(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】伸長可能なジョー付きの外科用ステープラ
(51)【国際特許分類】
A61B 17/072 20060101AFI20240708BHJP
【FI】
A61B17/072
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023065089
(22)【出願日】2023-04-12
(62)【分割の表示】P 2021151726の分割
【原出願日】2014-03-14
【審査請求日】2023-04-26
(32)【優先日】2013-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503000978
【氏名又は名称】アプライド メディカル リソーシーズ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100170634
【氏名又は名称】山本 航介
(72)【発明者】
【氏名】コヴァック ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】ベセラ マシュー エム
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン ゲイリー エム
【審査官】鈴木 敏史
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06109500(US,A)
【文献】特開2007-061628(JP,A)
【文献】特開平9-164144(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/072
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用ステープラであって、
近位端及び遠位端を有し、該近位端と該遠位端との間に長手方向軸を規定する細長いシャフトと、
前記細長いシャフト内で長手方向に摺動可能な作動ビームを含む作動機構体であって、前記作動ビームは、当該作動ビーム上に形成された第1のガイド及び第2のガイドを含み、該第1のガイド及び第2のガイドは、その間の距離が可変である、作動機構と、
前記細長いシャフトの遠位端に配置されたジョーアセンブリと、を備え、
前記ジョーアセンブリは、
第1のクランプ面を有する第1のジョーであって、該第1のジョーは、該第1のジョーの中で長手方向に延びる第1の案内スロットを含み、前記作動ビームの第1のガイドは、前記第1の案内スロット内に摺動可能に配置される、第1のジョーと、
前記細長いシャフトの遠位端に回動可能に結合された近位端、及び、前記近位端の反対側の遠位端を有するリンクであって、前記リンクは、当該リンクの中に形成された第2の案内スロットを含むリンクと、
前記リンクの前記遠位端に回動可能に結合された第2のジョーであって、該第2のジョーは第2のクランプ面を有し、該第2のジョーは、該第2のジョーの中に長手方向に延びる第3の案内スロットを含む、第2のジョーと、
を有し、
前記作動ビームの前記第2のガイドは、前記第2の案内スロット及び前記第3の案内スロットのうちの1つに摺動可能に位置決め可能であり、
前記外科用ステープラは、
前記第1のジョーに配置された複数のステープルを備え、
前記作動ビームが、第1のアームを備え、前記第1のガイドが、前記第1のアームの遠位端に配置され、
前記作動ビームが、第2のアームをさらに備え、前記第2のガイドが、前記第2のアームの遠位端に配置され
前記第1のアーム及び前記第2のアームが、互いに可撓的に結合される、
外科用ステープラ。
【請求項2】
前記第1のアーム及び前記第2のアームが、互いから離れるように付勢されている、請求項
1に記載の外科用ステープラ。
【請求項3】
外科用ステープラであって、
前記ジョーアセンブリが、前記第1のクランプ面が前記第2のクランプ面に接触する閉じ位置と、前記第2のクランプ面が前記第1のクランプ面に対して横方向に角度をなして延びる開き位置と、前記第1のクランプ面が前記第2のクランプ面に平行に延び、かつ、前記第2のクランプ面から間隔を置いて位置するステープル留め位置との間で前記作動ビームの運動動によって作動可能である、
請求項1に記載の外科用ステープラ。
【請求項4】
前記第2の案内スロットが、前記リンクの近位端にある閉鎖セグメントと、前記閉鎖セグメントの遠位にある開放セグメントと、前記リンクの遠位端にある発火移行セグメントと、を備える、請求項
3に記載の外科用ステープラ。
【請求項5】
前記第2のガイドの前記閉鎖セグメントから前記開放セグメントへの移動が、前記ジョーアセンブリを前記閉じ位置から前記開き位置に移動させる、請求項
4に記載の外科用ステープラ。
【請求項6】
前記第2のガイドの前記開放セグメントから前記発火移行セグメントへの移動が、前記ジョーアセンブリを前記開き位置から前記ステープル留め位置に移動させる、請求項
5に記載の外科用ステープラ。
