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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】充電装置及びそれを備えた駐車装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20240708BHJP
   E04H 6/06 20060101ALI20240708BHJP
   E04H 6/42 20060101ALI20240708BHJP
【FI】
H02J7/00 301B
E04H6/06 V
E04H6/42 H
E04H6/42 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023038145
(22)【出願日】2023-03-10
【審査請求日】2023-03-31
【審判番号】
【審判請求日】2024-01-10
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】500521267
【氏名又は名称】株式会社ニッパツパーキングシステムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】長友 真也
【合議体】
【審判長】土居 仁士
【審判官】寺谷 大亮
【審判官】馬場 慎
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-220904(JP,A)
【文献】特開2015-023748(JP,A)
【文献】特開2010-283902(JP,A)
【文献】特開2023-032192(JP,A)
【文献】特開2014-011877(JP,A)
【文献】特開2012-154111(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00- 7/12
H02J 7/34- 7/36
E04H 6/00- 6/44
B60L 1/00- 3/12
B60L 7/00-13/00
B60L15/00-58/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電のために車両に接続される充電コネクタと、
前記充電コネクタを係止可能なコネクタホルダと、
前記充電コネクタと電源とを電気的に接続するケーブルと、
前記充電コネクタが前記コネクタホルダに係止されている状態、及び前記充電コネクタが前記車両に接続されている状態を検出する検出部と、
前記車両への充電を制御する制御部と、
を備え、
前記検出部は、前記充電コネクタに設けられた第1センサと、前記コネクタホルダに設けられた第2センサと、を含み、
前記第1センサは、前記充電コネクタが前記車両に接続されている状態を検出し、
前記第2センサは、前記充電コネクタが前記コネクタホルダに係止されている状態を検出し、
前記制御部は、前記検出部から出力される検出信号に基づいて、駐車装置のパレットの移動を制御する制御装置に信号を送信する、充電装置。
【請求項2】
前記第2センサは、前記充電コネクタが前記コネクタホルダに係止されている状態を機械的に検出する、請求項1に記載の充電装置。
【請求項3】
前記第2センサは、前記充電コネクタと接触して変位する変位部を有し、前記変位部の変位量に基づいて、前記充電コネクタが前記コネクタホルダに係止されている状態を検出する、請求項2に記載の充電装置。
【請求項4】
前記充電コネクタは、前記電源に電気的に接続された端子を備え、
前記充電コネクタが前記車両に接続されている状態及び前記充電コネクタが前記コネクタホルダに係止されている状態では、前記端子及び前記第1センサは露出されていない、請求項1に記載の充電装置。
【請求項5】
車両を載置可能な複数のパレットと、
前記複数のパレットの各々に設けられ、請求項1乃至の何れか一項に記載の充電装置と、
前記検出部から出力される検出信号に基づいて前記パレットの移動を制御する制御装置と、
を備える、駐車装置。
【請求項6】
前記制御装置は、前記検出信号が、前記充電コネクタが前記コネクタホルダに係止されている状態及び前記充電コネクタが前記車両に接続されている状態を示していないとき、前記パレットの動きを禁止する、請求項に記載の駐車装置。
【請求項7】
前記制御装置は、外部からの指示に基づき、所定のパレットに設けられた充電装置の前記検出部から出力される検出信号に基づく信号を取得する、請求項に記載の駐車装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車の充電装置、及びそれを備えた駐車装置に関する。
【背景技術】
【0002】
駐車スペースの確保の観点から、立体的に車両を駐車する二多段式駐車装置が広く普及している。二多段式駐車装置は、自動車を載置するパレットと、パレットを昇降させる搬送装置を有している。車両はパレットに駐車され、必要に応じて、搬送装置によりパレットを昇降させる。近年、電気自動車の普及から、二多段式駐車装置での電気自動車の駐車が必要となっている。電気自動車は、駐車時での充電が不可欠であるため、二多段式駐車装置での電気自動車への充電が必要となっている。
【0003】
平面式駐車場とは異なり、二多段式駐車装置では、電気自動車への充電時にも、電気自動車を載置したパレットの昇降や左右方向への移動が必要となる場合がある。電気自動車への充電には充電ケーブルが必要であるが、パレットの移動時に、パレット上に充電コネクタ(充電ガン)や充電ケーブルが置かれていると、充電ケーブルがパレットからはみ出して、搬送装置に引っ掛かって、充電ケーブルが断線したり、搬送装置が故障したりする懸念がある。
【0004】
例えば、特許文献1には、充電ケーブルを収納可能なコンセントボックスのカバーが開放されている状態を検知し、カバーが開放状態の場合は、パレットの移動を禁止する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2011-080264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、コンセントボックスのカバーが開閉状態を検知するものであり、パレット上に充電コネクタや充電ケーブルが置かれているか否かを検出するものではない。
