(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】パッケージを密封するための密封要素及びパッケージを密封するためのデバイス
(51)【国際特許分類】
B65B 51/10 20060101AFI20240708BHJP
【FI】
B65B51/10 A
B65B51/10 Z
(21)【出願番号】P 2022539157
(86)(22)【出願日】2020-12-14
(86)【国際出願番号】 EP2020085884
(87)【国際公開番号】W WO2021139962
(87)【国際公開日】2021-07-15
【審査請求日】2022-10-18
(32)【優先日】2020-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】513044290
【氏名又は名称】エコリーン・エイビー
【氏名又は名称原語表記】Ecolean AB
【住所又は居所原語表記】Box 812, 251 08 Helsingborg, Sweden
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100212705
【氏名又は名称】矢頭 尚之
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ベンバリ、ウルフ
(72)【発明者】
【氏名】アブラハムソン、ペール
(72)【発明者】
【氏名】ノルドレフ、ウルフ
(72)【発明者】
【氏名】スンドストレーム、ポントゥス
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-149365(JP,A)
【文献】特開2014-213859(JP,A)
【文献】特開2010-228779(JP,A)
【文献】実開昭57-156405(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2019/0039325(US,A1)
【文献】特開2019-131215(JP,A)
【文献】実開昭59-175491(JP,U)
【文献】特開2009-022977(JP,A)
【文献】特開2000-019127(JP,A)
【文献】特開平05-293890(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 51/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージ(600)を密封するための密封要素(100)であって、前記密封要素(100)は、前記パッケージ(600)に密封を提供するために前記パッケージ(600)と係合するための当接部(400)と協働するように構成され、前記密封要素(100)は、
頂部及び底部側縁面(104)を設けられた第1の側縁部(110)を有する本体(102)
を備え、前記頂部及び底部側縁面(104)の各々は、前記頂部及び底部側縁面(104)が延長平面(A)を中心として鏡映され、互いに反対に面するように、前記本体(102)の前記延長平面(A)に鋭角(α)で配置され、
前記本体(102)は、100W/mKを超える熱伝導性を有する金属材料から作られ、
前記延長平面(A)において、前記第1の側縁部(110)
に対向する第2の側縁部(112)を更に備え、対応する頂部及び底部側縁面(104)を設けられる、密封要素(100)。
【請求項2】
前記延長平面(A)において、互いに対向し、かつ、前記第1の側縁部(110)に隣接する第3及び第4の側縁部(114,116)を更に備え、前記第3及び第4の側縁部(114,116)の各々は、対応する頂部及び底部側縁面(104)を設けられる、請求項1に記載の密封要素(100)。
【請求項3】
前記本体(102)は、少なくとも前記頂部及び底部側縁面(104)を覆うコーティングを設けられ、前記コーティングは、25~55μmの範囲の厚さを塗布される、請求項1又は2に記載の密封要素(100)。
【請求項4】
密封デバイス(1000)に前記密封要素(100)を据え付けるための据え付け手段(106)を更に備える、請求項1~3のうちのいずれか一項に記載の密封要素(100)。
【請求項5】
各側縁部(110,112,114,116)は、前記頂部及び底部側縁面(104)を分離する溝(120)を設けられる、請求項1~4のうちのいずれか一項に記載の密封要素(100)。
【請求項6】
パッケージ(600)を密封するためのデバイス(1000)であって、
