(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】制御装置、放射線撮影システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A61B 6/00 20240101AFI20240709BHJP
【FI】
A61B6/00 520M
A61B6/00 520Z
(21)【出願番号】P 2020091872
(22)【出願日】2020-05-27
【審査請求日】2022-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】生方 兼六
(72)【発明者】
【氏名】柿木 章徳
(72)【発明者】
【氏名】原 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】中野 洋彰
(72)【発明者】
【氏名】濱野 允哉
【審査官】小野 健二
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-112322(JP,A)
【文献】国際公開第2015/046248(WO,A1)
【文献】特開2005-006829(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0042095(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00-6/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体に対して複数回の曝射を伴う放射線撮影を行い、放射線の曝射に応じた前記被写体の画像データを生成する放射線撮影装置を含む複数の装置を備える放射線撮影システムに含まれる制御装置であって、
第1の前記曝射の前に、前記放射線撮影システムに含まれる装置間の通信が正常であるか否かの通信チェックを行い、当該通信チェックの結果に応じて、前記放射線撮影装置により前記第1の曝射で生成された画像データの当該放射線撮影装置からの転送サイズを設定する制御手段と、
前記放射線撮影装置から転送された、前記設定された転送サイズの画像データから前記第1の曝射の後の第2の曝射の曝射条件を算出して設定する曝射条件設定手段と、を備え、
前記制御手段は、前記曝射条件の算出のために転送させる画像データの転送サイズを、フルサイズより小さい縮小サイズに設定し、前記第2の曝射による撮影時に、前記放射線撮影装置により当該第2の曝射の曝射条件で生成された画像データと、前記第1の曝射に対応するフルサイズの画像データと、を当該放射線撮影装置から転送させる制御装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記転送サイズを、前記第1の曝射で生成される画像データのフルサイズと、当該フルサイズよりも小さい縮小サイズとから選択して設定する請求項
1に記載の制御装置。
【請求項3】
請求項1
又は2に記載の制御装置を含む前記複数の装置を備える放射線撮影システム。
【請求項4】
被写体に対して複数回の曝射を伴う放射線撮影を行う複数の装置を備える放射線撮影システムに含まれる制御装置であって、
第1の前記曝射の後の第2の曝射の前に、前記放射線撮影システムに含まれる装置間の通信が正常であるか否かの通信チェックを行い、当該通信チェックの結果に応じて、当該第2の曝射による画像データの撮影を継続するか否かを判別する制御手段と、
前記第1の曝射で生成された画像データから前記第2の曝射の曝射条件を算出して設定する曝射条件設定手段と、を備える制御装置
、を含む前記複数の装置を備える放射線撮影システムであって、
前記複数の装置は、放射線を前記被写体に曝射するジェネレーターと、当該ジェネレーターの曝射を制御する曝射制御装置と、を含み、
前記曝射制御装置は、予め設定された所定時間以内に前記制御装置から撮影許可信号を受信しない場合に、前記ジェネレーターにバックアップタイムの曝射を実行させる放射線撮影システム。
【請求項5】
被写体に対して複数回の曝射を伴う放射線撮影を行い、放射線の曝射に応じた前記被写体の画像データを生成する放射線撮影装置を含む複数の装置を備える放射線撮影システムに含まれる制御装置のコンピューターを、
第1の前記曝射の前に、前記放射線撮影システムに含まれる装置間の通信が正常であるか否かの通信チェックを行い、当該通信チェックの結果に応じて、前記放射線撮影装置により前記第1の曝射で生成された画像データの当該放射線撮影装置からの転送サイズを設定する制御手段、
前記放射線撮影装置から転送された、前記設定された転送サイズの画像データから前記第1の曝射の後の第2の曝射の曝射条件を算出して設定する曝射条件設定手段、として機能させ、
前記制御手段は、前記曝射条件の算出のために転送させる画像データの転送サイズを、フルサイズより小さい縮小サイズに設定し、前記第2の曝射による撮影時に、前記放射線撮影装置により当該第2の曝射の曝射条件で生成された画像データと、前記第1の曝射に対応するフルサイズの画像データと、を当該放射線撮影装置から転送させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、放射線撮影システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
放射線撮影システムとして、放射線画像を撮影する際、本曝射と、本曝射より前に行うプレ曝射とを行う自動露出制御機能を有するものなど、第1曝射と第2曝射とを含む複数回の曝射を行うものが知られている。例えば、自動露出制御機能において、本曝射よりも低い線量でプレ曝射を行い、得られたプレ画像データ及び当該プレ画像データに紐付けられた付帯情報(例えば、プレ曝射における照射時間)に基づいて、本曝射を行う際の線量などの撮影条件(曝射条件)を決定する。
【0003】
また、プレ画像データの撮影が適切に行うことができたかをプレ画像データの画像解析から判断する放射線撮影システムが知られている(特許文献1参照)。画像解析の結果が適切である場合は本曝射による撮影が継続して行われ、画像解析の結果が適切でない場合は本曝射による撮影が中止される。
【0004】
また、プレ画像データの撮影での体動を検知し、体動があれば本画像データの撮影を止める放射線撮影装置が知られている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2019-126709号公報
【文献】特開2013-138828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1の放射線撮影システムでは、プレ画像データから判断して本曝射を止める機能に関しては言及されているが、装置間の通信状態の判断には言及がない。特許文献2の放射線撮影装置では、プレ画像の撮影がある場合は体動などのリスクがある事を認識しているが、こちらも通信状態の判断には言及がない。
【0007】
このため、例えば、プレ曝射前に通信状態が悪く、プレ曝射を行ったもののプレ画像データを取得できない場合に、プレ画像データの再撮影を行うことにより無駄被曝が生じるおそれがあった。また、プレ曝射前に通信状態が悪く、プレ曝射を行ったもののプレ画像データをフルサイズで送信できない場合に、本曝射が継続できず、プレ画像データの再撮影を行うことにより無駄被曝が生じるおそれがあった。また、プレ画像データの撮影後に通信状態が悪くなった場合に、本画像データの撮影を継続できるにもかかわらず中止してしまうと、プレ画像データの再撮影により無駄被曝が生じるおそれがあった。
【0008】
本発明の課題は、複数回の曝射を伴う放射線撮影における無駄被爆を防ぐことである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
被写体に対して複数回の曝射を伴う放射線撮影を行い、放射線の曝射に応じた前記被写体の画像データを生成する放射線撮影装置を含む複数の装置を備える放射線撮影システムに含まれる制御装置であって、
第1の前記曝射の前に、前記放射線撮影システムに含まれる装置間の通信が正常であるか否かの通信チェックを行い、当該通信チェックの結果に応じて、前記放射線撮影装置により前記第1の曝射で生成された画像データの当該放射線撮影装置からの転送サイズを設定する制御手段と、
前記放射線撮影装置から転送された、前記設定された転送サイズの画像データから前記第1の曝射の後の第2の曝射の曝射条件を算出して設定する曝射条件設定手段と、を備え、
前記制御手段は、前記曝射条件の算出のために転送させる画像データの転送サイズを、フルサイズより小さい縮小サイズに設定し、前記第2の曝射による撮影時に、前記放射線撮影装置により当該第2の曝射の曝射条件で生成された画像データと、前記第1の曝射に対応するフルサイズの画像データと、を当該放射線撮影装置から転送させる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の制御装置において、
前記制御手段は、前記転送サイズを、前記第1の曝射で生成される画像データのフルサイズと、当該フルサイズよりも小さい縮小サイズとから選択して設定する。
【0014】
請求項3に記載の発明の放射線撮影システムは、
請求項1又は2に記載の制御装置を含む前記複数の装置を備える。
【0015】
請求項4に記載の発明は、
被写体に対して複数回の曝射を伴う放射線撮影を行う複数の装置を備える放射線撮影システムに含まれる制御装置であって、
第1の前記曝射の後の第2の曝射の前に、前記放射線撮影システムに含まれる装置間の通信が正常であるか否かの通信チェックを行い、当該通信チェックの結果に応じて、当該第2の曝射による画像データの撮影を継続するか否かを判別する制御手段と、
前記第1の曝射で生成された画像データから前記第2の曝射の曝射条件を算出して設定する曝射条件設定手段と、を備える制御装置、を含む前記複数の装置を備える放射線撮影システムであって、
前記複数の装置は、放射線を前記被写体に曝射するジェネレーターと、当該ジェネレーターの曝射を制御する曝射制御装置と、を含み、
前記曝射制御装置は、予め設定された所定時間以内に前記制御装置から撮影許可信号を受信しない場合に、前記ジェネレーターにバックアップタイムの曝射を実行させる。
【0020】
請求項5に記載の発明のプログラムは、