【0007】
本発明の一実施形態は、電気自動車の充電時の充電ケーブルの断線や充電ケーブルが引っ掛かることによる駐車装置の故障を防止することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態に係る充電装置は、充電のために車両に接続される充電コネクタと、前記充電コネクタを係止可能なコネクタホルダと、前記充電コネクタと電源とを電気的に接続するケーブルと、前記充電コネクタが前記コネクタホルダに係止されている状態、及び前記充電コネクタが前記車両に接続されている状態を検出する検出部と、を備え、前記検出部は、前記充電コネクタに設けられた第1センサと、前記コネクタホルダに設けられた第2センサと、を含み、前記第1センサは、前記充電コネクタが前記車両に接続されている状態を検出し、前記第2センサは、前記充電コネクタが前記コネクタホルダに係止されている状態を検出する。
【0009】
本発明の一実施形態に係る駐車装置は、車両を載置可能なパレットと、上記充電装置と、前記検出部から出力される検出信号に基づいて前記パレットの移動を制御する制御装置と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、電気自動車の充電時の充電ケーブルの断線や充電ケーブルが引っ掛かることによる駐車装置の故障を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係る駐車装置の概略側面図である。
図2図1に示した駐車装置の概略正面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る充電装置の一例を示す概略図である。
図4】本発明の一実施形態に係る充電コネクタの一例を示す概略図である。
図5図4に示した充電コネクタが車両に接続されている状態を説明するための図である。
図6】本発明の一実施形態に係る制御装置の構成を示すブロック図である。
図7】制御装置の制御部によって実行される制御フローの一例を示すフロー図である。
図8】本発明の一実施形態に係るコネクタホルダの外観の一例を示す概略図である。
図9図8に示したコネクタホルダに充電コネクタが保持されている状態を説明するための図である。
図10】本発明の一変形例に係る充電コネクタを示す概略図である。
図11】本発明の一変形例に係る充電コネクタを示す概略図である。
図12】本発明の一変形例に係る充電コネクタを示す概略図である。
図13図12に示した充電コネクタがコネクタホルダに保持されている状態を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下に示す実施形態は本発明の実施形態の一例であって、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
【0013】
本実施形態で参照する図面において、同一部分又は同様な機能を有する構成には同一の符号又は類似の符号(数字の後にA、Bなどを付しただけの符号)を付す。また、同一部分又は同様な機能を有する構成については、重複する説明を省略することがある。また、図面の寸法比率は説明の都合上実際の比率とは異なったり、構成の一部が図面から省略されたりする場合がある。なお、本明細書等における「第1」、「第2」、「第3」などの序数は、説明を簡潔にするためだけに用いられており、限定的に解釈されるべきではない。
【0014】
<第1実施形態>
[駐車装置]
図1は、本発明の一実施形態に係る駐車装置1000の概略側面図である。図1は、本発明の一実施形態に係る駐車装置1000の主な構成を示す。また、図2は、図1に示した駐車装置1000の概略正面図である。本明細書では、駐車装置1000の入出庫口がある面を正面とし、その反対側を背面として説明する。駐車装置1000の正面から背面に向かう方向、または駐車装置1000の背面から正面に向かう方向(すなわち、車両Vが駐車装置1000に入出庫する方向)を前後方向として説明する。
【0015】
駐車装置1000は、複数の車両Vが駐車可能である立体駐車装置である。駐車装置1000は、支柱1102と、支柱1102間に架設される梁1103とによって主に構成される骨格構造を有し、1台分の車両Vが収容可能な区画化された複数の車両載置領域を有する。駐車装置1000には、車両Vを載置するパレット1001が設置されている。
【0016】
パレット1001は、昇降機1106により支柱1102に沿って昇降可能に設けられている。また、パレット1001は、車体横方向(図1における奥行き方向)に沿って移動可能であってもよい。
【0017】
主構造体の中でパレット1001は、複数の車両Vを縦方向に積み重ねたとき、車両同士が干渉しない間隔をもって設けられている。これにより、支柱1102により形成される主構造体は、縦方向に複数段に積み重なった駐車空間を形成している。
【0018】
駐車装置1000は、制御装置1100を介して操作盤1112により操作される。操作盤1112は、駐車装置1000の外側に設けられている。図1においては、駐車装置1000の入出庫口(図右側下部)の近くの支柱1102に操作盤1112が取り付けられている例を示している。
【0019】
利用者は、駐車装置1000の外側から操作盤1112を操作して制御装置1100に指示することにより、制御装置1100が所望のパレット1001を入出庫口まで移動させることができる。
【0020】
駐車装置1000の入出庫口に設けられるゲート1108は、操作盤1112の操作を通じて制御装置1100により開閉を行うことができる。
【0021】
ゲート1108は、車両Vを入出庫するために開けた場合以外は閉じられた状態となっている。したがって、パレット1001が移動するとき、ゲート1108は閉じられた状態になっている。ゲート1108が閉じられていることにより、通常は駐車装置1000の装置内に人が入れないようになっている。
【0022】
図示はしないが、ゲート1108を閉扉する際の安全性を確保するため、ゲート108の閉扉方向の所定領域における物体(人や物)を検知するセンサが取り付けられてもよい。センサは、例えば、駐車装置1000の入出庫口の付近の支柱1102や、ゲート1108に取り付けられていてもよいが、これらに限定されるわけではない。
【0023】
