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特許7516688情報処理システム、情報処理装置、プログラム及び情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、プログラム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/58 20140101AFI20240708BHJP
   A63F 13/67 20140101ALI20240708BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20240708BHJP
   A63F 13/825 20140101ALI20240708BHJP
   G06N 20/00 20190101ALI20240708BHJP
【FI】
A63F13/58
A63F13/67
A63F13/79
A63F13/825
G06N20/00
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2024061641
(22)【出願日】2024-04-05
【審査請求日】2024-04-05
(31)【優先権主張番号】P 2023150805
(32)【優先日】2023-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512294021
【氏名又は名称】株式会社アカツキ
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】上杉 昇太郎
【審査官】白形 優依
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-074561(JP,A)
【文献】特開2021-041227(JP,A)
【文献】国際公開第2021/049254(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0300158(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0246972(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれのゲーム要素が実行された場合のパラメータの変動量に関するパラメータ変動条件情報を含む設定データが予め記憶され、
プレイヤの入力情報に基づくゲーム要素の実行により、前記設定データに基づいて所定のゲーム媒体の所定のパラメータを上昇させるパラメータ上昇処理を実行可能なゲームを提供する情報処理システムであって、
プレイヤの前記パラメータ上昇処理に関するプレイ履歴データを学習して学習済みモデルを生成するモデル生成処理と、
前記ゲーム媒体の前記パラメータに関する目標情報を前記プレイヤから受け付ける目標情報受付処理と、
前記目標情報に応じて、複数のゲーム要素の中から前記学習済みモデルに基づいて選択される前記ゲーム要素を自動的に実行する自動プレイ処理と、
を実行し、
前記モデル生成処理は、前記プレイ履歴データに含まれる所定のゲーム要素の実行後のゲーム媒体の状態と、前記実行後のゲーム媒体の状態となるまでに実行した前記ゲーム要素の種類及び実行回数の情報を含むゲーム要素実行情報とを関連付けて学習することにより、学習済みモデルを生成する、
情報処理システム。
【請求項2】
前記学習済みモデルは、前記目標情報を入力することにより、前記目標情報に対応するゲーム媒体の状態に到達するためのゲーム要素の種類及び実行回数の情報が出力される学習済みモデルである、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記学習済みモデルは、
それぞれの前記プレイヤごとに生成される、請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記目標情報は、
前記プレイヤが選択した1または複数の前記ゲーム媒体に関する情報を含む、請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記目標情報は、
前記プレイヤが選択した1または複数の前記パラメータの種類に関する情報を含む、請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記目標情報は、
前記プレイヤが選択した前記パラメータの数値に関する情報を含む、請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記ゲーム要素の実行は、
クエスト、対戦、育成、合成、ストーリーもしくは抽選の実行、または、パラメータ上昇アイテムの使用の少なくとも何れかを含む、請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記ゲーム媒体はキャラクタである、請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記モデル生成処理は、
複数の前記プレイヤの前記プレイ履歴データを学習して前記学習済みモデルを生成する、請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記パラメータ上昇処理によって前記パラメータが所定条件を満たす場合に前記ゲーム媒体の外観を変更する外観変更処理、を実行する、請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記自動プレイ処理は、前記目標情報と現在のゲーム状況情報との差分に応じて、前記学習済みモデルに基づいて選択される前記ゲーム要素を自動的に実行する、請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記自動プレイ処理は、さらに、各ゲーム要素の実行に伴いゲーム内で消費される消費要素情報に基づいて、前記学習済みモデルに基づいて選択される前記ゲーム要素を自動的に実行する、請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項13】
それぞれのゲーム要素が実行された場合のパラメータの変動量に関するパラメータ変動条件情報を含む設定データが予め記憶され、
プレイヤの入力情報に基づくゲーム要素の実行により、前記設定データに基づいて所定のゲーム媒体の所定のパラメータを上昇させるパラメータ上昇処理を実行可能なゲームを提供する情報処理装置であって、
プレイヤの前記パラメータ上昇処理に関するプレイ履歴データを学習して学習済みモデルを生成するモデル生成処理と、
前記ゲーム媒体の前記パラメータに関する目標情報を前記プレイヤから受け付ける目標情報受付処理と、
前記目標情報に応じて、複数のゲーム要素の中から前記学習済みモデルに基づいて選択される前記ゲーム要素を自動的に実行する自動プレイ処理と、
