(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】契約管理システム、契約管理プログラム及び、契約管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20230101AFI20240709BHJP
G06Q 10/10 20230101ALI20240709BHJP
G06Q 30/012 20230101ALI20240709BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240709BHJP
G06Q 50/22 20240101ALI20240709BHJP
【FI】
G06Q30/06
G06Q10/10
G06Q30/012
G06Q50/10
G06Q50/22
(21)【出願番号】P 2022087419
(22)【出願日】2022-05-30
【審査請求日】2022-06-13
(73)【特許権者】
【識別番号】522213694
【氏名又は名称】株式会社keeper
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 航
(72)【発明者】
【氏名】横田 洋一
(72)【発明者】
【氏名】小田 貴之
【審査官】岩橋 龍太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-005360(JP,A)
【文献】特開2002-024396(JP,A)
【文献】特開2001-306702(JP,A)
【文献】特開2021-117995(JP,A)
【文献】特開2005-309788(JP,A)
【文献】特開2003-116113(JP,A)
【文献】特開2003-050972(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービスを提供する提供者と当該サービスの利用者間の契約を管理する契約管理システムであって、
前記契約管理システムは、
前記提供者が提供するサービスの利用を希望する前記利用者の情報であって、利用者の要介護度を含む利用者情報を受け付けて、該利用者が希望するサービスを提供する提供者を一意に識別する為の情報、
及び前記利用者情報を紐づけて契約情報として格納し、
提供者の提供者端末に対して、該提供者と前記契約情報を介して紐づく利用者を選択入力可能に表示して、該提供者から選択された利用者の前記要介護度を表示し、
該提供者の提供者端末から、前記サービスの契約に係る契約書の
契約書テンプレートと、
該選択入力された利用者の前記利用者情報のうち当該契約書に含ませる利用者情報と、
サービス情報、又は前記サービスを受ける施設情報とを含む契約入力情報
を受け付
け、
前記契約入力情報に基づいて、前記利用
者、前記契約入力情報を入力した提供者、並びに前記サービス情報、又は前記施設情報が紐づく契約書を作成処理して、前記利用者の利用者端末に対して送信処理し、
当該契約書に対して署名が入力されることで契約書合意を判断し、当該契約書の契約状態を示す契約書状態情報を更新する契約管理システム。
【請求項2】
前記契約管理システムは、前記提供者を一意に識別する為の情報と紐づくアドレスを作成し、前記利用者端末に送信
することで、
サービスの問い合わせを行った利用者の前記利用者情報を当該アドレスを介して受け付け
る、請求項1に記載の契約管理システム。
【請求項3】
前記契約管理システムは、利用者からサービスの問い合わせを受け付けて、利用者に適した前記提供者を決定する仲介者が使用する仲介者端末を備え、
前記提供者
端末に対しては、前記契約書、及び前記契約書状態情報を表示させ、
前記仲介者端末に対しては、前記契約書状態情報を表示させない、請求項1に記載の契約管理システム。
【請求項4】
前記契約管理システムは、当該契約書に対して、前記利用者端末から前記署名が入力されると共に、前記提供者の提供者端末から契約書の承認に係る承認入力情報の入力がされることで前記契約書合意を判断し、当該契約書の前記契約書状態情報を更新する請求項1又は請求項2に記載の契約管理システム。
【請求項5】
前記契約管理システムは、前記契約入力情報に基づいて、前記利用者情報が紐づいた複数の前記契約書を作成処理し、
当該契約書全てに対して前記契約書合意がなされた場合、当該契約の契約状態を示す契約状態情報を更新する請求項1又は請求項2に記載の契約管理システム。
【請求項6】
前記契約管理システムは、前記サービス毎に紐づけて、前記利用者が利用可能か否かを示す利用情報とを格納し、
前記契約書に対して前記署名がされたことを契機に、当該契約書に紐づく前記サービス情報の示すサービスに対応する前記利用情報を更新する請求項1又は請求項2に記載の契約管理システム。
【請求項7】
前記契約管理システムは、
前記契約書を作成したタイミング、前記契約書の前記送信処理をしたタイミング、前記利用者端末から署名が入力されたタイミング及び、前記提供者から承認入力情報の入力を受け付けたタイミングの各タイミングにおいて、前記契約書状態情報を更新する請求項3に記載の契約管理システム。
【請求項8】
前記契約管理システムは、前記提供者と前記利用者間の前記契約に対して解約に係る解約指示を受け付けると、
前記契約情報に紐づく前記サービス情報を特定し、
当該サービス情報に紐づく、前記利用情報を更新する請求項
6に記載の契約管理システム。
【請求項9】
前記契約管理システムは、前記利用者情報の削除に係る削除指示を受け付けると、
当該利用者情報に紐づく前記契約情報、及び/又はサービス情報を特定し、
特定した前記契約情報、及び/又は前記サービス情報を削除する請求項5に記載の契約管理システム。
【請求項10】
サービスを提供する提供者とサービスの利用者間の契約を管理する契約書契約管理方法であって、
前記提供者が提供するサービスの利用を希望する前記利用者の情報であって、利用者の要介護度を含む利用者情報を受け付けて、該利用者が希望するサービスを提供する提供者を一意に識別する為の情報、
及び前記利用者情報を紐づけて契約情報として格納するステップと、
提供者の提供者端末に対して、該提供者と前記契約情報を介して紐づく利用者を選択入力可能に表示するステップと、
該提供者から選択された利用者の前記要介護度を表示するステップと、
該提供者から、前記サービスの契約に係る契約書の
契約書テンプレートと、
該選択入力された利用者の前記利用者情報のうち当該契約書に含ませる利用者情報と、
サービス情報、又は前記サービスを受ける施設情報とを含む契約入力情報
を受け付
けるステップと、
前記契約入力情報に基づいて、前記利用
