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特許7516749ショッピングカート、制御方法、及び、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】ショッピングカート、制御方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   A47F 10/04 20060101AFI20240709BHJP
【FI】
A47F10/04
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019218946
(22)【出願日】2019-12-03
(65)【公開番号】P2021087578
(43)【公開日】2021-06-10
【審査請求日】2022-11-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】池内 瑛里奈
(72)【発明者】
【氏名】塩野入 匡宏
(72)【発明者】
【氏名】山田 静香
(72)【発明者】
【氏名】里舘 京
【審査官】葛谷 光平
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-119124(JP,A)
【文献】特開2010-280468(JP,A)
【文献】特開2010-105644(JP,A)
【文献】特開2009-136968(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0197218(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第109367608(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106651920(CN,A)
【文献】特開2004-171165(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47F 10/02-10/04
B62B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
購入候補である物品を搭載して、前記物品の購入者を追従する自走式カートと、
所定の画像認識を用いて、前記物品を搭載した前記自走式カートの画像に含まれる前記物品を認識し、認識した前記物品を登録する物品登録手段と、
前記自走式カートを駆動する駆動手段と、前記物品登録手段が用いる前記画像を取得する画像取得手段とを制御し、前記画像取得手段が取得した前記画像を用いて前記物品登録手段が認識して登録した前記物品のデータに含まれる重量データを用いて算出された前記物品の総重量が大きいほど、前記駆動手段により駆動される前記自走式カートの速度を遅くする制御手段と
を含むショッピングカート。
【請求項2】
前記制御手段は、前記駆動手段が前記自走式カートを駆動する状況に応じて、前記画像取得手段が前記画像を取得する条件を制御する
請求項1に記載のショッピングカート。
【請求項3】
前記制御手段は、前記駆動手段が前記自走式カートの駆動を停止したときに、前記画像取得手段が前記画像を取得するように制御する
請求項2に記載のショッピングカート。
【請求項4】
前記制御手段は、前記駆動手段が前記自走式カートを駆動する状況に応じて、前記画像取得手段が取得する前記画像の画質を変更する
請求項1ないし3のいずれか1項に記載のショッピングカート。
【請求項5】
前記制御手段は、前記駆動手段に駆動される前記自走式カートの速度が速いほど、前記画像取得手段が取得する前記画像の画素数を多くする
請求項4に記載のショッピングカート。
【請求項6】
前記制御手段は、前記画像取得手段が前記画像を取得する状況に応じて、前記駆動手段を制御する
請求項1ないし5のいずれか1項に記載のショッピングカート。
【請求項7】
前記制御手段は、前記物品登録手段が登録した前記物品の種類、数、及び搭載位置の少なくとも1つを含む前記物品の状況に応じて、前記駆動手段を制御する
請求項1ないし6のいずれか1項に記載のショッピングカート。
【請求項8】
前記購入者を特定する情報を取得する特定手段をさらに含み、
前記制御手段は、前記購入者を特定する情報を用いて、前記駆動手段を制御する
請求項1ないし7のいずれか1項に記載のショッピングカート。
【請求項9】
購入候補である物品を搭載して、前記物品の購入者を追従する自走式カートと、
所定の画像認識を用いて、前記物品を搭載した前記自走式カートの画像に含まれる前記物品を認識し、認識した前記物品を登録する物品登録手段と、
を含むショッピングカートが、
前記自走式カートの駆動と、前記物品登録手段が用いる前記画像の取得とを制御し、取得した前記画像を用いて認識して登録した前記物品のデータに含まれる重量データを用いて算出された前記物品の総重量が大きいほど、駆動される前記自走式カートの速度を遅くする
制御方法。
【請求項10】
購入候補である物品を搭載して、前記物品の購入者を追従する自走式カートと、
所定の画像認識を用いて、前記物品を搭載した前記自走式カートの画像に含まれる前記物品を認識し、認識した前記物品を登録する物品登録手段と、
を含むショッピングカートを制御するコンピュータに、
前記自走式カートを駆動する処理と、前記物品の前記画像を取得する処理とを制御し、取得した前記画像を用いて前記物品登録手段が認識して登録した前記物品のデータに含まれる重量データを用いて算出された前記物品の総重量が大きいほど、駆動される前記自走式カートの速度を遅くする処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ショッピングカートに関し、特に、購入者の利便性を向上するショッピングカートに関する。
【背景技術】
【0002】
商品の買物において、商品を搭載して移動するショッピングカートが広く利用されている。
【0003】
利用者の利便性を向上するため、搭載した商品に関連するサービスを提供する技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0004】