を実行し、
前記モデル生成処理は、前記プレイ履歴データに含まれる所定のゲーム要素の実行後のゲーム媒体の状態と、前記実行後のゲーム媒体の状態となるまでに実行した前記ゲーム要素の種類及び実行回数の情報を含むゲーム要素実行情報とを関連付けて学習することにより、学習済みモデルを生成する、
情報処理装置。
【請求項14】
それぞれのゲーム要素が実行された場合のパラメータの変動量に関するパラメータ変動条件情報を含む設定データが予め記憶され、
プレイヤの入力情報に基づくゲーム要素の実行により、前記設定データに基づいて所定のゲーム媒体の所定のパラメータを上昇させるパラメータ上昇処理を実行可能なゲームを提供する情報処理装置に、
プレイヤの前記パラメータ上昇処理に関するプレイ履歴データを学習して学習済みモデルを生成するモデル生成処理と、
前記ゲーム媒体の前記パラメータに関する目標情報を前記プレイヤから受け付ける目標情報受付処理と、
前記目標情報に応じて、複数のゲーム要素の中から前記学習済みモデルに基づいて選択される前記ゲーム要素を自動的に実行する自動プレイ処理と、を実行させ、
前記モデル生成処理は、前記プレイ履歴データに含まれる所定のゲーム要素の実行後のゲーム媒体の状態と、前記実行後のゲーム媒体の状態となるまでに実行した前記ゲーム要素の種類及び実行回数の情報を含むゲーム要素実行情報とを関連付けて学習することにより、学習済みモデルを生成する、
プログラム。
【請求項15】
それぞれのゲーム要素が実行された場合のパラメータの変動量に関するパラメータ変動条件情報を含む設定データが予め記憶され、
プレイヤの入力情報に基づくゲーム要素の実行により、前記設定データに基づいて所定のゲーム媒体の所定のパラメータを上昇させるパラメータ上昇処理を実行可能なゲームを提供する情報処理装置が、
プレイヤの前記パラメータ上昇処理に関するプレイ履歴データを学習して学習済みモデルを生成するモデル生成処理と、
前記ゲーム媒体の前記パラメータに関する目標情報を前記プレイヤから受け付ける目標情報受付処理と、
前記目標情報に応じて、複数のゲーム要素の中から前記学習済みモデルに基づいて選択される前記ゲーム要素を自動的に実行する自動プレイ処理と、を実行し、
前記モデル生成処理は、前記プレイ履歴データに含まれる所定のゲーム要素の実行後のゲーム媒体の状態と、前記実行後のゲーム媒体の状態となるまでに実行した前記ゲーム要素の種類及び実行回数の情報を含むゲーム要素実行情報とを関連付けて学習することにより、学習済みモデルを生成する、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理装置、プログラム及び情報処理方法、特に、ゲームにおける情報処理を実行する情報処理システム、情報処理装置、プログラム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンやゲーム端末等といったプレイヤ端末で実行可能なゲームでは、ゲーム内で使用可能なゲーム媒体としてのキャラクタやアイテムを、任意の条件に基づいて強化、育成することができるものが知られている。
【0003】
特許文献1には、現実世界における事象やプレイヤの行動(例えばスポーツの試合の結果、買い物あるいは旅行等)等の情報に基づいて、キャラクタが自動的に育成される技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-346216公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術は、現実世界の事象に依存してしまうため、プレイヤの希望を反映できない可能性がある。このような、ゲーム媒体の育成、強化を伴うゲームにおいて、より興趣性の高い機能を有するゲームが求められている。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ゲームにおける興趣性を向上させることができる情報処理システム、情報処理装置、プログラム及び情報処理方法を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を達成するための本発明に係る情報処理システムは、
それぞれのゲーム要素が実行された場合のパラメータの変動量に関するパラメータ変動条件情報を含む設定データが予め記憶され、
プレイヤの入力情報に基づくゲーム要素の実行により、前記設定データに基づいて所定のゲーム媒体の所定のパラメータを上昇させるパラメータ上昇処理を実行可能なゲームを提供する情報処理システムであって、
プレイヤの前記パラメータ上昇処理に関するプレイ履歴データを学習して学習済みモデルを生成するモデル生成処理と、
前記ゲーム媒体の前記パラメータに関する目標情報を前記プレイヤから受け付ける目標情報受付処理と、
前記目標情報に応じて、複数のゲーム要素の中から前記学習済みモデルに基づいて選択される前記ゲーム要素を自動的に実行する自動プレイ処理と、
を実行し、
前記モデル生成処理は、前記プレイ履歴データに含まれる所定のゲーム要素の実行後のゲーム媒体の状態と、前記実行後のゲーム媒体の状態となるまでに実行した前記ゲーム要素の種類及び実行回数の情報を含むゲーム要素実行情報とを関連付けて学習することにより、学習済みモデルを生成するものである。
【0008】
上記課題を達成するための本発明に係る情報処理装置は、
それぞれのゲーム要素が実行された場合のパラメータの変動量に関するパラメータ変動条件情報を含む設定データが予め記憶され、
プレイヤの入力情報に基づくゲーム要素の実行により、前記設定データに基づいて所定のゲーム媒体の所定のパラメータを上昇させるパラメータ上昇処理を実行可能なゲームを提供する情報処理装置であって、
プレイヤの前記パラメータ上昇処理に関するプレイ履歴データを学習して学習済みモデルを生成するモデル生成処理と、
前記ゲーム媒体の前記パラメータに関する目標情報を前記プレイヤから受け付ける目標情報受付処理と、
前記目標情報に応じて、複数のゲーム要素の中から前記学習済みモデルに基づいて選択される前記ゲーム要素を自動的に実行する自動プレイ処理と、
を実行し、
前記モデル生成処理は、前記プレイ履歴データに含まれる所定のゲーム要素の実行後のゲーム媒体の状態と、前記実行後のゲーム媒体の状態となるまでに実行した前記ゲーム要素の種類及び実行回数の情報を含むゲーム要素実行情報とを関連付けて学習することにより、学習済みモデルを生成するものである。
【0009】
上記課題を達成するための本発明に係るプログラムは、
それぞれのゲーム要素が実行された場合のパラメータの変動量に関するパラメータ変動条件情報を含む設定データが予め記憶され、
プレイヤの入力情報に基づくゲーム要素の実行により、前記設定データに基づいて所定のゲーム媒体の所定のパラメータを上昇させるパラメータ上昇処理を実行可能なゲームを提供する情報処理装置に、
プレイヤの前記パラメータ上昇処理に関するプレイ履歴データを学習して学習済みモデルを生成するモデル生成処理と、
