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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 13/22 20060101AFI20240709BHJP
   G09F 13/04 20060101ALI20240709BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20240709BHJP
   G02F 1/13363 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
G09F13/22
G09F13/04 N
G02F1/1335 510
G02F1/13363
G09F13/04 J
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020064282
(22)【出願日】2020-03-31
(65)【公開番号】P2021162724
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2023-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100116012
【弁理士】
【氏名又は名称】宮坂 徹
(72)【発明者】
【氏名】尾▲崎▼ 剛
(72)【発明者】
【氏名】西島 克典
(72)【発明者】
【氏名】原田 隆宏
【審査官】藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-175879(JP,A)
【文献】特開2002-006780(JP,A)
【文献】特許第6370519(JP,B1)
【文献】特開2018-049183(JP,A)
【文献】米国特許第06681509(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 13/00 -13/46
G02F 1/1335
G02F 1/13363
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光表示体と、
前記発光表示体の表面側に設けられて前記発光表示体からの光にパターンを与えて透過させるパターン付与層と、
前記パターン付与層の表面の全体又は一部を覆うように前記パターン付与層上に設けられて光透過性を有すると共に模様を有する被覆ベース層と、
を備え、
前記被覆ベース層は、
前記パターン付与層の表面の全体又は一部を覆うように前記パターン付与層上に設けられて光透過性を有するベース層と、
前記ベース層の表面を全体にわたって覆うように前記ベース層上に設けられて光透過性を有すると共に模様を有する被覆層と、
を備え、
前記被覆層は、
前記ベース層側に位置して色味を調整する色味調整層と、
前記色味調整層上に設けられて前記模様を有する模様層と、
を有している
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
発光表示体と、
前記発光表示体の表面側に設けられて前記発光表示体からの光にパターンを与えて透過させるパターン付与層と、
前記パターン付与層の表面の全体又は一部を覆うように前記パターン付与層上に設けられて光透過性を有すると共に模様を有する被覆ベース層と、
を備え、
前記パターン付与層は、前記発光表示体側に位置して全面にわたって光透過性を有する基材と、前記基材上に設けられて前記基材を透過する光に前記パターンを与えるパターン層と、を有すると共に、前記被覆ベース層側からの光を反射するものである
ことを特徴とする表示装置。
【請求項3】
前記発光表示体と前記パターン付与層との間、又は、前記パターン付与層と前記被覆ベース層との間に拡散層を設けた
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
発光表示体と、
前記発光表示体の表面側に設けられて前記発光表示体からの光にパターンを与えて透過させるパターン付与層と、
前記パターン付与層の表面の全体又は一部を覆うように前記パターン付与層上に設けられて光透過性を有すると共に模様を有する被覆ベース層と、
を備え、
前記発光表示体は、液晶ディスプレイ又は有機エレクトロルミネセンスディスプレイであり、
前記発光表示体と前記パターン付与層との間に反射型偏光板が設けられている
ことを特徴とする表示装置。
【請求項5】
前記反射型偏光板と前記パターン付与層との間、又は、前記パターン付与層と前記被覆ベース層との間に拡散層を設けた
ことを特徴とする請求項に記載の表示装置。
【請求項6】
発光表示体と、
前記発光表示体の表面側に設けられて前記発光表示体からの光にパターンを与えて透過させるパターン付与層と、
前記パターン付与層の表面の全体又は一部を覆うように前記パターン付与層上に設けられて光透過性を有すると共に模様を有する被覆ベース層と、
