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特許7516752交換レンズ、光学フィルター及びテンプレート
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】交換レンズ、光学フィルター及びテンプレート
(51)【国際特許分類】
   G03B 11/00 20210101AFI20240709BHJP
   G03B 17/14 20210101ALI20240709BHJP
【FI】
G03B11/00
G03B17/14
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019221209
(22)【出願日】2019-12-06
(65)【公開番号】P2021092596
(43)【公開日】2021-06-17
【審査請求日】2022-10-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003410
【氏名又は名称】弁理士法人テクノピア国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100116942
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 雅信
(74)【代理人】
【識別番号】100167704
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 裕人
(72)【発明者】
【氏名】坂本 怜
【審査官】藏田 敦之
(56)【参考文献】
【文献】実開昭57-130808(JP,U)
【文献】国際公開第2019/171723(WO,A1)
【文献】特開平09-033997(JP,A)
【文献】特開2001-005077(JP,A)
【文献】特開2013-003262(JP,A)
【文献】特開2020-67575(JP,A)
【文献】特開2009-164724(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 17/14
G03B 11/00 - 11/06
G03B 17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズを介して取り込まれる被写体からの光が透過される光透過孔と前記光透過孔を覆う光学フィルターが着脱可能に保持される保持面と前記光透過孔を挟んで反対側に位置された第1の保持部及び第2の保持部とを有する保持体と、
前記保持体が取り付けられ前記光透過孔の外周側に位置されたレンズマウントと、
前記光透過孔と前記レンズマウントの間に位置され周方向に並ぶ複数の接続端子を有する端子部とを備え、
前記保持面と前記第1の保持部及び前記保持面と前記第2の保持部によってそれぞれ前記光学フィルターの各一部が挿入される挿入空間が形成され、
前記保持体には前記光学フィルターの前記挿入空間への挿入時に前記光学フィルターを案内する第1のガイド壁と第2のガイド壁が前記光透過孔を挟んで反対側に形成され、
前記レンズマウントの中心から前記第1のガイド壁までの距離と前記レンズマウントの中心から前記第2のガイド壁までの距離とが異なり、
前記端子部が前記第1のガイド壁と前記第2のガイド壁の離隔する方向において前記第2のガイド壁側に位置されると共に前記第2の保持部と前記レンズマウントの間に位置され、
前記レンズマウントの中心から前記第1のガイド壁までの距離が前記レンズマウントの中心から前記第2のガイド壁までの距離より大きくされ
前記光学フィルターには前記挿入空間に対する挿抜時に把持される掴み代が設けられ、
前記光学フィルターの前記挿入空間に対する挿抜方向における前記第1のガイド壁の幅が前記第2のガイド壁の幅より小さくされ、
前記保持面の挿抜方向における前記第1のガイド壁に隣接する部分は前記掴み代が位置される掴み位置として形成され、
前記掴み代と前記保持体の間に隙間が形成された状態で前記光学フィルターが前記保持面に保持される
交換レンズ。
【請求項2】
前記光透過孔が撮像素子の形状に応じて長手方向と短手方向を有する形状に形成され、
前記第1の保持部と前記第2の保持部が前記光透過孔の短手方向に離隔して位置され、
前記光学フィルターが前記光透過孔の長手方向において前記挿入空間に対して挿抜される
請求項1に記載の交換レンズ。
【請求項3】
前記保持面は前記光学フィルターの前記挿入空間に対する挿入方向へ行くに従って前記レンズの光軸方向において前記レンズに近付くように傾斜された
請求項1に記載の交換レンズ。
【請求項4】
前記保持体には前記第1の保持部と前記端子部の間に第1の部分と第2の部分が周方向に離隔して設けられ、
前記レンズマウントが撮像装置のマウント部に回転されることにより結合され、
前記保持体は回転前の状態において前記端子部に接続される前記撮像装置の接点部に前記第2の部分が前記第1の部分より近付いて位置され、
前記光学フィルターは前記挿入空間に前記第1の部分側から前記第2の部分側に挿入され、
前記保持面は前記第1の部分から前記第2の部分へ行くに従って前記レンズの光軸方向において前記レンズに近付くように傾斜された
請求項1に記載の交換レンズ。
【請求項5】
前記保持体には光軸方向において前記レンズと反対側に開口され前記光学フィルターが挿入される保持凹部が形成された
請求項1に記載の交換レンズ。
【請求項6】
前記掴み位置に掴み用傾斜部が形成された
請求項1に記載の交換レンズ。
【請求項7】
前記第1の保持部と前記第2の保持部における前記保持面と対向する側の面にそれぞれガイド面が形成され、
前記ガイド面が前記光学フィルターの前記挿入空間に対する挿入方向へ行くに従って前記保持面に近付く傾斜面に形成された
請求項1に記載の交換レンズ。
【請求項8】
前記保持体に前記保持面を有する保持枠が設けられ、
前記保持枠と前記第1の保持部及び前記第2の保持部とが別部材として形成された
請求項1に記載の交換レンズ。
【請求項9】
前記保持体に前記保持面を有する保持枠が設けられ、
前記保持枠と前記第1の保持部と前記第2の保持部が一体に形成された
請求項1に記載の交換レンズ。
【請求項10】
光透過孔と第1の保持部と第2の保持部と保持面を有する保持凹部とを有し前記第1の保持部と前記第2の保持部が前記光透過孔を挟んで反対側に位置された保持体を備えた交換レンズに着脱可能に保持され、
前記交換レンズに保持された状態において前記光透過孔を覆う被覆部と前記被覆部を挟んで反対側に位置され少なくとも各一部が前記第1の保持部と前記第2の保持部に押さえられる第1の被押さえ部及び第2の被押さえ部とを備え、
前記第1の被押さえ部と前記第2の被押さえ部が離隔する方向において前記第1の被押さえ部の幅が前記第2の被押さえ部の幅より大きくされ、
前記第1の被押さえ部と前記第2の被押さえ部が離隔する方向において前記第1の被押さえ部側に掴み代が設けられ、
前記交換レンズに対する着脱方向において前記第1の被押さえ部と前記掴み代が並んで設けられ、
記掴み代を除いた部分が前記保持凹部に位置されると共に前記掴み代と前記保持体の間に隙間が形成された状態で前記交換レンズに保持される
光学フィルター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術はレンズマウントを有する交換レンズ、交換レンズにおいて用いられる光学フィルター及び光学フィルターを所定の形状に切り取るためのテンプレートについての技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオカメラやスチルカメラ等の撮像装置にはズーム機能やフォーカシング機能等を備える交換レンズが装着されて使用されるタイプがある。このような交換レンズには円環状のレンズマウントが設けられ、レンズマウントが撮像装置に設けられたマウント部に着脱可能にされている(特許文献1参照)。
【0003】
レンズマウントには周方向に離隔して位置され径方向において外方に突出された円弧状の複数の係合突部が設けられ、マウント部には同じく周方向に離隔して位置され径方向において内方に突出された円弧状の複数のマウント係合部が設けられている。交換レンズは、例えば、各係合突部がそれぞれマウント係合部の間に挿入された状態で回転されることにより、各係合突部がそれぞれ各マウント係合部に係合されてレンズマウントがマウント部に結合され撮像装置に装着される。
【0004】
交換レンズにはレンズマウントの内側に矩形状や円形状の光透過孔が形成されており、レンズを介して取り込まれる被写体からの光が光透過孔を透過して撮像装置の撮像素子に入射されることにより、被写体の撮影が行われる。
【0005】
上記のような交換レンズには着脱可能な光学フィルターが用いられる場合がある。光学フィルターは、例えば、透明又は半透明に形成され、レンズマウントの内側において光透過孔を覆う状態で保持され、画質の調整や光量の調整等を行う機能を有する。光学フィルターを交換レンズに装着して撮影することにより、コントラストや明度等が異なる多様な画像を得ることが可能になる。
【0006】
光学フィルターは外周部の一部が指やピンセット等の治具に把持される掴み代として設けられ、掴み代が把持されて交換レンズに対する着脱作業が行われる。
【0007】