【請求項7】
前記第3の案内スロットが、前記第2のクランプ面に対して平行に延びる、請求項
4に記載の外科用ステープラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、一般に、外科用閉塞器具、特に外科用ステープラに関する。
【0002】
〔関連出願の説明〕
本願は、2013年3月15日に出願された現在係属中の米国仮特許出願第61/793,065号(発明の名称:SURGICAL STAPLER WITH EXPANDABLE JAW)の権益主張出願である。この先の出願を参照により引用し、その記載内容全体を本明細書の一部とする。
【背景技術】
【0003】
外科用ステープラは、組織に接近し又はクランプすると共にクランプされた組織を一緒にステープル留めするために用いられる。したがって、外科用ステープラは、組織が適正に位置決めされて捕捉されるようにし、そしてステープルを組織中に打ち込む機構体を有する。その結果、これにより、例えば、クランプされた組織の適正なステープル留めを可能にする複雑な機構体と関連して多数のトリガ及びハンドル(取っ手)が設けられた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これら複雑な機構体により、外科用ステープラは、製造上の負担が増すと共に器具の故障の潜在的な源及びユーザにとっての混乱を招く場合がある。かくして、複雑な機構体を用いないでクランプされた組織を確実にステープル留めすることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
或る特定の実施形態では、外科用ステープラが本明細書において提供される。外科用ステープラは、細長いシャフト、ハンドル組立体、作動機構体、及びジョー組立体を含む。細長いシャフトは、近位端部及び遠位端部を有すると共に近位端部と遠位端部との間に長手方向軸線を定める細長いシャフトを有する。ハンドル組立体は、細長いシャフトの近位端部のところに設けられている。作動機構体は、ハンドル組立体によって作動可能である。作動機構体は、細長いシャフトの少なくとも一部分を貫通して延びる作動ビームを含む。ジョー組立体は、細長いシャフトの遠位端部のところに設けられている。ジョー組立体は、第1のジョー、第2のジョー、及び複数個のステープルを含む。第1のジョーは、第1のクランプ面を有する。第2のジョーは、第2のクランプ面を有する。ジョー組立体は、第1のクランプ面が第2のクランプ面に隣接して位置する閉じ位置と、第2のクランプ面が第1のクランプ面に対して横方向に角度をなして延びる開き位置と、第1のクランプ面が第2のクランプ面に平行に延び且つ第2のクランプ面から間隔を置いて位置するステープル留め位置との間における作動ビームの長手方向運動によって作動可能である。
【0006】
或る特定の実施形態では、外科用ステープラが本明細書において提供される。外科用ステープラは、細長いシャフト、ハンドル組立体、作動機構体、及びジョー組立体を含む。細長いシャフトは、近位端部及び遠位端部を有すると共に近位端部と遠位端部との間に長手方向軸線を定める。ハンドル組立体は、細長いシャフトの近位端部のところに設けられている。作動機構体は、ハンドル組立体によって作動可能である。作動機構体は、細長いシャフトの少なくとも一部分を貫通して延びる作動部材を含む。作動部材には第1の案内及び第2の案内が設けられている。ジョー組立体は、細長いシャフトの遠位端部のところに設けられている。ジョー組立体は、第1のジョー、リンク、及び第2のジョーを含む。第1のジョーは、細長いシャフトの遠位端部から遠位側に延びる。第1のジョーには長手方向に延びる第1の案内スロットが設けられている。リンクは、近位端部及び遠位端部を有する。リンクは、第2の案内スロットを有し、第2の案内スロットには傾斜開放輪郭が形成されている。リンクの近位端部は、細長いシャフトの遠位端部に回動可能に結合されている。第2のジョーは、リンクの遠位端部から遠位側に延びている。第2のジョーは、リンクの遠位端部に回動可能に結合されている。第2のジョーには長手方向に延びる第3の案内スロットが設けられている。複数個のステープルが第1のジョー内に配置されている。第1の案内は、第1の案内スロット内で摺動でき、第2の案内は、第2の案内スロット及び第3の案内スロット内で摺動できる。第2の案内を第2の案内スロットの傾斜開放輪郭上でこれに沿って遠位側に並進させると、リンクが回動して第1のジョーから遠ざけられ、それによりジョー組立体の開き位置が定められる。
【0007】
