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特許7516861ダイレクトメール作成支援装置、ダイレクトメール作成支援方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】ダイレクトメール作成支援装置、ダイレクトメール作成支援方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0201 20230101AFI20240709BHJP
【FI】
G06Q30/0201
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020089959
(22)【出願日】2020-05-22
(65)【公開番号】P2021184212
(43)【公開日】2021-12-02
【審査請求日】2023-02-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】大橋 一輝
(72)【発明者】
【氏名】中村 栄佑
(72)【発明者】
【氏名】徳永 大輝
【審査官】野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-123738(JP,A)
【文献】特開2002-015115(JP,A)
【文献】特開2006-048413(JP,A)
【文献】特開2002-024661(JP,A)
【文献】特開2006-215593(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイレクトメールの対象に関する属性を示す属性情報を入力条件として取得する条件取得部と、
前記属性情報と、前記ダイレクトメールの媒体に関する物理的な要素を示す要素情報と、前記ダイレクトメールが開封されたか否かを示す開封情報とを対応付けた過去の実績における学習データから機械学習により生成された開封率を推定する分析モデルと、前記条件取得部が取得した前記入力条件とに基づいて、前記開封率を推定する推定処理部と、
前記推定処理部が推定した前記開封率に基づいて、前記入力条件に対して推奨される前記要素の条件を決定する最適化処理部と
を備え、
前記入力条件は、予め定められた複数の前記属性情報のうちから選択された属性情報であり、
前記推定処理部は、前記入力条件と、前記要素の条件として、予め定められた複数の前記要素情報のうちから選択された要素情報と、前記分析モデルとに基づいて、前記開封率を推定し、
前記最適化処理部は、前記要素の条件を変更して前記推定処理部に前記開封率を推定させ、変更した前記要素の条件のうちで前記開封率が最も高い前記要素の条件を、推奨される前記要素の条件として決定する
ことを特徴とするダイレクトメール作成支援装置。
【請求項2】
前記最適化処理部は、
所定の数の前記要素の条件を選択し、前記所定の数の前記要素の条件のうち、前記開封率が最も高い前記要素の条件を選択する第1の処理と、
さらに選択した当該開封率が最も高い前記要素の条件の一部の要素を変更した前記所定の数の前記要素の条件を選択し、前記所定の数の前記要素の条件のうち、前記開封率が最も高い前記要素の条件を選択する第2の処理とを実行し、
前記第2の処理を所定の回数繰り返して、前記開封率が最も高い前記要素の条件を決定する
ことを特徴とする請求項に記載のダイレクトメール作成支援装置。
【請求項3】
前記学習データから機械学習により前記分析モデルを生成する学習処理部を備える
ことを特徴とする請求項1又は請求項に記載のダイレクトメール作成支援装置。
【請求項4】
前記学習データには、前記ダイレクトメールに対する行動に関するアクション情報が含まれ、
前記分析モデルは、前記開封率及び前記ダイレクトメールに対する行動の有無の確率を示すアクション率を推定し、
前記最適化処理部は、前記推定処理部が推定した前記開封率及びアクション率に基づいて、前記入力条件に対して推奨される前記要素の条件を決定する
ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載のダイレクトメール作成支援装置。
【請求項5】
条件取得部が、ダイレクトメールの対象に関する属性を示す属性情報を入力条件として取得する条件取得ステップと、
推定処理部が、前記属性情報と、前記ダイレクトメールの媒体に関する物理的な要素を示す要素情報と、前記ダイレクトメールが開封されたか否かを示す開封情報とを対応付けた過去の実績における学習データから機械学習により生成された開封率を推定する分析モデルと、前記条件取得ステップによって取得された前記入力条件とに基づいて、前記開封率を推定する推定処理ステップと、
最適化処理部が、前記推定処理ステップによって推定された前記開封率に基づいて、前記入力条件に対して推奨される前記要素の条件を決定する最適化処理ステップと
を含み、
前記入力条件は、予め定められた複数の前記属性情報のうちから選択された属性情報であり、
前記推定処理ステップにおいて、前記推定処理部が、前記入力条件と、前記要素の条件として、予め定められた複数の前記要素情報のうちから選択された要素情報と、前記分析モデルとに基づいて、前記開封率を推定し、
前記最適化処理ステップにおいて、前記最適化処理部が、前記要素の条件を変更して前記推定処理部に前記開封率を推定させ、変更した前記要素の条件のうちで前記開封率が最も高い前記要素の条件を、推奨される前記要素の条件として決定する
ことを特徴とするダイレクトメール作成支援方法。
【請求項6】
コンピュータに、
ダイレクトメールの対象に関する属性を示す属性情報を入力条件として取得する条件取得ステップと、
