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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】液晶表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1333 20060101AFI20240709BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20240709BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
G02F1/1333
G02F1/1335 500
G02F1/13357
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019196432
(22)【出願日】2019-10-29
(65)【公開番号】P2021071526
(43)【公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】加藤 真一
【審査官】植田 裕美子
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第208654501(CN,U)
【文献】特開2015-222379(JP,A)
【文献】特開2008-233455(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0142624(KR,A)
【文献】国際公開第2017/154049(WO,A1)
【文献】中国実用新案第206771099(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第104749809(CN,A)
【文献】特開2020-091455(JP,A)
【文献】特開2016-001232(JP,A)
【文献】中国実用新案第203868938(CN,U)
【文献】国際公開第2019/106334(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1333
G02F 1/13357
G02F 1/1335
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶表示パネルと、
前記液晶表示パネルに向けて光を出射するバックライトと、
前記液晶表示パネルと前記バックライトとを間隔を空けて接着し、四角枠形状を有し、遮光性を有する接着部材と、
前記液晶表示パネルと前記バックライトとを囲むようにして固定するフレームと、
を具備し、
前記接着部材は、外側に向かって窪み、前記バックライトと前記フレームとの境界を横断する切り欠き部を有し、
前記切り欠き部は、前記接着部材の角部に1個のみ設けられ
前記接着部材の4個の辺のうち前記切り欠き部が設けられた辺は、残りの辺より幅が広い
液晶表示装置。
【請求項2】
前記切り欠き部は、前記接着部材の端部まで達する
請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記切り欠き部は、前記接着部材の一辺に対して斜め方向に延びる
請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記切り欠き部は、ジグザグ形状を有する
請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
液晶表示パネルと、
前記液晶表示パネルに向けて光を出射するバックライトと、
前記液晶表示パネルと前記バックライトとを間隔を空けて接着し、四角枠形状を有し、遮光性を有する接着部材と、
前記液晶表示パネルと前記バックライトとを囲むようにして固定するフレームと、
を具備し、
前記接着部材は、外側に向かって窪み、前記バックライトと前記フレームとの境界を横断する切り欠き部を有し、
前記切り欠き部は、前記接着部材の角部に1個のみ設けられ、前記接着部材を分断しないように形成される
液晶表示装置。
【請求項6】
前記接着部材の4個の辺のうち前記切り欠き部が設けられた辺は、残りの辺より幅が広い
請求項に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
前記接着部材は、前記フレームに接着される
請求項1乃至6のいずれかに記載の液晶表示装置。
【請求項8】
前記フレームは、前記バックライトの上面に対応する位置に段差を有し、
前記接着部材は、前記段差に接着される
請求項7に記載の液晶表示装置。
【請求項9】
前記接着部材は、黒色の樹脂を含む
請求項1乃至8のいずれかに記載の液晶表示装置。
【請求項10】
