とにIFFT処理を実行することによって1つ以上のOFDM信号を生成することと、
前記1つ以上のOFDM信号のうちの第1のOFDM信号の周波数をシフトすることと、
前記第1のシングルキャリア信号を第1のチャネルに割り当てることと、前記第2のシングルキャリア信号を、前記第1のチャネルに隣接する第2のチャネルに割り当てることと、前記1つ以上のOFDM信号を、前記第1のチャネル及び前記第2のチャネルを有するボンディングチャネルに割り当てることとによって送信フレームを生成することと、
前記送信フレームを送信することと、
を有する送信方法。
【請求項9】
請求項8に記載の送信方法であって、
前記第1のチャネルと前記第2のチャネルとの間隔は、約2.16GHzであり、
前記IFFT処理は、512又は1024のFFTサイズで実行され、
前記ボンディングチャネルの中心周波数は、前記第1のチャネル又は前記第2のチャネルの中心周波数から約209のサブキャリアだけ離れた周波数である、送信方法。
【請求項10】
請求項8に記載の送信方法であって、前記ボンディングチャネルは、1024の連続したサブキャリアを備える、送信方法。
【請求項11】
請求項8に記載の送信方法であって、前記1つ以上のOFDM信号は、第2のOFDM信号をさらに含み、前記第1のOFDM信号は、前記ボンディングチャネルのうち前記第1のチャネルに対応する部分に割り当てられ、前記第2のOFDM信号は、前記ボンディングチャネルのうち前記第2のチャネルに対応する部分に割り当てられる、送信方法。
【請求項12】
請求項に記載の送信方法であって、前記第1のペイロード信号の第1の中心周波数は、前記ボンディングチャネルの中心よりも低い約209のサブキャリアであり、前記第2のペイロード信号の第2の中心周波数は、前記ボンディングチャネルの前記中心よりも高い約210のサブキャリアである、送信方法。
【請求項13】
請求項8に記載の送信方法であって、前記第1のOFDM信号の前記周波数は、約0.47メガヘルツだけシフトされる、送信方法。
【請求項14】
請求項8に記載の送信方法であって、前記第1のシングルキャリア信号及び前記第2のシングルキャリア信号のそれぞれは、ショートトレーニングフィールド及びチャネル推定フィールドを含む、送信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ミリ波通信を用いた送信装置および送信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
IEEE 802.11は、無線LAN関連規格の一つであり、その中に、IEEE802.11n規格(以下、「11n規格」という)や、IEEE802.11ad規格(以下・「11ad規格」という)等がある(例えば、非特許文献1,2を参照)。
【0003】
11n規格は、2.4GHzと5GHzに互換性を持ち、MAC層において100Mbpsを上回る高スループットを実現する。11n規格では、二次変調方式として、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)伝送が規定されている。
【0004】
また、11n規格には、ピークスループットを高めるため、20MHzの帯域幅を持つ2つの隣り合うチャネルに渡り、40MHzの帯域幅でデータフィールド(Payload)を配置してデータを送信するチャネルボンディングが導入されている。なお、11n規格では、プリアンブル部分(L-STF, L-LTF, L-SIG, HT-SIGを含む)については、チャネルボンディングに対応していない端末においても受信することができるように、チャネル毎に配置される。
【0005】
11ad規格は、60GHz帯ミリ波の複数のチャネルを用いて、最大7Gbpsの高速通信を実現する。11ad規格では、二次変調方式として、シングルキャリア伝送とOFDM伝送がそれぞれ規定されている。また、11ad規格に比べ更にピークスループットを高めるための手段として、チャネルボンディングの他に、キャリアアグリゲーションを用いた通信規格が提案されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【文献】IEEE Std 802.11TM-2012
【文献】IEEE Std 802.11adTM-2012
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
キャリアアグリゲーションを行うためには、同時使用チャネル数に応じた広帯域の高周波(RF:Radio Frequency)回路やアナログフロントエンド回路(例えば、D/A変換器、A/D変換器)が必要となる。更に、11ad規格において、OFDM伝送を用いたキャリアアグリゲーションでは、チャネルボンディングと比較して、チャネル毎にアップサンプリング処理およびフィルタリング処理が必要となり、装置の小型化、低消費電力化、低コスト化(汎用の半導体技術を用いて実現する)を図ることが困難となる。
【0008】
また、11ad規格のOFDM伝送において、シングルキャリア伝送と同様にチャネル毎にアップサンプリング処理およびフィルタリング処理を行うと、装置の小型化、低消費電力化、低コスト化を図ることが困難となる。
【0009】
本開示の一態様は、11ad規格に準拠する送信装置および送信方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の一態様に係る送信装置は、レガシープリアンブル信号及びレガシーヘッダ信号をそれぞれ含む第1のシングルキャリア信号と第2のシングルキャリア信号とを生成するシングルキャリア信号生成回路と、第1のペイロード信号と第2のペイロード信号とをIFFT処理することにより1つのOFDM信号を生成するOFDM信号生成回路と、前記第1のシングルキャリア信号と前記第2のシングルキャリア信号とを隣り合う第1のチャネルと第2のチャネルとにそれぞれ割り当て、前記1つのOFDM信号を周波数シフトし、前記第1のチャネルと前記第2のチャネルとを含むボンディングチャネルに割り当てることにより、送信フレームを生成するフレーム生成回路と、前記送信フレームを送信する送信回路と、を具備する構成を採る。
【0011】
本開示の一態様に係る送信方法は、レガシープリアンブル信号及びレガシーヘッダ信号をそれぞれ含む第1のシングルキャリア信号と第2のシングルキャリア信号とを生成し、第1のペイロード信号と第2のペイロード信号とをIFFT処理することにより1つのOFDM信号を生成し、前記第1のシングルキャリア信号と前記第2のシングルキャリア信号とを隣り合う第1のチャネルと第2のチャネルとにそれぞれ割り当て、前記1つのOFDM信号を周波数シフトし、前記第1のチャネルと前記第2のチャネルとを含むボンディングチャネルに割り当てることにより、送信フレームを生成し、前記送信フレームを送信する。
【0012】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム、または、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本開示の一態様によれば、ミリ波通信を用いたアグリゲーション伝送において、アップサンプリング処理およびフィルタリング処理が不要となるので装置の小型化、低消費電力化、低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】ミリ波通信のアグリゲーション伝送におけるスペクトラムの一例を示す図