このような光学フィルターの使用が可能な交換レンズには、少なくとも光透過孔を挟んだ反対側に第1の保持部と第2の保持部が設けられ、光透過孔の周囲に位置する外面が保持面として形成されている。保持面と第1の保持部及び保持面と第2の保持部の間にそれぞれ光学フィルターの一部が挿入される挿入空間が形成されている。光学フィルターは外周部のうちの反対側に位置する端部がそれぞれ挿入空間に挿入され、保持面に保持された状態で第1の保持部と第2の保持部によって押さえられ交換レンズに装着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】再表2017-134938号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、光学フィルターの掴み代は使用者等に把持される部分であり汚れたり傷付き易い部分でもあるため、光透過孔を覆う部分としては用いられず、光学フィルターが交換レンズに保持された状態において光透過孔の外周側に位置される。
【0010】
一方、交換レンズにおいては被写体からの十分な光量を取り込むために、レンズマウントの内側に形成される光透過孔が大きくされて光学有効径が大きくされることが望ましいが、レンズマウントの径が撮像装置のマウント部の大きさに応じて大きさが定められているため、レンズマウントの内側のスペースは一定の大きさのスペースとして形成されている。従って、光透過孔を大きくすると、レンズマウントの内側のスペースにおいて保持される光学フィルターの掴み代を小さくする必要が生じ、光学フィルターの交換レンズに対する着脱作業において作業性の低下を来すおそれがある。特に、レンズマウントの内側のスペースには、撮像装置の接点部に電気的に接続される端子部が設けられるため、光学フィルターを端子部に干渉しない大きさに形成する必要もあり、光学フィルターの大きさには制限が生じる。
【0011】
逆に、光学フィルターの交換レンズに対する着脱作業における作業性の向上を図るために光学フィルターの掴み代を大きくすると、その分、光透過孔を小さくする必要が生じ光学有効径が小さくなって被写体からの光の取込量が低下してしまう。
【0012】
そこで、本技術交換レンズ、光学フィルター及びテンプレートは、光学有効径の十分な大きさを確保した上で光学フィルターの交換レンズに対する着脱作業における作業性の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
第1に、本技術に係る交換レンズは、レンズを介して取り込まれる被写体からの光が透過される光透過孔と前記光透過孔を覆う光学フィルターが着脱可能に保持される保持面と前記光透過孔を挟んで反対側に位置された第1の保持部及び第2の保持部とを有する保持体と、前記保持体が取り付けられ前記光透過孔の外周側に位置されたレンズマウントと、前記光透過孔と前記レンズマウントの間に位置され周方向に並ぶ複数の接続端子を有する端子部とを備え、前記保持面と前記第1の保持部及び前記保持面と前記第2の保持部によってそれぞれ前記光学フィルターの各一部が挿入される挿入空間が形成され、前記保持体には前記光学フィルターの前記挿入空間への挿入時に前記光学フィルターを案内する第1のガイド壁と第2のガイド壁が前記光透過孔を挟んで反対側に形成され、前記レンズマウントの中心から前記第1のガイド壁までの距離と前記レンズマウントの中心から前記第2のガイド壁までの距離とが異なり、前記端子部が前記第1のガイド壁と前記第2のガイド壁の離隔する方向において前記第2のガイド壁側に位置されると共に前記第2の保持部と前記レンズマウントの間に位置され、前記レンズマウントの中心から前記第1のガイド壁までの距離が前記レンズマウントの中心から前記第2のガイド壁までの距離より大きくされ、前記光学フィルターには前記挿入空間に対する挿抜時に把持される掴み代が設けられ、前記光学フィルターの前記挿入空間に対する挿抜方向における前記第1のガイド壁の幅が前記第2のガイド壁の幅より小さくされ、前記保持面の挿抜方向における前記第1のガイド壁に隣接する部分は前記掴み代が位置される掴み位置として形成され、前記掴み代と前記保持体の間に隙間が形成された状態で前記光学フィルターが前記保持面に保持されたものである。
【0014】
これにより、光学フィルターが保持面に保持された状態において、レンズマウントの中心から光学フィルターにおける第1のガイド壁に案内される側の外周縁までの距離とレンズマウントの中心から光学フィルターにおける第2のガイド壁に案内される側の外周縁までの距離とが異なるため、光学フィルターにおいて第1のガイド壁側又は第2のガイド壁側の端部のうちレンズマウントの中心から離れた側の端部に大きな掴み代を設けることが可能になる。
【0015】
第2に、上記した本技術に係る交換レンズにおいては、前記端子部が前記第1のガイド壁と前記第2のガイド壁の離隔する方向において前記第2のガイド壁側に位置され、前記レンズマウントの中心から前記第1のガイド壁までの距離が前記レンズマウントの中心から前記第2のガイド壁までの距離より大きくされることが望ましい。
【0016】
これにより、第1のガイド壁と第2のガイド壁の離隔する方向においてレンズマウントから端子部側に位置された第2のガイド壁までの距離がレンズマウントから端子部側に位置されていない第1のガイド壁までの距離より小さくなり、レンズマウントの中心から端子部までの距離を最小限の距離にすることが可能になる。
【0017】
第3に、上記した本技術に係る交換レンズにおいては、前記光透過孔が撮像素子の形状に応じて長手方向と短手方向を有する形状に形成され、前記第1の保持部と前記第2の保持部が前記光透過孔の短手方向に離隔して位置され、前記光学フィルターが前記光透過孔の長手方向において前記挿入空間に対して挿抜されることが望ましい。
【0018】
これにより、挿入空間に対する挿抜時に光学フィルターが光透過孔の短手方向に離隔して位置された第1の保持部と第2の保持部に対して移動されるため、挿抜方向における第1の保持部と第2の保持部の長さを長くすることが可能になる。
【0019】
第4に、上記した本技術に係る交換レンズにおいては、前記保持面は前記光学フィルターの前記挿入空間に対する挿入方向へ行くに従って前記レンズの光軸方向において前記レンズに近付くように傾斜されることが望ましい。
【0020】
これにより、光学フィルターの挿入空間への挿入時に光学フィルターを光軸方向においてレンズから離隔する側から挿入することが可能になる。
【0021】
第5に、上記した本技術に係る交換レンズにおいては、前記保持体には前記第1の保持部と前記端子部の間に第1の部分と第2の部分が周方向に離隔して設けられ、前記レンズマウントが撮像装置のマウント部に回転されることにより結合され、前記保持体は回転前の状態において前記端子部に接続される前記撮像装置の接点部に前記第2の部分が前記第1の部分より近付いて位置され、前記光学フィルターは前記挿入空間に前記第1の部分側から前記第2の部分側に挿入され、前記保持面は前記第1の部分から前記第2の部分へ行くに従って前記レンズの光軸方向において前記レンズに近付くように傾斜されることが望ましい。
【0022】
これにより、レンズマウントがマウント部に結合される前の回転前の状態において接点部と第2の部分の光軸方向における距離を大きくすることが可能になる。
【0023】
第6に、上記した本技術に係る交換レンズにおいては、前記保持体には光軸方向において前記レンズと反対側に開口され前記光学フィルターが挿入される保持凹部が形成されることが望ましい。
【0024】
これにより、光学フィルターが保持凹部に挿入された状態で保持体に保持されるため、振動等が生じたときに光学フィルターが保持体から脱落し難くなる。
【0025】
第7に、上記した本技術に係る交換レンズにおいては、前記光学フィルターには前記挿入空間に対する挿抜時に把持される掴み代が設けられ、前記光学フィルターの前記挿入空間に対する挿抜方向における前記第1のガイド壁の幅が前記第2のガイド壁の幅より小さくされ、前記保持面の挿抜方向における前記第1のガイド壁に隣接する部分は前記掴み代が位置される掴み位置として形成されることが望ましい。
【0026】
これにより、掴み位置において露出する掴み代を把持し光学フィルターを挿入空間から引き出すことが可能になる。
【0027】
第8に、上記した本技術に係る交換レンズにおいては、前記掴み位置に掴み用傾斜部が形成されることが望ましい。
【0028】
これにより、掴み用傾斜部と掴み代の間に指や治具を挿入して掴み位置において掴み代を把持することが可能になる。
【0029】
第9に、上記した本技術に係る交換レンズにおいては、前記第1の保持部と前記第2の保持部における前記保持面と対向する側の面にそれぞれガイド面が形成され、前記ガイド面が前記光学フィルターの前記挿入空間に対する挿入方向へ行くに従って前記保持面に近付く傾斜面に形成されることが望ましい。
【0030】
これにより、光学フィルターがガイド面に案内されて挿入空間に挿入される。
【0031】
第10に、上記した本技術に係る交換レンズにおいては、前記保持体に前記保持面を有する保持枠が設けられ、前記保持枠と前記第1の保持部及び前記第2の保持部とが別部材として形成されることが望ましい。
【0032】
これにより、保持枠と第1の保持部と第2の保持部が各別に形成される。
【0033】
第11に、上記した本技術に係る交換レンズにおいては、前記保持体に前記保持面を有する保持枠が設けられ、前記保持枠と前記第1の保持部と前記第2の保持部が一体に形成されることが望ましい。