を備え、
前記パターン付与層は、前記発光表示体側に位置して全面にわたって光透過性を有する基材と、前記基材上に設けられて前記基材を透過する光に前記パターンを与えるパターン層と、を有し、
前記発光表示体は、液晶ディスプレイ又は有機エレクトロルミネセンスディスプレイであり、
前記発光表示体と前記パターン付与層との間に設けられた反射型偏光板と、
前記反射型偏光板と前記パターン付与層との間に設けられた波長板と、
前記パターン付与層の前記基材と前記パターン層との間に設けられて前記パターン層のパターンと同一のパターンを有する反射層と、
を備えていることを特徴とする表示装置。
【請求項7】
前記反射型偏光板と前記波長板との間、前記波長板と前記パターン付与層との間、前記パターン付与層と前記被覆ベース層との間、のうちのいずれか一つに拡散層を設けた
ことを特徴とする請求項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記被覆ベース層の表面の全体を覆うように前記被覆ベース層上に設けられて光透過性を有する表面保護層を備えている
ことを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光透過性を有すると共に意匠性を有するシートを発光表示体の表面に設けた表示装置は、発光表示体が作動して発光しているとき、発光表示体からの光がシートを透過することにより、発光表示体に表示されている文字や図形や記号等を視認することができる。他方、発光表示体が作動停止しているとき、シートが発光表示体を覆い隠していることにより、発光表示体を認識できず、周囲と調和した意匠とすることができる(例えば、下記特許文献1,2等参照)。
【0003】
このような表示装置としては、例えば、図6に示すように、樹脂等からなるシート状の基材11上に、色味調整層13,模様層14,表面保護層15を順に設け、レーザ光やドリル等で細かい光通過孔10aを多数形成したシートを液晶ディスプレイ等の発光表示体1の表面に設けたものがある。
【0004】
この表示装置10においては、発光表示体1が作動して発光しているとき、光がシートの光通過孔10aを通過することにより、発光表示体1の表示を認識することができる。他方、発光表示体1が作動停止しているとき、シートが発光表示体1を覆い隠していることにより、発光表示体1を認識できず、周囲と調和した意匠とすることができる。
【0005】
また、例えば、図7に示すように、樹脂等からなる光透過性を有するシート状の基材21上に、光を通過させる細かい空隙(孔)20aを多数形成するように、パターン層22,色味調整層23,模様層24,表面保護層25を印刷手法でアレイ状に積層して設けたシートを発光表示体1の表面に設けたものがある。
【0006】
この表示装置20においては、発光表示体1が作動して発光しているとき、光がシートの空隙20aを通過することにより、発光表示体1の表示を認識することができる。他方、発光表示体1が作動停止しているとき、シートが発光表示体1を覆い隠していることにより、発光表示体1を認識できず、周囲と調和した意匠とすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2018-128581号公報
【文献】特許第6370519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前述したような表示装置10では、シートにレーザ光やドリル等で細かい光通過孔10aを多数形成するため、シートの質感や意匠性の低下を招き易くなってしまうと共に、光通過孔10aの内部に粉塵等が侵入して、視認性の低下を招き易くなってしまう。
【0009】
また、前述したような表示装置20では、シートに細かい空隙20aを多数形成するように、各層22~25を基材21上に印刷手法でアレイ状に積層して設けるため、各層22~25を確実に位置合わせして積層しなければならず、アライメントの調整等に非常に手間がかかってしまうと共に、空隙20aの内部に粉塵等が侵入して、視認性の低下を招き易くなってしまう。
【0010】
このようなことから、本発明は、質感や意匠性及び視認性の低下を抑えながらも容易に製造することができる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述した課題を解決するための、本発明に係る表示装置は、発光表示体と、前記発光表示体の表面側に設けられて前記発光表示体からの光にパターンを与えて透過させるパターン付与層と、前記パターン付与層の表面の全体又は一部を覆うように前記パターン付与層上に設けられて光透過性を有すると共に模様を有する被覆ベース層と、を備え、前記被覆ベース層が、前記パターン付与層の表面の全体又は一部を覆うように前記パターン付与層上に設けられて光透過性を有するベース層と、前記ベース層の表面を全体にわたって覆うように前記ベース層上に設けられて光透過性を有すると共に模様を有する被覆層と、を備え、前記被覆層が、前記ベース層側に位置して色味を調整する色味調整層と、前記色味調整層上に設けられて前記模様を有する模様層と、を有していることを特徴とする。