被写体に対して複数回の曝射を伴う放射線撮影を行い、放射線の曝射に応じた前記被写体の画像データを生成する放射線撮影装置を含む複数の装置を備える放射線撮影システムに含まれる制御装置のコンピューターを、
第1の前記曝射の前に、前記放射線撮影システムに含まれる装置間の通信が正常であるか否かの通信チェックを行い、当該通信チェックの結果に応じて、前記放射線撮影装置により前記第1の曝射で生成された画像データの当該放射線撮影装置からの転送サイズを設定する制御手段、
前記放射線撮影装置から転送された、前記設定された転送サイズの画像データから前記第1の曝射の後の第2の曝射の曝射条件を算出して設定する曝射条件設定手段、として機能させ、
前記制御手段は、前記曝射条件の算出のために転送させる画像データの転送サイズを、フルサイズより小さい縮小サイズに設定し、前記第2の曝射による撮影時に、前記放射線撮影装置により当該第2の曝射の曝射条件で生成された画像データと、前記第1の曝射に対応するフルサイズの画像データと、を当該放射線撮影装置から転送させる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、複数回の曝射を伴う放射線撮影における無駄被爆を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の第1の実施の形態の放射線撮影システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】ジェネレーターの機能構成を示すブロック図である。
【
図3】放射線撮影装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図4】撮影制御装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図5】曝射制御装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図6】第1の実施の形態の基本的な放射線撮影処理を示すシーケンス図である。
【
図7】第1の撮影制御処理を示すフローチャートである。
【
図8】通信チェックの一例を示すシーケンス図である。
【
図9】第2の撮影制御処理を示すフローチャートである。
【
図10】第2の撮影制御処理に対応する放射線撮影処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図11】第2の変形例の通信チェックテーブルを示す図である。
【
図12】第1の本撮影制御処理を示すフローチャートである。
【
図13】第1の本曝射制御処理を示すフローチャートである。
【
図14】第1の本撮影制御処理及び第1の本曝射制御処理に対応する放射線撮影処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図15】第1の本撮影制御処理及び第1の本曝射制御処理に対応する放射線撮影処理の別の一例を示すシーケンス図である。
【
図16】第2の実施の形態の基本的な放射線撮影処理を示すシーケンス図である。
【
図17】第4の変形例の通信チェックテーブルを示す図である。
【
図18】第2の本撮影制御処理を示すフローチャートである。
【
図19】第2の本曝射制御処理を示すフローチャートである。
【
図20】第2の本撮影制御処理及び第2の本曝射制御処理に対応する放射線撮影処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図21】第3の実施の形態の放射線撮影システムを示す図である。
【
図22】第3の実施の形態の基本的な放射線撮影処理を示すシーケンス図である。
【
図23】第6の変形例の通信チェックテーブルを示す図である。
【
図24】第1の本撮影制御処理に対応する放射線撮影処理の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
添付図面を参照して本発明に係る第1の実施の形態、第1、第2の変形例、第2の実施の形態、第3、第4の変形例、第3の実施の形態、第5、第6の変形例を順に詳細に説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。
【0025】
(第1の実施の形態)
図1~
図8を参照して、本発明に係る第1の実施の形態を説明する。まず、
図1~
図5を参照して、本実施の形態の放射線撮影システム100Aの装置構成を説明する。
図1は、本実施の形態の放射線撮影システム100Aの構成を示すブロック図である。
図2は、ジェネレーター10の機能構成を示すブロック図である。
図3は、放射線撮影装置20の機能構成を示すブロック図である。
図4は、撮影制御装置30の機能構成を示すブロック図である。
図5は、曝射制御装置40の機能構成を示すブロック図である。
【0026】
放射線撮影システム100Aは、放射線により患者などの被写体を撮影して放射線画像データを生成するシステムであり、病院などの医療機関に設置される。また、放射線撮影システム100Aは、図示しない放射線科情報システム(Radiology Information System:RIS)や、画像保存通信システム(Picture Archiving and Communication System:PACS)などと接続可能となっている。
【0027】
図1に示すように、放射線撮影システム100Aは、ジェネレーター10と、放射線撮影装置20と、制御装置としての撮影制御装置30と、曝射制御装置40と、を備える。
【0028】
ジェネレーター10は、放射線を被写体に曝射する装置である。放射線撮影装置20は、FPD(Flat Panel Detector)であり、ジェネレーター10から曝射され、被写体を介された放射線を電荷として蓄積し、蓄積された電荷に応じた放射線画像データを生成する装置である。
【0029】
撮影制御装置30は、コンソールであり、ジェネレーター10、放射線撮影装置20及び曝射制御装置40の制御により、被写体の放射線画像の撮影を制御する。曝射制御装置40は、撮影制御装置30の制御に従い、ジェネレーター10及び放射線撮影装置20による曝射を伴う撮影の制御を行う装置である。
【0030】
本実施の形態において、ジェネレーター10及び撮影制御装置30の間と、放射線撮影装置20及び撮影制御装置30の間と、放射線撮影装置20及び曝射制御装置40の間と、撮影制御装置30及び曝射制御装置40の間とは、それぞれ、無線LAN(Local Area Network)通信などの無線通信で通信接続されるものとする。また、ジェネレーター10及び曝射制御装置40の間は、ハードワイヤーを介して有線通信で通信接続されるものとする。
【0031】
図2に示すように、ジェネレーター10は、制御部11と、曝射スイッチ12と、記憶部13と、放射線源(管球)14と、通信部15と、を備える。ジェネレーター10の各部は、バス16を介して接続されている。
【0032】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)などにより構成され、ジェネレーター10の各部を制御する。制御部11のCPUは、記憶部13に記憶されている各種プログラムを読出してRAM内に展開し、展開されたプログラムとの協働で各種処理を実行する。
【0033】
曝射スイッチ12は、医師、技師などの検査者からの放射線源14からの放射線の曝射開始の指示の押下入力を受け付ける押しボタンスイッチであり、押下の操作情報を制御部11に出力する。
【0034】
記憶部13は、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリーなどで構成され、各種データ及びプログラムを読み出し可能に記憶している。
【0035】
放射線源14は、図示しない回転陽極やフィラメントなどを有している。放射線源14は、制御部11の制御により、(例えば図示しない電圧供給部を介して)電圧が印加されると、フィラメントが印加された電圧に応じた電子ビームを回転陽極に向けて照射し、回転陽極が電子ビームの強度に応じた線量の放射線(X線など)を発生させる。
【0036】
通信部15は、アンテナ、変復調部、信号処理回路などを有し、無線LANの通信方式で外部機器と無線通信を行う。例えば、制御部11は、通信部15、アクセスポイント(図示略)を介して、外部機器としての撮影制御装置30とデータ(信号)の送受信を行う。アクセスポイントは、例えば、放射線撮影システム100Aの外部機器として設けられたものを用いるものとするが、これに限定されるものではなく、放射線撮影システム100Aの少なくとも一つの装置がアクセスポイント機能を有する構成としてもよい。
【0037】
また、通信部15は、ネットワークカードなどを有し、ハードワイヤーを介して、外部機器と有線通信を行う。例えば、制御部11は、通信部15を介して、外部機器としての曝射制御装置40とデータ(信号)の送受信を行う。
【0038】
図3に示すように、放射線撮影装置20は、制御部21と、操作部22と、記憶部23と、放射線撮像部24と、通信部25と、を備える。放射線撮影装置20の各部は、バス26を介して接続されている。
【0039】
制御部21は、制御部11と同様に、CPU、RAMなどにより構成され、放射線撮影装置20の各部を制御する。制御部21のCPUは、記憶部23に記憶されている各種プログラムを読出してRAM内に展開し、展開されたプログラムとの協働で各種処理を実行する。
【0040】
操作部22は、撮影モードの切替などの操作入力を受け付けるスイッチなどにより構成され、その操作に応じた操作情報を制御部21に出力する。
【0041】
記憶部23は、不揮発性の半導体メモリーなどにより構成され、制御部21が実行する各種プログラムと、放射線画像データなどの各種データと、を読み出し及び書き込み可能に記憶する。
【0042】
放射線撮像部24は、例えば、硫酸ガドリニウムやヨウ化セシウムなどの蛍光体と、蛍光体に入射された放射線で励起して発生した光を変換して電荷として蓄積する2次元マトリクス状に配置されたフォトダイオードなどの撮像素子と、撮像素子から画像データを読み出す読み出し回路と、で構成される。放射線撮像部24は、制御部21の制御に従い、放射線が入射された蛍光体から出射された可視光を撮像素子により電荷を蓄積して撮像し、読み出し回路により撮像素子に蓄積された電荷に応じた放射線画像データを読み出して生成し、当該放射線画像データを記憶部23に出力して記憶させる。なお、放射線撮像部24は、放射線を直接電気信号に変換するCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサーなどの撮像素子を有する構成としてもよい。