前記属性情報と、郵便物である前記ダイレクトメールの媒体に関する物理的な要素を示す要素情報であって、前記ダイレクトメールの送付媒体の種類及び記載内容を含む要素情報と、前記ダイレクトメールが開封されたか否かを示す開封情報とを対応付けた過去の実績における学習データから機械学習により生成された開封率を推定する分析モデルと、前記条件取得ステップによって取得された前記入力条件とに基づいて、前記開封率を推定する推定処理ステップと、
前記推定処理ステップによって推定された前記開封率に基づいて、前記入力条件に対して推奨される前記要素の条件を決定する最適化処理ステップと
を実行させ、
前記入力条件は、予め定められた複数の前記属性情報のうちから選択された属性情報であり、
前記推定処理ステップにおいて、前記入力条件と、前記要素の条件として、予め定められた複数の前記要素情報のうちから選択された要素情報と、前記分析モデルとに基づいて、前記開封率を推定し、
前記最適化処理ステップにおいて、前記要素の条件を変更して前記推定処理ステップにて前記開封率を推定させ、変更した前記要素の条件のうちで前記開封率が最も高い前記要素の条件を、推奨される前記要素の条件として決定する
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイレクトメール作成支援装置、ダイレクトメール作成支援方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、販売促進の手法として、ダイレクトメールが広く利用されている。ダイレクトメールを作成する従来技術として、顧客の属性に応じて、予め登録された印刷パターンを選択する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-48413号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ダイレクトメールは、送付する送付物の形状、種類、記載内容、記載位置などが変更可能であり、複雑で多岐に亘っている。そのため、上述した従来技術では、このように複雑で多岐に亘るダイレクトメールの最適な条件を提案することは困難であった。
【0005】
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、ダイレクトメールのより最適な条件を提案することができるダイレクトメール作成支援装置、ダイレクトメール作成支援方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために、本発明の一態様は、ダイレクトメールの対象に関する属性を示す属性情報を入力条件として取得する条件取得部と、前記属性情報と、郵便物である前記ダイレクトメールの媒体に関する物理的な要素を示す要素情報、前記ダイレクトメールが開封されたか否かを示す開封情報とを対応付けた過去の実績における学習データから機械学習により生成された開封率を推定する分析モデルと、前記条件取得部が取得した前記入力条件とに基づいて、前記開封率を推定する推定処理部と、前記推定処理部が推定した前記開封率に基づいて、前記入力条件に対して推奨される前記要素の条件を決定する最適化処理部とを備え、前記入力条件は、予め定められた複数の前記属性情報のうちから選択された属性情報であり、前記推定処理部は、前記入力条件と、前記要素の条件として、予め定められた複数の前記要素情報のうちから選択された要素情報と、前記分析モデルとに基づいて、前記開封率を推定し、前記最適化処理部は、前記要素の条件を変更して前記推定処理部に前記開封率を推定させ、変更した前記要素の条件のうちで前記開封率が最も高い前記要素の条件を、推奨される前記要素の条件として決定することを特徴とするダイレクトメール作成支援装置である。
【0008】
また、本発明の一態様は、上記のダイレクトメール作成支援装置において、前記最適化処理部は、所定の数の前記要素の条件を選択し、前記所定の数の前記要素の条件のうち、前記開封率が最も高い前記要素の条件を選択する第1の処理と、さらに選択した当該開封率が最も高い前記要素の条件の一部の要素を変更した前記所定の数の前記要素の条件を選択し、前記所定の数の前記要素の条件のうち、前記開封率が最も高い前記要素の条件を選択する第2の処理とを実行し、前記第2の処理を所定の回数繰り返して、前記開封率が最も高い前記要素の条件を決定することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の一態様は、上記のダイレクトメール作成支援装置において、前記学習データから機械学習により前記分析モデルを生成する学習処理部を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の一態様は、上記のダイレクトメール作成支援装置において、前記学習データには、前記ダイレクトメールに対する行動に関するアクション情報が含まれ、前記分析モデルは、前記開封率及び前記ダイレクトメールに対する行動の有無の確率を示すアクション率を推定し、前記最適化処理部は、前記推定処理部が推定した前記開封率及びアクション率に基づいて、前記入力条件に対して推奨される前記要素の条件を決定することを特徴とする。
【0012】