また、前述した課題を解決するための、本発明に係る表示装置は、発光表示体と、前記発光表示体の表面側に設けられて前記発光表示体からの光にパターンを与えて透過させるパターン付与層と、前記パターン付与層の表面の全体又は一部を覆うように前記パターン付与層上に設けられて光透過性を有すると共に模様を有する被覆ベース層と、を備え、前記パターン付与層は、前記発光表示体側に位置して全面にわたって光透過性を有する基材と、前記基材上に設けられて前記基材を透過する光に前記パターンを与えるパターン層と、を有すると共に、前記被覆ベース層側からの光を反射するものであることを特徴とする。
また、前述した課題を解決するための、本発明に係る表示装置は、発光表示体と、前記発光表示体の表面側に設けられて前記発光表示体からの光にパターンを与えて透過させるパターン付与層と、前記パターン付与層の表面の全体又は一部を覆うように前記パターン付与層上に設けられて光透過性を有すると共に模様を有する被覆ベース層と、を備え、前記発光表示体は、液晶ディスプレイ又は有機エレクトロルミネセンスディスプレイであり、前記発光表示体と前記パターン付与層との間に反射型偏光板が設けられていることを特徴とする。
また、前述した課題を解決するための、本発明に係る表示装置は、発光表示体と、前記発光表示体の表面側に設けられて前記発光表示体からの光にパターンを与えて透過させるパターン付与層と、前記パターン付与層の表面の全体又は一部を覆うように前記パターン付与層上に設けられて光透過性を有すると共に模様を有する被覆ベース層と、を備え、前記パターン付与層は、前記発光表示体側に位置して全面にわたって光透過性を有する基材と、前記基材上に設けられて前記基材を透過する光に前記パターンを与えるパターン層と、を有し、前記発光表示体は、液晶ディスプレイ又は有機エレクトロルミネセンスディスプレイであり、前記発光表示体と前記パターン付与層との間に設けられた反射型偏光板と、前記反射型偏光板と前記パターン付与層との間に設けられた波長板と、前記パターン付与層の前記基材と前記パターン層との間に設けられて前記パターン層のパターンと同一のパターンを有する反射層と、を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る表示装置によれば質感や意匠性及び視認性の低下を抑えながらも容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る表示装置の第一の実施形態の概略構成を表す断面図である。
図2】本発明に係る表示装置の第二の実施形態の概略構成を表す断面図である。
図3】本発明に係る表示装置の第三の実施形態の概略構成を表す断面図である。
図4】本発明に係る表示装置の第四の実施形態の概略構成を表す断面図である。
図5】本発明に係る表示装置の他の実施形態の要部の概略構成を表す断面図である。
図6】従来の表示装置の一例の概略構成を表す断面図である。
図7】従来の表示装置の他の例の概略構成を表す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係る表示装置の実施形態を図面に基づいて説明するが、本発明は図面に基づいて説明する実施形態のみに限定されるものではない。
【0015】
〈第一の実施形態〉
本発明に係る表示装置の第一の実施形態を図1に基づいて説明する。
【0016】
図1に示すように、本実施形態に係る表示装置100は、発光表示体101と、発光表示体101の表面側に設けられて発光表示体101からの光にパターンを与えて透過させるパターン付与層110と、パターン付与層110の表面を全体にわたって覆うようにパターン付与層110上に設けられて光透過性を有するベース層120と、ベース層120の表面を全体にわたって覆うようにベース層120上に設けられて光透過性を有すると共に模様を有する被覆層130と、被覆層130の表面を全体にわたって覆うように被覆層130上に設けられて光透過性を有する表面保護層140と、を備えている。
【0017】
発光表示体101は、光を発して文字や図形や記号等を表面に表示することができるようになっており、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)や有機エレクトロルミネセンスディスプレイ(OELD)や発光ダイオード(LED)ディスプレイ等を挙げることができる。
【0018】
パターン付与層110は、発光表示体101側に位置して全面にわたって光透過性を有する基材111と、基材111上に設けられて基材111を透過する光にパターンを与えるパターン層112と、を有している。
【0019】
