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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】タイヤ
(51)【国際特許分類】
   B60C 11/03 20060101AFI20240709BHJP
   B60C 11/13 20060101ALI20240709BHJP
   B60C 11/12 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
B60C11/03 300E
B60C11/03 300B
B60C11/13 B
B60C11/13 C
B60C11/12 C
B60C11/12 A
B60C11/12 B
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020085440
(22)【出願日】2020-05-14
(65)【公開番号】P2021178594
(43)【公開日】2021-11-18
【審査請求日】2023-03-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000183233
【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104134
【弁理士】
【氏名又は名称】住友 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100156225
【弁理士】
【氏名又は名称】浦 重剛
(74)【代理人】
【識別番号】100168549
【弁理士】
【氏名又は名称】苗村 潤
(74)【代理人】
【識別番号】100200403
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 幸信
(74)【代理人】
【識別番号】100206586
【弁理士】
【氏名又は名称】市田 哲
(72)【発明者】
【氏名】内海 大輔
(72)【発明者】
【氏名】門司 真美
(72)【発明者】
【氏名】田頭 政雄
【審査官】岩本 昌大
(56)【参考文献】
【文献】特開昭63-297108(JP,A)
【文献】実開平04-106002(JP,U)
【文献】特開2011-230643(JP,A)
【文献】特開2015-030413(JP,A)
【文献】特開2006-143019(JP,A)
【文献】特開2000-225813(JP,A)
【文献】特開2010-069956(JP,A)
【文献】特開2019-104411(JP,A)
【文献】特開2015-016836(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 1/00-19/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレッド部を有するタイヤであって、
前記トレッド部には、タイヤ周方向に延びる少なくとも1本の縦溝と、前記縦溝と三叉状の溝交差部を形成するように、前記縦溝からタイヤ軸方向の第1の側に延びる複数の第1横溝と、前記縦溝のタイヤ軸方向の第2の側に前記縦溝で区分された陸部とが設けられており、
前記陸部は、前記溝交差部に対向する位置に、前記縦溝側に凸となるコーナ部を有し、
前記溝交差部を通るタイヤ軸方向線上での横断面において、前記コーナ部は、踏面と第1側壁面とを有し、
前記第1側壁面は、トレッド法線に対して1~12度の角度αで、タイヤ半径方向外側に向かって前記第2の側に傾斜しており、
前記第1横溝には、溝底を隆起させたタイバーが設けられている、
タイヤ。
【請求項2】
前記角度αは、5~10度である、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項3】
前記タイバーは、前記横断面において、前記コーナ部の前記第1側壁面に対向する第2側壁面を含み、
前記第2側壁面は、トレッド法線に対して前記角度αよりも大きい角度βで、タイヤ半径方向外側に向かって前記第1の側に傾斜している、請求項1又は2に記載のタイヤ。
【請求項4】
前記角度βは、5~13度である、請求項3に記載のタイヤ。
【請求項5】
前記第2側壁面のタイヤ半径方向の内端は、前記縦溝の溝底に位置している、請求項3又は4に記載のタイヤ。
【請求項6】
トレッド部を有するタイヤであって、
前記トレッド部には、タイヤ周方向に延びる少なくとも1本の縦溝と、前記縦溝と三叉状の溝交差部を形成するように、前記縦溝からタイヤ軸方向の第1の側に延びる複数の第1横溝と、前記縦溝のタイヤ軸方向の第2の側に前記縦溝で区分された陸部とが設けられており、