者、前記契約入力情報を入力した提供者、並びに前記サービス情報、又は前記施設情報が紐づく契約書を作成処理して、前記利用者の利用者端末に対して送信処理するステップと、
当該契約書に対して署名が入力されることで契約書合意を判断し、当該契約書の契約状態を示す契約書状態情報を更新するステップと、をコンピュータが実行する契約管理方法。
【請求項11】
サービスを提供する提供者とサービスの利用者間の契約を管理する契約管理プログラムであって、コンピュータを、
前記提供者が提供するサービスの利用を希望する前記利用者の情報であって、利用者の要介護度を含む利用者情報を受け付けて、該利用者が希望するサービスを提供する提供者を一意に識別する為の情報、
及び前記利用者情報を紐づけて契約情報として格納し、
提供者の提供者端末に対して、該提供者と前記契約情報を介して紐づく利用者を選択入力可能に表示して、該提供者から選択された利用者の前記要介護度を表示し、
該提供者の提供者端末から、前記サービスの契約に係る契約書の
契約書テンプレートと、
該選択入力された利用者の前記利用者情報のうち当該契約書に含ませる利用者情報と、
サービス情報、又は前記サービスを受ける施設情報とを含む契約入力情報
を受け付
け、
前記契約入力情報に基づいて、前記利用
者、前記契約入力情報を入力した提供者、並びに前記サービス情報、又は前記施設情報が紐づく契約書を作成処理して、前記利用者の利用者端末に対して送信処理し、
当該契約書に対して署名が入力されることで契約書合意を判断し、当該契約書の契約状態を示す契約書状態情報を更新する、情報処理装置として機能させる契約管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、契約管理システム、契約管理プログラム及び、契約管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、サービスにおける契約は、サービスについての説明が必要であり、紙媒体の契約書へのサインを行うことによって成立していた。しかし、この場合、契約が多くなる程契約書の管理が困難になるという問題があった。このような問題を解決する技術の一例が、例えば、特許文献1において提案されている。
【0003】
特許文献1には、商品在庫テーブルには、レンタル商品を一品毎に在庫管理するためのデータ項目が格納されるテーブルである。このテーブルには、子商品コード、レンタル番号、契約者番号、契約書番号、レンタル中であるか否かを示す状態コード、が入力される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
サービスの契約を行う場合には、適切な利用者に対して契約書を発行し、当該契約書に対して署名がされることで、契約書への状態が変更されることが好ましい。しかし、上記文献に記載の技術では、適切な利用者に対して契約書が発行されず、誰によって契約書に同意されたかがわからないという問題があった。
【0006】
上記の課題に鑑みて、本発明は、適切な利用者との契約に係る契約書の管理を可能にする新規な技術を提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明は、
サービスを提供する提供者と当該サービスの利用者間の契約を管理する契約管理システムであって、
前記契約管理システムは、前記提供者を一意に識別する為の情報と、当該提供者が提供するサービスの利用を希望する前記利用者の利用者情報と、を紐づけて契約情報として格納し、
前記サービスの契約に係る契約書のテンプレートである契約書テンプレートと、前記利用者情報のうち当該契約書に含ませる利用者情報と、の指定によって入力される契約入力情報を、前記契約情報を介して当該利用者と紐づいた前記提供者の提供者端末から受け付けて、
当該契約入力情報に基づいて、当該利用者情報が紐づいた契約書を作成処理して、前記利用者に対して送信処理し、
当該契約書に対して署名が入力されることで契約書合意を判断し、当該契約書の契約状態を示す契約書状態情報を更新する。
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明は、
サービスを提供する提供者とサービスの利用者間の契約を管理する契約書契約管理方法であって、
前記提供者を一意に識別する為の情報と、当該提供者が提供するサービスの利用を希望する前記利用者の利用者情報と、を紐づけて契約情報として格納するステップと、
前記サービスの契約に係る契約書のテンプレートである契約書テンプレートと、前記利用者情報のうち当該契約書に含ませる利用者情報と、の指定によって入力される契約入力情報を、前記契約情報を介して当該利用者と紐づいた前記提供者の提供者端末から受け付けるステップと、
当該契約入力情報に基づいて、当該利用者情報が紐づいた契約書を作成処理して、前記利用者に対して送信処理するステップと、
当該契約書に対して署名が入力されることで契約書合意を判断し、当該契約書の契約状態を示す契約書状態情報を更新するステップと、をコンピュータが実行する。
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明は、
サービスを提供する提供者とサービスの利用者間の契約を管理する契約管理プログラムであって、コンピュータを、
前記提供者を一意に識別する為の情報と、当該提供者が提供するサービスの利用を希望する前記利用者の利用者情報と、を紐づけて契約情報として格納し、
前記サービスの契約に係る契約書のテンプレートである契約書テンプレートと、前記利用者情報のうち当該契約書に含ませる利用者情報と、の指定によって入力される契約入力情報を、前記契約情報を介して当該利用者と紐づいた前記提供者の提供者端末から受け付けて、
当該契約入力情報に基づいて、当該利用者情報が紐づいた契約書を作成処理して、前記利用者に対して送信処理し、
当該契約書に対して署名が入力されることで契約書合意を判断し、当該契約書の契約状態を示す契約書状態情報を更新する、情報処理装置として機能させる。
このような構成とすることで、適切な利用者との契約に係る契約書の管理を可能にすることができる。
【0010】
より好ましい形態では、前記契約管理システムは、前記提供者を一意に識別する為の情報と紐づくアドレスを作成し、前記利用者が利用する利用者端末に送信し、
当該アドレスを介して前記利用者端末から受け付けた利用者情報を受け付け、
当該アドレスに紐づく前記提供者を一意に識別する為の情報と、利用者情報と、を紐づけて契約情報として格納する。
