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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】容器の上昇及び下降
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20240708BHJP
【FI】
B65G1/04 555Z
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022544769
(86)(22)【出願日】2021-01-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-25
(86)【国際出願番号】 EP2021051531
(87)【国際公開番号】W WO2021148657
(87)【国際公開日】2021-07-29
【審査請求日】2022-08-24
(31)【優先権主張番号】2001012.0
(32)【優先日】2020-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2003101.9
(32)【優先日】2020-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】515134368
【氏名又は名称】オカド・イノベーション・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100212705
【弁理士】
【氏名又は名称】矢頭 尚之
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ベンフォールド、ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】ポーパ、ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ハーマン、マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ピッライ、ビピン
(72)【発明者】
【氏名】ウェラン、マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ヨハニソン、ビルヘルム
(72)【発明者】
【氏名】ハリソン、リアム
【審査官】内田 茉李
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-524625(JP,A)
【文献】国際公開第2019/137870(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/206437(WO,A1)
【文献】特開2019-116386(JP,A)
【文献】特表2019-508341(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0145058(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
保管構造(1)中のスタック(11)中に積み重ねられた容器(9)を持ち上げて移動させるための積み荷取り扱いデバイス(31)であって、前記保管構造(1)は、容器(9)の前記スタック(11)の上方に、第1の方向に延在するトラックの第1のセット(17)と、前記第1の方向に対して横方向の第2の方向に延在するトラックの第2のセット(19)とを含み、前記積み荷取り扱いデバイス(31)は、前記スタック(11)の上方の前記トラック(17,19)上を移動するように構成され、前記積み荷取り扱いデバイス(31)は、
上部(45)及び下部(47)を有する本体(33)と、前記上部(45)は、1つ以上の動作構成要素を格納するように構成され、前記下部(47)は、前記上部(45)の真下に配置され、前記下部(47)は、容器(9)の少なくとも一部を収容するための容器受け入れ空間を備える、
前記本体(33)を支持するように配置された車輪アセンブリと、前記車輪アセンブリは、前記第1の方向への前記積み荷取り扱いデバイス(31)の移動を案内するために前記トラックの第1のセット(17)と係合するための車輪の第1のセット(35)と、前記第2の方向への前記積み荷取り扱いデバイス(31)の移動を案内するために前記トラックの第2のセット(19)と係合するための車輪の第2のセット(37)とを備える、
前記車輪の第1のセット(35)を前記トラックの第1のセット(17)と選択的に係合するか又は前記車輪の第2のセット(37)を前記トラックの第2のセット(19)と選択的に係合するかのうちのいずれかのための車輪位置決め機構と、前記車輪位置決め機構は、前記本体(33)に対して前記車輪の第1のセット(35)又は前記車輪の第2のセット(37)を上昇させるか又は下降させ、それによって、前記積み荷取り扱いデバイス(31)が、前記保管構造(1)の前記トラック(17,19)を横切って前記第1の方向又は前記第2の方向のうちのいずれかに選択的に移動することを可能にするように構成される、
容器(9)を解放可能に把持するように構成された容器把持アセンブリ(43)と、前記容器把持アセンブリ(43)を上昇及び下降させるように構成された上昇及び下降アセンブリ(51,70,80,90,100)とを備える容器持ち上げ機構(39)と
を備え、
前記上昇及び下降アセンブリ(51,70,80,90,100)は、前記容器把持アセンブリ(43)を上昇及び下降させるように構成された単一のモータ(52,222,232)と、
スプールの第1のセット(57,67)及びスプールの第2のセット(62,68)と、各スプールの前記第1のセット(57,67)及び第2のセット(62,68)は、前記容器把持アセンブリ(43)に固着された第1の端部と前記スプールに固着された第2の端部とを有する持ち上げテザーを支え、
回転可能なシャフト(56)と、前記第1のセット(57,67)は、前記回転可能なシャフト(56)が前記スプールの第1のセット(57,67)に共通するように前記回転可能なシャフト(56)に据え付けられ、
駆動プーリ(55)及び前記駆動プーリ(55)への接続による前記単一のモータ(52)による前記回転可能なシャフト(56)の回転が前記スプールの第1のセット(57,67)を駆動するように、前記スプールの第1のセット(57,67)に共通の前記回転可能なシャフト(56)上に据え付けられたタイミングプーリの第1のセット(59,63)と、
前記駆動プーリ(55)への接続による前記単一のモータ(52)による前記回転可能なシャフト(56)の回転が前記スプールの第2のセット(62,68)を駆動するように、複数のタイミングベルト(54,60,64)のうちの1つ以上を介して前記タイミングプーリの第1のセット(59,63)に接続されるタイミングプーリの第2のセット(61,65)と、
を備える、積み荷取り扱いデバイス(31)。
【請求項2】
前記単一のモータ(52)は、前記シャフト(56)の外側に据え付けられる、請求項1に記載の積み荷取り扱いデバイス(31)。
【請求項3】
前記駆動プーリ(55)は、前記タイミングプーリの第1のセットのうちの1つである、請求項1又は2に記載の積み荷取り扱いデバイス(31)。
【請求項4】
前記単一のモータ(52)の前記駆動プーリ(55)への接続が、第1のタイミングプーリ(53)と単一のベルト(54)を備え、前記単一のベルト(54)が、前記スプールの第1のセット及び前記スプールの第2のセットの回転を駆動するように、前記第1のタイミングプーリ(53)と前記駆動プーリ(55)とタイミングプーリ(61)の前記第2のセットのうちの一つの周りに張設される、請求項3に記載の積み荷取り扱いデバイス(31)。
【請求項5】
前記第1及び/又は第2のセットのタイミングプーリのうちの少なくとも1つは、スプールの前記第1及び/又は第2のセットの少なくとも1つのスプールに据え付けられる、請求項1~4のうちのいずれか一項に記載の積み荷取り扱いデバイス(31)。
【請求項6】
前記第1及び/又は第2のセットのスプールのうちの前記少なくとも1つは、前記第1及び/又は第2のセットのタイミングプーリのうちの前記少なくとも1つに対して、その回転軸を中心としてスプールの前記第1及び/又は第2のセットの前記少なくとも1つのスプールを回転可能に調整するための調整可能機構を備える、請求項5に記載の積み荷取り扱いデバイス(31)。
【請求項7】
前記上昇及び下降アセンブリ(51)は、前記タイミングベルト(54,60,64)における張力を維持又は調整するように構成された1つ以上のテンショナ(66)を備える、請求項1~6のうちのいずれか一項に記載の積み荷取り扱いデバイス(31)。
【請求項8】
前記上昇及び下降アセンブリ(51)は、前記積み荷取り扱いデバイス(31)の前記本体(33)上に解放可能に据え付け可能なフレーム構造(69)を備える、請求項1~7のうちのいずれか一項に記載の積み荷取り扱いデバイス(31)。
【請求項9】
前記単一のモータ(52,222,232)の出力は、ギアリング機構を介して前記容器把持アセンブリ(43)に接続される、請求項1~8のうちのいずれか一項に記載の積み荷取り扱いデバイス(31)。
【請求項10】
アパーチャが、前記上昇及び下降アセンブリ(51)によって画定され、前記アパーチャは、構成要素が前記アパーチャを通って前記積み荷取り扱いデバイス(31)の前記本体(33)中に挿入又はそれから取り外されることを可能にするようにサイジング及び構成される、請求項1~9のうちのいずれか一項に記載の積み荷取り扱いデバイス(31)。
【請求項11】
前記上昇及び下降アセンブリ(51)は、通信ケーブルを含み、前記単一のモータ(52,222,232)は、前記容器把持アセンブリ(43)と共に前記通信ケーブルの先端を上昇及び下降させるように構成される、請求項1~10のうちのいずれか一項に記載の積み荷取り扱いデバイス(31)。
【請求項12】
請求項1~11のうちのいずれか一項に記載の積み荷取り扱いデバイス(31)によって実行するための方法であって、
単一のモータ(52)の出力の第1の方向への回転を引き起こし、それによって、容器把持アセンブリ(43)を保管構造(1)中の容器(9)のスタック(11)中に積み重ねられた容器(9)まで下降させることと、
前記容器(9)を前記容器把持アセンブリ(43)が上昇及び下降させることができるように、前記容器把持アセンブリ(43)を前記容器(9)と係合させることと、
前記単一のモータ(52)の前記出力の第2の方向への回転を引き起こし、それによって、前記容器把持アセンブリ(43)及び係合された前記容器(9)を上昇させることと
を備える、方法。
【請求項13】
保管及び取り出しシステムであって、
第1の方向に延在するトラックの第1のセット(17)及び第2の方向に延在するトラックの第2のセット(19)の真下のスタック(11)中に容器(9)を保管するように構成された保管構造(1)と、
複数の請求項1~11のうちのいずれか一項に記載の積み荷取り扱いデバイス(31)と
を備える、保管及び取り出しシステム。
【請求項14】
前記複数の積み荷取り扱いデバイス(31)は、請求項12に記載の方法を実行するように構成される、請求項13に記載の保管及び取り出しシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の上昇及び下降に関する。特に、本発明は、積み荷取り扱いデバイスの本体に対する容器の上昇及び下降を引き起こすための積み荷取り扱いデバイス、方法、コンピュータ可読記憶媒体、並びに保管及び取り出しシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許請求の範囲に記載された装置、方法、システム、及びコンピュータプログラムは、積み荷取り扱いデバイスの本体に対する容器の上昇及び下降に関する改善を提供することを意図される。それらは特に、必ずしも排他的ではないが、保管構造と併せて使用され得る保管容器の上昇及び下降に関する改善を提供することを意図され、保管構造の上で、複数の積み荷取り扱いデバイスが、保管構造に対して異なる位置で保管容器を収集又は降ろすために移動し得る。
【発明の概要】
【0003】
実施形態によると、請求項1に記載の積み荷取り扱いデバイスが提供される。
【0004】
更なる実施形態によると、請求項20に記載の方法が提供される。
【0005】
更なる実施形態によると、コンピュータ可読記憶媒体が提供される。
【0006】
更なる実施形態によると、請求項26に記載の保管及び取り出しシステムが提供される。
【0007】
本願は、2020年1月24日に出願された英国特許出願第GB2001012.0号及び2020年3月4日に出願された英国特許出願第GB2003101.9号の優先権を主張し、これらの出願の内容は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0008】
本出願の1つの目的は、耐障害性又は耐故障性の積み荷取り扱いデバイスを提供することである。本発明の別の目的は、障害又は故障が検出された場合又は発生した場合に、自己回復又は少なくとも部分的に自己回復することが可能な積み荷取り扱いデバイスを提供することである。
