(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/16 20060101AFI20240709BHJP
G03G 15/08 20060101ALI20240709BHJP
G03G 15/01 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
G03G21/16 147
G03G21/16 161
G03G15/08 229
G03G15/01 Y
(21)【出願番号】P 2020073081
(22)【出願日】2020-04-15
【審査請求日】2023-04-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【氏名又は名称】稲垣 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100195224
【氏名又は名称】松井 宏憲
(72)【発明者】
【氏名】池上 悠介
(72)【発明者】
【氏名】春田 晃太郎
(72)【発明者】
【氏名】西村 祥一郎
【審査官】市川 勝
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-003755(JP,A)
【文献】特開平11-015275(JP,A)
【文献】特開2016-224418(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0349664(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0226345(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/16
G03G 15/08
G03G 15/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1感光ドラムと、
第2感光ドラムと、
前記第1感光ドラムに接触する接触位置と、前記第1感光ドラムから離間する離間位置との間で移動可能な第1現像ローラと、
前記第2感光ドラムに接触する接触位置と、前記第2感光ドラムから離間する離間位置との間で移動可能な第2現像ローラと、
前記第1現像ローラを接触位置と離間位置との間で移動させる第1移動機構と、
前記第2現像ローラを接触位置と離間位置との間で移動させる第2移動機構と、
駆動ギヤと、
前記駆動ギヤを駆動するモータと、
前記駆動ギヤに直接噛み合う第1ギヤを有し、前記モータからの駆動力を前記第1現像ローラに伝達可能な第1ギヤ列と、
前記駆動ギヤに直接噛み合う第2ギヤを有し、前記モータからの駆動力を前記第2現像ローラに伝達可能な第2ギヤ
列と、
前記駆動ギヤに直接噛み合う第3ギヤを有し、前記モータからの駆動力を前記第1移動機構および前記第2移動機構の少なくとも一方に伝達可能な第3ギヤ
列と、を備え
、
前記第2ギヤは、前記第1ギヤとは別に設けられ、
前記第3ギヤは、前記第1ギヤおよび前記第2ギヤとは別に設けられ、
前記第2ギヤ列は、前記第1ギヤ列とは別に設けられ、
前記第3ギヤ列は、前記第1ギヤ列および前記第2ギヤ列とは別に設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記駆動ギヤは、前記モータの出力軸に設けられたギヤであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
第1感光ドラムと、
第2感光ドラムと、
前記第1感光ドラムに接触する接触位置と、前記第1感光ドラムから離間する離間位置との間で移動可能な第1現像ローラと、
前記第2感光ドラムに接触する接触位置と、前記第2感光ドラムから離間する離間位置との間で移動可能な第2現像ローラと、
前記第1現像ローラを接触位置と離間位置との間で移動させる第1移動機構と、
前記第2現像ローラを接触位置と離間位置との間で移動させる第2移動機構と、
駆動ギヤと、
前記駆動ギヤを駆動するモータと、
前記駆動ギヤに直接噛み合う第1ギヤを有し、前記モータからの駆動力を前記第1現像ローラに伝達可能な第1ギヤ列と、
前記駆動ギヤに直接噛み合う第2ギヤを有し、前記モータからの駆動力を前記第2現像ローラに伝達可能な第2ギヤ列であって、前記第1ギヤ列とは別に設けられた第2ギヤ列と、
前記駆動ギヤに直接噛み合う第3ギヤを有し、前記モータからの駆動力を前記第1移動機構および前記第2移動機構の少なくとも一方に伝達可能な第3ギヤ列であって、前記第1ギヤ列および前記第2ギヤ列とは別に設けられた第3ギヤ列と、を備え、
前記第3ギヤ列は、前記モータからの駆動力を前記第1移動機構に伝達可能であり、
画像形成装置は、前記第2ギヤ列を構成するギヤに直接噛み合う第4ギヤを有し、前記モータからの駆動力を前記第2移動機構に伝達可能な第4ギヤ列であって、前記第3ギヤ列とは別に設けられた第4ギヤ列をさらに備えることを特徴とす
る画像形成装置。
【請求項4】
前記第3ギヤ列は、前記モータからの駆動力を前記第1移動機構および前記第2移動機構の両方に伝達可能であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第3ギヤ列は、前記モータからの駆動力を前記第1移動機構に伝達可能であり、
画像形成装置は、前記駆動ギヤに直接噛み合う第5ギヤを有し、前記モータからの駆動力を前記第2移動機構に伝達可能な第5ギヤ列であって、前記第3ギヤ列とは別に設けられた第5ギヤ列をさらに備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
第3感光ドラムと、
第4感光ドラムと、
前記第3感光ドラムに接触する接触位置と、前記第3感光ドラムから離間する離間位置との間で移動可能な第3現像ローラと、
前記第4感光ドラムに接触する接触位置と、前記第4感光ドラムから離間する離間位置との間で移動可能な第4現像ローラと、を備え、
前記第1ギヤ列は、前記モータからの駆動力を前記第1現像ローラおよび前記第4現像ローラに伝達可能であり、
前記第2ギヤ列は、前記モータからの駆動力を前記第2現像ローラおよび前記第3現像ローラに伝達可能であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
第3感光ドラムと、
第4感光ドラムと、
前記第3感光ドラムに接触する接触位置と、前記第3感光ドラムから離間する離間位置との間で移動可能な第3現像ローラと、
前記第4感光ドラムに接触する接触位置と、前記第4感光ドラムから離間する離間位置との間で移動可能な第4現像ローラと、を備え、
前記第2ギヤ列は、前記モータからの駆動力を前記第2現像ローラ、前記第3現像ローラおよび前記第4現像ローラに伝達可能であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
第3感光ドラムと、
第4感光ドラムと、
前記第3感光ドラムに接触する接触位置と、前記第3感光ドラムから離間する離間位置との間で移動可能な第3現像ローラと、
前記第4感光ドラムに接触する接触位置と、前記第4感光ドラムから離間する離間位置との間で移動可能な第4現像ローラと、を備え、