【0043】
通信部25は、通信部15と同様の構成を有し、外部機器と無線LAN方式で無線通信を行う。制御部21は、通信部25、アクセスポイント(図示略)を介して、外部機器としてのジェネレーター10、撮影制御装置30、曝射制御装置40と、データの送受信を行う。
【0044】
図4に示すように、撮影制御装置30は、制御手段、曝射条件設定手段としての制御部31と、操作部32と、記憶部33と、表示部34と、通信部35と、を備える。撮影制御装置30の各部は、バス36を介して接続されている。
【0045】
制御部31は、制御部11と同様に、CPU、RAMなどにより構成され、撮影制御装置30の各部を制御する。制御部31のCPUは、記憶部33に記憶されている各種プログラムを読出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行する。
【0046】
操作部32は、カーソルキー、数字入力キー及び各種機能キーを備えたキーボードと、マウスなどのポインティングデバイスとを備え、キーボードに対するキー操作やマウスなどの位置操作により入力された操作情報を制御部31に出力する。また、操作部32は、表示部34の表示画面に設けられたタッチパネルを備えてもよく、タッチパネルを介して入力されたタッチ操作情報を制御部31に出力する。
【0047】
記憶部33は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)などにより構成され、制御部31が実行する各種プログラム及び各種データを読み出し及び書き込み可能に記憶する。記憶部33には、後述する第1の撮影制御処理を実行するための第1の撮影制御プログラムが記憶されているものとする。
【0048】
表示部34は、LCD(Liquid Crystal Display)や、EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどの表示パネルにより構成され、制御部31から入力される表示情報に従って、表示パネルに各種表示を行う。
【0049】
通信部35は、通信部15と同様の構成を有し、外部機器と無線LAN方式で無線通信を行う。制御部31は、通信部35、アクセスポイント(図示略)を介して、外部機器としてのジェネレーター10、放射線撮影装置20、曝射制御装置40と、データの送受信を行う。
【0050】
図5に示すように、曝射制御装置40は、制御部41と、記憶部42と、通信部43と、を備える。曝射制御装置40の各部は、バス44を介して接続されている。
【0051】
制御部41は、制御部11と同様に、CPU、RAMなどにより構成され、曝射制御装置40の各部を制御する。制御部41のCPUは、記憶部42に記憶されている各種プログラムを読出してRAM内に展開し、展開されたプログラムとの協働で各種処理を実行する。
【0052】
記憶部42は、HDD、SSDなどにより構成され、制御部41が実行する各種プログラム及び各種データを読み出し及び書き込み可能に記憶する。
【0053】
通信部43は、通信部15と同様の構成を有し、外部機器と無線LAN方式で無線通信を行う。制御部41は、通信部43、アクセスポイント(図示略)を介して、外部機器としての放射線撮影装置20、撮影制御装置30と、データの送受信を行う。
【0054】
また、通信部43は、ネットワークカードなどを有し、ハードワイヤーを介して、外部機器と有線通信を行う。例えば、制御部11は、通信部43を介して、外部機器としてのジェネレーター10とデータ(信号)の送受信を行う。
【0055】
ついで、
図6~
図8を参照して、放射線撮影システム100Aの動作を説明する。
図6は、本実施の形態の基本的な放射線撮影処理を示すシーケンス図である。
図7は、第1の撮影制御処理を示すフローチャートである。
図8は、通信チェックの一例を示すシーケンス図である。
【0056】
まず、
図6を参照して、放射線撮影システム100Aの基本的な放射線撮影処理の流れを説明する。ただし、この放射線撮影処理は、プレ曝射によるプレ画像データの撮影(プレ撮影)と、本曝射による本画像データの撮影(本撮影)と、の2回の曝射による撮影を含むものとする。また、あらかじめ、放射線撮影システム100Aが設けられた撮影室に検査者及び患者が入室し、ジェネレーター10の放射線源14は、患者の患部などの被写体に向けられ、曝射の準備がされているものとする。
【0057】
図6に示すように、まず、撮影制御装置30の制御部31は、操作部32を介する検査者からの操作入力などに応じて、プレ曝射及び本曝射(仮)の曝射条件を生成し、通信部35を介して当該曝射条件をジェネレーター10に送信する(ステップS101)。曝射条件は、放射線源14の管電圧や管電流、照射(曝射)時間(mAs値)などを含む。そして、撮影制御装置30の制御部31は、撮影制御装置30の準備が完了しプレ曝射の撮影を許可することを示す撮影許可信号を生成し、通信部35を介して当該撮影許可信号を曝射制御装置40に送信する(ステップS102)。
【0058】
そして、ジェネレーター10の制御部11は、検査者からの曝射スイッチ12の押下入力を受け付ける(ステップS103)。ただし、検査者は、曝射スイッチ12をプレ曝射及び本曝射の後まで押しっぱなしにする。そして、ジェネレーター10の制御部11は、ステップS103の押下入力を示すスイッチ押下信号を生成し、通信部35を介して当該スイッチ押下信号を曝射制御装置40に送信する(ステップS104)。そして、曝射制御装置40の制御部41は、通信部43を介して、ステップS104で送信されたスイッチ押下信号を受信して放射線撮影装置20に送信する(ステップS105)。
【0059】
そして、放射線撮影装置20の制御部21は、通信部25を介してステップS105で送信されたスイッチ押下信号を受信し、当該スイッチ押下信号に応じて、放射線撮像部24の撮像素子の電荷の蓄積を開始し、当該電荷の蓄積開始示す蓄積開始信号を生成し、通信部25を介して当該蓄積開始信号を曝射制御装置40に送信する(ステップS106)。そして、曝射制御装置40の制御部41は、通信部43を介してステップS106で送信された蓄積開始信号を受信し、当該蓄積開始信号に応じて、プレ曝射を許可する曝射許可信号を生成し、通信部43を介して当該曝射許可信号をジェネレーター10に送信する(ステップS107)。
【0060】
そして、ジェネレーター10の制御部11は、通信部15を介してステップS107で送信された曝射許可信号を受信し、当該曝射許可信号に応じて、ステップS101で受信した曝射条件で放射線源14に電圧を印加し放射線のプレ曝射を行う(ステップS108)。そして、ジェネレーター10の制御部11は、ステップS108の曝射終了後に、曝射終了を示す曝射終了信号を生成し、通信部15を介して当該曝射終了信号を曝射制御装置40に送信する(ステップS109)。
【0061】
そして、曝射制御装置40の制御部41は、通信部43を介してステップS109で送信された曝射終了信号を受信し、当該曝射終了信号に応じて、電荷の蓄積を停止させる蓄積停止信号を生成し、通信部43を介して当該蓄積停止信号を放射線撮影装置20に送信する(ステップS110)。そして、放射線撮影装置20の制御部21は、通信部25を介してステップS110で送信された蓄積停止信号を受信し、当該蓄積停止信号に応じて、放射線撮像部24の撮像素子の電荷の蓄積を停止し、撮像素子の電荷を読み出してプレ画像データを生成し、通信部25を介して当該プレ画像データを撮影制御装置30に送信する(ステップS111)。撮影制御装置30に送信されるプレ画像データは、フルサイズ(1/1)又はフルサイズよりも小さいサイズ(例えば、1/4)の放射線画像データである。
【0062】
そして、撮影制御装置30の制御部31は、通信部35を介してステップS111で送信されたプレ画像データを受信し、当該プレ画像データを画像解析して、本曝射の曝射条件を算出する(ステップS112)。そして、撮影制御装置30の制御部31は、通信部35を介してステップS112で算出された本曝射の曝射条件を曝射制御装置40に送信する(ステップS113)。そして、撮影制御装置30の制御部31は、撮影制御装置30の準備が完了し本曝射の撮影を許可することを示す撮影許可信号を生成し、通信部35を介して当該撮影許可信号を曝射制御装置40に送信する(ステップS114)。
【0063】
そして、曝射制御装置40の制御部41は、通信部43を介してステップS104で送信された撮影許可信号を受信し、当該撮影許可信号に応じて、押下中の曝射スイッチ12の擬似的な押下を示す擬似スイッチ押下信号を生成し、通信部43を介して当該擬似スイッチ押下信号を放射線撮影装置20に送信する(ステップS115)。そして、放射線撮影装置20の制御部21は、通信部25を介してステップS115で送信された擬似スイッチ押下信号を受信し、当該擬似スイッチ押下信号に応じて、放射線撮像部24の撮像素子の電荷の蓄積を開始し、当該電荷の蓄積開始を示す蓄積開始信号を生成し、通信部25を介して当該蓄積開始信号を曝射制御装置40に送信する(ステップS116)。
【0064】
そして、曝射制御装置40の制御部41は、通信部43を介してステップS116で送信された蓄積開始信号を受信し、当該蓄積開始信号に応じて、ステップS115で受信した曝射条件での本曝射を許可する曝射許可信号を生成し、通信部43を介して当該曝射許可信号をジェネレーター10に送信する(ステップS117)。そして、ジェネレーター10の制御部11は、通信部15を介してステップS117で送信された曝射許可信号を受信し、当該曝射許可信号の曝射条件で放射線源14に電圧を印加し放射線の本曝射を行う(ステップS118)。
【0065】