このような構成とすることで、利用者が希望するサービス提供者を識別可能にアドレスの発行をすることができ、当該アドレスに紐づく提供者端末に利用者情報を送信することができる。これにより、誤った提供者に利用者情報が送信されることを防ぐことができる。
【0011】
より好ましい形態では、前記契約管理システムは、当該契約書に対して、前記利用者の利用者端末から前記署名が入力されると共に、前記提供者の提供者端末から契約書の承認に係る承認入力情報の入力がされることで前記契約書合意を判断し、当該契約書の前記契約書状況情報を更新する。
このような構成とすることで、利用者と提供者の双方の合意があることを契機に、サービスの契約を行うことができる。これにより、提供者と利用者の両者の認識の齟齬なくサービスの契約を行うことができる。
【0012】
より好ましい形態では、前記契約管理システムは、前記契約入力情報に基づいて、前記利用者情報が紐づいた複数の前記契約書を作成処理し、
当該契約書全てに対して前記契約書合意がなされた場合、当該契約の契約状態を示す契約状態情報を更新する。
このような構成とすることで、複数の契約書への署名があることを契機に契約を行うことができる。これにより、全ての契約書の確認がされたことを担保して、サービスの契約を行うことができる
【0013】
より好ましい形態では、前記契約管理システムは、前記サービス毎に、前記利用者が利用可能か否かを示す利用情報を更に格納し、
前記契約入力情報として、前記契約書テンプレート及び、前記利用者情報に加えて、前記利用者が利用する前記サービスを示すサービス情報の指定によって入力を受け付け、
当該サービス情報を前記契約情報と紐づけて格納し、
当該契約入力情報に基づいて、当該利用者情報及び、当該サービス情報に紐づいた前記契約書を作成処理して、
当該契約書に対して前記署名がされたことを契機に、当該契約書に紐づく前記サービス情報の示すサービスに対応する前記利用情報を更新する。
このような構成とすることで、サービス毎に受入が可能か否かを逐一把握することができる。
【0014】
より好ましい形態では、前記契約管理システムは、
前記契約書を作成したタイミング、前記契約書の前記送信処理をしたタイミング、前記利用者端末から署名が入力されたタイミング及び、前記提供者端末から承認入力情報の入力を受け付けたタイミングの各タイミングにおいて、前記契約書状態情報を更新する。
このような構成とすることで、契約書の状態を逐一追跡することができる。これにより、契約書への確認が滞っている場合には、確認を促す通知を行うことができる。
【0015】
より好ましい形態では、前記契約管理システムは、前記提供者と前記利用者間の前記契約に対して解約に係る解約指示を受け付けると、
前記契約情報に紐づく前記サービス情報を特定し、
当該サービス情報に紐づく、前記利用情報を更新する。
このような構成とすることで、複数のサービスの契約が結ばれていた場合に、同時に全てのサービスを解約することができる。これにより、解約時の処理の手間を省くことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、適切な利用者との契約に係る契約書の管理を可能にする新規な技術を提供する効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】一実施形態のシステムの構成を示すブロック図である。
【
図2】一実施形態のシステムのハードウェア構成を示す図である。
【
図3】一実施形態のシステムの構成を示す機能ブロック図である。
【
図4】一実施形態のシステムのデータベースの一例である。
【
図5】一実施形態のシステムのフローチャートの一例である。
【
図6】一実施形態のシステムの表示画面の一例である。
【
図7】一実施形態のシステムの表示画面の一例である。
【
図8】一実施形態のシステムの表示画面の一例である。
【
図9】一実施形態のシステムの表示画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を用いて、本発明について詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の実施形態に限定するものではなく、様々な構成を採用することもできる。
【0019】
例えば、本実施形態では契約管理システムの構成、動作等について説明するが、実行される方法、装置、コンピュータプログラム等によっても、同様な効果を奏することができる。本実施形態におけるプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一過性の記憶媒体として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよい。本実施形態では、サーバコンピュータに契約管理プログラムを起動させることで契約管理システムを実現する場合について説明する。
【0020】
本発明は、サービス提供者(以下、提供者と呼ぶ)とサービス利用者(以下、利用者と呼ぶ)間におけるサービス契約の管理を行う契約管理システムに関する。ここで提供者とは、サービスを提供する会社又は個人である。本実施形態では、提供者が、介護、医療、食事サポート等の福祉事業サービスと、老人ホーム、介護施設等の施設を利用可能に提供する施設提供サービスと、を提供する場合について説明する。なお、本発明のサービスは、福祉事業であるが、契約を行う業態であればよく、例えば、不動産、旅行代理業等であってもよい。
【0021】
また利用者とは、提供者又は仲介者に対して問合せを行うことで、提供者が提供するサービスを享受する。具体的には、利用者は問合せを行うことで、福祉事業サービス及び、施設提供サービスの一方又は両方のサービスを享受する。ここで仲介者とは、契約に関わる実務担当者である。本実施形態では、ケアマネージャ等の会社又は個人であって、利用者情報等を確認することで、利用者にとって適切な提供者の選定を行う。
【0022】
また本発明では、提供者端末において、利用者毎の利用者情報及び、利用者に適したサービスのサービス情報が入力されることで、当該利用者情報及び、サービス情報が紐づいた契約書が作成される。そして、当該契約書に対して利用者が署名を行うことによって、サービス契約が行われる。本実施形態においてサービスの提供者は、仲介者によって選定された者が割り当てられ、当該提供者の提供者端末において契約書の作成に係る入力を受け付ける。また施設の提供者は、利用者から直接サービスの問い合わせを受け付けることで、当該提供者の提供者端末において、契約書に係る入力を受け付ける。なお、施設の提供者が仲介者によって割り当てられてもよく、サービスの提供者が利用者から直接サービスの問い合わせを受け付けてもよい。
