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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】スレーブ装置
(51)【国際特許分類】
   G01D 7/00 20060101AFI20240709BHJP
【FI】
G01D7/00 Q
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020053106
(22)【出願日】2020-03-24
(65)【公開番号】P2021152480
(43)【公開日】2021-09-30
【審査請求日】2023-01-11
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155712
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 尚
(72)【発明者】
【氏名】小林 良輔
(72)【発明者】
【氏名】島田 直季
【審査官】菅藤 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-138682(JP,A)
【文献】特開2018-97207(JP,A)
【文献】特開2017-69096(JP,A)
【文献】特開2008-252430(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0280460(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 7/00- 7/12
H01R 13/00-13/74
H01R 24/00-24/86
G12B 11/00-11/04
H04B 17/23
H04L 12/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続し、マスタ装置と通信を行うスレーブ装置であって、
正面パネルと、
前記正面パネルに配置された複数のケーブルコネクタと、
複数の前記ケーブルコネクタのうちの複数個にそれぞれ設けられる、前記ケーブルコネクタを囲むように前記正面パネル上に配置された情報表示ランプと、を備え、
前記情報表示ランプの発光面は、前記正面パネルから突出しており、
前記スレーブ装置は全体として直方体形状であって、前記正面パネルにおいて複数の前記ケーブルコネクタのうちの一部の前記ケーブルコネクタが、前記正面パネルの長辺に沿う前記スレーブ装置の第1の側面に沿って配置され、残りの前記ケーブルコネクタが前記第1の側面に対向する前記スレーブ装置の第2の側面に沿って配置され
前記情報表示ランプが設けられた前記ケーブルコネクタのそれぞれは、デバイスと接続するためのデバイス用コネクタであって、前記デバイスとの間で通信される2式の信号に対応でき、
前記情報表示ランプは、その領域が当該2式の信号毎に分けられており、それぞれの前記領域は、前記デバイスに対して出力する信号、または、前記デバイスから受け付ける信号に関連する状態の情報の表示を行い得る、スレーブ装置。
【請求項2】
前記情報表示ランプは、複数の発光色で発光し得るとともに、
前記一部のケーブルコネクタは、前記第1の側面に沿って複数配置されており、
前記残りのケーブルコネクタは、前記第2の側面に沿って複数配置されており、
前記第1の側面に沿った前記ケーブルコネクタと、前記第2の側面に沿った前記ケーブルコネクタとは、前記正面パネルの短辺方向に並んで配置されている、請求項1に記載のスレーブ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スレーブ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ファクトリーオートメーション(Factory Automation:FA)の分野においては、作業の工程を分担する様々な種類の装置の制御が行われる。工場施設等一定の領域内において工程に用いられる各種のコントローラ、センサやアクチュエータを制御する制御機器や、製造装置等を連携して動作させるために、これらの装置を接続する、フィールドネットワークと呼ばれる産業用ネットワークが構築されている。
【0003】
一般的なフィールドネットワークでは、各種のスレーブ装置と、マスタ装置などから構成されるマスタスレーブ方式が採用される。スレーブ装置の一例は、センサやコントローラ、アクチュエータ等のデバイスを、当該スレーブ装置を介してフィールドネットワークに接続させるゲートウェイ装置である。マスタ装置は、このようなスレーブ装置を集中管理する、例えば(PLC:Programmable Logic Controller)と呼ばれる装置である。