特許文献1に記載の移動台車は、買物カゴにシャッターを備え、投入した商品の持ち去り及び勝手な追加を避けるためにシャッターの開閉を制御する。
【0005】
また、棚などの商品の方向と、ショッピングカートを進める方向とは異なる。そのため、商品を探しながらショッピングカートの進行方向を確認することが難しい場合もある。
【0006】
そこで、このような問題点の解決の一つの手法として、自走式のショッピングカートが提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
【0007】
特許文献2に記載のショッピングカートは、移動体検知式センサを用いて、先導者を自動追尾する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2010-105644号公報
【文献】特開2013-006550号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ショッピングカートに投入した商品を購入するためには、利用者は、所定の精算所における、商品の確認と決済とが必要となる。
【0010】
しかし、例えば、夕方などの混雑時には決済のための列が長くなるため、利用者は、決済の完了までに多くの時間が取られていた。
【0011】
特許文献1に記載の移動台車は、商品の持ち去りなどの防ぐものであり、商品登録及び決済などに関するものではない。
【0012】
また、特許文献2に記載のショッピングカートは、先導者を追尾するものであり、商品の登録及び決済などに関するものではない。
【0013】
つまり、特許文献1及び2に記載の発明は、決済などに、多くの時間が必要となるという問題点があった。
【0014】
本発明の目的は、上記問題点を解決し、物品の決済に必要となる時間を低減するショッピングカートなどを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一形態におけるショッピングカートは、
購入候補である物品を搭載して、物品の購入者を追従する自走式カートと、
所定の画像認識を用いて、物品を搭載した自走式カートの画像に含まれる物品を認識し、認識した物品を登録する物品登録手段と、
自走式カートの駆動する駆動手段と、物品登録手段が用いる画像を取得する画像取得手段とを制御する制御手段と
を含む。
【0016】
本発明の一形態における制御方法は、
購入候補である物品を搭載して、物品の購入者を追従する自走式カートと、
所定の画像認識を用いて、物品を搭載した自走式カートの画像に含まれる物品を認識し、認識した物品を登録する物品登録手段と、
を含むショッピングカートが、
自走式カートの駆動と、物品登録手段が用いる画像の取得とを制御する。
【0017】
本発明の一形態におけるプログラムは、
購入候補である物品を搭載して、物品の購入者を追従する自走式カートと、
所定の画像認識を用いて、物品を搭載した自走式カートの画像に含まれる物品を認識し、認識した物品を登録する物品登録手段と、
を含むショッピングカートを制御するコンピュータに、
自走式カートを駆動する処理と、物品の画像を取得する処理とを制御する処理を実行させる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に基づけば、物品の決済に必要となる時間を低減するとの効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、第1の実施形態にかかるショッピングカートの構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、第1の実施形態にかかるショッピングカートの動作の一例を示すフロー図である。
図3図3は、第2の実施形態にかかるショッピングカートの構成の一例を示すブロック図である。
図4図4は、第2の実施形態にかかるショッピングカートの側面図である。
図5図5は、第2の実施形態にかかるショッピングカートの正面図である。
図6図6は、各実施形態にかかる制御部を実現するハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0021】
なお、各図面は、本発明の実施形態を説明するためのものである。ただし、本発明は、各図面の記載に限られるわけではない。また、各図面の同様の構成には、同じ番号を付し、その繰り返しの説明を、省略する場合がある。また、以下の説明に用いる図面において、本発明の説明に関係しない部分の構成については、記載を省略し、図示しない場合もある。
【0022】
<第1の実施形態>
以下、図面を参照して、第1の実施形態について説明する。
【0023】
[構成の説明]
まず、第1の実施形態にかかるショッピングカート10の構成について、図面を参照して説明する。
【0024】
図1は、第1の実施形態にかかるショッピングカート10の構成の一例を示すブロック図である。
【0025】
ショッピングカート10は、制御部20と、物品登録部30と、自走式カート40とを含む。
【0026】
自走式カート40は、物品を搭載して、物品の購入者を追従する。
【0027】
なお、自走式カート40は、直接的に物品を搭載してもよく、図示しない物品搭載部(例えば、買物カゴ)を搭載し、物品搭載部の中に物品を搭載してもよい。なお、物品搭載部は、自走式カート40と一体的に移動する。そのためを、以下の説明では、特に区別が必要な場合を除き、物品搭載部を搭載する場合を含め自走式カート40が物品と搭載するとして説明する。
【0028】
さらに、自走式カート40は、駆動部410を含む。駆動部410は、物品の購入者を追従するように自走式カート40を駆動する。
【0029】
購入者が、購入する物品又は購入予定の物品を自走式カート40に搭載すれば、自走式カート40の駆動部410が、自動で購入者を追従する。そのため、購入者は、自走式カート40を押したり、操作したりする必要がない。
【0030】
このように、自走式カート40は、購入者の移動に合わせて自動的に物品を運ぶ。そのため、購入者は、購入対象となる物品、及び/又は、物品が置かれている棚などに集中することが可能である。あるいは、例えば、購入者が子供の同伴している場合、購入者は、子供に手間を掛ける時間をより多く確保できる。
