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特許7516744ジョブ管理装置、ジョブ管理方法及びジョブ管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】ジョブ管理装置、ジョブ管理方法及びジョブ管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20240709BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20240709BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20240709BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
G03G21/00 388
G03G21/00 386
H04N1/00 127A
H04N1/00 350
G06F3/12 302
G06F3/12 329
G06F3/12 359
G06F3/12 385
B41J29/38 201
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019207573
(22)【出願日】2019-11-18
(65)【公開番号】P2021081529
(43)【公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-10-17
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】本間 幹正
【審査官】金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-212862(JP,A)
【文献】特開2016-012878(JP,A)
【文献】特開2014-231211(JP,A)
【文献】特開2016-066975(JP,A)
【文献】特開2010-105401(JP,A)
【文献】特開2007-249941(JP,A)
【文献】特開2012-226545(JP,A)
【文献】特開2012-234478(JP,A)
【文献】特開2018-013550(JP,A)
【文献】特開2019-025702(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J29/00-29/70
G03G13/01
13/34
15/00-15/01
15/36
21/00-21/02
21/14
21/20
G06F3/01
3/048-3/04895
H04N1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一台の画像形成装置と通信可能に接続され、前記画像形成装置が実行するジョブを管理するジョブ管理装置であって、
前記ジョブの実行状況を示すジョブ情報と、前記画像形成装置に対するオペレータの位置及び動きを、前記画像形成装置の装置前、移動中、および領域外のいずれかにより示す行動情報と、を取得する情報取得部と、
前記ジョブ情報に基づいて、縦軸又は横軸の一方の軸を時間又は枚数として前記ジョブの実行状況を表示するスケジュール画面を表示部に表示させる表示制御部と、を備え、
前記表示制御部は、前記行動情報に基づいて、前記スケジュール画面に、前記ジョブの実行状況に関連づけて前記オペレータの位置及び動きを、前記画像形成装置の装置前、移動中、および領域外のいずれかにより表示する、
ことを特徴とするジョブ管理装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、ジョブ毎に、前記ジョブの実行状況と当該ジョブに対応する前記オペレータの位置及び動きとを関連付けて表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載のジョブ管理装置。
【請求項3】
前記ジョブ管理装置に複数台の画像形成装置が接続されている場合、
前記表示制御部は、画像形成装置毎に、前記ジョブの実行状況と当該ジョブに対応する前記オペレータの位置及び動きとを関連付けて表示する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のジョブ管理装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記行動情報の内容に応じて、前記オペレータの位置及び動きの表示態様を変更する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載のジョブ管理装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記ジョブで利用する給紙トレイ内の用紙の搭載状況に応じて、当該ジョブの実行状況の表示態様を変更する、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載のジョブ管理装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記スケジュール画面に、更に、実行済みのジョブの実行状況と当該実行済みのジョブに対応する前記オペレータの位置及び動きとを関連付けて表示する、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一に記載のジョブ管理装置。
【請求項7】
前記表示制御部は、前記スケジュール画面に、更に、実行予定のジョブの実行状況と当該実行予定のジョブに対して予測される前記オペレータの位置及び動きとを関連付けて表示する、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一に記載のジョブ管理装置。
【請求項8】
前記表示制御部は、前記画像形成装置の情報を示すトップ画面を前記表示部に表示させ、前記トップ画面上で所定操作が行われた場合に、前記スケジュール画面を表示する、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一に記載のジョブ管理装置。
