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特許7516678ハンドオーバ手順に基づくメッセージ送信方法、装置、機器及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】ハンドオーバ手順に基づくメッセージ送信方法、装置、機器及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 36/00 20090101AFI20240708BHJP
   H04W 92/20 20090101ALI20240708BHJP
   H04W 28/24 20090101ALI20240708BHJP
【FI】
H04W36/00
H04W92/20
H04W28/24
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2023548556
(86)(22)【出願日】2022-01-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-08
(86)【国際出願番号】 CN2022071026
(87)【国際公開番号】W WO2022179322
(87)【国際公開日】2022-09-01
【審査請求日】2023-08-10
(31)【優先権主張番号】202110215380.0
(32)【優先日】2021-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514187420
【氏名又は名称】テンセント・テクノロジー・(シェンジェン)・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ション,チュンシャン
【審査官】永井 啓司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/295849(US,A1)
【文献】特表2021-536164(JP,A)
【文献】特表2022-542575(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドオーバ手順に基づくメッセージ送信方法であって、
ハンドオーバ完了後の非GBRベアラフローのQNCのパラメータ値の変化が報告条件を満たす場合、ターゲットアクセスネットワーク機器がコアネットワークエンティティを介してアプリケーションエンティティに通知メッセージを送信するように、ハンドオーバ手順において、ソースアクセスネットワーク機器が前記ターゲットアクセスネットワーク機器に前記非GBRベアラフローのQNC制御パラメータを送信するステップ、を含み、
前記QNC制御パラメータは、前記非GBRベアラフローのQNCのパラメータ及び前記報告条件を示すために使用される、方法。
【請求項2】
ハンドオーバ手順において、ソースアクセスネットワーク機器がターゲットアクセスネットワーク機器に前記非GBRベアラフローのQNC制御パラメータを送信するステップは、
ハンドオーバ手順において、ソースアクセスネットワーク機器がコアネットワークエンティティを介してターゲットアクセスネットワーク機器に前記非GBRベアラフローのQNC制御パラメータを送信するステップ、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ハンドオーバ手順において、ソースアクセスネットワーク機器がコアネットワークエンティティを介してターゲットアクセスネットワーク機器に前記非GBRベアラフローのQNC制御パラメータを送信するステップは、
ハンドオーバ手順において、前記ソースアクセスネットワーク機器が前記コアネットワークエンティティにハンドオーバ要求を送信するステップであって、前記ハンドオーバ要求は、前記QNC制御パラメータを搬送している、ステップ、を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記QNC制御パラメータは、前記ハンドオーバ要求におけるソースツーエンドのトランスペアレント伝送コンテナフィールドで搬送されている、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
第1のパラメータ値から第2のパラメータ値への変化が前記報告条件を満たす場合、前記ターゲットアクセスネットワーク機器が前記コアネットワークエンティティを介して前記アプリケーションエンティティに通知メッセージを送信するように、前記ハンドオーバ手順において、前記ソースアクセスネットワーク機器が前記ターゲットアクセスネットワーク機器に前記第1のパラメータ値を送信するステップ、をさらに含み、
前記第1のパラメータ値は、前記QNCのパラメータのハンドオーバ前のパラメータ値であり、
前記第2のパラメータ値は、前記QNCのパラメータのハンドオーバ後のパラメータ値である、請求項1乃至4の何れかに記載の方法。
【請求項6】
前記第1のパラメータ値は、ハンドオーバ要求におけるソースツーエンドのトランスペアレント伝送コンテナフィールドで搬送されている、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記QNCのパラメータは、パケットデータ遅延(PDR)、パケット誤り率(PER)及び現在ビットレート(CBR)の少なくとも1つを含む、請求項1乃至6の何れかに記載の方法。
【請求項8】
前記報告条件は、
前記QNCのパラメータ値の第1の期間内の変化値が第1の閾値よりも大きいこと、
前記QNCのパラメータ値の第2の期間内の変化率が第2の閾値よりも大きいこと、
前記QNCのパラメータ値の前記第1の期間内の変化値が第1の閾値よりも大きく、且つ第3の閾値だけ継続すること、及び
前記QNCのパラメータ値の前記第2の期間内の変化率が第2の閾値よりも大きく、且つ第4の閾値だけ継続することの少なくとも1つを含み、
前記第3の閾値及び前記第4の閾値は、継続期間を評価するための閾値である、請求項1乃至6の何れかに記載の方法。
【請求項9】
ハンドオーバ手順に基づくメッセージ送信方法であって、
ハンドオーバ手順において、ターゲットアクセスネットワーク機器が非GBRベアラフローのQNC制御パラメータを受信するステップであって、前記QNC制御パラメータは、QNCのパラメータ及び報告条件を示すために使用される、ステップと、
ハンドオーバ完了後に、前記非GBRベアラフローの前記QNCのパラメータ値の変化が前記報告条件を満たす場合、前記ターゲットアクセスネットワーク機器がコアネットワークエンティティを介してアプリケーションエンティティに通知メッセージを送信するステップと、を含む、方法。
【請求項10】
ハンドオーバ手順において、ターゲットアクセスネットワーク機器が非GBRベアラフローのQNC制御パラメータを受信するステップは、
前記ハンドオーバ手順において、前記ターゲットアクセスネットワーク機器がソースアクセスネットワーク機器からの前記QNC制御パラメータを受信するステップ、及び/又は、
前記ハンドオーバ手順において、前記ターゲットアクセスネットワーク機器がコアネットワークエンティティからの前記QNC制御パラメータを受信するステップ、を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ハンドオーバ手順において、前記ターゲットアクセスネットワーク機器がソースアクセスネットワーク機器からの前記QNC制御パラメータを受信するステップは、
前記ハンドオーバ手順において、前記ターゲットアクセスネットワーク機器がコアネットワークエンティティにより送信されたハンドオーバ命令を受信するステップであって、前記ハンドオーバ命令は、ソースアクセスネットワーク機器からの前記QNC制御パラメータを搬送している、ステップ、を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ソースアクセスネットワーク機器からの前記QNC制御パラメータは、前記ハンドオーバ命令におけるソースツーエンドのトランスペアレント伝送コンテナフィールドで搬送されている、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ハンドオーバ手順において、前記ターゲットアクセスネットワーク機器がコアネットワークエンティティからの前記QNC制御パラメータを受信するステップは、
前記ハンドオーバ手順において、前記ターゲットアクセスネットワーク機器がコアネットワークエンティティにより送信されたハンドオーバ命令を受信するステップであって、前記ハンドオーバ命令は、前記コアネットワークエンティティからの前記QNC制御パラメータを搬送している、ステップ、を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記コアネットワークエンティティからの前記QNC制御パラメータは、前記ハンドオーバ命令におけるQoS確立要求フィールドで搬送されている、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ソースアクセスネットワーク機器からの前記QNC制御パラメータと前記コアネットワークエンティティからの前記QNC制御パラメータとが一致しない場合、前記コアネットワークエンティティからの前記QNC制御パラメータを優先的に使用するステップ、をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記ハンドオーバ手順において、ターゲットアクセスネットワーク機器がソースアクセスネットワーク機器の第1のパラメータ値を受信するステップ、をさらに含み、
前記ハンドオーバ完了後に、前記非GBRベアラフローの前記QNCのパラメータ値の変化が前記報告条件を満たす場合、前記ターゲットアクセスネットワーク機器がコアネットワークエンティティを介してアプリケーションエンティティに通知メッセージを送信するステップは、
ハンドオーバ完了後に、前記第1のパラメータ値から第2のパラメータ値への変化が前記報告条件を満たす場合、前記ターゲットアクセスネットワーク機器が前記コアネットワークエンティティを介して前記アプリケーションエンティティに通知メッセージを送信するステップ、を含み、
前記第1のパラメータ値は、前記QNCのパラメータのハンドオーバ前のパラメータ値であり、
前記第2のパラメータ値は、前記QNCのパラメータのハンドオーバ後のパラメータ値である、請求項9乃至15の何れかに記載の方法。
【請求項17】
前記ハンドオーバ手順において、ターゲットアクセスネットワーク機器がソースアクセスネットワーク機器の第1のパラメータ値を受信するステップは、
前記ハンドオーバ手順において、ターゲットアクセスネットワーク機器がソースアクセスネットワーク機器により送信された第1のパラメータ値を受信するステップ、をさらに含み、
前記ハンドオーバ完了後に、前記非GBRベアラフローの前記QNCのパラメータ値の変化が前記報告条件を満たす場合、前記ターゲットアクセスネットワーク機器がコアネットワークエンティティを介してアプリケーションエンティティに通知メッセージを送信するステップは、
ハンドオーバ完了後に、前記第1のパラメータ値から第2のパラメータ値への変化が前記報告条件を満たす場合、前記ターゲットアクセスネットワーク機器が前記コアネットワークエンティティを介して前記アプリケーションエンティティに通知メッセージを送信するステップ、を含み、
前記第1のパラメータ値は、前記QNCのパラメータのハンドオーバ前のパラメータ値であり、
前記第2のパラメータ値は、前記QNCのパラメータのハンドオーバ後のパラメータ値である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
ハンドオーバ手順に基づくメッセージ送信装置であって、
ハンドオーバ完了後の非GBRベアラフローのQNCのパラメータ値の変化が報告条件を満たす場合、ターゲットアクセスネットワーク機器がコアネットワークエンティティを介してアプリケーションエンティティに通知メッセージを送信するように、ハンドオーバ手順において、前記ターゲットアクセスネットワーク機器に前記非GBRベアラフローのQNC制御パラメータを送信する送信モジュール、を含み、
前記QNC制御パラメータは、前記非GBRベアラフローのQNCのパラメータ及び前記報告条件を示すために使用される、装置。
【請求項19】
ハンドオーバ手順に基づくメッセージ送信装置であって、
ハンドオーバ手順において、QNC制御パラメータを受信する受信モジュールであって、前記QNC制御パラメータは、非GBRベアラフローのQNCのパラメータ及び報告条件を示すために使用される、受信モジュールと、
ハンドオーバ完了後に、前記非GBRベアラフローのQNCのパラメータ値の変化が前記報告条件を満たす場合、コアネットワークエンティティを介してアプリケーションエンティティに通知メッセージを送信する送信モジュールと、を含む、装置。
【請求項20】
プロセッサと、コンピュータプログラムが記憶されたメモリと、を含むネットワーク要素機器であって、前記コンピュータプログラムは、請求項1乃至8の何れかに記載のハンドオーバ手順に基づくメッセージ送信方法、又は請求項9乃至17の何れかに記載のハンドオーバ手順に基づくメッセージ送信方法を実現するように、前記プロセッサによりロードされて実行される、ネットワーク要素機器。
【請求項21】
請求項1乃至8の何れかに記載のハンドオーバ手順に基づくメッセージ送信方法、又は請求項9乃至17の何れかに記載のハンドオーバ手順に基づくメッセージ送信方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年2月25日に中国特許庁に出願した出願番号が202110215380.0であり、発明の名称が「ハンドオーバ手順に基づくメッセージ送信方法、装置、機器及び媒体」である中国特許出願に基づく優先権を主張し、その全ての内容を参照により本発明に援用する。
【0002】
本発明は、移動通信分野に関し、具体的には、ハンドオーバ手順に基づくメッセージ送信方法、装置、機器及び媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
第5世代(5th-Generation:5G)移動通信技術では、QoS制御をサービス品質(Quality of Service Flow:QoS Flow)単位で行う。
【0004】
QoSフローは、ベアラタイプに応じて、保証ビットレート(Guaranteed Bit Rate:GBR)と非保証ビットレート(Non-Guaranteed Bit Rate:非GBR)に分けられる。GBRのQoSフローでは、ネットワークリソースが逼迫している場合でも、対応するビットレートが保証される。非GBRのQoSフローでは、ネットワークリソースが逼迫している場合、レートを下げる必要がある。
【0005】
