(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】スイング練習器具及びこれを含む上衣
(51)【国際特許分類】
A63B 69/36 20060101AFI20240709BHJP
【FI】
A63B69/36 531B
(21)【出願番号】P 2023195926
(22)【出願日】2023-11-17
【審査請求日】2023-11-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】509292010
【氏名又は名称】軽部 央
(74)【代理人】
【識別番号】110001885
【氏名又は名称】弁理士法人IPRコンサルタント
(72)【発明者】
【氏名】軽部 央
【審査官】九鬼 一慶
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-031085(JP,A)
【文献】特開2004-321680(JP,A)
【文献】特開昭63-292973(JP,A)
【文献】特開昭63-292974(JP,A)
【文献】特開2003-230648(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 69/00 - 69/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
右腕用取付部と、
左腕用取付部と、
使用者の胸前において前記右腕用取付部と前記左腕用取付部とを接続する紐状体と、
前記右腕用取付部及び前記左腕用取付部に、前記
紐状体とは反対側
で前記使用者の前側において、前記右腕用取付部と前記左腕用取付部との間で移動可能に取り付けられる棒状体と、
を具備すること、
を特徴とするスイング練習器具。
【請求項2】
前記棒状体が、前記右腕用取付部及び前記左腕用取付部のそれぞれに設けられた開口部に挿通されていること、
を特徴とする請求項1に記載のスイング練習器具。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のスイング練習器具と、
右袖及び左袖を含む上衣と、を具備し、
前記右袖が前記右腕用取付部を含み、前記左袖が前記左腕用取付部を含むこと、
を特徴とするスイング練習器具一体型上衣。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフスイング等のスイングを練習するために用いることができるスイング練習器具に関する。特に足のアライメントと肩のアライメントを合わすことによって安定したスイングを身に付けることができる安価なスイング練習器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゴルフスイングを練習するために様々な練習器具が用いられており、スイングの際に肩のアライメント及び足のアライメントがブレないようにするための練習器具も多々提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1(特表2018-504251号公報)においては、アドレス時におけるゴルフ生徒の静的アライメントや姿勢問題を矯正することができるゴルフスイング練習装置として、「動作面よりも上にそれに対して傾斜して配置されたフープと、フープに接続され、かつそれを支持するように構成された支持フレームと、本体部、本体部に枢動可能に接続されたクラブホルダー、および本体部に接続されたローラー移動部であって、フープに固定され、かつフープの外周の周りを回転するように構成されたローラー移動部を有する運搬台と、を備え、クラブホルダーの長手方向クラブシャフト軸はフープの対称軸に垂直なフーププレーンに対して角度がオフセットされていることを特徴とするゴルフスイング練習装置」が提案されている(特許文献1、請求項1、[0009]及び[0011]等)。
【0004】
また、特許文献2(特表2011-526509号公報)においては、スイング軌道の修正およびスタンスとクラブフェースにおける両方のアライメントに対応するゴルフトレーニング装置として、「ゴルフトレーニング装置であって、第一及び第二端部を有するテールアームと、コンタクト手段を延在させた第一及び第二スイング軌道アームと、前記テールアームに枢動可能に接続され、スイング時に、前記テールアームの前記第一端部に対し、ゴルファーにおける両足の位置を示すアライメントアームとを含む装置において、前記アライメントアーム及び前記テールアームの前記第一端部との間隔が調整可能であることを特徴とするゴルフトレーニング装置」が提案されている(特許文献2、請求項1、[0024]及び[0025]等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特表2018-504251号公報
【文献】特表2011-526509号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1のゴルフスイング練習装置は、大掛かりで構造も複雑であることから気軽に設置することができず、また、上記特許文献2のゴルフトレーニング装置では、足のアライメントを主眼としたものであって必ずしも肩のアライメントには着目しておらず、上半身のブレを抑制したスイングという観点から改善の余地があった。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に対処すべくなされたもので、スイング時の肩のアライメントと足のアライメントを確実に合わせることができ、かつ安価で簡易な構造を有して気軽に使用することができるスイング練習器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明は、
右腕用取付部と、
左腕用取付部と、
前記右腕用取付部と前記左腕用取付部とを接続する紐状体と、
前記右腕用取付部及び前記左腕用取付部に、前記右腕用取付部と前記左腕用取付部との間で移動可能に取り付けられた棒状体と、を具備すること、
を特徴とするスイング練習器具、を提供する。
【0009】
上記の本発明のスイング練習器具においては、
前記棒状体が、前記右腕用取付部及び前記左腕用取付部のそれぞれに設けられた開口部に挿通されていること、が好ましい。
【0010】
また、本発明は、
上記の本発明のスイング練習器具と、
右袖及び左袖を含む上衣と、を具備し、
前記右袖が前記右腕用取付部を含み、前記左袖が前記左腕用取付部を含むこと、