【請求項9】
前記オペレータの位置及び動きは、前記画像形成装置を含む領域を撮影した映像に基づいて判別される、
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一に記載のジョブ管理装置。
【請求項10】
前記オペレータの位置及び動きは、前記オペレータが身に着けるICタグの読み取り結果に基づいて判別される、
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一に記載のジョブ管理装置。
【請求項11】
前記オペレータの位置及び動きは、前記画像形成装置に設けられたセンサの検出結果に基づいて判別される、
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一に記載のジョブ管理装置。
【請求項12】
少なくとも一台の画像形成装置と通信可能に接続され、前記画像形成装置が実行するジョブを管理するジョブ管理装置におけるジョブ管理方法であって、
前記ジョブの実行状況を示すジョブ情報と、前記画像形成装置に対するオペレータの位置及び動きを、前記画像形成装置の装置前、移動中、および領域外のいずれかにより示す行動情報と、を取得する第1処理と、
前記ジョブ情報に基づいて、縦軸又は横軸の一方の軸を時間又は枚数として前記ジョブの実行状況を表示するスケジュール画面を表示部に表示させる第2処理と、を実行し、
前記第2処理では、前記行動情報に基づいて、前記スケジュール画面に、前記ジョブの実行状況に関連づけて前記オペレータの位置及び動きを、前記画像形成装置の装置前、移動中、および領域外のいずれかにより表示する、
ことを特徴とするジョブ管理方法。
【請求項13】
少なくとも一台の画像形成装置と通信可能に接続され、前記画像形成装置が実行するジョブを管理するジョブ管理装置で動作するジョブ管理プログラムであって、
前記ジョブ管理装置の制御部に、
前記ジョブの実行状況を示すジョブ情報と、前記画像形成装置に対するオペレータの位置及び動きを、前記画像形成装置の装置前、移動中、および領域外のいずれかにより示す行動情報と、を取得する第1処理、
前記ジョブ情報に基づいて、縦軸又は横軸の一方の軸を時間又は枚数として前記ジョブの実行状況を表示するスケジュール画面を表示部に表示させる第2処理、を実行させ、
前記第2処理では、前記行動情報に基づいて、前記スケジュール画面に、前記ジョブの実行状況に関連づけて前記オペレータの位置及び動きを、前記画像形成装置の装置前、移動中、および領域外のいずれかにより表示する、
ことを特徴とするジョブ管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジョブ管理装置、ジョブ管理方法及びジョブ管理プログラムに関し、特に、少なくとも一台の画像形成装置と通信可能に接続されるジョブ管理装置、当該ジョブ管理装置におけるジョブ管理方法及び当該ジョブ管理装置で動作するジョブ管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷工場では、できるだけ効率的にジョブを実行し、無駄な時間を減らすことが求められている。そこで、画像形成装置で実行するジョブを管理するジョブ管理装置に、出力中のジョブや出力予定のジョブ、出力済みのジョブ、使用するトレイなどを示すスケジュール画面を表示し、そのスケジュール画面を参考にしてジョブを管理することが行われている。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、収納した用紙を送り出す複数の給紙部と、前記給紙部から送り出された用紙に印刷ジョブに基づいて画像形成する画像形成部と、少なくとも使用する用紙情報が含まれる前記印刷ジョブを記憶する記憶部と、記憶した印刷ジョブに含まれる用紙情報に基づいて使用する少なくとも一つの給紙部を決定し、前記決定した給紙部の使用スケジュール及び使用する給紙部の切り替わりに伴って発生するイベント若しくは所定の周期で発生するイベントを、縦軸又は横軸の一方の軸を時間軸として表示部に表示させる制御部と、を有する画像形成装置が開示されている。
【0004】
また、下記特許文献2には、少なくとも、用紙を収容する複数の給紙トレイと、前記複数の給紙トレイから給紙される用紙に画像を形成する画像形成手段と、を有し、前記複数の給紙トレイのうち少なくとも一つの給紙トレイは、該給紙トレイを給紙位置から引き出すと他の給紙トレイから搬送される用紙の搬送経路を遮断する給紙トレイとなっている画像形成システムであって、画像形成システムで実行される複数のジョブを受け付けるジョブ受付部と、当該ジョブ受付部に受け付けた複数のジョブの情報に基づき、前記搬送経路を遮断する給紙トレイを含めた前記複数の給紙トレイについて、給紙位置から引き出すことが可能な時間帯を表示する表示部と、を有する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】2011-022377号公報
【文献】2012-001296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したスケジュール画面では、出力中のジョブや出力予定のジョブ、出力済みのジョブ、使用するトレイなどが表示されるが、それらのジョブを出力する際に、ジョブを処理するオペレータがどの位置にいたか、オペレータがどの様に移動していたかは表示されない。そのため、ジョブの処理効率を上げて無駄な時間を減らすためには、オペレータの行動について何を改善するべきであるかが分からないという問題があった。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その主たる目的は、ジョブの処理効率を上げて無駄な時間を減らすためのオペレータの行動についての改善点を提示することができるジョブ管理装置、ジョブ管理方法及びジョブ管理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面は、少なくとも一台の画像形成装置と通信可能に接続され、前記画像形成装置が実行するジョブを管理するジョブ管理装置であって、前記ジョブの実行状況を示すジョブ情報と、前記画像形成装置に対するオペレータの位置及び動きを、前記画像形成装置の装置前、移動中、および領域外のいずれかにより示す行動情報と、を取得する情報取得部と、前記ジョブ情報に基づいて、縦軸又は横軸の一方の軸を時間又は枚数として前記ジョブの実行状況を表示するスケジュール画面を表示部に表示させる表示制御部と、を備え、前記表示制御部は、前記行動情報に基づいて、前記スケジュール画面に、前記ジョブの実行状況に関連づけて前記オペレータの位置及び動きを、前記画像形成装置の装置前、移動中、および領域外のいずれかにより表示することを特徴とする。
