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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/01 20060101AFI20240709BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20240709BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
G03G15/01 Y
G03G15/00 303
B41J29/38 350
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020053274
(22)【出願日】2020-03-24
(65)【公開番号】P2020160447
(43)【公開日】2020-10-01
【審査請求日】2023-02-28
(31)【優先権主張番号】P 2019057081
(32)【優先日】2019-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 智
(72)【発明者】
【氏名】萩原 千尋
【審査官】藏田 敦之
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-197111(JP,A)
【文献】特開2012-168521(JP,A)
【文献】特開2014-059490(JP,A)
【文献】特開2004-325972(JP,A)
【文献】特開2013-202907(JP,A)
【文献】特開2010-276708(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/01
G03G 21/00
B41J 29/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像形成部と、複数の前記画像形成部で形成されたトナー像が一次転写される一次中間転写体と、を有する複数の画像形成ユニットと、
複数の前記画像形成ユニットにそれぞれ対応して設けられ、前記一次中間転写体の前記トナー像を記録媒体に二次転写する複数の二次転写部と、
最下流の前記二次転写部よりも下流側の前記トナー像を検出する検出装置と、
前記検出装置の検出結果に基づいて、前記画像形成部が前記記録媒体に形成する前記トナー像の位置ずれを調整する位置ずれ調整手段と、
を備え
前記位置ずれ調整手段は、
前記画像形成ユニット毎に複数の前記画像形成部間の前記トナー像の位置ずれの調整と、
複数の前記画像形成ユニット間の前記トナー像の位置ずれの調整と、
を行い、
前記画像形成ユニット毎の複数の前記画像形成部間の位置ずれ調整の頻度を比較し、
頻度が多い前記画像形成ユニットは、頻度が少ない前記画像形成ユニットに比べて、複数の前記画像形成ユニット間の位置ずれの調整の際に前記トナー像を形成する前記画像形成部を少なくする、
を備えた画像形成装置。
【請求項2】
複数の画像形成部と、複数の前記画像形成部で形成されたトナー像が一次転写される一次中間転写体と、を有する複数の画像形成ユニットと、
複数の前記画像形成ユニットにそれぞれ対応して設けられ、前記一次中間転写体の前記トナー像を記録媒体に二次転写する複数の二次転写部と、
全ての前記画像形成部が形成した前記トナー像を検出可能な位置に設置された検出装置と、
前記検出装置の検出結果に基づいて、前記画像形成部が前記記録媒体に形成する前記トナー像の位置ずれを調整する位置ずれ調整手段と、
を備え
前記位置ずれ調整手段は、
前記画像形成ユニット毎に複数の前記画像形成部間の前記トナー像の位置ずれの調整と、
複数の前記画像形成ユニット間の前記トナー像の位置ずれの調整と、
を行い、
前記画像形成ユニット毎の複数の前記画像形成部間の位置ずれ調整の頻度を比較し、
頻度が多い前記画像形成ユニットは、頻度が少ない前記画像形成ユニットに比べて、複数の前記画像形成ユニット間の位置ずれの調整の際に前記トナー像を形成する前記画像形成部を少なくする、
を備えた画像形成装置。
【請求項3】
複数の画像形成部と、複数の前記画像形成部で形成されたトナー像が一次転写される一次中間転写体と、を有する複数の画像形成ユニットと、
複数の前記画像形成ユニットにそれぞれ対応して設けられ、前記一次中間転写体の前記トナー像を記録媒体に二次転写する複数の二次転写部と、
最下流の前記二次転写部よりも下流側の前記トナー像を検出する検出装置と、
前記検出装置の検出結果に基づいて、前記画像形成部が前記記録媒体に形成する前記トナー像の位置ずれを調整する位置ずれ調整手段と、
を備え
前記位置ずれ調整手段は、
前記画像形成ユニット毎に複数の前記画像形成部間の前記トナー像の位置ずれの調整と、
複数の前記画像形成ユニット間の前記トナー像の位置ずれの調整と、
を行い、
前記画像形成ユニット毎の複数の前記画像形成部間の位置ずれ調整の頻度を比較し、
頻度が多い前記画像形成ユニットは、頻度が少ない前記画像形成ユニットに比べて、複数の前記画像形成ユニット間の位置ずれの調整の際に前記トナー像を形成しない前記画像形成部を多くする、
を備えた画像形成装置。
【請求項4】
複数の画像形成部と、複数の前記画像形成部で形成されたトナー像が一次転写される一次中間転写体と、を有する複数の画像形成ユニットと、
複数の前記画像形成ユニットにそれぞれ対応して設けられ、前記一次中間転写体の前記トナー像を記録媒体に二次転写する複数の二次転写部と、
全ての前記画像形成部が形成した前記トナー像を検出可能な位置に設置された検出装置と、
前記検出装置の検出結果に基づいて、前記画像形成部が前記記録媒体に形成する前記トナー像の位置ずれを調整する位置ずれ調整手段と、
を備え、
前記位置ずれ調整手段は、
前記画像形成ユニット毎に複数の前記画像形成部間の前記トナー像の位置ずれの調整と、
複数の前記画像形成ユニット間の前記トナー像の位置ずれの調整と、
を行い、
前記画像形成ユニット毎の複数の前記画像形成部間の位置ずれ調整の頻度を比較し、
頻度が多い前記画像形成ユニットは、頻度が少ない前記画像形成ユニットに比べて、複数の前記画像形成ユニット間の位置ずれの調整の際に前記トナー像を形成しない前記画像形成部を多くする、
を備えた画像形成装置。
【請求項5】
前記記録媒体を搬送すると共に前記トナー像が二次転写されることが可能な搬送ベルトを有し、
前記検出装置は、最下流の前記二次転写部よりも下流側で、前記搬送ベルトに二次転写された前記トナー像を検出する、
請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記検出装置は、前記搬送ベルトの平坦部で前記トナー像を検出する、
請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記検出装置は、最下流の前記二次転写部と前記搬送ベルトが巻きかけられているロールとの間で前記トナー像を検出する、
請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記位置ずれ調整手段は、
複数の前記画像形成ユニット間の前記トナー像の位置ずれを調整する際は、
全ての前記画像形成ユニットにおいて、当該画像形成ユニットが有する前記画像形成部の数よりも少ない数で前記トナー像を形成する、
請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記位置ずれ調整手段は、
前記画像形成ユニット毎に基準となる一つの前記画像形成部で、複数の前記画像形成ユニット間の前記トナー像の位置ずれを調整する、
請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記位置ずれ調整手段は、
前記画像形成ユニット毎に前記基準となる画像形成部に対して他の前記画像形成部の位置ずれを調整する、
請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記位置ずれ調整手段は、
異なる前記画像形成ユニット間の前記基準となる画像形成部間の位置ずれを調整した後に、
前記画像形成ユニット毎に前記基準となる画像形成部に対して他の前記画像形成部の位置ずれを調整する、
項請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記基準となる画像形成部は、前記画像形成ユニットにおける二次転写位置から上流側に数えた順番の配置を同じにする、
請求項9~請求項11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記位置ずれ調整手段は、
位置ずれ調整を行う直前に前記記録媒体に二次転写された前記トナー像を形成した前記画像形成部のみを調整する、