請求項1~5のうちのいずれか一項に記載の密封要素(100)と、前記頂部及び底部側縁面(104)の各々は、前記頂部及び底部側縁面(104)が延長平面(A)を中心として鏡映され、互いに反対に面するように、前記本体(102)の前記延長平面(A)に鋭角(α)で配置される、
当接部(400)と、
基部(200)と
を備え、前記密封要素(100)は、前記基部(200)に対して着脱可能に支持され、前記基部(200)及び前記当接部(400)のうちの少なくとも1つは、前記パッケージ(600)に密封を提供するために反対側からの前記パッケージ(600)との前記基部(200)及び前記当接部(400)の係合を可能にするように移動可能に配置され、前記密封要素(100)は、各側縁部(110,112,114,116)上の前記頂部又は底部側縁面(104)が前記当接部(400)に面して選択的に配置されるように前記基部(200)に取り付け可能である、パッケージ(600)を密封するためのデバイス(1000)。
【請求項7】
前記当接部(400)は、弾性当接面(402)を備える、請求項6に記載のパッケージ(600)を密封するためのデバイス(1000)。
【請求項8】
少なくとも前記密封要素(100)を加熱するように構成された熱要素(500)を更に備える、請求項6又は7に記載のパッケージ(600)を密封するためのデバイス(1000)。
【請求項9】
前記熱要素(500)は、前記密封要素(100)を一定加熱するように構成される、請求項8に記載のパッケージ(600)を密封するためのデバイス(1000)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パッケージの製造に関し、より具体的にはパッケージの密封に関する。本発明は、パッケージ中に密封を生成するための密封要素と、そのような密封要素を備えるパッケージを密封するためのデバイスとに関する。
【背景技術】
【0002】
スタンドアップポーチタイプのパッケージなどの折り畳み式タイプのパッケージは、典型的には、液体などの製品が収容され得る充填チャンバを備える。パッケージの充填手順中、製品は、パッケージの充填チャネル中にノズルを挿入することによって供給され得る。その後、パッケージは、製品が充填チャンバから漏れることができないように密封されなければならない。例として、密封は、溶着によって実行され得、パッケージは、互いに係合し、それによって、密封を提供するためにパッケージの一部分に圧力を加えるように配置される、一対の顎部の係合面の間、又は顎部と当接部との間に、配置される。顎部のうちの少なくとも1つは加熱され得、他の顎部又は当接部は加熱されないことがある。
【0003】
各顎部は、パッケージからのその材料が密封プロセス中に顎部に付着するのを回避するためにコーティングを更に設けることができる。
【0004】
各顎部は、しかしながら、コーティングが摩耗するだけでなく、ある特定の数のパッケージが処理された後に顎部自体が変形し得るという点でも摩耗を受ける。密封が加熱によって実行される場合、パッケージからの材料もまた加熱された顎部に付着し得、その確率は、コーティングが摩耗したときに増加する。
【0005】
顎部を加熱するとき、加熱される温度は、顎部の耐久性に影響を及ぼし、より高い温度は、顎部が交換される必要がある前に密封することができるパッケージの数の減少をもたらす。
【0006】
当然ながら、顎部自体のコストだけでなく、プロセス機器に必要なダウンタイムにおいても、各顎部交換に関連するコストが存在する。このことから、顎部が交換される必要がある前に製造することができるパッケージの数を増加させることが可能であることが望ましい。
【0007】
US2019/039325 A1は、超音波溶着デバイスとして設計されたストラップデバイスを開示している。デバイスは、2つの接触面を有するソノトロードを備え、各接触面は、ソノトロードの提供された振動方向に対して直角からずれた角度で位置合わせされている。
【0008】
JP2017013465 Aは、縦方向の超音波振動を横方向の振動に変換するように構成された工具ホーンを備える超音波シール装置を開示している。
【0009】
EP1101856 A2は、超音波発生装置に結合されたホーンとの選択的連係のために適しているアンビル組立体を開示している。アンビル組立体は、アンビル及びクレードルを備え、アンビルは、少なくとも2つの取り付け位置のいずれかにおいてクレードル上に選択的に取り付けられるのに適している。
【発明の概要】
【0010】
