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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】バッテリー分類装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/396 20190101AFI20240709BHJP
   G01R 31/3828 20190101ALI20240709BHJP
   G01R 31/385 20190101ALI20240709BHJP
   G01R 31/389 20190101ALI20240709BHJP
   G01R 31/392 20190101ALI20240709BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20240709BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
G01R31/396
G01R31/3828
G01R31/385
G01R31/389
G01R31/392
H01M10/48 P
H02J7/00 Q
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022564773
(86)(22)【出願日】2022-03-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-31
(86)【国際出願番号】 KR2022003930
(87)【国際公開番号】W WO2022203322
(87)【国際公開日】2022-09-29
【審査請求日】2022-10-25
(31)【優先権主張番号】10-2021-0038129
(32)【優先日】2021-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャ、ア-ミン
(72)【発明者】
【氏名】ベ、ユーン-ジュン
【審査官】田口 孝明
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-096561(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2011-0107070(KR,A)
【文献】特許第6615964(JP,B2)
【文献】韓国登録特許第10-1819255(KR,B1)
【文献】特許第2609038(JP,B2)
【文献】韓国公開特許第10-2004-0107752(KR,A)
【文献】特開平06-249931(JP,A)
【文献】特開2007-095354(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC G01R 31/36-31/44、
H02J 7/00-7/12、
7/34-7/36、
H01M 10/42-10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーの電圧を測定し、前記バッテリーの電圧に対応する抵抗を測定する測定部と、
前記測定部によって測定された前記バッテリーの電圧及び抵抗についてのバッテリー情報を獲得し、前記バッテリー情報に基づいて前記電圧と前記抵抗との対応関係を示す抵抗プロファイルを生成するプロファイル生成部と、
前記抵抗プロファイルで抵抗値を基準にして基準抵抗を決定し、前記抵抗プロファイルにおける最高電圧に対応する参照抵抗を決定し、前記基準抵抗と前記参照抵抗に基づいて前記バッテリーの種類を前記バッテリーに含まれたニッケルの含量によって分類する制御部と、を含み、
前記参照抵抗は、前記基準抵抗より大きい、バッテリー分類装置。
【請求項2】
バッテリーの電圧を測定し、前記バッテリーの電圧に対応する抵抗を測定する測定部と、
前記測定部によって測定された前記バッテリーの電圧及び抵抗についてのバッテリー情報を獲得し、前記バッテリー情報に基づいて前記電圧と前記抵抗との対応関係を示す抵抗プロファイルを生成するプロファイル生成部と、
前記抵抗プロファイルで抵抗値を基準にして基準抵抗を決定し、前記抵抗プロファイルにおける最高電圧に対応する参照抵抗を決定し、前記基準抵抗と前記参照抵抗に基づいて前記バッテリーの種類を前記バッテリーに含まれたニッケルの含量によって分類する制御部と、を含み、
前記制御部は、
前記基準抵抗に対応する電圧と前記参照抵抗に対応する電圧との間のターゲット電圧区間でターゲット電圧を決定し、決定された前記ターゲット電圧を前記バッテリーに対する充電上限電圧に設定する、バッテリー分類装置。
【請求項3】
バッテリーの電圧を測定し、前記バッテリーの電圧に対応する抵抗を測定する測定部と、
前記測定部によって測定された前記バッテリーの電圧及び抵抗についてのバッテリー情報を獲得し、前記バッテリー情報に基づいて前記電圧と前記抵抗との対応関係を示す抵抗プロファイルを生成するプロファイル生成部と、
前記抵抗プロファイルで抵抗値を基準にして基準抵抗を決定し、前記抵抗プロファイルにおける最高電圧に対応する参照抵抗を決定し、前記基準抵抗と前記参照抵抗に基づいて前記バッテリーの種類を前記バッテリーに含まれたニッケルの含量によって分類する制御部と、を含み、
前記測定部は、
前記バッテリーが充電される過程で前記バッテリーの容量を算出し、算出されたバッテリーの容量が予め決められた割合で増加する度に前記電圧及び前記抵抗を測定する、バッテリー分類装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記抵抗プロファイルにおける最低抵抗値を前記基準抵抗に決定する、請求項1から3のいずれか一項に記載のバッテリー分類装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記基準抵抗に基づいて臨界抵抗を設定し、設定された前記臨界抵抗と前記参照抵抗を比較して、比較結果によって前記バッテリーの種類を分類する、請求項1から4のいずれか一項に記載のバッテリー分類装置。