縦方向に複数段に積み重なった駐車空間を形成し立体的に車両Vを収納して駐車させる駐車装置1000では、パレット1001が昇降することで、所望のパレット1001を入出庫口へ移動させて車両の出し入れを行う。
【0024】
所望のパレット1001を入出庫口まで移動させる動作にはいくつかの方式がある。例えば上段のパレット1001に駐車された車両を出庫させるために下段のパレット1001を地下ピットに沈み込ませる方式、下段又は上段のパレット1001を車体横方向(図1の紙面奥行き方向)にスライドさせて上段のパレット1001を下段のパレット1001が存在しない空間に降下させる方式、あるいはこれらを組み合わせた方式などが採用されている。
【0025】
図1では、1階から上階に向かって駐車空間PS1、PS2、PS3、PS4が設けられている態様を示している。また、図2に示した駐車空間PS1の横方向には駐車空間PS5が、さらに、その横方向には駐車空間PS9が、設けられている。
【0026】
駐車空間PS1~PS9には、パレットの番号P1~P9のパレット1001がそれぞれ備えられている。このとき、上段にある駐車空間PS4にあるパレット1001を降下させ車両Vを入出庫するには、下段の駐車空間PS1、PS2、PS3のパレット1001が障害となる。この場合、駐車空間PS9のパレット1001を駐車空間PS8のパレット1001と同じ高さまで上昇させ、駐車空間PS1~PS3と駐車空間PS5~PS7とのパレット1001を横方向にスライドさせると、障害物がなくなるため、駐車空間PS4のパレット1001を入出庫口まで降下させることが可能となる。
【0027】
[充電装置]
駐車装置1000のパレット1001にはそれぞれ、充電装置100が設置されている。充電装置100は、パレット1001に載置された車両Vを充電することができる。
【0028】
図3は、充電装置100の一例を示す概略図である。充電装置100は、筐体101、充電コネクタ102、ケーブル103、コネクタホルダ104、ケーブルホルダ105、開口106、表示灯107、及び操作部108を有してもよい。
【0029】
筐体101は、その内部に制御部109、電源(図示せず)などを備える。電源は、AC電源であってもよい。制御部109は、筐体101の内部に限らず、筐体101の外側に配置されてもよい。
【0030】
制御部109は、充電装置100から車両Vへの充電を制御する充電制御回路を含む。充電制御回路は、有線又は無線で車両Vに搭載されたECU(Electronic Control Unit)とCPLT通信を行って、充電装置100と車両Vとの接続確認を行い、充電の開始を制御する。充電制御回路は、電源に接続されている。本実施形態に係る充電装置100は、充電制御回路(制御部109)を備える、国際規格IEC:61851-1に規定されたモード3に対応している充電装置である。充電装置は、通常、モード3で動作するが、モード1及びモード2に対応することができてもよい。
【0031】
充電コネクタ102は、ケーブル103を介して、制御部109に電気的に接続している。充電コネクタ102は、車両Vの充電が行われる際、車両Vの充電ポートに差し込まれ、車両Vと接続される。車両Vの充電が行われない場合、充電コネクタ102は、コネクタホルダ104に差し込まれて保持される。
【0032】
ケーブル103は、充電コネクタ102と、制御部109とを電気的に接続する。ケーブル103は、筐体101に設けられた開口106を通じて、筐体101内から外側に引き出される。ケーブル103の内部には、電源線及びデータ通信信号線が含まれ、ケーブル103はこれらの電源線及びデータ通信信号線を保護する。電源線は、車両Vの充電に使用される。データ通信信号線は、車両Vと充電装置100の制御部109との通信などに使用される。電源線及びデータ通信信号線は、複数設けられてもよい。例えば、電源線には、所定の電圧が印加される電源線と、アース線とが含まれてもよい。
【0033】
コネクタホルダ104は、充電コネクタ102を係止可能であり、充電コネクタ102が車両Vの充電に使用されていない間、充電コネクタ102を保持する。コネクタホルダ104には、充電コネクタ102が差し込まれている間に充電コネクタ102の動きを防止するためのロック機構が設けられていてもよい。この場合、車両Vを充電するために、コネクタホルダ104から充電コネクタ102を取り外す際には、ロック解除ボタンを押して充電コネクタ102をコネクタホルダ104から取り外す。ロック解除ボタンは、コネクタホルダ104に設けられてもよく、充電コネクタ102に設けられてもよい。コネクタホルダ104は、図示した形状に限定されるわけではなく、例えば、フック形状であってもよい。コネクタホルダ104は、後述するケーブルホルダ105に取り付けられ、ケーブルホルダ105と一体であってもよい。
【0034】
ケーブルホルダ105は、筐体101の外側に引き出されたケーブル103を保持する。ケーブルホルダ105はフック状であってもよい。図3に示すように、ケーブル103は、ケーブルホルダ105に巻き付けられて保持される。充電コネクタ102が車両Vの充電に使用される際、使用者は、ケーブル103をケーブルホルダ105から取り外し、充電コネクタ102が車両Vの充電ポートに届くまで伸ばす。
【0035】
図3に示すように、コネクタホルダ104は、ケーブルホルダ105に取り付けられ、一体であってもよい。しかしながら、これに限定されず、コネクタホルダ104及びケーブルホルダ105は、それぞれ別々に筐体101に取り付けられていてもよい。
【0036】
表示灯107は、充電装置100の状態を表示する。表示灯107は、充電装置100の状態を示す少なくとも一つのLEDを含む。例えば、充電装置100が車両Vの充電している場合、表示灯107では、充電中を示すLEDが点灯してもよい。また、充電装置100が車両Vの充電に使用されていない場合、表示灯107では、未使用状態を示すLEDが点灯してもよい。また、充電コネクタ102がコネクタホルダ104に係止されておらず、且つ車両Vにも接続されていない場合、表示灯107では、パレット1001の移動が禁止される状態を示すLEDが点灯してもよい。(パレット1001の移動が禁止される状態についは、後述する。)充電状態を示すLEDと、未使用状態を示すLEDと、パレット1001の移動が禁止される状態を示すLEDとは異なる色であってもよい。また、表示灯107では、LEDの点灯によって、充電装置100の充電エラーや充電不可状態などを示すことができる。表示灯107では、一つのLEDによって充電装置100の一つ以上の状態を示してもよく、複数のLEDによって充電装置100の複数の状態をそれぞれ示してもよい。