前記陸部は、前記溝交差部に対向する位置に、前記縦溝側に凸となるコーナ部を有し、
前記溝交差部を通るタイヤ軸方向線上での横断面において、前記コーナ部は、踏面と第1側壁面とを有し、
前記第1側壁面は、トレッド法線に対して1~12度の角度αで、タイヤ半径方向外側に向かって前記第2の側に傾斜しており、
前記陸部は、複数の第2横溝によって複数のブロックに区分され、
トレッド平面視において、前記ブロックは、六角形状である、
タイヤ。
【請求項7】
前記第1の側は、トレッド端側であり、
前記第2の側は、タイヤ赤道側であり、
前記ブロックは、クラウンブロックである、請求項に記載のタイヤ。
【請求項8】
前記第2横溝には、溝底を隆起させたクラウンタイバーが設けられる、請求項7に記載のタイヤ。
【請求項9】
前記クラウンタイバーのタイヤ軸方向の長さは、前記クラウンブロックのタイヤ軸方向の最大幅の45%~55%である、請求項8に記載のタイヤ。
【請求項10】
前記クラウンブロックのタイヤ軸方向の最小幅は、前記クラウンブロックのタイヤ軸方向の最大幅の60%~70%である、請求項7ないし9のいずれか1項に記載のタイヤ。
【請求項11】
前記クラウンブロックには、タイヤ軸方向に延びるサイプが設けられ、
前記サイプは、その長手方向及び深さ方向にジグザグ状に延びる、請求項7ないし10のいずれか1項に記載のタイヤ。
【請求項12】
前記サイプは、前記クラウンブロックに少なくとも2本設けられる、請求項11に記載のタイヤ。
【請求項13】
前記サイプのタイヤ軸方向の長さは、前記クラウンブロックのタイヤ軸方向の最大幅の35%~55%である、請求項11又は12に記載のタイヤ。
【請求項14】
前記クラウンブロックのタイヤ周方向の長さは、前記クラウンブロックのタイヤ周方向の1ピッチの75%~85%である、請求項7ないし13のいずれか1項に記載のタイヤ。
【請求項15】
前記トレッド部には、前記複数の第1横溝と前記縦溝とによって、タイヤ周方向に並ぶ複数のショルダーブロックが設けられ、
前記ショルダーブロックのタイヤ周方向の長さは、前記ショルダーブロックのタイヤ周方向の1ピッチの75%~85%である、請求項7ないし14のいずれか1項に記載のタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、屈曲しながらタイヤ周方向に延びるショルダー主溝と、前記ショルダー主溝の屈曲部の頂部から延びる横溝とを有する空気入りタイヤが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-1940号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような空気入りタイヤは、前記ショルダー主溝と前記横溝とが交差する箇所で石噛みが生じやすいという問題があった。
【0005】
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、耐石噛み性能を向上し得るタイヤを提供することを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、トレッド部を有するタイヤであって、前記トレッド部には、タイヤ周方向に延びる少なくとも1本の縦溝と、前記縦溝と三叉状の溝交差部を形成するように、前記縦溝からタイヤ軸方向の第1の側に延びる複数の第1横溝と、前記縦溝のタイヤ軸方向の第2の側に前記縦溝で区分された陸部とが設けられており、前記陸部は、前記溝交差部に対向する位置に、前記縦溝側に凸となるコーナ部を有し、前記溝交差部を通るタイヤ軸方向線上での横断面において、前記コーナ部は、踏面と第1側壁面とを有し、前記第1側壁面は、トレッド法線に対して1~12度の角度αで、タイヤ半径方向外側に向かって前記第2の側に傾斜している。
【0007】
本発明に係るタイヤは、前記角度αが、5~10度である、のが望ましい。
【0008】
本発明に係るタイヤは、前記第1横溝には、溝底を隆起させたタイバーが設けられている、のが望ましい。
【0009】
本発明に係るタイヤは、前記タイバーが、前記横断面において、前記コーナ部の前記第1側壁面に対向する第2側壁面を含み、前記第2側壁面は、トレッド法線に対して前記角度αよりも大きい角度βで、タイヤ半径方向外側に向かって前記第1の側に傾斜している、のが望ましい。
【0010】
本発明に係るタイヤは、前記角度βが、5~13度である、のが望ましい。
【0011】
本発明に係るタイヤは、前記第2側壁面のタイヤ半径方向の内端が、前記縦溝の溝底に位置している、のが望ましい。