【0023】
<システム構成>
図1は、一実施形態のシステムの構成を示すブロック図である。
図1に示すように、契約管理システム0は、契約管理装置1、提供者端末2、利用者端末3及び、仲介者端末4を備える。契約管理装置1、提供者端末2、利用者端末3及び、仲介者端末4は、通信ネットワークNWを介して通信可能に構成されている。通信ネットワークNWは、本実施形態では、IP(Internet Protocol)ネットワークであるが、通信プロトコルの種類に制限はなく、更に、ネットワークの種類、規模にも制限はない。
【0024】
本実施形態において、契約管理装置1は、提供者及び利用者間のサービス契約に関する情報の格納及び、契約書作成処理を実行する。契約管理装置1としては、汎用のサーバ向けのコンピュータやパーソナルコンピュータ等を利用することが可能である。なお、本実施形態では、契約管理装置1は、ひとつのコンピュータを用いて構成されるが、複数のコンピュータを用いて構成することも可能である。
【0025】
本実施形態において、提供者端末2、提供者から契約書作成に関する情報の入力を受け付け、また、作成された契約に関する情報を表示する。また、本実施形態において利用者端末3は、サービス契約に必要な利用者情報の入力を受け付け、また、表示した契約書への署名の入力を受け付ける。また仲介者端末4は、利用者から問合せを受け付けて、当該問合せに基づいて、当該利用者と適切な提供者間の契約情報を登録する。提供者端末2、利用者端末3及び、仲介者端末4としては、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ、ウェアラブルデバイス等の一般的なコンピュータを利用することができる。
【0026】
<ハードウェア構成>
図2は、本実施形態におけるハードウェア構成である。
図2(a)は、サーバ10(契約管理装置1)のハードウェア構成の一例を示す図である。サーバ100は、ハードウェア構成として、処理部101と、記憶部102と、通信部103と、を備える。
【0027】
処理部101は、CPU等の1又は2以上のプロセッサを含み、本発明に係る取引促進プログラム、OSやブラウザソフト、その他のアプリケーションを実行することで、サーバ10の動作処理全体を制御する。
【0028】
記憶部102は、HDD、ROM、RAM等であって、本発明に係る契約管理プログラムを処理部101がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶する。処理部101が、記憶部102に記憶されている契約管理プログラム等に基づき、処理を実行することによって、後述する機能構成が実現される。
【0029】
通信部103は、通信ネットワークNWとの通信制御を実行して、サーバ10を動作させるために必要な入力や、動作結果に係る出力を行う。
【0030】
図2(b)は、端末9(提供者端末2、利用者端末3及び、仲介者端末4)のハードウェア構成の一例を示す図である。端末9も同様に、ハードウェア構成として、処理部91と、記憶部92と、通信部93と、入力部94と、出力部95と、を備える。
【0031】
端末9の処理部91は、CPU等の1以上のプロセッサを含み、端末9の動作処理全体を制御する。端末9の記憶部92は、HDD、ROM、RAM等であって、契約管理装置1を操作する為のアプリケーション等を記憶する。端末9の通信部93は、通信ネットワークNWとの通信を制御する。端末9の入力部94は、タッチパネル、マウス及びキーボード等であって、ユーザによる操作要求を処理部91に入力する。端末9の出力部95は、ディスプレイ等であって、処理部91の処理の結果等を表示する。
【0032】
<契約管理装置1>
図3に示すように、契約管理装置1は、機能構成要素として、記憶部102、アドレス発行手段11、受付手段12、紐付手段13、作成処理手段14、更新手段15、解約手段16、削除手段17、送信処理手段18及び、表示処理手段19を備える。なお一つのコンピュータがこれらの手段及び、部を全て備える必要はなく、複数のコンピュータが協働することによって本実施形態の契約管理装置1として機能してもよい。
【0033】
記憶部102は、利用者情報、提供者情報、契約情報、契約書情報、サービス情報、施設情報及び、会社情報、を格納する(
図4)。なお、これらの全部は、記憶部102等に格納されてもよいし、これらの一部又は全部が、別の記憶部に格納されてもよい。なお
図4におけるボックスを繋ぐ線は、直線の場合は「1対1」、一方向矢印の場合は、矢印方向を終点にした時に始点側対終点側を「1対多」、両方向矢印の場合は「多対多」を示している。
【0034】
利用者情報は、サービスを利用する利用者の個人情報を示す情報であって、利用者の代理人を介して入力される情報である。本実施形態では、利用者情報は、利用者ID、氏名、代理人との関係及び、要介護度を有する。
【0035】
提供者情報は、サービスを提供する会社に関する情報である。本実施形態において提供者情報は、提供者ID、会社名、連絡先を有する。なお、本実施形態において提供者情報は、会社名を有するが、会社名に加えて又は代えて、提供者の氏名を含んでもよい。
【0036】
契約情報は、利用者と提供者間の契約に関する情報である。本実施形態において契約情報は、契約IDにより一意に特定され、利用者ID、サービスID、施設ID、仲介者ID、契約状態情報、契約日、コメント、入居フラグ及び、更新期間を有する。ここで契約状態情報とは、契約情報に紐づく契約書情報の契約書状態情報に応じて変更される情報である。具体的な状態は後述する
【0037】
また入居フラグは、利用者が施設に入居するか否かを示す情報である。本実施形態において利用者は、サービスの利用場所に対して「入居」又は「在宅」を希望することができる。そして、提供者端末2は契約書の作成に係る入力を受け付ける際に、後述の契約作成画面において利用者が希望する利用場所として「入居」又は「在宅」の選択入力を受け付け、「入居」が選択入力された場合には「1」、「在宅」を入力された場合には「0」を入居フラグとして格納される。
【0038】
なお、本実施形態において契約情報は、サービスID及び、施設IDが紐づけられているが、入居フラグが「0」の場合には、サービスIDのみが紐づけられて格納されてもよい。また、契約情報は、施設IDのみが紐づけられて格納されてもよい。
【0039】
また本実施形態において、契約情報は、利用者端末3からサービスの問合せを受け付けた仲介者の仲介者IDが紐づけられて格納されるが、利用者端末3から直接提供者端末2に問合せが送信される場合には、仲介者IDが紐づけられなくてもよい。