前記第2移動機構は、前記第2現像ローラ、前記第3現像ローラおよび前記第4現像ローラを接触位置と離間位置との間で移動させるように構成されていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記第2現像ローラ、前記第3現像ローラおよび前記第4現像ローラは、シートの搬送方向の上流から下流に向けて、前記第2現像ローラ、前記第3現像ローラおよび前記第4現像ローラの順に配置され、
前記第1現像ローラは、前記搬送方向において、前記第2現像ローラの上流、または、前記第4現像ローラの下流に配置されていることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の感光ドラムと、複数の現像ローラとを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置として、複数の感光ドラムと、対応する感光ドラムに接触する接触位置と対応する感光ドラムから離間する離間位置との間で移動可能な複数の現像ローラと、現像ローラを接触位置と離間位置との間で移動させる移動機構と、現像ローラと移動機構に駆動力を与えるモータとを備えるものが知られている。
【0003】
そして、特許文献1には、画像形成装置として、モータからの駆動力をカラー用の現像ローラに伝達する第1の現像ギヤ列と、第1の現像ギヤ列から分岐する第1の現像当接離間ギヤ列であって、モータからの駆動力を、カラー用の現像ローラを接触・離間させる移動機構に伝達する第1の現像当接離間ギヤ列と、モータからの駆動力をモノクロ用の現像ローラに伝達する第2の現像ギヤ列と、第2の現像ギヤ列から分岐する第2の現像当接離間ギヤ列であって、モータからの駆動力を、モノクロ用の現像ローラを接触・離間させる移動機構に伝達する第2の現像当接離間ギヤ列とを備えるものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、本願発明者等は、現像ローラやトナーの長寿命化を図るため、印刷中においても、現像ローラを、現像が終了したものから順次、対応する感光ドラムから離間させる構成を提案している。このような構成において、従来の駆動力伝達機構を採用すると、移動機構を駆動させる際のトルク変動の影響がギヤ列に及んで、例えば、ギヤ列を構成するギヤに回転ムラが生じ、現像を行っている最中の現像ローラの回転が不安定になって、画像不良が発生するおそれがある。
【0006】
そこで、本発明は、移動機構を駆動させる際のトルク変動の影響が、モータからの駆動力を現像ローラに伝達可能なギヤ列に及ぶのを抑制することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記した目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、第1感光ドラムと、第2感光ドラムと、第1感光ドラムに接触する接触位置と第1感光ドラムから離間する離間位置との間で移動可能な第1現像ローラと、第2感光ドラムに接触する接触位置と第2感光ドラムから離間する離間位置との間で移動可能な第2現像ローラと、第1現像ローラを接触位置と離間位置との間で移動させる第1移動機構と、第2現像ローラを接触位置と離間位置との間で移動させる第2移動機構と、駆動ギヤと、駆動ギヤを駆動するモータと、第1ギヤ列と、第2ギヤ列と、第3ギヤ列と、を備える。
第1ギヤ列は、駆動ギヤに直接噛み合う第1ギヤを有し、モータからの駆動力を第1現像ローラに伝達可能である。
第2ギヤ列は、駆動ギヤに直接噛み合う第2ギヤを有し、モータからの駆動力を第2現像ローラに伝達可能であって、第1ギヤ列とは別に設けられている。
第3ギヤ列は、駆動ギヤに直接噛み合う第3ギヤを有し、モータからの駆動力を第1移動機構および第2移動機構の少なくとも一方に伝達可能であって、第1ギヤ列および第2ギヤ列とは別に設けられている。
【0008】
このような構成によれば、モータからの駆動力を現像ローラに伝達可能なギヤ列と、モータからの駆動力を移動機構に伝達可能なギヤ列とを別に設けたことで、移動機構を駆動させる際のトルク変動の影響が、モータからの駆動力を現像ローラに伝達可能なギヤ列に及ぶのを抑制することができる。
【0009】
前記した画像形成装置において、駆動ギヤは、モータの出力軸に設けられたギヤである構成とすることができる。
【0010】
これによれば、ギヤの数を減らすことができるので、モータの駆動力を現像ローラや移動機構に伝達するための駆動力伝達機構の小型化、低コスト化を図ることができる。また、ギヤの数を減らせることで、駆動力の損失を低減することができる。
【0011】
前記した画像形成装置において、第3ギヤ列は、モータからの駆動力を第1移動機構に伝達可能であり、画像形成装置は、第2ギヤ列を構成するギヤに直接噛み合う第4ギヤを有し、モータからの駆動力を第2移動機構に伝達可能な第4ギヤ列であって、第3ギヤ列とは別に設けられた第4ギヤ列をさらに備える構成とすることができる。
【0012】
これによれば、第1移動機構を駆動させる際のトルク変動の影響が、第1ギヤ列および第2ギヤ列に及ぶのを抑制することができる。また、画像形成装置の設計の自由度を向上させることができる。
【0013】
また、前記した画像形成装置において、第3ギヤ列は、モータからの駆動力を第1移動機構および第2移動機構の両方に伝達可能である構成とすることができる。
【0014】
これによれば、第1移動機構および第2移動機構を駆動させる際のトルク変動の影響が、第1ギヤ列および第2ギヤ列に及ぶのを抑制することができる。
【0015】
また、前記した画像形成装置において、第3ギヤ列は、モータからの駆動力を第1移動機構に伝達可能であり、画像形成装置は、駆動ギヤに直接噛み合う第5ギヤを有し、モータからの駆動力を第2移動機構に伝達可能な第5ギヤ列であって、第3ギヤ列とは別に設けられた第5ギヤ列をさらに備える構成とすることができる。
【0016】
これによれば、第1移動機構および第2移動機構を駆動させる際のトルク変動の影響が、第1ギヤ列および第2ギヤ列に及ぶのを抑制することができる。
【0017】
前記した画像形成装置は、第3感光ドラムと、第4感光ドラムと、第3感光ドラムに接触する接触位置と第3感光ドラムから離間する離間位置との間で移動可能な第3現像ローラと、第4感光ドラムに接触する接触位置と第4感光ドラムから離間する離間位置との間で移動可能な第4現像ローラと、を備え、第1ギヤ列は、モータからの駆動力を第1現像ローラおよび第4現像ローラに伝達可能であり、第2ギヤ列は、モータからの駆動力を第2現像ローラおよび第3現像ローラに伝達可能である構成とすることができる。
【0018】
これによれば、第1現像ギヤ列と第2現像ギヤ列にかかるトルクを略等しくすることができるので、第1現像ギヤ列と第2現像ギヤ列との間で少なくとも一部のギヤ(部品)を共通化することができる。これにより、駆動力伝達機構の小型化、低コスト化を図ることができる。また、部品の共通化ができることで、ギヤ列を構成するギヤの回転ムラを抑えることができ、現像ローラを安定して駆動させることができる。
【0019】
また、前記した画像形成装置は、第3感光ドラムと、第4感光ドラムと、第3感光ドラムに接触する接触位置と第3感光ドラムから離間する離間位置との間で移動可能な第3現像ローラと、第4感光ドラムに接触する接触位置と第4感光ドラムから離間する離間位置との間で移動可能な第4現像ローラと、を備え、第2ギヤ列は、モータからの駆動力を第2現像ローラ、第3現像ローラおよび第4現像ローラに伝達可能である構成とすることができる。
【0020】
