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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】印刷制御装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20240709BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
G06F3/12 371
G06F3/12 303
G06F3/12 339
G06F3/12 365
G06F3/12 368
G06F3/12 387
G06F3/12 392
H04N1/00 838
H04N1/00 127A
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020129596
(22)【出願日】2020-07-30
(65)【公開番号】P2022026231
(43)【公開日】2022-02-10
【審査請求日】2023-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118108
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 洋之
(72)【発明者】
【氏名】粟津 優作
【審査官】豊田 真弓
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-141671(JP,A)
【文献】特開2019-200653(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0236228(US,A1)
【文献】特開2020-052508(JP,A)
【文献】特開2017-041236(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
G06F 13/00
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
特定のユーザを含む複数のユーザが保持する複数のデータをまとめて印刷する旨の印刷要求を当該特定のユーザから受け付け、
前記印刷要求の受付に応じて、前記複数のユーザのうちの前記特定のユーザを含む1以上のユーザから、前記複数のデータのうちの1以上のデータを、当該1以上のデータの他のユーザによる閲覧が制限された状態で取得し、
前記1以上のデータが、前記特定のユーザから取得したデータを含まないようにし、当該特定のユーザから取得したデータを含まないようになった当該1以上のデータが印刷されるように制御する
ことを特徴とする印刷制御装置。
【請求項2】
前記閲覧が制限された状態は、前記1以上のユーザのそれぞれが個別に使用する個別使用手段によって実現されることを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置。
【請求項3】
前記個別使用手段は、メッセージングサービスの個々のユーザの投稿領域、又は、電子メールであることを特徴とする請求項2に記載の印刷制御装置。
【請求項4】
前記閲覧が制限された状態は、前記1以上のユーザに共通の記憶領域に前記1以上のデータを格納させるが、当該1以上のデータの他のユーザによる閲覧を制限することによって実現されることを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置。
【請求項5】
前記記憶領域は、URL(Uniform Resource Locator)によって指定されることを特徴とする請求項4に記載の印刷制御装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記特定のユーザから取得したデータを含まないようになった前記1以上のデータを識別する1つのデータ識別情報が前記特定のユーザに通知されるように制御し、
前記1以上のデータが印刷されるように制御することは、前記特定のユーザから前記データ識別情報を受け付けた際に、当該データ識別情報により識別される、当該特定のユーザから取得したデータを含まないようになった当該1以上のデータが印刷されるように制御することを含むことを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記1以上のユーザから取得した前記1以上のデータを識別する1つのデータ識別情報が前記特定のユーザに通知されるように制御し、
前記1以上のデータが印刷されるように制御することは、前記特定のユーザから前記データ識別情報と当該特定のユーザを識別するユーザ識別情報とを受け付けた際に、当該データ識別情報と当該ユーザ識別情報とにより識別される、当該特定のユーザから取得したデータを含まないようになった当該1以上のデータが印刷されるように制御することを含むことを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記1以上のデータを識別する1つのデータ識別情報が特定のユーザに通知されるように制御し、
前記1以上のデータが印刷されるように制御することは、前記特定のユーザから前記データ識別情報を受け付けた際に、当該データ識別情報により識別される当該1以上のデータが印刷されるように制御することを含むことを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置。
【請求項9】
前記データ識別情報が通知されるように制御することは、前記複数のデータを取得した後に、当該複数のデータを識別する当該データ識別情報が前記特定のユーザに通知されるように制御することを含み、
前記1以上のデータが印刷されるように制御することは、前記特定のユーザから前記データ識別情報を受け付けた際に、当該データ識別情報により識別される前記複数のデータが印刷されるように制御することを含むことを特徴とする請求項8に記載の印刷制御装置。
【請求項10】
前記データ識別情報が通知されるように制御することは、前記複数のデータを取得する前に、前記1以上のデータを識別する当該データ識別情報が前記特定のユーザに通知されるように制御することを含み、
前記1以上のデータが印刷されるように制御することは、前記特定のユーザから前記データ識別情報を受け付けた際に、前記複数のデータを取得していなければ、当該データ識別情報により識別される当該1以上のデータを印刷しないように制御することを含むことを特徴とする請求項8に記載の印刷制御装置。
【請求項11】
前記データ識別情報が通知されるように制御することは、前記複数のデータを取得する前に、前記1以上のデータを識別する当該データ識別情報が前記特定のユーザに通知されるように制御することを含み、
前記1以上のデータが印刷されるように制御することは、前記特定のユーザから前記データ識別情報を受け付けた際に、前記複数のデータを取得していなくても、当該データ識別情報により識別される当該1以上のデータが少なくとも印刷されるように制御することを含むことを特徴とする請求項8に記載の印刷制御装置。
【請求項12】
前記1以上のデータが印刷されるように制御することは、前記特定のユーザから前記データ識別情報を2回目以降に受け付けた際に、当該データ識別情報により識別されることとなったデータのうち、当該特定のユーザから当該データ識別情報を前回受け付けた際以降に取得したデータが印刷されるように制御することを含むことを特徴とする請求項11に記載の印刷制御装置。
【請求項13】
コンピュータに、
特定のユーザを含む複数のユーザが保持する複数のデータをまとめて印刷する旨の印刷要求を当該特定のユーザから受け付ける機能と、
前記印刷要求の受付に応じて、前記複数のユーザのうちの前記特定のユーザを含む1以上のユーザから、前記複数のデータのうちの1以上のデータを、当該1以上のデータの他のユーザによる閲覧が制限された状態で取得する機能と、
前記1以上のデータが、前記特定のユーザから取得したデータを含まないようにし、当該特定のユーザから取得したデータを含まないようになった当該1以上のデータが印刷されるように制御する機能と