請求項1~請求項12のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項14】
媒体に転写される調整用像を作像する複数の作像部を有する複数の作像ユニットと、
複数の前記作像ユニット毎に設けられ、前記作像された前記調整用像を前記媒体に転写する複数の転写部と、
前記調整用像を検出する検出器と、
前記検出器の検出結果に基づいて、前記作像部が前記媒体に形成する前記調整用像の位置ずれを調整する位置ずれ調整手段と、
を備え
前記位置ずれ調整手段は、
前記作像ユニット毎に複数の前記作像部間の前記調整用像の位置ずれの調整と、
複数の前記作像ユニット間の前記調整用像の位置ずれの調整と、
を行い、
前記作像ユニット毎の複数の前記作像部間の位置ずれ調整の頻度を比較し、頻度が多い前記作像ユニットは、頻度が少ない前記作像ユニットに比べて、複数の前記作像ユニット間の位置ずれの調整の際に前記調整用像を形成する前記作像部を少なくする、モードを有する、
画像形成装置。
【請求項15】
媒体に転写される調整用像を作像する複数の作像部を有する複数の作像ユニットと、
複数の前記作像ユニット毎に設けられ、前記作像された前記調整用像を前記媒体に転写する複数の転写部と、
前記調整用像を検出する検出器と、
前記検出器の検出結果に基づいて、前記作像部が前記媒体に形成する前記調整用像の位置ずれを調整する位置ずれ調整手段と、
を備え
前記位置ずれ調整手段は、
前記作像ユニット毎に複数の前記作像部間の前記調整用像の位置ずれの調整と、
複数の前記作像ユニット間の前記調整用像の位置ずれの調整と、
を行い、
前記作像ユニット毎の複数の前記作像部間の位置ずれ調整の頻度を比較し、頻度が多い前記作像ユニットは、頻度が少ない前記作像ユニットに比べて、複数の前記作像ユニット間の位置ずれの調整の際に前記調整用像を形成しない前記作像部を多くする、モードを有する、
画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、記録装置を記録媒体の両面に複数個配置し、同一記録媒体の両面に複数色の画像を多重転写する電子写真装置の多色画像形成装置に関する技術が開示されている。
【0003】
特許文献2には、四つのMarking Stationを有するUnitが、二つ用紙搬送Belt上に配置された構成の画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-186256号公報
【文献】US008682233号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、複数の画像形成部で形成されたトナー像が一次転写される一次中間転写体を有する画像形成ユニットを複数有し、複数の画像形成ユニットの一次中間転写体のトナー像を被転写体に二次転写する画像形成装置において、全ての二次転写部を通過した後のトナー像を検出することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様は、複数の画像形成部と、複数の前記画像形成部で形成されたトナー像が一次転写される一次中間転写体と、を有する複数の画像形成ユニットと、複数の前記画像形成ユニットにそれぞれ対応して設けられ、前記一次中間転写体の前記トナー像を記録媒体に二次転写する複数の二次転写部と、最下流の前記二次転写部よりも下流側の前記トナー像を検出する検出装置と、を備えた画像形成装置である。
【0007】
第2態様は、複数の画像形成部と、複数の前記画像形成部で形成されたトナー像が一次転写される一次中間転写体と、を有する複数の画像形成ユニットと、複数の前記画像形成ユニットにそれぞれ対応して設けられ、前記一次中間転写体の前記トナー像を記録媒体に二次転写する複数の二次転写部と、全ての前記画像形成部が形成した前記トナー像を検出可能な位置に設置された検出装置と、を備えた画像形成装置である。
【0008】
第3態様は、前記記録媒体を搬送すると共に前記トナー像が二次転写されることが可能な搬送ベルトを有し、前記検出装置は、最下流の前記二次転写部よりも下流側で、前記搬送ベルトに二次転写された前記トナー像を検出する、第1態様又は第2態様に記載の画像形成装置である。
【0009】
第4態様は、前記検出装置は、前記搬送ベルトの平坦部で前記トナー像を検出する、第3態様に記載の画像形成装置である。
【0010】
第5態様は、前記検出装置は、最下流の前記二次転写部と前記搬送ベルトが巻きかけられているロールとの間で前記トナー像を検出する、第4態様に記載の画像形成装置である。
【0011】
第6態様は、前記検出装置の検出結果に基づいて、前記画像形成部が前記記録媒体に形成する前記トナー像の位置ずれを調整する位置ずれ調整手段を有する、第1態様~第5態様のいずれか1態様に記載の画像形成装置である。
【0012】
第7態様は、前記位置ずれ調整手段は、位置ずれを調整する際に、一の前記画像形成ユニットで前記トナー像を形成する前記画像形成部は、他の前記画像形成ユニットで前記トナー像を形成する前記画像形成部よりも少なくする、第6態様に記載の画像形成装置である。
【0013】
第8態様は、前記位置ずれ調整手段は、位置ずれ調整の頻度が大きい前記画像形成ユニットは、位置ずれ調整の頻度が少ない前記画像形成ユニットに比べて、前記トナー像を形成する前記画像形成部を少なくする、第7態様に記載の画像形成装置である。
【0014】
第9態様は、前記位置ずれ調整手段は、複数の前記画像形成ユニット間の前記トナー像の位置ずれを調整する際に、全ての前記画像形成ユニットにおいて、当該画像形成ユニットが有する前記画像形成部の数よりも少ない数で前記トナー像を形成する、第6態様~第8態様のいずれか1態様に記載の画像形成装置である。
【0015】
第10態様は、前記位置ずれ調整手段は、前記画像形成ユニット毎に基準となる一つの前記画像形成部で、複数の前記画像形成ユニット間の前記トナー像の位置ずれを調整する、第9態様に記載の画像形成装置である。
【0016】
第11態様は、前記位置ずれ調整手段は、前記画像形成ユニット毎に前記基準となる画像形成部に対して他の前記画像形成部の位置ずれを調整する、第10態様に記載の画像形成装置である。
【0017】
第12態様は、前記位置ずれ調整手段は、異なる前記画像形成ユニット間の前記基準となる画像形成部間の位置ずれを調整した後に、前記画像形成ユニット毎に前記基準となる画像形成部に対して他の前記画像形成部の位置ずれを調整する、第11態様に記載の画像形成装置である。
【0018】
第13態様は、前記基準となる画像形成部は、前記画像形成ユニットにおける二次転写位置から上流側に数えた順番の配置を同じにする、第10態様~第12態様のいずれか1態様に記載の画像形成装置である。
【0019】
第14態様は、前記位置ずれ調整手段は、位置ずれ調整を行う直前に前記記録媒体に二次転写された前記トナー像を形成した前記画像形成部のみを調整する、第6態様~第13態様のいずれか1態様の画像形成装置である。
【0020】
第15態様は、媒体に転写される調整用像を作像する複数の作像部を有する複数の作像ユニットと、複数の前記作像ユニット毎に設けられ、前記作像された前記調整用像を前記媒体に転写する複数の転写部と、前記調整用像を検出する検出器と、を備え、複数の作像ユニットが前記調整用像を作像時に、少なくとも一の前記作像ユニットは一部の前記作像部を用いて前記調整用像を作像し、前記検出器が前記調整用像を検出するモードを有する、画像形成装置である。
【0021】
第16態様は、媒体に転写される調整用像を作像する複数の作像部と、前記媒体に転写される前記調整用像を作像する他の複数の作像部と、前記複数の作像部のうちの一部の作像部が形成した前記媒体上の調整用像と前記他の複数の作像部が形成した前記媒体上の調整用像の位置又は濃度を検出する検出部と、を備えた画像形成装置である。
【発明の効果】
【0022】
第1態様によれば、複数の画像形成部で形成されたトナー像が一次転写される一次中間転写体を有する画像形成ユニットを複数有し、複数の画像形成ユニットの一次中間転写体のトナー像を被転写体に二次転写する画像形成装置において、全ての二次転写部を通過した後のトナー像を検出することができる。
【0023】
第2態様によれば、複数の画像形成部で形成されたトナー像が一次転写される一次中間転写体を有する画像形成ユニットを複数有し、複数の画像形成ユニットの一次中間転写体のトナー像を被転写体に二次転写する画像形成装置において、全ての二次転写部を通過した後のトナー像を検出することができる。
【0024】
第3態様によれば、記録媒体に転写されたトナー像を検出する場合と比較し、トナー像の検出精度が向上する。
【0025】
第4態様によれば、検出装置が搬送ベルトの湾曲部でトナー像を検出する場合と比較し、検出精度が向上する。
【0026】
第5態様によれば、検出装置が搬送ベルトのロールよりも下流側でトナー像を検出する場合と比較し、検出精度が向上する。