【0009】
複数のグリッド空間を備えるグリッドパターンを形成するために、平行なレール又はトラックの第1のセットと、実質的に水平な平面内でレール又はトラックの第1のセットに対して実質的に垂直に延在する平行なレール又はトラックの第2のセットとを備えるグリッドフレームワーク構造中に積み重ねられた保管容器を持ち上げて移動させるための積み荷取り扱いデバイスが提供され、グリッドは、容器が複数のグリッド空間を通して垂直方向に直立材の間に積み重ねられ、直立材によって案内されるように、グリッドの真下に複数の垂直保管ロケーションを形成するために、直立材のセットによって支持され、積み荷取り扱いデバイスは、平行なトラックの第1のセットと係合するように配置された車輪の第1のセット及び平行なトラックの第2のセットと係合するように配置された車輪の第2のセット上に据え付けられた本体と、平行なトラックの第1のセットに沿った第1の方向に積み荷取り扱いデバイスを駆動するか、又は平行なトラックの第2のセットに沿った第2の方向に積み荷取り扱いデバイスを駆動するための駆動アセンブリとを備え、駆動アセンブリは、車輪の第1のセットを駆動するための少なくとも2つのモータと、車輪の第2のセットを駆動するための少なくとも2つのモータと、モータから車輪に駆動を伝達するためのモータの数に対応するいくつかのギア構成とを備え、モータは、駆動される車輪に対して垂直且つ駆動車輪の回転軸に対して平行な面上に配置され、モータの駆動シャフトは、面に沿って延在する。
【0010】
このようにして、積み荷取り扱いデバイスは、第1の方向即ちx方向に移動するように、又は第2の方向即ちy方向に移動するように、車輪の第1のセット及び車輪の第2のセットに選択的に動力供給又は駆動することによって、グリッド空間の全てへとトラックに沿って動くことが可能である。駆動される車輪は、順方向及び逆方向に駆動され得る。移動方向及びグリッドパターン自体の柔軟性は、積み荷取り扱いデバイスが特定のグリッドロケーションへの特定の経路を移動することを必要とされず、代わりに、積み荷取り扱いデバイスがグリッド上の障害物、例えば他の積み荷取り扱いデバイスを避けて動くことができることを意味する。
【0011】
駆動モータが駆動している車輪に対して垂直な面上に駆動モータが配置されることの利点は、モータが積み荷取り扱いデバイスの面内に、即ち、積み荷取り扱いデバイスの周囲を横切って延在して配置され得ることである。この構成は、本体の中央部分が開放されたままであるか、又は駆動モータ若しくは駆動シャフトから離れており、空洞を残すことを意味する。空洞は、積み荷取り扱いデバイスの他の構成要素を格納するために使用され得る。又は、空洞は、積み荷取り扱いデバイスがグリッド上で別のロケーションへと動く間に、持ち上げられた保管容器を受け入れ、持ち上げられた保管容器を格納するために使用され得る。
【0012】
駆動モータの構成の別の利点は、駆動シャフトが、直接駆動ハブモータ構成などの、積み荷取り扱いデバイス本体を横切って延在しない他のモータ構成よりも著しく長くなり得ることである。
【0013】
第1の方向即ちx方向に積み荷取り扱いデバイスを駆動するための少なくとも2つのモータを有し、第2の方向即ちy方向に積み荷取り扱いデバイスを駆動するための少なくとも2つのモータを有することによって、両方向に積み荷取り扱いデバイスを駆動するための冗長性があることが認識されるであろう。有利には、車輪のセットに対して1つのモータが故障した場合であっても、積み荷取り扱いデバイスは、依然として、グリッドの縁部又は修理エリアに「リンプホーム」することが可能であろう。有利には、これは、障害のある積み荷取り扱いデバイスが回復及び修理される間、グリッドが完全に動作可能であり続け得、障害のある積み荷取り扱いデバイスが回復される間、グリッド動作の停止の必要性を低減することを意味する。有利には、これは、グリッドが効率的に動作し得ることを保証するのに役立つ。
【0014】
車輪の第1のセットは、積み荷取り扱いデバイスの第1の面上の2つの車輪と、積み荷取り扱いデバイスの第1の対向面上の2つの車輪とを備え得、車輪の第2のセットは、積み荷取り扱いデバイスの第1の面に対して垂直な積み荷取り扱いデバイスの面上の2つの車輪と、積み荷取り扱いデバイスの第2の対向面上の2つの車輪とを備え得、積み荷取り扱いデバイスの各面上の少なくとも1つの車輪は、それぞれのモータによって駆動され得る。
【0015】
駆動モータのない車輪、即ち非駆動車輪は、積み荷取り扱いデバイスが車輪のセットうちの他の車輪によって駆動されるときに自由に回転することを可能にされる遊動輪であり得る。このようにして、必要とされるモータの数が低減され、それによって、資本コスト、積み荷取り扱いデバイスの空間コスト、並びに、グリッドの周りを移動するように積み荷取り扱いデバイスを動作させるために部品を同期させるのに必要とされる通信及び制御の量が節約される。
【0016】
積み荷取り扱いデバイスの各側の1つの車輪が駆動されることが認識されるであろう。対向側の駆動される車輪は、積み荷取り扱いデバイスが駆動されているときに積み荷取り扱いデバイスに対して生じ得る任意のねじれ力を有利に制限するために、互いに対角線上に対向し得る。それ故に、これは、積み荷取り扱いデバイスがトラックリミットを超えてふらつくであろう可能性をより低くし、積み荷取り扱いデバイスが駆動されているときに転倒するであろう可能性をより低くする。
【0017】
車輪の第1のセット及び車輪の第2のセットの各車輪は、それぞれのモータによって駆動され得る。
【0018】
車輪の各々がそれぞれのモータによって駆動され得るとき、更なる冗長性が導入されることが認識されるであろう。更に、各方向に対して4つのモータを使用して、各方向に対して2つのモータと比較して2倍の速度で積み荷取り扱いデバイスを駆動することが可能であり得ることが認識されるであろう。また更に、各方向に全ての車輪を駆動することによって、積み荷取り扱いデバイスが駆動されているときに積み荷取り扱いデバイスに対してねじり力が導入される可能性がなくなることが認識されるであろう。
【0019】
車輪の第1のセットのうちの少なくとも1つ及び車輪の第2のセットのうちの少なくとも1つは、第1の電源によって電力供給されるモータ(複数可)によって駆動され得、車輪の第1のセットのうちの少なくとも1つ及び車輪の第2のセットのうちの少なくとも1つは、第2の電源によって電力供給されるモータ(複数可)によって駆動され得、第1の電源及び第2の電源は独立又は別個である。
【0020】
このようにして、駆動されることを必要とされる車輪のみがいつでも駆動され得る。例えば、車輪の全てがトラックと係合される場合、積み荷取り扱いデバイスは、第1の方向へも第2の方向へも移動することができず、従って、車輪のいずれも駆動されるべきではないことが認識されるであろう。この構成では、積み荷取り扱いデバイスは、「駐車」構成にあると考えられ得る。代替として、車輪の1つのセットがトラックと係合されるが、車輪の係合されたセットが駆動されないときに、積み荷取り扱いデバイスは駐車されていると考えられ得る。有利には、駐車構成では、積み荷取り扱いデバイスは、グリッド上にある間、停止され得る。いくつかの状況では、例えば、グリッド上で作業を実行するリスクを低減するために、グリッド上で動作している全ての積み荷取り扱いデバイスを停止する必要があり得る。
【0021】
特定の移動方向に必要とされる車輪のみが駆動され得ることが認識されるであろう。有利には、これは、積み荷取り扱いデバイスの電源に対する負荷を低減し得る。
【0022】
車輪の第1のセットのうちの2つ及び車輪の第2のセットのうちの2つは、第1の電源によって電力供給されるモータによって駆動され、車輪の第1のセットのうちの2つ及び車輪の第2のセットのうちの少なくとも1つは、第2の電源によって電力供給されるモータ(複数可)によって駆動される。第1の電源及び/又は第2の電源は、少なくとも2つの独立した部分に細分される。
【0023】
このようにして、1つの電源又は電源の下位部分に障害があっても、積み荷取り扱いデバイスは、低減された容量で動作し続け得る。
【0024】
積み荷取り扱いデバイスは、車輪の第1のセット又は車輪の第2のセットを選択的に駆動するための手段を更に備え得る。このことから、車輪の全てが特定の時間に駆動される必要はない。
【0025】
積み荷取り扱いデバイスは、車輪の第1のセット及び/又は車輪の第2のセットをそれぞれトラックの第1のセット及びトラックの第2のセットと選択的に係合させるための方向転換アセンブリを更に備え得る。
【0026】
有利には、車輪の各セットは、第1及び第2の方向への積み荷取り扱いデバイスの移動を可能にするために、トラックと選択的に係合され得る。積み荷取り扱いデバイスはまた、車輪の第1のセット及び車輪の第2のセットの両方がトラックと係合される駐車構成に移動され得る。
【0027】
方向転換アセンブリは、車輪の第1のセット用の方向転換プーリの第1のセットと、車輪の第2のセット用の方向転換プーリの第2のセットとを備え得、方向転換プーリは、選択的に車輪の第1のセット又は車輪の第2のセットを持ち上げて、車輪の第1のセット又は車輪の第2のセットをトラックから係合解除するように動作する。
【0028】
このようにして、車輪の各々用の方向転換アセンブリは、車輪の上方に配置され、車輪を垂直に移動させて、車輪をトラックと係合及び係合解除し得る。車輪は、積み荷取り扱いデバイスの本体に対して移動し得る。車輪のうちの少なくともいくつかは、積み荷取り扱いデバイスの本体を支持するために常にトラックと係合されることが認識されるであろう。
【0029】
このようにして、車輪の第1のセット及び車輪の第2のセットの両方が、積み荷取り扱いデバイスの本体に対して垂直方向即ちz方向に移動するように配置される。
【0030】
プーリの第1のセット及び/又は第2のセットのプーリは、各車輪用の方向転換モータによって、車輪の第1のセット又は車輪の第2のセットに対して一緒に動作され得る。
【0031】
積み荷取り扱いデバイスが効果的且つ効率的に動作するためには、車輪の各セットにおける車輪の全てが、一緒に下降及び/又は上昇即ちトラックと係合及び係合解除されるべきであることが認識されるであろう。
【0032】
車輪の第1のセット及び車輪の第2のセットは、車輪をトラックと選択的に係合及び係合解除するために、本体に対して同期して移動し得る。
【0033】
更に、方向転換動作が1つのステップで動作することができるように、車輪の第1のセットと車輪の第2のセットとを同期して移動させることが有利であり得ることが認識されるであろう。有利には、これは、車輪の第1のセット及び/又は車輪の第2のセットと係合するのに必要とされる時間を低減し得、それによって積み荷取り扱いデバイスがより迅速に動作することを可能にし得る。
【0034】
積み荷取り扱いデバイスは、グリッドの真下の保管ロケーションから保管容器を持ち上げ、及び/又は保管ロケーションに保管容器を下降させるための持ち上げアセンブリを更に備え得る。
【0035】
このことから、積み荷取り扱いデバイスは、保管容器を持ち上げ且つ下降させるための手段を設けられる。保管容器は、容器がグリッド上で新しいロケーションに移動され得るように、積み荷取り扱いデバイスの本体内の空洞中に受け入れられ得る。新しいロケーションは、異なる保管ロケーションであり得るか、又は新しいロケーションは、グリッド上の出口ロケーションであり得る。代替として、保管容器は、グリッド上の入口ロケーションから取り上げられ、保管ロケーションに移動され得る。それ故に、積み荷取り扱いデバイスは、保管及び取り出しシステム内で動作するのに適している。保管及び取り出しシステムは、自動化又は半自動化され得る。
【0036】
積み荷取り扱いデバイスは、グリッド上のロケーションを決定し、駆動アセンブリにおける障害又は故障を決定し、車輪の第1のセット又は車輪の第2のセットと平行なトラックとの係合を決定し、方向転換アセンブリにおける障害又は故障を決定し、及び/又は持ち上げアセンブリと容器との係合及び/又は係合解除を決定するための感知手段を更に備え得る。
【0037】
例えば、センサ手段は、駆動モータ、ホイスト、zホイスト又は持ち上げアセンブリモータ、方向転換モータ及び/又はグリッパモータの各々の上の過温度ゲージ又はセンサ、過電流センサ、開回路センサ又は検出器及び/又は短絡検出器、TGAケーブル又は機構上の不均衡トルク、ケーブル巻き取り機構上のセンサによって検出されたレベル外TGA、及び/又はTGAアセンブリ上のレベルセンサによって検出されたレベル外TGAを備え得る。
【0038】
グリッドフレームワーク構造上で動作する積み荷取り扱いデバイスを操作する方法が提供され、本方法は、車輪の第1のセット又は車輪の第2のセットを順方向又は逆方向に駆動するために1つ以上のモータを選択的に駆動するステップを備える。
【0039】