た、本発明の一態様は、条件取得部が、ダイレクトメールの対象に関する属性を示す属性情報を入力条件として取得する条件取得ステップと、推定処理部が、前記属性情報と、前記ダイレクトメールの媒体に関する物理的な要素を示す要素情報と、前記ダイレクトメールが開封されたか否かを示す開封情報とを対応付けた過去の実績における学習データから機械学習により生成された開封率を推定する分析モデルと、前記条件取得ステップによって取得された前記入力条件とに基づいて、前記開封率を推定する推定処理ステップと、最適化処理部が、前記推定処理ステップによって推定された前記開封率に基づいて、前記入力条件に対して推奨される前記要素の条件を決定する最適化処理ステップとを含み、前記入力条件は、予め定められた複数の前記属性情報のうちから選択された属性情報であり、前記推定処理ステップにおいて、前記推定処理部が、前記入力条件と、前記要素の条件として、予め定められた複数の前記要素情報のうちから選択された要素情報と、前記分析モデルとに基づいて、前記開封率を推定し、前記最適化処理ステップにおいて、前記最適化処理部が、前記要素の条件を変更して前記推定処理部に前記開封率を推定させ、変更した前記要素の条件のうちで前記開封率が最も高い前記要素の条件を、推奨される前記要素の条件として決定することを特徴とするダイレクトメール作成支援方法である。
【0013】
た、本発明の一態様は、コンピュータに、ダイレクトメールの対象に関する属性を示す属性情報を入力条件として取得する条件取得ステップと、前記属性情報と、郵便物である前記ダイレクトメールの媒体に関する物理的な要素を示す要素情報であって、前記ダイレクトメールの送付媒体の種類及び記載内容を含む要素情報と、前記ダイレクトメールが開封されたか否かを示す開封情報とを対応付けた過去の実績における学習データから機械学習により生成された開封率を推定する分析モデルと、前記条件取得ステップによって取得された前記入力条件とに基づいて、前記開封率を推定する推定処理ステップと、前記推定処理ステップによって推定された前記開封率に基づいて、前記入力条件に対して推奨される前記要素の条件を決定する最適化処理ステップとを実行させ、前記入力条件は、予め定められた複数の前記属性情報のうちから選択された属性情報であり、前記推定処理ステップにおいて、前記入力条件と、前記要素の条件として、予め定められた複数の前記要素情報のうちから選択された要素情報と、前記分析モデルとに基づいて、前記開封率を推定し、前記最適化処理ステップにおいて、前記要素の条件を変更して前記推定処理ステップにて前記開封率を推定させ、変更した前記要素の条件のうちで前記開封率が最も高い前記要素の条件を、推奨される前記要素の条件として決定するプログラムである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ダイレクトメールのより最適な条件を提案することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1の実施形態によるDM作成支援システムの一例を示すブロック図である。
図2】第1の実施形態におけるDM属性の項目の一例を示す図である。
図3】第1の実施形態における要素の項目の一例を示す図である。
図4】第1の実施形態における学習データ記憶部のデータ例を示す図である。
図5】第1の実施形態における入力条件及び出力結果の一例を示す図である。
図6】第1の実施形態における学習処理の一例を示すフローチャートである。
図7】第1の実施形態における最適化処理の一例を示すフローチャートである。
図8】第2の実施形態によるDM作成支援装置の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態によるダイレクトメール作成支援装置、及びダイレクトメール作成支援方法について、図面を参照して説明する。
【0017】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態によるDM作成支援システム100の一例を示すブロック図である。なお、以下の説明において、ダイレクトメールをDMと表記することがある。
【0018】
図1に示すように、DM作成支援システム100は、DM作成支援装置1と、モデル生成装置2とを備える。
また、モデル生成装置2は、ダイレクトメールの過去の送付の実績データから、開封率及びアクション率を推定する分析モデルを生成する。モデル生成装置2は、記憶部21と、制御部22とを備える。
【0019】
記憶部21は、モデル生成装置2が利用する各種情報を記憶する。記憶部21は、例えば、学習データ記憶部211と、分析モデル記憶部212とを備える。
学習データ記憶部211は、ダイレクトメールの過去の送付の実績における、DM属性情報と、要素情報と、少なくとも開封情報とを対応付けた学習データを記憶する。
【0020】
ここで、DM属性情報は、ダイレクトメールの対象に関する属性を示す属性情報である。なお、ダイレクトメールの対象には、ダイレクトメールの送付対象、ダイレクトメールの対象商品などが含まれる。DM属性の項目は、例えば、図2に示す項目が含まれる。
【0021】
図2は、本実施形態におけるDM属性の項目の一例を示す図である。
図2において、「DM属性の分類」には、例えば、“業種”、“リプライ”、“個人法人”、“商品”、“職業”、“性別”、“年齢”、及び“目的”などの項目が含まれている。
【0022】
また、各項目のDM属性情報には、入力条件として選択されている場合に“1”が設定され、入力条件として選択されていない場合に“0”が設定される。学習データ記憶部211は、入力条件として、“0”又は“1”が設定された複数のDM属性情報が対応付けられて記憶されている。
【0023】
また、要素情報は、ダイレクトメールの媒体に関する物理的な要素を示す情報であり、例えば、はがきなどの送付媒体の種類や記載内容などが含まれている。要素の項目には、例えば、図3に示す項目が含まれる。