或る特定の実施形態では、外科用ステープラが本明細書において提供される。外科用ステープラは、細長いシャフト、ハンドル組立体、作動機構体、及びジョー組立体を含む。細長いシャフトは、近位端部及び遠位端部を有すると共に近位端部と遠位端部との間に長手方向軸線を定める。ハンドル組立体は、細長いシャフトの近位端部のところに設けられている。作動機構体は、ハンドル組立体によって作動可能である。作動機構体は、細長いシャフトの少なくとも一部分を貫通して延びる作動部材を含む。作動部材には第1の案内及び第2の案内が設けられている。ジョー組立体は、細長いシャフトの遠位端部のところに設けられている。ジョー組立体は、第1のジョー、第2のジョー、及び複数個のステープルを含む。第1のジョーは、細長いシャフトの遠位端部から遠位側に延びている。第1のジョーは、第1のジョー内を長手方向に延びる第1の案内スロット及び第1のクランプ面を有する。第2のジョーは、第2の案内スロット及び第2のクランプ面を有する。第2の案内スロットは、第2のジョー内を延びている。第2の案内スロットは、傾斜輪郭を備えた開放セグメント及び開放セグメントの遠位側に全体として長手方向に延びるステープル留めセグメントを有する。第2のジョーは、第2のジョーが、第1のクランプ面が第2のクランプ面に接触する閉じ位置と、第1のクランプ面が第2のクランプ面に平行であり且つ第2のクランプ面から間隔を置いて位置するステープル留め位置との間で動くことができるよう細長いシャフトの遠位端部に摺動可能に結合されている。第2のジョーは、第2のジョーが、閉じ位置から第2のクランプ面が第1のクランプ面に横方向に角度をなして延びる開き位置まで回動可能であるよう細長いシャフトの遠位端部に回動可能に結合されている。第1の案内は、第1の案内スロット内で摺動可能であり、第2の案内は、第1の案内スロット内で摺動可能であり、第2の案内を第2の案内スロットの開放セグメントを通って遠位側に並進させると、第2のジョーが閉じ位置から開き位置まで摺動すると共に回動し、第2の案内をステープル留めセグメントを通って遠位側に並進させると、第2のジョーは、ステープル留め位置に位置決めされる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】外科用ステープル留め器具の実施形態の斜視図であり、ジョーが開き形態にある状態を示す図である。
【
図2】
図1の外科用ステープル留め器具のための細長いシャフトを含むカートリッジ及びジョー組立体の実施形態の斜視図である。
【
図3】外科用ステープラに用いられるジョー組立体の実施形態の平面図であり、ジョーが閉じ形態にある状態を示す図である。
【
図5】
図3のジョー組立体の詳細断面側面図である。
【
図6】
図3のジョー組立体の詳細断面端面図である。
【
図7】
図3のジョー組立体の断面側面図であり、ジョーが開き形態にある状態を示す図である。
【
図8】
図3のジョー組立体の詳細断面側面図であり、ジョーが開き形態にある状態を示す図である。
【
図9】
図3のジョー組立体の断面側面図であり、ジョーが発火(firing)形態にある状態を示す図である。
【
図10】
図3のジョー組立体の詳細断面側面図であり、ジョーが発火形態にある状態を示す図である。
【
図11】外科用ステープラに用いられるジョー組立体の実施形態の平面図であり、ジョーが閉じ形態にある状態を示す図である。
【
図14】
図11のジョー組立体の側面図であり、ジョーが開き形態にある状態を示す図である。
【
図15】
図11のジョー組立体の断面側面図であり、ジョーが開き形態にある状態を示す図である。
【
図16】
図11のジョー組立体の側面図であり、ジョーが発火形態にある状態を示す図である。
【
図17】
図11のジョー組立体の断面側面図であり、ジョーが発火形態にある状態を示す図である。
【
図18】外科用ステープラに用いられるジョー組立体の実施形態の平面図であり、ジョーが閉じ形態にある状態を示す図である。
【
図21】
図18のジョー組立体の側面図であり、ジョーが開き形態にある状態を示す図である。
【
図22】
図18のジョー組立体の断面側面図であり、ジョーが開き形態にある状態を示す図である。
【
図23】
図18のジョー組立体の側面図であり、ジョーが発火形態にある状態を示す図である。
【
図24】
図18のジョー組立体の断面側面図であり、ジョーが発火形態にある状態を示す図である。
【
図25】外科用ステープラに用いられるジョー組立体の実施形態の平面図であり、ジョーが閉じ形態にある状態を示す図である。
【
図28】
図25のジョー組立体の側面図であり、ジョーが開き形態にある状態を示す図である。
【
図29】
図25のジョー組立体の断面側面図であり、ジョーが開き形態にある状態を示す図である。
【
図30】
図25のジョー組立体の側面図であり、ジョーが発火形態にある状態を示す図である。
【
図31】
図25のジョー組立体の断面側面図であり、ジョーが発火形態にある状態を示す図である。
【
図32】外科用ステープラに用いられるジョー組立体の実施形態の平面図であり、ジョーが閉じ形態にある状態を示す図である。
【
図35】
図32のジョー組立体の側面図であり、ジョーが開き形態にある状態を示す図である。
【
図36】
図32のジョー組立体の断面側面図であり、ジョーが開き形態にある状態を示す図である。
【
図37】
図32のジョー組立体の側面図であり、ジョーが発火形態にある状態を示す図である。
【
図38】