【0027】
第6態様によれば、一つの検出装置の検出結果に基づいて、全ての画像形成部の位置ずれを調整することができる。
【0028】
第7態様によれば、全ての画像形成ユニットで全ての画像形成部を用いてトナー像を形成する場合と比べ、位置ずれ調整の調整効率が向上する。
【0029】
第8態様によれば、位置ずれ調整の頻度が多い画像形成ユニットは位置ずれ調整の頻度が少ない画像形成ユニットに比べてトナー像を形成する画像形成部を多くする場合と比べ、位置ずれ調整の調整効率が向上する。
【0030】
第9態様によれば、全ての画像形成ユニットで全ての画像形成部を用いてトナー像を形成する場合と比べ、複数の画像形成ユニット間の位置ずれ調整の調整効率が向上する。
【0031】
第10態様によれば、全ての画像形成ユニットで複数の画像形成部を用いて位置ずれを調整する場合と比べ、複数の画像形成ユニット間の位置ずれ調整の調整効率が向上する。
【0032】
第11態様によれば、画像形成ユニット毎に全ての画像形成部をまとめて位置ずれを調整する場合と比較し、位置ずれ調整の調整効率が向上する。
【0033】
第12態様によれば、全ての画像形成部を同時に位置ずれ調整を行う場合と比較し、調整効率が向上する。
【0034】
第13態様によれば、全ての画像形成ユニットにおいて基準となる画像形成部の配置位置が異なる場合と比較し、位置ずれ調整の調整精度が向上する。
【0035】
第14態様によれば、全ての画像形成部の位置ずれを調整する場合と比較し、調整効率が向上する。
【0036】
第15態様によれば、常に全ての作像部を用いて調整用像を形成する場合と比較し、調整用像の形成に用いる色材の消費量を低減することができる。
【0037】
第16態様によれば、常に全ての作像部を用いて調整用像を形成する場合と比較し、調整用像の形成に用いる色材の消費量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】第一実施形態における画像形成装置の構成図である。
図2図1の一部拡大図である。
図3】第一実施形態における制御装置等の構成を示すブロック図である。
図4】第一実施形態における画像形成装置の要部構成を模式的に示す模式図である。
図5】(A)はトナー供給調整用の第一パッチ像を示し、(B)は濃度調整用の第二パッチ像を示し、(C)は位置ずれ調整用の第三パッチ像を示している。
図6】光学センサーの構成図である。
図7】第三パッチ像の他の形成例である。
図8】第三実施形態における画像形成装置の要部構成を模式的に示す模式図である。
図9】光学センサーの配置位置のその他の例に実施形態における画像形成装置の要部構成を模式的に示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
<第一実施形態>
本発明の第一実施形態に係る画像形成装置について説明する。なお、図1に示す画像形成装置10の幅方向をX方向、高さ方向をY方向、奥行き方向をZ方向とし、それぞれ矢印X、Y、Zで示す。また、X方向、Y方向、Z方向のそれぞれ一方側と他方側を区別する必要がある場合は、図1に示す画像形成装置10の右側を+X側、左側を-X側、上側を+Y側、下側を-Y側、前側を+Z側、後側を-Z側と記載する。また、本実施形態では、記録媒体の一例として記録用紙Pを採用し、記録用紙Pが搬送される搬送方向の上流側を「搬送方向上流側」とし、搬送方向の下流側を「搬送方向下流側」という。なお、本実施形態における画像形成装置10は、所謂シングルパス方式であり、記録用紙Pが後述する画像形成ユニット30及び画像形成ユニット50の前を、それぞれ1回だけ通過することにより印刷が行われる。
【0040】
[全体構成]
まず、画像形成装置の全体構成について説明する。
【0041】
図1に示すように、画像形成装置10は、記録用紙Pが収容される収容部12と、記録用紙Pを搬送経路19に沿って搬送する搬送部11と、記録用紙Pに転写するトナー像を形成する画像形成ユニット30及び画像形成ユニット50と、を備えている。なお、トナー像とは、現像剤等の色材の一例としてのトナーを用いた像のことである。
【0042】
収容部12は、画像形成装置10の装置本体である画像形成装置本体10Aから引き出し可能であり、記録用紙Pが収容されている。
【0043】
搬送部11は、搬送方向上流側から順に、送出ロール13、搬送ロール14、レジストロール対15、搬送ベルト装置20、定着装置18及び排出ロール17等を備えている。
【0044】
送出ロール13は、収容部12に収容された記録用紙Pを、搬送部11を構成する搬送経路19に送り出すものである。搬送ロール14は、搬送経路19に沿って記録用紙Pを搬送するものである。
【0045】
レジストロール対15は、搬送ロール14によって搬送された記録用紙Pを、後述する上流側の二次転写位置TJ2へ搬送するものである。このレジストロール対15は、ピンチロール15Bは、レジストロール15Aに従動して回転する。そして、レジストロール対15は、レジストロール15Aとピンチロール15Bとで記録用紙Pを挟んで、記録用紙Pを搬送方向下流側へ搬送する。
【0046】
搬送ベルト装置20は、画像形成ユニット30、50により形成されたトナー像を記録用紙Pに転写しつつ、搬送経路19に沿って記録用紙Pを搬送方向下流側へ搬送するものである。なお、搬送ベルト装置20の詳細については後述する。
【0047】
定着装置18は、定着ロール対16を有し、定着ロール対16の間を通過することで、トナー像が転写された記録用紙Pを加熱及び加圧し、トナー像を記録用紙Pに定着する。
【0048】
排出ロール17は、定着装置18によってトナー像が定着された記録用紙Pを、排出部9へ排出するものである。
【0049】
画像形成ユニット30及び画像形成ユニット50は、上下方向に並んで配置されている。なお、本実施形態では、画像形成ユニット50は、画像形成ユニット30の上方に配置されている。別の観点から説明すると、画像形成ユニット50は、画像形成ユニット30の搬送方向下流側に配置されている。
【0050】
図2に示すように、画像形成ユニット30は、四つの画像形成部32と、無端状の中間転写ベルト40と、を備えている。中間転写ベルト40は、四つの画像形成部32により形成されたトナー像が転写されると共に図2を正面視して反時計回りに回転可能に装着されている。
【0051】
画像形成部32は、白色の白トナー像を形成する画像形成部32Wと、マゼンタ色のマゼンタトナー像を形成する画像形成部32Mと、シアン色のシアントナー像を形成する画像形成部32Cと、イエロー色のイエロートナー像を形成する画像形成部32Yと、を備えている。そして、これら四つの画像形成部32は、中間転写ベルト40が回転する回転方向の上流側(後述する支持ロール44に近い側)から順に、画像形成部32Y、画像形成部32M、画像形成部32C、画像形成部32Wの順に配置されている。なお、以下では、中間転写ベルト40の回転方向の上流側を「回転方向上流側」と称し、回転方向の下流側を「回転方向下流側」と称する。つまり、画像形成部32において、画像形成部32Wは最も回転方向下流側に配置されている。
【0052】
なお、Y、M、C、Wを区別して説明する必要が無い場合は、これらを省略して記載している。
【0053】
画像形成部32は、感光体33と、感光体33の表面を帯電する帯電部材34と、帯電した感光体33に露光を照射する露光装置35と、露光の照射により形成された静電潜像を現像してトナー像として可視化する現像装置36と、を備えている。
【0054】
現像装置36は、それぞれ現像ロール39Y、39M、39C、39Wを有し、それぞれ現像バイアスが電源装置159(図3参照)によって印加されている。
【0055】
また、中間転写ベルト40を挟んで各感光体33と対向する位置には、画像形成部32により形成されたトナー像を中間転写ベルト40に転写する一次転写ロール37Y,37M、37C、37Wが配置されている。中間転写ベルト40は、中間転写ベルト40を支持する支持ロール44と、後述する上流側の二次転写部74に配置されるバックアップロール42と、に巻き掛けられている。なお、感光体33、一次転写ロール37及び中間転写ベルト40を含んで、一次転写部70が構成されている。また、感光体33Y、33M、33C、33Wと中間転写ベルト40との間を、それぞれ一次転写位置TY1、TM1、TC1、TW1とする。
【0056】
画像形成ユニット50は、前述の画像形成ユニット30と画像形成する色が異なるだけで同様の構成である。画像形成ユニット50は、四つの画像形成部52と、中間転写ベルト60と、を備えている。中間転写ベルト60は、四つの画像形成部52により形成されたトナー像が転写されると共に図2を正面視して反時計回りに回転可能に装着されている。
【0057】