【0034】
これにより、保持枠と第1の保持部と第2の保持部が同一の部材として同時に形成される。
【0035】
本技術に係る光学フィルターは、光透過孔と第1の保持部と第2の保持部と保持面を有する保持凹部とを有し前記第1の保持部と前記第2の保持部が前記光透過孔を挟んで反対側に位置された保持体を備えた交換レンズに着脱可能に保持され、前記交換レンズに保持された状態において前記光透過孔を覆う被覆部と前記被覆部を挟んで反対側に位置され少なくとも各一部が前記第1の保持部と前記第2の保持部に押さえられる第1の被押さえ部及び第2の被押さえ部とを備え、前記第1の被押さえ部と前記第2の被押さえ部が離隔する方向において前記第1の被押さえ部の幅が前記第2の被押さえ部の幅より大きくされ、前記第1の被押さえ部と前記第2の被押さえ部が離隔する方向において前記第1の被押さえ部側に掴み代が設けられ、前記交換レンズに対する着脱方向において前記第1の被押さえ部と前記掴み代が並んで設けられ、記掴み代を除いた部分が前記保持凹部に位置されると共に前記掴み代と前記保持体の間に隙間が形成された状態で前記交換レンズに保持されるものである。
【0036】
これにより、第1の保持部と第2の保持部の離隔する方向における幅が第2の被押さえ部の幅より大きな第1の被押さえ部側に掴み代が設けられる。
【0037】
第13に、本技術に係るテンプレートは、光透過孔と第1の保持部と第2の保持部と第1のガイド壁と第2のガイド壁と保持面を有し前記第1の保持部と前記第2の保持部が前記光透過孔を挟んで反対側に位置された交換レンズにおいて使用される光学フィルターを切断用治具により所定の形状に切り取るための切取孔が形成され、前記交換レンズは前記保持面と前記第1の保持部及び前記保持面と前記第2の保持部によってそれぞれ形成された挿入空間を有すると共に前記光透過孔の外周側に位置されたレンズマウントの中心から前記第1のガイド壁までの距離と前記レンズマウントの中心から前記第2のガイド壁までの距離とが異なり、前記挿入空間への挿入時に前記第1のガイド壁と前記第2のガイド壁によって案内される前記光学フィルターが前記光透過孔を覆う状態で前記交換レンズにおいて使用されるものである。
【0038】
これにより、切取孔が使用されて切断用治具により形成された光学フィルターが保持面に保持された状態において、レンズマウントの中心から光学フィルターにおける第1のガイド壁に案内される側の外周縁までの距離とレンズマウントの中心から光学フィルターにおける第2のガイド壁に案内される側の外周縁までの距離とが異なるため、光学フィルターにおいて第1のガイド壁側又は第2のガイド壁側の端部のうちレンズマウントの中心から離れた側の端部に大きな掴み代を設けることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1図2乃至図20と共に本技術交換レンズ、光学フィルター及びテンプレートの実施の形態を示すものであり、本図は、交換レンズと撮像装置を示す斜視図である。
図2】交換レンズの一部をす斜視図である。
図3】保持体等を示す背面図である。
図4】レンズマウントと保持体の分解斜視図である。
図5】保持体と光学フィルターを示す斜視図である。
図6】保持体の一部を示す拡大斜視図である。
図7】光学フィルターが保持されている状態で示す図5のVII-VII線に沿う断面図である。
図8】光学フィルターが保持されている状態で示す図5のVIII-VIII線に沿う断面図である。
図9】テンプレートによって光学フィルターが形成される状態を示す斜視図である。
図10】光学フィルターが保持体に挿入されている状態を示す斜視図である。
図11】光学フィルターが保持体に保持されている状態を示す背面図である。
図12】光学フィルターが保持されている状態で保持体の一部を示す拡大斜視図である。
図13図12のXIII-XIII線に沿う拡大断面図である。
図14】光学フィルターの別の形状を示す背面図である。
図15】光学フィルターのまた別の形状を示す背面図である。
図16図17乃至図19と共に各タイプの撮像装置と撮像装置に装着される交換レンズの回転方向等を示すものであり、上段の図は撮像装置の概略正面図であり、中段の図は撮像装置に装着される前の交換レンズにおける保持体等の回転位置を正面から透視図として示す図であり、下段の図は撮像装置に装着された状態の交換レンズにおける保持体等の回転位置を正面から透視図として示す図であり、本図は、タイプAの撮像装置等を示す図である。
図17】タイプBの撮像装置等を示す図である。
図18】タイプCの撮像装置等を示す図である。
図19】タイプDの撮像装置等を示す図である。
図20】撮像装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下に、本技術を実施するための形態を添付図面を参照して説明する。
【0041】
以下に示した実施の形態は、本技術交換レンズをスチルカメラである撮像装置に着脱される交換レンズに適用したものである。尚、本技術の適用範囲はスチルカメラである撮像装置に着脱される交換レンズに限られることはなく、ビデオカメラである撮像装置に着脱される交換レンズに適用することもできる。
【0042】
以下の説明にあっては、撮影時において撮影者から見た方向で前後上下左右の方向を示すものとする。従って、被写体側(物体側)が前方となり、像面側が後方となる。尚、以下に示す前後上下左右の方向は説明の便宜上のものであり、本技術の実施に関しては、これらの方向に限定されることはない。
【0043】
また、以下に示すレンズ群は、単数又は複数のレンズにより構成されたものの他、これらの単数又は複数のレンズと絞りやアイリス等の他の光学素子を含んでもよい。
【0044】
<撮像装置の構成>
先ず、交換レンズ1が着脱される撮像装置100の構成について説明する(図1参照)。
【0045】
撮像装置100は筐体101の内外に所要の各部が配置されて成る。筐体101には、例えば、上面や後面に各種の操作部102、102、・・・が配置されている。操作部102としては、例えば、電源釦、シャッター釦、ズーム摘子、モード切替摘子等が設けられている。
【0046】
筐体101の後面には図示しないディスプレイ(表示部)が配置されている。
【0047】
筐体101の前面には円形状の開口101aが形成され、開口101aの周囲の部分に交換レンズ1を装着するためのマウント部103が設けられている。マウント部103は円環状の結合リング103aと結合リング103aから内方に張り出された円弧状のマウント係合部103b、103b、103bとを有し、マウント係合部103b、103b、103bが周方向に離隔して設けられている。
【0048】
筐体101の内部にはCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等の撮像素子104が配置され、撮像素子104は開口101aの後方に位置されている。撮像素子104は横長の矩形状(長方形状)に形成されている。
【0049】
マウント部103の内側における下端部には円弧状の接点部105が配置され、接点部105は周方向に並ぶ複数の接点105a、105a、・・・を有している。
【0050】
<交換レンズの構成>
次に、交換レンズ1の構成について説明する(図1乃至図8参照)。
【0051】
交換レンズ1は撮像装置100に着脱可能にされ、外筒2の内外に所要の各部が配置されて成る(図1及び図2参照)。
【0052】
外筒2の外周面には調整用リング3、3が前後に並んだ状態で回転自在に支持されている。調整用リング3、3は、例えば、フォーカシング調整やズーミング調整や絞りの光量調整等を行う機能を有している。
【0053】
外筒2の内部には複数のレンズ群4、4、・・・が光軸方向(前後方向)に離隔して配置されている。レンズ群4は少なくとも一つのレンズを有し、外筒2の内部にはレンズ群4の一部として最も前側に位置された前側レンズ4a(図1参照)と最も後側に位置された後側レンズ4b(図2参照)とが配置されている。
【0054】
外筒2の後端部にはレンズマウント5が取り付けられている。レンズマウント5は略円環状のベースリング部6とベースリング部6の内周部から後方に突出された円筒状の連結部7と連結部7の後端部からそれぞれ外方に突出された円弧状の係合突部8、8、8とが一体に形成されて成る(図3及び図4参照)。
【0055】
レンズマウント5のベースリング部6には端子部9が取り付けられている。端子部9は円弧状に形成され、絶縁材料によって形成されたベース部10とベース部10の周方向において並んで位置された接続端子11、11、・・・を有している。接続端子11、11、・・・は一部がベース部10の後面側に露出されている。端子部9は、例えば、ベースリング部6における下端部の内周面に取り付けられている。
【0056】
外筒2の後端部には保持体12が取り付けられている(図2参照)。保持体12は外筒2に取り付けられた状態において、レンズマウント5の内側に位置されている。保持体12は保持枠13にそれぞれ第1の保持部14と第2の保持部15が取り付けられることにより構成されている(図4及び図5参照)。
【0057】
保持枠13は環状に形成され外周面が円弧面に形成された第1の結合部16と外周面が円弧面に形成された第1の側部17と外周面が円弧面に形成された第2の側部18と左右に延びる第2の結合部19とが周方向において連続されている。第1の結合部16と第2の結合部19は上下に離隔して位置され、第1の側部17と第2の側部18は左右に離隔して位置され、第1の結合部16と第2の結合部19の間にそれぞれ第1の側部17と第2の側部18が位置されている。