そして、曝射制御装置40の制御部41は、曝射を停止させる曝射停止信号を生成し、ステップS117から開始されステップS115で受信した曝射条件の曝射時間経過後に、通信部43を介して当該曝射停止信号をジェネレーター10に送信する(ステップS119)。そして、ジェネレーター10の制御部11は、通信部15を介してステップS119で送信された曝射停止信号を受信し、当該曝射停止信号に応じて、放射線源14への電圧の印加を停止し放射線の本曝射を終了し、曝射終了後に、曝射終了を示す曝射終了信号を生成し、通信部15を介して当該曝射終了信号を曝射制御装置40に送信する(ステップS120)。
【0066】
そして、曝射制御装置40の制御部41は、通信部43を介してステップS120で送信された曝射終了信号を受信し、当該曝射終了信号に応じて、電荷の蓄積を停止させる蓄積停止信号を生成し、通信部43を介して当該蓄積停止信号を放射線撮影装置20に送信する(ステップS121)。そして、放射線撮影装置20の制御部21は、通信部25を介してステップS120で送信された蓄積停止信号を受信し、当該蓄積停止信号に応じて、放射線撮像部24の撮像素子の電荷の蓄積を停止し、撮像素子の電荷を読み出して本画像データを生成し、通信部25を介して当該本画像データを撮影制御装置30に送信する(ステップS122)。撮影制御装置30に送信される本画像データは、フルサイズ(1/1)の放射線画像データである。
【0067】
ステップS101~S112の処理は、プレ画像データを撮影するプレ撮影の処理である。ステップS113~S122の処理は、本画像データを撮影する本撮影の処理である。
【0068】
ステップS112の後、撮影制御装置30の制御部31は、必要に応じて、ステップS111で取得したプレ画像データとステップS121で取得した本画像データとを加算して、加算画像データを生成する。加算画像データにより、線量を落として本撮影(本曝射)を行っても診断用画像の画質(S/N)が低下するのと防ぐことができる。
【0069】
ついで、
図7を参照して、撮影制御装置30により実行される第1の撮影制御処理を説明する。
図6の放射線撮影システム100Aのプレ撮影を伴う基本的な放射線撮影処理(ステップS101)又は本撮影のみの放射線撮影処理の前に、撮影制御装置30において、例えば操作部32を介して検査者から曝射条件などの入力が行われたことをトリガーとして、制御部31は、記憶部33に記憶されている第1の撮影制御プログラムに従い、第1の撮影制御処理を実行する。
【0070】
図7に示すように、制御部31は、操作入力された曝射条件から、プレ曝射があるか(行うか)否かを判別する(ステップS11)。プレ曝射がない場合(ステップS11;NO)、第1の撮影制御処理を終了する。この場合、放射線撮影システム100Aにより、本曝射のみの放射線撮影処理が実行される。
【0071】
プレ曝射がある場合(ステップS11;YES)、制御部31は、通信部35を用いて、撮影制御装置30及びジェネレーター10の間と、撮影制御装置30及び放射線撮影装置20の間と、撮影制御装置30及び曝射制御装置40の間と、ジェネレーター10及び曝射制御装置40の間と、放射線撮影装置20及び曝射制御装置40の間と、の通信が正常であるか否かの通信チェックを行う(ステップS12)。
【0072】
ステップS12において、制御部31は、例えば、通信部35を介して、ジェネレーター10(の通信部15)の無線の電波強度が、予め設定された電波強度の閾値以下であるか否かを判別し、電波強度が当該電波強度の閾値より大きい場合に、撮影制御装置30及びジェネレーター10の間の通信が正常であると判別する。同様にして、制御部31は、放射線撮影装置20(の通信部25)、曝射制御装置40(の通信部43)の無線の電波強度が当該電波強度の閾値以下であるか否かに応じて、撮影制御装置30及び放射線撮影装置20の間と、撮影制御装置30及び曝射制御装置40の間と、の通信が正常であるか否かを判別する。
【0073】
また、制御部31は、放射線撮影装置20及び曝射制御装置40の間の通信チェックについて、上記と同様に、一方の装置に他方の装置の電波強度が当該電波強度の閾値以下であるか否かを判別させ、通信部35を介して、当該一方の装置からその判別結果を受信し、受信した判別結果に応じて、通信が正常であるか否かを判別する。
【0074】
また、制御部31は、例えば、
図8に示すように、通信部35を介して、応答要求をジェネレーター10に送信し、当該応答要求に対応する応答を受信し、応答要求送信から応答受信までの応答時間tcが予め設定された応答時間の閾値以下であるか否かを判別し、応答時間が、当該応答閾値以下の場合に、撮影制御装置30及びジェネレーター10の間の通信が正常であると判別する構成としてもよい。同様にして、制御部31は、放射線撮影装置20(の通信部25)、曝射制御装置40(の通信部43)と応答の要求及応答の送受信により、応答時間ta,tbが当該応答時間の各閾値以下であるか否かに応じて、撮影制御装置30及び放射線撮影装置20の間と、撮影制御装置30及び曝射制御装置40の間と、の通信が正常であるか否かを判別する。また、制御部31は、放射線撮影装置20及び曝射制御装置40の間の通信チェックについて、上記一方の装置に他方の装置へ応答の要求及び応答を送受信させ、通信部35を介して、当該一方の装置からその応答時間を受信し、受信した応答時間が当該応答時間の閾値以下であるか否かに応じて、当該装置間の通信が正常であるか否かを判別する構成としてもよい。
【0075】
また、制御部31は、ジェネレーター10及び曝射制御装置40の間の通信チェックについて、上記と同様に、一方の装置に他方の装置へ応答要求を送信させて当該他方の装置から応答を受信させその応答時間が当該応答時間の閾値以下であるか否かを判別させ、通信部35を介して、当該一方の装置からその判別結果を受信し、受信した判別結果に応じて、通信が正常であるか否かを判別する。
【0076】
なお、同様にして、制御部31は、放射線撮影処理において、通信部35を介して、画像データを放射線撮影装置20から受信した場合に、その受信の転送速度を取得して記憶部33に記憶しておき、その後の第1の撮影制御処理において、前回の画像データの転送速度を記憶部33から読み出し、読み出した転送速度が予め設定された転送速度の閾値以上であるか否かを判別し、転送速度が当該転送速度の閾値以上の場合に、撮影制御装置30及び放射線撮影装置20の間の通信が正常であると判別する構成としてもよい。
【0077】
そして、制御部31は、ステップS12の全ての装置間の通信が正常であるか否かを判別する(ステップS13)。通信が正常である場合(ステップS13;YES)、制御部31は、プレ曝射の制御を行い(ステップS14)、第1の撮影制御処理を終了する
。ステップS14は、プレ撮影を伴う放射線撮影処理のうちのプレ曝射に対応する制御処理(
図6の基本的な放射線撮影御処理のステップS101,S102,S111,S112)となり、続いて本撮影の本曝射に対応する制御処理(ステップS113,S114,S122)が行われる。
【0078】
少なくとも一つの装置間の通信が正常でない場合(ステップS13;NO)、制御部31は、通信が正常でない旨を含む警告情報を表示部34に表示する(ステップS15)。そして、制御部31は、プレ曝射に対応する制御を禁止し(ステップS15)、第1の撮影制御処理を終了する。ステップS15は、プレ撮影を伴う放射線撮影処理のうちのプレ曝射に対応する制御処理の禁止となり、本撮影の本曝射に対応する制御処理も行われない。また、警告情報には、どの装置間の通信が正常でないかの情報を含んでもよい。
【0079】
以上、本実施の形態によれば、撮影制御装置30は、被写体に対して複数回の曝射(プレ曝射、本曝射)を伴う放射線撮影を行う複数の装置(ジェネレーター10、放射線撮影装置20、撮影制御装置30、曝射制御装置40)を備える放射線撮影システム100Aに含まれる。撮影制御装置30は、最初のプレ曝射の前に、放射線撮影システム100Aに含まれる装置間の通信が正常であるか否かの通信チェックを行い、通信チェックの結果に応じて、最初のプレ曝射の可否を制御する制御部31を備える。放射線撮影システム100Aは、撮影制御装置30を含む。このため、通信が異常であるためにプレ画像データが取得できなくプレ画像データの再撮影をする場合における、初回のプレ曝射による被写体の被曝を防ぐので、プレ曝射及び本曝射を伴う放射線撮影における無駄被爆を防ぐことができる。
【0080】
また、制御部31は、放射線撮影システム100Aの装置間の無線の電波強度が所定の閾値以下あるか否かにより、当該装置間の通信チェックを行う。このため、装置間の通信チェックを容易に行うことができる。
【0081】
(第1の変形例)
図9、
図10を参照して、第1の実施の形態の変形例としての第1の変形例を説明する。
【0082】
本変形例の装置構成として、第1の実施の形態と同様に、放射線撮影システム100Aを用いるものとする。ただし、撮影制御装置30の記憶部33には、第1の撮影制御プログラムに代えて、後述する第2の撮影制御処理を実行するための第2の撮影制御プログラムが記憶されているものとする。
【0083】
つぎに、
図9、
図10を参照して、放射線撮影システム100Aの動作を説明する。
図9は、第2の撮影制御処理を示すフローチャートである。
図10は、第2の撮影制御処理に対応する放射線撮影処理の一例を示すシーケンス図である。
【0084】
図9を参照して、撮影制御装置30により実行される第2の撮影制御処理を説明する。
図6の放射線撮影システム100Aのプレ撮影を伴う基本的な放射線撮影処理(ステップS101)又は本曝射のみの放射線撮影処理の前に、撮影制御装置30において、例えば操作部32を介して検査者から曝射条件などの入力が行われたことをトリガーとして、制御部31は、記憶部33に記憶されている第2の撮影制御プログラムに従い、第2の撮影制御処理を実行する。
【0085】
ステップS21~S23は、
図7の第1の撮影制御処理のステップS11~S13と同様である。全ての装置間の通信が正常である場合(ステップS23;YES)、制御部31は、プレ曝射におけるプレ画像データの転送サイズを、本曝射の本画像データを基準にした1/1のフルサイズ(本画像データと同じサイズ)で放射線撮影装置20に設定する(ステップS24)。
【0086】
少なくとも一つの装置間の通信が正常でない場合(ステップS23;NO)、制御部31は、プレ曝射におけるプレ画像データの転送サイズを、本曝射の本画像データを基準にした所定の1/4のサイズで放射線撮影装置20に設定する(ステップS25)。この1/4のサイズは、一例であって、本画像データよりも小さいサイズであれば、他のサイズとしてもよい。