【0004】
このようなフィールドネットワークにおいては、通信ケーブルが各装置間に多数張り巡らされ、ネットワークが構築されている。Ethernet/IPはそうしたフィールドネットワークの方式の例である(ETHERNET:登録商標、イーサネット:登録商標)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2007-316770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
FA用のゲートウェイ装置では、工程の変更や、段取り替え等のために、現場にてケーブルの抜き差しが容易に行えることが必要である。フィールドネットワークが適用される工程の管理者や作業者等(以下、管理者等)によるケーブルの接続関係の把握を容易にするためにも、FA用のゲートウェイ装置では、各種ケーブルのコネクタが正面パネルに設けられている。
【0007】
また、FA用のゲートウェイ装置には、ケーブルコネクタでのデバイスとの接続の状態、あるいはケーブルコネクタに接続されたデバイスの異常の有無等の状態を示す情報表示ランプが設けられることがある。コネクタに関する情報表示ランプは、例えばLED(Light Emitting Diode)等を用いて構成され、管理者等がゲートウェイ装置が設置されている現場でこれらの状態を確認できるようにするためのものである。
【0008】
しかし、デバイスを接続するケーブルが正面パネル側で接続されるため、ケーブルに遮られて情報表示ランプが視認されづらいという課題があった。本発明は上記の問題点を鑑みてなされたものであり、ケーブルコネクタにケーブルが接続されている状態でも、当該ケーブルコネクタに関する情報表示ランプの視認性が良好な、スレーブ装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上述の課題を解決するために、以下の構成を採用する。本発明の一側面は、ネットワークに接続し、マスタ装置と通信を行うスレーブ装置であって、正面パネルと、前記正面パネルに配置された複数のケーブルコネクタと、複数の前記ケーブルコネクタのうちの複数個にそれぞれ設けられる、前記ケーブルコネクタを囲むように前記正面パネル上に配置された情報表示ランプと、を備える。
【0010】
上記構成によれば、ケーブルコネクタにケーブルが接続されている状態でも、当該ケーブルコネクタに関する情報表示ランプの視認性が良好な、スレーブ装置を実現することができる。
【0011】
上記一側面に係るスレーブ装置において、前記情報表示ランプが設けられた前記ケーブルコネクタは、デバイスと接続するためのデバイス用コネクタである構成を備えてもよい。上記構成によれば、センサ、アクチュエータ、コントローラ等の複数デバイスを、スレーブ装置を介してネットワークに接続させることができるゲートウェイ装置としてのスレーブ装置を実現できる。
【0012】
上記一側面に係るスレーブ装置において、前記情報表示ランプは、当該情報表示ランプが設けられた前記ケーブルコネクタによる前記デバイスとの接続状態、当該デバイスの状態、の少なくともいずれかを表示する構成を備えてもよい。上記構成によれば、ゲートウェイ装置としてのスレーブ装置に接続されているデバイスに関連する状態について、管理者等が現場で容易に確認できるスレーブ装置が実現できる。
【0013】
上記一側面に係るスレーブ装置において、前記情報表示ランプは、複数の発光色で発光し得る構成を備えてもよい。上記構成によれば、デバイスに関連する状態について、様々な情報を、管理者等が現場で容易に確認できるスレーブ装置が実現できる。
【0014】
上記一側面に係るスレーブ装置において、前記情報表示ランプは、領域ごとに異なる発光をし得る構成を備えてもよい。上記構成によれば、デバイスに関連する状態について、更に様々な情報を、管理者等が現場で容易に確認できるスレーブ装置が実現できる。
【0015】
上記一側面に係るスレーブ装置において、前記情報表示ランプは、前記ケーブルコネクタを囲む環状である構成を備えてもよい。上記構成によれば、前記情報表示ランプの形態がより具体化されたスレーブ装置が実現できる。
【0016】