【0031】
なお、自走式カート40は、他の情報を用いて動作してもよい。例えば、自走式カート40は、地図情報を保持し、地図を用いて追従における経路を決定してもよい。あるいは、自走式カート40は、通路などを示すガイド信号、及び/又は、棚など侵入禁止領域を示す信号などに基づいて追従動作を実行してもよい。
【0032】
物品登録部30は、物品を搭載した自走式カート40の画像に所定の画像認識を適用して、自走式カート40に搭載された物品を認識し、認識した物品を登録する。
【0033】
物品登録部30は、画像認識に用いる画像を取得するために、画像取得部320を用いる。物品登録部30は、画像取得部320として、一般的な画像を取得する装置(例えば、カメラ)を用いればよい。なお、物品登録部30は、画像取得部320を含んでもよい、別体の画像取得部320を用いてもよい。
【0034】
また、物品登録部30が物品を認識する手法(画像認識手法)は任意である。
【0035】
例えば、物品登録部30は、予め記憶している物品の画像に関連する情報(例えば、物品画像の特徴量)と、取得した画像を基に算出した情報(例えば、撮影画像中の物品の特徴量)とを照合して、取得した画像中の物品を認識してもよい。
【0036】
あるいは、物品登録部30は、ネットワークなどを介して、外部の装置に、取得した画像に含まれる物品の認識を依頼してもよい。
【0037】
そして、物品登録部30は、認識した物品を購入候補として登録する。なお、物品登録部30は、登録した物品に関する情報(例えば、画像、名称、数、及び/又は価格)を図示しない表示部等を用いて購入者に提示してもよい。
【0038】
さらに、物品登録部30は、自走式カート40からの、物品の取り去りも検出する。物品の取り去りを検出した場合、物品登録部30は、登録した物品を削除する。以下の説明では、「物品の取り去り」を含め「物品の登録」と呼ぶ。
【0039】
このように、物品登録部30は、自走式カート40に搭載された物品を登録する。
【0040】
さらに、物品登録部30は、購入者の決済の指示に基づいて、登録した物品(つまり、自走式カート40に搭載された物品)を決済してもよい。
【0041】
なお、物品登録部30における決済のやり方は、任意である。
【0042】
例えば、物品登録部30は、購入者の銀行の口座から、物品の価格に相当する金額を引き落として、物品を提供した企業の口座に振り込んでもよい。
【0043】
あるいは、物品登録部30は、購入者が所有しているクレジットカード又は電子マネーなどの電子決済を用いてもよい。
【0044】
なお、物品登録部30は、直接的に、決済の指示を受けてもよく、制御部20など別の構成を介して決済の指示を受けてもよい。
【0045】
なお、物品の決済は、物品登録部30とは異なる構成が実行してもよい。
【0046】
制御部20は、所定の開始条件を検出すると、自走式カート40及び物品登録部30の制御を開始する。制御部20における開始条件は、任意である。例えば、開始条件は、ショッピングカート10の仕様、又は、店舗の運用方針に基づいて決定される。
【0047】
例えば、決済としてクレジットカードを用いる場合、制御部20は、購入者のクレジットカードを検出したときに、自走式カート40における購入者を追従する動作と、物品登録部30における物品を登録する動作とを開始するように制御してもよい。
【0048】
あるいは、制御部20が図示しない購入者を認証する構成(例えば、指紋認証装置又は顔認証装置)を含む場合、制御部20は、購入者の認証に基づいて、自走式カート40及び物品登録部30の動作を開始するように制御してもよい。例えば、制御部20は、音声認識機能を備え、購入者の声に基づいて制御を開始してもよい。
【0049】
このように、上記構成に基づいて、第1の実施形態にかかるショッピングカート10は、自走式カート40に搭載された物品を物品登録部30が自動的に登録するため、物品の決済する際の物品を登録するための時間を不要とできる。
【0050】
例えば、精算所を利用する場合でも、購入者は、すぐに物品の決済を実行できる。
【0051】
さらに、ショッピングカート10が決済機能を含む場合、購入者は、任意の場所で、決済を完了することできる。
【0052】
なお、制御部20は、物品登録部30又は自走式カート40に含まれてもよい。つまり、物品登録部30又は自走式カート40が、ショッピングカート10を制御してもよい。
【0053】
[動作の説明]
次に、第1の実施形態にかかるショッピングカート10の動作について、図面を参照して説明する。
【0054】
図2は、第1の実施形態にかかるショッピングカート10の動作の一例を示すフロー図である。
【0055】
制御部20は、開始条件を検出すると、自走式カート40及び物品登録部30に、動作の開始を指示する(ステップS101)。
【0056】
自走式カート40は、購入者に追従する(ステップS103)。より詳細には、駆動部410が、購入者を追従するように、自走式カート40を駆動する。
【0057】
物品登録部30は、物品を登録する(ステップS105)。より詳細には、物品登録部30は、所定の画像認識を用いて、画像取得部320が取得した画像(自走式カート40に搭載された物品を含む画像)における物品を認識し、認識した物品を登録する。
【0058】
なお、物品の登録は、上記のとおり、「物品の取り去り」を含む動作である。
【0059】
自走式カート40及び物品登録部30は、並列に動作する。
【0060】
制御部20は、処理を終了するか否かを判定する(ステップS107)。例えば、制御部20は、終了の指示があったか否かを判定する。
【0061】
終了の指示は、任意である。例えば、制御部20は、物品登録部30が受けた決済の指示を、終了の指示と判定してもよい。なお、物品の決済の指示は、物品登録部30ではなく、制御部20が受けてもよい。
【0062】
あるいは、制御部20は、図示しない「終了ボタン」の押下を検出した場合に、終了と判定してもよい。
【0063】
終了ではない場合(ステップS107でNo)、ショッピングカート10は、ステップS103からS107の動作を繰り返す。
【0064】
