(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/00 20060101AFI20240709BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20240709BHJP
G03G 15/02 20060101ALI20240709BHJP
G03G 15/06 20060101ALI20240709BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240709BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20240709BHJP
H02M 3/00 20060101ALI20240709BHJP
H02M 7/48 20070101ALI20240709BHJP
【FI】
G03G15/00 680
B41J29/00 C
G03G15/02 102
G03G15/06 101
G03G21/00 398
G03G21/16
G03G21/16 176
H02M3/00
H02M7/48
(21)【出願番号】P 2020096384
(22)【出願日】2020-06-02
【審査請求日】2023-05-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】相川 行浩
【審査官】大浜 登世子
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-252386(JP,A)
【文献】特開2001-161031(JP,A)
【文献】特開2010-139900(JP,A)
【文献】特開2010-250232(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/00
B41J 29/00
G03G 15/02
G03G 15/06
G03G 21/00
G03G 21/16
H02M 3/00
H02M 7/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パルス信号
とPWM信号の2つの信号を出力する制御回路と、
クロック信号生成回路、パルス信号変換回路、
前記PWM信号が入力されるPWM信号変換回路と、交流電圧を生成する交流電圧生成回路、及び、直流電圧を生成する直流電圧生成回路と、を含み、トナー像を形成するための印加対象に前記交流電圧と前記直流電圧を印加する高圧電源部と、を備え、
前記クロック信号生成回路は、
前記パルス信号が入力され、
入力された前記パルス信号に基づきクロック信号を生成し、
前記パルス信号変換回路は、
前記パルス信号が入力され、
入力された前記パルス信号のデューティ比に応じた電圧値のパルス変換制御信号を生成し、
前記PWM信号変換回路は、入力された前記PWM信号のデューティ比が大きいほど電圧値が大きく、前記PWM信号のデューティ比が小さいほど電圧値が小さいPWM変換制御信号を生成し、
前記交流電圧生成回路は、
前記クロック信号が入力され、
前記クロック信号に基づいた周波数の前記交流電圧を生成し、
前記交流電圧生成回路又は前記直流電圧生成回路のうち一方は、
前記パルス変換制御信号が入力され、
前記パルス変換制御信号の電圧値が大きいほど振幅又は電圧値が大きく、前記パルス変換制御信号の電圧値が小さいほど振幅又は電圧値が小さい電圧を生成
し、
前記交流電圧生成回路と前記直流電圧生成回路のうちの他方は、
前記PWM変換制御信号が入力され、
前記PWM変換制御信号の電圧値が大きいほど振幅又は電圧値が大きく、前記PWM変換制御信号の電圧値が小さいほど振幅又は電圧値が小さい電圧を生成することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記クロック信号生成回路は、
Dフリップフロップであり、
前記パルス信号の立ち上がり、又は、立ち下がりににあわせて前記クロック信号のレ
ベルを反転させることを特徴とする請求項
1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記パルス信号変換回路は、積分回路を含むことを特徴とする請求項1
又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記印加対象は、感光体ドラムを帯電させる帯電用部材、又は、トナーを保持して前記感光体ドラムを現像する現像ローラーであることを特徴とする請求項1乃至
3の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記パルス信号変換回路は、入力された前記パルス信号のデューティ比が大きいほど電圧値が大きく、前記パルス信号のデューティ比が小さいほど電圧値が小さい、又は、入力された前記パルス信号のデューティ比が大きいほど電圧値が小さく、前記パルス信号のデューティ比が小さいほど電圧値が大きい、前記パルス変換制御信号を生成することを特徴とする請求項1乃至
4の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
第1パルス信号と第2パルス信号
と第1PWM信号と第2PWM信号の4つの信号を出力する制御回路と、
第1クロック信号生成回路、第2クロック信号生成回路、第1パルス信号変換回路、第2パルス信号変換回路、
前記第1PWM信号が入力される第1PWM信号変換回路、前記第2PWM信号が入力される第2PWM信号変換回路、第1印加対象に印加する第1交流電圧を生成する第1交流電圧生成回路、第2印加対象に印加する第2交流電圧を生成する第2交流電圧生成回路、第1印加対象に印加する第1直流電圧を生成する第1直流電圧生成回路、及び、第2印加対象に印加する第2直流電圧を生成する第2直流電圧生成回路を含み、トナー像を形成するための電圧を出力する高圧電源部と、を備え、
前記第1クロック信号生成回路は、
前記第1パルス信号が入力され、
入力された前記第1パルス信号に基づき第1クロック信号を生成し、
前記第1パルス信号変換回路は、
前記第1パルス信号が入力され、
入力された前記第1パルス信号のデューティ比に応じた電圧値の第1パルス変換制御信号を生成し、
前記第2クロック信号生成回路は、
前記第2パルス信号が入力され、
入力された前記第2パルス信号に基づき第2クロック信号を生成し、
前記第2パルス信号変換回路は、
前記第2パルス信号が入力され、
入力された前記第2パルス信号のデューティ比に応じた電圧値の第2パルス変換制御
信号を生成し、
前記第1PWM信号変換回路は、入力された前記第1PWM信号のデューティ比が大きいほど電圧値が大きく、前記第1PWM信号のデューティ比が小さいほど電圧値が小さい第1PWM変換制御信号を生成し、
前記第2PWM信号変換回路は、入力された前記第2PWM信号のデューティ比が大きいほど電圧値が大きく、前記第2PWM信号のデューティ比が小さいほど電圧値が小さい第2PWM変換制御信号を生成し、
前記第1交流電圧生成回路は、
前記第1クロック信号が入力され、
前記第1クロック信号に基づいた周波数の前記第1交流電圧を生成し、
前記第2交流電圧生成回路は、
前記第2クロック信号が入力され、
前記第2クロック信号に基づいた周波数の前記第2交流電圧を生成し、
前記第1交流電圧生成回路、前記第2交流電圧生成回路、前記第1直流電圧生成回路、
及び、前記第2直流電圧生成回路のうちの1つは、
前記第1パルス変換制御信号が入力され、
前記第1パルス変換制御信号の電圧値が大きいほど振幅又は電圧値が大きい電圧を生成し、