【請求項6】
前記バッテリーの種類は、前記バッテリーに含まれたニッケルの含量によって高ニッケル系バッテリーまたは低ニッケル系バッテリーに分類され、
前記制御部は、
前記参照抵抗が前記臨界抵抗以上である場合、前記バッテリーを高ニッケル系バッテリーに分類し、
前記参照抵抗が前記臨界抵抗未満である場合、前記バッテリーを低ニッケル系バッテリーに分類する、請求項に記載のバッテリー分類装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記基準抵抗に予め設定された基準割合を適用して前記臨界抵抗を設定する、請求項5または6に記載のバッテリー分類装置。
【請求項8】
前記バッテリーの種類は、
前記バッテリーに含まれたニッケルの含量によって高ニッケル系バッテリーまたは低ニッケル系バッテリーに分類するように構成され、
前記制御部は、
前記バッテリーが前記高ニッケル系バッテリーに分類された場合、前記バッテリーに対する前記充電上限電圧を設定する、請求項に記載のバッテリー分類装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記ターゲット電圧区間から各々の電圧に対する抵抗の抵抗変化率を算出し、算出された前記抵抗変化率が予め設定された基準値以上である電圧のうちで最低電圧を前記充電上限電圧に設定する、請求項2または8に記載のバッテリー分類装置。
【請求項10】
前記制御部は、
前記ターゲット電圧区間で前記基準抵抗を基準にして抵抗平坦区間を決定し、決定された前記抵抗平坦区間の終了電圧を前記充電上限電圧に設定する、請求項2、8または9のいずれか一項に記載のバッテリー分類装置。
【請求項11】
前記制御部は、
前記ターゲット電圧区間のうちで前記基準抵抗から予め設定された臨界値以下の抵抗区間に対応する電圧区間を決定し、決定された電圧区間を前記抵抗平坦区間に決定する、請求項10に記載のバッテリー分類装置。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載のバッテリー分類装置を含む、バッテリーパック。
【請求項13】
バッテリーの電圧を測定し、前記バッテリーの電圧に対応する抵抗を測定する測定段階と、
前記バッテリーの電圧及び抵抗に基づいて前記電圧と前記抵抗との対応関係を示す抵抗プロファイルを生成する抵抗プロファイル生成段階と、
前記抵抗プロファイルで抵抗値を基準にして基準抵抗を決定し、前記抵抗プロファイルにおける最高電圧に対応する参照抵抗を決定する基準抵抗及び参照抵抗決定段階と、
前記基準抵抗と前記参照抵抗に基づいて前記バッテリーの種類を前記バッテリーに含まれたニッケルの含量によって分類するバッテリー分類段階と、を含み、
前記参照抵抗は、前記基準抵抗より大きい、バッテリー分類方法。
【請求項14】
前記バッテリー分類段階の後、
前記基準抵抗に対応する電圧と前記参照抵抗に対応する電圧との間のターゲット電圧区間でターゲット電圧を決定し、決定されたターゲット電圧を前記バッテリーに対する充電上限電圧に設定する充電上限電圧設定段階をさらに含む、請求項13に記載のバッテリー分類方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリー分類装置及び方法に関し、より詳細しくは、非破壊的な方式でバッテリーの種類が分類可能なバッテリー分類装置及び方法に関する。
【0002】
本出願は、2021年3月24日出願の韓国特許出願第10-2021-0038129号に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
最近、ノートブックPC、ビデオカメラ、携帯電話などのような携帯用電子製品の需要が急増し、電気車両、エネルギー貯蔵用蓄電池、ロボット、衛星などの開発が本格化するにつれ、反復的な充放電の可能な高性能バッテリーについての研究が活発に進行しつつある。
【0004】
現在、商用化したバッテリーとしては、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウムバッテリーなどがあり、このうち、リチウムバッテリーは、ニッケル系のバッテリーに比べてメモリー効果がほとんど起こらず、充放電が自由で、自己放電率が非常に低くてエネルギー密度が高いという長所から脚光を浴びている。
【0005】
このようなバッテリーは、正極に含まれたニッケルの含量によって高ニッケル系バッテリーまたは低ニッケル系バッテリーに分けられる。通常、高ニッケル系バッテリーと低ニッケル系バッテリーは、正極材に含まれたニッケルの含量を基準にして分けられる。例えば、ニッケルの含量が80%以上であれば、高ニッケル系バッテリーに分類され、ニッケルの含量が80%未満であれば、低ニッケル系バッテリーに分類される。
【0006】
従来には、バッテリーの正極材の組成が知らないアンノーン(unknown)バッテリーが収去された場合、アンノーンバッテリーの種類を分類するためには、バッテリーを分解した後に実験によってアンノーンバッテリーの正極材の組成を直接確認した。この場合、バッテリーを分解及び再組立する過程で相当の費用と時間がかかり、技術者の熟練度によってバッテリー爆発などの事故が発生し得る問題がある。
【0007】
そこで、非破壊的な方式でバッテリーの正極材の組成によってバッテリーの種類が分類可能な技術の開発が求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、バッテリーの電圧及び抵抗に対するバッテリー情報に基づいて、非破壊的な方式でバッテリーの種類が分類可能なバッテリー分類装置及び方法を提供することを目的とする。
【0009】
