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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】磁気共鳴映像処理装置及びその方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/055 20060101AFI20240708BHJP
【FI】
A61B5/055 376
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022549166
(86)(22)【出願日】2020-05-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-03
(86)【国際出願番号】 KR2020006853
(87)【国際公開番号】W WO2021162176
(87)【国際公開日】2021-08-19
【審査請求日】2022-09-01
(31)【優先権主張番号】10-2020-0017998
(32)【優先日】2020-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522300628
【氏名又は名称】エアーズ・メディカル・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】AIRS MEDICAL INC.
【住所又は居所原語表記】13F, 14F, 223, Teheran-ro Gangnam-gu Seoul 06142 REPUBLIC OF KOREA
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】コ,ジン キュ
(72)【発明者】
【氏名】ユン,ジェ ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,クン ウ
【審査官】永田 浩司
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-111322(JP,A)
【文献】特表2015-533531(JP,A)
【文献】Anagha Deshmane, et al.,Parallel MR Imaging,JOURNAL OF MAGNETIC RESONANCE IMAGING,2012年,36,55-72
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/055
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気共鳴映像処理装置による磁気共鳴映像処理方法であって、
サブサンプリングされた磁気共鳴信号から獲得された第1磁気共鳴映像を前処理して第1入力映像データを生成する段階と、
前記第1入力映像データから、第1人工ニューラルネットワークモデルを用いて第1出力磁気共鳴映像を獲得する段階と、を含み、
前記第1人工ニューラルネットワークモデルは、ノイズパターン映像が入力されて学習されるのであり、このノイズパターン映像は、復元された映像において対象体の各部分によるノイズの発生程度に基づいて加重値を適用して区分表示した映像である、磁気共鳴映像処理方法。
【請求項2】
前記サブサンプリングされた磁気共鳴信号から、第1並列映像技法を用いて第1k-spaceデータを獲得する段階をさらに含み、
前記サブサンプリングされた磁気共鳴信号が複数の場合、前記第1k-spaceデータ及び前記第1磁気共鳴映像のそれぞれを複数獲得し、
前記第1磁気共鳴映像を前処理して第1入力映像データを生成する段階は、
前記複数の第1磁気共鳴映像をコンバイン(combine)して単一の第2磁気共鳴映像を獲得する段階と、
前記第2磁気共鳴映像を前処理して第1入力映像データを生成する段階と、を含む、請求項1に記載の磁気共鳴映像処理方法。
【請求項3】
前記複数の第1磁気共鳴映像をコンバインして単一の第2磁気共鳴映像を獲得する段階は、つぎの数式1を用いて遂行する、請求項2に記載の磁気共鳴映像処理方法。
<数式1>
【請求項4】
前記複数の第1磁気共鳴映像をコンバインして単一の第2磁気共鳴映像を獲得する段階はつぎの数式2を用いて遂行する、請求項2に記載の磁気共鳴映像処理方法。
<数式2>
【請求項5】
前記第1磁気共鳴映像は、ターゲットイメージと位相エンコード方向にエイリアシングされたイメージとを含み、
前記第1磁気共鳴映像を前処理して第1入力映像データを生成する段階は、
前記エイリアシングされたイメージが前記ターゲットイメージとマッチングするように前記第1磁気共鳴映像をシフト(shift)させて、シフトされた第1磁気共鳴映像を獲得する段階と、
前記第1磁気共鳴映像と前記シフトされた第1磁気共鳴映像とを、前記位相エンコード方向及びリードアウト方向のそれぞれに垂直な第1方向にスタック(stack)してグループ化(grouping)することで第1入力映像データを生成する段階と、を含む、請求項1に記載の磁気共鳴映像処理方法。
【請求項6】
前記第2磁気共鳴映像は、ターゲットイメージと、位相エンコード方向にエイリアシングされたイメージとを含み、
前記第2磁気共鳴映像を前処理して第1入力映像データを生成する段階は、
前記エイリアシングされたイメージが前記ターゲットイメージとマッチングするように前記第2磁気共鳴映像をシフトさせて、シフトされた第2磁気共鳴映像を獲得する段階と、
前記第2磁気共鳴映像と前記シフトされた第2磁気共鳴映像とを、前記位相エンコード方向及びリードアウト方向に垂直な第1方向にスタックしてグループ化することで第1入力映像データを生成する段階と、を含む、請求項2に記載の磁気共鳴映像処理方法。
【請求項7】
前記第1人工ニューラルネットワークモデルは、コントラクティングパス(Contracting path)及びエクスパンディングパス(Expanding path)を含む人工ニューラルネットワーク構造を有し、
前記コントラクティングパス(Contracting path)は複数のコンボリューション(Convolution)レイヤー及びプーリング(Pooling)レイヤーを含んでなるものであり、前記エクスパンディングパス(Expanding path)は複数のコンボリューションレイヤー及びアンプーリング(Unpooling)レイヤーを含んでなり、
前記ノイズパターン映像は、前記エクスパンディングパス(Expanding path)の前記複数のコンボリューションレイヤー及びアンプーリングレイヤーのうちの少なくとも一つに入力される、請求項に記載の磁気共鳴映像処理方法。
【請求項8】
前記第1出力磁気共鳴映像からフーリエ演算を用いて第2k-spaceデータを獲得する段階を含み、
前記第2k-spaceデータを獲得する段階は、
前記第1出力磁気共鳴映像をデコンバイン(decombine)して複数の第2出力磁気共鳴映像を獲得する段階と、
前記第2出力磁気共鳴映像からフーリエ演算を用いて第2k-spaceデータを獲得する段階と、を含む、請求項1記載の磁気共鳴映像処理方法。
【請求項9】
前記第1出力磁気共鳴映像をデコンバイン(decombine)して複数の第2出力磁気共鳴映像を獲得する段階は、つぎの数式3または数式4を用いて遂行する、請求項に記載の磁気共鳴映像処理方法。
<数式3>
<数式4>
【請求項10】
前記第2k-spaceデータから、第2並列映像技法を用いて第3k-spaceデータを獲得する段階を含む、請求項に記載の磁気共鳴映像処理方法。
【請求項11】
前記第3k-spaceデータから、逆フーリエ演算を用いて第3磁気共鳴映像を獲得する段階と、
前記第3磁気共鳴映像を前処理して第2入力映像データを生成する段階と、
前記第2入力映像データから、第2人工ニューラルネットワークモデルを用いて第3出力磁気共鳴映像を獲得する段階と、を含む、請求項10に記載の磁気共鳴映像処理方法。
【請求項12】
磁気共鳴映像処理方法を実行するための磁気共鳴映像処理装置であって、
磁気共鳴映像処理プログラムが保存されたメモリと、
前記プログラムを実行するプロセッサと、を含み、