前記第1パルス変換制御信号の電圧値が小さいほど振幅又は電圧値が小さい電圧を生成し、
前記第1交流電圧生成回路、前記第2交流電圧生成回路、前記第1直流電圧生成回路、
及び、前記第2直流電圧生成回路のうち、前記第1パルス変換制御信号が入力されないもののうちの1つは、
前記第2パルス変換制御信号が入力され、
前記第2パルス変換制御信号の電圧値が大きいほど振幅又は電圧値が大きい電圧を生成し、
前記第2パルス変換制御信号の電圧値が小さいほど振幅又は電圧値が小さい電圧を生成
し、
前記第1交流電圧生成回路、前記第2交流電圧生成回路、前記第1直流電圧生成回路、及び、前記第2直流電圧生成回路のうち、前記第1パルス変換制御信号と前記第2パルス変換制御信号が入力されないもののうちの1つは、
前記第1PWM変換制御信号が入力され、
前記第1PWM変換制御信号の電圧値が大きいほど振幅又は電圧値が大きく、前記第1PWM変換制御信号の電圧値が小さいほど振幅又は電圧値が小さい電圧を生成し、
前記第1交流電圧生成回路、前記第2交流電圧生成回路、前記第1直流電圧生成回路、及び、前記第2直流電圧生成回路のうち、前記第1パルス変換制御信号、前記第2パルス変換制御信号、及び、前記第1PWM変換制御信号が入力されないものは、
前記第2PWM変換制御信号が入力され、
前記第2PWM変換制御信号の電圧値が大きいほど振幅又は電圧値が大きく、前記第2PWM変換制御信号の電圧値が小さいほど振幅又は電圧値が小さい電圧を生成することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
前記第1パルス信号変換回路は、入力された前記第1パルス信号のデューティ比が大きいほど電圧値が大きく、前記第1パルス信号のデューティ比が小さいほど電圧値が小さい、又は、入力された前記第1パルス信号のデューティ比が大きいほど電圧値が小さく、前記第1パルス信号のデューティ比が小さいほど電圧値が大きい、前記第1パルス変換制御信号を生成し、
前記第2パルス信号変換回路は、入力された前記第2パルス信号のデューティ比が大きいほど電圧値が大きく、前記第2パルス信号のデューティ比が小さいほど電圧値が小さい、又は、入力された前記第2パルス信号のデューティ比が大きいほど電圧値が小さく、前記第2パルス信号のデューティ比が小さいほど電圧値が大きい、前記第2パルス変換制御信号を生成することを特徴とする請求項
6に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トナーを用いて印刷する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
トナーを用いて印刷する画像形成装置は、感光体ドラムや感光体ドラムを帯電させる部材を含む。放電を利用して感光体ドラムを帯電させる場合、高い電圧を帯電用部材に印加する。また、適切な帯電のため、帯電用部材に交流電圧と直流電圧の両方を印加することもある。特許文献1には、帯電用部材に交流電圧と直流電圧の両方を印加する装置の一例が記載されている。
【0003】
具体的に、特許文献1には、画像形成装置の感光体の帯電用部材に高圧交流電圧と高圧直流電圧を重畳した高電圧を印加し、入力されたパルス幅変調信号に基づいて第1の電圧値を持つ第1直流電圧を出力し、第1直流電圧を第2直流電圧に変換して出力し、第2の直流電圧を昇圧して高圧直流電圧を生成し、高電圧の交流成分の正のピーク値および負のピーク値を検出し、正のピーク値の絶対値と負のピーク値の絶対値の差分に係数α(1未満の正の実数)を乗じた値に相当する第3の電圧値を持つ第3直流電圧を出力し、第1電圧値から第3の電圧値を減算した電圧値を持つ第2直流電圧を出力する高圧電源が記載されている。この構成により、電荷が残る感光体表面を狙った電位で帯電しようとする(特許文献1:請求項1、[0004]参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
トナーを用いて印刷する画像形成装置では、感光体ドラムと、感光体ドラムを帯電させる帯電用部材が設けられる。例えば、ローラーやブラシが帯電用部材として用いられる。画像データに基づき、露光装置が帯電した感光体ドラムを露光する。現像用部材は感光体ドラムの静電潜像をトナーで現像する。転写用部材は、現像されたトナー像を用紙に転写する。用紙は加熱、加圧される。用紙にトナー像が定着し、印刷が完了する。
【0006】
帯電用部材に交流電圧と直流電圧の両方を印加することがある。過不足なく(適切に)感光体ドラムを帯電させるには、帯電用部材に印加する交流電圧と直流電圧の大きさ(振幅)を制御しなくてはならない。例えば、交流電圧と直流電圧の一方、又は、両方が小さすぎると、帯電不足によって、画質が低下する場合がある。また、画像にムラが生じないように、交流電圧の周波数を制御する必要もある。つまり、2種の電圧の振幅、及び、周波数の合計3項目を制御する必要がある。
【0007】
トナー像形成用部材への電圧印加のため、画像形成装置に電源基板を搭載することがある。電源基板は、高圧電源、又は、高圧基板と称されることもある。制御回路の指示に基づき、電源基板はトナー像形成用部材に印加する電圧を生成する。交流と直流を重畳した電圧をトナー像形成用部材に印加する場合、交流電圧の大きさを指示する制御信号線と、直流電圧の大きさを指示する制御信号線と、交流電圧の周波数を指示する制御信号線の3つの信号線が必要となる。交流と直流を重畳した電圧を印加する部材は、1つに限られない。制御回路と電源基板をつなぐ信号線が多くなる場合があるという問題がある。
【0008】
特許文献1に記載の高圧電源では、制御回路から3種類の制御信号が入力される(特許文献1:
図5参照)。3種類の制御信号線を用いて、3種類の制御信号を高圧電源に入力している。特許文献1に記載の高圧電源は、高圧電源につなぐ信号線の数は、従来どおりである。従って、特許文献1記載の技術では上記の問題を解決できない。
【0009】
上記従来技術の問題点に鑑み、本発明は、制御回路と電源装置をつなぐ信号線の数を従来よりも減らし、配線を簡素化する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題解決のため、本発明に係る画像形成装置は、制御回路、高圧電源部を備える。前記制御回路はパルス信号を出力する。前記高圧電源部は、クロック信号生成回路、パルス信号変換回路、交流電圧を生成する交流電圧生成回路、及び、直流電圧を生成する直流電圧生成回路と、を含む。前記高圧電源部は、トナー像を形成するための印加対象に前記交流電圧と前記直流電圧を印加する。前記クロック信号生成回路は、前記パルス信号が入力される。前記クロック信号生成回路は、入力された前記パルス信号に基づきクロック信号を生成する。前記パルス信号変換回路は、前記パルス信号が入力される。前記パルス信号変換回路は、入力された前記パルス信号のデューティ比に応じた電圧値のパルス変換制御信号を生成する。前記交流電圧生成回路は、前記クロック信号が入力される。前記交流電圧生成回路は、前記クロック信号に基づいた周波数の前記交流電圧を生成する。前記交流電圧生成回路又は前記直流電圧生成回路のうち一方は、前記パルス変換制御信号が入力される。前記交流電圧生成回路又は前記直流電圧生成回路のうち一方は、前記パルス変換制御信号の電圧値が大きいほど振幅又は電圧値が大きく、前記パルス変換制御信号の電圧値が小さいほど振幅又は電圧値が小さい電圧を生成する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、従来よりも、制御回路と電源装置をつなぐ信号線の数を減らし、配線を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態に係るプリンターの一例を示す図である。