【0040】
契約書情報は、利用者と提供者間の契約を結ぶための契約書に関する情報である。本実施形態において、契約書情報は、契約書IDにより一意に特定され、契約ID、契約書テンプレート、契約書状況情報、更新日及び、ファイル格納場所を有する。なお本実施形態では、ひとつの契約情報と紐づけて複数の契約書情報が紐づけれられるが、契約情報と契約書情報が1対1の関係で紐づけられてもよい。
【0041】
ここで契約書テンプレートとは、契約書のテンプレートとなる情報である。本実施形態において、契約書テンプレートは、契約情報に含まれる利用者情報、施設情報及び、サービス情報が紐づいていない電子書類であって、提供者端末2の記憶部92又は、記憶部102に格納されている。そして、契約作成画面において指定された契約書テンプレートが契約書情報として格納される。
【0042】
契約書状態情報とは、各契約書の契約状態を示す情報である。本実施形態において契約書状態情報は、契約書が作成されてから、署名された契約書に対して承認に係る承認入力情報を提供者端末2から受け付けるまで、の間に複数の状態を示す。具体的な状態は後述する。
【0043】
サービス情報は、提供者が提供するサービスに関する情報である。本実施形態において、サービス情報は、サービスIDにより一意に特定され、提供者ID、提供場所ID、サービス名及び、利用情報を有する。なお、本実施形態では、サービスIDと提供場所IDが一対一で紐づいているが、ひとつのサービスIDに対して複数の提供場所ID、複数のサービスIDに対してひとつの提供場所ID又は、複数のサービスIDに対して複数の提供場所ID、が紐づいていてもよい。
【0044】
ここで提供場所IDとは、サービスが提供可能な場所を示す情報である。本実施形態において提供場所IDは、施設IDと1対1で紐づいているが、会社IDに紐づく会社の住所情報、会社ID及び、施設IDが紐づいた図示しない住所-施設データベースによって提供者場所IDと施設IDが一対多の関係で紐づけられていてもよい。
【0045】
なお、本実施形態においてサービス情報は、提供場所ID及び、提供者IDが紐づいているが、提供者IDのみが紐づけられていてもよい。具体的には、サービス情報は、入居フラグが「0」の場合には提供者IDのみが紐づいている。
【0046】
また利用情報は、サービスの利用の可否を示す情報である。本実施形態において、契約作成画面において指定された福祉事業サービスに対応する利用情報は「受入不可」等として登録される。また、施設提供サービスにおける利用情報は、施設の部屋番号に対応する「受入不可」、「満室」等として登録される。
【0047】
施設情報は、提供者が運営する施設に関する情報である。本実施形態において、施設情報は、施設IDによって一意に特定され、会社ID、施設名、部屋番号及び、利用情報を有する。
【0048】
仲介者情報は、利用者と提供者の契約を仲介する仲介者の情報に関する情報である。本実施形態において、仲介者情報は、仲介者IDによって一意に特定され、氏名及び、連絡先を有する。
【0049】
アドレス発行手段11は、提供者識別情報に基づいて、利用者情報の入力を受け付ける為のアドレスを発行する。本実施形態においてアドレス発行手段11は、受付手段12が受け付けた提供者識別情報及び、アドレス発行の指示を受信し、当該提供者識別情報及び、ランダム生成した文字列を含むアドレスであって、後述のユーザ登録画面を表示する為のURLを発行する。
【0050】
なお本実施形態においてアドレス発行手段11は、提供者識別情報及び、ランダム生成した文字列を含むURLを発行するが、提供者識別情報のみを含むURLを発行してもよく、提供者識別情報及び、ランダム生成した文字列の組み合わせをハッシュ化した文字列を含むURLを発行してもよい。
【0051】
受付手段12は、提供者端末2及び、利用者端末3において入力された情報を受け付ける。本実施形態において、受付手段12は、提供者端末2から、提供者識別情報、問合せの電話を受け付けた利用者端末3の連絡先及び、アドレス発行指示を受け付ける。
【0052】
なお、本実施形態において受付手段12は、提供者端末2から利用者の連絡先及び、アドレス発行指示を受け付けるが、直接利用者端末3から受け付けてもよい。この場合、受付手段12は、利用者端末3に表示され、提供者識別情報を送信するように設定された問合せフォームを介して利用者の連絡先及び、提供者識別情報及び、アドレス発行指示を受け付ける。
【0053】
また受付手段12は、利用者端末3から利用者情報の入力を受け付ける。本実施形態において、受付手段12は、問合せの際に受け取った連絡先を有する利用者端末3に表示されたユーザ登録画面を介して、利用者情報のうち、氏名、代理人との関係及び、要介護度の入力を受け付ける。
【0054】
また受付手段12は、提供者端末2から利用者情報、施設情報、サービス情報及び、契約書テンプレートの1又は複数の入力を契約入力情報として受け付ける。本実施形態において、受付手段12は、提供者端末2に表示された契約作成画面において、施設情報と、契約情報を介して当該提供者と紐づく利用者の利用者情報と、の選択入力を受け付ける。
【0055】
より好ましい形態では、受付手段12は、提供者端末2から入居フラグの選択を受け付けて、契約情報としてサービス情報を更に受け付ける。具体的には、受付手段12は、入居フラグとして「1」の選択入力を受け付けると、施設情報、サービス情報及び、契約情報を介して当該提供者と紐づく利用者の利用者情報の選択入力を受け付ける。また、入居フラグとして「0」の選択入力を受け付けると、当該提供者と紐づく利用者の利用者情報の選択入力を受け付ける。
【0056】
また受付手段12は、契約書に対して署名の入力を受け付ける。本実施形態において受付手段12は、利用者端末3に表示された契約書への署名として、利用者の氏名及び/又は、利用者を特定する電子署名の入力を受け付ける。また、受付手段12は、提供者端末2に表示された署名がされた契約書に対して当該契約書の承認に係る承認入力情報の入力を受け付ける。
【0057】
紐付手段13は、提供者を一意に識別する為の情報及び、利用者情報を紐づけて契約情報として記憶部102に格納する。本実施形態において紐付手段13は、アドレス発行手段11が生成したURLに含まれる提供者識別情報と、受付手段12が受け付けた利用者情報と、を紐づけて契約情報として記憶部102に格納する。
【0058】