現在のトラフィックの90%以上は、一般的なオーディオ/ビデオ通話やオンライン会議などの非GBR QoSフローである。無線ネットワークの状態が変化すると、このようなオーディオ/ビデオ通信にタイムラグが頻繁に発生する。
【発明の概要】
【0006】
本発明の実施例は、非GBRベアラフローのQoS通知メカニズムを最適化することができる、ハンドオーバ手順に基づくメッセージ送信方法、装置、機器及び媒体を提供する。その技術的手段は、以下の通りである。
【0007】
本発明の1つの態様では、ハンドオーバ手順に基づくメッセージ送信方法であって、ハンドオーバ完了後の非GBRベアラフローのQNCのパラメータ値の変化が報告条件を満たす場合、ターゲットアクセスネットワーク機器がコアネットワークエンティティを介してアプリケーションエンティティに通知メッセージを送信するように、ハンドオーバ手順において、ソースアクセスネットワーク機器が前記ターゲットアクセスネットワーク機器に前記非GBRベアラフローのQNC制御パラメータを送信するステップ、を含み、前記QNC制御パラメータは、前記非GBRベアラフローのQNCのパラメータ及び前記報告条件を示すために使用される、方法を提供する。
【0008】
本発明のもう1つの態様では、ハンドオーバ手順に基づくメッセージ送信方法であって、ハンドオーバ手順において、ターゲットアクセスネットワーク機器が非GBRベアラフローのQNC制御パラメータを受信するステップであって、前記QNC制御パラメータは、QNCのパラメータ及び報告条件を示すために使用される、ステップと、ハンドオーバ完了後に、前記非GBRベアラフローの前記QNCのパラメータ値の変化が前記報告条件を満たす場合、前記ターゲットアクセスネットワーク機器がコアネットワークエンティティを介してアプリケーションエンティティに通知メッセージを送信するステップと、を含む、方法を提供する。
【0009】
本発明のもう1つの態様では、ハンドオーバ手順に基づくメッセージ送信装置であって、ハンドオーバ完了後の非GBRベアラフローのQNCのパラメータ値の変化が報告条件を満たす場合、ターゲットアクセスネットワーク機器がコアネットワークエンティティを介してアプリケーションエンティティに通知メッセージを送信するように、ハンドオーバ手順において、前記ターゲットアクセスネットワーク機器に前記非GBRベアラフローのQNC制御パラメータを送信する送信モジュール、を含み、前記QNC制御パラメータは、前記非GBRベアラフローのQNCのパラメータ及び前記報告条件を示すために使用される、装置を提供する。
【0010】
本発明のもう1つの態様では、ハンドオーバ手順に基づくメッセージ送信装置であって、ハンドオーバ手順において、QNC制御パラメータを受信する受信モジュールであって、前記QNC制御パラメータは、非GBRベアラフローのQNCのパラメータ及び報告条件を示すために使用される、受信モジュールと、ハンドオーバ完了後に、前記非GBRベアラフローのQNCのパラメータ値の変化が前記報告条件を満たす場合、コアネットワークエンティティを介してアプリケーションエンティティに通知メッセージを送信する送信モジュールと、を含む、装置を提供する。
【0011】
本発明のもう1つの態様では、プロセッサと、コンピュータプログラムが記憶されたメモリと、を含むアクセスネットワーク機器であって、前記コンピュータプログラムは、上記のハンドオーバ手順に基づくメッセージ送信方法を実現するように、前記プロセッサによりロードされて実行される、アクセスネットワーク機器を提供する。
【0012】
本発明のもう1つの態様では、コンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムは、上記のハンドオーバ手順に基づくメッセージ送信方法を実現するように、プロセッサによりロードされて実行される、記憶媒体を提供する。
【0013】
本発明のもう1つの態様では、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されたコンピュータ命令を含むコンピュータプログラム製品であって、コンピュータ機器のプロセッサは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体から該コンピュータ命令を読み取って実行することで、上記のハンドオーバ手順に基づくメッセージ送信方法を該コンピュータ機器に実行させる、コンピュータプログラム製品を提供する。
【0014】
本発明の実施例の技術的手段は、少なくとも以下の有利な効果を奏する。
【0015】
ハンドオーバ手順は無線ネットワーク状態の快速な変化を最も容易に引き起こす手順であるため、ソースアクセスネットワーク機器がターゲットアクセスネットワーク機器に非GBRベアラフローのQNC制御パラメータを送信することで、非GBRベアラフローのQNCのパラメータ値の増加/減少が報告条件を満たす場合、ターゲットアクセスネットワーク機器がコアネットワークエンティティを介してアプリケーションエンティティに通知メッセージを送信することができるため、非GBRベアラフローの関連パラメータが悪くなる場合、又は、非GBRベアラフローの関連パラメータが悪い状況から良い状況に回復する場合、アプリケーションエンティティが該パラメータの変化に応じて自身内部のアプリケーションプログラムを調整し、アプリケーションプログラムの実行を最適化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の1つの例示的な実施例に係る通信システムの構成を示すブロック図である。
図2】本発明のもう1つの例示的な実施例に係る通信システムの構成を示すブロック図である。
図3】本発明の1つの例示的な実施例に係るハンドオーバ手順に基づくメッセージ送信方法を示すフローチャートである。
図4】本発明のもう1つの例示的な実施例に係るハンドオーバ手順に基づくメッセージ送信方法を示すフローチャートである。
図5】本発明の1つの例示的な実施例に係るQNCの構成方法を示すフローチャートである。
図6】本発明のもう1つの例示的な実施例に係るQNCの構成方法を示すフローチャートである。
図7】本発明のもう1つの例示的な実施例に係るQNCの構成方法を示すフローチャートである。
図8】本発明の1つの例示的な実施例に係るQNCの最適化方法を示すフローチャートである。
図9】本発明のもう1つの例示的な実施例に係るQNCの最適化方法を示すフローチャートである。
図10】本発明の1つの例示的な実施例に係るQNCのパラメータ値の通知方法を示すフローチャートである。
図11】本発明の1つの例示的な実施例に係るハンドオーバ手順におけるハンドオーバ手順に基づくメッセージ送信方法を示すフローチャートである。
図12】本発明のもう1つの例示的な実施例に係るハンドオーバ手順におけるハンドオーバ手順に基づくメッセージ送信方法のフローチャートを示す図である。
図13】本発明の1つの例示的な実施例に係るUE又はネットワークにより要求されるPDUセッション変更(非ローミング及びローカルブレイクアウトローミングのため)の流れを示す概略図である。
図14】本発明の1つの例示的な実施例に係るSMポリシーアソシエーション補正の流れを示す概略図である。
図15】本発明の1つの例示的な実施例に係るUPF再割り当てなしのXnベースのNG-RAN間のハンドオーバの流れを示す概略図である。
図16】本発明の1つの例示的な実施例に係るN2経路切り替え要求のメッセージ構成を示す概略図である。
図17】本発明の1つの例示的な実施例に係るNG-RANノードに基づくN2切り替えの流れを示す概略図である。
図18】本発明の1つの例示的な実施例に係るUEにより要求されるPDUセッション確立の流れを示す概略図である。
図19】本発明の1つの例示的な実施例に係るホームルーティングローミングのシナリオのUEにより要求されるPDUセッション確立の流れを示すフローチャートである。
図20】本発明の1つの例示的な実施例に係る単一のUEアドレスについてのAFにより要求される関連PCFへの移転の流れを示す概略図である。
図21】本発明の1つの例示的な実施例に係る非ローミング及びローカルブレイクアウトローミングのためのUE又はネットワークにより要求されるPDUセッション変更の流れを示す概略図である。
図22】本発明の1つの例示的な実施例に係るホームルーティングローミングのためのUE又はネットワークにより要求されるPDUセッション変更の流れを示す概略図である。
図23】本発明の1つの例示的な実施例に係る基地局内のハンドオーバ手順を示す概略図である。
図24】本発明のもう1つの例示的な実施例に係るUPF再割り当てなしのXnベースのNG-RAN間のハンドオーバの流れを示す概略図である。
図25】本発明の1つの例示的な実施例に係るハンドオーバ命令のメッセージ構成を示す概略図である。
図26】本発明のもう1つの例示的な実施例に係るXG-RANノードN2に基づくハンドオーバの流れを示す概略図である。
図27】本発明の1つの実施例に係るハンドオーバ要求のメッセージ構成を示す図である。
図28】本発明のもう1つ例示的な実施例に係るハンドオーバ命令のメッセージ構成を示す図である。
図29】本発明の1つの例示的な実施例に係る信頼できない非3GPPから3GPPへのアクセスのPDUセッション手順のハンドオーバの流れ(非ローミング及びローカルブレイクアウトローミング)を示す概略図である。
図30】本発明の1つの例示的な実施例に係るEPC/ePDGから5GSへのハンドオーバを示す概略図である。
図31】本発明の1つの例示的な実施例に係るEPSから5GSプロセスへの単一登録に基づく相互接続の準備段階を示す概略図である。
図32】本発明の1つの例示的な実施例に係るハンドオーバ手順におけるハンドオーバ手順に基づくメッセージ送信装置を示すブロック図である。
図33】本発明の1つの例示的な実施例に係るハンドオーバ手順におけるハンドオーバ手順に基づくメッセージ送信装置を示すブロック図である。
図34】本発明の1つの例示的な実施例に係るネットワーク要素機器を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本発明の1つの例示的な実施例に係る通信システムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、システムアーキテクチャ100は、ユーザ機器(User Equipment:UE)、無線アクセスネットワーク機器(Radio Access Network:RAN)、コアネットワーク(Core)、及びデータネットワーク(Data Network:DN)により構成されてもよい。ここで、UE、RAN、Coreはアーキテクチャを構成する主要なコンポーネントであり、論理的にはユーザプレーンと制御プレーンの2つの部分に分けられ、制御プレーンは移動ネットワークの管理を担当し、ユーザプレーンはサービスデータの伝送を担当する。図1において、NG2基準点はRAN制御プレーンとCore制御プレーンとの間に位置し、NG3基準点はRANユーザプレーンとCoreユーザプレーンとの間に位置し、NG6基準点はCoreユーザプレーンとデータネットワークとの間に位置する。
【0018】
UE:移動ユーザがネットワークと相互作用する入口であり、基本的な計算能力、記憶能力を提供でき、ユーザにサービスウィンドウを表示し、ユーザ操作入力を受け付ける。UEは、制御信号及びサービスデータを移動ネットワークに送信するために、RANとの信号接続及びデータ接続を確立するために、次世代のエアーインターフェース技術を使用する。
【0019】
RAN:従来のネットワーク内の基地局と同様に、UEの近くに配備され、セル範囲内の許可されたユーザにネットワーク機能を提供し、ユーザのレベル、サービスの要求などに応じて異なる品質の伝送チャネルを使用してユーザデータを伝送することができる。RANは、自身のリソースを管理し、合理的に利用し、必要に応じてUEにアクセスサービスを提供し、制御信号とユーザデータをUEとコアネットワークの間で転送することができる。
【0020】
Core:移動ネットワークのサブスクリプションデータの維持、移動ネットワークのネットワーク要素の管理を行い、UEにセッション管理、モビリティ管理、ポリシー管理、セキュリティ認証などの機能を提供する。UEがアタッチされた場合、UEにネットワークアクセス認証を提供する。UEにサービス要求がある場合、UEにネットワークリソースを割り当てる。UEが移動した場合、UEのためにネットワークリソースを更新する。UEがアイドル状態にある場合、UEに高速回復メカニズムを提供する。UEがアタッチを解除する場合、UEのためにネットワークリソースを解放する。UEにサービスデータがある場合、アップリンクデータをDNに転送するなど、UEにデータルーティング機能を提供し、或いは、DNからUEダウンリンクデータを受信し、UEに送信するようにRANに転送する。
【0021】
DN:ユーザにサービスを提供するデータネットワークであり、一般クライアントはUEに位置し、サーバはデータネットワークに位置する。データネットワークは、ローカルエリアネットワークのようなプライベートネットワークであってもよいし、Internetのような通信事業者により管理されない外部ネットワークであってもよいし、IPマルチメディアネットワークサブシステム(IP Multimedia Core Network Subsystem:IMS)サービスを構成するために通信事業者により共同で配備された独自のネットワークであってもよい。
【0022】
図2は、図1に基づいて決定された詳細なアーキテクチャであって、そのコアネットワークのユーザプレーンは、ユーザプレーン機能(User Plane Function:UPF)を含む。コアネットワークプレーン面は、認証サーバ機能(Authentication Server Function:AUSF)、アクセスモビリティ管理(Access and Mobility Management Function:AMF)、セッション管理(Session Management Function:SMF)、ネットワークスライス選択機能(Network Slice Selection Function:NSSF)、ネットワーク開放機能(Network Exposure Function:NEF)、ネットワーク機能倉庫機能(NF Repository Function:NRF)、統一データ管理(Unified Data Management:UDM)、ポリシー制御機能(Policy Control Function:PCF)、アプリケーション機能(Application Function:AF)を含む。これらの機能エンティティ(機能又はエンティティと略称される)の機能は次のとおりである。
【0023】
UPF:SMFのルーティングルールに従ってユーザのデータパケット転送を行う。
【0024】
AUSF:UEのセキュリティ認証を行う。
【0025】
AMF:UEアクセス及びモビリティ管理を行う。