【0009】
本発明の一側面は、少なくとも一台の画像形成装置と通信可能に接続され、前記画像形成装置が実行するジョブを管理するジョブ管理装置におけるジョブ管理方法であって、前記ジョブの実行状況を示すジョブ情報と、前記画像形成装置に対するオペレータの位置及び動きを、前記画像形成装置の装置前、移動中、および領域外のいずれかにより示す行動情報と、を取得する第1処理と、前記ジョブ情報に基づいて、縦軸又は横軸の一方の軸を時間又は枚数として前記ジョブの実行状況を表示するスケジュール画面を表示部に表示させる第2処理と、を実行し、前記第2処理では、前記行動情報に基づいて、前記スケジュール画面に、前記ジョブの実行状況に関連づけて前記オペレータの位置及び動きを、前記画像形成装置の装置前、移動中、および領域外のいずれかにより表示することを特徴とする。
【0010】
本発明の一側面は、少なくとも一台の画像形成装置と通信可能に接続され、前記画像形成装置が実行するジョブを管理するジョブ管理装置で動作するジョブ管理プログラムであって、前記ジョブ管理装置の制御部に、前記ジョブの実行状況を示すジョブ情報と、前記画像形成装置に対するオペレータの位置及び動きを、前記画像形成装置の装置前、移動中、および領域外のいずれかにより示す行動情報と、を取得する第1処理、前記ジョブ情報に基づいて、縦軸又は横軸の一方の軸を時間又は枚数として前記ジョブの実行状況を表示するスケジュール画面を表示部に表示させる第2処理、を実行させ、前記第2処理では、前記行動情報に基づいて、前記スケジュール画面に、前記ジョブの実行状況に関連づけて前記オペレータの位置及び動きを、前記画像形成装置の装置前、移動中、および領域外のいずれかにより表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明のジョブ管理装置、ジョブ管理方法及びジョブ管理プログラムによれば、ジョブの処理効率を上げて無駄な時間を減らすためのオペレータの行動についての改善点を提示することができる。
【0012】
その理由は、少なくとも一台の画像形成装置と通信可能に接続され、画像形成装置が実行するジョブを管理するジョブ管理装置に、ジョブの実行状況を示すジョブ情報と、画像形成装置に対するオペレータの位置及び/又は動きを示す行動情報と、を取得する情報取得部と、ジョブ情報に基づいて、縦軸又は横軸の一方の軸を時間又は枚数としてジョブの実行状況を表示するスケジュール画面を表示部に表示させる表示制御部と、を設け、表示制御部は、行動情報に基づいて、スケジュール画面に、ジョブの実行状況に関連づけてオペレータの位置及び/又は動きを表示するからである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施例に係る印刷システムの一例を示す模式図である。
図2】本発明の一実施例に係るジョブ管理装置の構成を示すブロック図である。
図3】本発明の一実施例に係るコントローラの構成を示すブロック図である。
図4】本発明の一実施例に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
図5】本発明の一実施例に係るカメラ装置の構成を示すブロック図である。
図6】本発明の一実施例に係る行動情報の一例を示すテーブルである。
図7】本発明の一実施例に係るジョブ情報の一例を示すテーブルである。
図8】本発明の一実施例に係る過去のジョブ情報の一例を示すテーブルである。
図9】本発明の一実施例に係る行動情報の一例を示すテーブルである。
図10】本発明の一実施例に係るトップ画面の一例を示す模式図である。
図11】本発明の一実施例に係るスケジュール画面の一例を示す模式図である。
図12】本発明の一実施例に係るスケジュール画面の一例を示す模式図である。
図13】本発明の一実施例に係るスケジュール画面の一例を示す模式図である。
図14】本発明の一実施例に係るスケジュール画面の一例を示す模式図である。
図15】本発明の一実施例に係るスケジュール画面の一例を示す模式図である。
図16】本発明の一実施例に係るカメラ装置の処理(オペレータの行動情報保存処理)を示すフローチャート図である。
図17】本発明の一実施例に係る画像形成装置とジョブ管理装置とカメラ装置の処理(ジョブ情報及び行動情報取得処理)を示すフローチャート図である。
図18】本発明の一実施例に係る画像形成装置とジョブ管理装置とカメラ装置の処理(スケジュール画面表示処理)を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
背景技術で示したように、印刷システムでは、ジョブ管理装置に、出力中のジョブや出力予定のジョブ、出力済みのジョブ、使用するトレイなどを示すスケジュール画面を表示し、そのスケジュール画面を参考にしてジョブを管理することが行われている。しかしながら、従来のスケジュール画面には、それらのジョブを出力する際に、ジョブを処理するオペレータがどの位置にいたか、オペレータがどの様に移動していたかは表示されないため、ジョブの処理効率を上げて無駄な時間を減らすためには、オペレータの行動について何を改善するべきであるかが分からないという問題があった。
【0015】