【
図2】実施形態に係る印刷部の一例を示す図である。
【
図3】実施形態に係る高圧電源部の一例を示す図である。
【
図4】実施形態に係る高圧電源部で扱う信号波形の一例を示す図である。
【
図5】実施形態に係るクロック信号生成回路の一例を示す図である。
【
図6】第1変形例に係る高圧電源部の一例を示す図である。
【
図7】第2変形例に係る高圧電源部の一例を示す図である。
【
図8】第2変形例に係る各信号の入力先の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、
図1~
図8を用いて本発明の実施形態、第1変形例、及び、第2変形例を説明する。以下の説明では、画像形成装置として、プリンター100を例に挙げて説明する。但し、本実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定せず、単なる説明例にすぎない。以下の説明では、正帯電型のトナーを用いる例を説明する。しかし、本発明は、負帯電型のトナーを用いる画像形成装置にも適用できる。
【0014】
(プリンター100の概略)
次に、
図1に基づき、実施形態に係るプリンター100の概略を説明する。
図1は、実施形態に係るプリンター100の一例を示す図である。
【0015】
プリンター100は制御部1、記憶部2、操作パネル3、エンジン制御部4、印刷部5を含む。制御部1は基板である(メイン制御基板)。制御部1はプリンター100の動作を制御する。制御部1はメイン制御回路10、画像処理回路11、通信回路部12を含む。例えば、メイン制御回路10はCPUである。記憶部2が記憶するプログラム、データに基づき、メイン制御回路10は演算、処理を行い、プリンター100の各部の動作を制御する。
【0016】
例えば、通信回路部12はコネクター、通信制御回路(通信IC)、通信用メモリーを含む。通信回路部12はコンピューター200と通信する。通信回路部12は、通信関連処理を行う。通信用メモリーは通信用ソフトウェアを記憶する。例えば、コンピューター200はPC、サーバーである。通信回路部12は、コンピューター200から送信された印刷用データを受信する。印刷用データは、印刷の設定データや印刷内容をページ記述言語で記述したデータを含む。
【0017】
例えば、画像処理回路11はASIC(画像処理用に設計された集積回路)である。印刷用データに含まれるページ記述言語で記述されたデータに基づき、画像処理回路11は画像データ(ラスターデータ)を生成する。画像処理回路11は、コンピューター200での印刷の設定内容(設定データ)に応じて、ラスターデータの画像処理を行う。画像処理回路11は、画像処理後のラスターデータを変換し、出力用画像データを生成する。
【0018】
プリンター100は、記憶部2として、ROM21、RAM22、ストレージ23を含む。例えば、ストレージ23はHDD又はSSDである。記憶部2は不揮発性と揮発性の記憶装置を含む。
【0019】
プリンター100は操作パネル3を含む。操作パネル3は、表示パネル31、タッチパネル32、ハードキー33を含む。制御部1は、メッセージ、設定画面、ソフトウェアキーを表示パネル31に表示させる。また、タッチパネル32の出力に基づき、制御部1は操作されたソフトウェアキーを認識する。ハードキー33が出力する信号に基づき、制御部1は、操作されたハードキー33を認識する。
【0020】
プリンター100はエンジン制御部4と印刷部5を含む。エンジン制御部4は基板である(エンジン制御基板)。エンジン制御部4はエンジン制御回路40(制御回路に相当)とエンジンメモリー41を含む。例えば、エンジン制御回路40はCPUである。エンジンメモリー41はRAM、ROMを含む。例えば、エンジン制御部4は印刷部5が含むモーターの回転を制御する。また、エンジン制御部4は、用紙搬送やトナー像形成を制御する。
【0021】
印刷部5は給紙部5a、用紙搬送部5b、画像形成部5c、定着部5dを含む。制御部1の指示に基づき、エンジン制御部4は給紙部5a、用紙搬送部5b、画像形成部5c、定着部5dの動作を制御する。
【0022】
(印刷部5)
次に、
図2を用いて、実施形態に係る印刷部5の一例を説明する。
図2は、実施形態に係る印刷部5の一例を示す図である。
【0023】
給紙部5aは、例えば、用紙セット板51、給紙ローラー52、給紙モーター(不図示)を含む。用紙セット板51には、用紙束がセットされる。給紙モーターは給紙ローラー52を回転させる。印刷ジョブのとき、エンジン制御部41は、給紙ローラー52(給紙モーター)を回転させる。回転する給紙ローラー52は、用紙セット板51にセットされた用紙を1枚ずつ送り出す。用紙は用紙搬送部5bに送り出される。
【0024】
用紙搬送部5bは、用紙搬送用の搬送ローラー対53、搬送ガイド54、搬送モーター(不図示)を含む。搬送モーターは搬送ローラー対53を回転させる。これにより、搬送ローラー対53は用紙を搬送する。
図2は、搬送ローラー対53として、レジストローラー対55と排出ローラー対56を設ける例を示す。
【0025】
エンジン制御部41は、用紙先端が到達した時点では、レジストローラー対55を停止させる。用紙先端をレジストローラー対55のニップに突き当てることにより、用紙の斜行が矯正される。矯正後、エンジン制御部41は、画像形成部5c(感光体ドラム60)で形成されたトナー像にあわせてレジストローラー対55を回転させる。これにより、用紙の適切な位置にトナー像が転写されるように、用紙がレジストローラー対55から送り出される。搬送ガイド54は、搬送される用紙を案内する。これにより、用紙は所定の経路で搬送される。
【0026】
画像形成部5cは、感光体ドラム60、露光装置61、帯電用部材62、現像装置63、転写ローラー64、クリーニング装置65を含む。感光体ドラム60の回転方向において、帯電用部材62、現像装置63、転写ローラー64、クリーニング装置65の順番に、感光体ドラム60の周りに各装置が設けられる。
【0027】
感光体ドラム60は円筒状である。感光体ドラム60の表面(周面)は感光層である。感光層は、例えば、アモルファスシリコンの層である。画像形成部5cはメインモーターを含む。メインモーターは、感光体ドラム60を回転させる。印刷のとき、エンジン制御部41は、メインモーター(不図示)を回転させる。印刷のとき、エンジン制御部41は、所定の周速度で感光体ドラム60を回転させる。
【0028】
帯電用部材62は感光体ドラム60の表面を帯電させる。帯電用部材62は、例えば、帯電用のローラーである。
【0029】
露光装置61は、半導体レーザー装置66(レーザーダイオード)を含む。出力用画像データに基づき、露光装置61は、半導体レーザー装置66を点消灯させる。露光装置61は、ポリゴンミラー67とポリゴンモーター68を含む。ポリゴンミラー67の形状は多角柱である。ポリゴンミラー67は、感光体ドラム60に向けて、半導体レーザー装置66のレーザー光を反射する。ポリゴンモーター68は、ポリゴンミラー67を回転させる。ポリゴンミラー67の回転により、感光体ドラム60上のレーザー光の照射位置が主走査方向に沿って、一定の速度で移動する。露光装置61のレーザー光(光信号)の照射によって、感光体ドラム60が走査、露光される。感光体ドラム60のうち、レーザー光が照射された部分(画素)は正電荷がキャンセルされる。その結果、出力用画像データと対応する静電潜像が感光体ドラム60の周面に形成される。