これによれば、画像形成装置の設計の自由度を向上させることができる。
【0021】
前記した画像形成装置は、第3感光ドラムと、第4感光ドラムと、第3感光ドラムに接触する接触位置と第3感光ドラムから離間する離間位置との間で移動可能な第3現像ローラと、第4感光ドラムに接触する接触位置と第4感光ドラムから離間する離間位置との間で移動可能な第4現像ローラと、を備え、第2移動機構は、第2現像ローラ、第3現像ローラおよび第4現像ローラを接触位置と離間位置との間で移動させるように構成することができる。
【0022】
前記した画像形成装置において、第2現像ローラ、第3現像ローラおよび第4現像ローラは、シートの搬送方向の上流から下流に向けて、第2現像ローラ、第3現像ローラおよび第4現像ローラの順に配置され、第1現像ローラは、シートの搬送方向において、第2現像ローラの上流、または、第4現像ローラの下流に配置されている構成とすることができる。
【0023】
これによれば、第2移動機構や駆動力伝達機構を小型化したり、簡易な構成としたりすることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、移動機構を駆動させる際のトルク変動の影響が、モータからの駆動力を現像ローラに伝達可能なギヤ列に及ぶのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】実施形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。
【
図2】実施形態に係る駆動力伝達機構の構成を示す図である。
【
図3】現像モータと現像ギヤ列を右上から見た斜視図である。
【
図4】現像モータと現像ギヤ列を右側から見た図である。
【
図5】現像モータ、駆動力伝達機構、移動機構を右上から見た斜視図である。
【
図6】現像モータ、駆動力伝達機構、移動機構を右側から見た図である。
【
図7】現像ローラが接触位置にあるときの、カム、カムフォロワ、クラッチ、規制部材を示す斜視図(a)と、側面図(b)である。
【
図8】現像カートリッジ周辺の構成を上から見た図(a),(b)である。
【
図9】クラッチをサンギヤ側から見た分解斜視図(a)と、キャリア側から見た分解斜視図(b)である。
【
図10】現像ローラが離間位置にあるときの、カム、カムフォロワ、クラッチ、規制部材を示す斜視図(a)と、側面図(b)である。
【
図11】第1の変形例に係る駆動力伝達機構の構成を示す図である。
【
図12】第2の変形例に係る駆動力伝達機構の構成を示す図である。
【
図13】第3の変形例に係る駆動力伝達機構の構成を示す図である。
【
図14】第4の変形例に係る駆動力伝達機構の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1に示すように、実施形態に係る画像形成装置1は、カラープリンタであり、筐体10と、シート供給部20と、画像形成部30と、制御部2とを備えている。なお、本実施形態においては、
図1の左側を前、右側を後、上下をそのまま上下とし、
図1の紙面手前側を右、紙面奥側を左とする。
【0027】
シート供給部20は、シートSがセットされるシートトレイ21と、供給機構22とを備えている。シートトレイ21は、画像形成部30の下方に配置され、筐体10から前側に引き出して取り外し可能である。供給機構22は、給紙ローラ23と、分離ローラ24と、分離パッド25と、搬送ローラ26と、レジストレーションローラ27とを備えている。シートSは、画像形成装置1で画像を形成することができる媒体であって、普通紙、封筒、葉書、薄紙、厚紙、光沢紙、樹脂シート、シール等を含む。
【0028】
シートトレイ21に収容されたシートSは、給紙ローラ23により送り出された後、分離ローラ24と分離パッド25との間で1枚ずつに分離され、搬送ローラ26によりレジストレーションローラ27に向けて搬送される。その後、シートSは、回転が停止した状態のレジストレーションローラ27により前端の位置が規制された後、レジストレーションローラ27が回転することで画像形成部30に供給される。
【0029】
画像形成部30は、露光装置40と、複数の感光ドラム50と、複数の現像カートリッジ60と、搬送装置70と、定着器80とを備えている。
露光装置40は、図示しないレーザダイオード、偏向器、レンズおよびミラーを備えている。露光装置40は、複数の感光ドラム50を露光する一点鎖線で示した複数の光ビームを発して、各感光ドラム50の表面を露光するように構成されている。
【0030】
複数の感光ドラム50は、イエローに対応するY感光ドラム50Yと、マゼンタに対応するM感光ドラム50Mと、シアンに対応するC感光ドラム50Cと、ブラックに対応するK感光ドラム50Kとを含む。本実施形態においては、Y感光ドラム50Yが「第2感光ドラム」に相当し、M感光ドラム50Mが「第3感光ドラム」に相当し、C感光ドラム50Cが「第4感光ドラム」に相当し、K感光ドラム50Kが「第1感光ドラム」に相当する。なお、本明細書および図面においては、各色に対応して設けられた部材について、色を区別して示す場合には、符号にY,M,C,Kを付し、色を区別しないで説明する場合には、符号にY,M,C,Kを付さない。
【0031】
現像カートリッジ60は、複数の感光ドラム50のそれぞれに1つずつ対応して設けられている。複数の現像カートリッジ60は、Y感光ドラム50Yにトナーを供給するY現像ローラ61Yを有するY現像カートリッジ60Yと、M感光ドラム50Mにトナーを供給するM現像ローラ61Mを有するM現像カートリッジ60Mと、C感光ドラム50Cにトナーを供給するC現像ローラ61Cを有するC現像カートリッジ60Cと、K感光ドラム50Kにトナーを供給するK現像ローラ61Kを有するK現像カートリッジ60Kとを含む。
【0032】
Y現像ローラ61Y、M現像ローラ61MおよびC現像ローラ61Cは、シートSの搬送方向の上流から下流に向けて、Y現像ローラ61Y、M現像ローラ61MおよびC現像ローラ61Cの順に配置されている。また、K現像ローラ61Kは、シートSの搬送方向において、C現像ローラ61Cの下流に配置されている。すなわち、現像ローラ61Y,61M,61C,61Kは、シートSの搬送方向の上流から下流に向かってこの順に並んで配置されている。本実施形態においては、Y現像ローラ61Yが「第2現像ローラ」に相当し、M現像ローラ61Mが「第3現像ローラ」に相当し、C現像ローラ61Cが「第4現像ローラ」に相当し、K現像ローラ61Kが「第1現像ローラ」に相当する。
【0033】
各現像カートリッジ60は、現像ローラ61が対応する感光ドラム50に接触する接触位置にある位置(実線参照)と、現像ローラ61が対応する感光ドラム50から離間する離間位置にある位置(仮想線参照)との間で移動可能である。すなわち、Y現像ローラ61Yは、Y感光ドラム50Yに対して接触位置と離間位置との間で移動可能であり、M現像ローラ61Mは、M感光ドラム50Mに対して接触位置と離間位置との間で移動可能であり、C現像ローラ61Cは、C感光ドラム50Cに対して接触位置と離間位置との間で移動可能である。また、K現像ローラ61Kは、K感光ドラム50Kに対して接触位置と離間位置との間で移動可能である。
【0034】