図2】OFDM伝送を行う通信装置の構成例を示す図
図3】OFDM伝送を行う通信装置の構成例を示す図
図4】ペイロード信号S1に対する処理の一例を示す図
図5】ペイロード信号S2に対する処理の一例を示す図
図6】各チャネルの信号の加算処理の一例を示す図
図7】実施の形態1に係る通信装置の構成例を示す図
図8】実施の形態1に係るフレームフォーマットの一例を示す図
図9】実施の形態1に係るフレームフォーマットの一例を示す図
図10】実施の形態1に係るOFDM信号の生成処理の一例を示す図
図11】実施の形態1に係るペイロード信号のマッピング例を示す図
図12】実施の形態1に係る通信装置が生成する信号のスペクトラムの一例を示す図
図13】実施の形態2に係る通信装置の構成例を示す図
図14】実施の形態2に係る通信装置が生成する信号のスペクトラムの一例を示す図
図15】実施の形態2に係るフレームフォーマットの一例を示す図
図16】実施の形態2に係るOFDM信号の生成処理の一例を示す図
図17】実施の形態2に係るペイロード信号のマッピング例を示す図
図18】実施の形態2に係るOFDM信号の生成処理の一例を示す図
図19】2つのRF回路を有する通信装置の構成例を示す図
図20A】2つのRF回路を有する通信装置におけるチャネル1でのOFDM信号の生成処理の一例を示す図
図20B】2つのRF回路を有する通信装置におけるチャネル2でのOFDM信号の生成処理の一例を示す図
図21】実施の形態3に係る通信装置の構成例を示す図
図22A】実施の形態3に係るペイロード信号S1に対する位相回転量の一例を示す図
図22B】実施の形態3に係るペイロード信号S2に対する位相回転量の一例を示す図
図23】実施の形態4に係る通信装置の構成例を示す図
図24A】実施の形態4係るペイロード信号S1のOFDM信号の生成処理の一例を示す図
図24B】実施の形態4係るペイロード信号S2によるOFDM信号の生成処理の一例を示す図
図25】実施の形態4に係る通信装置が生成する信号のスペクトラムの一例を示す図
図26】実施の形態4に係る通信装置の他の構成例を示す図
図27】実施の形態4に係る通信装置の他の構成例を示す図
図28】実施の形態4に係る通信装置の他の構成例を示す図
図29】実施の形態4に係る通信装置の他の構成例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を適宜参照して、本開示の一実施の形態につき、詳細に説明する。
【0016】
(本開示に至る経緯)
ピークスループットを高める方法として、チャネルボンディングの他に、20MHzの帯域幅を持つ隣り合う2つのチャネルを束ねて、40MHzの帯域幅でプリアンブル部分およびデータフィールド(Payload)を配置して信号を送信するアグリゲーション伝送がある。
【0017】
図1は、ミリ波通信のアグリゲーション伝送におけるスペクトラムの一例を示す。
【0018】
図1では、隣り合う2つのチャネル間のチャネル幅は2.16GHzに定められ、各チャネルの帯域幅は1.76GHzに定められている。以下では、一例として、隣り合う2つのチャネル1およびチャネル2を用いてアグリゲーション伝送を行う場合について説明する。
【0019】
[OFDM伝送]
図2図6を用いて、OFDM伝送においてアグリゲーション伝送を行う通信装置1の構成および動作の一例について説明する。
【0020】
図2は、通信装置1の構成部のうち、各データを変調するまでの構成例を示すブロック図である。図2に示す通信装置1は、プリアンブル生成部11、スクランブル部12,15、FEC符号化部13,16、データ変調部14,18-1、18-2、データ分割部17を含む構成である。
【0021】
図3は、通信装置1の構成部のうち、図2に示す構成において生成された信号を送信するまでの構成例を示すブロック図である。図3に示す通信装置1は、アップサンプル部21,23,26-1,26-2、フィルタ(RRCフィルタ)22,24、OFDM信号生成部25-1,25-2、ローパスフィルタ27-1,27-2、フレーム生成部28-1,28-2、変調部29-1,29-2、加算部30、広帯域D/A変換部31、広帯域無線(RF)処理部32、アンテナを含む構成を採る。
【0022】
また、図4は、図3に示す、ペイロード信号S1に対する処理を施す構成部(OFDM信号生成部25-1、アップサンプル部26-1、ローパスフィルタ27-1、変調部29-1)の動作例を示し、図5は、図3に示す、ペイロード信号S2に対する処理を施す構成部(OFDM信号生成部25-2、アップサンプル部26-2、ローパスフィルタ27-2、変調部29-2)の動作例を示す。また、図6は、図3に示す加算部30の動作例を示す。なお、図4図6では、ペイロード信号S1およびペイロード信号S2を示す。
【0023】
図2に示す通信装置1において、プリアンブル生成部11は、プリアンブル信号を生成する(例えば、シンボル速度:1.76GSps)。
【0024】
スクランブル部12は入力されるヘッダデータに対してスクランブリング処理を施し、FEC(Forward Error Correction)符号化部13はヘッダデータに対して誤り訂正符号化を施し、データ変調部14は符号化後のヘッダデータをデータ変調して(例えば、シンボル速度:1.76GSps、π/2-BPSK)、ヘッダ信号を生成する。
【0025】
スクランブル部15は入力されるペイロードデータに対してスクランブリング処理を施し、FEC符号化部16はペイロードデータに対して誤り訂正符号化を施し、データ分割部17は、ペイロードデータを2つのチャネル1,2に対応するペイロードデータ1,2に分割する。データ変調部18-1はチャネル1のペイロードデータを変調して(例えば、シンボル速度:2.64GSps)、ペイロード信号S1を生成し、データ変調部18-2はチャネル2のペイロードデータを変調して(例えば、シンボル速度:2.64GSps)、ペイロード信号S2を生成する。
【0026】
図3において、アップサンプル部21は、図2に示すプリアンブル生成部11から入力されるプリアンブル信号に対するサンプリングレートを3倍にアップサンプリングし、フィルタ22はアップサンプリング後のプリアンブル信号に対してフィルタリングを施す。
【0027】
アップサンプル部23は、データ変調部14から入力されるヘッダ信号に対するサンプリングレートを3倍にアップサンプリングし、フィルタ24はアップサンプリング後のヘッダ信号に対してフィルタリングを施す。
【0028】
フィルタ22およびフィルタ24は、例えば、RRC(Root Raised Cosine)フィルタである。
【0029】