【0037】
操作部108は、充電装置100の使用者の入力を受ける。操作部108は、タッチパネルであってもよく、押しボタンであってもよい。使用者は、操作部108での操作を介して、充電モードを設定することができる。例えば、モード1で車両Vの充電を行う場合、使用者は、操作部108を介して充電モードをモード1に設定することができる。また、使用者は、操作部108での操作を介して、充電時間を設定することができる。例えば、使用者は、操作部108に表示された複数の充電時間の選択肢のうちから希望する充電時間を選択し、車両Vの充電時間を設定することができる。尚、操作部108は、省略されてもよい。
【0038】
図3に示す充電装置100では、車両Vの充電に使用される、充電コネクタ102、及びケーブル103は一つである。
【0039】
[充電コネクタ]
図4は、充電コネクタ102の一例を示す概略図である。充電コネクタ102は、本体401、給電コネクタ部403、カバー405、爪部407、ロック解除ボタン409、及び検出部410を含む。図5は、図4に示した充電コネクタ102が車両Vに接続されている状態を説明するための図である。
【0040】
本体401は、内部に空洞部を有する。空洞部には、ケーブル103が導入される。本体401には、使用者が充電コネクタ102を使用する際に握るグリップ402が設けられる。
【0041】
本体401の先端には、給電コネクタ部403が設けられる。給電コネクタ部403は、複数の端子404、複数の端子404を周囲に設けられるカバー405を含む。複数の端子404は、ケーブル103内の電源線及びデータ通信信号線にそれぞれ接続される。カバー405は、絶縁性の樹脂などから構成され、本体401に装着される。給電コネクタ部403は、車両Vの充電ポート501に差し込まれる。複数の端子404は、車両Vの充電ポート501に設けられた受電コネクタ部の端子(図示せず)に電気的に接続される。
【0042】
図4に示した給電コネクタ部403は一例であり、本実施形態において、給電コネクタ部403の形状は図示された形状に限定されない。給電コネクタ部403の形状は、必要に応じて任意に設計されてもよく、日本電動車両協会の推進する標準規格に基づく形状であることが互換性確保のためにも好ましい。
【0043】
爪部407は、給電コネクタ部403が車両Vの充電ポート501に差し込まれた際に、車両Vの係止部503と係合する。爪部407が車両Vの係止部503と係合することにより、給電コネクタ部403の車両Vに対する動きを制限し、車両Vの充電中に、充電コネクタ102が車両Vの充電ポート501から外れることを防止する。
【0044】
ロック解除ボタン409は、爪部407を車両Vの係止部から解放するためのボタンである。給電コネクタ部403を車両Vの充電ポート501から取り外す際、使用者は、ロック解除ボタン409を押しながら、本体401を車両Vの充電ポート501から引き抜く。ロック解除ボタン409は、使用者が本体401のグリップ402を握る際に押しやすい位置に設けられることが好ましい。
【0045】
検出部410は、充電コネクタ102の状態を検出する。具体的には、検出部410は、充電コネクタ102が車両Vに接続されている状態、及び充電コネクタ102がコネクタホルダ104に係止されている状態を検出する。検出部410は、給電コネクタ403の周囲に設けられる第1センサ411を含む。
【0046】
第1センサ411は、充電コネクタ102が車両Vに接続されている状態、及び充電コネクタ102がコネクタホルダ104に係止されている状態を機械的に検出してもよい。例えば、第1センサ411は、車両Vの充電ポート501又は充電ポート501の周辺と接触して変位する変位部を有する、ボタン型のプッシュスイッチであってもよい。図5に示すように、給電コネクタ部403が車両Vの充電ポート501に差し込まれている際、第1センサ411、具体的には、第1センサ411のボタン部(変位部)が、車両Vの充電ポート501又は充電ポート501の周辺と接触し、押圧される。第1センサ411は、車両Vの充電ポート501又は充電ポート501の周辺と接触して押圧されるとオン状態を示す検出信号を出力し、他の部材と接触して押圧されない場合、オフ状態を示す検出信号を出力してもよい。第1センサ411から出力される検出信号は、ケーブル103内のデータ通信信号線を介して充電装置100の制御部109に送信されてもよい。また、本体401の内部に無線通信機能を内蔵したMCU(Micro Controller Unit)が設けられてもよい。この場合、第1センサ411から出力される検出信号は、配線を介してMCUに送信され、無線により充電装置100の制御部109に送信されてもよい。尚、第1センサ411は、車両Vの充電ポート501又は充電ポート501の周辺と接触して押圧されるとオフ状態を示す検出信号を出力し、他の部材と接触して押圧されない場合、オン状態を示す検出信号を出力してもよい。
【0047】
また、第1センサ411は、給電コネクタ部403が車両Vの充電ポート501に差し込まれている場合に加え、充電コネクタ102が充電装置100のコネクタホルダ104に係止されて保持されている際にも、コネクタホルダ104と接触し、押圧される。コネクタホルダ104と接触して押圧された第1センサ411はオン状態を示す検出信号を出力してもよい。また、第1センサ411は、コネクタホルダ104と接触して押圧されるとオフ状態を示す検出信号を出力してもよい。
【0048】
制御部109は、第1センサ411から受信した検出信号に基づき、充電コネクタ102の状態を示すステータス信号を生成して、制御装置1100に送信する。具体的には、ステータス信号は、充電コネクタ102が車両Vに接続されている状態又は充電コネクタ102がコネクタホルダ104に保持されている状態であるか、或いは充電コネクタ102が車両Vに接続されておらず、且つコネクタホルダ104に保持されてもいない状態であるかを示す信号である。ステータス信号は、制御部109から無線で制御装置1100に送信されてもよい。