【0087】
ステップS24,S25では、例えば、制御部31は、通信部35を介して、設定したプレ画像データのサイズ情報(1/1又は1/4)を放射線撮影装置20に送信し、後の処理としてのプレ撮影における当該サイズ情報に応じたプレ画像データの作成と撮影制御装置30への送信とを行わせる。
【0088】
ステップS25の後、制御部31は、本撮影における本画像データの送信時に、プレ画像データを1/1のフルサイズで放射線撮影装置20に送信設定する(ステップS26)。ステップS26では、例えば、制御部31は、通信部35を介して、本画像データ送信時の1/1のサイズのプレ画像データの再送信の指示情報を放射線撮影装置20に送信する。ステップS27は、
図7の第1の撮影制御処理のステップS14と同様である。
【0089】
ここで、
図10を参照して、第2の撮影制御処理で、ステップS25,S26が実行された場合の放射線撮影システム100Aにおける放射線撮影処理の流れを説明する。ただし、
図6の放射線撮影処理と同様の部分の説明は省略する。あらかじめ、ステップS25,S26に対応して、プレ画像データのサイズ情報(1/4)と、本画像データ送信時のフルサイズのプレ画像データの再送信の指示情報とが、放射線撮影装置20に送信されているものとする。
【0090】
プレ撮影において、ステップS101~S110の後、放射線撮影装置20の制御部21は、蓄積停止信号に応じて、あらかじめ受信したプレ画像データのサイズ情報(1/4)を用いて、放射線撮像部24で生成されたフルサイズのプレ画像データを記憶部23に記憶するとともに、当該プレ画像データを単純間引き、ビニングなどの方法で1/4のサイズに縮小し、通信部25を介して、当該1/4のサイズのプレ画像データを撮影制御装置30に送信する(ステップS111a)。ステップS112では、1/4のサイズのプレ画像データを用いて、曝射条件が算出される。
【0091】
そして、本撮影において、ステップS113~S121の後、放射線撮影装置20の制御部21は、蓄積停止信号に応じて、あらかじめ受信した本画像データ送信時の1/1のサイズのプレ画像データの再送信の指示情報に応じて、1/1のフルサイズのプレ画像データを記憶部23から読み出し、通信部25を介して、当該フルサイズのプレ画像データを撮影制御装置30に送信する(ステップS122a)。そして、ステップS122が実行される。ステップS122の実行後、撮影制御装置30の制御部31は、例えば、ステップS122aで受信されたフルサイズのプレ画像データと、ステップS122で受信された本画像データとを加算して、放射線画像データとしての高画質な加算画像データを生成する。
【0092】
以上、本変形例によれば、撮影制御装置30は、被写体に対して複数回の曝射(プレ曝射、本曝射)を伴う放射線撮影を行い、放射線の曝射に応じた被写体の画像データを生成する放射線撮影装置20を含む複数の装置(ジェネレーター10、放射線撮影装置20、撮影制御装置30、曝射制御装置40)を備える放射線撮影システム100Aに含まれる。撮影制御装置30は、プレ曝射の前に、放射線撮影システム100Aに含まれる装置間の通信が正常であるか否かの通信チェックを行い、通信チェックの結果に応じて、放射線撮影装置20によりプレ曝射で生成された画像データの放射線撮影装置20からの転送サイズを設定する制御部31を備える。このため、プレ曝射によるフルサイズ(1/1サイズ)のプレ画像データの転送ができず、1/4サイズのプレ画像データの転送が可能であるにもかかわらず本曝射が継続できない場合に、プレ画像データの再撮影を行うことによる、初回のプレ曝射による被写体の被曝を防ぐので、プレ曝射及び本曝射を伴う放射線撮影における無駄被爆を防ぐことができる
【0093】
また、制御部31は、転送サイズを、プレ曝射で生成される画像データのフルサイズと、フルサイズより小さい縮小サイズ(1/4サイズ)とから選択して設定する。このため、転送サイズを容易かつ適切に設定することができる。
【0094】
また、制御部31は、放射線撮影装置20から転送された、設定された転送サイズの画像データからプレ曝射の後の本曝射の曝射条件を算出して設定する。また、制御部31は、曝射条件の算出のために転送させる画像データの転送サイズを、1/4の縮小サイズに設定し、本曝射による撮影時に、放射線撮影装置20により本曝射の曝射条件で生成された画像データと、プレ曝射に対応するフルサイズの画像データと、を放射線撮影装置20から転送させる。このため、プレ曝射による1/4の縮小サイズの画像データから、本曝射の曝射条件を適切かつ確実に設定できるとともに、本曝射による本画像データと、プレ曝射によるフルサイズのプレ画像データとを用いた処理(例えば、加算処理)を適切かつ確実に行うことができ、高画質の加算画像データを生成できる。
【0095】
(第2の変形例)
図11~
図15を参照して、第1の実施の形態の変形例としての第2の変形例を説明する。
図11は、本変形例の通信チェックテーブル50を示す図である。
【0096】
本変形例の装置構成として、第1の実施の形態と同様に、放射線撮影システム100Aを用いるものとする。ただし、撮影制御装置30の記憶部33には、
図11に示す通信チェックテーブル50が記憶され、第1の撮影制御プログラムに代えて、後述する第1の本撮影制御処理を実行するための第1の本撮影制御プログラムが記憶されているものとする。また、曝射制御装置40の記憶部42には、後述する第1の本曝射制御処理を実行するための第1の本曝射制御プログラムが記憶されているものとする。
【0097】
通信チェックテーブル50は、プレ曝射後の放射線撮影システム100Aの各装置の通信チェックにより、本曝射の継続可能か否かを判別するための情報を有するテーブルである。通信チェックテーブル50は、ケース51と、撮影制御装置-放射線撮影装置52と、撮影制御装置-曝射制御装置53と、放射線撮影装置-曝射制御装置54と、継続可否55と、の項目を有する。
【0098】
ケース51は、放射線撮影システム100Aの各装置間の通信正常のパターンが異なるケースの識別情報である。撮影制御装置-放射線撮影装置52は、ケース51における撮影制御装置30及び放射線撮影装置20の間の通信が正常(〇)であるか異常(×)であるかを示す情報である。撮影制御装置-曝射制御装置53は、ケース51における撮影制御装置30及び曝射制御装置40の間の通信が正常(〇)であるか異常(×)であるかを示す情報である。放射線撮影装置-曝射制御装置54は、ケース51における放射線撮影装置20及び曝射制御装置40の間の通信が正常(〇)であるか異常(×)であるかを示す情報である。継続可否55は、ケース51における本撮影の継続が可能(〇)であるか否(×)かを示す情報であり、本撮影の継続が可能(〇)である場合には、バックアップタイム利用の要否の情報を含む。バックアップタイムとは、曝射制御装置40が、撮影制御装置30からの曝射条件を受信できない場合に、当該曝射条件を用いることなく設定する曝射時間である。
【0099】
つぎに、
図12~
図15を参照して、放射線撮影システム100Aの動作を説明する。
図12は、第1の本撮影制御処理を示すフローチャートである。
図13は、第1の本曝射制御処理を示すフローチャートである。
図14は、第1の本撮影制御処理及び第1の本曝射制御処理に対応する放射線撮影処理の一例を示すシーケンス図である。
図15は、第1の本撮影制御処理及び第1の本曝射制御処理に対応する放射線撮影処理の別の一例を示すシーケンス図である。
【0100】
図12を参照して、撮影制御装置30により実行される第1の本撮影制御処理を説明する。
図6の放射線撮影システム100Aのプレ撮影を伴う基本的な放射線撮影処理において、プレ撮影(ステップS101~S112)が終了したことをトリガーとして、撮影制御装置30の制御部31は、記憶部33に記憶されている第1の本撮影制御プログラムに従い、第1の本撮影制御処理を実行する。
【0101】
まず、制御部31は、
図7の第1の撮影制御処理のステップS11と同様に、放射線撮影システム100Aの撮影制御装置30及び放射線撮影装置20の間と、撮影制御装置30及び曝射制御装置40の間と、放射線撮影装置20及び曝射制御装置40の間と、の通信が正常であるか否かの通信チェックを行う(ステップS31)。そして、制御部31は、記憶部33に記憶されている通信チェックテーブル50を参照し、ステップS31のチェック結果を通信チェックテーブル50のケース51のパターンと照合し本撮影を継続するか(継続可否55が可能(〇)か)否か(継続可否55が否(×)か)を判別する(ステップS32)。
【0102】
本撮影を継続する場合(ステップS32;YES)、制御部31は、対応する継続可否55の“〇”に対応してバックアップタイムを利用する必要があるか否かを判別する(ステップS33)。バックアップタイムを利用する必要がない場合(ステップS33;NO)、通常の本撮影となり、
図6の基本的な放射線撮影処理のステップS113,S114と同様に、通信部35を介して、ステップS112で算出された本曝射の曝射条件と撮影許可信号とを曝射制御装置40に送信する(ステップS34)。そして、制御部31は、
図6の基本的な放射線撮影処理のステップS122と同様に、通信部35を介して、本曝射の本画像データを放射線撮影装置20から受信し(ステップS35)、第1の本撮影制御処理を終了する。バックアップタイムを利用する必要がある場合(ステップS33;YES)、ステップS35に移行される。
【0103】
本撮影を継続しない場合(ステップS32;NO)、制御部31は、本撮影を継続しない旨を含む警告情報を表示部34に表示する(ステップS36)。警告情報には、どの装置間の通信が正常でないかの情報を含んでもよい。そして、制御部31は、本曝射に対応する制御を禁止し(ステップS37)、第1の本撮影制御処理を終了する。
【0104】
ついで、
図13を参照して、曝射制御装置40により実行される第1の本曝射制御処理を説明する。
図6の放射線撮影システム100Aのプレ撮影を伴う基本的な放射線撮影処理において、プレ撮影の蓄積停止信号送信(ステップS110)が終了したことをトリガーとして、曝射制御装置40の制御部41は、記憶部42に記憶されている第1の本曝射制御プログラムに従い、第1の本曝射制御処理を実行する。