任意選択で、本方法は、集中制御設備から信号を受信するステップ、車輪の第1のセット又は車輪の第2のセットをトラックと選択的に係合させるステップ、グリッドを集中制御設備によって指定されたロケーションにナビゲートするステップ、及び/又は集中制御設備から信号を受信するステップ、受信した信号に基づいて方向転換機構を制御して、(a)車輪の第1のセットを平行なトラックの第1のセットと係合させるか、(b)車輪の第2のセットを平行なトラックの第2のセットと係合させるか、又は(c)車輪の第1及び第2のセットを平行なトラックの第1及び第2のセットと係合させて、積み荷取り扱いデバイスを駐車させるステップ、及び/又は集中制御設備から信号を受信するステップ、グリッド上の指定されたロケーションに移動するステップ、及びグリッドの真下の保管ロケーションから容器を持ち上げるために持ち上げ動作を実行するか、又はグリッドの真下の保管ロケーションに容器を下降させるために下降動作を実行するステップを更に備え得る。
【0040】
このことから、積み荷取り扱いデバイスは、グリッドベースの保管及び取り出しシステム上で持ち上げ動作及び移動動作を実行するように制御され得る。
【0041】
グリッドベースの保管及び取り出しシステムが提供され、本システムは、複数のグリッド空間を備えるグリッドパターンを形成するために、平行なレール又はトラックの第1のセットと、実質的に水平な平面内でレール又はトラックの第1のセットに対して実質的に垂直に延在する平行なレール又はトラックの第2のセットとを備えるグリッドフレームワーク構造であって、グリッドは、容器が複数のグリッド空間を通して垂直方向に直立材の間に積み重ねられ、直立材によって案内されるように、グリッドの真下に複数の垂直保管ロケーションを形成するために、直立材のセットによって支持される、グリッドフレームワーク構造と、グリッドフレームワーク構造上で動作する少なくとも1つの積み荷取り扱いデバイスと、少なくとも1つの積み荷取り扱いデバイス(複数可)を制御するための集中制御ユーティリティとを備える。
【0042】
少なくとも1つの積み荷取り扱いデバイスは、通信手段を更に備え得、保管システムの集中制御ユーティリティは、少なくとも1つの積み荷取り扱いデバイス上の通信手段と通信するための通信手段を備える。
【0043】
集中制御ユーティリティは、少なくとも1つの積み荷取り扱いデバイスの状態を遠隔監視する。積み荷取り扱いデバイスの機能不全及び/又は故障が検出された場合、積み荷取り扱いデバイスは、非機能不全及び非故障手段を使用してメンテナンスエリア又はグリッドの縁部に移動するように命令され得る。
【0044】
集中制御ユーティリティは、グリッド上で動作している少なくとも1つの積み荷取り扱いデバイスと通信して、グリッド上の特定のロケーションに移動するように積み荷取り扱いデバイスに命令し得る。
【0045】
更に、積み荷取り扱いデバイスは、スタックから容器を持ち上げ、容器をグリッド上の別のロケーションに移動させるように命令され得、及び/又は容器をグリッドの真下のスタック位置に下降させるように積み荷取り扱いデバイスに更に命令し得る。
【0046】
複数のグリッド空間を備えるグリッドパターンを形成するために、平行なレール又はトラックの第1のセットと、実質的に水平な平面内でレール又はトラックの第1のセットに対して実質的に垂直に延在する平行なレール又はトラックの第2のセットとを備えるグリッドフレームワーク構造中に積み重ねられた保管容器を持ち上げて移動させるための積み荷取り扱いデバイスが提供され、グリッドは、容器が複数のグリッド空間を通して垂直方向に直立材の間に積み重ねられ、直立材によって案内されるように、グリッドの真下に複数の垂直保管ロケーションを形成するために、直立材のセットによって支持され、積み荷取り扱いデバイスは、平行なトラックの第1のセットと係合するように配置された車輪の第1のセット及び平行なトラックの第2のセットと係合するように配置された車輪の第2のセット上に据え付けられた本体と、積み荷を支持、上昇、及び下降させるために配置されたスリングアセンブリを備える持ち上げアセンブリとを備え、スリングアセンブリは、積み荷取り扱いデバイスの本体に据え付け可能な支持体と積み荷を支持するためのグリッパプレートとの間に延在するスリングを備え、スリングの第1の端部は、ホイストドラムに取り付けられ、スリングの第2の端部は、ホイストドラムに取り付けられる。
【0047】
持ち上げアセンブリ又はTGA(トートグリッパアセンブリ)は、スリングを備える。スリングは、持ち上げテープ又はワイヤを備え得る。通常の使用では、典型的には、スリングの両端は、積み荷を持ち上げ且つ下降させるために、巻き取られる即ち巻き付けられ、巻き解かれる即ち巻き出されるであろう。有利には、スリングの一端のみが巻き取られるか又は巻き解かれ得、1つのホイストドラムのみが動作可能な状態で持ち上げアセンブリが動作可能であり続けることを可能にする。
【0048】
スリングの第1の端部は、第1のホイストドラムに取り付けられ得、スリングの第2の端部は、第2のホイストドラムに取り付けられ、第1のホイストドラムは、第1のモータによって駆動され、第2のホイストドラムは、第2のモータによって駆動される。
【0049】
ホイストドラムは、持ち上げアセンブリに冗長性を有利に提供するように独立して動作可能であり得る。有利には、これは、障害又は電力低下があっても、積み荷取り扱いデバイスが動作し続けることを可能にし得る。これは、持ち上げ及び下降動作が通常の状況下よりも多くの時間を要するが、障害又は電力低下にもかかわらず持ち上げ及び下降動作が完了されることを可能にすることを意味し得ることが認識されるであろう。
【0050】
スリングの第1の端部及びスリングの第2の端部の両方は、同じホイストドラムに取り付けられ得、ホイストドラムは、1つ以上のモータによって駆動される。第1のモータ及び第2のモータは、それぞれの電源によって独立して電力供給され得る。持ち上げアセンブリは、少なくとも2つのスリングアセンブリを備え得る。
【0051】
いくつかの構成では、スリングの両端は、同じホイストドラムに取り付けられ得る。この構成は、より少ない空間を占めるという利点を有する。加えて、より少ない制御及び通信設備/容量が必要とされ得る。これは、加えて、持ち上げアセンブリの挿入及び取り外し、並びに/又は持ち上げアセンブリを通して若しくはその周りでの積み荷取り扱いデバイスの他の構成要素の取り外しをより容易にし得る。いくつかの構成では、ドラムは、冗長性を提供するために1つよりも多くのモータによって動作され得る。通常の動作では、これは、より大きい積み荷を持ち上げ且つ下降させることができることを意味するであろう。他の状況では、例えば、モータ又は電源が障害を起こしたとき、持ち上げアセンブリは、動作可能であり続け得る。
【0052】
複数のグリッド空間を備えるグリッドパターンを形成するために、平行なレール又はトラックの第1のセットと、実質的に水平な平面内でレール又はトラックの第1のセットに対して実質的に垂直に延在する平行なレール又はトラックの第2のセットとを備えるグリッドフレームワーク構造中に積み重ねられた保管容器を持ち上げて移動させるための積み荷取り扱いデバイスが提供され、グリッドは、容器が複数のグリッド空間を通して垂直方向に直立材の間に積み重ねられ、直立材によって案内されるように、グリッドの真下に複数の垂直保管ロケーションを形成するために、直立材のセットによって支持され、積み荷取り扱いデバイスは、平行なトラックの第1のセットと係合するように配置された車輪の第1のセット及び平行なトラックの第2のセットと係合するように配置された車輪の第2のセット上に据え付けられた本体と、持ち上げアセンブリとを備え、持ち上げアセンブリは、積み荷取り扱いデバイスの本体に据え付け可能な支持体上に据え付けられ、1つ以上のテープを巻き取るためのディスクホイストドラムと、積み荷を支持するためのグリッパプレートとを備え、1つ以上のテープは、ディスクホイストドラムとグリッパプレートとの間に延在する。
【0053】
いくつかの構成では、ドラムは、上からディスクのように見えるように、即ち、ドラム軸がz方向即ち垂直方向になるように据え付けられ得る。この構成では、ドラムは、軸がx、y平面内にあるように配置された場合に収容することが可能である直径よりも遙かに大きい直径を有し得る。大きい直径のドラムを有することは、ドラムが、ステップダウンギアリングを必要とせずに、小さい高RPMモータによって直接駆動され得ることを意味する。
【0054】
ディスクドラムは、単一のモータによって駆動され得る。単一のモータは、ディスクドラムへの直接駆動ウォームギア伝達であり得るか、又は単一のモータは、ディスクドラムへの直接駆動プーリギア伝達である。
【0055】
有利には、単一のモータを使用することは、コスト(空間及び資本)を低減し得る。ウォームギアを使用することは、有利には、ドラムが直接駆動され得、モータがドラムと同じ平面内に配置され得ることを意味する。更に、ウォームギア構成を使用することは、1つよりも多くのモータがドラムの周りに配置されることを可能にし、有利には冗長性を提供する。
【0056】
スリング又は1つ以上のテープは、プーリシステム中に配置され得る。
【0057】
プーリシステムは、積み荷を持ち上げ且つ下降させるのに必要とされる力を低減するために使用され得る。有利には、より薄いテープ又はワイヤが、そうでなければより遙かに強いテープを必要とするであろう積み荷を持ち上げるために使用され得る。
【0058】
持ち上げアセンブリは、グリッパプレート上に据え付けられた少なくとも1つのガイド又はガイドローラを更に備え得る。ガイドローラのうちの1つ以上は、動力補助ガイドローラであり得る。グリッパプレートは、グリッパプレート及び/又はグリッパプレートに取り付けられた積み荷のバランスを検出するための少なくとも1つのセンサを有する。
【0059】
ガイドローラ及びガイドローラは、持ち上げテープ又はワイヤが正しい位置に留まり、巻き取りが整然としてコンパクトなままであることを保証することによって、持ち上げアセンブリ及び積み荷取り扱いデバイスの耐久性動作を保証するのを助け得る。
【0060】
動力補助ガイドローラは、ドラムモータへの積み荷要件を低減し得る。更に、動力補助ガイドローラは、例えば、積み荷が不均一に分散しているとき、又は例えば、1つよりも多くのドラムモータがあり、それらが不均一に一致しているときに、積み荷レベルを保つために使用され得る。
【0061】
ガイドローラのうちの1つ以上は、可動張力付与ガイドローラであり得る。
【0062】
張力付与ローラは、特に持ち上げの速度又は方向が変更されるときに、持ち上げテープをピンと張った状態に保つために使用され得る。
【0063】
持ち上げアセンブリは、積み荷取り扱いデバイスの制御下にあり得る。グリッパプレートは、グリッパプレート及び/又はグリッパプレートに取り付けられた積み荷のバランスを検出するための少なくとも1つのセンサを有し得る。グリッパプレートは、少なくとも1つのグリッパアセンブリを備え得るか、又はグリッパプレートは、2つ以上のグリッパアセンブリを備え、好ましくは、グリッパプレートは、4つのグリッパアセンブリを備える。グリッパアセンブリ(複数可)は、保管容器上のラッチ凹部に位置的に対応するように配置され得る。グリッパアセンブリは、スリング又はテープを案内するために、積み荷取り扱いデバイス上に据え付けられたガイド及び/又はガイドローラを更に備え得る。
【0064】
グリッドフレームワーク中に積み重ねられた保管容器を持ち上げて移動させるための積み荷取り扱いデバイスを使用する方法が提供され、本方法は、集中制御設備から信号を受信して持ち上げ動作を実行するステップと、積み荷取り扱いデバイスを持ち上げロケーションまで操作するステップと、グリッパプレートを下降させてグリッパを容器の協働凹部中に挿入するステップと、グリッパに容器をラッチさせるステップと、グリッパプレート及び容器を積み荷取り扱いデバイスの空洞中に持ち上げるか、又は容器が真下に支持されるまでグリッパプレート及び容器を下降させるステップと、グリッパに容器を解放させるステップと、グリッパプレートを積み荷取り扱いデバイスの空洞中に持ち上げるステップとを備える。
【0065】
グリッドフレームワーク構造中に積み重ねられた保管容器を持ち上げて移動させるための積み荷取り扱いデバイスが提供される。積み荷取り扱いデバイスは、複数のグリッド空間を備えるグリッドパターンを形成するために、平行なレール又はトラックの第1のセットと、実質的に水平な平面内でレール又はトラックの第1のセットに対して実質的に垂直に延在する平行なレール又はトラックの第2のセットとを備え、グリッドは、容器が複数のグリッド空間を通して垂直方向に直立材の間に積み重ねられ、直立材によって案内されるように、グリッドの真下に複数の垂直保管ロケーションを形成するために、直立材のセットによって支持され、積み荷取り扱いデバイスは、平行なトラックの第1のセットと係合するように配置された車輪の第1のセット及び平行なトラックの第2のセットと係合するように配置された車輪の第2のセット上に据え付けられた本体と、保管容器にラッチするためのグリッパアセンブリとを備え、グリッパアセンブリは、ロック構成及び解放構成との間を移動可能な変形可能フレクシャ機構(flexure mechanism)を備える。
【0066】
グリッパアセンブリは、自動ロック式であり得る。
【0067】
積み荷取り扱いデバイスは、保管容器を把持し、保管容器を持ち上げ得る。グリッパアセンブリは、少なくとも2つの構成において安定しており、少なくともロック構成において自動ロック式である。グリッパは、材料の疲労限度未満で動作し、位置間で繰り返し移動可能である。このようにして、積み荷取り扱いデバイスは、保管容器を持ち上げて移動させるために、保管容器をしっかりと確実に把持することが可能である。