本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解でき、本発明の実施例によってより明らかに理解されるであろう。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示される手段及びその組合せによって実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一面によるバッテリー分類装置は、バッテリーの電圧を測定し、前記バッテリーの電圧に対応する抵抗を測定するように構成された測定部と、前記測定部によって測定された前記バッテリーの電圧及び抵抗についてのバッテリー情報を獲得し、前記バッテリー情報に基づいて前記電圧と前記抵抗との対応関係を示す抵抗プロファイルを生成するように構成されたプロファイル生成部と、前記抵抗プロファイルで抵抗値を基準にして基準抵抗を決定し、前記抵抗プロファイルにおける最高電圧に対応する参照抵抗を決定し、前記基準抵抗と前記参照抵抗に基づいて前記バッテリーの種類を前記バッテリーに含まれたニッケルの含量によって分類するように構成された制御部と、を含み得る。
【0011】
前記制御部は、前記抵抗プロファイルにおける最低抵抗値を前記基準抵抗に決定するように構成され得る。
【0012】
前記制御部は、前記基準抵抗に基づいて臨界抵抗を設定し、設定された臨界抵抗と前記参照抵抗を比較して、比較結果によって前記バッテリーの種類を分類するように構成され得る。
【0013】
前記バッテリーの種類は、前記バッテリーに含まれたニッケルの含量によって高ニッケル系バッテリーまたは低ニッケル系バッテリーに分類するように構成され得る。
【0014】
前記制御部は、前記参照抵抗が前記臨界抵抗以上である場合、前記バッテリーを高ニッケル系バッテリーに分類するように構成され得る。
【0015】
前記制御部は、前記参照抵抗が前記臨界抵抗未満である場合、前記バッテリーを低ニッケル系バッテリーに分類するように構成され得る。
【0016】
前記制御部は、前記基準抵抗に予め設定された基準割合を適用して前記臨界抵抗を設定するように構成され得る。
【0017】
前記制御部は、前記基準抵抗に対応する電圧と前記参照抵抗に対応する電圧との間のターゲット電圧区間でターゲット電圧を決定し、決定されたターゲット電圧を前記バッテリーに対する充電上限電圧に設定するように構成され得る。
【0018】
前記制御部は、前記バッテリーが前記高ニッケル系バッテリーに分類された場合、前記バッテリーに対する前記充電上限電圧を設定するように構成され得る。
【0019】
前記制御部は、前記ターゲット電圧区間から各々の電圧に対する抵抗の抵抗変化率を算出し、算出された抵抗変化率が予め設定された基準値以上である電圧のうちで最低電圧を前記充電上限電圧に設定するように構成され得る。
【0020】
前記制御部は、前記ターゲット電圧区間で前記基準抵抗を基準にして抵抗平坦区間を決定し、決定された抵抗平坦区間の終了電圧を前記充電上限電圧に設定するように構成され得る。
【0021】
前記制御部は、前記ターゲット電圧区間のうちで前記基準抵抗から予め設定された臨界値以下の抵抗区間に対応する電圧区間を決定し、決定された電圧区間を前記抵抗平坦区間に決定するように構成され得る。
【0022】
前記測定部は、前記バッテリーが充電される過程で前記バッテリーの容量を算出し、算出されたバッテリーの容量が予め決められた割合で増加する度に前記電圧及び前記抵抗を測定するように構成され得る。
【0023】
本発明の他面によるバッテリーパックは、本発明の一面によるバッテリー分類装置を含み得る。
【0024】
本発明のさらに他面によるバッテリー分類方法は、バッテリーの電圧を測定し、前記バッテリーの電圧に対応する抵抗を測定する測定段階と、前記バッテリーの電圧及び抵抗に基づいて前記電圧と前記抵抗との対応関係を示す抵抗プロファイルを生成する抵抗プロファイル生成段階と、前記抵抗プロファイルで抵抗値を基準にして基準抵抗を決定し、前記抵抗プロファイルにおける最高電圧に対応する参照抵抗を決定する基準抵抗及び参照抵抗決定段階と、前記基準抵抗と前記参照抵抗に基づいて前記バッテリーの種類を前記バッテリーに含まれたニッケルの含量によって分類するバッテリー分類段階と、を含み得る。
【0025】
本発明のさらに他面によるバッテリー分類方法は、前記バッテリー分類段階の後、前記基準抵抗に対応する電圧と前記参照抵抗に対応する電圧との間のターゲット電圧区間でターゲット電圧を決定し、決定されたターゲット電圧を前記バッテリーに対する充電上限電圧に設定する充電上限電圧設定段階をさらに含み得る。
【発明の効果】
【0026】
本発明の一面によると、バッテリーに対する電圧と抵抗との対応関係に基づいて、非破壊的な方式でバッテリーの種類が具体的に分類可能な長所がある。
【0027】
本発明の効果は上述した効果に制限されず、言及されていない本発明の他の効果は請求範囲の記載から当業者により明らかに理解されるだろう。
【0028】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施例を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の一実施例によるバッテリー分類装置を概略的に示した図である。
図2】本発明の一実施例による第1抵抗プロファイル及び第2抵抗プロファイルを概略的に示した図である。
図3図2の第1抵抗プロファイルをより具体的に示した図である。
図4図2の第2抵抗プロファイルをより具体的に示した図である。
図5図2の第1抵抗プロファイルに基づいてバッテリーの充電上限電圧が設定される実施例を示した図である。
図6図2の第1抵抗プロファイルに基づいてバッテリーの充電上限電圧が設定される実施例を示した図である。
図7】本発明の他の実施例によるバッテリーパックの例示的構成を概略的に示した図である。
図8】本発明のさらに他の実施例によるバッテリー分類方法を概略的に示した図である。
図9】本発明のさらに他の実施例によるバッテリー分類方法を概略的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
【0031】
したがって、本明細書に記載された実施例及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0032】