作成処理手段14は、提供者端末2から受け付けた利用者情報及び契約書テンプレート並びに、施設情報及び/又はサービス情報を有する契約入力情報に基づいて契約書を作成する。本実施形態において作成処理手段14は、契約入力情報として、受付手段12が利用者端末3から受け付けた利用者情報のうち契約書に含ませる利用者情報、記憶部102に記憶された契約書テンプレートのうち契約書の雛形とする契約書テンプレート、提供者情報に紐づく施設情報のうち利用者に適切な施設情報及び、提供者情報に紐づくサービス情報うち利用者に適切なサービス情報、の選択入力を提供者端末2から受け付ける。そして、作成処理手段14は、当該契約入力情報に基づいて、テンプレート毎に複数の契約書を作成する。
【0059】
なお、本実施形態において、契約書は契約管理装置1が備える作成処理手段14によって作成されるが、作成処理手段14が外部のサーバに対して契約書の作成指示を送信することによって、当該外部のサーバが契約書を作成してもよい。例えば、外部のサーバに契約書のテンプレートをアップロードしておき、作成指示として、契約入力情報を送信して、当該外部サーバが契約書を作成することができる。
【0060】
更新手段15は、契約書に対して署名及び、承認入力情報の一方又は両方の入力がされることで当該契約書へ合意されたこと(契約書合意)を判断し、契約書状態の更新を行う。本実施形態において、更新手段15は、署名及び、承認入力情報の入力がされることで契約書合意を判断し、契約書状態の更新を行う。
【0061】
また更新手段15は、作成処理手段14が契約書を作成したタイミングから、受付手段12が提供者端末2から承認入力情報を受け付けたタイミングまでの間において、複数の種類の契約書状態情報を更新する。具体的な契約書状態情報の種類は後述する。
【0062】
更新手段15は、契約書に対する契約書合意を判断した場合、契約情報の契約状態情報の更新を行う。本実施形態において、更新手段15は、ひとつの契約情報に紐づく複数の契約書全てに対して契約書合意がされているか否かを判断し、契約書合意がされていると判断した契約書の数に応じて当該契約情報の契約状態情報の更新を行う。具体的な契約状態情報は後述する。
【0063】
また、更新手段15は、提供者端末2又は、解約手段16から契約情報の解約指示を受け付けると、当該契約情報に紐づく施設情報及び、サービス情報と、に対応する利用情報を更新する。
【0064】
また更新手段15は、サービス情報又は、施設情報に紐づく利用情報の更新を行う。本実施形態において、更新手段15は、施設情報の部屋番号毎に特定の契約状態情報が紐づいている場合、当該施設情報の利用情報を更新する。また、更新手段15は、サービス情報毎に契約情報が紐づいているか否かを判断し、当該サービス情報の利用情報を更新する。
【0065】
なお本実施形態において、更新手段15は、施設情報又はサービス情報に特定の契約状態情報の契約情報が紐づいている場合、当該施設情報又はサービス情報の利用情報を更新する。所定数以上の契約情報が施設情報又はサービス情報が紐づいているか否かを判断し、利用情報を更新してもよい。
【0066】
解約手段16は、契約情報が解約されているか否かを判断し、解約指示を受付手段12に送信する。本実施形態において、解約手段16は、契約情報の契約日及び、更新期間に基づいて、当該契約情報が契約継続されているか否かを判断し、契約継続されていないと判断した場合には、解約指示を受付手段12に送信する。
【0067】
削除手段17は、提供者端末2から受け付けた利用者情報の削除指示に基づいて、当該利用者情報の削除をし、当該利用者情報に紐づく契約情報及び、サービス情報の一方又は両方を削除する。本実施形態において、削除手段17は、利用者情報を削除すると、当該利用者情報に紐づく、契約情報及びサービス情報を特定し、当該特定した契約情報及びサービス情報を削除する。
【0068】
送信処理手段18は、アドレス発行手段11が生成したアドレスを利用者端末3に送信する。本実施形態における送信処理手段18は、受付手段12が提供者端末2から連絡先を受け付けると、当該連絡先を有する利用者端末3にユーザ登録画面の表示する為のURLを送信する。
【0069】
また、送信処理手段18は、作成処理手段14が契約書を作成すると、当該契約書を表示する為のURLを、当該契約書に含まれる利用者情報を有する利用者端末3に送信する。より好ましい形態では、送信処理手段18は、契約書を表示する為のURLを送信した利用者端末3に契約書への署名の入力を促す通知を送信する。
【0070】
表示処理手段19は、契約作成画面を表示処理する。具体的な表示処理結果は後述する。また、表示処理手段19は、契約書及び、署名がされた契約書を表示処理する。また更に、表示処理手段19は、ユーザ登録画面を表示処理する。
【0071】
<契約処理フロー>
次に、契約管理システムを用いた契約管理方法の説明及び、各機能構成による処理内容について説明する。
図5は、提供者及び、利用者間における契約完了処理の概要を示すシーケンス図である。
【0072】
まずステップS101(以下、「ステップSXXX」の「ステップ」を省略する)において、提供者は、利用者端末3から電話又はメールで問合せを受け付ける。そして、提供者端末2の入力部94は、連絡先として当該利用者の電話番号及び/又はメールアドレスの入力を提供者から受け付ける。なお、本実施形態では提供者は、利用者端末3から直接電話問合せを受け付けるが、仲介者が利用者端末3から問合せを受け付け、当該仲介者の仲介者端末4を介して利用者の連絡先を受け付けてもよい。
【0073】
また、本実施形態において提供者端末2は、電話問合せ等で連絡先を受け付けるが、利用者端末に表示される問合せフォームを介して、利用者端末3の入力部94が受け付けた連絡先を、利用者端末3の通信部93を介して受け付けてもよい。
【0074】
次いで、S102では、受付手段12は、S101において受け付けた利用者端末3の連絡先及び、提供者識別情報及を、提供者端末2の通信部93から受け付ける。そして、S103においてアドレス発行手段11は、利用者の利用者情報を入力する為のユーザ登録画面を表示するアドレスであって、提供者識別情報及び、当該生成したランダムな文字列を含むURLを発行する。本実施形態では、提供者識別情報及び、ランダムな文字列を結合し、パラメータとしてURLに含める。また、アドレス発行手段11は、受付手段12が受け付けた連絡先及び、URL又はランダムな文字列を紐づけて記憶部102に格納する。
【0075】
S104において、送信処理手段18は、S102において受け付けた連絡先を有する利用者端末3の通信部93に対して、当該利用者の利用者情報の入力を受け付けるユーザ登録画面を表示するURLを送信する。そして、表示処理手段19は、利用者端末3から当該URLを介してユーザ登録画面の表示要求を受け付け、ユーザ登録画面の表示処理結果を利用者端末3に送信する。そして、利用者端末3の出力部95は表示処理結果を表示する。