図32のジョー組立体の断面側面図であり、ジョーが発火形態にある状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1及び
図2を参照すると、外科用ステープル留め器具の実施形態が示されている。外科用ステープラ10の図示の実施形態は、細長いシャフト20、ジョー組立体30、及びハンドル(取っ手)組立体40を有する。
図1は、ジョー組立体30が開き形態にある状態で外科用ステープラ10を示している。
図2は、ジョー組立体30が閉じ形態にある状態で外科用ステープラ10の取り外し可能なカートリッジを示している。
【0010】
引き続き
図1及び
図2を参照すると、外科用ステープラ10の図示の実施形態は、腹腔鏡下外科的手技に用いられるよう寸法決めされると共に形作られるのが良い。例えば、細長いシャフト20及びジョー組立体30は、アクセスポート又はトロカールカニューレを通って術野中に導入されるよう寸法決めされると共に形作られるのが良い。幾つかの実施形態では、細長いシャフト20及びジョー組立体30は、比較的小さな作業チャネル直径、例えば8mm未満の直径を有するトロカールカニューレ中に挿入されるよう寸法決めされると共に形作られるのが良い。他の実施形態では、細長いシャフト20及びジョー組立体30は、大きな作業チャネル直径、例えば10mm、11mm、12mm、又は15mmの直径を有するトロカールカニューレ中に挿入されるよう寸法決めされると共に形作られるのが良い。他の実施形態では、本明細書において説明する外科用ステープラの或る特定の観点を開放外科的処置に用いられる外科用ステープル留め器具に組み込んでも良いことが想定される。
【0011】
引き続き
図1及び
図2を参照すると、図示のように、細長いシャフト20は、全体として管状の部材から成る。細長いシャフト20は、近位端部22から遠位端部24まで延びている。細長いシャフト20は、近位端部22と遠位端部24との間に延びる外科用ステープラ10の長手方向中心軸線Lを定めている。
【0012】
引き続き
図1及び
図2を参照すると、図示の実施形態では、ジョー組立体30は、細長いシャフト20の遠位端部24のところで細長いシャフト20に結合されている。ジョー組立体30は、第1のジョー32及び第1のジョー32に回動的に結合された第2のジョー34を含む。図示の実施形態では、第1のジョー32は、第1のジョーが長手方向中心軸線Lに沿って遠位側に延びて細長いシャフト20に対して静止状態のままであるよう細長いシャフト20の遠位端部24に固定されている。他の実施形態では、第1のジョー32と第2のジョー34の両方が細長いシャフトに対して回動可能であることが想定される。或る特定の実施形態では、ジョー組立体30が細長いシャフト20に対して間接運動可能であることが想定される。初期の形態では、第1のジョー32内には複数本のステープル36が配置されている。幾つかの実施形態では、ステープルを当初、第2のジョー32内に配置しても良い。
【0013】
引き続き
図1及び
図2を参照すると、図示の実施形態では、ジョー組立体30を細長いシャフト内で長手方向に摺動可能である作動部材又はビームによって開き形態(
図1)から閉じ形態(
図2)に、そしてステープル留め形態に作動させることができる。初期の位置では、ビームは、細長いシャフト20の遠位端部24のところに位置決めされるのが良い。ビームが初期位置にある状態で、第2のジョー34を回動させて第1のジョー32から遠ざけ、ジョー組立体30が開き形態になるようにする。作動ビームは、長手方向軸線Lに沿う遠位側への作動部材又はビームの並進時に第2のジョー34に係合する。作動ビームを初期位置から遠位側に第1の距離並進させることにより、ジョー組立体を開き形態から閉じ形態に作動させることができる。ジョー組立体30が閉じ形態にある状態で、作動ビームを近位側に第1の距離戻してジョー組立体30を開き形態に戻すことができる。作動ビームの遠位端部は、ステープルを第1のジョー32から配備するよう構成されたステープルスライダを前進させることができ、その結果、作動ビームを第1の距離を超えて遠位側に更に並進させると、複数個のステープル36が第1のジョー32から配備されるようになる。ステープルが当初、第2のジョー34内に、配置される実施形態では、作動ビームの並進により、複数個のステープルが第2のジョー34から配備される。
【0014】
引き続き
図1及び
図2を参照すると、図示の実施形態では、ハンドル組立体は、細長いシャフト20の近位端部22のところで細長いシャフト20に結合されている。図示のように、ハンドル組立体40は、静止ハンドル42及び静止ハンドル42に回動可能に結合された可動ハンドル44又はトリガを構成するハウジングを備えた拳銃握り形態を有してしている。他の実施形態では、本明細書において説明する観点を含む外科用ステープラ器具が他の形態、例えばはさみグリップ形態又はインライン形態を備えたハンドル組立体を有しても良いことが想定される。さらに以下に詳細説明するように、ハンドル組立体40は、可動ハンドル44の運動に応動して作動シャフトを選択的に前進させるよう構成された作動組立体を収容している。幾つかの実施形態では、作動機構体は、作動シャフトを選択的に前進させるよう作動させることができる電動作動機構体、例えば電気モータから成るのが良い。電気モータの作動は、可動ハンドル44の動き又はトリガ、ボタン、スイッチ若しくは電気モータに電気的に結合された別のアクチュエータの作動によって開始可能である。