なお、画像形成部52は、画像形成ユニット30の画像形成部32と画像形成する色が異なるだけで同様の構成である。また、中間転写ベルト60及び後述する一次転写ロール57も画像形成ユニット30の中間転写ベルト40及び一次転写ロール37と同様の構成である。また、画像形成ユニット50を構成する他の構成部材も画像形成ユニット30と同様である。
【0058】
画像形成部52は、黒色の黒トナー像を形成する画像形成部52Kと、金色の金トナー像を形成する画像形成部52Gと、銀色の銀トナー像を形成する画像形成部52Sと、透明の透明トナー像を形成する画像形成部52Tと、を備えている。そして、4つの画像形成部52は、回転方向上流側(後述する支持ロール64に近い側)から順に、画像形成部52T、画像形成部52S、画像形成部52G、画像形成部52Kの順に配置されている。つまり、画像形成部52において、画像形成部52Kは最も回転方向下流側に配置され、画像形成部52G及び画像形成部52Sは画像形成部52Kよりも回転方向上流側に配置され、画像形成部52Tは最も回転方向上流側に配置されている。
【0059】
なお、T、S、G、Kを区別して説明する必要が無い場合は、これらを省略して記載している。
【0060】
画像形成部52は、感光体53と、帯電部材54と、露光装置55と、現像装置56と、を備えている。
【0061】
現像装置56は、それぞれ現像ロール59T、59S、59G、59Kを有し、それぞれ現像バイアスが電源装置159(図3参照)によって印加されている。
【0062】
また、中間転写ベルト60を挟んで各感光体53と対向する位置には、一次転写ロール57T、57S、57G、57Kが配置されている。中間転写ベルト60は、支持ロール64と、後述する下流側の二次転写部76に配置されるバックアップロール62と、に巻き掛けられている。なお、感光体53、一次転写ロール57、及び中間転写ベルト60を含んで、一次転写部72が構成されている。また、感光体53Y、53M、53C、53Wと中間転写ベルト60との間を、それぞれ一次転写位置TT1、TS1、TG1、TK1とする。
【0063】
図4に示すように、画像形成ユニット30の各色の画像形成部32の現像装置36及び画像形成ユニット50の各色の画像形成部52の現像装置56には、それぞれ各色に対応したトナーが収容された複数のトナーカートリッジ100、110が供給路102、112を介して連結されている。それぞれのトナーカートリッジ100、110に収容されたトナーは、供給路102、112に設けられた供給装置120(図3を参照)が作動することによって、供給路102、112を介して、各色の現像装置36、56に適宜供給される。なお、供給装置120(図3参照)は、トナーカートリッジ100Y、100M、100C、100W、110T、110S、110G、110Kそれぞれから個別に現像装置36Y、36M、36C、36W、56C、56T、56G、56Kにトナーを供給することが可能な構成になっている。
【0064】
次に、搬送ベルト装置20の詳細について説明する。
【0065】
図2に示すように、搬送ベルト装置20は、無端状の搬送ベルト21と、搬送ベルト21を支持する支持ロール22、23と、搬送ロール14と、中間転写ベルト40、60を挟んでバックアップロール42、62と対向する位置に配置された二次転写ロール24、25と、を備えている。
【0066】
二次転写ロール24は、バックアップロール42との間に記録用紙P及び搬送ベルト21を挟んで、画像形成ユニット30の中間転写ベルト40に形成されたトナー像を記録用紙Pに転写する。同様に、二次転写ロール25は、バックアップロール62との間に記録用紙P及び搬送ベルト21を挟んで、画像形成ユニット50の中間転写ベルト60に形成されたトナー像を記録用紙Pに転写する。
【0067】
なお、バックアップロール42、二次転写ロール24及び中間転写ベルト40を含んで、二次転写部74が構成されている。また、バックアップロール62、二次転写ロール25、及び中間転写ベルト60を含んで、二次転写部76が構成されている。
【0068】
二次転写ロール24、25には、電源装置159(図3参照)によってそれぞれ転写バイアスが印加されている。
【0069】
また、画像形成ユニット30の中間転写ベルト40と搬送ベルト21との間を二次転写位置TJ2とし、画像形成ユニット50の中間転写ベルト60と搬送ベルト21との間を二次転写位置TK2とする。なお、二次転写位置TK2が最下流の二次転写位置である。
【0070】
また、搬送ベルト装置20は、搬送ベルト21を清掃する図示していないベルトクリーニング装置を備えている。図示していないベルトクリーニング装置は、最下流の二次転写位置TK2の回転方向上流側で且つ最上流の二次転写位置TJ2の回転方向下流側で清掃を行う。なお、搬送ベルト21において、図示していないベルトクリーニング装置で清掃する位置を清掃位置CLとする。
【0071】
ここで、画像形成ユニット30の各画像形成部32及び画像形成ユニット50の各画像形成部52は、各色トナーによって、トナー供給調整用の第一パッチ像BC1(図5(A)参照)、濃度調整用の第二パッチ像BC2(図5(B)参照)及び位置ずれ調整用の第三パッチ像BC3(図5(C)参照)を形成する。なお、それぞれの第一パッチ像BC1、第二パッチ像BC2及び第三パッチ像BC3の後に記している符号Y、M、C、W、T、S、G、Kは、トナーの色を表し、区別する必要がない場合はこれらを省略している。
【0072】
本実施形態では、トナー供給調整用の第一パッチ像BC1(図5(A)参照)、濃度調整用の第二パッチ像BC2(図5(B)参照)及び位置ずれ調整用の第三パッチ像BC3(図5(C)参照)は、中間転写ベルト40、60に形成され、最終的に搬送ベルト21に二次転写される。なお、トナー供給調整用の第一パッチ像BC1(図5(A)参照)、濃度調整用の第二パッチ像BC2(図5(B)参照)及び位置ずれ調整用の第三パッチ像BC3(図5(C)参照)を区別する必要がない場合は、単に「パッチ像BC」と記す。
【0073】
図4に示すように、搬送ベルト21に二次転写されたパッチ像BCを検出する検出装置又は検出器の一例としての光学センサー150が、搬送ベルト21の上端部近傍に設けられている。光学センサー150は、最下流の二次転写位置TK2よりも下流側で、二次転写位置TK2と、搬送ベルト21が巻きかけられている上側の支持ロール23との間の平坦部21Qでパッチ像BCを検出する。本実施形態では、光学センサー150は、平坦部21Qにおける支持ロール23の近傍でパッチ像BCを検出する。或いは、光学センサー150は、軸方向と直交する水平方向から透視した場合、支持ロール23と重なる位置でパッチ像BCを検出する。
【0074】
なお、光学センサー150は、最下流の二次転写部76よりも下流側でパッチ像BCを検出することができる位置に配置されている。別の観点から説明すると、光学センサー150は、全ての画像形成部32Y、32M、32C、32W、52T、52S、52G、52Kが形成した全てのパッチ像BCを検出することができる位置に配置されている。
【0075】
また、光学センサー150は、本実施形態においては、最下流の二次転写位置TK2の回転方向上流側で且つ清掃位置CLの回転方向上流側でパッチ像BCを検出することができる位置に配置されていればよい。
【0076】
図6に示すように、本実施形態の光学センサー150は、軸方向、言い換えると用紙幅方向に沿って間隔をあけて並んだ三つの検出部150A、検出部150B及び検出部150Cを有している。
【0077】
なお、図5に示すトナー供給調整用の第一パッチ像BC1(図5(A)参照)、濃度調整用の第二パッチ像BC2(図5(B)参照)及び位置ずれ調整用の第三パッチ像BC3(図5(C)参照)は、K、G、S、T、W、C、M、Yの順番で並んで形成された列が、図6に示す検出部150A、検出部150B及び検出部150Cに応じてそれぞれ三列形成される。
【0078】
[制御装置]
次に、図3を用いて、画像形成装置10の動作を制御する制御装置80について説明する。
【0079】
図3に示すように、制御装置80には、画像形成ユニット30、画像形成ユニット50、通信部90、不揮発性メモリ92、供給装置120、電源装置159及び光学センサー150等が電気的に接続されている
【0080】
図3に示すように、制御装置80は、CPU81(Central Processing Unit)、ROM82(Read Only Memory)、RAM83(Random Access Memory)、及び入出力インターフェース(I/O84)がバスを介して各々接続されている。
【0081】
ここで、ROM82には、CPU81に実行させる図示しない画像形成制御プログラムが記憶されている。そして、CPU81は、ROM82から図示しない画像形成制御プログラムを読み出してRAM83に展開することで、図示しない画像形成制御プログラムによる印刷処理を実行する。