前記フレームを収容するケースをさらに具備する
請求項1乃至9のいずれかに記載の液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、液晶表示パネルと、液晶表示パネルに向けて光を出射するバックライトとを備える。液晶表示パネルとバックライトとは、間隔を空けてシールで接着される。
【0003】
液晶表示装置は、タッチパネルを液晶表示パネルに貼り合わせる工程において、真空状態で置かれる。また、信頼性の試験において、液晶表示装置に熱衝撃が加えられる。液晶表示パネルとバックライトとの間が密閉されていると、液晶表示装置が膨らんだり縮んだりする。これにより、液晶表示装置の品質が劣化してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-121339号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、品質を向上させることが可能な液晶表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る液晶表示装置は、液晶表示パネルと、前記液晶表示パネルに向けて光を出射するバックライトと、前記液晶表示パネルと前記バックライトとを間隔を空けて接着し、四角枠形状を有し、遮光性を有する接着部材と、前記液晶表示パネルと前記バックライトとを囲むようにして固定するフレームとを具備する。前記接着部材は、外側に向かって窪み、前記バックライトと前記フレームとの境界を横断する切り欠き部を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、品質を向上させることが可能な液晶表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係る液晶表示装置の平面図である。
図2図2は、図1に示したA-A´線に沿った液晶表示装置の断面図である。
図3図3は、図1に示したB-B´線に沿った液晶表示装置の断面図である。
図4図4は、液晶表示パネルを抽出した平面図である。
図5図5は、液晶表示パネルの一例を示す断面図である。
図6図6は、接着部材を抽出した平面図である。
図7図7は、接着部材の断面図である。
図8図8は、フレームを抽出した平面図である。
図9図9は、接着部材の切り欠き部を中心に示した断面図である。
図10図10は、本発明の第2実施形態に係る接着部材の平面図である。
図11図11は、第1変形例に係る接着部材の平面図である。
図12図12は、第2変形例に係る接着部材の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について図面を参照して説明する。ただし、図面は模式的または概念的なものであり、各図面の寸法および比率等は必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、図面の相互間で同じ部分を表す場合においても、互いの寸法の関係や比率が異なって表される場合もある。特に、以下に示す幾つかの実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための装置および方法を例示したものであって、構成部品の形状、構造、配置等によって、本発明の技術思想が特定されるものではない。なお、以下の説明において、同一の機能及び構成を有する要素については同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
【0010】
[1] 第1実施形態
[1-1] 液晶表示装置の構成
図1は、本発明の第1実施形態に係る液晶表示装置1の平面図である。図2は、図1に示したA-A´線に沿った液晶表示装置1の断面図である。図3は、図1に示したB-B´線に沿った液晶表示装置1の断面図である。図1の横方向をX方向、図1の縦方向をY方向と呼ぶ。
【0011】
液晶表示装置1は、液晶表示パネル10、バックライト(照明装置)20、フレーム30、接着部材31、及びケース34を備える。
【0012】
バックライト20の上方には、隙間33を空けて、液晶表示パネル10が配置される。バックライト20と液晶表示パネル10とは、接着部材31によって接着される。バックライト20と液晶表示パネル10とは、フレーム30によって固定される。フレーム30は、接着部材31に接着される。ケース34は、液晶表示パネル10、バックライト20、フレーム30、及び接着部材31を収容する。
【0013】
以下に各部品の具体的な構成について説明する。
【0014】
(液晶表示パネル10)
図4は、液晶表示パネル10を抽出した平面図である。
【0015】