【0049】
[制御装置]
図6は、本実施形態に係る制御装置1100の構成を示すブロック図である。制御装置1100は、記憶部1110及び制御部1120を含む。
【0050】
記憶部1110は、論理記憶領域であり、CPU内部の記憶領域、主記憶装置、二次記憶装置などのメモリである。記憶部1110は、RAM、ROMなどの記憶装置を含む。記憶部1110は、各種機能を制御装置1100において実現させるプログラム等を記憶する。
【0051】
制御部1120は、CPU(Central Processing Unit)である。制御部1120は、記憶部1110に記憶されたプログラムをCPUにより実行して、各種機能を制御装置1100において実現させる。制御部1120において実行されるプログラムは、磁気記録媒体、光記録媒体、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶した状態で提供されてもよい。また、各プログラムは、ネットワーク経由でダウンロードされてもよい。
【0052】
制御部1120は、パレット駆動装置1201及びゲート駆動装置1202に対し、パレット1001及びゲート1108の駆動に関する指示信号を送信する。制御部1120は、利用者により操作盤1112が操作されると、操作盤1112から受信した情報に基づいてパレット1201及びゲート1202の駆動に関する指示信号をパレット駆動装置1201及びゲート駆動装置1202に送信する。
【0053】
本実施形態では、第1センサ411によって、充電コネクタ102が車両Vの充電ポート501に接続されている状態、及び充電コネクタ102がコネクタホルダ104によって保持されている状態を検知することができる。換言すれば、充電コネクタ102が車両Vに接続されておらず、且つコネクタホルダ104によって保持されていない状態を検知することができる。充電コネクタ102が車両Vに接続されておらず、且つコネクタホルダ104によって保持されていない場合、充電コネクタ102が、駐車装置1000のパレット1001上に放置されている、又はパレット1001外に放置されていることが想定される。
【0054】
充電コネクタ102が、駐車装置1000のパレット1001上に放置されている、又はパレット1001外に放置されている場合、ケーブル103が、充電コネクタ102の周辺に放置されている可能がある。充電コネクタ102やケーブル103がパレット1001上に放置されている状態、若しくはパレット1001外に放置されている状態で、駐車装置1000のパレット1001を昇降又は車体横方向に移動させると、ケーブル103の断線、車両Vの損傷、及び駐車装置1000の故障が発生する虞がある。
【0055】
そこで、本実施形態では、制御部1120は、各パレット1001に設置された充電装置100からステータス信号を受信し、ステータス信号に基づいて、パレット1001及びゲート1108の駆動に関する指示信号を送信する。具体的には、充電コネクタ102が車両Vに接続されている、又はコネクタホルダ104によって保持されている場合にのみ、制御部1120は、パレット駆動装置1201に駆動を許可する信号を送信する。例えば、パレット駆動装置1201の駆動を許可する場合、制御部1120は、ハイレベルの駆動信号を生成してパレット駆動装置1201に出力してもよい。充電コネクタ102が車両Vに接続されている、又はコネクタホルダ104によって保持されている場合、制御部1120は、ゲート駆動装置1202に駆動を許可する駆動信号を送信してもよい。
【0056】
一方、充電コネクタ102が車両Vに接続されていない、且つコネクタホルダ104によって保持されていない場合、制御部1120は、パレット1001の移動を禁止する信号をパレット駆動装置1201に送信する。例えば、パレット1001の移動を禁止する場合、制御部1120は、ローレベルの駆動信号を生成してパレット駆動装置1201に出力してもよい。充電コネクタ102が車両Vに接続されていない、且つコネクタホルダ104によって保持されていない場合、制御部1120は、ゲート駆動装置1202の駆動を禁止してもよい。
【0057】
制御装置1100の制御部1120は、各パレット1001に設置された充電装置100の少なくとも一つから、充電コネクタ102が車両Vに接続されていない、且つコネクタホルダ104によって保持されていない状態を示すステータス信号を受信すると、パレット1001の移動を禁止する。この場合、駐車装置1000の利用者により操作盤1112を介してパレット1001の移動の指示を受けた場合であっても、制御部1120は、パレット駆動装置1201の駆動を禁止する。
【0058】
制御部1120は、充電装置100の制御部109から所定の間隔でステータス信号を自動的に受信してもよく、制御部109から恒常的にステータス信号を受信してもよい。また、制御部1120は、所定の間隔で各充電装置100にステータス信号を要求するリクエストを送信し、リクエストに応じて充電装置100の制御部109から送信されたステータス信号を受信してもよい。また、制御部1120は、操作盤1112を介して、駐車装置1000の利用者によってパレット1001の移動が指示されたときに、各パレット1101に設置された各充電装置100にステータス信号の送信開始を要求するリクエストを送信してもよい。
【0059】
[制御フロー]
図7は、制御装置1100の制御部1120によって実行される制御フローの一例を示すフロー図である。図7では、一例として、制御部1120が、充電装置100から恒常的にステータス信号を受信している場合を説明する。
【0060】
制御部1120は、各パレット1001に設置された充電装置100からステータス信号を受信する(S701)。制御部1120は、受信したステータス信号に基づき、車両Vに接続されておらず、且つコネクタホルダ104にも保持されていない充電コネクタ102があるか判定する(S702)。
【0061】
車両Vに接続されておらず、且つコネクタホルダ104にも保持されていない充電コネクタ102がある場合(S702;YES)、制御部1120は、パレット1001の移動を禁止する信号をパレット駆動装置1201及びゲート駆動装置1202に送信する。