【0030】
現像装置63はトナーを収容する。現像装置63は、現像ローラー63aと攪拌ローラー63bを含む。印刷のとき、現像ローラー63aと攪拌ローラー63bは回転する。例えば、メインモーターが現像ローラー63aと攪拌ローラー63bを回転させる。印刷のとき、エンジン制御部41はメインモーターを回転させる。
【0031】
攪拌ローラー63bはトナーを攪拌するための羽根を有する。攪拌ローラー63bの回転により、トナーは攪拌される。攪拌による摩擦でトナーが正帯電する。なお、プリンター100は補給装置を含む(不図示)。現像装置63内のトナーが減ると、補給装置はトナーを現像装置63に補給する。
【0032】
現像ローラー63aの周面と感光体ドラム60の周面は向かい合う。現像ローラー63aの回転軸と感光体ドラム60の回転軸は平行である。現像ローラー63aと感光体ドラム60の間には、隙間が設けられる。この隙間は微小である。例えば、隙間は1mm以下である。現像ローラー63aは周面にトナーを担持する。感光体ドラム60の周面のうち、露光で正電荷がキャンセルされた部分(画素)に、トナーが付着する。現像ローラー63aが担持するトナーによって、感光体ドラム60の周面の静電潜像が現像される。感光体ドラム60は、現像ローラー63aから供給されるトナーで現像されたトナー像を担持しつつ回転する。
【0033】
転写ローラー64の周面と感光体ドラム60の周面は向かい合う。転写ローラー64の回転軸は、感光体ドラム60の回転軸と平行である。転写ローラー64は感光体ドラム60と接する。この接触部分が転写ニップ69となる。印刷時、感光体ドラム60と転写ローラー64は回転する。用紙は転写ニップ69を通過する。この通過のとき、トナー像が感光体ドラム60から用紙に転写される。
図2の例では、感光体ドラム60と転写ローラー64は、上下方向で接する。クリーニング装置65は、転写後の感光体ドラム60の表面に残るトナーを回収する。クリーニング装置65は、感光体ドラム60の表面をきれいにする。
【0034】
画像形成部5cの用紙搬送方向下流側に定着部5dが設けられる。定着部5dは、定着用回転体を含む。定着用回転体として、第1加熱ローラー57、第2加熱ローラー58、加圧ローラー59を含む。第1加熱ローラー57と第2加熱ローラー58には、加熱用ベルト510が架け回される。第1加熱ローラー57は、ヒーター57aを内蔵する。例えば、ヒーター57aはIHヒーターである。第2加熱ローラー58と加圧ローラー59は加熱用ベルト510を挟む。トナー像が転写された用紙は、加熱用ベルト510の外周面と加圧ローラー59の間を通過する。用紙が加熱、加圧される結果、トナー溶融し、トナー像が用紙に定着する。
【0035】
定着部5dの用紙搬送方向下流には、排出ローラー対56が設けられる。印刷のとき、エンジン制御部41は排出ローラー対56を回転させる。排出ローラー対56を通過した用紙は、排出トレイ511に排出される。
【0036】
(高圧電源部7)
次に、
図3を用いて、実施形態に係る高圧電源部7の一例を説明する。
図3は、実施形態に係る高圧電源部7の一例を示す図である。
図4は、実施形態に係る高圧電源部7で扱う信号波形の一例を示す図である。
図5は、実施形態に係るクロック信号生成回路70aの一例を示す図である。
【0037】
プリンター100は高圧電源部7を含む。高圧電源部7はトナー像を形成するための部材に高電圧を印加するための電源基板(高圧基板)である。
図3は、帯電用部材62に交流と直流を重畳した電圧を印加する高圧電源部7の一例を示す。高圧電源部7は、帯電用部材62ではなく、現像ローラー63aに電圧を印加してもよい。
【0038】
エンジン制御回路40は、パルス信号A0とPWM信号B0を出力する。パルス信号A0は、帯電用部材62に印加する交流電圧Vacの周波数を設定するための信号である。パルス信号A0は、帯電用部材62に印加する交流電圧Vacの振幅(大きさ)を設定するための信号でもある。PWM信号B0は、帯電用部材62に印加する直流電圧Vdcの振幅(大きさ)を設定するための信号である。
【0039】
高圧電源部7は、クロック信号生成回路70a、パルス信号変換回路70b、交流電圧生成回路80、直流電圧生成回路90、PWM信号変換回路70cを含む。
【0040】
パルス信号A0はクロック信号生成回路70aに入力される。クロック信号生成回路70aは、入力されたパルス信号A0に基づきクロック信号CLKを生成する。
【0041】
パルス信号変換回路70bは、パルス変換制御信号S0を生成し、出力する。パルス信号変換回路70bは、入力されたパルス信号A0のデューティ比が大きいほど電圧値が大きいパルス変換制御信号S0を出力する。パルス信号変換回路70bは、入力されたパルス信号A0のデューティ比が小さいほど電圧値が小さいパルス変換制御信号S0を出力する。パルス信号変換回路70bは、例えば、積分回路である。
【0042】
なお、パルス信号変換回路70bは、入力されたパルス信号A0のデューティ比が大きいほど電圧値が小さく、パルス信号A0のデューティ比が小さいほど電圧値が大きいパルス変換制御信号S0を出力してもよい。パルス信号変換回路70bは、入力されたパルス信号A0のデューティ比に応じた電圧値のパルス変換制御信号S0を出力してもよい。
【0043】
PWM信号変換回路70cは、PWM変換制御信号P0を生成し、出力する。PWM信号変換回路70cは、入力されたPWM信号B0のデューティ比が大きいほど電圧値が大きいPWM変換制御信号P0を出力する。PWM信号変換回路70cは、入力されたPWM信号B0のデューティ比が小さいほど電圧値が小さいPWM変換制御信号P0を出力する。PWM信号変換回路70cも、例えば、積分回路である。
【0044】
交流電圧生成回路80はクロック信号CLKとパルス変換制御信号S0が入力される。交流電圧生成回路80は、クロック信号CLKに基づき生成する交流電圧Vacの周波数を制御し、パルス変換制御信号S0に基づき生成する交流電圧Vacの振幅を制御する。
【0045】
例えば、交流電圧生成回路80は、昇圧回路8aとHブリッジ回路8b(単相フルブリッジ回路)を備える。Hブリッジ回路8bは、複数のスイッチング素子を含む。Hブリッジ回路8bは、昇圧回路8aが昇圧した電圧の帯電用部材62への印加のON/OFFを行う。Hブリッジ回路8bにより電流の向きを変えることができる。例えば、交流電圧生成回路80は、入力されたクロック信号CLKの半周期ごとに、電流の向きを変える。
【0046】
つまり、交流電圧生成回路80は、クロック信号CLKに基づいた周波数の交流電圧Vacを生成する。例えば、交流電圧生成回路80は、クロック信号CLKと同じ周波数の正弦波の交流電圧Vacを生成する。帯電用部材62に印加したい交流電圧Vacの周波数(帯電用周波数)は予め定められる。エンジン制御回路40は、帯電用周波数の2倍の周波数のパルス信号A0を生成、出力すればよい。
【0047】
また、昇圧回路8aは、入力されたパルス変換制御信号S0を昇圧する。昇圧回路8aの入力電圧と出力電圧の比率は予め決まっている。つまり、交流電圧生成回路80は、入力されたパルス変換制御信号S0の電圧値が大きいほど振幅が大きく、パルス変換制御信号S0の電圧値が小さいほど振幅が小さい交流電圧Vacを生成する。
【0048】
