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  • 特許-見積自動出力装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】見積自動出力装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20230101AFI20240709BHJP
【FI】
G06Q30/02
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020117953
(22)【出願日】2020-07-08
(65)【公開番号】P2022015243
(43)【公開日】2022-01-21
【審査請求日】2023-06-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100142642
【弁理士】
【氏名又は名称】小澤 次郎
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 太陽
【審査官】佐藤 敬介
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-010635(JP,A)
【文献】特開2003-171069(JP,A)
【文献】特開2016-103135(JP,A)
【文献】特開2002-222235(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
既設エレベータの顧客からのモダニゼーションの概算費用の見積要求を受けて、見積書を自動で出力する見積自動出力装置であって、
前記見積自動出力装置は、
顧客端末装置から送信された顧客識別情報を含む前記見積要求の入力を受けるとともに、前記見積書を前記顧客端末装置へ出力する入出力インターフェースと、
複数のデータベースが格納された記憶装置と、
前記見積要求を受けた場合、前記複数のデータベースに格納されている情報を参照することによって前記見積書を作成する見積作成処理を行うプロセッサと、
を備え、
前記複数のデータベースは、
前記既設エレベータに関する既設仕様項目が顧客識別情報に関連付けられて記憶された顧客情報データベースと、
前記モダニゼーションに関連する費用が仕様項目ごとに規定された価格情報データベースと、
定型の説明事項が前記仕様項目に対応付けられて記憶されたメッセージ情報データベースと、を含み、
前記見積作成処理において、前記プロセッサは、
前記顧客情報データベースに基づいて、前記顧客識別情報に対応する前記既設仕様項目を取得し、
前記価格情報データベースに基づいて、前記既設仕様項目に対応する標準仕様項目の費用を算出し、
前記価格情報データベースに基づいて、前記既設仕様項目に対して更に付加可能な仕様項目である付加仕様項目の費用を算出し、
前記メッセージ情報データベースに基づいて、前記標準仕様項目又は前記付加仕様項目に対応する前記説明事項を取得し、
前記標準仕様項目の費用、前記付加仕様項目の費用、及び前記説明事項を含む見積書を前記顧客端末装置へ出力する
ように構成される見積自動出力装置。
【請求項2】
前記付加仕様項目は、災害時におけるエレベータの安全制御に関連する安全装置を含み、
前記説明事項は、前記安全装置の説明を含む請求項1に記載の見積自動出力装置。
【請求項3】
前記付加仕様項目は、エレベータの意匠に関連する意匠項目を含み、
前記説明事項は、前記意匠項目の説明を含む請求項1又は請求項2に記載の見積自動出力装置。
【請求項4】
前記価格情報データベースは、前記仕様項目に対応した工期に関する工期情報を含み、
前記見積作成処理において、前記プロセッサは、
前記標準仕様項目及び前記付加仕様項目に対応する工期を前記工期情報に基づいて演算し、
前記工期を含む前記見積書を前記顧客端末装置へ出力する
ように構成される請求項1から請求項3の何れか1項に記載の見積自動出力装置。
【請求項5】
前記複数のデータベースは、不確実要素が前記仕様項目に対応付けられて記憶された不確実要素情報データベースを更に含み、
前記見積作成処理において、前記プロセッサは、
前記不確実要素情報データベースに基づいて、前記標準仕様項目又は前記付加仕様項目に対応する前記不確実要素を抽出し、
前記不確実要素に基づいて、前記標準仕様項目の費用又は前記付加仕様項目の費用を補正する
ように構成されている請求項1から請求項3の何れか1項に記載の見積自動出力装置。
【請求項6】
前記複数のデータベースは、不確実要素が前記工期に対応付けられて記憶された不確実要素情報データベースを更に含み、
前記見積作成処理において、前記プロセッサは、
前記不確実要素情報データベースに基づいて、前記工期に対応する前記不確実要素を抽出し、
前記不確実要素に基づいて、前記工期を補正する
ように構成されている請求項4に記載の見積自動出力装置。
【請求項7】
前記見積作成処理において、前記プロセッサは、
前記見積書を営業担当端末へ出力する
ように構成される請求項1から請求項6の何れか1項に記載の見積自動出力装置。
【請求項8】
前記見積要求は、前記モダニゼーションに関する顧客の希望仕様項目を含み、
前記見積作成処理において、前記プロセッサは、
前記価格情報データベースに基づいて、前記希望仕様項目に対応する仕様項目の費用を算出し、