終了の場合(ステップS107でYes)、制御部20は、ショッピングカート10における所定の終了処理を実行後に、動作を終了する(ステップS109)。
【0065】
制御部20における終了処理は、任意である。
【0066】
例えば、制御部20は、終了の指示に基づいて、物品登録部30に登録した物品の決済を指示する。そして、物品登録部30が登録した物品の決済が完了し、搭載された物品がなくなったことを検出すると、制御部20は、自走式カート40に、所定の位置(例えば、待機場所)に戻るように指示してもよい。この場合、ショッピングカート10が自動的に所定の位置に戻るため、購入者は、任意の位置で物品を決済して、ショッピングカート10から離れることができる。
【0067】
[効果の説明]
次に、第1の実施形態にかかるショッピングカート10の効果について説明する。
【0068】
第1の実施形態にかかるショッピングカート10は、物品の決済に必要となる時間を低減するとの効果を得ることができる。
【0069】
その理由は、次のとおりである。
【0070】
ショッピングカート10は、自走式カート40と、物品登録部30と、制御部20とを含む。自走式カート40は、購入候補である物品を搭載して、物品の購入者を追従する。物品登録部30は、所定の画像認識を用いて、物品を搭載した自走式カート40の画像に含まれる物品を認識し、認識した物品を登録する。制御部20は、自走式カート40の駆動する駆動部410と、物品登録部30が用いる画像を取得する画像取得部320とを制御する。
【0071】
このように構成されたショッピングカート10を利用する購入者は、追従している自走式カート40に購入する物品を搭載すれば、精算所に行かなくても、物品が登録される。そのため、購入者は、精算所などにおける物品を登録する作業を不要とできる。
【0072】
さらに、物品登録部30が決済機能を含む場合、購入者は、精算所に移動しなくても、物品を決済できる。
【0073】
このように、ショッピングカート10は、購入者における物品の決済に必要となる時間を低減することができる。
【0074】
さらに、ショッピングカート10は、購入者を追従する。そのため、例えば、購入する物品が多くなっても、購入者はショッピングカート10を押したり、操作したりする必要がない。また、購入者は、ショッピングカート10の操作の必要がないため、物品の選択又は他の作業に多くの時間を割り当てることができる。
【0075】
このように、ショッピングカート10は、購入者の購入を援助にする効果も実現する。
【0076】
また、上記のように物品登録部30が決済機能を含む場合、ショッピングカート10は、店舗の従業員における精算所での業務(例えば、レジスターの操作、及び、レジスターの現金の管理)の負荷を削減できる。
【0077】
また、ショッピングカート10は、物品の決算完了、又は、搭載された物品がなくなった場合に、所定の位置(例えば、待機場所)に戻る機能を備えることができる。この機能を備えるショッピングカート10を用いる場合、店舗の従業員は、ショッピングカート10を回収する業務を削減できる。
【0078】
つまり、ショッピングカート10は、ショッピングカート10を採用した店舗の従業員における作業の負荷を低減するとの効果を実現する。
【0079】
そして、従業員の負荷低減は、採用可能な従業員の範囲を広げるとの効果も実現できる。つまり、ショッピングカート10は、店舗の運営者における従業員の採用を、容易にするとの効果を実現できる。
【0080】
さらに、上記のように物品登録部30が決済機能を含む場合、店舗側は、精算所を備える場所を削減できる。例えば、店舗の運営者は、削減された空間に、物品棚を追加することができる。このように、ショッピングカート10を採用した店舗の運営者は、店舗内の空間をより有効に活用できる。
【0081】
また、精算所を削減することは、店舗における現金の盗難などの犯罪の発生を防ぐこととなる。つまり、ショッピングカート10は、店舗の運営者及び従業員の安全性を向上できる。
【0082】
なお、上記のように構成されたショッピングカート10は、従業員が常駐する店舗に限らず、省人型店舗、又は、無人店舗にも適用可能である。
【0083】
<第2の実施形態>
次に、図面を参照して、第2の実施形態について説明する。
【0084】
[構成の説明]
まず、第2の実施形態にかかるショッピングカート11の構成について、図面を参照して説明する。
【0085】
図3は、第2の実施形態にかかるショッピングカート11の構成の一例を示すブロック図である。
【0086】
図4は、第2の実施形態にかかるショッピングカート11の側面図である。
【0087】
図5は、第2の実施形態にかかるショッピングカート11の正面図である。この場合の正面とは、購入者がショッピングカート11に対向する方向である。
【0088】
なお、図4及び図5は、図を見やすくするため、一部の構成の記載を省略している。また、図4及び図5に含まれる構成の位置及び数は、一例である。
【0089】
ショッピングカート11は、制御部20と、物品登録部31と、自走式カート41と、物品搭載部50と、表示部60とを含む。
【0090】
物品搭載部50は、購入者が購入の候補として選択した物品510を搭載する。なお、図5において破線の矢印で示すように、購入者(又は図示しない同伴者)が、物品510を物品搭載部50に搭載する。
【0091】
なお、物品搭載部50は、自走式カート41の一部として構成されてもよい。あるいは、物品搭載部50は、買物カゴのように、使用時に自走式カート41に搭載又は固定されてもよい。
【0092】
自走式カート41は、駆動部410を含み、第1の実施形態における自走式カート40と同様に、購入者を追従する。さらに、自走式カート41は、移動部420と、検出部430とを含む。
【0093】
移動部420は、床面などに駆動部410が発生した駆動力を伝え、自走式カート41を移動する。例えば、移動部420は、ゴムタイヤを含む車輪、又は、キャタピラである。
【0094】
検出部430は、移動部420が購入者を追従するための情報を検出する。例えば、検出部430は、自走式カート41に対する購入者の位置を検出する。より詳細には、例えば、検出部430は、近接センサ、又は、カメラを用いた人認識装置である。