を特徴とするスイング練習器具一体型上衣、をも提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るスイング練習器具によれば、ゴルフ等のスイング時に肩のアライメントと足のアライメントを確実に合わせることができることから、ブレの少ないスイングを身に付けることができ、かつ安価で簡易な構造を有して気軽に使用することができる。当該スイング練習器具は野球やテニス等のスイングの練習にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態に係るスイング練習器具1の構造を示す概略図である。
【
図2】
図1のスイング練習器具1を装着した使用者と、使用者の足元に設置したアライアンス10との位置関係を示す概略図である。
【
図3】
図1のスイング練習器具1を装着した使用者と、使用者の足元に設置したアライアンス10との位置関係を示す別の概略図である。
【
図4】本発明のスイング練習器具1の試作品を装着した使用者がスイングする様子を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本発明のスイング練習器具の代表的な実施形態について詳細に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。なお、以下の説明では、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する場合がある。また、図面は、本発明を概念的に説明するためのものであるから、表された各構成要素の寸法やそれらの比は実際のものとは異なる場合もある。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係るスイング練習器具1の構造を示す概略図である。
図1に示すように、スイング練習器具1は、右腕用取付部2R及び左腕用取付部2Lを含む腕用取付部2と、右腕用取付部2Rと左腕用取付部2Lとを接続する紐状体4と、右腕用取付部2R及び左腕用取付部2Lに取り付けられた棒状体8と、を具備する。
【0015】
右腕用取付部2R及び左腕用取付部2Lは、それぞれ右腕又は左腕を通すことができるように、伸縮性を有する円筒状部材で構成されていてよく、また、それぞれ右腕又は左腕に巻き付けることができるように、伸縮性を有する帯状部材で構成され面ファスナで右腕及び左腕に取り付けることのできる構成であってもよい。各種サポータに使用されている伸縮性を有する材料を使用することができる。
【0016】
紐状体4は、右腕用取付部2Rと左腕用取付部2Lとを接続しており、右腕用取付部2R及び左腕用取付部2Lを取り付けた右腕と左腕とが所定の距離を超えて過度に離間することを抑制する。したがって、紐状体4は、伸縮性の無い材料で構成してもよいし、強い力を付加しなければ伸びない(強い力を付加すれば伸びる)材料で構成してもよい。
【0017】
棒状体8は、右腕用取付部2R及び左腕用取付部2Lに取り付けられるとともに、右腕用取付部2Rと左腕用取付部2Lとの間で
図1の矢印の方向に移動可能な状態である。特に本実施形態においては、右腕用取付部2R及び左腕用取付部2Lのそれぞれに開口部6R,6Lが設けられており、これらの開口部6R,6Lの開口に、棒状体8が移動可能に挿通されている。
【0018】
このような棒状体8には、本発明の効果を奏する範囲であれば種々の材料を用いることができ、例えばポリプロピレン若しくはポリカーボネート等の樹脂又は金属で構成することができ、中実でも中空でもよい。少なくとも静置した状態で直線状を維持できるものであればよく、可撓性を有していてもよい。
【0019】
右腕用取付部2R及び左腕用取付部2Lのそれぞれに設けられている開口部6R,6Lは、本実施形態においては、開口形状が略円状の環状体であるが、棒状体8が矢印方向に移動可能であれば開口形状はこれに制限されず、例えば三角形状や四角形状であってもよい。
【0020】
開口部6R,6Lは、本実施形態においては、右腕用取付部2R及び左腕用取付部2Lのそれぞれに取り付けられているが、右腕用取付部2R及び左腕用取付部2Lのそれぞれに2つずつ穴を開けて形成してもよいし、布や紐を縫い付けたり接着したりして形成してもよい。
【0021】
また、上記の本実施形態のスイング練習器具1は、図示しないが、上衣(衣服)に適用することが可能である。即ち、右袖及び左袖を含む上衣において、右袖に上記右腕用取付部2Rを具備させ、左袖に上記左腕用取付部2Lを具備させれば、スイング練習器具一体型上衣を構成することができる。
【0022】
ここで、
図2は、
図1のスイング練習器具1を装着した使用者と、使用者の足元に設置したアライアンス10との位置関係を示す概略図であり、
図3は、
図1のスイング練習器具1を装着した使用者と、使用者の足元に設置したアライアンス10との位置関係を示す別の概略図である。
【0023】
図2及び
図3に示すように、本実施形態のスイング練習器具1を装着した使用者には、
図2の小さい矢印の方向に各所に力がかかることから、肩のアライアンスを固定することができ、目の前において足元に設置したアライアンス(棒状体)10に、棒状体8が平行になるように立つことにより、肩のアライアンスと足のアライアンスを合わせることができる。
【0024】
このようにスイング練習器具1を装着して肩のアライアンスと足のアライアンスを合わせた状態で、使用者がスイングをすると、
図4に示すように、右腕と左腕との適度な距離感を維持しつつ、肩のアライアンスと足のアライアンスが合致したままの状態でスイングすることができ、ブレの少ないスイングを身に付けることができる。
【0025】
以上、本発明の代表的な実施形態について説明したが、本発明はこれらのみに限定されるものではなく、種々の設計変更が可能であり、それら設計変更は全て本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0026】
1・・・スイング練習器具、
2・・・腕用取付部、
2R・・・右腕用取付部、
2L・・・左腕用取付部、
4・・・紐状体、
6R・・・開口部、
6L・・・開口部、
8・・・棒状体、
10・・・アライアンス。
【要約】
【課題】スイング時の肩のアライメントと足のアライメントを確実に合わせることができ、かつ安価で簡易な構造を有して気軽に使用することができるスイング練習器具を提供する。
【解決手段】右腕用取付部と、左腕用取付部と、前記右腕用取付部と前記左腕用取付部とを接続する紐状体と、前記右腕用取付部及び前記左腕用取付部に、前記右腕用取付部と前記左腕用取付部との間で移動可能に取り付けられた棒状体と、を具備すること、を特徴とするスイング練習器具。
【選択図】
図1