そこで、本発明の一実施の形態では、少なくとも一台の画像形成装置と通信可能に接続され、画像形成装置が実行するジョブを管理するジョブ管理装置に、ジョブの実行状況を示すジョブ情報と、画像形成装置に対するオペレータの位置及び/又は動きを示す行動情報と、を取得する情報取得部と、ジョブ情報に基づいて、縦軸又は横軸の一方の軸を時間又は枚数としてジョブの実行状況を表示するスケジュール画面を表示部に表示させる表示制御部と、を設け、表示制御部は、行動情報に基づいて、スケジュール画面に、ジョブの実行状況に関連づけてオペレータの位置及び/又は動きを表示するようにする。
【0016】
このように、スケジュール画面に、ジョブの実行状況のみならず、ジョブの実行状況に関連付けて、そのジョブを処理するオペレータの位置及び/又は動きも表示することにより、オペレータの行動についての改善すべきポイントを提示することができ、ジョブの処理効率を上げて無駄な時間を減らすことができる。
【実施例
【0017】
上記した本発明の一実施の形態についてさらに詳細に説明すべく、本発明の一実施例に係るジョブ管理装置、ジョブ管理方法及びジョブ管理プログラムについて、図1乃至図18を参照して説明する。図1は、本実施例の印刷システムの構成を示す模式図であり、図2乃至図5は、各々、ジョブ管理装置、コントローラ、画像形成装置、カメラ装置の構成を示すブロック図である。また、図6乃至図9は、本実施例の印刷システムに保存される情報の一例を示すテーブルであり、図10は、本実施例のトップ画面の一例、図11乃至図15は、本実施例のスケジュール画面の一例である。また、図16は、本実施例のカメラ装置の処理を示すフローチャート図であり、図17及び図18は、本実施例の画像形成装置とジョブ管理装置とカメラ装置の処理を示すフローチャート図である。
【0018】
図1に示すように、本実施例の印刷システム10は、イントラネット上に、通信ネットワークで接続可能なジョブ管理装置20、コントローラ30、少なくとも1台の画像形成装置40(図1では、画像形成装置A及び画像形成装置B)、少なくとも1台のカメラ装置60が配置される。なお、通信ネットワークの規格としてEthernet(登録商標)などを用いることができるが、コントローラ30から画像形成装置40へのデータ転送は、Ethernet(登録商標)以外にIEEE1394、Parallelなどを用いることも可能である。以下、各装置について説明する。
【0019】
[ジョブ管理装置]
ジョブ管理装置20は、パーソナルコンピュータなどのコンピュータ装置であり、図2(a)に示すように、制御部21、記憶部25、ネットワークI/F部26、表示部27、操作部28などで構成される。
【0020】
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)22とROM(Read Only Memory)23やRAM(Random Access Memory)24などのメモリとで構成され、CPU22は、ROM23や記憶部25に記憶した制御プログラムをRAM24に展開して実行することにより、ジョブ管理装置20全体の動作を制御する。また、図2(b)に示すように、制御部21は、ジョブ管理部21a、情報取得部21b、表示制御部21cなどとして機能する。
【0021】
ジョブ管理部21aは、画像形成装置40が実行するジョブを管理する。具体的には、印刷システム内の画像形成装置40にジョブを振り分け、各々の画像形成装置40に接続されるコントローラ30に印刷ジョブを送信する。
【0022】
情報取得部21bは、画像形成装置40から、画像形成装置40が実行するジョブの実行状況を示す情報(ジョブ情報と呼ぶ。)を取得すると共に、カメラ装置60から、画像形成装置40に対する操作者(オペレータ)の位置及び/又は動きを示す情報(行動情報と呼ぶ。)を取得する。このジョブ情報は、ジョブID、ジョブ開始時間、ジョブ終了時間、ジョブで使用するトレイなどである。また、行動情報は、画像形成装置40に対するオペレータの存在、画像形成装置40からオペレータまでの距離、オペレータが画像形成装置40の前後左右のどの位置にいるか、オペレータの移動量、オペレータの移動速度などであり、オペレータの位置及び/又は動きは、カメラ装置60が画像形成装置40を含む領域を撮影した映像に基づいて判別したり、オペレータが身に着けるICタグ(例えば、RFID(Radio Frequency Identification)タグなど)の読み取り結果に基づいて判別したり、画像形成装置40に設けられたセンサ(例えば、人感センサなど)の検出結果に基づいて判別したりすることができる。なお、ジョブ情報は、画像形成装置40がジョブ管理装置20に送信する構成としてもよいし、情報取得部21bがMIB(Management Information Base)情報からこれらの情報を取得する構成としてもよい。
【0023】
表示制御部21cは、取得したジョブ情報に基づいて、縦軸又は横軸の一方の軸(第1軸)を時間(又は枚数)としてジョブの実行状況を表示するスケジュール画面を表示部27に表示させる。その際、取得した行動情報に基づいて、スケジュール画面に、ジョブの実行状況に関連づけてオペレータの位置及び/又は動きを表示する。また、表示制御部21cは、ジョブ毎に、ジョブの実行状況と当該ジョブに対応するオペレータの位置及び/又は動きとを関連付けて表示したり、複数台の画像形成装置40が接続されている場合は、画像形成装置40毎に、ジョブの実行状況と当該ジョブに対応するオペレータの位置及び/又は動きとを関連付けて表示したりしてもよい。また、表示制御部21cは、行動情報の内容に応じて、オペレータの位置及び/又は動きの表示態様を変更したり、ジョブで使用するトレイ内の用紙の搭載状況(ニアエンプティー、エンプティーなど)に応じて、ジョブの実行状況の表示形態を変更したりしてもよい。また、表示制御部21cは、スケジュール画面に、更に、実行済みのジョブの実行状況と当該実行済みのジョブに対応するオペレータの位置及び/又は動きとを関連付けて表示したり、実行予定のジョブの実行状況と当該実行予定のジョブに対して予測されるオペレータの位置及び/又は動きとを関連付けて表示したりしてもよい。また、表示制御部21cは、他方の軸(第2軸)をジョブ又はトレイとしたり、画像形成装置40の情報を示すトップ画面(ダッシュボード)を表示部27に表示させ、トップ画面上で所定操作が行われた場合にスケジュール画面を表示したりすることができる。