OFDM信号生成部25-1は、図2に示すデータ変調部18-1から入力されるペイロード信号S1に対してIFFT処理を施して、OFDM信号を生成する。例えば、図4における(a)に示す例では、OFDM信号生成部25-1は、サンプリングレート=2.64GHz、FFTサイズ=512を用いてIFFT処理を行う。アップサンプル部26-1は、ペイロード信号S1によるOFDM信号に対するサンプリングレートを2倍にアップサンプリングする(例えば、図4における(b)を参照)。ローパスフィルタ27-1は、アップサンプリング後のペイロード信号S1によるOFDM信号の所定の帯域を通過させる(例えば、図4における(c)を参照)。
【0030】
OFDM信号生成部25-2は、図2に示すデータ変調部18-2から入力されるペイロード信号S2に対してIFFT処理を施して、OFDM信号を生成する。例えば、図5における(a)に示す例では、OFDM信号生成部25-2は、サンプリングレート=2.64GHz、FFTサイズ=512を用いてIFFT処理を行う。アップサンプル部26-2は、ペイロード信号S2によるOFDM信号に対するサンプリングレートを2倍にアップサンプリングする(例えば、図5における(b)を参照)。ローパスフィルタ27-2は、アップサンプリング後のペイロード信号S2によるOFDM信号の所定の帯域を通過させる(例えば、図5における(c)を参照)。
【0031】
フレーム生成部28-1は、フィルタ22から入力されるプリアンブル信号、フィルタ24から入力されるヘッダ信号、および、ローパスフィルタ27-1から入力されるペイロード信号S1によるOFDM信号から構成されるフレームを生成する。変調部29-1は、チャネル1のフレームに対して変調を行い、チャネル1のフレームの中心周波数を-1.08GHzシフト(例えば、図4における(d)を参照)。
【0032】
フレーム生成部28-2は、フィルタ22から入力されるプリアンブル信号、フィルタ24から入力されるヘッダ信号、および、ローパスフィルタ27-2から入力されるペイロード信号S2によるOFDM信号から構成されるフレームを生成する。変調部29-2は、チャネル2のフレームに対して変調を行い、チャネル2のフレームの中心周波数を+1.08GHzシフトさせる(例えば、図5における(d)を参照)。
【0033】
加算部30は、変調部29-1から入力されるチャネル1の信号(例えば、図6における(a)を参照)と、変調部29-2から入力されるチャネル2の信号(例えば、図6における(b)を参照)とを加算する(例えば、図6における(c)を参照)。広帯域D/A変換部31は、加算後の信号に対してD/A変換(例えば、シンボル速度:5.28GSps)を行う。広帯域無線処理部32(高周波回路)は、D/A変換後の信号に対して無線送信処理を施し、チャネル1およびチャネル2の中心である中心周波数(例えば、図1では59.40GHz)を有する無線信号を生成する。生成された無線信号は、アンテナを介して送信される。
【0034】
以上、OFDM伝送においてアグリゲーション伝送を行う通信装置1の構成例について説明した。
【0035】
図3に示す構成では、複数のチャネルに渡ってアグリゲーション伝送が適用される場合、当該複数のチャネルの個数に応じたアップサンプリング処理およびローパスフィルタリング処理(図3に示す点線で囲まれた構成部の処理)が必要となり、装置の規模、消費電力およびコストが増加してしまう。
【0036】
一方で、図3に示す構成において、OFDM信号生成部25-1およびOFDM信号生成部25-2でのFFTサイズを2倍の1024に設定した場合、図5における(c)の波形を得ることができるため、ローパスフィルタリング処理が不要となるものの、FFTサイズ=1024の処理をチャネル毎に行うことは非効率である。
【0037】
そこで、本開示の一態様では、11ad規格のOFDM伝送において効率良く送信処理を行い、かつ、装置の小型化、低消費電力化、低コスト化を図る。
【0038】
(実施の形態1)
[通信装置の構成]
図7を用いて、本実施の形態に係る通信装置100の構成例について説明する。なお、通信装置100のうち、各データを変調するまでの構成および動作については、図2に示す通信装置1の構成と同一であるので図示せず、その説明を省略する。また、図7に示す通信装置100において、図3に示す通信装置1と同一の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0039】
図7において、変調部101-1は、プリアンブル信号に対して変調を行い、プリアンブル信号の中心周波数を-1.08GHzシフトさせる。これにより、チャネル1のプリアンプル信号が生成される。変調部101-2は、プリアンブル信号に対して変調を行い、プリアンブル信号の中心周波数を+1.08GHzシフトさせる。これにより、チャネル2のプリアンプル信号が生成される。加算部102は、チャネル1のプリアンプル信号とチャネル2のプリアンブル信号とを加算し、フレーム生成部106へ出力する。
【0040】
変調部103-1は、ヘッダ信号に対して変調を行い、ヘッダ信号の中心周波数を-1.08GHzシフトさせる。これにより、チャネル1のヘッダ信号が生成される。変調部103-2は、ヘッダ信号に対して変調を行い、ヘッダ信号の中心周波数を+1.08GHzシフトさせる。これにより、チャネル2のヘッダ信号が生成される。加算部104は、チャネル1のヘッダ信号とチャネル2のヘッダ信号とを加算し、フレーム生成部106へ出力する。
【0041】
このようにして、2つのチャネルのシングルキャリア信号(プリアンブル信号およびヘッダ信号)が生成される。すなわち、変調部101-1,101-2および変調部103-1,103-2は、アグリゲーション伝送に用いられる隣り合う2つのチャネルのプリアンブル信号及びヘッダ信号をそれぞれ直交変調し、当該2つのチャネルの周波数帯域にそれぞれシフトされた2つのシングルキャリア信号を生成するシングルキャリア信号生成部に相当する。
【0042】
OFDM信号生成部105は、図2に示すデータ変調部18-1から入力されるペイロード信号S1、および、図2に示すデータ変調部18-2から入力されるペイロード信号S2をまとめてIFFT処理して、チャネル1およびチャネル2のOFDM信号を生成する。この際、OFDM信号生成部105は、FFTサイズ=1024およびサンプリングレート=5.28GHzを用いてIFFT処理を行う。
【0043】
すなわち、OFDM信号生成部105は、図3に示す、各チャネルのペイロード信号を個別にIFFT処理するOFDM信号生成部25-1、25-2でのFFTサイズよりも大きなFFTサイズ(2倍のFFTサイズ)、および、より高速なサンプリングレートを用いて、ペイロード信号S1、S2のIFFT処理を行う。
【0044】
換言すると、OFDM信号生成部105は、広帯域の周波数(サブキャリア)にマッピングされたペイロード信号S1、S2をまとめてIFFT処理する。
【0045】
[フレームフォーマット]
次に、図7に示す構成の通信装置100が用いるフレームフォーマットについて説明する。
【0046】
図8図9及び図10は、本実施の形態に係るフレームフォーマットの一例を示す。また、図8はヘッダ内の構成を示し、図9はOFDM伝送の場合のペイロード内の構成を示し、図10は、OFDM信号の生成処理の一例を示し、図11は、ペイロード信号のマッピング例を示す図である。
【0047】