例えば、交流電圧生成回路80は、インバーターである。交流電圧生成回路80はクロック信号CLKの半周期の間、帯電用部材62への電圧印加のON/OFFを高速に行う。つまり、交流電圧生成回路80はチョッピングを行う。チョッピング周波数は、交流電圧Vacの周波数よりも十分に高速である。交流電圧生成回路80は、クロック信号CLKの半周期の間、チョッピングでのデューティ比を増減させる。その結果、交流電圧生成回路80は、擬似的な正弦波の交流電圧Vacを出力する。交流電圧生成回路80は、生成した交流電圧Vacを帯電用部材62に印加する。
【0049】
例えば、交流電圧生成回路80が出力する交流電圧Vacのピーク間電圧は、数百V~数kVの範囲内とされる。帯電用部材62に印加する交流電圧Vacのピーク間電圧は予め設定される。エンジン制御回路40は、設定された電圧で交流電圧Vacが印加されるようにする。具体的には、エンジン制御回路40は、設定されたピーク間電圧となるデューティ比のパルス信号A0を生成し、出力する。
【0050】
直流電圧生成回路90は、PWM変換制御信号P0が入力される。直流電圧生成回路90は、トランスを用いて昇圧を行ってもよい。また、直流電圧生成回路90は昇圧型DCDCコンバーターでもよい。この場合、直流電圧生成回路90は、例えば、コイル、半導体スイッチング素子、ダイオード、コンデンサーを含む。直流電圧生成回路90は、PWM変換制御信号P0を昇圧する。直流電圧生成回路90の入力電圧と出力電圧の比率は予め決まっている。
【0051】
直流電圧生成回路90は、入力されたPWM変換制御信号P0の電圧値が大きいほど電圧値が大きく、PWM変換制御信号P0の電圧値が小さいほど電圧値が小さい直流電圧Vdcを生成する。直流電圧生成回路90は、生成した直流電圧Vdcを帯電用部材62に印加する。
【0052】
例えば、直流電圧生成回路90が出力する直流電圧Vdcは、数百V~1kVの範囲内とされる。帯電用部材62に印加する直流電圧Vdcの大きさは予め設定される。エンジン制御回路40は、帯電用部材62に印加される直流電圧Vdcが設定された大きさとなるデューティ比のPWM信号B0を生成し、出力する。
【0053】
図4のタイミングチャートのうち、最上段のチャートは、パルス信号A0の一例を示す。2段目のチャートは、クロック信号生成回路70aが生成するクロック信号CLKの一例を示す。
図5は、クロック信号生成回路70aの一例を示す。
図5に示すように、クロック信号生成回路70aとしてDフリップフロップを用いることができる。Dフリップフロップのクロック入力端子には、パルス信号A0が入力される。
図5に示すフリップフロップは、パルス信号A0が立ち上がるごとに、レベルが反転するクロック信号CLKを生成する。なお、クロック信号生成回路70aは、パルス信号A0が立ち下がるごとに、レベルが反転するクロック信号CLKを生成してもよい。
【0054】
図5のクロック信号生成回路70aを用いた場合、クロック信号CLKの周波数は、パルス信号A0の1/2となる。なお、クロック信号生成回路70aには、Dフリップフロップ以外の回路を用いてもよい。クロック信号CLKの周波数は、パルス信号A0の1/2でなくてもよい。
【0055】
図4の上から3段目のチャートは、パルス変換制御信号S0の一例を示す。
図4は、段階的に(右側に行くほど)、パルス信号A0のデューティ比が大きい例を示す。
図4の3段目のチャートに示すように、パルス信号A0のデューティ比が大きいほど、パルス信号変換回路70bは、電圧値が大きいパルス変換制御信号S0を出力する。また、パルス信号A0のデューティ比が小さいほど、パルス信号変換回路70bは、電圧値が小さいパルス変換制御信号S0を出力する。
【0056】
図4の最も下段のチャートは、交流電圧生成回路80が出力する交流電圧Vacの一例を示す。
図4では、段階的に(右側に行くほど)、パルス変換制御信号S0が大きくなっている。そのため、
図4の例では、交流電圧Vacの振幅(ピーク間電圧)は、段階的に(右側に行くほど)大きくなっている。このように、交流電圧Vacの振幅は、パルス変換制御信号S0の大きさと対応する(比例する)。
【0057】
このように、2本の信号線で、交流電圧Vacの周波数、振幅、および、直流電圧Vdcの振幅の3項目を制御することができる。
【0058】
(第1変形例)
次に、
図6を用いて、第1変形例に係るプリンター100の一例を説明する。
図6は、第1変形例に係る高圧電源部7の一例を示す図である。
【0059】
上述の実施形態では、パルス変換制御信号S0を交流電圧生成回路80に入力し、パルス変換制御信号S0に基づき交流電圧Vacを生成する例を説明した。また、上述の実施形態では、PWM変換制御信号P0を直流電圧生成回路90に入力し、PWM変換制御信号P0に基づき直流電圧Vdcを生成する例を説明した。
【0060】
図6に示すように、パルス信号変換回路70bは、パルス変換制御信号S0を、交流電圧生成回路80の代わりに直流電圧生成回路90に入力してもよい。また、PWM信号変換回路70cは、PWM変換制御信号P0を、直流電圧生成回路90の代わりに交流電圧生成回路80に入力してもよい。高圧電源部7以外の部分では、実施形態と第1変形例のプリンター100は同じでよい。
【0061】
なお、第1変形例でのクロック信号生成回路70a、パルス信号変換回路70b、PWM信号変換回路70c、交流電圧生成回路80、直流電圧生成回路90は、実施形態で説明したものと同様の回路である。
【0062】
第1変形例でも、パルス信号A0はクロック信号生成回路70aに入力される。クロック信号生成回路70aは、入力されたパルス信号A0に基づきクロック信号CLKを生成する。パルス信号変換回路70bは、入力されたパルス信号A0のデューティ比が大きいほど電圧値が大きいパルス変換制御信号S0を出力する。パルス信号変換回路70bは、入力されたパルス信号A0のデューティ比が小さいほど電圧値が小さいパルス変換制御信号S0を出力する。なお、パルス信号変換回路70bは、入力されたパルス信号A0のデューティ比が大きいほど電圧値が小さく、パルス信号A0のデューティ比が小さいほど電圧値が大きいパルス変換制御信号S0を出力してもよい。PWM信号変換回路70cは、入力されたPWM信号B0のデューティ比が大きいほど電圧値が大きいPWM変換制御信号P0を出力する。PWM信号変換回路70cは、入力されたPWM信号B0のデューティ比が小さいほど電圧値が小さいPWM変換制御信号P0を出力する。
【0063】
第1変形例では、クロック信号CLKとPWM変換制御信号P0が交流電圧生成回路80に入力される。交流電圧生成回路80は、クロック信号CLKに基づき生成する交流電圧Vacの周波数を制御する。また、交流電圧生成回路80は、PWM変換制御信号P0に基づき生成する交流電圧Vacの振幅を制御する。
【0064】
交流電圧生成回路80がクロック信号CLKに基づいた周波数の交流電圧Vacを生成する点は、実施形態と同様である。また、交流電圧生成回路80の昇圧回路8aは、入力された信号を昇圧する点は同様である。変形例では、交流電圧生成回路80は、PWM変換制御信号P0を昇圧する。交流電圧生成回路80は、入力されたPWM変換制御信号P0の電圧値が大きいほど振幅が大きく、PWM変換制御信号P0の電圧値が小さいほど振幅が小さい交流電圧Vacを生成する。交流電圧生成回路80は、生成した交流電圧Vacを帯電用部材62に印加する。エンジン制御回路40は、設定されたピーク間電圧となるデューティ比のPWM信号B0を生成し、出力する。
【0065】