【0058】
保持枠13の内側の空間は光透過孔13aとして形成され、光透過孔13aは撮像装置100の撮像素子104の形状に対応して横長の略矩形状に(長方形状)に形成されている。従って、光透過孔13aは長手方向(左右方向)と短手方向(上下方向)を有する形状に形成されている。保持枠13における光透過孔13aの周囲の部分には後方に開口された浅い凹部として保持凹部13bが形成され、保持凹部13bを形成する後面が保持面13cとして形成されている。保持面13cは横長の略矩形の枠状に形成されている。
【0059】
保持面13cは左右方向において第1の側部17側から第2の側部18側へ行くに従って前方に変位するように僅かに傾斜されている(図7に示す傾斜方向R参照)。従って、保持面13cは左右方向において第1の側部17側から第2の側部18側へ行くに従ってレンズ群4の光軸方向(前後方向)において後側レンズ4bに近付くように傾斜されている。
【0060】
第1の結合部16の後面は一部が第1の取付面16aとして形成されている(図4及び図6参照)。第1の取付面16aは保持面13cの上側に形成され、左右方向において第1の側部17と反対側に位置されている。第1の結合部16の後面は周方向において第1の取付面16aに連続する部分が掴み用傾斜部16bとして形成されている。第1の結合部16には掴み用傾斜部16bと保持面13cの間に、後方に開口する凹状部16cが形成されている。凹状部16cは保持面13cに対して凹状に形成され、掴み用傾斜部16bは凹状部16cから第1の結合部16の外周面に近付くに従って前方に変位する傾斜面として形成されている。
【0061】
第1の側部17の後面は保持面13cに連続する部分が傾斜面17aとして形成されている(図7参照)。傾斜面17aは左右方向において保持面13cに近付くに従って前方に変位するように傾斜されている。
【0062】
第2の側部18は保持面11aに連続された部分が光透過孔13a側を向くストッパー面18aとして形成されている(図4図5及び図7参照)。
【0063】
第2の結合部19は略全体が保持面13cの一部を形成する横長の薄い板状に形成されている。第2の結合部19の後面は下端部が第2の取付面19aとして形成されている。
【0064】
第1の保持部14は左右方向に延びる形状に形成された被取付ベース部20と被取付ベース部20の後端部から下方に突出された押さえ突部21とが一体に形成されて成る。押さえ突部21の前面はガイド面21aとして形成され、ガイド面21aは左右方向において第1の側部17から遠去かるに従って前方に変位する緩やかな傾斜面として形成されている(図7及び図8参照)。
【0065】
第2の保持部15は左右方向に延びる形状に形成された被取付ベース部22と被取付ベース部22の後端部から上方に突出された押さえ突部23とが一体に形成されて成る(図4図5及び図7参照)。第2の保持部15は第1の保持部14より左右方向における長さが長くされている。押さえ突部23の前面はガイド面23aとして形成され、ガイド面23aは左右方向において第1の側部17から遠去かるに従って前方に変位する緩やかな傾斜面として形成されている。
【0066】
第1の保持部14は被取付ベース部20の前面が接着等によって保持枠13の第1の結合部16に形成された第1の取付面16aに取り付けられる(図5参照)。
【0067】
第1の保持部14が第1の結合部16に取り付けられた状態においては、第1の結合部16の保持面13cと押さえ突部21のガイド面21aとの間に下方及び側方に開口された挿入空間24が形成される(図5及び図8参照)。また、第1の保持部14が第1の結合部16に取り付けられた状態においては、挿入空間24の側方に第1の結合部16の凹状部16cが位置される。
【0068】
第1の保持部14が第1の結合部16に取り付けられた状態において、第1の保持部14における被取付ベース部20の下面が第1のガイド壁20aとして形成される。
【0069】
第2の保持部15は被取付ベース部22の前面が接着等によって保持枠13の第2の結合部19に形成された第2の取付面19aに取り付けられる(図5参照)。
【0070】
第2の保持部15が第2の結合部19に取り付けられた状態においては、第2の結合部19の保持面13cと押さえ突部23のガイド面23aとの間に上方及び側方に開口された挿入空間25が形成される(図5及び図8参照)。
【0071】
第2の保持部15が第2の結合部19に取り付けられた状態において、第2の保持部15における被取付ベース部22の上面は第2のガイド壁22aとして形成される。
【0072】
第1の保持部14の第1のガイド壁20aは後述する光学フィルターが挿入空間24に挿入されるときの上下方向における案内部として機能し、第2の保持部15の第2のガイド壁22aは光学フィルターが挿入空間25に挿入されるときの上下方向における案内部として機能する。また、第1の保持部14のガイド面21aと第2の保持部15のガイド面23aはそれぞれ光学フィルターが挿入空間24、25に挿入されるときの左右方向における案内部として機能する。
【0073】
上記したように、交換レンズ1において、第2の保持部15は第1の保持部14より左右方向における長さが長くされている。従って、第1の保持部14に形成された第1のガイド壁20aの左右方向における幅は第2の保持部15に形成された第2のガイド壁22aの左右方向における幅より小さくされ、保持枠13には第1のガイド壁20aの側方かつ第2のガイド壁22aの上方の位置に掴み用傾斜部16bと凹状部16cが位置される(図5参照)。また、第1のガイド壁20aに隣接する掴み用傾斜部16bが存在する位置は、光学フィルターが保持体12に保持された状態において光学フィルターの掴み代が位置される掴み位置とされる。
【0074】
上記のように、保持枠13に第1の保持部14と第2の保持部15が取り付けられて構成された保持体12は、レンズマウント5の内側において外筒2の後端部に接着等によって取り付けられる(図2及び図3参照)。保持体12がレンズマウント5の内側において外筒2に取り付けられた状態においては、第2の保持部15の下側に端子部9が位置されると共に光透過孔13aとレンズマウント5の間に端子部9が位置される。
【0075】
交換レンズ1において、光透過孔13aの中心(中央点)を点Mとすると、点Mから第1のガイド壁20aまでの距離Pと点Mから第2のガイド壁22aまでの距離Qとが異なる構成にされている(図3参照)。例えば、交換レンズ1においては、距離Pが距離Qより稍大きくされている。従って、上下方向において、端子部9が位置しない側に形成された第1のガイド壁20aから点Mまでの距離は、端子部9が位置する側に形成された第2のガイド壁22aから点Mまでの距離より大きくされている。
【0076】
<光学フィルターの構成等>
続いて、保持体12に対して着脱可能にされた光学フィルター50の構成等について説明する(図3図5及び図9参照)。
【0077】
光学フィルター50は、例えば、透明又は半透明に形成され、光透過孔13aを後方から覆う状態で保持体12に装着され(図3参照)、画質の調整や光量の調整等を行う機能を有している。光学フィルター50は所定の形状に形成されたフィルムである(図5参照)。
【0078】
光学フィルター50は、光透過孔13aを覆う部分である横長の略矩形状に形成された被覆部51と、被覆部51の上側にそれぞれ連続され左右に並ぶ第1の被押さえ部52及び掴み代53と、被覆部51の下側に連続する第2の被押さえ部54とから成る。
【0079】
第1の被押さえ部52と掴み代53はそれぞれ上方に凸の略台形状に形成されている。
【0080】
光学フィルター50には第1の被押さえ部52と掴み代53の間に上方に開口されたV字状の切欠50aが形成されている。第2の被押さえ部54は下方に凸の略台形状に形成されている。第1の被押さえ部52の上下方向における幅は第2の被押さえ部54の上下方向における幅より大きくされている。
【0081】
上記のような形状に形成された光学フィルター50は、例えば、テンプレート60を用いることにより形成することが可能にされている(図9参照)。
【0082】
テンプレート60は金属材料や樹脂材料によって形成されたプレートであり、光学フィルター50と同一の形状及び大きさに形成された切取孔61を有している。光学フィルター50の基材とされるフィルム70上にテンプレート60を載置した状態で、カッター等の切断用治具80を用いてフィルム70を切取孔61に沿って切り取ることにより所定の形状の光学フィルター50を形成することができる。
【0083】
<交換レンズの撮像装置に対する着脱動作>
以下に、交換レンズ1の撮像装置100に対する着脱動作について説明する。
【0084】
交換レンズ1は、例えば、保持体12に光学フィルター50が装着された状態において、レンズマウント5がマウント部103に結合されることにより撮像装置100に装着される。交換レンズ1の撮像装置100への装着は、レンズマウント5の係合突部8、8、8をそれぞれマウント部103のマウント係合部103a、103a、103a間に挿入し、交換レンズ1の全体を撮像装置100に対して光軸回り方向へ回転させることにより行うことができる。
【0085】