上記一側面に係るスレーブ装置において、前記情報表示ランプの発光面は、前記正面パネルから突出する構成を備えてもよい。上記構成によれば、正面以外の方向からも情報表示ランプの視認性に優れるスレーブ装置が実現できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一側面に係るスレーブ装置によれば、ケーブルコネクタにケーブルが接続されている状態でも、当該ケーブルコネクタに関する情報表示ランプの視認性が良好な、スレーブ装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態に係るスレーブ装置を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係るスレーブ装置を示す正面図である。
図3】本発明の実施形態に係るスレーブ装置を示す背面図である。
図4】本発明の実施形態に係るスレーブ装置を示す左側面図である。
図5】本発明の実施形態に係るスレーブ装置を示す右側面図である。
図6】本発明の実施形態に係るスレーブ装置を示す平面図である。
図7】本発明の実施形態に係るスレーブ装置を示す底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
〔実施形態〕
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)が、図面に基づいて説明される。
【0020】
§1 適用例
まず、本発明が適用される場面の一例が述べられる。図1は、本実施形態のスレーブ装置1を示す斜視図である。本実施形態のスレーブ装置1は、フィールドネットワーク(ネットワーク)に接続し、マスタ装置と通信を行うフィールドネットワーク端末である。
【0021】
スレーブ装置1は、略長方形の正面パネル12を備える。正面パネル12には、複数のケーブルコネクタが配置されている。複数のケーブルコネクタのうち複数個には、ケーブルコネクタを囲むように、正面パネル12上に配置される環状ランプ32が設けられている。
【0022】
環状ランプ32が設けられたケーブルコネクタは、デバイスとの接続のための、デバイス用コネクタ42であり得る。またその他のケーブルコネクタは、フィールドネットワークとの接続のための、通信用コネクタ41であり得る。
【0023】
スレーブ装置1が上記の構成を備えることにより、ケーブルコネクタにケーブルが接続されている状態でも、当該ケーブルコネクタに関する情報表示ランプの視認性が良好な、スレーブ装置を実現することができる。そのため管理者等が現場にて、当該ケーブルコネクタに関する状態の情報を容易に認知できるようになる。
【0024】
特に、スレーブ装置1がFA用のゲートウェイ装置である際に、デバイスとの接続の状態、あるいは接続されたデバイスの異常の有無等の状態を、管理者等が容易に認知できるようになる。
【0025】
§2 構成例
<スレーブ装置の概要>
本実施形態に係るスレーブ装置1について、図1図7を用いて更に詳細に説明する。スレーブ装置1は、フィールドネットワークにおける端末である。フィールドネットワークの通信方式には、具体例として、Ethernet/IPが適用され得るが、これに限られない(ETHERNET:登録商標、イーサネット:登録商標)。
【0026】
スレーブ装置1は、フィールドネットワークを通じてマスタ装置と通信を行う。このようなマスタ装置には、プログラマブルロジックコントローラ(Programmable Logic Controller)を適用することができる。
【0027】
またスレーブ装置1には、センサ、アクチュエータ、コントローラ等のデバイスを複数接続でき、スレーブ装置1はこれらのデバイスを、中継してフィールドネットワークに接続させるゲートウェイ装置である。スレーブ装置1は、接続されたこれらデバイスの、マスタ装置による動作制御を可能にさせ、あるいはマスタ装置によるデータ収集を可能にさせる。
【0028】
<スレーブ装置の形態>
図1は、スレーブ装置1を示す斜視図である。図2図3は、スレーブ装置1のそれぞれ、正面図、背面図である。図4図5は、スレーブ装置1のそれぞれ、左側面図、右側面図である。図6図7は、スレーブ装置1のそれぞれ、平面図、底面図である。
【0029】
図示されるように、スレーブ装置1は全体として略直方体形状である。その背面13は、略長方形である。背面13は図3(背面図)において正対視される側面である。背面13の長方形の短辺に接するスレーブ装置1の側面は、側面14と側面15である。背面13の長方形の長辺に接するスレーブ装置1の側面は、側面16と側面17である。
【0030】
側面14、側面15、側面16、側面17は、それぞれが背面13に略直交する面である。側面14、側面15、側面16、側面17は、それぞれ図4(左側面図)、図5(右側面図)、図6(平面図)、図7(底面図)において略正対視される面である。