【0024】
図3は、本実施形態における要素の項目の一例を示す図である。
図3において、各要素の項目の“_”により区切られた用語は、各要素の分類(大分類、中分類、小分類など)を示している。
【0025】
また、各項目の要素情報には、要素の条件として選択されている場合に“1”が設定され、要素の条件として選択されていない場合に“0”が設定される。学習データ記憶部211は、要素の条件として、“0”又は“1”が設定された複数の要素情報が対応付けられて記憶されている。
【0026】
また、図4は、本実施形態における学習データ記憶部211のデータ例を示す図である。
図4に示すように、学習データ記憶部211は、学習データとして、複数のDM属性情報と、複数の要素情報と、「開封フラグ」とが対応付けられた過去の実績データを複数サンプル分記憶している。ここで、「開封フラグ」は、ダイレクトメールが開封されたか否かを示す開封情報の一例であり、“1”である場合に、開封されたことを示し、“0”である場合に、開封されていないことを示している。
【0027】
また、学習データには、「アクションフラグ」が含まれ、「アクションフラグ」は、ダイレクトメールに対して送付先の対象者の何らかの行動(アクション)があったか否かを示している。「アクションフラグ」は、“1”である場合に、何らか行動(アクション)があったことを示し、“0”である場合に、行動(アクション)がなかったことを示している。
【0028】
また、「A概要_リプライ_WEB」、「A概要_リプライ_電話」、及び「A概要_リプライ_郵送」は、アクションの種類を示し、それぞれは、“1”である場合に、当該アクションが行われたことを示している。「アクションフラグ」、「A概要_リプライ_WEB」、「A概要_リプライ_電話」、及び「A概要_リプライ_郵送」は、ダイレクトメールに対する行動に関するアクション情報の一例である。
【0029】
なお、本実施形態において、学習データ記憶部211は、過去の実績における図4に示すような学習データを、予め記憶しているものとする。
【0030】
図1の説明に戻り、分析モデル記憶部212は、上述した学習データに基づいて、機械学習により生成された分析モデルを記憶する。ここで、分析モデルは、例えば、上述した入力条件及び要素の条件から開封率及びアクション率を推定する学習モデルである。
ここで、開封率とは、ダイレクトメールか開封される確率を示し、アクション率とは、ダイレクトメールに対するアクションが行われる確率を示している。
【0031】
制御部22は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などを含むプロセッサであり、モデル生成装置2を統括的に制御する。制御部22は、学習データ取得部221と、学習処理部222とを備える。
【0032】
学習データ取得部221は、学習データ記憶部211が記憶する、上述した図4に示すような複数のDM属性情報(入力条件)と、複数の要素情報(要素の条件)と、開封情報及びアクション情報とを対応付けた過去の実績における学習データを取得する。
【0033】
学習処理部222は、学習データ取得部221が取得した学習データから機械学習により、開封率及びアクション率を推定する分析モデルを生成する。学習処理部222は、例えば、機械学習フレームワークであるLightGBM(ライト・ジービーエム)を用いて、目的変数である開封フラグ及びアクションフラグが“1”になる確率を算出するモデルを、分析モデルとして生成する。ここで、LightGBMは、決定木に基づく勾配ブースティングモデリング手法である。
【0034】
また、学習処理部222は、生成した分析モデルを分析モデル記憶部212に記憶させる。
なお、制御部22は、外部装置(例えば、DM作成支援装置など)の要求に応じて、分析モデル記憶部212が記憶する分析モデルを外部に出力する。
【0035】
DM作成支援装置1(ダイレクトメール作成支援装置の一例)は、予め定められた複数のDM属性情報のうちから選択されたDM属性情報を入力条件として、当該入力条件に対して、ダイレクトメールに推奨される要素の情報を出力結果として出力する。また、DM作成支援装置1は、記憶部11と、制御部12とを備える。
【0036】
記憶部11は、DM作成支援装置1が利用する各種情報を記憶する。記憶部11は、分析モデル記憶部111と、入力条件記憶部112と、要素条件記憶部113と、推定結果記憶部114とを備える。
【0037】
分析モデル記憶部111は、上述したモデル生成装置2の学習処理部222が生成した分析モデルを記憶する。
入力条件記憶部112は、上述した入力条件(予め定められた複数のDM属性情報のうちから選択されたDM属性情報)を記憶する。
【0038】
要素条件記憶部113は、要素の条件(予め定められた複数の要素情報のうちから選択された要素情報)を記憶する。要素条件記憶部113は、例えば、100通り(所定の数)の要素の条件を記憶する。
推定結果記憶部114は、上述した分析モデルに基づいて、上述した100通り(所定の数)の要素の条件に対する開封率及びアクション率を記憶する。
【0039】
制御部12は、例えば、CPUなどを含むプロセッサであり、DM作成支援装置1を統括的に制御する。制御部12は、上述したモデル生成装置2の出力した分析モデルを分析モデル記憶部111に記憶させる。制御部12は、条件取得部121と、推定処理部122と、最適化処理部123とを備える。
【0040】
条件取得部121は、ダイレクトメールの対象に関する属性を示すDM属性情報(属性情報)を入力条件として取得する。条件取得部121は、外部から力条件として取得を取得し、入力条件記憶部112に記憶させる。