【0012】
本発明に係るタイヤは、前記陸部が、複数の第2横溝によって複数のブロックに区分され、トレッド平面視において、前記ブロックは、六角形状である、のが望ましい。
【0013】
本発明に係るタイヤは、前記第1の側が、トレッド端側であり、前記第2の側は、タイヤ赤道側であり、前記ブロックは、クラウンブロックである、のが望ましい。
【0014】
本発明に係るタイヤは、前記第2横溝には、溝底を隆起させたクラウンタイバーが設けられる、のが望ましい。
【0015】
本発明に係るタイヤは、前記クラウンタイバーのタイヤ軸方向の長さが、前記クラウンブロックのタイヤ軸方向の最大幅の45%~55%である、のが望ましい。
【0016】
本発明に係るタイヤは、前記クラウンブロックのタイヤ軸方向の最小幅が、前記クラウンブロックのタイヤ軸方向の最大幅の60%~70%である、のが望ましい。
【0017】
本発明に係るタイヤは、前記クラウンブロックには、タイヤ軸方向に延びるサイプが設けられ、前記サイプは、その長手方向及び深さ方向にジグザグ状に延びる、のが望ましい。
【0018】
本発明に係るタイヤは、前記サイプが、前記クラウンブロックに少なくとも2本設けられる、のが望ましい。
【0019】
本発明に係るタイヤは、前記サイプのタイヤ軸方向の長さが、前記クラウンブロックのタイヤ軸方向の最大幅の35%~55%である、のが望ましい。
【0020】
本発明に係るタイヤは、前記クラウンブロックのタイヤ周方向の長さが、前記クラウンブロックのタイヤ周方向の1ピッチの75%~85%である、のが望ましい。
【0021】
本発明に係るタイヤは、前記トレッド部には、前記複数の第1横溝と前記縦溝とによって、タイヤ周方向に並ぶ複数のショルダーブロックが設けられ、前記ショルダーブロックのタイヤ周方向の長さは、前記ショルダーブロックのタイヤ周方向の1ピッチの75%~85%である、のが望ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、上記の構成を採用することで、耐石噛み性能を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態のトレッド部を展開して拡大した平面図である。
図2】(a)は、図1のA-A線断面図、(b)は、コーナ部の斜視図である。
図3】トレッド部を展開した平面図である。
図4図3のB-B線断面図である。
図5】トレッド部を展開した平面図である。
図6】トレッド部を展開した平面図である。
図7】(a)は、他の実施形態のコーナ部の斜視図、(b)は、さらに他の実施形態のコーナ部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、本実施形態のタイヤ1のトレッド部2を展開して拡大した平面図である。図1には、ライトトラック用等の重荷重用の空気入りタイヤのトレッド部2が示される。なお、本発明は、例えば、乗用車用の空気入りタイヤや他のカテゴリーのタイヤに適用されてもよい。
【0025】
図1に示されるように、タイヤ1のトレッド部2には、タイヤ周方向に延びる少なくとも1本の縦溝3と、縦溝3からタイヤ軸方向の第1の側F1に延びる複数の第1横溝4と、縦溝3のタイヤ軸方向の第2の側F2に縦溝3で区分された陸部5とが設けられている。第1横溝4は、本実施形態では、縦溝3と三叉状の溝交差部6を形成している。前記「タイヤ周方向に延びる」とは、タイヤ周方向に連続して延びる縦溝3であれば、直線状やジグザグ状、波状に延びるものなど、種々の態様が含まれる。また、タイヤ周方向に途切れる縦溝3であれば、タイヤ周方向に対して45度以下の傾斜する態様をいう。さらに、「三叉状の溝交差部」とは、縦溝からタイヤ軸方向の両側に延びる一対の横溝が設けられる場合、これら横溝の縦溝での開口部が、タイヤ周方向で重複することなく設けられていればよい(図示省略)。この場合、一対の横溝によって2か所の三叉状の溝交差部が形成される。前記「横溝」は、この横溝が形成される陸部のタイヤ軸方向の最大幅Wtの20%以上の長さを有するものをいう。
【0026】
陸部5は、溝交差部6に対向する位置に、縦溝3側に凸となるコーナ部7を有している。このようなコーナ部7は、タイヤ軸方向のエッジ成分を有するので、摩擦係数が小さい、例えば、鉄板が敷き詰められた路面でのトラクション性(以下、「低μ路性能」という。)を高める。また、例えば、凸となるコーナ部7は、雪路での操縦安定性能であるスノー性能を高める。なお、前記「対向する位置」とは、本明細書では、横溝4の縦溝3での開口部4aとタイヤ周方向で重複する位置である。