複数の感光ドラム50は、支持部材55に回転可能に支持されている。支持部材55には、各感光ドラム50に対応して配置された、感光ドラム50を帯電させるための帯電器52が設けられている。支持部材55は、筐体10のフロントカバー11を開くことで形成される開口から、筐体10に対して着脱可能である。また、支持部材55は、複数の現像カートリッジ60を着脱可能に支持する。
【0035】
搬送装置70は、シートトレイ21と複数の感光ドラム50との間に設けられている。搬送装置70は、駆動ローラ71と、従動ローラ72と、無端状のベルトである搬送ベルト73と、4つの転写ローラ74とを備えている。搬送ベルト73は、駆動ローラ71と従動ローラ72との間に張設され、外側の面が各感光ドラム50に接触するように配置されている。各転写ローラ74は、各感光ドラム50との間で搬送ベルト73を挟持するように搬送ベルト73の内側に配置されている。
【0036】
定着器80は、複数の感光ドラム50および搬送装置70の後方に設けられている。定着器80は、加熱ローラ81と、加熱ローラ81に対向して配置された加圧ローラ82とを備えている。シートSの搬送方向における定着器80の下流側には、搬送ローラ15と、排出ローラ16が設けられている。
【0037】
画像形成部30では、感光ドラム50の表面が、帯電器52により一様に帯電された後、露光装置40から照射される光ビームにより露光される。これにより、感光ドラム50上に画像データに基づく静電潜像が形成される。また、現像カートリッジ60内に収容されたトナーは現像ローラ61の表面に担持され、接触位置に位置する現像ローラ61から感光ドラム50上に形成された静電潜像に供給される。これにより、感光ドラム50上にトナー像が形成される。
【0038】
感光ドラム50上に形成されたトナー像は、搬送ベルト73上に供給されたシートSが搬送ベルト73上を搬送されて感光ドラム50と転写ローラ74との間を通過することで、シートSに転写される。そして、シートSが加熱ローラ81と加圧ローラ82との間を通過することで、トナー像がシートSに熱定着される。その後、シートSは、搬送ローラ15および排出ローラ16により排紙トレイ13上に排出される。
【0039】
画像形成装置1は、
図2に示すように、現像モータ3Dと、YMC移動機構5Aと、K移動機構5Kと、駆動力伝達機構100とをさらに備えている。
現像モータ3Dは、現像駆動ギヤ100Gを駆動することで、現像ローラ61や移動機構5A,5Kのカム150(150Y,150M,150C,150K)を駆動させる駆動源である。本実施形態においては、現像モータ3Dが「モータ」に相当する。
【0040】
YMC移動機構5Aは、Y現像ローラ61Y、M現像ローラ61MおよびC現像ローラ61Cを接触位置と離間位置との間で移動させるように構成されており、Yカム150Y、Mカム150M、Cカム150Cを含む。K移動機構5Kは、K現像ローラ61Kを接触位置と離間位置との間で移動させるように構成されており、Kカム150Kを含む。本実施形態においては、YMC移動機構5Aが「第2移動機構」に相当し、K移動機構5Kが「第1移動機構」に相当する。
【0041】
駆動力伝達機構100は、現像モータ3Dからの駆動力を現像ローラ61やカム150に伝達可能に構成されている。駆動力伝達機構100は、現像駆動ギヤ100Gと、第1現像ギヤ列100Aと、第2現像ギヤ列100Bと、第1制御ギヤ列100Cと、第2制御ギヤ列100Dとを備えている。なお、
図2では、現像ギヤ列100A,100Bを太い破線で示し、制御ギヤ列100C,100Dを太い実線で示している。本実施形態においては、現像駆動ギヤ100Gが「駆動ギヤ」に相当し、第1現像ギヤ列100Aが「第2ギヤ列」に相当し、第2現像ギヤ列100Bが「第1ギヤ列」に相当し、第1制御ギヤ列100Cが「第4ギヤ列」に相当し、第2制御ギヤ列100Dが「第3ギヤ列」に相当する。
【0042】
第1現像ギヤ列100Aは、現像モータ3Dからの駆動力をY現像ローラ61YおよびM現像ローラ61Mに伝達可能なギヤ列であり、第2現像ギヤ列100Bは、現像モータ3Dからの駆動力をC現像ローラ61CおよびK現像ローラ61Kに伝達可能なギヤ列である。第1現像ギヤ列100Aと第2現像ギヤ列100Bとは、別に設けられている。
【0043】
第1制御ギヤ列100Cは、現像モータ3Dからの駆動力をYMC移動機構5Aを構成するカム150Y,150M,150Cに伝達可能なギヤ列であり、第2制御ギヤ列100Dは、現像モータ3Dからの駆動力をK移動機構5Kを構成するKカム150Kに伝達可能なギヤ列である。第1制御ギヤ列100Cと第2制御ギヤ列100Dとは、別に設けられている。また、第1制御ギヤ列100Cは、第1現像ギヤ列100Aから分岐するように設けられており、第2制御ギヤ列100Dは、第1現像ギヤ列100Aおよび第2現像ギヤ列100Bとは別に設けられている。
【0044】
以下、駆動力伝達機構100および移動機構5A,5Kの詳細な構成について説明する。なお、
図3および
図4では、主に、現像ギヤ列100A,100Bを示し、
図5および
図6では、主に、現像ギヤ列100A,100Bの右側に配置された制御ギヤ列100C,100Dと移動機構5A,5Kを示している。また、
図4および
図6では、ギヤ列を構成する各ギヤ同士の噛み合いを太い実線で示している。
【0045】
図3および
図4に示すように、現像駆動ギヤ100Gは、現像モータ3Dの出力軸3Aに設けられたギヤである。現像駆動ギヤ100Gは、現像モータ3Dの駆動により出力軸3Aと一体に回転する。
【0046】
第1現像ギヤ列100Aは、アイドルギヤ110A,113A,115Y,115Mと、Yクラッチ120Yと、Mクラッチ120Mと、Yカップリングギヤ117Yと、Mカップリングギヤ117Mとを有している。本実施形態においては、アイドルギヤ110Aが「第2ギヤ」に相当する。
【0047】
アイドルギヤ110Aは、現像駆動ギヤ100Gに直接噛み合うギヤであり、現像駆動ギヤ100Gの前側に配置されている。
アイドルギヤ113Aは、アイドルギヤ110Aの下側に配置され、アイドルギヤ110Aに直接噛み合っている。
【0048】
アイドルギヤ115Yは、アイドルギヤ113Aの前側に配置され、アイドルギヤ113Aに直接噛み合っている。
Yクラッチ120Yは、アイドルギヤ115Yの下側に配置され、アイドルギヤ115Yに直接噛み合っている。なお、クラッチ120(120Y,120M,120C,120K)の構成については後述する。
【0049】
Yカップリングギヤ117Yは、現像モータ3Dからアイドルギヤ110Aに入力された駆動力をY現像ローラ61Yに出力するギヤである。Yカップリングギヤ117Yは、Yクラッチ120Yの前側に配置され、Yクラッチ120Yに直接噛み合っている。Yカップリングギヤ117Yは、現像モータ3Dからの駆動力がアイドルギヤ110A,113A,115YおよびYクラッチ120Yを介して伝達される。
【0050】
アイドルギヤ115Mは、アイドルギヤ113Aの後側に配置され、アイドルギヤ113Aに直接噛み合っている。
Mクラッチ120Mは、アイドルギヤ115Mの下側に配置され、アイドルギヤ115Mに直接噛み合っている。
【0051】
Mカップリングギヤ117Mは、現像モータ3Dからアイドルギヤ110Aに入力された駆動力をM現像ローラ61Mに出力するギヤである。Mカップリングギヤ117Mは、Mクラッチ120Mの前側に配置され、Mクラッチ120Mに直接噛み合っている。Mカップリングギヤ117Mは、現像モータ3Dからの駆動力がアイドルギヤ110A,113A,115MおよびMクラッチ120Mを介して伝達される。