上記の記載を考慮して、本発明の目的は、従来技術の解決策を改善する、パッケージを密封するための密封要素を提供することである。従来技術の解決策の問題のうちのいくつかを軽減する前記密封要素を備える、パッケージを密封するためのデバイスを提供することも、本発明の目的である。
【0011】
上記の目的のうちの少なくとも1つを、及び以下の説明から明らかになる他の目的も達成するために、本発明によると、請求項1に定義される特徴を有する密封要素が提供される。本デバイスの好ましい実施形態が、従属請求項から明らかとなる。
【0012】
より具体的には、本発明によると、パッケージを密封するための密封要素が提供され、密封要素は、パッケージに密封を提供するためにパッケージと係合するための当接部と協働するように構成される。密封要素は、頂部及び底部側縁面を設けられた第1の側縁部を有する本体を備え、頂部及び底部側縁面の各々は、頂部及び底部側縁面が延長平面を中心として鏡映され、互いに反対に面するように、本体の延長平面に鋭角で配置される。密封要素の本体は、100W/mKを超える熱伝導性を有する金属材料から作られる。
【0013】
密封要素は、このことから、いくつかの側縁面を設けられ、密封要素の有効動作時間を延長する。頂部又は底部側縁面のうちの一方が摩耗したとき、頂部及び底部側縁面のうちの新しい未使用の一方を代わりに使用することができるように、密封要素を単に再方向付けすることができる。密封要素は、従って、廃棄される必要がある頻度がより少なくなり、それは、各密封要素をより効率的に使用することができるので、製造プロセスにとって有益であるだけでなく、環境的にも有益である。密封要素の本体が作られる金属材料は、黄銅、銅、鋼、等であり得る。100W/mKを超える熱伝導性を有する金属材料を有することは、良好な密封を達成することができるように、十分な量の熱が密封要素の本体を通して伝導され、側縁面に伝達されることを確実にする。
【0014】
密封要素は、第1の側縁部とは反対側の第2の側縁部を更に備え得、第2の側縁面は、密封要素の使用を更に拡張する対応する頂部及び底部側縁面を設けられる。
【0015】
密封要素は、一実施形態では、互いとは反対側にあり、第1の側縁部に隣接する、第3及び第4の側縁部を備え得る。第3及び第4の側縁部の各々は、対応する頂部及び底部側縁面を設けられる。
【0016】
本体は、少なくとも頂部及び底部側縁面を覆い、密封要素の耐磨耗性及び非付着性を改善するコーティングを更に設けられ得る。コーティングは、25~55μmの範囲の厚さを有し得る。
【0017】
非限定的な例では、密封要素の本体は、黄銅から作られ得、商標Impreglon TC10S45で市販されているコーティングを設けられ得る。コーティングは、40μm(+/-10μm)の厚さで塗布され得る。
【0018】
上述したように、コーティングは、密封要素の耐磨耗性を改善し、パッケージの密封中にパッケージからの材料が密封要素に付着するリスクを低減し得る。
【0019】
密封要素は、密封要素を密封デバイスに据え付けるための据え付け手段を更に依然として備え得る。
【0020】
一実施形態では、各側縁部は、頂部及び底部側縁面を分離する溝を設けられる。頂部及び底部側縁面の分離は、側壁面のうちの一方に生じる損傷が他方の側壁面にも影響を及ぼすリスクを低減する。密封要素は、このことから、より堅牢になる。
【0021】
第2の態様では、パッケージを密封するためのデバイスが提供される。密封デバイスは、第1の態様による密封要素と、当接部と、基部とを備える。密封要素は、基部に対して着脱可能に支持され、基部及び当接部のうちの少なくとも1つは、パッケージに密封を提供するために反対側からのパッケージとの基部及び当接部の係合を可能にするように移動可能に配置される。密封要素は、各側縁部上の頂部又は底部側縁面が当接部に面して選択的に配置されるように基部に取り付け可能である。
【0022】
このことから、より効率的な密封デバイスが達成され、ここで、ダウンタイムは、側縁面が摩耗するたびに交換される代わりに密封要素を再方向付けすることができるので、低減される。密封要素の交換間の時間が延長される。
【0023】
加えて、当接部は、弾性当接面を備え得る。弾性当接面は、密封要素と当接部との間の圧力を分散させ、それは、密封されることを意図されるパッケージの全ての部分が実際に密封されることを容易にする。弾性当接面は、その結果として、密封における漏れのリスクを低減する。
【0024】
密封デバイスは、少なくとも密封要素を加熱するように構成された熱要素を更に依然として備え得る。
【0025】
熱要素は、密封要素を一定加熱するように構成され得、それは、断続的な加熱を使用するときにリスクとなり得る、密封中の密封要素における不十分な熱のリスクを低減する。