図8及び図9に示すように、各チャネルのフレームは、STF(Short Training Field)、CEF(Channel Estimation Field)、ヘッダ(Header)、拡張ヘッダ(E-Header)およびペイロード(Payload1またはPayload2)から構成される。
【0048】
また、図8に示すように、各チャネルのヘッダは、11ad規格と同様の構成を採るものとする。すなわち、ヘッダは、512シンボルのシンボルブロックを複数連結することにより構成され、1.76GSpsのシングルキャリア変調が施される。図8に示すように、ヘッダの各シンボルブロックは、64シンボルのGI(Guard Interval)と448シンボルのデータ部とから構成される。このように、シングルキャリア信号では、シンボルブロックの中にGIが含まれる。これは、受信機において512点FFT回路を用いて周波数領域等化処理を行うことが想定されているためである。
【0049】
また、図8に示すように、各チャネルの拡張ヘッダは、ヘッダと同一のフレーム構成を採る。
【0050】
次に、各チャネルのペイロードのフォーマットについて説明する。図9に示すように、ペイロードは、CP(Cyclic Prefix)とデータ部とから構成される。
【0051】
11ad規格では、OFDMシンボル長は512サンプルである。これは、シングルキャリア信号のシンボルブロックサイズ(512シンボル)と同じサイズにすることで受信機において512点FFT回路を共用することを想定していることが理由の1つである。
【0052】
なお、本実施の形態では、Payload部分のフレームフォーマットは11adと同じであるが、サブキャリアの割り当て方法とOFDM信号の生成方法が異なる。以下に、サブキャリアの割り当て方法とOFDM信号の生成方法について、説明する。
【0053】
図7に示す通信装置100において、図9に示すOFDM伝送時のフレームフォーマットを生成する方法の一例について説明する。
【0054】
図10は、フレームフォーマットの生成方法の一例を示す図である。
【0055】
まず、OFDM信号生成部105は、データ変調されたペイロード信号S1およびペイロード信号S2を、予め決められた長さに分割する。図10では、各ペイロード信号は336シンボルに分割されている。
【0056】
次いで、OFDM信号生成部105は、ペイロード信号S1(チャネル1の信号)およびペイロード信号S2(チャネル2の信号)から336シンボルをそれぞれ取り出し、ゼロ信号またはパイロット信号(予め設定された既知パターン)を挿入して、合計1024サブキャリアとなるように、各信号をサブキャリアにマッピングする。これにより、IFFT回路に入力されるIFFT入力ブロック信号が生成される。
【0057】
この際、ペイロード信号S1は、図10に示す1024サブキャリアの中心よりも左側、すなわち、中心周波数よりも低い周波数領域に相当する領域にマッピングする。一方、ペイロード信号S2は、図10に示す1024サブキャリアの中心よりも右側、すなわち、中心周波数よりも高い周波数領域に相当する領域にマッピングする。
【0058】
また、例えば、各ペイロード信号は、以下の制約を満たすようにサブキャリアにマッピングされる。図11は、一例として、ペイロード信号S1に対するマッピングの制約の説明に供する図である。具体的には、図11に示すように、シンボルブロック(例えば、336シンボル)に分割されたペイロード信号S1は、1024サブキャリアにマッピングされる際、中心から209サブキャリア離れた位置を中心として、ゼロ信号またはパイロット信号を含めて360サブキャリアを超えない範囲内にマッピングされる。
【0059】
ここで、「209サブキャリア」は、1.07765625MHz(以下、1.077GHzと表記)に相当し、1080MHzに最も近い値として決定される。「360サブキャリア」は、予め設定された1チャネルあたりのスペクトラム制約により設定された値(ここでは、1.8GHz)に相当する。これにより、ペイロード信号S1はチャネル1(ch1)の中心周波数を中心に配置される。
【0060】
ペイロード信号S2についても、図11と同様の制約に従ってマッピングされるものとする。
【0061】
OFDM信号生成部105は、図10に示すIFFT入力ブロック信号を、IFFT回路に入力し、出力信号にCPを付加する。さらに、CPが付加された出力信号にプリアンブル信号およびヘッダ信号が付加されることで、送信デジタルベースバンド信号が得られる(図9参照)。
【0062】
そして、この送信デジタルベースバンド信号に対して、5.28GSpsでD/A変換が行われ、中心周波数が59.40GHzに設定された無線処理が施されることで、後述する図12に示すスペクトラムを有する信号が送信される。
【0063】
図12は、OFDM信号生成部105で生成されるOFDM信号の一例を示す。
【0064】
図12では、サンプリングレート=5.28GHzである。また、図12では、OFDM信号生成部105は、5.28GHzの帯域において、中心周波数(0GHz)から-1.08GHz付近(-1.077GHz)にペイロード信号S1によるOFDM信号の中心周波数が設定され、中心周波数(0GHz)から+1.08GHz付近(+1.077GHz)にペイロード信号S2によるOFDM信号の中心周波数が設定されるように、IFFT処理におけるペイロード信号S1、S2の入力の割当を調整する。
【0065】
そして、フレーム生成部106は、加算部102から入力されるプリアンブル信号、加算部104から入力されるヘッダ信号、および、OFDM信号生成部105から入力されるOFDM信号を用いて、チャネル1およびチャネル2のフレームを生成する。
【0066】
このように、通信装置100は、図3(FFTサイズ:512)と比較して大きなFFTサイズ(1024)を用いて、ペイロード信号S1およびペイロード信号S2の双方のOFDM信号をまとめて生成する。
【0067】
こうすることで、図3に示す通信装置1では、各チャネルに対するアップサンプリング処理およびローパスフィルタリング処理(図3に示す点線で囲まれた構成部の処理)を行う必要があるのに対して、図7に示す本実施の形態に係る通信装置100では、各チャネルに対するアップサンプリング処理およびローパスフィルタリング処理が不要となる。すなわち、図7に示す通信装置100では、図3に示すアップサンプル部26-1,26-2およびローパスフィルタ27-1,27-2が不要となる。
【0068】
このように、本実施の形態によれば、11ad規格のOFDM伝送において、アグリゲーション伝送を適用する際に、複数のチャネルのOFDM信号をまとめて生成することで、効率良くOFDM信号を生成でき、かつ、アップサンプリング処理およびフィルタリング処理が不要となるので装置の小型化、低消費電力化、低コスト化を図ることができる。
【0069】
(実施の形態2)
実施の形態1では、一例として、OFDM信号生成部105(図7)におけるサンプリングレート=5.28GHzとし、FFTサイズ=1024の場合について説明した。
【0070】