【0068】
双安定フレクシャは、アクチュエータと、フック端部を有する2つ以上のグリッパアームと、いくつかのヒンジ構成とを備え得、ヒンジ構成の数は、グリッパアームの数に対応し、各ヒンジ構成は、変形可能であり、それぞれのグリッパアームをアクチュエータに接続する。ヒンジ構成は、支点を備え、第1及び第2の変形可能なセクションは、支点のそれぞれの端部に接続する。支点は、実質的に三角形である。ロック構成では、支点はグリッパアームと係合し、コンプライアント機構(compliant mechanism)は開いているか又は広く、解放構成では、ヒンジの第1及び第2のセクションは曲げられ、コンプライアント機構は閉じているか又は狭い。
【0069】
グリッパアームのフック端部は、グリッパが保管容器の協働部分にラッチすることを可能にし、支点は、フレクシャがグリッパの故障なしに安定ロック位置を越えて移動することができないことを意味する。このことから、グリッパアセンブリ自体の構成は、保管容器を持ち上げて移動させる目的で、グリッパが保管容器に確実に固定可能であることを保証する。
【0070】
ヒンジ構成は、フック端部から離間したグリッパアームに接続され得、支点は、第1のヒンジ構成と第2のヒンジ構成との間の線の上方に延在し得るか、又は支点は、第1のヒンジ構成と第2のヒンジ構成との間の線の下方に延在する。グリッパアセンブリは、2つ以上のフレクシャ機構を備え得る。グリッパアセンブリは、4つのフレクシャ機構を備え得る。
【0071】
特定の構成は、グリッパアセンブリの意図される用途に依存し、意図される範囲は、本明細書に開示する特定の例に限定されないことが認識されるであろう。
【0072】
積み荷取り扱いデバイスは、保管容器を持ち上げるための手段を更に備え得、保管容器を持ち上げるための手段は、グリッパプレートを備え、グリッパアセンブリは、グリッパプレート上に据え付けられる。保管容器を持ち上げるための手段は、積み荷取り扱いデバイスの本体上に解放可能に据え付け可能であり得る。持ち上げテープは、グリッパアームに取り付けられ得る。
【0073】
フレクシャ機構は、3D印刷され得る。
【0074】
グリッドベースの保管及び取り出しシステムが提供され、本システムは、複数のグリッド空間を備えるグリッドパターンを形成するために、平行なレール又はトラックの第1のセットと、実質的に水平な平面内でレール又はトラックの第1のセットに対して実質的に垂直に延在する平行なレール又はトラックの第2のセットとを備えるグリッドフレームワーク構造であって、グリッドは、容器が複数のグリッド空間を通して垂直方向に直立材の間に積み重ねられ、直立材によって案内されるように、グリッドの真下に複数の垂直保管ロケーションを形成するために、直立材のセットによって支持される、グリッドフレームワーク構造と、グリッドフレームワーク構造上で動作する少なくとも1つの積み荷取り扱いデバイスと、少なくとも1つの積み荷取り扱いデバイス(複数可)を制御するための集中制御ユーティリティとを備える。
【0075】
少なくとも1つの積み荷取り扱いデバイスは、通信手段を更に備え得、保管システムの集中制御ユーティリティは、少なくとも1つの積み荷取り扱いデバイス上の通信手段と通信するための通信手段を備える。
【0076】
集中制御ユーティリティは、少なくとも1つの積み荷取り扱いデバイスの状態を遠隔監視する。
【0077】
積み荷取り扱いデバイスの機能不全及び/又は故障が検出された場合、積み荷取り扱いデバイスは、非機能不全及び非故障手段を使用してメンテナンスエリア又はグリッドの縁部に移動するように命令され得る。
【0078】
集中制御ユーティリティは、グリッド上で動作している少なくとも1つの積み荷取り扱いデバイスと通信して、グリッド上の特定のロケーションに移動するように積み荷取り扱いデバイスに命令し得る。
【0079】
更に、積み荷取り扱いデバイスは、スタックから容器を持ち上げ、容器をグリッド上の別のロケーションに移動させるように命令され得、及び/又は容器をグリッドの真下のスタック位置に下降させるように積み荷取り扱いデバイスに更に命令し得る。
【0080】
上昇及び下降アセンブリは、複数のスプールを備え得、複数のスプールの各スプールは、容器把持アセンブリに固着された第1の端部とスプールに固着された第2の端部とを有する持ち上げテザーを支え、複数のスプールは、容器把持アセンブリを上昇及び下降させるために、複数のタイミングプーリ、タイミングベルト、及び/又はギアを介して単一のモータによって駆動される。
【0081】
複数のスプールは、スプールの第1のセット及びスプールの第2のセットを備え得、スプールの第1のセットは、回転可能なシャフトがスプールの第1のセットに共通するように回転可能なシャフトに据え付けられ、回転可能なシャフトは、複数のタイミングプーリ、タイミングベルト、及び/又はギアのうちの少なくとも1つを介して単一のモータに接続されることによって回転され、スプールの第2のセットは、複数のタイミングプーリ、タイミングベルト、及び/又はギアのうちの1つ以上を介して回転可能なシャフトに接続されることによって単一のモータによって駆動される。
【0082】
複数のタイミングプーリは、駆動プーリ並びにタイミングプーリの第1のセット及び第2のセットを備え得、駆動プーリ及びタイミングプーリの第1のセットは、駆動プーリへの接続による単一のモータによる回転可能なシャフトの回転がスプールの第1のセット駆動するように、スプールの第1のセットに共通の回転可能なシャフト上に据え付けられる。本発明の目的のために、「駆動」という用語は、回転の意味での駆動を意味すると解釈される。
【0083】
タイミングプーリの第1のセットは、駆動プーリへの接続による単一のモータによる回転可能なシャフトの回転がスプールの第2のセットを駆動するように、複数のタイミングベルトのうちの1つ以上を介してタイミングプーリの第2のセットに接続され得る。
【0084】
駆動プーリは、プーリの第1のセットのうちの1つであり得る。これは、駆動プーリが回転可能なシャフト上に据え付けられたプーリの第1のセットのうちの1つの一部を形成することができるので、別個の駆動プーリを有する必要性を排除する。
【0085】
複数のタイミングプーリのうちの少なくとも1つのタイミングプーリは、複数のスプールのうちの少なくとも1つのスプールに据え付けられ得る。複数のスプールのうちの少なくとも1つは、複数のタイミングプーリのうちの少なくとも1つのタイミングプーリに対して、その回転軸を中心として少なくとも1つのスプールを回転可能に調整するための調整可能機構を備え得る。代替として、複数のタイミングプーリのうちの少なくとも1つのタイミングプーリは、複数のスプールのうちの少なくとも1つのスプールと一体であり得、即ち、単一の本体として形成され得る。しかしながら、タイミングプーリをスプールに据え付ける利点は、タイミングプーリ及び/又はタイミングプーリが据え付けられるシャフトに対してスプールを微調整するために、調整可能機構をスプールに組み込むことができることである。例えば、スプールがプーリ上にボルト留めされているとき、調節可能な機構は、スプールとタイミングプーリとの間の据え付けを互いに対して回転可能に調節して、シャフト上のスプールの角度位置を微調整することができるように、スロットの形態とすることができる。容器グリッパアセンブリは、複数の持ち上げテザー(例えばテープ)によって、より具体的には、容器グリッパアセンブリの各角部において吊り下げられるので、容器グリッパアセンブリが容器と係合するときに水平に保たれることが重要であり、そうでなければ、容器グリッパアセンブリは、容器と適切に係合することができないことがある。容器グリッパアセンブリが水平に保たれることを保証するために、複数のスプールと容器グリッパアセンブリとの間に延在する持ち上げテザーの長さは、実質的に等しくあるべきである。調節可能な機構は、そのそれぞれのタイミングプーリに対する1つ以上のスプールの角度位置が調節されることを可能にし、それによって、スプールと容器グリッパアセンブリとの間に延在する持ち上げテザーの長さを調節する。
【0086】
単一のモータは、スプールの第1のセットとスプールの第2のセットとを同期して駆動し得る。
【0087】
ここで、容器の上昇及び下降について、例を参照して詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0088】
図1】保管構造及び容器を概略的に例示する。
図2図1に例示する保管構造の上のトラックを概略的に例示する。
図3図1に例示する保管構造の上の積み荷取り扱いデバイスを概略的に例示する。
図4】容器持ち上げ手段が下降構成にある単一の積み荷取り扱いデバイスを概略的に例示する。
図5】容器持ち上げ手段が上昇及び下降構成にある単一の積み荷取り扱いデバイスの切り欠き図を概略的に例示する。
図6】積み荷取り扱いデバイス用の上昇及び下降アセンブリの一例を概略的に例示する。
図6a】積み荷取り扱いデバイス用の上昇及び下降アセンブリの第2の例を概略的に例示する。
図6b図6aの例のスプールとタイミングプーリとの間の接続の例を概略的に例示する。
図6c図6bの例の異なる図である。
図7】積み荷取り扱いデバイス用の上昇及び下降アセンブリの別の例を概略的に例示する。
図8】積み荷取り扱いデバイス用の上昇及び下降アセンブリの更なる例を概略的に例示する。
図9】積み荷取り扱いデバイス用の上昇及び下降アセンブリの異なる例を概略的に例示する。
図10】積み荷取り扱いデバイス用の上昇及び下降アセンブリの追加例を概略的に例示する。
図11】積み荷取り扱いデバイス用の上昇及び下降アセンブリの補足例を概略的に例示する。
図12図11の実例的な上昇及び下降アセンブリを概略的に例示する。
【発明を実施するための形態】
【0089】
以下の実施形態は、積み荷取り扱いデバイスによる容器の上昇及び下降をどのように実施するかについての本出願人の好ましい例を表すが、それらは必ずしもそれをどのように達成することができるかについての唯一の例ではない。
【0090】
図1は、直立部材3と、直立部材3によって支持された水平部材5、7とを備える保管構造1を例示する。水平部材5は、互いに且つ例示するx軸に対して平行に延在する。水平部材7は、互いに且つ例示するy軸に対して平行に、そして水平部材5に対して横方向に延在する。直立部材3は、互いに且つ例示するz軸に対して平行に、そして水平部材5、7に対して横方向に延在する。水平部材5、7は、複数のグリッドセルを画定するグリッドパターンを形成する。例示する例では、容器9は、グリッドパターンによって画定されたグリッドセルの真下のスタック11中に配置され、グリッドセル毎に容器9の1つのスタック11がある。
【0091】
図2は、図1に例示する保管構造1の一部を形成し、保管構造1の水平部材5、7の上に位置するトラック構造13のセクションの大縮尺平面図を示す。トラック構造13は、水平部材5、7自体によって(例えば、水平部材5、7の表面内又は表面上に形成される)、又は水平部材5、7の上に据え付けられた1つ以上の追加の構成要素によって提供され得る。例示するトラック構造13は、x方向トラック17及びy方向トラック19、即ち、x方向に延在するトラックの第1のセット17と、y方向に、トラックの第1のセット17においてトラック17に対して横方向に、延在するトラックの第2のセット19とを備える。トラック17、19は、グリッドセルの中心にアパーチャ15を画定する。アパーチャ15は、グリッドセルの真下に位置する容器9がアパーチャ15を通って持ち上げられ、下降されることを可能にするようにサイジングされる。x方向トラック17は、チャネル21によって分離された対で設けられ、y方向トラック19は、チャネル23によって分離された対で設けられる。
【0092】
図3は、図1に例示する保管構造1の上を移動する複数の積み荷取り扱いデバイス31を示す。ロボット31又はボット31とも呼ばれ得る積み荷取り扱いデバイス31は、ボット31がトラック構造13を横切って移動し、特定のグリッドセルに到達することを可能にするために、対応するx方向のトラック17又はy方向のトラック19と係合するための車輪のセットを設けられる。チャネル21、23によって分離されたトラック17、19の例示する対は、ボット31が、互いに衝突することなく、近隣のグリッドセルを占有する(又は互いに通過する)ことを可能にする。
【0093】
図4に詳細に例示するように、ボット31は、ボット31がその意図された機能を実行することを可能にする1つ以上の構成要素がその中又は上に据え付けられた本体33を備える。これらの機能は、トラック構造13上で保管構造1を横切って移動することと、ボット31がグリッドパターンによって画定された特定のロケーションにおける容器9を取り出す又は置くことができるように、容器9を(例えば、スタック11から又はそれに)上昇又は下降させることとを含み得る。
【0094】