【0024】
なお、上記ジョブ管理部21a、情報取得部21b、表示制御部21cは、ハードウェアとして構成してもよいし、制御部21を、ジョブ管理部21a、情報取得部21b、表示制御部21c(特に、情報取得部21b、表示制御部21c)として機能させるジョブ管理プログラムとして構成し、当該ジョブ管理プログラムをCPU22に実行させるようにしてもよい。
【0025】
記憶部25は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などで構成され、CPU22が各部を制御するためのプログラム、自装置の処理機能に関する情報、印刷ジョブ、画像形成装置40から取得したジョブ情報、カメラ装置60から取得した行動情報などを記憶する。
【0026】
ネットワークI/F部26は、NIC(Network Interface Card)やモデムなどで構成され、ジョブ管理装置20を通信ネットワークに接続し、コントローラ30に印刷ジョブを送信したり、画像形成装置40からジョブ情報を受信したり、カメラ装置60から行動情報を受信したりする。
【0027】
表示部27は、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(electroluminescence)表示装置などで構成され、後述するトップ画面やスケジュール画面などの各種画面を表示する。
【0028】
操作部28は、マウスやキーボードなどで構成され、トップ画面でのスケジュール画面への遷移指示、スケジュール画面での時間変更指示などの各種操作を可能にする。
【0029】
[コントローラ]
コントローラ30は、各々の画像形成装置40を制御するコンピュータ装置などであり、図3に示すように、制御部31、記憶部35、ネットワークI/F部36、画像処理部37、必要に応じて表示部38及び操作部39などで構成される。
【0030】
制御部31は、CPU32とROM33やRAM34などのメモリとで構成され、CPU32は、ROM33や記憶部35に記憶した制御プログラムをRAM34に展開して実行することにより、コントローラ30全体の動作を制御する。
【0031】
記憶部35は、HDDやSSDなどで構成され、CPU32が各部を制御するためのプログラム、ジョブ管理装置20から受信した印刷ジョブ、画像処理部37で生成した画像データなどを保存する。
【0032】
ネットワークI/F部36は、NICやモデムなどで構成され、コントローラ30を通信ネットワークに接続し、ジョブ管理装置20から印刷ジョブを受信したり、画像形成装置40に画像データを送信したりする。
【0033】
画像処理部37は、RIP(Raster Image Processor)として機能し、印刷ジョブから中間データ(中間言語であるディスプレイリスト(DL:Display List))を生成し、原稿の各ページをラスタライズしてビットマップ形式の画像データを生成する。また、画像処理部37は、必要に応じて、画像データに対して、スクリーン処理、階調補正、濃度バランス調整、細線化、網点処理などを行う。
【0034】
表示部38は、液晶表示装置や有機EL表示装置などで構成され、各種画面を表示する。操作部39は、マウスやキーボードなどで構成され、各種操作を可能にする。
【0035】
[画像形成装置]
画像形成装置40は、MFP(Multi-Functional Peripherals)などであり、コントローラ30から受信した画像データに基づいて印刷処理を実行する。なお、印刷システム10に含まれる複数の画像形成装置40は、必ずしも同じ構成である必要はない。この画像形成装置40は、図4に示すように、制御部41、記憶部45、ネットワークI/F部46、表示操作部47、画像読取部48、給紙部49、印刷部50、後処理部51などで構成される。
【0036】
制御部41は、CPU42とROM43やRAM44などのメモリとで構成され、CPU42は、ROM43や記憶部45に記憶した制御プログラムをRAM44に展開して実行することにより、画像形成装置40全体の動作を制御する。
【0037】
記憶部45は、HDDやSSDなどで構成され、CPU42が各部を制御するためのプログラム、自装置の処理機能に関する情報、ジョブ情報などを記憶する。
【0038】
ネットワークI/F部46は、NICやモデムなどで構成され、画像形成装置40を通信ネットワークに接続し、コントローラ30から画像データを受信したり、ジョブ管理装置20にジョブ情報を送信したりする。
【0039】
表示操作部(操作パネル)47は、表示部上に透明電極が格子状に配置された感圧式の操作部(タッチセンサ)を設けたタッチパネルなどであり、印刷処理に関する各種画面を表示し、印刷に関する各種操作を可能にする。
【0040】
画像読取部48は、原稿台上に載置された原稿から画像データを光学的に読み取る部分であり、原稿を走査する光源と、原稿で反射された光を電気信号に変換するCCD(Charge Coupled Devices)等のイメージセンサと、電気信号をA/D変換するA/D変換器等により構成される。
【0041】
給紙部49は、1又は複数の給紙トレイ(図1における本体給紙段や大容量給紙段など)で構成され、給紙トレイに格納した用紙を印刷部50に給紙する。これらの給紙トレイには、用紙の搭載量を検知するセンサが設けられており、センサの出力信号に基づいて、制御部41は、各トレイの用紙の搭載量(ニアエンプティー、エンプティーなど)を判断し、その用紙の搭載量をジョブ管理装置20に通知する。
【0042】