【0041】
推定処理部122は、分析モデル記憶部111が記憶する分析モデルと、条件取得部121が取得した入力条件とに基づいて、開封率及びアクション率を推定する。推定処理部122は、例えば、入力条件記憶部112が記憶する入力条件と、要素条件記憶部113が記憶する100通り(所定の数)の要素の条件のそれぞれとから、分析モデルを用いて、100通り分の開封率及びアクション率を推定する。推定処理部122は、推定結果(開封率及びアクション率)を、推定結果記憶部114に記憶させる。
【0042】
最適化処理部123は、推定処理部122が推定した開封率(及びアクション率)に基づいて、入力条件に対して推奨される要素の条件を決定する。最適化処理部123は、要素の条件を変更して推定処理部122に開封率を推定させ、変更した要素の条件のうちで開封率(及び/又はアクション率)が最も高い要素の条件を、推奨される要素の条件として決定する。
【0043】
最適化処理部123は、例えば、遺伝的アルゴリズムを用いて、開封率(及び/又はアクション率)が最も高い最適な要素の条件を決定する。なお、遺伝的アルゴリズムは、例えば、汎用のプログラミング言語であるPython(パイソン)のDEAPライブラリを利用することで実現可能である。
具体的に、最適化処理部123は、以下の(1)~(3)の処理を実行する。
【0044】
(1)最適化処理部123は、まず、第1の処理として、所定の数の要素の条件を選択し、所定の数の要素の条件のうち、開封率(及び/又はアクション率)が最も高い要素の条件を選択する。ここで、最適化処理部123は、例えば、乱数を用いて、ランダムに組み合わせパターンの異なる100通りの要素の条件を生成し、推定処理部122に、各要素の条件に対応する開封率(及びアクション率)を生成させる。最適化処理部123は、100通りの開封率(及びアクション率)のうちから、開封率(及び/又はアクション率)が最も高い要素の条件を選択する。
【0045】
(2)最適化処理部123は、第2の処理として、さらに選択した当該開封率(及び/又はアクション率)が最も高い要素の条件の一部の要素を変更した所定の数の要素の条件を選択し、所定の数の要素の条件のうち、開封率が最も高い要素の条件を選択する。すなわち、最適化処理部123は、(1)において選択した要素の条件の一部を、例えば、乱数を用いてランダムに変更した新たな100通りの要素の条件を生成し、推定処理部122に、各要素の条件に対応する開封率(及びアクション率)を生成させる。最適化処理部123は、100通りの開封率(及びアクション率)のうちから、開封率(及び/又はアクション率)が最も高い要素の条件を選択する。
【0046】
(3)最適化処理部123は、(2)の処理(第2の処理)を、所定の回数(例えば、100回など)繰り返して、開封率(及び/又はアクション率)が最も高い要素の条件を、推奨される要素の条件として決定する。
【0047】
なお、最適化処理部123は、開封率とアクション率とのいずれか一方により、推奨される要素の条件を決定してもよいし、開封率とアクション率との両方により、推奨される要素の条件を決定してもよい。また、最適化処理部123は、開封率とアクション率とのそれぞれに対応する推奨される要素の条件を決定するようにしてもよい。
【0048】
また、最適化処理部123は、決定した推奨される要素の条件を出力結果として、外部に出力する。
図5は、本実施形態における入力条件及び出力結果の一例を示す図である。
【0049】
図5(a)は、選択されたDM属性情報である入力条件の一例を示している。また、図5(b)は、図5(a)の入力条件に対して、DM作成支援装置1が出力した出力結果(推奨される要素の条件)の一例を示している。
すなわち、図5において、DM作成支援装置1は、図5(a)に示す入力条件に対して、図5(b)に示す出力結果を出力する。
【0050】
次に、図面を参照して、本実施形態によるDM作成支援システム100(DM作成支援装置1及びモデル生成装置2)の動作について説明する。
まず、図6を参照して、本実施形態における分析モデルを生成する学習処理について説明する。
【0051】
図6は、本実施形態における学習処理の一例を示すフローチャートである。
図6に示すように、モデル生成装置2の学習データ取得部221は、学習データを取得する(ステップS101)。学習データ取得部221は、例えば、学習データ記憶部211から学習データを取得する。
【0052】
なお、学習データは、過去の実績における学習データであり、学習データには、複数のDM属性情報と複数の要素情報と、開封フラグ及びアクションフラグとを対応付けたデータの組(ダイレクトメールの実績データ)が複数含まれている。学習データは、例えば、複数の“0”と“1”とで表されるデータ列であり、選択されたDM属性情報及び要素情報が“1”であり、選択されていないDM属性情報及び要素情報が“0”である。また、学習データのうち、目的変数である開封フラグは、“1”が開封を示し、“0”が未開封を示す。また、学習データのうち、目的変数であるアクションフラグは、“1”が何らかのアクションがあったことを示し、“0”がアクションがなかったことを示す。
【0053】
次に、モデル生成装置2の学習処理部222は、学習データから機械学習により開封率及びアクション率を推定する分析モデルを生成する(ステップS102)。学習処理部222は、例えば、LightGBMを用いて、目的変数である開封フラグ及びアクションフラグが“1”になる確率を算出するモデルを、分析モデルとして生成する。