例示するボット31は、ボット31の本体33上に据え付けられ、ボット31がそれぞれトラック17及び19に沿ってそれぞれx方向及びy方向に移動することを可能にする車輪の第1のセット35及び第2のセット37を備える。特に、2つの車輪35が、図4に見えるボット31のより短い側に設けられ、更なる2つの車輪35が、ボット31の反対側のより短い側に設けられる(側及び更なる2つの車輪35は図4では見えない)。車輪35は、トラック17と係合し、ボット31の本体33上に回転可能に据え付けられて、ボット31がトラック17に沿って移動することを可能にする。同様に、2つの車輪37が、図4に見えるボット31のより長い側に設けられ、更なる2つの車輪37が、ボット31の反対側のより長い側に設けられる(側及び更なる2つの車輪37は図4では見えない)。車輪37は、トラック19と係合し、ボット31の本体33上に回転可能に据え付けられて、ボット31がトラック19に沿って移動することを可能にする。
【0095】
ボット31はまた、容器9を上昇及び下降させるように構成された容器持ち上げ機構39を備える。例示する容器持ち上げ機構39は、4つの持ち上げテープ又はリール41を備え、持ち上げテープ又はリール41は、それらの下端で容器把持アセンブリ43に接続される。容器把持アセンブリ43は、容器9の特徴と係合するように構成された把持手段(例えば、要求性能に応じて、アセンブリ43の角部、テープ41の近傍、又は容器把持アセンブリ43上の別のロケーションに設けられ得る)を備える。例えば、容器9は、把持手段が係合することができる1つ以上のアパーチャをそれらの上側に設けられ得る。把持手段は、容器9のリム若しくはリップの下に引っ掛かるように、及び/又は容器9を挟持若しくは握持するように構成され得る。テープ41は、必要に応じて、把持アセンブリを上昇又は下降させるために巻き上げられ得るか又は巻き下げられ得る。
【0096】
図5から分かるように、ボット31の本体33は、上部45と、上部45の下方に設けられた下部47とを含む。上部45は、車輪35、37のうちの1つ以上の移動を制御するための1つ以上の制御構成要素などの、ボット31の動作構成要素を格納するように構成される。下部47は、容器9を受け入れるための空間又は空洞を提供する。空洞は、容器9の下側がトラック構造13又は保管構造1の別の部分に引っ掛かることなく、ボット31が保管構造1の上のトラック構造13を横切って移動することを可能にするために、容器9が十分に空洞の内側に嵌合することができるようにサイジングされる。ボット31がその意図された目的地に到達すると、容器持ち上げ機構39は、テープ41を制御して、容器把持アセンブリ43及び対応する容器9を下部47中の空洞から出して意図された位置に下降させる。意図された位置は、容器9のスタック11又は保管構造1の出口点(又は、保管構造1内に保管するための容器9を収集するためにボット31が移動した場合は、保管構造1の入口点)であり得る。例示する例では、上部45及び下部47は物理的な仕切りによって分離されているが、他の実施形態では、上部45及び下部47は、ボット31の本体33の特定の構成要素又は部分によって物理的に分割されないことがある。
【0097】
図6は、ボット31の容器持ち上げ機構39用の上昇及び下降アセンブリ51を示す。上昇及び下降アセンブリ51は、モータ52の出力を回転させるように構成された単一のモータ52を備える。モータ52は単一のモータを備え、以下の説明では、「モータ」及び「単一のモータ」という用語は交換可能に使用される。モータの出力は、例えば、モータ52の本体から延在し、モータ52の他の構成要素によって、例えばモータ52の長手方向軸を中心として回転可能であるシャフト又はスピンドルであり得る。
【0098】
第1のタイミングプーリ53は、モータ52の出力の回転が第1のタイミングプーリ53の回転を引き起こすように、モータ52の出力に接続される。第1のタイミングプーリ53は、例えば、モータ52の出力上に固定して据え付けられ得る。
【0099】
モータ52による第1のタイミングプーリ53の回転は、第1のタイミングプーリ53及び第2のタイミングプーリ55の周りに張設された第1のタイミングベルト54の対応する回転を引き起こす。第1のタイミングベルト54の回転は、次いで、第2のタイミングプーリ55が据え付けられたシャフト56上での第2のタイミングプーリ55の回転を引き起こす。シャフト56は、第2のタイミングプーリ55と共に回転する。
【0100】
テープ41の第1のスプール57も、シャフト56上に据え付けられる。第1のスプール57は、シャフト56と共に回転し、シャフト56及びスプール57の回転方向に応じて、テープ41を第1のスプール57から巻き出させるか、又はその上に巻き付けさせ、このことから、テープ41の先端を上昇又は下降させる。
【0101】
図6に示すように、テープ41の先端は、テープ41を容器把持アセンブリ(図4及び図5に例示する容器把持アセンブリ43など)に接続するための手段を含む。例示する手段は、テープ41の端部上にタブを備え、このタブは、容器把持アセンブリの対応する特徴を挿入することができる穴を含む。他の例では、テープ41は、容器把持アセンブリ上の対応する締結特徴と係合することができる1つ以上の穴、フック、又は他の締結特徴などの、テープ41を容器把持アセンブリに接続するための他の又は異なる手段を含み得る。代替として、テープ41の先端は、容器9に直接(即ち、介在する容器把持アセンブリなしで)接続するように、又は容器9に(容器把持アセンブリを介して又は他の方法で)接続する更なる構成要素に接続するように構成され得る。そのような例では、テープ41の端部における特徴は、容器把持アセンブリと見なされ得る。
【0102】
第3のタイミングプーリ59も、シャフト56上に据え付けられる。第3のタイミングプーリ59は、シャフト56と共に回転し、第3のタイミングプーリ59及び第4のタイミングプーリ61の周りに張設された第2のタイミングベルト60の回転を引き起こす。第4のタイミングプーリ61は、第4のタイミングプーリ61と共に回転するシャフト上に据え付けられ、第4のタイミングプーリ61と同じシャフト上に据え付けられたテープ41の第2のスプール62の回転も引き起こす。
【0103】
同様に、第5のタイミングプーリ63及びテープ41の第3のスプール67は、第2のタイミングプーリ55、テープ41の第1のスプール57、及び第3のタイミングプーリ59とは反対側のシャフト56の端部において、シャフト56上に据え付けられ、それと共に回転する。第5のタイミングプーリ63がシャフト56と共に回転すると、それは、第5のタイミングプーリ63及び第6のタイミングプーリ65の周りに張設された第3のタイミングベルト64の回転を引き起こす。第6のタイミングプーリ65は、第6のタイミングプーリ65と共に回転するシャフト上に据え付けられ、同様に第6のタイミングプーリ65と同じシャフト上に据え付けられたテープ41の第4のスプール68の回転も引き起こす。
【0104】
例示する実施形態では、第2、第3、及び第4のスプール62、67、68は、第1のスプール57と実質的に同じであり、回転方向に応じて、回転するときにスプール62、67、68にテープ41を巻き付けるか又はそれらから巻き出すように実質的に同じ形で動作する。
【0105】
例示する実施形態では、タイミングプーリ53、55、59、61、63、65は、互いに実質的に同じである。タイミングプーリ53、55、59、61、63、65とそれらのそれぞれのタイミングベルト54、60、64とは、歯及び対応する溝又は凹部を介して係合する。他の実施形態では、タイミングプーリは、所望であれば、例えば、速度差又は他の特徴を提供するために、互いとは異なるようにサイジングされ得る。同様に、タイミングプーリ及びそれらのそれぞれのタイミングベルトは、要件に応じて、互いに係合するための異なる特徴を設けられ得る。タイミングベルトはまた、要件に応じて、他のコネクタ、例えばタイミングチェーンと取り換えられ得る。
【0106】
例示する実施形態では、タイミングベルト60、64における張力を維持及び/又は調整するのを助けるためにテンショナが設けられる(例えば、テンショナ66を参照)。所望であれば、例えばタイミングベルト54における張力を維持又は調整するのを助けるために、更なるテンショナが設けられ得る。例示するテンショナは、プーリ59、61、63、65の回転軸の下方に設けられる。他の例では、テンショナは、例えば、上昇及び下降アセンブリ51の真下において利用可能なより多くの空間を有することが望ましい場合、即ち、テンショナが真下の空間にぶつからないようにするために、軸の上方に位置し得る。
【0107】
上昇及び下降アセンブリ51の構成要素は、上昇及び下降アセンブリ51のフレーム構造69上に支持される。フレーム構造69は、様々な構成要素がフレーム構造69上に直接又は間接的に据え付けられることを可能にし、上昇及び下降アセンブリ51に比較的剛性の全体的な構造を提供する、適切な穴、溝、スロット、クロスメンバ、及び他の特徴を含む。フレーム構造69は、ボット31の本体33と解放可能に係合することができるように構成され得る。それは、例えば、ボット31の本体33の内外に摺動され、フレーム構造69及びボット31の本体33(又は、ボット31の本体33上に据え付けられた1つ以上の構成要素)中の対応する穴、溝、又はスロットと係合するナット及びボルトなどの適切な固定手段で本体33に対して適所に保持されるように配置され得る。本体33との解放可能な係合のために上昇及び下降アセンブリ51を構成することは、有利には、上昇及び下降アセンブリ51を容易に取り外し、別のアセンブリ51と取り換えることができ(例えば、第1のアセンブリ51が点検又は修理される必要がある場合)、対応するボット31が比較的迅速に点検に戻ることを可能にすることを意味し得る。
【0108】
例示する構成は、単一のモータ52が全ての4つのスプール57、62、67、68からのテープ41の上昇及び下降を引き起こすことを可能にする。例示する構成は、ボット31の本体33内のコスト及び空間がより多くのモータを組み込む構成と比較して節約され得ること、4つの異なるスプール57、62、67、68の巻き付け及び巻き出しの速度は、それらが全て同じモータによって駆動され、追加のギアリング、制御装置又は他の介在物がなくても同じ速度で巻き付けられ、巻き出されることを可能にするので、同期する必要はないこと、モータ、従って、異なるスプール57、62、67、68の巻き付け又は巻き出しを減速又は停止するのに単一のブレーキしか必要とされないこと、単一の制御ユニットがこの上昇及び下降制御を達成するように単一のモータを制御することができるので、4つの異なるスプール57、62、67、68の上昇及び下降を制御するのに単一の制御ユニットしか必要とされないこと、大きい開口アパーチャがフレーム構造69内(即ち、第3、第4、第5、及び第6のタイミングプーリ59、61、63、65の間)に画定され、他の構成要素がボット31の本体33内に収容されることを可能にし、及び/又は上昇及び下降アセンブリ51が原位置にあるときに、構成要素がより容易にボット31の本体33中に挿入され且つそれから取り外されることを可能にすることを含む、様々な利点を有する。これは、特に有利には、ボット31の本体33内の構成要素がより頻繁に交換されることを可能にし得、例えば、それは、ボット31の充電式バッテリがボット31の本体33から容易に取り外され、別の充電式バッテリと取り換えられることを可能にし得る。例示する単一のモータ52がシャフト56の外側(即ち、テープ41のスプール57、62、67、68の全ての回転軸の外側)に据え付けられるという事実は、これらの利点のうちの1つ以上、特に、フレーム構造69内に大きい開口アパーチャを画定することに関連する利点を提供するのに役立ち得る。単一のモータ52の外側への据え付けは、ボット31の質量中心のバランスを取ること、例えば、フレーム構造69の質量と上昇及び下降アセンブリ51の他の構成要素の質量とを釣り合わせるのに更に役立ち得る。
【0109】
複数のスプール57、62、67、68の上昇及び下降を制御するように構成された単一のモータは、有利なギアリング構成の使用を更に可能にし得る。そのようなギアリング構成を有する単一のモータを使用することは、有利には、モータの慣性と、持ち上げられる容器9の積み荷の慣性とをより良好に一致させるのに役立ち得る。例えば、単一のモータを使用することは、複数のモータ及び複数の対応するギアリング構成を使用するよりも多くの空間を有利なギアリング機構のために可能にし得、特に、例示する単一モータ構成及び複数モータ構成におけるギアリング構成の相対的サイズを可能にし得る。例示する例では、単一のモータ52の出力は、ギアリング機構を介して第1のタイミングプーリ53に接続される。
【0110】
有利なギアリング構成を有する単一のモータはまた、例えば、モータ回転数とテープ41の先端の対応する直線移動との間のより大きい比を可能にすることによって、積み荷の上昇及び下降のより精密な制御を可能にし得、容器9又は上昇及び下降アセンブリ51を使用して持ち上げられる他の積み荷によって移動される距離のより微細な制御をもたらし得る。これは、容器9が過度に上昇又は下降されないことを保証することによって、容器9、ボット31の本体33、及び/又はボット31の近傍の他の物体への損傷を最小限に抑えるのを助け得る。それはまた、位置及び慣性に関するギアボックスの利点により、より良好な動的サーボシステムを可能にし得る。それは、1つのモータの回転のみが監視及び制御される必要があるので、単一のモータでスプール57、62、67、68の巻き付け及び巻き出しを制御するのに必要とされるセンサ及び符号化器の数を低減し得、ハードストップ(hard stops)の必要性を除去し得る。