前記プロセッサは、前記プログラムの実行によって、サブサンプリングされた磁気共鳴信号から獲得された第1磁気共鳴映像を前処理して第1入力映像データを生成し、前記第1入力映像データから第1人工ニューラルネットワークモデルを用いて第1出力磁気共鳴映像を獲得するのであり、
前記第1人工ニューラルネットワークモデルは、ノイズパターン映像が入力されて学習されるのであり、このノイズパターン映像は、復元された映像において対象体の各部分によるノイズの発生程度に基づいて加重値を適用して区分表示した映像である、磁気共鳴映像処理装置。
【請求項13】
請求項1から6及び8から11のいずれか一項に記載の方法を実行するプログラムが保存されたコンピューター可読の記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は磁気共鳴映像処理装置及びその方法に関し、人工ニューラルネットワークを用いて、磁気共鳴信号から磁気共鳴映像を獲得することを加速化する磁気共鳴映像処理装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、医療用映像装置は、患者の身体情報を獲得して映像を提供する装置である。医療用映像装置としては、X線撮影装置、超音波診断装置、コンピューター断層撮影装置、磁気共鳴映像(Magnetic Resonance Imaging、MRI)撮影装置などがある。
【0003】
ここで、磁気共鳴映像は、人体に無害な磁場及び非電離放射線を用いて体内の水素原子核に核磁気共鳴現象を引き起こして、原子核の密度及び物理/化学的特性を映像化したものである。磁気共鳴映像撮影装置は、映像撮影条件が相対的に自由であり、軟部組織における多様な診断情報を含み、優れたコントラストを有する映像を提供するので、医療用映像を用いた診断分野で重要な位置を占めている。
【0004】
具体的には、磁気共鳴映像撮影装置は、原子核に一定の磁場をかけた状態で一定の周波数のエネルギーを供給することにより、原子核から放出されたエネルギーを信号に変換して人体の内部を診断する映像診断装置である。原子核を構成する陽子は自らがスピン角運動量及び磁気双極子を有するので、磁場をかければ、磁場の方向に整列され、磁場の方向を中心に原子核が歳差運動を行う。このような歳差運動によって核磁気共鳴現象による人体の映像を獲得することができる。
【0005】
一方、磁気共鳴映像撮影装置による撮影には、撮影部位及びMR映像の種類などによって、短くは20分余りから、長くは1時間以上がかかることがある。すなわち、磁気共鳴映像撮影装置の撮影時間は、他の医療用映像撮影装置に比べて相対的に長いという欠点がある。このような欠点は患者に撮影に対する負担を与えることがあり、特に閉所恐怖症を有している患者に対しては、施行自体が困ることになる。よって、撮影時間を縮めようとする技術が最近まで開発されており、さらに映像の質的な面でも改善が要求されている実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明による磁気共鳴映像処理装置及びその方法は、磁気共鳴映像撮影時間を短縮させても良質の復元映像を獲得することができる磁気共鳴映像処理装置及びその方法を提供して患者の病変部位を容易に診断しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施例は、磁気共鳴映像処理装置による磁気共鳴映像処理方法であって、サブサンプリングされた磁気共鳴信号を獲得する段階と、前記サブサンプリングされた磁気共鳴信号から第1並列映像技法を用いて第1k-spaceデータを獲得する段階と、前記第1k-spaceデータから逆フーリエ演算を用いて第1磁気共鳴映像を獲得する段階と、前記第1磁気共鳴映像を前処理して第1入力映像データを生成する段階と、前記第1入力映像データから第1人工ニューラルネットワークモデルを用いて第1出力磁気共鳴映像を獲得する段階とを含む磁気共鳴映像処理方法を提供する。
【0008】
本実施例は、前記サブサンプリングされた磁気共鳴信号が複数の場合、前記第1k-spaceデータ及び前記第1磁気共鳴映像をそれぞれ複数獲得し、前記第1磁気共鳴映像を前処理して第1入力映像データを生成する段階は、前記複数の第1磁気共鳴映像をコンバイン(combine)して単一の第2磁気共鳴映像を獲得する段階と、前記第2磁気共鳴映像を前処理して第1入力映像データを生成する段階とを含む磁気共鳴映像処理方法を提供することができる。
【0009】
本実施例において、前記複数の第1磁気共鳴映像をコンバインして単一の第2磁気共鳴映像を獲得する段階は、つぎの数式1を用いて遂行するものである、磁気共鳴映像処理方法を提供することができる。
【0010】
<数式1>
【0011】
=i番目の第1磁気共鳴の映像
=i番目コイルの感度の行列
m=複素数値の情報による第2磁気共鳴映像
real=実数値の情報による第2磁気共鳴映像
【0012】
本実施例であると、前記複数の第1磁気共鳴の映像をコンバインして単一の第2磁気共鳴映像を獲得する段階は、つぎの数式2を用いて遂行する、磁気共鳴映像処理方法を提供することができる。
【0013】
<数式2>
【0014】
m=複素数値の情報による第2磁気共鳴映像
=i番目コイルの感度の行列の共役転置行列(Conjugate transposed matrix)
=i番目の第1磁気共鳴の映像
【0015】
本実施例であると、前記第1磁気共鳴の映像は、ターゲットイメージと、位相エンコード方向にエイリアシング(aliasing)されたイメージとを含み、前記第1磁気共鳴映像を前処理して第1入力映像データを生成する段階は、(1)前記エイリアシングされたイメージが前記ターゲットイメージとマッチングするように前記第1磁気共鳴映像をシフト(shift)させて、シフトされた第1磁気共鳴映像を獲得する段階と、(2)前記第1磁気共鳴映像と前記シフトされた第1磁気共鳴映像とを、前記位相エンコード方向及びリードアウト方向のそれぞれに垂直な、第1方向にスタック(stack)してグループ化(grouping)することで第1入力映像データを生成する段階と、を含む磁気共鳴映像処理方法を提供することができる。
【0016】
本実施例であると、前記第2磁気共鳴映像は、ターゲットイメージと、位相エンコード方向にエイリアシングされたイメージとを含み、前記第2磁気共鳴映像を前処理して第1入力映像データを生成する段階は、(1)前記エイリアシングされたイメージが前記ターゲットイメージとマッチングするように前記第2磁気共鳴映像をシフトさせて、シフトされた第2磁気共鳴映像を獲得する段階と、(2)前記第2磁気共鳴映像と、前記シフトされた第2磁気共鳴映像とを、前記位相エンコード方向及びリードアウト方向に垂直な第1方向にスタックしてグループ化することで第1入力映像データを生成する段階と、を含む磁気共鳴映像処理方法を提供することができる。
【0017】
本実施例であると、前記第1人工ニューラルネットワークモデルは、前記第1磁気共鳴映像に基づいて生成されたノイズパターン映像が入力される磁気共鳴映像処理方法を提供することができる。
【0018】
本実施例であると、前記第1人工ニューラルネットワークモデルは、コントラクティングパス(Contracting path)及びエクスパンディングパス(Expanding path)を含む人工ニューラルネットワーク構造を有し、前記コントラクティングパス(Contracting path)は、複数のコンボリューション(Convolution)レイヤー及びプーリング(Pooling)レイヤーを含んでなるものであり、前記エクスパンディングパス(Expanding path)は、複数のコンボリューションレイヤー及びアンプーリング(Unpooling)レイヤーを含んでなり、前記ノイズパターン映像は、前記エクスパンディングパス(Expanding path)の前記複数のコンボリューションレイヤー及びアンプーリングレイヤーのうちの少なくとも一つに入力される磁気共鳴映像処理方法を提供することができる。
【0019】