【0026】
SMF:UEセッション管理を行う。
【0027】
NSSF:UEのためにネットワークスライスを選択する。
【0028】
NEF:APIインターフェースの方式でサードパーティにネットワーク機能を開放する。
【0029】
NRF:他のネットワーク要素にネットワーク機能エンティティ情報の記憶機能と選択機能を提供する。
【0030】
UDM:ユーザサブスクリプションコンテキスト管理を行う。
【0031】
PCF:ユーザポリシー管理を行う。
【0032】
AF:ユーザアプリケーション管理を行う。
【0033】
図2に示すアーキテクチャでは、N1インターフェースは、UEとAMFとの間の基準点である。N2インターフェースは、RANとAMFの基準点であり、NASメッセージの送信などに用いられる。N3インターフェースは、RANとUPFの間の基準点であり、ユーザプレーンのデータなどを伝送するために用いられる。N4インターフェースは、SMFとUPFの間の基準点であり、例えばN3接続のトンネル識別情報、データバッファ指示情報及びダウンリンクデータ通知メッセージなどの情報を伝送する。N6インターフェースは、UPFとDNの間の基準点であり、ユーザプレーンのデータなどを伝送するために用いられる。NGインターフェース:無線アクセスネットワーク機器と5Gコアネットワークの間のインターフェースである。
【0034】
なお、図1及び図2における各ネットワーク要素間のインターフェース名は、単なる一例であり、具体的な実装におけるインターフェース名は他の名称であってもよく、本発明の実施例では特に限定しない。図1及び図2に含まれる各ネットワーク要素(例えばSMF、AF、UPFなど)の名称も一例であり、ネットワーク要素自体の機能は限定されない。5GS及び将来の他のネットワークにおいては、上記各ネットワーク要素は他の名称であってもよく、本発明の実施例はこれに特に限定されない。例えば、6Gネットワークでは、上記の各ネットワーク要素の一部又は全部は、5Gの用語をそのまま使用してもよく、他の名称を使用してもよく、以下では説明しないが、本明細書ではこれらをまとめて説明する。さらに、上記の各ネットワーク要素間で送信されるメッセージ(又はシグナリング)の名称も単なる一例であり、メッセージ自体の機能を限定するものではないことを理解されたい。上記の各ネットワーク要素エンティティは、コンピュータ機器として実装されてもよいし、コンピュータ機器内で動作する仮想コンピュータ機器として実装されてもよい。
【0035】
本発明の実施例では、非GBR QoSフローのための快速に変化するQoS通知制御(Quick Change QoS Notification Control:QCQNC)メカニズムが定義される。QCQNCメカニズムは、QoS通知制御(QoS Notification Control:QNC)の一種であり、QNCと略称されてもよい。本発明の実施例に係るQCQNCメカニズムでは、アクセスネットワーク機器は、非GBR QoSフローの少なくとも1つのQoSパラメータが快速に変化したことを検出した場合、SMFに快速変化通知を送信する。SMFは、PCF、AF及びUEに快速変化通知を送信する。AF及びUEは、快速変化通知を受信した後、アプリケーションプログラムが該変化に適応し、タイムラグなどのサービス体験QoE(Quality of Experience)に影響する現象を回避するように、自身の内部のアプリケーションプログラムを調整する。
【0036】
QoSフローは、PUDセッションにおける最小のQoS区別粒度である。5Gシステムでは、QoSフローID(QFI)を用いてQoSフローを区別する。QoSフローは、SMFにより制御され、事前構成され、或いはPDUセッション確立プロセスで確立され、或いはPDUセッション変更手順で変更される。
【0037】
本発明の実施例では、非GBR QoSフローのために、以下のQoS特性が定義される。
【0038】
・5G QoS識別子(5G QoS Identifier:5QI)、優先度の割り当てと維持(Allocation and Retention Priority:ARP)、反映QoS特性(Reflective QoS Attribute:RQA)。
【0039】
・また、非GBR QoSフローの5QIに対しては、次のようなQoS特性のみが定義されている。
【0040】
・リソースタイプ(Resource Type)
GBR、遅延キーGBR、又は非GBRに分類される。
【0041】
・優先度(Priority Level)
・パケットデータ遅延(Packet Delay Budget:PDB)
パケットデータ遅延(予算)は、コアネットワークのパケット遅延を含む。
【0042】
・パケット誤り率(Packet Error Rate:PER)
これら4つのQoS特性のうち、前の2つのパラメータResource Type、Priority Levelは5QIを定義する特性であり、後の2つのパラメータPDBとPERは5QIを定義する性能である。
【0043】
本発明の実施例では、QoS QNCのためのProfile(特性)は、非GBRに関するQoSフロー(Non GBR QoS Flow:NGBF)の3つのパラメータ、即ち、PDB、PER及び現在の伝送速度(Current Bit Rate:CBR)である。RANは、これら3つのパラメータの何れか1つのパラメータ値が増加又は減少する変化率(又は、増加又は減少する変化値)が所定の閾値を超えていると検出した場合(パラメータによって性質が異なるため、パラメータごとに対応する変化率又は変化値が異なる)、SMFに通知メッセージを送信し、全てのパラメータの変化率又は変化値を通知する。SMFはPCFに通知メッセージを送信し、PCFはAFに通知メッセージを送信し、AFに対応するアプリケーションプログラムはそれに応じて調整を行う。同時に、SMFはNASメッセージを介してUEに通知メッセージを送信し、UEに対応するアプリケーションプログラムもそれに応じて調整を行ってもよい。これによって、ネットワークとアプリケーションとのインタラクションを実現し、サービス伝送の最適化を実現し、ネットワークが輻輳する時のタイムラグを解決し、又はネットワーク条件が良くなった後、アプリケーションプログラムが依然として非常に低い伝送速度を使用し、ネットワークリソースを十分に利用できず、ユーザの体験を向上させることができないという問題を解決することができる。
【0044】
1つの実施例では、パラメータの変化は以下の2つの定義を有する。
【0045】
1.変化値
パラメータ値がAからBに変化する場合、B-Aを変化値として定義する。なお、パラメータ値がAからBに変化した場合の変化値を第1の変化値とし、BからAに戻った場合の変化値を第2の変化値とすると、第1の変化値と第2の変化値の大きさは同一である(正負を考慮しない)。
【0046】
2.変化率
1つの可能な設計では、パラメータ値がAからBに変化する場合、(B-A)/Aを変化値として定義する。なお、パラメータ値がAからBに変化した場合の変化率を第1の変化率(B-A)/Aとし、BからAに戻った場合の変化率を第2の変化率(A-B)/Bとすると、第1の変化率と第2の変化率の大きさは同一である(正負を考慮しない)。
【0047】
即ち、(B-A)/Aは(A-B)/Bの大きさに等しくない(B>A>0と仮定する)。従って、上記の定義では、パラメータ値Aがパラメータ値Bに30%上昇した後、パラメータ値Bが30%低下した後、パラメータ値Aに戻るわけではない。
【0048】
もう1つの可能な設計では、同一のパラメータ値を30%上昇させた後に30%低下させ、同一のパラメータ値への回復を表すために、変化率をパラメータ値変化前後の(大きい値-小さい値)/小さい値とし、又は変化率をパラメータ値変化前後の(大きい値-小さい値)/大きい値とし、又は変化率をパラメータ値変化前後の(大きい値-小さい値)/固定値として一意に定義する。ここで、大きい値は、変化前後のパラメータ値のうちの絶対値が大きい方であり、小さい値は、変化前後のパラメータ値のうちの絶対値が小さい方であり、固定値は、予め決定された値のうちの一定の値である。このように、パラメータ値Aがいったん30%上昇し、さらに30%低下した場合、元のパラメータ値Aに戻る。
【0049】
1つの実施例では、以下の通信プロトコルが提供される。
【0050】
QoS構成
1つのQoSフローがGBR又は非GBRであるかは、QoS構成により決定される。QoSフローのQoS構成は、(R)ANに送信され、次のQoSパラメータ(QoSパラメータの詳細は、標準TS23.501のセクション5.7.2で定義されている)を含む。
【0051】
・各QoSフローについて、QoS構成に含めるQoSパラメータ
・5QI、及び
・ARP
・非GBRのQoSフローについて、QoS構成は、QoSパラメータをさらに含んでもよい。
【0052】
・QCQNC
・RQA
・各GBRのQoSフローのみについて、QoS構成は、QoSパラメータをさらに含んでもよい。
【0053】
・保証されるフロービットレート(Guaranteed Flow Bit Rate:GFBR)と
・アップリンク及びダウンリンク、及び、
・最大フロービットレート(Maximum Flow Bit Rate:MFBR)と
・アップリンクとダウンリンク
・GBR QoSフローのみについて、QoS構成は、1つ以上のQoSパラメータを含んでもよい。
【0054】
・通知制御
・最大パケット損失率と
・アップリンク及びダウンリンク。
【0055】
1つの実施例では、QoS快速変化通知制御構成(QoS Quick Change Notification control Profile)が提供される。
【0056】
QoS快速変化通知制御構成は、快速変化通知制御を有効にする非GBR QoSフローのために提供される。対応するPCCルールに関連情報(TS 23.503で記載されるように)が含まれている場合、SMFは、QoS構成ファイルに加えて、NG-RANに快速変化通知制御構成を提供する必要がある。SMFがNG-RANに快速変化通知制御構成(対応するポリシー制御及び課金(Policy and Charging Control Rule:PCC)ルール情報が変化する場合)を提供した場合、NG-RANは以前に記憶されていた構成をそれに置き換える。
【0057】
快速変化通知制御構成は、PDB、PER及び検出されたCBR(現在のビットレート)の任意のQoSパラメータの快速な変化を表し、アプリケーションプログラムが変化したQoSパラメータに基づいてアプリケーションプログラムのトラフィックを制御するのに役立つ。快速変化通知制御構成は、(PDR、PER、CBR)の短時間内の(20%、10%、30%)快速な変化(増加又は減少)を表し、変化後の新しい値は、持続的に維持されることができ、即ち、この快速な変化は、突発的な衝撃干渉などによる短い速いスパイクではない。
【0058】
なお、快速変化通知制御構成は、PDB、PER、CBRの任意の変更の組合せであってもよく、例えば、快速変化通知制御構成では、増加した(又は減少した)PDRを20%に設定してもよいし、増加した(又は減少した)PDRとPERを20%に設定し、増加した(又は減少した)CBRを10%に設定してもよいし、増加した(又は減少した)CBRを30%に設定してもよい。
【0059】
NG-RANがSMFにQCQNC構成を満たす快速変化通知を送信する場合、NG-RANは、通知メッセージに現在のQoSパラメータ(PDB、PER)及びCBRを含めてもよい。
【0060】
非GBRベアラフローのQNCメカニズムには、次のプロセスが含まれる。
【0061】
1.ハンドオーバ手順におけるQNC制御
2.QNCの構成手順
3.QNCの最適化手順
4.QNCの通知手順(AFについて)
5.変化後のQNCのパラメータ値の通知手順(UEについて)
以下では、これらの手順をそれぞれ説明する。
【0062】
1.ハンドオーバ手順におけるQNC制御
ハンドオーバ手順は、QNCのパラメータの快速な変化を引き起こす最も一般的な要因であり、そのため、ハンドオーバ手順に非GBRベアラフローに対するQNCメカニズムを導入する必要がある。
【0063】
図3は、本発明の1つの例示的な実施例に係るハンドオーバ手順に基づくメッセージ送信方法を示すフローチャートである。本実施例では、図1又は図2に示す通信システムへの本方法の適用例を示す。この方法には、次のものが含まれる。
【0064】
ステップ320:ハンドオーバ手順において、ソースアクセスネットワーク機器がターゲットアクセスネットワーク機器に非GBRベアラフローのQNC制御パラメータを送信する。
【0065】
非GBRベアラフローは、非GBRタイプのベアラフローを意味する。非GBRベアラフローは、非GBR QoSフロー、又は非GBR EPSベアラを含む。一例として、5Gシステムでは、非GBRベアラフローは、非GBRタイプのQoSフローである。4Gシステムでは、非GBRベアラフローは、非GBRタイプのEPSベアラである。
【0066】
ここで、QNC制御パラメータは、非GBRベアラフローのQNCのパラメータ及び報告条件を示すために使用される。
【0067】
一例として、QNC(又はQCQNC)のパラメータは、PDB、PER、CBRの少なくとも1つを含む。QNCのパラメータが少なくとも2つを含む場合、存在する少なくとも2つのパラメータに対応する報告条件が同一であり、且つ/或いは、存在する少なくとも2つのパラメータに対応する報告条件が異なる。
【0068】
一例として、報告条件(変化閾値、変化報告閾値とも称される)は、以下のうちの少なくとも1つを含む。
【0069】
・QNCのパラメータの第1の期間内の変化値が第1の閾値よりも大きい。
【0070】
第1の閾値は0より大きく且つ1より小さい小数である。例えば、第1の閾値は、20%、30%、及び40%である。第1の期間は、例えば1秒、2秒などの変化値を計算するために使用される周期又は期間である。
【0071】
・QNCのパラメータの第2の期間内の変化率が第2の閾値よりも大きい。
【0072】
第2の閾値は0より大きく且つ1より小さい小数である。例えば、第2の閾値は、20%、30%、及び40%である。第2の期間は、例えば1秒、2秒などの変化率を計算するために使用される周期又は期間である。
【0073】
・QNCのパラメータの第1の期間内の変化値が第1の閾値より大きく、且つ第3の閾値だけ継続する。
【0074】
第3の閾値は、変化値の継続期間を評価するための閾値であり、例えば2秒である。
【0075】
・QNCのパラメータの第2の期間内の変化率が第2の閾値より大きく、且つ第4の閾値だけ継続する。
【0076】
第4の閾値は、変化率の継続期間を評価するための閾値であり、例えば2秒である。
【0077】
即ち、第3の閾値及び第4の閾値は、継続期間を評価するための閾値である。
【0078】
ステップ340:ハンドオーバ手順において、ターゲットアクセスネットワーク機器がQNC制御パラメータを受信する。