第1変形例では、パルス変換制御信号S0は直流電圧生成回路90に入力される。直流電圧生成回路90は、パルス変換制御信号S0を昇圧する。そのため、直流電圧生成回路90は、入力されたパルス変換制御信号S0の電圧値が大きいほど電圧値が大きく、パルス変換制御信号S0の電圧値が小さいほど電圧値が小さい直流電圧Vdcを生成する。エンジン制御回路40は、帯電用部材62に印加される直流電圧Vdcが予め設定された大きさとなるデューティ比のパルス信号A0を生成する。直流電圧生成回路90は、生成した直流電圧Vdcを帯電用部材62に印加する。
【0066】
実施形態及び第1変形例に係る画像形成装置(プリンター100)は、制御回路(エンジン制御回路40)、高圧電源部7を備える。制御回路はパルス信号A0を出力する。高圧電源部7は、クロック信号生成回路70a、パルス信号変換回路70b、交流電圧Vacを生成する交流電圧生成回路80、及び、直流電圧Vdcを生成する直流電圧生成回路90と、を含む。高圧電源部7は、トナー像を形成するための印加対象に交流電圧Vacと直流電圧Vdcを印加する。クロック信号生成回路70aは、パルス信号A0が入力される。クロック信号生成回路70aは、入力されたパルス信号A0に基づきクロック信号CLKを生成する。パルス信号変換回路70bは、パルス信号A0が入力される。パルス信号変換回路70bは、入力されたパルス信号A0のデューティ比に応じた電圧値のパルス変換制御信号S0を生成する。交流電圧生成回路80は、クロック信号CLKが入力される。交流電圧生成回路80は、クロック信号CLKに基づいた周波数の交流電圧Vacを生成する。交流電圧生成回路80又は直流電圧生成回路90のうち一方は、パルス変換制御信号S0が入力される。交流電圧生成回路80又は直流電圧生成回路90のうち一方は、パルス変換制御信号S0の電圧値が大きいほど振幅又は電圧値が大きく、パルス変換制御信号S0の電圧値が小さいほど振幅又は電圧値が小さい電圧を生成する。
【0067】
従来、交流電圧Vacの振幅、交流電圧Vacの周波数、直流電圧Vdcの電圧値のそれぞれの項目について、1本の制御信号線が設けられていた。本願の画像形成装置では、1つのパルス信号A0で、交流電圧Vacの周波数と、交流電圧Vac又は直流電圧Vdcの振幅の大きさを制御することができる。1本の信号線で複数の項目を制御することができる。信号線の数を減らすことができる。
【0068】
信号線の数が減るので、画像形成装置の設計、組立(配線作業)を簡素化することができる。また、画像形成装置の製造コストを減らすことができる。また、制御回路の端子(ポート)の必要数が減る。従来よりも小型の制御回路を採用し、さらに画像形成装置のコストを抑えることができる。
【0069】
制御回路は、PWM信号B0を出力する。高圧電源部7は、PWM信号B0が入力されるPWM信号変換回路70cを含む。PWM信号変換回路70cは、入力されたPWM信号B0のデューティ比が大きいほど電圧値が大きく、PWM信号B0のデューティ比が小さいほど電圧値が小さいPWM変換制御信号P0を生成する。パルス変換制御信号S0は、交流電圧生成回路80と直流電圧生成回路90のうちの一方に入力される。交流電圧生成回路80と直流電圧生成回路90のうちの他方は、PWM変換制御信号P0が入力される。交流電圧生成回路80と直流電圧生成回路90のうちの他方は、PWM変換制御信号P0の電圧値が大きいほど振幅又は電圧値が大きく、PWM変換制御信号P0の電圧値が小さいほど振幅又は電圧値が小さい電圧を生成する。PWM信号B0を用いて、印加対象に印加する交流電圧Vac又は直流電圧Vdcの大きさを制御することができる。
【0070】
クロック信号生成回路70aは、Dフリップフロップである。クロック信号生成回路70aは、パルス信号A0の立ち上がり、又は、立ち下がりににあわせてクロック信号CLKのレベルを反転させる。Dフリップフロップを用いて、クロック信号CLKを生成することができる。パルス信号A0のデューティ比が増減しても、安定したクロック信号CLKを生成することができる。
【0071】
パルス信号変換回路70bは、積分回路を含む。パルス信号A0のデューティ比が大きいほど電圧値が大きいパルス変換制御信号S0を生成することができる。パルス信号A0のデューティ比が小さいほど電圧値が小さいパルス変換制御信号S0を生成することができる。
【0072】
印加対象は、感光体ドラム60を帯電させる帯電用部材62、又は、トナーを保持して感光体ドラム60を現像する現像ローラー63aである。トナー像を形成するための部材に、交流と直流を重畳させた電圧を印加することができる。
【0073】
(第2変形例)
次に、
図7、
図8を用いて、第2変形例に係るプリンター100の一例を説明する。
図7は、第2変形例に係る高圧電源部7の一例を示す図である。
図8は、第2変形例に係る各信号の入力先の一例を示す図である。
【0074】
第2の変形例に係るプリンター100は、実施形態と第1変形例のプリンター100は、高圧電源部7が異なる。それ以外の部分は同じでよい。第2変形例に係る高圧電源部7は、交流電圧生成回路と直流電圧生成回路の組み合わせを2つ含む。以下では、交流電圧生成回路と直流電圧生成回路の組み合わせを回路ブロックと称する。一方の回路ブロックは、帯電用部材62(第1印加対象に相当)に交流と直流を重畳した電圧を印加する。他方の回路ブロックは、現像ローラー63a(第2印加対象に相当)に交流と直流を重畳した電圧を印加する。
【0075】
また、以下の説明では、説明の便宜上、帯電用部材62に電圧を印加する回路ブロックを第1回路ブロック7aと称する。そして、第1回路ブロック7aが含む交流電圧生成回路を第1交流電圧生成回路81と称する。第1回路ブロック7aが含む直流電圧生成回路を第1直流電圧生成回路91と称する。
【0076】
また、現像ローラー63aに電圧を印加する回路ブロックを第2回路ブロック7bと称する。そして、第2回路ブロック7bが含む交流電圧生成回路を第2交流電圧生成回路82と称する。第2回路ブロック7bが含む直流電圧生成回路を第2直流電圧生成回路92と称する。
【0077】
第1交流電圧生成回路81と第2交流電圧生成回路82は、実施形態、第1変形例で説明した交流電圧生成回路80と同様である。入力されるクロック信号に基づいた周波数の交流電圧を生成する。また、第1交流電圧生成回路81は、入力される制御信号の電圧値に応じた振幅の第1交流電圧Vac1を生成する。第2交流電圧生成回路82は、入力される制御信号の電圧値に応じた振幅の第2交流電圧Vac2を生成する。
【0078】
また、第1直流電圧生成回路91と第2直流電圧生成回路92は、実施形態、第1変形例で説明した直流電圧生成回路90と同様である。入力された制御信号の電圧値に応じた電圧値の直流電圧を生成する。
【0079】
第2変形例の高圧電源部7は、第1クロック信号生成回路71aと、第2クロック信号生成回路72aを含む。第1クロック信号生成回路71aと第2クロック信号生成回路72aは、実施形態、第1変形例で説明したクロック信号生成回路70aと同様である。例えば、各クロック信号生成回路には、Dフリップフロップを用いることができる。第1クロック信号生成回路71aと第2クロック信号生成回路72aは、入力されたパルス信号に基づきクロック信号を生成する。
【0080】
本説明では、帯電用部材62に印加する交流電圧の周波数と、現像ローラー63aに印加する交流電圧の周波数が異なる例を説明する。第2変形例では、エンジン制御回路40は、2種類のパルス信号(第1パルス信号A1、第2パルス信号A2)を生成し、出力する。エンジン制御回路40は、第1クロック信号生成回路71aと第2クロック信号生成回路72aに、異なるパルス信号を入力する。
【0081】