本発明の拡張実施例であると、前記第1出力磁気共鳴映像からフーリエ演算を用いて第2k-spaceデータを獲得する段階を含み、前記第2k-spaceデータを獲得する段階は、前記第1出力磁気共鳴映像をデコンバイン(decombine)して複数の第2出力磁気共鳴映像を獲得する段階と、前記第2出力磁気共鳴映像からフーリエ演算を用いて第2k-spaceデータを獲得する段階とを含む磁気共鳴映像処理方法を提供することができる。
【0020】
本実施例であると、前記第1出力磁気共鳴映像をデコンバイン(decombine)して複数の第2出力磁気共鳴映像を獲得する段階はつぎの数式3または数式4を用いて遂行する磁気共鳴映像処理方法を提供することができる。
【0021】
<数式3>
【0022】
【0023】
<数式4>
【0024】
【0025】
本実施例であると、前記第2k-spaceデータから第2並列映像技法を用いて第3k-spaceデータを獲得する段階を含む磁気共鳴映像処理方法を提供することができる。
【0026】
本実施例であると、前記第3k-spaceデータから逆フーリエ演算を用いて第3磁気共鳴映像を獲得する段階と、前記第3磁気共鳴映像を前処理して第2入力映像データを生成する段階と、前記第2入力映像データから第2人工ニューラルネットワークモデルを用いて第3出力磁気共鳴映像を獲得する段階とを含む磁気共鳴映像処理方法を提供することができる。
【0027】
本発明の一実施例による、磁気共鳴映像処理方法を実行するための磁気共鳴映像処理装置であると、磁気共鳴映像処理プログラムが保存されたメモリと、前記プログラムを実行するプロセッサと、を含み、前記プロセッサは、前記プログラムの実行によって、サブサンプリングされた磁気共鳴信号を獲得し、前記サブサンプリングされた磁気共鳴信号から第1並列映像技法を用いて第1k-spaceデータを獲得し、前記第1k-spaceデータから逆フーリエ演算を用いて第1磁気共鳴映像を獲得し、前記第1磁気共鳴映像を前処理して第1入力映像データを生成し、前記第1入力映像データから第1人工ニューラルネットワークモデルを用いて第1出力磁気共鳴映像を獲得する磁気共鳴映像処理装置を提供する。
【発明の効果】
【0028】
本発明による磁気共鳴映像処理装置及びその方法は、磁気共鳴映像撮影時間を短縮させても良質の復元映像を獲得することができる磁気共鳴映像処理装置及びその方法を提供して患者の病変部位を容易に診断することができる。
【0029】
また、本発明の実施例による磁気共鳴映像処理装置及びその方法は、複数の磁気共鳴映像を獲得し、これを前処理して生成した入力データから、第1人工ニューラルネットワークモデル及び第2人工ニューラルネットワークモデルを活用して復元した高正確度の出力磁気共鳴映像を提供することにより患者の病変部位を容易に診断する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の一実施例による磁気共鳴映像処理装置の構成を示す構成図である。
図2】本発明の一実施例による磁気共鳴映像処理方法の手順を示すフローチャートである。
図3】本発明の一実施例による磁気共鳴映像処理方法を示す概略図である。
図4】本発明の一実施例によるフルサンプリングとサブサンプリングの相違点を説明するための概略図である。
図5】本発明の一実施例による並列映像技法であるグラッパ(GRAPPA)とスピリット(SPIRiT)との相違点を説明するための概略図である。
図6】本発明の一実施例による第1磁気共鳴映像を前処理する方法の手順を示すフローチャートである。
図7】本発明の一実施例による第1磁気共鳴映像を前処理する方法を示す概略図である。
図8】本発明の変形実施例による、第1磁気共鳴映像を前処理して第1入力映像データを生成する方法の手順を示すフローチャートである。
図9】本発明の一実施例による第1人工ニューラルネットワークモデルを用いて第1入力映像データから第1出力磁気共鳴映像を獲得する段階を示す概略図である。
図10】本発明の一実施例による第1人工ニューラルネットワークモデルの構造を示す概略図である。
図11】本発明の一実施例による人工ニューラルネットワークモデルに学習データとして適用されるノイズパターン映像を説明するための図である。
図12】本発明の一実施例による人工ニューラルネットワークモデルにノイズパターン映像を学習データとして適用して幻影(hallucnation)を緩和させた効果を示す図である。
図13】本発明の一実施例による磁気共鳴映像処理方法を含む拡張実施例による磁気共鳴映像処理方法の手順を示すフローチャートである。
図14】本発明の本発明の拡張実施例による磁気共鳴映像処理方法を示す概略図である。
図15】本発明の拡張実施例による第2出力磁気共鳴映像獲得段階及び第2k-spaceデータ獲得段階を示すフローチャートである。
図16】本発明の一実験例による4倍加速化した復元映像を比較例とともに示す図である。
図17】本発明の他の実験例による6倍加速化した復元映像を比較例とともに示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下では、添付図面に基づき、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施することができるように本発明の実施例を詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な相異なる形態に具現されうるのであり、ここで説明する実施例に限定されない。そして、図面では、本発明を明確に説明するために、説明に関係ない部分は省略し、明細書全般にわたって、類似の部分に対しては類似の図面符号を付けた。
【0032】
本明細書が実施例のすべての要素を説明するものではなく、本発明が属する技術分野で一般的な内容、または実施例同士の間で重複する内容は省略する。明細書で使われる部(part、portion)という用語は、ソフトウェアまたはハードウェアによって具現されうるのであり、実施例によっては複数の「部」が単一の要素(unit、element)によって具現されるか、単一の「部」が複数の要素を含むこともできる。
【0033】
本明細書で、「映像」は離散的なイメージ要素(例えば、2次元イメージにおけるピクセル及び3次元イメージにおけるボクセル)から構成された多次元(multi-dimenSonal)データを意味することができる。例えば、映像は、磁気共鳴映像撮影装置、コンピューター断層撮映(CT)装置、超音波撮影装置、またはX線撮影装置などの医療映像装置によって獲得された医療映像を含むことができる。
【0034】
本明細書で、「対象体(object)」は、撮影の対象となるものであり、ヒト、動物、またはその一部を含むことができる。例えば、対象体は、身体の一部(臓器または器官など;organ)またはファントム(phantom)などを含むことができる。ファントムは、生物の密度及び実効原子番号に非常に近似した体積を有する物質を意味するのであり、身体と類似した性質を有する球形(sphere)のファントムを含むことができる。
【0035】
磁気共鳴映像(Magnetic Resonance Image、MRI)システムは、特定強度の磁場で発生する無線周波数(Radio Frequency、RF)信号に対する磁気共鳴(Magnetic Resonance、MR)信号の強度を明暗の対比として表現して対象体の断層部位に対するイメージを獲得するシステムである。
【0036】
具体的には、MRIシステムは、主磁石が静磁場(static magnetic field)を形成するようにし、静磁場内に位置する対象体における特定原子核の磁気双極子モーメント方向を静磁場の方向に整列させる。傾斜磁場コイルは、静磁場に傾斜信号を印加して傾斜磁場を形成することで、対象体の部位別に共鳴周波数を異なるように誘導することができる。RFコイルは、映像の獲得を所望する部位の共鳴周波数に合わせて磁気共鳴信号を照射することができる。また、RFコイルは、傾斜磁場が形成されることにより、対象体の多くの部位から放射される、相異なる共鳴周波数の磁気共鳴信号を受信することができる。MRIシステムは、このような段階で受信した磁気共鳴信号に、映像復元技法を適用して映像を獲得する。また、MRIシステムは、多チャンネルRFコイルによって受信される複数の磁気共鳴信号に対して、直列的または並列的信号処理を遂行して複数の磁気共鳴信号を映像データに再構成することもできる。