【0054】
次に、学習処理部222は、生成した分析モデルを、分析モデル記憶部212に記憶させる(ステップS103)。ステップS103の処理後に、学習処理部222は、学習処理を終了する。
【0055】
なお、モデル生成装置2は、学習処理部222が記憶する分析モデルを、DM作成支援装置1に送信し、DM作成支援装置1の制御部12は、モデル生成装置2が生成した分析モデルを分析モデル記憶部111に記憶させる。
【0056】
次に、図7を参照して、入力条件がら推奨されるダイレクトメールの要素の条件を出力する本実施形態における最適化処理について説明する。
図7は、本実施形態における最適化処理の一例を示すフローチャートである。
【0057】
図7に示すように、DM作成支援装置1の条件取得部121は、入力条件(選択されたDM属性情報)を取得する(ステップS201)。条件取得部121は、DM作成支援装置1の外部から入力条件(例えば、図5(a)参照)を取得し、取得した入力条件を入力条件記憶部112に記憶させる。
【0058】
次に、DM作成支援装置1の最適化処理部123は、ランダムに要素情報を選択して、組み合わせパターンの異なる所定の数の要素の条件を生成する(ステップS202)。最適化処理部123は、例えば、ランダムに100通りの要素の条件を生成する。最適化処理部123は、生成した100通りの要素の条件を要素条件記憶部113に記憶させる。
【0059】
次に、DM作成支援装置1の推定処理部122は、入力条件と、所定の数の要素の条件のそれぞれと、分析モデルとから開封率及びアクション率を生成する(ステップS203)。推定処理部122は、例えば、最適化処理部123からの要求に応じて、入力条件記憶部112が記憶する入力条件と、要素条件記憶部113が記憶する100通りの要素の条件のそれぞれと、分析モデル記憶部111が記憶する分析モデルとから、100通りの要素の条件のそれぞれに対応する開封率及びアクション率を生成する。推定処理部122は、生成した開封率及びアクション率を、推定結果記憶部114に記憶させる。
【0060】
次に、最適化処理部123は、所定の数の要素の条件のうちで、開封率及びアクション率が最も高い要素の条件を選択する(ステップS204)。最適化処理部123は、推定結果記憶部114が記憶する100通りの要素の条件のそれぞれに対応する開封率及びアクション率のうちから、開封率(及び/又はアクション率)が最も高い要素の条件を選択する。
【0061】
次に、最適化処理部123は、所定の回数繰り返し実行したか否かを判定する(ステップS205)。最適化処理部123は、上述したステップS204の処理を、例えば、100回(所定の回数)実行したか否かを判定する。最適化処理部123は、100回(所定の回数)実行した場合(ステップS205:YES)に、処理をステップS207に進める。また、最適化処理部123は、100回(所定の回数)実行していない場合(ステップS205:NO)に、処理をステップS206に進める。
【0062】
ステップS206において、最適化処理部123は、選択した要素の条件の一部をランダムに変更して、組み合わせパターンの異なる所定の数の要素の条件を生成する。最適化処理部123は、例えば、選択した要素の条件の一部をランダムに変更した、100通りの要素の条件を生成する。最適化処理部123は、生成した100通りの要素の条件を要素条件記憶部113に記憶させる。ステップS206の処理後に、最適化処理部123は、処理をステップS203に戻し、ステップS205において、100回(所定の回数)実行されるまで、ステップS206、及びステップ203からステップS205の処理を繰り返す。
【0063】
また、ステップS207において、最適化処理部123は、選択した要素の条件を、入力条件に対して推奨される要素の条件に決定する。
次に、最適化処理部123は、決定した要素の条件を出力する(ステップS208)。すなわち、最適化処理部123は、決定した要素の条件を、出力結果(例えば、図5(b)参照)として、DM作成支援装置1の外部に出力する。ステップS208の処理後に、最適化処理部123は、最適化処理を終了する。
【0064】
なお、上述した図7に示すフローチャートにおいて、最初のステップS202からステップS204までの処理が、上述した第1の処理に対応し、ステップ206、ステップS203、及びステップS204の処理が、上述した第2の処理に対応する。
【0065】
以上説明したように、本実施形態によるDM作成支援装置1(ダイレクトメール作成支援装置)は、条件取得部121と、推定処理部122と、最適化処理部123とを備える。条件取得部121は、ダイレクトメールの対象に関する属性を示すDM属性情報(属性情報)を入力条件として取得する。推定処理部122は、DM属性情報と、ダイレクトメールの媒体に関する物理的な要素を示す要素情報と、ダイレクトメールが開封されたか否かを示す開封情報(例えば、開封フラグ)とを対応付けた過去の実績における学習データから機械学習により生成された開封率を推定する分析モデルと、条件取得部121が取得した入力条件とに基づいて、開封率を推定する。最適化処理部123は、推定処理部122が推定した開封率に基づいて、入力条件に対して推奨される要素の条件を決定する。
【0066】
これにより、本実施形態によるDM作成支援装置1は、過去の実績におけるダイレクトメールのDM属性情報と、ダイレクトメールの媒体に関する物理的な要素を示す要素情報とから生成された分析モデルを用いて開封率を推定し、当該開封率に基づいて、入力条件に対して推奨される要素の条件を決定する。そのため、本実施形態によるDM作成支援装置1は、複雑で多岐に亘るダイレクトメールの最適な要素の条件を決定することができる。したがって、本実施形態によるDM作成支援装置1は、ダイレクトメールのより最適な条件を提案することができる。
