IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アイホン株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-ナースコールシステム 図1
  • 特許-ナースコールシステム 図2
  • 特許-ナースコールシステム 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】ナースコールシステム
(51)【国際特許分類】
   A61G 12/00 20060101AFI20240708BHJP
   A61G 7/043 20060101ALI20240708BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20240708BHJP
   G08B 21/02 20060101ALI20240708BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20240708BHJP
   H04M 9/00 20060101ALI20240708BHJP
【FI】
A61G12/00 E
A61G12/00 Z
A61G7/043
G08B25/04 K
G08B21/02
G08B25/00 510M
H04M9/00 Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2022176632
(22)【出願日】2022-11-02
(62)【分割の表示】P 2018214030の分割
【原出願日】2018-11-14
(65)【公開番号】P2023017906
(43)【公開日】2023-02-07
【審査請求日】2022-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000100908
【氏名又は名称】アイホン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135127
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 正己
(72)【発明者】
【氏名】住田 哲哉
【審査官】井出 和水
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-126361(JP,A)
【文献】特開2007-089728(JP,A)
【文献】特開2016-059704(JP,A)
【文献】特開2014-090913(JP,A)
【文献】特開2014-149584(JP,A)
【文献】特開2018-082745(JP,A)
【文献】特開平06-334773(JP,A)
【文献】特開平10-137301(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 12/00
A61G 7/043
G08B 25/04
G08B 21/02
G08B 25/00
H04M 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者が看護師を呼び出して通話するためのナースコール子機と、前記ナースコール子機による呼び出しの発生を報知する廊下灯と、呼び出しに応答するためのナースコール親機と、呼出/通話を制御する制御機とを有するナースコールシステムであって、
患者を撮像するカメラと、
前記カメラの撮像映像から、ベッド上の患者が特定姿勢をとったらそれを検出する特定姿勢検出部と、
前記特定姿勢検出部が特定姿勢を検出したら、前記カメラに関連付けられている前記ナースコール子機に備えられているスピーカから所定のメッセージを報音させるメッセージ制御部、及び前記ナースコール親機を呼出動作させるための特定姿勢検知信号を出力する信号生成部と、
看護師が呼び出しに応答するために携行する携帯端末とを有し、
前記制御機は、前記特定姿勢検知信号を受けて、呼出信号を前記ナースコール親機及び前記携帯端末に対して送信すると共に、
前記呼出信号を受信した前記ナースコール親機或いは前記携帯端末が応答操作されると、応答操作した機器から前記特定姿勢を撮像した前記カメラと対を成している前記ナースコール子機への送話路を形成する一方、
前記メッセージ制御部は、送話路の形成を受けて、メッセージの通知を停止して前記ナースコール子機のスピーカから看護師の音声を報音可能とすることを特徴とするナースコールシステム。
【請求項2】