【0037】
以下では、本発明の一実施例による磁気共鳴映像処理装置100について説明する。
【0038】
本発明の一実施例による磁気共鳴映像処理装置100は、前述したMRIシステムに直間接的に適用されて、磁気共鳴信号から磁気共鳴映像を獲得することを加速化する磁気共鳴映像処理装置100である。
【0039】
磁気共鳴映像処理装置100は、自ら磁気共鳴信号を感知して磁気共鳴映像を獲得することができるMRIシステムだけでなく、外部から獲得された映像を処理する映像処理装置、磁気共鳴映像に対するプロセッシング機能を備えたスマートフォン、タブレット型PC、PC、スマートTV、マイクロサーバー、その他の家電機器、及びその他のモバイルまたは非モバイルコンピューター装置でありうるが、これに限定されない。また、磁気共鳴映像処理装置100は、通信機能及びデータプロセッシング機能を備えた時計、メガネ、ヘアバンド及び指輪などのウェアラブルバイスでありうる。
【0040】
図1は、本発明の一実施例による磁気共鳴映像処理装置100の構成を示す構成図である。
【0041】
図1を参照すると、磁気共鳴映像処理装置100は、通信モジュール110、メモリ120、プロセッサ130、及びデータベース(DB)140を含むことができる。
【0042】
通信モジュール110は、通信網と連動して磁気共鳴映像処理装置100に通信インターフェースを提供し、MRI撮影装置、使用者端末、及び管理サーバーに対して、データを送受信する役割を果たすことができる。ここで、通信モジュールは、他のネットワーク装置に対して有無線連結を介して、制御信号またはデータ信号といった信号を送受信するために必要なハードウェア及びソフトウェアを含む装置であることができる。
【0043】
メモリ120は、磁気共鳴映像処理プログラムが記録された記録媒体でありうる。また、メモリ120は、プロセッサが処理するデータを一時的または永久的に保存する機能を果たすことができる。ここで、メモリ120は、揮発性記録媒体(volatile storage media)または非揮発性記録媒体(non-volatile storage media)を含むことができるが、本発明の範囲がこれに限定されるものではない。
【0044】
プロセッサ130は、磁気共鳴映像処理装置100で磁気共鳴映像処理プログラムが遂行する全体の過程を制御することができる。プロセッサ130が遂行する過程の各段階については、図2図15を参照して後述する。
【0045】
ここで、プロセッサ130は、プロセッサ(processor)のようにデータを処理することができるすべての種類の装置を含むことができる。ここで、「プロセッサ(processor)」は、例えばプログラム内に含まれたコードまたは命令で表現された機能を果たすために物理的に構造化した回路を有する、ハードウェアに内蔵されたデータ処理装置を意味することができる。このようにハードウェアに内蔵されたデータ処理装置の一例として、マイクロプロセッサ(microprocessor)、中央処理装置(central processing unit:CPU)、プロセッサコア(processor core)、マルチプロセッサ(multiprocessor)、ASC(application-specific integrated circuit)、FPGA(field programmable gate array)などの処理装置を網羅することができるが、本発明の範囲がこれに限定されるものではない。
【0046】
データベース140は、磁気共鳴映像処理装置100がプログラムを実行するために必要な各種のデータが保存されたものでありうる。例えば、データベースには、後述する人工ニューラルネットワークの学習データ、磁気共鳴信号310データ、k-spaceデータ、及び磁気共鳴映像データなどが保存されたものでありうる。
【0047】
一方、本発明で、「端末」は携帯性及び移動性が保障された無線通信装置でありうるのであり、例えばスマートフォン、タブレット型PCまたはノートブック型PCなどのようなすべての種類のハンドヘルド(Handheld)基盤の無線通信装置でありうる。また、「端末」は、通信機能及びデータプロセッシング機能を備えた時計、ネガネ、ヘアバンド、及び指輪などのウェアラブル機器であってもよい。また、「端末」は、ネットワークを介して他の端末またはサーバーなどに接続することができるPCなどの有線通信装置であってもよい。
【0048】
また、ネットワークは端末及びサーバーのようなそれぞれのノードの間に情報を交換することができる連結構造を意味するものであり、ローカルエリアネットワーク(LAN:Local Area Network)、広域ネットワーク(WAN:Wide Area Network)、インターネット(WWW:World Wide Web)、有無線データ通信網、電話網、有無線テレビ通信網などを含む。無線データ通信網の一例としては、3G、4G、5G、3GPP(登録商標)(3rd Generation Partnership Project)、LTE(Long Term Evolution)、WIMAX(World Interoperability for Microwave Access)、ワイファイ(Wi-Fi)、ブルートゥース(登録商標)通信、赤外線通信、超音波通信、可視光通信(VLC:Visible Light Communication)、ライファイ(LiFi)などが含まれるが、これに限定されない。
【0049】
以下では、本発明の一実施例による磁気共鳴映像処理装置100によって遂行される磁気共鳴映像処理方法について詳細に説明する。図2は、本発明の一実施例による磁気共鳴映像処理方法の手順を示すフローチャートである。図3は、本発明の一実施例による磁気共鳴映像処理方法を示す概略図である。
【0050】
図2及び図3を参照すると、本発明の一実施例による磁気共鳴映像処理装置100によって遂行される磁気共鳴映像処理方法は、まず、サブサンプリングされた磁気共鳴信号310を獲得する段階(S210)を遂行することができる。
【0051】
図4は、本発明の一実施例によるフルサンプリングとサブサンプリングとの相違点を説明するための概略図である。
【0052】
図4を参照すると、サブサンプリングされた磁気共鳴信号310は、ナイキストサンプリングレートより低いサンプリングレートでサンプリングされた磁気共鳴信号310であることができる。また、サブサンプリングされた磁気共鳴映像は、ナイキストサンプリングレートより低いサンプリングレートで磁気共鳴信号310をサンプリングして獲得した映像である。サブサンプリングされた磁気共鳴映像は、エイリアシングアーチファクト(aliasing artifact)を含む映像でありうる。エイリアシングアーチファクトは、スキャンされた対象体がFOV(field of view)より大きいとき、磁気共鳴映像に発生する人工的なイメージでありうる。一方、フルサンプリングされた磁気共鳴映像は、ナイキストサンプリングレート以上のサンプリングレートでk-spaceデータをサンプリングして獲得した映像でありうる。
【0053】
例えば、フルサンプリングされた磁気共鳴信号310のライン(line)数がn個であり、サブサンプリングされた磁気共鳴信号310のライン(line)数がn/2個でありうる。ここで、サンプリングラインの減少した程度が1/2の倍数であれば磁気共鳴映像撮影の加速化指数が2であると言える。サンプリングラインの減少した程度が1/3の倍数、1/4の倍数であれば、加速化指数はそれぞれ3、4であると言える。
【0054】
そして、サブサンプリング方法は、均一サブサンプリングと、非均一サブサンプリングとに区分されうる。均一サブサンプリングは、サンプリングされるラインの間隔を一定に維持してサンプリングを遂行することでありうる。一方、非均一サブサンプリングは、一般的にサンプリングデータの中央部分に行くほど、サンプリングされるラインの間隔を小さくしてサンプリングを多く遂行し、中央部分から遠くなるほどサンプリングされるラインの間隔を大きくしてサンプリングを少なくすることを意味することができる。