【0095】
なお、図4において、購入者は、検出部430に対して、右方向に位置する。そのため、図4の検出部430は、図4における右方向に検出用の信号を放出している。ただし、これは検出部430を限定するものではない。既に説明したように、検出部430が購入者の検出する手法は、任意である。
【0096】
また、図5において、自走式カート41は、2つの検出部430を含む。ただし、これは、一例である。自走式カート41が備える検出部430の数及び位置は、任意である。
【0097】
また、図5において、自走式カート41は、2つの駆動部410を含む。ただし、これは一例である。自走式カート41が備える駆動部410の数及び位置は、任意である。
【0098】
駆動部410は、検出部430の検出結果を用いて、移動部420を駆動して、第1の実施形態の駆動部410と同様に、購入者を追従するように自走式カート41を駆動する。
【0099】
さらに、図4及び図5は、自走式カート41の構成として、バッテリ440と、保護カバー450とを示している。
【0100】
バッテリ440は、ショッピングカート11の各構成(制御部20、物品登録部31、自走式カート41、及び表示部60)に電力を供給する。
【0101】
保護カバー450は、運用時において、駆動部410などを保護する。
【0102】
なお、保護カバー450は、検出部430が用いるセンサに合わせて、電波又は光が通過できるように、スリットなどの隙間又は窓などの開口部が設けられていてもよい。
【0103】
なお、検出部430がカメラなどの保護カバー450の外部に設置された機器を用いる場合、保護カバー450は、開口部などを含まなくてもよい。
【0104】
物品登録部31は、第1の実施形態の物品登録部30と同様に、画像取得部320が取得した画像を用いて、物品搭載部50に搭載された物品510を登録する。
【0105】
さらに、物品登録部31は、登録処理部310と、物品データ保存部330とを含む。
【0106】
画像取得部320は、第1の実施形態の同様に、物品搭載部50に搭載された物品510の画像を取得する。
【0107】
なお、物品登録部31が含む画像取得部320の数は、任意である。物品登録部31は、1つ、又は、複数の画像取得部320を搭載してもよい。例えば、画像取得部320の数は、物品搭載部50の形状、又は、決済対象となる物品510等を基に決定される。
【0108】
なお、画像取得部320の少なくとも一部は、物品登録部31の外部の装置として構成されてもよい。
【0109】
登録処理部310は、画像取得部320が取得した画像を用いた画像認識に基づいて、物品510を登録する処理を実行する。さらに、登録処理部310は、物品510の決済の処理を実行してもよい。登録処理部310は、これらの処理において、物品データ保存部330が保存するデータを利用する。
【0110】
物品データ保存部330は、登録処理部310が物品510を登録するときに使用するデータを保存する。
【0111】
例えば、登録処理部310が、物品510の認識に画像の特徴量を利用する場合、物品データ保存部330は、物品510の特徴量を保存する。登録処理部310は、物品データ保存部330に保存された特徴量と、画像取得部320から取得した画像を基に算出した特徴量とを照合して、登録する物品510を判定すればよい。
【0112】
なお、物品データ保存部330は、物品510の決済に関連するデータを保存してもよい。
【0113】
制御部20は、第1の実施形態の制御部20と同様に、物品登録部31及び自走式カート41を制御する。
【0114】
さらに、制御部20は、登録された物品510に関連する情報(例えば、品名、数、価格、及び/又は、画像など)を表示部60に表示する。
【0115】
なお、制御部20は、表示部60に、決済に関する情報(例えば、合計金額)を表示してもよい。
【0116】
表示部60は、制御部20からの指示に基づいて、情報を表示する。例えば、表示部60は、物品搭載部50に搭載された物品510の名称及び数を表示する。
【0117】
表示部60は、タッチパネル又はカード読み取り機などの入力機器を含んでもよい。
【0118】
例えば、表示部60がタッチパネルを含む場合、制御部20は、表示部60から決済の指示を受け取ってもよい。つまり、表示部60は、入力機器として動作してもよい。
【0119】
あるいは、表示部60がカード読み取り機を含む場合、制御部20は、カード読み取り機が読み込んだカードの情報を用いて、購入者を特定してもよい。つまり、表示部60は、購入者を特定する特定部として動作してもよい。
【0120】
なお、図4及び図5に示されているショッピングカート11は、制御部20と、表示部60と、物品登録部31における登録処理部310及び物品データ保存部330とが一体として構成された場合を示している。
【0121】
[動作の説明]
次に、第2の実施形態にかかるショッピングカート11の動作について、より詳細に説明する。
【0122】
なお、図2を参照して説明した第1の実施形態の動作と同様の動作については、説明を省略する。
【0123】
以下、ショッピングカート11の制御部20における物品登録部31及び自走式カート41の制御を中心に説明する。
【0124】
1.取得する画像に関連する制御
店舗の床は、必ずしも平坦ではない。そのため、ショッピングカート11は、購入者を追従している場合に、ある程度の振動を発生する。ショッピングカート11が振動すると、画像取得部320が取得する画像が乱れる。
【0125】
このような画像の乱れは、物品登録部31における物品510の登録の正確性を低下させる可能性がある。
【0126】
そこで、制御部20は、以下で説明する制御を基に、正確性の低減を抑える。
【0127】
(1)画像を取得する条件の制御
制御部20は、駆動部410が自走式カート41を駆動する状況に応じて、画像取得部320が画像を取得する条件を制御してもよい。例えば、制御部20は、駆動部410が自走式カート41を駆動する状況に応じて、画像取得部320が画像を取得する条件として、タイミング、画質、画像取得数、及び、シャッタースピードなどを変更するように制御してもよい。制御部20は、1つに限らず複数の条件を制御してもよい。例えば、制御部20は、画質とシャッタースピードとの両方を制御してもよい。さらに、制御部20は、使用する条件の変更(追加、削除、及び/又は入れ替えなど)についても制御してもよい。