この場合、IFFT処理の入力の周波数ビンは、5.15625MHz(=5280MHz/1024)間隔となる。各チャネルのOFDM信号の所望の中心周波数(チャネル1,2の中心から±1080MHz)は、この周波数ビンの間隔(サブキャリア間隔)=5.15625MHzの整数倍ではない。つまり、1080MHzを中心とする周波数ビンは存在しない。よって、OFDM信号生成部105では、各チャネルのOFDM信号の中心周波数は、所望の周波数(図1では±1080MHz)からずれてしまう(例えば、図12では±1077.65625MHz)。
【0071】
これにより、送信信号の品質劣化(キャリア周波数のオフセット規定を満たせなくなること)の可能性がある。また、送信機または受信機においてこの周波数ずれを補正するための補正回路が必要となり、回路規模および消費電力が増加してしまう。
【0072】
そこで、本実施の形態では、各チャネルの中心周波数のずれを発生させることなく、ペイロード信号S1、S2のOFDM信号を生成する方法について説明する。
【0073】
[通信装置の構成]
図13を用いて、本実施の形態に係る通信装置200の構成例について説明する。なお、通信装置200のうち、各データを変調するまでの構成および動作については、図2に示す通信装置1の構成と同一であるので図示せず、その説明を省略する。また、図13に示す通信装置200において、実施の形態1(図7)と同一の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0074】
具体的には、通信装置200において、OFDM信号生成部201は、実施の形態1と同様、図2に示すデータ変調部18-1から入力されるペイロード信号S1、および、図2に示すデータ変調部18-2から入力されるペイロード信号S2をまとめてIFFT処理して、チャネル1およびチャネル2のOFDM信号を生成する。この際、OFDM信号生成部201は、FFTサイズ=1056およびサンプリングレート=5.28GHzを用いてIFFT処理を施して、OFDM信号を生成する。すなわち、OFDM信号生成部201は、図3に示す、各チャネルのペイロード信号を個別にIFFT処理するOFDM信号生成部25-1、25-2でのFFTサイズよりも大きなFFTサイズ、および、より高速なサンプリングレートを用いてIFFT処理を行う。
【0075】
ただし、OFDM信号生成部201では、実施の形態1(図7ではFFTサイズ1024)と比較して、FFTサイズが異なる。
【0076】
この場合、OFDM信号生成部201におけるIFFT処理の入力の周波数ビンは、5MHz(=5280MHz/1056)間隔となる。すなわち、各チャネルのOFDM信号の所望の中心周波数(チャネル1,2の中心から±1080MHz)は、この周波数ビンの間隔=5MHzの整数倍である。よって、1080MHzを中心とする周波数ビンが存在するので、OFDM信号生成部201では、各チャネルのOFDM信号の中心周波数を、所望の周波数に設定することができる。
【0077】
図14は、OFDM信号生成部201で生成されるOFDM信号の一例を示す。
【0078】
図14では、サンプリングレート=5.28GHzである。また、図14では、OFDM信号生成部201は、5.28GHzの帯域において、中心周波数(0GHz)から-1.08GHzにペイロード信号S1によるOFDM信号の中心周波数が設定され、中心周波数(0GHz)から+1.08GHzにペイロード信号S2によるOFDM信号の中心周波数が設定されるように、IFFT処理におけるペイロード信号S1、S2の入力の割当を調整する。
【0079】
こうすることで、本実施の形態によれば、各チャネルのOFDM信号の中心周波数のずれを発生させることなく、複数のチャネルのOFDM信号をまとめて生成することができる。これにより、送信信号の品質劣化、回路規模および消費電力が増加を防ぐことができる。
【0080】
なお、本実施の形態において、IFFT処理における周波数ビンの間隔が2つのチャネルに配置されるOFDM信号の中心周波数(1.08GHz)の約数になるように、OFDM信号生成部201のFFTサイズが設定されればよい。換言すると、IFFT処理における周波数ビンの間隔が2つのチャネル間隔(図1に示す2.16GHz)の半数の約数になるように、OFDM信号生成部201のFFTサイズが設定されればよい。
【0081】
[フレームフォーマット]
次に、図13に示す構成の通信装置200が用いるフレームフォーマットについて説明する。
【0082】
図15は、本実施の形態に係るフレームフォーマットの一例を示す。図15はOFDM伝送の場合のペイロード内の構成を示す。
【0083】
図15に示すように、各チャネルのフレームは、STF(Short Training Field)、CEF(Channel Estimation Field)、ヘッダ(Header)、拡張ヘッダ(E-Header)およびペイロード(Payload1またはPayload2)から構成される。なお、STF、CEF、ヘッダ、拡張ヘッダについては、図8と同じ構成であるため、説明を省略する。
【0084】
以下、各チャネルのペイロードのフォーマットについて説明する。
【0085】
11ad規格では、OFDMシンボル長は512サンプルである。これは、シングルキャリア信号のシンボルブロックサイズ(512シンボル)と同じサイズにすることで受信機において512点FFT回路を共用することを想定していることが理由の1つである。
【0086】
一方、本実施の形態では、図15に示すように、OFDMシンボル長を528シンボル(サンプル)とする。これにより、上述したように、チャネル1,2のOFDM信号をまとめて生成する際のIFFT処理における周波数ビンの間隔(サブキャリア間隔)を5MHzにすることができる。すなわち、チャネル1とチャネル2とのチャネル間隔(2.16GHz)の半分(1.08GHz)を整数で除した値(つまり、約数)がサブキャリア間隔と等しくなるように、OFDMシンボル長は決定される。上記の関係は、以下の計算式で表される。
【0087】
サブキャリア間隔=サンプルレート/OFDMシンボル長
(計算例) 5MHz= 2640MSps / 528サンプル
【0088】
チャネル間隔の半分/216(適当な整数)=サブキャリア間隔
(計算例)1080MHz /216 = 5MHz
【0089】
次に、図13に示す通信装置200において、図15に示すOFDM伝送時のフレームフォーマットを生成する方法の一例について説明する。
【0090】
図16は、フレームフォーマットの生成方法の一例を示す図である。なお、図16は、図10に類似したフレームフォーマットであるため、異なる構成要素であるデータ部(Data)について説明する。
【0091】
OFDM信号生成部201は、ペイロード信号S1(チャネル1の信号)およびペイロード信号S2(チャネル2の信号)から336シンボルをそれぞれ取り出し、ゼロ信号またはパイロット信号(予め設定された既知パターン)を挿入して、合計1056サブキャリアとなるように、各信号をサブキャリアにマッピングする。これにより、IFFT回路に入力されるIFFT入力ブロック信号が生成される。
【0092】
この際、ペイロード信号S1は、図16に示す1056サブキャリアの中心よりも左側、すなわち、中心周波数よりも低い周波数領域に相当する領域にマッピングする。一方、ペイロード信号S2は、図16に示す1056サブキャリアの中心よりも右側、すなわち、中心周波数よりも高い周波数領域に相当する領域にマッピングする。