【0105】
まず、制御部41は、
図6の基本的な放射線撮影処理のステップS113,S114(
図12の第1の本撮影制御処理のステップS34)に対応して、通信部43を介して、本曝射の曝射条件及び撮影許可信号を撮影制御装置30から受信したか否かを判別する(ステップS41)。本曝射の曝射条件及び撮影許可信号を受信していない場合(ステップS41;NO)、制御部41は、第1の本曝射制御処理の開始時から、予め設定された所定時間t1が経過したか否かを判別する(ステップS42)。所定時間t1は、例えば、1[s]である。所定時間t1が経過していない場合(ステップS42;NO)、ステップS41に移行される。
【0106】
所定時間t1が経過した場合(ステップS42;NO)、制御部41は、本曝射時間としてのバックアップタイムを取得する(ステップS43)。ステップS43のバックアップタイムは、制御部41が判断する本曝射の曝射時間であり、予め設定され記憶部42に記憶された曝射時間とし、記憶部42から読み出される。バックアップタイムは、例えば、200[ms]である。なお、本曝射の曝射条件(仮)(
図6のステップS101)をジェネレーター10から取得できれば、その曝射条件の値をバックアップタイムとしてもよい。
【0107】
本曝射の曝射条件及び撮影許可信号を受信した場合(ステップS41;YES)、又はステップS43の後、制御部41は、本曝射の曝射時間を、ステップS41で受信した曝射条件の曝射時間又はステップS43で算出されたバックアップタイムに設定する(ステップS44)。そして、制御部41は、
図6のステップS115に対応して、通信部43を介して、擬似スイッチ押下信号を放射線撮影装置20に送信する(ステップS45)。
【0108】
そして、制御部41は、
図6のステップS116に対応して、通信部43を介して、蓄積開始信号を放射線撮影装置20から受信したか否かを判別する(ステップS46)。蓄積開始信号を受信していない場合(ステップS46;NO)、ステップS46に移行される。蓄積開始信号を受信した場合(ステップS46;YES)、制御部41は、
図6のステップS117に対応して、通信部43を介して、曝射許可信号をジェネレーター10に送信する(ステップS47)。そして、制御部41は、ステップS47から開始されステップS44で設定された曝射時間後に、
図6のステップS119に対応して、通信部43を介して、曝射停止信号をジェネレーター10に送信する(ステップS48)。
【0109】
そして、制御部41は、
図6のステップS120に対応して、通信部43を介して、曝射終了信号をジェネレーター10から受信したか否かを判別する(ステップS49)。曝射終了信号を受信していない場合(ステップS49;NO)、ステップS49に移行される。曝射終了信号を受信した場合(ステップS49;YES)、制御部41は、
図6のステップS121に対応して、通信部43を介して、蓄積停止信号を放射線撮影装置20に送信し(ステップS50)、第1の本曝射制御処理を終了する。
【0110】
例えば、
図14に示すように、
図12の第1の本撮影制御処理のステップS31で、撮影制御装置30及び放射線撮影装置20の間が通信異常(ステップS31a)となり、その他の装置間の通信が正常である場合に、通信チェックテーブル50のケース51が“5”となり、継続可否55が“〇”となり、ステップS32~S35が実行され、
図13の第1の本曝射制御処理のステップS41,S42,S44~S50が実行されて、本撮影が継続される。
【0111】
また、
図15に示すように、
図12のステップS31で、撮影制御装置30及び曝射制御装置40の間と、撮影制御装置30及び放射線撮影装置20の間とが通信異常(ステップS31b,S31c)となり、その他の装置間の通信が正常である場合に、ケース51が“7”となり、継続可否55が“〇(バックアップタイム)”となり、ステップS32,S33,S35が実行され、
図13のステップS41~S50が実行されて、本撮影が継続される。
【0112】
以上、本変形例によれば、撮影制御装置30は、被写体に対して複数回の曝射(プレ曝射、本曝射)を伴う放射線撮影を行い、放射線の曝射に応じた被写体の画像データを生成する放射線撮影装置20を含む複数の装置(ジェネレーター10、放射線撮影装置20、撮影制御装置30、曝射制御装置40)を備える放射線撮影システム100Aに含まれる。撮影制御装置30は、プレ曝射の後の本曝射の前に、放射線撮影システム100Aに含まれる装置間の通信が正常であるか否かの通信チェックを行い、通信チェックの結果に応じて、本曝射による画像データの撮影を継続するか否かを判別する制御部31を備える。このため、プレ画像データの撮影後にある装置間の通信状態が悪くなった場合に、本画像データの撮影を継続できる場合に継続でき、継続できるにもかかわらず中止してプレ画像データの再撮影による初回のプレ曝射による被写体の被爆を防ぐので、プレ曝射及び本曝射を伴う放射線撮影における無駄被爆を防ぐことができる。
【0113】
また、制御部31は、プレ曝射で生成されたプレ画像データから本曝射の曝射条件を算出して設定する。このため、プレ曝射によるプレ画像データから、本曝射の曝射条件を適切かつ確実に設定できる。
【0114】
また、放射線撮影システム100Aの複数の装置は、放射線を被写体に曝射するジェネレーター10と、ジェネレーター10の曝射を制御する曝射制御装置40と、を含む。曝射制御装置40は、予め設定された所定時間t1以内に撮影制御装置30から撮影許可信号を受信しない場合に、ジェネレーター10にバックアップタイムの曝射を実行させる。このため、撮影制御装置30から撮影許可信号を受信しない場合にも本撮影の本曝射を継続して、プレ画像データの再撮影による初回のプレ曝射による被写体の被爆を防ぐので、プレ曝射及び本曝射を伴う放射線撮影における無駄被爆を防ぐことができる。
【0115】
(第2の実施の形態)
図16を参照して、本発明に係る第2の実施の形態を説明する。第1の実施の形態では、プレ撮影を伴う放射線撮影処理において、曝射制御装置40が、本曝射の曝射時間を制御する構成であったが、本実施の形態では、ジェネレーター10が、本曝射の曝射時間を制御する構成である。
【0116】
本実施の形態の装置構成は、第1の実施の形態と同様に、放射線撮影システム100Aを用いるものとする。
【0117】
つぎに、
図16を参照して、放射線撮影システム100Aの動作を説明する。
図16は、本実施の形態の基本的な放射線撮影処理を示すシーケンス図である。
【0118】
まず、
図16を参照して、放射線撮影システム100Aの基本的な放射線撮影処理の流れを説明する。この放射線撮影処理も、プレ曝射によるプレ画像データの撮影(プレ撮影)と、本曝射による本画像データの撮影(本撮影)と、の2回の曝射による撮影を含むものとする。また、あらかじめ、放射線撮影システム100Aが設けられた撮影室に検査者及び患者が入室し、ジェネレーター10の放射線源14は、患者の患部などの被写体に向けられ、曝射の準備がされているものとする。
【0119】
図16に示すように、まず、撮影制御装置30の制御部31は、操作部32を介する検査者からの操作入力などに応じて、プレ曝射の曝射条件を生成し、通信部35を介して当該曝射条件をジェネレーター10に送信する(ステップS201)。ステップS202~S212は、
図6の基本的な放射線撮影処理のS102~S112と同様である。
【0120】
そして、撮影制御装置30の制御部31は、通信部35を介してステップS212で算出された本曝射の曝射条件をジェネレーター10に送信する(ステップS213)。ステップS214~S217は、
図6の基本的な放射線撮影処理のS114~S117と同様である。
【0121】
そして、ジェネレーター10の制御部11は、通信部15を介してステップS213で受信された曝射条件で放射線源14に電圧を印加し放射線の本曝射を行う(ステップS218)。そして、ジェネレーター10の制御部11は、ステップS218の曝射時間の本曝射を終了し、曝射終了後に、曝射終了を示す曝射終了信号を生成し、通信部15を介して当該曝射終了信号を曝射制御装置40に送信する(ステップS219)。ステップS220,S221は、
図6の基本的な放射線撮影処理のS121~S122と同様である。
【0122】
本実施の形態において、撮影制御装置30の制御部31が、第1の実施の形態の
図7の第1の撮影制御処理と同様の第1の撮影制御処理を実行する。
【0123】
以上、本実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と同様の効果を奏する。
【0124】
(第3の変形例)
第2の実施の形態の変形例としての第3の変形例を説明する。本変形例は、第2の実施の形態の基本的な放射線撮影処理を実行する構成に、第1の変形例の動作を組み合わせた構成である。
【0125】
本実施の形態の装置構成は、第2の実施の形態と同様に、放射線撮影システム100Aを用いるものとする。本変形例において、撮影制御装置30の制御部31が、第1の変形例の
図9の第2の撮影制御処理と同様の第2の撮影制御処理を実行する。
【0126】
以上、本変形例によれば、上記第1の変形例と同様の効果を奏する。
【0127】
(第4の変形例)
図17~
図20を参照して、第2の実施の形態の変形例としての第4の変形例を説明する。本変形例は、第2の実施の形態の基本的な放射線撮影処理を実行する構成に、第2の変形例の動作を組み合わせた構成である。
【0128】
本実施の形態の装置構成は、第2の実施の形態と同様に、放射線撮影システム100Aを用いるものとする。ただし、撮影制御装置30の記憶部33には、後述する通信チェックテーブル60が記憶され、第1の本撮影制御プログラムに代えて、後述する第2の本撮影制御処理を実行するための第2の本撮影制御プログラムが記憶されているものとする。また、曝射制御装置40の記憶部42には、第1の本曝射制御プログラムに代えて、後述する第2の本曝射制御処理を実行するための第2の本曝射制御プログラムが記憶されているものとする。
【0129】
つぎに、
図17を参照して、撮影制御装置30の記憶部33に記憶される通信チェックテーブル60を説明する。