【0027】
図2(a)は、図1のA-A線断面図である。A-A線は、溝交差部6を通るタイヤ軸方向線である。図2(a)に示されるように、コーナ部7は、陸部5の踏面9と第1側壁面10とを有している。第1側壁面10は、本実施形態では、踏面9と連なっており、踏面9と連なる位置でエッジ10eを形成している。
【0028】
第1側壁面10は、トレッド法線nに対して1~12度の角度αで、タイヤ半径方向外側に向かって第2の側F2に傾斜している。これにより、溝交差部6に挟まった石等(がれきや砂利を含む)が、タイヤ1の転動によって、第1横溝4側へ押し出されて溝交差部6から排出される。したがって、本実施形態のタイヤ1は、優れた耐石噛み性能を有する。
【0029】
角度αが小さいと、溝交差部6内の石等を第1横溝4側へ押し出す力が小さくなるおそれがある。このため、角度αは、5度以上が望ましい。角度αが大きいと、第1側壁面10内に石等が挟まるおそれがある。このため、角度αは、10度以下が望ましい。
【0030】
図1に示されるように、第1側壁面10は、本実施形態では、縦溝3に連なってタイヤ軸方向に延びる一対の軸方向部12と、軸方向部12の端部12eを継ぐ周方向部13とを含んで形成される。軸方向部12及び周方向部13は、本実施形態では、縦溝3の溝底3sまで延びている。このような第1側壁面10は、耐石噛み性能を高める。なお、第1側壁面10は、このような態様に限定されるものではない。
【0031】
第1側壁面10(周方向部13)のタイヤ周方向の長さL1は、例えば、第1横溝4の縦溝3でのタイヤ周方向の開口幅W1よりも小さく形成されている。これにより、陸部5の剛性の低下が抑制されて、低μ路性能や耐摩耗性が高く維持される。このような作用を効果的に発揮させるために、第1側壁面10の長さL1は、第1横溝4の開口幅W1の85%以下が望ましく、80%以下がさらに望ましく、75%以下が一層望ましい。耐石噛み性能を高めるために、第1側壁面10の長さL1は、第1横溝4の開口幅W1の55%以上が望ましく、60%以上がさらに望ましく、65%以上が一層望ましい。
【0032】
上述の作用をさらに効果的に発揮させるために、軸方向部12のタイヤ軸方向の長さL2は、縦溝3の溝幅Waよりも小さいのが望ましい。軸方向部12の長さL2は、縦溝3の溝幅Waの15%以上が望ましく、20%以上がさらに望ましい。また、軸方向部12の長さL2は、縦溝3の溝幅Waの35%以下が望ましく、30%以下がさらに望ましい。
【0033】
図1及び図2(a)に示されるように、第1横溝4には、例えば、溝底4sを隆起させたタイバー8が設けられている。このようなタイバー8は、タイヤ1の転動による第1横溝4の変形を抑制して、第1横溝4に石等が挟み込まれることを抑制する。
【0034】
タイバー8は、本実施形態では、コーナ部7の第1側壁面10に対向する第2側壁面14を含んでいる。第2側壁面14は、例えば、トレッド法線nに対して角度αよりも大きい角度βでタイヤ半径方向外側に向かって第1の側F1に傾斜している。このような第2側壁面14は、第1側壁面10によって第1横溝4側へ押し出された石等に、タイヤ半径方向外側への力を付与して、第1横溝4からスムーズに石等を排出する。
【0035】
角度βは、5~13度であるのが望ましい。角度βが5度以上であるので、石等に対してタイヤ半径方向外側への力を効果的に作用させることができる。角度βが13度以下であるので、タイバー8の容積が大きく確保されて、第1横溝4の変形が大きく抑制される。角度βは、6度以上がさらに望ましく、12度以下が望ましい。
【0036】
第2側壁面14のタイヤ半径方向の内端14eは、例えば、縦溝3の溝底3sに位置している。このような第2側壁面14は、さらに、石等に対してタイヤ半径方向外側への力を効果的に作用させるとともに、石等が第1横溝4に挟まることを抑制する。「内端14eが溝底3sに位置する」とは、内端14eが溝底3sと縦溝3の第1の側F1の溝壁面3aとが交差する位置に配されることをいう。なお、第2側壁面14のタイヤ半径方向の内端14eが溝底3sよりも第1の側F1にある場合、スノー性能を高めることができる。
【0037】
タイバー8は、第2側壁面14に連なり第1横溝4の溝深さd1が最も小さくなる部分を形成する浅底面15を有している。また、タイバー8は、本実施形態では、浅底面15に連なり第1の側F1へ向かってタイヤ半径方向内側へ傾斜する第3側壁面16を含んでいる。浅底面15のタイヤ軸方向の長さL3は、本実施形態では、第2側壁面14のタイヤ軸方向の長さL4よりも大きく形成されている。本明細書では、浅底面15の長さL3をタイバー8のタイヤ軸方向の長さとする。