以下の説明では、第1クロック信号生成回路71aに入力するパルス信号を第1パルス信号A1と称する。第1パルス信号A1は、帯電用部材62に印加する第1交流電圧Vac1の生成に用いられる。また、第2クロック信号生成回路72aに入力するパルス信号を第2パルス信号A2と称する。第2パルス信号A2は、現像ローラー63aに印加する第2交流電圧Vac2の生成に用いられる。
【0082】
第1クロック信号生成回路71aは第1クロック信号CLK1を生成する。第1クロック信号CLK1は、第1交流電圧生成回路81に入力される。第2クロック信号生成回路72aは、第2クロック信号CLK2を生成する。第2クロック信号CLK2は、第2交流電圧生成回路82に入力される。
【0083】
第2変形例の高圧電源部7は、2つのパルス信号変換回路が設けられる。以下の説明では、第1パルス信号A1が入力されるものを第1パルス信号変換回路71bと称する。第2パルス信号A2が入力されるものを第2パルス信号変換回路72bと称する。第1パルス信号変換回路71bと第2パルス信号変換回路72bは、実施形態、第1変形例で説明したパルス信号変換回路70bと同様である。第1パルス信号変換回路71bと第2パルス信号変換回路72bは、例えば、積分回路である。
【0084】
第1パルス信号変換回路71bは、入力された第1パルス信号A1を変換し、第1パルス変換制御信号S1を生成する。第1パルス信号変換回路71bは、第1パルス信号A1のデューティ比が大きいほど、電圧値が大きい第1パルス変換制御信号S1を生成、出力する。また、第1パルス信号A1のデューティ比が小さいほど、第1パルス信号変換回路71bは、電圧値が小さい第1パルス変換制御信号S1を生成、出力する。
【0085】
なお、第1パルス信号変換回路71bは、入力された第1パルス信号A1のデューティ比が大きいほど電圧値が小さく、第1パルス信号A1のデューティ比が小さいほど電圧値が大きい第1パルス変換制御信号S1を出力してもよい。第1パルス信号変換回路71bは、入力された第1パルス信号A1のデューティ比に応じた電圧値の第1パルス変換制御信号S1を出力してもよい。
【0086】
第2パルス信号変換回路72bは、入力された第2パルス信号A2を変換し、第2パルス変換制御信号S2を生成する。第2パルス信号A2のデューティ比が大きいほど、第2パルス信号変換回路72bは、電圧値が大きい第2パルス変換制御信号S2を生成、出力する。また、第2パルス信号A2のデューティ比が小さいほど、第2パルス信号変換回路72bは、電圧値が小さい第2パルス変換制御信号S2を生成、出力する。
【0087】
なお、第2パルス信号変換回路72bは、入力された第2パルス信号A2のデューティ比が大きいほど電圧値が小さく、第2パルス信号A2のデューティ比が小さいほど電圧値が大きい第2パルス変換制御信号S2を出力してもよい。第2パルス信号変換回路72bは、入力された第2パルス信号A2のデューティ比に応じた電圧値の第2パルス変換制御信号S2を出力してもよい。
【0088】
さらに、第2変形例の高圧電源部7は、2つのPWM信号変換回路が設けられる。第2変形例では、エンジン制御回路40は、2種類のPWM信号を生成し、出力する。具体的に、エンジン制御回路40は、第1PWM信号B1と第2PWM信号B2を生成し、出力する。以下の説明では、第1PWM信号B1が入力されるものを第1PWM信号変換回路71cと称する。第2PWM信号B2が入力されるものを第2PWM信号変換回路72cと称する。第1PWM信号変換回路71cと第2PWM信号変換回路72cは、実施形態、第1変形例で説明したPWM信号変換回路70cと同様である。第1PWM信号変換回路71cと第2PWM信号変換回路72cは、例えば、積分回路である。
【0089】
第1PWM信号変換回路71cは、入力された第1PWM信号B1を変換し、第1PWM変換制御信号P1を生成する。第1PWM信号B1のデューティ比が大きいほど、第1PWM信号変換回路71cは、電圧値が大きい第1PWM変換制御信号P1を生成、出力する。また、第1PWM信号B1のデューティ比が小さいほど、第1PWM信号変換回路71cは、電圧値が小さい第1PWM変換制御信号P1を生成、出力する。
【0090】
第2PWM信号変換回路72cは、入力された第2PWM信号B2を変換し、第2PWM変換制御信号P2を生成する。第2PWM信号B2のデューティ比が大きいほど、第2PWM信号変換回路72cは、電圧値が大きい第2PWM変換制御信号P2を生成、出力する。また、第2PWM信号B2のデューティ比が小さいほど、第2PWM信号変換回路72cは、電圧値が小さい第2PWM変換制御信号P2を生成、出力する。
【0091】
ここで、第1交流電圧生成回路81と第2交流電圧生成回路82の出力電圧の振幅、および、第1直流電圧生成回路91と第2直流電圧生成回路92の出力電圧の電圧値は、いずれも、入力される制御信号の電圧値に基づき定まる。
【0092】
そのため、第1パルス変換制御信号S1は、第1交流電圧生成回路81に入力してもよい。また、第1パルス変換制御信号S1は、第2交流電圧生成回路82に入力してもよい。また、第1パルス変換制御信号S1は、第1直流電圧生成回路91に入力してもよい。第1パルス変換制御信号S1は、第2直流電圧生成回路92に入力してもよい。何れの生成回路に入力するにしても、エンジン制御回路40は、出力させたい振幅又は電圧値となるデューティ比で第1パルス信号A1を生成すればよい。
【0093】
同様に、第2パルス変換制御信号S2は、第1交流電圧生成回路81に入力してもよい。また、第2パルス変換制御信号S2は、第2交流電圧生成回路82に入力してもよい。また、第2パルス変換制御信号S2は、第1直流電圧生成回路91に入力してもよい。第2パルス変換制御信号S2は、第2直流電圧生成回路92に入力してもよい。何れの生成回路に入力するにしても、エンジン制御回路40は、出力させたい振幅又は電圧値となるデューティ比で第2パルス信号A2を生成すればよい。
【0094】
同様に、第1PWM変換制御信号P1は、第1交流電圧生成回路81に入力してもよい。また、第1PWM変換制御信号P1は、第2交流電圧生成回路82に入力してもよい。また、第1PWM変換制御信号P1は、第1直流電圧生成回路91に入力してもよい。第1PWM変換制御信号P1は、第2直流電圧生成回路92に入力してもよい。何れの生成回路に入力するにしても、エンジン制御回路40は、出力させたい振幅又は電圧値となるデューティ比で第1PWM信号B1を生成すればよい。
【0095】
同様に、第2PWM変換制御信号P2は、第1交流電圧生成回路81に入力してもよい。また、第2PWM変換制御信号P2は、第2交流電圧生成回路82に入力してもよい。また、第2PWM変換制御信号P2は、第1直流電圧生成回路91に入力してもよい。第2PWM変換制御信号P2は、第2直流電圧生成回路92に入力してもよい。何れの生成回路に入力するにしても、エンジン制御回路40は、出力させたい振幅又は電圧値となるデューティ比で第2PWM信号B2を生成すればよい。
【0096】
このように、第1パルス変換制御信号S1、第2パルス変換制御信号S2、第1PWM変換制御信号P1、第2PWM変換制御信号P2は、第1交流電圧生成回路81、第2交流電圧生成回路82、第1直流電圧生成回路91、第2直流電圧生成回路92の何れか1つに入力される。各電圧生成回路には、4種の制御信号のうち、1つのみが入力される。
【0097】
図8は、第1交流電圧生成回路81、第2交流電圧生成回路82、第1直流電圧生成回路91、第2直流電圧生成回路92に入力する制御信号の組み合わせの一例を示す図である。
図8のS1は第1パルス変換制御信号S1を意味する。S2は第2パルス変換制御信号S2を意味する。P1は第1PWM変換制御信号P1を意味する。P2は、第2PWM変換制御信号P2を意味する。