【0079】
ターゲットアクセスネットワーク機器は、QNC制御パラメータに基づいて、非GBRベアラフローのQNCを有効又は開始する。
【0080】
ステップ360:ハンドオーバ完了後、非GBRベアラフローのQNCのパラメータ値の変化が報告条件を満たす場合、ターゲットアクセスネットワーク機器がコアネットワークエンティティを介してアプリケーションエンティティに通知メッセージを送信する。
【0081】
QNCパラメータ値の変化は、次の2つのうちの少なくとも1つを含む。
【0082】
1、第1のパラメータ値から第2のパラメータ値までの変化
第1のパラメータ値は、QNCのパラメータのハンドオーバ前のパラメータ値、即ち、ソースアクセスネットワーク機器の現在のパラメータ値である。第2のパラメータ値は、QNCのパラメータのハンドオーバ後のパラメータ値、即ち、ターゲットアクセスネットワーク機器の現在のパラメータ値である。
【0083】
2、第2のパラメータ値から第3のパラメータ値までの変化
第2のパラメータ値及び第3のパラメータ値は、QNCのパラメータのハンドオーバ後のパラメータ値であり、第3のパラメータ値の取り込み時点は第2のパラメータ値よりも遅い。
【0084】
一例として、通知メッセージは、変化後のQNCのパラメータ値をさらに搬送する。即ち、QNCのパラメータが快速に変化した後、QNCのパラメータの現在のパラメータ値である。この「現在」は、相対的な概念であり、絶対的な意味での「現在」ではない。例えば、現在のパラメータ値は、報告条件がトリガされた場合のパラメータ値であり、通知メッセージが送信された後のリアルタイムのパラメータ値とは必ずしも一致しない。
【0085】
一例として、変化後のQNCのパラメータ値は、変化後のQNCのパラメータ値の量子化値を使用して表すことができる。例えば、QNCの値の範囲を16個の重ならないサブ区間に分割する。16個のサブ区間のそれぞれは、4ビットで表される一意の量子化値に対応する。変化後のQNCのパラメータ値がi番目のサブ区間に属する場合、i番目のサブ区間に対応する量子化値で表され、その量子化値は4ビットで表示されてもよい。これによって、通知メッセージに必要な伝送リソースを低減することができる。
【0086】
上述したように、ハンドオーバ手順は無線ネットワーク状態の快速な変化を最も容易に引き起こす手順であるため、本実施例に係る方法は、ソースアクセスネットワーク機器がターゲットアクセスネットワーク機器に非GBRベアラフローのQNC制御パラメータを送信することで、非GBRベアラフローのQNCのパラメータ値の増加/減少が報告条件を満たす場合、ターゲットアクセスネットワーク機器がコアネットワークエンティティを介してアプリケーションエンティティ及び端末に通知メッセージを送信することができるため、非GBRベアラフローの関連パラメータが悪くなる場合、又は、非GBRベアラフローの関連パラメータが悪い状況から良い状況に回復する場合、アプリケーションエンティティが該パラメータの変化に応じて自身内部のアプリケーションプログラムを調整し、アプリケーションプログラム及び端末の実行を最適化することができる。
【0087】
一例として、ハンドオーバ手順において、ソースアクセスネットワーク機器は、非GBRベアラフローのQNCの制御パラメータをコアネットワークエンティティを介してターゲットアクセスネットワーク機器に送信する。異なる通信システムに応じて、コアネットワークエンティティのタイプ、数、及び区分は異なってもよい。5Gシステムを一例として、コアネットワークエンティティは、第1のコアネットワークエンティティAMF、第2のコアネットワークエンティティSMFを含む。ソースアクセスネットワーク機器がコアネットワークエンティティを介してターゲットアクセスネットワーク機器に非GBRベアラフローのQNCの制御パラメータを送信するプロセスは、好ましくは、以下のステップを含む。
【0088】
1.ハンドオーバ手順において、ソースアクセスネットワーク機器は、ソース第1のコアネットワークエンティティAMFにハンドオーバ要求(Handover Require)を送信し、ハンドオーバ要求はQNCの制御パラメータを搬送する。
【0089】
2.ソース第1のコアネットワークエンティティAMFは、ターゲット第1のコアネットワークエンティティAMFにUEコンテキスト作成要求(Namf_Communication_CreateUEContext)を送信し、UEコンテキスト作成要求はQNCの制御パラメータを搬送する。
【0090】
3.ターゲット第1のコアネットワークエンティティAMFは、第2のコアネットワークエンティティSMFにセッションコンテキスト更新要求(Nsmf_PDUSession_UpdateSMContext)を送信し、セッションコンテキスト更新要求はQNCの制御パラメータを搬送する。
【0091】
4.第2のコアネットワークエンティティSMFは、ターゲット第1のコアネットワークエンティティAMFに更新セッションコンテキスト応答(Nsmf_PDUSession_UpdateSMContext応答)を送信し、更新セッションコンテキスト応答はQNCの制御パラメータを搬送する。
【0092】
5.ターゲット第1のコアネットワークエンティティAMFは、ターゲットアクセスネットワーク機器にハンドオーバ命令(Handover Request)を送信し、ハンドオーバ命令はQNCの制御パラメータを搬送する。
【0093】
QNCの制御パラメータは、ソースツーエンドのトランスペアレント伝送コンテナ内に搬送されてもよい。ここで、ソースツーエンドのトランスペアレント伝送コンテナは、ハンドオーバ要求、UEコンテキスト作成要求、セッションコンテキスト更新要求、セッションコンテキスト更新応答、ハンドオーバ命令におけるトランスペアレント伝送のフィールドである。
【0094】
図4は、本発明のもう1つの例示的な実施例に係るハンドオーバ手順に基づくメッセージ送信方法を示すフローチャートである。本実施例では、図1又は図2に示す通信システムへの本方法の適用を一例として説明する。この方法には、以下のステップを含む。
【0095】
ステップ322:ハンドオーバ手順において、ソースアクセスネットワーク機器がターゲットアクセスネットワーク機器に非GBRベアラフローのQNC制御パラメータ及び第1のパラメータを送信する。
【0096】
図3の実施例と比較して、ソースアクセスネットワーク機器は、QNCの制御パラメータだけでなく、第1のパラメータ値も同時にターゲットアクセスネットワーク機器に送信する。第1のパラメータ値は、QNCのパラメータのハンドオーバ前のパラメータ値である。
【0097】
QNCの制御パラメータ及び第1のパラメータ値は、同一のメッセージ内で送信されてもよいし、異なるメッセージ内で送信されてもよい。本発明では、QNCの制御パラメータ及び第1のパラメータ値が同一のメッセージ内で送信されることを例示する。
【0098】
一例として、ハンドオーバ手順において、ソースアクセスネットワーク機器は、コアネットワークエンティティを介して、第1のパラメータ値とともに非GBRベアラフローQNCの制御パラメータをターゲットアクセスネットワーク機器に送信する。コアネットワークエンティティのタイプ、数、及び区分は、通信システムによって異なってもよい。5Gシステムを例として、コアネットワークエンティティは、第1のコアネットワークエンティティAMFと第2のコアネットワークエンティティSMFを含む。ソースアクセスネットワーク機器がコアネットワークエンティティを介してターゲットアクセスネットワーク機器に非GBRベアラフローのQNCの制御パラメータ及び第1のパラメータ値を送信するプロセスは、好ましくは、以下のステップを含む。
【0099】
1.ハンドオーバ手順において、ソースアクセスネットワーク機器は、ソース第1のコアネットワークエンティティAMFにハンドオーバ要求を送信し、ハンドオーバ要求はQNCの制御パラメータを搬送する。
【0100】
2.ソース第1のコアネットワークエンティティAMFは、ターゲット第1のコアネットワークエンティティAMFにUEコンテキスト作成要求を送信し、UEコンテキスト作成要求はQNCの制御パラメータ及び第1のパラメータ値を搬送する。
【0101】
3.ターゲット第1のコアネットワークエンティティAMFは、第2のコアネットワークエンティティSMFにセッションコンテキスト更新要求を送信し、セッションコンテキスト更新要求はQNCの制御パラメータ及び第1のパラメータ値を搬送する。
【0102】
4.第2のコアネットワークエンティティSMFは、セッションコンテキスト更新応答をターゲット第1のコアネットワークエンティティAMFに送信し、QNCの制御パラメータ及び第1のパラメータ値を搬送する。
【0103】
5.ターゲット第1のコアネットワークエンティティAMFは、ターゲットアクセスネットワーク機器にハンドオーバ命令を送信し、ハンドオーバ命令はQNCの制御パラメータ及び第1のパラメータ値を搬送する。
【0104】
好ましくは、QNCの制御パラメータ及び第1のパラメータ値は、ソースツーエンドのトランスペアレント伝送コンテナに搬送されている。ここで、ソースツーエンドのトランスペアレント伝送コンテナは、ハンドオーバ要求、UEコンテキスト作成要求、セッションコンテキスト更新要求、セッションコンテキスト更新応答、ハンドオーバ命令におけるトランスペアレント伝送のフィールドである。
【0105】
ステップ342:ハンドオーバ手順において、ターゲットアクセスネットワーク機器が非GBRベアラフローのQNC制御パラメータ及び第1のパラメータ値を受信する。
【0106】
一例として、ハンドオーバ命令は、ソースアクセスネットワーク機器がターゲットアクセスネットワーク機器に送信するQNCの制御パラメータに加えて、第2のコアネットワークエンティティSMFがターゲットアクセスネットワーク機器に送信するQNCの制御パラメータをさらに搬送してもよい。
【0107】
2つのグループのQNCの制御パラメータは、ハンドオーバ命令の異なるフィールドに搬送されてもよい。一例として、ソースアクセスネットワーク機器がターゲットアクセスネットワーク機器に送信するQNCの制御パラメータは、ハンドオーバ命令のソースツーエンドのトランスペアレント伝送コンテナフィールド内に搬送される。第2のコアネットワークエンティティSMFがターゲットアクセスネットワーク機器に送信するQNCの制御パラメータは、ハンドオーバ命令のQoS構成要求フィールドに搬送される。
【0108】
通常、2つのグループのQNCの制御パラメータは一致する。しかし、2つのグループのQNCの制御パラメータが一致しない場合、ターゲットアクセスネットワーク機器は、第2のコアネットワークエンティティSMFがターゲットアクセスネットワーク機器に送信するQNCの制御パラメータを優先的に使用する。
【0109】
ステップ362:ハンドオーバ完了後に、第1のパラメータ値から第2のパラメータ値への変化が報告条件を満たす場合、ターゲットアクセスネットワーク機器がコアネットワークエンティティを介してアプリケーションエンティティに通知メッセージを送信する。
【0110】
第1のパラメータ値は、QNCのパラメータのハンドオーバ前のパラメータ値であり、第2のパラメータ値は、QNCのパラメータのハンドオーバ後のパラメータ値である。
【0111】
一例として、通知メッセージは、変化後のQNCのパラメータ値をさらに搬送する。即ち、QNCのパラメータが快速に変化した後、QNCのパラメータの現在のパラメータ値である。この「現在」は、相対的な概念であり、絶対的な意味での「現在」ではない。例えば、現在のパラメータ値は、報告条件がトリガされた場合のパラメータ値であり、通知メッセージが送信された後のリアルタイムのパラメータ値とは必ずしも一致しない。
【0112】
一例として、変化後のQNCのパラメータ値は、変化後のQNCのパラメータ値の量子化値を使用して表すことができる。例えば、QNCの値の範囲を16個の重ならないサブ区間に分割する。16個のサブ区間のそれぞれは、4ビットで表される一意の量子化値に対応する。変化後のQNCのパラメータ値がi番目のサブ区間に属する場合、i番目のサブ区間に対応する量子化値で表され、その量子化値は4ビットで表示されてもよい。これによって、通知メッセージに必要な伝送リソースを低減することができる。
【0113】
上述したように、本実施例に係る方法は、ソースアクセスネットワーク機器がターゲットアクセスネットワーク機器に非GBRベアラフローの第1のパラメータ値を送信することで、ターゲットアクセスネットワーク機器に非GBRベアラフローのハンドオーバ前後のQNCのパラメータの増加/減少を監視させ、ハンドオーバ前後のQNCのパラメータの変化が報告条件を満たす場合、ターゲットアクセスネットワーク機器がコアネットワークエンティティを介してアプリケーションエンティティ及び端末に通知メッセージを送信することができるため、非GBRベアラフローの関連パラメータが悪くなる場合、又は、非GBRベアラフローの関連パラメータが悪い状況から良い状況に回復する場合、アプリケーションエンティティが該パラメータの変化に応じて自身内部のアプリケーションプログラムを調整し、アプリケーションプログラム及び端末の実行を最適化することができる。
【0114】
なお、特定の状況では、ソースアクセスネットワーク機器又はソースアクセスネットワーク機器の何れかが非GBRベアラフローのQNCをサポートせず、ターゲットアクセスネットワーク機器が非GBRベアラフローのQNCをサポートする。本発明は、図5に示すように、次の実施例をさらに提供する。
【0115】
ステップ330:ハンドオーバ手順において、コアネットワークエンティティがターゲットアクセスネットワーク機器に非GBRベアラフローのQNC制御パラメータを送信する。
【0116】
コアネットワークエンティティは、ソースアクセスネットワーク機器からハンドオーバ要求を受信した後、ハンドオーバ手順が非GBRベアラフローのハンドオーバに関するものである場合、ハンドオーバ命令にQNCの制御パラメータを追加してもよい。
【0117】
一例として、SMFは、ハンドオーバ命令のQoS構成要求項目にQNCの制御パラメータを追加する。該QNCの制御パラメータは、QNCを有効にするか否か、QNCのパラメータ、及び報告条件を含む。
【0118】
ステップ340:ハンドオーバ手順において、ターゲットアクセスネットワーク機器がQNC制御パラメータを受信する。
【0119】
ターゲットアクセスネットワーク機器は、QNC制御パラメータに基づいて、非GBRベアラフローのQNCを有効にし、或いは開始する。
【0120】
ステップ360:ハンドオーバ完了後、第2のパラメータ値から第3のパラメータ値への変化が報告条件を満たす場合、ターゲットアクセスネットワーク機器はコアネットワークエンティティを介してアプリケーションエンティティに通知メッセージを送信する。
【0121】