【0067】
また、本実施形態では、入力条件は、予め定められた複数のDM属性情報のうちから選択されたDM属性情報である。推定処理部122は、入力条件と、要素の条件として、予め定められた複数の要素情報のうちから選択された要素情報と、分析モデルとに基づいて、開封率を推定する。最適化処理部123は、要素の条件を変更して推定処理部122に開封率を推定させ、変更した要素の条件のうちで開封率が最も高い要素の条件を、推奨される要素の条件として決定する。
【0068】
これにより、本実施形態によるDM作成支援装置1は、要素の条件を変更して開封率が最も高い要素の条件を、推奨される要素の条件として決定するという簡易な手法により、適切な要素の条件を効率良く決定することができる。
【0069】
また、本実施形態では、最適化処理部123は、第1の処理と、第2の処理とを実行し、第2の処理を所定の回数繰り返して、開封率が最も高い要素の条件を決定する。最適化処理部123は、第1の処理として、所定の数(例えば、100通り)の要素の条件を選択し、所定の数(例えば、100通り)の要素の条件のうち、開封率が最も高い要素の条件を選択する。最適化処理部123は、第2の処理として、さらに選択した当該開封率が最も高い要素の条件の一部の要素を変更した所定の数(例えば、100通り)の要素の条件を選択し、所定の数(例えば、100通り)の要素の条件のうち、開封率が最も高い要素の条件を選択する。すなわち、最適化処理部123は、遺伝的アルゴリズムを用いて、開封率が最も高い要素の条件を決定する。
【0070】
これにより、本実施形態によるDM作成支援装置1は、推奨される要素の条件として、適切な要素の条件をさらに効率良く、且つ精度良く決定することができる。
【0071】
また、本実施形態では、学習データには、ダイレクトメールに対する行動に関するアクション情報が含まれ、分析モデルは、開封率及びダイレクトメールに対する行動の有無の確率を示すアクション率を推定する。最適化処理部123は、推定処理部122が推定した開封率及びアクション率に基づいて、入力条件に対して推奨される要素の条件を決定する。
【0072】
これにより、本実施形態によるDM作成支援装置1は、推奨される要素の条件として、開封率とともに、アクション率を考慮した要素の条件を提案できるため、ダイレクトメールのさらに最適な条件を提案することができる。
【0073】
また、本実施形態によるダイレクトメール作成支援方法は、条件取得ステップと、推定処理ステップと、最適化処理ステップとを含む。条件取得ステップにおいて、条件取得部121が、ダイレクトメールの対象に関する属性を示すDM属性情報を入力条件として取得する。推定処理ステップにおいて、推定処理部122が、分析モデルと、条件取得ステップによって取得された入力条件とに基づいて、開封率を推定する。ここで、分析モデルは、DM属性情報と、ダイレクトメールの媒体に関する物理的な要素を示す要素情報と、ダイレクトメールが開封されたか否かを示す開封情報とを対応付けた過去の実績における学習データから機械学習により生成され、開封率を推定するモデルである。最適化処理ステップにおいて、最適化処理部123が、推定処理ステップによって推定された開封率に基づいて、入力条件に対して推奨される要素の条件を決定する。
【0074】
これにより、本実施形態によるダイレクトメール作成支援方法は、上述したDM作成支援装置1と同様の効果を奏し、ダイレクトメールのより最適な条件を提案することができる。
【0075】
[第2の実施形態]
次に、図面を参照して、第2の実施形態によるDM作成支援装置1aについて説明する。
本実施形態では、DM作成支援装置1aが、上述したモデル生成装置2の機能を含み変形例について説明する。
【0076】
図8は、本実施形態によるDM作成支援装置1aの一例を示すブロック図である。
図8に示すように、DM作成支援装置1aは、記憶部11aと、制御部12aとを備える。
なお、図8において、図1と同一の構成には、同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0077】
記憶部11aは、分析モデル記憶部111と、入力条件記憶部112と、要素条件記憶部113と、推定結果記憶部114と、学習データ記憶部211とを備える。すなわち、記憶部11aは、上述した第1の実施形態における記憶部11と同様の機能を有するとともに、モデル生成装置2と同様の学習データ記憶部211が追加されている。
【0078】
制御部12aは、条件取得部121と、推定処理部122と、最適化処理部123と、学習データ取得部221と、学習処理部222とを備える。すなわち、制御部12aは、上述した第1の実施形態における制御部12と同様の機能を有するとともに、モデル生成装置2と同様の学習データ取得部221と、学習処理部222とが追加されている。
【0079】
本実施形態では、学習処理部222は、学習データ記憶部211が学習データから機械学習により分析モデルを生成し、生成した分析モデルを分析モデル記憶部111に記憶させる。
なお、学習データ記憶部211、学習データ取得部221、及び学習処理部222の機能は、第1の実施形態と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0080】