【0082】
また、I/O84には、画像形成ユニット30、画像形成ユニット50、通信部90、及び不揮発性メモリ92が接続されている。通信部90は、図示しないパーソナルコンピュータ等の端末装置と画像形成装置10とが相互にデータ通信を行うためのインターフェースである。不揮発性メモリ92には、画像形成装置10が画像形成動作を実行するのに必要な情報が記憶されている。
【0083】
制御装置80は、画像形成ユニット30の各色の画像形成部32(図2等参照)によって中間転写ベルト40(図2等参照)にトナー像を形成するための各種制御を行う。同様に画像形成ユニット50の各色の画像形成部52(図2等参照)によって中間転写ベルト60(図2等参照)にトナー像を形成するための各種制御を行う。
【0084】
また、制御装置80は、電源装置159によって現像装置36、56の現像ロール39Y、39M、39C、39W、59T、59S、59G、59K(図2等参照)に印加される現像バイアスを制御する。更に、制御装置80は、電源装置159によって二次転写ロール24、25(図2等参照)に印加される転写バイアスを制御する。
【0085】
また、制御装置80は、供給装置120を用いて、トナーカートリッジ100Y、100M、100C、100W、110T、110S、110G、110K(図3参照)に現像装置36Y、36M、36C、36W、56T、56S、56G、56K(図2等参照)への各色トナーのトナー供給の供給タイミング及び供給量等を制御する。
【0086】
更に、制御装置80には、光学センサー150がパッチ像BCを検出した検出値が入力される。そして、これらの検出値に基づいて、画像形成ユニット30、50の中間転写ベルト40、60(図2等参照)にトナー像を形成するタイミング、具体的には各露光装置35、55(図2等参照)の露光のタイミング等の制御、供給装置120によるトナー供給の制御、電源装置159による各現像ロール39、59(図2等参照)に印加する現像バイアスを制御する。
【0087】
なお、光学センサー150がパッチ像BCを検出した検出値に基づく各種制御の詳細については後述する。
【0088】
[画像形成工程]
次に、画像形成装置10における画像形成工程の概略について説明する。
【0089】
まず、制御装置80は、画像形成ユニット30の中間転写ベルト40にトナー像が形成されるよう各画像形成部32を制御する。同様に、画像形成ユニット50の中間転写ベルト60にトナー像が形成されるよう各画像形成部52を制御する。
【0090】
具体的には、制御装置80は、帯電部材34、54に電圧を印加させ、電圧が印加された帯電部材34、54により、感光体33、53の表面を予め定めた電位になるように帯電する。続いて、制御装置80は、通信部90を介して取得した画像データに基づいて、帯電部材34、54により帯電された感光体33、53の表面に、露光装置35、55により露光を照射して静電潜像を形成する。これにより、画像データに対応した静電潜像が感光体33、53の表面に形成される。
【0091】
次に、制御装置80は、現像装置36、56により、露光装置35、55により形成された静電潜像を現像し、トナー像として可視化させる。さらに、制御装置80は、一次転写ロール37、57により、各色の感光体33、53の表面に形成されたトナー像を中間転写ベルト40、60に重畳して転写させる。
【0092】
このようにして、画像形成ユニット30には、例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及び白色(W)のトナーを重畳したトナー像が中間転写ベルト40に形成される。同様に、画像形成ユニット50には、例えば、黒色(K)、金色(G)、銀色(S)、透明(T)のトナーを重畳したトナー像が中間転写ベルト60に形成される。
【0093】
ここで、収容部12から送出ロール13によって搬送経路19へ送り出された記録用紙Pは、制御装置80の制御に基づき、レジストロール対15によって搬送タイミングが調整された後、搬送方向上流側の二次転写位置TJ2へ送り出される。この二次転写位置TJ2では、記録用紙Pがバックアップロール42と二次転写ロール24との間を搬送されることで、中間転写ベルト40の外周面のトナー像が記録用紙Pに転写される。そして、トナー像が転写された記録用紙Pは、搬送方向下流側に搬送され、搬送方向下流側の二次転写位置TK2に至る。
【0094】
このとき、制御装置80は、搬送方向上流側から搬送されてきた記録用紙P上のトナー像に、画像形成ユニット50の中間転写ベルト60に形成されたトナー像が重畳して転写されるように、画像形成を開始するタイミングを調整している。
【0095】
画像形成ユニット30及び画像形成ユニット50によって形成された各色のトナー像が重畳して転写された記録用紙Pは、定着装置18の定着ロール対16によって定着された後、排出ロール17によって、画像形成装置本体10Aの上部に設けられた排出部9に排出される。
【0096】
[光学センサーがパッチ像を検出した検出値に基づく各種制御の詳細]
次に、光学センサー150がパッチ像BCを検出した検出値に基づく、制御装置80による各種制御の詳細について説明する。
【0097】
(プロセスコントロールの制御)
先ず、プロセスコントロールの制御について説明する。なお、本実施形態におけるプロセスコントロールの制御とは、現像ロール39、59に印加する現像バイアスの制御及び現像装置36、56に供給するトナー供給の制御である。
【0098】
(現像バイアスの制御)
先ず、現像ロール39Y、39M、39C、39W、59T、59S、59G、59Kに印加する現像バイアスの制御について説明する。
【0099】
上流側の各色の画像形成部32の現像装置36の現像ロール39Y、39M、39C、39Wに印加する現像バイアスの制御には、Y、M、C、Wの濃度調整用の第二パッチ像BC2Y、BC2M、BC2C、BC2W(図5(B)参照)を用いる。
【0100】
同様に、下流側の画像形成ユニット50の画像形成部52の現像ロール59T、59S、59G、59Kに印加する現像バイアスの制御には、T、S、G、Kの濃度調整用の第二パッチ像BC2T、BC2S、BC2G、BC2K(図5(B)参照)を用いる。
【0101】
そして、制御装置80は、第二パッチ像BC2Y、BC2M、BC2C、BC2W、BC2T、BC2S、BC2G、BC2Kを光学センサー150の検出値に基づいて、現像ロール59Y、59M、59C、59W、59T、59S、59G、59Kの現像バイアスを調整する。具体的には、第二パッチ像BC2の検出値に基づいて、画像濃度が予め定められた基準濃度になるように現像ロール59Y、59M、59C、59W、59T、59S、59G、59Kの現像バイアスを調整する。
【0102】
(トナー供給の制御)
次に、現像装置36Y、36M、36C、36W、56T、56S、56G、56Kに供給するトナーの制御について説明する。
【0103】
上流側の画像形成ユニット30の画像形成部32の現像装置36Y、36M、36C、36Wへのトナー供給の制御には、Y、M、C、Wのトナー供給調整用の第一パッチ像BC1Y、BC1M、BC1C、BC1W(図5(B)参照)を用いる。
【0104】
同様に、下流側の画像形成ユニット50の各色の画像形成部52の現像装置56T、56S、56G、56Kへのトナー供給の制御には、T、S、G、Kのトナー供給調整用の第一パッチ像BC1T、BC1S、BC1G、BC1K(図5(B)参照)を用いる。
【0105】
第一パッチ像BC1Y、BC1M、BC1C、BC1W、BC1T、BC1S、BC1G、BC1Kの光学センサー150の検出値に基づいて、現像装置36Y、36M、36C、36W、56T、56S、56G、56Kに供給するトナーの供給量を調整する。具体的には、第一パッチ像BC1の検出値が予め定めた基準値よりも低い場合に、検出値に応じて現像装置36Y、36M、36C、36W、56T、56S、56G、56Kに予め定めたトナーの供給量を供給する。
【0106】
[位置ずれの調整]
次に、画像形成ユニット30の各画像形成部32及び画像形成ユニット50の各画像形成部52が形成したY、M、C、W、T、S、G、Kの各色のトナー像を重ね合わせた画像の副走査方向の位置ずれの調整、所謂カラーレジストコントロールについて説明する。なお、本実施形態におけるカラーレジストコントロールは、露光装置35、55の露光タイミングで行っている。
【0107】
具体的には、図5(B)に示す位置ずれ調整用の第三パッチ像BC3Y、BC3M、BC3C、BC3W、BC3T、BC3S、BC3G、BC3Kを光学センサー150によって検出し、これらが予め定めた位置になるように露光装置35Y、35M、35C、35W、55T、55S、55G、55Kの露光タイミングを調整する。