交換レンズ1が撮像装置100に装着された状態においては、係合突部8、8、8の前面がそれぞれマウント係合部103a、103a、103aの後面に係合され、レンズマウント5におけるベースリング部6の後面がマウント部103における結合リング103aの前面に密着される。このとき交換レンズ1の端子部9に設けられた接続端子11、11、・・・はそれぞれ撮像装置100の接点部105に設けられた接点105a、105a、・・・に接続される。従って、交換レンズ1と撮像装置100の間での信号の授受や電力の供給が可能な状態にされる。
【0086】
交換レンズ1の撮像装置100からの取り外しは、交換レンズ1の全体を撮像装置100に対して光軸回り方向へ装着時とは反対方向へ回転させ、係合突部8、8、8をそれぞれマウント係合部103a、103a、103a間から引き出すことにより行うことができる。
【0087】
<光学フィルターの交換レンズに対する挿抜作業等>
次に、光学フィルター50の交換レンズ1に対する挿抜作業等について説明する(図10乃至図12参照)。光学フィルター50の交換レンズ1に対する挿抜は光透過孔13aの長手方向(左右方向)において行われる。
【0088】
光学フィルター50は、例えば、掴み代53が指200やピンセット等の治具によって把持された状態で第1の被押さえ部52が挿入空間24に挿入され第2の被押さえ部54が挿入空間25に挿入されていく(図10参照)。このとき第1の側部17には傾斜面17aが形成されているため、光学フィルター50が傾斜面17aに沿って第2の側部18側へスライドされる。また、第1の保持部14は前面がガイド面21aとして形成され第2の保持部15は前面がガイド面23aとして形成されているため、第1の被押さえ部52がガイド面21aに案内されると共に第2の被押さえ部54がガイド面23aに案内されて挿入空間24、25に挿入される。
【0089】
このように第1の保持部14と第2の保持部15にはそれぞれ保持面13cと対向する側の面にガイド面21a、23aが形成されているため、光学フィルター50がガイド面21a、23aに案内されて挿入空間24、25に挿入され、光学フィルター50の挿入空間24、25への挿入を円滑かつ確実に行うことができる。
【0090】
また、交換レンズ1においては、上記したように、保持面13cが第1の側部17側から第2の側部18側へ行くに従って後側レンズ4bに近付くように傾斜されている。
【0091】
従って、光学フィルター50の挿入空間24、25への挿入時に光学フィルター50を光軸方向において後側レンズ4bから離隔する側から挿入することが可能になり、光学フィルター50の挿入空間24、25に対する挿抜を容易に行うことができる。
【0092】
また、保持面13cが光軸方向に対して傾斜されるため、レンズ群4、4、・・・のうち最も保持面13c側に位置された後側レンズ4bと保持面13cの距離を大きくし易くなり、光学フィルター50の挿入時に光学フィルター50と後側レンズ4bの干渉を防止することができる。
【0093】
第1の被押さえ部52と第2の被押さえ部54がそれぞれ挿入空間24、25に挿入された光学フィルター50は、第2の側部18側の端縁が第2の側部18に形成されたストッパー面18aに接してスライドが規制される。第2の側部18側へのスライドが規制された光学フィルター50は掴み代53を除いて保持凹部13bに配置される(図11参照)。
【0094】
光学フィルター50は第1の保持部14によって第1の被押さえ部52が後方から押さえられると共に第2の保持部15によって第2の被押さえ部54が後方から押さえられ、保持面13cに保持される。光透過孔13aは全体が被覆部51によって後方から覆われる。
【0095】
上記のように、交換レンズ1においては、光透過孔13aが撮像素子104の形状に応じて長手方向と短手方向を有する形状に形成され、第1の保持部14と第2の保持部15が光透過孔13aの短手方向に離隔して位置され、光学フィルター50が光透過孔13aの長手方向において挿入空間24、25に対して挿抜される。
【0096】
従って、挿入空間24、25に対する挿抜時に光学フィルター50が光透過孔13aの短手方向に離隔して位置された第1の保持部14と第2の保持部15に対して移動されるため、挿抜方向における第1の保持部14と第2の保持部15の長さを長くすることが可能になり、光学フィルター50の交換レンズ1に対する安定した保持状態を確保することができる。
【0097】
また、保持体12には光軸方向において後側レンズ4bと反対側に開口され光学フィルター50が挿入される保持凹部13bが形成されている。
【0098】
従って、光学フィルター50が保持凹部13bに挿入された状態で保持体12に保持されるため、振動等が生じたときに光学フィルター50が保持体12から脱落し難く、光学フィルター50を保持体12に安定した状態で保持することができる。
【0099】
上記のように光学フィルター50が保持面13cに保持された状態においては、掴み代53が掴み用傾斜部16bと凹状部16cに対向して位置される(図12及び図13参照)。このとき掴み用傾斜部16bが第1の結合部16の外周面に近付くに従って前方に変位する傾斜面として形成されると共に凹状部16cが保持面13cに対して凹状に形成されているため、掴み代53と掴み用傾斜部16bの間及び掴み代53と凹状部16cの間には僅かな隙間30が形成されている。
【0100】
光学フィルター50は、例えば、掴み代53が指200やピンセット等の治具によって把持された状態で第1の被押さえ部52と第2の被押さえ部54がそれぞれ挿入空間24、25から引き出されて保持体12から取り外される。
【0101】
上記のように、交換レンズ1においては、光学フィルター50の挿入空間24、25に対する挿抜方向における第1のガイド壁20aの幅が第2のガイド壁22aの幅より小さくされ、挿抜方向における第1のガイド壁20aに隣接する部分は掴み代53が位置される掴み位置として形成されている。
【0102】
従って、掴み位置において露出する掴み代53を指200やピンセット等の治具によって把持し光学フィルター50を挿入空間24、25から引き出すことが可能になり、簡素な構造によって光学フィルター50を保持体12から容易に取り出すことができる。
【0103】
また、掴み位置には掴み用傾斜部16bが形成されているため、掴み用傾斜部16bと掴み代53の間に指200や治具を挿入して掴み位置において掴み代53を把持することが可能になり、光学フィルター50を保持体12から一層容易に取り出すことができる。尚、交換レンズ1においては、掴み用傾斜部16bが形成された部分に掴み用傾斜部16bに代えて掴み用凹部が形成されていてもよく、この場合にも掴み用凹部と掴み代53の間に指200や治具を挿入して掴み代53を把持することが可能になり、光学フィルター50を保持体12から容易に取り出すことができる。
【0104】
さらに、光学フィルター50には掴み代53と第1の被押さえ部52の間に切欠50aが形成されているため、切欠50aによって掴み代53の強度が低くなり掴み代53が厚み方向において湾曲され易くされている。従って、掴み代53と掴み用傾斜部16bの間に隙間30が形成され易く、指200やピンセット等の治具により掴み代53をより一層容易に把持することができる。
【0105】
光学フィルター50が保持体12から取り出されるときには、光学フィルター50が第1の側部17に形成された傾斜面17aに沿って第1の側部17側へスライドされるため、光学フィルター50が保持体12から円滑に取り出される。
【0106】
尚、上記には、光学フィルター50が保持体12に第1の結合部16側から第2の結合部17側へ挿入される例について説明したが、交換レンズ1は光学フィルター50が保持体12に第2の結合部17側から第1の結合部16側へ挿入される構成にされていてもよい。
【0107】
また、上記には、第1の被押さえ部52と掴み代53の間に切欠50aが形成された光学フィルター50の例を示したが、例えば、光学フィルター50は掴み代53が突状に形成され第1の被押さえ部52と掴み代53の間に切欠が形成されていない構成にすることも可能である(図14参照)。さらに、光学フィルター50は切欠50aも突状の部分も形成されず第1の被押さえ部52に連続した部分が掴み代53として形成された構成にすることも可能である(図15参照)。
【0108】
<接点部と傾斜方向の関係>
次いで、撮像装置100の接点部105と保持枠13における保持面13cの傾斜方向との関係について説明する(図16乃至図19参照)。
【0109】
尚、図16乃至図19において、上段の図は各タイプの撮像装置の概略正面図であり、中段の図は撮像装置に装着される前の交換レンズにおける保持体等の回転位置を正面から透視図として示す図であり、下段の図は撮像装置に装着された状態の交換レンズにおける保持体等の回転位置を正面から透視図として示す図である。
【0110】
タイプAの撮像装置100は接点部15がマウント部103の内部において下端部に設けられている(図16における上段の図参照)。
【0111】
タイプAの撮像装置100に装着される交換レンズ1は、正面から見て撮像装置100に対して時計回り方向CWへ回転されることにより装着作業が行われる。従って、装着前の係合突部8、8、8がそれぞれマウント係合部103a、103a、103a間に挿入された状態においては第2の側部18が第1の側部17より接点部105に近付いて位置されている(図16における中段の図参照)。交換レンズ1においては、光学フィルター50の挿入空間24、25に対する挿入方向Sが第1の側部17側から第2の側部18側にされている。