【0038】
特に限定されるものではないが、浅底面15の深さd1aは、第1横溝4の深さ(最大深さ)d1の55%以上が望ましく、60%以上がより望ましい。浅底面15の深さd1aは、第1横溝4の溝深さd1の75%以下が望ましく、70%以下がより望ましい。
【0039】
図2(b)は、コーナ部7の斜視図である。図2(b)に示されるように、コーナ部7は、本実施形態では、第1側壁面10とはトレッド法線nに対する角度が異なる主側壁面11を含んでいる。主側壁面11のトレッド法線nに対する角度γは、例えば、角度αよりも小さく形成されている。主側壁面11のトレッド法線nに対する角度γは、例えば、0~8度であるのが望ましい。このような主側壁面11は、陸部5の容積の低下を抑えて、陸部剛性を高めるので、偏摩耗や摩耗の発生を抑制し、耐摩耗性能を向上する。主側壁面11は、本実施形態では、第1側壁面10の各軸方向部12のそれぞれに連なっている。この実施形態では、第1側壁面10は、そのタイヤ周方向の長さL1が、踏面9から溝底3sまで同じ長さで形成されている。
【0040】
図1に示されるように、陸部5は、複数の第2横溝18によって複数のブロック19に区分される。ブロック19は、トレッド平面視において、六角形状である。このようなブロック19は、タイヤ軸方向の剛性やタイヤ周方向の剛性がバランスよく高く維持されるので、優れた耐摩耗性能を有する。本実施形態のブロック19は、タイヤ周方向の中央部分がタイヤ軸方向の両外側に凸となる樽型状の六角形状である。
【0041】
図3は、本実施形態のトレッド部2のトレッド端Te、Te間の展開図である。前記「トレッド端Te」は、空気入りタイヤの場合、正規リム(図示せず)にリム組みされかつ正規内圧が充填され、しかも無負荷である正規状態のタイヤ1に、正規荷重を負荷してキャンバー角0°で平面に接地させたときの最もタイヤ軸方向外側の接地位置である。トレッド端Te、Te間のタイヤ軸方向の距離がトレッド幅TWである。本明細書において、タイヤ1の各部の寸法等は、特に断りがない場合、正規状態での値である。
【0042】
「正規リム」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めているリムであり、例えばJATMAであれば "標準リム" 、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば "Measuring Rim" である。
【0043】
「正規内圧」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば "最高空気圧" 、TRAであれば表"TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" である。
【0044】
「正規荷重」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば "最大負荷能力" 、TRAであれば表"TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY" である。
【0045】
図3に示されるように、本実施形態の縦溝3は、最もトレッド端Te側に配される一対のショルダー縦溝3A、3Aと、一対のショルダー縦溝3A、3A間に配される一本のクラウン縦溝3Bとを含んでいる。ショルダー縦溝3A及びクラウン縦溝3Bは、タイヤ周方向に連続して延びている。なお、縦溝3は、このような態様に限定されるものではない。
【0046】
ショルダー縦溝3Aは、本実施形態では、タイヤ周方向に対して一方側に連続して傾斜(図では、右下がり)するショルダー第1部分20と、ショルダー第1部分20とは逆側に連続して傾斜する(図では、左下がり)ショルダー第2部分21とを含んでいる。ショルダー縦溝3Aは、例えば、ショルダー第1部分20とショルダー第2部分21とが交互に並んで形成されている。コーナ部7の第1側壁面10は、例えば、ショルダー第1部分20とショルダー第2部分21とに跨るように形成されている。
【0047】
クラウン縦溝3Bは、本実施形態では、タイヤ周方向に対して一方側に連続して傾斜するクラウン第1部分22と、クラウン第1部分22とは逆側に連続して傾斜するクラウン第2部分23とを含んでいる。クラウン縦溝3Bは、例えば、クラウン第1部分22とクラウン第2部分23とが交互に並んで形成されている。
【0048】