【0026】
一般に、特許請求の範囲において使用される全ての用語は、本明細書で別段明示的に定義されない限り、当該技術分野におけるそれらの通常の意味に従って解釈されるべきである。「a/an/the [要素、デバイス、構成要素、手段、ステップ、等]」への全ての言及は、別途明示的に明記されない限り、前記要素、デバイス、構成要素、手段、ステップ、等のうちの少なくとも1つの事例を指すものとしてオープンに解釈されるべきである。本明細書に開示するどの方法のステップも、明示的に明記されない限り、開示するまさにその順序で実行される必要はない。
【0027】
本発明の上記並びに追加の目的、特徴及び利点は、添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施形態の以下の例示的且つ非限定的な発明を実施するための形態を通してより良好に理解され、添付の図面では、同じ参照番号が同様の要素に使用されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】一実施形態による密封デバイスの斜視図を開示する。
【
図2】一実施形態による密封要素の側面図を開示する。
【
図3】一実施形態による遮蔽要素の斜視図を開示する。
【
図5】一実施形態による密封デバイスの斜視図を開示する。
【
図6】一実施形態による密封要素の側面図を開示する。
【
図7】一実施形態による遮蔽要素の斜視図を開示する。
【
図9】一実施形態による密封デバイスの斜視図を開示する。
【
図10】一実施形態による密封要素の側面図を開示する。
【
図11】一実施形態による遮蔽要素の斜視図を開示する。
【
図12】一実施形態による基部の斜視図を開示する。
【
図13】一実施形態による密封要素の上面図を開示する。
【
図14】一実施形態による密封要素と当接部との間の接点の側面図を開示する。
【発明を実施するための形態】
【0029】
ここから、本発明の現在好ましい実施形態を示す添付の図面を参照して、本発明を以下により十分に説明する。本発明は、しかしながら、多くの異なる形態で具現化され得、本明細書に記載される実施形態に限定されると解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、徹底性及び完全性のために提供され、本発明の範囲を当業者に十分に伝える。
【0030】
図1は、パッケージ(図示せず)を密封するためのデバイス1000の詳細図を示す。デバイス1000は、いくつかのデバイス1000が並列に及び/又は順々に配置される製造ラインの一部を形成し得る。後者の場合、各デバイス1000は、パッケージに部分的な密封のみを提供するように構成され得る。
【0031】
パッケージを密封するためのデバイス1000は、述べたように、可撓性パッケージ600を取り扱うための製造ラインの一部を形成し得る。パッケージ600は、当業者に良く知られる方法に従ってロール上に巻き取られた材料ウェブから提供され得る。ロールは、巻き出されて製造ラインに供給されるように配置される。最初に、パッケージ600は、縁方向に供給され得、その後、パッケージは、幅方向に断続的に供給され得る。
【0032】
パッケージ600の包装材料は、プラスチック材料、例えばポリオレフィンなどのポリマーを備える少なくとも1つの層を備え得る。層はまた、鉱物材料などの充填剤を備え得る。
【0033】
第1の非限定的な例では、包装材料は、プラスチック材料及びチョーク材料を備える層を備える。第2の非限定的な例では、包装材料は、プラスチック材料のみから構成される。特に、包装材料は、リサイクル可能な材料を備え得る。包装材料は、充填剤及び結合剤を備え得る。
【0034】
包装材料はまた、外側密封層、ガスバリア層又は光バリア層などの追加の層を備え得る。
【0035】
包装材料は、他の材料を備え得、材料の選択は上記に提示した例に限定されないことが認識される。しかしながら、包装材料は、可撓性パッケージが密封作業において形成され得るように、ある特定の溶融温度を超えて溶融するように構成された材料から作られた表面部分を備える。
【0036】
パッケージ600は、液体形態又は粉末形態の製品などの製品で充填され得る。製品は、乳などの乳製品、水、ジュース、ワイン、レモネード、飲料、等などの液体食品であり得る。可撓性パッケージ中に収容されるのに適した他の同様の製品が使用され得ることが理解される。
【0037】