【0031】
スレーブ装置1の正面側には、背面13に平行な正面パネル12が配置されている。正面パネル12は、略長方形である。正面パネル12の短辺は、背面13の短辺と略同一の長さである。そうして側面16と側面17のそれぞれは、正面パネル12の長辺に接続している。正面パネル12の長辺は、背面13の長辺よりも短く、側面14と側面17のそれぞれは、正面パネル12に接続していない。
【0032】
側面14から正面パネル12にかけては段差が形成されており、正面パネル12に略直交する直交面14aが、正面パネル12に接続している。正面パネル12に略平行な平行面12aが、直交面14aと側面14とに接続している。直交面14aは、スレーブ装置1の側面14から後退した面である。
【0033】
側面15から正面パネル12にかけては段差が形成されており、正面パネル12に略直交する直交面15aが、正面パネル12に接続している。正面パネル12に略平行な平行面12bが、直交面15aと側面15とに接続している。直交面15aは、スレーブ装置1の側面15から後退した面である。
【0034】
かくして正面パネル12の短辺には、それぞれ直交面14aと直交面15aとが接続しており、長辺には、それぞれ側面16と側面17とが接続している。側面16及び側面17は、それぞれが正面パネル12に略直交する直交面でもある。
【0035】
正面パネル12と直交面14aとが略直交して接続する領域では、詳細にはこれらの接続部分には面取り面としての小面24(ファセット)が形成されている。同様に、正面パネル12と直交面15aとが略直交して接続する領域では、詳細にはこれらの接続部分の面取り面としての小面25(ファセット)が形成されている。小面24及び小面25は、それぞれ正面パネル12の短辺に沿った細長い面である。
【0036】
従って、直交面14aが、正面パネル12に接続しているとは、詳細には面取り面である小面24が接続部において間に形成されていてもよいことを含む表現である。他の直交面についても同様である。
【0037】
正面パネル12と側面16とが略直交して接続する領域のうち、正面パネル12の頂点から離間した領域では、詳細にはこれらの接続部分に面取り面としての小面26(ファセット)が形成されている。同様に、正面パネル12と側面17とが略直交して接続する領域のうち、正面パネル12の頂点から離間した領域では、詳細にはこれらの接続部分に面取り面としての小面27(ファセット)が形成されている。小面26及び小面27は、それぞれ正面パネル12の辺に沿った細長い面である。
【0038】
側面14と、側面14から後退した面である直交面14aとの間には、貫通穴22が配置されている。貫通穴22は、側面14付近で段差を構成している平行面12aに穿たれ、背面13まで貫通している。側面15と、側面15から後退した面である直交面15aとの間には、貫通穴23が配置されている。貫通穴23は、側面15付近で段差を構成している平行面12bに穿たれ、背面13まで貫通している。
【0039】
貫通穴22、貫通穴23のそれぞれは、ねじまたはボルトを用いたねじ止め、その他適宜の部材を用いた方法により、スレーブ装置1を壁面等に固定するのに使用される。その際、スレーブ装置1は、背面13が壁面側となり、正面パネル12が露出するように固定される。
【0040】
<正面パネル上の構造>
正面パネル12上には、複数のケーブルコネクタが配置されている。スレーブ装置1の正面側に各種ケーブルが接続される構成とされていることで、工程の変更、装置の更新や、段取り替え等において、各種ケーブルの接続の変更を、管理者等がより容易に行うことができるようになる。また、現場において、管理者等による各種ケーブルの接続関係の実地調査を、行いやすくすることができる。
【0041】
正面パネル12上のケーブルコネクタは、以下を含む。フィールドネットワークとの接続のための、通信用コネクタ41。デバイスとの接続のための、デバイス用コネクタ42。電力入力用コネクタ43、電力出力用コネクタ44。図示される具体例では、スレーブ装置1は、通信用コネクタ41を2式備えている。これらは正面パネル12内で、側面15寄りに並べて配置されている。すなわち、これらは略長方形の正面パネル12の一方の短辺に沿って配置されている。
【0042】
また、スレーブ装置1は、正面パネル12内の短辺から離間した領域に、デバイス用コネクタ42を8式備えている。正面パネル12内で、4式が側面16に沿って、残りの4式が側面17に沿って配置されている。更に、スレーブ装置1は、電力入力用コネクタ43、電力出力用コネクタ44を1式ずつ備えている。これらは正面パネル12内で、側面14寄りに並べて配置されている。すなわち、これらは略長方形の正面パネル12のもう一方の短辺に沿って配置されている。