液晶表示パネル10は、基板11、12、偏光板13、14、及びドライバ15を備える。基板11、12間には、液晶層などが配置される。図2及び図3では、基板11、12間の部材について図示を省略している。偏光板13は、基板11の一方の主面に積層される。偏光板14は、基板12の一方の主面に積層される。基板11のY方向の端部には、ドライバ15が配置される。
【0016】
図5は、液晶表示パネル10の一例を示す断面図である。
【0017】
液晶表示パネル10は、スイッチング素子及び画素電極等が形成されるTFT基板11と、カラーフィルター及び共通電極等が形成されかつTFT基板11に対向配置されるカラーフィルター基板(CF基板)12とを備える。TFT基板11及びCF基板12の各々は、透明基板(例えば、ガラス基板、又はプラスチック基板)から構成される。TFT基板11は、バックライト20に対向配置され、バックライト20からの照明光は、TFT基板11側から液晶表示パネル10に入射する。液晶表示パネル10の2つの主面のうちバックライト20と反対側の主面が、液晶表示パネル10の表示面である。
【0018】
液晶層40は、TFT基板11及びCF基板12間に充填される。具体的には、液晶層40は、TFT基板11及びCF基板12と、これらを貼り付けるシール材(図示せず)とによって包囲された領域内に封入される。シール材は、例えば、紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂、又は紫外線・熱併用型硬化樹脂等からなり、製造プロセスにおいてTFT基板11又はCF基板12に塗布された後、紫外線照射、又は加熱等により硬化させられる。
【0019】
液晶層40を構成する液晶材料は、TFT基板11及びCF基板12間に印加された電界に応じて液晶分子の配向が操作されて光学特性が変化する。液晶モードとしては、VA(Vertical Alignment)モード、TN(Twisted Nematic)モード、及びホモジニアスモードなど種々の液晶モードを適用することができる。
【0020】
TFT基板11の液晶層40側には、複数のスイッチング素子(アクティブ素子)41が設けられる。スイッチング素子41としては、例えばTFT(Thin Film Transistor)が用いられ、またnチャネルTFTが用いられる。TFT41は、走査線として機能するゲート電極と、ゲート電極上に設けられたゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜上に設けられた半導体層(例えばアモルファスシリコン層)と、半導体層に部分的に接しかつ互いに離間して設けられたソース電極及びドレイン電極とを備える。ソース電極は、信号線に電気的に接続される。
【0021】
TFT41上には、絶縁層42が設けられる。絶縁層42上には、複数の画素に対応する複数の画素電極43が設けられる。絶縁層42内かつTFT41のドレイン電極上には、画素電極43に電気的に接続されたコンタクトプラグ(コンタクトホール)44が設けられる。
【0022】
CF基板12の液晶層40側には、カラーフィルター45が設けられる。カラーフィルター45は、複数の着色フィルター(着色部材)を備え、具体的には、複数の赤フィルター45-R、複数の緑フィルター45-G、及び複数の青フィルター45-Bを備える。一般的なカラーフィルターは光の三原色である赤(R)、緑(G)、青(B)で構成される。隣接したR、G、Bの三色のセットが表示の単位(画素)となっており、1つの画素中のR、G、Bのいずれか単色の部分はサブピクセル(サブ画素)と呼ばれる最小駆動単位である。TFT41及び画素電極43は、サブピクセルごとに設けられる。
【0023】
赤フィルター45-R、緑フィルター45-G、及び青フィルター45-Bの境界部分、及び画素(サブピクセル)の境界部分には、遮光用のブラックマトリクス(遮光膜)46が設けられる。すなわち、ブラックマトリクス46は、網目状に形成される。ブラックマトリクス46は、例えば、着色部材間の不要な光を遮蔽し、コントラストを向上させる機能を有する。
【0024】
カラーフィルター45及びブラックマトリクス46上には、共通電極47が設けられる。共通電極47は、液晶表示パネル10の表示領域全体に平面状に形成される。
【0025】
TFT基板11の液晶層40と反対側には、偏光板13が積層され、CF基板12の液晶層40と反対側には、偏光板14が積層される。偏光板13及び偏光板14は、互いの透過軸が直交するように、すなわち直交ニコル状態で配置される。TFT基板11と偏光板13との間に、1/4波長板を設けてもよい。CF基板12と偏光板14との間に、1/4波長板を設けてもよい。
【0026】