また、本発明に関連する公知の機能または構成についての具体的な説明が、本発明の要旨をぼやかすと判断される場合、その説明を省略する。
【0033】
第1、第2などのように序数を含む用語は、多様な構成要素のうちいずれか一つを残りと区別する目的として使用され、このような用語によって構成要素が限定されることではない。
【0034】
なお、明細書の全体にかけて、ある部分が、ある構成要素を「含む」とするとき、これは特に反する記載がない限り、他の構成要素を除くことではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0035】
さらに、明細書の全体に亘って、ある部分が他の部分と「連結(接続)」されているとするとき、これは、「直接的に連結(接続)」されている場合のみならず、その中間に他の素子を介して「間接的に連結(接続)」されている場合も含む。
【0036】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。
【0037】
図1は、本発明の一実施例によるバッテリー分類装置100を概略的に示した図である。
【0038】
図1を参照すると、バッテリー分類装置100は、測定部110、プロファイル生成部120及び制御部130を含み得る。
【0039】
測定部110は、バッテリーの電圧を測定し、バッテリーの電圧に対応する抵抗を測定するように構成され得る。
【0040】
ここで、バッテリーは、負極端子及び正極端子を備え、物理的に分離可能な一つの独立したセルを意味する。一例で、リチウムイオン電池またはリチウムポリマー電池がバッテリーとして看做され得る。また、バッテリーは、複数のセルが直列及び/または並列に接続されたバッテリーモジュールを意味し得る。以下では、説明の便宜のために、バッテリーが一つの独立したセルを意味することに説明する。
【0041】
具体的には、測定部110は、バッテリーの開路電圧(Open circuit voltage;OCV)を測定し得る。また、測定部110は、バッテリーの開放電圧を測定した後、バッテリーへパルス信号を出力して所定の時間の間の電圧変化に基づいてバッテリーの抵抗を測定し得る。
【0042】
例えば、測定部110は、バッテリーへ0.5C(C-rate)のパルス信号を出力し、0.1秒間のバッテリーの電圧変化に基づいてバッテリーの抵抗を測定し得る。この場合、測定部110によって測定された抵抗は「0.1秒抵抗」に定義され得る。
【0043】
より具体的には、測定部110は、バッテリーが充電される過程で充電電流を積算してバッテリーの容量を算出するように構成され得る。そして、測定部110は、算出されたバッテリーの容量が予め決められた割合で増加する度に電圧及び抵抗を測定するように構成され得る。
【0044】
例えば、測定部110は、バッテリーの容量が2%ずつ増加する度にバッテリーの電圧及び抵抗を測定し得る。
【0045】
プロファイル生成部120は、測定部110によって測定されたバッテリーの電圧及び抵抗に関わるバッテリー情報を獲得するように構成され得る。
【0046】
例えば、プロファイル生成部120と測定部110は、互いに通信可能に接続され得る。測定部110は、測定したバッテリーの電圧及び抵抗に関わるバッテリー情報をプロファイル生成部120に出力し、プロファイル生成部120は、測定部110からバッテリー情報を受信し得る。
【0047】
プロファイル生成部120は、バッテリー情報に基づいて電圧と抵抗との対応関係を示す抵抗プロファイルを生成するように構成され得る。
【0048】
具体的には、抵抗プロファイルは、測定部110がバッテリーの容量が予め決められた割合で増加する度に測定した電圧と抵抗との対応関係を示すプロファイルであり得る。例えば、抵抗プロファイルは、Xを電圧に設定し、Yを抵抗に設定した場合、X-Yグラフとして示され得る。
【0049】
図2は、本発明の一実施例による第1抵抗プロファイルP1及び第2抵抗プロファイルP2を概略的に示した図である。
【0050】
図2の実施例において、第1抵抗プロファイルP1は第1バッテリーに対する抵抗プロファイルであって、3.4V以上4.2V以下の電圧範囲に対する電圧と抵抗との対応関係を示すプロファイルである。具体的には、第1抵抗プロファイルP1は、第1バッテリーの容量が2%ずつ増加する度に第1バッテリーの電圧(具体的には、開放電圧)と抵抗との対応関係を示すプロファイルである。
【0051】
また、図2の実施例で、第2抵抗プロファイルP2は第2バッテリーに対する抵抗プロファイルであって、3.4V以上4.2V以下の電圧範囲に対する電圧と抵抗との対応関係を示すプロファイルである。具体的には、第2抵抗プロファイルP2は、第2バッテリーの容量が2%ずつ増加する度に第2バッテリーの電圧(具体的には、開放電圧)と抵抗との対応関係を示すプロファイルである。
【0052】
制御部130とプロファイル生成部120は、互いに通信可能に接続され得る。
【0053】
例えば、制御部130とプロファイル生成部120は、無線及び/または有線で互いに接続され、制御部130は、プロファイル生成部120から生成された抵抗プロファイルを受信し得る。
【0054】
制御部130は、抵抗プロファイルで抵抗値を基準にして基準抵抗を決定するように構成され得る。
【0055】
望ましくは、制御部130は、抵抗プロファイルにおける最低抵抗値を基準抵抗に決定するように構成され得る。
【0056】
例えば、図2の実施例で、第1抵抗プロファイルP1における最低抵抗値は1Ωであり、最低抵抗値に対応する電圧は3.96Vであり得る。また、第2抵抗プロファイルP2における最低抵抗値は1Ωであり、最低抵抗値に対応する電圧は4.08Vであり得る。したがって、制御部130は、第1抵抗プロファイルP1及び第2抵抗プロファイルP2に対する基準抵抗R1STD、R2STDを1Ωに決定し得る。
【0057】
制御部130は、抵抗プロファイルにおける最高電圧に対応する参照抵抗を決定するように構成され得る。