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷制御装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザー番号、メールアドレス、パスワード、及びプリペイドカード等の付加情報を保存した画像データを、第三者の端末に送信し、付加情報が保存された画像データが読み込まれると、付加情報からユーザー番号、メールアドレス、パスワード、及びプリペイドカード等の情報を読み込み、読み込んだ情報に基づいて認証サーバーやプリペイドカードサーバーと通信することにより、認証処理や前記コンテンツサーバーに保存された画像データのダウンロード及び画像印刷代の支払処理を行う画像処理装置は、知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-220029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特定のユーザからの印刷要求に応じて複数のユーザが保持するデータを印刷する場合がある。このような場合に、特定のユーザが複数のユーザからデータを取得しそのデータを用いて印刷要求を行う構成を採用したのでは、印刷されるデータが印刷前に特定のユーザに分かってしまう。
【0005】
本発明の目的は、特定のユーザからの印刷要求に応じて、印刷されるデータが印刷前に特定のユーザに分かることを抑制しつつ、複数のユーザが保持するデータを印刷することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、特定のユーザを含む複数のユーザが保持する複数のデータをまとめて印刷する旨の印刷要求を当該特定のユーザから受け付け、前記印刷要求の受付に応じて、前記複数のユーザのうちの前記特定のユーザを含む1以上のユーザから、前記複数のデータのうちの1以上のデータを、当該1以上のデータの他のユーザによる閲覧が制限された状態で取得し、前記1以上のデータが、前記特定のユーザから取得したデータを含まないようにし、当該特定のユーザから取得したデータを含まないようになった当該1以上のデータが印刷されるように制御することを特徴とする印刷制御装置である。
請求項2に記載の発明は、前記閲覧が制限された状態は、前記1以上のユーザのそれぞれが個別に使用する個別使用手段によって実現されることを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置である。
請求項3に記載の発明は、前記個別使用手段は、メッセージングサービスの個々のユーザの投稿領域、又は、電子メールであることを特徴とする請求項2に記載の印刷制御装置である。
請求項4に記載の発明は、前記閲覧が制限された状態は、前記1以上のユーザに共通の記憶領域に前記1以上のデータを格納させるが、当該1以上のデータの他のユーザによる閲覧を制限することによって実現されることを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置である。
請求項5に記載の発明は、前記記憶領域は、URL(Uniform Resource Locator)によって指定されることを特徴とする請求項4に記載の印刷制御装置である。
請求項6に記載の発明は、前記プロセッサは、前記特定のユーザから取得したデータを含まないようになった前記1以上のデータを識別する1つのデータ識別情報が前記特定のユーザに通知されるように制御し、前記1以上のデータが印刷されるように制御することは、前記特定のユーザから前記データ識別情報を受け付けた際に、当該データ識別情報により識別される、当該特定のユーザから取得したデータを含まないようになった当該1以上のデータが印刷されるように制御することを含むことを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置である。
請求項7に記載の発明は、前記プロセッサは、前記1以上のユーザから取得した前記1以上のデータを識別する1つのデータ識別情報が前記特定のユーザに通知されるように制御し、前記1以上のデータが印刷されるように制御することは、前記特定のユーザから前記データ識別情報と当該特定のユーザを識別するユーザ識別情報とを受け付けた際に、当該データ識別情報と当該ユーザ識別情報とにより識別される、当該特定のユーザから取得したデータを含まないようになった当該1以上のデータが印刷されるように制御することを含むことを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置である。
請求項8に記載の発明は、前記プロセッサは、前記1以上のデータを識別する1つのデータ識別情報が特定のユーザに通知されるように制御し、前記1以上のデータが印刷されるように制御することは、前記特定のユーザから前記データ識別情報を受け付けた際に、当該データ識別情報により識別される当該1以上のデータが印刷されるように制御することを含むことを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置である。
請求項9に記載の発明は、前記データ識別情報が通知されるように制御することは、前記複数のデータを取得した後に、当該複数のデータを識別する当該データ識別情報が前記特定のユーザに通知されるように制御することを含み、前記1以上のデータが印刷されるように制御することは、前記特定のユーザから前記データ識別情報を受け付けた際に、当該データ識別情報により識別される前記複数のデータが印刷されるように制御することを含むことを特徴とする請求項8に記載の印刷制御装置である。
請求項10に記載の発明は、前記データ識別情報が通知されるように制御することは、前記複数のデータを取得する前に、前記1以上のデータを識別する当該データ識別情報が前記特定のユーザに通知されるように制御することを含み、前記1以上のデータが印刷されるように制御することは、前記特定のユーザから前記データ識別情報を受け付けた際に、前記複数のデータを取得していなければ、当該データ識別情報により識別される当該1以上のデータを印刷しないように制御することを含むことを特徴とする請求項8に記載の印刷制御装置である。
請求項11に記載の発明は、前記データ識別情報が通知されるように制御することは、前記複数のデータを取得する前に、前記1以上のデータを識別する当該データ識別情報が前記特定のユーザに通知されるように制御することを含み、前記1以上のデータが印刷されるように制御することは、前記特定のユーザから前記データ識別情報を受け付けた際に、前記複数のデータを取得していなくても、当該データ識別情報により識別される当該1以上のデータが少なくとも印刷されるように制御することを含むことを特徴とする請求項8に記載の印刷制御装置である。
請求項12に記載の発明は、前記1以上のデータが印刷されるように制御することは、前記特定のユーザから前記データ識別情報を2回目以降に受け付けた際に、当該データ識別情報により識別されることとなったデータのうち、当該特定のユーザから当該データ識別情報を前回受け付けた際以降に取得したデータが印刷されるように制御することを含むことを特徴とする請求項11に記載の印刷制御装置である。
請求項13に記載の発明は、コンピュータに、特定のユーザを含む複数のユーザが保持する複数のデータをまとめて印刷する旨の印刷要求を当該特定のユーザから受け付ける機能と、前記印刷要求の受付に応じて、前記複数のユーザのうちの前記特定のユーザを含む1以上のユーザから、前記複数のデータのうちの1以上のデータを、当該1以上のデータの他のユーザによる閲覧が制限された状態で取得する機能と、前記1以上のデータが、前記特定のユーザから取得したデータを含まないようにし、当該特定のユーザから取得したデータを含まないようになった当該1以上のデータが印刷されるように制御する機能とを実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明によれば、特定のユーザからの印刷要求に応じて、複数のユーザが保持するデータを印刷する際に、特定のユーザが保持するデータが印刷されることによる無駄を抑制することができる
請求項2の発明によれば、印刷されるデータの他のユーザによる閲覧を制限する新たな手段を別途講ずることなく、印刷されるデータが印刷前に特定のユーザに分かることを抑制することができる。
請求項3の発明によれば、印刷されるデータの他のユーザによる閲覧を制限する新たな手段を別途講ずることなく、メッセージングサービス又は電子メールを用いて、印刷されるデータが印刷前に特定のユーザに分かることを抑制することができる。
請求項4の発明によれば、複数のユーザのそれぞれが個別に使用する個別使用手段が存在しない場合であっても、印刷されるデータが印刷前に特定のユーザに分かることを抑制することができる。
請求項5の発明によれば、複数のユーザのそれぞれが個別に使用する個別使用手段が存在しない場合であっても、URLで指定される記憶領域を用いて、印刷されるデータが印刷前に特定のユーザに分かることを抑制することができる。
請求項6の発明によれば、特定のユーザからの印刷要求に応じて、複数のユーザが保持するデータを印刷する際に、特定のユーザを識別するユーザ識別情報を入力することなく、特定のユーザが保持するデータが印刷されることによる無駄を抑制することができる。