前記ゲーム媒体の前記パラメータに関する目標情報を前記プレイヤから受け付ける目標情報受付処理と、
前記目標情報に応じて、複数のゲーム要素の中から前記学習済みモデルに基づいて選択される前記ゲーム要素を自動的に実行する自動プレイ処理と、を実行させ、
前記モデル生成処理は、前記プレイ履歴データに含まれる所定のゲーム要素の実行後のゲーム媒体の状態と、前記実行後のゲーム媒体の状態となるまでに実行した前記ゲーム要素の種類及び実行回数の情報を含むゲーム要素実行情報とを関連付けて学習することにより、学習済みモデルを生成するものである。
【0010】
上記課題を達成するための本発明に係る情報処理方法は、
それぞれのゲーム要素が実行された場合のパラメータの変動量に関するパラメータ変動条件情報を含む設定データが予め記憶され、
プレイヤの入力情報に基づくゲーム要素の実行により、前記設定データに基づいて所定のゲーム媒体の所定のパラメータを上昇させるパラメータ上昇処理を実行可能なゲームを提供する情報処理装置が、
プレイヤの前記パラメータ上昇処理に関するプレイ履歴データを学習して学習済みモデルを生成するモデル生成処理と、
前記ゲーム媒体の前記パラメータに関する目標情報を前記プレイヤから受け付ける目標情報受付処理と、
前記目標情報に応じて、複数のゲーム要素の中から前記学習済みモデルに基づいて選択される前記ゲーム要素を自動的に実行する自動プレイ処理と、を実行し、
前記モデル生成処理は、前記プレイ履歴データに含まれる所定のゲーム要素の実行後のゲーム媒体の状態と、前記実行後のゲーム媒体の状態となるまでに実行した前記ゲーム要素の種類及び実行回数の情報を含むゲーム要素実行情報とを関連付けて学習することにより、学習済みモデルを生成するものである。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、ゲームにおける興趣性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施の形態に係る情報処理システムの構成の概略を説明するブロック図である。
図2】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムの情報処理装置の構成の概略を説明するブロック図である。
図3】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムの情報処理装置の機能の概略を説明するブロック図である。
図4】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムのゲーム関連情報記憶部の構成の概略を説明するブロック図である。
図5】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムの情報処理の概略を説明するフローチャートである。
図6】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムのプレイヤ端末の構成の概略を説明するブロック図である。
図7】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムの処理の概略を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、図1図7に基づいて、本発明の実施の形態に係る情報処理システムについて説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施の形態に係る情報処理システムの構成の概略を説明するブロック図である。図示のように、情報処理システム10は、情報処理装置20及び複数のプレイヤ端末30を主要構成として備え、これらがインターネット網等のネットワークNを介して互いにアクセス可能に接続される。
【0015】
この情報処理システム10は、本実施の形態では、事業者1に配備される情報処理装置20が、画像、動画、音声等によって構成されてゲームを構成するオブジェクトを生成するという情報処理を、プレイヤ2が保有するプレイヤ端末30に実行させることによって、プレイヤ端末30にゲームを提供する。
【0016】
情報処理システム10で事業者1が提供するゲームは、例えば、対戦ゲーム、パズルゲーム、アクションゲーム、野球ゲーム、サッカーゲーム、その他スポーツゲーム、クイズゲーム、ピンボールゲーム、カードゲーム、リズムゲーム、RPG(ロールプレイングゲーム)、位置情報ゲーム、ボードゲーム、アドベンチャーゲーム、カジノゲーム、シミュレーションゲーム、ストラテジーゲーム、レーシングゲーム等であってよい。
【0017】
次に、本実施の形態の情報処理システム10の各部の具体的な構成について説明する。
【0018】
情報処理装置20は、本実施の形態では、デスクトップ型あるいはノート型のコンピュータによって実装される。
【0019】
図2は、情報処理装置20の構成の概略を説明するブロック図である。図示のように、情報処理装置20は、プロセッサ21、メモリ22、ストレージ23、送受信部24、及び入出力部25を備え、これらが互いにバス26を介して電気的に接続される。
【0020】
プロセッサ21は、情報処理装置20の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御や、アプリケーションプログラムの実行に必要な処理等を行う演算装置である。
【0021】
このプロセッサ21は、本実施の形態では例えばCPU(Central Processing Unit)であり、後述するストレージ23に格納されてメモリ22に展開されたアプリケーションプログラムを実行して各処理を行う。
【0022】
メモリ22は、本実施の形態では、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶装置で実装される。
【0023】
このメモリ22は、プロセッサ21の作業領域として使用される一方、情報処理装置20の起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)、及び各種の設定情報等が格納される。
【0024】
ストレージ23は、プログラムや各種の処理に用いられる情報等が格納されている。
【0025】
送受信部24は、情報処理装置20をネットワークNに接続する。この送受信部24は、Bluetooth(登録商標)やBLE(Bluetooth Low Energy)といった近距離通信インターフェースを具備するものであってもよい。
【0026】
入出力部25は、キーボードやマウス、あるいはディスプレイ等の入出力機器が接続されるインターフェースである。
【0027】
バス26は、接続したプロセッサ21、メモリ22、ストレージ23、送受信部24及び入出力部25の間において、例えばアドレス信号、データ信号及び各種の制御信号を伝達する。
【0028】