【0093】
また、例えば、各ペイロード信号は、以下の制約を満たすようにサブキャリアにマッピングされる。図17は、一例として、ペイロード信号S1に対するマッピングの制約の説明に供する図である。具体的には、図17に示すように、シンボルブロック(例えば、336シンボル)に分割されたペイロード信号S1は、1056サブキャリアにマッピングされる際、中心から216サブキャリア離れた位置を中心として、ゼロ信号またはパイロット信号を含めて360サブキャリアを超えない範囲内にマッピングされる。
【0094】
ここで、「216サブキャリア」は、1.08GHz、すなわち、チャネル間隔(2.16GHz)の半分に相当し、「360サブキャリア」は、予め設定された1チャネルあたりのスペクトラム制約により設定された値(ここでは、1.8GHz)に相当する。
【0095】
ペイロード信号S2についても、図17と同様の制約に従ってマッピングされるものとする。
【0096】
そして、この送信デジタルベースバンド信号に対して、5.28GSpsでD/A変換が行われ、中心周波数が59.40GHzに設定された無線処理が施されることで、図1に示すスペクトラムを有する信号が送信される。
【0097】
ここで、通信装置200において生成される、図15に示すフレームフォーマットの信号は、後述する図19に示す構成の通信装置で送信される信号と同等のものである。なお、「同等」とは、送信デジタルベースバンド信号が等しいという意味である。
【0098】
なお、本実施の形態の通信装置がアグリゲーション伝送に適応する場合について説明したが、チャネルボンディングにも適応することができる。例えば、ヘッダにアグリゲーション伝送とチャネルボンディングとを識別するフラグを追加して、OFDM信号生成部105において、アグリゲーション伝送の場合は、図16に従って、サブキャリアにブロックシンボルを配置し、チャネルボンディングの場合は、図18に従って、サブキャリアにブロックシンボルを配置すればよい。
【0099】
チャネルボンディングでは、チャネルch1、ch2間の周波数領域、及び、各チャネルの中心周波数付近の周波数領域を信号の送信に用いることができるため、アグリゲーション伝送に比べてスループットを向上させることができる。しかし、チャネルボンディング信号を受信できる受信機は限られるため、本実施の形態の送信機を用いることで、受信機の性能に応じて、チャネルボンディングとアグリゲーション伝送とが選択可能となるため、最適な送信方法を切り替えて送信することができ、スループットを向上させることができる。
【0100】
ここで、受信機の性能は、チャネルボンディングに対応するかどうかを示すビットを、あらかじめ送信機に通知しておくことで、送信機は性能を判断できる。
【0101】
以下、図19に示す通信装置2の構成について説明する。図19において、図3または図7に示す構成と同一の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0102】
図19に示す通信装置2は、2つの無線処理部(RF回路)53-1,53-2を用いてアグリゲーション伝送を行う。また、OFDM信号生成部51-1、51-2では、周波数ビンの間隔(サブキャリア間隔)の整数倍がチャネル間隔となるように、FFTサイズ=528に設定されている。
【0103】
図20A図20Bは、図19に示す通信装置2におけるフレームフォーマットの生成方法の一例を示す図である。図20Aは、OFDM信号生成部51-1におけるペイロード信号S1に対する処理の一例を示し、図20Bは、OFDM信号生成部51-2におけるペイロード信号S2に対する処理の一例を示す。
【0104】
OFDM信号生成部51-1,51-2は、データ変調されたペイロード信号S1およびペイロード信号S2を、予め決められた長さに分割する。図20Aおよび図20Bでは、各ペイロード信号は336シンボルに分割されている。
【0105】
次いで、OFDM信号生成部51-1,51-2は、ペイロード信号S1(チャネル1の信号)およびペイロード信号S2(チャネル2の信号)から336シンボルをそれぞれ取り出し、ゼロ信号またはパイロット信号(予め設定された既知パターン)を挿入して、合計528サブキャリアとなるように、各信号をサブキャリアにマッピングする。これにより、IFFT回路に入力されるIFFT入力ブロック信号が生成される。
【0106】
この際、ペイロード信号S1、S2は、図20Aおよび図20Bに示す528サブキャリアの中心から両側に180サブキャリア、すなわち、528サブキャリアの中心の360サブキャリア(つまり、1チャネルあたりのスペクトラム制約により設定された値に相当するサブキャリア)の範囲内にマッピングされる。
【0107】
OFDM信号生成部51-1,51-2は、図20Aおよび図20Bに示すIFFT入力ブロック信号を、IFFT回路に入力し、出力信号にCPを付加する。これにより、2.64GSpsの2系統のOFDM信号が生成される。さらに、図19に示すフレーム生成部28-1,28-2において、CPが付加された出力信号にプリアンブル信号およびヘッダ信号が付加されることで、送信デジタルベースバンド信号が得られる。
【0108】
そして、この送信デジタルベースバンド信号に対して、D/A変換部52-1,52-2において2.64GSpsでD/A変換が行われ、無線処理部53-1,53-2において、中心周波数がそれぞれ58.32GHz、60.48GHzに設定された無線処理が施されることで、図1に示すスペクトラムを有する信号が送信される。図19に示す構成では、D/A変換部52-1,52-2および無線処理部53-1,53-2に設定される帯域幅が、図13に示す構成と比較して狭いので、高品質の(歪の小さい)送信信号が生成される。
【0109】
以上、2つのRF回路を用いてアグリゲーション伝送を行う通信装置2の構成について説明した。
【0110】
すなわち、同一の受信機によって、図13に示す通信装置200から送信される信号および図19に示す通信装置2から送信される信号の双方とも受信することができる。
【0111】
ここで、図13に示す通信装置200と、図19に示す通信装置2とを比較する。
【0112】
同等のフレームフォーマット(例えば、図15を参照)の送信は、通信装置200では、1つのIFFT回路、1つのD/A回路、RF回路によって実現されるのに対して、通信装置2では、2つのIFFT回路、2つのD/A回路、2つのRF回路によって実現される。
【0113】
つまり、通信装置200は、通信装置2の構成と比較して、回路規模の小型化を図ることができ、消費電力を低くすることができる。
【0114】
(実施の形態3)
実施の形態1における通信装置100(図7を参照)のOFDM信号生成部105は、FFTサイズ(FFTポイント)が1024であるために、中心周波数が、1.080GHzと異なる1.077GHzに設定される。これに対して、本実施の形態では、位相回転を用いて、中心周波数のずれを調整する方法について説明する。
【0115】