請求項7の発明によれば、特定のユーザからの印刷要求に応じて、複数のユーザが保持するデータを印刷する際に、特定のユーザが保持するデータを印刷するかどうかを決定することができる。
請求項8の発明によれば、通知された1つのデータ識別情報を特定のユーザが入力する操作に応じて、複数のユーザが保持するデータを印刷することができる。
請求項9の発明によれば、複数のユーザからのデータの取得が完了してからデータ識別情報を特定のユーザに通知することにより、データ識別情報を特定のユーザが入力する操作に応じて、複数のユーザから取得した全てのデータを印刷することができる。
請求項10の発明によれば、複数のユーザからのデータの取得が完了しなくてもデータ識別情報を特定のユーザに通知できるようにするが、複数のユーザからのデータの取得が完了していない状態で印刷されることを抑制することができる。
請求項11の発明によれば、複数のユーザからのデータの取得が完了しなくてもデータ識別情報を特定のユーザに通知できるようにし、データ識別情報が入力された際に複数のユーザから取得されているデータを印刷することができる。
請求項12の発明によれば、データ識別情報が2回目以降に入力された際に複数のユーザから新たなデータを取得していれば、この新たなデータを印刷することができる。
請求項13の発明によれば、特定のユーザからの印刷要求に応じて、複数のユーザが保持するデータを印刷する際に、特定のユーザが保持するデータが印刷されることによる無駄を抑制することができる
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態が適用される印刷システムの全体構成例を示した図である。
図2】本発明の実施の形態における携帯端末のハードウェア構成例を示した図である。
図3】本発明の実施の形態における印刷サーバのハードウェア構成例を示した図である。
図4】本発明の実施の形態における画像処理装置のハードウェア構成例を示した図である。
図5】本発明の実施の形態における印刷システムの機能構成例を示したブロック図である。
図6】本発明の実施の形態における印刷サーバのデータベースに記憶される対応情報の具体例を示した図である。
図7】本発明の実施の形態における印刷システムのファイルを登録する際の動作例を示したシーケンス図である。
図8】本発明の実施の形態における印刷システムの印刷を行う際の動作例を示したシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0010】
[印刷システムの全体構成]
図1は、本実施の形態が適用される印刷システム1の全体構成例を示した図である。図示するように、この印刷システム1は、携帯端末10と、メッセージングサーバ30と、印刷サーバ50と、画像処理装置70とを含む。携帯端末10は、Wi-Fi(登録商標)等の無線通信によりアクセスポイント95を介して通信回線90と無線接続可能になっている。また、メッセージングサーバ30、印刷サーバ50、及び画像処理装置70は、通信回線90に接続されている。
【0011】
携帯端末10は、印刷システム1を利用するユーザにより使用される端末装置である。携帯端末10には、メッセージングサービスを提供するアプリケーション(メッセージングサービスアプリ)がインストールされている。ここで、メッセージングサービスとは、ユーザがメッセージングサービスアプリを携帯端末10にインストールすることにより、他のユーザとの間でのインスタントメッセージの送受信を可能とするサービスである。メッセージングサービスは、例えば、携帯端末10のユーザ及びその相手ユーザが入力したメッセージを携帯端末10の画面上に仮想的に設けられたトークルーム内であたかも会話が行われているように表示することで、インスタントメッセージの送受信を可能とする。携帯端末10としては、例えば、スマートフォンを用いるとよい。尚、図では、携帯端末10を1つしか示していないが、複数存在してもよい。特に、以下では、ユーザAが使用する携帯端末10を携帯端末10aと表記し、ユーザBが使用する携帯端末10を携帯端末10bと表記し、ユーザCが使用する携帯端末10を携帯端末10cと表記することにする。
【0012】
メッセージングサーバ30は、ユーザの操作により携帯端末10から送られた要求に応じて、上述したメッセージングサービスを提供するサーバコンピュータである。メッセージングサーバ30としては、例えば、汎用のパーソナルコンピュータを用いるとよい。
【0013】
印刷サーバ50は、ユーザが携帯端末10のメッセージングサービスのトークルーム内に投稿したファイルを印刷する印刷サービスを提供するサーバコンピュータである。具体的には、印刷サーバ50は、ユーザが携帯端末10を操作することによりメッセージングサーバ30から送られた要求に応じて、携帯端末10のメッセージングサービスのトークルーム内に投稿されたファイルを印刷用のファイルとして登録する。そして、印刷サーバ50は、ユーザの操作により画像処理装置70から送られた要求に応じて、印刷用のファイルを印刷データとして画像処理装置70に出力する。以下では、メッセージングサービスのトークルーム内に投稿されるファイルとして画像を例にとり説明する。但し、これはあくまで一例であり、メッセージングサービスのトークルーム内に投稿されるファイルは、印刷可能な形式であればPDF等、その他の形式のファイルであってもよい。印刷サーバ50としては、例えば、汎用のパーソナルコンピュータを用いるとよい。本実施の形態では、印刷制御装置の一例として、印刷サーバ50を設けている。
【0014】
画像処理装置70は、紙等の記録媒体への画像形成、紙等の記録媒体からの画像読取り、公衆回線への画像送信、公衆回線からの画像受信等の画像処理を行う装置である。但し、これらの少なくとも1つを行うものであってよい。例えば、画像形成のみを行う観点からはプリンタであり、画像読取りのみを行う観点からはスキャナであり、画像読取り及び画像形成を行う観点からはコピー機であり、画像読取り及び画像送信又は画像受信及び画像形成を行う観点からはファクシミリである。尚、図では、画像処理装置70を1つしか示していないが、複数存在してもよい。
【0015】
通信回線90は、携帯端末10とメッセージングサーバ30との間、メッセージングサーバ30と印刷サーバ50との間、印刷サーバ50と画像処理装置70との間等の情報通信に用いられる通信手段である。通信回線90としては、例えば、インターネットを用いるとよい。
【0016】
[携帯端末のハードウェア構成]
図2は、本実施の形態における携帯端末10のハードウェア構成例を示した図である。図示するように、携帯端末10は、演算手段であるプロセッサ11と、記憶手段であるRAM12及びROM13と、各種情報の表示やユーザからの操作入力の受付を行うタッチパネル14と、マイクロフォン等の音声入力機構15と、スピーカ等の音声出力機構16と、NFC(Near Field Communication)等の近距離無線通信により画像処理装置70との間で各種情報の送受信を行う近距離無線通信インターフェース(以下、「I/F」と表記する)17とを備える。また、基地局を介して無線通信を行うための無線回路18及びアンテナ19を備える。ここで、無線回路18には、図示しないが、無線で送受信されるデジタルデータの信号処理を行うベースバンドLSIが含まれるものとする。
【0017】
[印刷サーバのハードウェア構成]
図3は、本実施の形態における印刷サーバ50のハードウェア構成例を示した図である。図示するように、印刷サーバ50は、演算手段であるプロセッサ51と、記憶手段であるメインメモリ52及びHDD(Hard Disk Drive)53とを備える。ここで、プロセッサ51は、OS(Operating System)やアプリケーション等の各種ソフトウェアを実行し、後述する各機能を実現する。また、メインメモリ52は、各種ソフトウェアやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域であり、HDD53は、各種ソフトウェアに対する入力データや各種ソフトウェアからの出力データ等を記憶する記憶領域である。更に、印刷サーバ50は、外部との通信を行うための通信I/F54と、ディスプレイ等の表示デバイス55と、キーボードやマウス等の入力デバイス56とを備える。
【0018】
また、図3に示したハードウェア構成は、メッセージングサーバ30のハードウェア構成としても捉えられる。但し、メッセージングサーバ30について述べるときは、図3のプロセッサ51、メインメモリ52、HDD53、通信I/F54、表示デバイス55、入力デバイス56をそれぞれ、プロセッサ31、メインメモリ32、HDD33、通信I/F34、表示デバイス35、入力デバイス36と表記するものとする。
【0019】