患者が看護師を呼び出して通話するためのナースコール子機と、前記ナースコール子機による呼び出しの発生を報知する廊下灯と、呼び出しに応答するためのナースコール親機と、呼出/通話を制御する制御機とを有するナースコールシステムであって、
患者を撮像するカメラと、
前記カメラの撮像映像から、ベッド上の患者が特定姿勢をとったらそれを検出する特定姿勢検出部と、
前記特定姿勢検出部が特定姿勢を検出したら、前記カメラに関連付けられている前記ナースコール子機に備えられているスピーカから所定のメッセージを報音させるメッセージ制御部、及び前記ナースコール親機を呼出動作させるための特定姿勢検知信号を出力する信号生成部と、
看護師が呼び出しに応答するために携行する携帯端末とを有し、
前記制御機は、前記特定姿勢検知信号を受けて、呼出信号を前記ナースコール親機に加えて前記携帯端末に対しても送信し、
前記呼出信号を受けた前記ナースコール親機或いは前記携帯端末が応答操作されると、前記メッセージ制御部は通知しているメッセージを看護師が対応する旨を通知するメッセージに切り替えて報音を継続することを特徴とするナースコールシステム。
【請求項3】
看護師と前記携帯端末の関連付け、及び看護師と患者の関連付けを記憶する看護体制情報記憶部と、看護師名を音声情報に変換する音声変換部とを有し、
前記制御機は、前記携帯端末で応答操作が成されると、当該携帯端末に関連付けられている看護師名を前記看護体制情報記憶部から読み取ると共に、読み取った看護師名を音声変換して前記メッセージ制御部に送信し、
前記音声変換された看護師名を受信した前記メッセージ制御部は、通知しているメッセージを看護師名を加えたメッセージに変更して通知を継続することを特徴とする請求項記載のナースコールシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベッド上の患者を撮像するカメラを備えて、患者の姿勢を確認できる機能を備えたナースコールシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
病室にカメラを設置して、患者のベッドからの転落や離床をカメラの撮像映像から検出するナースコールシステムがある。例えば特許文献1では、カメラの撮像映像から患者の起き上がり動作を検出し、その後ベッドから居なくなったら離床或いは転落と判断して通報動作する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-59704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の離床検出は、最初に起き上がりの検出を必要とするため、看護師がベッドから離れる等の動作を患者の離床と判断してしまう誤検知の問題を削減できた。しかしながら、患者の事故防止を目的とするのであれば、離床前の起き上がりを検知した段階で何らかの対策を取るのが望ましい。
そのため、起き上がりを検知した時点で通報する構成が考えられるが、起き上がりを検知した時点で通報をしても、看護師が駆けつけるまでの間に患者が離床してしまったり、離床を伴わない別の用事で起き上がる場合もある。そのため、起き上がりを検知した時点で看護師が駆けつけるよう通報していたのでは看護師の負担となってしまう。
【0005】
そこで、本発明はこのような問題点に鑑み、患者が離床等の監視を必要とする動作に入ったら、看護師に通知する一方で、離床を思い留まらせるためのメッセージを患者に対して通知し、転倒等の発生を防ぐことを可能としたナースコールシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する為に、請求項1の発明は、患者が看護師を呼び出して通話するためのナースコール子機と、ナースコール子機による呼び出しの発生を報知する廊下灯と、呼び出しに応答するためのナースコール親機と、呼出/通話を制御する制御機とを有するナースコールシステムであって、患者を撮像するカメラと、カメラの撮像映像から、ベッド上の患者が特定姿勢をとったらそれを検出する特定姿勢検出部と、特定姿勢検出部が特定姿勢を検出したら、カメラに関連付けられているナースコール子機に備えられているスピーカから所定のメッセージを報音させるメッセージ制御部、及びナースコール親機を呼出動作させるための特定姿勢検知信号を出力する信号生成部と、看護師が呼び出しに応答するために携行する携帯端末とを有し、制御機は、特定姿勢検知信号を受けて、呼出信号をナースコール親機及び携帯端末に対して送信すると共に、呼出信号を受信したナースコール親機或いは携帯端末が応答操作されると、応答操作した機器から特定姿勢を撮像したカメラと対を成しているナースコール子機への送話路を形成する一方、メッセージ制御部は、送話路の形成を受けて、メッセージの通知を停止してナースコール子機のスピーカから看護師の音声を報音可能とすることを特徴とする。