図21は、本実施の形態に係る通信装置300の構成例を示すブロック図である。なお、図21において、実施の形態1(図7)と同一の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。具体的には、図21では、位相回転量設定部301、符号反転部302、位相回転部303-1,303-2が新たに追加されている。
【0116】
なお、周波数シフト方法(時間領域信号に位相回転をかける方法)が知られているが、2つのチャネル1,2(ch1、ch2)に対して独立して周波数シフトさせることは困難である。
【0117】
このため、通信装置300では、OFDM信号生成部105の前段において、位相回転部303-1,303-2が、各チャネルのペイロード信号を分割したシンボルブロック毎に予め定めた位相回転を行う。位相回転量は、位相回転量設定部301において予め設定されている。
【0118】
例えば、図22Aに示すように、ペイロード信号S1では、第1のシンボルブロック(366シンボルブロック)は回転量φラジアン、第2のシンボルブロックは回転量2φラジアン、…、第nのシンボルブロックは回転量nφラジアンと、回転量が増加する(nは1以上の整数)。
【0119】
一方、図22Bに示すように、ペイロード信号S2は、ペイロード信号S1とは、逆符号の回転量を用いて位相回転される。位相回転量の符号反転処理は、符号反転部302において行われる。
【0120】
ここで、φは、中心周波数のずれ量Δ(GHz)とキャリア周波数fと、(OFDMシンボル長+CP長) Lにより、次式で定められる。
φ=(Δ / f) * L * 2π [rad]
計算例
Δ=1080MHz -(5280MHz/1024*209) = 2.34375 MHz
f = 60GHz
L = 512+128 = 640
φ= 0.05π
【0121】
これにより、OFDMシンボルとCPをあわせた640サンプルの時間領域信号の、中心に位置するサンプル(例えば第320番サンプル)に与えるべき位相回転を、640サンプル全てに均一に与えることになる。これにより、図14のスペクトラムと等しくはならないものの、OFDM受信機における受信信号誤差が軽減され、信号の品質を高めることができる。時間領域信号に位相回転をかける従来の方法と異なり、チャネルch1、ch2を独立して近似的に周波数シフトすることができる。
【0122】
なお、キャリア周波数fとしては、ペイロード信号S1用のずれ量を計算するにはチャネル1(ch1)の中心周波数を用いて、ペイロード信号S2用にはチャネル2(ch2)の中心周波数を用いるのが最も正確である。ただし、キャリア周波数fとしては、簡易的にチャネル1,2(ch1,2)の中心周波数を用いてもよい。さらに簡易に、キャリア周波数fの近似値として60GHzを用いてもよい。
【0123】
以上の構成により、FFTサイズが1024ポイントのOFDM信号生成部105を用いてアグリゲーション伝送を行う場合であっても、各ペイロード信号の中心周波数を1.08GHzに調整することができる。
【0124】
(実施の形態4)
実施の形態1における通信装置100(図7を参照)のOFDM信号生成部105は、FFTサイズ(FFTポイント)が1024であるために、中心周波数が、1.080GHzと異なる1.077GHzに設定される。これに対して、本実施の形態では、広帯域RFのキャリア周波数を調整する方法について説明する。
【0125】
図23は、本実施の形態に係る通信装置400の構成例を示すブロック図である。なお、図23において、実施の形態1(図7)と同一の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。具体的には、図23では、変調部101-1a,101-2a、変調部103-1a,103-2a、および広帯域無線処理部401(RF回路)の動作が実施の形態1と異なる。
【0126】
また、図23では、2つのチャネルのうち、チャネル1(ch1)をプライマリチャネルと定義する。プライマリチャネルの中心周波数を正確に設定するために、広帯域無線処理部401は、キャリア周波数を約2.3MHz低い値(図23では59.398GHz)に調整する。ここで、約2.3MHzとは、プライマリチャネルの中心周波数のずれ量に相当する。
【0127】
なお、広帯域無線処理部401において、キャリア周波数を調整すると、2つのチャネルが2.3MHz低い値に調整される。
【0128】
このため、図24Aおよび図24Bに示すように、チャネル1,2(ch1, ch2)の中心をなるべく近づけるため、ペイロード信号S1に対しては、中心のサブキャリアを1024サブキャリアの中心から209サブキャリア離れた位置に設定されるが、ペイロード信号S2に対しては、中心のサブキャリアを1024サブキャリアの中心から210サブキャリア離れた位置に設定される。
【0129】
また、プリアンブル信号、ヘッダ信号を、調整後のペイロード信号S1、S2と同じ周波数において、送信するために、図23における変調部101-1a、101-2a、103-1a、103-2aは、図7における変調部101-1、101-2、103-1、103-2と比較して、2.3MHz低い周波方向にシフト(変調)するように設定する。
【0130】
図23図24A及び図24Bの調整によって、図25に示すように、プライマリチャネルであるペイロード信号S1、チャネル1のプリアンブ及びチャネル1のヘッダ信号は、中心周波数が1.080GHzに調整され、ペイロード信号S2、チャネル2のプリアンブ及びチャネル2のヘッダ信号は、中心周波数は、1.08047GHzに調整することができる。
【0131】
また、他の方法として、図26に示す通信装置500は、図23と同等の信号を生成することができる。図26は、図23と同様に、OFDM信号生成部105において、図24A及び図24Bのサブキャリア割り当てを行い、出力されたOFDM信号を2.3MHz低い周波数方向にシフトする周波数変換部501を追加した構成である。このため、図26は、図23の構成と異なり、広帯域RF回路(広帯域無線処理部32)の周波数を変更しない形態である。
【0132】
以上の構成により、FFTサイズが1024ポイントのOFDM信号生成部105を用いてアグリゲーション伝送を行う場合であっても、プライマリチャネルのペイロード信号の中心周波数を1.08GHzに調整でき、プライマリチャネル以外のチャネルのペイロード信号の中心周波数を1.08GHzに近づけることができる。
【0133】
また、他の方法として、図27に示す通信装置600は、図23と同等の信号を生成することができる。図27は、図19と同様に、OFDM信号生成部51-1、51-2において、図20A及び図20Bに示すサブキャリア割り当てを行い、出力されたOFDM信号のうちペイロード信号S2から生成されたOFDM信号を0.47MHz高い周波数方向にシフトする周波数変換部601を追加した構成である。このため、図27は、RF回路の周波数はそれぞれ、各チャネルの中心周波数に等しいため、OFDM信号の送信とシングルキャリア信号の送信とを1つの送信機で行うことが可能となる。
【0134】
前述の通り、図27に示す通信装置600は、図23に示す通信装置400から送信される信号と同等であるから、同一の受信機によって、図23に示す通信装置400から送信される信号および図27に示す通信装置600から送信される信号の双方とも受信することができる。