[画像処理装置のハードウェア構成]
図4は、本実施の形態における画像処理装置70のハードウェア構成例を示した図である。図示するように、画像処理装置70は、プロセッサ71と、RAM(Random Access Memory)72と、ROM(Read Only Memory)73と、HDD(Hard Disk Drive)74と、操作パネル75と、画像読取部76と、画像形成部77と、有線通信I/F78と、近距離無線通信I/F79とを備える。
【0020】
プロセッサ71は、ROM73等に記憶された各種プログラムをRAM72にロードして実行することにより、後述する各機能を実現する。
【0021】
RAM72は、プロセッサ71の作業用メモリ等として用いられるメモリである。ROM73は、プロセッサ71が実行する各種プログラム等を記憶するメモリである。HDD74は、画像読取部76が読み取った画像データや画像形成部77における画像形成にて用いる画像データ等を記憶する例えば磁気ディスク装置である。
【0022】
操作パネル75は、各種情報の表示やユーザからの操作入力の受付を行う例えばタッチパネルである。ここで、操作パネル75は、各種情報が表示されるディスプレイと、指やスタイラスペン等の指示手段で指示された位置を検出する位置検出シートとからなる。或いは、タッチパネルに代えて、ディスプレイ及びキーボードを用いてもよい。
【0023】
画像読取部76は、紙等の記録媒体に記録された画像を読み取る。ここで、画像読取部76は、例えばスキャナであり、光源から原稿に照射した光に対する反射光をレンズで縮小してCCD(Charge Coupled Devices)で受光するCCD方式や、LED光源から原稿に順に照射した光に対する反射光をCIS(Contact Image Sensor)で受光するCIS方式のものを用いるとよい。
【0024】
画像形成部77は、紙等の記録媒体に画像を形成する。ここで、画像形成部77は、例えばプリンタであり、感光体に付着させたトナーを記録媒体に転写して像を形成する電子写真方式や、インクを記録媒体上に吐出して像を形成するインクジェット方式のものを用いるとよい。
【0025】
有線通信I/F78は、通信回線90を介して他の装置、例えば印刷サーバ50との間で各種情報の送受信を行う。近距離無線通信I/F79は、NFC等の近距離無線通信により携帯端末10との間で各種情報の送受信を行う。
【0026】
[本実施の形態の概要]
このような構成を備えた印刷システム1において、本実施の形態では、印刷サーバ50が、複数のユーザが保持する複数のデータをまとめて印刷する旨の印刷要求を特定のユーザから受け付け、印刷要求の受付に応じて、複数のユーザのうちの1以上のユーザから、複数のデータのうちの1以上のデータを、その1以上のデータの他のユーザによる閲覧が制限された状態で取得し、その1以上のデータが印刷されるように制御する。
【0027】
ここで、閲覧が制限された状態としては、1以上のユーザのそれぞれが個別に使用する個別使用手段によって実現される状態が考えられる。この場合、個別使用手段は、メッセージングサービスの個々のユーザの投稿領域、又は、電子メールでよい。
【0028】
或いは、閲覧が制限された状態としては、1以上のユーザに共通の記憶領域に1以上のデータを格納させるが、1以上のデータの他のユーザによる閲覧を制限することによって実現される状態も考えられる。この場合、記憶領域は、URL(Uniform Resource Locator)によって指定されるものでよい。
【0029】
このように閲覧が制限された状態としては種々考えられるが、ここでは、メッセージングサービスの個々のユーザの投稿領域(個別トークルーム)によって実現する場合を例にとって説明する。
【0030】
また、1以上のデータが印刷されるように制御することは、どのような方法で制御することであってもよい。但し、ここでは、印刷サーバ50が、1以上のデータを識別する1つのデータ識別情報が特定のユーザに通知されるように制御し、特定のユーザからデータ識別情報を受け付けた際に、データ識別情報により識別される1以上のデータが印刷されるように制御する場合を例にとって説明する。
【0031】
[印刷システムの機能構成]
図5は、本実施の形態における印刷システム1の機能構成例を示したブロック図である。
【0032】
まず、携帯端末10の機能構成について説明する。図示するように、携帯端末10は、表示制御部21と、データ送受信部22とを備えている。
【0033】
表示制御部21は、メッセージングサーバ30からのメッセージや操作に対する結果を表示するようにタッチパネル14(図2参照)を制御する。特に、表示制御部21は、メッセージングサーバ30から送られたファイルIDを表示するようにタッチパネル14を制御する。ここで、ファイルIDとは、ファイルを識別する識別情報であり、タッチパネル14に表示して画像処理装置70に読み取らせることによりファイルの印刷を要求することを可能とするものである。ファイルIDは、例えば、QRコード(登録商標)に埋め込むとよい。ファイルIDは、データを識別するデータ識別情報の一例である。
【0034】
データ送受信部22は、メッセージングサーバ30へメッセージやファイルを送信したり、メッセージングサーバ30からメッセージを受信したりする。
【0035】
尚、これらの機能部は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現される。具体的には、これらの機能部は、プロセッサ11が、これらを実現するプログラムを例えばROM13からRAM12に読み込んで実行することにより実現される。
【0036】
次に、メッセージングサーバ30の機能構成について説明する。図示するように、メッセージングサーバ30は、グループトークルーム管理部41と、個別トークルーム管理部42とを備えている。
【0037】
グループトークルーム管理部41は、グループのメンバーである複数のユーザと、印刷サーバ50のBOTとが参加しているグループトークルームを管理する。ここで、印刷サーバ50のBOTとは、ユーザから画像を渡されると、この画像を印刷用のファイルとして登録するプログラムである。従って、印刷サーバ50のBOTがグループに追加されると、その時点でグループに参加しているユーザは、印刷サーバ50のBOTに画像を渡すことで、その画像を印刷用のファイルとして登録することが可能となる。以下、印刷サーバ50のBOTは単に「BOT」と表記することにする。
【0038】
個別トークルーム管理部42は、個々のユーザとBOTとが参加している個別トークルームを管理する。個別トークルームは、個々のユーザとBOTとの1対1のトークルームと言うこともできる。
【0039】
尚、これらの機能部は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現される。具体的には、これらの機能部は、プロセッサ31が、これらを実現するプログラムを例えばHDD33からメインメモリ32に読み込んで実行することにより実現される。
【0040】
次いで、印刷サーバ50の機能構成について説明する。図示するように、印刷サーバ50は、ファイル登録機能61として、ファイル交換指示受信部61Aと、ユーザID取得部61Bと、個別メッセージ送信部61Cと、個別画像受信部61Dと、画像統合部61Eと、ファイルID発行部61Fと、対応情報生成部61Gと、ファイルID送信部61Hとを備えている。また、印刷サーバ50は、印刷制御機能62として、ファイルID受信部62Aと、ファイル取得部62Bと、ファイル交換対象判定部62Cと、ユーザID要求部62Dと、ユーザID受信部62Eと、当人画像除外部62Fと、ファイル送信部62Gとを備えている。更に、印刷サーバ50は、データベース63を備えている。
【0041】
ファイル交換指示受信部61Aは、複数のユーザとBOTとが存在するグループトークルーム上で行われたファイル交換指示をメッセージングサーバ30から受信する。本実施の形態では、複数のユーザが保持する複数のデータをまとめて印刷する旨の印刷要求を特定のユーザから受け付ける手段の一例として、ファイル交換指示受信部61Aを設けている。
【0042】
ユーザID取得部61Bは、グループトークルームに参加しているユーザを識別するユーザIDを取得する。ここで、ユーザIDは、例えば、文字列であってよい。また、ユーザIDは、例えば、メッセージングサーバ30のグループトークルーム管理部41から取得すればよい。
【0043】
個別メッセージ送信部61Cは、個別トークルームでBOTからユーザへファイル交換用画像の送信を依頼するメッセージが送信されるように、画像送信依頼をメッセージングサーバ30へ送信する。
【0044】