【0062】
一方、車両Vに接続されておらず、且つコネクタホルダ104にも保持されていない充電コネクタ102が一つも存在しない場合、つまり、全ての充電コネクタ102が車両Vに接続されているか、或いはコネクタホルダ104に保持されている状態である場合(S702;NO)、制御部1120は、パレット1001の移動を許可する信号をパレット駆動装置1201に送信する。その後、制御部1120による処理は、S701に戻る。
【0063】
以上に述べたように、本実施形態では、充電コネクタ102にセンサ(第1センサ411)を設け、充電コネクタ102がパレット1001上に載置された車両Vに接続されている状態、及びコネクタホルダ104によって保持されている状態を検知することができる。換言すると、充電コネクタ102がパレット1001上に載置された車両Vに接続されておらず、且つコネクタホルダ104によって保持されてもいない状態を検知することができる。充電コネクタ102がパレット1001上に載置された車両Vに接続されておらず、且つコネクタホルダ104によって保持されてもいない状態で駐車装置1000のパレット1001を移動させると、ケーブル103の断線、車両Vの損傷、及び駐車装置1000の故障が発生する虞がある。そのため、本実施形態では、充電コネクタ102がパレット1001上に載置された車両Vに接続されておらず、且つコネクタホルダ104によって保持されてもいない状態を検知した際に、パレット1001の移動を禁止することにより、ケーブル103の断線、車両Vの損傷、及び駐車装置1000の故障を防止することができる。
【0064】
<第2実施形態>
以上に説明した第1実施形態では、充電コネクタ102に設けられた第1センサ411で、充電コネクタ102と車両Vとの接続、及び充電コネクタ102とコネクタホルダ104との接触を両方検知する。しかしながら、本発明はこれに限定されるわけではない。例えば、検出部410は、充電コネクタ102と車両Vとの接続を検知する第1センサ411に加え、コネクタホルダ104と充電コネクタ102とが接触している、即ち、充電コネクタ102がコネクタホルダ104に保持されている状態を検知する第2センサを含んでもよい。
【0065】
図8は、コネクタホルダ104の外観の一例を示す概略図である。図9は、図8に示したコネクタホルダ104に充電コネクタ102が保持されている状態を説明するための図である。
【0066】
図8に示すように、コネクタホルダ104は、充電コネクタ102を保持するための差込口601を有する。差込口601は、充電コネクタ102の給電コネクタ部403の形状に沿う形状を有していることが好ましい。差込口601の内部には、第2センサ603が設けられる。
【0067】
第2センサ603は、充電コネクタ102がコネクタホルダ104に係止されている状態を機械的に検出してもよい。例えば、第2センサ603は、充電コネクタ102の一部と接触して変位する変位部を有する、ボタン型のプッシュスイッチであってもよい。図9に示すように、第2センサ603のボタン部(変位部)は、給電コネクタ部103が差込口601に差し込まれて、充電コネクタ102がコネクタホルダ104に係止され、保持されている際、給電コネクタ部103の先端部分と接触し、押圧される。給電コネクタ部103の先端部分と接触した第2センサ603はオン状態になり、第2センサ603からオン状態を示す検出信号が制御部109に出力される。
【0068】
このように、充電コネクタ102が充電装置100のコネクタホルダ104に保持されている状態は、給電コネクタ部403が車両Vの充電ポート501に差し込まれている状態を検知する第1センサ411とは異なる第2センサ603によって検知されてもよい。尚、第2センサ603が配置される位置は、差込口601の内部に限定されるわけではない。第2センサ603が配置される位置は、充電コネクタ102がコネクタホルダ104に保持されている場合に、充電コネクタ102の少なくとも一部によって押圧される位置であればよい。
【0069】
制御部109は、第1センサ411から出力される検出信号(第1検出信号)及び第2センサ603から出力される検出信号(第2検出信号)に基づいて、制御装置1100に、ステータス信号を送信する。
【0070】
例えば、充電コネクタ102が接続するケーブル103内の信号線の断線や、充電コネクタ102の本体401の内部に設けられたMCUの無線通信機能に問題が発生する等、充電装置100の故障が発生すると、充電コネクタ102に設けられた第1センサ411から出力される検出信号が充電装置100の制御部109に有線または無線で送信されない。
【0071】
第1センサ411から出力される検出信号に基づいて充電コネクタ102が車両Vに接続されている状態、及びコネクタホルダ104に保持されている状態を検出する場合、充電装置100の故障により第1センサ411から出力された検出信号が制御部109に伝達されない虞がある。充電コネクタ102が車両Vに接続されている状態、またはコネクタホルダ104に保持されている状態が検出されない場合、制御装置1100は、パレット1001の移動を禁止する。そのため、充電装置100に故障が発生すると、充電コネクタ102がコネクタホルダ104に保持されていたとしてもパレット1001を移動させることができない。
【0072】
本実施形態では、第2センサ603を充電装置100側に設けることにより、MCUに問題が生じたり、ケーブル103に問題が生じるなど充電装置100に故障が発生した場合でも、充電コネクタ102がコネクタホルダ104に保持されているか否かを検出することができる。充電コネクタ102がコネクタホルダ104に保持されていることが検出されれば、制御装置1100は、パレット1001の移動を許可する信号をパレット1201に駆動装置1201に送信する。また、充電装置100に故障が生じて制御部109からステータス信号が送信できない場合を考慮し、第2センサ603から出力された検出信号を制御装置1100に送信する無線通信機能を内蔵したMCUを充電装置100のいずれかの構成に設けてもよい。このようなMCUは、例えば、コネクタホルダ104内に設けられてもよい。制御部109からステータス信号が送信できない場合、制御装置1100は、第2センサ603から出力された検出信号に基づいて充電コネクタ102がコネクタホルダ104に保持されているか否かを検出してもよい。