【0111】
有利には、4つの異なるスプール57、62、67、68の巻き付け及び巻き出しを制御するための単一のモータを有する例示する上昇及び下降アセンブリ51はまた、異なるケーブルが複数のモータの各々に向けられる必要がないので、制御ユニットと上昇及び下降アセンブリ51とを接続するのに必要とされる電気ケーブルの数及び/又は容量を最小限に抑え得る。これは、加えて、上昇及び下降アセンブリ51を制御ユニットから切り離すために単一のケーブル(又はケーブルの単一のセット)を切り離すだけでよいので、上昇及び下降アセンブリ51の挿入及び取り外し、並びに/又は上昇及び下降アセンブリ51を通した若しくはその周りでのボット31の他の構成要素の取り外しをより容易にし得る。
【0112】
例示する実施形態では、通信ケーブルリールも、第3のタイミングプーリ59と第5のタイミングプーリ63との間でシャフト56上に据え付けられる。通信ケーブルは、制御ユニットからの制御命令をテープ41の端部における把持手段に送信する。有利には、例示する実施形態では、通信ケーブルは、通信ケーブルリールがシャフト56上に据え付けられてそれと共に回転するときに、単一のモータ52の作用によっても上昇及び下降される。これは、通信ケーブルの先端がテープ41の端部と同じ速度で上昇及び下降されることを意味し、そのため、通信ケーブルが容器把持アセンブリ43と共に下降及び後退されることを保証するのに更なる同期が必要とされない。単一のモータ52の外側への据え付けは、シャフト56上への通信ケーブルリールのこの据え付けを可能にし得る。
【0113】
単一のモータ52が容器把持アセンブリ43及び任意の係合された容器9を上昇又は下降させる前に、車輪位置決め機構は、好ましくは、ボット31の車輪の第1のセット35及び車輪の第2のセット37が両方とも、トラックの第1及び第2のセット17、19におけるそれぞれのトラック17、19と係合されることを保証する。これは、有利には、容器把持アセンブリ43が上昇及び下降されるときに追加の安定性を提供し得、加えて、ボット31をトラック17、19に沿って移動させるであろう車輪35、37のうちの1つ以上における任意の機能不全が、車輪の他のセットがトラックと接触することによって打ち消されることを保証するのに役立ち得る。これは、有利には、容器把持アセンブリ43が下降構成にある間にボット31が移動しようと試みる場合に、保管構造1への損傷を回避し得る。
【0114】
例示する実施形態では、回転は、タイミングベルト54、60、64を使用して様々なエンティティ間で伝達されるが、他の実施形態では、1つ以上のギアが、タイミングベルトのうちの1つ以上の代わりに使用され得る。そのような場合、ギアの数は、回転方向が適切に伝達されることを保証するように選択され得る。代替として、モータ52の出力は、例えば、タイミングプーリ53と55との間に奇数のギアが存在することにより逆転され得る。図6を参照して本発明の特定の実施形態の説明を容易にするために、スプール57は、第1のスプール57によって画定され、スプール62は、第2のスプール62によって画定され、スプール67は、第3のスプール67によって画定され、スプール68は、第4のスプール68によって画定される。第1のスプール57及び第3のスプール67は、シャフト56上に据え付けられる。第2のスプール62及び第4のスプール68は、別個のシャフト上に据え付けられる。第1のスプール57及び第3のスプール67は、スプールの第1のセット57、67を提供し、第2のスプール62及び第4のスプール68は、スプールの第2のセット62、68を提供する。図6に示す本発明の特定の実施形態では、スプールの第1及び第2のセットの各々は、単一のモータ52によって駆動される別個のシャフト上に据え付けられて、複数のタイミングプーリ及び/又はタイミングベルト(54、60、64)及び/又はギアを介して容器把持アセンブリ43を上昇及び下降させる。
【0115】
図6を参照して本発明の特定の実施形態の説明を容易にするために、タイミングプーリ53は、第1のタイミングプーリ53によって画定され、タイミングプーリ55は、第2のタイミングプーリ55によって画定され、タイミングプーリ59は、第3のタイミングプーリ59によって画定され、タイミングプーリ61は、第4のタイミングプーリ61によって画定され、タイミングプーリ63は、第5のタイミングプーリ63によって画定され、タイミングプーリ65は、第6のタイミングプーリ65によって画定される。第3のタイミングプーリ59及び第5のタイミングプーリ63は、シャフト56上に据え付けられる。第3のタイミングプーリ59及び第5のタイミングプーリ63は、タイミングプーリの第1のセット59、63を提供する。第4のタイミングプーリ61及び第6のタイミングプーリ65は、別個のシャフト上に据え付けられる。第4のタイミングプーリ61及び第6のタイミングプーリ65は、タイミングプーリ61、65の第2のセットを提供する。第1のタイミングプーリ53は、単一のモータ52の出力に、例えば駆動ロータ上に据え付けられる。第2のタイミングプーリ55は、駆動プーリを提供する。第2のタイミングプーリ即ち駆動プーリ55は、単一のモータ52によって駆動される第1のタイミングプーリ53の回転が、シャフト上に据え付けられた第2のタイミングプーリ即ち駆動プーリ55の回転、及びこのことから、シャフト56上に据え付けられたタイミングプーリの第1のセット59、63の回転を駆動するように、タイミングプーリの第1のセット59、63を据え付けるシャフト56上に据え付けられ、タイミングベルト/チェーン54によって駆動ロータ上に据え付けられた第1のタイミングプーリ53に接続される。これは、次に、シャフト56上に据え付けられたスプールの第1のセット57、67の回転を引き起こす。
【0116】
図6aは、ボット31の容器持ち上げ機構39用の上昇及び下降アセンブリ51の第2の例を示す。上昇及び下降アセンブリ51は、モータ52の出力を回転させるように構成された単一のモータ52を備える。モータ52は単一のモータを備え、以下の説明では、「モータ」及び「単一のモータ」という用語は交換可能に使用される。モータの出力は、例えば、モータ52の本体から延在し、モータ52の他の構成要素によって、例えばモータ52の長手方向軸を中心として回転可能であるロータシャフト又はスピンドルであり得る。
【0117】
図6aのこの説明では、上記の図6の説明と同じ参照番号が使用されるであろう。図6及び図6aの特定の実施形態は、異なる数のタイミングプーリ及びタイミングベルトを備えるので、タイミングプーリ及びタイミングベルトは、序数(第1、第2、第3、等)ではなく参照番号によって参照されるであろう。図6aでは、タイミングプーリ55は、駆動プーリであり、それはまた、タイミングプーリの第1のセットのうちの1つである。図6にあるように、プーリの第1のセット55、63は、シャフト56上に据え付けられ、タイミングプーリの第2のセット61、65は、別個のシャフト上に据え付けられる。
【0118】
タイミングプーリ53は、モータ52の出力の回転がタイミングプーリ53の回転を引き起こすように、モータ52の出力に接続される。タイミングプーリ53は、例えば、モータ52の出力、例えばロータシャフト上に固定して据え付けられ得る。
【0119】
モータ52によるタイミングプーリ53の回転は、タイミングプーリ53と駆動プーリ55とタイミングプーリ61(タイミングプーリの第2のセットのうちの1つ)との3つのタイミングプーリの周りに張設されたタイミングベルト54の対応する回転を引き起こす。タイミングベルト54の回転は、次に、駆動プーリ55が据え付けられたシャフト56上での駆動プーリ55の回転を引き起こす。シャフト56は、駆動プーリ55と共に回転する。タイミングプーリの第2のセットのうちの1つであるタイミングプーリ61は、タイミングプーリ61と共に回転する別個のシャフト上に据え付けられる。
【0120】
テープ41の第1のスプール57も、シャフト56上に据え付けられる。第1のスプール57は、シャフト56と共に回転し、シャフト56及びスプール57の回転方向に応じて、テープ41を第1のスプール57から巻き出させるか、又はその上に巻き付けさせ、このことから、テープ41の先端を上昇又は下降させる。テープ41の先端は、容器グリッパアセンブリに固着される。タイミングプーリ61(タイミングプーリの第2のセットのうちの1つである)は、第3のタイミングプーリ61と同じシャフト上に据え付けられたテープ41の第2のスプール62の回転を引き起こす。
【0121】
同様に、タイミングプーリ63(タイミングプーリの第1のセットのうちの1つである)及びテープ41の第3のスプール67は、駆動プーリ55及びテープ41の第1のスプール57からシャフト56の反対側の端部で、シャフト56上に据え付けられ、それと共に回転する。タイミングプーリ63がシャフト56と共に回転すると、それは、タイミングプーリ63及びタイミングプーリ65の周りに張設されたタイミングベルト64の回転を引き起こす。タイミングプーリ65(タイミングプーリの第2のセットのうちの1つである)は、タイミングプーリ65と共に回転する別個のシャフト上に据え付けられ、同様にタイミングプーリ65と同じシャフト上に据え付けられたテープ41の第4のスプール68の回転も引き起こす。このことから、タイミングベルト/チェーン54によるタイミングプーリ53と駆動プーリ55及び第3のタイミングプーリ61との接続、並びにタイミングベルト/チェーン64によるタイミングプーリ63とタイミングプーリ65との接続は、単一のモータが駆動されるときに、スプールの第1及び第2のセット57、62、67、68の同期された回転運動を提供する。
【0122】
例示する実施形態では、タイミングベルト54、64における張力を維持及び/又は調整するのを助けるためにテンショナが設けられる(例えば、テンショナ66を参照)。例示するテンショナは、タイミングプーリの第1のセット55、63及びタイミングプーリの第2のセット61、65の回転軸の上方に設けられ、タイミングベルト54、64は、テンショナの下方を通る。テンショナ66を例に取ると、テンショナ66の位置決めは、タイミングベルト54と駆動プーリ55との間の接触面積を増加させるという利点を有する。図6の実施形態とは異なり、タイミングベルト54は、3つのプーリ53、55、61の周りに張設される。テンショナが存在しなければ、中央駆動プーリ55とタイミングベルト64との間の接触面積は小さくなり、タイミングベルト64がスリップする危険性が増大するであろう。
【0123】
図6を参照して上記で説明した実施形態と同様の構成では、第1及び第3のスプール57、67を備えるスプールの第1のセットは、シャフト56上に据え付けられる。第2及び第4のスプール62、68を備えるスプールの第2のセットは、別個のシャフト上に据え付けられるように示す。別個のシャフト上に据え付けられたスプールの第1及び第2のセットの各々は、単一のモータによって駆動されて、複数のタイミングプーリ及び/又はタイミングベルト(54、60、64)及び/又はギアを介して容器グリッパアセンブリを上昇及び下降させる。
【0124】
図6aの実施形態では、2つのスプール57及び62の回転を駆動するために3つのタイミングプーリ53、55、61の周りで単一のタイミングベルト54を使用することは、同じ目的のために2つのタイミングベルト54、60が使用される図6の実施形態とは対照的に、部品点数がより少ないという利点を有する。これは、上昇及び下降アセンブリ51のコスト、重量、及び複雑さを低減する。図6aの実施形態における駆動プーリ55は、図6の実施形態の2つのタイミングプーリ(駆動プーリ55及び第3のタイミングプーリ59)の機能を果たす単一のタイミングプーリである。図6の実施形態と比較して、図6aの実施形態では、従って、1つのタイミングベルト及び1つのタイミングプーリが除去される。
【0125】
上昇及び下降アセンブリ51の構成要素は、上昇及び下降アセンブリ51のフレーム構造69上に支持される。図6aの実施形態では、2つのタイミングベルト54、64は、フレーム構造69の外側に位置決めされる。タイミングプーリ59の除去は、部品点数の低減がパッケージングに有利なため、タイミングベルトがフレーム構造の外側に位置決めされることを可能にする。タイミングベルト54、64をフレーム構造69の外側に位置決めする利点は、タイミングベルト54、64がメンテナンス(例えば、テンショナの調整)又は取り換えのためにより容易にアクセス可能であることである。
【0126】
4つのスプール57、62、67、68は、タイミングベルト54、64がタイミングプーリ及びスプールを一緒に即ち同期して回転させるように、それらのそれぞれタイミングプーリ55、61、63、65に接続され得る。各スプールは、そのそれぞれのタイミングプーリにボルト留めされ得るか、又は何らかの他の手段によって取り付けられ得る。この接続は、ここでは、第1のスプール57及び駆動プーリ55に関して説明するが、4つのスプール57、62、67、68の各々とそれらのそれぞれのタイミングプーリ55、61、63、65との間の接続は、実質的に同じであり得ることが認識されるであろう。