この構成によれば、特定姿勢をとっている患者が発生したら、看護師に通知が成される一方で、患者に対してはメッセージが通知される。例えば、離床しようとしている患者に対して「立ち上がらず、その姿勢でお待ちください」等のメッセージを通知すれば、患者の離床を留まらせることが可能となる。よって、看護師は慌てること無く対処できる。
加えて、特定姿勢をとっている患者に対して看護師が話しかけることができるため、患者は安心してその場に留まり易く、転倒等を防ぐことができる。そのため、通知を受けた看護師は慌てること無く対処できる。
【0008】
請求項の発明は、患者が看護師を呼び出して通話するためのナースコール子機と、ナースコール子機による呼び出しの発生を報知する廊下灯と、呼び出しに応答するためのナースコール親機と、呼出/通話を制御する制御機とを有するナースコールシステムであって、患者を撮像するカメラと、カメラの撮像映像から、ベッド上の患者が特定姿勢をとったらそれを検出する特定姿勢検出部と、特定姿勢検出部が特定姿勢を検出したら、カメラに関連付けられているナースコール子機に備えられているスピーカから所定のメッセージを報音させるメッセージ制御部、及びナースコール親機を呼出動作させるための特定姿勢検知信号を出力する信号生成部と、看護師が呼び出しに応答するために携行する携帯端末とを有し、制御機は、特定姿勢検知信号を受けて、呼出信号をナースコール親機に加えて携帯端末に対しても送信し、呼出信号を受けたナースコール親機或いは携帯端末が応答操作されると、メッセージ制御部は通知しているメッセージを看護師が対応する旨を通知するメッセージに切り替えて報音を継続することを特徴とする。
この構成によれば、特定姿勢をとっている患者が発生したら、看護師に通知が成される一方で、患者に対してはメッセージが通知される。例えば、離床しようとしている患者に対して「立ち上がらず、その姿勢でお待ちください」等のメッセージを通知すれば、患者の離床を留まらせることが可能となる。よって、看護師は慌てること無く対処できる。
加えて、特定姿勢検知の通知を受けた看護師が応答操作すると、患者に通知するメッセージの内容が看護師が対応する内容に切り替わるため、患者は安心して待つことができる。
【0009】
請求項の発明は、請求項に記載の構成において、看護師と携帯端末の関連付け、及び看護師と患者の関連付けを記憶する看護体制情報記憶部と、看護師名を音声情報に変換する音声変換部とを有し、制御機は、携帯端末で応答操作が成されると、当該携帯端末に関連付けられている看護師名を看護体制情報記憶部から読み取ると共に、読み取った看護師名を音声変換してメッセージ制御部に送信し、音声変換された看護師名を受信したメッセージ制御部は、通知しているメッセージを看護師名を加えたメッセージに変更して通知を継続することを特徴とする。
この構成によれば、看護師が携帯端末から応答操作すると、メッセージの内容が看護師が対応する内容に切り替わり、更に看護師名が通知される。よって、患者は更に安心できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、特定姿勢をとっている患者が発生したら、看護師に通知が成される一方で、患者に対してはメッセージが通知される。例えば、離床しようとしている患者に対して「立ち上がらず、その姿勢でお待ちください」等のメッセージを通知すれば、患者の離床を留まらせることが可能となる。よって、看護師は慌てること無く対処できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係るナースコールシステムの一例を示す構成図である。
図2】廊下灯のブロック図である。
図3】制御機のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明に係るナースコールシステムの一例を示す構成図であり、1は患者が看護師を呼び出すためにベッド毎に設置されたナースコール子機、2は病室前に設置されて呼び出しの発生を通知すると共に病室の患者情報を表示する廊下灯、3はナースステーションにおいて患者からの呼び出しを報知して応答するためのナースコール親機、4は看護師が携行して患者からの呼び出しに応答するためのスマートフォン等の携帯端末、5は携帯端末4と通信するアクセスポイント等の基地局、6は基地局5を介した通信を管理する交換機、7は呼び出し/通話を制御する制御機、8は患者を撮像するために病室の壁面或いは天井に設置されたカメラである。
【0013】