第2のパラメータ値及び第3のパラメータ値は、QNCのパラメータのハンドオーバ後のパラメータ値であり、第3のパラメータ値の収集時点は、第2のパラメータ値より後である。
【0122】
上述したように、本実施例に係る方法は、コアネットワークエンティティからターゲットアクセスネットワーク機器に非GBRベアラフローのQNCの制御パラメータを送信することによって、ソースアクセスネットワーク機器が非GBRベアラフローのQNCをサポートしない場合でも、ターゲットアクセスネットワーク機器が非GBRベアラフローに対してQNC制御を行うことをトリガすることができるため、QNCのパラメータの快速変化を最も引き起こしやすいハンドオーバシナリオに非GBRベアラフローに対するQNC制御を導入することができ、アプリケーションプログラムに対する制御を強化し、アプリケーションプログラムがよりよくネットワーク変化に適応できるようにする。
【0123】
2.QNCの構成手順
非GBRベアラフローの確立手順又は変更手順では、コアネットワークエンティティから(ソース)アクセスネットワーク機器へのQNCの構成手順が行われる。即ち、コアネットワークエンティティは、QNC構成を(ソース)アクセスネットワーク機器に送信し、QNC構成は、QNCのパラメータ及び報告条件(又は「変化閾値」、「快速変化閾値」、「変化報告閾値」、「快速変化報告閾値」とも称される)を構成するために使用される。
【0124】
図6は、本発明のもう1つの例示的な実施例に係るQNCの構成方法を示すフローチャートである。本実施例では、図1又は図2に示す通信システムへの本方法の適用を一例として説明する。該方法は、次のステップを含む。
【0125】
ステップ420:第3のコアネットワークエンティティPCFは、第2のコアネットワークエンティティSMFにQNCのパラメータと報告条件を送信する。
【0126】
第3のコアネットワークエンティティは、コアネットワーク内のポリシー管理を担当するエンティティである。
【0127】
第2のコアネットワークエンティティは、コアネットワーク内のセッション管理を担当するエンティティである。
【0128】
一例として、非GBRベアラフローの確立手順又は変更手順において、第3のコアネットワークエンティティPCFは、第2のコアネットワークエンティティSMFにQNCのパラメータ及び報告条件を送信する。
【0129】
一例として、PDUセッションを確立する手順において、1つ(1番目)のQoSフローが確立され、このQoSフローはデフォルトQoSルールに基づくQoSフロー(QoS Flow with Default QoS Rules)と呼ばれる。一般に、このQoSフローは、非GBRタイプであり、第3のコアネットワークエンティティは、第2のコアネットワークエンティティにQNCのパラメータ及び報告条件を提供することができる。
【0130】
一例として、このQNCのパラメータ及び報告条件は、第3のコアネットワークエンティティPCFによって自ら決定される。或いは、このQNCのパラメータ及び報告条件は、第3のコアネットワークエンティティPCFがアプリケーションエンティティにより送信されたサービスフロー情報に基づいて決定される。或いは、このQNCのパラメータ及び報告条件は、UEのサブスクリプションデータに基づいて第3のコアネットワークエンティティPCFにより決定される。
【0131】
ステップ440:第2のコアネットワークエンティティSMFは、第3のコアネットワークエンティティPCFにより送信されたPCCルールを受信する。
【0132】
ステップ460:第2のコアネットワークエンティティは、QNC構成(QNC Profile)をアクセスネットワーク機器に送信し、QNC構成はQNCのパラメータ及び報告条件をアクセスネットワーク機器のために構成するために使用される。
【0133】
上述したように、本実施例に係る方法は、第3のコアネットワークエンティティから第2のコアネットワークエンティティにQNCのパラメータ及び報告条件を送信することによって、第2のコアネットワークエンティティが非GBRベアラフローのためにQNCのパラメータ及び報告条件を構成することをトリガして、QNCの構成プロセスを完成することができる。
【0134】
1つの設計では、図7に示すように、アプリケーションエンティティは第3のコアネットワークエンティティにサービス情報を提供し、サービス情報は、アプリケーションエンティティのために必要な(又は推奨事項としての)QNCのパラメータ及び報告条件を搬送する。別の設計では、図8に示すように、第3のコアネットワークエンティティは、QNCサブスクリプションデータに基づいてQNCのパラメータ及び報告条件を決定する。
【0135】
図7は、本発明のもう1つの例示的な実施例に係るQNCの構成方法を示すフローチャートである。本実施例では、図1又は図2に示す通信システムへの本方法の適用を一例として説明する。この方法は、次のステップを含む。
【0136】
ステップ412:アプリケーションエンティティAFは、第3のコアネットワークエンティティPCFにサービスフロー情報を送信し、サービスフロー情報はQNCの制御パラメータを搬送する。
【0137】
QNCの制御パラメータは、QNCを有効にするか否か、QNCのパラメータ、変化閾値のうちの少なくとも一つを含む。
【0138】
ステップ420:第3のコアネットワークエンティティPCFは、第2のコアネットワークエンティティSMFにPCCルールを送信し、PCCルールはQNCの制御パラメータを搬送する。
【0139】
ステップ440:第2のコアネットワークエンティティSMFは、第3のコアネットワークエンティティPCFにより送信されたPCCルールを受信する。
【0140】
ステップ460:第2のコアネットワークエンティティは、アクセスネットワーク機器にQNC構成を送信し、QNC構成はアクセスネットワーク機器のためにQNC制御パラメータを構成するために使用される。
【0141】
上述したように、本実施例に係る方法は、アプリケーションエンティティから第3のコアネットワークエンティティにQNCの制御パラメータを提供することによって、アプリケーションエンティティとコアネットワークエンティティとの主動的なインタラクションを実現することができ、アプリケーションエンティティにより無線アクセスネットワーク機器(例えば5G、4GのRAN)を駆動して非GBRベアラフローの快速変化を報告することができるため、無線アクセスネットワーク機器からアプリケーションエンティティにそのネットワーク能力を開放し、インターネット応用の革新に新しいアプローチを提供することができる。
【0142】
図8は、本発明の1つの例示的な実施例に係るQNCの最適化方法を示すフローチャートである。本実施例では、図1又は図2に示す通信システムへの本方法の適用を一例として説明する。この方法は、次のステップを含む。
【0143】
ステップ414:第4のコアネットワークエンティティUDMは、第3のコアネットワークエンティティPCFにQNCサブスクリプションデータを送信し、QNCサブスクリプションデータはQNCの制御パラメータを搬送する。
【0144】
デフォルトの5QIがNGBRタイプである場合、QNCサブスクリプションデータを追加する。第4のコアネットワークエンティティUDMは、QNCサブスクリプションデータを第2のコアネットワークエンティティSMFに送信し、第2のコアネットワークエンティティSMFは、QNCサブスクリプションデータを第3のコアネットワークエンティティPCFに送信する。
【0145】
ステップ420:第3のコアネットワークエンティティPCFは、第2のコアネットワークエンティティSMFにデフォルトQoSルールを送信し、デフォルトQoSルールはQNCの制御パラメータを搬送する。
【0146】
ステップ440:第2のコアネットワークエンティティSMFは、第3のコアネットワークエンティティPCFにより送信されたPCCルールを受信する。
【0147】
ステップ460:第2のコアネットワークエンティティは、QNC構成をアクセスネットワーク機器に送信し、QNC構成はアクセスネットワーク機器のためにQNCの制御パラメータを構成するために使用される。
【0148】
上述したように、本実施例に係る方法は、第3のコアネットワークエンティティがUEのサブスクリプションデータに基づいてQNCの制御パラメータを決定することによって、UEのサブスクリプションデータに基づいて5Gネットワークを駆動してAF及び/又はUEに非GBRベアラフローの快速変化を報告することができる。
【0149】
3.QNCの最適化手順
第3のコアネットワークエンティティPCF又はアプリケーションエンティティAFがQNCの通知メッセージの頻度が高すぎることを発見した場合、システムはより多くのシグナリングを受ける。この場合、第3のコアネットワークエンティティPCF又はアプリケーションエンティティAFは、例えば変化閾値を増加させるなど、QNCの報告条件を変更してもよい。
【0150】
図9は、本発明のもう1つの例示的な実施例に係るQNCの最適化方法を示すフローチャートである。本実施例では、図1又は図2に示す通信システムへの本方法の適用を一例として説明する。この方法は、次のステップを含む。
【0151】
ステップ520:通知メッセージの報告頻度が頻度閾値よりも大きい又は小さい場合、第3のコアネットワークエンティティPCFは、第2のコアネットワークエンティティSMFに更新後のQNCの制御パラメータを送信する。
【0152】
更新されたQNCの制御パラメータは、QNCを有効にするか否か、更新されたQNCのパラメータ、更新された変化閾値の少なくとも1つを含む。即ち、更新されたQNCの制御パラメータは、QNCを有効にするか否か、QNCのパラメータ、変化閾値の3つのうちの少なくとも1つを更新することができる。
【0153】
例えば、第3のコアネットワークエンティティPCFは、通知メッセージの報告頻度が頻度閾値よりも大きい場合、第2のコアネットワークエンティティSMFに、QNCを無効にする指示を送信する。また、例えば、第3のコアネットワークエンティティPCFは、通知メッセージの報告頻度が周波数閾値よりも大きい場合、第2のコアネットワークエンティティSMFに、減少後のQNCのパラメータを送信する。また、例えば、第3のコアネットワークエンティティPCFは、通知メッセージの報告頻度が周波数閾値よりも大きい場合、第2のコアネットワークエンティティSMFに、増加後の変化閾値を送信する。
【0154】
ステップ540:第2のコアネットワークエンティティSMFは、(ターゲット)アクセスネットワーク機器にQNC構成を送信し、QNC構成は更新後のQNCの制御パラメータを搬送する。
【0155】
上述したように、本実施例に係る方法は、通知メッセージの報告頻度が頻度閾値よりも大きい又は小さい場合、第2のコアネットワークエンティティSMF及びアクセスネットワーク機器に更新後のQNCの制御パラメータを送信することによって、システムに大きなシグナリングオーバヘッドを引き起こすことを回避し、或いは、QNCの通知メカニズムを合理的に利用することができる。
【0156】
図10は、本発明の1つの例示的な実施例に係るQNCのパラメータ値の通知方法を示すフローチャートである。本実施例では、図1又は図2に示す通信システムへの本方法の適用を一例として説明する。この方法は、次のステップを含む。
【0157】
ステップ510:アプリケーションエンティティは、通知メッセージの報告頻度が頻度閾値よりも大きい又は小さい場合、第3のコアネットワークエンティティPCFに更新後のQNCの制御パラメータを送信する。
【0158】
更新後のQNCの制御パラメータは、QNCを有効にするか否か、更新されたQNCのパラメータ、更新された変化閾値の少なくとも1つを含む。即ち、更新されたQNCの制御パラメータは、QNCを有効にするか否か、QNCのパラメータ、変化閾値の3つのうちの少なくとも1つを更新することができる。
【0159】
例えば、AFは、通知メッセージの報告頻度が周波数閾値より大きい場合、第3のコアネットワークエンティティPCFに、QNCを無効にする指示を送信する。また、例えば、AFは、通知メッセージの報告頻度が周波数閾値より大きい場合、減少後のQNCのパラメータを第3のコアネットワークエンティティPCFに送信する。また、例えば、AFは、通知メッセージの報告頻度が頻度閾値よりも大きい場合、増加後の変化閾値を第3のコアネットワークエンティティPCFに送信する。
【0160】
ステップ520:第3のコアネットワークエンティティPCFは、第2のコアネットワークエンティティSMFに更新後のQNCの制御パラメータを送信する。
【0161】
ステップ540:第2のコアネットワークエンティティSMFは、アクセスネットワーク機器にQNC構成を送信し、QNC構成は更新後のQNCの制御パラメータを搬送する。
【0162】
上述したように、本実施例に係る方法は、通知メッセージの報告頻度が頻度閾値より大きい又は小さい場合、AFによりPCFをトリガして第2のコアネットワークエンティティSMF及びアクセスネットワーク機器に更新後のQNCの制御パラメータを送信することによって、システムに大きい信号のオーバーヘッドを回避することができ、或いは、QNCの通知メカニズムを合理的に利用することができる。
【0163】
4.QNCの通知手順(AFについて)
図11は、本発明の1つの例示的な実施例に係るハンドオーバ手順におけるハンドオーバ手順に基づくメッセージ送信方法を示すフローチャートである。本実施例では、図1又は図2に示す通信システムへの本方法の適用を一例として説明する。この方法は、次のステップを含む。
【0164】
ステップ620:(ターゲット)アクセスネットワーク機器は、非GBRベアラフローのQNCのパラメータの変化が報告条件を満たす場合、コアネットワークエンティティを介してアプリケーションエンティティに通知メッセージを送信する。
【0165】
一例として、通知メッセージ内は、変更されたQNCのパラメータ値をさらに搬送する。即ち、QNCのパラメータが快速に変化した後、QNCのパラメータの現在のパラメータ値である。この「現在」は相対的な概念であり、絶対的な意味での「現在」ではない。例えば、現在のパラメータ値は、報告条件がトリガされた場合のパラメータ値であり、通知メッセージが送信された後のリアルタイムのパラメータ値とは必ずしも一致しない。
【0166】
コアネットワークエンティティは1つ以上である。通知メッセージがRANとAFとの間に位置する複数のコアネットワークエンティティに関する場合、複数のコアネットワークエンティティは、通知メッセージを順次送信し、異なるコアネットワークエンティティは、異なるタイプのメッセージを用いて、該通知メッセージを搬送することができる。例えば、コアネットワークエンティティが移動性管理エンティティ(Mobility Management Entity:MME)、サービングゲートウェイ(Serving GateWay:SGW)、PDNゲートウェイ(PDN GateWay:PGW)及びPCFを含む場合、通知メッセージの伝送経路は、少なくともRAN→MME→SGW/PGWPCF→AFを含む。また、例えば、コアネットワークエンティティが第1のコアネットワークエンティティAMF、第2のコアネットワークエンティティSMF及び第3のコアネットワークエンティティPCFを含む場合、通知メッセージの伝送経路は、少なくともRAN→AMF→SMF→PCF→AFを含む。