基材111は、光を透過する樹脂製のフィルムからなり、厚さが50μm以上1000μm以下となっている。
【0020】
パターン層112は、インクジェット方式やグラビア印刷等により基材111上にインキを印刷して設けたものであり、光反射性を有すると共に複数の空隙部112aがアレイ状をなすように形成されている。パターン層112は、厚さが10μm以上500μm以下、空隙部112aの直径が10μm以上1000μm以下、隣り合う空隙部112aの間隔が20μm以上2000μm以下となっている。
【0021】
ベース層120は、光を透過する樹脂製のフィルムからなり、厚さが50μm以上1000μm以下となっている。
【0022】
被覆層130は、ベース層120側に位置して色味を調整する色味調整層131と、色味調整層131上に設けられて模様を有する模様層132と、を有している。
【0023】
色味調整層131は、光透過性を有するようにベース層120上の全面にわたってインキにより印刷塗布され、発光表示体101が作動していないときに透けて見えないように色味を調整するものである。色味調整層131は、厚さが1μm以上500μm以下となっている。
【0024】
模様層132は、光透過性を有するように木目導管や大理石等の各種の模様をインキにより色味調整層131上に印刷塗布され、発光表示体101が作動していないときに周囲と調和する意匠となっている。模様層132は、厚さが1μm以上500μm以下となっている。
【0025】
表面保護層140は、無色透明の樹脂等からなり、模様層132を保護することができるようになっており、厚さが1μm以上2000μm以下となっている。表面保護層140は、その表面が平坦形状だけでなく、凹凸(エンボス)形状とすることも可能であり、さらに、その表面に光沢調整等のコーティング層を備えることも可能である。
【0026】
なお、本実施形態においては、ベース層120及び被覆層130により、パターン付与層110の表面を全体にわたって覆うようにパターン付与層110上に設けられて光透過性を有すると共に模様を有する被覆ベース層を構成している。
【0027】
このような本実施形態に係る表示装置100は、次のようにして製造することができる。まず、ベース層120にインキを印刷塗布して色味調整層131を設けてから、色味調整層131にインキを印刷塗布して模様層132を設けることにより、被覆層130を形成した後、被覆層130の全面に無色透明のインキを印刷塗布又は無色透明の樹脂等をラミネートして表面保護層140を設ける。
【0028】
これと併せて、基材111にパターン層112をインクジェット方式やグラビア印刷等によりアレイ状に印刷して設けてパターン付与層110を形成する。そして、パターン付与層110上にベース層120を重ね合わせ、これを発光表示体101の表面に設けることにより、得ることができる。
【0029】
このようにして得られる本実施形態に係る表示装置100の作用を次に説明する。発光表示体101を作動させて発光させると、光が、パターン付与層110の基材111を介してパターン層112の空隙部112aを通過し、ベース層120を介して被覆層130の色味調整層131及び模様層132を透過し、表面保護層140上で文字や図形や記号等を視認することができる。
【0030】
他方、発光表示体101を作動停止して発光を止めると、被覆層130及びパターン付与層110が発光表示体101を覆い隠すと共に、パターン層112が被覆層130側からの光を反射するので、発光表示体101を認識することができず、周囲と調和した意匠となる。
【0031】
このような本実施形態に係る表示装置100においては、パターン付与層110のパターン層112に対して、被覆層130の色味調整層131及び模様層132や表面保護層140の位置合わせをする必要がまったくないので、アライメントの調整等を行わなくて済むようになる。
【0032】
また、ベース層120及び被覆層130並びに表面保護層140が空隙等を有することなく全面にわたって設けられていることから、質感や意匠性の低下を引き起こすことがないと共に、内部に粉塵等が侵入してしまうことを未然に防止することができ、視認性の低下を防止することができる。
【0033】
したがって、本実施形態に係る表示装置100によれば、質感や意匠性及び視認性の低下を抑えながらも容易に製造することができる。
【0034】
なお、パターン付与層110の基材111及びベース層120は、光を透過することができるのであれば、無色透明に限らず有色とすることも可能であり、その色味等が発光表示体101の視認性や周囲との調和性等の諸条件によって適宜選定されるものである。
【0035】
〈第二の実施形態〉
本発明に係る表示装置の第二の実施形態を図2に基づいて説明する。ただし、前述した実施形態で説明した部分と同様な部分については、前述した実施形態の説明で用いた符号と同様な符号を用いることにより、前述した実施形態での説明と重複する説明を省略する。
【0036】