【0108】
なお、本実施形態では、画像形成ユニット30の各画像形成部32の位置ずれ調整と画像形成ユニット50の各画像形成部32の位置ずれ調整とに加え、画像形成ユニット30全体と画像形成ユニット50全体との位置ずれ調整を行う必要がある。
【0109】
また、どのような方法で、位置ずれを調整してもよいが、本実施形態では、次のようにして、位置ずれを調整している。
【0110】
本実施形態では、先ず粗調整シーケンスを行い、その後に微調整シーケンスを行う。粗調整シーケンスは、画像形成装置10の設置時、メンテナンス時及び電源ON時等のみに行い、微調整シーケンスは予め定めたタイミングで適宜行う。
【0111】
本実施形態の粗調整シーケンスでは、第三パッチ像BC3Y、BC3M、BC3C、BC3W、BC3T、BC3S、BC3G、BC3Kを光学センサー150によって検出し、画像形成部32Y、32M、32C、32W、52T、52S、52G、52Kの全てを理想的或いは絶対的な基準タイミングからのずれを補正する。
【0112】
本実施形態の微調整シーケンスでは、まず、画像形成ユニット30全体と画像形成ユニット50全体との位置ずれ調整を行い、その後画像形成ユニット30の各色の画像形成部32の位置ずれを調整すると共に画像形成ユニット50の各色の画像形成部52位置ずれ調整を行う。
【0113】
本実施形態の微調整シーケンスにおける画像形成ユニット30全体と画像形成ユニット50全体との位置ずれ調整は、画像形成ユニット30の予め定めた基準とする色(以降「基準色」と記す場合がある)の画像形成部32が形成した第三パッチ像BC3、例えば画像形成部32Wが形成した第三パッチ像BC3Wと、画像形成ユニット50の予め定めた基準色の画像形成部52が形成した第三パッチ像BC3、例えば画像形成部52Kが形成した第三パッチ像BC3Kと、を光学センサー150によって検出し、第三パッチ像BC3Wと第三パッチ像BC3Kとが、予め定めた位置及び位置関係になるように調整する。
【0114】
なお、このとき、第三パッチ像BC3Wと第三パッチ像BC3Kとのみを形成してもよい。また、図7に示すように、第三パッチ像BC3Wと第三パッチ像BC3Kとのみを、互いの間隔を狭くして形成してもよい。
【0115】
次に、前述のように、画像形成ユニット30の各色の画像形成部32の位置ずれを調整すると共に画像形成ユニット50の各色の画像形成部52の位置ずれ調整を行う。なお、いずれにおいても全ての色の第三パッチ像BC3を形成してもよいし、画像形成ユニット30の位置ずれ調整のみを行うときは第三パッチ像BC3Y、BC3M、BC3C、BCWのみを形成し、画像形成ユニット50の位置ずれ調整のみを行うときは第三パッチ像BC3T、BC3G、BC3S、BC3Kのみを形成してもよい。
【0116】
本実施形態の微調整シーケンスにおける画像形成ユニット30の各色の画像形成部32の位置ずれを調整は、画像形成ユニット30の基準である画像形成部32Wが形成した第三パッチ像BC3Wと、他の画像形成部32Y、32M、32Cが形成した第三パッチ像BC3Y、32M、32Cとを光学センサー150が検出し、第三パッチ像BC3Wに対して第三パッチ像BC3Y、BC3M、BC3Cが予め定めた位置関係になるように調整する。
【0117】
同様に本実施形態の微調整シーケンスにおける画像形成ユニット50の各色の画像形成部52の位置ずれを調整は、画像形成ユニット50の基準である画像形成部52Kが形成した第三パッチ像BC3Kと、他の画像形成部52T、52S、52Gが形成した第三パッチ像BC3T、32S、32Gとを光学センサー150が検出し、第三パッチ像BC3Kに対して第三パッチ像BC3T、BC3S、BC3Gが予め定めた位置関係になるように調整する。
【0118】
なお、画像形成ユニット30の基準である画像形成部32Wと、画像形成ユニット50の基準である画像形成部52Kと、は、それぞれ二次転写位置TJ2、TK2から上流側に数えた順番の配置が同じ位置であり、本実施形態では二次転写位置TJ2、TK2から一番目である。
【0119】
<作用>
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0120】
図4に示すように、本実施形態では、搬送ベルト21に二次転写されたパッチ像BCを検出する光学センサー150のみが、搬送ベルト21の上端部近傍に設けられている。また、光学センサー150は、最下流の二次転写部76よりも下流側でパッチ像BCを検出することができる位置に配置されている。別の観点から説明すると、光学センサー150は、全ての画像形成部32Y、32M、32C、32W、52T、52S、52G、52Kが形成した全てのパッチ像BCを検出することができる位置に配置されている。
【0121】
よって、二次転写部74及び二次転写部76の両方を通過した後のパッチ像BCを一つの光学センサー150で検出することができる。
【0122】
したがって、光学センサー150の設置場所を少なく、本実施形態では一箇所にのみ設置すればよいので、コストを削減することができる。
【0123】
また、光学センサー150は、搬送ベルト21に二次転写されたパッチ像BCを検出するので、材質等によって表面状態が異なる記録用紙Pに二次転写されたパッチ像BCを検出する場合と比較し、検出精度が向上する。
【0124】
また、本実施形態では、光学センサー150は、搬送ベルト21の平坦部21Qでパッチ像BCを検出している。よって、搬送ベルト21の湾曲部でパッチ像BCを検出する場合と比較し、パッチ像のゆがみが抑制されるので、検出精度が向上する。
【0125】
更に、本実施形態では、平坦部21Qにおける支持ロール23の近傍で、パッチ像BCを検出している。よって、支持ロール23から離れた場所でパッチ像BCを検出する場合と比較し、搬送ベルト21のばたつきが少ないので、検出精度が向上する。
【0126】
また、光学センサー150は、最下流の二次転写位置TK2と搬送ベルト21が巻きかけられている上側の支持ロール23との間でパッチ像BCを検出している。よって、搬送ベルト21の支持ロール23よりも下流側でパッチ像BCを検出する場合と比較し、検出精度が向上する。
【0127】
また、本実施形態では、画像形成ユニット30は画像形成部32Wを基準とし、画像形成ユニット50は画像形成部52Kを基準とし、第三パッチ像BC3Wと第三パッチ像BC3Kとが予め定めた位置関係になるように調整することで、画像形成ユニット30全体と画像形成ユニット50全体との位置ずれを調整している。
【0128】
したがって、全ての第三パッチ像BC3Y、BC3M、BC3C、BC3W、BC3T、BC3S、BC3G、BC3Kを形成して、全ての画像形成部32Y、32M、32C,32W、32T、52S、52G、52Kを同時に位置ずれ調整を行う場合と比較し、制御が容易であるので、調整効率が向上する。
【0129】
更に、基準の第三パッチ像BC3Wに対して第三パッチ像BC3Y、32M、32Cが予め定めた位置及び位置関係になるように調整することで、画像形成ユニット30における画像形成部32Y、32M、32C、32Wの位置ずれを調整している。同様に、基準の第三パッチ像BC3Kに対して第三パッチ像BC3T、BC3S、BC3Gが予め定めた位置関係になるように調整することで、画像形成ユニット50における画像形成部52T、52S、52G、52Kの位置ずれを調整している。
【0130】
したがって、画像形成ユニット30、50毎に全ての画像形成部32Y、32M、32C,32W、52T、52S、52G、52Kをまとめて位置ずれ調整を行う場合と比較し、調整効率が向上する。
【0131】
また、画像形成ユニット30全体と画像形成ユニット50全体との位置ずれを調整したのち、画像形成ユニット30において画像形成部32Y、32M、32C、32Wの位置ずれを調整すると共に画像形成ユニット50において画像形成部52T、52S、52G、52Kの位置ずれを調整している。よって、全ての画像形成部32、52を同時に位置ずれ調整を行う場合と比較し、調整効率が向上する。
【0132】
また、画像形成ユニット30の基準である画像形成部32Wと、画像形成ユニット50の基準である画像形成部52Kと、は、それぞれ二次転写位置TJ2、TK2から上流側に数えた順番の配置が同じ位置であり、本実施形態では二次転写位置TJ2、TK2から一番目である。よって、基準にする画像形成部の位置が異なる場合と比較し、位置ずれの調整精度が向上する。
【0133】
また、画像形成ユニット30全体と画像形成ユニット50全体との位置ずれを調整する際に、図7に示すように、第三パッチ像BC3Wと第三パッチ像BC3Kとのみを間隔を狭くして形成した場合、第三パッチ像BC3Wと第三パッチ像BC3Kとの間隔が広い場合と比較し、検出精度が向上する。
【0134】
<位置ずれの調整の他の例>