【0167】
一例として、コアネットワークエンティティは、アプリケーションエンティティにイベントレポート(Event Reporting)を送信し、イベントレポートは通知メッセージを搬送する。
【0168】
ステップ640:アプリケーションエンティティは、通知メッセージに基づいてアプリケーションプログラムを制御する。
【0169】
この通知メッセージ(快速変化通知、快速変化報告、通知報告とも称される)は、非GBRベアラフローのQoS通知制御QNCのパラメータの変化が報告条件を満たすことを示すために使用される。
【0170】
アプリケーションエンティティは、アプリケーションプログラムが非GBRベアラフローの関連パラメータの快速な変化に適応するように、通知メッセージに基づいて、アプリケーションプログラムのコンピューティングポリシー及びサービスポリシーのうちの少なくとも1つを制御する。
【0171】
第1の可能な実装方式:
QNCのパラメータ値が悪くなることを示す通知メッセージに応答して、アプリケーションプログラムが第1の計算ポリシーに従って実行されるように制御する。
【0172】
QNCのパラメータ値が良くなることを示す通知メッセージに応答して、アプリケーションプログラムが第2の計算ポリシーに従って実行されるように制御する。
【0173】
ここで、同一の計算タスクの第1の計算ポリシーにおける計算時間は、第2の計算ポリシーにおける計算時間よりも短い。
【0174】
計算ポリシーは、アプリケーションプログラムの実行計算に関連するポリシーである。計算ポリシーは、コーデック方式の選択ポリシー、コーデックモデルの選択ポリシー、コーデックレベルの選択ポリシー、圧縮レベルの選択ポリシー、ニューラルネットワークモデルの選択ポリシーのうちの少なくとも1つを含むが、これらに限定されない。
【0175】
計算ポリシーがコーデック方式の選択を含むことを一例として、QNCのパラメータ値が悪くなることを示す通知メッセージに応答して、制御アプリケーションは、第1のコーデック方式を使用してコーデックする。QNCのパラメータ値が良くなることを示す通知メッセージに応答して、制御アプリケーションは、第2のコーデック方式を用いてコーデックする。ここで、「コーデックする」とは、符号化及び復号の少なくとも一方を意味する。
【0176】
ここで、同一のコーデックタスクの第1のコーデックポリシーにおける計算時間は、第2のコーデックポリシーにおける計算時間よりも短い。
【0177】
例えば、PDRが大きくなると、ネットワーク遅延が大きくなるが、アプリケーションプログラムは内部の計算時間を減らすことによってネットワーク遅延の悪化を補うため、依然として全体の伝送遅延を一定に維持し、或いは変化が小さいことを保証することができる。
【0178】
第2の可能な実装方式:
QNCのパラメータ値が悪くなることを示す通知メッセージに応答して、アプリケーションプログラムが第1のトラフィックポリシーに従って実行されるように制御する。
【0179】
QNCのパラメータ値が良くなることを示す通知メッセージに応答して、アプリケーションプログラムが第2のトラフィックポリシーに従って実行されるように制御する。
【0180】
ここで、該第1のトラフィックポリシーのトラフィックは第2のトラフィックポリシーのトラフィックよりも少ない。
【0181】
一例として、アプリケーションプログラムのトラフィックは、音声パケットとビデオパケットを含む。
【0182】
QNCのパラメータ値が悪くなることを示す通知メッセージに応答して、音声パケットに対応する第1のトラフィックを維持し、ビデオパケットに対応する第2のトラフィックを減少させる。QNCのパラメータ値が良くなることを示す通知メッセージに応答して、音声パケットに対応する第1のトラフィックを維持し、ビデオパケットに対応する第2のトラフィックを増加させる。
【0183】
これは、クラウドベースのアプリケーション(ビデオ会議、音声会議、遠隔教育)では、ビデオと音声の双方向インタラクションが必要になることが多いためである。ネットワーク伝送遅延に対する一定の要求(通常、片方向の伝送遅延<150ms)があるが、実際の使用過程において、無線ネットワーク状態の変化により、一定の時間内(5秒の期間)に、無線ネットワークの伝送遅延は突然に悪くなり、或いは伝送のレートは突然に小さくなり、オーディオとビデオのタイムラグを引き起こす。
【0184】
関連研究によると、ユーザはオーディオのタイムラグに非常に敏感であり、ビデオの品質変化(解像度の変化や鮮明さの変化など)にはあまり敏感ではない(音声が残っている場合は、ビデオを一時的にオフにしても構わない)。オーディオでは、通常、伝送データが小さいため、頻繁にタイムラグが発生することはない。しかし、オーディオがタイムラグになってしまうと、ユーザ体験は非常に良くない。また、オーディオがCDの品質から非常に低い伝送レート(2Gの音声伝送品質)に低下しても、タイムラグが発生しない限り、ユーザは非常に優れた使用経験を有する。
【0185】
上述したように、本実施例に係る方法は、アプリケーションエンティティが変化後のQNCのパラメータ値に基づいてアプリケーションプログラムを調整することによって、非GBRベアラフローの関連パラメータが悪くなる場合、又は、非GBRベアラフローの関連パラメータが悪い状況から良い状況に回復した場合、アプリケーションエンティティは自身の内部のアプリケーションを調整してそのパラメータの変化に適応させることができるため、アプリケーションプログラムの実行を最適化することができる。
【0186】
また、本実施例に係る方法は、非GBRベアラフローの関連パラメータが悪くなる場合、アプリケーションプログラムの計算ポリシーを変更することによって、アプリケーションプログラム内部の計算期間を減少することによってネットワーク遅延の悪化を補い、依然として全体の伝送時間遅延をそのまま維持し、或いは変化が小さいことを保証することができる。
【0187】
さらに、本実施例に係る方法は、非GBRベアラフローの関連パラメータが悪くなる場合、アプリケーションプログラムのトラフィックポリシーを変更し、例えば音声パケットのトラフィックを維持し、ビデオパケットのトラフィックを減少することによって、ユーザ体験に影響が大きい音声のタイムラグを出現することを回避することができるため、できるだけユーザが音声ビデオプログラムを使用する時のユーザ体験を向上させることができる。
【0188】
5.QNCのパラメータ値の通知手順(UEについて)
図12は、本発明のもう1つの例示的な実施例に係るハンドオーバ手順におけるハンドオーバ手順に基づくメッセージ送信方法のフローチャートを示す図である。本実施例では、図1又は図2に示す通信システムへの本方法の適用を一例として説明する。この方法は、次のステップを含む。
【0189】
ステップ720:コアネットワークエンティティは、アクセスネットワーク機器からの通知メッセージを受信し、該通知メッセージは、非GBRベアラフローのQNCのパラメータの変化が報告条件を満たすことを示すために使用され、該通知メッセージは、変化後のQNCパラメータ値を搬送する。
【0190】
ステップ740:コアネットワークエンティティは、端末に変化後のQNCのパラメータ値を送信する。
【0191】
コアネットワークエンティティがSMFであることを一例にすると、SMFは、アクセスネットワーク機器から通知メッセージを受信した場合、UEに変化後のQNCのパラメータ値を送信する。
【0192】
例えば、SMFは、通知メッセージを受信してから所定期間内にPCFにより送信された新しいPCCルールを受信していない場合、端末に変化後のQNCのパラメータ値を送信する。
【0193】
例えば、SMFは、通知メッセージを受信してから所定期間内にPCFにより送信された新しいPCCルールを受信し、且つ新しいPCCルールにQoS構成に対する変更が存在しない場合、端末に変更後のQNCのパラメータ値を送信する。
【0194】
変更後のQCQNCのパラメータ値は、RANを介してコアネットワークエンティティから端末にトランスペアレント伝送される。好ましくは、コアネットワークエンティティは、UEにNASメッセージを送信し、端末は、コアネットワークエンティティにより送信されたNASメッセージを受信し、NASメッセージは、変化後のQNCのパラメータ値を搬送する。好ましくは、コアネットワークエンティティは、PDUセッション変更命令を端末に送信し、端末は、コアネットワークエンティティにより送信されたPDUセッション変更命令を受信し、PDUセッション変更命令は、変化後のQCQNCのパラメータ値を搬送する。
【0195】
ステップ760:端末は、変化後のQNCのパラメータ値に基づいてアプリケーションプログラムを制御する。
【0196】
UEは、アプリケーションプログラムが非GBRベアラフローの関連パラメータの快速な変化に適応するように、変化後のQNCのパラメータ値に基づいて、アプリケーションプログラムの計算ポリシー及びトラフィックポリシーのうちの少なくとも1つを制御する。
【0197】
第1の可能な実装方式:
QNCのパラメータ値が悪くなることを示す通知メッセージに応答して、アプリケーションプログラムが第1の計算ポリシーに従って実行されるように制御する。
【0198】
QNCのパラメータ値が良くなることを示す通知メッセージに応答して、アプリケーションプログラムが第2の計算ポリシーに従って実行されるように制御する。
【0199】
ここで、同一の計算タスクの第1の計算ポリシーにおける計算時間は、第2の計算ポリシーにおける計算時間よりも短い。
【0200】
計算ポリシーは、アプリケーションプログラムの実行計算に関連するポリシーである。計算ポリシーは、コーデック方式の選択ポリシー、コーデックモデルの選択ポリシー、コーデックレベルの選択ポリシー、圧縮レベルの選択ポリシー、ニューラルネットワークモデルの選択ポリシーのうちの少なくとも1つを含むが、これらに限定されない。
【0201】
計算ポリシーがコーデック方式の選択を含むことを一例として、QNCのパラメータ値が悪くなることを示す通知メッセージに応答して、制御アプリケーションは、第1のコーデック方式を使用してコーデックする。QNCのパラメータ値が良くなることを示す通知メッセージに応答して、制御アプリケーションは、第2のコーデック方式を用いてコーデックする。ここで、「コーデックする」とは、符号化及び復号の少なくとも一方を意味する。
【0202】
ここで、同一のコーデックタスクの第1のコーデックポリシーにおける計算時間は、第2のコーデックポリシーにおける計算時間よりも短い。
【0203】
例えば、PDRが大きくなると、ネットワーク遅延が大きくなるが、アプリケーションプログラムは内部の計算時間を減らすことによってネットワーク遅延の悪化を補うため、依然として全体の伝送遅延を一定に維持し、或いは変化が小さいことを保証することができる。
【0204】
第2の可能な実装方式:
QNCのパラメータ値が悪くなることを示す通知メッセージに応答して、アプリケーションプログラムが第1のトラフィックポリシーに従って実行されるように制御する。
【0205】
QNCのパラメータ値が良くなることを示す通知メッセージに応答して、アプリケーションプログラムが第2のトラフィックポリシーに従って実行されるように制御する。
【0206】
ここで、該第1のトラフィックポリシーのトラフィックは第2のトラフィックポリシーのトラフィックよりも少ない。
【0207】
一例として、アプリケーションプログラムのトラフィックは、音声パケットとビデオパケットを含む。
【0208】
QNCのパラメータ値が悪くなることを示す通知メッセージに応答して、音声パケットに対応する第1のトラフィックを維持し、ビデオパケットに対応する第2のトラフィックを減少させる。QNCのパラメータ値が良くなることを示す通知メッセージに応答して、音声パケットに対応する第1のトラフィックを維持し、ビデオパケットに対応する第2のトラフィックを増加させる。
【0209】
これは、クラウドベースのアプリケーション(ビデオ会議、音声会議、遠隔教育)では、ビデオと音声の双方向インタラクションが必要になることが多いためである。ネットワーク伝送遅延に対する一定の要求(通常、片方向の伝送遅延<150ms)があるが、実際の使用過程において、無線ネットワーク状態の変化により、一定の時間内(5秒の期間)に、無線ネットワークの伝送遅延は突然に悪くなり、或いは伝送のレートは突然に小さくなり、オーディオとビデオのタイムラグを引き起こす。
【0210】
関連研究によると、ユーザはオーディオのタイムラグに非常に敏感であり、ビデオの品質変化(解像度の変化や鮮明さの変化など)にはあまり敏感ではない(音声が残っている場合は、ビデオを一時的にオフにしても構わない)。オーディオでは、通常、伝送データが小さいため、頻繁にタイムラグが発生することはない。しかし、オーディオがタイムラグになってしまうと、ユーザ体験は非常に良くない。また、オーディオがCDの品質から非常に低い伝送レート(2Gの音声伝送品質)に低下しても、タイムラグが発生しない限り、ユーザは非常に優れた使用経験を有する。
【0211】
上述したように、本実施例に係る方法は、アプリケーションエンティティが変化後のQNCのパラメータ値に基づいてアプリケーションプログラムを調整することによって、非GBRベアラフローの関連パラメータが悪くなる場合、又は、非GBRベアラフローの関連パラメータが悪い状況から良い状況に回復した場合、アプリケーションエンティティは自身の内部のアプリケーションを調整してそのパラメータの変化に適応させることができるため、アプリケーションプログラムの実行を最適化することができる。
【0212】
また、本実施例に係る方法は、非GBRベアラフローの関連パラメータが悪くなる場合、アプリケーションプログラムの計算ポリシーを変更することによって、アプリケーションプログラム内部の計算期間を減少することによってネットワーク遅延の悪化を補い、依然として全体の伝送時間遅延をそのまま維持し、或いは変化が小さいことを保証することができる。
【0213】
さらに、本実施例に係る方法は、非GBRベアラフローの関連パラメータが悪くなる場合、アプリケーションプログラムのトラフィックポリシーを変更し、例えば音声パケットのトラフィックを維持し、ビデオパケットのトラフィックを減少することによって、ユーザ体験に影響が大きい音声のタイムラグを出現することを回避することができるため、できるだけユーザが音声ビデオプログラムを使用する時のユーザ体験を向上させることができる。
【0214】