【0058】
例えば、抵抗プロファイルにおける最高電圧は、バッテリーに対する充電が終了した充電終了電圧であり得る。制御部130は、バッテリーに対する充電終了電圧に対応する抵抗値を参照抵抗として決定し得る。
【0059】
図3は、図2の第1抵抗プロファイルP1をより具体的に示した図である。
【0060】
例えば、図3の実施例で、第1バッテリーは3.4Vから4.2Vまで充電され得る。制御部130は、第1抵抗プロファイルP1の最低抵抗値である1Ωを基準抵抗R1STDに決定し、充電終了電圧V1EOCである4.2Vに対応する抵抗値である1.1Ωを参照抵抗R1REFに決定し得る。
【0061】
制御部130は、基準抵抗と参照抵抗に基づいてバッテリーの種類をバッテリーに含まれたニッケルの含量によって分類するように構成され得る。
【0062】
ここで、バッテリーの種類は、バッテリーの正極材に含まれたニッケルの含量によって分けられ得る。例えば、バッテリーの正極材に含まれたニッケル含量が80%以上であれば、高ニッケル系バッテリーに分類し得る。一方、ニッケル含量が80%未満であれば、低ニッケル系バッテリーに分類し得る。
【0063】
本発明の一実施例によるバッテリー分類装置100は、バッテリーに対する電圧と抵抗との対応関係に基づき、非破壊的な方式でバッテリーの種類を具体的に分類可能な長所がある。
【0064】
また、バッテリー分類装置100は、1回のサイクル(1回の完全充電サイクル)の間のバッテリーの電圧及び抵抗に基づいてバッテリーの種類を具体的に分類可能であるので、バッテリーの種類を分類する過程でバッテリーが退化することを最小化することができる。
【0065】
例えば、バッテリーの正極材の組成が知らないアンノーン(unknown)バッテリーが収去された場合、バッテリー分類装置100は、バッテリーの電圧及び抵抗に基づいて、非破壊的な方式でアンノーンバッテリーを高ニッケル系バッテリーまたは低ニッケル系バッテリーに分類し得る。
【0066】
一方、バッテリー分類装置100に備えられた制御部130は、本発明で行われる多様な制御ロジッグを実行するために当業界に知られたプロセッサー、ASIC(application-specific integrated circuit;特定用途向け集積回路)、他のチップセット、論理回路、レジスター、通信モデム、データ処理装置などを選択的に含み得る。また、制御ロジッグがソフトウェアに具現されるとき、制御部130は、プログラムモジュールの集合として具現され得る。この際、プログラムモジュールは、メモリーに保存され、制御部130によって実行され得る。メモリーは、制御部130の内部または外部に存在してもよく、公知の多様な手段で制御部130と接続され得る。
【0067】
また、バッテリー分類装置100は、保存部140をさらに含み得る。保存部140は、バッテリー分類装置100の各構成要素が動作及び機能を行うのに必要なデータやプログラムまたは動作及び機能が行われる過程で生成されるデータなどを保存し得る。保存部140は、データを記録、消去、更新及び読出可能な公知の情報保存手段であれば、その種類は特に制限されない。一例として、情報保存手段には、RAM、フラッシュメモリー(登録商標)、ROM、EEPROM、レジスターなどが挙げられる。また、保存部140は、制御部130によって実行可能なプロセスが定義されたプログラムコードを保存し得る。
【0068】
例えば、保存部140は、測定部110、プロファイル生成部120及び制御部130と接続され得る。保存部140は、測定部110によって測定された電圧及び抵抗を含むバッテリー情報を保存し得る。そして、プロファイル生成部120は、測定部110からバッテリー情報を直接受信可能であるだけでなく、保存部140にアクセスして保存部140に保存されたバッテリー情報を獲得することも可能である。
【0069】
また、保存部140は、プロファイル生成部120によって生成された抵抗プロファイルを保存し得る。そして、制御部130は、プロファイル生成部120から抵抗プロファイルを直接受信可能であるだけでなく、保存部140にアクセスして保存部140に保存された抵抗プロファイルを獲得することも可能である。
【0070】
以下では、バッテリー分類装置100がバッテリーの種類を分類する実施例について具体的に説明する。
【0071】
制御部130は、基準抵抗に基づいて臨界抵抗を設定するように構成され得る。
【0072】
具体的には、制御部130は、基準抵抗に予め設定された基準割合を適用して臨界抵抗を設定するように構成され得る。
【0073】
ここで、基準割合は、高ニッケル系バッテリーと低ニッケル系バッテリーの正極特性を考慮して設定された割合であり得る。例えば、高ニッケル系バッテリーは、ニッケル含量が多い正極特性によって、充電末端における抵抗が基準抵抗より大きく増加し得る。これに対し、低ニッケル系バッテリーは、ニッケル含量が少ない正極特性によって、充電末端における抵抗が基準抵抗と大きい差を有さないことがある。即ち、基準割合は、充電末端における抵抗として現れる高ニッケル系バッテリーの正極特性と低ニッケル系バッテリーの正極特性を考慮して設定された割合であり得る。例えば、基準割合は5%として予め設定され得る。
【0074】
例えば、図3の実施例で、基準割合が5%として予め設定されたと仮定する。制御部130は、第1抵抗プロファイルP1で基準抵抗R1STDを1Ωに決定し得る。制御部130は、基準抵抗R1STDである1Ωに、基準割合である5%を適用した抵抗値1.05Ωを臨界抵抗に設定し得る。
【0075】
制御部130は、設定された臨界抵抗と参照抵抗を比較するように構成され得る。
【0076】
具体的には、制御部130は、設定された臨界抵抗と参照抵抗との絶対値を比較し得る。
【0077】
制御部130は、比較結果によってバッテリーの種類を分類するように構成され得る。
【0078】