次に、位置ずれ調整の他の例について説明する。
【0135】
微調整シーケンスにおいて、画像形成ユニット30では画像形成部32Wを基準とし、画像形成ユニット50では画像形成部52Kを基準として、位置ずれ調整を行ったが、これに限定されない。
【0136】
例えば、基準となる画像形成部を設けないで、全ての第三パッチ像BC3Y、BC3M、BC3C、BC3W、BC3T、BC3S、BC3G、BC3Kを形成して、全ての画像形成部32Y、32M、32C、32W、52T、52S、52G、52Kをまとめて位置ずれ調整を行ってもよい。
【0137】
また、例えば、第三パッチ像BC3の色数を一方の画像形成ユニットを他方の画像形成ユニットよりも少なくしてもよい。また、この場合、位置ずれ調整の頻度が多い画像形成ユニットは、位置ずれ調整の頻度が少ない画像形成ユニットに比べて、第三パッチ像BC3を形成する画像形成部を少なくする。なお、位置ずれの頻度が多い画像形成ユニットは、予め定めた期間等における各画像形成部の位置ずれ調整の回数を比較して特定する等で決定する。
【0138】
例えば、画像形成ユニット30では第三パッチ像BC3Y、BC3M、BC3Cの三色を形成し、画像形成ユニット50では第三パッチ像BC3K、BC3Sの二色を形成する等である。なお、この場合、画像形成ユニット30全体と画像形成ユニット50全体との位置ずれ調整は、画像形成ユニット30と画像形成ユニット50とで、それぞれ一つ、例えば第三パッチ像BC3Cと第三パッチBC3Kとを用いて位置ずれを調整する。
【0139】
このように、画像形成ユニット30、50の画像形成部32、52で形成する第三パッチ像BC3の色数を少なくすることで、全色を用いる場合と比べ、位置ずれ調整の調整効率が向上する。また、全色を用いる場合と比べ、位置ずれ調整におけるトナー消費量を削減することができる。また、全色を用いる場合と比べ、位置ずれ調整における調整時間を短縮することができるので、生産性が向上する。
【0140】
また、例えば、位置ずれ調整を行う直前にシート材Pに二次転写されるトナー像を形成した画像形成部32、52のみを調整してもよい。例えば、位置ずれ調整を行う直前に、画像形成部32Y、32M、32C、52Kを用いて画像形成した場合は、画像形成部32Y、32M、32C、52Kのみの位置ずれ調整を行う。このように、位置ずれ調整を行う直前に使用した画像形成部32、52のみを調整することで、常に全画像形成部32、52を調整する場合と比較し、位置ずれ調整の調整効率が向上する。また、常に全画像形成部32、52を調整する場合と比較し、位置ずれ調整におけるトナー消費量を削減することができる。また、常に全画像形成部32、52を調整する場合と比較し、位置ずれ調整における調整時間を短縮することができるので、生産性が向上する。
【0141】
<第二実施形態>
本発明の第二実施形態に係る画像形成装置について説明する。なお、第一実施形態とは、装置構成は同様であり、光学センサー150がパッチ像BCを検出した検出値に基づく、制御装置80による各種制御のみが異なる。
【0142】
[制御]
本実施形態では、第一シーケンスは画像形成装置10の設置時、メンテナンス時及び電源ON時等のみに行い、第二シーケンスは予め定めたタイミングで適宜行う。
【0143】
本実施形態の第一シーケンスでは、まず、画像形成ユニット30全体と画像形成ユニット50全体との位置ずれ調整を行い、その後画像形成ユニット30の各色の画像形成部32の位置ずれを調整すると共に画像形成ユニット50の各色の画像形成部52の位置ずれ調整を行う。
【0144】
本実施形態の第二シーケンスでは、画像形成ユニット30全体と画像形成ユニット50全体との位置ずれ調整のみを行う。
【0145】
なお、画像形成ユニット30全体と画像形成ユニット50全体との位置ずれ調整と、画像形成ユニット30の各色の画像形成部32の位置ずれの調整及び画像形成ユニット50の各色の画像形成部52の位置ずれ調整とは、それぞれ第一実施形態と同じであるので、説明を省略する。
【0146】
ここで、第一実施形態の記載と重複するが、画像形成ユニット30全体と画像形成ユニット50全体との位置ずれ調整の一例を説明する。
【0147】
画像形成ユニット30全体と画像形成ユニット50全体との位置ずれ調整では、画像形成ユニット30の予め定めた基準色の画像形成部32が形成した第三パッチ像BC3、例えば画像形成部32Wが形成した第三パッチ像BC3Wと、画像形成ユニット50の予め定めた基準色の画像形成部52が形成した第三パッチ像BC3、例えば画像形成部52Kが形成した第三パッチ像BC3Kと、を光学センサー150によって検出し、第三パッチ像BC3Wと第三パッチ像BC3Kとが、予め定めた位置及び位置関係になるように調整する。
【0148】
<作用>
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0149】
画像形成ユニット30全体と画像形成ユニット50全体との位置ずれは、画像形成ユニット30の各色の画像形成部32の位置ずれ及び画像形成ユニット50の各色の画像形成部52の位置ずれよりも、発生しやすい。よって、第一シーケンスよりも第二シーケンスを頻繁に行う。
【0150】
画像形成ユニット30全体と画像形成ユニット50全体との位置ずれ調整のみを行う第二シーケンスでは、画像形成ユニット30の予め定めた基準色の画像形成部32が形成した第三パッチ像BC3、例えば画像形成部32Wが形成した第三パッチ像BC3Wと、画像形成ユニット50の予め定めた基準色の画像形成部52が形成した第三パッチ像BC3、例えば画像形成部52Kが形成した第三パッチ像BC3Kと、を形成する。
【0151】
よって、第二シーケンスでは、第三パッチ像BC3W及び第三パッチ像BC3Kの二色のみを形成するので、第一シーケンスのように全色でパッチ像を形成する場合と比較し、位置ずれ調整におけるトナー消費量を削減できる。また、全色でパッチ像を形成する場合と比べ、位置ずれ調整における調整時間を短縮することができるので、生産性が向上する。
【0152】
<第三実施形態>
本発明の第三実施形態に係る画像形成装置について説明する。なお、第一実施形態及び第二実施形態とは、装置構成は、配色構成が異なる以外は同様である。また、光学センサー150がパッチ像BCを検出した検出値に基づく、制御装置80による各種制御が異なる。
【0153】
[配色構成]
図8に示すように、第三実施形態の画像形成装置101では、第一実施形態の画像形成装置10(図4参照)と、白色の白トナー像を形成する画像形成部と黒色の黒トナー像を形成する画像形成部との位置が入れ替わっている。つまり、画像形成ユニット30に黒色の黒トナー像を形成する画像形成部32Kが設けられ、画像形成ユニット50に白色の白トナー像を形成する画像形成部52Wが設けられている。
【0154】
すなわち、画像形成ユニット30の画像形成部32は、黒色の黒トナー像を形成する画像形成部32Kと、マゼンタ色のマゼンタトナー像を形成する画像形成部32Mと、シアン色のシアントナー像を形成する画像形成部32Cと、イエロー色のイエロートナー像を形成する画像形成部32Yと、を備えている。
【0155】
また、画像形成ユニット50の画像形成部52は、白色の白トナー像を形成する画像形成部52Wと、金色の金トナー像を形成する画像形成部52Gと、銀色の銀トナー像を形成する画像形成部52Sと、透明の透明トナー像を形成する画像形成部52Tと、を備えている。
【0156】
なお、黒色、マゼンタ色、シアン色及びイエロー色を通常色とし、白色、金色、銀色及び透明を特別色とする。
【0157】
また、一次転写ロール、一次転写位置、トナーカートリッジ及びパッチ像等も両者の位置が入れ替わっている。
【0158】
ここで、前述のように、画像形成ユニット30の画像形成部32は、黒色の黒トナー像を形成する画像形成部32Kと、マゼンタ色のマゼンタトナー像を形成する画像形成部32Mと、シアン色のシアントナー像を形成する画像形成部32Cと、イエロー色のイエロートナー像を形成する画像形成部32Yと、を備えている。よって、通常は、黒色、マゼンタ色、シアン色及びイエロー色の通常色を備えている画像形成ユニット30のみを使用して画像を形成する。
【0159】
また、画像形成ユニット50の画像形成部52は、白色の白トナー像を形成する画像形成部52Wと、金色の金トナー像を形成する画像形成部52Gと、銀色の銀トナー像を形成する画像形成部52Sと、透明の透明トナー像を形成する画像形成部52Tと、を備えている。よって、白色、金色、銀色及び透明の特別色を用いる場合のみ画像形成ユニット50を使用して画像を形成する。
【0160】
[制御]
本実施形態では、第一シーケンスは、予め定めたタイミングで適宜行う。第一シーケンスでは、通常色の画像形成ユニット30の各色の画像形成部32の位置ずれの調整、プロセスコントロールの制御及びトナー供給の制御を行う。