【0135】
なお、実施の形態4におけるプライマリチャネルとは、MACレイヤにおいて規定されるプライマリチャネルであってよい。例えば、アクセスポイントから送信されるビーコンフレーム及びその他の制御用フレームによって、どのチャネルがプライマリチャネルであるかが通知される。
【0136】
また、実施の形態4におけるプライマリチャネルは、固定的に定められても良い。例えば、ch1をプライマリチャネルと定めても良い。
【0137】
また、図28に示す通信装置1500は、図26と同様にOFDM信号に周波数変換部501を適用したことに加え、プリアンブル信号およびヘッダ信号を変調する変調部101、103のうちプライマリチャネルに対応しない変調部101‐1、103‐2における変調周波数を0.47MHzずらし、1.0847GHzとした。
すなわち、図25に示したように、図26の構成ではペイロード2のOFDM信号の中心周波数をシフトしたが、図28の構成では、プリアンブル及びヘッダにおいても中心周波数が図25と同様にシフトする。これにより、図28の構成では、ch2にて送信されるプリアンブル、ヘッダ、ペイロード信号S2のベースバンド信号の中心周波数が一致するため、周波数ずれの不連続点がなく、受信機を簡易な構成とすることができる。
【0138】
また、図29に示す通信装置1600は、図27は異なり周波数変換部602をフレーム生成部28より後段に配置した。すなわち、図27と同様に、図29の構成ではペイロード2のOFDM信号の中心周波数をシフトしたが、図29構成では、プリアンブル及びヘッダにおいても中心周波数が図25と同様にシフトする。これにより、ch2にて送信されるプリアンブル、ヘッダ、ペイロード信号S2のベースバンド信号の中心周波数が一致するため、周波数ずれの不連続点がなく、受信機を簡易な構成とすることができる。
【0139】
また、前述の通り、図29に示す通信装置1600は、図28に示す通信装置1500から送信される信号と同等であるから、同一の受信機によって、図28に示す通信装置1500から送信される信号および図29に示す通信装置1600から送信される信号の双方とも受信することができる。
【0140】
以上、本開示の各実施の形態について説明した。
【0141】
なお、上記実施の形態において、チャネル帯域幅、チャネル間隔、サンプリングレート、FFTサイズ、各チャネルの中心周波数などのパラメータは一例であって、これらに限定されるものではない。
【0142】
また、上記実施の形態では、本開示の一態様をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本開示はハードウェアとの連携においてソフトウェアで実現することも可能である。
【0143】
また、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。集積回路は、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックを制御し、入力端子と出力端子を備えてもよい。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0144】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0145】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0146】
本開示の通信装置は、アグリゲーション伝送に用いられる隣り合う2つのチャネルのプリアンブル信号及びヘッダ信号をそれぞれ直交変調し、前記2つのチャネルの周波数帯域にそれぞれシフトされた2つのシングルキャリア信号を生成するシングルキャリア信号生成部と、前記アグリゲーション伝送に用いられる隣り合う前記2つのチャネルのペイロード信号をまとめてIFFT処理して、前記2つのチャネルのOFDM信号を生成するOFDM信号生成部と、前記2つのシングルキャリア信号及び前記2つのチャネルのOFDM信号を送信するアンテナと、を具備する構成を採る。
【0147】
本開示の通信装置において、前記OFDM信号生成部は、前記2つのチャネルのペイロード信号を個別にIFFT処理する場合に用いる第1のFFTサイズよりも大きな第2のFFTサイズを用いてIFFT処理を行う。
【0148】
本開示の通信装置において、前記第2のFFTサイズは、前記第1のFFTサイズの2倍である。
【0149】
本開示の通信装置において、前記IFFT処理における周波数ビンの間隔は、前記2つのチャネル間隔の半分の約数である。
【0150】
本開示の通信装置において、前記2つのチャネルの間隔が2.16GHzであり、前記IFFT処理における、サンプリングレートが5.28GHzであり、FFTサイズが1056である。
【0151】
本開示の通信装置において、前記IFFT処理における周波数ビンの間隔は、前記2つのチャネルに配置されるOFDM信号の中心周波数の約数である。
【0152】
本開示の通信装置において、前記2つのチャネルの中心周波数がそれぞれ+1.08GHz、-1.08GHzであり、前記IFFT処理における、サンプリングレートが5.28GHzであり、FFTサイズが1056である。
【0153】
本開示の通信方法は、アグリゲーション伝送に用いられる隣り合う2つのチャネルのプリアンブル信号及びヘッダ信号をそれぞれ直交変調し、前記2つのチャネルの周波数帯域にそれぞれシフトされた2つのシングルキャリア信号を生成し、前記アグリゲーション伝送に用いられる隣り合う前記2つのチャネルのペイロード信号をまとめてIFFT処理し、前記2つのチャネルのOFDM信号を生成し、前記2つのシングルキャリア信号及び前記2つのチャネルのOFDM信号を送信する。
【産業上の利用可能性】
【0154】
本開示の一態様は、11ad規格に準拠する通信システムに好適である。
【符号の説明】
【0155】
2、100,200,300,400,500、600,1500、1600 通信装置
11 プリアンブル生成部
12,15 スクランブル部
13,16 FEC符号化部
14,18-1,18-2 データ変調部
17 データ分割部
21,23 アップサンプル部
22,24 RRCフィルタ
31 広帯域D/A変換部
32,401 広帯域無線処理部
101-1,101-2,101-1a,101-2a、103-1,103-2、103-1a,103-2a 変調部
102,104 加算部
51-1、51-2、105,201 OFDM信号生成部
28-1,28-2、106 フレーム生成部
301 位相回転量設定部
302 符号反転部
303-1,303-2 位相回転部
501、601、602 周波数変換部
図1
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図20B
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図22B
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図24B
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