例えば、制御部130は、参照抵抗が臨界抵抗以上である場合、バッテリーを高ニッケル系バッテリーに分類するように構成され得る。一方、制御部130は、参照抵抗が臨界抵抗未満である場合、バッテリーを低ニッケル系バッテリーに分類するように構成され得る。
【0079】
図3の実施例で、第1抵抗プロファイルP1の臨界抵抗R1THは1.05Ωであり、参照抵抗R1REFは1.1Ωであり得る。参照抵抗R1REFが臨界抵抗R1TH以上であることから、制御部130は第1バッテリーを高ニッケル系バッテリーに分類し得る。即ち、制御部130は、第1バッテリーを正極材に含まれたニッケル含量が80%以上であるバッテリーに分類し得る。
【0080】
図4は、図2の第2抵抗プロファイルP2をより具体的に示した図である。
【0081】
図4の実施例で、第2抵抗プロファイルP2において最低抵抗値は1Ωであり、最低抵抗値に対応する電圧は4.08Vであり得る。これによって、制御部130は、第2抵抗プロファイルP2に対する基準抵抗R2STDを1Ωに決定し得る。
【0082】
そして、第2バッテリーは3.4Vから4.2Vまで充電され得る。制御部130は、第2バッテリーの充電終了電圧V2EOCである4.2Vに対応する抵抗値である1.015Ωを参照抵抗R2REFに決定し得る。
【0083】
図4の実施例で、基準割合が5%に予め設定されたと仮定する。制御部130は、第2抵抗プロファイルP2の基準抵抗R2STDである1Ωに、基準割合である5%を適用した抵抗値1.05Ωを臨界抵抗R2THに設定し得る。
【0084】
そして、参照抵抗R2REFが臨界抵抗R2TH未満であるので、制御部130は第2バッテリーを低ニッケル系バッテリーに分類し得る。即ち、制御部130は、第2バッテリーを正極材に含まれたニッケル含量が80%未満であるバッテリーに分類し得る。
【0085】
以下では、バッテリー分類装置100がバッテリーの種類を分類した後、各バッテリーに対する充電上限電圧を設定する実施例について具体的に説明する。
【0086】
図5及び図6は、図2の第1抵抗プロファイルP1に基づいてバッテリーの充電上限電圧が設定される実施例を示した図である。
【0087】
望ましくは、制御部130は、バッテリーが高ニッケル系バッテリーに分類された場合、バッテリーに対する充電上限電圧を設定するように構成され得る。
【0088】
例えば、図2を参照すると、第1バッテリーと第2バッテリーが同じ電圧区間(3.4V~4.2V)で充電されても、充電末端では、高ニッケル系バッテリーである第1バッテリーの抵抗が低ニッケル系バッテリーである第2バッテリーより増加し得る。これによって、制御部130は、高ニッケル系バッテリーに分類されたバッテリーの充電上限電圧を設定することで、正極特性によって充電末端でバッテリーの退化が加速することを防止できる。
【0089】
具体的には、制御部130は、基準抵抗に対応する電圧と参照抵抗に対応する電圧との間のターゲット電圧区間VRでターゲット電圧を決定するように構成され得る。そして、制御部130は、決定されたターゲット電圧をバッテリーに対する充電上限電圧に設定するように構成され得る。
【0090】
制御部130によって充電上限電圧が設定されたバッテリーは、設定された充電上限電圧までのみ充電され得る。即ち、制御部130は、バッテリーの退化が加速することを防止するために、バッテリーに対する充電上限電圧を設定し得る。
【0091】
例えば、図5の実施例で、基準抵抗R1STDに対応する電圧は3.96Vであり、参照抵抗R1REFに対応する電圧は4.2Vである。これによって、制御部130は、3.96V以上4.2V以下の電圧区間をターゲット電圧区間VRに決定し得る。
【0092】
そして、制御部130は、ターゲット電圧区間VRで一つのターゲット電圧を決定し得る。
【0093】
ターゲット電圧を決定する一実施例によれば、制御部130は、ターゲット電圧区間VRで各々の電圧に対する抵抗の抵抗変化率を算出するように構成され得る。
【0094】
ここで、抵抗変化率とは、電圧に対する抵抗の瞬間変化率を意味し得る。即ち、図5の実施例で、制御部130は、第1抵抗プロファイルP1の各々の電圧に対する抵抗の瞬間変化率を計算することで各々の電圧に対する抵抗変化率を算出し得る。
【0095】
そして、制御部130は、算出された抵抗変化率が予め設定された基準値以上である電圧のうちで最低電圧を充電上限電圧に設定するように構成され得る。言い換えれば、制御部130は各々の電圧に対する抵抗の傾きが基準値以上である電圧のうちで最低電圧を充電上限電圧に設定し得る。
【0096】
例えば、図5の実施例で、ターゲット電圧区間VRのうち4.05V以上4.15V以下の電圧区間では各々の電圧に対する抵抗変化率が基準値以上であり得る。一方、4.15V超過4.2V以下の電圧区間では各々の電圧に対する抵抗変化率が基準値未満であり得る。これによって、制御部130は、抵抗変化率が基準値以上であり、かつ最低電圧である4.05Vをターゲット電圧に決定し、決定されたターゲット電圧を第1バッテリーに対する充電上限電圧V1ONSET_Dに設定し得る。
【0097】
なお、ターゲット電圧を決定する他の実施例によれば、制御部130は、ターゲット電圧区間VRで基準抵抗を基準にして抵抗平坦区間FRを決定するように構成され得る。
【0098】
ここで、抵抗平坦区間FRとは、電圧が増加しても抵抗は一定の範囲内に平坦に維持される電圧区間を意味し、抵抗平坦区間FRは、ターゲット電圧区間VRに含まれ得る。
【0099】
具体的には、制御部130は、ターゲット電圧区間VRのうちで基準抵抗から予め設定された臨界値TH以下の抵抗区間に対応する電圧区間を決定し、決定された電圧区間を抵抗平坦区間FRとして決定するように構成され得る。
【0100】
例えば、図6の実施例で、臨界値THは、0.01Ωとして予め設定され得る。ターゲット電圧区間VRのうちで基準抵抗R1STDである1Ωから臨界値THである0.01Ω以下の抵抗区間に対応する電圧区間は、3.96V以上4.05V以下の区間であり得る。即ち、3.96V以上4.05V以下の電圧区間に対応する抵抗値は1Ω以上1.01Ω以下の抵抗区間に含まれ得る。これによって、制御部130は、3.96V以上4.05V以下の電圧区間を抵抗平坦区間FRとして決定し得る。