【0161】
第二シーケンスは、特別色の画像形成ユニット50を用いて画像を形成する際に行う。具体的には、画像信号に白色、金色、銀色及び透明のいずれかが含まれる場合、画像を形成する前に、画像形成ユニット30全体と画像形成ユニット50全体との位置ずれ調整と、画像形成ユニット50の各色の画像形成部52の位置ずれ調整と、画像形成ユニット50のプロセスコントロールの制御及びトナー供給の制御と、を行う。なお、第二シーケンスでは、画像形成ユニット30の各色の画像形成部32の位置ずれ調整、プロセスコントロールの制御及びトナー供給の制御は行わない。
【0162】
また、画像形成ユニット50の各色の画像形成部52の位置ずれ調整、プロセスコントロールの制御及びトナー供給の制御では、画像信号に含まれる特別色のみを行う。例えば、画像信号に金色と銀色とが含まれる場合は、画像形成ユニット50の金色の画像形成部52Gと銀色の画像形成部52Sとの位置ずれ調整、プロセスコントロールの制御及びトナー供給の制御を行う。画像形成ユニット30全体と画像形成ユニット50全体との位置ずれ調整では、画像信号に含まれる特別色を基準色とする。
【0163】
なお、画像形成ユニット30全体と画像形成ユニット50全体との位置ずれ調整、画像形成ユニット30の各色の画像形成部32の位置ずれの調整、画像形成ユニット50の各色の画像形成部52位置ずれ調整、プロセスコントロールの制御及びトナー供給の制御は、それぞれ第一実施形態と同じであるので、説明を省略する。
【0164】
<作用>
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0165】
第一シーケンスでは、通常色の画像形成ユニット30の各色の画像形成部32の位置ずれ、プロセスコントロールの制御及びトナー供給の制御を行う。しかし、画像形成ユニット30全体と画像形成ユニット50全体との位置ずれ調整と、画像形成ユニット50の各色の画像形成部52の位置ずれ調整、プロセスコントロールの制御及びトナー供給の制御と、は行わない。
【0166】
つまり、第一シーケンスでは、画像形成ユニット50は、パッチ像BCを形成しない。よって、全色でパッチ像BCを形成する場合と比較し、トナー消費量を削減できる。また、全色でパッチ像BCを形成する場合と比較し、調整時間及び制御時間を短縮することができるので、生産性が向上する。
【0167】
また、第二シーケンスでは、特別色を用いて画像を形成する前に、画像形成ユニット30全体と画像形成ユニット50全体との位置ずれ調整と、画像形成ユニット50の各色の画像形成部52の位置ずれ調整、プロセスコントロールの制御及びトナー供給の制御と、を行い、画像形成ユニット30の各色の画像形成部32の位置ずれ調整、プロセスコントロールの制御及びトナー供給の制御は行わない。更に、画像形成ユニット50の各色の画像形成部52の位置ずれ調整、プロセスコントロールの制御及びトナー供給の制御では、画像信号に含まれる特別色のみを行う。
【0168】
つまり、第二シーケンスでは、画像形成ユニット30は、基準色の第三パッチ像BC3以外はパッチ像BCを形成しない。また、画像形成ユニット50は、画像信号に含まれる特別色のみしかパッチ像BCを形成しない。よって、全色でパッチ像BCを形成する場合と比較し、トナー消費量を削減できる。また、全色でパッチ像BCを形成する場合と比較し、調整時間及び制御時間を短縮することができるので、生産性が向上する。
【0169】
<その他>
尚、本発明は、上記実施形態に限定されない。
【0170】
例えば、上記実施形態では、搬送ベルト21に二次転写されたパッチ像BCを検出する光学センサー150のみが、搬送ベルト21の上端部近傍に設けられているが、これに限定されない。他の場所にも光学センサー150が設けられていてもよい。また、例えば、位置ずれを調整用の検出器又は検出装置は一箇所のみに設置し、プロセスコントロール用の検出器又は検出装置は複数箇所に設置してもよい。
【0171】
例えば、図9に示すように、中間転写ベルト40、60における最下流の一次転写位置TW1、TK1と二次転写位置TJ2、TK2との間の平坦部40Q、60Qでパッチ像BCを検出する検出器又は検出装置の一例としての光学センサー150を設けてもよい。
【0172】
また、平坦部21Qでパッチ像BCを検出する光学センサー150は設けないで、中間転写ベルト40、60における平坦部40Q、60Qでパッチ像BCを検出する光学センサー150のみを設けてもよい。なお、このように、中間転写ベルト40、60における平坦部40Q、60Qでパッチ像BCを検出する光学センサー150のみを設けている場合、画像形成ユニット30全体と画像形成ユニット50全体との位置ずれ調整は、下記のように行うことができる。
【0173】
例えば、通常色に加えて、特別色のトナー像を記録用紙Pに、調整用像の一例としての位置ずれ用の画像を出力することにより、ユーザーがずれ分を確認して調整する機能を設けることで調整する。或いは、例えば、平坦部40Q及び60Qの位置で、それぞれの特別色同士及び通常色同士の位置ずれタイミングを合わせておき、画像形成ユニット30全体と画像形成ユニット50全体の位置ずれを転写位置TK1及びTK2の位置間距離のタイミングをずらして画像形成することにより位置ずれを調整する。
【0174】
また、位置すれ調整以外、例えば、濃度調整を行ってもよい。この場合、例えば、通常色に加えて、特別色のトナー像を記録用紙Pに濃度確認用画像を出力することにより、ユーザーが濃度を確認して調整する機能を設けることで濃度調整する。
【0175】
また、検出器又は検出装置の一例としての光学センサー150が、搬送ベルト21における作像ユニットの一例としての画像形成ユニット30と画像形成ユニット50との間に設けられていてもよい。
【0176】
この場合、光学センサー150の上流側にある画像形成ユニット30と下流側にある画像形成ユニット50がそれぞれ調整用像を転写した搬送ベルト21の被転写面が、光学センサー150の位置まで回転することで、調整用像を検出することができる。なお、このとき、搬送ベルトクリーニング装置は、搬送ベルト21から離間した状態とする。
【0177】
また、例えば、上記実施形態では、画像形成装置10は、画像形成ユニット30と画像形成ユニット50との二つの画像形成ユニットを備えていたが、これに限定されない。三以上の画像形成ユニットを備えた画像形成装置であってもよい。また、画像形成ユニット30、50は、それぞれ四つの画像形成部32、52を有していたが、これに限定されない。画像形成ユニットは2以上の画像形成部を有していればよい。
【0178】
また、作像部の一例としての画像形成部32、52の全てを用いて、各調整を行ってもよい。別の観点から説明すると、全ての画像形成部32、52を用いて各調整を行ってもよいし、必要に応じて一部の画像形成部を用いて各調整を行ってもよい。
【0179】
また、検出装置又は検出器の一例としての光学センサー150は、搬送ベルトに二次転写されたパッチ像BC等の調整用像を検出する構成であったが、これに限定されない。光学センサー150は、記録媒体の一例としての記録用紙Pに二次転写されたパッチ像BC等の調整用像を検出する構成であってもよい。
【0180】
検出装置又は検出部は、光学センサー150以外のセンサーであってもよいし、検出装置又は検出部には、センサーに加え、例えば、処理を行うCPUが含まれていてもよい。
【0181】
また、作像部には、トナーを含む現像剤を用いて現像する現像器が含まれてもよい。
【0182】
また、媒体は、記録用紙、用紙搬送ベルト及び中間転写体等であってもよい。
【0183】
また、制御装置80による各種制御は、モードと読み替えてもよいし、制御形態と読み替えてもよい。
【0184】
また、画像形成装置の構成としては、上記実施形態の構成に限られず種々の構成とすることが可能である。更に、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得る。
【符号の説明】
【0185】
10 画像形成装置
18 定着装置
21 搬送ベルト
21Q 平坦部
30 画像形成ユニット(作像ユニットの一例)
32 画像形成部(作像部の一例)
40 中間転写ベルト(一次中間転写体の一例)
50 画像形成ユニット(作像ユニットの一例)
52 画像形成部(作像部の一例)
60 中間転写ベルト(一次中間転写体の一例)
74 二次転写部(転写部の一例)
76 二次転写部(転写部の一例)
80 制御装置(位置ずれ調整手段の一例)
150 光学センサー(検出装置の一例、検出器の一例)
TJ2 二次転写位置
TK2 二次転写位置(最下流の二次転写位置の一例)
BC パッチ像(調整用像の一例)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9