前記希望仕様項目に対応する費用を含む見積書を前記顧客端末装置へ出力する
ように構成される請求項1から請求項7の何れか1項に記載の見積自動出力装置。
【請求項9】
前記見積要求は、前記モダニゼーションに関する顧客の希望時期を含み、
前記見積作成処理において、前記プロセッサは、
前記希望時期に基づいて、前記標準仕様項目の費用又は前記付加仕様項目の費用を調整する
ように構成されている請求項1に記載の見積自動出力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、見積自動出力装置に係り、特に既設エレベータのモダニゼーションの概算費用の見積を作成する見積自動出力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、顧客が自宅の改修工事を希望する場合の顧客対応処理に適する改修工事プラン提案システムに関する技術が開示されている。この技術では、顧客専用端末の記憶装置に顧客情報と間取り図データと顧客操作画面データとを記憶させて顧客に貸し出す。そして、営業担当者は、通信手段によりワイヤレスで動作する通信機能付きカメラで撮影した画像データを取得して、改修プランの作成に利用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-336186号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
既設エレベータのモダニゼーションに要する概算費用の見積を顧客から依頼される場合がある。モダニゼーションとは、既設エレベータの改修又は交換などのリニューアル工事のことである。既設エレベータは、設置環境及び顧客要望等によってそれぞれ個別仕様にカスタマイズされている。このため、モダニゼーションの見積を作成する場合、既設エレベータの顧客情報から個別の仕様項目を確認し、既設仕様項目に対するモダニゼーション費用を算出することが必要となる。上記の技術のように、改修工事の見積作業を人の手によって行うことは、多くの時間及び労力が必要となる。特に、既設エレベータのモダニゼーションは、標準的な仕様に加えて安全装置及び意匠等の付加的な仕様の選択肢が多々存在する。このため、モダニゼーションの見積の作成については、作成労力を減らしつつ、顧客がモダニゼーションの詳細を検討する上で有益な情報を提供することが望まれる。
【0005】
本開示は、上述のような課題を解決するためになされたもので、既設エレベータのモダニゼーションを検討する際に有益な情報を含んだ見積書を顧客に対して自動で出力することのできる見積自動出力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、既設エレベータの顧客からのモダニゼーションの概算費用の見積要求を受けて、見積書を自動で出力する見積自動出力装置に適用される。見積自動出力装置は、顧客端末装置から送信された顧客識別情報を含む見積要求の入力を受けるとともに、見積書を顧客端末装置へ出力する入出力インターフェースと、複数のデータベースが格納された記憶装置と、見積要求を受けた場合、複数のデータベースに格納されている情報を参照することによって見積書を作成する見積作成処理を行うプロセッサと、を備える。複数のデータベースは、既設エレベータに関する既設仕様項目が顧客識別情報に関連付けられて記憶された顧客情報データベースと、モダニゼーションに関連する費用が仕様項目ごとに規定された価格情報データベースと、定型の説明事項が仕様項目に対応付けられて記憶されたメッセージ情報データベースと、を含む。見積作成処理において、プロセッサは、顧客情報データベースに基づいて、顧客識別情報に対応する既設仕様項目を取得し、価格情報データベースに基づいて、既設仕様項目に対応する標準仕様項目の費用を算出し、価格情報データベースに基づいて、既設仕様項目に対して更に付加可能な仕様項目である付加仕様項目の費用を算出し、メッセージ情報データベースに基づいて、標準仕様項目又は付加仕様項目に対応する説明事項を取得し、標準仕様項目の費用、付加仕様項目の費用、及び説明事項を含む見積書を顧客端末装置へ出力するように構成される。
【発明の効果】
【0007】
本開示の見積自動出力装置によれば、標準仕様項目の費用に加えて付加仕様項目の費用及びこれらの仕様項目に対応する説明事項を含んだ見積書が作成される。これにより、既設エレベータのモダニゼーションを検討する際に有益な情報を含んだ見積書を顧客に対して自動で出力することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態における見積自動出力システムの構成図である。
図2】見積自動出力装置の構成の例を示す図である。
図3】記憶装置に格納されているデータベースを示すブロック図である。
図4】見積自動出力装置において実行される見積作成処理のフローチャートである。
図5】実施の形態の見積自動出力システムが備える見積自動出力装置の構成の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。なお、各図において共通する要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0010】
実施の形態.