【0127】
図6b及び6cは、タイミングプーリ55にボルト留めされたスプール57の2つの図を例示する。スプール57は、1つ以上のボルト58でタイミングプーリ55に接続される。ボルト58は、スプール57とタイミングプーリ55との間の調整可能な接続を提供する。ボルトは、スプール57とタイミングプーリ55との間の調整機構の一例であるが、他の形態の調整機構が当業者に知られていることが認識されるであろう。
【0128】
スプール57は、ボルト58が通過し得る1つ以上のスロットを設けられ得る。スロットは、スプール57とタイミングプーリ55との間の角度調整を可能にする。容器グリッパアセンブリは、使用時に水平のままである必要があり、そのため、スプールの角度位置を微調整する能力が望ましい。例えば、テープ41のうちの1つが伸びるか又はねじれ、そのため、テープ41の長さがもはや等しくない場合に、スプールの角度位置を調整することが必要となり得る。
【0129】
調整機構を介してスプール57をタイミングプーリ55に接続することは、調整機構が、スプールの角度位置を決定する公差累積の一部分に取って代わるという追加の利点を有する。公差累積がより小さいということは、上昇及び下降アセンブリ51中の部品の公差の精度がより低くあり得ることを意味し、それは、製造プロセスのコストを節約する。例えば、部品は、部品の精密な機械加工ではなく、溶接製作によって製造され得る。
【0130】
代替として、スプール57とタイミングプーリ55とは、一体的な構成要素として製造され得る。これは、上昇及び下降アセンブリ51の部品点数及び複雑さを更に低減するという利点を有する。
【0131】
タイミングプーリ55及びスプール57は、上昇及び下降アセンブリ51のフレーム構造69に据え付けられる。
【0132】
図7及び図8は、容器9を上昇及び下降させるための、積み荷取り扱いデバイス31用の代替の上昇及び下降アセンブリ(持ち上げアセンブリとも呼ばれる)70、80の図を示す。持ち上げアセンブリ70、80は各々、モータ52を備え、その出力は、タイミングベルト54を介してタイミングプーリ又はギア55、72に接続される。
【0133】
ギア55を通って、共通のシャフト又は車軸56が、第1及び第2のテープスプール又はホイストドラム71、75まで延在し、その周りに、持ち上げテープ41が巻き付けられる。持ち上げテープ41の第1の端部は、ホイストドラム71、75に取り付けられる。テープ41の第2の先端は、以前に説明したように容器把持アセンブリ43(グリッパプレートとも呼ばれる)に接続され得るか、又は容器把持アセンブリが上昇及び下降されることを可能にするように、容器把持アセンブリを他の方法で支持し得る。スレーブ車輪73は、図6の文脈において上記で説明したテンショナ66のように、持ち上げテープ41の端部に取り付けられたグリッパプレートに持ち上げテープ41を案内するために、及び/又は持ち上げテープ41における張力を調整するために使用される。グリッパプレートは、積み荷にラッチするために使用され、積み荷は、次いで、持ち上げアセンブリ70、80によって持ち上げられ、下降され得る。
【0134】
図7に示すアセンブリ70の場合、2つの持ち上げテープ41は、2つのドラム71の各々の周りに交互に巻き付けられる。このことから、第1及び第2のドラム71がモータ52によって回転されてグリッパプレートを下降させると、全ての4つのテープ41が同時に同じ速度で巻き出される。逆に、持ち上げテープ41は、同時に同じ速度でホイストドラム71の周りにラップ又はコイルし、それによって、グリッパプレートによって支持された重量即ち有効荷重を持ち上げる。
【0135】
図8に示すアセンブリ80の場合、持ち上げテープ41の第1及び第2の端部は、車軸即ちシャフト56の各端部においてツインドラム75の周りに巻き付けられる。
【0136】
両方のアセンブリ70、80について、車軸56の各端部において、テープ41は、アセンブリに加えられる力のバランスを取るために、ドラム71、75の頂部及び底部からそれぞれ巻き出す。両方のアセンブリ70、80について、ドラム71、75は、z、x平面内にある。代替として、ドラム71、75は、z、y平面内に配置され得る。
【0137】
ドラム71の直径は、持ち上げテープ41の所与の長さに対してそれぞれのドラム75の直径よりも必然的に大きいことが認識されるであろう。これに対応して、ギア55は、ギア72よりも大きく、図7のモータ52によって生成される必要なトルクは、図8のモータ52によって生成される必要なトルクよりも大きい。
【0138】
持ち上げアセンブリ70は、必要とされる部品がより少ないという利点を有する。持ち上げアセンブリ80は、図8のドラム75、ギア72、及びモータ52をより小さくすることが可能であるという利点を有する。両方の場合において、持ち上げアセンブリ70、80によって積み荷取り扱いデバイス31の本体内に必要とされる空間は、最小限に抑えられ得る。
【0139】
4つのテープが使用される場合、グリッパプレートが持ち上げテープ41の先端に取り付けられ得ることが認識されるであろう。他の実施形態では、代替の構成が使用され得ることが認識されるであろう。例えば、いくつかの実施形態では、2つのテープ41のみが使用されるスリング構成が設けられ得、テープ41は、(例えば、図12に示すプーリの構成と同様の形で)グリッパプレート上に据え付けられるプーリの間を通過され、グリッパプレートは、プーリを通過するテープ41のスリングによって支持される。グリッパプレートは、保管容器9にラッチするためにその上に据え付けられた1つ以上のグリッパアセンブリを有するであろう。
【0140】
図7及び図8に例示する構成要素のうちの1つ以上は、図6に例示するフレーム69などのフレーム上に据え付けられ得る。これは、有利には、代替の持ち上げアセンブリ70、80が、積み荷取り扱いデバイス31の本体の内側に取り外し可能に据え付けられ、故障の場合に取り換え用持ち上げアセンブリと容易に交換されることを可能にし得る。
【0141】
図9及び図10は、持ち上げアセンブリ90、100用の代替のドラム構成を例示する。両方のアセンブリ90、100について、ホイストドラム221、231は、x、y平面内にある。この構成は、積み荷取り扱いデバイス31の本体内でより遙かに多くの空間を占有することなく、ドラムをより遙かに大きくすることができるという利点を有する。代わりに、ドラム221、231は、積み荷取り扱いデバイスの上面又は表面と実質的に同一平面上にある。ドラム221、231の直径は、実質的に積み荷取り扱いデバイスのより短いx側又はy側の長さまでであり得る。
【0142】
有利には、ドラム221、231は、より遙かに小さいモータ222、232で巻き付けられる。モータ222の駆動シャフトは、ドラム221を直接駆動するウォームギア223を有する。これは、モータ222がドラム221と同じ平面内に配置されることを可能にし、追加のギア車輪を必要とせずに大きいステップダウン比を可能にする。モータ232の駆動シャフトは、単純な直接駆動プーリ構成233でドラム231に結合される。モータ232は、垂直に配置される(ドラム231の平面に対して垂直なz方向を指す)。
【0143】
図9及び図10の構成では、4つの持ち上げテープ41が同じドラム221、231の周りに巻き取られる。4つの持ち上げテープ41は、グリッパプレート43の4つの角部に向けられる。結果として、グリッパプレート43の各角部は、ドラム221、231が動作されるときに一緒に持ち上げられ、下降され、4つのテープ41は、同時に巻き取られるか又は巻き解かれる。
【0144】
図11及び図12は、持ち上げアセンブリ100の更なる例を例示する。持ち上げアセンブリ100の単一のz、x平面、又はz、y平面を図11に示し、その一方で、図12は、持ち上げアセンブリ100の2つのz、x平面、又はz、y平面を例示する透視図を示す。持ち上げ機構の構成は、図7及び図8に関連して上記で説明した持ち上げアセンブリの構成と同様であり、ここで、ホイストドラム71、75は、共通の車軸56を共有する。第1の対のテープ185は、第1のホイストドラム251上に巻き取られ、第2の対のテープ185は、第2のホイストドラム251上に巻き取られる。二対のテープ185は、グリッパプレート43の各角部を支持するように向けられる。更に、持ち上げアセンブリ100のテープ185は、プーリシステムスリング構成を備える。
【0145】
単一のホイストドラム251の一対のテープ185を考慮すると、テープ185の第1の端部は、それぞれのドラム251に固定される。テープ185は、持ち上げアセンブリ100の上部の対向する角部まで延在し、そこで、ガイド車輪によってグリッパプレート43に向けられる。グリッパプレート43上に据え付けられた第1のプーリ253は、テープ185をグリッパプレート43に沿って、グリッパプレート43上に据え付けられた第2のプーリ254に向ける。第2のプーリ254から、テープ185は、テープ185の第2の端部が固定される持ち上げアセンブリ100の上部に戻る。このことから、一対のテープ185は、入れ子式の対のスリング構成を形成する。
【0146】
持ち上げアセンブリ100は、2つのドラム251を接続する単一のシャフト252を単一のモータが駆動することができるので、説明及び例示した他の単一モータ構成の利点を有することが認識されるであろう。持ち上げアセンブリ100は、スリング構成の利点、及びプーリ構成の利点を更に有する。例えば、例示するように、スリングの一端のみが巻き取られ得るか又は巻き解かれ得、(例えば図6に例示するような、複数のスプールが別個のモータによって別個に巻き付けられ、巻き出される他の持ち上げ構成、及び/又は複数のスプールが共通のモータによって巻き付けられ、巻き出される他の持ち上げ構成とは対照的に)1つのホイストドラムのみが動作可能な状態で持ち上げアセンブリが動作することを可能にする。更に、プーリ構成は、特定の構成に応じて、有利には、積み荷を持ち上げ且つ下降させるのに必要とされる力を低減し得る。これは、有利には、より薄いテープ又はワイヤが、そうでなければより遙かに強いテープを必要とするであろう積み荷を持ち上げるために使用され得るという結果として有し得る。プーリ構成は、持ち上げテープをそれ自体の上に戻すことによって提供される効果的なギアリングにより、上昇及び下降のより微細な制御を更に可能にし得る。
【0147】
図11及び図12に例示する実施形態では、一対のテープ185が各ドラム251上に巻き付けられ、それから巻き出されるが、他の実施形態では、単一のテープ185のみがドラム251上に巻き付けられ、それから巻き出され得、上昇及び下降に必要とされるテープ185の長さを低減する。
【0148】
いくつかの実施形態では、図6に例示するスプール57、62、67、68などの4つのテープスプールが、図6図7、又は図8のうちのいずれにも例示するシャフト56などの単一のシャフトの軸方向長さ上に据え付けられ、それに沿って分散され得る。4つのテープスプール上のテープは、図7及び図8に例示するスレーブ若しくはガイド車輪73などのスレーブ若しくはガイド車輪又はトラックによって、グリッパプレート43上の適切な接続点にガイドされ得る。これは、有利には、持ち上げアセンブリの構成要素のための据え付け点の数を低減することによって、持ち上げアセンブリの構成要素形成部分の数及び/又は質量を低減し得る。
【0149】
説明し且つ例示した持ち上げアセンブリのうちのいずれの1つ以上の構成要素も、積み荷取り扱いデバイス上に解放可能に据え付けることができるフレーム上に直接又は間接的に据え付けられ得る。このことから、持ち上げアセンブリは、容器を積み荷取り扱いデバイスの空洞中に持ち上げるために使用される。逆に使用される持ち上げアセンブリは、容器を積み荷取り扱いデバイスからグリッドの下方のスタック中の位置まで下降させるために使用されることが認識されるであろう。
【0150】
前述の実施形態の多くでは、持ち上げテープを説明したが、ロープ、ストリング、ワイヤ、又は他の材料などの他の持ち上げコネクタが、テープの代わりに使用され得る。
【0151】
前述の段落で説明した変形形態のうちの任意の1つ以上が、積み荷取り扱いデバイスの同じ実施形態において実装され得ることが想定される。
【0152】
本文書では、nがx、y、及びzのうちの1つである「n方向への移動」という文言(及び関連する言い回し)は、いずれかの方向(即ち、n軸の正の端部に向かうか又はn軸の負の端部に向かう)への、n軸に実質的に沿った又はn軸に対して平行な移動を意味することを意図される。
【0153】