【0015】
幾つかの実施形態では、外科用ステープラ10は、使い捨てカートリッジ内に配置された複数個のステープル36を有するのが良く、他方、ハンドル組立体40は、多数のステープルカートリッジと共に再使用されるよう構成されている。図示の実施形態では、細長いシャフト20及びジョー組立体30は、ハンドル組立体40に取り外し可能に連結可能である使い捨てカートリッジを構成する。したがって、図示の実施形態では、ハンドル組立体40は、その遠位端部のところにカップラ46を含む。カップラ46は、外科用ステープラ10の細長いシャフト20に係合するようになっている。カップラ46は、ハンドル組立体40又は細長いシャフト20に取り外し可能に結合可能な外側コネクタ及びハンドル組立体40の可動シャフトを細長いシャフト20の作動部材に取り外し可能に結合することができる内側コネクタを有する差込み形連結具であるのが良い。したがって、外科用ステープラ10は、ハンドル組立体40を外科的処置中、多数の使い捨てカートリッジと共に再使用することができるよう構成されているのが良い。他の実施形態では、ハンドル組立体及び細長いシャフトの或る部分が再使用可能であるのが良く、ジョー組立体内の細長いシャフトの残部が使い捨てカートリッジを構成することが想定される。或る特定の他の実施形態では、ハンドル組立体及び細長いシャフトは、再使用可能であるのが良く、他方、ジョー組立体は、使い捨てカートリッジを構成する。さらに別の実施形態では、複数個のステープルを収容するジョーインサートが使い捨てカートリッジを構成するのが良く、他方、外科用ステープラの残部は、再使用可能である。
【0016】
上述したように、本明細書において説明する外科用ステープラ10は、比較的小径のトロカールカニューレ、例えば作業チャネル内径が約8mm以下のいわゆる5mmトロカールカニューレを通って術野中に挿入されるよう寸法決めされると共に形作られるのが良い。望ましくは、5mmトロカールカニューレを通って挿入可能に構成されたジョー組立体は、比較的狭い作業空間を効果的に用いて両方のジョー、複数個のステープル、及びステープル発火(firing)要素を位置決めする。典型的な腹腔鏡下外科用ステープラのためのジョー組立体では、ジョー組立体が閉鎖形態又は発火状態にある形態では、ステープラの使用中、第1のジョーは、第1のジョーと第2のジョーとの間にクランプされた組織を受け入れる隙間だけ第2のジョーから間隔を置いて位置する。しかしながら、5mmトロカールカニューレを通って挿入可能に構成されたジョー組立体では、閉じ位置における第2のジョーから第1のジョーのこの間隔は、望ましくないことには、無駄な作業空間である場合がある。したがって、5mmトロカールカニューレを通って挿入可能に構成されたジョー組立体の動作原理を工夫して、もしそのようにしなければ無駄な空間となる隙間がステープル留め性能を高めることを意図するようにすることが望ましいと言える。例えば、隙間をなくすよう構成されたジョー組立体では、もしそのようにしなければ無駄である作業空間は、大きなステープル又は頑丈なステープルを打ち出すハードウェアを提供するようになっているのが良い。種々の実施形態では、閉鎖形態において第1のジョーと第2のジョーの間の隙間を減少させ又はなくして比較的小径の外科用ステープラの作業空間を最大にすることができるようにするジョー組立体が本明細書において提供される。したがって、本明細書において説明する外科用ステープラでは、閉鎖形態では、第1のジョーを第2のジョーから第1の距離を置いたところに位置決めするのが良く、ステープル留め形態では、第1のジョーを第2のジョーから第2の距離を置いたところに位置決めするのが良く、第2の距離は、第1の距離よりも長い。
【0017】
図3~
図10を参照すると、一実施形態としてのジョー組立体130が示されている。
図3は、ジョーが閉じ形態にある状態のジョー組立体130の平面図であり、
図4~
図6は、閉鎖形態にあるジョー組立体130の断面図である。図示の実施形態では、ジョー組立体130は、第1のクランプ面104を備えた第1のジョー102、第2のクランプ面108を備えた第2のジョー106、及びリンク112を含む。第1のジョー102は、細長いシャフト20(
図1及び
図2)の遠位端部24から遠位側に延びて細長いシャフト20に固定されている。第2のジョー106は、第1のジョー102に回動可能に結合されている。図示の実施形態では、第2のジョー106は、リンク112によって細長いシャフト20の遠位端部24に回動可能に結合されている。例えば、リンク112は、例えばピン付き連結部によって細長いシャフト20の遠位端部24に回動可能に結合された近位端部から例えばピン付き連結部によって第2のジョー102に回動可能に結合された遠位端部まで延びるのが良い。