【0073】
このように、第2センサ603を充電装置100側に設けることにより、充電コネクタ102がコネクタホルダ104に保持されていれば、ケーブル103またはMCUに問題が生じていたとしてもパレット1001を移動させることができる。そのため、駐車装置1000の利便性が向上する。
【0074】
[変形例]
以下に本発明の実施形態の変形例を説明する。
【0075】
(変形例1)
以上に説明した本発明の実施形態では、充電コネクタ102に設けられた第1センサ411は、給電コネクタ403の周囲に設けられている。しかしながら、本発明はこれに限定されるわけではない。例えば、第1センサ411は、給電コネクタ403の内部に設けられてもよい。
【0076】
図10は、第1センサ411が給電コネクタ403の内部に設けられている充電コネクタ102Aを示す概略図である。給電コネクタ403の内部に第1センサ411が設けられることにより、第1センサ411が車両の充電ポート501及びコネクタホルダ104に差し込まれた場合にのみ第1センサ411が押圧される。そのため、第1センサ411が充電ポート501及びコネクタホルダ104以外に接触して押圧されることを防止することができる。
【0077】
(変形例2)
以上に説明した本発明の実施形態では、一つの第1センサ411が充電コネクタ102に設けられている。しかしながら、本発明はこれに限定されるわけではなく、複数の、第1センサ411が充電コネクタ102に設けられていてもよい。
【0078】
図11は、2つの第1センサ411a、411bが給電コネクタ403の周辺に設けられている充電コネクタ102Bを示す概略図である。2つの第1センサ411a、411bが充電コネクタ102に設けられる場合、充電装置100の制御部109は、2つの第1センサ411a、411bから出力される検出信号に基づいて、充電コネクタ102の状態を示すステータス信号を生成して出力してもよい。具体的には、第1センサ411a、411bは両方とも押圧された場合に、充電装置100の制御部109は、充電コネクタ102が車両Vに接続されている、又はコネクタホルダ104に保持されている状態を示すステータス信号を出力する。この場合、一方の第1センサ411a又は411bが充電ポート501及びコネクタホルダ104以外に接触して誤って押圧された場合であっても、残りの一方の第1センサ411b又は411aが押圧されていない場合、制御部109は、充電コネクタ102が車両Vに接続されていない、且つコネクタホルダ104に保持されていない状態を示すステータス信号を出力することができる。したがって、充電コネクタ102の状態の検出精度をより向上させることができる。
【0079】
また、2つの第1センサ411a、411bが充電コネクタ102に設けられる場合、一方の第1センサ411a、又は411bを充電コネクタ102が車両Vに接続されているか否かを検出するためのセンサとして使用し、残りの一方の第1センサ411b、又は411aを充電コネクタ102がコネクタホルダ104に保持されているか否かを検出するためのセンサとして使用してもよい。この場合、充電コネクタ102が車両Vに接続されているか否かを検出するための第1センサ411a、又は411bは、充電コネクタ102が車両Vの充電ポート501に差し込まれている際に、充電ポート501又は充電ポート501の周辺と接触して押圧される位置に設置される。一方、充電コネクタ102がコネクタホルダ104に保持されているか否かを検出するための第1センサ411b、又は411aは、充電コネクタ102がコネクタホルダ104に保持されている際に、コネクタホルダ104又はコネクタホルダ104の周辺と接触して押圧される位置に設置される。
【0080】
また、2つの第1センサ411a、411bが充電コネクタ102に設けられる場合、より多くの車種に対応することができる。例えば、充電ポート501及び充電ポート501の周辺の形状は、車種によって異なる場合がある。そのため、第1センサ411が1つの場合、充電コネクタ102が充電ポート501に差し込まれている際に、車種によっては第1センサ411が車両Vと接触しない可能性がある。そこで、第1センサ411を2つ設けることにより、少なくとも一方の第1センサ411が押圧された場合に、充電装置100の制御部109は、充電コネクタ102が車両Vに接続されている、又はコネクタホルダ104に保持されている状態を示すステータス信号を出力することができる。
【0081】
(変形例3)
図12及び図13は、変形例4に係る充電コネクタ102Cを示す概略図である。図12に示すように、充電コネクタ102Cには、充電ポート510又は充電ポートの周辺501、若しくはコネクタホルダ104に接触する第1センサ411の接触部411cが収納される収納部413が設けられてもよい。
【0082】
例えば、充電コネクタ102の給電コネクタ部403が車両Vの充電ポート501に差し込まれると、図13に示すように、第1センサ411が押圧されて、接触部411cが収納部413に収納される。このように、接触部411cが収納される収納部413を設けることにより、充電コネクタ102cが利用者により強い力で充電ポート501に押し込まれても第1センサ411の破損を防止することができる。
【0083】
(変形例4)
上述した実施形態および変形例では、プッシュスイッチである第1センサ411を用いて充電コネクタ102と車両Vとの接続を検知している。しかしながら、充電コネクタ102と車両Vとの接続を検知するセンサは、ボタン型プッシュスイッチの第1センサ411に限定されない。例えば、充電コネクタ102の給電コネクタ部403が車両Vの充電ポート501に差し込まれている間は、差し込まれていないときと比べて、給電コネクタ部403に設けられた複数の端子404間の電圧が変化する。このような電圧の変化を検知することにより、充電コネクタ102と車両Vとの接続状態が検出されてもよい。同様に、第2センサ603も充電コネクタ102がコネクタホルダ104に係止されている状態を機械的に検出するセンサのみに限定されない。
【0084】
(変形例5)
上述した実施形態では、第1センサ411又は第2センサ603の検出信号に基づいて、制御装置1100はパレット1001の移動を制御している。しかしながら、第1センサ411又は第2センサ603から出力された検出信号は、パレット1001の移動制御の他、充電装置100による車両Vの充電制御に使用されてもよい。