1.実施の形態の見積自動出力システムの構成
図1は、本実施の形態における見積自動出力システムの構成図である。図1に示す見積自動出力システム100は、既設エレベータのモダニゼーションを希望する顧客からの見積要求に応じて、概算費用の見積を提供するシステムである。見積自動出力システムは、顧客端末装置2と、見積自動出力装置10と、を備える。顧客端末装置2は既設エレベータの顧客が操作する端末装置である。顧客端末装置2は、通信ネットワーク4を介して見積自動出力装置10に接続される。通信ネットワーク4は、電話回線、IP(Internet Protocol)、等を用いることができる。モダニゼーションの見積を希望する顧客は、顧客端末装置2を用いて見積要求を見積自動出力装置10に送信する。
【0011】
見積自動出力装置10は、顧客の見積要求を受け付けてモダニゼーションの概算費用の見積を作成する装置である。図2は、見積自動出力装置の構成の例を示す図である。見積自動出力装置10の各機能は、処理回路により実現される。図2に示す例では、見積自動出力装置10の処理回路は、少なくとも1つのプロセッサ12と少なくとも1つの記憶装置14と、少なくとも1つの入出力インターフェース16と、を備える。
【0012】
処理回路が少なくとも1つのプロセッサ12と少なくとも1つの記憶装置14とを備える場合、見積自動出力装置10の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、プログラムとして記述される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、少なくとも1つの記憶装置14に格納される。少なくとも1つのプロセッサ12は、少なくとも1つの記憶装置14に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、見積自動出力装置10の各機能を実現する。少なくとも1つのプロセッサ12は、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSP(Digital Signal Processor)ともいう。例えば、少なくとも1つの記憶装置14は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD(Digital Versatile Disc)等である。
【0013】
プロセッサ12は、モダニゼーションのための見積を作成する見積作成処理を実行する。典型的には、プロセッサ12は、記憶装置14に格納されている複数のデータベースの情報に基づいて、見積書を作成する。見積作成処理については詳細を後述する。
【0014】
記憶装置14は、複数のデータベースを格納している。図3は、記憶装置に格納されているデータベースを示すブロック図である。この図に示すように、記憶装置14は、複数のデータベースとして、顧客情報データベース141と、価格情報データベース142と、メッセージ情報データベース143と、不確実要素情報データベース144と、を格納している。
【0015】
顧客情報データベース141には、顧客の既設エレベータに関する既設仕様項目が顧客識別情報に関連付けられて記憶されている。既設仕様項目は、設置対象の建物情報、機種、階床、速度、容量、意匠、及び付加装置、等の項目が例示される。付加装置は、戸開走行保護装置、地震時管制運転装置等、地震又は火災等の災害時におけるエレベータの安全制御に関連する安全装置が例示される。顧客識別情報は、顧客の建物を識別するために付された識別情報であり、アクセスナンバー等が例示される。
【0016】
価格情報データベース142には、エレベータのモダニゼーションに関連する費用が仕様項目に対応付けられて規定されている。仕様項目は、機種、階床、速度、容量、意匠、及び付加装置等の項目を含む。また、仕様項目には、工期を概算するために必要な工期情報も対応付けられている。
【0017】
メッセージ情報データベース143には、定型の説明事項が仕様項目に対応付けられて記憶されている。定型の説明事項は、特記事項、専門用語の解説、モダニゼーション後の保守点検の内容及び料金の説明、よく聞かれる質問、等を含んでいる。それぞれの説明事項は、対応する仕様項目に特有の内容になっている。
【0018】