【0018】
作動機構体がハンドル組立体40に作動可能に結合されていて、ジョー組立体130を開き/閉じモード、発火モード、及び後退モードで作動させるよう可動トリガ44によって作動可能である。ジョー組立体130のジョー102,106は、かくして、第1のジョー102の第1のクランプ面104が第2のジョー106の第2のクランプ面108と接触状態にあり又はこれとすぐ隣接して位置する閉じ形態と、第2のクランプ面108が長手方向軸線Lに対して横方向に角度をなして第1のクランプ面104から遠ざかって延びる開き形態と、第2のクランプ面108が第1のクランプ面104に実質的に平行であり且つこれから間隔を置いて位置するステープル留め又は発火形態との間で作動可能である。ジョーがステープル留め又は発火形態にある状態で、第1のジョー102と第2のジョー106との間に位置決めされた組織を通って複数個のステープルを第1のジョー102から配備することができ、そして第2のジョー106の第2のクランプ面108に当てて成形するのが良い。幾つかの実施形態では、作動機構体は、細長いシャフト20内で長手方向に摺動可能な作動部材、例えば作動ビーム150を含む。作動ビーム150上には、第1の案内114及び第2の案内116が形成されるのが良い。
【0019】
図6を参照すると、幾つかの実施形態では、作動ビーム150の遠位端部は、「Iビーム」断面輪郭を有し、第1及び第2の案内114,116は、作動ビーム150を構成する“I”の水平セグメント及び“I”の垂直セグメントによって構成されている。他の実施形態では、作動部材又はビームは、別の案内形態を有しても良い。例えば、案内は、作動部材から延びるポスト(柱状体)タブ、又は他の突出部から成っていても良い。
【0020】
図4及び
図5を参照すると、第1のジョー102は、摺動係合状態において作動ビーム150の第1の案内114を受け入れるよう構成された第1の案内スロット118を有するのが良い。図示のように、第1の案内スロット118は、細長いシャフト20の遠位端部24から全体的として長手方向遠位側に延びるのが良い。
【0021】
引き続き
図4及び
図5を参照すると、図示の実施形態では、リンク112は、第2の案内スロット120が形成されるのが良い。第2の案内スロット120は、リンク112の近位端部から遠位端部まで延びるのが良く、この第2の案内スロット120は、リンク112の近位端部のところに位置する最初の閉鎖セグメント、閉鎖セグメントの遠位側に位置した開放セグメント、及びリンク112の遠位端部のところに位置した発火移行セグメントを含むのが良い。
【0022】
図4~
図8を参照すると、開放セグメントは、第2の案内116を最初の閉鎖セグメントの遠位側で第2の案内スロット120を通って遠位側に摺動させることによりリンク112(及びこれに回動可能に結合された第2のジョー106)が回動して第1のジョー102から遠ざけられ、それによりにジョー組立体が外科用ポート内に挿入可能な比較的小さい直径を有する当初の閉じ位置から第1のジョー102と第2のジョー106との間の組織を受け入れる開き位置まで作動させるよう差し向けられた湾曲し又は傾斜した輪郭を有する。幾つかの実施形態では、リンク112は、付勢されて第1のジョー102から遠ざけられるのが良い。例えば、図示のように、ジョー組立体130は、リンク112を付勢して第1のジョー102から遠ざける少なくとも1つのばね160を含むのが良い。この付勢力は、第2の案内116を第2の案内スロット120の開放セグメントに係合させて第2のジョー106を開き位置(
図7及び
図8)に位置決めする傾向を有するのが良い。
【0023】
図9及び
図10を参照すると、組織を所望のステープル留め位置で開き形態にある第1のジョー102と第2のジョー106との間にいったん位置決めすると、作動部材150を更に遠位側に前進させてジョー組立体130のジョー102,106をステープル留め又は発火形態に位置決めするのが良い。作動ビーム150を更に遠位側に動かすと、第2の案内116がリンク112の第2の案内スロット120の発火移行セグメント上を前進して第2のジョーを第1のジョーから所定距離を置いた位置まで回動させる。所定の距離は、手技においてステープル留めするための所望の組織のタイプ又は所与のステープル幾何学的形状に基づいて選択されるのが良い。作動部材150のそれ以上の遠位側への運動により、第2の案内116は、第2のジョー106に設けられた第3の案内スロット122内に受け入れられる。第3の案内スロット122は、第2の案内スロット120から第3の案内スロット122への遠位側への第2の案内116の並進を容易にするための面取り部、アール付き縁部、又は別の移行特徴部を有するのが良い。第2の案内116を移行特徴部上でこれに沿って動かすことにより第2のジョー106を更に回動させることができ、その結果、第2のクランプ面108は、第1のクランプ面104に平行になる。
【0024】