【0076】
S105では、利用者端末3の入力部94は、ユーザ登録画面を介して、氏名、代理人との関係及び、要介護度の入力を利用者情報として受け付ける。そして、S106において、受付手段12は、当該利用者情報及び、URLに紐づけられた提供者識別情報を利用者端末3の通信部93を介して受け付ける。
【0077】
S107において、紐付手段13は、S102で格納された連絡先とURLが紐づいた情報に基づいて、提供者識別情報を特定し、正しいURLから利用者情報を受信した場合に、S106で受付手段12が受け付けた利用者情報及び、当該利用者情報が入力されたユーザ登録画面のURLに含まれる提供者識別情報を紐づけて、契約情報として記憶部102に格納する。
【0078】
S108において、表示処理手段19は、契約作成画面の表示要求を提供者端末2の通信部93から受け付けて、S109において、契約作成画面の表示処理結果を提供者端末2の通信部93に送信する。そして、S110において、提供者端末2の入力部94は、契約入力情報として、施設情報及び、利用者情報の入力を受け付け、S111において、受付手段12は、提供者端末2の通信部93を介して当該契約入力情報を受け付ける。
【0079】
図6、
図7は、契約作成画面の表示例である。
図6は、施設の運営管理を行う提供者の提供者端末2における施設契約作成画面W1の表示例である。施設契約作成画面W1は、契約内容選択部W11及び、契約書選択部W12を含む。
【0080】
契約内容選択部W11は、利用者情報、施設、部屋番号を選択入力可能に表示する。本実施形態において契約内容選択部W11は、提供者端末2の提供者情報と契約情報を介して紐づく利用者の氏名、当該提供者情報の会社IDと紐づく施設名及び、当該施設名と紐づく部屋番号を選択入力可能に表示する。より好ましい形態では、利用情報が「満室」となっている部屋番号に対しては表示されないように構成される。
【0081】
契約書選択部W12は、契約書テンプレートを選択入力可能に表示される。本実施形態において、契約書選択部W12は、提供者端末2の記憶部92に格納された複数の契約書テンプレートを選択入力可能に表示する。
【0082】
そして、提供者端末2の入力部94が、利用者情報及び、施設情報の選択入力を受け付け、更に登録に係る入力を受け付けると、受付手段12は、当該利用者情報及び、施設情報を契約入力情報として受け付ける。
【0083】
また
図7は、福祉事業サービスの提供者の提供者端末2において表示される福祉事業サービス契約作成画面W2の表示例であり、提供者は、当該画面において選択した情報に該当する利用者と契約を交わす。福祉事業サービス契約作成画面W2は、契約内容選択部W21及び、契約書選択部W22を含む。
【0084】
図7(a)は、契約内容選択部W21において、入居フラグのうち「入居」が選択された福祉事業サービス契約作成画面W2を示している。契約内容選択部W21は、会社名、施設名、部屋番号及び、利用者の氏名を選択入力可能に表示し、利用者情報を表示する。また、契約書選択部W22は、提供者端末2の記憶部92に格納された複数の契約書テンプレートを選択入力可能に表示される。
【0085】
本実施形態において契約内容選択部W21は、入居フラグのうち「入居」が選択された場合、施設情報として施設を運営管理する会社の会社名、当該会社名に紐づく施設名及び、部屋番号と、利用者情報として利用者氏名と、の選択入力を受け付ける。また、契約内容選択部W21は、利用者の氏名が選択されると、当該利用者の氏名に紐づく利用者情報として、氏名、生年月日及び、要介護度を表示する。
【0086】
一方、
図7(b)は、契約内容選択部W21において、入居フラグのうち「在宅」が選択された福祉事業サービス契約作成画面W2を示している。契約内容選択部W21は、利用者情報を入力可能に表示する。本実施形態において、契約内容選択部W21は、「在宅」が選択されている場合、利用者情報として氏名、生年月日及び、要介護度の入力を受け付ける。そして、契約内容選択部W21は、事前に登録された利用者情報のうち、当該入力された情報と紐づく利用者氏名を抽出してリスト表示する。
【0087】
そして、提供者端末2の入力部94が、抽出された利用者氏名からひとつの利用者氏名の選択入力を受け付け、更に登録に係る入力を受け付けると、受付手段12は、当該利用者氏名に紐づく利用者情報を契約入力情報として受け付ける。
【0088】
なお本実施形態では、受付手段12は、契約入力情報として施設名及び、利用者氏名を受け付けるが、施設名及び、利用者氏名に加えて、提供者に紐づく複数のサービス情報のうち契約を行うサービス名の選択入力を受け付けてもよい。
【0089】
また、本実施形態では、提供者端末2において福祉事業サービス契約作成画面W2が表示され、会社名、施設名及び、部屋番号の入力を受け付けたが、仲介者端末4において福祉事業サービス契約作成画面W2が表示され、会社名、施設名及び、部屋番号に加えて、福祉事業サービスを提供する提供者名又は会社名の選択を受け付けてもよい。
【0090】
また、本実施形態において、入居フラグのうち「入居」が選択されている場合、利用者氏名が選択されることによって、利用者情報が表示されるが、利用者情報が入力されることによって、当該利用者情報と紐づく利用者氏名のみが選択入力可能にリスト表示されてもよい。
【0091】
また、本実施形態において、入居フラグのうち「在宅」が選択されている場合、利用者情報が入力されることによって、利用者氏名がリスト表示されるが、利用者氏名が選択入力されることによって、当該利用者氏名に紐づく利用者情報を表示されてもよい。また、何れかの利用者情報が入力されることによって、当該利用者情報に紐づく利用者情報を特定し表示しても良い。
【0092】
S112において、作成処理手段14は、契約入力情報に基づいて、契約書テンプレート毎に、利用者情報及び、施設情報を含む契約書を作成処理し、記憶部102に格納する。そして、送信処理手段18は、当該契約書を表示する為のURLを利用者端末3の通信部93に送信処理する。
【0093】
S113において表示処理手段19は、S112において作成された契約書の表示要求を、当該URLを介して利用者端末3の通信部93から受け付け、S114において当該契約書の表示処理結果を利用者端末3の通信部93に送信する。
【0094】
S115では、利用者端末3の入力部94は、出力部95が表示した契約書への署名として、利用者の氏名及び/又は、利用者を特定する電子署名の入力を受け付ける。そして、S116において、受付手段12は、当該署名が入力された契約書を受け付ける。