製造ラインは、パッケージ600に製品を充填するための充填ユニットと、少なくとも1つの密封デバイス1000とを備え得る。当然ながら、製造ラインは、当業者によって実現されるように、ガス充填ステーションなどの他のステーション、及び真空ホルダ等などの搬送ユニットも備え得る。製造ラインの全体的な設計は、本明細書の教示にとってそれほど重要ではなく、このことから、本開示では更に説明又は例証しない。
【0038】
密封デバイス1000は、密封要素100を備える。密封要素100は、密封要素100と当接部400との間に配置されたパッケージ中に密封を形成するために当接部400と協働するように構成される。
【0039】
当接部は、示す例に例示するように、密封を形成するために密封要素が押し付けられる受動要素であり得る。しかしながら、当接部は、代替として、能動要素であり得、このことから、密封を形成するためにパッケージが反対側から2つの密封要素によって係合されるように、追加の密封要素を備え得る。
【0040】
密封要素100は、基部200に対して着脱可能に支持される。パッケージ中に密封を生成するために、密封要素100を支持する基部200及び当接部400のうちの少なくとも1つは、反対側からのパッケージとの基部及び当接部の係合を可能にするために移動可能に配置される。基部200及び/又は当接部400の移動は、当業者によって実現されるようないくつかの方法で達成され得る。例えば、移動は、空気圧、液圧、又は電気モータ/アクチュエータによって制御され得る。
【0041】
密封デバイス1000は、上述したように、パッケージ600の幅の一部のみを覆う密封を提供するように更に構成され得る。プロセスは、次いで、パッケージ全体が密封されるまでパッケージ600を移動させて繰り返される。そのようなプロセスはまた、密封の少なくとも一部分が複数回処理されるように、パッケージ600に密封を重複して提供することを備えることができる。これは、1つの密封デバイス1000を使用して、又は製造ラインにおいて互いの後に配置されたいくつかの密封デバイス1000によって達成することができる。代替として、密封デバイス1000は、1つの密封ステップでパッケージ600全体を密封するように構成することができる。
【0042】
図1に更に見られるように、デバイス1000は、遮蔽要素300を備え得る。遮蔽要素300は、基部200及び/又は密封要素100に取り付け可能である。遮蔽要素300は、密封が形成されるべき場所以外の場所でパッケージ600が密封要素100と接触することを防止するように、当接部400に向かって密封要素100の下で延在する。これは、密封要素100が加熱され得、それは、密封が作成されるべき場所以外の場所でパッケージ600が密封要素100と接触した場合にパッケージ600に損傷を引き起こす可能性があるので、いくつかの実施形態において望ましい。遮蔽要素300は、
図3、7及び11に関連して更に説明するように、いくつかの方法で具現化され得る。
【0043】
更に、デバイス1000は、熱要素500を備え得る。熱要素500は、密封要素100を直接又は基部200の加熱を介して加熱するように構成され、それによって、密封要素100は、熱溶着によってパッケージ600に密封を提供することができる。熱要素500は、当業者によって実現されるようないくつかの方法で密封要素100又は基部200を加熱するように構成され得る。例えば、熱要素500は、密封要素100又は基部200を伝導的に又は誘導によって加熱し得る。熱要素500が基部200に接続する実施形態では、密封要素100は、基部200からの熱によって伝導的に加熱される。
【0044】
熱要素500は、密封要素100を断続的に加熱するように構成され得るか、又は、好ましくは、製造プロセスがアクティブであるときに常に加熱するように構成され得る。
【0045】
密封要素100は、各側縁部110、112、114、116上の頂部又は底部側縁面104が当接部400に面して選択的に配置されるように、基部200に取り付け可能である。好ましくは、当接部に面する頂部又は底部側縁面104は、本質的に垂直に配置される。「頂部」及び「底部」という用語は、本明細書では、開示する実施形態を説明するための例示目的のためにのみ使用され、頂部側縁面104は、実際には、底部側縁面104の下に配置されることもあり得る。
【0046】
ここで、密封要素100の一実施形態を側面図で示す
図2を参照する。密封要素は、本体102を備え、本体102は、密封要素100の構造的な主要部分を形成する。密封要素本体102は、鋼、アルミニウム、黄銅、銅、等などの金属材料によって形成され得る。一実施形態における密封要素100は加熱されるように構成されているので、本体102の材料は、少なくとも100W/mKである熱伝導性を有し得る。密封要素100の本体102の熱伝導性材料は、熱要素500から提供され得る熱が、本体102全体を通して効果的に拡散することを可能にし、そのため、各頂部及び底部側縁面104が十分に加熱される。