【0112】
タイプAの撮像装置100に対して交換レンズ1が正面から見て時計回り方向CWへ回転されて装着作業が行われると、交換レンズ1の回転に伴って端子部9が接点部105に接続される位置まで周方向へ移動される(図16における下段の図参照)。
【0113】
上記のようなタイプAの撮像装置100に装着され正面から見て時計回り方向CWへ回転される交換レンズ1においては、保持面13cの傾斜方向Rが第1の側部17側から第2の側部18側へ行くに従って前方に変位する方向にされることが望ましい。
【0114】
交換レンズ1の撮像装置100への装着前の状態においては、上記したように、第2の側部18が第1の側部17より接点部105に近付いて位置されているため、保持面13cの傾斜方向Rを上記のような方向にすることにより、交換レンズ1の撮像装置100への装着前の状態において、接点部105に近い位置にある第2の側部18が接点部105に干渉し難い。
【0115】
このように交換レンズ1においては、保持体12に第1の保持部14と端子部9の間に第1の部分と第2の部分としてそれぞれ第1の側部17と第2の側部18が周方向に離隔して設けられ、保持体12は回転前の状態において接点部105に第2の側部18が第1の側部17より近付いて位置され、保持面13cが第1の側部17から第2の側部18へ行くに従って光軸方向において後側レンズ4bに近付くように傾斜されている。
【0116】
従って、レンズマウント5がマウント部103に結合される前の回転前の状態において接点部105と第2の側部18の光軸方向における距離を大きくすることが可能になり、接点部105と交換レンズ1の干渉を防止することができる。
【0117】
タイプBの撮像装置100Bは接点部15がマウント部103の内部において下端部に設けられている(図17における上段の図参照)。
【0118】
タイプBの撮像装置100Bに装着される交換レンズ1Bは、正面から見て撮像装置100Bに対して反時計回り方向CCWへ回転されることにより装着作業が行われる。従って、装着前の係合突部8、8、8がそれぞれマウント係合部103a、103a、103a間に挿入された状態においては第1の側部17が第2の側部18より接点部105に近付いて位置されている(図17における中段の図参照)。交換レンズ1Bにおいては、光学フィルター50の挿入空間24、25に対する挿入方向Sが第2の側部18側から第1の側部17側にされている。
【0119】
タイプBの撮像装置100Bに対して交換レンズ1Bが正面から見て反時計回り方向CCWへ回転されて装着作業が行われると、交換レンズ1Bの回転に伴って端子部9が接点部105に接続される位置まで周方向へ移動される(図17における下段の図参照)。
【0120】
上記のようなタイプBの撮像装置100Bに装着され正面から見て反時計回り方向CCWへ回転される交換レンズ1Bにおいては、保持面13cの傾斜方向Rが第2の側部18側から第1の側部17側へ行くに従って前方に変位する方向にされることが望ましい。
【0121】
交換レンズ1Bの撮像装置100Bへの装着前の状態においては、上記したように、第1の側部17が第2の側部18より接点部105に近付いて位置されているため、保持面13cの傾斜方向Rを上記のような方向にすることにより、交換レンズ1Bの撮像装置100Bへの装着前の状態において、接点部105に近い位置にある第1の側部17が接点部105に干渉し難い。
【0122】
このように交換レンズ1Bにおいては、保持体12に第1の保持部14と端子部9の間に第1の部分と第2の部分としてそれぞれ第2の側部18と第1の側部17が周方向に離隔して設けられ、保持体12は回転前の状態において接点部105に第1の側部17が第2の側部18より近付いて位置され、保持面13cが第2の側部18から第1の側部17へ行くに従って光軸方向において後側レンズ4bに近付くように傾斜されている。
【0123】
従って、レンズマウント5がマウント部103に結合される前の回転前の状態において接点部105と第1の側部17の光軸方向における距離を大きくすることが可能になり、接点部105と交換レンズ1Bの干渉を防止することができる。
【0124】
タイプCの撮像装置100Cは接点部15がマウント部103の内部において上端部に設けられている(図18における上段の図参照)。
【0125】
タイプCの撮像装置100Cに装着される交換レンズ1Cは、正面から見て撮像装置100Cに対して時計回り方向CWへ回転されることにより装着作業が行われる。従って、装着前の係合突部8、8、8がそれぞれマウント係合部103a、103a、103a間に挿入された状態においては第2の側部18が第1の側部17より接点部105に近付いて位置されている(図18における中段の図参照)。交換レンズ1Cにおいては、光学フィルター50の挿入空間24、25に対する挿入方向Sが第1の側部17側から第2の側部18側にされている。
【0126】
タイプCの撮像装置100Cに対して交換レンズ1Cが正面から見て時計回り方向CWへ回転されて装着作業が行われると、交換レンズ1Cの回転に伴って端子部9が接点部105に接続される位置まで周方向へ移動される(図18における下段の図参照)。
【0127】
上記のようなタイプCの撮像装置100Cに装着され正面から見て時計回り方向CWへ回転される交換レンズ1Cにおいては、保持面13cの傾斜方向Rが第1の側部17側から第2の側部18側へ行くに従って前方に変位する方向にされることが望ましい。
【0128】
交換レンズ1Cの撮像装置100Cへの装着前の状態においては、上記したように、第2の側部18が第1の側部17より接点部105に近付いて位置されているため、保持面13cの傾斜方向Rを上記のような方向にすることにより、交換レンズ1Cの撮像装置100Cへの装着前の状態において、接点部105に近い位置にある第2の側部18が接点部105に干渉し難い。
【0129】
このように交換レンズ1Cにおいては、保持体12に第1の保持部14と端子部9の間に第1の部分と第2の部分としてそれぞれ第1の側部17と第2の側部18が周方向に離隔して設けられ、保持体12は回転前の状態において接点部105に第2の側部18が第1の側部17より近付いて位置され、保持面13cが第1の側部17から第2の側部18へ行くに従って光軸方向において後側レンズ4bに近付くように傾斜されている。
【0130】
従って、レンズマウント5がマウント部103に結合される前の回転前の状態において接点部105と第2の側部18の光軸方向における距離を大きくすることが可能になり、接点部105と交換レンズ1Cの干渉を防止することができる。
【0131】
タイプDの撮像装置100Dは接点部15がマウント部103の内部において上端部に設けられている(図19における上段の図参照)。
【0132】
タイプDの撮像装置100Dに装着される交換レンズ1Dは、正面から見て撮像装置100Dに対して反時計回り方向CCWへ回転されることにより装着作業が行われる。従って、装着前の係合突部8、8、8がそれぞれマウント係合部103a、103a、103a間に挿入された状態においては第1の側部17が第2の側部18より接点部105に近付いて位置されている(図19における中段の図参照)。交換レンズ1Dにおいては、光学フィルター50の挿入空間24、25に対する挿入方向Sが第2の側部18側から第1の側部17側にされている。
【0133】
タイプDの撮像装置100Dに対して交換レンズ1Dが正面から見て反時計回り方向CCWへ回転されて装着作業が行われると、交換レンズ1Dの回転に伴って端子部9が接点部105に接続される位置まで周方向へ移動される(図19における下段の図参照)。
【0134】
上記のようなタイプDの撮像装置100Dに装着され正面から見て反時計回り方向CCWへ回転される交換レンズ1Dにおいては、保持面13cの傾斜方向Rが第2の側部18側から第1の側部17側へ行くに従って前方に変位する方向にされることが望ましい。
【0135】
交換レンズ1Dの撮像装置100Dへの装着前の状態においては、上記したように、第1の側部17が第2の側部18より接点部105に近付いて位置されているため、保持面13cの傾斜方向Rを上記のような方向にすることにより、交換レンズ1Dの撮像装置100Dへの装着前の状態において、接点部105に近い位置にある第1の側部17が接点部105に干渉し難い。
【0136】
このように交換レンズ1Dにおいては、保持体12に第1の保持部14と端子部9の間に第1の部分と第2の部分としてそれぞれ第2の側部18と第1の側部17が周方向に離隔して設けられ、保持体12は回転前の状態において接点部105に第1の側部17が第2の側部18より近付いて位置され、保持面13cが第2の側部18から第1の側部17へ行くに従って光軸方向において後側レンズ4bに近付くように傾斜されている。
【0137】
従って、レンズマウント5がマウント部103に結合される前の回転前の状態において接点部105と第1の側部17の光軸方向における距離を大きくすることが可能になり、接点部105と交換レンズ1Dの干渉を防止することができる。
【0138】