個別画像受信部61Dは、個別トークルームでユーザからBOTへ送信されたファイル交換用画像をメッセージングサーバ30から受信する。つまり、個別画像受信部61Dは、ファイル交換用画像を、個々のユーザのみがアクセスし得る手段から受信する。但し、必ずしも個々のユーザのみがアクセスし得る手段から受信するようにせず、全てのユーザがアクセス可能であるが、他のユーザによる閲覧が制限された手段から受信するようにしてもよい。本実施の形態では、印刷要求の受付に応じて、複数のユーザのうちの1以上のユーザから、複数のデータのうちの1以上のデータを、1以上のデータの他のユーザによる閲覧が制限された状態で取得する手段の一例として、個別画像受信部61Dを設けている。
【0045】
画像統合部61Eは、個別画像受信部61Dが個々のユーザから受信したファイル交換用画像を統合することにより1つのファイルを生成する。
【0046】
ファイルID発行部61Fは、画像統合部61Eにより生成されたファイルを識別するファイルIDを発行する。ここで、ファイルIDは、例えば、文字列であってよい。
【0047】
対応情報生成部61Gは、画像統合部61Eにより統合された個々のユーザからの画像と、ファイルID発行部61Fにより発行されたファイルIDとを対応付けた対応情報を生成し、データベース63に保存する。また、個々の画像には、その画像を送信したユーザのユーザIDを対応付けるとよい。
【0048】
ファイルID送信部61Hは、グループトークルームでBOTからユーザへファイルIDを知らせるメッセージが送信されるように、ファイルIDをメッセージングサーバ30へ送信する。本実施の形態では、1以上のデータを識別する1つのデータ識別情報が特定のユーザに通知されるように制御する手段の一例として、ファイルID送信部61Hを設けている。
【0049】
ファイルID受信部62Aは、画像処理装置70からファイルIDを受信し、データベース63からこのファイルIDを含む対応情報を取得する。
【0050】
ファイル取得部62Bは、ファイルID受信部62Aが取得した対応情報に紐付いたファイルを取得する。具体的には、後述するように対応情報にはファイル保存場所が含まれるので、このファイル保存場所からファイルを取得する。
【0051】
ファイル交換対象判定部62Cは、ファイル取得部62Bが取得したファイルがファイル交換対象のファイルであるかどうかを判定する。具体的には、後述するように対応情報にはファイル交換対象であるかどうかを示すファイル交換フラグが含まれているので、ファイル交換フラグを参照してこの判定を行う。そして、ファイル取得部62Bが取得したファイルがファイル交換対象のファイルであると判定された場合は、ユーザID要求部62Dを呼び出す。
【0052】
ユーザID要求部62Dは、印刷を要求するユーザのユーザIDの入力指示を送信して、ユーザIDの入力を画像処理装置70に要求する。
【0053】
ユーザID受信部62Eは、画像処理装置70からユーザIDを受信する。
【0054】
当人画像除外部62Fは、ファイル取得部62Bにより取得され、ファイル交換対象判定部62Cによりファイル交換対象のファイルと判定されたファイルに含まれる画像の中から、ユーザIDに紐付けられた画像を削除する。つまり、当人画像除外部62Fは、画像統合部61Eが画像を統合することにより得られたファイルから当人が送信した画像を取り除く。本実施の形態では、1以上のデータが特定のユーザから取得したデータを含まないようにする手段の一例として、当人画像除外部62Fを設けている。
【0055】
ファイル送信部62Gは、当人画像除外部62Fにより当人が送信した画像が除外されたファイルを印刷対象のファイルとして画像処理装置70へ送信する。
【0056】
データベース63は、上述した対応情報を記憶する。この対応情報の具体例については後述する。
【0057】
尚、これらの機能部は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現される。具体的には、これらの機能部は、プロセッサ51が、これらを実現するプログラムを例えばHDD53からメインメモリ52に読み込んで実行することにより実現される。
【0058】
次いで、画像処理装置70は、表示制御部81と、ファイルID受付部82と、ファイル要求部83と、ユーザID受付部84と、ユーザID送信部85と、ファイル受信部86と、印刷指示部87とを備えている。
【0059】
表示制御部81は、印刷サーバ50からのメッセージや操作に対する結果を表示するように操作パネル75(図4参照)を制御する。特に、表示制御部81は、印刷サーバ50から送られたユーザIDの入力指示を表示するように操作パネル75を制御する。
【0060】
ファイルID受付部82は、ユーザが操作パネル75(図4参照)上で入力したファイルIDを受け付ける。
【0061】
ファイル要求部83は、ファイルID受付部82が受け付けたファイルIDを印刷サーバ50へ送信することにより印刷対象のファイルを要求する。
【0062】
ユーザID受付部84は、ユーザが操作パネル75(図4参照)上で入力したユーザIDを受け付ける。
【0063】
ユーザID送信部85は、ユーザID受付部84が受け付けたユーザIDを印刷サーバ50へ送信する。
【0064】
ファイル受信部86は、印刷サーバ50から印刷対象のファイルを受信する。
【0065】
印刷指示部87は、ファイル受信部86が受信したファイルに基づく印刷を画像処理装置70に指示する。
【0066】
尚、これらの機能部は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現される。具体的には、これらの機能部は、プロセッサ71が、これらを実現するプログラムを例えばROM73からRAM72に読み込んで実行することにより実現される。
【0067】
図6は、データベース63に記憶される対応情報の具体例を示した図である。図示するように、対応情報は、ファイルIDと、ファイル保存場所と、ファイル交換フラグと、画像名と、ユーザIDとを対応付けたものとなっている。ファイルIDは、ファイルの識別情報である。ファイル保存場所は、対応するファイルIDで識別されるファイルが保存された場所を示す情報である。ファイル交換フラグは、対応するファイルIDで識別されるファイルがファイル交換の対象であるかどうかを示すフラグである。ファイル交換フラグ「true」はファイル交換の対象であることを示し、ファイル交換フラグ「false」はファイル交換の対象でないことを示す。画像名は、対応するファイルIDで識別されるファイルに内包される画像の名称である。ユーザIDは、対応する画像名の画像を送信したユーザの識別情報である。
【0068】
ここでは、ファイルIDが「00000001」の対応情報について説明する。ファイルID「00000001」には、ファイル保存場所として「D:¥Data¥00000001.ZIP」が、ファイル交換フラグとして「true」が、それぞれ対応付けられている。このことから、「D:¥Data¥00000001.ZIP」は画像統合により生成されたファイルであることが分かる。そして、画像名の欄から、統合された画像は「present.jpg」、「20191107.jpg」、「memorial.jpg」の3つの画像であることが分かる。また、ユーザIDの欄から、この3つの画像を送信したユーザのユーザIDはそれぞれ「userIdAAAA」、「userIdBBBB」、「userIdCCCC」であることも分かる。
【0069】
印刷する際には、まず、ファイルIDが画像処理装置70に入力され、そのファイルIDに紐付いたファイル交換フラグが確認される。ファイル交換フラグが「true」であった場合、画像処理装置70を介してユーザにユーザIDの入力が促される。ユーザIDが入力されると、画像名のリストからこのユーザIDに紐付いた画像が特定され、その画像を除いたファイルが画像処理装置70へ送信され、画像処理装置70で印刷される。
【0070】
[印刷システムの動作]
ここでは、ユーザA、ユーザB、ユーザCの間でファイル交換を行う際の印刷システム1の動作について説明する。動作の前提として、ユーザA、ユーザB、ユーザC、及びBOTが参加しているグループトークルームが存在しているものとする。
【0071】
図7は、印刷システム1のファイルを登録する際の動作例を示したシーケンス図である。尚、ここでは、メッセージングサーバ30の個別トークルーム管理部42のうち、ユーザAの個別トークルームを管理する部分を「個別トークルーム管理部42a」とし、ユーザBの個別トークルームを管理する部分を「個別トークルーム管理部42b」とし、ユーザCの個別トークルームを管理する部分を「個別トークルーム管理部42c」とする。但し、図では、グループトークルーム管理部41、個別トークルーム管理部42a、個別トークルーム管理部42b、個別トークルーム管理部42cを、それぞれ、「グループトークルーム41」、「個別トークルーム42a」、「個別トークルーム42b」、「個別トークルーム42c」と省略して示している。