図3は、情報処理装置20の機能の概略を説明するブロック図である。図示のように、情報処理装置20は、本実施の形態では、ゲーム処理部40、ゲーム関連情報記憶部41、パラメータ上昇部42、学習部43、学習済みモデル記憶部44、目標情報受付部45、目標情報記憶部46、行動設定部47及び外観変更部48を備える。
【0029】
ゲーム関連情報記憶部41、学習済みモデル記憶部44及び目標情報記憶部46は、ストレージ23の記憶領域が区画されることによって実現され、ゲーム処理部40、パラメータ上昇部42、学習部43、目標情報受付部45、行動設定部47及び外観変更部48は、メモリ22に記憶されたプログラムをプロセッサ21で実行することによって実現される。
【0030】
ゲーム処理部40は、ゲームの進行やキャラクタの制御といったゲームの基本的な処理を実行するものであって、例えば、ゲームの進行、ゲームモードの切替等の各種の処理を実行する。
【0031】
このゲーム処理部40は、本実施の形態では、ゲームに関する任意の情報処理をイベントとして実行するものであって、実行するイベントは、例えば、ゲーム内で使用されるアイテム等のゲーム媒体を獲得することができるゲーム内での種々の興行(例えば任意のキャラクタの誕生祭)等であることが想定される。
【0032】
図4は、ゲーム関連情報記憶部41の構成の概略を説明するブロック図である。図示のように、ゲーム関連情報記憶部41には、ゲーム情報D1、プレイヤ情報D2、ゲーム媒体情報D3、ゲーム要素情報D4及び操作情報D5がそれぞれ格納される。
【0033】
ゲーム情報D1は、ゲームの種類に応じて適宜構成される各種のデータであって、例えばクエストゲームを含むゲームの場合は、ステージIDに関連づけられたステージ名、敵のキャラクタのデータあるいは消費スタミナのデータ等が含まれる。なお、スタミナはゲームを実行する際(例えばゲーム要素の実行開始時)に消費され、時間経過や特定アイテムの使用、課金等により回復するものとすることができる。
【0034】
プレイヤ情報D2は、本実施の形態では、プレイヤIDに関連づけられたプレイヤ名、レベル等のプレイヤに関連付けられるパラメータ、所有するキャラクタやアイテム等のゲーム媒体の種類、各ゲーム媒体のレベル、攻撃力等のパラメータ、数、獲得方法、獲得時刻、消費したアイテムの数、有償または無償のゲーム内通貨の所持額、所有するポイントの数、獲得したポイントの数、課金額、抽選の実行回数、総プレイ時間、プレイしたことがあるプレイステージ、敵を倒した回数等のデータが含まれる。
【0035】
さらに、プレイヤ情報D2には、本実施の形態では、プレイ履歴データが含まれる。このプレイ履歴データは、任意のゲーム媒体について、後述する任意のいずれのゲーム要素を用いてどの程度(各ゲーム要素の実行回数、実行時間(時刻を含む)、実行頻度)、どのゲーム媒体のどのパラメータをどの程度上昇させたか(上昇数値等)、あるいはゲーム媒体の外観を変更させた(進化)のかといった、ゲームにおいてプレイヤ2がゲーム媒体を育成(強化、進化等を含む)した履歴に関する情報が含まれる。プレイ履歴データは、例えば、プレイヤが所定キャラクタの攻撃力を高めるために実際に実行したクエスト等のゲーム要素や使用したアイテムの情報など、所定のゲーム媒体の所定のパラメータを上昇させるために実行したゲーム要素の情報を記憶することができる。プレイ履歴データは、全てのゲーム要素の実行に関連付けられた情報を含む。例えば、それぞれのゲーム要素の実行開始時刻、終了時刻、開始から終了までの時間(消費時間)、ゲーム要素の実行により消費したアイテム、ゲーム内通貨、ポイント、ゲーム要素の実行前後のゲーム媒体の状態(レベル等の各種パラメータ)、ゲーム媒体の変化情報等を含む。
【0036】
所有するアイテムに関するデータは、1以上の有償アイテムや無償アイテムの保有状況に関するデータが含まれ、所有するアイテムのIDに関連づけられたアイテムの保有数等のデータが含まれる。
【0037】
プレイステージに関するデータは、設定された複数のステージのうちプレイヤ2がこれまでプレイしたことがあるステージに関するデータであって、例えばプレイ回数、クリアしたデータ等が含まれる。
【0038】
ゲーム媒体情報D3は、本実施の形態では、プレイヤ2が所有するキャラクタ、ゲームの背景画像、アイテム等あるいはゲーム内で使用されるゲーム内通貨といったゲーム媒体に関するデータが含まれる。
【0039】
所有するキャラクタ等のゲーム媒体に関するデータには、例えば、各キャラクタのIDに関連づけられた取得日時、キャラクタ名、レベル、レアリティ、HP(現在値/最大値)、属性、スキル、攻撃力(現在値/最大値)、防御力(現在値/最大値)、使用頻度等といった各種のパラメータが含まれる。
【0040】
取得日時は、例えば、ゲームの進行や抽選の実行によってキャラクタがプレイヤ2に付与された日時に関するデータであり、レアリティは、例えば、抽選におけるキャラクタの当選確率に関するデータである。
【0041】
HP、攻撃力及び防御力は、例えば、現在の値である「現在値」が含まれるとともに、そのキャラクタを最大レベルまで育成したときの「最大値」が含まれる。プレイヤやゲーム媒体に関する各種パラメータの上限値は、特定アイテムの使用や課金、プレイヤのレベルやゲームの実行回数、事項時間、ログイン回数、ログイン時間、等の条件により、上昇又は下降するようにしてもよい。
【0042】
属性は、例えば、バトル系のゲームであれば火の属性、水の属性あるいは風の属性等といったキャラクタの強みを示す分類、スポーツ系のゲームであれば所属しているチームやポジション等を示す分類、その他、キャラクタの分類の設定に関するデータが含まれる。
【0043】
スキルは、キャラクタが使用することができる特技に関するデータであり、使用頻度は、プレイヤ2がそのキャラクタを過去に選択あるいは使用した頻度に関するデータである。この使用頻度は、プレイヤ2がゲームを開始して以来の全期間において計算されるものであってもよいし、直近数ヶ月等の任意の期間において計算されるものであってもよい。
【0044】
パラメータに関するデータには、本実施の形態では、パラメータが上昇(又は下降)する条件(例えば、どのゲーム要素を実行すると、どのゲーム媒体のどのパラメータがどの程度上昇するかといった条件)や後述するゲーム媒体の外観を変更する閾値等が規定された設定データがメタデータとして付与されている。設定データは、それぞれのゲーム要素が実行された場合のパラメータの変動量に関するパラメータ変動条件情報を含む。
【0045】
パラメータが上昇する条件は、本実施の形態では、例えば、任意のキャラクタが後述する任意のゲーム要素を実行した場合にパラメータがどのくらい上昇するといった、パラメータの上昇に関するキャラクタとゲーム要素との相関が規定されている。
【0046】