図2に示すように、本実施形態に係る表示装置200は、発光表示体101とパターン付与層110との間に拡散層250が設けられている。
【0037】
拡散層250は、入射した光を拡散反射するものであり、厚さが10μm以上2000μm以下となっている。このような拡散層250は、例えば、光拡散性の高い高屈折率のナノ粒子を透明な樹脂バインダ中に混合して透明な樹脂フィルムの一方面又は両方面に塗布乾固させたり、透明な樹脂フィルムの表面にエンボス(凹凸)加工を施したりすること等により、得ることができる。
【0038】
このような表示装置200は、前述した実施形態の場合と同様にして、ベース層120上に被覆層130及び表面保護層140を設けると共に、パターン付与層110を形成した後、拡散層250とパターン付与層110とベース層120とを重ね合わせ、これを発光表示体101の表面に設けることにより、得ることができる。
【0039】
このような表示装置200においては、発光表示体101の発光停止時に、被覆層130側(表面側)からの光を拡散層250で拡散反射させることができるので、発光表示体101を認識できなくなり、周囲と調和した意匠とすることができる。
【0040】
このため、パターン層112による被覆層130側からの光の反射量を少なく、言い換えると、パターン層112の空隙部112aの開口面積を大きくしても、意匠性の低下を十分に抑制することができるので、発光表示体101からパターン付与層110を透過する光量の増加を図ることが可能となる。
【0041】
したがって、本実施形態に係る表示装置200によれば、前述した実施形態の場合と同様な効果を得ることができるのはもちろんのこと、発光表示体101からの光の利用効率を高めることができる。
【0042】
〈第三の実施形態〉
本発明に係る表示装置の第三の実施形態を図3に基づいて説明する。ただし、前述した実施形態で説明した部分と同様な部分については、前述した実施形態の説明で用いた符号と同様な符号を用いることにより、前述した実施形態での説明と重複する説明を省略する。
【0043】
図3に示すように、本実施形態に係る表示装置300は、発光表示体101とパターン付与層110との間、すなわち、発光表示体101と拡散層250との間に反射型偏光板360が設けられている。この発光表示体101は、液晶ディスプレイ(LCD)となっている。反射型偏光板360は、偏光軸の向きが発光表示体(LCD)101の液晶の偏光軸の向きと一致するように配向されている。
【0044】
このような表示装置300は、前述した実施形態の場合と同様にして、ベース層120上に被覆層130及び表面保護層140を設けると共に、パターン付与層110を形成した後、反射型偏光板360と拡散層250とパターン付与層110とベース層120とを重ね合わせ、これを発光表示体101の表面に設けることにより、得ることができる。
【0045】
このような表示装置300においては、反射型偏光板360が、発光表示体101からの光を拡散層250へ送り出すことができると共に、拡散層250側からの光の一部(約半分程度)を反射して拡散層250側へ再び送り出すことができる。
【0046】
したがって、本実施形態に係る表示装置300によれば、前述した実施形態の場合と同様な効果を得ることができる。
【0047】
〈第四の実施形態〉
本発明に係る表示装置の第四の実施形態を図4に基づいて説明する。ただし、前述した実施形態で説明した部分と同様な部分については、前述した実施形態の説明で用いた符号と同様な符号を用いることにより、前述した実施形態での説明と重複する説明を省略する。
【0048】
図4に示すように、本実施形態に係る表示装置400は、反射型偏光板360とパターン付与層110との間、すなわち、拡散層250と基材111との間に波長板(λ/4板)471が設けられている。
【0049】
また、パターン付与層110の基材111とパターン層112との間には、パターン層112のパターンと同一のパターンを有して光を反射する反射層472が設けられている。反射層427は、アルミニウムや銀等の金属からなり、厚さが0.05μm以上50μm以下となっている。
【0050】
このような表示装置400は、まず、前述した実施形態の場合と同様にして、ベース層120上に被覆層130及び表面保護層140を設ける。これと併せて、基材111に上述した金属のペーストを印刷塗布して反射層472を形成し、さらに、パターン層112を印刷して設けることによりパターン付与層110を形成する。そして、反射型偏光板360と拡散層250と波長板471とパターン付与層110とベース層120とを重ね合わせ、これを発光表示体101の表面に設けることにより、得ることができる。
【0051】