不確実要素情報データベース144には、過去のモダニゼーション実績の中から、個別事情によって特別対応が必要であった事案が記憶されている。ここでの特別対応は、ピット補強工事、全撤去工事、吊りクレーン作業、等が例示される。不確実要素情報データベース144には、これらの特別対応の内容、実績費用、工期が、その内容に関連する仕様項目に対応付けられて記憶されている。なお、不確実要素情報データベース144には、これらの特別対応の内容、実績費用、工期が、その内容に関連する既設仕様項目に対応付けられて記憶されていてもよい。
【0019】
入出力インターフェース16は、顧客端末装置2から送信された見積要求を、通信ネットワーク4を介して受信するとともに、作成した見積書を顧客端末装置2へと出力するためのインターフェースである。
【0020】
2.見積作成処理
次に、本実施の形態の見積自動出力装置10において実行される見積作成処理の動作について説明する。見積作成処理は、既設エレベータの顧客からのモダニゼーションの見積要求を受けて、概算費用の見積書を自動で作成する処理である。顧客は、顧客端末装置2を用いて見積要求を送信する。典型的には、顧客は、インターネット上の会社ホームページにアクセスし、アクセスナンバーを入力する。ここでのアクセスナンバーは、顧客の建物を識別するためにエレベータ会社から付与された識別番号である。
【0021】
見積自動出力装置10は、見積要求を受けて見積作成処理を実行する。図4は、見積自動出力装置10において実行される見積作成処理のフローチャートである。この制御ルーチンは、見積自動出力装置10が見積要求を受信した場合にプロセッサ12によって実行される。
【0022】
図4に示すルーチンのステップS100では、顧客識別情報に基づいて、既設エレベータに関する既設仕様項目が読み出される。ここでは、顧客識別情報として見積要求に含まれるアクセスナンバーが利用される。プロセッサ12は、アクセスナンバーに対応する既設エレベータに関する既設仕様項目を顧客情報データベース141から取得する。
【0023】
次のステップS102では、既設仕様項目に対応する標準仕様項目のモダニゼーションに関する費用が算出される。ここでの標準仕様項目は、既設仕様項目と同仕様又は同等仕様である。プロセッサ12は、既設仕様項目に対応する標準仕様項目を価格情報データベース142から特定する。そして、プロセッサ12は、特定された標準仕様項目に対応する費用及び工期の情報を価格情報データベース142から特定する。
【0024】
次のステップS104からステップS106では、標準仕様項目に対して更に付加可能な付加仕様項目のモダニゼーションに関する費用が算出される。先ずステップS104では、付加仕様項目としての付加装置項目の費用が算出される。ここでの付加装置項目は、戸開走行保護装置又は地震時管制運転装置、等が例示される。プロセッサ12は、標準仕様項目に対して更に付加可能な付加装置項目、及びその費用及び工期に関する情報を価格情報データベース142から特定する。
【0025】
次のステップS106では、付加仕様項目としての意匠項目に関するモダニゼーション費用が算出される。ここでの意匠項目は、標準仕様項目に対して更に付加可能な意匠に関する項目であり、かご室意匠、乗場意匠、等が例示される。プロセッサ12は、標準仕様項目に対して更に付加可能な意匠項目、及びその費用及び工期に関する情報を価格情報データベース142から特定する。
【0026】
ステップS108では、不確実要素に基づいて、標準仕様項目又は付加仕様項目の費用又は工期が補正される。ここでは、プロセッサ12は、標準仕様項目及び付加仕様項目の何れかに対応する不確実要素を不確実要素情報データベース144から抽出する。そして、プロセッサ12は、抽出された不確実要素に対応する実績費用、工期に基づいて、対応する標準仕様項目又は付加仕様項目の費用又は工期を補正する。
【0027】
ステップS110では、見積書に付加するメッセージが生成される。ここでは、プロセッサ12は、メッセージ情報データベース143を検索して、選択された標準仕様項目、付加装置項目、意匠項目、そして不確実要素に対応するメッセージを読み出す。
【0028】
ステップS112では、顧客への連絡事項が生成される。ここでは、プロセッサ12は、例えば問い合わせ先となる担当営業の情報等を生成する。
【0029】
次のステップS114では、顧客の顧客端末装置2に見積書が出力される。ここでは、プロセッサ12は、標準仕様項目及び付加仕様項目に対応する合算費用に、不確実要素に基づく補正費用を反映させた費用を最終概算費用として演算する。また、プロセッサ12は、標準仕様項目及び付加仕様項目に対応する合算工期に、不確実要素に基づく補正工期を反映させた費用を最終概算工期として演算する。プロセッサ12は、演算された最終概算費用及び最終概算工期、ステップS110の処理で読み出したメッセージ、及びステップS112の処理で生成した連絡事項を含む見積書を顧客の顧客端末装置2へ出力する。また、次のステップS116では、プロセッサ12は、同じ見積書を担当営業に対して出力する。ステップS116の処理が完了すると、本ルーチンは終了される。