ゲーム媒体情報D3に含まれるプレイヤ2が所有するアイテムに関するデータは、例えば、プレイヤ2が所有するアイテムのIDに関連づけられたそのアイテムの保有数等のデータが含まれる。アイテムは、ゲーム内で使用する回復アイテム、敵の能力等を下げるアイテム、キャラクタが身に着ける武器、防具、装飾品、乗り物、あるいは、パラメータを上昇させるアイテム等を含む。各アイテムには、使用の条件、使用した場合(身に着けることも含む)の効果、等が関連付けて記憶される。
【0047】
ゲーム要素情報D4は、本実施の形態では、クエスト、ミッション、探索、対戦、育成、合成、ストーリーあるいは抽選等といったゲーム内で実行されるイベント(ゲーム要素)に関するデータであって、本実施の形態では、これらゲーム要素を実行することによって、予め定められた所定のゲーム媒体の所定のパラメータが上昇したり、外観が変更されたりする場合がある。また、これらのゲーム要素として、所謂「育成素材」といったパラメータを上昇させるアイテム(パラメータ上昇アイテム)の使用も含むことができる。制御部は、プレイヤが所有する当該アイテムの使用に応じて、当該アイテムに関連付けられたパラメータを、予め設定された量だけ上昇させる。それぞれのゲーム要素は、その実行に伴いゲーム内で消費される消費要素情報が関連付けられる。消費要素は、例えば、時間、スタミナ、アイテム、ゲーム内通貨、ゲーム内ポイント等とすることができる。
【0048】
クエストは、ゲームにおいて設定された戦闘等を伴う冒険(複数のステージを含む)に関するデータであり、ミッションは、例えば、ゲームにおいて設定された各種の課題に関するデータであり、探索は、例えば、戦闘を伴わずに特定エリア内を探索して時間経過によって報酬を得られるものに関するデータであり、対戦は、他のプレイヤの指示に基づいて又はシステムによって自動的に制御される敵キャラクタとの対戦に関するデータであり、育成は、例えばキャラクタを訓練する等して直接的に育成する(パラメータを上昇させる)ことに関するデータである。
【0049】
合成は、複数のゲーム媒体を組み合わせて新たなゲーム媒体を合成すること、例えば任意の一のキャラクタと任意の他のキャラクタとを組み合わせて新たなキャラクタを合成することや、任意の一のアイテムと任意の他のアイテムとを組み合わせて新たなアイテムを合成することに関するデータである。
【0050】
さらに、ストーリーは、物語を読み進めることに関するデータであり、抽選は、プレイヤ2がゲーム内で使用するキャラクタがくじを引くことに関するデータである。これらの各ゲーム要素には、ゲーム媒体のパラメータ上昇に関する情報が関連付けられており、プレイヤが各ゲーム要素を選択して実行すると、制御部(パラメータ上昇部)は、所定のゲーム媒体の所定のパラメータを上昇(又は下降)させる。
【0051】
操作情報D5は、プレイヤ端末30から入力された操作情報であって、プレイヤ端末30に操作情報が入力された際の入力時刻情報が含まれる。この操作情報D5には、例えば、プレイヤ端末30でのプレイの開始に伴って記録を開始する記録開始時刻からプレイの終了に伴って記録を終了する記録終了時刻までの操作情報、あるいはプレイヤ端末30に記録開始指示が入力された記録開始時刻から記録終了指示が入力された記録終了時刻までの操作情報が含まれる。
【0052】
図3で示すパラメータ上昇部42は、プレイヤの入力情報に基づくゲーム要素の実行により、設定データに基づいて所定のゲーム媒体の所定のパラメータを上昇させる処理を実行するものである(パラメータ上昇処理)。本実施の形態では、任意のゲーム要素が実行されることによって、特定のゲーム媒体の特定のパラメータが上昇する。
【0053】
学習部43は、本実施の形態では、プレイヤ情報D2に含まれるプレイ履歴データ及びゲーム媒体情報D3に含まれる設定データに基づいて機械学習の手法を用いて学習済みモデルを生成する処理を実行するものである(モデル生成処理)。
【0054】
なお、プレイ履歴データは、一のプレイヤ2の自らのプレイ履歴データのみで機械学習を行ってもよいし、他の複数のプレイヤ2のプレイ履歴データを含めて機械学習を行ってもよい。
【0055】
図5は、学習部43の処理の概略を説明するフローチャートである。図示のように、ステップS1において、プレイ履歴データ及び設定データを学習データとして蓄積し、ステップS2において、蓄積した学習データで機械学習を行って、学習済みモデルを生成する。設定データは、予めサービス提供者(システム管理者)側で設定し、記憶部に記憶したデータであり、プレイ履歴データは、ゲームを実行した各プレイヤのプレイ履歴に関するデータである。
【0056】
学習部43は、所定の目標情報(インプットデータ)と、当該目標情報に対応するゲーム要素の情報(アウトプットデータ)をセットとした学習用データを用いてモデルを学習するモデル生成処理を行う。モデル生成処理は、既知の学習用データとして、プレイ履歴データにおける所定のゲーム要素の実行後のゲーム媒体のパラメータ情報をインプットデータ、実行したゲーム要素の種類及び実行回数の少なくとも何れか情報を含むゲーム要素実行情報をアウトプットデータとして関連付けて学習して学習済みモデルを生成する。上述したような学習データの他に、ゲームの仕様やゲーム内のルールなどのゲームに関する基本情報をモデルに学習させてもよい。学習部43は、プレイ履歴データから、上記インプットデータとアウトプットデータに対応する情報を抽出することができる。例えば、学習部43は、プレイ履歴データからゲーム要素の実行によってキャラクタA(ゲーム媒体情報)がレベル100に到達した状態の情報(目標情報)を抽出する。また学習部43は、例えば、キャラクタAが所定状態(レベル1の状態、レベル10の状態等)からレベル100に到達するために実行されたゲーム要素(「キャラクタAを使ってクエストAを5回」、「キャラクタAを使ってクエストBを2回とクエストCを4回」等)を、目標情報に対応するゲーム要素の情報として抽出する。1つの目標情報に対応するゲーム要素の情報が複数であってもよい。学習部43は、プレイ履歴データから、ゲーム要素の実行履歴(どのゲーム媒体を使用してどのゲーム要素を何回実行したか)と、実行結果情報(どのゲーム媒体のどのパラメータがどの程度変動して、結果としてパラメータがどの値となったか)を抽出して、関連付けて記憶することができる。学習部43は、このような実行結果情報を目標情報として抽出し、それに対応するゲーム要素の情報(ゲーム要素の実行履歴情報)を抽出して、セットで学習することができる。なお、その際に、各ゲーム要素の実行により消費したスタミナ数、アイテム数、ゲーム内通貨の数値、各ゲーム要素の実行にかかった時間(消費時間)、ゲーム媒体が所定の育成後の状態(レベル、攻撃力、防御力など)に到達するまでに必要なゲーム要素の全体の実行回数、実行時間等の情報も併せて関連付けて抽出し、記憶したり、学習モデルの生成に利用したりしてもよい。このように、1以上のキャラクタ等のゲーム媒体の目標パラメータ等についての目標情報の入力に対して、当該目標情報に到達するために実行するべきゲーム要素の種類と実行回数等の出力が得られるようにモデルを学習する。なお、目標情報に到達するために実行するべきゲーム要素の種類と実行回数のパターンが複数存在する場合、例えば、上記消費要素情報等に基づいて、優先順位を決定するようにしてもよい。例えば、消費時間を最優先とする場合、消費時間が最も小さくなるように、ゲーム要素の種類と実行回数が選択される。消費要素の順位は、予めシステム側で設定されていてもよいし、ユーザからの入力情報に基づいて選択されてもよい。つまり、例えば目標情報を受け付ける際に、消費要素の優先度もユーザが選択できるようにしてもよい。なお、ゲーム媒体がキャラクタ以外であっても同様に学習することができる。例えば、ぶき、防具等の装備や、ゲーム要素の実行によってパラメータ(アイテムレベル等)が変動するアイテム(回復アイテム、強化アイテム、乗り物、)等である。