図17は、本変形例の通信チェックテーブル60を示す図である。
【0130】
図17に示すように、通信チェックテーブル60は、ケース61と、撮影制御装置-放射線撮影装置62と、撮影制御装置-曝射制御装置63と、放射線撮影装置-曝射制御装置64と、継続可否65と、の項目を有する。
【0131】
ケース61、撮影制御装置-放射線撮影装置62、撮影制御装置-曝射制御装置63、放射線撮影装置-曝射制御装置64、継続可否65は、それぞれ、
図11の通信チェックテーブル50のケース51、撮影制御装置-放射線撮影装置52、撮影制御装置-曝射制御装置53、放射線撮影装置-曝射制御装置54、継続可否55と同様である。ただし、継続可否65は、本変形例ではバックアップタイムが必要ないため、本撮影の継続が可能(〇)であってもバックアップタイム利用の要否は設定されていない。
【0132】
つぎに、
図18~
図20を参照して、放射線撮影システム100Aの動作を説明する。
図18は、第2の本撮影制御処理を示すフローチャートである。
図19は、第2の本曝射制御処理を示すフローチャートである。
図20は、第2の本撮影制御処理及び本曝射制御処理に対応する放射線撮影処理の一例を示すシーケンス図である。
【0133】
図18を参照して、撮影制御装置30により実行される第2の本撮影制御処理を説明する。
図16の放射線撮影システム100Aのプレ撮影を伴う基本的な放射線撮影処理において、プレ撮影(ステップS201~S212)が終了したことをトリガーとして、撮影制御装置30の制御部31は、記憶部33に記憶されている第2の本撮影制御プログラムに従い、第2の本撮影制御処理を実行する。
【0134】
まず、制御部31は、
図12の第1の本撮影制御処理のステップS31と同様に、放射線撮影システム100Aの撮影制御装置30及び放射線撮影装置20の間と、撮影制御装置30及び曝射制御装置40の間と、放射線撮影装置20及び曝射制御装置40の間と、の通信が正常であるか否かの通信チェックを行い、さらに通信部35を用いて、ジェネレーター10及び撮影制御装置30の間の通信が正常であるか否かの通信チェックを行う(ステップS61)。そして、制御部31は、記憶部33に記憶されている通信チェックテーブル60を参照し、ステップS61のチェック結果を通信チェックテーブル60のケース61のパターンと照合し本撮影を継続するか(継続可否65が可能(〇)か)否か(継続可否65が否(×)か)を判別する(ステップS62)。
【0135】
本撮影を継続する場合(ステップS62;YES)、制御部31は、ステップS61のジェネレーター10及び撮影制御装置30の間の通信チェックの結果に応じて、ジェネレーター10及び撮影制御装置30の間の通信が正常であるか否かを判別する(ステップS63)。ジェネレーター10及び撮影制御装置30の間の通信が正常である場合(ステップS63;YES)、通常の本撮影となり、制御部31は、
図16の基本的な放射線撮影処理のステップS213,S214と同様に、通信部35を介して、ステップS212で算出された本曝射の曝射条件をジェネレーター10に送信し、撮影許可信号を曝射制御装置40に送信する(ステップS64)。ステップS65は、
図12のステップS35(
図16のステップS221)と同様である。
【0136】
ステップS66,S67は、
図12のステップS36,S37と同様である。ジェネレーター10及び撮影制御装置30の間の通信が正常でない場合(ステップS63;NO)、ステップS66に移行される。
【0137】
ついで、
図19を参照して、曝射制御装置40により実行される第2の本曝射制御処理を説明する。
図16の放射線撮影システム100Aのプレ撮影を伴う基本的な放射線撮影処理において、プレ撮影の蓄積停止信号送信(ステップS210)が終了したことをトリガーとして、曝射制御装置40の制御部41は、記憶部42に記憶されている第2の本曝射制御プログラムに従い、第2の本曝射制御処理を実行する。
【0138】
まず、制御部41は、
図16の基本的な放射線撮影処理のステップS214(
図18の第2の本撮影制御処理のステップS64)に対応して、通信部43を介して、撮影許可信号を撮影制御装置30から受信したか否かを判別する(ステップS71)。ステップS72~S77は、それぞれ、
図13の第1の本撮影制御処理のステップS42,S45~S47,S49,S50と同様である。
【0139】
例えば、
図20に示すように、
図16の基本的な放射線撮影処理のプレ撮影(ステップS201~S212)の後、第2の本撮影制御処理のステップS61で、撮影制御装置30及び曝射制御装置40の間と、撮影制御装置30及び放射線撮影装置20の間とが通信異常(ステップS61a,S61b)となり、その他の装置間の通信が正常である場合に、通信チェックテーブル60のケース61が“7”となり、継続可否が“〇”となり、ステップS62~S65が実行され、第2の本曝射制御処理のステップS71~S77が実行されて、本撮影が継続される。
【0140】
以上、本変形例によれば、上記第2の変形例と同様の効果を奏する。
【0141】
(第3の実施の形態)
図21~
図24を参照して、本発明に係る第3の実施の形態を説明する。第1、第2の実施の形態では、放射線撮影システム100Aが曝射制御装置40を備える構成であったが、本実施の形態では、放射線撮影システム100Bが曝射制御装置40を備えない構成である。
【0142】
図21を参照して、本実施の形態の装置構成を説明する。ただし、上記実施の形態と同じ構成部分については、同じ符号を付して、その説明を省略する。
図21は、本実施の形態の放射線撮影システム100Bを示す図である。
【0143】
図21に示すように、本実施の形態の放射線撮影システム100Bは、ジェネレーター10と、放射線撮影装置20と、撮影制御装置30と、を備える。撮影制御装置30は、第1、第2の実施の形態の曝射制御装置40と同様の曝射制御の機能を有するものとする。
【0144】
つぎに、
図22を参照して、放射線撮影システム100Bの動作を説明する。
図22は、本実施の形態の基本的な放射線撮影処理を示すシーケンス図である。
【0145】
図22を参照して、放射線撮影システム100Bの基本的な放射線撮影処理を説明する。ただし、この放射線撮影処理は、プレ曝射によるプレ画像データの撮影(プレ撮影)と、本曝射による本画像データの撮影(本撮影)と、の2回の曝射による撮影を含むものとする。また、あらかじめ、放射線撮影システム100Bが設けられた撮影室に検査者及び患者が入室し、ジェネレーター10の放射線源14は、患者の患部などの被写体に向けられ、曝射の準備がされているものとする。
【0146】
図22に示すように、まず、撮影制御装置30の制御部31は、操作部32を介する検査者からの操作入力などに応じて、プレ曝射の曝射条件を生成し、通信部35を介して当該曝射条件をジェネレーター10に送信する(ステップS301)。
【0147】
そして、ジェネレーター10の制御部11は、検査者からの曝射スイッチ12の押下入力を受け付ける(ステップS302)。ただし、検査者は、曝射スイッチ12をプレ曝射及び本曝射の後まで押しっぱなしにする。そして、ジェネレーター10の制御部11は、ステップS302の押下入力を示すスイッチ押下信号を生成し、通信部35を介して当該スイッチ押下信号を撮影制御装置30に送信する(ステップS303)。そして、撮影制御装置30の制御部31は、通信部35を介して、ステップS303で送信されたスイッチ押下信号を受信し、当該スイッチ押下信号に応じた蓄積要求信号を生成し、当該蓄積要求信号を放射線撮影装置20に送信する(ステップS304)。
【0148】
そして、放射線撮影装置20の制御部21は、通信部25を介してステップS304で送信された蓄積要求信号を受信し、当該蓄積要求信号に応じて、放射線撮像部24の撮像素子の電荷の蓄積を開始し、当該電荷の蓄積開始示す蓄積開始信号を生成し、通信部25を介して当該蓄積開始信号を撮影制御装置30に送信する(ステップS305)。そして、撮影制御装置30の制御部31は、通信部35を介してステップS305で送信された蓄積開始信号を受信し、当該蓄積開始信号に応じて、プレ曝射を許可する撮影許可信号を生成し、通信部35を介して当該撮影許可信号をジェネレーター10に送信する(ステップS306)。
【0149】
そして、ジェネレーター10の制御部11は、通信部15を介してステップS306で送信された撮影許可信号を受信し、当該撮影許可信号に応じて、ステップS301で受信した曝射条件で放射線源14に電圧を印加し放射線のプレ曝射を行う(ステップS307)。そして、ジェネレーター10の制御部11は、ステップS307の曝射終了後に、曝射終了を示す曝射終了信号を生成し、通信部15を介して当該曝射終了信号を撮影制御装置30に送信する(ステップS308)。
【0150】
そして、撮影制御装置30の制御部31は、通信部35を介してステップS308で送信された曝射終了信号を受信し、当該曝射終了信号に応じて、電荷の蓄積を停止させる蓄積停止信号を生成し、通信部35を介して当該蓄積停止信号を放射線撮影装置20に送信する(ステップS309)。そして、放射線撮影装置20の制御部21は、通信部25を介してステップS309で送信された蓄積停止信号を受信し、当該蓄積停止信号に応じて、放射線撮像部24の撮像素子の電荷の蓄積を停止し、撮像素子の電荷を読み出してプレ画像データを生成し、通信部25を介して当該プレ画像データを撮影制御装置30に送信する(ステップS310)。
【0151】
そして、撮影制御装置30の制御部31は、通信部35を介してステップS310で送信されたプレ画像データを受信し、当該プレ画像データを画像解析して、本曝射の曝射条件を算出する(ステップS311)。そして、撮影制御装置30の制御部31は、通信部35を介してステップS311で算出された本曝射の曝射条件をジェネレーター10に送信する(ステップS312)。そして、撮影制御装置30の制御部31は、蓄積要求信号を生成し、通信部35を介して当該蓄積要求信号を放射線撮影装置20に送信する(ステップS313)。そして、放射線撮影装置20の制御部21は、通信部25を介してステップS313で送信された蓄積要求信号を受信し、当該蓄積要求信号に応じて、放射線撮像部24の撮像素子の電荷の蓄積を開始し、当該電荷の蓄積開始を示す蓄積開始信号を生成し、通信部25を介して当該蓄積開始信号を撮影制御装置30に送信する(ステップS314)。