【0047】
密封要素100は、少なくともその頂部及び底部側縁面104において、耐磨耗性及び非付着性を改善する、即ち、パッケージ600からの材料が密封要素100に付着するのを防止するコーティングで、更にコーティングされ得る。コーティングは、25~55μmの範囲の厚さを有し得る。
【0048】
図2に示す密封要素100は、第1の側縁部110と、第1の側縁部110の反対側にある第2の側縁部112とを備える。各側縁部110、112上には、頂部及び底部側縁面104が配置される。
図2に示す実施形態は、頂部及び底部側縁面を設けられた2つの側縁部110、112を備えるが、密封要素100は、他の実施形態では、このタイプのより少ない又はより多い側縁部110、112、114、116を備え得る。
【0049】
見られるように、頂部及び底部側縁面104の両方は、頂部及び底部側縁面104が延長平面Aを中心として鏡映され、互いに反対に面するように、本体102の延長平面Aに鋭角αで配置される。密封要素100を、このことから、各側縁面104が当接部400に面するように基部200に取り付けることができ、密封要素100の寿命を延ばすことができる。密封要素100は、1つの側縁面104が摩耗すると、基部200上で回転/再方向付けされ、全ての側縁面104が消費される前に各密封要素100の使用を延長する。角度αは、40°~50°の範囲、好ましくは約45°であり得る。
【0050】
図2に示す実施形態における密封要素100は、基部200に密封要素100を取り付けるために使用される据え付け手段106を備える。各据え付け手段106は、基部200への取り付けのためにねじなどの締結具が受け入れられ得る、任意選択でねじ切りされた穴であり得る。基部200に密封要素100を取り付ける他の方法も、クリップ又は他のタイプのクイックコネクタなどによって考慮される。
【0051】
既に述べたように、密封要素100は、パッケージに密封を提供するために加熱され得、加熱された密封要素100は、結合が生じて密封を形成するように、パッケージ中の材料を少なくとも部分的に溶融する。密封要素100中の熱量は、密封デバイス1000によって変更され得、それは、良好な密封を作成するのに必要なパッケージ600との接触時間に影響を及ぼす。接触時間を短縮することは、機械中の各顎部によって製造することができる密封パッケージの量を増加させるので、有益である。
【0052】
ここで、遮蔽要素300を示している
図3を参照する。遮蔽要素300は、据え付け手段304、好ましくは穴304を備え得、それは、ねじなどの適切な締結具による基部200又は密封要素100のうちのいずれかへの取り付けを可能にする。遮蔽要素300は、パッケージ600が密封要素100又は基部200と接触するのを防止することを意図された延在部302を更に備える。延在部302は、基部200に据え付けられたときに密封要素100の側縁面104の平面の近く又は平面中の位置まで、密封要素100の下で延在する。好ましくは、遮蔽要素300は、基部200又は密封要素100からの熱が延在部302に拡散することを防止するために、低い熱伝導性を有する材料から作られる。
【0053】
図4は、基部200の詳細図を示す。基部200は、密封要素100が取り付けられる据え付け面202を備え得る。据え付け面202は、好ましくは、密封要素100がそれに取り付けられたときに、当接部400に面する側縁面104が本質的に垂直に配置されるように配置/傾斜される。
【0054】
更に示しているのは、基部200が、基部200に熱要素500を接続するための接続部206を備え得ることである。更に、基部200は、基部200に密封要素100を取り付けるために使用される据え付け手段204を備え得る。基部200が熱要素500に接続される実施形態では、基部200の熱伝導性は、密封要素100の熱伝導性に対応し得、熱が密封要素100に伝達されることを可能にするために100W/mKを超え得る。熱要素500が代わりに密封要素100に直接接続される実施形態では、基部200の熱伝導性はあまり重要ではないが、密封要素100から基部200への伝熱を防止するために低い熱伝導性を有することが望ましい可能性がある。
【0055】
実際の試験では、黄銅から作られ、40μm(+/-10μm)の厚さで塗布された商標Impreglon TC10S45で市販されているコーティングを設けられた、
図2の実施形態による密封要素が、