【0057】
機械学習を行う手法としては、学習データ及び学習アルゴリズムを適宜選択して実行されればよく、機械学習の手法は特に限定されない。学習済みモデルは、既知の学習用データを用いてニューラルネットワークを機械学習し、ある入力データを入力した際に所望の出力データが出力されるように当該ニューラルネットワークのパラメータを最適化した結果得られる。本例では、学習済みモデルを用いて、未知の入力データ(目標情報)を当該学習済みモデルに入力して所定の出力データ(実行すべきゲーム要素の情報)を得る。機械学習は、教師なし学習であってもよいし、教師あり学習であってもよいし、強化学習であってもよいし、深層学習(ディープラーニング)、ニューラルネットワーク、ランダムフォレンスト、SVM(Support Vector Machine)等を用いてもよく、これらの機械学習を組み合わせてもよい。
【0058】
続いて、ステップS3において、生成した学習済みモデルを、図3で示す学習済みモデル記憶部44に格納する。
【0059】
図3で示す目標情報受付部45は、本実施の形態では、ゲーム媒体のパラメータを上昇させる目標に関する目標情報を受け付ける処理を実行するものである(目標情報受付処理)。目標情報を含めて、受け付けた各種入力情報は、記憶部に記憶される。
【0060】
この目標情報受付処理で受け付ける目標情報は、本実施の形態では、プレイヤ2が選択した1または複数のゲーム媒体に関する情報、プレイヤ2が選択した1または複数のパラメータに関する情報、および、プレイヤ2が選択したパラメータの数値に関する情報の少なくとも何れか、または、それらの2以上の組み合わせを含むものである。
【0061】
ゲーム媒体に関する情報は、プレイヤ2が選択した1以上の特定のゲーム媒体の情報を含んでもよいし、そうでなくてもよい。また、ゲーム媒体に関する情報は、プレイヤが所有しているゲーム媒体か所有していないゲーム媒体かについてプレイヤが選択した情報を含んでもよいし、そうでなくてもよい。ゲーム媒体に関する情報は、ゲーム媒体の属性の情報を含んでもよいし、そうでなくてもよい。ゲーム媒体に関する情報は、ゲーム媒体のレアリティの情報を含んでもよいし、そうでなくてもよい。
【0062】
パラメータに関する情報は、プレイヤ2が選択したパラメータの種類(例えば、レベル、攻撃力、防御力等)に関する情報を含んでもよいし、他の情報を含んでもよい。
【0063】
パラメータの数値に関する情報は、プレイヤ2が選択したパラメータの変動幅の数値(例えば、攻撃力を10上げたい等)、目標とする数値(防御力を30まで上げたい等)、を含んでもよい。
【0064】
続いて、ステップS4において、プレイヤから目標情報を受け付ける。
【0065】
目標情報記憶部46には、本実施の形態では、プレイヤ2から受け付けた目標情報が格納される。
【0066】
続いて、ステップS5において、自動育成処理(自動プレイ処理)を実行し、目標情報に応じて機械学習により選択されたゲーム要素を実行することにより、ゲーム媒体のパラメータを上昇させる。例えば、目標情報を受け付けた後に、プレイヤから、自動育成の開始を指示する入力情報を受け付けてもよいし、目標情報を受け付けることを条件として自動育成を開始してもよい。
【0067】
行動設定部47は、本実施の形態では、上記学習済みモデルに基づく機械学習を用いて、複数のゲーム要素の中から1または複数の任意のゲーム要素を選択して、選択したゲーム要素を1回または複数回、実行するものである。行動設定部47は、プレイヤ2から目標情報D6を受け付けると、学習済みモデルに基づいて任意のゲーム要素とその実行回数を選択し、選択したゲーム要素を選択した回数だけ実行する。
【0068】
行動設定部47は、各ゲーム要素の実行に伴いゲーム内で消費される消費要素情報に基づいて、前記学習済みモデルに基づいて選択される前記ゲーム要素を自動的に実行する自動プレイ処理を実行するようにしてもよい。つまり、行動設定部47は、目標情報を達成する上で、最も効率的な1以上のゲーム要素とその実行回数を選択することができる。効率的とは、最も時間が小さいことであってもよいし、消費するスタミナ、アイテム、ゲーム内通貨等が少ないことであってもよい。より具体的に、目標情報を達成する上で、最も消費時間が小さくなるゲーム要素の種類と回数(複数の組み合わせを含む)、最も消費スタミナが小さくなるゲーム要素の種類と回数、最もアイテムの消費数が小さくなるゲーム要素の種類と回数、最もゲーム内通貨の消費数が小さくなるゲーム要素の種類と回数の全て、何れか複数、または何れか1つが出力されるようにしてもよい。複数のパターンが出力される場合、ユーザに当該複数パターンを提示した後に、選択入力を受け付けて、何れかのパターンを選択させるようにしてもよい。また、行動設定部47は、目標情報を達成する上で、消費要素(時間、スタミナ、アイテム、ゲーム内通貨、ゲーム内ポイント等)の1つが最も少ない、または、所定の複数の消費要素の合計消費数が最も少ないパターンを選択するようにしてもよい。このようなゲーム要素の決定に用いる消費要素の種類は、目標情報としてプレイヤからの選択を受け付けるようにしてもよいし、予め定められて記憶されていてもよい。
【0069】
なお、行動設定部47は、現在のプレイヤのレベル、経験値等のパラメータ、各キャラクタ等のゲーム媒体それぞれのレベルや攻撃力等のパラメータ、現在開催中のゲーム内イベント(期間限定の抽選イベントやクエスト、ストーリー等)、等のゲーム状況に基づいて、実行するゲーム要素及び各ゲーム要素の実行回数を選択することができるようにしてもよい。つまり、行動設定部47は、現在のゲーム状況(例えば、キャラクタAのレベルが1)と、目標情報(キャラクタAのレベルが6)とを比較して、その差分(キャラクタAのレベルを5上昇させる)に基づいて、実行するゲーム要素及び各ゲーム要素の実行回数を選択することができる。行動設定部47は、具体的には例えば、「キャラクタAを使ってクエストAを5回」、「キャラクタAを使って限定クエストを1回」、「キャラクタAがレベル100になるまでストーリーAを進めてキャラクタAを進化させる」あるいは「キャラクタAとキャラクタBを合成してキャラクタCにする」等といったゲームにおける行動を設定して、複数のゲーム要素の中から1または複数のゲーム要素とのその実行回数、また、必要に応じて目標状態(レベル100まで等)を選択する。