【0055】
一方、磁気共鳴映像処理装置100は、MRIシステムに含まれ、RFコイルから受信した磁気共鳴信号に基づき、サブサンプリングされた磁気共鳴信号310に対応する入力データを獲得することができる。また、磁気共鳴映像処理装置100は、外部の磁気共鳴映像撮影装置、外部サーバー及びデータベースのうちの少なくとも一つからサブサンプリングされた磁気共鳴信号310に対応する入力データを獲得することもできる。
【0056】
また図2及び図3を参照すると、段階(S210)の後、サブサンプリングされた磁気共鳴信号310から第1並列映像技法を用いて第1k-spaceデータ320を獲得する段階(S220)を遂行することができる。
【0057】
ここで、並列映像技法は、サブサンプリングされた磁気共鳴信号310及び/またはk-spaceデータからフルサンプリングされたk-spaceデータ及び/または磁気共鳴映像のように高正確度のk-spaceデータ及び/または磁気共鳴映像を獲得するための一種の映像復元技法である。
【0058】
並列映像技法による映像復元の遂行において、公知の技術であるSPACE RIP(SenStivity Profiles From an Array of Coils for Encoding and Reconstruction in Parallel)、SMASH(Simultaneous acquisition of spatial harmonics)、PILS(Partially Parallel Imaging With Localized Sensitivitie)、GRAPPA(Generalized Autocalibrating Partially Parallel Acquisitions)、SPIRiT(iterative Self-consistent Parallel Imaging Reconstruction)などの並列映像技法に適用可能なものであれば制限なしに適用可能である。
【0059】
図5は本発明の一実施例による並列映像技法であるグラッパ(GRAPPA)とスピリット(SPIRiT)との相違点を説明するための概略図である。
【0060】
図4及び図5を参照すると、第1並列映像技法としては、サブサンプリングされた磁気共鳴信号310を入力データとしてフルサンプリングされたk-space映像データを出力とするグラッパ(GRAPPA)を適用して映像復元を遂行することが好ましいであろう。
【0061】
すなわち、第1並列映像技法はグラッパ技法であることができる。グラッパは、サブサンプリングされた磁気共鳴信号310のデータを、フルサンプリングされたk-spaceのデータと類似した高正確度のk-spaceのデータに補正することができる。言い換えれば、フルサンプリングされた映像データのライン(line)数がn個であり、サブサンプリングされた映像データのライン(line)数がn/2個であるとき、グラッパは、サブサンプリングされた映像データのn/2個のラインから、サンプリングされなかった残りのn/2個のラインを推測して生成することができる。
【0062】
例えば、RFコイルの一チャネルで獲得された、サブサンプリングされた磁気共鳴信号310から、第1ライン、第3ライン及び第4ラインはサンプリングされたが、第2ラインはサンプリングされなかった場合、第2ラインに最も近いラインである第1ラインと、第3ラインとを、線形に組み合わせて第2ラインを推測することができる。このように、グラッパは、隣り合うラインの線形の組合せから、サンプリングされなかった残りのラインを推測して、フルサンプリングされた映像データと類似するように補正することができる。すなわち、各チャネル別に高正確度のk-spaceの形態の映像データを生成することができる。
【0063】
このようなグラッパとは違い、スピリットは、推測しようとするピクセルを含むラインにおける隣接したピクセルデータと、当該ラインに隣接した、サンプリングされたラインのデータとを、互いに線形に組み合わせて、サンプリングされなかったピクセルのデータを推測することができる。
【0064】
段階(S220)の後、第1k-spaceデータ320から、逆フーリエ(IFFT)演算を用いて第1磁気共鳴映像を獲得する段階(S230)を遂行することができる。
【0065】
グラッパは、完全なk-space形態の映像データを逆フーリエ変換して、復元映像である第1磁気共鳴映像を生成することができる。ここで、第1磁気共鳴映像は、ターゲットイメージと、位相エンコード方向(Ky)にエイリアシングされたイメージとを含むことができる。
【0066】
図4及び図5を参照すると、位相エンコード方向(Ky)は、磁気共鳴信号310をサンプリングする過程で、サンプリングされたラインがスタック(stack)される方向に平行に延びる方向でありうる。そして、リードアウト方向(Kx)は、サンプリングされたラインが延びる方向でありうる。一方、Kz方向は、コイルの軸方向であるか、または、後述する位相エンコード方向(Ky)及びリードアウト方向(Kx)のそれぞれと直交する第1方向(Kz)と言える。
【0067】
一方、サブサンプリングされた磁気共鳴信号310が複数の場合、第1k-spaceデータ320及び第1磁気共鳴映像はいずれも複数が獲得されうる。すなわち、磁気共鳴信号310を受信するRFコイルが複数の場合、それぞれのチャネル別に受信される、複数の磁気共鳴信号310に対応して生成された複数の復元映像が第1磁気共鳴映像となる。
【0068】
段階(S230)の後、第1磁気共鳴映像を前処理して第1入力映像データ340を生成する段階(S240)を遂行することができる。
【0069】
図6は本発明の一実施例による第1磁気共鳴映像を前処理する方法の手順を示すフローチャートである。図7は本発明の一実施例による第1磁気共鳴映像を前処理する方法を示す概略図である。
【0070】
図6及び図7を参照すると、第1磁気共鳴映像720を前処理して第1入力映像データ740を生成する段階(S240)は、エイリアシングされたイメージA1、A2がターゲットイメージTとマッチングするように第1磁気共鳴映像720をシフト(shift)して、シフトされた第1磁気共鳴映像710、730を獲得する段階(S241)を含むことができる。
【0071】
図7の(a)を参照すると、例えば、第1磁気共鳴映像720は、対象体(脳)のターゲットイメージTとエイリアシングされたイメージA1、A2とを含むことができる。ここで、第1磁気共鳴映像720を位相エンコード方向(Ky)に沿って左/右に移動させれば、シフトされた第1磁気共鳴映像710、730を得ることができる。
【0072】
ここで、第1磁気共鳴映像720をシフトすることは、エイリアシングされたイメージA1、A2が、ターゲットイメージTとマッチングするほどにまで移動することによって遂行されうる。例えば、左側にシフトされた第1磁気共鳴映像710に含まれた対象体のエイリアシングされたイメージA2が、位相エンコード方向(Ky)及びリードアウト方向(Kx)が形成する平面を基準に、原本の第1磁気共鳴映像720に含まれた対象体のターゲットイメージTの位置と同じ位置に配置されるようにシフトされうる。また、右側にシフトされた第1磁気共鳴映像730に含まれた対象体についてのエイリアシングされたイメージA1が、位相エンコード方向(Ky)及びリードアウト方向(Kx)が形成する平面を基準に、原本の第1磁気共鳴映像720に含まれた対象体のターゲットイメージTの位置と同じ位置に配置されるようにシフトされうる。
【0073】
そして、図7の(b)を参照すると、第1磁気共鳴映像720を前処理して第1入力映像データ740を生成する段階(S240)は、第1磁気共鳴映像720と、シフトされた第1磁気共鳴映像710、730とを、位相エンコード方向(Ky)及びリードアウト方向(Kx)のそれぞれに垂直な、第1方向(Kz)にスタック(stack)してグループ化(grouping)することで、第1入力映像データ740を生成する段階(S242)を含むことができる。