図1によるデバイス中で使用された。密封要素は、交換が必要になる前に、約450000回の密封サイクルに使用することができる。
【0056】
ここで、密封デバイス1000の別の実施形態を示す
図5を参照する。
図5~12に示す実施形態における特徴の多くは、
図1に示すデバイス1000及び
図2~4に示す実施形態と共有されるので、異なる特徴のみが以下に詳述され、可能な限り共通の特徴の説明は回避される。
【0057】
図5に示す密封デバイス1000は、基部200に着脱可能に取り付け可能な密封要素100を備える。
図5に示す実施形態では、任意選択の熱要素500は、密封要素100に接続する。
図5及び6に示す密封要素100は、しかしながら、
図1及び4に示す基部200と共に機能するように構成することができ、熱要素500は、代わりに基部200に接続される。
【0058】
図5に示すように、保護要素300も任意選択で設けられ、保護要素300は、
図7に示す据え付け手段304によって密封要素100に直接接続する。代替として、保護要素300は、
図1に示すように基部200に接続するように構成され得る。
【0059】
図6は、一実施形態による密封要素100を示す。
図6に示す密封要素100は、各側縁部110、112上の頂部及び底部側縁面104を分離する溝120を備える。頂部及び底部側縁面104の分離は、側縁面104のうちの一方に生じる最終的な損傷が各側縁部110、112上の他方の側縁面に影響を及ぼすリスクを低減する。更に示していることは、密封要素100が、熱要素500を接続するための接続部118を設けられ得ることである。
【0060】
図8は、密封要素100を支持するように構成された基部200を示す。
図8に示す実施形態が
図5の密封デバイス1000の実施形態に関連するので、それは、熱要素500が代わりに密封要素100に接続し得るので、熱要素500用の接続部を備えない。それは、基部200への密封要素100の取り付けを可能にする据え付け手段204を各々が有する2つの部分に分割されて示している据え付け面202を備える。
【0061】
図9は、密封デバイス1000の別の実施形態を示しており、それにおいて、密封要素100は、1つの側縁部110のみを設けられる。密封要素100は、熱要素500に接続された基部200に接続されている。基部200にも接続された遮蔽要素300が設けられる。
【0062】
図10では、密封要素100を側面図で示している。溝120によって分離された頂部及び底部側縁面104を有する1つの側縁部110を備える密封要素100を示している。側縁部110の反対側の密封要素100の側は平坦であり、基部200に取り付けられるように構成される。
図10に示す密封要素100は、頂部及び底部側縁面104を分離する溝120を設けられないことがあることが理解されるべきである。密封要素100は、各側縁面104を当接部400に面して配置することができるように、密封要素100が基部200に取り付けられることを可能にする据え付け手段106を備える。
【0063】
図11は、据え付け手段304によって基部200に取り付けられるように構成された遮蔽要素300を示し、延在部302は、パッケージ600が密封要素100又は基部200と接触するリスクを低減する。
【0064】
図12は、側縁部110の反対側の密封要素100の平坦な側に面することを意図された据え付け面202を備える基部200を示す。据え付け面202は、基部200に密封要素100を取り付けるための据え付け手段204を設けられる。本明細書の全ての実施形態にあるように、据え付け面202は、各側縁面104が当接部400に面するように配置され、好ましくは、基部200に取り付けられたときに本質的に垂直に配置される。
【0065】
図13は、密封要素100の更なる実施形態を示す。
図13に示す密封要素100は、互いとは反対側にあり、第1の側縁部110に隣接する第3及び第4の側縁部114、116を備える。第3及び第4の側縁部114、116の各々は、対応する頂部及び底部側縁面104を設けられる。密封要素100は、このことから、8つの側縁面104を備え、それらは全て、当接部400に面するように基部200上に配置することができる。各側縁面104は、好ましくは、同じ大きさであるので、密封要素100は、形状が正方形である。しかしながら、密封要素100は、三角形、五角形、六角形、等などの他の形状を有することができることも考慮される。
【0066】
据え付け手段106は、密封要素100を側縁面104が存在するのと等しい数の位置で基部200に取り付けることができるように、本体102上に設けられて配置され得、それによって、側縁面104の各々を、当接部400に面して配置することができる。