図示のように、第3の案内スロット122は、第2のクランプ面108に全体として平行に第2のジョー106に沿って全体として長手方向に延び、第3の案内スロット122内における第2の案内116のそれ以上の遠位側への前進により、第1及び第2のクランプ面104,108の平行な配向状態が発火形態において維持されるようになる。他の実施形態では、第3の案内スロットは、曲線状経路又は第2のクランプ面108に対して横方向に延びる経路に沿って延びて作動部材150を遠位側に前進させているときに第1のクランプ面104と第2のクランプ面108との間にクランプ力を生じさせることができるということが想定される。
【0025】
図9及び
図10を参照すると、幾つかの実施形態では、作動部材150の遠位端部がステープル駆動体に係合するのが良い。作動部材150が発火位置においてジョー組立体130のジョー102,106と共に遠位側に送り進められているとき、ステープル駆動体は、ステープルを第1のジョー102から配備することができる。ステープル駆動体は、ジョー組立体によって配備されたステープルの列相互間に位置する組織を切断するよう構成された切れ刃を有するのが良い。
【0026】
図11~
図17を参照すると、外科用ステープラ10に用いられる別の実施形態としてのジョー組立体230が示されている。図示の実施形態では、ジョー組立体230は、第1のクランプ面204及び第1の案内スロット218を有する第1のジョー202、第2の案内スロット220を有するリンク212、及び第2のクランプ面208及び第3の案内スロット222を有する第2のジョー206を含む。第1の案内214及び第2の案内216を有する作動部材250又はビームは、
図3~
図10のジョー組立体に関して実質的に上述した作動順序において、ジョー組立体230を閉じ形態(
図11~
図13)から開き形態(
図14及び
図15)に、そして発火又はステープル留め形態(
図16及び
図17)に作動させることができる。
【0027】
図14を参照すると、
図3~
図10のジョー組立体130とは異なり、ジョー組立体230の第2のジョー206は、直接付勢されて第1のジョー202から遠ざけられる。例えば、図示の実施形態では、ばね260が第2のジョー206を付勢して第1のジョー202から遠ざけるよう第1のジョー202及び第2のジョー206に結合されている。加うるに、ジョー組立体230は、第1のジョー202に対する第2のジョー206の過剰回動を阻止する回動停止部を含む。図示の実施形態では、第2のジョー206は、第2のジョー206の回動結合部を越えてリンク212まで近位側に延びる延長部、例えばアームを有するのが良い。この延長部は、第1のジョー230が開き形態に位置決めされると、第1のジョー202に係合して第1のジョー202から遠ざかる第2のジョー206のそれ以上の回動を邪魔するように寸法決めされると共に形作られているのが良い。
【0028】
図18~
図24を参照すると、摺動ピボット箇所を有する外科用ステープラ10に用いられる一実施形態としてのジョー組立体330が示されている。図示の実施形態では、ジョー組立体330は、第1のクランプ面304及び第1の案内スロット318を有する第1のジョー302と、第2のクランプ面308及び第2の案内スロット320を有する第2のジョー306とを含む。第1の案内314及び第2の案内316を有する作動部材350及びビームは、ジョー組立体130,230に関して上述した作動順序とほぼ同じ動作順序でジョー組立体330を閉じ形態(
図18~
図20)から開き形態(
図21及び
図22)に、そして発火又はステープル留め形態(
図23及び
図24)に作動させることができる。
【0029】
図20~
図23を参照すると、ジョー組立体330の図示の実施形態では、第2のジョー306は、第1のジョー302にこれらの間に相互結合リンク112,212なしで結合されている。もっと正確に言えば、ジョー組立体330は、第2のジョー306が第1のジョー302に対して並進できる箇所回りに回動することができるようにする摺動ピボット継手312を含む。例えば、摺動ピボット継手312は、第1のジョー302に形成されたスロット内に設けられた回動ピンを有するのが良い。他の実施形態では、摺動ピボット継手312は、第2のジョーに形成されたスロット内に設けられた回動ピンを有するのが良い。したがって、スロットの第1の端からスロットの第2の端までの回動ピンの並進により、ジョー組立体を第1のジョーが第2のジョーに隣接して位置する閉じ形態から第1のジョーと第2のジョーが互いに間隔を置いて位置する開き及びステープル留め形態に再位置決めすることができる。
【0030】
引き続き
図20~
図23を参照すると、第2のジョー306に設けられた第2の案内スロット320は、第2の案内スロットの近位端に隣接して位置する開放セグメント及び開放セグメントの近位側に位置した発火移行セグメントを有するのが良い。作動部材350の遠位側への運動により、第2の案内316は、第2の案内スロット320の開放セグメントに沿って前進して第2のジョー306を摺動させて第1のジョー302から遠ざけ、そして第2のジョー306を回動させて開き形態(