【0052】
第2現像ギヤ列100Bは、アイドルギヤ110B,113B,115C,113C,115Kと、Cクラッチ120Cと、Kクラッチ120Kと、Cカップリングギヤ117Cと、Kカップリングギヤ117Kとを有している。本実施形態においては、アイドルギヤ110Bが「第1ギヤ」に相当する。
【0053】
アイドルギヤ110Bは、現像駆動ギヤ100Gに直接噛み合うギヤであり、現像駆動ギヤ100Gの後側に配置されている。
アイドルギヤ113Bは、アイドルギヤ110Bの下側に配置され、アイドルギヤ110Bに直接噛み合っている。
【0054】
アイドルギヤ115Cは、アイドルギヤ113Bの後側に配置され、アイドルギヤ113Bに直接噛み合っている。
Cクラッチ120Cは、アイドルギヤ115Cの下側に配置され、アイドルギヤ115Cに直接噛み合っている。
【0055】
Cカップリングギヤ117Cは、現像モータ3Dからアイドルギヤ110Bに入力された駆動力をC現像ローラ61Cに出力するギヤである。Cカップリングギヤ117Cは、Cクラッチ120Cの前側に配置され、Cクラッチ120Cに直接噛み合っている。Cカップリングギヤ117Cは、現像モータ3Dからの駆動力がアイドルギヤ110B,113B,115CおよびCクラッチ120Cを介して伝達される。
【0056】
アイドルギヤ113Cは、アイドルギヤ115Cの後側に配置され、アイドルギヤ115Cに直接噛み合っている。
アイドルギヤ115Kは、アイドルギヤ113Cの後側に配置され、アイドルギヤ113Cに直接噛み合っている。
Kクラッチ120Kは、アイドルギヤ115Kの下側に配置され、アイドルギヤ115Kに直接噛み合っている。
【0057】
Kカップリングギヤ117Kは、現像モータ3Dからアイドルギヤ110Bに入力された駆動力をK現像ローラ61Kに出力するギヤである。Kカップリングギヤ117Kは、Kクラッチ120Kの前側に配置され、Kクラッチ120Kに直接噛み合っている。Kカップリングギヤ117Kは、現像モータ3Dからの駆動力がアイドルギヤ110B,113B,115C,113C,115KおよびKクラッチ120Kを介して伝達される。
【0058】
各カップリングギヤ117は、同軸で一体に回転するカップリング軸119を有している。カップリング軸119は、フロントカバー11(
図1参照)の開閉に連動して現像ローラ61の軸方向に移動可能であり、フロントカバー11を閉じると現像カートリッジ60の図示しないカップリングに係合する。カップリング軸119が現像カートリッジ60のカップリングに係合した状態でカップリングギヤ117が回転すると、現像ローラ61に現像モータ3Dからの駆動力が伝達されて現像ローラ61が回転する。
【0059】
図5および
図6に示すように、第1制御ギヤ列100Cは、アイドルギヤ131A,131Bと、YMC電磁クラッチ140Aと、アイドルギヤ133A,134Aと、Yカム150Y(ギヤ部150G)と、アイドルギヤ135と、Mカム150M(ギヤ部150G)と、アイドルギヤ136と、Cカム150C(ギヤ部150G)とを有している。本実施形態においては、アイドルギヤ131Aが「第4ギヤ」に相当する。
【0060】
アイドルギヤ131Aは、第1現像ギヤ列100Aを構成するアイドルギヤ110Aに直接噛み合うギヤであり、アイドルギヤ110Aの前側に配置されている。アイドルギヤ131Aは、現像駆動ギヤ100Gとは、直接は噛み合っていない。
アイドルギヤ131Bは、アイドルギヤ131Aの前側に配置され、アイドルギヤ131Aに直接噛み合っている。
【0061】
YMC電磁クラッチ140Aは、アイドルギヤ131Aの前側に配置されている。YMC電磁クラッチ140Aは、大径ギヤ140Lと小径ギヤ140Sを有し、大径ギヤ140Lがアイドルギヤ131Bに直接噛み合っている。
【0062】
アイドルギヤ133Aは、YMC電磁クラッチ140Aの下側に配置され、YMC電磁クラッチ140Aの小径ギヤ140Sに直接噛み合っている。
アイドルギヤ134Aは、アイドルギヤ133Aの後側に配置され、アイドルギヤ133Aに直接噛み合っている。また、アイドルギヤ134Aは、後側に配置されたYカム150Yのギヤ部150Gに直接噛み合っている。
【0063】
アイドルギヤ135は、Yカム150YとMカム150Mの間に配置され、Yカム150Yのギヤ部150GとMカム150Mのギヤ部150Gに直接噛み合っている。
アイドルギヤ136は、Mカム150MとCカム150Cの間に配置され、Mカム150Mのギヤ部150GとCカム150Cのギヤ部150Gに直接噛み合っている。
【0064】
Yカム150Yは、現像モータ3Dからの駆動力がアイドルギヤ110A,131A,131B、YMC電磁クラッチ140A、アイドルギヤ133A,134Aを介して伝達される。Mカム150Mは、駆動力がYカム150Yからアイドルギヤ135を介して伝達される。Cカム150Cは、駆動力がMカム150Mからアイドルギヤ136を介して伝達される。
【0065】
第2制御ギヤ列100Dは、アイドルギヤ132A,132B,132C,132Dと、K電磁クラッチ140Kと、アイドルギヤ133B,134Bとを有している。本実施形態においては、アイドルギヤ132Aが「第3ギヤ」に相当する。
【0066】
アイドルギヤ132Aは、現像駆動ギヤ100Gに直接噛み合うギヤであり、現像駆動ギヤ100Gの後側に配置されている。また、アイドルギヤ132Aは、第2現像ギヤ列100Bを構成するアイドルギヤ110Bの右側に配置されている。
アイドルギヤ132Bは、アイドルギヤ132Aの後側に配置され、アイドルギヤ132Aに直接噛み合っている。
【0067】
アイドルギヤ132Cは、アイドルギヤ132Bの後側に配置され、アイドルギヤ132Bに直接噛み合っている。
アイドルギヤ132Dは、アイドルギヤ132Cの後側に配置され、アイドルギヤ132Cに直接噛み合っている。
【0068】
K電磁クラッチ140Kは、アイドルギヤ132Dの後側に配置されている。K電磁クラッチ140Kは、大径ギヤ140Lと小径ギヤ140Sを有し、大径ギヤ140Lがアイドルギヤ132Dに直接噛み合っている。
【0069】
アイドルギヤ133Bは、K電磁クラッチ140Kの後側に配置され、K電磁クラッチ140Kの小径ギヤ140Sに直接噛み合っている。
アイドルギヤ134Bは、アイドルギヤ133Bの後斜め下側に配置され、アイドルギヤ133Bに直接噛み合っている。また、アイドルギヤ134Bは、下側に配置されたKカム150Kのギヤ部150Gに直接噛み合っている。
【0070】
Kカム150Kは、現像モータ3Dからの駆動力がアイドルギヤ132A~132D、K電磁クラッチ140K、アイドルギヤ133B,134Bを介して伝達される。
【0071】
電磁クラッチ140A,140Kは、駆動力の伝達と切断を切り替えることで対応するカム150の回転と停止を切り替える。詳しくは、電磁クラッチ140A,140Kは、通電してONとすることにより大径ギヤ140Lと小径ギヤ140Sが一体に回転する。これにより、駆動力が伝達されて対応するカム150が回転する。また、電磁クラッチ140A,140Kは、通電せずOFFとすることにより大径ギヤ140Lが負荷がかかっている小径ギヤ140Sに対して空転し、小径ギヤ140Sが回転しない。これにより、駆動力の伝達が切断されて対応するカム150が停止する。電磁クラッチ140A,140Kは、制御部2によりON・OFFが個別に制御される。