廊下灯2、ナースコール親機3、交換機6は、制御機7とLAN回線L1により接続されている。ナースコール子機1は伝送線L2によりそれぞれの病室の廊下灯2に接続されている。カメラ8は病室の廊下灯2に伝送線L3を介して接続されている。
【0014】
ナースコール子機1(以下、単に「子機」と称する。)は、呼出ボタン1aと、ベッド近傍の壁面に設置されて看護師と通話するためのマイク11及びスピーカ12を備えたプレート子機1bとを備えている。そして、このプレート子機1bに呼出ボタン1aが接続される。
【0015】
廊下灯2は、病室内の患者が子機1を操作して呼び出しが成されたら、それを点滅発光で報知する表示灯21、病室内の患者の氏名等を表示した患者情報表示部22を有している。そして、図2のブロック図に示すように、接続されているカメラ8の撮像映像を解析して患者の特定姿勢を検出する特定姿勢検出部23、患者に対して通知するメッセージを
記憶するメッセージ記憶部24、廊下灯2を制御する廊下灯CPU26、制御機7、カメラ8、子機1と通信する廊下灯通信IF27等を備えている。
尚、図1の廊下灯2は4人部屋の病室の廊下灯2示し、4名の患者情報を表示可能としているが、カメラ8はその中の特定の1名の患者を撮像するよう設定されている。
【0016】
特定姿勢検出部23では、カメラ8の撮像映像から患者の複数の姿勢を検出する。例えば、上半身を起こした姿勢、ベッドに腰掛けた端座位、ベッド脇に立ち上がった状態等を検出する。
メッセージ記憶部24には、検出した姿勢に合わせた複数種類のメッセージが記憶されており、例えば上半身を起こした姿勢を検知したら「何か問題が発生しましたか、そのままお待ちください」がメッセージ記憶部24から選択されて報音されるし、端座位を検出したら「立ち上がらず、その姿勢でお待ちください」等が選択されて報音に使用される。
【0017】
ナースコール親機3(以下、単に「親機」と称する。)は、子機1を使用した呼び出しに応答するための通話部としてのハンドセット31、患者情報の一覧や病棟地図を表示する第1ディスプレイ32、呼出元情報等を表示する第2ディスプレイ33等を備えている。
【0018】
図3は制御機7のブロック図を示している。図3に示すように制御機7は、看護師と携帯端末4の関連付け、及び看護師と患者の関連付けを記憶する看護体制情報記憶部71、カメラ8と対を成す報音手段としてのスピーカ12を備えた子機1を記憶するカメラ・子機情報記憶部72、文字情報を音声に変換する音声変換部73、機器間の通信を制御すると共に制御機7を制御する制御機CPU74、LAN回線L1を介して各機器と通信する制御機通信IF75等を備えている。
【0019】
上記の如く構成されたナースコールシステムの動作は以下の様である。但し、子機1を操作して看護師を呼び出す動作、呼び出しを受けて親機3或いは携帯端末4から応答して通話する動作については従来と同様であるため説明を省略し、ここでは、患者がトイレに行く等でベッドから移動しようとした際の動作を中心に説明する。
カメラ8は常時起動しており、特定姿勢検出部23がカメラ8の撮像映像から患者の特定の姿勢を検出する。具体的に、起き上がり、端座位、ベッド脇への立ち上り等を認識し、これらの姿勢を検出したら以下の様に動作する。
【0020】
カメラ8の撮像映像から特定姿勢検出部23が特定姿勢を検知したら、廊下灯CPU26の制御により制御機7に特定姿勢検知信号が送信される。この信号を受信した制御機7は、制御機CPU74の制御により、特定姿勢検知信号に添付されているカメラ8のID情報を基に、病室番号及び患者情報を看護体制情報記憶部71及びカメラ・子機情報記憶部72を参照して入手し、病室番号及び患者情報を添付した呼出信号を親機3及び携帯端末4へ送信する。
【0021】
但し、呼出信号が送信される携帯端末4は、複数ある携帯端末4のうちの一部の携帯端末4であり、カメラ8が撮像している患者(カメラ8に関連付けられている患者)に関連付けられている携帯端末4である。この携帯端末4は看護体制情報記憶部71から読み取られて送信される。この結果、親機3と患者を担当している看護師にのみ通知される。
【0022】
また、廊下灯CPU26の制御により、メッセージ記憶部24に記憶されているメッセージから検出した姿勢に関連付けられているメッセージが取り出されて、カメラ8と対を成している子機1のスピーカ12から報音される。例えば端座位姿勢を検知すると、上述したように「立ち上がらず、その姿勢でお待ちください」等のメッセージが選択されて報音されるし、ベッド上で上半身を起こした姿勢を検知したら「何か問題が発生しましたか
、そのままお待ちください」等が選択されて報音される。