【0070】
図3で示す外観変更部48は、本実施の形態では、パラメータ上昇処理によって、パラメータが予め設定された所定条件を満たす(例えば、パラメータが特定の閾値に到達したり、閾値を超えたりした)場合に、ゲーム媒体の外観を変更する処理を実行するものである(外観変更処理)。
【0071】
この外観変更処理は、例えば、ゲーム媒体の形状や寸法、色等が変更するものであってもよいし、ゲーム媒体であるキャラクタが装着している武器や着装している衣服が変更するものであってもよいし、その他、種々の変更を伴うものであってもよい。また、パラメータ上昇に伴って、外観の変更に限られず、任意の技が新たに身につく、覚えられるようになる、使用可能なアイテムや武器が増えるといった能力又は機能の追加、制限の解除、各種パラメータに設定される上限値、下限値の上昇又は下降等の変動等、またそれらの組み合わせを伴ってもよい。
【0072】
これらゲーム処理部40、ゲーム関連情報記憶部41、パラメータ上昇部42、学習部43、学習済みモデル記憶部44、目標情報受付部45、目標情報記憶部46、行動設定部47及び外観変更部48での処理に基づいて、本実施の形態では、プレイヤ端末30においてゲームが実行される。
【0073】
図1で示すプレイヤ端末30は、本実施の形態では、携帯型情報端末であるスマートフォンで実装されるが、例えばゲーム専用の端末、タブレット型のコンピュータ、デスクトップ型あるいはノート型のコンピュータによって実装されるものであってもよい。
【0074】
図6は、プレイヤ端末30の構成の概略を説明するブロック図である。図示のように、プレイヤ端末30は、制御部31及びディスプレイ32を主要構成として備え、他の構成を備えてもよい。
【0075】
制御部31は、本実施の形態では、ディスプレイ32や図示しないカメラ等のプレイヤ端末30の各部を制御するものであって、例えばプロセッサ、メモリ、ストレージ、送受信部等によって構成される。
【0076】
この制御部31には、本実施の形態では、ゲームアプリケーションあるいはウェブサイトを閲覧可能なブラウザが格納され、情報処理装置20におけるプログラムの処理に基づいて、ゲームアプリケーションあるいはブラウザを介してプレイヤ端末30においてゲームが実行される。
【0077】
ディスプレイ32には、本実施の形態では、プレイヤ端末30で実行されるゲームの画面インターフェース等が表示される。
【0078】
このディスプレイ32は、表示面への接触によって情報の入力を受け付けるいわゆるタッチパネルであって、抵抗膜方式や静電容量方式といった各種の技術によって実装される。
【0079】
本実施の形態では、このディスプレイ32を介して操作情報D5が入力される。この操作情報D5は、ゲーム内でプレイヤ2が使用するキャラクタの操作や動作に関して入力される情報である。
【0080】
操作情報D5は、ディスプレイ32に対するプレイヤ2の任意の動作(例えば画面をタップあるいはスワイプする動作や、画面に表示されるアイコン等をドラッグしてドロップする動作等)に基づいて入力される。
【0081】
次に、本実施の形態の情報処理システム10の処理の概略について説明する。
【0082】
図7は、本実施の形態に係る情報処理システム10の処理の概略を説明するフローチャートである。図示のように、まず、ステップS10において、プレイヤ端末30を介してプレイヤ2から目標情報を受け付ける(目標情報受付処理)。
【0083】
目標情報を受け付けると、続くステップS11において、プレイヤ2がプレイしてきたゲームの状態情報の取得(ゲームの進行状況や所有キャラクタの種類、パラメータの現在値等を含めた、現在のゲーム情報の取得)を実行する。ゲームの状態の整理では、例えば、受け付けた目標情報と整理したゲームの状態とに基づいて、現時点でのゲームの状態と目標情報で設定された目標との差分が算出される。具体的には、目標情報に含まれるパラメータ(キャラクタAの目標レベルが10)と当該キャラクタの現在値(キャラクタAの現在レベルが5)との差分(+5)を算出する。
【0084】
ステップS12において、ゲームの状態の整理に基づいてゲームにおける行動を設定して複数のゲーム要素の中から1または複数のゲーム要素を選択し、選択したゲーム要素を実行する。
【0085】
選択したゲーム要素を実行すると、ステップS13において、目標情報に応じたパラメータが上昇する(パラメータ上昇処理)。基本的には、目標情報に到達するまで、パラメータ実行処理が実行されるが、目標情報に到達する前に処理が終了するようにしてもよい。例えば、スタミナの不足、アイテムの不足、等の予め定められた停止条件を満たすことにより停止するようにしてもよい。なお、パラメータ上昇処理で、パラメータが予め設定された閾値を超えると、ステップS14において、ゲーム媒体の外観を変更する(外観変更処理)。
【0086】
このように、プレイヤ2から受け付けた目標情報に応じてゲーム要素が選択され、選択されたゲーム要素を実行することによってパラメータが上昇する。また、パラメータが任意の閾値を超えるとゲーム媒体の外観が変わるようにしてもよい。
【0087】
したがって、パラメータの上昇のみを目的とした動作が繰り返されることがないことから、ゲームにおける興趣性が向上する。
【0088】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることはなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0089】
上記実施の形態では、単体の学習済みモデルが生成されることを前提として説明をしたが、例えば、複数のプレイヤ2ごとにそれぞれ、学習済みモデルが生成されるように構成してもよい。
【0090】
上記実施の形態では、情報処理装置20に格納されたプログラムが、ゲームに関する情報処理を実行する場合を説明したが、プレイヤ端末30にプログラムが格納され、このプログラムがプレイヤ端末30でゲームに関する情報処理を実行するように構成してもよい。
【0091】
本発明は、以下の構成を備える。
(項目1)
それぞれのゲーム要素が実行された場合のパラメータの変動量に関するパラメータ変動条件情報を含む設定データが予め記憶され、
プレイヤの入力情報に基づくゲーム要素の実行により、前記設定データに基づいて所定のゲーム媒体の所定のパラメータを上昇させるパラメータ上昇処理を実行可能なゲームを提供する情報処理システムであって、
プレイヤの前記パラメータ上昇処理に関するプレイ履歴データを学習して学習済みモデルを生成するモデル生成処理と、
前記ゲーム媒体の前記パラメータに関する目標情報を前記プレイヤから受け付ける目標情報受付処理と、