【0101】
制御部130は、決定された抵抗平坦区間FRの終了電圧を充電上限電圧に設定するように構成され得る。
【0102】
ここで、抵抗平坦区間FRの開始電圧は、抵抗平坦区間FRにおける最低電圧であり、抵抗平坦区間FRの終了電圧は、抵抗平坦区間FRにおける最高電圧であり得る。即ち、抵抗平坦区間FRの開始電圧は、基準抵抗に対応する電圧であり、抵抗平坦区間FRの終了電圧は、抵抗平坦区間FRに属する電圧のうちで最高電圧であり得る。
【0103】
例えば、図6の実施例で、抵抗平坦区間FRは、3.96V以上4.05V以下の電圧区間であり得る。即ち、3.96Vは抵抗平坦区間FRの開始電圧であり、4.05Vは抵抗平坦区間FRの終了電圧であり得る。したがって、制御部130は、4.05Vをターゲット電圧に決定し、決定されたターゲット電圧を第1バッテリーに対する充電上限電圧V1ONSET_FRに設定し得る。
【0104】
本発明の一実施例によるバッテリー分類装置100は、バッテリーの種類が分類可能であるだけではなく、分類されたバッテリーに対する充電上限電圧を設定することで過充電によってバッテリーの退化が加速することを防止できる。これによって、バッテリーの寿命が増大される。
【0105】
一方、図5及び図6の実施例では、抵抗変化率に基づく充電上限電圧V1ONSET_Dと抵抗平坦区間FRに基づく充電上限電圧V1ONSET_FRが同じであったが、他の実施例では、二つの充電上限電圧V1ONSET_D、V1ONSET_FRが相違し得る。この場合、制御部130は、抵抗変化率に基づく充電上限電圧V1ONSET_Dと抵抗平坦区間FRに基づく充電上限電圧V1ONSET_FRのうちでより低い電圧値を基準にしてバッテリーに対する充電上限電圧を設定し得る。即ち、制御部130は、バッテリーに対する充電上限電圧をより厳しく制限することで、充電過程でバッテリーの退化が加速することを防止し得る。
【0106】
本発明によるバッテリー分類装置100は、BMS(Battery Management System)に適用可能である。即ち、本発明によるBMSは、上述したバッテリー分類装置100を含み得る。このような構成において、バッテリー分類装置100の各構成要素のうちで少なくとも一部は、従来のBMSに含まれた構成の機能を補完または追加することで具現され得る。例えば、バッテリー分類装置100の測定部110、プロファイル生成部120、制御部130及び保存部140は、BMSの構成要素として具現され得る。
【0107】
また、本発明によるバッテリー分類装置100は、バッテリーパックに備えられ得る。即ち、本発明によるバッテリーパックは、上述したバッテリー分類装置100及び一つ以上のバッテリーセルを含み得る。また、バッテリーパックは、電装品(リレー、ヒューズなど)及びケースなどをさらに含み得る。
【0108】
図7は、本発明の他の実施例によるバッテリーパック1の例示的構成を概略的に示した図である。
【0109】
図7を参照すると、測定部110は、図3センシングラインSL3によって電流測定ユニットと接続され得る。そして、測定部110は、バッテリーパック1に接続された負荷2によってバッテリー10が充電される過程で充電電流を積算してバッテリー10の容量を算出し得る。そして、測定部110は、バッテリー10の容量が予め決められた割合で増加する度に電圧及び抵抗を測定するように構成され得る。
【0110】
例えば、負荷2は、バッテリー10を充電する充電装置であり得る。そして、測定部110は、負荷2によってバッテリー10が充電される過程で、バッテリー10の容量が2%増加する度にバッテリー10の電圧及び抵抗を測定し得る。
【0111】
測定部110は、第1センシングラインSL1及び第2センシングラインSL2によってバッテリー10と接続され得る。具体的には、測定部110は、第1センシングラインSL1によってバッテリー10の正極端子と接続され、第2センシングラインSL2によってバッテリー10の負極端子と接続され得る。そして、測定部110は、第1センシングラインSL1によって測定されるバッテリー10の正極電圧と第2センシングラインSL2によって測定されるバッテリー10の負極電圧との差を計算し、バッテリー10の電圧を測定し得る。具体的には、測定部110は、バッテリー10の開放電圧を測定し得る。
【0112】
その後、測定部110は、バッテリー10へパルス電流を出力し、所定の時間の間のバッテリー10の電圧変化に基づいてバッテリー10の抵抗を測定し得る。例えば、測定部110は、バッテリー10へ0.5Cのパルス信号を出力し、0.1秒間のバッテリー10の電圧変化に基づいてバッテリー10の0.1秒抵抗を測定し得る。
【0113】
負荷2はバッテリーパック1に接続され、バッテリー10を充電及び/または放電させ得る。例えば、図7の実施例で、負荷2の一端は、バッテリーパック1の正極端子P+に接続され、負荷2の他端は、バッテリーパック1の負極端子P-に接続され得る。負荷2による充電は、バッテリー10の容量が予め決められた割合で増加する度に中止し、測定部110によってバッテリー10の電圧及び抵抗が測定された後に再開され得る。
【0114】
図8は、本発明のさらに他の実施例によるバッテリー分類方法を概略的に示した図である。
【0115】
バッテリー分類方法の各段階は、バッテリー分類装置100によって行われ得る。以下では、説明の便宜のために、前述した内容と重複する内容は省略して簡略に説明する。
【0116】
図8を参照すると、バッテリー分類方法は、測定段階S100と、抵抗プロファイル生成段階S200と、基準抵抗及び参照抵抗決定段階S300と、バッテリー分類段階S400を含み得る。
【0117】
測定段階S100は、バッテリーの電圧を測定し、前記バッテリーの電圧に対応する抵抗を測定する段階であって、測定部110によって行われ得る。
【0118】
例えば、測定部110は、バッテリーの容量が予め設定された割合で増加する度にバッテリーの電圧及び抵抗を測定し得る。