本文書では、「接続する」という語及びその派生語は、直接接続及び間接接続の可能性を含むことを意図される。例えば、「xは、yに接続される」は、xが介在する構成要素を伴わずにyに直接接続される可能性、及びxが1つ以上の介在する構成要素を伴ってyに間接的に接続される可能性を含むことを意図される。直接接続が意図される場合、「直接接続された」、「直接接続」という語又は同様の語が使用されるであろう。同様に、「支持する」という語及びその派生語は、直接接触及び間接接触の可能性を含むことを意図される。例えば、「xは、yを支持する」は、xが介在する構成要素を伴わずにyを直接支持し、それに直接接触する可能性、並びにxがx及び/又はyに接触する1つ以上の介在する構成要素を伴ってyを間接的に支持する可能性を含むことを意図される。「据え付ける」という語及びその派生語は、直接的及び間接的な据え付けの可能性を含むことを意図される。例えば、「xは、y上に据え付けられる」は、xが介在する構成要素を伴わずにy上に直接据え付けられる可能性、及びxが1つ以上の介在する構成要素を伴ってy上に間接的に据え付ける可能性を含むことを意図される。
【0154】
本文書では、「備える」という語及びその派生語は、排他的な意味ではなく包括的な意味を有することを意図される。例えば、「xは、yを備える」は、xが1つ及び1つのみのy、複数のy、又は1つ以上のy、並びに1つ以上の他の要素を含む可能性を含むことを意図される。排他的な意味が意図される場合、「xは、yから成る」という文言が使用され、xがyのみを含み、他に何も含まないことを意味するであろう。

ここに、出願当初の特許請求の範囲の記載事項を付記する。
[1] 保管構造(1)中のスタック(11)中に積み重ねられた容器(9)を持ち上げて移動させるための積み荷取り扱いデバイス(31)であって、前記保管構造(1)は、容器(9)の前記スタック(11)の上方に、第1の方向に延在するトラックの第1のセット(17)と、前記第1の方向に対して横方向の第2の方向に延在するトラックの第2のセット(19)とを含み、前記積み荷取り扱いデバイス(31)は、前記スタック(11)の上方の前記トラック(17,19)上を移動するように構成され、前記積み荷取り扱いデバイス(31)は、
上部(45)及び下部(47)を有する本体(33)と、前記上部(45)は、1つ以上の動作構成要素を格納するように構成され、前記下部(47)は、前記上部(45)の真下に配置され、前記下部(47)は、容器(9)の少なくとも一部を収容するための容器受け入れ空間を備える、
前記本体(33)を支持するように配置された車輪アセンブリと、前記車輪アセンブリは、前記第1の方向への前記積み荷取り扱いデバイス(31)の移動を案内するために前記トラックの第1のセット(17)と係合するための車輪の第1のセット(35)と、前記第2の方向への前記積み荷取り扱いデバイス(31)の移動を案内するために前記トラックの第2のセット(19)と係合するための車輪の第2のセット(37)とを備える、
前記車輪の第1のセット(35)を前記トラックの第1のセット(17)と選択的に係合するか又は前記車輪の第2のセット(37)を前記トラックの第2のセット(19)と選択的に係合するかのうちのいずれかのための車輪位置決め機構と、前記車輪位置決め機構は、前記本体(33)に対して前記車輪の第1のセット(35)又は前記車輪の第2のセット(37)を上昇させるか又は下降させ、それによって、前記積み荷取り扱いデバイス(31)が、前記保管構造(1)の前記トラック(17,19)を横切って前記第1の方向又は前記第2の方向のうちのいずれかに選択的に移動することを可能にするように構成される、
容器(9)を解放可能に把持するように構成された容器把持アセンブリ(43)と、前記容器把持アセンブリ(43)を上昇及び下降させるように構成された上昇及び下降アセンブリ(51,70,80,90,100)とを備える容器持ち上げ機構(39)と を備え、前記上昇及び下降アセンブリ(51,70,80,90,100)は、前記容器把持アセンブリ(43)を上昇及び下降させるように構成された単一のモータ(52,222,232)を備える、積み荷取り扱いデバイス(31)。
[2] 前記上昇及び下降アセンブリ(51)は、前記容器把持アセンブリ(43)を上昇及び下降させるために、前記単一のモータ(52,222,232)の出力からの回転を伝達するように構成された複数のタイミングプーリ(53,55,59,61,63,65)、タイミングベルト(54,60,64)、及び/又はギアを備える、[1]に記載の積み荷取り扱いデバイス(31)。
[3] 前記上昇及び下降アセンブリ(51)は、回転可能なシャフト(56)と共に回転するように構成された前記上昇及び下降アセンブリ(51)の複数の構成要素を据え付けられた前記回転可能なシャフト(56)を備える、[1]又は[2]に記載の積み荷取り扱いデバイス(31)。
[4] 前記上昇及び下降アセンブリ(51)は、複数のスプール(57,67,62,68)を備え、前記複数のスプールの各スプールは、前記容器把持アセンブリ(43)に固着された第1の端部と前記スプールに固着された第2の端部とを有する持ち上げテザーを支え、前記複数のスプールは、前記容器把持アセンブリ(43)を上昇及び下降させるために、前記複数のタイミングプーリ(53,55,59,61,63,65)、タイミングベルト(54,60,64)、及び/又はギアを介して前記単一のモータ(52)によって駆動される、[3]に記載の積み荷取り扱いデバイス(31)。
[5] 前記複数のスプールは、スプールの第1のセット(57,67)及びスプールの第2のセット(62,68)を備え、前記スプールの第1のセット(57,67)は、前記回転可能なシャフト(56)が前記スプールの第1のセット(57,67)に共通するように前記回転可能なシャフト(56)に据え付けられ、前記回転可能なシャフト(56)は、前記複数のタイミングプーリ(53,55,59,61,63,65)、タイミングベルト(54,60,64)、及び/又はギアのうちの少なくとも1つを介して前記単一のモータ(52)に接続されることによって回転され、前記スプールの第2のセット(62,68)は、前記複数のタイミングプーリ(53,55,59,61,63,65)、タイミングベルト(54,60,64)、及び/又はギアのうちの1つ以上を介して前記回転可能なシャフト(56)に接続されることによって前記単一のモータ(52)によって駆動される、[4]に記載の積み荷取り扱いデバイス(31)。
[6] 前記複数のタイミングプーリは、駆動プーリ(55)並びにタイミングプーリの第1のセット(59,63)及び第2のセット(61,65)を備え、前記駆動プーリ(55)及び前記タイミングプーリの第1のセット(59,63)は、前記駆動プーリ(55)への接続による前記単一のモータ(52)による前記回転可能なシャフト(56)の回転が前記スプールの第1のセット(57,67)を駆動するように、前記スプールの第1のセット(57,67)に共通の前記回転可能なシャフト(56)上に据え付けられる、[5]に記載の積み荷取り扱いデバイス(31)。
[7] 前記タイミングプーリの第1のセット(59,63)は、前記駆動プーリ(55)への接続による前記単一のモータ(52)による前記回転可能なシャフト(56)の回転が前記スプールの第2のセット(62,68)を駆動するように、前記複数のタイミングベルト(54,60,64)のうちの1つ以上を介して前記タイミングプーリの第2のセット(61,65)に接続される、[6]に記載の積み荷取り扱いデバイス(31)。
[8] 前記駆動プーリ(55)は、前記タイミングプーリの第1のセットのうちの1つである、[6]又は[7]に記載の積み荷取り扱いデバイス(31)。
[9] 前記単一のモータ(52)は、前記スプールの第1のセット(57,67)及び前記スプールの第2のセット(62,68)を同期して駆動する、[5]~[8]のうちのいずれか一項に記載の積み荷取り扱いデバイス(31)。
[10] 前記複数のタイミングプーリのうちの少なくとも1つのタイミングプーリは、前記複数のスプールのうちの少なくとも1つのスプールに据え付けられる、[4]~[9]のうちのいずれか一項に記載の積み荷取り扱いデバイス(31)。
[11] 前記複数のスプールのうちの前記少なくとも1つは、前記複数のタイミングプーリのうちの前記少なくとも1つのタイミングプーリに対して、その回転軸を中心として前記少なくとも1つのスプールを回転可能に調整するための調整可能機構を備える、[10]に記載の積み荷取り扱いデバイス(31)。
[12] 前記上昇及び下降アセンブリ(51)は、前記タイミングベルト(54,60,64)における張力を維持又は調整するように構成された1つ以上のテンショナ(66)を備える、[2]~[11]のうちのいずれか一項に記載の積み荷取り扱いデバイス(31)。
[13] 前記上昇及び下降アセンブリ(51)は、前記積み荷取り扱いデバイス(31)の前記本体(33)上に解放可能に据え付け可能なフレーム構造(69)を備える、[1]~[12]のうちのいずれか一項に記載の積み荷取り扱いデバイス(31)。
[14] 前記単一のモータ(52,222,232)の出力は、ギアリング機構を介して前記容器把持アセンブリ(43)に接続される、[1]~[13]のうちのいずれか一項に記載の積み荷取り扱いデバイス(31)。
[15] アパーチャが、前記上昇及び下降アセンブリ(51)によって画定され、前記アパーチャは、構成要素が前記アパーチャを通って前記積み荷取り扱いデバイス(31)の前記本体(33)中に挿入又はそれから取り外されることを可能にするようにサイジング及び構成される、[1]~[14]のうちのいずれか一項に記載の積み荷取り扱いデバイス(31)。
[16] 前記単一のモータ(52,222,232)の前記出力と前記容器把持アセンブリ(43)とを接続するように構成された1つ以上のコネクタ(41,185)を備える、[1]~[15]のうちのいずれか一項に記載の積み荷取り扱いデバイス(31)。
[17] 前記1つ以上のコネクタ(41,185)は、1つ以上のガイド又はプーリ(73,253,254)の周り又は上を通過する、[16]に記載の積み荷取り扱いデバイス(31)。
[18] 前記1つ以上のコネクタ(41,185)は、前記単一のモータ(52,222,232)によって1つ以上のスプール又はドラム(57,62,67,68,71,75,221,231,251)から巻き出され、その上に巻き付けられるように構成される、[16]又は[17]に記載の積み荷取り扱いデバイス(31)。
[19] 前記上昇及び下降アセンブリ(51)は、通信ケーブルを含み、前記単一のモータ(52,222,232)は、前記容器把持アセンブリ(43)と共に前記通信ケーブルの先端を上昇及び下降させるように構成される、[1]~[18]のうちのいずれか一項に記載の積み荷取り扱いデバイス(31)。
[20] [1]~[19]のうちのいずれか一項に記載の積み荷取り扱いデバイス(31)によって実行するための方法であって、
単一のモータ(52)の出力の第1の方向への回転を引き起こし、それによって、容器把持アセンブリ(43)を保管構造(1)中の容器(9)のスタック(11)中に積み重ねられた容器(9)まで下降させることと、
前記容器(9)を前記容器把持アセンブリ(43)が上昇及び下降させることができるように、前記容器把持アセンブリ(43)を前記容器(9)と係合させることと、
前記単一のモータ(52)の前記出力の第2の方向への回転を引き起こし、それによって、前記容器把持アセンブリ(43)及び係合された前記容器(9)を上昇させることと を備える、方法。
[21] 前記積み荷取り扱いデバイス(31)の前記本体(33)の前記下部(47)中の前記容器受け入れ空間中に係合された前記容器(9)の少なくとも一部を収容すること
を備える、[20]に記載の方法。
[22] 前記車輪位置決め機構に、前記車輪の第1のセット(35)のみを前記トラックの第1のセット(17)と係合させることと、
前記車輪の第1のセット(35)に、前記トラックの第1のセット(17)に沿った前記第1の方向に前記積み荷取り扱いデバイス(31)を回転及び移動させることと
を備える、[20]又は[21]に記載の方法。
[23] 前記車輪位置決め機構に、前記車輪の第2のセット(37)のみを前記トラックの第2のセット(19)と係合させることと、
前記車輪の第2のセット(37)に、前記トラックの第2のセット(19)に沿った前記第2の方向に前記積み荷取り扱いデバイス(31)を回転及び移動させることと
を備える、[22]に記載の方法。
[24] 前記単一のモータ(52)の前記出力の前記第1の方向への回転を引き起こし、それによって、前記容器把持アセンブリ(43)及び係合された前記容器(9)を下降させること
を備える、[23]に記載の方法。
[25] 前記車輪位置決め機構に、前記車輪の第1のセット(35)を前記トラックの第1のセット(17)と係合させること
を備える、[24]に記載の方法。
[26] 保管及び取り出しシステムであって、
第1の方向に延在するトラックの第1のセット(17)及び第2の方向に延在するトラックの第2のセット(19)の真下のスタック(11)中に容器(9)を保管するように構成された保管構造(1)と、
複数の[1]~[19]のうちのいずれか一項に記載の積み荷取り扱いデバイス(31)と
を備える、保管及び取り出しシステム。
[27] 前記複数の積み荷取り扱いデバイス(31)は、[20]~[25]のうちのいずれか一項に記載の方法を実行するように構成される、[26]に記載の保管及び取り出しシステム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図6a
図6b
図6c
図7
図8
図9
図10
図11
図12