【0128】
購入者が、物品510をショッピングカート11に搭載する場合、購入者は、立ち止まって棚などから物品510を取って、ショッピングカート11に搭載する。つまり、物品510は、ショッピングカート11を止まっている場合に、搭載されることが多い。
【0129】
そこで、例えば、制御部20は、駆動部410が自走式カート41の駆動を停止したとき(つまり、自走式カート41が停止したとき)に、画像取得部320に画像の取得を指示してもよい。
【0130】
あるいは、制御部20は、駆動部410が自走式カート41を所定の速度以下で駆動する場合(つまり、自走式カート41が所定の速度以下で移動する場合)に、画像取得部320に画像の取得を指示してもよい。
【0131】
つまり、制御部20は、駆動部410が自走式カート41を駆動する状況として、画像取得部320が取得する画像における乱れが低くなる状況において、画像取得部320が画像を取得するように制御する。
【0132】
なお、画像取得部320がシャッター及び/又は絞りを備えている場合、制御部20は、シャッターのスピード及び/又は絞りの量を制御してもよい。
【0133】
(2)画像の画質の制御
制御部20は、駆動部410が自走式カート41を駆動する状況に応じて、画像取得部320が取得する画像の画質を制御してもよい。
【0134】
例えば、駆動部410に駆動される自走式カート41の速度が早い場合、床の凹凸を通過する間隔が短くなり、振動が大きくなる。その結果、画像取得部320が取得する画像が乱れる可能性が高くなる。そこで、制御部20は、駆動部410に駆動される自走式カート41の速度が速いほど、画像取得部320が取得する画像を、画質が高い画像(画素数が多い画像)としてもよい。反対に、制御部20は、駆動部410に駆動される自走式カート41の速度が遅いほど、画像取得部320が取得する画像を、画質が低い画像(画素数が少ない画像)としてもよい。
【0135】
なお、画像取得部320がシャッター及び/又は絞りを備えている場合、制御部20は、画質の変更として、シャッターのスピード及び/又は絞りの量を制御してもよい。
【0136】
あるいは、制御部20は、画像取得部320のフレームレートを制御してもよい。
【0137】
(3)駆動の制御
制御部20は、画像取得部320における画像を取得する状況に応じて、駆動部410における自走式カート41の駆動を制御してもよい。
【0138】
例えば、制御部20は、画像取得部320が画像を取得するときに、駆動部410における自走式カート41の駆動を停止又は低速となるように駆動としてもよい。
【0139】
2.物品の状況に関連する制御
搭載された物品510が割れ物の場合、自走式カート41は、物品搭載部50における振動を抑えるように追従することが望ましい。
【0140】
また、搭載された物品510が多い場合、振動などで物品510が崩れる恐れがある。
【0141】
そこで、制御部20は、物品510の状況に応じて、駆動部410を制御してもよい。物品510の状況とは、物品510の種類、重さ、数、及び、物品搭載部50における物品510の搭載位置などである。
【0142】
制御部20は、物品510の状況として、物品登録部31が登録した物品510に関する情報を取得して、駆動部410を制御すればよい。例えば、物品データ保存部330が、物品510に関するデータとして、物品510の重量を含む場合、制御部20又は物品登録部31は、搭載された物品510の総重量を算出できる。制御部20は、算出した総重量に対応して、駆動部410を制御してもよい。例えば、搭載された物品510の総重量が大きいほど、制御部20は、駆動部410が駆動する自走式カート41の速度を遅くしてもよい。
【0143】
あるいは、搭載された物品510の数が多いほど、制御部20は、駆動部410が駆動する自走式カート41の速度を遅くしてもよい。
【0144】
あるいは、搭載された物品510が壊れやすい物(例えば、卵)を含む場合、制御部20は、自走式カート41の速度を所定の速度以下となるように、駆動部410を制御してもよい。
【0145】
制御部20は、搭載された物品510の状況に応じて、自走式カート41の加速度(例えば、自走式カート41の動き出しの加速度、又は、止まるときの加速度)が所定の値以下となるように、駆動部410を制御してもよい。あるいは、制御部20は、自走式カート41の速度を制御するだけではなく、カーブなど曲がる場合の回転半径を制御してもよい。
【0146】
このように、制御部20は、駆動部410の制御として、自走式カート41の速度だけではく、加速度など他の値に関する制御を実行してもよい。
【0147】
3.購入者に関連する制御
購入者の歩行速度は、購入者の年齢などが異なると、かなり違っていると想定される。あるいは、購入者は、同伴者の有無に伴って、歩行速度が異なる。
【0148】
そこで、制御部20は、購入者及び/又は購入者の状況に対応して、駆動部410を制御してもよい。
【0149】
例えば、制御部20は、ショッピングカート11の動作開始として、購入者の特定する情報の取得(例えば、購入者の会員番号の読み取り)を用いる場合、その情報を基に購入者を特定し、特定した購入者に合わせるように駆動部410を制御してもよい。
【0150】
あるいは、ショッピングカート11が購入者の画像を用いて購入者の所定の属性(例えば、年代、及び性別)を認識する機能を備える場合、制御部20は、購入者の属性を用いてもよい。
【0151】
例えば、物品登録部31が決済機能を備える場合、物品登録部31は、決済のために購入者を特定する情報を取得する。そこで、制御部20は、物品登録部31が特定した購入者に関連する属性(例えば、年齢)に応じて、自走式カート41の速度が所定の値を超えないように、駆動部410を制御してもよい。
【0152】
あるいは、物品登録部31が購入者の同伴者(例えば、子供及び/又は高年齢の方)を特定する場合、制御部20は、物品登録部31が特定した同伴者に応じて、自走式カート41の速度を制限するように駆動部410を制御してもよい。