【0085】
例えば、制御装置1100の記憶部1110に記憶される、制御装置1100において各種機能を実現させるプログラムには、所定のパレット1001に載置された車両Vの充電を開始する充電開始日時を設定し、設定された充電開始時間に達すると、該所定のパレット1001に設けられた充電装置100による車両Vの充電を開始するためのプログラムが含まれていてもよい。ユーザは、スマートフォンなどのモバイル端末を含むWeb端末に車両Vの充電を予約するためのアプリケーションを予めダウンロードし、該アプリケーションを用いて、外部のサーバに所望のパレット1001に設けられた充電装置100による充電を予約し、充電開示日時を設定することができる。
【0086】
ユーザによって車両Vの充電開始時間が設定されると、外部のサーバからの指示に基づき、制御装置1100の制御部1120は、設定された充電開始時間の所定時間前に、充電装置100に充電コネクタ102の状態を報知するようリクエストする。ここで、制御装置1100は、駐車装置1000の複数のパレット1001のうち、ユーザによって指定されたパレット1001に設けられた充電装置100に充電コネクタ102の状態を報知するようリクエストする。
【0087】
制御装置1100からのリクエストを受信した充電装置100の制御部109は、第1センサ411及び/または第2センサ603による検出信号に基づき、ステータス信号を生成して、制御装置1100に送信する。制御部1120は、受信したステータス信号に基づき、充電コネクタ102の状態を判定する。判定の結果、充電コネクタ102が車両Vに接続されている場合、充電開始時間に充電装置100による車両Vの充電が開始される。
【0088】
一方、判定の結果、充電コネクタ102が車両Vに接続されていない場合、制御部1120は、充電装置100による車両Vの充電が不可能な状態であると判断する。この場合、制御部1120は、車両Vの充電の予約を行ったユーザに対し、ユーザが用いるWeb端末を介して、車両Vの充電ができない状態であることを通知する。この時、制御部1120は、ステータス信号に基づいて、充電コネクタ102の状態、具体的には、充電コネクタ102がコネクタ104に保持されている状態であること、又は充電コネクタ102がコネクタ104に保持されておらず且つ車両Vにも接続されていない状態であることを知らせてもよい。ここで、充電コネクタ102がコネクタ104に保持されておらず且つ車両Vにも接続されていない状態は、例えば、充電コネクタ102または充電装置100に故障が発生した場合や、人的要因または環境要因によって、充電コネクタ102が車両Vから外れてしまった場合が考えられる。
【0089】
ユーザは、制御部1120からの通知を受け取り、充電コネクタ102の状態を確認することができる。ユーザは、必要に応じて、充電コネクタ102を車両Vに接続させてもよい。
【0090】
また、第1センサ411又は第2センサ603を含む検出部410による検出結果は、パレット1001の移動制御、及び充電装置100による車両Vの充電制御以外の用途に使用されてもよい。例えば、ユーザが外部のサーバを介して所定のパレット1001上に載置された車両Vの状態を報知するようリクエストしてもよい。外部のサーバを介して、ユーザからのリクエストを受けた制御装置1100は、充電装置100の制御部109にステータス信号をリクエストし、車両Vと充電コネクタ102との状態を判断し、ユーザに通知してもよい。
【0091】
本発明の一実施形態として上述した実施形態及び変形例は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。また、実施形態に示す構成を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったもの、または、工程の追加、省略もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、発明の範囲に含まれる。
【0092】
上述した各実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、または、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0093】
100・・・充電装置、101・・筐体、102,102A,102B,102C・・・充電コネクタ、103・・・ケーブル、104・・・コネクタホルダ、105・・・ケーブルホルダ、108・・・操作部、109・・・制御部、401・・・本体、402・・・グリップ、403・・・給電コネクタ部、404・・・端子、405・・・カバー、407・・・爪部、409・・・ロック解除ボタン、411・・・第1センサ、413・・・収納部、501・・・充電ポート、601・・・差込口、603・・・第2センサ、1000・・・駐車装置、1001・・・パレット、1100・・・制御装置、1102・・・支柱、1103・・・梁、1108・・・ゲート、1110・・・記憶部、1112・・・操作盤、1120・・・制御部、1201・・・パレット駆動装置、1202・・・ゲート駆動装置
【要約】
【課題】電気自動車の充電時の充電ケーブルの断線や充電ケーブルが引っ掛かることによる駐車装置の故障を防止する。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る充電装置は、充電のために車両に接続される充電コネクタと、前記充電コネクタを係止可能なコネクタホルダと、前記充電コネクタと電源とを電気的に接続するケーブルと、前記充電コネクタが前記コネクタホルダに係止されている状態、及び前記充電コネクタが前記車両に接続されている状態を検出する検出部と、を備え、前記検出部は、前記充電コネクタに設けられた第1センサと、前記コネクタホルダに設けられた第2センサと、を含み、前記第1センサは、前記充電コネクタが前記車両に接続されている状態を検出し、前記第2センサは、前記充電コネクタが前記コネクタホルダに係止されている状態を検出する。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13