尚、上記した交換レンズ1B、交換レンズ1C及び交換レンズ1Dは、交換レンズ1と同様に、光透過孔13aの中心である点Mから第1のガイド壁20aまでの距離Pと点Mから第2のガイド壁22aまでの距離Qとが異なる構成にされている(図3参照)。例えば、端子部9が位置しない側に形成された第1のガイド壁20aから点Mまでの距離は、端子部9が位置する側に形成された第2のガイド壁22aから点Mまでの距離より大きくされている。
【0139】
<まとめ>
以上に記載した通り、交換レンズ1(交換レンズ1B、交換レンズ1C、交換レンズ1D、以下同じ)にあっては、保持面13cと第1の保持部14及び保持面13cと第2の保持部15によってそれぞれ挿入空間24、25が形成され、保持体12に第1のガイド壁20aと第2のガイド壁22aが光透過孔13aを挟んで反対側に形成され、レンズマウント5の中心Mから第1のガイド壁20aまでの距離とレンズマウント5の中心Mから第2のガイド壁22aまでの距離とが異なる。
【0140】
従って、光学フィルター50が保持面13cに保持された状態において、レンズマウント5の中心Mから光学フィルター50における第1のガイド壁20aに案内される側の外周縁までの距離とレンズマウント5の中心Mから光学フィルター50における第2のガイド壁22aに案内される側の外周縁までの距離とが異なるため、光学フィルター50において第1のガイド壁20a側又は第2のガイド壁22a側の端部のうちレンズマウント5の中心Mから離れた側の端部に大きな掴み代53を形成することが可能になる。
【0141】
これにより、光透過孔13aの大きさを大きくすることが可能になり、光学有効径の十分な大きさを確保した上で光学フィルター50の交換レンズ1に対する着脱作業における作業性の向上を図ることができる。
【0142】
また、交換レンズ1にあっては、端子部9が第1のガイド壁20aと第2のガイド壁22aの離隔する方向において第2のガイド壁22a側に位置され、レンズマウント5の中心Mから第1のガイド壁20aまでの距離がレンズマウント5の中心Mから第2のガイド壁22aまでの距離より大きくされている。
【0143】
従って、第1のガイド壁20aと第2のガイド壁22aの離隔する方向においてレンズマウント5から端子部9側に位置された第2のガイド壁22aまでの距離がレンズマウント5から端子部9側に位置されていない第1のガイド壁20aまでの距離より小さくなる。これにより、レンズマウント5の中心Mから端子部9までの距離を最小限の距離にすることが可能になり、交換レンズ1の大型化を来すことなく十分な光学有効径を確保した上で光学フィルター50の交換レンズ1に対する挿抜作業における作業性の向上を図ることができる。
【0144】
さらに、交換レンズ1にあっては、保持体12に保持面13cを有する保持枠13が設けられ、保持枠13と第1の保持部14及び第2の保持部15とが別部材として形成されている。
【0145】
従って、保持枠13と第1の保持部14と第2の保持部15が各別に形成されるため、保持枠13と第1の保持部14と第2の保持部15の形状や大きさや形成材料等に関する設計の自由度の向上を図ることができる。
【0146】
尚、交換レンズ1にあっては、保持枠13と第1の保持部14と第2の保持部15が一体に形成されていてもよい。
【0147】
保持枠13と第1の保持部14と第2の保持部15が一体に形成されることにより、保持枠13と第1の保持部14と第2の保持部15が同一の部材として同時に形成されるため、部品点数の削減及び製造コストの低減を図ることができる。
【0148】
また、保持枠13と第1の保持部14が一体に形成され第2の保持部15が保持枠13及び第1の保持部14とは別部材として形成されていてもよく、保持枠13と第2の保持部15が一体に形成され第1の保持部14が保持枠13及び第2の保持部15とは別部材として形成されていてもよく、第1の保持部14と第2の保持部15が一体に形成され保持枠13が第1の保持部14及び第2の保持部15とは別部材として形成されていてもよい。第1の保持部14と第2の保持部15が一体に形成され保持枠13が第1の保持部14及び第2の保持部15とは別部材として形成される場合に、例えば、第1の保持部14と第2の保持部15を有するU字状の保持部材が設けられ、保持部材において対向する部分がそれぞれ第1の保持部14と第2の保持部15として設けられていてもよい。
【0149】
また、光学フィルター50は、交換レンズ1に保持された状態において光透過孔13aを覆う被覆部51と被覆部51を挟んで反対側に位置され少なくとも各一部が第1の保持部14と第2の保持部15に押さえられる第1の被押さえ部52及び第2の被押さえ部54とを備え、第1の被押さえ部52と第2の被押さえ部54が離隔する方向において第1の被押さえ部の幅が第2の被押さえ部の幅より大きくされ、第1の被押さえ部52と第2の被押さえ部54が離隔する方向において第1の被押さえ部52側に掴み代53が設けられている。
【0150】
従って、第1の保持部14と第2の保持部15の離隔する方向において幅が第2の被押さえ部54の幅より大きな第1の被押さえ部52側に掴み代53が設けられるため、光学フィルター50において第1のガイド壁20a側又は第2のガイド壁22a側の端部のうちレンズマウント5の中心Mから離れた側の端部に大きな掴み代53を形成することが可能になり、光透過孔13aの大きさを大きくして光学有効径の十分な大きさを確保した上で光学フィルター50の交換レンズ1に対する着脱作業における作業性の向上を図ることができる。
【0151】
さらに、テンプレート60にあっては、光学フィルター50を切断用治具80により所定の形状に切り取るための切取孔61が形成され、挿入空間24、25への挿入時に第1のガイド壁20aと第2のガイド壁22aによって案内される光学フィルター50が光透過孔13aを覆う状態で交換レンズ1において使用される。
【0152】
従って、切取孔61が使用されて切断用治具80により形成された光学フィルター50が保持面13cに保持された状態において、レンズマウント5の中心Mから光学フィルター50における第1のガイド壁20aに案内される側の外周縁までの距離とレンズマウント5の中心Mから光学フィルター50における第2のガイド壁22aに案内される側の外周縁までの距離とが異なるため、光学フィルター50において第1のガイド壁20a側又は第2のガイド壁22a側の端部のうちレンズマウント5の中心Mから離れた側の端部に大きな掴み代53を形成することが可能になる。
【0153】
これにより、光透過孔13aの大きさを大きくして光学有効径の十分な大きさを確保した上で光学フィルター50の交換レンズ1に対する着脱作業における作業性の向上を図ることができる。尚、上記には、光透過孔13aが矩形状に形成された例を示したが、光透過孔13aは、例えば、円形状等の他の形状に形成されていてもよい。
【0154】
<撮像装置の一実施形態>
以下に、本技術撮像装置の一実施形態の構成例について説明する(図20参照)。
【0155】
撮像装置100は、撮像機能を担うカメラブロック90が装着され、撮影された画像信号のアナログ-デジタル変換等の信号処理を行うカメラ信号処理部91と、画像信号の記録再生処理を行う画像処理部92とを有している。また、撮像装置100は、撮影された画像等を表示する表示部93と、メモリー99への画像信号の書込及び読出を行うR/W(リーダ/ライタ)94と、撮像装置100の全体を制御するCPU(Central Processing Unit)95と、カメラブロック90に配置されたレンズの駆動を制御するレンズ駆動制御部96と、ユーザーによって所要の操作が行われる各種のスイッチ等の操作部97(102)とを有している。
【0156】
カメラブロック90は、例えば、交換レンズ1である。
【0157】
撮像装置100には、カメラブロック90によって取り込まれた光学像を電気的信号に変換するCCDやCMOS等の撮像素子98(104)が設けられている。
【0158】
カメラ信号処理部91は、撮像素子98からの出力信号に対するデジタル信号への変換、ノイズ除去、画質補正、輝度・色差信号への変換等の各種の信号処理を行う。
【0159】
画像処理部92は、所定の画像データフォーマットに基づく画像信号の圧縮符号化・伸張復号化処理や解像度等のデータ仕様の変換処理等を行う。
【0160】
表示部93はユーザーの操作部97に対する操作状態や撮影した画像等の各種のデータを表示する機能を有している。尚、撮像装置100においては、表示部93が設けられていなくてもよく、撮影された画像データが他の表示装置に送出されて画像が表示されるように構成されていてもよい。
【0161】
R/W94は、画像処理部92によって符号化された画像データのメモリー99への書込及びメモリー99に記録された画像データの読出を行う。
【0162】
CPU95は、撮像装置100に設けられた各回路ブロックを制御する制御処理部として機能し、操作部97からの指示入力信号等に基づいて各回路ブロックを制御する。
【0163】
レンズ駆動制御部96は、CPU95からの制御信号に基づいてレンズを移動させる駆動源を制御する。
【0164】
操作部97はユーザーによる操作に応じた指示入力信号をCPU95に対して出力する。
【0165】
メモリー99は、例えば、R/W94に接続されたスロットに対して着脱可能な半導体メモリー又は撮像装置100の内部に予め組み込まれている半導体メモリーである。
【0166】
以下に、撮像装置100における動作を説明する。
【0167】