【0072】
まず、ユーザAが携帯端末10aに表示されたグループトークルームでファイル交換を指示する操作を行うと、携帯端末10aでは、データ送受信部22が、ファイル交換を指示するファイル交換指示メッセージをメッセージングサーバ30へ送信する(ステップ100)。ここで、ファイル交換を指示する操作は、例えば文字列「ファイル交換」を入力してメッセージを送信する操作であってよい。但し、これはあくまで一例であり、ファイル交換を指示する操作はこれに限らない。ファイル交換を指示する操作は、文字列を入力する操作ではなく、ボタンの押下等の操作であってもよい。また、図ではユーザAがファイル交換を指示する操作を行っているが、グループ参加者ならどのユーザがこのような操作を行ってもよい。
【0073】
すると、メッセージングサーバ30では、グループトークルーム管理部41が、ユーザAによるファイル交換指示を印刷サーバ50のファイル登録機能61へ送信する(ステップ110)。
【0074】
これにより、印刷サーバ50のファイル登録機能61では、ユーザID取得部61Bが、ファイル交換指示の送信元のグループトークルームから、現在グループに参加しているユーザ(BOTは除く)のユーザIDを取得する(ステップ111)。ここで、ユーザIDは、上述したように、ユーザを一意に識別する識別情報である。
【0075】
その後、印刷サーバ50のファイル登録機能61は、ファイル交換がこれから行われる旨がグループに参加するユーザにグループトークルームで周知されるように、ファイル交換開始メッセージをメッセージングサーバ30へ送信する(ステップ112)。メッセージングサーバ30では、グループトークルーム管理部41によって、メッセージが各携帯端末10へ送信されるが、図ではそのシーケンスについては省略している。尚、このファイル交換開始メッセージは、次のステップでの画像送信依頼が唐突にならないように送信するものであるが、不要であれば送信しなくてもよい。
【0076】
次に、印刷サーバ50のファイル登録機能61では、個別メッセージ送信部61Cが、ユーザAの個別トークルームでユーザAにファイル交換用画像を送信してもらうよう、画像送信依頼をメッセージングサーバ30へ送信する(ステップ121)。すると、メッセージングサーバ30では、個別トークルーム管理部42aが、画像送信依頼メッセージを携帯端末10aへ送信する(ステップ131)。
【0077】
また、印刷サーバ50のファイル登録機能61では、個別メッセージ送信部61Cが、ユーザBの個別トークルームでユーザBにファイル交換用画像を送信してもらうよう、画像送信依頼をメッセージングサーバ30へ送信する(ステップ122)。すると、メッセージングサーバ30では、個別トークルーム管理部42bが、画像送信依頼メッセージを携帯端末10bへ送信する(ステップ132)。
【0078】
更に、印刷サーバ50のファイル登録機能61では、個別メッセージ送信部61Cが、ユーザCの個別トークルームでユーザCにファイル交換用画像を送信してもらうよう、画像送信依頼をメッセージングサーバ30へ送信する(ステップ123)。すると、メッセージングサーバ30では、個別トークルーム管理部42cが、画像送信依頼メッセージを携帯端末10cへ送信する(ステップ133)。
【0079】
尚、ここでは、印刷サーバ50のファイル登録機能61は、各ユーザの個別トークルームに対して、個別トークルームでファイル交換用画像を送信してもらうよう画像送信依頼を送信することとした。これは、グループトークルームにおけるファイル交換指示に応じて、個別トークルームへ画像送信依頼メッセージを送信するものと捉えることができる。但し、画像送信依頼メッセージを送信する際の動作は、これには限らない。グループトークルームに対して、個別トークルームでファイル交換用画像を送信してもらうよう画像送信依頼を送信することとしてもよい。
【0080】
このとき、印刷サーバ50のファイル登録機能61では、個別画像受信部61Dが、メッセージングサーバ30から画像が送信されてくるのを待ち受ける(ステップ140)。具体的には、各ユーザの個別トークルームから画像が送信されてくるのを待ち受ける。尚、図では、グループに参加している全てのユーザから画像が送信されてくるまで待つこととしているが、必ずしも全てのユーザから画像が送信されてくるまで待つ必要はない。例えば、予め定められた期限になったら全てのユーザから画像が送信されていなくても次のステップ以降に進むようにしてもよい。また、何れのユーザからも画像が送信されなかった場合は、ファイル交換がキャンセルされた旨をグループトークルームに通知し、以降の処理を行わないようにしてもよい。
【0081】
その後、ユーザAが携帯端末10aに表示された個別トークルームでファイル交換用画像を送信する操作を行うと、携帯端末10aでは、データ送受信部22が、ファイル交換用画像をメッセージングサーバ30へ送信する(ステップ201)。すると、メッセージングサーバ30では、個別トークルーム管理部42aが、ファイル交換用画像を印刷サーバ50のファイル登録機能61へ送信する(ステップ211)。
【0082】
また、ユーザBが携帯端末10bに表示された個別トークルームでファイル交換用画像を送信する操作を行うと、携帯端末10bでは、データ送受信部22が、ファイル交換用画像をメッセージングサーバ30へ送信する(ステップ202)。すると、メッセージングサーバ30では、個別トークルーム管理部42bが、ファイル交換用画像を印刷サーバ50のファイル登録機能61へ送信する(ステップ212)。
【0083】
更に、ユーザCが携帯端末10cに表示された個別トークルームでファイル交換用画像を送信する操作を行うと、携帯端末10cでは、データ送受信部22が、ファイル交換用画像をメッセージングサーバ30へ送信する(ステップ203)。すると、メッセージングサーバ30では、個別トークルーム管理部42cが、ファイル交換用画像を印刷サーバ50のファイル登録機能61へ送信する(ステップ213)。
【0084】
次に、印刷サーバ50のファイル登録機能61では、画像統合部61Eが、メッセージングサーバ30の個別トークルーム管理部42a,42b,42cから受信したユーザA,B,Cが送信した画像を統合することにより、1つのファイルを生成する(ステップ300)。ここで、画像の統合方法は特に限定しない。例えば、3つの画像をZIP形式で圧縮して1つのファイルに統合してもよい。統合したファイルを生成せずに1つのファイルIDと複数の画像とを関連付けて管理してもよい。
【0085】
次に、ファイルID発行部61Fが、ステップ300で画像統合により生成された1つのファイルに対し、ファイルIDを発行する(ステップ400)。
【0086】
次に、対応情報生成部61Gが、対応情報を生成してデータベース63に保存する(ステップ500)。ここで、対応情報では、上述したように、ファイルIDと、ファイル保存場所と、ファイル交換フラグとが対応付けられている。また、ファイル交換フラグが「true」の場合は、ファイルが内包する画像のそれぞれについて、画像名とユーザIDとが対応付けられている。
【0087】
次いで、ファイルID送信部61Hが、ステップ400で発行されたファイルIDがグループに参加するユーザにグループトークルームで周知されるように、ファイルIDをメッセージングサーバ30へ送信する(ステップ600)。すると、メッセージングサーバ30では、グループトークルーム管理部41が、ファイルIDを携帯端末10a~10cへ送信する(ステップ611~613)。これにより、携帯端末10a~10cでは、表示制御部21が、例えば、ファイルIDが埋め込まれたQRコード(登録商標)をタッチパネル14(図2参照)に表示するように制御する。
【0088】
その後、印刷サーバ50のファイル登録機能61は、ファイル交換の準備が完了した旨がグループに参加するユーザにグループトークルームで周知されるように、ファイル交換完了メッセージをメッセージングサーバ30へ送信する(ステップ700)。メッセージングサーバ30では、グループトークルーム管理部41によって、メッセージが各携帯端末10へ送信されるが、図ではそのシーケンスについては省略している。尚、この後、ユーザは画像処理装置70で印刷操作を行うため、ファイル交換の準備が完了したことを周知する際には、印刷方法等を併せて周知するようにしてもよい。また、ファイルIDが分かれば印刷は実施できるため、このファイル交換完了メッセージは送信しなくてもよい。
【0089】
図8は、印刷システム1の印刷を行う際の動作例を示したシーケンス図である。
【0090】