【0098】
4種類の信号(変換制御信号)に対し、4つの入力先(電圧生成回路)がある。そのため、組み合わせの種類は、24種類となる。例えば、配線の都合や、ノイズを考慮して、どの変換制御信号をどの電圧生成回路に入力するかを定めればよい。
【0099】
このようにして、第2変形例に係る画像形成装置(プリンター100)は、制御回路(エンジン制御回路40)と高圧電源部7を備える。制御回路は、第1パルス信号A1と第2パルス信号A2を出力する。高圧電源部7は、第1クロック信号生成回路71a、第2クロック信号生成回路72a、第1パルス信号変換回路71b、第2パルス信号変換回路72b、第1印加対象(帯電用部材62)に印加する第1交流電圧Vac1を生成する第1交流電圧生成回路81、第2印加対象(現像ローラー63a)に印加する第2交流電圧Vac2を生成する第2交流電圧生成回路82、第1印加対象に印加する第1直流電圧Vdc1を生成する第1直流電圧生成回路91、及び、第2印加対象に印加する第2直流電圧Vdc2を生成する第2直流電圧生成回路92を含む。高圧電源部7は、トナー像を形成するための電圧を出力する。第1クロック信号生成回路71aは、第1パルス信号A1が入力される。第1クロック信号生成回路71aは、入力された第1パルス信号A1に基づき第1クロック信号CLK1を生成する。第1パルス信号変換回路71bは、第1パルス信号A1が入力される。第1パルス信号変換回路71bは、入力された第1パルス信号A1のデューティ比に応じた電圧値の第1パルス変換制御信号S1を生成する。第2クロック信号生成回路72aは、第2パルス信号A2が入力される。第2クロック信号生成回路72aは、入力された第2パルス信号A2に基づき第2クロック信号CLK2を生成する。第2パルス信号変換回路72bは、第2パルス信号A2が入力される。第2パルス信号変換回路72bは、入力された第2パルス信号A2のデューティ比に応じた電圧値の第2パルス変換制御信号S2を生成する。第1交流電圧生成回路81は、第1クロック信号CLK1が入力される。第1交流電圧生成回路81は、第1クロック信号CLK1に基づいた周波数の第1交流電圧Vac1を生成する。第2交流電圧生成回路82は、第2クロック信号CLK2が入力される。第2交流電圧生成回路82は、第2クロック信号CLK2に基づいた周波数の第2交流電圧Vac2を生成する。第1交流電圧生成回路81、第2交流電圧生成回路82、第1直流電圧生成回路91、及び、第2直流電圧生成回路92のうちの1つは、第1パルス変換制御信号S1が入力され、第1パルス変換制御信号S1の電圧値が大きいほど振幅又は電圧値が大きい電圧を生成し、第1パルス変換制御信号S1の電圧値が小さいほど振幅又は電圧値が小さい電圧を生成する。第1交流電圧生成回路81、第2交流電圧生成回路82、第1直流電圧生成回路91、及び、第2直流電圧生成回路92のうち、第1パルス変換制御信号S1が入力されないもののうちの1つは、第2パルス変換制御信号S2が入力され、第2パルス変換制御信号S2の電圧値が大きいほど振幅又は電圧値が大きい電圧を生成し、第2パルス変換制御信号S2の電圧値が小さいほど振幅又は電圧値が小さい電圧を生成する。
【0100】
第1パルス信号A1と第2パルス信号A2を用いて、2つの交流電圧Vacの周波数をそれぞれ制御することができる。また、第1パルス信号A1と第2パルス信号A2を用いて、第1交流電圧生成回路81、第2交流電圧生成回路82、第1直流電圧生成回路91、第2直流電圧生成回路92のうち、2つの回路が出力する電圧の振幅又は電圧値を制御することができる。2本の信号線で4つの項目を制御することができる。信号線の数を減らすことができる。
【0101】
信号線の数が減るので、画像形成装置の設計、組立を簡素化することができる。また、画像形成装置の製造コストを減らすことができる。また、制御回路の端子(ポート)の必要数が減る。従来よりも小型の制御回路を採用し、さらに画像形成装置のコストを抑えることができる。
【0102】
また、制御回路(エンジン制御回路40)は、第1PWM信号B1と第2PWM信号B2を出力する。高圧電源部7は、第1PWM信号B1が入力される第1PWM信号変換回路71cと、第2PWM信号B2が入力される第2PWM信号変換回路72cを含む。第1PWM信号変換回路71cは、入力された第1PWM信号B1のデューティ比が大きいほど電圧値が大きく、第1PWM信号B1のデューティ比が小さいほど電圧値が小さい第1PWM変換制御信号P1を生成する。第2PWM信号変換回路72cは、入力された第2PWM信号B2のデューティ比が大きいほど電圧値が大きく、第2PWM信号B2のデューティ比が小さいほど電圧値が小さい第2PWM変換制御信号P2を生成する。第1交流電圧生成回路81、第2交流電圧生成回路82、第1直流電圧生成回路91、及び、第2直流電圧生成回路92のうち、第1パルス変換制御信号S1と第2パルス変換制御信号S2が入力されないもののうちの1つは、第1PWM変換制御信号P1が入力され、第1PWM変換制御信号P1の電圧値が大きいほど振幅又は電圧値が大きく、第1PWM変換制御信号P1の電圧値が小さいほど振幅又は電圧値が小さい電圧を生成する。第1交流電圧生成回路81、第2交流電圧生成回路82、第1直流電圧生成回路91、及び、第2直流電圧生成回路92のうち、第1パルス変換制御信号S1、第2パルス変換制御信号S2、及び、第1PWM変換制御信号P1が入力されないものは、第2PWM変換制御信号P2が入力され、第2PWM変換制御信号P2の電圧値が大きいほど振幅又は電圧値が大きく、第2PWM変換制御信号P2の電圧値が小さいほど振幅又は電圧値が小さい電圧を生成する。第1PWM信号B1と第2PWM信号B2を用いて、第1交流電圧生成回路81、第2交流電圧生成回路82、第1直流電圧生成回路91、第2直流電圧生成回路92のうち、2つの回路が出力する電圧の振幅を制御することができる。印加対象に印加する交流電圧Vac又は直流電圧Vdcを制御することができる。
【0103】
本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0104】
本発明は、トナー印刷に用いる部材に電圧を印加する画像形成装置に使用可能である。
【符号の説明】
【0105】
100 プリンター(画像形成装置) 40 エンジン制御回路(制御回路)
60 感光体ドラム 63a 現像ローラー(第2印加対象)
62 帯電用部材(印加対象、第1印加対象)
7 高圧電源部 70a クロック信号生成回路
70b パルス信号変換回路 70c PWM信号変換回路
71a 第1クロック信号生成回路 71b 第1パルス信号変換回路
71c 第1PWM信号変換回路 72a 第2クロック信号生成回路
72b 第2パルス信号変換回路 72c 第2PWM信号変換回路
80 交流電圧生成回路 81 第1交流電圧生成回路
82 第2交流電圧生成回路 90 直流電圧生成回路
91 第1直流電圧生成回路 92 第2直流電圧生成回路
A0 パルス信号 A1 第1パルス信号
A2 第2パルス信号 CLK クロック信号
CLK1 第1クロック信号 CLK2 第2クロック信号
B0 PWM信号 B1 第1PWM信号
B2 第2PWM信号 S0 パルス変換制御信号
S1 第1パルス変換制御信号 S2 第2パルス変換制御信号
P0 PWM変換制御信号 P1 第1PWM変換制御信号
P2 第2PWM変換制御信号 Vac 交流電圧
Vac1 第1交流電圧 Vac2 第2交流電圧
Vdc 直流電圧 Vdc1 第1直流電圧
Vdc2 第2直流電圧