撮影の待機状態では、CPU95による制御の下で、撮影された画像信号がカメラ信号処理部91を介して表示部93に出力され、カメラスルー画像として表示される。また、操作部97からの指示入力信号が入力されると、CPU95がレンズ駆動制御部96に制御信号を出力し、レンズ駆動制御部96の制御に基づいてレンズが移動される。
【0168】
操作部97からの指示入力信号により撮影動作が行われると、撮影された画像信号がカメラ信号処理部91から画像処理部92に出力されて圧縮符号化処理され、所定のデータフォーマットのデジタルデータに変換される。変換されたデータはR/W94に出力され、メモリー99に書き込まれる。
【0169】
メモリー99に記録された画像データを再生する場合には、操作部97に対する操作に応じて、R/W94によってメモリー99から所定の画像データが読み出され、画像処理部92によって伸張復号化処理が行われた後に、再生画像信号が表示部93に出力されて再生画像が表示される。
【0170】
尚、本技術において、「撮像」とは、撮像素子98による取り込まれた光を電気信号に変換する光電変換処理から、カメラ信号処理部91による撮像素子98からの出力信号に対するデジタル信号への変換、ノイズ除去、画質補正、輝度・色差信号への変換等の処理、画像処理部92による所定の画像データフォーマットに基づく画像信号の圧縮符号化・伸張復号化処理や解像度等のデータ仕様の変換処理、R/W94によるメモリー99への画像信号の書込処理までの一連の処理の一部のみ、または全てを含む処理のことを言う。
【0171】
即ち、「撮像」とは、撮像素子98による取り込まれた光を電気信号に変換する光電変換処理のみを指してもよく、撮像素子98による取り込まれた光を電気信号に変換する光電変換処理からカメラ信号処理部91による撮像素子98からの出力信号に対するデジタル信号への変換、ノイズ除去、画質補正、輝度・色差信号への変換等の処理までを指してもよく、撮像素子98による取り込まれた光を電気信号に変換する光電変換処理からカメラ信号処理部91による撮像素子98からの出力信号に対するデジタル信号への変換、ノイズ除去、画質補正、輝度・色差信号への変換等の処理を経て、画像処理部92による所定の画像データフォーマットに基づく画像信号の圧縮符号化・伸張復号化処理や解像度等のデータ仕様の変換処理までを指してもよく、撮像素子98による取り込まれた光を電気信号に変換する光電変換処理からカメラ信号処理部91による撮像素子98からの出力信号に対するデジタル信号への変換、ノイズ除去、画質補正、輝度・色差信号への変換等の処理、及び画像処理部92による所定の画像データフォーマットに基づく画像信号の圧縮符号化・伸張復号化処理や解像度等のデータ仕様の変換処理を経て指してもよく、R/W94によるメモリー99への画像信号の書込処理までを指してもよい。
【0172】
<本技術>
本技術は、以下のような構成にすることができる。
【0173】
(1)
レンズを介して取り込まれる被写体からの光が透過される光透過孔と前記光透過孔を覆う光学フィルターが保持される保持面と前記光透過孔を挟んで反対側に位置された第1の保持部及び第2の保持部とを有する保持体と、
前記保持体が取り付けられ前記光透過孔の外周側に位置されたレンズマウントと、
前記光透過孔と前記レンズマウントの間に位置され周方向に並ぶ複数の接続端子を有する端子部とを備え、
前記保持面と前記第1の保持部及び前記保持面と前記第2の保持部によってそれぞれ前記光学フィルターの各一部が挿入される挿入空間が形成され、
前記保持体には前記光学フィルターの前記挿入空間への挿入時に前記光学フィルターを案内する第1のガイド壁と第2のガイド壁が前記光透過孔を挟んで反対側に形成され、
前記レンズマウントの中心から前記第1のガイド壁までの距離と前記レンズマウントの中心から前記第2のガイド壁までの距離とが異なる
交換レンズ。
【0174】
(2)
前記端子部が前記第1のガイド壁と前記第2のガイド壁の離隔する方向において前記第2のガイド壁側に位置され、
前記レンズマウントの中心から前記第1のガイド壁までの距離が前記レンズマウントの中心から前記第2のガイド壁までの距離より大きくされた
前記(1)に記載の交換レンズ。
【0175】
(3)
前記光透過孔が撮像素子の形状に応じて長手方向と短手方向を有する形状に形成され、
前記第1の保持部と前記第2の保持部が前記光透過孔の短手方向に離隔して位置され、
前記光学フィルターが前記光透過孔の長手方向において前記挿入空間に対して挿抜される
前記(1)又は前記(2)に記載の交換レンズ。
【0176】
(4)
前記保持面は前記光学フィルターの前記挿入空間に対する挿入方向へ行くに従って前記レンズの光軸方向において前記レンズに近付くように傾斜された
前記(1)から前記(3)の何れかに記載の交換レンズ。
【0177】
(5)
前記保持体には前記第1の保持部と前記端子部の間に第1の部分と第2の部分が周方向に離隔して設けられ、
前記レンズマウントが撮像装置のマウント部に回転されることにより結合され、
前記保持体は回転前の状態において前記端子部に接続される前記撮像装置の接点部に前記第2の部分が前記第1の部分より近付いて位置され、
前記光学フィルターは前記挿入空間に前記第1の部分側から前記第2の部分側に挿入され、
前記保持面は前記第1の部分から前記第2の部分へ行くに従って前記レンズの光軸方向において前記レンズに近付くように傾斜された
前記(1)から前記(4)の何れかに記載の交換レンズ。
【0178】
(6)
前記保持体には光軸方向において前記レンズと反対側に開口され前記光学フィルターが挿入される保持凹部が形成された
前記(1)から前記(5)の何れかに記載の交換レンズ。
【0179】
(7)
前記光学フィルターには前記挿入空間に対する挿抜時に把持される掴み代が設けられ、
前記光学フィルターの前記挿入空間に対する挿抜方向における前記第1のガイド壁の幅が前記第2のガイド壁の幅より小さくされ、
前記保持面の挿抜方向における前記第1のガイド壁に隣接する部分は前記掴み代が位置される掴み位置として形成された
前記(1)から前記(6)の何れかに記載の交換レンズ。
【0180】
(8)
前記掴み位置に掴み用傾斜部が形成された
前記(7)に記載の交換レンズ。
【0181】
(9)
前記第1の保持部と前記第2の保持部における前記保持面と対向する側の面にそれぞれガイド面が形成され、
前記ガイド面が前記光学フィルターの前記挿入空間に対する挿入方向へ行くに従って前記保持面に近付く傾斜面に形成された
前記(1)から前記(8)の何れかに記載の交換レンズ。
【0182】
(10)
前記保持体に前記保持面を有する保持枠が設けられ、
前記保持枠と前記第1の保持部及び前記第2の保持部とが別部材として形成された
前記(1)から前記(9)の何れかに記載の交換レンズ。
【0183】
(11)
前記保持体に前記保持面を有する保持枠が設けられ、
前記保持枠と前記第1の保持部と前記第2の保持部が一体に形成された
前記(1)から前記(9)の何れかに記載の交換レンズ。
【0184】
(12)
光透過孔と第1の保持部と第2の保持部と保持面を有し前記第1の保持部と前記第2の保持部が前記光透過孔を挟んで反対側に位置された交換レンズに保持され、
前記交換レンズに保持された状態において前記光透過孔を覆う被覆部と前記被覆部を挟んで反対側に位置され少なくとも各一部が前記第1の保持部と前記第2の保持部に押さえられる第1の被押さえ部及び第2の被押さえ部とを備え、
前記第1の被押さえ部と前記第2の被押さえ部が離隔する方向において前記第1の被押さえ部の幅が前記第2の被押さえ部の幅より大きくされ、
前記第1の被押さえ部と前記第2の被押さえ部が離隔する方向において前記第1の被押さえ部側に掴み代が設けられた
光学フィルター。
【0185】
(13)
光透過孔と第1の保持部と第2の保持部と第1のガイド壁と第2のガイド壁と保持面を有し前記第1の保持部と前記第2の保持部が前記光透過孔を挟んで反対側に位置された交換レンズにおいて使用される光学フィルターを切断用治具により所定の形状に切り取るための切取孔が形成され、
前記交換レンズは前記保持面と前記第1の保持部及び前記保持面と前記第2の保持部によってそれぞれ形成された挿入空間を有すると共に前記光透過孔の外周側に位置されたレンズマウントの中心から前記第1のガイド壁までの距離と前記レンズマウントの中心から前記第2のガイド壁までの距離とが異なり、
前記挿入空間への挿入時に前記第1のガイド壁と前記第2のガイド壁によって案内される前記光学フィルターが前記光透過孔を覆う状態で前記交換レンズにおいて使用される
テンプレート。
【符号の説明】
【0186】
100 撮像装置
103 マウント部
104 撮像素子
105 接点部
1 交換レンズ
4b 後側レンズ
5 レンズマウント
9 端子部
10 ベース部
10a 挿入孔
11 端子
12 保持体
13 保持枠
13a 光透過孔
13b 保持凹部
13c 保持面
14 第1の保持部
15 第2の保持部
16b 掴み用傾斜部
20a 第1のガイド壁
21a ガイド面
22a 第2のガイド壁
23a ガイド面
24 挿入空間
25 挿入空間
50 光学フィルター
51 被覆部
52 第1の被押さえ部
53 掴み代
54 第2の被押さえ部
60 テンプレート
61 切取孔
80 切断用治具
100B 撮像装置
1B 交換レンズ
100C 撮像装置
1C 交換レンズ
100D 撮像装置
1D 交換レンズ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20