まず、ユーザAが携帯端末10aにファイルIDが埋め込まれたQRコード(登録商標)を表示し、これを画像処理装置70にかざして読み込ませる操作を行うと、画像処理装置70では、ファイルID受付部82がファイルIDを受け付ける(ステップ800)。ここで、このファイルIDの画像処理装置70への入力方法は、あくまで一例であり、これには限らない。例えば、画像処理装置70の操作パネル75(図4参照)に表示されたソフトウェアキーボードを用いて入力する方法や、音声で入力する方法等を利用してもよい。また、図ではユーザAが印刷を行っているが、グループ参加者ならどのユーザが印刷を行ってもよい。
【0091】
すると、画像処理装置70では、ファイル要求部83が、ステップ800で受け付けたファイルIDを送信することにより、印刷サーバ50の印刷制御機能62にファイルを要求する(ステップ810)。
【0092】
これにより、印刷サーバ50の印刷制御機能62では、ファイルID受信部62Aが、ステップ810で送信されたファイルIDを受信し、このファイルIDをキーとしてデータベース63を検索することにより、このファイルIDに紐付けられた対応情報を取得する(ステップ811)。
【0093】
次に、ファイル取得部62Bが、ステップ811で取得された対応情報に含まれるファイル保存場所から、印刷対象となるファイルを取得する(ステップ812)。
【0094】
次いで、ファイル交換対象判定部62Cが、ステップ811で取得された対応情報に含まれるファイル交換フラグを参照して、ステップ812で取得されたファイルがファイル交換対象であるかどうかを判定する(ステップ813)。ステップ812で取得されたファイルがファイル交換対象であると判定された場合、下記処理を行い、そうでない場合はステップ812で取得されたファイルをそのまま画像処理装置70へ送信する。
【0095】
ここでは、ステップ812で取得されたファイルがファイル交換対象であると判定された場合について説明する。この場合、ユーザID要求部62Dが、ユーザIDを画像処理装置70に要求する(ステップ820)。画像処理装置70では、表示制御部81が、印刷サーバ50の印刷制御機能62からの要求を受け、ユーザIDの入力を促す指示を操作パネル75(図4参照)に表示するように制御する(ステップ821)。
【0096】
その後、ユーザAが携帯端末10aにそのユーザIDが埋め込まれたQRコード(登録商標)を表示し、これを画像処理装置70にかざして読み込ませる操作を行うと、画像処理装置70では、ユーザID受付部84がユーザIDを受け付ける(ステップ900)。ここで、このユーザIDの画像処理装置70への入力方法は、あくまで一例であり、これには限らない。例えば、画像処理装置70の操作パネル75(図4参照)に表示されたソフトウェアキーボードを用いて入力する方法や、音声で入力する方法等を利用してもよい。
【0097】
すると、画像処理装置70では、ユーザID送信部85が、ステップ900で受け付けたユーザIDを印刷サーバ50の印刷制御機能62へ送信する(ステップ910)。
【0098】
これにより、印刷サーバ50の印刷制御機能62では、当人画像除外部62Fが、ステップ910で送信されたユーザIDを受信し、このユーザIDに基づいて当人画像除外処理を行う(ステップ911)。具体的には、当人画像除外部62Fは、ステップ811で取得した対応情報に含まれる複数の画像のうち、受信したユーザIDが対応付けられた画像を特定し、ステップ812で取得したファイルからこの特定された画像を除外する。そして、ファイル送信部62Gが、当人画像除外部62Fにより当人画像が除外された後のファイルを画像処理装置70へ送信する(ステップ920)。尚、ステップ811で取得した対応情報に含まれる複数の画像の中に、受信したユーザIDが対応付けられた画像が1つも存在しない場合は、グループトークに参加していない(ファイル交換に参加していない)ユーザからの印刷要求であると見なして、印刷不可の旨を画像処理装置70へ送信してもよい。
【0099】
これにより、画像処理装置70では、ファイル受信部86が、印刷サーバ50からファイルを受信し、印刷指示部87が、受信したファイルの印刷を画像形成部77(図4参照)に指示する(ステップ921)。そして、ファイルが画像形成部77によって印刷される。
【0100】
その後、ユーザAは画像形成部77によって印刷されたファイルを受領することになる。その際、印刷されたファイルは、ユーザA以外のユーザが送信した画像を含むものとなっている。これに対し、ユーザBが印刷した場合は、ユーザB以外のユーザが送信した画像を含むファイルが印刷され、ユーザCが印刷した場合は、ユーザC以外のユーザが送信した画像を含むファイルが印刷される。
【0101】
[変形例]
上記実施の形態では、1つのグループ内でファイル交換が行われることを想定したが、実際には、複数のグループの各グループ内でファイル交換が行われる。その場合は、あるグループ内でファイル交換のために送信された画像と、別のグループ内でファイル交換のために送信された画像とが混ざり合わないようにする必要がある。
【0102】
そこで、第1の変形例では、個別画像受信部61Dが、任意のユーザから送信された画像を受信する画像受信機能を有し、画像統合部61Eが、それらの画像をルールに則って仕分けする画像仕分け機能を有するものとする。そして、ファイルID発行部61Fが、ファイルIDを発行し、対応情報生成部61Gが、画像統合部61Eによる仕分けで得られた画像群とファイルID発行部61Fにより発行されたファイルIDとを対応付けた対応情報を生成する。
【0103】
即ち、画像統合部61Eは、複数のユーザが個別に印刷サーバ50へ送信した複数の画像をルールに則って仕分ける。その後、仕分けによって得られた画像群は、ファイルIDと紐付けられて管理され、画像処理装置70からファイルIDが入力されると、このファイルIDに紐付けられた画像群が一括して印刷されることになる。
【0104】
以下、画像受信機能及び画像仕分け機能を具体的にどのような機能とするかに着目して、第1の変形例の4つの実装例を説明する。
【0105】
第1の実装例は、画像受信機能を、メッセージングサービスアプリの個別トークルームから送信された画像を受信する機能とし、画像仕分け機能を、ファイル交換指示が行われたグループトークルームに参加しているユーザからの画像のみとなるように仕分ける機能とする実装例である。尚、この実装例は、上記実施の形態で述べた実装例に相当する。
【0106】
具体的には、あるユーザが印刷サーバ50に、メッセージングサービスアプリのグループトークルーム上でファイル交換指示を送信する。これにより、印刷サーバ50は、1つのファイルIDを発行する。そして、印刷サーバ50は、グループ内の各ユーザに個別トークルームで画像を送信するよう促し、各ユーザは個別トークルームで画像を送信する。印刷サーバ50は、ファイル交換の指示が行われたグループトークルームに参加しているユーザから送信された画像を、発行されたファイルIDと紐付けて管理する。
【0107】
尚、この第1の実装例は、閲覧が制限された状態が、1以上のユーザのそれぞれが個別に使用する個別使用手段によって実現されるものであり、個別使用手段がメッセージングサービスの個々のユーザの投稿領域である場合の一例である。
【0108】
第2の実装例は、画像受信機能を、特定のメールアドレスへ送信された電子メールに添付された画像を受信する機能とし、画像仕分け機能を、ファイル交換指示で指定された複数のユーザのメールアドレスからの画像のみとなるように仕分ける機能とする実装例である。
【0109】
具体的には、あるユーザが印刷サーバ50に、複数のユーザのメールアドレスを指定してファイル交換指示を送信する。これにより、印刷サーバ50は、1つのファイルIDを発行する。そして、印刷サーバ50は、指定されたメールアドレスに対し、画像を添付して電子メールを送信するよう個々に電子メールを送信する。印刷サーバ50は、ファイル交換指示で指定されたメールアドレスからの電子メールに添付された画像を、発行されたファイルIDと紐付けて管理する。
【0110】
尚、この第2の実装例は、閲覧が制限された状態が、1以上のユーザのそれぞれが個別に使用する個別使用手段によって実現されるものであり、個別使用手段が電子メールである場合の一例である。
【0111】
第3の実装例は、画像受信機能を、印刷サーバ50にアップロードされた画像を受信する機能とし、画像仕分け機能を、グループに対するURLにアップロードされた画像のみとなるように仕分ける機能とする実装例である。
【0112】