【0043】
スレーブ装置1の正面パネル12には、スレーブ装置1の動作の状態等を表示し得るインジケータ31が配置されている。インジケータ31は複数の小ランプで構成される。各小ランプは、点灯、点滅、消灯の状態や、発光色により、スレーブ装置1の各種の動作の状態等を表示する。図示される具体例では、インジケータ31は、正面パネル12において、側面15から離れた側の、通信用コネクタ41近傍に、配置されている。
【0044】
インジケータ31で表わされるスレーブ装置1の動作の状態の具体例として、それぞれの通信用コネクタ41を通じた通信の状態、電力入力用コネクタ43や電力出力用コネクタ44の動作状態が挙げられる。あるいは、スレーブ装置1の動作に異常が生じているか否か、デバイスとの接続に異常が生じているか否か、デバイスの動作に異常が生じているか否か、といったことも挙げられる。
【0045】
それぞれのデバイス用コネクタ42の周囲には、環状ランプ32が配置されている。図1には、デバイス用コネクタ42及び環状ランプ32付近の拡大図P1が挿入されている。環状ランプ32について以下に詳述する。
【0046】
<環状ランプ>
環状ランプ32は、正面パネル12に露出した、デバイス用コネクタ42を取り囲む環状の発光面からなる。環状ランプ32は、デバイス用コネクタ42に設けられる情報表示ランプの一例である。
【0047】
しかし、デバイス用コネクタ42に設けられる情報表示ランプの形態は、環状ランプ32の形態には限られない。デバイス用コネクタ42に設けられる情報表示ランプは、デバイス用コネクタ42を取り囲むように配置された、楕円状、多角形状、多角形の角丸形状、半円形状等、他の形状の発光面を有するものであってもよい。
【0048】
特に図1の拡大図P1図6図7に示されているように、デバイス用コネクタ42を取り囲むように配置された情報表示ランプ(環状ランプ32)は、その正面側の面である主面が正面パネル12よりも突出するように構成されている。正面パネル12よりも突出することにより現れる側面もまた、光が取り出される発光面を構成する。
【0049】
このように、デバイス用コネクタ42を取り囲むように配置された情報表示ランプ(環状ランプ32)は、発光面である主面と側面とが、正面パネル12よりも突出するように構成されている。デバイス用コネクタ42を取り囲むように配置された情報表示ランプ(環状ランプ32)は、このような形態を備えることで、スレーブ装置1の正面側に正対する方向から観察する場合に限らず、斜めや側面方向から観察する場合にも視認性を高くすることができる。
【0050】
デバイス用コネクタ42は、所定の通信規格に則り、デバイスとの通信を実行し得るケーブルコネクタであってもよい。所定の通信規格の具体例としては、IO-Link(登録商標)が適用され得る。
【0051】
環状ランプ32は、当該環状ランプ32が設けられたデバイス用コネクタ42に関連する状態の情報を表示する。環状ランプ32が提示する、デバイス用コネクタ42に関連する状態の情報は、以下のような種々の情報のうちから、適宜選択し得る。
【0052】
デバイスとの接続モードの設定に関する情報。例えば、デバイスに対して所要の信号を出力するアウトプットモード、デバイスからの信号を受信するインプットモード、所定の通信規格でデバイスとリンクするモード等のいずれが設定されているかの情報であり得る。また、デバイスとの接続が設定されていない、という状態の情報であり得る。
【0053】
デバイスとの接続の状態に関する情報。例えば、デバイス用コネクタ42が、デバイスとの信号のやり取りを実行しているか否かの情報、ケーブルに短絡等の異常が生じている旨の情報等であり得る。接続先のデバイスの状態に関する情報、例えば、接続先のデバイスから受信した、当該デバイスの動作の異常の有無に関する情報等であり得る。
【0054】
環状ランプ32は、これら種々の情報のうちから選択された情報の種類によって、消灯・点灯・点滅の状態、発光色を変えることで、デバイス用コネクタ42に関連する状態の情報の表示を行う。特に、環状ランプ32は発光色を変えるようにすることで、多種の情報を管理者等に提示できるようになる。
【0055】
従来、情報表示ランプは通常、円形や四角形の小面積発光面で構成されていたため、デバイス用コネクタ42に隣接して配置されると、接続したケーブルで隠されて視認できなくなる可能性が高かった。一方、デバイス用コネクタ42から離れた位置に情報表示ランプを配置すると、管理者等が当該情報表示ランプとデバイス用コネクタ42との関係を把握しづらくなる問題があった。