図21及び
図22)にする。作動部材のそれ以上の遠位側への運動により、第2の案内316は、発火移行セグメントを通り過ぎて、第2のジョー306に沿って全体として長手方向に延びる発火セグメント中に前進し、それによりジョー組立体330を発火形態(
図23及び
図24)に位置決めする。
【0031】
図25~
図31を参照すると、外科用ステープラ10に用いられるスロット付きアクチュエータを含む実施形態としてのジョー組立体430が示されている。図示の実施形態では、ジョー組立体430は、第1のクランプ面404及び第1の案内スロット418を有する第1のジョー402と、第2のクランプ面408及び第2の案内スロット420を有する第2のジョー406とを含む。第1の案内414及び第2の案内416を有する作動部材450又はビームは、ジョー組立体130,230に関して上述した作動順序とほぼ同じ動作順序でジョー組立体430を閉じ形態(
図25~
図27)から開き形態(
図28及び
図29)に、そして発火又はステープル留め形態(
図30及び
図31)に作動させることができる。
【0032】
図27~
図29を参照すると、リンク412は第3の案内426、例えばリンク412から見える1本又は2本以上のピン、タブ、又はポストが設けられるのが良い。作動部材450には第3の案内スロット424が形成されるのが良い。リンク412の第3の案内426は、第3の案内スロット424内に摺動可能に嵌まり込むことができる。第3の案内スロット424は、長手方向軸線に対して横方向に延びる開放セグメント及び発火移行セグメントを有するのが良い。作動部材450を初期位置から遠位側に前進させると、リンク412の第3の案内426は、開放セグメントを通過してリンク412が回動して第1のジョー402から遠ざけられる(
図28及び
図29)。作動部材450を引き続き並進させると、リンク412の第3の案内426は、第3の案内スロット424の発火移行セグメントを前進して第2のジョー406を発火位置(
図30及び
図31)に位置決めする。
【0033】
図32~
図38を参照すると、外科用ステープラ10に用いられる別の実施形態としてのジョー組立体530が示されている。図示の実施形態では、ジョー組立体530は、第1のクランプ面504及び第1の案内スロット518を有する第1のジョー502と、第2の案内スロット520を有するリンク512と、第2のクランプ面508及び第3の案内スロット522を有する第2のジョー506とを含む。第1の案内514及び第2の案内516を有する作動部材550又はビームは、ジョー組立体130,230,430に関して上述した作動順序とほぼ同じ動作順序でジョー組立体530を閉じ形態(
図32~
図34)から開き形態(
図35及び
図36)に、そして発火又はステープル留め形態(
図37及び
図38)に作動させることができる。
【0034】
図34~
図36を参照すると、図示の実施形態では、作動部材550は、第1のアーム又は延長部の遠位端部のところに配置された第1の案内514及び第2のアーム又は延長部の遠位端部ところに配置された第2の案内を有するのが良い。第1のアームと第2のアームは、第1の案内514と第2の案内516との間の距離を変化させることができるよう互いに可撓的に結合されるのが良い。第1のアームと第2のアームは、互いに付勢されて遠ざけられるのが良い。かくして、作動部材550を遠位側に並進させると、外方への付勢力がジョーを閉じ形態から開き形態に回動する傾向があるのが良い。有利には、第1の案内514と第2の案内516の可変間隔は、第2のジョー516の第2のクランプ面508に対向した外面の比較的近くの位置への第3の案内スロット522の位置決めを可能にすることができる。第1の案内514と第2の案内516をジョーの閉じ形態に対応した互いに比較的近くの第1の間隔とジョーのステープル留め形態を構成するよう互いに隔てられた第2の間隔との間に可変的に位置決めすることができる。作動部材550は、第1の案内及び第2の案内が第2の間隔を置いて位置したときに妨害面と干渉する停止部又は干渉してステープル留め形態において第1のジョーと第2のジョーの間隔を定める停止部、例えば突出部を有するのが良い。したがって、第3の案内スロット522を外面の近くに位置決めすることによって第2のクランプ面に隣接して位置する第2のジョー内の追加の作業空間を自由にすることができる。
【0035】
本願は、或る特定の好ましい実施形態及び実施例を開示しているが、当業者によれば理解されるように、本発明は、具体的に開示した実施形態を越えて他の変形実施形態及び/又は本発明の使用並びにその自明な改造例及び均等例に及ぶ。さらに、本発明の種々の特徴を単独で又は上記において明示的に説明した本発明の特徴以外の本発明の他の特徴と組み合わせて利用できる。かくして、本明細書に開示した本発明の範囲は、上述の特定の開示した実施形態によって制限されることはなく、以下の特許請求の範囲の公正な読みによってのみ定められるべきである。