【0153】
このように、制御部20は、物品登録部31が特定した購入者に関連する情報に基づいて、自走式カート41に含まれる駆動部410を制御してもよい。
【0154】
なお、制御部20が制御する対象は、駆動部410に限定されない。例えば、購入者が車いすの利用者の場合、制御部20は、検出部430における購入者を検出する手法を、車いすを検出する手法に変更してよい。
【0155】
[効果の説明]
次に、第2の実施形態にかかるショッピングカート11の効果について説明する。
【0156】
第2の実施形態にかかるショッピングカート11は、第1の実施形態のショッピングカート10と同様の効果を得ることができる。
【0157】
その理由は、次のとおりである。
【0158】
第2の実施形態における制御部20、物品登録部31、及び、自走式カート41が、第1の実施形態における制御部20、物品登録部30、及び、自走式カート40と同様の機能を実現するためである。
【0159】
さらに、第2の実施形態にかかるショッピングカート11は、より適切な物品510を登録できるとの効果を得ることができる。
【0160】
その理由は、制御部20が、駆動部410が自走式カート41を駆動する状況に応じて、画像取得部320における画像の取得を制御するためである。
【0161】
あるいは、制御部20が、画像取得部320が画像を取得する状況に応じて、駆動部410を制御するためである。
【0162】
さらに、第2の実施形態にかかるショッピングカート11は、自走式カート41における追従動作として、搭載された物品510に対応した走行を実現するとの効果を得ることができる。
【0163】
その理由は、制御部20が、物品登録部31が登録した物品510(つまり、搭載された物品510)の状況(例えば、重さ、及び/又は、数)に基づいて、駆動部410を制御するためである。
【0164】
さらに、第2の実施形態にかかるショッピングカート11は、購入者に合わせた追従を実現するとの効果を得ることができる。
【0165】
その理由は、制御部20が、物品登録部31などが特定した購入者に応じて、駆動部410を制御するためである。
【0166】
[ハードウェア構成]
次に、各部のハードウェア構成について、代表として、制御部20を用いて説明する。他の構成は、以下で説明する制御部20の構成に加え、各構成の機能を実現するために必要となる構成(例えば、駆動部410の場合はモータ)を含めばよい。
【0167】
なお、制御部20及び他の構成は、1つのハードウェアで構成されてもよい。例えば、制御部20及び物品登録部30は、1つのコンピュータ装置で構成されてもよい。
【0168】
制御部20は、ハードウェア回路を用いて構成されてもよい。
【0169】
あるいは、制御部20は、ネットワークを介して接続した複数の装置を用いて、構成されてもよい。
【0170】
あるいは、制御部20は、コンピュータ装置を含んで構成されてもよい。
【0171】
コンピュータ装置は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)とを含んで実現される。コンピュータ装置は、上記構成に加え、さらに、入出力接続回路(IOC:Input and Output Circuit)を含んでもよい。コンピュータ装置は、上記構成に加え、さらに、ネットワークインターフェース回路(NIC:Network Interface Circuit)を含んでもよい。
【0172】
図6は、各実施形態にかかる制御部20としての機能を実現するコンピュータ装置80のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0173】
コンピュータ装置80は、CPU810と、ROM820と、RAM830と、内部記憶装置840と、IOC850と、NIC880とを含む。
【0174】
CPU810は、ROM820及び/又は内部記憶装置840からプログラムを読み込む。そして、CPU810は、読み込んだプログラムに基づいて、RAM830と、内部記憶装置840と、IOC850と、NIC880とを制御する。そして、CPU810を含むコンピュータ装置80は、これらの構成を制御し、各実施形態における制御部20としての機能を実現する。
【0175】
CPU810は、各機能を実現する際に、RAM830又は内部記憶装置840を、プログラムの一時記憶媒体として使用してもよい。
【0176】
また、CPU810は、コンピュータで読み取り可能にプログラムを記憶した記憶媒体890が含むプログラムを、図示しない記憶媒体読み取り装置を用いて読み込んでもよい。あるいは、CPU810は、NIC880を介して、図示しない外部の装置からプログラムを受け取り、RAM830又は内部記憶装置840に保存して、保存したプログラムを基に動作してもよい。
【0177】
ROM820は、CPU810が実行するプログラム及び固定的なデータを記憶する。ROM820は、例えば、P-ROM(Programmable-ROM)又はフラッシュROMである。
【0178】
RAM830は、CPU810が実行するプログラム及びデータを一時的に記憶する。RAM830は、例えば、D-RAM(Dynamic-RAM)である。
【0179】
内部記憶装置840は、コンピュータ装置80が長期的に保存するデータ及びプログラムを記憶する。例えば、内部記憶装置840は、物品データ保存部330として動作してもよい。
【0180】
また、内部記憶装置840は、CPU810の一時記憶装置として動作してもよい。内部記憶装置840は、例えば、ハードディスク装置、光磁気ディスク装置、又は、SSD(Solid State Drive)である。
【0181】
ROM820と内部記憶装置840とは、不揮発性(non-transitory)の記憶媒体である。一方、RAM830は、揮発性(transitory)の記憶媒体である。そして、CPU810は、ROM820、内部記憶装置840、又は、RAM830に記憶されているプログラムを基に動作可能である。つまり、CPU810は、不揮発性記憶媒体又は揮発性記憶媒体を用いて動作可能である。
【0182】