【0030】
以上のような見積作成処理によれば、以下のような作用及び効果が得られる。
【0031】
顧客からの見積要求を受けて見積書を自動で作成することができる。これにより、見積作成に要する人の労力を軽減して業務効率化を図ることが可能となる。
【0032】
見積作成処理によって作成された見積書には、付加仕様項目に関する概算費用が含まれている。これにより、顧客は、標準仕様項目に加えるべき付加装置或いは意匠等の要否を、費用及び工期を参照しながら検討することが可能となる。
【0033】
見積作成処理では、標準仕様項目及び付加仕様項目に対応する合算費用及び合算工期が、不確実要素に基づいて補正される。これにより、精度の高い見積を顧客に提供することができる。
【0034】
見積作成処理では、各仕様項目に対応した説明文が付加される。これにより、顧客の疑問を効率的に解消することができるので、モダニゼーションの受注を促進することができる。
【0035】
さらに、作成された見積書は担当営業にも出力される。これにより、担当営業は、商談を効率的に進めることが可能となる。
【0036】
3.本実施の形態の見積自動出力システムの変形例
本実施の形態の見積自動出力システム100は、以下のように変形した態様を適用してもよい。
【0037】
見積書は、複数のモダニゼーションプランの概算費用を含んでいてもよい。複数のモダニゼーションプランは、例えば、標準仕様項目のみを行うプランと、標準仕様項目及び付加仕様項目の両方を行う場合のプランを含む。この場合、プロセッサ12は、ステップS114の処理において、標準仕様項目の費用及び工期と、標準仕様項目及び付加仕様項目の合算費用及び合算工期と、の両方を演算して見積書を作成すればよい。
【0038】
不確実要素に基づく補正費用及び補正工期の反映は、必須の構成ではない。また、見積書では、不確実要素に基づく補正を施した概算費用と、当該補正を施していない概算費用との両方を提示してもよい。
【0039】
顧客が顧客端末装置2から送信する見積要求は、モダニゼーションを予定している希望時期に関する情報が含まれていてもよい。このような構成は、例えば、顧客が、インターネット上の会社ホームページにアクセスし、アクセスナンバーを入力する画面において、希望時期を入力する項目を設けておけばよい。この場合、プロセッサ12は、ステップS114の処理において、希望時期に応じた概算見積額の調整を行う。例えば、プロセッサ12は、希望時期が繁忙期から外れていれば、概算見積額を割引方向に調整する。
【0040】
見積要求には、モダニゼーションについての顧客の希望仕様項目に関する情報が含まれていてもよい。このような構成は、上記の希望時期と同様に、アクセスナンバーを入力する画面において、希望仕様項目を入力する項目を設けておけばよい。プロセッサ12は、ステップS114の処理において、希望仕様項目を反映したモダニゼーションプランの概算費用を演算し、見積書に含めることとすればよい。
【0041】
本実施の形態の見積自動出力システム100が備える見積自動出力装置10は、以下のように構成されてもよい。図5は、本実施の形態の見積自動出力システムが備える見積自動出力装置の構成の他の例を示す図である。図5に示す例では、見積自動出力装置10の処理回路は、少なくとも1つの専用のハードウェア18を備える。処理回路が少なくとも1つの専用のハードウェア18を備える場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものである。見積自動出力装置10の各機能がそれぞれ処理回路で実現されても良い。また、見積自動出力装置10の各機能がまとめて処理回路で実現されても良い。
【符号の説明】
【0042】
2 顧客端末装置、 4 通信ネットワーク、 10 見積自動出力装置、 10 見積自動出力装置、 12 プロセッサ、 14 記憶装置、 16 入出力インターフェース、 18 ハードウェア、 100 見積自動出力システム、 141 顧客情報データベース、 142 価格情報データベース、 143 メッセージ情報データベース、 144 不確実要素情報データベース
図1
図2
図3
図4
図5