画素電極43、コンタクトプラグ44、及び共通電極47は、透明電極から構成され、例えばITO(インジウム錫酸化物)が用いられる。絶縁層42としては、透明な絶縁材料が用いられ、例えば、シリコン窒化物(SiN)が用いられる。
【0027】
(バックライト20)
バックライト20は、例えば、サイドライト型(エッジライト型)である。図1乃至図3に示すように、バックライト20は、光源部21、反射シート22、導光板23、拡散シート24、及びプリズムシート25、26を備える。反射シート22、導光板23、拡散シート24、及びプリズムシート25、26は、この順に積層される。
【0028】
光源部21は、例えば複数の発光素子を備える。複数の発光素子の各々は、例えばLED(light-emitting diode)で構成される。光源部21は、導光板23の側面に向けて光を出射する。光源部21としては、冷陰極管などの蛍光ランプを用いてもよい。
【0029】
導光板23は、光源部21から出射された光を液晶表示パネル10側に導き、液晶表示パネル10側に光を出射する。
【0030】
反射シート22は、導光板23の裏面から出射された光を再度導光板23側に反射する。すなわち、反射シート22は、導光板23の裏面から出射された光を再利用させる。
【0031】
拡散シート24は、光を均一に拡散し、面光源の光ムラを低減させる。
【0032】
プリズムシート25、26は、正面方向に集光し、正面輝度を向上させる。プリズムシート25、26は、互いの光の屈折方向が直交するように配置される。プリズムシートの有無、プリズムシートの枚数についは任意に設定可能である。
【0033】
(接着部材31)
図6は、接着部材31を抽出した平面図である。図6には、バックライト20の外形を破線で示している。
【0034】
接着部材31は、バックライト20と液晶表示パネル10とを接着する。接着部材31は、四角枠形状を有し、液晶表示パネル10の表示領域を囲むように配置される。接着部材31の内側は、バックライト20の光が通る領域である。
【0035】
バックライト20と液晶表示パネル10との間には、隙間33が設けられる。隙間33は、接着部材31の内側の領域に対応する。隙間33の積層方向の長さは、接着部材31の厚さに対応する。
【0036】
接着部材31は、遮光性を有し、表示に不要な光が液晶表示パネル10に入射するのを抑制する。
【0037】
図7は、接着部材31の断面図である。接着部材31は、遮光部材31A、及び接着材31B、31Cを備える。
【0038】
遮光部材31Aは、例えば黒の染料を含む樹脂(黒色の樹脂)で構成される。接着材31B、31Cは、例えばシールで構成される。接着材31Bは、バックライト20及びフレーム30に接着される。接着材31Cは、液晶表示パネル10に接着される。
【0039】
接着部材31は、内側から外側に向かって窪んだ切り欠き部32を有する。切り欠き部32は、例えば四角形を有する。
【0040】
切り欠き部32は、例えば、液晶表示パネル10のドライバ15が配置される側に対応する一辺に配置され、当該辺の端に配置される。切り欠き部32の位置については任意に設定可能である。なお、切り欠き部32は、表示に影響が少ない位置に配置するのが好ましい。
【0041】
切り欠き部32は、バックライト20とフレーム30との境界を横断してさらに延びるように構成される。切り欠き部32の機能については後述する。
【0042】
(フレーム30)
図8は、フレーム30を抽出した平面図である。
【0043】
フレーム30は、バックライト20及び液晶表示パネル10を固定する。フレーム30は、四角枠形状を有する。フレーム30は、樹脂で構成される。
【0044】
フレーム30は、段差30Aを有する。フレーム30のうち段差30Aより下の開口部30Bのサイズは、バックライト20のサイズと同じか若干大きく設定され、この部分の開口部30Bには、バックライト20がはめ込まれる。フレーム30のうち段差30Aより上の開口部30Bのサイズは、液晶表示パネル10のサイズと同じか若干大きく設定され、この部分の開口部30Bには、液晶表示パネル10がはめ込まれる。
【0045】
フレーム30の段差30Aには、前述した接着部材31が接着される。これにより、バックライト20、液晶表示パネル10、及びフレーム30は、接着部材31によって固定される。
【0046】
(ケース34)
ケース34は、フレーム30を収容する。ケース34は、四角形状を有する。ケース34の内側のサイズは、フレーム30の外形と同じかそれより若干大きく設定される。ケース34は、金属で構成される。
【0047】
[1-2] 切り欠き部32の作用
次に、接着部材31に設けられた切り欠き部32の作用について説明する。図9は、接着部材31の切り欠き部32を中心に示した断面図である。
【0048】