印刷部50は、コントローラ30から受信した画像データ、若しくは画像読取部48で読み取った画像データに基づき、表示操作部47で指示された内容に従って、用紙上に画像を形成する。この印刷部50は、電子写真方式や静電記録方式等の作像プロセスを利用した画像形成のために必要な要素、すなわち、帯電装置、感光体ドラム、露光装置、転写ローラ、転写ベルト、定着装置などで構成され、画像データに基づく画像を用紙に形成する。具体的には、帯電装置により帯電された感光体ドラムに露光装置から画像データに応じた光を照射して静電潜像を形成し、現像装置で帯電したトナーを付着させて現像し、そのトナー像を一次転写ローラ、二次転写ベルトを介して用紙に転写して定着装置で定着させる処理を行う。
【0043】
後処理部(フィニッシャ)51は、必要に応じて設けられ、印刷部50が印刷した用紙に対して、パンチやステープル、小冊子などの後処理を実施する。
【0044】
[カメラ装置]
カメラ装置60は、画像形成装置40が設置される工場施設の天井や壁などに取り付けられ、画像形成装置40を含む領域(画像形成装置40とその周囲のオペレータの作業範囲)を静止画や動画で撮影する装置であり、図5に示すように、制御部61、記憶部65、ネットワークI/F部66、撮影部67などで構成される。
【0045】
制御部61は、CPU62とROM63やRAM64などのメモリとで構成され、CPU62は、ROM63や記憶部65に記憶した制御プログラムをRAM64に展開して実行することにより、カメラ装置60全体の動作を制御する。また、公知の画像処理技術を利用して、撮影部67が取得した映像データ(静止画像データや動画データ)を解析してオペレータを識別すると共にオペレータの行動を特定し、行動情報として記憶部65などに保存する。
【0046】
記憶部65は、HDDやSSDなどで構成され、CPU62が各部を制御するためのプログラム、撮影部67が取得した映像データ(静止画像データや動画データ)、行動情報などを保存する。
【0047】
ネットワークI/F部66は、NICやモデムなどで構成され、カメラ装置60を通信ネットワークに接続し、ジョブ管理装置20に映像データや行動情報を送信したりする。
【0048】
撮影部67は、CCD(Charge Coupled Devices)カメラやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラなどであり、少なくともオペレータを識別可能な解像度で画像形成装置40を含む領域を撮影して映像データ(静止画像データ又は動画データ)を取得する。
【0049】
なお、図1乃至図5は、本実施例の印刷システム10の一例であり、本実施例のジョブ管理が実施可能な限りにおいて、各装置の構成や制御は適宜変更可能である。例えば、図1では、印刷システム10に2台の画像形成装置40が接続される場合を示したが、少なくとも1台の画像形成装置40が接続されていればよい。また、図1では、印刷システム10にコントローラ30が接続される場合を示したが、画像形成装置40に画像処理部(RIP部)を備える場合は、コントローラ30を省略してもよい。
【0050】
また、図5では、カメラ装置60の制御部61が、映像データを解析して行動情報を取得する構成としたが、カメラ装置60はジョブ管理装置20に映像データを送信し、ジョブ管理装置20の制御部21が、受信した映像データを解析して行動情報を取得する構成としてもよい。また、図1では、印刷システム10にカメラ装置60が接続される場合を示したが、画像形成装置40や画像形成装置40が設置される工場施設の床などにRFIDリーダが埋め込まれ、このRFIDリーダがオペレータのRFIDタグを読み取ってジョブ管理装置20に送信することによって、オペレータの位置及び/又は動きが判別できる場合は、カメラ装置60を省略してもよい。また、画像形成装置40に人感センサなどが設置され、この人感センサがオペレータを検知した情報をジョブ管理装置20に送信することによって、オペレータの位置及び/又は動きが判別できる場合は、カメラ装置60を省略してもよい。
【0051】
上記構成の印刷システム10において、カメラ装置60は、連続して(もしくは一定の時間間隔で)対象となる画像形成装置40を含む領域を撮影し、映像データを解析して画像形成装置40と各オペレータの位置を特定し、オペレータの位置が変わった時刻を保存する。オペレータの位置は、例えば、スケジュール表示対象となる画像形成装置40付近にいる「装置前」か、装置前ではないが映像内にいる「移動中」か、映像内にいない「領域外」などである。そして、どのオペレータがいつ、どの画像形成装置40付近にいたのかを判別し、ログを残す。図6に、カメラ装置60に保存される行動情報の一例を示す。
【0052】
そして、ジョブ管理装置20の制御部21(情報取得部21b)は、ネットワークI/F部26を介して、画像形成装置40から、例えば、図7及び図8に示すようなジョブ情報(図7は実行中のジョブと実行予定のジョブの情報、図8は実行済みのジョブの情報)を取得すると共に、カメラ装置60から、例えば、図9に示すような行動情報を取得し、スケジュール画面上に表示する。
【0053】
例えば、ジョブ管理装置20の制御部21(表示制御部21c)は、表示部27に図10に示すようなトップ画面70を表示して、画像形成装置40の情報を表示する。そして、トップ画面70の右下のスケジュールボタンが押下(若しくはクリック)されてスケジュール画面への遷移が指示されたら、図11に示すようなスケジュール画面71を表示する。このスケジュールボタンの押下からスケジュール画面71の表示までの間に、ジョブ管理装置20の制御部21(情報取得部21b)は、画像形成装置40と通信し、ジョブ情報が更新されていれば、更新されたジョブ情報を受信すると共に、カメラ装置60と通信し、行動情報が更新されていれば、更新された行動情報を受信する。
【0054】
なお、ジョブ管理装置20は、所定の時間間隔で、画像形成装置40やカメラ装置60に更新があるかを問い合わせてジョブ情報や行動情報を受信してもよく、画像形成装置40がトリガとなる場合は、トリガを受け取ったジョブ管理装置20がカメラ装置60に更新があるかの問い合わせを行うようにしてもよい。また、画像形成装置40が、ジョブ終了時にジョブ管理装置20にジョブ情報を送信したり、カメラ装置60が、オペレータの行動に変化があったとき時にジョブ管理装置20に行動情報を送信したりしてもよい。