具体的には、あるユーザが印刷サーバ50にファイル交換指示を送信する。これにより、印刷サーバ50は、1つのファイルIDとグループに対するURLとを生成し、そのユーザに応答する。そのユーザは、グループに対するURLを複数のユーザに知らせ、画像のアップロードを促す。各ユーザは知らされたURLに画像をアップロードする。印刷サーバ50は、そのURLにアップロードされた画像を、発行されたファイルIDと紐付けて管理する。
【0113】
第4の実装例は、画像受信機能を、印刷サーバ50の特定のURLにアップロードされた画像を受信する機能とし、画像仕分け機能を、グループに対する識別タグを付加して特定のURLにアップロードされた画像のみとなるように仕分ける機能とする実装例である。
【0114】
具体的には、あるユーザが印刷サーバ50にファイル交換指示を送信する。これにより、印刷サーバ50は、1つのファイルIDとグループに対する識別タグとを生成し、そのユーザに応答する。或いは、他のグループと重複しなければ、そのユーザが識別タグを指定してもよい。ここで、識別タグは識別番号であってもよい。そのユーザは、特定のURLと識別タグとを複数のユーザに知らせ、画像のアップロードを促す。各ユーザは知らされた特定のURLに画像をアップロードする。その際、各ユーザは識別タグも併せてアップロードする。印刷サーバ50は、指定された識別タグが付加されて特定のURLにアップロードされた画像を、発行されたファイルIDと紐付けて管理する。
【0115】
尚、この第3及び第4の実装例は、閲覧が制限された状態が、1以上のユーザに共通の記憶領域に1以上のデータを格納させるが、1以上のデータの他のユーザによる閲覧を制限することによって実現されるものであり、記憶領域がURLによって指定される場合の一例である。
【0116】
ところで、上記実施の形態及び第1の変形例では、時間の概念を取り入れていないため、ある時刻と別の時刻とで、ファイルIDに紐付いている画像群が同じでない可能性がある。上記実施の形態では、全てのユーザからの画像の登録を必須とし、全てのユーザからの画像の受信が完了した後にファイルIDを発行することとした。そして、ファイルIDが入力された際に、全てのユーザからの画像を印刷することで、中途半端な印刷を避けるようにした。これは、複数のデータを取得した後に、複数のデータを識別するデータ識別情報が特定のユーザに通知されるように制御し、特定のユーザからデータ識別情報を受け付けた際に、データ識別情報により識別される複数のデータが印刷されるように制御することの一例である。しかしながら、ファイルIDの発行方法及びファイルIDを入力することによるファイルの印刷方法はこれに限定されるものではない。
【0117】
以下、その他の方法を第2の変形例として説明する。
【0118】
第2の変形例としては、まず、全てのユーザからの画像の受信が完了しない状態でファイルIDを発行し、その後にユーザから受信した画像もファイルIDに紐付けることが考えられる。
【0119】
その場合、ファイルIDが入力された時点で全てのユーザからの画像の受信が完了していなければ、ファイルIDを有効とせず、ファイルを印刷しないようにしてもよい。これは、複数のデータを取得する前に、1以上のデータを識別するデータ識別情報が特定のユーザに通知されるように制御し、特定のユーザからデータ識別情報を受け付けた際に、複数のデータを取得していなければ、データ識別情報により識別される1以上のデータを印刷しないように制御することの一例である。
【0120】
或いは、ファイルIDが入力された時点で全てのユーザからの画像の受信が完了していなくても、ファイルIDを有効とし、ファイルを印刷するようにしてよい。つまり、ファイルIDが入力された時点でファイルIDに紐付いている画像を印刷することとしてよい。これは、複数のデータを取得する前に、1以上のデータを識別するデータ識別情報が特定のユーザに通知されるように制御し、特定のユーザからデータ識別情報を受け付けた際に、複数のデータを取得していなくても、データ識別情報により識別される1以上のデータが少なくとも印刷されるように制御することの一例である。そして、再度ファイルIDが入力された時点で新たに画像を受信していれば、その新たに受信した画像のみを印刷するようにしてもよい。これは、特定のユーザからデータ識別情報を2回目以降に受け付けた際に、データ識別情報により識別されることとなったデータのうち、特定のユーザからデータ識別情報を前回受け付けた際以降に取得したデータが印刷されるように制御することの一例である。但し、再度ファイルIDが入力された時点で新たに画像を受信している場合に、改めて全ての画像を印刷するようにしてもよい。
【0121】
また、第2の変形例としては、全てのユーザからの画像の受信が完了する前であっても何らかのイベントから予め定められた時間が経過すればファイルIDを発行し、その後にユーザから受信したそのイベントの識別タグが付された画像は登録しないようにすることも考えられる。その場合、ファイルIDが入力されると、何らかのイベントから予め定められた時間が経過するまでに受信した画像のみが一度の印刷操作で印刷されることになる。
【0122】
更に、上記実施の形態では、全てのユーザからの画像を含むファイルにファイルIDを紐付け、入力されたユーザIDのユーザからの画像を除外するようにした。これは、特定のユーザから取得したデータと1以上のデータとを含むデータを識別する1つのデータ識別情報が特定のユーザに通知されるように制御し、特定のユーザからデータ識別情報と特定のユーザを識別するユーザ識別情報とを受け付けた際に、データ識別情報とユーザ識別情報とにより識別される1以上のデータが印刷されるように制御することの一例である。しかしながら、特定のユーザからの画像を除外する方法はこれに限定されるものではない。
【0123】
以下、その他の方法を第3の変形例として説明する。
【0124】
第3の変形例は、全てのユーザからの画像から特定のユーザからの画像を除外した画像を含むファイルにファイルIDを紐付けるというものである。これにより、ファイルを印刷する際には特定のユーザのユーザIDを入力しなくても特定のユーザからの画像を除外した画像を含むファイルを印刷することが可能となる。これは、1以上のデータを識別する1つのデータ識別情報が特定のユーザに通知されるように制御し、特定のユーザからデータ識別情報を受け付けた際に、データ識別情報により識別される1以上のデータが印刷されるように制御することの一例である。
【0125】
[プロセッサ]
本実施の形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス等)を含むものである。
【0126】
また、本実施の形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は、本実施の形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、変更してもよい。
【0127】
[プログラム]
本実施の形態における印刷サーバ50が行う処理は、例えば、アプリケーションソフトウェア等のプログラムとして用意される。
【0128】
即ち、本実施の形態を実現するプログラムは、コンピュータに、複数のユーザが保持する複数のデータをまとめて印刷する旨の印刷要求を特定のユーザから受け付ける機能と、印刷要求の受付に応じて、複数のユーザのうちの1以上のユーザから、複数のデータのうちの1以上のデータを、その1以上のデータの他のユーザによる閲覧が制限された状態で取得する機能と、その1以上のデータが印刷されるように制御する機能とを実現させるためのプログラムとして捉えられる。
【0129】
尚、本実施の形態を実現するプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD-ROM等の記録媒体に格納して提供することも可能である。
【符号の説明】
【0130】
10…携帯端末、21…表示制御部、22…データ送受信部、30…メッセージングサーバ、41…グループトークルーム管理部、42…個別トークルーム管理部、50…印刷サーバ、61…ファイル登録機能、61A…ファイル交換指示受信部、61B…ユーザID取得部、61C…個別メッセージ送信部、61D…個別画像受信部、61E…画像統合部、61F…ファイルID発行部、61G…対応情報生成部、61H…ファイルID送信部、62…印刷制御機能、62A…ファイルID受信部、62B…ファイル取得部、62C…ファイル交換対象判定部、62D…ユーザID要求部、62E…ユーザID受信部、62F…当人画像除外部、62G…ファイル送信部、63…データベース、70…画像処理装置、81…表示制御部、82…ファイルID受付部、83…ファイル要求部、84…ユーザID受付部、85…ユーザID送信部、86…ファイル受信部、87…印刷指示部
図1
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