前記目標情報に応じて、複数のゲーム要素の中から前記学習済みモデルに基づいて選択される前記ゲーム要素を自動的に実行する自動プレイ処理と、
を実行し、
前記モデル生成処理は、前記プレイ履歴データに含まれる所定のゲーム要素の実行後のゲーム媒体の状態と、前記実行後のゲーム媒体の状態となるまでに実行した前記ゲーム要素の種類及び実行回数の情報を含むゲーム要素実行情報とを関連付けて学習することにより、学習済みモデルを生成する、
情報処理システム。
(項目2)
前記学習済みモデルは、前記目標情報を入力することにより、前記目標情報に対応するゲーム媒体の状態に到達するためのゲーム要素の種類及び実行回数の情報が出力される学習済みモデルである、項目1に記載の情報処理システム。
(項目3)
前記学習済みモデルは、
それぞれの前記プレイヤごとに生成される、項目1または2に記載の情報処理システム。
(項目4)
前記目標情報は、
前記プレイヤが選択した1または複数の前記ゲーム媒体に関する情報を含む、項目1または2に記載の情報処理システム。
(項目5)
前記目標情報は、
前記プレイヤが選択した1または複数の前記パラメータの種類に関する情報を含む、項目1または2に記載の情報処理システム。
(項目6)
前記目標情報は、
前記プレイヤが選択した前記パラメータの数値に関する情報を含む、項目1または2に記載の情報処理システム。
(項目7)
前記ゲーム要素の実行は、
クエスト、対戦、育成、合成、ストーリーもしくは抽選の実行、または、パラメータ上昇アイテムの使用の少なくとも何れかを含む、項目1または2に記載の情報処理システム。
(項目8)
前記ゲーム媒体はキャラクタである、項目1または2に記載の情報処理システム。
(項目9)
前記モデル生成処理は、
複数の前記プレイヤの前記プレイ履歴データを学習して前記学習済みモデルを生成する、請求項1または2に記載の情報処理システム。
(項目10)
前記パラメータ上昇処理によって前記パラメータが所定条件を満たす場合に前記ゲーム媒体の外観を変更する外観変更処理、を実行する、項目1または2に記載の情報処理システム。
(項目11)
前記自動プレイ処理は、前記目標情報と現在のゲーム状況情報との差分に応じて、前記学習済みモデルに基づいて選択される前記ゲーム要素を自動的に実行する、項目1または2に記載の情報処理システム。
(項目12)
前記自動プレイ処理は、さらに、各ゲーム要素の実行に伴いゲーム内で消費される消費要素情報に基づいて、前記学習済みモデルに基づいて選択される前記ゲーム要素を自動的に実行する、項目1または2に記載の情報処理システム。
(項目13)
それぞれのゲーム要素が実行された場合のパラメータの変動量に関するパラメータ変動条件情報を含む設定データが予め記憶され、
プレイヤの入力情報に基づくゲーム要素の実行により、前記設定データに基づいて所定のゲーム媒体の所定のパラメータを上昇させるパラメータ上昇処理を実行可能なゲームを提供する情報処理装置であって、
プレイヤの前記パラメータ上昇処理に関するプレイ履歴データを学習して学習済みモデルを生成するモデル生成処理と、
前記ゲーム媒体の前記パラメータに関する目標情報を前記プレイヤから受け付ける目標情報受付処理と、
前記目標情報に応じて、複数のゲーム要素の中から前記学習済みモデルに基づいて選択される前記ゲーム要素を自動的に実行する自動プレイ処理と、
を実行し、
前記モデル生成処理は、前記プレイ履歴データに含まれる所定のゲーム要素の実行後のゲーム媒体の状態と、前記実行後のゲーム媒体の状態となるまでに実行した前記ゲーム要素の種類及び実行回数の情報を含むゲーム要素実行情報とを関連付けて学習することにより、学習済みモデルを生成する、
情報処理装置。
(項目14)
それぞれのゲーム要素が実行された場合のパラメータの変動量に関するパラメータ変動条件情報を含む設定データが予め記憶され、
プレイヤの入力情報に基づくゲーム要素の実行により、前記設定データに基づいて所定のゲーム媒体の所定のパラメータを上昇させるパラメータ上昇処理を実行可能なゲームを提供する情報処理装置に、
プレイヤの前記パラメータ上昇処理に関するプレイ履歴データを学習して学習済みモデルを生成するモデル生成処理と、
前記ゲーム媒体の前記パラメータに関する目標情報を前記プレイヤから受け付ける目標情報受付処理と、
前記目標情報に応じて、複数のゲーム要素の中から前記学習済みモデルに基づいて選択される前記ゲーム要素を自動的に実行する自動プレイ処理と、を実行させ、
前記モデル生成処理は、前記プレイ履歴データに含まれる所定のゲーム要素の実行後のゲーム媒体の状態と、前記実行後のゲーム媒体の状態となるまでに実行した前記ゲーム要素の種類及び実行回数の情報を含むゲーム要素実行情報とを関連付けて学習することにより、学習済みモデルを生成する、
プログラム。
(項目15)
それぞれのゲーム要素が実行された場合のパラメータの変動量に関するパラメータ変動条件情報を含む設定データが予め記憶され、
プレイヤの入力情報に基づくゲーム要素の実行により、前記設定データに基づいて所定のゲーム媒体の所定のパラメータを上昇させるパラメータ上昇処理を実行可能なゲームを提供する情報処理装置が、
プレイヤの前記パラメータ上昇処理に関するプレイ履歴データを学習して学習済みモデルを生成するモデル生成処理と、
前記ゲーム媒体の前記パラメータに関する目標情報を前記プレイヤから受け付ける目標情報受付処理と、
前記目標情報に応じて、複数のゲーム要素の中から前記学習済みモデルに基づいて選択される前記ゲーム要素を自動的に実行する自動プレイ処理と、を実行し、
前記モデル生成処理は、前記プレイ履歴データに含まれる所定のゲーム要素の実行後のゲーム媒体の状態と、前記実行後のゲーム媒体の状態となるまでに実行した前記ゲーム要素の種類及び実行回数の情報を含むゲーム要素実行情報とを関連付けて学習することにより、学習済みモデルを生成する、
情報処理方法。
【符号の説明】
【0092】
1 事業者
2 プレイヤ
10 情報処理システム
20 情報処理装置
30 プレイヤ端末
【要約】
【課題】ゲームにおける興趣性を向上させることができる情報処理システム、情報処理装置、プログラム及び情報処理方法を提供する。
【解決手段】それぞれのゲーム要素が実行された場合のパラメータの変動量に関するパラメータ変動条件情報を含む設定データが予め記憶され、プレイヤの入力情報に基づくゲーム要素の実行により、設定データに基づいて所定のゲーム媒体の所定のパラメータを上昇させるパラメータ上昇処理を実行可能なゲームを提供する情報処理システムであって、プレイヤのパラメータ上昇処理に関するプレイ履歴データを学習して学習済みモデルを生成するモデル生成処理と、ゲーム媒体のパラメータに関する目標情報をプレイヤから受け付ける目標情報受付処理と、目標情報に応じて、複数のゲーム要素の中から学習済みモデルに基づいて選択されるゲーム要素を自動的に実行する自動プレイ処理と、を実行する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7