【0072】
YMC移動機構5Aは、カム150Y,150M,150Cと、各カム150に対応して設けられた複数のカムフォロワ170とを備え、K移動機構5Kは、Kカム150Kと、Kカム150Kに対応して設けられたカムフォロワ170とを備えている。
【0073】
カム150は、回転することにより対応する現像ローラ61を接触位置と離間位置との間で移動させる部材である。
図7に示すように、各カム150は、円板部151と、円板部151の外周に形成されたギヤ部150Gと、第1カム部152と、第2カム部153とを有している。
【0074】
第1カム部152は、現像ローラ61を接触位置と離間位置との間で移動させる部分であり、円板部151の側面から現像ローラ61の軸方向に突出している。第1カム部152は、軸方向における端面にカム面152Fを有している。カム面152Fは、第1保持面F1と、第2保持面F2と、第1案内面F3と、第2案内面F4とを有している。
【0075】
第1保持面F1は、カムフォロワ170を後述する待機位置に保持する面であり、第2保持面F2は、カムフォロワ170を後述する突出位置に保持する面である。
図7等において、第1カム部152に付したドットハッチは、第2保持面F2を示している。第1案内面F3は、第1保持面F1と第2保持面F2を繋ぐ、第1保持面F1に対して傾斜した面であり、第2案内面F4は、第2保持面F2と第1保持面F1を繋ぐ、第1保持面F1に対して傾斜した面である。
【0076】
第2カム部153は、後述する規制部材160と協働してクラッチ120の状態を切り替える部分であり、円板部151の側面のうち、第1カム部152が配置された側面とは反対側の側面から現像ローラ61の軸方向に突出している。第2カム部153は、軸方向から見て、略円弧状に延びている。
【0077】
カムフォロワ170は、スライド軸部171と、接触部172と、バネ掛け部174とを有している。
スライド軸部171は、筐体10に設けられた支持軸179(
図8(b)参照)に、現像ローラ61の軸方向にスライド移動可能に支持されている。これにより、カムフォロワ170は、軸方向にスライド移動可能である。
【0078】
接触部172は、第1カム部152のカム面152Fと接触可能な部分であり、スライド軸部171から延出している。カムフォロワ170は、
図8(b)に示す、接触部172が第2保持面F2に接触して現像ローラ61を離間位置に位置させる突出位置と、
図8(a)に示す、接触部172が第1保持面F1に接触して現像ローラ61を接触位置に位置させる待機位置との間でスライド移動可能である。
【0079】
図7に戻って、バネ掛け部174は、バネ176の一端が引っ掛けられる部分であり、スライド軸部171から接触部172とは異なる方向に延出している。バネ176は、引張バネであり、他端が、筐体10の、バネ掛け部174よりも下かつ左の位置に設けられた図示しないバネ掛け部に引っ掛けられている。バネ176は、カムフォロワ170を突出位置から待機位置に向けて付勢している。
【0080】
図8に示すように、現像カートリッジ60は、支持部材55に前後に移動可能に支持されている。支持部材55は、被当接部55Aと、押圧部材55Bとを有している。被当接部55Aは、後述するスライド部材66が当接する部分であり、上下に沿った軸回りに回転可能なローラからなる。押圧部材55Bは、バネ55Cにより後方に向けて付勢されており、支持部材55に現像カートリッジ60が装着されると、現像カートリッジ60を押圧して現像ローラ61を対応する感光ドラム50に接触する接触位置に移動させる。
【0081】
現像カートリッジ60は、トナーを収容するケース65と、スライド部材66とを有している。スライド部材66は、ケース65に対して現像ローラ61の軸方向にスライド移動可能な部材であり、カムフォロワ170に押圧されることで軸方向にスライド移動する。スライド部材66は、ケース65にスライド移動可能に支持されたシャフト66Aと、シャフト66Aの一端に設けられた第1当接部材66Bと、シャフト66Aの他端に設けられた第2当接部材66Cとを有している。
【0082】
第1当接部材66Bは、押圧面66Dと、軸方向に対して傾斜した斜面66Eとを有し、第2当接部材66Cは、斜面66Eと同様に傾斜した斜面66Fを有している。押圧面66Dは、カムフォロワ170により押圧される。斜面66E,66Fは、スライド部材66がカムフォロワ170により押圧された場合に、被当接部55Aに当接して現像カートリッジ60を軸方向と直交する方向に付勢し、現像ローラ61を対応する感光ドラム50から離間する離間位置に移動させる。第1当接部材66Bとケース65の間には、スライド部材66を左に向けて付勢するバネ67が配置されている。
【0083】
図9に示すように、クラッチ120は、アイドルギヤ110A,110B(
図4参照)に入力された駆動力を対応する現像ローラ61に伝達する伝達状態と、アイドルギヤ110A,110Bに入力された駆動力を対応する現像ローラ61に伝達しない切断状態とで切替可能な部材である。クラッチ120は、遊星歯車機構を有してなる。具体的には、クラッチ120は、1つの軸を中心に回転可能な要素であるサンギヤ121、リングギヤ122およびキャリア123と、キャリア123に支持されるプラネタリギヤ124とを有している。
【0084】
サンギヤ121は、ギヤ部121Aと、ギヤ部121Aと一体に回転する回転板121Bと、回転板121Bの外周に設けられた爪部121Cとを有している。
リングギヤ122は、内周面に設けられたインナーギヤ122Aと、外周面に設けられた入力ギヤ122Bとを有している。入力ギヤ122Bは、アイドルギヤ115(115Y,115M,115C,115K)(
図4参照)に直接噛み合っている。
【0085】
キャリア123は、プラネタリギヤ124を回転可能に支持する4つの軸部123Aと、外周面に設けられた出力ギヤ123Bとを有している。出力ギヤ123Bは、カップリングギヤ117(117Y,117M,117C,117K)(
図4参照)に直接噛み合っている。
プラネタリギヤ124は、4つ設けられ、それぞれ、キャリア123の軸部123Aに回転可能に支持されている。プラネタリギヤ124は、サンギヤ121のギヤ部121Aに噛み合っているとともにリングギヤ122のインナーギヤ122Aに噛み合っている。
【0086】
クラッチ120は、サンギヤ121の回転が規制された状態では、入力ギヤ122Bに入力された駆動力を出力ギヤ123Bに伝達できる伝達状態となる。一方、サンギヤ121が回転できる状態では、入力ギヤ122Bに入力された駆動力を出力ギヤ123Bに伝達できない切断状態となる。クラッチ120が切断状態であって、かつ、出力ギヤ123Bに負荷が掛かっている状態で入力ギヤ122Bに駆動力が入力された場合、出力ギヤ123Bは回転せず、サンギヤ121が空転する。
【0087】
図7に示すように、駆動力伝達機構100は、規制部材160をさらに備えている。規制部材160は、各クラッチ120に対応して複数設けられている。規制部材160は、回転支持部162Aと、回転支持部162Aから延びるように設けられた第1アーム161Cと、回転支持部162Aから第1アーム161Cと異なる方向に延びる第2アーム162Cとを有している。
回転支持部162Aは、筐体10に設けられた図示しない支持軸に回動可能に支持されている。