以下は、第3世代パートナーシッププロジェクト(Third Generation Partnership Project:3GPP)の通信プロトコル(TS23.502)を参照しながら、この手順を詳細に説明する。以下の図面におけるネットワーク要素の名称、ステップの流れ及びステップの紹介の詳細は、TS23.502(https://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive/23_series/23.502)における関連記載を参照してもよく、本明細書は紙面に限られ、本発明の実施例のTS23.502プロトコルと異なる内容を重点的に紹介する。
【0215】
1.QNCの通知手順
UEが所在するネットワークが変化した場合、即ち、基地局は、無線リソースが快速に変化したことを検出する(良くなり、或いは悪くなる)。この変化がQNCにより定義された変化閾値に達した場合、RANは、QNCの通知手順をトリガし、AFに通知メッセージを送信する。好ましくは、通知メッセージは、変化後のQNCのパラメータのパラメータ値を(現在のパラメータ値)を搬送する。基地局は、SMFに通知メッセージを送信し、SMFはPCFに通知メッセージを送信し、PCFはAFに通知メッセージを送信する。
【0216】
1.1非ローミング及びローカルブレイクアウトローミングのシナリオ:
図13は、本発明の1つの例示的な実施例に係るUE又はネットワークにより要求されるPDUセッション変更(非ローミング及びローカルブレイクアウトローミングのため)の流れを示す概略図である。
【0217】
ステップ1eにおいて、RANはAMFにN2メッセージ(PDUセッションID、SM情報)を送信し、AMFはSMFにNamf_PDUSession_UpdateSMContextメッセージを送信する。
【0218】
非GBRベアラフローのQNCのパラメータが報告条件を満たす場合、これら2つのメッセージは、通知メッセージを搬送する。好ましくは、通知メッセージは、変化後のQNCのパラメータ値をさらに搬送する。
【0219】
ステップ2において、SMはSMポリシーアソシエーション変更プロセスを開始し、PCF及びAFに通知メッセージを送信する。
【0220】
ステップ5において、SMは、UEにPDUセッション変更命令を送信し、UEに変化後のQNCのパラメータ値を送信する。
【0221】
一例として、SMが通知メッセージを受信してから一定の時間後、SMFがPCFの新しいPCC Ruleを受信していない場合、又は受信したPCC RuleのうちのQNCに対応するSDFのPCC RuleにQoSの変更がない場合、SMFは、UEにPDUセッション変更命令を開始し、UEに現在のQNCに対応するQFIの現在のQCQNCのパラメータ値(PDB、PER、CBR)を通知する。
【0222】
ステップ9において、UEはPDUセッション変更確認に応答する。
【0223】
ここで、PDUセッション変更命令及びPDUセッション変更確認は、RANを介してUEとSMFとの間でトランスペアレント伝送される。
【0224】
上記のステップ2で示したSMポリシーアソシエーション変更フローは、図14により定義される。図14に示すように、以下のようになる。
【0225】
ステップ1において、SMFは、PCFにNpcf_SMPolicyControl_Update要求を送信する。該要求は通知メッセージを搬送する。
【0226】
ステップ2において、PCFは、AFにイベントレポートNpcf_PolicyAuthorizationNotify要求を送信する。該イベントレポートは通知メッセージを搬送する。
【0227】
1.2Xnインターフェースに基づくNG-RAN間のハンドオーバシナリオ:
図15は、本発明の1つの例示的な実施例に係るUPF再割り当てなしのXnベースのNG-RAN間のハンドオーバの流れを示す概略図である。
【0228】
ハンドオーバの実行プロセスにおいて、ソースNG-RANは、非GBRベアラフローのソース側のQNC制御パラメータ、及びQNCの第1のパラメータ値、即ちQNCパラメータのハンドオーバ前の現在のパラメータ値をターゲットNG-RANに送信する。
【0229】
ステップ1において、ターゲットNG-RANは、AMFにN2経路切り替え要求を送信し、この要求は通知メッセージを搬送し、この通知メッセージは、好ましくは、ハンドオーバ後のQNCのパラメータ値(第2のパラメータ値)を搬送する。
【0230】
UEがターゲットNG-RANへのハンドオーバに成功した場合、ターゲットNG-RANがソースNG-RANのリソース状態と一致していないため、ターゲットNG-RANは、通知メッセージを報告する必要があるか否かを判断する。報告が必要な場合、N2経路切り替え要求におけるQoSFlowAcceptedItemフィールドに変化後のターゲットNG-RAN上のQNCのパラメータ値を含んでもよい。ここで、N2経路切り替え要求のメッセージ構造を図16に示す。
【0231】
ステップ2において、AMFはSMFにNsmf_PDUSession_UpdateSMContext要求を送信し、この要求は通知メッセージを搬送し、通知メッセージは、好ましくは、ハンドオーバ後のQNCのパラメータ値(第2のパラメータ値)を搬送する。
【0232】
その後、SMFは、図13及び図14に示すフローに従って、通知メッセージをPCF及びAFに報告する。
【0233】
1.3 NG-RANノードに基づくN2切り替えのシナリオ
図17は、本発明の1つの例示的な実施例に係るNG-RANノードに基づくN2切り替えの流れを示す概略図である。
【0234】
ステップ5において、ターゲットNG-RANはターゲットAMFにハンドオーバ通知を送信し、このハンドオーバ通知は通知メッセージを搬送し、この通知メッセージは、好ましくは、ハンドオーバ後のターゲットNG-RAN上のQNCのパラメータ値(第2のパラメータ値)を搬送する。
【0235】
UEがターゲットNG-RANへのハンドオーバに成功すると、ターゲットNG-RANがソースNG-RANのリソース状態と一致していないため、ターゲットNG-RANは、通知メッセージを報告する必要があるか否かを判断する。報告が必要な場合、ハンドオーバ通知にこの通知メッセージを含んでもよい。
【0236】
ステップ7において、AMFは、SMFにNsmf_PDUSession_UpdateSMContext要求を送信し、この要求は通知メッセージを搬送し、この通知メッセージは、好ましくは、ハンドオーバ後のQNCのパラメータ値(第2のパラメータ値)を搬送する。
【0237】
その後、SMFは、図13及び図14に示すフローに従って、通知メッセージをPCF及びAFに報告する。
【0238】
2.QNCの設定手順:
2.1非ローミング及びローカルブレイクアウトローミングのPDUセッション確立シナリオ:
図18は、本発明の1つの例示的な実施例に係るUEにより要求されるPDUセッション確立の流れを示す概略図である。
【0239】
ステップ7b及び9において、PCFはSMFにSMポリシーアソシエーション確立応答メッセージを送信し、或いは、SMFについてSMポリシーアソシエーション変更応答メッセージを開始し、このメッセージはQNCの制御パラメータを搬送する。
【0240】
PDUセッションの確立プロセスにおいて、1つの(通常は1番目の)QoSフローを確立する。このQoSフローは、デフォルトのQoSルールに基づくQoSフロー(4Gのデフォルトのベアラと異なり、5GはデフォルトのQoSフローの名称を使用しなくなる)と称される。
【0241】
一般に、このデフォルトQoSルールが非GBRタイプである場合、PCFはPCCルールにQNCの制御パラメータを含んでもよい。この場合、図18のステップ7b又は9において、PCFにより提供されたDefault QoS Ruleの5QIがNGBRタイプである場合、PCFはSMFにQCQNCの制御パラメータを提供してもよい。
【0242】
ステップ11及び12において、SMFは、AMFにNamf_Communication_N1 N2情報変換メッセージを送信し、PCFにより提供されたQCQNCの制御パラメータに応じて、このメッセージにはQNC構成が搬送される。
【0243】
好ましくは、UEのサブスクリプションデータには、デフォルト5QIとデフォルトARPが含まれる。デフォルト5QIがNGBRタイプである場合、QNCサブスクリプションデータが追加される。
【0244】
ステップ4、7b及び9において、UDMは、QNCサブスクリプションデータを含むメッセージをSMFに提供し、そして、SMFは、QNCサブスクリプションデータをPCFに提供し、そして、PCFにより提供されたデフォルトQoSルールは、QNCの制御パラメータを含む。
【0245】
PDUセッション確立プロセスは、N3GPPから3GPPへのPDUセッションのハンドオーバに使用されてもよい。ステップ7b又は9において、PCFが非GBR QoSフローの何れかにQNCの制御パラメータを提供する場合、上記と同様に、ステップ11及び12において、QNCの制御パラメータを追加する。
【0246】
なお、ここで、非GBR QoSフローの処理が複数ある場合がある。
【0247】
なお、ステップ12のN2メッセージにおけるSMに関連するパラメータは、ステップ11に含まれるため、ステップ11にはQNCの制御パラメータが含まれる。
【0248】
2.2 ホームルーティングローミングのシナリオ:
図19は、本発明の1つの例示的な実施例に係るホームルーティングローミングのシナリオのUEにより要求されるPDUセッション確立の流れを示すフローチャートである。
【0249】
PDUセッションの確立プロセスにおいて、1つ(通常は最初の)のQoSフローが確立される。このQoSフローは、デフォルトのQoSルールに基づくQoSフロー(4Gのデフォルトのベアラと異なり、5GはデフォルトのQoSフローの名前を使用しなくなる)と称される。
【0250】
一般に、このデフォルトQoSルールが非GBRタイプである場合、PCFはPCCルールにQNCの制御パラメータを含めることができる。図19のステップ9b又は11のメッセージにおいて、PCFにより提供されたデフォルトQoSルールにおける5QIが非GBRタイプである場合、PCFは、QNCの制御パラメータを提供することができる。次に、ステップ13、14、及び15におけるメッセージにQNC構成を追加する。
【0251】
好ましくは、UEのサブスクリプションデータには、デフォルト5QIとデフォルトARPが含まれる。デフォルトの5QIがNGBRタイプである場合、QNCサブスクリプションデータが追加される。
【0252】
ステップ7、9b及び11において、UDMは、QNCサブスクリプションデータを含んでSMFに提供し、SMFは、QNCサブスクリプションデータをPCFに提供し、そして、PCFにより提供されたデフォルトQoSルールはQNCの制御パラメータを含む。
【0253】
2.3 AFによりトリガされるQoSフロー確立手順、非ローミング、及びローカルブレイクアウトローミングのシナリオ:
図20は、本発明の1つの例示的な実施例に係る単一のUEアドレスについてのAFにより要求される関連PCFへの移転の流れを示す概略図である。図21は、本発明の1つの例示的な実施例に係る非ローミング及びローカルブレイクアウトローミングのためのUE又はネットワークにより要求されるPDUセッション変更の流れを示す概略図である。
【0254】
図20のステップ4において、AFは、PCFにNpcf_PolicyAuthorization_Create/Updateメッセージを送信し、このメッセージに含まれる(1つ以上)メディアコンポーネント(Media Component)情報にQNCの制御パラメータを追加する。上述したように、このメディアコンポーネントにQNCの制御パラメータが含まれる場合、このメディアをNGBFで伝送するように要求し、このメディアコンポーネントにQCQNCパラメータが含まれない場合、このメディアはNGBF又はGBF(GBR QoS Flow:GBRサービス品質データフロー)で伝送可能であることを示す。
【0255】
図21のステップ1bにおいて、PCFは、Npcf_SMPolicyControlUpdateNotify要求メッセージを送信する。要求メッセージでは、(1つ以上の)SDF(Service Data Flow:サービスデータフロー、1つのSDFはAFにより提供される1つのメディアフローに対応する)のPCCルールにQNCの制御パラメータを追加する。
【0256】
それに応じて、図21のステップ3b及び4のメッセージにおいてQNCを含む制御パラメータが搬送されている。
【0257】
2.4 AFによりトリガされるQoSフロー確立手順、ホームルーティングローミングのシナリオ:
図22は、本発明の1つの例示的な実施例に係るホームルーティングローミングのためのUE又はネットワークにより要求されるPDUセッション変更の流れを示す概略図である。
【0258】
図22のステップ1b、3、4b、5は、1つ以上のQNCの制御パラメータ(即ち、各可能なサービスフロー、SDF、QoS Flow)を追加する。
【0259】
図22のステップ3は、図21に記載されたシナリオに対して新たな追加ステップ、即ち1つ以上のQoSフローのQoSパラメータにQNCの制御パラメータを追加するステップである。
【0260】
3.ハンドオーバ手順におけるQoS通知:
3.1 Xnインターフェースのハンドオーバシナリオ:
図23は、本発明の1つの例示的な実施例に係る基地局内のハンドオーバ手順を示す概略図である。図24は、本発明のもう1つの例示的な実施例に係るUPF再割り当てなしのXnベースのNG-RAN間のハンドオーバの流れを示す概略図である。
【0261】
図23のステップ1において、非GBRベアラフローのQNC制御パラメータが追加される。同一のUEには複数のQoSフローが存在する可能性があるため、QNCの制御パラメータがソースgNBに存在する任意のQoSフローに対して、QNCの制御パラメータをターゲットgNBに提供する必要がある。
【0262】
ここで、第1のパラメータ値は、図25に示すQoSFlowsToBeSetup-Itemフィールドのように、ハンドオーバ要求に搬送される。
【0263】
また、後続のQNCの通知手順をサポートするために、ソースgNBは、現在のソース側のQNCの各パラメータに対応するパラメータ値、即ち第1のパラメータ値をさらに報告する必要がある。このように、UEがターゲットgNBへのハンドオーバに成功した後、ターゲットgNBのリソース状態は、ソース側gNBのリソース状態よりも遥かに良好であり、或いは、遥かに悪い可能性があり、従って、UEがターゲットgNBへのハンドオーバに成功した後、ターゲットgNBは、通知メッセージを報告できるか否かを決定してもよい。
【0264】
3.2 XG-RANノードN2に基づくハンドオーバ準備のシナリオ:
図26のステップ1、3、4、7、9においてQNCの制御パラメータを加えると、複数のQFが存在するため、ソースgNBの何れかにQNCの制御パラメータを持つQoSフローについて提供する必要がある。実際には、このプロセスは、ソースNG-RAN上の全てのQoSフローのQNC制御パラメータをターゲットNG-RANに複数のステップで送信するだけである。
【0265】
同様に、後続のQNCの通知プロセスをサポートするために、ソースgNBは、現在のソース側のQNCのパラメータに対応する各値、即ち第1のパラメータ値をさらに報告する必要がある。このように、UEがターゲットgNBへのハンドオーバに成功した後、ターゲットgNBのリソース状態は、ソース側gNBのリソース状態よりも遥かに良く、或いは、遥かに悪いため、UEがターゲットgNBへのハンドオーバに成功した後、ターゲットgNBは、通知メッセージを報告できるか否かを判断してもよい。従って、左の図のステップ1、3、4、7、9において、ソースNG-RAN上の全てのQoSフローのQNCのパラメータの現在値を追加する。
【0266】
ここで、図27は、ハンドオーバ応答におけるソースツーエンドのトランスペアレント伝送コンテナのメッセージ構造図を示し、第1のパラメータ値は該ソースツーエンドのトランスペアレント伝送コンテナにおいて搬送される。図28は、ハンドオーバ要求におけるQoSFlowSetupRequestItemフィールドを示し、QNCの制御パラメータは該要求フィールドにおいて搬送されてもよい。
【0267】
3.3 非3GPPから3GPPへのハンドオーバのシナリオ:
図29は、本発明の1つの例示的な実施例に係る信頼できない非3GPPから3GPPへのアクセスのPDUセッション手順のハンドオーバの流れ(非ローミング及びローカルブレイクアウトローミング)を示す概略図である。図30は、本発明の1つの例示的な実施例に係るEPC/ePDGから5GSへのハンドオーバを示す概略図である。
【0268】
図29から分かるように、5Gの非3GPPから5GSへのハンドオーバ、又は4Gの非3GPPから5GSへのハンドオーバは、何れも上述の実施例で定義されたPDUセッション確立手順を使用する。従って、上述した実施例を再利用するだけで、非3GPPから3GPPへのハンドオーバにおけるQNCの処理を実現することができる。
【0269】
図31は、本発明の1つの例示的な実施例に係るEPSから5GSプロセスへの単一登録に基づく相互接続の準備段階を示す概略図である。
【0270】
この実施例の処理方式は、図26と同様に、ステップ2及び3を5Gシステムにおける応答メッセージに変更するだけでよく、即ち、4Gから5GSへのハンドオーバの場合、4GがQCQNCもサポートしているとき、4Gのプロトコルを更新する必要がある。
【0271】
本発明の実施例に係る方法は、4Gシステムにも適用することができる。4Gシステムに適用する場合、NR-gNBはeNBに置き換えられる。PCFとAFとのインタラクションは、何も変更しない。SMFとPCFとのインタラクションは、PGWとPCFとのインタラクションに変更される。5GのQoS Flowは、4GのEPS Bearerに置き換えられる。5Gの5QIは、4G QCIに置き換えられる。5GにおけるRANとAMF/SMFとのインタラクションは、4GのRANとMMEとのインタラクションに置き換えられる。
【0272】
図32は、本発明の1つの例示的な実施例に係るハンドオーバ手順におけるハンドオーバ手順に基づくメッセージ送信装置を示すブロック図である。該装置は、以下のモジュールを含む。
【0273】
送信モジュール820は、ハンドオーバ完了後の非GBRベアラフローのQNCのパラメータ値の変化が報告条件を満たす場合、ターゲットアクセスネットワーク機器がコアネットワークエンティティを介してアプリケーションエンティティに通知メッセージを送信するように、ハンドオーバ手順において、ターゲットアクセスネットワーク機器に非GBRベアラフローのQNC制御パラメータを送信する。
【0274】
ここで、QNC制御パラメータは、非GBRベアラフローのQNCのパラメータ及び報告条件を示すために使用される。
【0275】
本実施例の1つの可能な設計では、送信モジュール820は、ハンドオーバ手順において、ソースアクセスネットワーク機器がコアネットワークエンティティを介してターゲットアクセスネットワーク機器に非GBRベアラフローのQNC制御パラメータを送信する。
【0276】
本実施例の1つの可能な設計では、送信モジュール820は、ハンドオーバ手順において、コアネットワークエンティティにハンドオーバ要求を送信する。ハンドオーバ要求は、QNC制御パラメータを搬送している。
【0277】
本実施例の1つの可能な設計では、QNC制御パラメータは、ハンドオーバ要求におけるソースツーエンドのトランスペアレント伝送コンテナフィールドで搬送されている。
【0278】
本実施例の1つの可能な設計では、送信モジュール820は、第1のパラメータ値から第2のパラメータ値への変化が報告条件を満たす場合、ターゲットアクセスネットワーク機器がコアネットワークエンティティを介してアプリケーションエンティティに通知メッセージを送信するように、ハンドオーバ手順において、ターゲットアクセスネットワーク機器に第1のパラメータ値を送信する。
【0279】
ここで、第1のパラメータ値は、QNCのパラメータのハンドオーバ前のパラメータ値であり、第2のパラメータ値は、QNCのパラメータのハンドオーバ後のパラメータ値である。
【0280】
本実施例の1つの可能な設計では、第1のパラメータ値は、ハンドオーバ要求におけるソースツーエンドのトランスペアレント伝送コンテナフィールドで搬送されている。
【0281】
本実施例の1つの可能な設計では、QNCのパラメータは、パケットデータ遅延(PDR)、パケット誤り率(PER)及び現在ビットレート(CBR)の少なくとも1つを含む。
【0282】
本実施例の1つの可能な設計では、報告条件は、QNCのパラメータ値の第1の期間内の変化値が第1の閾値よりも大きいこと、QNCのパラメータ値の第2の期間内の変化率が第2の閾値よりも大きいこと、QNCのパラメータ値の第1の期間内の変化値が第1の閾値よりも大きく、且つ第3の閾値だけ継続すること、及びQNCのパラメータ値の第2の期間内の変化率が第2の閾値よりも大きく、且つ第4の閾値だけ継続することの少なくとも1つを含む。
【0283】
図33は、本発明の1つの例示的な実施例に係るハンドオーバ手順におけるハンドオーバ手順に基づくメッセージ送信装置を示すブロック図である。該装置は、以下のモジュールを含む。
【0284】
受信モジュール920は、ハンドオーバ手順において、QNC制御パラメータを受信する。QNC制御パラメータは、非GBRベアラフローのQNCのパラメータ及び報告条件を示すために使用される。
【0285】
送信モジュール940は、ハンドオーバ完了後に、非GBRベアラフローのQNCのパラメータ値の変化が報告条件を満たす場合、コアネットワークエンティティを介してアプリケーションエンティティに通知メッセージを送信する。
【0286】
本実施例の1つの可能な設計では、受信モジュール920は、ハンドオーバ手順において、ソースアクセスネットワーク機器からのQNC制御パラメータを受信し、且つ/或いは、ハンドオーバ手順において、コアネットワークエンティティからのQNC制御パラメータを受信する。
【0287】
本実施例の1つの可能な設計では、受信モジュール920は、ハンドオーバ手順において、ターゲットアクセスネットワーク機器がコアネットワークエンティティにより送信されたハンドオーバ命令を受信する。ハンドオーバ命令は、ソースアクセスネットワーク機器からのQNC制御パラメータを搬送している。
【0288】
本実施例の1つの可能な設計では、ソースアクセスネットワーク機器からのQNC制御パラメータは、ハンドオーバ命令におけるソースツーエンドのトランスペアレント伝送コンテナフィールドで搬送されている。
【0289】
本実施例の1つの可能な設計では、受信モジュール920は、ハンドオーバ手順において、コアネットワークエンティティにより送信されたハンドオーバ命令を受信する。ハンドオーバ命令は、コアネットワークエンティティからのQNC制御パラメータを搬送している。
【0290】
本実施例の1つの可能な設計では、コアネットワークエンティティからのQNC制御パラメータは、ハンドオーバ命令におけるQoS確立要求フィールドで搬送されている。
【0291】
本実施例の1つの可能な設計において、本方法は、ソースアクセスネットワーク機器からのQNC制御パラメータとコアネットワークエンティティからのQNC制御パラメータとが一致しない場合、コアネットワークエンティティからのQNC制御パラメータを優先的に使用するステップ、をさらに含む。
【0292】
本実施例の1つの可能な設計では、受信モジュール920は、ハンドオーバ手順において、ソースアクセスネットワーク機器の第1のパラメータ値を受信する。
【0293】
送信モジュール940は、ハンドオーバ完了後に、第1のパラメータ値から第2のパラメータ値への変化が報告条件を満たす場合、コアネットワークエンティティを介してアプリケーションエンティティに通知メッセージを送信する。
【0294】
ここで、第1のパラメータ値は、QNCのパラメータのハンドオーバ前のパラメータ値であり、第2のパラメータ値は、QNCのパラメータのハンドオーバ後のパラメータ値である。
【0295】
本実施例の1つの可能な設計では、受信モジュール920は、ハンドオーバ手順において、ソースアクセスネットワーク機器により送信された第1のパラメータ値を受信する。
【0296】
送信モジュール940は、ハンドオーバ完了後に、第1のパラメータ値から第2のパラメータ値への変化が報告条件を満たす場合、コアネットワークエンティティを介してアプリケーションエンティティに通知メッセージを送信する。
【0297】
ここで、第1のパラメータ値は、QNCのパラメータのハンドオーバ前のパラメータ値であり、第2のパラメータ値は、QNCのパラメータのハンドオーバ後のパラメータ値である。
【0298】
図34は、本発明の1つの例示的な実施例に係るネットワーク要素機器を示すブロック図である。例えば、該ネットワーク要素機器は、上述したアプリケーションプログラムの制御方法を実行するために使用することができる。具体的には、ネットワーク要素機器3400は、プロセッサ3401、受信機3402、送信機3403、メモリ3404、及びバス3405を含むことができる。
【0299】
プロセッサ3401は、1つ又は複数の処理コアを含み、プロセッサ3401は、ソフトウェアプログラム及びモジュールを実行することによって、様々な機能アプリケーションプログラム及び情報処理を実行する。
【0300】
受信機3402及び送信機3403は、1つの通信チップとすることができる1つの送受信機3406として実装することができる。
【0301】
メモリ3404は、バス3405を介してプロセッサ3401に接続されている。
【0302】
メモリ3404は、上述の方法の実施例におけるネットワーク要素機器、アクセスネットワーク機器エンティティ、コアネットワークエンティティ、又はコアネットワークエンティティによって実行される様々なステップを実現するためにプロセッサ3401が実行するコンピュータプログラムを記憶するために使用されてもよい。
【0303】
ここで、送信機3403は、上述した各実施例における送信に関連するステップを実行するように構成されている。受信機3402は、上述の様々な実施例における受信に関連するステップを実行するために使用される。プロセッサ3401は、上述の様々な実施例における送信及び受信ステップ以外のステップを実行するように構成される。
【0304】
さらに、メモリ3404は、限定されるわけではないが、RAM(Random-Access Memory:ランダムアクセスメモリ)及びROM(Read-Only Memory:読み取り専用メモリ)、EPROM(Erasable Programmable Read-Only Memory:書き換え可能なプログラマブル読み取り専用メモリ)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory:電気的に書き換え可能なプログラマブル読み取り専用メモリ)、フラッシュメモリ又は他の固体ストレージ技術、CD-ROM(Compact Disc Read-Only Memory:読み取り専用CD)、DVD(Digital Video Disc:高密度デジタルビデオディスク)又は他の光学ストレージ、カートリッジ、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又は他の磁気ストレージデバイスを含む、任意のタイプの揮発性又は不揮発性ストレージデバイス、又はそれらの組み合わせによって実現されてもよい。
【0305】
例示的な実施例では、プロセッサと、コンピュータプログラムが記憶されたメモリと、を含むネットワーク要素機器であって、前記コンピュータプログラムは、上記のハンドオーバ手順に基づくメッセージ送信方法を実現するように、前記プロセッサによりロードされて実行される、ネットワーク要素機器をさらに提供する。
【0306】
本発明は、少なくとも1つの命令、少なくとも1つのプログラム、コードセット又は命令セットが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記少なくとも1つの命令、前記少なくとも1つのプログラム、前記コードセット又は命令セットは、前記方法の実施例に係るハンドオーバ手順に基づくメッセージ送信方法を実現するように、プロセッサによりロードされて実行される、記憶媒体をさらに提供する。
【0307】
好ましくは、本発明は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されたコンピュータ命令を含むコンピュータプログラム製品であって、コンピュータ機器のプロセッサは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体から該コンピュータ命令を読み取って実行することで、上記のハンドオーバ手順に基づくメッセージ送信方法を該コンピュータ機器に実行させる、コンピュータプログラム製品をさらに提供する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
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図22
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図26
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図28
図29
図30
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図32
図33
図34