【0023】
尚、メッセージを報音するスピーカ(カメラ8と対を成す報音手段)は、子機1のスピーカ12でなくとも良く、放送のための天井スピーカ(図示せず)であっても良いし、カメラ8にスピーカが搭載されている場合は、そのスピーカから報音させても良い。また、特定姿勢検出部23を廊下灯2に設けているが、カメラ8に特定姿勢検出部23を設けても良く、その場合は特定姿勢検知信号はカメラ8から廊下灯2に送信される。更に、メッセージ記憶部24も、廊下灯2でなくても良く子機1或いは制御機7に設けても良い。
【0024】
特定姿勢の検出を受けて制御機7から呼出信号を受信した親機3、及び携帯端末4では、子機1の操作による呼び出しとは異なる呼出音で呼び出しが成される。
この呼び出しは、応答して送話が可能な呼び出しの設定と、応答操作のみ可能で送話或いは通話の機能を持たない呼び出し設定の2通りがあり、まず応答して送話が可能な場合を説明する。
【0025】
特定姿勢の検出を受けた呼び出しに対して、親機3及び携帯端末4の何れかで応答操作されると、制御機CPU74は、カメラ・子機情報記憶部72からカメラ8と対を成している子機1を読み取り、当該子機1と応答操作された機器との間で、子機1への送話路が形成される。この、送話路の形成を受けて、廊下灯CPU26は子機1から報音しているメッセージを停止する。
こうして、応答操作した機器例えば携帯端末4から入力された看護師の音声が、メッセージが停止した子機1のスピーカ12から報音される。
【0026】
このように、特定姿勢をとっている患者に対して、所定のメッセージが通知されるため、患者の離床を留まらせることができる。また、患者の姿勢に応じて適したメッセージが通知されるため、患者は自身が見守られていることを認識でき安心できる。
更に、患者に対して応答操作した看護師が話しかけることができるため、患者は安心してその場に留まり易く、転倒等を防ぐことができる。そのため、通知を受けた看護師は慌てること無く対処できる。
【0027】
尚、応答操作により送話路を形成する場合を説明したが、メーセージを報音するスピーカが子機のスピーカ12である場合は、マイク11が対を成して設けられているため、送話路でなく通話路を形成して患者と通話可能としても良い。
【0028】
次に、応答操作のみ可能で送話或いは通話の機能を持たない呼び出し設定の場合を説明する。特定姿勢の検出を受けて呼出信号が送信された親機3及び携帯端末4は、呼出音を鳴動し、何れかで応答操作すると呼び出しは停止する。今、携帯端末4により応答操作が成されたとすると、呼出音が停止して受信通知信号が、基地局5、交換機6を介して制御機7に送信される。
【0029】
この受信通知信号を受信した制御機CPU74は、送話路或いは通話路を形成せず、受信通知信号に含まれる携帯端末4のID情報を基に、看護体制情報記憶部71から応答操作した看護師名を特定し、更に特定した看護師名を音声変換部73で音声情報に変換して特定姿勢検知信号を出力した廊下灯2に送信する。
看護師名を音声情報で受信した廊下灯2は、廊下灯CPU26の制御により、看護師名が付加されて「看護師××が参ります、しばらくお待ちください」といった看護師名を含むメッセージに切り替わり子機1のスピーカ12から報音される。
【0030】
一方、親機3で応答した場合は、呼出音が停止して受信通知信号が返信されるが、受信土信号から応答した看護師は特定できない。よって、親機3から送信された受信通知信号を受信した廊下灯2は、「間もなく看護師が参ります、しばらくお待ちください」といったメッセージに切り替えて子機1のスピーカ12から報音させる。
【0031】
このように、特定姿勢の検知を通知する呼び出しを受けて、看護師が応答操作すると、メッセージの内容が看護師が対応する内容に切り替わるため、看護師が応答機器から話しかけなくても患者は安心して待つことができる。
更に、携帯端末4で応答した場合は、応答操作した看護師名がメッセージに加えられるため、患者は更に安心できる。但し、携帯端末4で応答した場合も、親機3による応答と同様に看護師名を報音せず、看護師が対応する内容のメッセージに切り替えるだけでも良い。
【符号の説明】
【0032】
1・・ナースコール子機、2・・廊下灯、3・・ナースコール親機(通知手段)、4・・携帯端末(通知手段)、7・・制御機、8・・カメラ、12・・スピーカ(報音手段)、23・・特定姿勢検出部、24・・メッセージ記憶部、26・・廊下灯CPU(メッセージ制御部、信号生成部)、71・・看護体制情報記憶部、72・・カメラ・子機情報記憶部、73・・音声変換部、74・・制御機CPU(通知制御部)。
図1
図2
図3