【0088】
第2アーム162Cの先端は、サンギヤ121の外周面に向けて延びている。第2アーム162Cには、バネ掛け部162Eが設けられており、バネ掛け部162Eには、バネ169の一端が引っ掛けられている。バネ169は、引張バネであり、他端が、筐体10の、バネ掛け部162Eよりも前の位置に設けられた図示しないバネ掛け部に引っ掛けられている。これにより、バネ169は、規制部材160を後述する離脱位置から係合位置に向けて図の時計回りに付勢している。
【0089】
規制部材160は、第2アーム162Cの先端がサンギヤ121の爪部121Cに係合してサンギヤ121の回転を規制する係合位置と、第2アーム162Cの先端が爪部121Cから離脱してサンギヤ121の回転を規制しない離脱位置(
図10参照)との間で揺動可能である。
【0090】
また、規制部材160は、第1アーム161Cの先端部が第2カム部153と接触可能である。規制部材160は、第1アーム161Cの先端部が第2カム部153から離間した場合にバネ169の付勢力により係合位置に位置し、第1アーム161Cの先端部が第2カム部153に接触した場合(
図10参照)にバネ169の付勢力に抗して揺動し、離脱位置に位置する。
【0091】
第2カム部153は、離間位置から接触位置に向けて移動する現像ローラ61が対応する感光ドラム50に接触する前に、規制部材160を係合位置に位置させてクラッチ120が伝達状態となり、接触位置から離間位置に向けて移動する現像ローラ61が感光ドラム50から離れた後に、規制部材160を離脱位置に位置させてクラッチ120が切断状態となるように設けられている。これにより、現像ローラ61は、接触位置に位置する場合に回転し、離間位置に位置する場合に停止する。
【0092】
制御部2は、画像形成装置1の動作を制御する装置である。制御部2は、CPU、ROM、RAM、入出力部等を有し、予め記憶されたプログラムを実行することで各処理を実行する。制御部2は、現像モータ3Dの駆動を制御したり、電磁クラッチ140A,140KのON・OFFを制御してカム150の動作を制御したりすることで、現像ローラ61の駆動・停止や、現像ローラ61の対応する感光ドラム50に対する接触・離間を制御する。
【0093】
ここで、制御部2の処理の一例について説明する。
画像形成装置1は、画像形成を実行する前の待機状態において、すべての現像ローラ61が離間位置に位置している。このとき、
図10に示すように、カムフォロワ170は、接触部172がカム150の第2保持面F2に接触する突出位置に位置する。
【0094】
印刷ジョブが入力されて画像形成を実行する場合、制御部2は、現像モータ3Dを駆動させるとともに、画像形成に用いるトナーの色に応じてYMC電磁クラッチ140AやK電磁クラッチ140KをONとしてカム150を図の時計回りに回転させる。これにより、カムフォロワ170の接触部172は、第2保持面F2から第2案内面F4に案内され、第2案内面F4上を摺接して、
図7に示すように、第1保持面F1に接触する。これにより、カムフォロワ170がバネ176の付勢力によって
図8(b)に示す突出位置から
図8(a)に示す待機位置にスライド移動し、現像ローラ61が離間位置から接触位置に移動する。現像ローラ61が接触位置に移動したら、制御部2は、YMC電磁クラッチ140AやK電磁クラッチ140KをOFFとして、カム150を停止させる。
【0095】
現像ローラ61による現像が終了した場合、制御部2は、YMC電磁クラッチ140AやK電磁クラッチ140KをONとし、カム150を
図7の時計回りに再び回転させる。これにより、接触部172は、第1保持面F1から第1案内面F3に案内され、第1案内面F3上を摺接して、
図10に示すように、第2保持面F2に接触する。これにより、カムフォロワ170が
図8(a)に示す待機位置から
図8(b)に示す突出位置にスライド移動し、現像ローラ61が接触位置から離間位置に移動する。現像ローラ61が離間位置に移動したら、制御部2は、YMC電磁クラッチ140AやK電磁クラッチ140KをOFFとして、カム150を停止させる。
【0096】
以上説明した本実施形態によれば、現像モータ3Dからの駆動力を現像ローラ61に伝達可能な現像ギヤ列100A,100Bと、現像モータ3Dからの駆動力をK移動機構5Kに伝達可能な第2制御ギヤ列100Dとを別に設けたことで、K移動機構5Kを駆動させる際のトルク変動の影響が、現像ギヤ列100A,100Bに及ぶのを抑制することができる。
【0097】
また、現像駆動ギヤ100Gが現像モータ3Dの出力軸3Aに設けられたギヤであるので、現像駆動ギヤと、現像モータの出力軸に設けられたギヤとの間に別のギヤがある場合と比較して、ギヤの数を減らすことができる。これにより、現像モータ3Dの駆動力を現像ローラ61や移動機構5A,5Kに伝達するための駆動力伝達機構100の小型化、低コスト化を図ることができる。また、ギヤの数を減らせることで、例えば、ギヤが有する軸に作用する摩擦や、ギヤと当該ギヤを軸支する軸との間に作用する摩擦、噛み合うギヤの歯と歯の間に作用する摩擦等を低減することができるので、駆動力の損失を低減することができる。
【0098】
また、現像モータ3Dからの駆動力をYMC移動機構5Aに伝達可能な第1制御ギヤ列100Cについては、第1現像ギヤ列100Aから分岐するように設けたので、第1制御ギヤ列を、第1現像ギヤ列100Aとは別に設け、現像駆動ギヤ100Gから直接、駆動力が入力されるように構成する場合と比較して、例えば、現像駆動ギヤ100Gや現像モータ3Dの配置の自由度を向上させることができる。これにより、画像形成装置1の設計の自由度を向上させることができる。
【0099】
また、第1現像ギヤ列100Aが現像モータ3Dからの駆動力を2つの現像ローラ61Y,61Mに伝達可能であり、第2現像ギヤ列100Bも現像モータ3Dからの駆動力を同じ2つの現像ローラ61C,61Kに伝達可能であるので、例えば、一方の現像ギヤ列が駆動力を4つの現像ローラのうちの3つに伝達可能な構成と比較して、アイドルギヤ110A,110Bにかかるトルクが大きくなるのを抑制することができる。これにより、アイドルギヤ110A,110Bの歯幅を厚くすることなく、ギヤ歯の変形を抑制することができる。また、第1現像ギヤ列100Aと第2現像ギヤ列100Bにかかるトルクを略等しくできるので、第1現像ギヤ列100Aと第2現像ギヤ列100Bとの間で少なくとも一部のギヤ(部品)を共通化することができる。これにより、駆動力伝達機構100の小型化、低コスト化を図ることができる。また、部品の共通化ができることで、現像ギヤ列100A,100Bを構成するギヤの回転ムラを抑えることができるので、現像ローラ61を安定して駆動させることができる。
【0100】
また、YMC移動機構5Aが3つの現像ローラ61Y,61M,61Cを移動させる構成で、4つの現像ローラ61Y,61M,61C,61KがシートSの搬送方向の上流から下流に向かってこの順に配置されているので、例えば、K現像ローラ61Kが、Y現像ローラ61YとM現像ローラ61Mの間や、M現像ローラ61MとC現像ローラ61Cの間に配置される場合と比較して、YMC移動機構5Aや駆動力伝達機構100を小型化したり、簡易な構成としたりすることができる。
【0101】