IOC850は、CPU810と、入力機器860及び表示機器870とのデータを仲介する。IOC850は、例えば、IOインターフェースカード又はUSB(Universal Serial Bus)カードである。さらに、IOC850は、USBのような有線に限らず、無線を用いてもよい。
【0183】
入力機器860は、コンピュータ装置80の操作者からの入力指示を受け取る機器である。入力機器860は、決済の指示を受けるスイッチ又は、指紋認証機器のような認証装置でもよい。あるいは、入力機器860は、例えば、キーボード、マウス又はタッチパネルでもよい。
【0184】
表示機器870は、コンピュータ装置80の操作者に情報を表示する機器である。表示機器870は、表示部60として動作してもよい。表示機器870は、例えば、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス・ディスプレイ、又は、電子ペーパーである。
【0185】
NIC880は、バス又はネットワークを介して、他の構成又は装置とのデータのやり取りを中継する。NIC880は、例えば、USB又はLAN(Local Area Network)カードである。さらに、NIC880は、有線に限らず、無線を用いてもよい。
【0186】
このように構成されたコンピュータ装置80は、制御部20と同様の効果を得ることができる。
【0187】
その理由は、コンピュータ装置80のCPU810が、プログラムに基づいて制御部20としての機能を実現できるためである。
【0188】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成及び詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0189】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0190】
(付記1)
購入候補である物品を搭載して、物品の購入者を追従する自走式カートと、
所定の画像認識を用いて、前記物品を搭載した自走式カートの画像に含まれる物品を認識し、認識した物品を登録する物品登録手段と、
自走式カートの駆動する駆動手段と、物品登録手段が用いる画像を取得する画像取得手段とを制御する制御手段と
を含むショッピングカート。
【0191】
(付記2)
制御手段は、駆動手段が自走式カートを駆動する状況に応じて、画像取得手段が画像を取得する条件を制御する
付記1に記載のショッピングカート。
【0192】
(付記3)
制御手段は、駆動手段が自走式カートの駆動を停止したときに、画像取得手段が画像を取得するように制御する
付記2に記載のショッピングカート。
【0193】
(付記4)
制御手段は、駆動手段が自走式カートを駆動する状況に応じて、画像取得手段が取得する画像の画質を変更する
付記1ないし3のいずれか1に記載のショッピングカート。
【0194】
(付記5)
制御手段は、駆動手段に駆動される自走式カートの速度が速いほど、画像取得手段が取得する画像の画素数を多くする
付記4に記載のショッピングカート。
【0195】
(付記6)
制御手段は、画像取得手段が画像を取得する状況に応じて、駆動手段を制御する
付記1ないし5のいずれか1に記載のショッピングカート。
【0196】
(付記7)
制御手段は、画像取得手段が画像を取得するときに、駆動手段が自走式カートの駆動を停止するように制御する
付記6に記載のショッピングカート。
【0197】
(付記8)
制御手段は、物品登録手段が登録した物品の種類、重さ、数、及び搭載位置の少なくとも1つを含む物品の状況に応じて、駆動手段を制御する
付記1ないし7のいずれか1に記載のショッピングカート。
【0198】
(付記9)
制御手段は、物品の種類に対応した移動の速度の制限がある場合、駆動手段に駆動される自走式カートの速度を、搭載された物品の種類に対応した制限を超えないように制御する
付記8に記載のショッピングカート。
【0199】
(付記10)
制御手段は、搭載された物品の合計の重さが大きいほど、及び/又は、物品の数が多いほど、駆動手段が自走式カートを駆動する速度を遅くする
付記8又は9に記載のショッピングカート。
【0200】
(付記11)
購入者を特定する情報を取得する特定手段をさらに含み、
制御手段は、購入者を特定する情報を用いて、駆動手段を制御する
付記1ないし10のいずれか1に記載のショッピングカート。
【0201】
(付記12)
購入者を特定する情報が、購入者及び/又は購入者の同伴者の年齢に関する情報を含むとき、
制御手段は、年齢に関する情報に応じて駆動手段を制御して、自走式カートが購入者を追従するやり方を変更する
付記11に記載のショッピングカート。
【0202】
(付記13)
購入候補である物品を搭載して、物品の購入者を追従する自走式カートと、
所定の画像認識を用いて、物品を搭載した自走式カートの画像に含まれる物品を認識し、認識した物品を登録する物品登録手段と、
を含むショッピングカートが、
自走式カートの駆動と、物品登録手段が用いる画像の取得とを制御する
制御方法。
【0203】
(付記14)
購入候補である物品を搭載して、物品の購入者を追従する自走式カートと、
所定の画像認識を用いて、物品を搭載した自走式カートの画像に含まれる物品を認識し、認識した物品を登録する物品登録手段と、
を含むショッピングカートを制御するコンピュータに、
自走式カートを駆動する処理と、物品の画像を取得する処理とを制御する処理を実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0204】
10 ショッピングカート
11 ショッピングカート
20 制御部
30 物品登録部
31 物品登録部
40 自走式カート
41 自走式カート
50 物品搭載部
60 表示部
80 コンピュータ装置
310 登録処理部
320 画像取得部
330 物品データ保存部
410 駆動部
420 移動部
430 検出部
440 バッテリ
450 保護カバー
510 物品
810 CPU
820 ROM
830 RAM
840 内部記憶装置
850 IOC
860 入力機器
870 表示機器
880 NIC
890 記憶媒体
図1
図2
図3
図4
図5
図6