【0095】
S117において表示処理手段19は、S116において受付手段12が受け付けた署名が入力された契約書の表示要求を、提供者端末2から受け付けると、S118において当該契約書の表示処理結果を提供者端末2に送信する。
【0096】
S119では、提供者端末2の入力部94は、出力部95が表示した署名された契約書に対する承認入力情報を受け付ける。そして、S120において、受付手段12は、当該承認入力情報を提供者端末2の通信部93から受け付ける。
【0097】
S121では、更新手段15は、承認入力情報を受け付けることを契機に、契約書毎の契約書状態情報を更新する。そして、更新手段15は、契約情報の契約状態情報を更新する。
【0098】
なお、S112において作成処理手段14が複数の契約書を作成した場合は、S113~S121を繰り返し、更新手段15は、S112において作成処理手段14が作成した全ての契約書に対して、署名及び、承認入力情報の入力を受け付けることを契機に、契約情報の契約状態情報を更新する。
【0099】
図8は、施設の運営管理を行う提供者の提供者端末2に表示される契約情報確認画面の表示例である。
図8(a)は、施設及び、部屋番号毎の利用情報を含む利用情報一覧表W3を示している。
図8(b)は利用情報一覧表W3の行の選択を受け付けた場合の、当該選択された行の施設情報に紐づく、利用者情報及び、各契約書情報の契約書状態情報を含む契約書状態一覧表W4を示している。
【0100】
図9は、福祉事業サービスを提供する提供者の提供者端末2において表示される契約情報確認画面の表示例である。
図9(a)は、契約情報毎の、利用者氏名、施設名、契約日及び、契約状態情報を含む契約状態一覧表W5を示している。本実施形態において更新手段15は、全ての契約書状態情報が「契約完了」の場合「契約完了」、少なくともひとつでも契約書状態情報に「契約完了」がない場合「確認中」、全ての契約書状態情報が「契約完了」でない場合には「未契約」として契約状態情報を更新する。
【0101】
なお、契約状態一覧表W5は、利用者氏名、施設名、契約日及び、契約状態情報に加えて、提供者情報に紐づくサービス情報の利用情報を含んでもよい。
【0102】
また更新手段15は、受付手段12が契約の解約に係る解約指示の入力を提供者端末2から受け付けた契約情報に紐づく契約状態情報を「破棄」として更新する。また更に更新手段15は、解約手段16が契約継続されていないと判断した契約情報に紐づく契約状態情報を「契約終了」として更新する。そして、表示処理手段19は、更新された契約状態情報を含む契約状態一覧表W5を表示処理する。
【0103】
図9(b)は、契約状態一覧表W5の行の選択を受け付けた場合の、当該選択された契約情報に紐づく利用者情報及び、各契約書情報の契約書状態を含む契約書状態一覧表W6を示している。
【0104】
本実施形態において更新手段15は、作成処理手段14が契約書を作成する前(S111)では「未契約」、契約書作成後から表示処理手段19が利用者端末3から契約書の表示要求を受け付けるまで(S112)は「契約中」、契約書の表示要求を受け付けてから受付手段12が利用者端末3から署名入力を受け付けるまで(S115)は「確認中」、署名の入力を受け付けてから受付手段12が提供者端末2から承認入力情報を受け付けるまで(S119)は「契約完了」として、各タイミングにおいて契約書状態情報を更新する。そして、表示処理手段19は、更新された契約書状態情報を含む契約書状態一覧表W6を表示処理する。
【0105】
なお、本実施形態において、更新手段15は、署名がされた契約書に対して提供者端末2から承認入力情報の入力を受け付けることを契機に契約書状態情報を更新したが、提供者端末2から承認入力情報の入力を受け付けた後に利用者端末3から署名の入力を受け付けたことを契機に、契約書状態情報を更新してもよい。
【0106】
なお、本実施形態において、契約情報確認画面は、提供者端末2において表示されるが、仲介者端末4において表示されてもよい。なおこの場合、利用情報一覧表W3及び、契約状態一覧表W5は、サービス名の列を更に含むことが好ましい。また仲介者端末4においては、契約書状態一覧表W4及び、契約書状態一覧表W6は表示されないように設定されることが好ましい。
【0107】
以上のように、サービスの利用を希望する利用者と当該サービスの提供者間における契約の一元管理を行うことができる。また本発明における契約は、全てネットワークを介して行われる為、わざわざサービス提供者のもとに赴き、契約書へのサインを行わなければならないという煩わしさを解消することができる。
【0108】
なお、本実施形態において、作成処理は、契約管理装置1において契約書を作成する処理を指すが、外部サーバに対して契約書を作成する指示を送信することで、契約書を作成する処理であってもよい。例えば、外部のサーバに契約書のテンプレートをアップロードしておき、作成する指示として、契約入力情報を送信して、当該外部サーバが契約書を作成することができる。また、本実施形態において、送信処理は、契約管理装置1において作成処理手段14が作成した契約書を利用者端末3に送信する処理を指すが、外部サーバにおいて作成された契約書を送信する指示を外部サーバに送信することで、契約書を利用者端末3に送信する処理であってもよい。
【0109】
また、本実施形態において、表示処理は、受付手段12が受け付けた表示要求に応じて作成処理手段14が作成した契約書を表示する処理を指すが、外部サーバが表示要求を受け付けた場合に、外部サーバにおいて作成された契約書を表示する指示を外部サーバに送信することで、当該契約書を表示する処理であってもよい。
【符号の説明】
【0110】
0 :契約管理システム
1 :契約管理装置
2 :提供者端末
3 :利用者端末
4 :仲介者端末
100 :サーバ
101 :処理部
102 :記憶部
103 :通信部
9 :端末
91 :処理部
92 :記憶部
93 :通信部
94 :入力部
95 :出力部
10 :記憶部
11 :アドレス発行部
12 :受付手段
13 :紐付手段
14 :作成処理手段
15 :更新手段
16 :解約手段
17 :削除手段
18 :送信処理手段
19 :表示処理手段
W1 :施設契約作成画面
W11 :契約内容選択部
W12 :契約書選択部
W2 :福祉事業サービス契約作成画面
W21 :契約内容選択部
W22 :契約書選択部
W3 :利用情報一覧表
W4 :契約書状態一覧表
W5 :契約状態一覧表
W6 :契約書状態一覧表
NW :通信ネットワーク