【0055】
そして、ジョブ管理装置20は、図7及び図8のジョブ情報に基づいて、図11のスケジュール画面71上に、縦軸にジョブID、横軸にジョブの実行状況を表示(色付きのバーなどで表示)する。なお、図11では、色の違いをハッチングの種類を変えて表現している。また、図11では、縦軸をジョブとしているが、トレイとしてもよい。
【0056】
このスケジュール画面71には、下部に左矢印と右矢印のボタン(「←」や「→」のボタン)があり、これらのボタンを押下することによって、それぞれ過去の情報、未来の情報が表示される。図12は、左矢印ボタンを2回押下した場合の例である。1回の左矢印ボタンの押下で30分前の情報までを表示するとして、その時間内に入るオペレータの行動があるかをオペレータの行動情報から検索する。その時間内に入る行動があった場合は、ジョブと関連付けて(例えば、そのジョブの出力時間前方に)、その行動を色付きのバーなどで表示する。図12では、10:26から13:26までの、図7及び図8に示すジョブ情報と図9に示す行動情報とに基づいて、オペレータの位置及び/又は動きがジョブの実行状況に関連付けて表示される。
【0057】
なお、黒塗りの矩形は出力済のジョブを示し、細かいドットでハッチングした矩形は出力中のジョブを示し、粗いドットでハッチングした矩形は出力予定のジョブ(予約ジョブ)を示している。また、右下がりの線でハッチングした矩形はオペレータが画像形成装置40の前にいることを示し、右上がりの線でハッチングした矩形はオペレータが移動中であることを示し、何も表示していない部分はオペレータが領域外であることを示しており、行動情報の内容(装置前/移動中/領域外)に応じて、オペレータの位置及び/又は動きの表示態様(色など)を変更している。なお、上述したように、本実施例では色の違いをハッチングの種類を変えて表現している。
【0058】
図13は、スケジュール画面71の他の例である。図13に示すように、オペレータ1が装置前に長く滞在しているが、ジョブ10とジョブ11との間に出力していない時間がある(図の矢印参照)。このことから、オペレータによるジョブの設定に迷いがあり、操作に手間取っている、オペレータが操作方法を良く分かっておらず、操作の効率が悪い等の可能性がある。つまり、オペレータの知識不足、操作効率が悪い等の要因で時間がかかったと想定され、オペレータの行動についての改善のヒント(ポイント)を提供することができる。
【0059】
また、未来に予想される処理(例えば、用紙が変わるので、いつ移動して用紙を用意するか等)についても、ジョブに関連付けて表示することで、いつその処理を実行すれば効率的であるかを示すことができる。また、ジョブ出力中に用紙のニアエンプティーやエンプティーが発生してジョブが止まっているときは、スケジュール画面71の表示形態を変えて(例えば、そのジョブのバーの色を変えて)表示してもよい。また、上記では、一台の画像形成装置40のジョブ情報を表示する場合について説明したが、画像形成装置40毎にスケジュール画面71の表示領域を区切り、複数台の画像形成装置40のジョブ情報をまとめて表示するようにしてもよい。なお、オペレータの行動情報については、上述したように、画像形成装置40に人感センサを取り付ける、若しくは、オペレータに個別のIDを持つRFIDタグなどを装着させ、画像形成装置40や工場施設(床や壁など)にRFIDリーダを取り付けることで取得しても良い。
【0060】
図14は、スケジュール画面71の他の例である。図14に示すように、ジョブ10とジョブ11との間に出力していない時間があり(図の矢印参照)、オペレータが画像形成装置40から離れている場合は、オペレータが誰かに呼び出されている、若しくは、別のことをしている可能性がある。スケジュール画面71にはジョブの予想終了時間が表示されていることから、画像形成装置40から離れる前にジョブの設定は済ませる等のオペレータの行動についての改善のヒント(ポイント)を提供することができる。
【0061】
図15は、スケジュール画面71の他の例である。図15に示すように、オペレータが画像形成装置40からの移動を繰り返している場合、ジョブ毎に使用する用紙を取りに行っている、若しくは、一度に運べない動線となっている可能性がある。また、オペレータ2の移動時間自体が長い箇所もあることから、画像形成装置40と用紙置き場との位置関係を変更する等のオペレータの行動についての改善のヒント(ポイント)を提供することができる。
【0062】
以下、本実施例の印刷システム10の処理について詳細に説明する。まず、カメラ装置60における行動情報の保存処理について、図16のフローチャート図を参照して説明する。
【0063】
[行動情報の保存処理]
図16に示すように、カメラ装置60の制御部61は、所定の時間間隔で行動情報が保存されているかを判断する(S101)。行動情報が保存されている場合は(S101のYes)、S108に遷移し、行動情報が保存されていない場合は(S101のNo)、制御部61は、オペレータが画像形成装置40の領域外であるかを判断し(S102)、オペレータが画像形成装置40の領域外の場合は(S102のYes)、オペレータが領域外であることを保存する(S103)。
【0064】
一方、オペレータが画像形成装置40の領域内の場合は(S102のNo)、制御部61は、オペレータが移動中であるかを判断し(S104)、オペレータが移動中の場合は(S104のYes)、オペレータが移動中であることを保存する(S105)。一方、オペレータが移動中でない場合は(S104のNo)、制御部61は、オペレータが画像形成装置40の前にいるかを判断し(S106)、オペレータが画像形成装置40の前にいる場合は(S106のYes)、オペレータが装置前であることを保存する(S107)。
【0065】
その後、制御部61は、オペレータの行動に変化があるかを判断し(S108)、行動に変化がある場合は(S108のYes)、変化した行動情報を記憶部65などに保存して(S109)、一連の行動情報保存処理を終了する。
【0066】