【0074】
ここで、第1方向(Kz)は、図7の(b)におけるKz方向に平行な方向である。位相エンコード方向(Ky)はKy方向に平行な方向であり、リードアウト方向(Kx)はKx方向に平行な方向である。そして、スタックされた、第1磁気共鳴映像720と、複数のシフトされた第1磁気共鳴映像710、730とは単一グループにまとめられて、後述する第1人工ニューラルネットワークモデル500に入力される第1入力映像データ740として生成されうる。
【0075】
図8は、本発明の変形実施例による、第1磁気共鳴映像を前処理して第1入力映像データ340を生成する方法の手順を示すフローチャートである。
【0076】
図8を参照すると、本発明の変形実施例で、第1磁気共鳴映像を前処理して第1入力映像データ340を生成する段階(S240’)は、複数の第1磁気共鳴映像をコンバイン(combine)して単一の第2磁気共鳴映像330を獲得する段階(S241’)を含むことができる。複数の第1磁気共鳴映像は、複数のRFコイルチャネルによってそれぞれ受信される磁気共鳴信号310によって生成されうる。コンバインは多重コイルで受信した複数の第1磁気共鳴映像を入力として単一の第2磁気共鳴映像330を出力する過程である。
【0077】
具体的には、複数の第1磁気共鳴映像をコンバイン(combine)して単一の第2磁気共鳴映像330を獲得する段階(S241’)は次の数式1を用いて遂行することができる。
【0078】
<数式1>
【0079】
=i番目の第1磁気共鳴映像
=i番目コイルの感度の行列
m=複素数値の情報による第2磁気共鳴映像
real=実数値の情報による第2磁気共鳴映像
【0080】
ここで、第2磁気共鳴映像330は、第1磁気共鳴映像情報及びRFコイルの感度情報に基づいて獲得することができる。第1磁気共鳴映像情報は、第2磁気共鳴映像330情報に各コイルの感度情報を加重値として掛けたものでありうる。一方、第2磁気共鳴映像330を獲得するための方法としては、第1磁気共鳴映像から各当該コイルの感度情報を割って獲得する方法があるが、これはノイズ増幅の問題が発生し得る。よって、ノイズ増幅を防止するとともに計算を簡素化及び加速化するために、実数値情報による第2磁気共鳴映像330を獲得することが容易でありうる。実数値情報による第2磁気共鳴映像330を獲得することができるようにするためには、それぞれのコイル感度行列の大きさの和が1を満たさなければならないであろう。
【0081】
一方、複数の第1磁気共鳴映像をコンバインして単一の第2磁気共鳴映像330を獲得する段階(S241’)は、次の数式2を用いて遂行することができる。
【0082】
<数式2>
【0083】
m=複素数値の情報による第2磁気共鳴映像
=i番目コイルの感度行列の共役転置行列(Conjugate transposed matrix)
=i番目の第1磁気共鳴映像
【0084】
数式2は、複素数値の情報に基づいて第2磁気共鳴映像330を獲得するために使うことができる。この場合、第2磁気共鳴映像330を獲得するのに数式1を適用することよりも演算が複雑になりうるが、より正確な第2磁気共鳴映像330を獲得することができるという利点がある。
【0085】
そして、第1磁気共鳴映像を前処理して第1入力映像データ340を生成する段階(S240’)は、前記数式1または数式2を用いてコンバインされた第2磁気共鳴映像330を前処理して第1入力映像データ340を生成する段階(S242’)を含むことができる。
【0086】
複数の第1磁気共鳴映像がコンバインされた第2磁気共鳴映像330は、ターゲットイメージと、位相エンコード方向(Ky)にエイリアシングされたイメージとを含むことができる。そして、第2磁気共鳴映像330を前処理して第1入力映像データ340を生成する段階(S242’)は、前述した第1磁気共鳴映像を前処理して第1入力映像データ340を生成する段階(S240)と同じ過程を遂行することができる。
【0087】
すなわち、第2磁気共鳴映像330を前処理して第1入力映像データ340を生成する段階(S242’)は、エイリアシングされたイメージがターゲットイメージとマッチングするように第2磁気共鳴映像330をシフトさせて、シフトされた第2磁気共鳴映像330を獲得する段階(図示せず)と、第2磁気共鳴映像330とシフトされた第2磁気共鳴映像330とを位相エンコード方向(Ky)及びリードアウト方向(Kx)に垂直な第1方向(Kz)にスタックしてグループ化することで、第1入力映像データ340を生成する段階(図示せず)と、を含むことができる。
【0088】
まとめると、複数の第1磁気共鳴映像をコンバインして第2磁気共鳴映像330を獲得し、これから第1入力映像データ340を生成する過程によって、より多量の磁気共鳴信号310データに基づいて高い正確度の第1入力映像データ340を生成して、後述する人工ニューラルネットワークに入力することができる。
【0089】
段階(S240)の後、第1入力映像データ340から、第1人工ニューラルネットワークモデル500を用いて第1出力磁気共鳴映像350を獲得する段階(S250)を遂行することができる。
【0090】
図9は、本発明の一実施例による第1人工ニューラルネットワークモデル500を用いて、第1入力映像データ340から第1出力磁気共鳴映像350を獲得する段階を示す概略図である。
【0091】
図9を参照すると、第1人工ニューラルネットワークモデル500は、統計的機械学習結果を用いて、少なくとも一つのサブサンプリングされた磁気共鳴映像と、少なくとも一つのフルサンプリングされた磁気共鳴映像との間の相関関係を学習するアルゴリズムの集合でありうる。第1人工ニューラルネットワークモデル500は、少なくとも一つのニューラルネットワークを含むことができる。ニューラルネットワークは、DNN(Deep Neural Network)、RNN(Recurrent Neural Network)、BRDNN(Bidirectional Recurrent Deep Neural Network)、MLP(Multilayer Perceptron)、CNN(Convolutional Neural Network)のような方式のネットワークモデルを含むことができるが、これらに限定されない。
【0092】
例えば、第1人工ニューラルネットワークモデル500は、ニューラルネットワークを用いて、少なくとも一つのサブサンプリングされた磁気共鳴映像と、少なくとも一つのフルサンプリングされた磁気共鳴映像との間の相関関係を、位相エンコード方向(Ky)にスタックされる少なくとも一つのサンプリングラインのピクセルを単位として学習して構築したモデルでありうる。
【0093】
また、第1人工ニューラルネットワークモデル500は、サブサンプリングされた磁気共鳴映像及びフルサンプリングされた磁気共鳴映像の他にも、多様な追加データを用いて構築することができる。例えば、追加データとして、第1磁気共鳴映像に対応するk-spaceデータ、実数映像データ、虚数映像データ、大きさ映像データ、位相映像データ、マルチチャネルRFコイルの感度データ、ノイズパターン映像NPデータのうちの少なくとも一つを用いることができる。
【0094】
図10は、本発明の一実施例による第1人工ニューラルネットワークモデル500の構造を示す概略図である。
【0095】
図10を参照すると、好ましくは、第1人工ニューラルネットワークモデルは、コントラクティングパス(Contracting path)510及びエクスパンディングパス(Expanding path)520を含むユーネット(U-net)構造を有することができる。
【0096】
コントラクティングパス510は複数のコンボリューション(Convolution;Conv)レイヤーとプーリング(Pooling)レイヤーとを含んでなるものであることができる。例えば、コントラクティングパス510は、複数の3×3コンボリューションレイヤーを入力層とし、ウェーブレット変換(Wavelet Transform)を適用したプーリングレイヤーの組合せを複数含んでなることができる。