【0067】
最後に、一実施形態による密封要素100と当接部400との間の境界面の詳細図を示す
図14を参照する。当接部400は、示すように、当接面402を備え得る。当接面402は、好ましくは、弾性であり、それは、側縁面104上に均一な圧力を提供することを容易にする。密封されようとしているときに、パッケージ600が密封要素100と当接部400との間でどのように方向付けられるかを更に示す。
【0068】
本発明は、示した実施形態に限定されないことが認識されるであろう。このことから、いくつかの修正形態及び変形形態が本発明の範囲内で考えられ、それは、このことから、添付の特許請求の範囲によって排他的に定義される。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] パッケージ(600)を密封するための密封要素(100)であって、前記密封要素(100)は、前記パッケージ(600)に密封を提供するために前記パッケージ(600)と係合するための当接部(400)と協働するように構成され、前記密封要素(100)は、
頂部及び底部側縁面(104)を設けられた第1の側縁部(110)を有する本体(102)
を備え、前記頂部及び底部側縁面(104)の各々は、前記頂部及び底部側縁面(104)が延長平面(A)を中心として鏡映され、互いに反対に面するように、前記本体(102)の前記延長平面(A)に鋭角(α)で配置され、
前記本体(102)は、100W/mKを超える熱伝導性を有する金属材料から作られる、密封要素(100)。
[2] 前記第1の側縁部(110)とは反対側の第2の側縁部(112)を更に備え、対応する頂部及び底部側縁面(104)を設けられる、[1]に記載の密封要素(100)。
[3] 互いとは反対側にあり、前記第1の側縁部(110)に隣接する第3及び第4の側縁部(114,116)を更に備え、前記第3及び第4の側縁部(114,116)の各々は、対応する頂部及び底部側縁面(104)を設けられる、[1]又は[2]に記載の密封要素(100)。
[4] 前記本体(102)は、少なくとも前記頂部及び底部側縁面(104)を覆うコーティングを設けられ、前記コーティングは、25~55μmの範囲の厚さを塗布される、[1]~[3]のうちのいずれか一項に記載の密封要素(100)。
[5] 密封デバイス(1000)に前記密封要素(100)を据え付けるための据え付け手段(106)を更に備える、[1]~[4]のうちのいずれか一項に記載の密封要素(100)。
[6] 各側縁部(110,112,114,116)は、前記頂部及び底部側縁面(104)を分離する溝(120)を設けられる、[1]~[5]のうちのいずれか一項に記載の密封要素(100)。
[7] パッケージ(600)を密封するためのデバイス(1000)であって、
[1]~[6]のうちのいずれか一項に記載の、又は頂部及び底部側縁面(104)を設けられた第1の側縁部(110)を有する本体(102)を備える、密封要素(100)と、前記頂部及び底部側縁面(104)の各々は、前記頂部及び底部側縁面(104)が延長平面(A)を中心として鏡映され、互いに反対に面するように、前記本体(102)の前記延長平面(A)に鋭角(α)で配置される、
当接部(400)と、
基部(200)と
を備え、前記密封要素(100)は、前記基部(200)に対して着脱可能に支持され、前記基部(200)及び前記当接部(400)のうちの少なくとも1つは、前記パッケージ(600)に密封を提供するために反対側からの前記パッケージ(600)との前記基部(200)及び前記当接部(400)の係合を可能にするように移動可能に配置され、前記密封要素(100)は、各側縁部(110,112,114,116)上の前記頂部又は底部側縁面(104)が前記当接部(400)に面して選択的に配置されるように前記基部(200)に取り付け可能である、パッケージ(600)を密封するためのデバイス(1000)。
[8] 前記当接部(400)は、弾性当接面(402)を備える、[7]に記載のパッケージ(600)を密封するためのデバイス(1000)。
[9] 少なくとも前記密封要素(100)を加熱するように構成された熱要素(500)を更に備える、[7]又は[8]に記載のパッケージ(600)を密封するためのデバイス(1000)。
[10] 前記熱要素(500)は、前記密封要素(100)を一定加熱するように構成される、[9]に記載のパッケージ(600)を密封するためのデバイス(1000)。