このような表示装置400において、発光表示体(LCD)101から反射型偏光板360を透過して直線偏光となった光は、波長板471でλ/4の位相差を生じ、一部がパターン付与層110の空隙部112aを通過し、残りが反射層472で反射する。この反射した光は、波長板471でさらにλ/4の位相差を生じ、当初の光に対してλ/2の位相差を生じ、当初の光に対して偏光軸が90°回転した直線偏光となるため、反射型偏光板360で反射され、再び送り出されるようになる。
【0052】
したがって、本実施形態に係る表示装置400によれば、前述した実施形態の場合と同様な効果を得ることができるのはもちろんのこと、発光表示体101からの光の利用効率をさらに高めることができる。
【0053】
〈他の実施形態〉
なお、前述した第二,三の実施形態では、拡散層250を発光表示体101とパターン付与層110との間に設けた表示装置200,300の場合について説明したが、本発明はこれに限らない。他の実施形態として、例えば、パターン付与層110とベース層120との間に拡散層250を設けることも可能である。
【0054】
また、前述した第四の実施形態では、反射型偏光板360と波長板471との間に拡散層250を設けた表示装置400の場合について説明したが、本発明はこれに限らない。他の実施形態として、例えば、波長板471と基材111との間に拡散層250を設けることや、パターン付与層110とベース層120との間に拡散層250を設けることも可能である。
【0055】
また、前述した第三,四の実施形態では、発光表示体101に液晶ディスプレイ(LCD)を適用した表示装置300,400の場合について説明したが、本発明はこれに限らない。他の実施形態として、例えば、発光表示体に有機エレクトロルミネセンスディスプレイ(OELD)を適用した表示装置とすることも可能である。
【0056】
また、前述した実施形態では、被覆層130上に表面保護層140を設けた表示装置100,200,300,400の場合について説明したが、本発明はこれに限らない。他の実施形態として、例えば、表面保護層140を省略して被覆層130を露出させた表示装置とすることも可能である。しかしながら、前述した実施形態のように、表面保護層140を被覆層130上に設けると、被覆層130の模様の劣化を防ぐことができるので、非常に好ましい。
【0057】
また、前述した実施形態では、色味調整層131及び模様層132により被覆層130を構成した表示装置100,200,300,400の場合について説明したが、本発明はこれに限らない。他の実施形態として、例えば、ベース層120の色味や模様層132の模様等の条件によっては、色味調整層131を省略して模様層132のみで被覆層を構成することも可能である。
【0058】
また、前述した実施形態では、ベース層120及び被覆層130により、被覆ベース層を構成した表示装置100,200,300,400の場合について説明したが、本発明はこれに限らない。他の実施形態として、例えば、模様等の条件によっては、ベース層120と被覆層130とを単一化させた、すなわち、光透過性を有すると共に模様を有する被覆ベース層を適用することも可能である。
【0059】
また、前述した実施形態では、パターン付与層110の表面を全体にわたって覆うようにパターン付与層110上に被覆ベース層120,130を設けた表示装置100,200,300,400の場合について説明したが、本発明はこれに限らない。他の実施形態として、例えば、パターン付与層110の表面の一部を覆うようにパターン付与層110上に被覆ベース層を設けた表示装置とすることも可能である。
【0060】
また、前述した実施形態では、光透過性を有する基材111に対して、複数の空隙部112aを有するパターン層112を印刷して設けたパターン付与層110を備えた表示装置100,200,300,400の場合について説明したが、本発明はこれに限らない。他の実施形態として、例えば、図5に示すように、遮光性を有する基材511に対して遮光性を有するフィルム材を設けた後にレーザ光やドリル等で光通過孔510aを複数形成してパターン層512を設けることにより、発光表示体111からの光を透過させると共に被覆ベース層120,130側からの光を反射するパターン付与層510を適用することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本実施形態に係る表示装置は、質感や意匠性及び視認性の低下を抑えながらも容易に製造することができるので、産業上、極めて有益に利用することができる。
【符号の説明】
【0062】
100 表示装置
101 発光表示体
110 パターン付与層
111 基材
112 パターン層
112a 空隙部
120 ベース層
130 被覆層
131 色味調整層
132 模様層
140 表面保護層
200 表示装置
250 拡散層
300 表示装置
360 反射型偏光板
400 表示装置
471 波長板
472 反射層
510 パターン付与層
510a 光通過孔
511 基材
512 パターン層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7