第1横溝4は、本実施形態では、トレッド端Teとショルダー縦溝3Aとを継いでいる。第1横溝4は、例えば、タイヤ軸方向と平行に延びている。第2横溝18は、本実施形態では、ショルダー縦溝3Aとクラウン縦溝3Bとを継いでいる。第2横溝18は、例えば、タイヤ周方向に対して一方側に連続して傾斜(図では、右下がり)している。
【0049】
本実施形態のトレッド部2は、トレッド端Teとショルダー縦溝3Aと第1横溝4とで区分される複数のショルダーブロック25と、ショルダー縦溝3Aとクラウン縦溝3Bと第2横溝18とで区分される複数のクラウンブロック26とを含んでいる。各クラウンブロック26は、本実施形態では、ショルダー第1部分20、ショルダー第2部分21、クラウン第1部分22、及び、クラウン第2部分23で区分されている。各ショルダーブロック25は、例えば、ショルダー第1部分20とショルダー第2部分21とで区分されている。
【0050】
クラウンブロック26は、ショルダーブロック25よりも高い接地圧が作用する。本実施形態では、前記六角形状のブロック19がクラウンブロック26とされているので、耐摩耗性能が一層高められる。
【0051】
本実施形態では、クラウン縦溝3Bと第2横溝18とで三叉状の溝交差部(以下、この溝交差部を「クラウン溝交差部」という。)30が形成される。また、クラウンブロック26には、クラウン溝交差部30に対向する位置に、クラウン縦溝3B側に凸となるコーナ部(以下、このコーナ部を「クラウンコーナ部」という。)31を有している。
【0052】
クラウンコーナ部31は、本実施形態では、コーナ部7と実質的に同じ形状で形成されている。本明細書では、コーナ部7と実質的に同じクラウンコーナ部31の部分は、その詳細な説明が省略され、コーナ部7と異なる部分が説明される。
【0053】
図4は、図3のB-B線断面図である。図4に示されるように、クラウンコーナ部31は、踏面9と第4側壁面33とを有している。第4側壁面33は、例えば、トレッド法線nに対して1~9度の角度δで、タイヤ半径方向外側に向かってトレッド端Te側に傾斜している。このようなクラウンコーナ部31も、クラウン溝交差部30に挟まった石等を、タイヤ1の転動を利用して、第2横溝18側へ押し出してクラウン溝交差部30から排出することができる。第4側壁面33の角度δも、第1側壁面10の角度αと同様に、5度以下であるのがさらに望ましい。
【0054】
図3に示されるように、第4側壁面33は、本実施形態では、クラウン第1部分22とクラウン第2部分23とに跨るように形成されている。これにより、耐石噛み性能がさらに高められる。
【0055】
第2横溝18は、例えば、溝底18sが隆起したクラウンタイバー35が設けられている。このようなクラウンタイバー35も、耐石噛み性能を向上する。また、クラウンタイバー35は、クラウンブロック26の剛性を高めるので、低μ路性能や耐摩耗性能も向上する。
【0056】
図4に示されるように、クラウンタイバー35は、第2横溝18の溝深さd2が最も小さくなる部分を形成するクラウン浅底面36と、クラウン浅底面36の長手方向の両側に配されて縦溝3側へ向かってタイヤ半径方向内側に傾斜する一対のクラウン側壁面37とを含んでいる。
【0057】
特に限定されるものではないが、クラウン浅底面36の深さd2aは、第2横溝18の深さ(最大深さ)d2の55%以上が望ましく、60%以上がより望ましい。クラウン浅底面36の深さd2aは、第2横溝18の溝深さd2の75%以下が望ましく、70%以下がより望ましい。
【0058】
各クラウン側壁面37は、トレッド法線nに対して第4側壁面33の角度δよりも大きい角度ζで傾斜しているのが望ましい。これにより、第4側壁面33によって第2横溝18側へ押し出された石等に、タイヤ半径方向外側への力が付与されて、第2横溝18からスムーズに石等が排出される。クラウン側壁面37の角度ζは、5~10度であるのがさらに望ましい。
【0059】
図5は、トレッド部2を展開した平面図である。図5に示されるように、クラウンタイバー35のタイヤ軸方向の長さL5は、クラウンブロック26のタイヤ軸方向の最大幅Wtの45%~55%であるのが望ましい。クラウンタイバー35の長さL5が、クラウンブロック26の最大幅Wtの45%以上であるので、第2横溝18の変形が大きく抑制される。クラウンタイバー35の長さL5が、クラウンブロック26の最大幅Wtの55%以下であるので、スノー性能が高く維持される。クラウンタイバー35の長さL5は、クラウン浅底面36のタイヤ軸方向の長さである。
【0060】
タイバー8及びクラウンタイバー35には、本実施形態では、それぞれ、切込状のサイプ状部39が形成されている。このようなサイプ状部39は、第1横溝4及び第2横溝18の剛性を適度に低下させて、各ブロック25、26の接地時に、各横溝4、18を変形させるので、これら横溝4、18内に挟まってしまった石等を排出するのに役立つ。