次に、本実施例のジョブ管理装置20と画像形成装置40とカメラ装置60の処理について、図17及び図18のフローチャート図を参照して説明する。CPU22は、ROM23又は記憶部25に記憶したジョブ管理プログラムをRAM24に展開して実行することにより、図17及び図18のフローチャート図に示す各ステップの処理を実行する。
【0067】
[ジョブ情報及び行動情報取得処理]
図17に示すように、ジョブ管理装置20の制御部21は、時間経過をカウントし(S201)、所定時間が経過したら(S201のYes)、制御部21(情報取得部21b)は、画像形成装置40にジョブ情報取得要求を送信する(S202)。画像形成装置40は、ジョブ情報取得要求を受信したら(S203)、ジョブ管理装置20にジョブ情報を送信する(S204)。ジョブ管理装置20の制御部21(情報取得部21b)は、画像形成装置40からジョブ情報を受信したら(S205)、そのジョブ情報を記憶部25などに保存する(S206)。
【0068】
次に、制御部21(情報取得部21b)は、カメラ装置60にオペレータ行動情報取得要求を送信する(S207)。カメラ装置60は、オペレータ行動情報取得要求を受信したら(S208)、ジョブ管理装置20にオペレータ行動情報を送信する(S209)。ジョブ管理装置20の制御部21(情報取得部21b)は、カメラ装置60からオペレータ行動情報を受信したら(S210)、そのオペレータ行動情報を記憶部25などに保存する(S211)。
【0069】
[スケジュール画面表示処理]
図18に示すように、ジョブ管理装置20の制御部21(表示制御部21c)は、表示部27にトップ画面70を表示し、トップ画面70のスケジュールボタンが押下されたら(S301)、制御部21(情報取得部21b)は、画像形成装置40に更新情報の問い合わせを行う(S302)。画像形成装置40の制御部41は、ジョブ管理装置20から更新情報の問い合わせを受けたら、ジョブ管理装置20に更新情報(更新されたジョブ情報)を送信する(S303)。ジョブ管理装置20の制御部21(情報取得部21b)は、画像形成装置40から更新情報(更新されたジョブ情報)を受信する(S304)。次に、制御部21(情報取得部21b)は、カメラ装置60に更新情報の問い合わせを行う(S305)。カメラ装置60の制御部61は、ジョブ管理装置20から更新情報の問い合わせを受けたら、ジョブ管理装置20に更新情報(更新された行動情報)を送信する(S306)。ジョブ管理装置20の制御部21(情報取得部21b)は、カメラ装置60から更新情報(更新された行動情報)を受信する(S307)。
【0070】
次に、制御部21(表示制御部21c)は、表示部27に、現在の時間からN時間後のスケジュール画面71を表示する(S308)。このスケジュール画面71で、「←」ボタンが押下されたら(S309のYes)、制御部21(表示制御部21c)は、表示中の時間の30分前からN時間後のスケジュール画面71を表示する(S310)。また、スケジュール画面71で、「→」ボタンが押下されたら(S309のNo、S311のYes)、制御部21(表示制御部21c)は、表示中の時間の30分後からN時間後のスケジュール画面71を表示する(S312)。
【0071】
S310又はS312でスケジュール画面71を表示した後、又は、「←」ボタンも「→」ボタンも押下されなかった場合は(S309のNo、S311のNo)、制御部21(表示制御部21c)は、表示終了が指示されたかを判断し(S313)、表示終了が指示されなかった場合は(S313のNo)、S309に戻って同様の処理を繰り返し、表示終了が指示された場合は(S313のYes)、一連のスケジュール画面表示処理を終了する。
【0072】
以上説明したように、スケジュール画面71にて、ジョブの実行状況のみならず、ジョブの実行状況に関連付けて、そのジョブに対応するオペレータの位置及び/又は動きも表示することにより、オペレータの行動についての改善すべきポイントを提示することができ、ジョブの処理効率を上げて無駄な時間を減らすことができる。
【0073】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、その構成や制御は適宜変更可能である。
【0074】
例えば、本実施例では、ジョブ管理装置20の表示部27にスケジュール画面71を表示する場合を示したが、画像形成装置40の表示操作部47やコントローラ30の表示部38にスケジュール画面71を表示してもよい。その場合は、画像形成装置40の制御部41やコントローラ30の制御部31を、情報取得部及び表示制御部として機能させればよい。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、少なくとも一台の画像形成装置と通信可能に接続されるジョブ管理装置、当該ジョブ管理装置におけるジョブ管理方法、当該ジョブ管理装置で動作するジョブ管理プログラム及び当該ジョブ管理プログラムを記録した記録媒体に利用可能である。
【符号の説明】
【0076】
10 印刷システム
20 ジョブ管理装置
21 制御部
21a ジョブ管理部
21b 情報取得部
21c 表示制御部
22 CPU
23 ROM
24 RAM
25 記憶部
26 ネットワークI/F部
27 表示部
28 操作部
30 コントローラ
31 制御部
32 CPU
33 ROM
34 RAM
35 記憶部
36 ネットワークI/F部
37 画像処理部
38 表示部
39 操作部
40 画像形成装置
41 制御部
42 CPU
43 ROM
44 RAM
45 記憶部
46 ネットワークI/F部
47 表示操作部
48 画像読取部
49 給紙部
50 印刷部
51 後処理部
60 カメラ装置
61 制御部
62 CPU
63 ROM
64 RAM
65 記憶部
66 ネットワークI/F部
67 撮影部
70 トップ画面
71 スケジュール画面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
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図18