【0152】
そして、撮影制御装置30の制御部31は、通信部35を介してステップS314で送信された蓄積開始信号を受信し、当該蓄積開始信号に応じて、ステップS312で受信した曝射条件での本曝射を許可する撮影許可信号を生成し、通信部43を介して当該撮影許可信号をジェネレーター10に送信する(ステップS315)。そして、ジェネレーター10の制御部11は、通信部15を介してステップS315で送信された撮影許可信号を受信し、当該撮影許可信号の曝射条件で放射線源14に電圧を印加し放射線の本曝射を行う(ステップS316)。
【0153】
そして、ジェネレーター10の制御部11は、放射線源14への電圧の印加を停止し放射線の本曝射を終了し、曝射終了後に、曝射終了を示す曝射終了信号を生成し、通信部15を介して当該曝射終了信号を撮影制御装置30に送信する(ステップS317)。
【0154】
そして、撮影制御装置30の制御部31は、通信部35を介してステップS317で送信された曝射終了信号を受信し、当該曝射終了信号に応じて、電荷の蓄積を停止させる蓄積停止信号を生成し、通信部35を介して当該蓄積停止信号を放射線撮影装置20に送信する(ステップS318)。そして、放射線撮影装置20の制御部21は、通信部25を介してステップS318で送信された蓄積停止信号を受信し、当該蓄積停止信号に応じて、放射線撮像部24の撮像素子の電荷の蓄積を停止し、撮像素子の電荷を読み出して本画像データを生成し、通信部25を介して当該本画像データを撮影制御装置30に送信する(ステップS319)。
【0155】
ステップS301~S311の処理は、プレ画像データを撮影するプレ撮影の処理である。ステップS312~S319の処理は、本画像データを撮影する本撮影の処理である。
【0156】
本実施の形態において、撮影制御装置30の制御部31が、第1の実施の形態の
図7の第1の撮影制御処理と同様の第1の撮影制御処理を実行する。ただし、ステップS12の通信のチェックは、撮影制御装置30及びジェネレーター10の間と、撮影制御装置30及び放射線撮影装置20の間と、の通信が正常であるか否かの通信チェックとなる。
【0157】
以上、本実施の形態によれば、放射線撮影システム100Bにおいて、上記第1の実施の形態と同様の効果を奏する。
【0158】
(第5の変形例)
第3の実施の形態の変形例としての第5の変形例を説明する。本変形例は、第3の実施の形態の基本的な放射線撮影処理を実行する構成に、第1の変形例の動作を組み合わせた構成である。
【0159】
本実施の形態の装置構成は、第3の実施の形態と同様に、放射線撮影システム100Bを用いるものとする。本変形例において、撮影制御装置30の制御部31が、第1の変形例の
図9の第2の撮影制御処理と同様の第2の撮影制御処理を実行する。
【0160】
以上、本変形例によれば、放射線撮影システム100Bにおいて、上記第1の変形例と同様の効果を奏する。
【0161】
(第6の変形例)
図23、
図24を参照して、第3の実施の形態の変形例としての第6の変形例を説明する。
図23は、本変形例の通信チェックテーブル70を示す図である。
【0162】
本変形例の装置構成として、第3の実施の形態と同様に、放射線撮影システム100Bを用いるものとする。ただし、撮影制御装置30の記憶部33には、
図23に示す通信チェックテーブル70が記憶され、第1の撮影制御プログラムに代えて、
図12の第1の本撮影制御処理を実行するための第1の本撮影制御プログラムが記憶されているものとする。
【0163】
通信チェックテーブル70は、プレ曝射後の放射線撮影システム100Bの各装置の通信チェックにより、本曝射の継続可能か否かを判別するための情報を有するテーブルである。通信チェックテーブル70は、ケース71と、撮影制御装置-放射線撮影装置72と、継続可否73と、の項目を有する。
【0164】
ケース71は、放射線撮影システム100Bの各装置間の通信正常のパターンが異なるケースの識別情報である。撮影制御装置-放射線撮影装置72は、ケース71における撮影制御装置30及び放射線撮影装置20の間の通信が正常(〇)であるか異常(×)であるかを示す情報である。継続可否73は、ケース71における本撮影の継続が可能(〇)であるか否(×)かを示す情報である。
【0165】
つぎに、
図24を参照して、放射線撮影システム100Bの動作を説明する。
図24は、第1の本撮影制御処理に対応する放射線撮影処理の一例を示すシーケンス図である。
【0166】
第2の変形例と同様に、撮影制御装置30により実行される第1の本撮影制御処理を説明する。
図22の放射線撮影システム100Bのプレ撮影を伴う基本的な放射線撮影処理において、プレ撮影(ステップS301~S311)が終了したことをトリガーとして、撮影制御装置30の制御部31は、記憶部33に記憶されている第1の本撮影制御プログラムに従い、第1の本撮影制御処理を実行する。
【0167】
本変形例の第1の本撮影制御処理は、
図12の第1の本撮影制御処理と同様である。ただし、ステップS31では、曝射制御装置40を含む装置間の通信チェックが実行されない。また、ステップS33は、実行されない。また、ステップS34では、曝射条件がジェネレーター10に送信され、蓄積要求信号が放射線撮影装置20に送信され、蓄積開始信号の受信に応じて撮影許可信号がジェネレーター10に送信され、曝射後の曝射終了信号がジェネレーター10から受信され、曝射停止信号が放射線撮影装置20に送信される(
図22のステップS312~S315,S317,S318に対応)。
【0168】
例えば、
図24に示すように、
図22の基本的な放射線撮影処理のプレ撮影(ステップS301~S311)の後、ステップS31で、撮影制御装置30及び放射線撮影装置20の間が通信異常(ステップS31d)となり、その他の装置間の通信が正常である場合に、通信チェックテーブル70のケース71が“2”となり、継続可否73が“×”となり、ステップS36,S37が実行されて、本撮影が停止される。
【0169】
以上、本変形例によれば、放射線撮影システム100Bにおいて、上記第2の変形例と同様の効果を奏する。
【0170】
なお、上記実施の形態及び変形例における記述は、本発明に係る好適な制御装置、放射線撮影システム及びプログラムの一例であり、これに限定されるものではない。例えば、上記各実施の形態及び変形例の少なくとも2つを適宜組み合わせる構成としてもよい。具体的には、例えば、第1の実施の形態において、撮影制御装置30の制御部31が、第2の変形例の通信チェックテーブル50と同様の通信チェックテーブルを用いて、放射線撮影システム100Aの各装置間の通信チェックを行い、その通信チェックの結果に応じて、プレ曝射を行うか否かを判別する構成としてもよい。このように、放射線撮影システム100Aの全ての装置間のうちの少なくとも一部の装置間の通信が正常である場合に、プレ曝射が制御される構成としてもよい。これは、第1の変形例、第2の実施の形態、第3の変形例、第3の実施の形態、第5の変形例でも同様である。
【0171】
また、上記実施の形態及び変形例では、放射線撮影システム100A,100Bにおいて、ジェネレーター10及び曝射制御装置40の間以外の各装置の間が全て無線通信接続される構成としたが、これに限定されるものではない。放射線撮影システム100A,100Bにおいて、各装置間の少なくとも一つが有線通信接続される構成としてもよい。また、例えば、
図7の撮影制御処理のステップS13では、有線通信の装置間において、通信ケーブルが未接続の場合には、プレ曝射を許可しない構成としてもよい。また、放射線撮影システムの各装置間の少なくとも一つの装置間が、無線通信である場合に、プレ曝射を許可しない構成としてもよい。
【0172】
また、上記実施の形態及び変形例では、撮影制御装置30が、放射線撮影装置20からプレ画像データを受信して、プレ画像データから本曝射の曝射条件を算出する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、放射線撮影装置20の制御部21が、プレ曝射によるプレ画像データを生成後に、本曝射の曝射条件を算出し、通信部25を介して、撮影制御装置30に当該曝射条件を送信する構成としてもよい。
【0173】
また、上記実施の形態及び変形例では、複数回の曝射を伴う放射線撮影として、プレ曝射(プレ撮影)及び本曝射(本撮影)を行う構成としたが、これに限定されるものではない。複数回の曝射を伴う放射線撮影としては、シリアル撮影、長尺撮影、DES(Dual Energy Subtraction)撮影など、他の複数回の曝射を伴う放射線撮影としてもよい。シリアル撮影は、静止画像データの撮影を複数回連続して行い動画像データを得る撮影方法である。長尺撮影は、1枚の放射線撮影装置で位置をずらしながら連続して撮影する方法である。DES撮影は、線量の違う2枚の画像データを2枚連続で撮影する方法である。
【0174】
また、上記実施の形態及び変形例では、撮影制御装置30が、制御装置として機能し、
図7の第1の撮影制御処理、
図9の第2の撮影制御処理、
図12の第1の本撮影制御処理、
図17の第2の本撮影制御処理などの処理を行う構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、放射線撮影システムの各装置のうち、撮影制御装置30以外の装置が、制御装置として機能し、上記処理の少なくとも一部と同様の処理を実行する構成としてもよい。
【0175】
また、以上の実施の形態及び変形例における放射線撮影システム100A,100Bを構成する各部の細部構成及び細部動作に関して本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0176】
100A,100B 放射線撮影システム
10 ジェネレーター
11 制御部
12 曝射スイッチ
13 記憶部
14 放射線源
15 通信部
16 バス
20 放射線撮影装置
21 制御部
22 操作部
23 記憶部
24 放射線撮像部
25 通信部
26 バス
30 撮影制御装置
31 制御部
32 操作部
33 記憶部
34 表示部
35 通信部
36 バス
40 曝射制御装置
41 制御部
42 記憶部
43 通信部
44 バス