【0097】
そして、エクスパンディングパス520は複数のコンボリューションレイヤーとアンプーリング(Un-pooling)レイヤーとを含んでなるものでありうる。例えば、エクスパンディングパス520は、複数の3×3コンボリューションレイヤーとウェーブレット逆変換(Inverse Wavelet Transform)を適用したアンプーリングレイヤーとの組合せを複数含み、出力層として1×1コンボリューションレイヤーをさらに含んでなることができる。一方、エクスパンディングパス520の各部分には、後述するノイズパターン映像NPが入力されて、第1人工ニューラルネットワークが学習されうる。
【0098】
図11は本発明の一実施例による人工ニューラルネットワークモデルに学習データとして適用されるノイズパターン映像NPを説明するための図である。図12は本発明の一実施例による人工ニューラルネットワークモデルにノイズパターン映像NPを学習データとして適用することによる幻影(hallucnation)緩和効果を説明するための図である。
【0099】
図11を参照すると、ノイズパターン映像NPは、復元された映像において対象体の各部分によってノイズの発生程度に基づいて加重値を適用して区分表示した映像でありうる。一例として、ノイズパターン映像NPは、サブサンプリングされた磁気共鳴映像に一般的な人工ニューラルネットワークモデルを適用して復元された映像を、フルサンプリングされた磁気共鳴映像と比較して感知されたノイズによって生成されたパターン映像でありうる。
【0100】
具体的には、図11の(a)を参照すると、サブサンプリングされた磁気共鳴映像1110を人工ニューラルネットワークモデルの入力として出力された復元映像1120と、フルサンプリングされた磁気共鳴映像とを比較した、対比映像1130を見れば、映像の中央部分に、楕円形態としてノイズが多量発生した部分(Poor-conditiond)PCを確認することができる。また、映像の外側に行けば、比較的ノイズが少なく発生した部分(Good-conditioned)GCを確認することができる。このような対象体の部分別に、ノイズの生成の差に基づいて生成されたものが、ノイズパターン映像NPである。
【0101】
図11の(b)を参照すると、サブサンプリングされた磁気共鳴映像1140とノイズパターン映像NPとについて、人工ニューラルネットワークモデルの入力として出力された復元映像1150と、フルサンプリングされた磁気共鳴映像とを比較した、対比映像1160を見れば、映像の全体にわたってノイズが減少したことを確認することができる。
【0102】
また、図12を参照すると、左側から順に、フルサンプリングされた磁気共鳴映像1210、サブサンプリングされた磁気共鳴映像1220、サブサンプリングされた磁気共鳴映像1220を入力とする人工ニューラルネットワークモデルを用いて出力された復元映像1230、サブサンプリングされた磁気共鳴映像1220、及び、ノイズパターン映像NPを入力とする人工ニューラルネットワークモデルを用いて出力された復元映像1240を確認することができる。
【0103】
それぞれの映像の下端では、対象体イメージの一部を拡大したものが見られる。ここで、サブサンプリングされた磁気共鳴映像1220の拡大部分h2には、エイリアシングされたイメージがターゲットイメージと重なって、フルサンプリングされた磁気共鳴映像の拡大部分h1との違いが発生したことが見られる。このような現象を幻影(hallucnation)現象と言い、復元映像の拡大部分h3でも、サブサンプリングされた磁気共鳴映像の影響によってイメージが変わったことを確認することができる。これに対して、ノイズパターン映像NPを活用した復元映像1240の拡大部分h4では、フルサンプリングされた磁気共鳴映像1210の拡大部分h1と同様に、幻影現象が緩和したことを確認することができる。
【0104】
このようなノイズパターン映像NPの適用効果を参照すると、好適な実施例として第1人工ニューラルネットワークモデル500は、第1磁気共鳴映像に基づいて生成されたノイズパターン映像NPが入力されたものでありうる。すなわち、第1人工ニューラルネットワークモデル500は、第1入力映像データ340及びノイズパターン映像NPを入力データとして第1出力磁気共鳴映像350を出力する過程を遂行することができる。
【0105】
例えば、ノイズパターン映像NPは、第1人工ニューラルネットワークモデル500のエクスパンディングパス520(Expanding path)の複数のコンボリューションレイヤー及びアンプーリングレイヤーのうちの少なくとも一つに入力されうる。具体的には、ノイズパターン映像NPはエクスパンディングパス520の出力層であるコンボリューションレイヤーに入力され、アンプーリングレイヤーのそれぞれのイメージ大きさに合わせてプーリングされて入力されうる。
【0106】
一実施例で、磁気共鳴映像処理装置100は前述した第1人工ニューラルネットワークモデル500を自ら構築することができる。他の一実施例で、磁気共鳴映像処理装置100は、外部サーバーまたは外部デバイスで構築された第1人工ニューラルネットワークモデル500を外部サーバーまたは外部デバイスから獲得することもできる。そして、磁気共鳴映像処理装置100は、ニューラルネットワークを用いた第1人工ニューラルネットワークモデル500に基づいて、サブサンプリングされた磁気共鳴映像に対する復元映像である第1出力磁気共鳴映像350を獲得することにより、映像獲得速度の加速化及び映像品質の向上の目的を果たすことができる。
【0107】
ここで、獲得された第1出力磁気共鳴映像350は、使用者端末に提供されて患者の病変部位の診断に活用されうる。一方、第1出力磁気共鳴映像350の正確度を高めるための、追加的な磁気共鳴映像処理段階を遂行することができる。
【0108】
図13は、本発明の一実施例による磁気共鳴映像処理方法を含む、拡張実施例による磁気共鳴映像処理方法の手順を示すフローチャートである。図14は、本発明の拡張実施例による磁気共鳴映像処理方法を示す概略図である。
【0109】
図13及び図14を参照すると、段階(S250)の後、第1出力磁気共鳴映像350からフーリエ演算を用いて第2k-spaceデータ360を獲得する段階(S260)を遂行することができる。
【0110】
図15は本発明の拡張実施例による第2出力磁気共鳴映像400の獲得段階、及び第2k-spaceデータ360の獲得段階を示すフローチャートである。
【0111】
図15を参照すると、第2k-spaceデータ360を獲得する段階(S260)は、第1出力磁気共鳴映像350をデコンバイン(decombine)して複数の第2出力磁気共鳴映像400を獲得する段階(S261)を含むことができる。
【0112】
具体的には、第1出力磁気共鳴映像350をデコンバイン(decombine)して複数の第2出力磁気共鳴映像400を獲得する段階は次の数式3または数式4を用いて遂行することができる。
【0113】
<数式3>
【0114】
【0115】
数式3は、第1出力磁気共鳴映像350が複素数値の情報によって獲得された場合に適用可能な数式である。
【0116】
<数式4>
【0117】
【0118】
数式4は第1出力磁気共鳴映像350が実数値情報によって獲得された場合に適用可能な式である。ここで、第1出力磁気共鳴映像350の位相情報は前述したコンバイン過程で複素数値の位相情報を抽出することよって獲得することができる。これにより、第1出力磁気共鳴映像350はそれぞれのRFコイルの感度情報に基づいてデコンバインされて複数の磁気共鳴映像として生成されうる。
【0119】
そして、第2k-spaceデータ360を獲得する段階(S260)は、第1出力磁気共鳴映像350からフーリエ演算を用いて第2k-spaceデータ360を獲得する段階(S262)を含むことができる。これにより、第1出力磁気共鳴映像350から生成された複数の磁気共鳴映像にフーリエ変換を適用して複数の第2k-spaceデータ360を獲得することができる。
【0120】