【0056】
しかし、実施形態に係るスレーブ装置1の環状ランプ32は、デバイス用コネクタ42を取り囲むようにリング状に構成されている。そのため、発光の状態が、デバイス用コネクタ42に接続されたケーブルで隠されて、視認できなくなる可能性が非常に小さく、視認性に優れている。また、環状ランプ32が取り囲むデバイス用コネクタ42に関する情報を表示していることも、明確に提示できる。
【0057】
デバイス用コネクタ42は、1式で複数の信号に対応できる場合がある。例えば、デバイスであるセンサに対して、動作のための信号を出力(電力を供給)しつつ、センサ信号を受け付けるといった動作に対応する場合が挙げられる。あるいは、アクチュエータに対して、動作に応じた信号を出力しつつ、アクチュエータからのレスポンスを受信する場合が挙げられる。
【0058】
このように、デバイス用コネクタ42が複数の信号に対応できる場合に、環状ランプ32の領域を信号毎に分けて、それぞれにおいて、状態の情報の表示を行うようにすることもできる。例えば、デバイス用コネクタ42が2式の信号に対応できる場合に、環状ランプ32のリング状の領域の、右半分と左半分とで、別々の表示を行うようにすることができる。このような構成とすることで、スレーブ装置1は、デバイス用コネクタ42に関連する更に多様な情報の表示を行うようにすることができるようになる。
【0059】
<表示ランプ>
スレーブ装置1は、管理者等に対して警報等の重要な報知をし得る複数の表示ランプを備えている。表示ランプが実行する重要な報知の例としては、スレーブ装置1自身あるいは、スレーブ装置1に接続されたデバイスに関する動作や接続に異常がある場合が挙げられる。このような場合、スレーブ装置1に接続されたデバイスの動作が正常に行えず、スレーブ装置1が適用された工程が正常に稼働しなくなるからである。
【0060】
表示ランプは、スレーブ装置1の正面パネル12の4辺に、それぞれ配置されている。直交面14aに接続する短辺上には、表示ランプ34が配置されている。直交面15aに接続する短辺上には、表示ランプ35が配置されている。側面16に接続する長辺上には、表示ランプ36が配置されている。側面17に接続する長辺上には、表示ランプ37が配置されている。
【0061】
更に、それぞれの表示ランプは、正面パネル12の頂点から離間して配置されている。そのことによって、それぞれの表示ランプは、互いに離れた位置に配置されている。好ましくは、それぞれの表示ランプは、正面パネル12の各辺の略中央位置に配置される。
【0062】
特徴的なこととして、それぞれの表示ランプは、正面パネル12上の発光面と、直交面上の発光面と、正面パネルと直交面との接続部分に面取り面としての小面上の発光面とを有している。それぞれの表示ランプにおいて、これら3つの発光面は連続するように形成されている。
【0063】
すなわち、表示ランプ34は、正面パネル12上の発光面と、直交面14a上の発光面と、小面24上の発光面とを有している。表示ランプ35は、正面パネル12上の発光面と、直交面15a上の発光面と、小面25上の発光面を有している。表示ランプ36は、正面パネル12上の発光面と、側面16上の発光面と、小面26上の発光面を有している。表示ランプ37は、正面パネル12上の発光面と、側面17上の発光面と、小面27上の発光面を有している。
【0064】
各表示ランプが上記の配置と構成を備えることにより、スレーブ装置1の背面側からを除く様々な方向から、いずれかの表示ランプを視認することができるようになる。また、ケーブルが多数正面パネル12に接続されたとしても、警報等の重要な報知をし得る表示ランプが隠されて視認できなくなる事態が発生する可能性が小さくなる。
【0065】
本発明は上述した適用例、構成例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、開示されたそれぞれの技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0066】
1 スレーブ装置
12 正面パネル
12a、12b 平行面
13 背面
14、15、16、17 側面
14a、15a 直交面
22、23 貫通穴
24、25、26、27 小面
31 インジケータ
32 環状ランプ
34、35、36、37 表示ランプ
41 通信用コネクタ
42 デバイス用コネクタ
43 電力入力用コネクタ
44 電力出力用コネクタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7