【0061】
本明細書において、「サイプ状部」及び後述する「サイプ」は、幅が1.5mm未満のものであって、溝幅が1.5mm以上の縦溝3等の溝とは明瞭に区別される。本明細書において、サイプ状部は、溝の溝底に形成される切込状体であり、サイプは、陸部の踏面に形成される切込状体である。
【0062】
タイバー8に設けられたサイプ状部(以下、「ショルダーサイプ状部」という。)39Aは、本実施形態では、第2側壁面14に連通することなく浅底面15内で終端している。また、ショルダーサイプ状部39Aは、例えば、第3側壁面16に連通することなく浅底面15内で終端している。ショルダーサイプ状部39Aは、本実施形態では、浅底面15のタイヤ周方向の中央部に配されている。
【0063】
クラウンタイバー35に設けられたサイプ状部(以下、「クラウンサイプ状部」という。)39Bは、本実施形態では、クラウン浅底面36に設けられ、両側のクラウン側壁面37まで延びて終端している。クラウンサイプ状部39Bは、例えば、クラウン浅底面36のタイヤ周方向の中央部に配されている。
【0064】
クラウンサイプ状部39Bのタイヤ軸方向の長さL6とクラウンタイバー35の長さL5との比(L6/L5)は、例えば、ショルダーサイプ状部39Aのタイヤ軸方向の長さL7とタイバー8の長さL3との比(L7/L3)よりも大きく形成されている。これにより、第2横溝18の変形が高められるので、相対的に大きな接地圧が作用するクラウンブロック26、26間に挟まれた石等が、スムーズに排出することができる。
【0065】
特に限定されるものではないが、ショルダーサイプ状部39Aの長さL7とタイバー8の長さL3との比(L7/L3)は、0.50以上が望ましく、0.55以上がさらに望ましい。前記比(L7/L3)は、0.70以下が望ましく、0.65以下がさらに望ましい。クラウンサイプ状部39Bの長さL6とクラウンタイバー35の長さL5との比(L6/L5)は、0.80以上が望ましく、0.85以上がさらに望ましい。
【0066】
図6は、本実施形態のトレッド部2を展開した平面図である。図6に示されるように、クラウンブロック26には、タイヤ軸方向に延びるサイプ40が設けられる。このようなサイプ40は、引掻き効果を発揮して、低μ路性能を高める。
【0067】
サイプ40は、その長手方向及び深さ方向にジグザグ状に延びている。このようなサイプ40は、クラウンブロック26の剛性の低下を抑制し、低μ路性能を維持しつつ、耐摩耗性能を高めることができる。サイプ40は、例えば、所謂、ミウラ折りといわれる3次元形状を有している。
【0068】
サイプ40は、クラウンブロック26に少なくとも2本設けられる。これにより、上述の作用が高められる。本実施形態の各クラウンブロック26には、それぞれ3本のサイプ40が設けられる。
【0069】
サイプ40は、両端がクラウンブロック26内で終端する第1サイプ40Aと、両端が第1側壁面10と第4側壁面33とに連なる第2サイプ40Bとを含んでいる。第1サイプ40A及び第2サイプ40Bは、例えば、いずれも、その長手方向及び深さ方向にジグザグ状に延びている。
【0070】
サイプ40のタイヤ軸方向の長さW2は、クラウンブロック26の最大幅Wtの35%~55%であるのが望ましい。このようなサイプ40は、低μ路性能と耐摩耗性能とをバランスよく高める。本実施形態のサイプ40は、第1サイプ40Aが上述の長さとされている。
【0071】
クラウンブロック26は、縦溝3と第2横溝18とが交差する領域に面する角部41を有している。角部41は、クラウン縦溝3Bと第2横溝18との交差領域に面する第1角部41Aと、ショルダー縦溝3Aと第2横溝18との交差領域に面する第2角部41Bとを含んでいる。本実施形態のクラウンブロック26は、トレッド平面視において、同じ第2横溝18に面する第1角部41Aと第2角部41Bとを比較して、これらの内角θの小さい方の角部41にダイヤカット42が設けられる。ダイヤカット42は、踏面9から縦溝3と第2横溝18とに向かってタイヤ半径方向の内側に傾斜する傾斜面42aである。傾斜面42aは、トレッド平面視において、三角形状である。このようなダイヤカット42は、低μ路性能を維持しつつ、耐摩耗性能を高める。
【0072】
クラウンブロック26のタイヤ軸方向の最小幅Wcは、クラウンブロック26の最大幅Wtの60%~70%であるのが望ましい。このようなクラウンブロック26は、第2横溝18内に石等が挟まれるのを抑制しつつ、タイヤ軸方向のエッジ成分を高めて、スノー性能や低μ路性能を高める。