【0119】
抵抗プロファイル生成段階S200は、前記バッテリーの電圧及び抵抗に基づいて前記電圧と前記抵抗との対応関係を示す抵抗プロファイルを生成する段階であって、プロファイル生成部120によって行われ得る。
【0120】
プロファイル生成部120は、測定部110によって測定されたバッテリーの電圧及び抵抗を含むバッテリー情報を獲得し、獲得したバッテリー情報に基づいてバッテリーの電圧と抵抗との対応関係を示す抵抗プロファイルを生成し得る。
【0121】
基準抵抗及び参照抵抗決定段階S300は、前記抵抗プロファイルで抵抗値を基準にして基準抵抗を決定し、前記抵抗プロファイルにおける最高電圧に対応する参照抵抗を決定する段階であって、制御部130によって行われ得る。
【0122】
ここで、制御部130によって基準抵抗と参照抵抗が決定される順序は、予め設定された順序によって決定され得る。
【0123】
例えば、制御部130は、抵抗プロファイルにおいて最低抵抗値を基準抵抗に決定し得る。また、制御部130は、抵抗プロファイルにおいてバッテリーの充電終了電圧に対応する抵抗値を参照抵抗に決定し得る。
【0124】
例えば、図3の実施例で、制御部130は、第1抵抗プロファイルP1において最低抵抗値である1Ωを基準抵抗R1STDに決定し、充電終了電圧V1EOCである4.2Vに対応する抵抗値である1.1Ωを参照抵抗R1REFに決定し得る。
【0125】
バッテリー分類段階S400は、前記基準抵抗と前記参照抵抗に基づいて前記バッテリーの種類を前記バッテリーに含まれたニッケルの含量によって分類する段階であって、制御部130によって行われ得る。
【0126】
具体的には、制御部130は、基準抵抗に基づいて臨界抵抗を先に設定し得る。そして、制御部130は、臨界抵抗と参照抵抗との大小を比較することで、バッテリーを高ニッケル系バッテリーまたは低ニッケル系バッテリーに分類し得る。
【0127】
例えば、制御部130は、参照抵抗が臨界抵抗以上である場合、バッテリーを高ニッケル系バッテリーに分類するように構成され得る。一方、制御部130は、参照抵抗が臨界抵抗未満である場合、バッテリーを低ニッケル系バッテリーに分類するように構成され得る。
【0128】
図3の実施例で、第1抵抗プロファイルP1の臨界抵抗R1THは1.05Ωであり、参照抵抗R1REFは1.1Ωであり得る。参照抵抗R1REFが臨界抵抗R1TH以上であることから、制御部130は第1バッテリーを高ニッケル系バッテリーに分類し得る。即ち、制御部130は、第1バッテリーを正極材に含まれたニッケルの含量が80%以上であるバッテリーに分類し得る。
【0129】
図4の実施例で、第2抵抗プロファイルP2の臨界抵抗R2THは、1.05Ωであり、参照抵抗R2REFは1.015Ωであり得る。参照抵抗R2REFが臨界抵抗R2TH未満であることから、制御部130は第2バッテリーを低ニッケル系バッテリーに分類し得る。即ち、制御部130は、第2バッテリーを正極材に含まれたニッケルの含量が80%未満であるバッテリーに分類し得る。
【0130】
図9は、本発明のさらに他の実施例によるバッテリー分類方法を概略的に示した図である。
【0131】
図9を参照すると、バッテリー分類方法は、充電上限電圧設定段階S500をさらに含み得る。
【0132】
充電上限電圧設定段階S500は、バッテリー分類段階S400後の段階であって、制御部130によって行われ得る。
【0133】
充電上限電圧設定段階S500は、基準抵抗に対応する電圧と参照抵抗に対応する電圧との間のターゲット電圧区間VRでターゲット電圧を決定し、決定されたターゲット電圧をバッテリーに対する充電上限電圧に設定する段階である。
【0134】
例えば、図2の実施例で、第1抵抗プロファイルP1と第2抵抗プロファイルP2を比較すると、高ニッケル系バッテリーに分類された第1バッテリーは、低ニッケル系バッテリーに分類された第2バッテリーよりも充電末端部分で抵抗が大幅に増加し得る。これは、高ニッケル系バッテリーの正極特性に起因したことであり、抵抗が大幅に増加する電圧区間までバッテリーが持続的に充電される場合、バッテリーの退化が加速し得る。
【0135】
したがって、制御部130は、基準抵抗と参照抵抗との間のターゲット電圧区間VRでバッテリーの退化が加速することを防止するための適切なターゲット電圧を決定できる。そして、制御部130は、決定されたターゲット電圧をバッテリーに対する充電上限電圧に設定することで、バッテリーが高電圧まで充電されてバッテリーの退化が加速することを防止できる。
【0136】
以上で説明した本発明の実施例は、必ずしも装置及び方法を通じて具現されることではなく、本発明の実施例の構成に対応する機能を実現するプログラムまたはそのプログラムが記録された記録媒体を通じて具現され得、このような具現は、本発明が属する技術分野における専門家であれば、前述した実施例の記載から容易に具現できるはずである。
【0137】
以上、本発明を限定された実施例と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の属する技術分野で通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【0138】
また、上述の本発明は、本発明が属する技術分野における通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想から脱しない範囲内で多様な置換、変形及び変更が可能であるため、上述の実施例及び添付された図面によって限定されず、多様な変形が行われるように各実施例の全部または一部を選択的に組み合わせて構成可能である。
【符号の説明】
【0139】
1 バッテリーパック
2 負荷
10 バッテリー
100 バッテリー分類装置
110 測定部
120 プロファイル生成部
130 制御部
140 保存部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9