以上に実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように適宜変形して実施することができる。なお、以下の説明では、先に説明した形態と同様の構成要素については同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0102】
前記実施形態では、
図2に示したように、現像モータ3Dからの駆動力をYMC移動機構5Aに伝達可能なカラー用の第1制御ギヤ列100Cを第1現像ギヤ列100Aから分岐するように設け、現像モータ3Dからの駆動力をK移動機構5Kに伝達可能なモノクロ用の第2制御ギヤ列100Dを第1現像ギヤ列100Aおよび第2現像ギヤ列100Bとは別に設けたが、これに限定されない。
【0103】
例えば、
図11に示すように、カラー用の第1制御ギヤ列100Cを第1現像ギヤ列100Aおよび第2現像ギヤ列100Bとは別に設け、モノクロ用の第2制御ギヤ列100Dを第2現像ギヤ列100Bから分岐するように設けてもよい。この場合、第1制御ギヤ列100Cは、現像駆動ギヤ100Gに直接噛み合うアイドルギヤ130Aを有し、第2制御ギヤ列100Dは、第2現像ギヤ列100Bを構成する、例えば、アイドルギヤ110Bに直接噛み合うアイドルギヤ130Bを有している。
【0104】
この形態においては、Y感光ドラム50Yが「第1感光ドラム」に相当し、K感光ドラム50Kが「第2感光ドラム」に相当し、Y現像ローラ61Yが「第1現像ローラ」に相当し、K現像ローラ61Kが「第2現像ローラ」に相当し、YMC移動機構5Aが「第1移動機構」に相当し、K移動機構5Kが「第2移動機構」に相当する。また、第1現像ギヤ列100Aが「第1ギヤ列」に相当し、アイドルギヤ110Aが「第1ギヤ」に相当し、第2現像ギヤ列100Bが「第2ギヤ列」に相当し、アイドルギヤ110Bが「第2ギヤ」に相当し、第1制御ギヤ列100Cが「第3ギヤ列」に相当し、アイドルギヤ130Aが「第3ギヤ」に相当し、第2制御ギヤ列100Dが「第4ギヤ列」に相当し、アイドルギヤ130Bが「第4ギヤ」に相当する。
【0105】
また、
図12や
図13に示すように、カラー用の第1制御ギヤ列100Cおよびモノクロ用の第2制御ギヤ列100Dの両方を第1現像ギヤ列100Aおよび第2現像ギヤ列100Bとは別に設けてもよい。
【0106】
例えば、
図12に示す形態では、カラー用の第1制御ギヤ列100Cは、現像モータ3Dからの駆動力をYMC移動機構5Aに伝達可能なギヤ列あり、モノクロ用の第2制御ギヤ列100Dは、現像モータ3Dからの駆動力をK移動機構5Kに伝達可能なギヤ列である。第1制御ギヤ列100Cと第2制御ギヤ列100Dとは、別に設けられている。第1制御ギヤ列100Cは、現像駆動ギヤ100Gに直接噛み合うアイドルギヤ130Aを有している。この形態においては、第1制御ギヤ列100Cが「第5ギヤ列」に相当し、アイドルギヤ130Aが「第5ギヤ」に相当する。
【0107】
このような構成によれば、YMC移動機構5AおよびK移動機構5Kを駆動させる際のトルク変動の影響が、現像ギヤ列100A,100Bに及ぶのを抑制することができる。
【0108】
また、
図13に示す形態では、カラー用の第1制御ギヤ列100Cと、モノクロ用の第2制御ギヤ列100Dとが、例えば、アイドルギヤ132Aを、現像駆動ギヤ100Gに直接噛み合うギヤとして共用している。第1制御ギヤ列100C、第2制御ギヤ列100Dおよびアイドルギヤ132Aは、制御ギヤ列100Eを構成している。すなわち、駆動力伝達機構100は、現像駆動ギヤ100Gと、第1現像ギヤ列100Aと、第2現像ギヤ列100Bと、制御ギヤ列100Eとを備えている。制御ギヤ列100Eは、現像モータ3Dからの駆動力をYMC移動機構5AおよびK移動機構5Kの両方に伝達可能なギヤ列である。この形態においては、制御ギヤ列100Eが「第3ギヤ列」に相当し、アイドルギヤ132Aが「第3ギヤ」に相当する。
【0109】
このような構成によっても、移動機構5A,5Kを駆動させる際のトルク変動の影響が、現像ギヤ列100A,100Bに及ぶのを抑制することができる。
【0110】
また、前記実施形態では、
図2に示したように、第1現像ギヤ列100Aが、現像モータ3Dからの駆動力を2つの現像ローラ61Y,61Mに伝達可能であり、第2現像ギヤ列100Bが、現像モータ3Dからの駆動力を2つの現像ローラ61C,61Kに伝達可能であったが、これに限定されない。例えば、
図14に示すように、第1現像ギヤ列100Aは、現像モータ3Dからの駆動力を3つの現像ローラ61(61Y,61M,61C)に伝達可能であり、第2現像ギヤ列100Bは、現像モータ3Dからの駆動力を1つの現像ローラ61(61K)のみに伝達可能であってもよい。このような構成によれば、例えば、現像駆動ギヤ100Gや現像モータ3Dの配置の自由度を向上させることができるので、画像形成装置1の設計の自由度を向上させることができる。
【0111】
また、前記実施形態では、K現像ローラ61K(第1現像ローラ)が、シートSの搬送方向において、C現像ローラ61C(第4現像ローラ)の下流に配置されていたが、これに限定されない。例えば、第2現像ローラ、第3現像ローラおよび第4現像ローラが、シートの搬送方向の上流から下流に向けてこの順に配置される構成で、第1現像ローラは、シートSの搬送方向において、第2現像ローラの上流に配置されていてもよい。すなわち、第1現像ローラ、第2現像ローラ、第3現像ローラおよび第4現像ローラは、シートの搬送方向の上流から下流に向けてこの順に配置されていてもよい。
【0112】
また、前記実施形態では、駆動ギヤとしての現像駆動ギヤ100Gが現像モータ3Dの出力軸3Aに設けられたギヤであったが、これに限定されない。例えば、駆動ギヤは、モータの出力軸に設けられたギヤに直接噛み合うギヤであってもよいし、モータの出力軸に設けられたギヤと1つ以上のアイドルギヤを介して噛み合うギヤであってもよい。
【0113】
また、前記実施形態では、第4ギヤとしてのアイドルギヤ131Aが第1現像ギヤ列100A(第2ギヤ列)を構成するギヤのうち、現像駆動ギヤ100Gと直接噛み合うアイドルギヤ110Aに直接噛み合っていたが、これに限定されない。すなわち、第4ギヤが直接噛み合うギヤは、第2ギヤ列を構成するギヤであれば、どのギヤであってもよい。
【0114】
また、前記実施形態で説明した移動機構5A,5Kの構成は一例である。例えば、移動機構は、回転するカム150の代わりに、直動カムを備える構成であってもよい。また、前記実施形態では、現像ローラ61が、接触位置と離間位置との間で移動するため、前後に移動したが、これに限定されず、例えば、上下に移動してもよい。
【0115】
また、前記実施形態では、画像形成装置1が4つの感光ドラム50、現像ローラ61を備えていたが、これに限定されず、感光ドラム、現像ローラは、2つや3つであってもよいし、5つ以上であってもよい。また、画像形成装置は、プリンタに限定されず、複写機や複合機等であってもよい。
【0116】
また、前記した実施形態および変形例で説明した各要素は、適宜組み合わせて実施することが可能である。
【符号の説明】
【0117】
1 画像形成装置
3D 現像モータ
5A YMC移動機構
5K K移動機構
50K K感光ドラム
50Y Y感光ドラム
61K K現像ローラ
61Y Y現像ローラ
100G 現像駆動ギヤ
100A 第1現像ギヤ列
100B 第2現像ギヤ列
100D 第2制御ギヤ列
110A アイドルギヤ
110B アイドルギヤ
132A アイドルギヤ