また、本実施形態によるDM作成支援装置1aの動作についても、基本的には、図6及び図7に示す第1の実施形態による学習処理及び最適化処理と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0081】
以上で説明したように、本実施形態によるDM作成支援装置1a(又は、第1の実施形態によるモデル生成装置2)は、学習データ取得部221と、学習処理部222とを備える。学習データ取得部221は、ダイレクトメールの対象に関する属性を示すDM属性情報と、ダイレクトメールの媒体に関する物理的な要素を示す要素情報と、ダイレクトメールが開封されたか否かを示す開封情報とを対応付けた過去の実績における学習データを取得する。学習処理部222は、学習データ取得部221が取得した学習データから機械学習により、開封率を推定する分析モデルを生成する。
【0082】
これにより、本実施形態によるDM作成支援装置1a(又は、モデル生成装置2)は、過去の実績におけるダイレクトメールの属性情報(DM属性情報)と、ダイレクトメールの媒体に関する物理的な要素を示す要素情報とを含む学習データから、開封率を推定する分析モデルを生成するため、当該分析モデルを用いて開封率を適切に推定することが可能になる。そのため、本実施形態によるDM作成支援装置1a(又は、モデル生成装置2)は、適切な開封率に基づいて、入力条件に対して推奨される要素の条件を決定することが可能になり、複雑で多岐に亘るダイレクトメールの最適な要素の条件を決定することができる。よって、本実施形態によるDM作成支援装置1a(又は、モデル生成装置2)は、ダイレクトメールのより最適な条件を提案することができる。
【0083】
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記の各実施形態において、最適化処理部123は、100通りの要素の条件を生成し、開封率(及び/又はアクション率)が最も高い要素の条件の一部を変更した100通りの要素の条件を生成する例を説明したが、これに限定されるものではなく、100通り以外の所定の数であってもよい。
【0084】
また、上記の各実施形態において、最適化処理部123は、最適化の際の繰り返し回数を100回として説明したが、これに限定されるものではなく、100回以外の所定の回数であってもよい。
【0085】
また、上記の各実施形態において、学習データ取得部221は、学習データを学習データ記憶部211から取得する例を説明したがこれに限定されるものではなく、学習データ記憶部211以外の外部から取得するようにしてもよい。また、学習データ記憶部211は、DM作成支援装置1a(又は、モデル生成装置2)の外部に備えられていてもよく、例えば、ネットワークに接続されたサーバ装置(クラウドサーバなど)が学習データ記憶部211を備えるようにしてもよい。
【0086】
また、上記の各実施形態において、分析モデルは、開封率とアクション率との両方を推定するモデルである例を説明したが、これに限定されるものではなく、開封率とアクション率とのいずれか一方のみを推定するモデルであってもよい。
【0087】
また、上記の各実施形態において、DM属性の項目及び要素の項目の一例を図2及び図3を参照して説明したが、DM属性の項目及び要素の項目は、図2及び図3に限定されるものではなく、他の項目が含まれもよい。
【0088】
なお、上述したDM作成支援システム100及びDM作成支援装置1(1a)が備える各構成は、内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述したDM作成支援システム100及びDM作成支援装置1(1a)が備える各構成の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述したDM作成支援システム100及びDM作成支援装置1(1a)が備える各構成における処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
【0089】
また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部又は外部に設けられた記録媒体も含まれる。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後にDM作成支援システム100及びDM作成支援装置1(1a)が備える各構成で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0090】
また、上述した機能の一部又は全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。上述した各機能は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、又は全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、又は汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
【符号の説明】
【0091】
1、1a DM作成支援装置
2 モデル生成装置
11、11a、21 記憶部
12、12a、22 制御部
100 DM作成支援システム
111、212 分析モデル記憶部
112 入力条件記憶部
113 要素条件記憶部
114 推定結果記憶部
121 条件取得部
122 推定処理部
123 最適化処理部
211 学習データ記憶部
221 学習データ取得部
222 学習処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8