段階(S260)の後、第2k-spaceデータ360から第2並列映像技法を用いて第3k-spaceデータ370を獲得する段階(S270)を遂行することができる。
【0121】
ここで、第2並列映像技法は、フルサンプリングされた第2k-spaceデータ360から補正された、フルサンプリングされた第3k-spaceデータ370を獲得することができる並列映像技法であり得る。好ましくは、第2並列映像技法としては、前述したスピリット(SPIRiT)技法を使うことができる。
【0122】
ここで、第1並列映像技法としてグラッパを使い、第2並列映像技法としてスピリットを使うことにより、復元映像を獲得する過程でより高い正確度の復元映像を獲得する効果がある。
【0123】
段階(S270)の後、第3k-spaceデータ370から逆フーリエ演算を用いて第3磁気共鳴映像を獲得する段階(S280)を遂行することができる。
【0124】
段階(S280)の後、第3磁気共鳴映像を前処理して第2入力映像データ390を生成する段階(S290)を遂行することができる。
【0125】
ここで、第3磁気共鳴映像を前処理して第2入力映像データ390を生成する段階は、前述した第1磁気共鳴映像を前処理して第1入力映像データ340を生成する段階(S240)と同じ過程を遂行することができる。
【0126】
一方、変形実施例で、第3磁気共鳴映像を前処理して第2入力映像データ390を生成する段階(S290)は、複数の第3磁気共鳴映像をコンバイン(combine)して単一の第4磁気共鳴映像380を獲得する段階を含むことができる。
【0127】
ここで、複数の第3磁気共鳴映像をコンバインして単一の第4磁気共鳴映像380を獲得する段階は、前述した第1磁気共鳴映像をコンバインして単一の第2磁気共鳴映像330を獲得する段階と同じ過程を遂行することができる。
【0128】
そして、第3磁気共鳴映像を前処理して第2入力映像データ390を生成する段階(S290)は、第4磁気共鳴映像380を前処理して第2入力映像データ390を生成する段階を含むことができる。
【0129】
ここで、第4磁気共鳴映像380を前処理して第2入力映像データ390を生成する段階は、前述した第2磁気共鳴映像330を前処理して第1入力映像データ340を生成する段階と同じ過程を使うことができる。
【0130】
段階(S290)の後、第2入力映像データ390から第2人工ニューラルネットワークモデル600を用いて第3出力磁気共鳴映像を獲得する段階(S300)を遂行することができる。
【0131】
ここで、第2人工ニューラルネットワークモデル600は、前述した第1人工ニューラルネットワークモデル500と同じ人工ニューラルネットワークモデルを使うことができる。もしくは、第1入力映像データ340をさらに学習した第1人工ニューラルネットワークモデル500を使うこともでき、第1人工ニューラルネットワークモデル500と異なる人工ニューラルネットワークモデルを使うこともできる。
【0132】
段階(S300)の後、第2出力磁気共鳴映像400を再びフーリエ変換及び/またはデコンバインし、フーリエ変換して第4k-spaceデータ410を獲得し、これに基づいて段階(S260)から段階(S300)までの過程を一セットとして繰り返し遂行することができる。
【0133】
また、第2出力磁気共鳴映像400は使用者端末に提供されて患者の病変部位診断映像として使われることができる。
【0134】
以下では、本発明の一実施例による磁気共鳴映像処理装置100及びその方法によって実施した実験例について説明する。
【0135】
図16は本発明の一実験例による4倍加速化した復元映像を比較例とともに示す図である。ここで、加速化指数は4であり、サブサンプリングされたラインの数がフルサンプリングされたラインの数の1/4でありうる。
【0136】
図16を参照すると、左側から順にフルサンプリングされた磁気共鳴映像1610、グラッパ技法によって復元された磁気共鳴映像1620、CG-SENSEによって復元された磁気共鳴映像1630、一般的な人工ニューラルネットワークモデルによって復元された磁気共鳴映像1640、及び、本発明による磁気共鳴映像処理装置100によって復元された磁気共鳴映像1650を確認することができる。そして、それぞれの映像の下に、フルサンプリングされた磁気共鳴映像1610と比較して、相違点がイメージングされたエラー映像を4倍増幅した映像を確認することができ、本発明による磁気共鳴映像処理装置100によって復元された磁気共鳴映像1650のエラーが最も小さいことを確認することができる。
【0137】
図17は、本発明の他の実験例による6倍加速化した復元映像を比較例とともに示す図である。ここで、加速化指数は6であり、サブサンプリングされたラインの数がフルサンプリングされたラインの数の1/6であることができる。
【0138】
図17を参照すると、左側から順にフルサンプリングされた磁気共鳴映像1710、グラッパ技法によって復元された磁気共鳴映像1720、CG-SENSEによって復元された磁気共鳴映像1730、一般的な人工ニューラルネットワークモデルによって復元された磁気共鳴映像1740、及び本発明による磁気共鳴映像処理装置100によって復元された磁気共鳴映像1750を確認することができる。そして、それぞれの映像の下にフルサンプリングされた磁気共鳴映像1710と比較して相違点が分析されたエラー映像を4倍増幅した映像を確認することができ、本発明による磁気共鳴映像処理装置100によって復元された磁気共鳴映像1750のエラーが最も小さいことを確認することができる。
【0139】
以上で説明した本発明の実施例による磁気共鳴映像処理装置100及びその方法は、磁気共鳴映像撮影装置で磁気共鳴映像を撮影する時間を短縮させても、映像復元によって高正確度の磁気共鳴映像を生成する効果がある。
【0140】
また、本発明の実施例による磁気共鳴映像処理装置100及びその方法は、複数の磁気共鳴映像を獲得し、これを前処理して入力データを生成し、第1人工ニューラルネットワークモデル500及び第2人工ニューラルネットワークモデル600を活用して復元された高い正確度の出力磁気共鳴映像を提供することにより、患者の病変部位を容易に診断することができるという効果がある。
【0141】
一方、本発明の一実施例による磁気共鳴映像処理方法は、コンピューターによって実行されるプログラムモジュールのようなコンピューターによって実行可能な命令語を含む記録媒体の形態としても具現されうる。コンピューター可読の媒体はコンピューターによってアクセス可能な任意の可用媒体であることができ、揮発性及び非揮発性媒体並びに分離型及び非分離型媒体の全部を含む。また、コンピューター可読の媒体はコンピューター記録媒体を含むことができる。コンピューター記録媒体は、コンピューター可読の命令語、データ構造、プログラムモジュールまたはその他のデータのような情報の保存のための任意の方法または技術によって具現された揮発性及び非揮発性媒体並びに分離型及び非分離型媒体の全部を含む。本発明の方法及びシステムは特定の実施例に基づいて説明したが、その構成要素または動作の一部または全部は、汎用ハードウェアアーキテクチャーを有するコンピューターシステムを使って具現することができる。
【0142】
以上の説明は本発明の技術的思想を例示的に説明したものに過ぎなく、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲内で多様な修正及び変形が可能であろう。よって、本明細書で開示した実施例は本発明の技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであり、このような実施例によって本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は以下の特許請求の範囲によって解釈されなければならなく、それと同等な範囲内にあるすべての技術的思想は本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されなければならないであろう。
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