【0073】
クラウンブロック26のタイヤ周方向の長さLcは、クラウンブロック26のタイヤ周方向の1ピッチP1の75%~85%であるのが望ましい。このようなクラウンブロック26は、大きなタイヤ周方向の剛性を有するので、低μ路性能や耐摩耗性能を高める。
【0074】
ショルダーブロック25のタイヤ周方向の長さLsは、ショルダーブロック25のタイヤ周方向の1ピッチP2の75%~85%であるのが望ましい。このようなショルダーブロック25は、大きなタイヤ周方向の剛性を有するので、低μ路性能や耐摩耗性能をバランスよく高める。
【0075】
ショルダーブロック25と第1横溝4とで形成されるショルダー陸部5sのランド比は、70%~90%であるのが望ましい。これにより、耐摩耗性能と低μ路性能とがバランスよく高められる。
【0076】
各縦溝3の溝幅Wa(図1に示す)は、例えば、トレッド幅の2.0%~8.0%であるのが望ましい。各縦溝3の溝深さD(図4に示す)は、重荷重用空気入りタイヤの場合、例えば、20~30mmであるのが望ましい。第1横溝4及び第2横溝18の溝幅Wbは、例えば、トレッド幅の2.0%~8.0%であるのが望ましい。第1横溝4の溝深さ(浅底面15の深さ)d1a及び第2横溝18の溝深さ(クラウン浅底面36の深さ)d2aは、縦溝3の溝深さDの30%~70%であるのが望ましい。
【0077】
図7(a)は、他の実施形態のコーナ部7の斜視図である。本実施形態のコーナ部7と同じ構成には同じ符号が付されて、その詳細な説明が省略される。この実施形態のコーナ部7は、第1側壁面10のタイヤ周方向の長さL1が、踏面9から溝底3sに向かって小さくなっている。このような第1側壁面10は、陸部5の剛性低下を抑えるとともに、耐石噛み性能を高く維持する。
【0078】
図7(b)は、さらに他の実施形態のコーナ部7の斜視図である。本実施形態のコーナ部7と同じ構成には同じ符号が付されて、その詳細な説明が省略される。この実施形態のコーナ部7は、第1側壁面10が溝底3sに達することなく終端している。このようなコーナ部7は、さらに、陸部5の剛性低下を抑えるとともに、耐石噛み性能を維持する。
【0079】
以上、本発明の一実施形態のタイヤが詳細に説明されたが、本発明は、上記の具体的な実施形態に限定されることなく、種々の態様に変更して実施される。
【実施例
【0080】
図3の基本パターンを有するサイズ205/85R16のライトトラック用の空気入りタイヤが、表1及び表2の仕様に基づき試作された。そして、各試供タイヤの耐石噛み性能、耐摩耗性能、スノー性能、低μ路性能がテストされた。各試供タイヤの共通仕様やテスト方法は、以下の通りである。
装着リム:16×5.5J
タイヤ内圧:600kPa
第1サイプの長さ(W2/Wc):45%
第1横溝の溝深さ(d2a/D):50%
クラウンタイバーの長さ(L5/Wt):50%
サイプの本数:3本
縦溝:ジグザグ状
ダイヤカット:有り
クラウンサイプ状部:有り
主側壁面の角度γ:5度
【0081】
<耐石噛み性能・耐摩耗性能>
各試供タイヤが、排気量が3000ccの2-D車(無積載)の全輪に装着された。テストドライバーがこの車両を砂利路面にて走行させた。走行後、テストドライバーの目視によって、石噛みや摩耗(偏摩耗及び溝深さ)の状態が確認され、耐石噛み性能及び耐摩耗性能がテストドライバーの官能によって評価された。結果は、実施例1の耐石噛み性能及び耐摩耗性を100とする評点で示される。両性能とも、数値が大きい程、優れている。比較例1には、第1側壁面が設けられていない(主側壁面のみで形成されている)態様である。
【0082】
<スノー性能・低μ路性能>
テストドライバーが、上記車両を用いて、雪路及び鉄板を敷き詰めた路面を走行した。このときの操縦安定性やトラクション性が、テストドライバーの官能によって評価された。結果は、いずれも、実施例1を100とする評点で示される。両性能とも、95以上が合格である。
テスト結果が表1及び表2に示される。
【0083】
【表1】
【0084】
【表2】
【0085】
テストの結果、実施例のタイヤは、耐石噛み性能に優れていることが理解できる。また、実施例のタイヤは、スノー性能及び低μ路性能を維持しつつ、耐摩耗性能にも優れていることが理解できる。
【符号の説明】
【0086】
1 タイヤ
2 トレッド部
3 縦溝
4 第1横溝
5 陸部
6 溝交差部
7 コーナ部
9 踏面
10 第1側壁面
F1 第1の側
F2 第2の側
n トレッド法線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7