切り欠き部32は、バックライト20の端部(バックライト20とフレーム30との境界に対応する)よりもフレーム30側に延びる。よって、切り欠き部32の領域では、隙間33からバックライト20とフレーム30との境界へ至る空気の通り道が設けられる。図9において、空気の通り道は、破線矢印で示される。
【0049】
本実施形態では、接着部材31に切り欠き部32を設けることで、バックライト20と液晶表示パネル10との間の隙間33が密閉されるのを防ぐ。
【0050】
図1乃至図3の状態に組み上がった液晶表示装置1は、その後、液晶表示パネル10にタッチパネルを貼り付ける工程が行われる。このタッチパネルの貼り付け工程において、液晶表示装置1は、減圧された環境(例えば真空環境)に置かれる。この場合、バックライト20と液晶表示パネル10との間の隙間33が密閉されていると、液晶表示パネル10が反ってしまう。これにより、液晶表示装置1が膨らんだり縮んだりする。
【0051】
また、液晶表示装置1の信頼性試験において、液晶表示装置1に熱衝撃が加えられる。熱衝撃とは、液晶表示装置1が高温から低温、又は低温から高温に急激に温度変化が生じた場合に、衝撃的に熱応力が発生する現象である。これにより、液晶表示装置1が膨らんだり縮んだりする。
【0052】
本実施形態では、バックライト20と液晶表示パネル10との間の隙間33が密閉されていない。これにより、液晶表示パネル10が反るのを防ぐことができる。
【0053】
[1-3] 第1実施形態の効果
以上詳述したように第1実施形態では、液晶表示装置1は、液晶表示パネル10と、液晶表示パネル10に向けて光を出射するバックライト20と、液晶表示パネル10とバックライト20とを間隔を空けて接着し、四角枠形状を有し、遮光性を有する接着部材31と、液晶表示パネル10とバックライト20とを囲むようにして固定するフレーム30とを具備する。接着部材31は、外側に向かって窪み、バックライト20とフレーム30との境界を横断する切り欠き部32を有する。
【0054】
従って第1実施形態によれば、バックライト20と液晶表示パネル10との間の隙間33が密閉されていない。よって、液晶表示装置1が減圧された環境(例えば真空環境)に置かれた場合に、液晶表示パネル10が反るのを防ぐことができる。また、液晶表示装置1に熱衝撃が加えられた場合でも、液晶表示パネル10が反るのを防ぐことができる。
【0055】
これにより、液晶表示装置1が膨らんだり縮んだりするのを抑制することができる。また、液晶表示装置1を構成する複数の部品が部分的に剥がれたり、破壊されるのを抑制することができる。結果として、液晶表示装置1の品質を向上させることができる。
【0056】
[2] 第2実施形態
図10は、本発明の第2実施形態に係る接着部材31の平面図である。図10には、バックライト20の外形を破線で示している。
【0057】
切り欠き部32は、Y方向に延び、接着部材31の端部まで達する。第1実施形態と同様に、切り欠き部32は、バックライト20の端部(バックライト20とフレーム30との境界に対応する)を横断する。
【0058】
第2実施形態のように切り欠き部32を構成した場合でも、第1実施形態と同じ効果を得ることができる。
【0059】
図11は、第1変形例に係る接着部材31の平面図である。切り欠き部32は、接着部材31の一辺に対して斜め方向に延びる。第1変形例によれば、切り欠き部32を介して隙間33に異物が侵入するのを抑制することができる。
【0060】
図12は、第2変形例に係る接着部材31の平面図である。切り欠き部32は、接着部材31の一辺に対して斜め方向に延びるとともに、ジグザグ形状を有する。第2変形例によれば、切り欠き部32を介して隙間33に異物が侵入するのをより抑制することができる。
【0061】
本明細書において、板やシートは、その部材を例示した表現であり、その構成に限定されるものではない。例えば、偏光板は、板状の部材に限定されるものではなく、明細書で記載した機能を有するフィルムやその他の部材であっても良い。
【0062】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0063】
1…液晶表示装置、10…液晶表示パネル、11…TFT基板、12…CF基板、13,14…偏光板、15…ドライバ、20…バックライト、21…光源部、22…反射シート、23…導光板、24…拡散シート、25,26…プリズムシート、30…フレーム、31…接着部材、32…切り欠き部、33…間隔、34…ケース、40…液晶層、41…スイッチング素子、42…絶縁層、43…画素電極、44…コンタクトプラグ、45…カラーフィルター、46…ブラックマトリクス、47…共通電極。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12